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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085420
(43)【公開日】2024-06-26
(54)【発明の名称】マルチステッププロセス検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/2251 20180101AFI20240619BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240619BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G01N23/2251
G03F7/20 521
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024025621
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2022546025の分割
【原出願日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】20156290.7
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】クーイマン,マーリーン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リソグラフィデバイス製造プロセスで使用するための改良されたメトロロジ方法を提供する。
【解決手段】リソグラフィで画定された2つの隣接するフィーチャは、それらのエッジにばらつきを有する。第1のスペーサ301b~301dを作成するためにコンフォーマルコーティングプロセスが実施されるとき、第1のスペーサは、リソグラフィで画定されたフィーチャのそれぞれのエッジの形状を取り、したがって直線ではない。この段階では、第1のスペーサの幅のばらつきも生じ得る可能性がある。第2のコンフォーマルコーティングプロセスで第2のスペーサ302a~302gが形成され、次いで第1のスペーサ301b~301dが除去されて最終段階に至る。
【選択図】図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチステッププロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像内のフィーチャを識別するための画像分析装置であって、
前記画像において見られるフィーチャのばらつきを分析する画像分析モジュールと、
前記分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、前記画像のフィーチャを前記マルチステッププロセスのステップに関連付ける関連付けモジュールと
を含む画像分析装置。
【請求項2】
前記ばらつきは、前記フィーチャの位置又は形状のばらつきである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ばらつきは、
前記フィーチャの重心、
前記フィーチャの幾何学的な中点、
前記フィーチャの中心線、
前記フィーチャのエッジ、
前記フィーチャの寸法、
前記フィーチャの一部の中心
の1つ又は複数の位置のばらつきである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記画像分析モジュールは、異なるフィーチャの前記ばらつき間の相関を分析する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記画像分析モジュールは、第1のフィーチャのばらつきと、n個の隣接するフィーチャのそれぞれのばらつきとの間の相関を決定し、nは、4未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記画像分析モジュールは、隣接するフィーチャのばらつき間の前記相関を決定する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記関連付けモジュールは、相関されたばらつきを有するフィーチャを同じプロセスステップに関連付ける、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記関連付けモジュールは、同様の相関レベルを有する複数のセットに前記フィーチャを分割し、及び各セットを前記プロセスステップのそれぞれの1つに関連付ける、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記画像分析モジュールは、前記画像の複数の領域であって、それぞれの領域は、複数のフィーチャを含む、複数の領域を選択し、及び異なる領域の前記フィーチャ間の相関を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
各領域は、複数の位置合わせされたフィーチャを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記分析は、前記フィーチャのそれぞれの輪郭を決定することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
走査型電子顕微鏡と、前記走査型電子顕微鏡によって生成された画像を分析する、請求項1に記載の画像分析装置とを含む検査装置。
【請求項13】
自己整合四重パターニングプロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像を分析する方法であって、
前記画像内において、複数の前記フィーチャを識別すること、
それぞれの識別されたフィーチャに特性値を割り当てることであって、前記特性値は、前記フィーチャの位置又は形状のばらつきを表す、割り当てること、
前記フィーチャを第1、第2、第3及び第4のグループにグループ化することであって、各グループは、位置合わせされたフィーチャのセットを含み、前記第1、第2、第3及び第4のグループは、その順序で互いに隣接している、グループ化すること、
前記第1のグループの前記特性値のばらつきと、前記第2のグループの前記特性値のばらつきとの間の第1の相関値を決定すること、
前記第2のグループの前記特性値のばらつきと、前記第3のグループの前記特性値のばらつきとの間の第2の相関値を決定すること、
前記第1の相関値が前記第2の相関値よりも高い場合、前記第1及び第2のグループを前記自己整合四重パターニングプロセスの第1のスペーサに関連付け、及びそうでない場合、前記第2及び第3のグループを前記自己整合四重パターニングプロセスの前記第1のスペーサに関連付けること
を含む方法。
【請求項14】
マルチステッププロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像内のフィーチャを識別するための画像分析方法であって、
前記画像において見られるフィーチャのばらつきを分析することと、
前記分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、前記画像のフィーチャを前記マルチステッププロセスのステップに関連付けることと
を含む画像分析方法。
【請求項15】
デバイス製造方法であって、
マルチステッププロセスを使用して、基板上にフィーチャのアレイを形成することと、
前記アレイの一部の画像を取得することと、
請求項14に記載の方法に従って前記画像を分析して、フィーチャを前記マルチステッププロセスのステップに関連付けることと、
前記アレイのフィーチャにおける欠陥を検出することと、
ステップへのフィーチャの前記関連付け及び前記検出された欠陥に基づいて是正アクションを実施することと
を含むデバイス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年2月10日出願の欧州特許出願公開第20156290.7号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本開示は、特にリソグラフィ装置を使用するデバイス製造のための検査方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板、通常、基板のターゲット部分に所望のパターンを施す機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用することができる。その際、パターニングデバイス(代替としてマスク又はレチクルとも呼ばれる)を使用して、ICの個々の層に形成される回路パターンを生成することができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェハ)のターゲット部分(例えば、ダイの一部、1つのダイ又はいくつかのダイを含む)に転写することができる。パターンの転写は、典型的には、基板に設けられた放射線感受性材料の層(レジスト)への結像によるものである。一般に、単一の基板は、連続してパターン形成された隣接するターゲット部分のネットワークを含む。
【0004】
[0004] リソグラフ技術における、形成することができるフィーチャのサイズを縮小(シュリンク)するという継続的な要求を満たすために、単一の光学パターニングステップで形成することができるよりも小さいサイズ又はピッチで単一の層を作成するための複数のステップを含む、様々なプロセスが提案されている。そのようなプロセスの例としては、リソ-エッチ-リソ-エッチ(LELE)、自己整合二重パターニング(SADP)及び自己整合四重パターニング(SAQP)が挙げられる。これらのプロセスは、検査及びメトロロジプロセスを難しくする。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示は、例えば、リソグラフィデバイス製造プロセスで使用するための改良されたメトロロジ方法を提供することを目的とする。
【0006】
[0006] 一実施形態によれば、マルチステッププロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像内のフィーチャを識別するための画像分析方法であって、
画像において見られるフィーチャのばらつきを分析することと、
分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、画像のフィーチャをマルチステッププロセスのステップに関連付けることと
を含む画像分析方法が提供される。
【0007】
[0007] 一実施形態によれば、デバイス製造方法であって、
マルチステッププロセスを使用して、基板上にフィーチャのアレイを形成することと、
アレイの一部の画像を取得することと、
上述したように画像を分析して、フィーチャをマルチステッププロセスのステップに関連付けることと、
アレイのフィーチャにおける欠陥を検出することと、
ステップへのフィーチャの関連付け及び検出された欠陥に基づいて是正アクションを実施することと
を含むデバイス製造方法が提供される。
【0008】
[0008] 一実施形態によれば、マルチステッププロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像内のフィーチャを識別するための画像分析装置であって、
画像において見られるフィーチャのばらつきを分析するように構成された画像分析モジュールと、
分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、画像のフィーチャをマルチステッププロセスのステップに関連付けるように構成された関連付けモジュールと
を含む画像分析装置が提供される。
【0009】
[0009] 一実施形態によれば、自己整合四重パターニングプロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像を分析する方法であって、
画像内において、複数のフィーチャを識別すること、
それぞれの識別された各フィーチャに特性値を割り当てることであって、特性値は、フィーチャの位置又は形状のばらつきを表す、割り当てること、
フィーチャを第1、第2、第3及び第4のグループにグループ化することであって、各グループは、位置合わせされたフィーチャのセットを含み、第1、第2、第3及び第4のグループは、その順序で互いに隣接している、グループ化すること、
第1のグループの特性値のばらつきと、第2のグループの特性値のばらつきとの間の第1の相関値を決定すること、
第2のグループの特性値のばらつきと、第3のグループの特性値のばらつきとの間の第2の相関値を決定すること、
第1の相関値が第2の相関値よりも高い場合、第1及び第2のグループを自己整合四重パターニングプロセスの第1のスペーサに関連付け、及びそうでない場合、第2及び第3のグループを自己整合四重パターニングプロセスの第1のスペーサに関連付けること
を含む方法が提供される。
【0010】
[0010] ここで、例として添付図面を参照していくつかの実施形態を述べる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]半導体デバイスの製造施設を形成する他の装置と共にリソグラフィ装置を示す。
図2A】[0012]自己整合四重パターニングプロセスのステップを示す。
図2B】[0012]自己整合四重パターニングプロセスのステップを示す。
図2C】[0012]自己整合四重パターニングプロセスのステップを示す。
図2D】[0012]自己整合四重パターニングプロセスのステップを示す。
