IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三建産業株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人広島大学の特許一覧

<>
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図1
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図2
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図3
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図4
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図5
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図6
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図7
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図8
  • 特開-アンモニア燃焼バーナ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024085821
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】アンモニア燃焼バーナ
(51)【国際特許分類】
   F23D 17/00 20060101AFI20240620BHJP
   F23C 1/00 20060101ALI20240620BHJP
   F23D 14/22 20060101ALI20240620BHJP
   F23D 14/02 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
F23D17/00 A
F23C1/00 301
F23D14/22 Z
F23D14/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200567
(22)【出願日】2022-12-15
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】592017002
【氏名又は名称】三建産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(72)【発明者】
【氏名】岸村 司
(72)【発明者】
【氏名】三宅 智久
(72)【発明者】
【氏名】下栗 大右
【テーマコード(参考)】
3K017
3K019
3K065
3K091
【Fターム(参考)】
3K017AA01
3K017AA02
3K017AB05
3K017AB06
3K017AC02
3K017AE00
3K019AA01
3K019AA02
3K019BA02
3K019BA03
3K019BB02
3K019CA00
3K065QB11
3K065QC03
3K065RA01
3K091AA17
3K091AA20
3K091BB07
3K091BB26
3K091CC06
3K091CC23
(57)【要約】
【課題】構造が簡易で製造コストが廉価であり、アンモニアの燃焼効率に優れたアンモニア燃焼バーナを提供する。
【解決手段】金属加熱処理炉1においてアンモニアを燃料として燃焼させるバーナであり、中心部に配置され、アンモニアを噴射するセンターノズル11と、センターノズル11の外周側に配置され、炭化水素系燃料を噴射する複数のサイドノズル12と、複数のサイドノズル12を外側から取り囲むように配置される環状で、空気を、複数のサイドノズル12から噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように噴射する環状の環状空気噴射口13aを有する空気噴射ノズル13を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属加熱処理炉においてアンモニアを燃料として燃焼させるバーナであって、
中心部に配置され、アンモニアを噴射するセンターノズルと、
前記センターノズルの外周側に配置され、炭化水素系燃料を噴射する複数のサイドノズルと、
前記複数のサイドノズルを外側から取り囲むように配置される環状で、空気を、前記複数のサイドノズルから噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように噴射する環状の環状空気噴射口を有する空気噴射ノズルを、備えることを特徴とするアンモニア燃焼バーナ。
【請求項2】
金属加熱処理炉においてアンモニアを燃料として燃焼させるバーナであって、
中心部に配置され、アンモニアを噴射するセンターノズルと、
前記センターノズルの外周側に配置され、炭化水素系燃料を噴射する複数のサイドノズルと、
前記複数のサイドノズルのすべてを外側から取り囲むように同一円周上に離散的に配置され、空気を、前記複数のサイドノズルから噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように噴射する複数の空気噴射口を有する空気噴射ノズルを、備えることを特徴とするアンモニア燃焼バーナ。
【請求項3】
前記複数のサイドノズルから噴射する炭化水素系燃料にアンモニアを混合したことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア燃焼バーナ。
【請求項4】
前記複数のサイドノズルから噴射する炭化水素系燃料に空気を混合したことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア燃焼バーナ。
【請求項5】
前記複数のサイドノズルに近接する位置から空気を噴射する空気噴射口を有する第二空気噴射ノズルをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア燃焼バーナ。
