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特開2024-85586記録媒体処理装置、画像形成システム、記録媒体処理方法、及び、記録媒体処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085586
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】記録媒体処理装置、画像形成システム、記録媒体処理方法、及び、記録媒体処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240620BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B41J29/38 206
B65H37/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200176
(22)【出願日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】田村 尚之
【テーマコード(参考)】
2C061
3F108
【Fターム(参考)】
2C061AS02
2C061AS08
2C061AS13
2C061HJ04
2C061HJ10
2C061HK06
2C061HK11
3F108GA01
3F108GB07
(57)【要約】
【課題】記録媒体処理装置を設定する手間を少なくする。
【解決手段】記録媒体に対して所定処理を、設定条件に基づいて行う記録媒体処理装置は、前記記録媒体に形成される特徴部位を検知する検知部と、前記特徴部位の検知結果に基づき、前記設定条件を設定する設定部と、前記設定条件に基づき、前記所定処理を行う処理部とを備える。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対して所定処理を、設定条件に基づいて行う記録媒体処理装置であって、
前記記録媒体に形成される特徴部位を検知する検知部と、
前記特徴部位の検知結果に基づき、前記設定条件を設定する設定部と、
前記設定条件に基づき、前記所定処理を行う処理部と
を備える記録媒体処理装置。
【請求項2】
前記特徴部位は、
前記記録媒体を搬送する搬送方向へ1列に形成される
請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項3】
前記検知部は、複数であり、
前記特徴部位は、
前記記録媒体を搬送する搬送方向へ2列以上形成される
請求項1に記載の記録媒体処理装置。
【請求項4】
前記特徴部位は、
前記記録媒体の後端を検知する条件となる距離条件より短い大きさである
請求項1又は請求項2に記載の記録媒体処理装置。
【請求項5】
前記距離条件は、
前記記録媒体を検知しない距離が20ミリメートル以上連続すると判断すると、前記後端であると判断する条件であり、
前記特徴部位は、
20ミリメートル未満の大きさである
請求項4に記載の記録媒体処理装置。
【請求項6】
外部装置から指示がなくとも単独で前記所定処理を行う記録媒体処理装置であって、
前記特徴部位は、切り欠きであり、
前記切り欠きのパターンを前記設定条件に対応付けて記憶する記憶部を更に備え、
前記外部装置は、画像形成装置であり、
前記所定処理は、前記画像形成装置が画像形成した後の前記記録媒体に対して行う後処理であり、
前記検知部は、前記切り欠きの有無を検知し、かつ、前記記録媒体の先端、及び、後端を検知し、
前記設定条件は、モード、前記所定処理の対象となる前記記録媒体の枚数、又は、前記記録媒体に対してパンチ処理を行うか否かを示すパンチ設定を含み、
前記検知結果は、前記切り欠きが前記記録媒体の所定位置に形成されているか否かを示し、
前記パターンは、前記検知結果が示す前記切り欠きが形成されている位置の組み合わせで定まる
請求項1又は請求項2に記載の記録媒体処理装置。
【請求項7】
記録媒体に対して所定処理を、設定条件に基づいて行う記録媒体処理装置と、
前記記録媒体に対して画像形成を行う画像形成装置とを有する画像形成システムであって、
前記記録媒体処理装置は、
前記記録媒体に形成される特徴部位を検知する検知部と、
前記特徴部位の検知結果に基づき、前記設定条件を設定する設定部と、
前記設定条件に基づき、前記所定処理を行う処理部とを備える
画像形成システム。
【請求項8】
記録媒体に対して所定処理を、設定条件に基づいて行う記録媒体処理装置が行う記録媒体処理方法であって、
前記記録媒体に形成される特徴部位を検知する検知手順と、
前記特徴部位の検知結果に基づき、前記設定条件を設定する設定手順と、
前記設定条件に基づき、前記所定処理を行う処理手順と
含む記録媒体処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の記録媒体処理方法を実行するための記録媒体処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体処理装置、画像形成システム、記録媒体処理方法、及び、記録媒体処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の記録媒体処理装置には、モード、紙種、サイズ、及び、カラー印刷等の設定がある。これらの設定を装置に対して簡易かつ迅速に行う技術が知られている。
【0003】
具体的には、まず、複数種類の設定カードを用意する。使用者は、この設定カードから使用者の印刷用途に応じた設定カードを選んでスロットに挿入する。そして、この設定カードの凹凸、空部、又は、厚みを検出する。このような検出結果に基づき、プリンタは、印刷条件を設定する。このようにして、操作に不慣れな使用者に対し、ユーザーフレンドリーな記録装置を提供する技術が知られている(例えば、特許文献1等である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、設定をするために、設定用のセンサ、又は、装置を追加で設置する。このため、記録媒体処理装置の設定を行うのに手間がかかる課題がある。
