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  • 特開-疎水性ゼオライト、及びその製造方法 図1
  • 特開-疎水性ゼオライト、及びその製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086814
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】疎水性ゼオライト、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/24 20060101AFI20240621BHJP
   B01J 20/18 20060101ALI20240621BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C01B39/24
B01J20/18 B
B01J20/30
B01J20/18 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062041
(22)【出願日】2024-04-08
(62)【分割の表示】P 2019208770の分割
【原出願日】2019-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】福井 めぐ
(72)【発明者】
【氏名】岡庭 宏
(57)【要約】
【課題】 従来のゼオライトでは得られなかった、高い疎水性と高い有機化合物吸着能を兼ね備えた、有機化合物を選択的に吸着可能な疎水性ゼオライトを提供する。
【解決手段】 25℃、RH70%における水分吸着量が(4.5g/ゼオライト100g)以下、かつ25℃、0.1kPaにおけるトルエン吸着量が(15g/ゼオライト100g)以上である疎水性ゼオライト。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
25℃、RH70%における水分吸着量が(3.5g/ゼオライト100g)以下、かつ25℃、0.1kPaにおけるトルエン吸着量が(17.2g/ゼオライト100g)以上である、FAU構造を有する疎水性ゼオライト粉体。
【請求項2】
SiO/Alモル比が50~150の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の疎水性ゼオライト粉体。
【請求項3】
ナトリウム、カリウム、セシウム、鉄、銅、銀、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及びイリジウムからなる群より選ばれた1種以上の金属を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の疎水性ゼオライト粉体。
【請求項4】
ゼオライトを酸性溶液と接触させた後、水蒸気濃度60容量%~80容量%の雰囲気下で水蒸気と600℃~900℃の温度で接触させることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の疎水性ゼオライト粉体の製造方法。
【請求項5】
ゼオライトを酸性溶液と接触させて得られた脱アルミニウムゼオライトを、水蒸気濃度60容量%~80容量%の雰囲気下で水蒸気と600℃~900℃の温度で接触させることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の疎水性ゼオライト粉体の製造方法。
【請求項6】
請求項1~請求項3のいずれかに記載の疎水性ゼオライト粉体を含有する成形体。
【請求項7】
請求項1~請求項3のいずれかに記載の疎水性ゼオライト粉体を含有する有機化合物吸着剤。
【請求項8】
請求項7に記載の有機化合物吸着剤を、少なくとも1種の有機化合物を含む流体と接触させ、流体から該有機化合物を除去する有機化合物の除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性ゼオライト、及びその製造方法に関する。本発明の疎水性ゼオライトは、例えば、水蒸気を含む混合ガスから有機化合物を選択的に吸着除去する、または吸着回収する用途に有用である。
【背景技術】
【0002】
塗装設備、印刷設備、工業製品の洗浄設備等から排出される有機化合物は、浮遊粒子状物質や光化学オキシダント等の大気汚染の原因とされており、排出量の削減が求められている。そして、該有機化合物の削減のために、種々の有機化合物吸着剤が開発されている。
【0003】
近年、ゼオライトを用いた有機化合物吸着剤が提案されているが、一般にゼオライトは水分吸着量が多いために、相対的に揮発性有機化合物の吸着量が低下したり、吸着した有機化合物および水分を加熱除去して吸着剤を再生する際に多くのエネルギーを要する。このため、水分吸着量が少ない、すなわち疎水性の高いゼオライトが求められている。
【0004】
疎水性が比較的高いゼオライトとして、特許文献1では、相対湿度63%に相当する水蒸気圧2kPaにおける水分吸着量が18質量%以下のFAU型ゼオライトが提案されている。しかしながら、特許文献1に記載のゼオライトは、相対湿度63%における水分吸着量は5.5質量%程度であり、有機化合物吸着剤として十分な疎水性を得ることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3684267号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のゼオライトでは得られなかった、高い疎水性と高い有機化合物吸着能を兼ね備えた、有機化合物を選択的に吸着可能な疎水性ゼオライトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の疎水性ゼオライトが上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、25℃、相対湿度(以下、「RH」ともいう。)70%における水分吸着量が(4.5g/ゼオライト100g)以下、かつ25℃、0.1kPaにおけるトルエン吸着量が(15g/ゼオライト100g)以上である疎水性ゼオライトである。