図2E】[0012]自己整合四重パターニングプロセスのステップを示す。
図2F】[0012]自己整合四重パターニングプロセスのステップを示す。
図3A】[0013]自己整合四重パターニングプロセスでのエラーの影響を示す。
図3B】[0013]自己整合四重パターニングプロセスでのエラーの影響を示す。
図3C】[0013]自己整合四重パターニングプロセスでのエラーの影響を示す。
図3D】[0013]自己整合四重パターニングプロセスでのエラーの影響を示す。
図4】[0014]フィーチャのアレイの一部の画像の一例を示す。
図5】[0015]欠陥を含むフィーチャのアレイの一部の画像の一例を示す。
図6】[0016]フィーチャの輪郭を定め、フィーチャの重心を決定するためのプロセスの結果の一例を示す。
図7】[0017]複数の列へのフィーチャのグループ化を示す。
図8】[0018]デバイス製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0019] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン部片に形成された回路から構成される。多くの回路が同じシリコン部片にまとめて形成され得、集積回路又はICと呼ばれる。より多くの回路を基板に収めることができるように、これらの回路のサイズ縮小が劇的に進んでいる。例えば、スマートフォンのICチップは、親指の爪ほどの小さいサイズであり得るが、20億個を超えるトランジスタを含み得、各トランジスタのサイズは、人毛のサイズの1/1000未満である。
【0013】
[0020] これらの非常に小さいICの製造は、複雑であり、時間がかかり、費用もかかるプロセスであり、何百もの個別のステップを含むことが多い。1つのステップでエラーが発生した場合でも、完成したICに欠陥が生じ、ICが有用でなくなる可能性がある。したがって、製造プロセスの1つの目標は、そのような欠陥を避け、プロセスで作成される機能ICの数を最大化する、すなわちプロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。
【0014】
[0021] 歩留まりを向上させる1つの要素は、十分な数の機能集積回路が製造されていることを保証するために、チップ製造プロセスを監視することである。プロセスを監視する1つの方法は、チップ回路構造をそれらの形成の様々な段階で検査することである。検査は、走査型電子顕微鏡(SEM)や光学検査システムなどを使用して実行することができる。そのようなシステムを使用して、これらの構造を撮像し、実際にウェハの構造の「写真」を撮影することができ、SEMは、これらの構造の最小のものを撮像することができる。画像を使用して、構造が適切な位置に適切に形成されたかどうかを判断することができる。構造に欠陥がある場合、プロセスを調整することができ、したがって欠陥が再発する可能性が低くなる。
【0015】
[0022] チップのためのリソグラフィ製造プロセスでの重要なステップは、基板(ウェハ)にフィーチャの画像が投影される光学ステップであるが、この方法で形成することができるフィーチャの小ささには、限界がある。より一層小さいフィーチャを形成するために、光学ステップによって作成された1つのより大きいフィーチャに基づいて、化学ステップを使用していくつか(例えば、4つ)のより小さいフィーチャを構築するプロセスがある。一例では、1つのステップで1つおきのフィーチャを作成し、第2のステップでそれらの間のフィーチャを作成する。一例は、大容量メモリチップで使用されるラインである。そのようなICは、多くの場合、ラインの規則的なアレイで埋め尽くされた大きい領域を有し、フィーチャの1つに欠陥がある場合、プロセスの何れのステップで欠陥フィーチャが形成されたかを調べることが困難であり得る。フィーチャは、全て同一であると仮定されるため、特定のフィーチャが何れのステップで形成されたかを決定するために、アレイのエッジからフィーチャを数えることが必要となり得る。
【0016】
[0023] 本開示は、アレイのフィーチャの形状及び/又は位置の小さいばらつきを調べることにより、所与のフィーチャがマルチステッププロセスの何れのステップで形成されたかを識別する技法を提案する。デバイスの機能に影響を与えるか又は欠陥とみなされるほど大きくないそのようなばらつきは、それらが形成されたプロセスステップに依存する特徴を有すると本発明者は判断した。一例では、1つのプロセスステップは、そのステップで作成されたフィーチャの全てに同様のばらつきを生成し、したがってフィーチャのばらつき間の相関を調べることにより、そのステップで作成されたフィーチャを識別することが可能である。
【0017】
[0024] 実施形態を詳細に述べる前に、本明細書で開示される技法を実装することができる例示的な環境を提示することが有益である。
【0018】
[0025] 図1は、半導体製造施設の典型的なレイアウトを示す。リソグラフィ装置100は、基板に所望のパターンを施す。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用される。その際、パターニングデバイスMA(代替としてマスク又はレチクルとも呼ばれる)は、ICの個々の層に形成されるフィーチャ(多くの場合に「プロダクトフィーチャ」と呼ばれる)の回路パターンを含む。このパターンは、基板に提供される放射線感受性材料の層(レジスト)へのパターニングデバイスの露光104により、基板「W」(例えば、シリコンウェハ)のターゲット部分(例えば、ダイの一部、1つのダイ又は複数のダイを含む)に転写される。一般に、単一の基板は、連続してパターン形成された隣接するターゲット部分のネットワークを含む。
【0019】
[0026] 既知のリソグラフィ装置は、基板のターゲット部分をパターニングデバイスの像位置に同期して位置決めしながら、パターニングデバイスを照明することによって各ターゲット部分を照射する。基板の照射されたターゲット部分は、「露光フィールド」又は単に「フィールド」と呼ばれる。基板のフィールドのレイアウトは、典型的には、直交する2次元座標系に従って位置合わせされた(例えば、互いに直交するX軸及びY軸に沿って位置合わせされた)隣接する長方形又は他の形状のネットワークである。
【0020】
[0027] リソグラフィ装置の要件は、基板に所望のパターンを正確に再現することである。付与されるプロダクトフィーチャの位置及び寸法は、特定の許容範囲内である必要がある。位置エラーは、オーバーレイエラー(「オーバーレイ」と呼ばれることもある)を引き起こし得る。オーバーレイは、第1の層内の第1のプロダクトフィーチャを第2の層内の第2のプロダクトフィーチャに対して配置する際のエラーである。リソグラフィ装置は、パターン形成前に各ウェハを正確に基準に位置合わせすることにより、オーバーレイエラーを低減する。これは、基板に付されたアライメントマークの位置を測定することによって行われる。許容範囲外のオーバーレイエラーの発生を防止するために、アライメント測定に基づいて、パターニングプロセス中に基板の位置が制御される。アライメントマークは、典型的には、オーバーレイが測定される基準を生成する製品画像の一部として作成される。代替として、前に形成された層のアライメントマークを使用することができる。