【0005】
本発明は、上記に示す課題に鑑みて、記録媒体処理装置を設定する手間を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、記録媒体処理装置は、
記録媒体に対して所定処理を、設定条件に基づいて行う記録媒体処理装置であって、
前記記録媒体に形成される特徴部位を検知する検知部と、
前記特徴部位の検知結果に基づき、前記設定条件を設定する設定部と、
前記設定条件に基づき、前記所定処理を行う処理部と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、記録媒体処理装置を設定する手間を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成システムの構成例を示す図である。
図2】記録媒体処理装置の例を示す図である。
図3】検知部の第1配置例を示す図である。
図4】記録媒体、及び、特徴部位の第1例を示す図である。
図5】第1パターンの設定例を示す図である。
図6】第2パターンの設定例を示す図である。
図7】第3パターンの設定例を示す図である。
図8】設定条件の設定例を示す図である。
図9】記録媒体、及び、特徴部位の第2例を示す図である。
図10】第4パターンの設定例を示す図である。
図11】第5パターンの設定例を示す図である。
図12】第6パターンの設定例を示す図である。
図13】記録媒体の先端における処理例を示す図である。
図14】設定処理の処理例を示す図である。
図15】記録媒体の後端における処理例を示す図である。
図16】距離条件の例を示す図である。
図17】機能構成例を示す図である。
図18】オンライン装置の比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。
【0010】
[画像形成システムの構成例]
図1は、画像形成システムの構成例を示す図である。例えば、画像形成システム100は、フィニッシャー101、及び、画像形成装置102を有する。なお、画像形成システム100は、フィニッシャー101、及び、画像形成装置102以外の装置を有してもよい。以下、画像形成システム100がフィニッシャー101、及び、画像形成装置102で構成される例で説明する。
【0011】
以下、記録媒体が用紙である例で説明する。用紙は、上流となる画像形成装置102で画像が形成された後、下流に位置するフィニッシャー101に搬送される。
【0012】
また、以下の説明では、用紙が搬送される搬送方向を「Y軸」とする。そして、搬送方向に直交する直交方向を「X軸」とする。さらに、X-Y平面に対して垂直となる垂直方向を「Z軸」とする。また、X軸は、用紙の幅と同じ方向である。
【0013】
フィニッシャー101は、記録媒体処理装置の例である。フィニッシャー101は、例えば、用紙の仕分け、折り畳み、ステープラ止め、又は、パンチ処理等の後処理を行う。なお、記録媒体処理装置は、フィニッシャー101に限られない。例えば、記録媒体処理装置は、用紙の加工、乾燥、又は、製本等の処理を行ってもよい。したがって、記録媒体処理装置は、事前に設定する所定処理であれば処理内容は問わない。
【0014】
画像形成装置102は、フィニッシャー101より上流で前処理、及び、画像形成処理等を行う装置である。そして、画像形成装置102によって画像形成が完了した後、用紙は、フィニッシャー101に搬送される。
【0015】
フィニッシャー101は、画像形成装置102等の外部装置に対して「オフライン」である。例えば、そのため、フィニッシャー101は、画像形成装置102とケーブルで接続していない構成である。フィニッシャー101は、外部装置から指示がなくとも、単独で所定処理を実行する。したがって、フィニッシャー101には、所定処理を実行させるための設定条件を設定する。そして、フィニッシャー101は、上流から用紙が搬送されると、設定条件に基づいて所定処理を実行する。
【0016】
このように、オフラインの構成とすると、例えば、フィニッシャー101、及び、画像形成装置102が異なるメーカであっても組み合わせて使用できる。
【0017】
[記録媒体処理装置の例]
図2は、記録媒体処理装置の例を示す図である。例えば、フィニッシャー101は、以下のような処理を行う装置である。
【0018】
フィニッシャー101は、上流から搬送される用紙を受け入れる。フィニッシャー101は、画像形成装置102から搬送される画像形成がされた後の用紙Pを受け入れる導入経路1を有する。そして、フィニッシャー101は、導入経路1から分岐する3つの経路、すなわち、プルーフトレイ6へ向かう上搬送経路2と、シフト処理、端綴じ、又は、2箇所綴じ処理を行うストレート搬送経路3と、中綴じ・折り処理を行う下搬送経路4とを有する。
【0019】
導入経路1には、入口ローラ10、及び、入口センサ13が配置される。そして、入口センサ13は、用紙Pがフィニッシャー101へ搬入されたことを検知する。次に、入口ローラ10より下流に、水平搬送ローラ11、及び、水平搬送センサ15が配置される。そして、水平搬送センサ15は、用紙Pがストレート搬送経路3へ搬入されたことを検知する。
【0020】
導入経路1の終端となる分岐部に位置する第1分岐爪7及び第2分岐爪8は、回動することにより、上搬送経路2、ストレート搬送経路3、又は、下搬送経路4のうち、いずれかに用紙Pを搬送させる。
【0021】
フィニッシャー101は、用紙Pを排出する。上搬送経路2は、用紙Pをプルーフトレイ6へ搬送する経路である。例えば、第1分岐爪7で進行方向を変えられた用紙Pがプルーフトレイ6へと排出される。
【0022】
