(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008598
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】梱包体
(51)【国際特許分類】
B65D 85/672 20060101AFI20240112BHJP
B65D 19/08 20060101ALI20240112BHJP
B65D 19/44 20060101ALI20240112BHJP
B65D 81/02 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65D85/672
B65D19/08
B65D19/44 A
B65D81/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110594
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 洋平
(72)【発明者】
【氏名】須田 和哉
【テーマコード(参考)】
3E037
3E063
3E066
【Fターム(参考)】
3E037AA04
3E037BA07
3E037BB06
3E037BB20
3E063AA21
3E063BA02
3E063BB02
3E063CA03
3E063CB01
3E063CB07
3E063EE03
3E063FF03
3E066AA03
3E066CA01
3E066CA04
3E066CA11
3E066FA11
3E066HA01
3E066JA12
3E066JA13
3E066MA09
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】ロール製品の輸送時における光学フィルムへの擦り傷の発生を抑制可能な梱包体を提供する。
【解決手段】棒状円筒部材と当該棒状円筒部材に巻かれた光学フィルムとを含むロール製品を輸送するための梱包体であって、前記ロール製品と、前記ロール製品の軸方向の両端側に立設し、前記棒状円筒部材を受けるための円筒部材受け部を有する少なくとも一対の支持枠体を含むラックと、前記ロール製品の側面及び前記ラックの支持枠体の間に配置された緩衝材と、を備える梱包体。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状円筒部材と当該棒状円筒部材に巻かれた光学フィルムとを含むロール製品を輸送するための梱包体であって、
前記ロール製品と、
前記ロール製品の軸方向の両端側に立設し、前記棒状円筒部材を受けるための円筒部材受け部を有する少なくとも一対の支持枠体を含むラックと、
前記ロール製品の側面及び前記ラックの支持枠体の間に配置された緩衝材と、を備える梱包体。
【請求項2】
前記緩衝材が、圧縮/復元力を有する部材を含む、請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
前記圧縮/復元力を有する部材が、エアクッション、スプリング及びゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の梱包体。
【請求項4】
前記緩衝材が、前記ロール製品の側面に対して垂直方向において、前記支持枠体側に剛性を有する板状部材を含む、請求項2に記載の梱包体。
【請求項5】
前記緩衝材が、前記ロール製品の側面に対して垂直方向において、前記支持枠体側から部材A及び部材Bがこの順で積層された構造を備え、
前記部材Aは、前記剛性を有する板状部材であり、前記部材Bは、前記圧縮/復元力を有する部材である、請求項4に記載の梱包体。
【請求項6】
前記緩衝材が、前記ロール製品の側面に対して垂直方向において、前記支持枠体側から部材A、部材B及び部材Aがこの順で積層された構造を備え、
前記部材Aは、前記剛性を有する板状部材であり、前記部材Bは、前記圧縮/復元力を有する部材である、請求項4に記載の梱包体。
【請求項7】
前記緩衝材側から前記ロール製品の側面に加わる押圧が、0.2MPa以上である、請求項1に記載の梱包体。
【請求項8】
前記棒状円筒部材を除く前記ロール製品の側面Sの面積(X1)に対する、前記緩衝材の最小有効面積(X2)の割合が、15%以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状円筒部材と当該棒状円筒部材に巻かれた光学フィルムとを含むロール製品を輸送するための梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、長尺フィルムは、棒状円筒部材(コア)に巻かれたロール製品として取り扱われることが多い(特許文献1及び2)。特許文献1には、このようなロール製品を輸送する際に用いられるラック及びこれを用いた輸送方法が記載されている。特許文献2には、ロール製品を輸送する際に、コアの両端をロール製品の両サイドから懸架支持するための留め具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-111518号公報
【特許文献2】国際公開第2008/123124号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、棒状円筒部材に巻かれるシート状物品が光学フィルムである場合、光学フィルムは通常薄膜であり傷つきやすい。光学フィルムに擦り傷が生じると、光学フィルムの光学特性が損なわれることとなる。しかしながら、従来のラックに、光学フィルムを含むロール製品を積載して目的地へ搬送すると、搬送中に起きる振動等に起因して、光学フィルムには擦り傷が生じるという課題がある。特に、ロール製品の軸方向中央部において重力方向上部の位置で前記の傷が生じやすい傾向にある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされた発明であり、ロール製品の輸送時における光学フィルムの擦り傷の発生を抑制可能な梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題は、以下に例示される発明によって解決される。
【0007】
〔1〕 棒状円筒部材と当該棒状円筒部材に巻かれた光学フィルムとを含むロール製品を輸送するための梱包体であって、前記ロール製品と、前記ロール製品の軸方向の両端側に立設し、前記棒状円筒部材を受けるための円筒部材受け部を有する少なくとも一対の支持枠体を含むラックと、前記ロール製品の側面及び前記ラックの支持枠体の間に配置された緩衝材と、を備える梱包体。
〔2〕 前記緩衝材が、圧縮/復元力を有する部材を含む、〔1〕に記載の梱包体。
〔3〕 前記圧縮/復元力を有する部材が、エアクッション、スプリング及びゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、〔2〕に記載の梱包体。
〔4〕 前記緩衝材が、前記ロール製品の側面に対して垂直方向において、前記支持枠体側に剛性を有する板状部材を含む、〔2〕に記載の梱包体。
〔5〕 前記緩衝材が、前記ロール製品の側面に対して垂直方向において、前記支持枠体側から部材A及び部材Bがこの順で積層された構造を備え、前記部材Aは、前記剛性を有する板状部材であり、前記部材Bは、前記圧縮/復元力を有する部材である、〔4〕に記載の梱包体。
