(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008892
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】吸収性物品及び吸収性物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/56 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A61F13/56 213
【審査請求】未請求
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110485
(22)【出願日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/027074
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋野 央
(72)【発明者】
【氏名】ワッジャナラット シリポーン
(72)【発明者】
【氏名】コンティアン ラニダー
(72)【発明者】
【氏名】プラコープサップ タネート
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200DE01
3B200DE05
3B200DE16
3B200DE17
(57)【要約】
【課題】ウイング基端による折り目を安定できるとともに、第1ウイング及び第2ウイングの両方を適切に使用できる吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品(1)は、互いに直交する前後方向(L)及び幅方向(W)と、吸収コア(31)と、吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイング(40)と、を有する。ウイングは、第1ウイング(41)と、第1ウイングの後側に配置された第2ウイング(42)と、を有する。第1ウイングと第2ウイングの境界(43)は、第1ウイングの前端縁と第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端(FL)よりも幅方向の外側に位置する。ウイングの前後方向の長さは、ウイングの前端縁から吸収性物品の前端縁までの前側域(S1)の前後方向の長さと、ウイングの後端縁から吸収性物品の後端縁までの後側域(S3)の前後方向の長さと、を合わせた長さよりも短い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品であって、
前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有し、
前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有し、
前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置し、
前記ウイングの前記前後方向の長さは、前記ウイングの前端縁から前記吸収性物品の前端縁までの前側域の前記前後方向の長さと、前記ウイングの後端縁から前記吸収性物品の後端縁までの後側域の前記前後方向の長さと、を合わせた長さよりも短い、吸収性物品。
【請求項2】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品であって、
前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を少なくとも有し、
前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有しており、
前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置し、
前記境界と重なる領域には、補強シートが配置されている、吸収性物品。
【請求項3】
前記補強シートは、前記境界を跨いで前記前後方向に延びている、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記補強シートは、前記境界を跨いで前記幅方向に延びている、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記補強シートの内側縁は、前記前後方向に沿う直線状である、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記補強シートの内側縁は、前記前後方向に対して傾斜しつつ前記前後方向に延びる直線状であり、
前記補強シートの内側縁と、前記前後方向と、がなす角度は、鋭角である、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記補強シートは、前記ウイング基端に重なっている、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記補強シートは、前記ウイング基端と重ならない領域に配置されている、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記第1ウイングは、前記第1ウイングの前端縁と前記境界とを繋ぐ第1折り目を基点に、着用物品の非肌側に折り返し可能であり、
前記第2ウイングは、前記境界と前記第2ウイングの後端縁とを繋ぐ第2折り目を基点に、着用時に非肌側に折り返し可能であり、
前記補強シート及び前記ウイング止着部は、前記第1折り目及び前記第2折り目と重なる領域に設けられている、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記補強シートは、前記ウイング止着部と重なる領域に設けられている、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品であって、
前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を少なくとも有し、
前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有しており、