フィニッシャー101は、シフト排出、及び、シフト動作を行う。まず、上搬送経路2には、中間搬送ローラ12が配置される。これを経て、ストレート搬送経路3へと用紙Pは搬送される。
【0023】
ストレート搬送経路3には、排紙ローラ26、及び、排紙センサ28が配置される。シフト/ソートモードの設定では、シフト機構を有する中間搬送ローラ12が駆動装置により、搬送中に搬送方向と直角方向に一定量移動することによって用紙Pは一定量シフトする。次に、排紙ローラ26により、排紙トレイ5に排紙され、用紙Pは順次スタックされていく。
【0024】
排紙トレイ5への排紙口は、排紙ローラ26、及び、従動ローラ27によって、用紙P又は用紙束を挟持して排出するローラ対の構造である。これは、排紙ローラ26及び従動ローラ27を備える排紙ガイド板の接離動作によって、用紙P又は用紙束を排出可能な閉状態と、挟持しない開状態とを選択できる構造である。この構造により、シフト動作が完了した後、用紙Pは、挟持して排出される。
【0025】
フィニッシャー101は、トレイを上下させる動作を行う。まず、排紙口の上方には、フィラー40が設けられる。
【0026】
フィラー40は、用紙Pがスタックされた場合に、回動するように配置される。また、フィラー40の先端は、用紙Pの上面に接する。一方で、フィラー40の根元には、フィラー40の先端の高さを検知する上面検知センサが配置される。上面検知センサにより、スタックされた用紙Pの紙面高さを検知する。
【0027】
排紙トレイ5上にスタックされる枚数の増大により、用紙高さが高くなると、上面検知センサが検知する。そして、制御装置によって、排紙トレイ5を上下動させる駆動装置が制御されて、排紙トレイ5が下降する。その後、排紙トレイ5が下降し、上面検知センサが検知しなくなると、排紙トレイ5は下降を停止する。
【0028】
フィニッシャー101は、端綴じ処理を行う。まず、ストレート搬送経路3に、ステープルトレイ21が配置される。また、戻しローラ41は、振り子運動を行って用紙Pに当接する。そして、第1後端フェンス24、及び、第2後端フェンス25に用紙Pの後端を突き当てて、用紙束を揃える。
【0029】
ステープルトレイ21上に、第1ジョガー22、及び、第2ジョガー23が設置される。第1ジョガー22、及び、第2ジョガー23は、X軸の方向に動き、ステープルトレイ21上に排出された用紙Pの幅方向位置を揃える。
【0030】
以上のように、フィニッシャー101は、ステープルトレイ21上に排出された用紙束を揃えてスタックする。揃えられた用紙束は、端綴じモードでは、ステープラ50がX軸の方向に動き、用紙束の下縁部をステープルする処理を行う。その後、放出爪29は、用紙束を排出する排出処理を行う。また、排紙ローラ26、及び、従動ローラ27は、排出中に用紙束を挟持して、排紙トレイ5上に用紙束を整えて排出する。
【0031】
フィニッシャー101は、中綴じ・折り処理を行う。まず、下搬送経路4への搬送は、用紙Pがストレート搬送経路3を通過した後、用紙先端検知センサ14が用紙の後端を検知することにより、用紙Pが下搬送経路4の分岐を通過するのを待つ。そして、第2分岐爪8が切り替わる。次に、第2分岐爪8が切り替わると、中間搬送ローラ12が逆回転する。この逆回転により、用紙Pをスイッチバックさせて、用紙Pは、下搬送経路4へ搬送される。
【0032】
下搬送経路4には、第1中綴じ搬送ローラ61、第2中綴じ搬送ローラ62、第3中綴じ搬送ローラ63、及び、中綴じステープラ51が配置される。
【0033】
中綴じ処理を行う場合は、用紙Pを中綴じ位置まで搬送する。次に、用紙Pは、中央に綴じ処理が行われる。続いて、第1中綴じ搬送ローラ61、及び、第2中綴じ搬送ローラ62により、用紙Pは、用紙折りストッパ64に搬送される。さらに、用紙Pは、用紙折りブレード71、及び、用紙折り板72によって、中折り処理される。その後、用紙Pは、中折り排紙ローラ73によって中綴じトレイ9に排出される。
【0034】
フィニッシャー101は、穿孔処理を行う。まず、入口ローラ10の下流に、穿孔ユニットBが配置される。穿孔ユニットBは、レジスト検知装置と、レジストズレを考慮して適所に穿孔処理を行う穿孔処理装置を有する。また、穿孔処理を行う場合は、用紙Pの適所に穿孔処理を行う。
【0035】
なお、穿孔処理、中綴じ・折り処理、又は、中綴じ・折り排出を行う装置は、着脱可能な構成となっており、使用者のニーズに応じた後処理が可能となる構成である。
【0036】
Central Processing Unit(以下「CPU65」という。)は、演算装置、及び、制御装置の例である。CPU65は、プログラム等に基づき、処理、及び、制御を実行する。
【0037】
記憶装置66は、例えば、メモリ、及び、ハードディスク等である。ゆえに、記憶装置66は、データを記憶する。
【0038】
また、フィニッシャー101は、上記以外の装置を有する構成でもよい。さらに、フィニッシャー101は、複数の装置で構成してもよい。
【0039】
[検知部の第1配置例]
図3は、検知部の第1配置例を示す図である。図3は、フィニッシャー101を上面から見た概要図である。
【0040】
例えば、フィニッシャー101は、3つのセンサを備える構成である。以下、上流から下流に向かって、第1センサ201、第2センサ202、及び、第3センサ203という。なお、各センサは、入口センサ13等を兼ねるのが望ましい。
【0041】
第1センサ201、第2センサ202、及び、第3センサ203は、X軸において相互に異なる位置で検知を行うように配置される。具体的には、第1センサ201は、第1ライン211上を検知する。同様に、第2センサ202は、第2ライン212上を検知する。さらに、第3センサ203は、第3ライン213上を検知する。
【0042】
第1ライン211、第2ライン212、及び、第3ライン213は、X軸においてオフセットのあるラインである。
【0043】