〔6〕 前記緩衝材が、前記ロール製品の側面に対して垂直方向において、前記支持枠体側から部材A、部材B及び部材Aがこの順で積層された構造を備え、前記部材Aは、前記剛性を有する板状部材であり、前記部材Bは、前記圧縮/復元力を有する部材である、〔4〕に記載の梱包体。
〔7〕 前記緩衝材側から前記ロール製品の側面に加わる押圧が、0.2MPa以上である、〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の梱包体。
〔8〕 前記棒状円筒部材を除く前記ロール製品の側面Sの面積(X1)に対する、前記緩衝材の最小有効面積(X2)の割合が、15%以上である、〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の梱包体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ロール製品の輸送時における光学フィルムの擦り傷の発生を抑制可能な梱包体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る梱包体の一例を模式的に示す正面図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるパネル11の構成を示す部分拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の梱包体が取りうる他の形態を示す側面図である。
【
図5】
図5は、緩衝材または緩衝材に用いられる部材の、圧縮/復元力の有無を測定するための装置を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る梱包体の他の例を模式的に示す正面図である。
【
図7】
図7(a)は、本発明の一実施形態に係る梱包体の他の例(実施例1の梱包体)を模式的に示す正面図であり、
図7(b)は、
図7(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図7(a)の梱包体の側面における支持枠体のパネル、緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【
図9】
図9(a)は、本発明の一実施形態に係る梱包体の他の例を模式的に示す正面図であり、
図9(b)は、
図9(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る梱包体における、緩衝材側からロール製品の側面に加わる押圧を測定する測定方法を説明するための説明図である。
【
図11】
図11は、実施例1に用いられる緩衝材の部材B(エアクッション)を模式的に示す平面図である。
【
図12】
図12(a)は、実施例2で製造された梱包体を模式的に示す正面図であり、
図12(b)は、
図12(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【
図13】
図13は、実施例2で用いた緩衝材における部材A及び部材Bの位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図14】
図14(a)は、実施例3で製造された梱包体を模式的に示す正面図であり、
図14(b)は、
図14(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【
図15】
図15(a)は、実施例4で製造された梱包体を模式的に示す正面図であり、
図15(b)は、
図15(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【
図16】
図16は、実施例6で製造された梱包体を模式的に示す正面図である。
【
図17】
図17は、実施例7で製造された梱包体を模式的に示す正面図である。
【
図18】
図18(a)は、実施例10で製造された梱包体を模式的に示す正面図であり、
図18(b)は、
図18(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【
図19】
図19は、実施例11で製造された梱包体を模式的に示す正面図である。
【
図20】
図20(a)は、実施例12で製造された梱包体を模式的に示す正面図であり、
図20(b)は、
図20(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【
図21】
図21は、比較例1で製造された梱包体を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、下記に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。また、図面についての既出の符号についてはこれを省略する場合がある。
【0011】
以下の説明において、「長尺状」のフィルム(フィルム)とは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。フィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
【0012】
以下の説明において、要素の方向が「平行」、「垂直」及び「直交」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±3°、±2°又は±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
【0013】
〔1.梱包体の概要〕
図1は、本発明の一実施形態に係る梱包体の一例を模式的に示す正面図であり、
図2は
図1の梱包体の側面図である。
図1及び
図2において、ロール製品及び緩衝材は破線で表されており、符号20はロール製品を、符号22は棒状円筒部材を、符号21は光学フィルムを表している。また、符号200は緩衝材を示している。便宜上、棒状円筒部材22の軸方向及びラック100の長手方向を「X軸方向」、棒状円筒部材22の軸方向に垂直な方向であってラック100の底面に平行な方向及びラック100の短手方向を「Y軸方向」、X軸方向及びY軸方向の双方に垂直な方向を「Z軸方向」とも称する。
【0014】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る梱包体300は、棒状円筒部材22と当該棒状円筒部材22に巻かれた光学フィルム21とを含むロール製品20を輸送するために用いられる。梱包体300は、ロール製品20と、ロール製品20の軸方向の両端側に立設し、棒状円筒部材21を受けるための円筒部材受け部14を有する少なくとも一対の支持枠体12を含むラック100と、ロール製品20の側面及びラック100の支持枠体12の間に配置された緩衝材200と、を備える。
【0015】
ロール製品20の側面とは、ロール製品の棒状円筒部材の軸方向(X軸)に対して、垂直な方向(Y軸)から観察される面をいう。以下の説明において、Y軸方向から観察される梱包体の面を、梱包体の側面と称し、Y軸方向から観察される梱包体の構成部材(ラック及びその構成部材、ならびに緩衝材及びその構成部材)の面を、梱包体の構成部材の側面と称する場合がある。
【0016】