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明は、25℃、RH70%における水分吸着量が(4.5g/ゼオライト100g)以下、かつ25℃、0.1kPaにおけるトルエン吸着量が(15g/ゼオライト100g)以上である疎水性ゼオライトである。
【0011】
本発明において、水分吸着量は、温度25℃、平衡圧力がP/P=0.7、P=2.22kPa(RH70%)における水の平衡吸着量をゼオライト100g当りの質量に換算したものであり、トルエン吸着量は、温度25℃、平衡圧力P=0.1kPaにおける平衡吸着量をゼオライト100g当りの質量に換算したものである。水分吸着量が低いものほど「疎水性が高い」、トルエン吸着量が高いものほど「有機化合物吸着能が高い」と評価できる。そして、本発明は、25℃、RH70%における水分吸着量が(4.5g/ゼオライト100g)以下、かつ25℃、0.1kPaにおけるトルエン吸着量が(15g/ゼオライト100g)以上であることで、高い疎水性と高い有機化合物吸着能を兼ね備え、有機化合物を選択的に吸着することを特徴とする。25℃、RH70%における水分吸着量は(4g/ゼオライト100g)以下であることが好ましく、(3.5g/ゼオライト100g)以下であることがより好ましい。該水分吸着量の下限は限定されず、低い方が好ましい。25℃、0.1kPaにおけるトルエン吸着量は(15.5g/ゼオライト100g)以上であることが好ましく、(16g/ゼオライト100g)以上であることがより好ましい。該トルエン吸着量の上限は限定されず、高い方が好ましい。
【0012】
本発明の疎水性ゼオライトは、25℃、RH20%における水分吸着量が(1g/ゼオライト100g)以下であることが好ましく、(0.8g/ゼオライト100g)以下であることがより好ましい。該水分吸着量の下限は限定されず、低い方が好ましい。
【0013】
本発明の疎水性ゼオライトは、高い有機化合物吸着能を有するため、FAU構造を有することが好ましい。ここで、FAU構造とは、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)により分類されるゼオライト骨格構造を指す。
【0014】
本発明の疎水性ゼオライトは、高い疎水性と高い結晶化度の両立の観点から、SiO/Alモル比が50~150の範囲であることが好ましく、80~130であることがより好ましい。
【0015】
本発明の疎水性ゼオライトは、成形加工又はハニカムコートする際により取り扱いやすい物性を得るため、凝集粒子径が1~5μmであることが好ましく、1~3μmであることがより好ましい。ここで、本発明における「凝集粒子径」とは、レーザー回折散乱法による粒子径分布測定(体積分布)において、累積体積分布50%に対応する粒子径である(以下、凝集粒子径を「D50」ともいう。)。
【0016】
本発明の疎水性ゼオライトは、有機化合物吸着剤として使用する際のより高い吸着選択性及び耐熱性の観点、並びに、吸着した有機化合物の酸化分解などの機能付与の観点から、ナトリウム、カリウム、セシウム、鉄、銅、銀、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及びイリジウムからなる群より選ばれた1種以上の金属を含有することが可能である。
【0017】
金属成分を含有させる方法は特に限定されず、イオン交換法、含浸法、蒸発乾固法などが使用できる。イオン交換法としては、ゼオライトと所望のイオンを含有する溶液とをゼオライト中のイオン量が所望の濃度になるまで接触させる方法が挙げられる。回分法、流通法など一般的なイオン交換法が適用可能である。成形体やハニカム構造体の有機化合物吸着剤を製造する際には、ゼオライト粉末を金属修飾した後に成形体やハニカム構造体とすることも、ゼオライト粉末を成形体やハニカム構造体とした後に金属修飾を行うことも、いずれでも可能である。
【0018】
次に本発明の疎水性ゼオライトの製造方法について説明する。
【0019】
該製造法としては、本発明の疎水性ゼオライトが製造できれば、特に制限はないが、例えば、ゼオライトを酸性溶液と接触させた後、水蒸気と600℃~900℃の温度で接触させる製造方法が挙げられる。
【0020】
ここで、本発明において、「酸性溶液」とは、pHが5以下である溶液を示し、pHが2以下である溶液がより好ましく、pHが1以下である溶液がさらに好ましい。
【0021】
母材となるゼオライトとしては、FAU構造を有する合成ゼオライトが好適に使用でき、Y型ゼオライトが好ましい。
【0022】
該FAU構造を有する合成ゼオライトの製造方法としては、例えば、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源の混合物(以下、「原料混合物」ともいう。)を水熱下で結晶化することが挙げられる。
【0023】
シリカ源は、例えば、コロイダルシリカ、無定型シリカ、珪酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート、アルミノシリケートゲル等を用いることができる。