【請求項6】
前記複数のサイドノズルのそれぞれが、前記センターノズルから等距離に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア燃焼バーナ。
【請求項7】
前記複数のサイドノズルのそれぞれが、前記センターノズルの外周側において、周方向に等間隔で配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア燃焼バーナ。
【請求項8】
前記センターノズルの中心と前記複数のサイドノズルのそれぞれの中心とを結ぶ直線上において、前記空気噴射ノズルと前記複数のサイドノズルのそれぞれとの距離が、前記複数のサイドノズルのそれぞれと前記センターノズルとの距離よりも短いことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア燃焼バーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアを燃料として燃焼させるバーナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化抑制の観点から、燃焼しても二酸化炭素を発生しないアンモニアが新たな燃料として注目を集めているが、アンモニアを化石燃料と混合したりアンモニアだけで燃焼させると窒素酸化物の排出量が増大することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の燃焼装置は、石炭にアンモニアを加えて燃焼する場合の窒素酸化物増大の課題を解決すべく創案されている。
【0004】
こうした点を補うために、図6に示すように、バーナ自体の構造を変えるのではなく、バーナに形成された混合気体流路21にアンモニアを供給するアンモニア供給手段22の他に、運転条件によりアンモニアの供給を制御する制御手段23と、アンモニア供給手段22から送られるアンモニアを混合気体流路21及び投入部24に分配する分配手段25およびそれに対応した複数の分配搬送路26を、バーナの外部に設ける構造としている。そして、制御手段23によって分配手段25におけるアンモニアの分配状況を制御するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7020759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の燃焼用バーナは、ノズルに形成した混合気体流路21にアンモニアを送るアンモニア供給手段22に加えて、分配手段25およびそれに伴う複数の分配搬送路26、さらには分配手段25を制御するための制御手段23を設けているので、構造が複雑で大掛かりであり、製造コストが嵩むといった問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、構造が簡易で製造コストが廉価であり、アンモニアの燃焼効率に優れたアンモニア燃焼バーナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のアンモニア燃焼バーナ(10)は、
金属加熱炉(1)においてアンモニアを燃料として燃焼させるバーナであって、
中心部に配置され、アンモニアを噴射するセンターノズル(11)と、
前記センターノズル(11)の外周側に配置され、炭化水素系燃料を噴射する複数のサイドノズル(12)と、
前記複数のサイドノズル(12)を外側から取り囲むように配置される環状で、空気を、前記複数のサイドノズル(12)から噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように噴射する環状の環状空気噴射口(13a)を有する空気噴射ノズル(13)を、備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明のアンモニア燃焼バーナ(10)は、
金属加熱炉(1)においてアンモニアを燃料として燃焼させるバーナであって、
中心部に配置され、アンモニアを噴射するセンターノズル(11)と、
前記センターノズル(11)の外周側に配置され、炭化水素系燃料を噴射する複数のサイドノズル(12)と、
前記複数のサイドノズル(12)のすべてを外側から取り囲むように同一円周上に離散的に配置され、空気を、前記複数のサイドノズル(12)から噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように噴射する複数の空気噴射口(17a)を有する空気噴射ノズル(13)を、備えることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記複数のサイドノズル(12)から噴射する炭化水素系燃料にアンモニアを混合したことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記複数のサイドノズル(12)に近接する位置から空気を噴射する空気噴射口(18a)を有する第二空気噴射ノズル(18)をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記複数のサイドノズル(12)のそれぞれが、前記センターノズル(11)から等しい距離(D)に配置されたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記複数のサイドノズル(12)のそれぞれが、前記センターノズル(11)の外周側において、周方向に等しい間隔(R)で配置されたことを特徴とする。
【0014】
さらに本発明は、前記センターノズル(11)の中心と前記複数のサイドノズル(12)のそれぞれの中心とを結ぶ直線上において、前記空気噴射ノズル(13)と前記複数のサイドノズル(12)のそれぞれとの距離(P)が、前記複数のサイドノズル(12)のそれぞれと前記センターノズル(11)との距離(Q)よりも短いことを特徴とする。