本発明によれば、ロール製品の側面及びラックの支持枠体の間に配置された緩衝材を有することにより、梱包体の輸送時において、ロール製品の軸方向の振動を抑制することができるため、光学フィルムへの擦り傷の発生を抑制することができる。
【0017】
〔2.梱包体の各構成〕
本実施形態に係る梱包体は、ロール製品、ラック及び緩衝材を少なくとも備える。
【0018】
〔2.1.ロール製品〕
ロール製品は、棒状円筒部材と当該棒状円筒部材に巻かれた光学フィルムとを含む。
【0019】
棒状円筒部材は、一般的なロール製品において、光学フィルムを巻き取る際に用いられる巻芯を用いうる。棒状円筒部材としては、例えば、SUS製の略円筒形状を有する中空円筒部材でありえる。棒状円筒部材の長さは、通常、巻き取られる光学フィルムの幅よりも長くなるように調整されうる。棒状円筒部材が略円筒形状を有するとは、完全な円筒形状を有する場合だけでなく、その断面形状が楕円形状となる筒形状や、側面加工により周方向に沿う凹部又は凸部が設けられた筒形状を有する場合を含むものとする。また、棒状円筒部材は、その両端部において、周方向に沿って滑り止め部材又は滑り止め加工がなされていることが好ましい。
【0020】
棒状円筒部材の長さ及び径の大きさについては、巻き取られる光学フィルムの幅、長さ、厚み、及び用途等に応じて適宜選択しうる。
【0021】
光学フィルムは、光学特性を持たせたフィルムである。また、光学フィルムは通常、長尺状のフィルムである。光学フィルムの材質としては、例えば、シクロオレフィン樹脂が挙げられるがこれに限定されない。また、光学フィルムは、例えば、その幅方向両端部にナール構造(ナーリング)が設けられたものであってもよい。ナーリングが設けられていることにより、光学フィルムの両端部に厚みを確保して、巻き取られた光学フィルム同士の間に空隙を確保することができる。また、光学フィルムは、1層のフィルムであってもよいし、多層のフィルムであってもよいし、表面加工(例えば易滑性層又は易接着層の形成)が施されたフィルムであってもよい。光学フィルムの巻き取りに際し、光学フィルム同士の接触を回避するために、光学フィルムと別のフィルム(例えばマスキングフィルム)とを一緒に巻き取ってもよい。
【0022】
光学フィルムの幅及び長さについては、その用途に応じて適宜選択しうる。ロール製品は、長尺状のフィルムを巻き取った重量物でありえる。
【0023】
〔2.2.ラック〕
ラックは、ロール製品の軸方向の両端側に立設し、棒状円筒部材を受けるための円筒部材受け部を有する少なくとも一対の支持枠体を含む。
【0024】
本実施形態に係るラックとしては、前記の一対の支持枠体を含むものであれば、その形態については制限されないが、例えば、
図1及び
図2に示すラック100を用いうる。
【0025】
図1及び
図2に示すラック100は、基本的には金属製、例えばスチール製である。ラック100は、底部にあるパレット4と、パレット4から上方に向かって立設する一対の支持枠体12,12と、ラック100の側面上部において一対の支持枠体12,12を連結する連結ロッド60,60とを備える。ロール製品20は、パレット4の上面と、一対の支持枠体12,12と、連結ロッド60,60とに囲まれる収容空間に積載される。
【0026】
パレット4は、上記収容空間の底板8を含む中空の直方体をなしており、ラック100にかかる荷重をうける土台として機能する。パレット4には、複数のリフト用凹部6が形成されており、ラック100の正面、背面、又は側方からフォークリフトの爪部を差し込むことが可能となっている。
【0027】
また、パレット4の4つの角部には、コーナー金具50が設置されている。各コーナー金具50は、底板8の上面よりもZ軸方向上方に突出する側壁を有しており、これにより、パレット4から立設する支持枠体12が外側への移動するのを制限する。さらに、各コーナー金具50の側壁が底板8の上面よりもZ軸方向上方に突出しているので、底板8の上方の空間を2つの支持枠体12,12を保管する空間として確保することができ、加えて、4つのコーナー金具50の側壁の上に、他のラックを積み重ねることができる。また、各コーナー金具50のパレット4の正面側(又は背面側)の側面には、連結ロッド60の端部に設けられた爪部を受けるためのロッド受け部52aが設けられている。一対のロッド受け部52a,52aに連結ロッド60の両端部に設けられた爪部を係止することにより、連結ロッド60を保管することができる。
【0028】
各支持枠体12は、パレット4から立設可能な一対の支柱10,10と、一対の支柱10,10を連結するパネル11と、パネル11の側面上において一対の支柱10,10を連結して支持枠体12の剛性を高める補強用棒材16とを備える。パネル11を薄肉の材料で形成することでラック100の軽量化を図ることができる。補強用棒材16の上面の中央部にはストッパ部材18が固定されている。パネル11及びストッパ部材18の構造及び機能等については
図3を用いて後述する。
【0029】
支柱10は、その下端部がパレット4の底板8の4隅に形成されている差込孔に差し込み可能に形成されている。そして、支柱10の下端部が差込孔に差し込まれることで、支持枠体12は、ロール製品20の棒状円筒部材22の軸方向端部側においてパレット4から上方に向かって立設できるようになっている。また、支柱10の上部側面には、連結ロッド60の端部に設けられた爪部を受けるためのロッド受け部62が設けられている。
【0030】
各連結ロッド60は、両端に爪部が形成された棒状部材である。連結ロッド60の両端にある爪部が一対の支持枠体12,12のロッド受け部62,62に係止されることで、一対の支持枠体12,12が互いに連結される。この連結を行うことにより、ラック100の剛性を高めることができるとともに、ロール製品20がラック100から脱落するのを防止することができる。
【0031】
続いて、パネル11の構成を、
図3を用いて説明する。
図3は、
図2におけるパネル11の構成を示す部分拡大斜視図である。
図3には、2つのパネル11のうちの一方が示されているが、もう一方のパネル11も同じ構造を有する。
図3において長尺の部材は、一部断面又は一部切欠きで表現されている。
【0032】
図3に示されるように、パネル11は、薄肉の板状部材11aと、板状部材11aの上端縁部において一端で回動可能に固定された開閉部材34と、開閉部材34を係止するための止め金具39と、開閉部材34の側面及び下面に固定された押さえ部材40とを備える。
【0033】
板状部材11aは、
図2に示すように両端が支柱10,10に固定されている。
図3に示すように、板状部材11aは、支柱10,10間の中央位置において上方に開口する略V字形の受け溝14aを画成する円筒部材受け部14と、板状部材11aの上端縁において円筒部材受け部14の両端側に設けられた断面コ字形のフランジ部30a,30bとを含む。受け溝14aの大きさは、棒状円筒部材22の端部をある程度のクリアランスをもって収容可能な大きさである。フランジ部30aは、受け溝14aの開口部において、開閉部材34の一端を回動可能に支持する回動軸34aを備える。
【0034】
円筒部材受け部14は、その上端縁において側面視略V字形のフランジ部30cを含む。フランジ部30cは、フランジ部30a,30bと同じ厚みを有しており、フランジ部30a,30bに連結されている。