前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置し、
前記幅方向における前記ウイングの外側縁と前記境界の距離は、前記ウイングの前記幅方向の全体長さに対する60%以上90%以下である、吸収性物品。
【請求項12】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品であって、
前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を少なくとも有し、
前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有しており、
前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置し、
前記ウイング止着部の内側縁は、前記境界よりも前記幅方向の内側に位置する、吸収性物品。
【請求項13】
前記ウイング止着部の外側縁は、前記境界よりも前記幅方向の外側に位置し、
前記ウイング止着部は、前記幅方向において前記境界を跨がっている、請求項12に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記ウイング基端は、前記前後方向に沿って延びており、
前記吸収コアの外側縁は、前記ウイング基端よりも前記幅方向の内側において、前記前後方向に沿う直線状である、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記ウイングの内側縁と前記吸収コアの外側縁の間には、トップシートとバックシートが積層された積層領域が設けられており、
前記前後方向及び前記幅方向の一方において、前記ウイングの伸度は、前記積層領域の伸度よりも低い、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項16】
前記第1ウイングと前記第2ウイングは、前記吸収性物品の使用前に肌側に折り返され、前記ウイング止着部を覆うウイング剥離シートによって覆われており、
前記境界は、前記ウイング剥離シートによって覆われ、前記ウイング剥離シートを介して視認可能である、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項17】
前記ウイングの前記前後方向の長さは、150mm以下である、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項18】
前記幅方向における前記ウイングの外側縁と前記境界の距離は、前記幅方向における前記吸収コアの外側縁と前記境界との距離よりも長い、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項19】
前記第1ウイングは、前記第1ウイングの前端縁から後側に向かって前記幅方向の外側に延びる第1前側縁を有し、
前記第2ウイングは、前記第2ウイングの後端縁から前側に向かって前記幅方向の外側に延びる第2後側縁を有し、
前記第1前側縁及び前記第2後側縁は、円弧形状であり、
前記第1前側縁の前記円弧形状と、前記第2後側縁の前記円弧形状と、は異なっている、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項20】
前記第1ウイングは、前記第1ウイングの前端縁から後側に向かって前記幅方向の外側に延びる第1前側縁と、前記第1ウイングの後端縁から前側に向かって前記幅方向の外側に延びる第1後側縁と、を有し、
前記第1前側縁及び前記第1後側縁は、曲線状であり、
前記第1前側縁の曲率は、前記第1後側縁の曲率よりも大きい、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項21】
前記第2ウイングは、前記第2ウイングの前端縁から後側に向かって前記幅方向の外側に延びる第2前側縁と、前記第2ウイングの後端縁から前側に向かって前記幅方向の外側に延びる第2後側縁と、を有し、
前記第2前側縁及び前記第2後側縁は、曲線状であり、
前記第2前側縁の曲率は、前記第2後側縁の曲率よりも大きい、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項22】
前記第1ウイングの前端縁及び前記第2ウイングの後端縁は、前記境界よりも前記幅方向の内側に位置する、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項23】
前記ウイング基端は、前記前後方向に沿って延びており、
少なくとも前記吸収コアが厚さ方向に圧搾された圧搾部が設けられており、
前記圧搾部は、前記ウイング基端よりも前記幅方向の内側に設けられている、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項24】
前記ウイング止着部の内側縁は、前記ウイングの前端縁から前記吸収性物品の前端縁までの前側域の外側縁と、前記ウイングの後端縁から前記吸収性物品の後端縁までの後側域の外側縁と、のうち少なくとも一方よりも前記幅方向の内側に位置する、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項25】
前記ウイングから前記幅方向の内側に延びる領域には、前記吸収コアの目付が最も高い中高部が設けられている、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項26】
前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との前後方向の距離は、前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との幅方向の距離よりも短い、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項27】