【0024】
アルミナ源は、例えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミノシリケートゲル、金属アルミニウム等を用いることができる。シリカ源及びアルミナ源は、他の原料と十分均一に混合できる形態のものが好ましい。
【0025】
アルカリ源は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムの水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩などの各種の塩、アルミン酸塩中、珪酸塩中、アルミノシリケートゲル中のアルカリ成分等を用いることができる。
【0026】
ゼオライトの結晶化はオートクレーブを使用することができ、結晶化の温度は70℃以上、250℃以下、好ましくは80℃以上、200℃以下、より好ましくは90℃以上、190℃以下とすることができる。結晶化時間は12時間以上、96時間以内、好ましくは14時間以上、84時間以内、より好ましくは16時間以上、72時間以内とすることができる。結晶化は静置、撹拌下のいずれでも行うことができる。
【0027】
結晶化終了後は、固液分離を行い、余剰のアルカリ溶液を酸性溶液、純水、温水などで洗浄することができる。洗浄後は乾燥することができる。乾燥温度は80℃以上、200℃以下、好ましくは90℃以上、190℃以下であればよい。
【0028】
該ゼオライトについて、酸性溶液と接触させることにより、好適にFAU構造ゼオライトを脱アルミニウムすることができる。
【0029】
また、本発明の疎水性ゼオライトの製造方法としては、ゼオライトを酸性溶液と接触させて得られた脱アルミニウムゼオライトを、水蒸気と600℃~900℃の温度で接触させる製造方法も挙げられる。このとき、該脱アルミニウムゼオライトとしては、市販の脱アルミニウムゼオライトを用いることもできる。
【0030】
酸性溶液に用いられる酸としては、無機酸、有機酸、およびそれらの混合、いずれでも構わないが、無機酸の塩酸、硫酸、又は硝酸が好ましい。
【0031】
酸性溶液中の酸の量は、ゼオライト中のアルミニウムの1~100倍当量であることが好ましく、1~80倍当量であることがより好ましい。
【0032】
また、酸性溶液と接触させる際には脱アルミニウムを促進するために40℃~95℃に加温することが好ましく、50℃~95℃に加温することがより好ましい。
【0033】
酸性溶液による脱アルミニウムは、一回で行ってもよいし、所望のSiO/Alモル比となるまで、2回以上繰り返してもよい。この脱アルミニウムにより、SiO/Alモル比を、例えば、50~150、好ましくは80~130とすることができる。
【0034】
本発明の疎水性ゼオライトは、脱アルミニウムにより得られた脱アルミニウムゼオライトを、好ましくは20容量%~100容量%、より好ましくは40容量%~100容量%の水蒸気と、600℃~900℃、より好ましくは700~850℃の温度で接触させることにより製造することができる。水蒸気濃度が20容量%~100容量%のとき、より優れた疎水性を発現することができる。また、接触させる温度が600℃~900℃のとき、より優れた疎水性及びより高い結晶度を発現することができる。該温度での水蒸気との接触は、一回でもよいし、本発明の疎水性ゼオライトが所望の疎水性となるまで、2回以上繰り返してもよい。
【0035】
本発明の疎水性ゼオライトを含有する有機化合物吸着剤は、特に揮発性有機化合物吸着剤として優れた効果を有する。該有機化合物吸着剤により、湿度が高い雰囲気中、又は水中の有機化合物を、水分の影響を低減して吸着除去する、または吸着回収することが可能となる。従って、該有機化合物吸着剤は、少なくとも1種の有機化合物を含む流体と接触させ、流体から該有機化合物を除去する有機化合物の除去方法として有用であり、例えば、塗装設備、印刷設備、工業製品の洗浄設備等から排出される排ガス、又は水排水中の有機化合物の吸着除去/回収に使用される吸着剤や、自動車排ガス中の有機炭化水素成分を吸着除去する吸着剤として有用に使用できる。
【0036】
本発明の疎水性ゼオライトは、有機化合物吸着剤として、製造されたままの粉体状態で使用することができるが、ビーズやペレット、三つ葉状など所望の形状に成形した成形体として使用したり、本発明の疎水性ゼオライト粉体をスラリー化してハニカム状の基材に塗布したハニカム構造体として使用することができる。
【0037】
本発明の疎水性ゼオライトは、有機化合物吸着剤として使用する際に、他のゼオライト、例えば、ZSM-5などのMFI構造のゼオライトと混合して使用することができる。
【発明の効果】
【0038】
従来のゼオライトでは得られなかった、高い疎水性と高い有機化合物吸着能を兼ね備えた、有機化合物を選択的に吸着可能な疎水性ゼオライトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】実施例および比較例の25℃における水の吸着等温線
図2】実施例および比較例の25℃におけるトルエンの吸着等温線
【実施例0040】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
<水分吸着量及びトルエン吸着量の測定>
吸着量の測定は、定容量式吸着測定装置(BELSORP MAXII:マイクロトラックベル社製)を使用した。試料は350℃で2時間、10Pa以下の真空下で前処理した。吸着温度は25℃で測定した。
【0042】
<凝集粒子径分布の測定>