【0035】
本実施形態に係るラックにおいて、受け溝の形状は略V字形に限らず、例えば、略U字形や、四角形状等の円筒部材を受けうる形状でありえる。
【0036】
また、円筒部材受け部14は、フランジ部30cの受け溝14aに面する側面の上に配置された、緩衝部32を含みうる。緩衝部32は、円筒部材受け部14の受け溝14aに棒状円筒部材22の端部が収容されたときに、棒状円筒部材22と円筒部材受け部14との当接位置に少なくとも配設され、フランジ部30cの側面全面にわたって配設されていてもよい。緩衝部32としては、例えばゴム材を用いることができ、市販品では、例えば、倉敷化工社製の商品名「はねんで」、ヤクモ社製の防振パッド「YTタイプ」又はNOK社製の防振パッド等を用いることができる。
【0037】
開閉部材34は、フランジ部30aとフランジ部30bの間に架け渡すことが可能な長さを有する棒状部材であり、これにより、受け溝14aの開口を閉じることが可能となっている。また、開閉部材34は、回動軸34aの端部とは反対側の端部側面に固定された止め金具受け部38を備える。止め金具受け部38に止め金具39が係止することで、開閉部材34の回動が規制されて、受け溝14aの開口が閉じられる。
【0038】
押さえ部材40は、下部に、緩衝部42を含みうる、緩衝部42は、円筒部材受け部14の受け溝14aに棒状円筒部材22の端部が収容されたときに、押さえ部材40と棒状円筒部材22との当接位置に配設される。したがって、受け溝14aに棒状円筒部材22の端部が収容された後、開閉部材34によって受け溝14aの開口が閉じられると、棒状円筒部材22の端部は、緩衝部材90と緩衝部42を介して支持枠体12によって支持されることとなる。
【0039】
補強用棒材16に固定されているストッパ部材18は、フランジ部30cの下部側方及び下方においてクリアランスを持ってフランジ部30cの下部を覆うように配置されておいる。さらに、ストッパ部材18は、フランジ部30cの下方において、板状部材11aの側面に溶接等により固定されるフランジ部(図示せず)を有する。ストッパ部材18は、受け溝14aに棒状円筒部材22の端部が収容されたときに鉛直方向下方に向かう応力を受けた円筒部材受け部14と接触して荷重を受けることができるようになっている。また、ストッパ部材18は、受け溝14aに収容された棒状円筒部材22の端部が振動等に起因して軸方向に移動するのを制限する当て板としても機能する。したがって、ストッパ部材18の内周面に緩衝部(図示せず)を配設してもよい。
【0040】
各支持枠体12は、必要に応じて、
図4に示すように、一対の支柱10,10を連結し、パネル11よりも上方に配置され、着脱可能な着脱式パネル13を備えうる。着脱式パネル13は、例えば、金属板により構成されうる。着脱式パネル13を備える場合、例えば、パネル11及び着脱式パネル13により、ロール製品の側面に対し、より広範囲に配置された緩衝材を良好に支持しうることから、梱包材の輸送時における振動を緩和させて、光学フィルムの擦り傷を好適に抑制しうる。よって、本実施形態においては、各支持枠体12が、着脱パネル13を備えることが望ましい。
【0041】
ラック100としては、例えば、特開2005-335747号公報に挙げられる形態のラックを用いうる。
【0042】
〔2.3.緩衝材〕
緩衝材は、ロール製品の側面と、ラックの支持枠体との間に配置され、ロール製品の軸方向の振動を抑制しうる部材である。
【0043】
緩衝材は、ロール製品の軸方向において、ロール製品の側面と、ラックの支持枠体との間に配置しうる部材である。また、緩衝材は、ロール製品の側面とラックの支持枠体との隙間の少なくとも一部を埋めうる部材である。したがって、本実施形態に係る梱包材は、緩衝材を備えることで、通常、ロール製品の軸方向において、支持枠体、緩衝材及びロール製品の側面がこの順で積層された構造を備える。
【0044】
緩衝材の構造としては、単層構造であってもよく、2層以上が積層された積層構造であってもよい。
【0045】
緩衝材としては、剛性を有する部材、及び圧縮/復元力を有する部材のいずれも用いうる。中でも、緩衝材が、圧縮/復元力を有する部材を含むことが好ましい。梱包体の輸送時におけるロール製品の軸方向への振動を吸収しやすく、光学フィルムの擦り傷の発生を効果的に抑制できるからである。
【0046】
ここで、緩衝材に用いられる部材が、圧縮/復元力を有することは、下記の試験方法により確認しうる。
図5は、緩衝材または緩衝材に用いられる部材の圧縮/復元力の有無を測定するための装置を模式的に示す斜視図である。
図5に示す装置500は、緩衝材200を載せるための台座部501と、台座部501の4隅に配置された柱部502と、柱部502に通され、柱部502に沿って昇降移動可能な測定用板503とを備える。測定用板503は、その上面に重り504を載置することで、重り504による荷重により下方の台座部501側へ押し下げられるように設けられている。
圧縮/復元力の有無の測定方法においては、まず、装置500の台座部501に緩衝材200を載せ、過重をかける前の緩衝材200の厚みT1を測定する。次に、測定用板503の上面に重り504を載置し、緩衝材200に対して、0.12kgf/cm
2(0.012MPa)の荷重をかけて圧縮し、厚みが変化しなくなった時点での緩衝材200の厚みT2を測定する(図示せず)。次に、0.12kgf/cm
2の荷重を除いた後、厚みが変化しなくなった時点での緩衝材200の厚みT3を測定する(図示せず)。下記式(1)及び式(2)からそれぞれ圧縮率及び復元率を測定する。緩衝材の、圧縮率が50%以上90%以下であり、復元率が90%以上100%以下である場合にその緩衝材200は、「圧縮/復元力を有する」ものと定義する。
圧縮率=厚みT2/厚みT1×100(%) (1)
復元率=厚みT3/厚みT1×100(%) (2)
【0047】
本実施形態において、緩衝材の圧縮率は、好ましくは60%以上、70%以下であり、復元率は、好ましくは98%以上100%以下である。
【0048】
図5においては、単層構造の緩衝材200について、圧縮/復元力の有無を測定する方法について説明したが、緩衝材が積層構造を有する場合は、その構成層となりうる部材について、同様の方法により、圧縮/復元力の有無を測定しうる。
また、例えば、平面上に複数の部材を並べて一つの緩衝材を構成する場合、複数の部材が全体として、圧縮/復元力を有するか否かを確認したい場合がある。この場合は、例えば、実際に用いられる緩衝材について、
図5に示す測定方法を行うことで、圧縮/復元力の有無を確認しうる。装置500において、測定対象に加える荷重は重りを変えることにより調整しうる。また、例えば、1対の剛性を有する板状部材の間に、複数の部材を挟み込んだ測定用サンプルを作製し、前記測定用サンプルを、
図5に示す測定方法により測定することにより、圧縮/復元力の有無を測定しうる。
【0049】
緩衝材として用いうる、圧縮/復元力を有する部材としては、例えば、エアクッション、スプリング、ゴム等と挙げることができる。これらの部材は、1種のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、圧縮/復元力を有する部材としては、エアクッションであることが好ましい。
【0050】