【0015】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0016】
本発明のアンモニア燃焼バーナによれば、その中心部に配置したセンターノズルと、その外周側に配置した複数のサイドノズルと、それらから噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように空気を噴射する環状空気噴射口を有する環状の空気噴射ノズルとで構成したので、従来技術と比較して構造が簡易であり、製造コストを廉価に抑えることができる。
燃焼速度の小さいアンモニアのためにセンターノズルとサイドノズルの流速分布を任意に設定することができ、燃焼を安定させることができる。
【0017】
すなわち、本発明のアンモニア噴射バーナは、バーナ自体にセンターノズル、サイドノズルおよび空気噴射ノズルを形成してアンモニアの燃焼を促進している。従って、従来技術のようにバーナの外部に分配手段や制御手段などを設ける必要がない。その結果、構造および製造コストの点において優れ、アンモニアの燃焼効率にも優れる。
【0018】
また空気噴射ノズルの環状空気噴射口から、空気を、複数のサイドノズルから噴射される炭化水素系燃料を囲むように噴射するので、サイドノズルの火炎によってアンモニアを適切な速度で燃焼させることができる。
【0019】
なお、環状の環状空気噴射口を設けることにかえて、複数のサイドノズルのすべてを外側から取り囲むように同一円周上に離散的に配置され、空気を、複数のサイドノズルから噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように噴射する複数の空気噴射口を有する空気噴射ノズルを備えるようにすることもできる。
【0020】
なお、環状の環状空気噴射口を設けることにかえて、複数のサイドノズルを外側から取り囲むように同一円周上に離散的に配置され、空気を、複数のサイドノズルから噴射される炭化水素系燃料または、炭化水素系燃料とアンモニアを混合した気体を外側から囲むように噴射する空気噴射口を有する空気噴射ノズルを備えるようにすることもできる。
【0021】
また本発明によれば、複数のサイドノズルから噴射する炭化水素系燃料にアンモニアを混合したので、より多くのアンモニアを効率よく燃焼させることができる。
【0022】
また本発明によれば、複数のサイドノズルから噴射する炭化水素系燃料に空気を混合したので、燃焼効果を高めることができる。
【0023】
また本発明によれば、複数のサイドノズルに近接する位置から空気を噴射する空気噴射口を有する第二空気噴射ノズルをさらに備えるので、さらに燃焼効果を高めることができる。
【0024】
また本発明によれば、複数のサイドノズルのそれぞれが、センターノズルから等距離に配置されているので、炭化水素系燃料を、センターノズルから噴射されるアンモニアの全体に均等に作用させることができる。従って、アンモニアを常に均一に効率よく燃焼させることができる。
【0025】
また本発明によれば、複数のサイドノズルのそれぞれが、センターノズルの外周側において、周方向に等間隔で配置されているので、センターノズルから噴射されるアンモニアに、炭化水素系燃料の火力を均等に作用させることができる。従って、アンモニアを均等に効率よく燃焼させることができる。
【0026】
このように、アンモニア燃焼バーナにおいて、センターノズルと、複数のサイドノズルと、空気を噴射する環状空気噴射口の配置に関する構成は、上述した特許文献にも一切記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係るアンモニア燃焼バーナを備えた非鉄金属加熱処理炉の要部を示す部分断面図である。
図2図1に示すアンモニア燃焼バーナの正面図である。
図3図2のX-X線断面図である。
図4】センターノズルと各サイドノズルとの距離Dが等しいこと、および各サイドノズル間の距離Rが等しいことを示す説明図である。
図5】空気噴射ノズルと各サイドノズルとの距離Pが、各サイドノズルとセンターノズルとの距離Qよりも短いことを示す説明図である。
図6】従来例に係るアンモニア燃焼バーナを示す概略側面図である。
図7】本発明の実施形態に係る別のアンモニア燃焼バーナの正面図である。
図8】本発明の実施形態に係るさらに別のアンモニア燃焼バーナを備えた非鉄金属加熱処理炉の要部を示す部分断面図である。
図9図8に示すアンモニア燃焼バーナの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係るアンモニア燃焼バーナ10を説明する。
【0029】
本実施形態に係るアンモニア燃焼バーナ10は、図1に示すように、金属加熱炉1の炉体2に設けられ、アンモニアを燃料として燃焼させるバーナであり、センターノズル11、サイドノズル12、および空気噴射ノズル13を備える。
【0030】
センターノズル11は正面円形状であり、アンモニア燃焼バーナ10の中心部に配置され、アンモニア供給装置14から供給されるアンモニアを、そのアンモニア噴射口11aから炉体2の内部に噴射する。
【0031】
サイドノズル12は、同じく正面円形状であり、センターノズル11の外周側に複数(本実施形態では四つ)設けられ、炭化水素系燃料供給装置15から供給される炭化水素系燃料を、そのサイドノズル噴射口12aから炉体2の内部に噴射する。
炭化水素系燃料とは、炭素と水素からなる物質を燃料としたものであり、メタン、アセチレン、エチレン、ナフタレンなどが含まれる。本実施形態ではメタンを使用しているが、これに代えて、例えば、炭化水素系燃料を含む都市ガスを使用することができる。
【0032】
図4に示すように、この四つのサイドノズル12は、センターノズル11からの距離Dが全て等しく、かつ、センターノズル11の外周側において、周方向にそれぞれが等しい間隔Rで配置され、センターノズル11の上下左右に対称的に位置する。
なお、サイドノズル12の数は四つに限定されない。また、各サイドノズル12は、センターノズル11から異なる距離に配置することができ、周方向に異なる間隔で配置することもできる。
【0033】