粒子径分布の測定は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラックMT3000II:マイクロトラックベル社製)を使用して行った。試料スラリーは超音波ホモジナイザー(日本精機製作所社製)で2分間分散処理後に測定を行なった。
【0043】
実施例1
市販のY型ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比6.1、NaO量0.24質量%)を濃塩酸(pH1以下)と接触させて得られた脱アルミニウムUSY型ゼオライト(SiO/Alモル比104)を780℃、70容量%水蒸気雰囲気で2時間熱処理(水蒸気と接触)することにより本発明の疎水性ゼオライトを得た。SiO/Alモル比は104であった。25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0044】
実施例2
市販の脱アルミニウムUSY型疎水性ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比115、Y型ゼオライトと濃塩酸(pH1以下)とを接触させて得られたゼオライト)を710℃、70容量%水蒸気雰囲気で2時間熱処理(水蒸気と接触)することにより本発明の疎水性ゼオライトを得た。SiO/Alモル比は115、D50は2.2μmであった。また、25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0045】
実施例3
市販の脱アルミニウムUSY型疎水性ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比115、Y型ゼオライトと濃塩酸(pH1以下)とを接触させて得られたゼオライト)を750℃、70容量%水蒸気雰囲気で2時間熱処理(水蒸気と接触)することにより本発明の疎水性ゼオライトを得た。SiO/Alモル比は115、D50は2.3μmであった。また、25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0046】
実施例4
市販の脱アルミニウムUSY型疎水性ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比115、Y型ゼオライトと濃塩酸(pH1以下)とを接触させて得られたゼオライト)を790℃、70容量%水蒸気雰囲気で2時間熱処理(水蒸気と接触)することにより本発明の疎水性ゼオライトを得た。SiO/Alモル比は115、D50は2.3μmであった。また、25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0047】
実施例5
市販の脱アルミニウムUSY型疎水性ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比115、Y型ゼオライトと濃塩酸(pH1以下)とを接触させて得られたゼオライト)を830℃、70容量%水蒸気雰囲気で2時間熱処理(水蒸気と接触)することにより本発明の疎水性ゼオライトを得た。SiO/Alモル比は115、D50は2.5μmであった。また、25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0048】
実施例6
市販の脱アルミニウムUSY型疎水性ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比115、Y型ゼオライトと濃塩酸(pH1以下)とを接触させて得られたゼオライト)を790℃、60容量%水蒸気雰囲気で2時間熱処理(水蒸気と接触)することにより本発明の疎水性ゼオライトを得た。SiO/Alモル比は115、D50は2.3μmであった。また、25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0049】
実施例7
市販の脱アルミニウムUSY型疎水性ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比115、Y型ゼオライトと濃塩酸(pH1以下)とを接触させて得られたゼオライト)を790℃、80容量%水蒸気雰囲気で2時間熱処理(水蒸気と接触)することにより本発明の疎水性ゼオライトを得た。SiO/Alモル比は115、D50は2.3μmであった。また、25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0050】
比較例1
市販のY型ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比6.1、NaO量0.24質量%)の25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0051】
比較例2
比較例1のゼオライトを濃塩酸(pH1以下)で脱アルミニウム処理し、SiO/Alモル比104のUSY型ゼオライトを得た。25℃における水分吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0052】
比較例3
市販の脱アルミニウムUSY型疎水性ゼオライト(東ソー製、SiO/Alモル比115、Y型ゼオライトと濃塩酸(pH1以下)とを接触させて得られたゼオライト)の25℃における水分吸着量およびトルエン吸着量を測定し、結果を図1、2、および表1にそれぞれ示した。
【0053】
【表1】
【0054】
図1、2、および表1から明らかなように、本発明の疎水性ゼオライトは高い疎水性と高い有機化合物吸着性能、水分に対する有機化合物の高い吸着選択性を兼ね備えていた。
図1
図2