第1センサ201、第2センサ202、及び、第3センサ203を設置した状態に対し、搬送ローラ204が設置される。搬送ローラ204は、用紙PをY軸の方向へ搬送する。
【0044】
[記録媒体、及び、特徴部位の第1例]
図4は、記録媒体、及び、特徴部位の第1例を示す図である。上記に示す検知部の第1配置例に対し、以下のような用紙Pを用いる。
【0045】
用紙Pには、事前に加工されてセンサが有無を検知できる部位(以下「特徴部位」という。)が形成される。特徴部位は、用紙Pの一部分のみを切り抜き加工、あるいは、抜き落し加工を施して形成される部分に相当し、用紙Pの搬送方向において始点と終点を有する形状の部分をいう。すなわち、特徴部位は、用紙Pの搬送方向において特定の距離を有して形成されているものとなる。また、特徴部位には、用紙Pの一部分に対する加工により形成できた溝や切込み部も含む。具体的には、本実施形態に係る切り欠き300が特徴部位の一例である。なお、特徴部位の具体的な形状は特定のものに限定することはなく、センサによって存在の有無を検知できるように形成された部位であれば、その種類を問わない。
【0046】
本実施形態において、切り欠き300は、第1ライン211、第2ライン212、及び、第3ライン213のライン上に3列、すなわち、第1センサ201、第2センサ202、及び、第3センサ203に検知される位置に形成される。
【0047】
各センサは、切り欠き300がある(したがって、用紙Pに穴がある。)と、「OFF」の検知結果を出力し、かつ、各センサは、切り欠き300がない(したがって、用紙Pに何も加工がなく、用紙Pが検知される。)と、「ON」の検知結果を出力する例で説明する。
【0048】
切り欠き300は、ラインごとに、複数の切り欠き300の有無を組み合わせたパターンとなる。以下、パターンが4つの切り欠き300の有無を組み合わせである場合を例に説明する。ただし、パターンは、事前に設定できれば、4つの切り欠き300以外でもよい。
【0049】
第1ライン211に対応するパターンを「第1パターン301」という。同様に、第2ライン212に対応するパターンを「第2パターン302」という。さらに、第3ライン213に対応するパターンを「第3パターン303」という。以下、各パターンは、以下のような設定条件を設定するのに用いるとする。なお、各パターンが、どの設定条件に対応するかは事前にユーザが設定する。
【0050】
第1パターン301は、枚数の設定条件に対応する。したがって、第1パターン301によって、用紙Pが何枚で1束となるかが定まる。
【0051】
第2パターン302は、モードの設定条件に対応する。したがって、第2パターン302によって、フィニッシャー101が実行するモードが定まる。
【0052】
第3パターン303は、パンチの設定条件に対応する。したがって、第3パターン303によって、パンチ処理を行うか否かが定まる。
【0053】
各パターンを構成する切り欠き300のうち、最初に検知される切り欠き300が形成される位置を「第1箇所311」という。以下、順に「第2箇所312」、「第3箇所313」、「第4箇所314」とする。第1箇所311乃至第4箇所314は、切り欠き300を形成する所定位置の例である。第1箇所311乃至第4箇所314は、X軸において同一の位置となる。
【0054】
第1パターン301乃至第3パターン303に対し、フィニッシャー101は、以下のようなデータを事前に記憶する。
【0055】
図5は、第1パターンの設定例を示す図である。第1ライン211上の「第1箇所」乃至「第4箇所」に形成する切り欠き300の有無を検知した検知結果を「ON」又は「OFF」とする。そして、検知結果に対応する設定条件を「設定条件」に入力する。
【0056】
図4に示す第1パターン301では、第1ライン211上において、第1箇所311は、切り欠き300がないため、「ON」となる。次に、第2箇所312は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。続いて、第3箇所313は、切り欠き300がないため、「ON」となる。さらに、第4箇所314は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。したがって、第1パターン301は、順に「ON」、「OFF」、「ON」、「OFF」と検知される。この検知結果に基づき、枚数が「10枚」と設定される。
【0057】
図6は、第2パターンの設定例を示す図である。図5と同様に、第2ライン212上の「第1箇所」乃至「第4箇所」に形成する切り欠き300の有無を検知した検知結果を「ON」又は「OFF」とする。そして、検知結果に対応する設定条件を「設定条件」に入力する。
【0058】
図4に示す第2パターン302では、第2ライン212上において、第1箇所311は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。次に、第2箇所312は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。続いて、第3箇所313は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。さらに、第4箇所314は、切り欠き300がないため、「ON」となる。したがって、第2パターン302は、順に「OFF」、「OFF」、「OFF」、「ON」と検知される。この検知結果に基づき、モードが「2カ所綴じ」と設定される。
【0059】
図7は、第3パターンの設定例を示す図である。図5と同様に、第3ライン213上の「第1箇所」乃至「第4箇所」に形成する切り欠き300の有無を検知した検知結果を「ON」又は「OFF」とする。そして、検知結果に対応する設定条件を「設定条件」に入力する。
【0060】
