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  • 特開-勃起力改善薬 図1
  • 特開-勃起力改善薬 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088183
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】勃起力改善薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/54 20060101AFI20240625BHJP
   A61K 36/65 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 36/484 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 36/9068 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 36/725 20060101ALI20240625BHJP
   A61K 35/32 20150101ALI20240625BHJP
   A61K 35/618 20150101ALI20240625BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A61K36/54
A61K36/65
A61K36/484
A61K36/9068
A61K36/725
A61K35/32
A61K35/618
A61P15/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203234
(22)【出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124431
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 順也
(74)【代理人】
【識別番号】100174160
【弁理士】
【氏名又は名称】水谷 馨也
(74)【代理人】
【識別番号】100175651
【弁理士】
【氏名又は名称】迫田 恭子
(72)【発明者】
【氏名】浅倉 圭太
【テーマコード(参考)】
4C087
4C088
【Fターム(参考)】
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB16
4C087BB46
4C087MA02
4C087MA52
4C087NA14
4C087ZA81
4C088AB12
4C088AB33
4C088AB58
4C088AB60
4C088AB81
4C088AD08
4C088AD13
4C088BA08
4C088CA03
4C088MA07
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA81
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、勃起力を改善できる漢方薬を提供することである。
【解決手段】桂枝加竜骨牡蛎湯エキスは、勃起力改善薬の有効成分となる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
桂枝加竜骨牡蛎湯エキスを含有する、勃起力改善薬。
【請求項2】
勃起時の硬さを改善するために用いられる、請求項1に記載の勃起力改善薬。
【請求項3】
勃起時の陰茎周径長を改善するために用いられる、請求項1に記載の勃起力改善薬。
【請求項4】
20歳代~40歳代の人に対して用いられる、請求項1に記載の勃起力改善薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勃起力改善薬に関する。
【背景技術】
【0002】
勃起は性的興奮が高まった時に起こる。性的興奮により、勃起に関係する神経から特殊な物質が放出され、陰茎海綿体に信号を送る。このことにより、陰茎海綿体に動脈血が多く流れ込み、血液が充満していくことにより勃起が起きる。勃起が完成すると、陰茎内に充満した血液が陰茎の外に流れ出ないようなシステムが働き、いわゆる良好な勃起が維持される。
【0003】
満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または(and/or)維持できない状態が持続または(or)再発する症状が、勃起障害/勃起不全(Erectile Dysfunction;ED)である。勃起機能の客観的判定基準としては、Sexual Health Inventory for Men(SHIM)、International Index of Erectile Function(IIEF)-15、IIEF-6、及び簡易的には日本語版「勃起の硬さスケール」(EHS)等があり、EDの診断及び治療効果の評価に用いられている(非特許文献1、非特許文献2)。
【0004】
EDの治療としては、EHSを改善する効果が知られている、シルデナフィルに代表されるPDE5阻害剤が知られている。しかしながら、長期的かつ安全に投与することを希望する患者、及び臨床的にEDに該当しなくてもその傾向にあることを自覚している人に対しては、漢方療法も選択肢として考えられる。
【0005】