空気噴射ノズル13は、複数のサイドノズル12を外側から取り囲むように配置される正面環状(円環状)である。
この空気噴射ノズル13は、同じく環状(円環状)の環状空気噴射口13aを備え、そこから空気供給装置16から供給される空気を、複数のサイドノズル12から噴射されるメタンを外側から囲むように連続的に噴射する。空気の一部はサイドノズル12にも供給される場合がある。
【0034】
また、このアンモニア燃焼バーナ10は、図5に示すように、センターノズル11の中心と各サイドノズル12の中心とを結ぶ直線上において、空気噴射ノズル13と各サイドノズル12との距離Pを、各サイドノズル12とセンターノズル11との距離Qよりも短く設定している。
【0035】
本実施形態に係るアンモニア燃焼バーナ10は、次のように運転することができる。
まず、センターノズル11(アンモニア噴射噴射口11a)からのアンモニアと、サイドノズル12(サイドノズル噴射口12a)からのメタンと、空気噴射ノズル13(環状空気噴射口13a)からの空気とを、それぞれ同時又は前後して噴射し、着火装置(図示せず)によってメタンに着火し燃焼させる。
【0036】
この際、メタンは空気噴射ノズル13から噴射される空気の酸素によって効果的に燃焼することができ、これによりセンターノズル11から噴射されるアンモニアを効率的に燃焼させることができる。また、空気噴射ノズル13からの空気は、サイドノズル12から噴射されるメタンを囲むように噴射されるので、メタンは、この噴射力によってアンモニアの方向に押しやられる。
従って、メタンの火力によってアンモニアをさらに効率的に燃焼させることができる。
【0037】
また全てのサイドノズル12を、センターノズル11から等しい距離Dに配置しているので、メタンの火力を、センターノズル11から噴射されるアンモニアの全体に均等に作用させることができる。従って、アンモニアを常に均一に効率よく燃焼させることができる。
【0038】
また各サイドノズル12を、センターノズル11の外周側において、周方向に等しい間隔Rで配置しているので、センターノズル11から噴射されるアンモニアに、メタンの火力を均等に作用させることができる。従って、アンモニアを均等に効率よく燃焼させることができる。
【0039】
さらに、複数のサイドノズル12の数を四つとしているので、サイドノズル12から噴射されるメタンを、上下左右の四箇所から均等にアンモニアに作用させて燃焼させることができる。従って、燃焼効率をさらに高めることができる。
【0040】
またさらに、空気噴射ノズル13と各サイドノズル12との距離Pを、各サイドノズル12とセンターノズル11との距離Qよりも短く設定しているので、空気がメタンに作用する噴射力は、アンモニアがメタンに作用する噴射力よりも大きい。これによってもメタンはアンモニアの方向に押しやられ、その結果、アンモニアをさらに効率的に燃焼させることができる。
【0041】
なお、空気噴射ノズル13から噴射される空気は連続して供給されるので、空気による円筒状の壁部(いわゆるエアーカーテン)が形成される。従って、メタンをこの円筒壁部の外側に逃がさず、内側に留めることができる。これにより、メタンの火力によってアンモニアの効率的な燃焼を促進することができる。
【0042】
このように本実施形態に係るアンモニア燃焼バーナ10は、その中心部に配置したセンターノズル11と、その外周側に配置した複数のサイドノズル12と、それらを取り囲む空気噴射ノズル13とで構成しており、バーナ10の外部にアンモニアの燃焼を促進させるための構成要素を設けていない。
従って、構造が簡易であり、製造コストを廉価に抑えることができる。また構造が簡易であるため故障が発生し難く、その結果、アンモニアを常に安定して燃焼させることができる。
【0043】
なお、本実施形態では、サイドノズル12から炭化水素系燃料を噴射するようにしているが、これにかえて、サイドノズル12から、炭化水素系燃料とアンモニアを混合した気体を噴射するようにしてもよい。
また、本実施形態では、複数のサイドノズル12を外側から取り囲むように配置される環状で、空気を、複数のサイドノズル12から噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように噴射する環状の環状空気噴射口13aを有する空気噴射ノズル13を備えるようにしたが、これにかえて、図7に示すように、複数のサイドノズル12のすべてを外側から取り囲むように同一円周上に離散的に配置され、空気を、複数のサイドノズル12から噴射される炭化水素系燃料を外側から囲むように噴射する複数の空気噴射口17aを有する空気噴射ノズル13を備えるようにしてもよい。
【0044】
さらに、図8及び図9に示すように、空気供給装置16から供給される空気とは別に第二空気供給装置19から空気を、複数のサイドノズル12に近接する位置に設けた第二空気噴射ノズル18の空気噴射口18aから噴射するようにしてもよい。
【0045】
本実施形態に係るアンモニア燃焼バーナは、アンモニアを燃料として使用するあらゆる分野(例えば火力発電)においても使用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 金属加熱処理炉(非鉄金属加熱処理炉)
2 炉体
10 アンモニア燃焼バーナ
11 センターノズル
11a アンモニア噴射口
12 サイドノズル
12a サイドノズル噴射口
13 空気噴射ノズル
13a 環状空気噴射口
14 アンモニア供給装置
15 炭化水素系燃料供給装置
16 空気供給装置
17a 空気噴射口
18 第二空気噴射ノズル
18a 空気噴射口
19 第二空気供給装置
20 アンモニア燃焼バーナ
21 混合気体流路
22 アンモニア供給手段
23 制御手段
24 投入部
25 分配手段
26 分配搬送路
D センターノズル11と各サイドノズル12の距離
P 空気噴射ノズル13と各サイドノズル12との距離
Q 各サイドノズル12とセンターノズル11との距離
R 各サイドノズル12間の距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9