図4に示す第3パターン303では、第3ライン213上において、第1箇所311は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。次に、第2箇所312は、切り欠き300がないため、「ON」となる。続いて、第3箇所313は、切り欠き300がないため、「ON」となる。さらに、第4箇所314は、切り欠き300がないため、「ON」となる。したがって、第3パターン303は、順に「OFF」、「ON」、「ON」、「ON」と検知される。この検知結果に基づき、パンチ設定が「パンチあり」と設定される。
【0061】
図8は、設定条件の設定例を示す図である。図4に示す用紙Pを用いると、各パターンによって、各設定条件が図5乃至図7のように設定される。
【0062】
したがって、フィニッシャー101は、枚数を「10枚」、モードを「2カ所綴じ」、及び、パンチ設定を「パンチあり」とする設定条件で所定処理を行う。例えば、このように設定条件を設定し、初期設定を変更する。ただし、初期設定以外の場合(例えば、処理の途中等である。)でも、設定条件は変更できてよい。
【0063】
センサは、例えば、光センサである。ただし、センサは、特徴部位を検知できれば種類を問わない。ゆえに、センサは、特徴部位によって異なる。
【0064】
なお、センサの数は、3つに限られない。したがって、センサの数は、2つ以上であればよい。このように、センサの数が複数であれば、特徴部位は、2列以上形成される。
【0065】
[検知部の第2配置例]
センサは1つであってもよい。センサが1つの場合には、用紙P、及び、切り欠き300は、例えば、以下のようになる。
【0066】
図9は、記録媒体、及び、特徴部位の第2例を示す図である。第1例と比較すると、第2例では、切り欠き300は、Y軸の方向に1列に形成される点が異なる。具体的には、切り欠き300は、第4ライン350上に形成される。
【0067】
第4ライン350は、センサが切り欠き300の有無を検知するラインである。切り欠き300は、「第1箇所311」乃至「第12箇所322」の位置に形成される。
【0068】
「第1箇所311」乃至「第12箇所322」の12箇所のうち、第1箇所311、第2箇所312、第3箇所313、及び、第4箇所314の4つで「第4パターン351」を構成する。第4パターン351は、モードの設定条件に対応する。したがって、第4パターン351によって、フィニッシャー101が実行するモードが定まる。
【0069】
「第1箇所311」乃至「第12箇所322」の12箇所のうち、第5箇所315、第6箇所316、第7箇所317、及び、第8箇所318の4つで「第5パターン352」を構成する。第5パターン352は、枚数の設定条件に対応する。したがって、第5パターン352によって、用紙Pが何枚で1束となるかが定まる。
【0070】
「第1箇所311」乃至「第12箇所322」の12箇所のうち、第9箇所319、第10箇所320、第11箇所321、及び、第12箇所322の4つで「第6パターン353」を構成する。第6パターン353は、パンチの設定条件に対応する。したがって、第6パターン353によって、パンチ処理を行うか否かが定まる。
【0071】
第4パターン351乃至第6パターン353に対し、フィニッシャー101は、以下のようなデータを事前に記憶する。
【0072】
図10は、第4パターンの設定例を示す図である。第4ライン350上の「第1箇所」乃至「第4箇所」に形成する切り欠き300の有無を検知した検知結果を「ON」又は「OFF」とする。そして、検知結果に対応する設定条件を「設定条件」に入力する。
【0073】
図9に示す第4パターン351では、第4ライン350上において、第1箇所311は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。次に、第2箇所312は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。続いて、第3箇所313は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。さらに、第4箇所314は、切り欠き300がないため、「ON」となる。したがって、第4パターン351は、順に「OFF」、「OFF」、「OFF」、「ON」と検知される。この検知結果に基づき、モードが「2カ所綴じ」と設定される。
【0074】
図11は、第5パターンの設定例を示す図である。第4ライン350上の「第5箇所」乃至「第8箇所」に形成する切り欠き300の有無を検知した検知結果を「ON」又は「OFF」とする。そして、検知結果に対応する設定条件を「設定条件」に入力する。
【0075】
図9に示す第5パターン352では、第4ライン350上において、第5箇所315は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。次に、第6箇所316は、切り欠き300がないため、「ON」となる。続いて、第7箇所317は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。さらに、第8箇所318は、切り欠き300がないため、「ON」となる。したがって、第5パターン352は、順に「OFF」、「ON」、「OFF」、「ON」と検知される。この検知結果に基づき、枚数が「5枚」と設定される。
【0076】
図12は、第6パターンの設定例を示す図である。第4ライン350上の「第9箇所」乃至「第12箇所」に形成する切り欠き300の有無を検知した検知結果を「ON」又は「OFF」とする。そして、検知結果に対応する設定条件を「設定条件」に入力する。
【0077】
図9に示す第6パターン353では、第4ライン350上において、第9箇所319は、切り欠き300があるため、「OFF」となる。次に、第10箇所320は、切り欠き300がないため、「ON」となる。続いて、第11箇所321は、切り欠き300がないため、「ON」となる。さらに、第12箇所322は、切り欠き300がないため、「ON」となる。したがって、第6パターン353は、順に「OFF」、「ON」、「ON」、「ON」と検知される。この検知結果に基づき、パンチ設定が「パンチあり」と設定される。