前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との前後方向の距離は、前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との幅方向の距離よりも短い、請求項1、2、11及び12のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項28】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品であって、
前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有し、
前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有し、
前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置し、
前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との前後方向の距離は、前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との幅方向の距離よりも短い、吸収性物品。
【請求項29】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品であって、
前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有し、
前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有し、
前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置し、
前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との前後方向の距離は、前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との幅方向の距離よりも短い、吸収性物品。
【請求項30】
前記第1ウイングの外側縁と前記境界との前記前後方向の距離は、前記第1ウイングの外側縁と前記境界との前記幅方向の距離よりも短い、請求項1、2、11、12、28及び29のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項31】
前記第2ウイングの外側縁と前記境界との前記前後方向の距離は、前記第2ウイングの外側縁と前記境界との幅方向の距離よりも短い、請求項1、2、11、12、28及び29のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項32】
吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品の製造方法であって、
前記ウイングを形成するウイング形成工程と、
前記ウイングをウイング折り線にて折るウイング折り工程と、を有し、
前記ウイング形成工程は、第1ウイングと前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングの境界を、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に形成し、
前記ウイング折り工程の前記ウイング折り線は、前記ウイング基端に一致、又は、前記ウイング基端よりも前記幅方向の外側かつ前記境界よりも前記幅方向の内側に位置する、吸収性物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着用物品の非肌側に折り返され、かつ着用物品に止着されるウイングを有する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、着用物品の非肌側に折り返され、かつ着用物品に止着されるウイングを有し、ウイングは、第1ウイングと、第1ウイングよりも後側に位置する第2ウイングと、を有する吸収性物品が開示されている。特許文献1の吸収性物品のウイングは、第1ウイングと第2ウイングの間に設けられたスリット又はノッチからなる第1応力軽減手段と、第1応力軽減手段と連続して設けられ、特異な伸展性を有する第2応力軽減手段と、を有する。
【0003】
また、特許文献2のウイングは、前後方向に並んで配置された3組以上のフラップ部を有する。使用前の状態で全てのフラップ部が非肌側に折り返されている。使用者は、3組以上のフラップ部から任意のフラップ部を選択して使用することで、種々の使用条件に合わせてフラップ部による着用物品の固定位置を任意で設定できるとともに、全てのフラップ部を折り返した状態、すなわちウイングなしで使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006-501928号公報
【特許文献2】特開2009-232950号公報
【発明の概要】
【0005】
しかし、上述の吸収性物品には、以下の問題があった。特許文献1において第1ウイングと第2ウイングを共に非肌側に折り返そうとすると、第1ウイングの前端縁と第2ウイングの後端縁を繋いだウイング基端を基点として折り返すことができる。ウイングの第2応力軽減手段は、ウイング基端と重なっている。そのため、ウイング基端の位置を柔軟に設定できる一方で、ウイングの折り返す位置が安定し難く、ウイングに意図しない皺やよれが生じることがあった。そのため、ウイングの折り返し時に、ウイングの非肌面に設けられたウイング止着部同士が意図せずにくっついてしまい、第1ウイングと第2ウイングの両方を適切に使用できないことがあった。また、特許文献2の吸収性物品は、3組以上のうち任意のウイングを使用し、残りのウイングを使用しないことがあった。使用しないウイングは、着用物品に止着されずに、吸収性物品の非肌側に折り返されている。使用しないウイングが着用物品と吸収性物品の間に配置されているため、使用しないウイングが配置された領域では、吸収性物品を着用物品に接合できない。よって、ウイングの折り目よりも幅方向の内側の領域が着用物品に接合されないことで、ウイングの折り目が安定しないことがあった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ウイングの折り目を安定できるとともに、第1ウイング及び第2ウイングの両方を適切に使用できる吸収性物品を提供することを目的とする。