【0021】
[0028] 露光104に関連して印加される線量が仕様範囲内にない場合、プロダクトフィーチャのクリティカルディメンジョン(CD)のエラーが生じ得る。このため、リソグラフィ装置100は、基板に印加される放射の線量を正確に制御できなければならない。パターン画像に関連する焦点面に対して基板が正しく位置決めされていないときにもCDエラーが生じ得る。焦点位置エラーは、通常、基板表面の非平坦性に関連している。リソグラフィ装置は、パターン形成前にレベルセンサを使用して基板表面トポグラフィを測定することにより、これらの焦点位置エラーを低減する。基板へのパターニングデバイスの正確な結像(合焦)を保証するために、後続のパターニング中に基板高さ補正が適用される。
【0022】
[0029] リソグラフィプロセスに関連するオーバーレイ及びCDエラーを検証するために、パターン形成された基板がメトロロジ装置140によって検査される。メトロロジ装置のよくある例は、散乱計及び走査型電子顕微鏡である。従来、散乱計は、専用のメトロロジターゲットの特性を測定する。これらのメトロロジターゲットは、プロダクトフィーチャを表すが、典型的には、正確な測定を可能にするために、それらの寸法は、より大きい。散乱計は、オーバーレイメトロロジターゲットに関連する回折パターンの非対称性を検出することによってオーバーレイを測定する。クリティカルディメンジョンは、CDメトロロジターゲットに関連する回折パターンの分析によって測定される。CDメトロロジターゲットは、露光された最新の層の結果を測定するために使用される。前の層と最新の層との位置の差を測定するために、オーバーレイターゲットが使用される。走査型電子顕微鏡(SEM)など、電子ビーム(eビーム)ベースの検査ツールは、多くの場合、小さいオーバーレイ及びCD値の測定において優れた結果を提供することができる。
【0023】
[0030] 半導体製造施設内では、リソグラフィ装置100及びメトロロジ装置140は、「リソセル」又は「リソクラスタ」の一部を形成する。リソクラスタは、基板Wにフォトレジストを塗布するためのコーティング装置108、ベーキング装置110、露光されたパターンを現像して物理的なレジストパターンにするための現像装置112、エッチングステーション122、エッチング後アニーリングステップを行う装置124及び場合によりさらなる処理装置126なども含む。メトロロジ装置は、現像112後又はさらなる処理(例えば、エッチング)後に基板を検査するように構成される。リソセル内の様々な装置は、監視制御システムSCSによって制御され、監視制御システムSCSは、制御信号166を発出して、リソグラフィ装置制御ユニットLACU106を介してリソグラフィ装置を制御し、レシピRを実施する。SCSは、様々な装置を操作して、最大のスループット及び製品歩留まりを与えることを可能にする。重要な制御メカニズムは、(SCSによる)様々な装置、特にリソグラフィ装置100へのメトロロジ装置140のフィードバック146である。メトロロジフィードバックの特性に基づいて、後続の基板の処理品質を改良するための補正アクションが決定される。SCSは、1つのコンピュータ又は複数のコンピュータであり得、コンピュータは、通信可能でも又はそうでなくてもよい。レシピRは、1つのレシピとして又は複数の独立したレシピとして実装することができる。例えば、エッチングなどのプロセスステップのためのレシピは、そのプロセスステップ(エッチングなど)の結果を検査するためのレシピとは完全に独立していることがある。例えば、個々のステップに関する2つ以上のレシピを相互に関連付けることができ、1つのレシピは、同じ又は異なる基板に対する別のレシピの実施の結果を考慮するように調整される。
【0024】
[0031] リソグラフィ装置の性能は、従来、例えば米国特許出願公開第2012008127A1号に記載されている高度プロセス制御(APC)などの方法によって制御及び補正される。高度プロセス制御技法は、基板に付与されるメトロロジターゲットの測定を使用する。製造実行システム(MES)は、APC測定をスケジュールし、測定結果をデータ処理ユニットに通信する。データ処理ユニットは、測定データの特性を、リソグラフィ装置のための命令を含むレシピに変換する。この方法は、リソグラフィ装置に関連するドリフト現象を抑制するのに非常に効果的である。
【0025】
[0032] 半導体製造に関して、処理装置によって行われる補正アクションのためのメトロロジデータの処理が重要である。製造プロセスをさらに最適化するために、メトロロジデータに加えて、個々のパターニングデバイス、基板、処理装置の特性及び他のコンテキストデータも必要になり得る。利用可能なメトロロジ及びコンテキストデータを使用してリソグラフィプロセス全体を最適化するフレームワークは、一般に、統合的リソグラフィの一部として表される。例えば、レチクルでのCDエラーに関するコンテキストデータを使用して、上記CDエラーが製造プロセスの歩留まりに影響を与えないように様々な装置(リソグラフィ装置、エッチングステーション)を制御することができる。次いで、後続のメトロロジデータを使用して、制御戦略の有効性を検証することができ、さらなる補正アクションを決定することができる。
【0026】
[0033] 側壁アシスト四重パターニングとも呼ばれ得る自己整合四重パターニング(SAQP)は、露光(リソグラフィ)ステップによって作成されるフィーチャのピッチの4分の1でフィーチャを作成する技法である。SAQPは、露光波長の減少を使用することなく、より高密度のピッチでライン又は規則的な穴を印刷するために開発されている。このプロセスを、図2A~2Fを参照して説明する。
【0027】
[0034] 図2A~2Fのそれぞれにおいて、左図は、プロセスステップの結果の平面図であり、右図は、断面図である。第1のステップでは、ウェハにレジストフィーチャ200、例えばラインが形成される。ラインは、3Pに等しい幅を有し、ピッチ8Pを有する同様のラインのアレイの一部である。第2のステップでは、図2Bに示されるように、レジストフィーチャ200の各側壁に第1のスペーサ201を塗布するためにコンフォーマルコーティングプロセスが実施される。コーティングプロセスは、第1のスペーサ201がそれぞれ幅Pを有するように慎重に制御される。
【0028】