【0078】
なお、各パターンは、4つの特徴部位で構成するに限られない。すなわち、各パターンは、特徴部位が4つ未満、又は、5つ以上でもよい。また、各パターンは、構成する特徴部位の数が異なってもよい。
【0079】
[記録媒体処理方法の例]
図13は、記録媒体の先端における処理例を示す図である。フィニッシャー101は、記録媒体の先端部分(以下単に「先端」という。)付近において以下のように処理を行う。
【0080】
ステップS101では、フィニッシャー101は、センサがONとなったか否かを判断する。まず、フィニッシャー101は、用紙Pを検知するセンサを備える。なお、センサは、第1センサ201でもよいし、先端を検知する用に設置されたものでもよい。
【0081】
そして、用紙Pが所定の位置まで搬送されてくると、センサが用紙Pを検知する。用紙Pは、先端からセンサの検知範囲に到着する。そのため、センサは、用紙Pの部分のうち、まず先端の部分を検知する。
【0082】
センサがONとなると(ステップS101でYES)、フィニッシャー101は、ステップS102に進む。一方で、センサがONでないと(ステップS101でNO)、フィニッシャー101は、ステップS101を繰り返す。
【0083】
ステップS102では、フィニッシャー101は、用紙Pの搬送を開始する。例えば、フィニッシャー101は、ステップS101で検知された用紙Pを図3に示すようなセンサが設置されている箇所へ搬送する。
【0084】
ステップS103では、フィニッシャー101は、設定処理を開始する。ステップS103は、例えば、図14に示す処理である。
【0085】
図14は、設定処理の処理例を示す図である。例えば、設定処理は、フィニッシャー101の初期設定をする場合等に実行する処理である。初期設定の設定条件に対応する切り欠き300を形成した用紙Pをセットし、図13に示すような処理が実行されると、設定処理が実行されて初期設定となる設定条件が設定される。
【0086】
ステップS201では、フィニッシャー101は、切り欠きの開始位置か否かを判断する。例えば、図4に示す例では、最初に搬送されてくる切り欠き300、すなわち、第1箇所311の位置は、用紙Pの先端からの距離を事前に決めておくため、用紙Pの搬送速度が定まっていれば、どのタイミングで第1箇所311がセンサの検知範囲に到達するかが定まる。したがって、フィニッシャー101は、切り欠きの開始位置が到達するタイミングになったか否かをタイマ等で判断する。
【0087】
切り欠きの開始位置となると(ステップS201でYES)、フィニッシャー101は、ステップS202に進む。一方で、切り欠きの開始位置でないと(ステップS201でNO)、フィニッシャー101は、ステップS201を繰り返す。
【0088】
ステップS202では、フィニッシャー101は、切り欠きの有無を判断する。図4又は図9に示すように、切り欠き300は、第1箇所311以降、Y軸の方向に一定の間隔となるように形成する。したがって、フィニッシャー101は、第2箇所312以降の一定の間隔ごとに切り欠き300の有無を検知する。
【0089】
切り欠き300があると(ステップS202で有)、フィニッシャー101は、ステップS203に進む。一方で、切り欠き300がないと(ステップS202で無)、フィニッシャー101は、ステップS206を繰り返す。
【0090】
ステップS203では、フィニッシャー101は、「切り欠き有」の検知結果を出力する。
【0091】
ステップS204では、フィニッシャー101は、次の切り欠きか否かを判断する。すなわち、フィニッシャー101は、用紙Pを搬送して次の切り欠き300が形成される位置に到達したか否かを判断する。
【0092】
次の切り欠き300の位置と判断されると(ステップS204でYES)、フィニッシャー101は、ステップS205に進む。一方で、次の切り欠き300の位置でないと(ステップS204でNO)、フィニッシャー101は、ステップS204を繰り返す。
【0093】
ステップS205では、フィニッシャー101は、全パターンの取得が完了したか否かを判断する。図4又は図9に示すように、切り欠き300が形成される位置、及び、数は事前に定まっている。したがって、全パターンの切り欠き300が全て検知されたか否かは、切り欠き300の数、又は、用紙Pを搬送させた距離等から判断できる。
【0094】
全パターンの取得が完了したと判断されると(ステップS205でYES)、フィニッシャー101は、設定処理を終了する。一方で、全パターンの取得が完了していないと(ステップS205でNO)、フィニッシャー101は、ステップS202に進む。
【0095】
ステップS206では、フィニッシャー101は、「切り欠き有」の検知結果を出力する。
【0096】
図15は、記録媒体の後端における処理例を示す図である。フィニッシャー101は、以下のような処理を行って、記録媒体の後端(以下単に「後端」という。)を検知するのが望ましい。
【0097】
ステップS301では、フィニッシャー101は、センサが「OFF」であるか否かを判断する。切り欠き300がある、又は、後端が通過すると、センサは、用紙Pを検知できなくなるため、「OFF」となる。
【0098】
センサが「OFF」となると(ステップS302でYES)、フィニッシャー101は、ステップS302に進む。一方で、センサが「OFF」でないと(ステップS302でNO)、フィニッシャー101は、ステップS301を繰り返す。
【0099】
ステップS302では、フィニッシャー101は、距離条件を満たすか否かを判断する。
【0100】