【0007】
第1形態に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記ウイングの前記前後方向の長さは、前記ウイングの前端縁から前記吸収性物品の前端縁までの前側域の前記前後方向の長さと、前記ウイングの後端縁から前記吸収性物品の後端縁までの後側域の前記前後方向の長さと、を合わせた長さよりも短い。
【0008】
第2形態に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記第1ウイングと第2ウイングの境界と重なる領域には、補強シートが配置されている。
【0009】
第3形態に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記幅方向における前記ウイングの外側縁と前記境界の距離は、前記ウイングの前記幅方向の全体長さに対する60%以上90%以下である。
【0010】
第4形態に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有している。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記ウイング止着部の内側縁は、前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界よりも前記幅方向の内側に位置する。
【0011】
第5形態に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との前後方向の距離は、前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との幅方向の距離よりも短い。
【0012】
第6形態に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との前後方向の距離は、前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との幅方向の距離よりも短い。
【0013】
吸収性物品の製造方法は、吸収コアと、吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品を製造する方法である。製造方法は、前記ウイングを形成するウイング形成工程と、前記ウイングをウイング折り線にて折るウイング折り工程と、を有する。前記ウイング形成工程は、第1ウイングと前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングの境界を、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に形成する。前記ウイング折り工程の前記ウイング折り線は、前記ウイング基端に一致、又は、前記ウイング基端よりも前記幅方向の外側かつ前記境界よりも前記幅方向の内側に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態に係る吸収性物品の肌側から見た平面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る吸収性物品の非肌側から見た平面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す平面図におけるウイング部分の拡大図である。
【
図5】
図5は、着用物品に吸収性物品を装着した状態の非肌側から見た着用物品及び吸収性物品の平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る吸収性物品を着用物品から取り外す態様を模式的に示した図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る吸収性物品を着用物品から取り外す態様を模式的に示した図である。
【
図8】
図8は、比較例に係る吸収性物品を着用物品から取り外す態様を模式的に示した図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る吸収性物品を着用物品から取り外す態様を模式的に示した図である。
【
図10】
図10は、変形例に係る吸収性物品の非肌側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る吸収性物品は、第1形態に係る吸収性物品である。吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記ウイングの前記前後方向の長さは、前記ウイングの前端縁から前記吸収性物品の前端縁までの前側域の前記前後方向の長さと、前記ウイングの後端縁から前記吸収性物品の後端縁までの後側域の前記前後方向の長さと、を合わせた長さよりも短い。本態様によれば、第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、ウイング基端よりも幅方向の外側に位置しているため、ウイング基端を基点として、第1ウイングと第2ウイングを一体化して共に折り返し易い。第1ウイングと第2ウイングを一体化して折ることで、ウイング基端による折り目を安定させることができる。ウイングの皴等が生じにくく、ウイング止着部同士が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。また、ウイング基端を折り目として第1ウイングと第2ウイングを折り返した状態で、境界は、着用物品の肌側に位置せず、着用物品の非肌側に位置する。よって、境界を介して体液が漏れるおそれを低減できる。また、吸収性物品を取り外す前の状態で、ウイング基端を折り目として、第1ウイングの全体及び第2ウイングの全体が折り返され、境界が着用物品の非肌側に位置しているため、吸収性物品を取り外そうとして第1ウイング及び第2ウイングの少なくとも一方を着用物品から離れるように手前側に引っ張った際に、一方のウイングを起立させる力が分断せずに他方のウイングに力が掛かり易く、一方のウイングが起立した後に他方のウイングが起立し、ウイング全体を起立させることができる。そして、第1ウイング及び第2ウイングを着用物品から円滑に取り外すことができる。また、吸収性物品の全体に占めるウイングの前後方向の長さが長すぎないため、着用物品のクロッチ域の幅方向の長さが比較的短い領域においてウイングを折ることができ、ウイング基端による折り目を安定できる。また、着用物品のクロッチ域の幅方向の長さが比較的短い領域においてウイングを折ることで、ウイングを折った際に、ウイングに意図しない皺やよれが生じることを抑制できる。よって、ウイング止着部同士がくっつくことを抑制でき、第1ウイング及び第2ウイングの両方を適切に使用できる。着用物品のクロッチ域の幅方向の長さが比較的短い領域においてウイングを折ることで、ウイング基端による折り目とクロッチ域の間の隙間を小さくでき、ウイング止着部を着用物品に止着させ易い。よって、着用物品に対する吸収性物品の追従性を維持でき、意図せずにウイングが外れてしまう不具合を抑制できる。