[0035] 図2Cに示されるように、元のレジストフィーチャ200が除去されて2つの第1のスペーサ201を残し、ここで、スペーサ201は、幅3Pのギャップによって分離される。次いで、図2Dに示されるように、第2のコンフォーマルコーティングプロセスが実施されて、各第1のスペーサ201の両側に第2のスペーサ層202が形成される。ここでも、第2のスペーサ202がそれぞれ幅Pを有するように、コーティングプロセスが慎重に制御される。これにより、2つのスペーサクラスタ間に幅Pのギャップが残る。
【0029】
[0036] 次いで、図2Eに示されるように、第1のスペーサ201が化学的に除去され、第2のスペーサ202のみを残す。各第2のスペーサ202は、幅Pを有し、第2のスペーサ202間のギャップも幅Pを有する。したがって、元のピッチは、8Pであったが、新たなパターンのピッチは、2Pである。最後に、エッチングステップなどのパターン転写ステップが実施され、スペーサが除去され(エッチングプロセス中に除去されない場合)、図2Fに示されるようなトレンチ203のセットが得られる。
【0030】
[0037] 上記のプロセスは、SAQPプロセスの理想化された形態を表していることを理解されたい。実際には、理想的な(又は公称の)パターンから、フィーチャの位置(例えばオーバーレイによる)及び/又は幅(CDエラー)のばらつきが多少ある。したがって、オーバーレイ、CD及びCD均一性(CDu)エラー並びにランダムな変動及び欠陥により、リソグラフィで画定されたフィーチャ200は、直線でないエッジを有する可能性がある。この影響は、図3A~Dに示され、ここでは、公称フィーチャサイズからのばらつきが誇張されている。
【0031】
[0038] 図3Aは、リソグラフィで画定された2つの隣接するフィーチャ300a、300b、この例ではラインを示し、フィーチャ300a、300bは、それらのエッジにばらつきを有する。図3Bに示されるように、第1のスペーサ301a~301dを作成するためにコンフォーマルコーティングプロセスが実施されるとき、第1のスペーサは、リソグラフィで画定されたフィーチャ300a、bのそれぞれのエッジの形状を取り、したがって直線ではない。この段階では、第1のスペーサの幅のばらつきも生じ得る可能性がある。図3Cに示されるように、第2のコンフォーマルコーティングプロセスで第2のスペーサ302a~302gが形成され、次いで第1のスペーサ301a~301dが除去されて、図3Dに示される最終段階に至る。図3では、均等な行に0、1、2及び3の数字が付されている。
【0032】
[0039] ばらつきが生じた場合、最終パターンの何れのラインが中間プロセスステップの何れのラインに対応するかを知ることは、リソグラフィ実施者にとって価値があることであり、なぜなら、これにより、リソグラフィ実施者は、何れのプロセスステップが最もエラーを生じやすいか、したがって何れのプロセスステップを最適化すべきかを確認できるからである。ラインが最終パターンでどのようになったかを見出すための1つの手法は、アドレス指定されたSEM画像、すなわちパターン内の既知の位置のSEM画像を取得することである。しかし、多くの場合、SEMのアドレス指定の精度は、画像内の位置に基づいて、ラインの区別について信頼性を提供するのに十分ではない。図4は、そのような画像がどのように見えるかを示す概略図である。ライン幅は、約20~30nmであり得るため、そのオーダーのSEM画像の位置決めエラーが画像内のラインの帰属の誤った判断につながることがわかる。図5は、図4と同様の概略図であるが、一部のフィーチャが結合して欠陥を形成している場合を示す。
【0033】
[0040] 図4及び5は、切断プロセスステップが実施された後のフィーチャのアレイを示し、したがって、元のラインフィーチャは、より短いが、依然として細長い複数のラインセグメントにそれぞれ分割されていることに留意されたい。本技法は、切断ステップ前のラインのアレイの画像又は切断ステップ後のフィーチャのアレイの画像に適用することができる。切断ステップ後の適用の場合、同じラインフィーチャに由来する列又は領域内のラインセグメントをグループ化し、1つのフィーチャとして扱うことができる。細長いフィーチャのパターンは、リソグラフィ装置のx軸又はy軸の何れかと位置合わせされているか、又は中間の角度におけるフィーチャを有し得ることに留意されたい。SEMの座標系は、リソグラフィ装置の座標系と揃うことが望ましいが、必ずしもそうである必要はない。
【0034】
[0041] ラインの区別についてより高い確実性を提供し得る方法は、アレイの境界を撮像し、境界からラインをカウントして、ラインの区別を決定することである。しかし、この手法は、アレイのごく一部のみを撮像することができ、またアレイの境界自体がエラーを起こしやすい場合があるという欠点を有する。さらに、アレイの側面又は隅を撮像するのみでは、全体を代表するものにならないことがある。
【0035】
[0042] したがって、本開示は、アレイ内の何れのラインがマルチステッププロセスの何れのプロセスステップに関連付けられているか、例えば何れのギャップがSAQPプロセスでの第1のスペーサに対応しているかを、隣接するラインの配置のばらつきを相関させることによって決定する方法を提供する。
【0036】
[0043] ここで開示する技法は、様々なマルチステッププロセス、すなわちリソグラフィで画定された単一のフィーチャが追加のプロセスステップを経て最終デバイスでの複数のフィーチャに変換されるプロセスに適用可能である。本技法は、マルチステッププロセスがコンフォーマルコーティングプロセス、すなわち一定の幅又は厚さの層を形成するプロセスを含む場合に特に適用可能である。
【0037】
[0044] 図3Dから、0及び1で示されるラインは、同様の輪郭を有し、同じ変動を有することがわかる。この理由は、堆積ステップがALD(原子層堆積)で行われるとき、通常、非常にコンフォーマルであるためである。したがって、生じる配置のばらつきは、第1のリソグラフィステップ(図3A)で印刷された左側のラインの左側での元のラインエッジラフネス(LER)と同じであり、これらのライン間のギャップは、第1のスペーサ301aに対応する。したがって、ライン0及び1間の配置の変動の相関は、高いと予想される。
【0038】
[0045] 同じ理由で、ライン2及び3間の配置の相関は、高いと予想され、ライン1及び2間又はライン3及び0間の配置の相関は、より低いか又は有意でないと予想される。したがって、近隣のライン間の配置の相関を決定することにより、近隣のラインの4つの対(0-1、1-2、2-3、3-4)の2つの相関が大きく、他の2つの対では相関が小さいことが予想される。ここで、大きい相関は、第1のスペーサによるギャップに対応する。
【0039】
[0046] ここで、図8を参照してより詳細な例示的な手順を述べる。
【0040】