距離条件は、センサの出力の変化を用いて後端を検知するための条件である。センサは、後端が通過した場合以外に、切り欠き300があっても「OFF」となる。したがって、センサが「OFF」になるのは、後端がセンサの位置を通過した場合、又は、用紙Pに形成されている特徴部位がセンサの位置を通過した場合にある。そこで、フィニッシャー101は、あるタイミングでセンサが「OFF」になったときが、後端の通過であるか、又は、切り欠き300であるかを判断する必要がある。
【0101】
センサが「OFF」の場合において、後端の通過か、又は、切り欠き300があるかのどちらであるかを判断するための条件として「距離条件」を用いることにする。すなわち、連続して搬送される複数の用紙Pの搬送間隔において生ずる空隙の寸法(先行する用紙Pの後端と、後続する用紙Pの先端との距離に相当する。)を、特徴部位の搬送方向における大きさ(搬送方向において用紙Pが欠落する距離に相当する。)よりも大きくする。そして、センサが「OFF」になった場合の用紙Pの搬送距離を距離条件に照らして、後端であるか、又は、特徴部位であるかを判断する。以下、距離条件の例示をしつつ、後端又は特徴部位とする判断について説明する。
【0102】
図16は、距離条件の例を示す図である。以下、図示するように、2つの切り欠き300でパターンを構成する場合を例に説明する。また、以下の例では、切り欠き300の形状を正方形とする例で説明する。
【0103】
最初の切り欠き300は、第1箇所311に形成される。次の切り欠き300は、第2箇所312に形成される。
【0104】
第1箇所311は、先端400(すなわち、センサが初めて「ON」と検知する位置である。)から、開始距離L1の位置を中心とした最初の切り欠き300を形成する位置である。開始距離L1は、事前に定める。
【0105】
第1箇所311以降は、切り欠き300が一定間隔L2ごとに形成される。したがって、用紙Pを搬送する搬送速度に基づき、一定間隔L2に対応する周期で切り欠き300を監視すると、各切り欠き300の有無が検知できる。
【0106】
切り欠き300は、一定の幅L3の大きさで形成される。切り欠き300の形状が正方形、又は、長方形の場合には、切り欠き300の大きさは、幅L3である。すなわち、切り欠き300の大きさは、用紙Pの搬送方向における切り欠き部分の長さに相当するものといえる。ただし、特徴部位は、例えば、円形等でもよい。そして、切り欠き300の形状が円形の場合には、切り欠き300の大きさは、直径である。このように、切り欠き300の大きさは、Y軸の方向に加工された距離をいう。
【0107】
距離条件を「20ミリメートル」とした場合、フィニッシャー101は、センサが「OFF」、つまり、用紙Pが検知できない距離が20ミリメートル以上連続する場合に、距離条件を満たす(ステップS302でYES)と判断する。したがって、センサが「OFF」の距離が20ミリメートル以上連続すると判断すると、後端401であると判断する。なお、距離条件は、他の条件が設定できてもよい。
【0108】
このような距離条件に対し、切り欠き300は、幅L3が20ミリメートル未満となるように形成されるのが望ましい。このように、距離条件より小さい大きさに特徴部位が形成されると、後端401の誤検知を少なくできる。
【0109】
また、パンチ穴といった特徴部位は、20ミリメートル以上の大きさは形成するのが難しい場合が多い。したがって、特徴部位の大きさは、20ミリメートル未満が望ましい。
【0110】
なお、特徴部位の大きさは、幅L3に限られない。例えば、特徴部位が円形である場合には、特徴部位の大きさは、直径である。
【0111】
以上のように、フィニッシャー101は、距離条件に基づいて後端401を検知する。また、この距離条件に対し、特徴部位の大きさを定めて特徴部位を形成するのが望ましい。
【0112】
ステップS303では、フィニッシャー101は、搬送を停止する。
【0113】
ステップS304では、フィニッシャー101は、検知結果に基づき、設定条件を設定する。以降、フィニッシャー101は、ステップS304で設定した設定条件に基づき、所定処理を行う。
【0114】
[機能構成例]
図17は、機能構成例を示す図である。例えば、フィニッシャー101は、検知部501、設定部502、及び、処理部503を備える。また、フィニッシャー101は、記憶部504を更に備えるのが望ましい。
【0115】
検知部501は、記録媒体に形成される特徴部位を検知する検知手順を行う。例えば、検知部501は、センサで実現する。
【0116】
設定部502は、特徴部位の検知結果に基づき、設定条件を設定する設定手順を行う。例えば、設定部502は、CPU65等で実現する。
【0117】
処理部503は、設定条件に基づき、所定処理を行う処理手順を行う。例えば、処理部503は、CPU65等で実現する。
【0118】
記憶部504は、パターンを設定条件に対応付けて記憶する記憶手順を行う。例えば、記憶部504は、記憶装置66等で実現する。
【0119】
以上のような構成であると、記録媒体に設定したい設定条件のパターンに対応する特徴部位を形成することで、フィニッシャー101に設定条件を設定できる。入口センサ13等の既に搭載されているセンサを用いるため、特別な装置を追加することなく、オフライン機であっても、容易に設定条件を設定でき、記録媒体処理装置を設定する手間を少なくできる。また、切り欠き300等であれば、一般的な事務用品でも形成できるため、容易に形成できる。
【0120】
[オンライン機の比較例]
図18は、オンライン装置の比較例を示す図である。比較システム600では、フィニッシャー101と画像形成装置102を接続するケーブル601がある。
【0121】
ケーブル601によって、フィニッシャー101の設定は、画像形成装置102が指示する。このような構成は、フィニッシャー101と画像形成装置102の組み合わせが限定される場合がある。
【0122】