【0016】
態様2に係る吸収性物品は、第2形態に係る吸収性物品である。吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記境界と重なる領域には、補強シートが配置されている。本態様によれば、第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、ウイング基端よりも幅方向の外側に位置しているため、ウイング基端を基点として、第1ウイングと第2ウイングを一体化して共に折り返し易い。第1ウイングと第2ウイングを一体化して折ることで、ウイング基端による折り目を安定させることができる。ウイングの皴等が生じにくく、ウイング止着部同士が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。また、ウイング基端を折り目として第1ウイングと第2ウイングを折り返した状態で、境界は、着用物品の肌側に位置せず、着用物品の非肌側に位置する。よって、境界を介して体液が漏れるおそれを低減できる。また、吸収性物品を取り外す前の状態で、ウイング基端を折り目として、第1ウイングの全体及び第2ウイングの全体が折り返され、境界が着用物品の非肌側に位置しているため、吸収性物品を取り外そうとして第1ウイング及び第2ウイングの少なくとも一方を着用物品から離れるように手前側に引っ張った際に、一方のウイングを起立させる力が分断せずに他方のウイングに力が掛かり易く、一方のウイングが起立した後に他方のウイングが起立し、ウイング全体を起立させることができる。そして、第1ウイング及び第2ウイングを着用物品から円滑に取り外すことができる。また、境界に重なる領域に補強シートが配置されているため、境界に重なる領域の剛性を高め、第1ウイングと第2ウイングの力の分断を抑制できる。第1ウイングと第2ウイングを一体化して折ることができ、ウイング基端による折り目を安定させることができる。ウイングに意図しない皴等が生じにくく、ウイング止着部が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。よって、ウイングを適切に着用物品に止着でき、着用物品に対する吸収性物品の追従性を維持できる。
【0017】
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記補強シートは、前記境界を跨いで前記前後方向に延びている。本態様によれば、第1ウイングと第2ウイングの間で力が分断し難くなり、第1ウイングと第2ウイングの一方を把持して非肌側に折り返す等の操作をした際に、他方のウイングも追従させ易い。よって、ウイングを適切に操作できる。
【0018】
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様2又は態様3に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記補強シートは、前記境界を跨いで前記幅方向に延びている。本態様によれば、第1ウイングと第2ウイングの間で力が分断し難くなり、第1ウイングと第2ウイングの一方を把持して非肌側に折り返す等の操作をした際に、他方のウイングも追従させ易い。よって、ウイングを適切に操作できる。
【0019】
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様2から態様4のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記補強シートの内側縁は、前記前後方向に沿う直線状である。補強シートの内側縁は、剛性が変化しており、変形基点となり易い。本態様によれば、前後方向に延びる変形基点を設け、第1ウイング及び第2ウイングを含むウイングの前後方向の全域を、前後方向に沿って折り易くなる。
【0020】
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様2から態様4のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記補強シートの内側縁は、前記前後方向に対して傾斜しつつ前記前後方向に延びる直線状である。前記補強シートの内側縁と、前記前後方向と、がなす角度は、鋭角である。本態様によれば、補強シートの内側縁は、前記前後方向に対して傾斜しつつ前記前後方向に延びる直線状であるため、ウイングが立ち上がる際の変形基点が幅方向に広がり、ウイングを折り返す際にウイング全体を立ち上げ易くなる。
【0021】
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様2から態様6のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記補強シートは、前記ウイング基端に重なっている。本態様によれば、ウイング基端を幅方向に跨いで補強シートが配置されていることでウイング基端による折り目が安定し、第1ウイング及び第2ウイングに意図しない皺やよれが発生することを抑制できる。
【0022】