前記緩衝材が、圧縮/復元力を有する部材を含む場合、ロール製品の側面に対し垂直方向(X軸方向)に対して、支持枠体側に剛性を有する板状部材を含むことが好ましい。圧縮/復元力を有する部材は、比較的自己支持性が低く、倒れやすい傾向にある。そのため、剛性を有する板状部材を支持枠体側に含むことで、支持枠体とともに、圧縮/復元力を有する部材をロール製品の側面側に抑えることができるため、緩衝材とロール製品の側面との密着性を良好にすることができ、光学フィルムの擦り傷抑制効果を高く発揮しうるからである。また、例えば、支持枠体のパネルが、ロール製品の側面に対して小さい場合も、剛性を有する板状部材の大きさを調整することで、所望の側面の大きさを有する緩衝材をロール製品の側面に接触させて配置しうる。そのため、例えば、支持枠体のパネルが、ロール製品の側面に対して小さい場合も、
図4に示すラックのように着脱式パネル13を用いた場合と同様の効果を発揮しうる。
【0051】
「板状部材が剛性を有する」とは、地面または地面と水平な台上に、板状部材の面方向が地面と水平になるように配置したときの板の長さに対し、板状部材の面方向が地面と垂直になるように立てて配置したときの前記板の長さ(重力方向の長さ)が、90%以上100%以下となることをいう。
【0052】
緩衝材として用いうる、剛性を有する板状部材としては、例えば、樹脂製の板、プラスチック段ボール、金属板等を挙げることができる。
【0053】
本実施形態に係る梱包体に用いられうる緩衝材の好ましい例について図を用いて説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る梱包体の他の例を模式的に示す正面図である。
図7(a)は、本発明の一実施形態に係る梱包体の他の例(実施例1の梱包体)を模式的に示す正面図であり、
図7(b)は、
図7(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
図8は、
図7(a)の梱包体の側面における支持枠体のパネル、緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
図9(a)は、本発明の一実施形態に係る梱包体の他の例を模式的に示す正面図であり、
図9(b)は、
図9(a)の梱包体の側面における緩衝材及びロール製品の位置関係を示す平面図である。
【0054】
本実施形態に用いられうる緩衝材200としては、例えば、
図6に示すように、緩衝材200が、ロール製品20の側面に対して垂直方向において、支持枠体12側から部材A200a及び部材B200bがこの順で積層された構造を備え、部材A200aは、剛性を有する板状部材であり、部材B200bは、圧縮/復元力を有する部材であることが好ましい。支持枠体12側に、剛性を有する部材A200aを配置することにより、支持枠体12により緩衝材200を支持しやすくすることができ、緩衝材200とロール製品20の側面との接触性を良好にし、光学フィルムの擦りの発生を効果的に抑制しうるからである。図示はしないが、緩衝材が前記の部材A及び部材Bがこの順で積層された構造を備える場合、部材A側に更に剛性を有する板状部材を有しうる。前記板状部材を備えることにより、支持枠体及びロール製品の側面の間の隙間を容易に埋めることができる。更に配置されうる前記板状部材は、1枚であってもよく、複数枚であってもよい。
【0055】
また、本実施形態に用いられうる緩衝材200としては、例えば、
図7(a)、(b)及び
図8に示すように、緩衝材200が、ロール製品20の側面に対して垂直方向において、支持枠体12側から部材A200a、部材B200b及び部材A200aがこの順に積層された構造を備え、部材Aは、剛性を有する板状部材であり、部材Bは、圧縮/復元力を有する部材であることが好ましい。支持枠体12側に、剛性を有する部材A200aを配置することにより、支持枠体12により緩衝材200を支持しやすくすることができるとともに、ロール製品20の側面側に剛性を有する部材A200aを配置することにより、ラック100に係る加速度を、ロール製品に均一に伝えることができるため、擦り傷抑制の効果を高く発揮しうるからである。図示はしないが、緩衝材が前記の部材A、部材B及び部材Aがこの順で積層された構造を備える場合、各部材Aの外側に更に剛性を有する板状部材を有しうる。前記板状部材を備えることにより、支持枠体及びロール製品の側面の間の隙間を容易に埋めることができる。更に配置されうる前記板状部材は、1枚であってもよく、複数枚であってもよい。
【0056】
緩衝材が
図6に示す部材A及び部材Bの積層構造を備える場合、部材Aの側面の面積と部材Bの側面の面積とは同等であってもよく、部材Aの側面の面積の方が部材Bの側面の面積よりも大きくてもよく(図示せず)、部材Aの側面の面積の方が部材Bの側面の面積よりも小さくてもよい(図示せず)。部材Bの効果をより高く発揮させる観点からは、部材Aの側面の面積と部材Bの側面の面積とは同等であるか、部材Aの側面の面積の方が部材Bの側面の面積よりも大きいことが好ましい。
【0057】
緩衝材が
図7に示す部材A、部材B及び部材Aの積層構造を備える場合、支持枠体側の部材Aの側面の面積と部材Bの側面の面積との大小関係は、前記の部材A及び部材Bの積層構造を備える場合と同様としうる。一方、ロール製品の側面側の部材Aの側面の面積と部材Bの側面の面積とは同等であってもよく、部材Aの側面の面積の方が部材Bの側面の面積よりも大きくてもよく(
図9)、部材Aの側面の面積の方が部材Bの側面の面積よりも小さくてもよい(図示せず)。中でも、部材Aの側面の面積と部材Bの側面の面積とは同等であるか、部材Aの側面の面積の方が部材Bの側面の面積よりも大きいことが好ましい。ラック100に係る加速度を、ロール製品の側面においてより広範囲に均一に伝えることができ、ロール製品の側面に局所的な力が加わることを抑制することができるからである。
【0058】
本実施形態においては、緩衝材が積層構造を有する場合、上述したように、剛性を有する板状部材と、圧縮/復元力を有する部材との両方を用いることが好ましいが、例えば、複数の剛性を有する板状部材を積層させて用いてもよく、複数の圧縮/復元力を有する部材を積層させて用いてもよい。
【0059】
本実施形態において、棒状円筒部材を除くロール製品の側面Sの面積(X1)に対する、緩衝材の最小有効面積(X2)の割合(X2/X1×100(%))は、例えば、5%以上であり、好ましくは15%以上であり、より好ましくは30%である。また、前記割合(X2/X1×100(%))の上限は100%でありうる。前記割合を前記の範囲とすることで、ロール製品の輸送時の振動による、光学フィルムの擦り傷を好適に抑制しうる。
【0060】
棒状円筒部材を除くロール製品の側面Sの面積(X1)は、
図7(b)に示す梱包体300の側面における緩衝材200及びロール製品20の位置関係を示す平面図において、実線で示されるロール製品20の側面の面積から、棒状円筒部材22の側面の面積を差し引いた面積をいう。また、緩衝材の最小有効面積(X2)は、前記平面図において、破線で示される緩衝材200の側面と、棒状円筒部材22を除くロール製品20の側面とが重なる部分の面積(
図7(b)においてハッチングで示される部分の面積)をいう。
【0061】
また、