[0047] 単一の層でのフィーチャのアレイを含むパターンが基板に形成され(S1)、走査型電子顕微鏡又は同様のツールを使用して撮像される(S2)。パターンは、SAQPなどのマルチステッププロセスで形成され、マルチステッププロセスの異なるステップによって異なるフィーチャ又はフィーチャの一部を画定することができる。撮像ステップは、例えば、エッチングフィーチャによってパターンが基板に転写された後又は依然としてスペーサなどの犠牲フィーチャによってパターンが画定されているときに実施することができる。
【0041】
[0048] SEMからの画像の処理は、構造の輪郭を定め(S3)、次いで各構造の中心を決定するプロセスから始まる。画像内の物体の輪郭を決定するための任意の適切なアルゴリズムを使用することができる。特に、輪郭を定めるべき構造の形状に特に適合されたアルゴリズムを選択することが望ましい。フィーチャの中心は、その重心として定義することができるが、フィーチャの中心の他の定義も可能である。例として、領域の中心、幾何学的な中点(すなわちx及びyなど2つの直交する方向での輪郭の端点間の中間の点)、中心線が挙げられる。本発明は、エッジの位置又は寸法の大きさ、例えばライン幅など、フィーチャの他の特性を利用することもできる。フィーチャの一部に関して中心点又は中心線を定義することができる。平均位置を計算するために、点、例えば境界点に重み付けを適用することができる。
【0042】
[0049] いくつかの場合、特に決定された重心のグリッド歪みを、静的及び時変のSEMの寄与と、ウェハでの実際の歪みとに分解することにより、SEM画像から歪みを除去する(S4)ことが望ましいことがある。これに適した方法は、欧州特許出願公開第18210026.3号に記載されており、この文献は、参照により本明細書に援用される。歪みの除去は、輪郭を定めて重心を決定する前に行うこともできるが、重心で実施される場合、必要な処理量が減少される。歪みを除去しないと、プロセスにおいて後に取得及び使用される相関値の差は、なくなりはしないにしても減少され得る。
【0043】
[0050] 次のステップは、構造の全てのラインにラベル付けする(S5)、例えば番号付けすることである。適切なラベル付け方式は、0、1、2、3、0、1、2などを含む。何れのラインを0と呼ぶかは、任意である。
【0044】
[0051] 次いで、所与のラインでの構造と、そのラインに並ぶ複数のラインでの複数の近隣の構造との間の多重相関係数が決定される(S6)。これは、図7に示されており、図7は、ラベル付きのフィーチャの列(又はグループ)を示し、各フィーチャの中心が×印で示されている。多重相関係数を決定するために、近隣のラインでの穴の位置変動によって説明される、所与のラインでの構造の配置のずれの部分について、以下のように相関ベクトルを定義する。
【数1】
ここで、P_leftは、左の穴の配置であり、P_(right,i)は、右にi番目に隣接する配置であり、rは、相関係数である。
【0045】
[0052] さらに、右のラインQでの近隣の構造の相関行列を以下のように定義する。
【数2】
次いで、以下の式によって多重相関係数を計算することができる。
【数3】
【0046】
[0053] SAQPを使用して形成されたパターンのインスタンスの15の異なる画像を使用して行われた実験では、近隣のラインの2つの対間で大きいRが観察されたが、他の2つの対では小さい相関が観察された。より大きい相関を有するライン対は、第1のスペーサに関連付けられ、より小さい相関を有するライン対は、第2のスペーサに関連付けられる(S7)。
【0047】
[0054] SEMによって撮像されたパターンの欠陥が検出される(S8)。欠陥検出は、ラインを特定のプロセスステップに関連付けるために、上記のステップ前、その後又はそれと並行して実施することができる。何れのフィーチャが何れのプロセスステップ及び欠陥位置に関連付けられているかについての知識を組み合わせることにより、取るべき是正アクションを決定する(S9)ことが可能である。是正アクションの可能な形態は、後続の基板に適用すべきプロセスを調整することから、既に処理された基板を再加工することまで様々であり得る。いくつかの場合、同じ基板で実施される後続のステップの調節によって欠陥に対処することができる。いくつかの場合、是正アクションは、規格外の基板を廃棄した後、基板にさらなる処理を実施することを含み得る。歩留り若しくはスループットを向上させるか、又は他に検出された欠陥に対処することを意図された任意のアクションを是正アクションとみなすことができる。
【0048】
[0055] 本明細書に開示される技法で使用され得る他のフィーチャは、SADP及びSAQPプロセスに関する切断を含む。本明細書で述べる技法を使用して、そのような切断されたフィーチャの配置の相関を分析することが可能である。
【0049】
[0056] 別の可能性は、切断が行われる前にラインを測定し、相関のパワースペクトル密度(PSD)を決定することである。これは、様々なフィーチャを識別するためにより強い信号を提供することができ、したがって、より小さいLERでの「より良好な印刷」の場合のためにより重要であり得る。
【0050】
[0057] また、LERのPSDの高周波成分を全てのエッジについて調べることができる。具体的には、いくつかの場合、リソグラフィで画定された元のラインの内側と外側とで高周波成分の相違があることが予想され、したがってリソグラフィで画定された元のラインの位置(ギャップ1-2又はギャップ3-0)を決定することもできる。
【0051】
[0058] したがって、本明細書で述べる技法により、SEMの良好なアドレス指定がなくても、第1のスペーサからのギャップ並びにリソグラフィで画定された元のパターンのライン及びスペースを区別することができる。
【0052】
[0059] 特定の技法を上述してきたが、本開示は、上述したもの以外の方法でも実施され得ることを理解されたい。
【0053】
[0060] 一実施形態は、図1に示されるような様々な装置に、上述したような測定及び最適化ステップを実施して後続の露光プロセスを制御するように命令するように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラムを含むことができる。このコンピュータプログラムは、例えば、図1の制御ユニットLACU若しくは監視制御システムSCS又は両方の組合せにおいて実行することができる。また、そのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク又は光ディスク)も提供することができる。
【0054】