漢方学的には、生殖系器官をコントロールする臓器は腎であるとされ、腎気が衰える腎虚という状態の1つとしてEDがあると解釈されている。このため、EDに用いられる漢方薬としては、補腎剤である、八味地黄丸、牛車腎気丸、六味丸が選択肢となり得る(非特許文献3)。また、漢方学的に、勃起不全は陰萎と表現されており、市販の漢方薬の添付文書の効能効果の欄に陰萎の表記があるものとしては、柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、八味地黄丸、補中益気湯が挙げられる。
【0006】
ここで、良好な勃起が得られない訴えには、性的興奮が起こりにくい又は勃起に時間がかかるといった、勃起に至るまでの速さに係る訴え、勃起時の硬さ又は大きさが不十分であるといった、勃起時の状態に係る訴え、勃起状態の持続時間が短いといった、勃起の持続性に係る訴え、日によって勃起しないこともあるといった、勃起の頻度に係る訴え等、様々である。EDの治療薬として認められているシルデナフィル等の薬剤は、良好な勃起が得られない状態の中でも、少なくとも勃起時の状態であるEHSを改善する。しかしながら、漢方薬に関しては漠然と陰萎という古典的な表記が効能効果に挙げられているだけで具体的な改善効果については明確になっていないため、EDという症状だけを対象にして処方を考えても上手く行かないことが多く、ED以外の症状又は体格などの所見も併せて考える必要がある、というのが臨床上の認識である(非特許文献4)。
【0007】
例えば、加齢男性の性腺機能低下症候群に対するアンドロゲン補充療法後維持療法としての漢方療法の効果として、柴胡加竜骨牡蛎湯6例、牛車腎気丸3例、桂枝茯苓丸1例、八味地黄丸1例についての結果が報告されており、男性更年期障害の指標であるAging males' symptoms(AMS)心理的因子の有意な改善、AMS性機能因子の有意な改善、及びAMS身体的因子の有意でないが改善傾向が認められたこと、及びEHSについては有意な変化が認められなかったことが報告されている(非特許文献5)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ED診療ガイドライン[第3版]、日本性機能学会/日本泌尿器科学会、2018年1月15日
【非特許文献2】日本語版EHS「勃起の硬さスケール」の開発、日本性機能学会雑誌 Vol.24 No.1 p.1-3 2009
【非特許文献3】“No.64 勃起不全(ED)” 漢方スクエア Vol.10 No.4(通巻186号),[online],2013年2月27日,株式会社アクセント,[令和4年12月16日検索],インターネット<URL:https://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/186/bestchoice-186.htm>
【非特許文献4】“No.67 勃起障害(erectile dysfunction; ED)の漢方治療” 漢方スクエア Vol.7 No.17(通巻127号),[online],2010年9月8日,株式会社アクセント,[令和4年12月16日検索],インターネット<URL:https://www.kampo-s.jp/web_magazine/back_number/127/qa-127.htm>
【非特許文献5】“加齢男性の性腺機能低下症候群に対するアンドロゲン補充療法後維持療法としての漢方療法の効果” 第30回泌尿器科漢方研究会学術集会講演要旨集,[online],2012年,[令和4年12月16日検索],インターネット<URL:https://hinyouki-kampo.net/file/youshi/all/30-2.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
良好な勃起が得られない訴えの中でも、特に、勃起時の硬さ及び/又は大きさが不十分であるという勃起時の状態を改善するために、PDE5阻害剤以外にも選択できる漢方薬があることが望まれる。
【0010】
そこで、本発明は、勃起時の状態(つまり、勃起時の硬さ及び/又は大きさをいい、これらを合わせて勃起力と記載する。)を改善できる漢方薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、桂枝加竜骨牡蛎湯エキスが、勃起力を改善できることを新たに見出した。本発明は、この知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
【0012】
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 桂枝加竜骨牡蛎湯エキスを含有する、勃起力改善薬。
項2. 勃起時の硬さを改善するために用いられる、項1に記載の勃起力改善薬。
項3. 勃起時の陰茎周径長を改善するために用いられる、項1又は2に記載の勃起力改善薬。
項4. 20歳代~40歳代の人に対して用いられる、項1~3のいずれかに記載の勃起力改善薬。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、勃起力を改善できる漢方薬が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の勃起力改善薬による、勃起時の硬さの改善効果を示す。
図2】本開示の勃起力改善薬による、勃起時の陰茎周径長の改善効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の勃起力改善薬は、桂枝加竜骨牡蛎湯エキスを含有し、勃起力の改善に用いられることを特徴とする。以下、本開示の勃起力改善薬について詳述する。本明細書において、2つの数値と「~」とにより示される数値範囲は、当該2つの数値を下限値及び上限値として含むものとする。例えば、2~15重量%との表記は、2重量%以上15重量%以下を意味する。