図9(a)に示すように、緩衝材200が積層構造を備える場合であって、各層200a、200b及び200aの側面の面積が異なる場合、緩衝材の最小有効面積(X2)は、
図9(b)に示す梱包体300の側面における緩衝材200及びロール製品20の位置関係を示す平面図において、破線で示される緩衝材200の構成層200a及び200bのうち最も側面の面積が小さい部材(
図9(b)においては部材B200b)の側面と、棒状円筒部材22を除くロール製品20の側面とが重なる部分の面積(
図9(b)においてハッチングで示す部分の面積)をいう。
【0062】
本実施形態においては、緩衝材は、通常、支持枠体とロール製品の側面との間に挟まれるように配置されることから、通常、ロール製品の軸方向において、支持枠体、緩衝材及びロール製品の側面がこの順で積層された構造を備える。
【0063】
前記の支持枠体、緩衝材及びロール製品の積層部分をどの程度設けるかは、ラックの形態(特に支持枠体の形態);緩衝材の形態及び材質;ロール製品の大きさ、重さ及び用途等に応じて適宜選択しうる。一例としては、棒状円筒部材を除くロール製品の側面Sの面積(X1)に対する、緩衝材及び支持枠体のパネルの積層部分の接触面積(X3)の割合は、例えば、15%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは90%以上である。また、前記積層部分の接触面積の割合は、例えば、100%以下でありえる。
【0064】
緩衝材及び支持枠体のパネルの積層部分の面積(X3)とは、
図8に示す梱包体300の側面における支持枠体12、緩衝材200及びロール製品20の位置関係を示す平面図において、破線で示される支持枠体12のパネルの側面と、破線で示される緩衝材200の側面と、実線で示される棒状円筒部材22を除くロール製品20の側面とが重なる部分の面積(
図8においてハッチングで示す部材の面積)をいう。また、図示はしないが、緩衝材が積層構造を備える場合であって、各層の側面の面積が異なる場合は、前記の緩衝材の最小有効面積となる部分と、支持枠体のパネルの側面とが重なる部分の面積を、前記面積(X3)とする。
【0065】
本実施形態においては、支持枠体及びロール製品の側面の間に緩衝材を配置することで、緩衝材側からロール製品の側面に対して押圧を加えることができることから、梱包体の輸送時の振動による、光学フィルムの擦り傷を抑制しうる。
本実施形態において、緩衝材側からロール製品の側面に加わる押圧は、好ましくは、0.2MPa以上でありえ、好ましくは0.5MPa以下でありえる。前記押圧が前記下限値以上であることにより、梱包体の輸送時の振動による、光学フィルムの擦り傷の発生を抑制しうる。また、前記押圧が前記上限値以下であることにより、押圧によるロール製品へのダメージを抑制しうるからである。
【0066】
ここで、緩衝材側からの押圧が加わるロール製品の側面とは、緩衝材とロール製品とが接触している接触面をいう。前記押圧は、本実施形態に係る梱包体の緩衝材とロール製品の側面との間に感圧紙(富士フィルム製の圧力測定フィルム「プレスケール」)を挟み、感圧紙の色の付き方から圧力範囲を確認することにより、求めうる。緩衝材が積層構造を備える場合は、最もロール製品側に位置する部材とロール製品の側面との間に感圧紙を挟むことにより、前記押圧を求めうる。感圧紙は、通常、前記接触面の全面に配置される。
【0067】
また、緩衝材側からロール製品の側面に加わる押圧は、例えば、バイスを用いて下記の測定方法によっても測定しうる。
図10は、本発明の一実施形態に係る梱包体における、緩衝材側からロール製品の側面に加わる押圧を測定する測定方法を説明するための説明図である。
図10に示すように、バイス600を準備し、バイス600の間に、第一基材601、緩衝材200、第二基材602、及び感圧紙603の順に挟んで固定する。この際、第一基材601及び第二基材602の間の距離は、梱包体における支持枠体及びロール製品の側面の間の距離となるように調整しうる。また、第一基材601及び第二基材602のそれぞれに剛性を有する基材(例えば、プラスチック段ボール)を用いうる。また、第一基材601及び緩衝材200の接触面積、及び、第二基材602及び緩衝材202の接触面積は、梱包体における各部材同士の接触面積と同様としうる。また、例えば、第一基材601は支持枠体のパネルに相当する形状としうる。また、例えば、第二基材602はロール製品の側面に相当する形状としうる。感圧紙603としては、前記の感圧紙を用いうる。
【0068】
〔3.梱包体を用いた輸送方法〕
本実施形態においては、前記梱包体を用いることにより、下記のロール製品の輸送方法を提供しうる。
【0069】
棒状円筒部材と当該棒状円筒部材に巻かれた光学フィルムとを含むロール製品を輸送する輸送方法であって、前記ロール製品の軸方向の両端側に立設し、前記棒状円筒部材を受けるための円筒部材受け部を有する少なくとも一対の支持枠体を含むラックを用意し、前記ラックに前記ロール製品を載置し、前記ロール製品の側面及び前記ラックの支持枠体の間に緩衝材を配置することを含む、ロール製品の輸送方法。
【0070】
本実施形態においては、前記梱包体を用いることにより、輸送時の振動による、光学フィルムの擦り傷を抑制して、ロールフィルムを輸送することができる。
【実施例0071】
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下の操作は、別に断らない限り、常温常圧(23℃±2℃、1気圧)大気中にて行った。
【0072】
[評価方法]
緩衝材を構成する部材、または緩衝材そのものに対し、
図5に示す装置を用いて下記試験方法を実施して、圧縮/復元力の有無を確認した。
【0073】
(圧縮/復元力の有無の測定)
図5に示す装置500の台座部501に測定対象を配置し、荷重を変える前の測定対象の厚みT1を測定した。次に、装置500の測定用板503の上面に重り504を載置して、測定対象に0.12kgf/cm
2の荷重を加え、厚みが変化しなくなった時点での測定対象の厚みT2を測定した。次に、次に、0.12kgf/cm
2の荷重を除いた後、厚みが変化しなくなった時点での測定対象の厚みT3を測定した。得られたT1、T2及びT3の値から、下記式(1)及び式(2)により圧縮率及び復元率を算出し、圧縮/復元力の有無を評価した。
圧縮率=厚みT2/厚みT1×100(%) (1)
復元率=厚みT3/厚みT1×100(%) (2)
圧縮/復元力有り:圧縮率が50%以上90%以下であり、復元率が90%以上100%以下。
圧縮/復元力無し:圧縮率が50%未満、及び復元率が90%未満の少なくとも一方に該当する。
【0074】
(剛性の有無の測定)
実施例で用いた、ABS樹脂板、プラスチック段ボール、木製の板状部材について、地面と水平な台上に、前記板状部材の面方向が地面と水平になるように配置したときの板の長さL1を測定した。次に、前記水平な台上に、前記板状部材の面方向が地面と垂直になるように立てて配置したときの前記板の長さL2(重力方向の長さ)を測定した。いずれの部材も、L2/L1の値が、90%以上100%以下となり、剛性を有することが確認された。
【0075】
(押圧の測定)
実施例で得られた梱包体のロール製品及び緩衝材の間に感圧紙(富士フィルム製の圧力測定フィルム「プレスケール」)を挟み込み、感圧紙の色の付き方から押圧を求め、下記の指標により評価した。