[0061] 上記では光リソグラフィに特に言及してきたが、本明細書で開示する技法は、インプリントリソグラフィなどの他の用途にも使用され得ることを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスでのトポグラフィは、基板に作成されるパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジストの層に書き込まれ得、レジストは、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを加えることによって硬化される。パターニングデバイスは、レジストから移動され、レジストが硬化された後にレジストにパターンを残す。
【0055】
[0062] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外(UV)放射(例えば、約365、355、248、193、157又は126nmの波長を有する)及び極紫外(EUV)放射(例えば、1~100nmの範囲の波長を有する)及びイオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームを含む全てのタイプの電磁放射を包含する。散乱計及び他の検査装置の実装は、適切な放射源を使用してUV及びEUV波長で行うことができ、本開示は、IR及び可視放射を使用するシステムに限定されない。
【0056】
[0063] 「レンズ」という用語は、文脈が許す限り、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントの任意の1つ又は組合せを表し得る。反射コンポーネントは、UV及び/又はEUV範囲で動作する装置で使用されることが多い。
【0057】
[0064] 本明細書で使用するとき、用語「又は」は、特に断りのない限り、実現不可能な場合を除き、全ての可能な組合せを包含する。例えば、コンポーネントがA又はBを含み得ると記載される場合、特に断りのない限り又は実現不可能でない限り、コンポーネントは、A若しくはB又はA及びBを含み得る。第2の例として、コンポーネントがA、B又はCを含み得ると記載される場合、特に断りのない限り又は実現不可能でない限り、コンポーネントは、A、若しくはB、若しくはC、若しくはA及びB、若しくはA及びC、若しくはB及びC又はA、B及びCを含み得る。
【0058】
[0065] 以下の番号付きの条項に本開示のいくつかの態様を記載する。
1.マルチステッププロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像内のフィーチャを識別するための画像分析方法であって、
画像において見られるフィーチャのばらつきを分析することと、
分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、画像のフィーチャをマルチステッププロセスのステップに関連付けることと
を含む画像分析方法。
2.ばらつきは、フィーチャの位置又は形状のばらつきである、条項1に記載の方法。
3.ばらつきは、
・フィーチャの重心、
・フィーチャの幾何学的な中点、
・フィーチャの中心線、
・フィーチャのエッジ、
・フィーチャの寸法、
・フィーチャの一部の中心
の1つ又は複数の位置のばらつきである、条項2に記載の方法。
4.分析は、異なるフィーチャのばらつき間の相関を分析することを含む、条項1~3の何れか一項に記載の方法。
5.分析は、第1のフィーチャのばらつきと、n個の隣接するフィーチャのそれぞれのばらつきとの間の相関を決定することを含み、nは、4未満である、条項4に記載の方法。
6.分析は、隣接するフィーチャのばらつき間の相関を決定することを含む、条項4に記載の方法。
7.関連付けは、相関されるばらつきを有するフィーチャを同じプロセスステップに関連付ける、条項4、5又は6に記載の方法。
8.関連付けは、同様の相関レベルを有する複数のセットにフィーチャを分割し、及び各セットをプロセスステップのそれぞれの1つに関連付ける、条項4、5、6又は7に記載の方法。
9.分析は、画像の複数の領域であって、それぞれの領域は、複数のフィーチャを含む、複数の領域を選択し、及び異なる領域のフィーチャ間の相関を決定する、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
10.各領域は、複数の位置合わせされたフィーチャを含む、条項9に記載の方法。
11.マルチステッププロセスは、コンフォーマル堆積のステップを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
12.分析は、フィーチャのそれぞれの輪郭を決定することを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
13.画像は、走査型電子顕微鏡によって得られた画像である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
14.デバイス製造方法であって、
マルチステッププロセスを使用して、基板上にフィーチャのアレイを形成することと、
アレイの一部の画像を取得することと、
条項1~13の何れか一項に記載の方法に従って画像を分析して、フィーチャをマルチステッププロセスのステップに関連付けることと、
アレイのフィーチャにおける欠陥を検出することと、
ステップへのフィーチャの関連付け及び検出された欠陥に基づいて是正アクションを実施することと
を含むデバイス製造方法。
15.マルチステッププロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像内のフィーチャを識別するための画像分析装置であって、
画像において見えるフィーチャのばらつきを分析するように構成された画像分析モジュールと、
分析の結果に少なくとも部分的に基づいて、画像のフィーチャをマルチステッププロセスのステップに関連付けるように構成された関連付けモジュールと
を含む画像分析装置。
16.ばらつきは、フィーチャの位置又は形状のばらつきである、条項15に記載の装置。
17.ばらつきは、
・フィーチャの重心、
・フィーチャの幾何学的な中点、
・フィーチャの中心線、
・フィーチャのエッジ、
・フィーチャの寸法、
・フィーチャの一部の中心
の1つ又は複数の位置のばらつきである、条項16に記載の装置。
18.画像分析モジュールは、異なるフィーチャのばらつき間の相関を分析するように構成される、条項15~17の何れか一項に記載の装置。
19.画像分析モジュールは、第1のフィーチャのばらつきと、n個の隣接するフィーチャのそれぞれのばらつきとの間の相関を決定するように構成され、nは、4未満である、条項15~17の何れか一項に記載の装置。
20.画像分析モジュールは、隣接するフィーチャのばらつき間の相関を決定するように構成される、条項18に記載の装置。
21.関連付けモジュールは、相関されたばらつきを有するフィーチャを同じプロセスステップに関連付けるように構成される、条項18、19又は20に記載の装置。