【0016】
桂枝加竜骨牡蛎湯エキス
桂枝加竜骨牡蛎湯の漢方処方としては、「新 一般用漢方処方の手引き」(厚生省薬務局監修、日薬連漢方専門員会編集、薬業時報社発行)に記載されている漢方処方が好ましく、具体的には、ケイヒ、シャクヤク、タイソウ、リュウコツ、ボレイ、カンゾウ、及びショウキョウからなる混合生薬が挙げられる。
【0017】
また、桂枝加竜骨牡蛎湯を構成する各生薬の分量としては、ケイヒが1~4重量部、好ましくは1.5~4重量部;シャクヤクが1~4重量部、好ましくは1.5~4重量部;タイソウが1~4重量部、好ましくは1.5~4重量部;リュウコツが0.75~3重量部、好ましくは1.5~3重量部;ボレイが0.75~3重量部、好ましくは11.5~3重量部;カンゾウが0.5~2重量部、好ましくは1~2重量部;ショウキョウ0.25~1.5重量部、好ましくは0.5~1.5重量部が挙げられる。
【0018】
本開示で使用される桂枝加竜骨牡蛎湯エキスの製造に供される生薬調合物の好適な例としては、ケイヒ2重量部、シャクヤク2重量部、タイソウ2重量部、リュウコツ1.5重量部、ボレイ1.5重量、カンゾウ1重量部、及びショウキョウ0.5重量部が挙げられる。
【0019】
桂枝加竜骨牡蛎湯のエキスの形態としては、軟エキス等の液状のエキス、及び固形状の乾燥エキス末のいずれであってもよい。
【0020】
桂枝加竜骨牡蛎湯の液状のエキスは、桂枝加竜骨牡蛎湯処方に従った混合生薬を抽出処理し、得られた抽出液を必要に応じて濃縮することにより得ることができる。また、桂枝加竜骨牡蛎湯の乾燥エキス末は、液状のエキスを乾燥処理することにより得ることができる。
【0021】
桂枝加竜骨牡蛎湯のエキスの製造において、抽出処理に使用される抽出溶媒としては、特に限定されず、水又は含水エタノールが挙げられる。桂枝加竜骨牡蛎湯の抽出処理としては、特に限定されないが、例えば、桂枝加竜骨牡蛎湯に含まれる生薬の総重量(乾燥重量換算)に対して、5~25倍量程度の抽出溶媒で抽出した後、1/2容量になるまで濃縮し、固形分を除いたものを、桂枝加竜骨牡蛎湯の液状エキスとして得る方法が挙げられる。また、この液状エキスを乾燥処理に供することにより、桂枝加竜骨牡蛎湯の乾燥エキス末が得られる。乾燥処理としては、特に限定されず、公知の方法を用いればよく、例えば、スプレードライ法、及びエキスの濃度を高めた軟エキスに適当な吸着剤(例えば無水ケイ酸、デンプン等)を加えて吸着末とする方法等が挙げられる。
【0022】
本開示において桂枝加竜骨牡蛎湯としてエキスを使用する場合、前述の方法で調製したエキスを使用してもよいし、市販されたものを使用してもよい。
【0023】
本開示の勃起力改善薬において、桂枝加竜骨牡蛎湯エキスの含有量としては、本開示の効果を奏する限り特に限定されないが、桂枝加竜骨牡蛎湯エキスの乾燥エキス末量換算で、通常5~100重量%、好ましくは10~90重量%、より好ましくは20~80重量%、更に好ましくは30~70重量%が挙げられる。なお、本開示において、桂枝加竜骨牡蛎湯の乾燥エキス末量換算とは、桂枝加竜骨牡蛎湯の乾燥エキス末を使用する場合にはそれ自体の量であり、桂枝加竜骨牡蛎湯の液状のエキスを使用する場合には、溶媒を除去した残量に換算した量である。また、桂枝加竜骨牡蛎湯の乾燥エキス末が、製造時に添加される吸着剤等の添加剤を含む場合は、当該添加剤を除いた量である。
【0024】
その他の成分
本開示の勃起力改善薬は、桂枝加竜骨牡蛎湯エキス単独からなるものであってもよく、製剤形態に応じた添加剤及び/又は基剤を含んでいてもよい。このような添加剤及び基剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、等張化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、溶解補助剤、湿潤化剤、安定化剤、懸濁化剤、粘着剤、コーティング剤、光沢化剤、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、低級アルコール類、多価アルコール、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、矯味剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの添加剤及び基剤の含有量については、使用する添加剤及び基剤の種類、勃起力改善薬の製剤形態等に応じて適宜設定される。
【0025】
また、本開示の勃起力改善薬は、桂枝加竜骨牡蛎湯エキスの他に、必要に応じて、他の栄養成分及び/又は薬理成分を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。このような栄養成分及び薬理成分としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、制酸剤、健胃剤、消化剤、整腸剤、鎮痙剤、粘膜修復剤、抗炎症剤、収れん剤、鎮吐剤、鎮咳剤、去痰剤、消炎酵素剤、鎮静催眠剤、抗ヒスタミン剤、カフェイン類、強心利尿剤、抗菌剤、血管収縮剤、血管拡張剤、局所麻酔剤、生薬エキス(桂枝加竜骨牡蛎湯エキス以外)、ビタミン類、メントール類等が挙げられる。これらの栄養成分及び/又は薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの成分の含有量については、使用する成分の種類、勃起力改善薬の製剤形態等に応じて適宜設定される。