強:0.5MPa以上。
中:0.2MPa以上、0.5MPa未満。
弱:0.2未満。
【0076】
(擦り傷の評価)
梱包体に対して、市販のランダム試験機(IMV社製、商品名「EMK1252/H15」)を用いて、ランダム振動試験を行った。ランダム振動試験の条件としては、梱包体におけるラックに加わる最大加速度Gaが3.0Gとなる条件を採用した。具体的には、ランダム振動試験では、X軸方向に1時間、Y軸方向に1時間、及びZ軸方向に1時間の合計3時間にわたって、パワースペクトル密度0.4G2/Hzで、加振した。その後、ロール製品20をラック100から取り外し、光学フィルム21を10mごとにサンプリングを行い、目視検査にて、擦り傷の有無を確認し、下記の指標により評価した。
A:擦り傷発生なし。
B:0.20個/m2以内で擦り傷発生あり。
C:0.20個/m2超、0.40個/m2以内で擦り傷発生あり。
D:0.40個/m2超で擦り傷発生あり。
【0077】
実施例においては、
図7~
図20に示す構造を備える梱包体を製造した(重複する構造の実施例の梱包体及び側面における緩衝材及びロール製品に位置関係の図については省略する)。
【0078】
[実施例1]
以下の手順により、
図7(a)、(b)に示す梱包体301を製造した。
【0079】
(1.ラックの準備)
特開2005-335747号公報に記載の構造を有するラック100を準備した。
【0080】
(2.ロール製品の準備)
(2.1.ロール製品の準備)
環状オレフィン樹脂(日本ゼオン社製「ZEONOR」;ガラス転移温度135℃)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて、70℃で2時間、乾燥した。乾燥させたペレットを、65mmφのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出成形機に供給し、溶融樹脂温度270℃、Tダイの幅1700mmの成形条件で押出成形を行って、長尺の基材層(厚さ50μm、幅1500mm、長さ5000m)を製造した。
【0081】
(2.2.処理前フィルムの製造(易接着層の形成))
ポリエーテル系ポリウレタンの水分散体(第一工業製薬社製「スーパーフレックス870」)をポリウレタンの量で100部と、架橋剤としてエポキシ化合物(ナガセケムテックス社製「デナコールEX313」)15部と、滑材としてシリカ粒子の水分散液(日産化学社製「スノーテックスMP1040」;平均粒子径120nm)をシリカ粒子の量で8部及びシリカ粒子の水分散液(日産化学社製「スノーテックスXL」;平均粒子径50nm)をシリカ粒子の量で8部と、濡れ剤としてアセチレン系界面活性剤(エアープロダクツアンドケミカルズ社製「サーフィノール440」)を固形分合計量に対して0.5重量%と、水とを配合して、固形分濃度2%の液状の水系ウレタン樹脂の水分散体を得た。
【0082】
前記の基材層の片面に、上記水系ウレタン樹脂の水分散体を、リバースロール法で、乾燥後の厚みが45nmになるように塗布し、90℃にて乾燥させた。これにより、基材層の片面に易接着層を形成して、基材層及び易接着層を備える複層構造の処理前フィルムを得た。
【0083】
(2.3.ナール部の形成)
前記の処理前フィルムを長尺方向に30m/分の速度で搬送した。そして、搬送される処理前フィルムの幅方向の左右両端部の、易接着層側の面に、レーザー光を照射して、複数のナール部を形成して、長尺フィルムを得た。レーザー光の照射装置としては、CO2レーザー光照射装置(コヒレント社製「J3シリーズ」、レーザー波長9.4μm)を用いた。また、レーザー光の照射出力は、出力50%とした。さらに、レーザー光の照射は、所望のナール部の平面形状を描くように、ガルバノスキャナにて移動速度7000mm/sでレーザー光照射点を移動させながら、行った。ナール部の平面形状は、国際公開第2022/024854号の実施例1における長尺フィルムのナール部の平面形状と同様とした。
【0084】
(2.4.長尺フィルムの巻回)
前記のように形成されたナール部を有する長尺フィルムを、更に長手方向に搬送し、直径6インチの巻き芯(棒状円筒部材)を中心にして、巻き取り張力120Nにて長尺方向に5000m巻き取り、ロール製品を得た。
【0085】
(3.緩衝材の準備)
緩衝材として、
図7(a)、(b)に示す部材A201a、部材B201b及び部材A201aの3層構造を有する緩衝材201を準備した。
部材A201aには、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)製の厚み5mmの剛性を有する板状部材を用いた。板状部材の形状は、ロール製品の側面と同等の直径を有し、中央に棒状円筒部材の貫通孔を有するドーナツ形状(外径φ800mm、内径(貫通孔径)φ170mm)とした。
部材B201bには、ポリエチレン製のエアクッションを用いた。エアクッションの形状は、
図11に示すように、ロール製品の側面と同等の直径を円形状であって、中央に棒状円筒部材の貫通孔を有する形状とした。また、エアクッションの一部に、平面視上、貫通孔から外部へ直線状に開放された開口Oを有する形状とした。また、エアクッションは、2つの空気注入/排出口Pを有し、一方に逆止弁が設けられており、他方にコックが設けられているものを用いた。
図11において逆止弁及びコックは省略している。
【0086】
(梱包体の製造)
ラック100に、前記のロール製品20を載置した。この際、ロール製品20の両側面には、それぞれ、2枚の部材A201aを予め設置しておいた。ロール製品20の各側面において、2枚の部材A201aの間に空気を入れる前のエアクッションを配置し、エアコンプレッサーを用いてエアクッションに空気を注入して、エアクッション内のエアー圧が18kPaとなるように調整して部材B201bを配置し、ラック100の支持枠体12及びロール製品20の側面の間に、部材A201a、部材B201b及び部材A201aがこの順で積層された緩衝材201を配置した。また、支持枠体12、緩衝材201及びロール製品20の側面の積層部分においては隙間が生じないように各部材を配置した。以上の手順により、梱包体301を得た。
【0087】
[実施例2]
以下の手順により、
図12(a)、(b)に示す梱包体302を製造した。
緩衝材201の代わりに、下記の緩衝材202を準備したこと、及び、ラックにロール製品を載置した後、ラックの支持枠体及びロール製品の側面の間に緩衝材202を差し込んで配置したこと以外は、実施例1と同様の手順により梱包体302を製造した。
【0088】
緩衝材として、
図12(a)、(b)に示す部材A202a、部材B202b及び部材A202aの3層構造を有する緩衝材202を準備した。
部材Aには、実施例1と同様のABS製の板状部材を用いた。板状部材の形状は、
図12(b)に示すように、ロール製品20の側面の上半分(半円)を覆う四角形状であり、下端縁に棒状円筒部をはめ込むための溝部を設けた形状とした。
部材Bには、スプリングを含む部材を用いた。スプリングは、ミスミ社製、ばね定数2.9N/mm、自由長さ40mm、コイル計27mmのものを8個用いた。部材A202aに対して、
図13に示すように、8個の部材Bを配置した。