22.関連付けモジュールは、同様の相関レベルを有する複数のセットにフィーチャを分割し、及び各セットをプロセスステップのそれぞれの1つに関連付けるように構成される、条項18~21の何れか一項に記載の装置。
23.画像分析モジュールは、画像の複数の領域であって、それぞれの領域は、複数のフィーチャを含む、複数の領域を選択し、及び異なる領域のフィーチャ間の相関を決定するように構成される、条項15~22の何れか一項に記載の装置。
24.各領域は、複数の位置合わせされたフィーチャを含む、条項22に記載の装置。
25.マルチステッププロセスは、コンフォーマル堆積のステップを含む、条項15~24の何れか一項に記載の装置。
26.分析は、フィーチャのそれぞれの輪郭を決定することを含む、条項15~25の何れか一項に記載の装置。
27.走査型電子顕微鏡と、走査型電子顕微鏡によって生成された画像を分析するように構成されている、条項15~26の何れか一項に記載の画像分析装置とを含む検査装置。
28.自己整合四重パターニングプロセスによって形成されたフィーチャのアレイの一部の画像を分析する方法であって、
画像内において、複数のフィーチャを識別すること、
それぞれの識別されたフィーチャに特性値を割り当てることであって、特性値は、フィーチャの位置又は形状のばらつきを表す、割り当てること、
フィーチャを第1、第2、第3及び第4のグループにグループ化することであって、各グループは、位置合わせされたフィーチャのセットを含み、第1、第2、第3及び第4のグループは、その順序で互いに隣接している、グループ化すること、
第1のグループの特性値のばらつきと、第2のグループの特性値のばらつきとの間の第1の相関値を決定すること、
第2のグループの特性値のばらつきと、第3のグループの特性値のばらつきとの間の第2の相関値を決定すること、
第1の相関値が第2の相関値よりも高い場合、第1及び第2のグループを自己整合四重パターニングプロセスの第1のスペーサに関連付け、及びそうでない場合、第2及び第3のグループを自己整合四重パターニングプロセスの第1のスペーサに関連付けること
を含む方法。
29.特性値は、
・フィーチャの重心の位置、
・フィーチャの幾何学的な中点の位置、
・フィーチャの中心線の位置、
・フィーチャのエッジの位置、
・フィーチャの寸法、
・フィーチャの一部の中心の位置
の1つである、条項17に記載の方法。
30.フィーチャは、切断を伴う又は伴わないラインフィーチャである、条項28又は29に記載の方法。
31.コンフォーマルコーティングのステップを含む製造プロセスを使用して、印刷されたフィーチャの1つのエッジから生成されたフィーチャの対を識別する方法であって、
複数のフィーチャを分析して、フィーチャの隣接する対間の相関を決定することと、
相関に基づいて、フィーチャの対が両方とも、コンフォーマルコーティングが塗布された印刷されたフィーチャの1つのエッジに基づいて生成されたことを決定することと
を含む方法。
32.相関に基づいて、欠陥の作成に関与する製造プロセスにおけるステップを決定することをさらに含む、条項31に記載の方法。
33.分析は、異なるフィーチャの配置を分析することを含む、条項32又は33に記載の方法。
34.コンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに、条項1~13又は28~33の何れか一項による方法を実施するように指示するコンピュータ可読コード手段を含むコンピュータプログラム。
【0059】
本明細書に開示される技法の範疇及び範囲は、上述した例示的実施形態の何れによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムによって実行されると、前記コンピュータシステムに、
コンフォーマルコーティングのステップを含む製造プロセスを使用して、印刷されたフィーチャの1つのエッジから生成されたフィーチャの対を識別する方法であって、
複数のフィーチャを分析して、フィーチャの隣接する対間の相関を決定することと、
前記相関に基づいて、前記複数のフィーチャの対が両方とも、コンフォーマルコーティングが塗布された印刷されたフィーチャの1つのエッジに基づいて生成されたことを決定することと
を含む方法を実施するように指示するコンピュータ可読コード手段を含むコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記分析は、前記複数のフィーチャの輪郭又は形状のばらつきを分析することを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記分析は、前記複数のフィーチャの位置又は配置のばらつきを分析することを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記ばらつきは、
前記複数のフィーチャの重心、
前記複数のフィーチャの幾何学的な中点、
前記複数のフィーチャの中心線、
前記複数のフィーチャのエッジ、
前記複数のフィーチャの寸法、
前記複数のフィーチャの一部の中心
の1つ又は複数の位置のばらつきである、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記複数のフィーチャは、基板上に形成され、前記分析は、走査型電子顕微鏡によって得られた前記基板の画像において見られる前記複数のフィーチャのばらつきを分析することを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記複数のフィーチャのそれぞれは、ラインフィーチャを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記複数のフィーチャのそれぞれは、ラインと位置合わせされた複数の細長いセグメントを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記印刷されたフィーチャの前記エッジは、直線でないエッジであり、前記複数のフィーチャの前記決定された対の輪郭又は位置のばらつきは、前記直線でないエッジに起因する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記相関に基づいて、同様の相関レベルを有する複数のセットに前記複数のフィーチャを分割し、及び各セットを前記製造プロセスにおける前記プロセスステップのそれぞれの1つに関連付けることをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記複数のフィーチャにおける欠陥を検出することと、
前記相関に基づいて、前記欠陥の作成に関与する前記製造プロセスにおけるプロセスステップを決定することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【外国語明細書】