【0026】
製剤形態
本開示の勃起力改善薬の製剤形態については、経口投与が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤(ドライシロップを含む)、錠剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)等の固形状製剤;ゼリー剤等の半固形状製剤;液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液状製剤が挙げられる。これらの製剤形態の中でも、含有成分の安定性及び携帯性等の観点から、好ましくは固形状製剤が挙げられる。
【0027】
本開示の勃起力改善薬を前記製剤形態に調製するには、桂枝加竜骨牡蛎湯エキス、並びに必要に応じて添加される添加剤、基剤、栄養成分及び/又は薬理成分を用いて、医薬分野で採用されている通常の製剤化手法に従って製剤化すればよい。
【0028】
用途
本開示の勃起力改善薬は、勃起力の改善を目的として用いられる。勃起力は、勃起時の硬さ及び/又は大きさをいう。勃起時の硬さの程度は、日本語版EHS「勃起の硬さスケール」(グレード1~グレード4)で測定され、勃起時の大きさの程度は、勃起時の陰茎周径長で測定される。
【0029】
本開示の勃起力改善薬の適用対象は、勃起力の弱さの自覚がある人であれば特に限定されず、勃起力の弱さの程度については任意であるため、臨床的に勃起障害(ED)に該当するか否かを問わない。
【0030】
本開示の勃起力改善薬の適用対象における勃起力の弱さの自覚以外の他の症状又は状態の有無については特に限定されない。当該他の症状又は状態としては、神経質、不安、疲れ(例えば、仕事等による疲れが蓄積されている状態が挙げられる。)、ストレス(例えば、仕事等によるストレスが日常的に負荷されている状態が挙げられる。)、プレッシャー(例えば、妊活等で性交渉のタイミングを求められる場合のプレッシャーが挙げられる。)等が挙げられる。
【0031】
本開示の勃起力改善薬の適用対象の年代についても特に限定されないが、勃起力改善効果を高める観点から、好ましくは20歳代~40歳代が挙げられる。
【0032】
用量・用法
本開示の勃起力改善薬は経口投与によって使用される。本開示の勃起力改善薬の用量については、投与対象者の年齢、体質、症状の程度等に応じて適宜設定され得るが、例えば、ヒト1人に対して1日当たり、桂枝加竜骨牡蛎湯エキスの乾燥エキス末量換算で0.2~20g程度、好ましくは0.5~10g程度、より好ましくは1~5g程度、さらに好ましくは1.5~3g程度となる量で、1日1~3回、好ましくは2又は3回の頻度で服用すればよい。服用タイミングについては、特に制限されず、食前、食後、又は食間のいずれであってもよい。
【0033】
本開示の勃起力改善薬の継続服用期間としては、例えば3日以上が挙げられ、勃起力の改善効果をより一層効果的に得る観点から、好ましくは4日以上、より好ましくは5日以上が挙げられる。継続服用期間の上限としては特に限定されないが、例えば1か月以下、3週間以下、2週間以下、又は1週間以下が挙げられる。
【実施例0034】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
桂枝加竜骨牡蛎湯エキス錠剤の製造
原料生薬を、ケイヒ2重量部、シャクヤク2重量部、タイソウ2重量部、リュウコツ1.5重量部、ボレイ1.5重量、カンゾウ1重量部、及びショウキョウ0.5重量部の割合で用い、これらを刻んだ後、水12倍重量を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得、減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥し、桂枝加竜骨牡蛎湯エキス末を得た。得られた桂枝加竜骨牡蛎湯エキス末は、原料生薬混合物10.5g当たり2gであった。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。得られた桂枝加竜骨牡蛎湯エキス末を用い、1日当たりの桂枝加竜骨牡蛎湯エキス末の服用量が2gとなるように錠剤を製造した。
【0036】
試験例
「勃起時の硬さ及び/又は大きさが不十分である」との自覚がある、20歳~40歳の男性4名を被験者とした。これら被験者は、いずれも、臨床的にはEDに該当せず、EDの既往症及び治療歴もない。また、これらの被験者の中には、「最近、仕事のストレス及び/又は妊活のプレッシャーがある」と自覚している者もいた。
【0037】
被験者に、桂枝加竜骨牡蛎湯エキス末を、1日当たり2g(乾燥エキス量換算、1日2回に分けて食前または食間に服用)となるように5日間服用させた。服用開始5日前~服用開始前日の服用前期間と、服用開始日~服用開始後5日目の服用中期間に行った、性行為(性交渉、自慰)における勃起時の陰茎の硬さ(EHS)及び陰茎周径長を測定した。勃起時の陰茎の硬さは、服用開始前日(服用前)及び服用後5日目(服用後)において、日本語版EHS「勃起の硬さスケール」(グレード1~グレード4)を用いて評価した。陰茎周径長は、服用前期間(服用前)及び服用中期間(服用後)それぞれでの測定値を平均化した。結果を図1及び図2に示す。
【0038】
図1及び図2に示す通り、勃起時の硬さ及び陰茎周径長のいずれもが改善した。
図1
図2