【0089】
[実施例3]
以下の手順により、
図14(a)、(b)に示す梱包体303を製造した。
緩衝材201の代わりに、下記の緩衝材203を準備したこと、及び、ラック100にロール製品20を載置した後、ラック100の支持枠体12及びロール製品20の側面の間に緩衝材203を配置したこと以外は、実施例1と同様の手順により梱包体302を製造した。緩衝材203の配置においては、まず、部材Bを配置した後、部材Bの両側に部材Aを差し込んで隙間を埋めることにより、緩衝材203を配置した。
【0090】
緩衝材として、
図14(a)、(b)に示すように、部材A203a、部材B203b及び部材A203aの3層構造を有する緩衝材203を準備した。
部材A203aには、実施例1と同様のABS製の板状部材を用いた。板状部材の形状は、
図14(b)に示すように、ロール製品の側面全体と重なる四角形状であり、筒状円筒部材の直径と同程度の幅を有し、筒状円筒部材をはめ込むための切り欠き部を設けた形状とした。
部材B203bには、厚み10mmのウレタン系エラストマー(枚方技研製のノンブレンシート NS)を用いた。部材B203bの形状は、部材A203aの形状と同様とした。
【0091】
[実施例4]
以下の手順により、
図15(a)、(b)に示す梱包体304を製造した。
緩衝材201の代わりに、下記の緩衝材204を準備したこと、及び、ラック100にロール製品20を載置した後、ラック100の支持枠体12及びロール製品20の側面の間に緩衝材204を配置したこと以外は、実施例1と同様の手順により梱包体304を製造した。緩衝材204の配置においては、部材A及び空気を入れる前のエアクッションを配置した後、エアコンプレッサーを用いてエアクッションに空気を注入して、エアクッション内のエアー圧が18kPaとなるように調整して部材B204bを配置した。
【0092】
緩衝材として、
図15(a)、(b)に示す部材A204a、部材B204b及び部材A204aの3層構造を有する緩衝材204を準備した。
部材A204aには、厚み5000μmのプラスチック段ボール(住化プラステック株式会社製)を用いた。板状部材の形状は、実施例2の板状部材と同様とした。
部材B204bには、ポリエチレン製のエアクッションを用いた。エアクッションの形状は、
図15(b)に示すように、長方形状のものを用いた。エアクッションとしては、図示はしないが、実施例1と同様に、2つの空気注入排出口を有し、一方に逆止弁、他方にコックが設けられたものを用いた。
【0093】
[実施例5]
緩衝材として、実施例1の緩衝材201における部材B201bのエアー圧を9kPaとした緩衝材を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により梱包体を製造した(図示せず)。
【0094】
[実施例6]
以下の手順により、
図16に示す構造の梱包体306を製造した。
緩衝材204の代わりに、下記の緩衝材206を準備したこと、及び、
図15に示すように、ロール製品の側面と垂直方向に対して、支持枠体側から部材A及び部材Bがこの順で積層されるように、緩衝材を配置したこと以外は、実施例4と同様の手順により梱包体306を製造した。
【0095】
緩衝材として、
図16に示す部材A206a、及び部材B206bを有する緩衝材206を準備した。部材A206a及び部材B206bの材質及び形状は、実施例4の部材A204a及び部材B204bの材質及び形状と同様とした。
【0096】
[実施例7]
以下の手順により、
図17に示す構造の梱包体307を製造した。
緩衝材として、実施例4の部材B204bとして用いたエアクッションを単層で用いた点以外は、実施例4と同様にして梱包体307を製造した。
【0097】
[実施例8]
緩衝材としてのエアクッションのエアー圧を27kPaとした点は、実施例7と同様にして梱包体を製造した(図示せず)。
【0098】
[実施例9]
緩衝材としてのエアクッションのエアー圧を9kPaとした点は、実施例7と同様にして梱包体を製造した(図示せず)。
【0099】
[実施例10]
以下の手順により、
図18(a)、(b)に示す梱包体310を製造した。
緩衝材203の代わりに、下記の緩衝材210を準備して用いたこと以外については、実施例3と同様の手順により梱包体310を得た。
【0100】
図18(a)、(b)に示す部材A210a、部材B210b及び部材A210aの3層構造を有する緩衝材210を準備した。
部材A210aには、実施例4と同様のプラスチック段ボール製の板状部材を用いた。前記板状部材の形状は実施例3の部材A203aと同様とした。
部材B210bには、厚み20mmの木製の板状部材を用いた。前記板状部材の形状は、部材A210aと同様とした。
【0101】
[実施例11]
以下の手順により、
図19に示す梱包体311を製造した。
緩衝材210の代わりに、下記の緩衝材211を準備して用いたこと以外については、実施例10と同様の手順により梱包体311を得た。
【0102】
実施例4と同様のプラスチック段ボール製の板状部材を複数枚用意し、支持枠体及びロール製品の間に隙間なく詰め込んで、緩衝材211として用いた。緩衝材の形状は、実施例10の部材A210aの形状と同様とした。
【0103】
[実施例12]
以下の手順により、
図20(a)、(b)に示す梱包体312を製造した。
緩衝材201の代わりに、下記の緩衝材212を準備したこと、及びラック100にロール製品20を載置した後、ラック100の支持枠体12及びロール製品20の側面の間に緩衝材212を配置したこと以外は、実施例1と同様の手順により梱包体312を製造した。緩衝材212の配置においては、部材A及び空気を入れる前のエアクッションを配置した後、エアコンプレッサーを用いてエアクッションに空気を注入して、エアクッション内のエアー圧が18kPaとなるように調整して部材B212bを配置した。
【0104】
緩衝材として、
図20(a)、(b)に示す部材A212a、部材B212b及び部材A212aの3層構造を有する緩衝材212を準備した。
部材A212aには、実施例4と同様のプラスチック段ボール製の板状部材を用いた。板状部材の形状は、
図20(b)に示すように、四角形状とした。
部材B212bには、ポリエチレン製のエアクッションを用いた。エアクッションの形状は、
図20(b)に示すように、部材A212aの形状と同様とした。エアクッションとしては、図示はしないが、実施例1と同様に、2つの空気注入排出口を有し、一方に逆止弁、他方にコックが設けられたものを用いた。
【0105】
[比較例1]
図21に示すように、ラック100にロール製品を載置し、緩衝材を配置しなかったものを比較例1の梱包体400とした。
【0106】
実施例1~12及び比較例1の梱包体の構成及び評価結果を表1及び表2に示す。表1及び表2中の略語は、以下の意味を示す。
ABS:アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)製の厚み5mmの剛性を有する板状部材。
プラダン:厚み5000μmのプラスチック段ボール(住化プラステック株式会社製)。
ゴム:厚み10mmのウレタン系エラストマー(枚方技研製のノンブレンシート NS)。
木:厚み20mmの木製の板状部材。
【0107】
【0108】