[その他の実施形態]
記録媒体は、例えば、用紙(「普通紙」等ともいう。)である。ただし、記録媒体は、用紙以外のコート紙、ラベル紙等の他、オーバヘッドプロジェクタシート、フィルム、又は、可撓性を持つ薄板等でもよい。すなわち、記録媒体の素材は、インク滴が付着可能、一時的に付着可能、付着して固着、又は、付着して浸透する材質等であればよい。具体的には、記録媒体は、用紙、フィルム、若しくは、布等の被記録媒体、電子基板、圧電素子(「圧電部材」等ともいう。)等の電子部品、粉体層(「粉末層」等ともいう。)、臓器モデル、又は、検査用セル等である。また、3次元的な物体が形成されてもよい。このように、記録媒体の材質は、液体が付着可能であって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又は、これらの組み合わせ等であればよい。また、液体は、上記の用途に応じて、インク以外の種類である、記録液、定着処理液、又は、樹脂等が含まれてもよい。
【0123】
上記手順による記録媒体処理方法は、例えば、コンピュータに処理を実行させて実現させる。なお、本発明に係る記録媒体処理方法は、上記に示す以外の処理が含まれてもよい。また、記録媒体処理方法は、一部の処理を外部装置による処理又は操作等で実行される方法を含む。
【0124】
上記の記録媒体処理方法は、上記に例示する処理、又は、上記に示す処理と等価な処理を実行する記録媒体処理プログラム(ファームウェア、及び、プログラムに準ずるものを含む。以下単に「プログラム」という。)で実現されてもよい。
【0125】
すなわち、上記の記録媒体処理方法は、コンピュータに対して指令を行って所定の結果が得られるように、プログラミング言語等で記載されたプログラム等で実現されてもよい。なお、プログラムは、処理の一部をIC(集積回路、Integrated Circuit)等のハードウェア等で実行する構成であってもよい。
【0126】
プログラムは、コンピュータが有する演算装置、制御装置、及び、記憶装置等を協働させて上記に示す処理等をコンピュータに実行させる。すなわち、プログラムは、主記憶装置等にロードされて、演算装置に命令を発して演算を行わせてコンピュータを動作させる。
【0127】
また、プログラムは、コンピュータが読み込み可能な記録媒体、又は、ネットワーク等の電気通信回線を介して提供されてもよい。
【0128】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
【0129】
<1>記録媒体に対して所定処理を、設定条件に基づいて行う記録媒体処理装置であって、
前記記録媒体に形成される特徴部位を検知する検知部と、
前記特徴部位の検知結果に基づき、前記設定条件を設定する設定部と、
前記設定条件に基づき、前記所定処理を行う処理部と
を備える記録媒体処理装置である。
【0130】
<2>前記特徴部位は、
前記記録媒体を搬送する搬送方向へ1列に形成される
上記<1>に記載の記録媒体処理装置である。
【0131】
<3>前記検知部は、複数であり、
前記特徴部位は、
前記記録媒体を搬送する搬送方向へ2列以上形成される
上記<1>に記載の記録媒体処理装置である。
【0132】
<4>前記特徴部位は、
前記記録媒体の後端を検知する条件となる距離条件より短い大きさである
上記<1>乃至<3>のいずれかに記載の記録媒体処理装置である。
【0133】
<5>前記距離条件は、
前記記録媒体を検知しない距離が20ミリメートル以上連続すると判断すると、前記後端であると判断する条件であり、
前記特徴部位は、
20ミリメートル未満の大きさである
上記<4>に記載の記録媒体処理装置である。
【0134】
<6>外部装置から指示がなくとも単独で前記所定処理を行う記録媒体処理装置であって、
前記特徴部位は、切り欠きであり、
前記切り欠きのパターンを前記設定条件に対応付けて記憶する記憶部を更に備え、
前記外部装置は、画像形成装置であり、
前記所定処理は、前記画像形成装置が画像形成した後の前記記録媒体に対して行う後処理であり、
前記検知部は、前記切り欠きの有無を検知し、かつ、前記記録媒体の先端、及び、後端を検知し、
前記設定条件は、モード、前記所定処理の対象となる前記記録媒体の枚数、又は、前記記録媒体に対してパンチ処理を行うか否かを示すパンチ設定を含み、
前記検知結果は、前記切り欠きが前記記録媒体の所定位置に形成されているか否かを示し、
前記パターンは、前記検知結果が示す前記切り欠きが形成されている位置の組み合わせで定まる
上記<1>乃至<5>のいずれかに記載の記録媒体処理装置である。
【0135】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、上記に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現で可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
100 :画像形成システム
101 :フィニッシャー
102 :画像形成装置
201 :第1センサ
202 :第2センサ
203 :第3センサ
211 :第1ライン
212 :第2ライン
213 :第3ライン
350 :第4ライン
300 :切り欠き
301 :第1パターン
302 :第2パターン
303 :第3パターン
351 :第4パターン
352 :第5パターン
353 :第6パターン
400 :先端
401 :後端
501 :検知部
502 :設定部
503 :処理部
504 :記憶部
L1 :開始距離
L2 :一定間隔
P :用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】
【特許文献1】特開2014-159120号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18