好ましい態様によれば、態様8に係る発明は、態様2から態様6のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記補強シートは、前記ウイング基端と重ならない領域に配置されている。本態様によれば、補強シートがウイング基端に重ならないことより、ウイング基端による折り目の剛性が高くなることを抑制し、ウイングの皺の発生を抑制できる。また、着用時に脚にウイング基端による折り目が当たった際の当たりを和らげることができ、着用時の違和感を抑制できる。
【0023】
好ましい態様によれば、態様9に係る発明は、態様2から態様8のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1ウイングは、前記第1ウイングの前端縁と前記境界とを繋ぐ第1折り目を基点に、着用時に非肌側に折り返し可能である。前記第2ウイングは、前記境界と前記第2ウイングの後端縁とを繋ぐ第2折り目を基点に、着用時に非肌側に折り返し可能である。前記補強シート及び前記ウイング止着部は、前記第1折り目及び前記第2折り目と重なる領域に設けられている。本態様によれば、第1折り目及び第2折り目の剛性を高め、第1ウイングと第2ウイングを別々に折った際の折り目を安定させることができる。また、ウイング止着部が第1折り目及び第2折り目を跨いでいるため、各折り目よりも幅方向の内側(折り返されていない部分)と各折り目よりも幅方向の外側(折り返された部分)の両方を着用物品に止着でき、第1ウイングと第2ウイングを別々に折った際の折り目の位置ずれを抑制できる。
【0024】
好ましい態様によれば、態様10に係る発明は、態様2から態様9のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記補強シートは、前記ウイング止着部と重なる領域に設けられている。本態様によれば、ウイング止着部と重なる領域の剛性が高くなり、ウイング止着部と重なる領域の皺やよれを抑制でき、ウイング止着部同士がくっつくことを抑制できる。また、吸収性物品を取り外す際に、ウイングが立ち上がる力がウイング止着部に作用し易く、ウイング止着部が着用物品の非肌面から離れる方向に分離することでウイング止着部のせん断力を抑制できる。
【0025】
態様11に係る発明は、第3形態に係る吸収性物品である。吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記幅方向における前記ウイングの外側縁と前記境界の距離は、前記ウイングの前記幅方向の全体長さに対する60%以上90%以下である。本態様によれば第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、ウイング基端よりも幅方向の外側に位置しているため、ウイング基端を基点として、第1ウイングと第2ウイングを一体化して共に折り返し易い。第1ウイングと第2ウイングを一体化して折ることで、ウイング基端による折り目を安定させることができる。ウイングの皴等が生じにくく、ウイング止着部同士が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。また、ウイング基端を折り目として第1ウイングと第2ウイングを折り返した状態で、境界は、着用物品の肌側に位置せず、着用物品の非肌側に位置する。よって、境界を介して体液が漏れるおそれを低減できる。また、吸収性物品を取り外す前の状態で、ウイング基端を折り目として、第1ウイングの全体及び第2ウイングの全体が折り返され、境界が着用物品の非肌側に位置しているため、吸収性物品を取り外そうとして第1ウイング及び第2ウイングの少なくとも一方を着用物品から離れるように手前側に引っ張った際に、一方のウイングを起立させる力が分断せずに他方のウイングに力が掛かり易く、一方のウイングが起立した後に他方のウイングが起立し、ウイング全体を起立させることができる。そして、第1ウイング及び第2ウイングを着用物品から円滑に取り外すことができる。また、ウイングの外側縁と境界の距離がウイングの幅方向の全域に対する90%以下であると、第1ウイングと第2ウイングを一体化してより折り易くなり、ウイング基端による折り目を安定させることができる。ウイングの皴等が生じにくく、ウイング止着部が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。また、ウイングの外側縁と境界の距離がウイングの幅方向の全域に対する90%以下であり、境界よりも幅方向の内側に、ウイングの幅方向の全域に対する10%以上の領域が配置されている。そのため、ウイング基端による折り位置が、多少幅方向の外側にずれた場合であっても、境界が着用物品の肌側に位置することを抑制し、使用者の横漏れ不安を緩和することができる。また、ウイングの外側縁と境界の距離がウイングの幅方向の全域に対する60%以上であるため、第1ウイングと第2ウイングの角度や位置が変化する際の自由度が高く、着用物品に対する吸収性物品の追従性を得やすい。
【0026】
態様12に係る発明は、第4形態に係る吸収性物品である。吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有している。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記ウイング止着部の内側縁は、前記境界よりも前記幅方向の内側に位置する。本態様によれば、第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、ウイング基端よりも幅方向の外側に位置しているため、ウイング基端を基点として、第1ウイングと第2ウイングを一体化して共に折り返し易い。第1ウイングと第2ウイングを一体化して折ることで、ウイング基端による折り目を安定させることができる。ウイングの皴等が生じにくく、ウイング止着部同士が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。また、ウイング基端を折り目として第1ウイングと第2ウイングを折り返した状態で、境界は、着用物品の肌側に位置せず、着用物品の非肌側に位置する。よって、境界を介して体液が漏れるおそれを低減できる。また、吸収性物品を取り外す前の状態で、ウイング基端を折り目として、第1ウイングの全体及び第2ウイングの全体が折り返され、境界が着用物品の非肌側に位置しているため、吸収性物品を取り外そうとして第1ウイング及び第2ウイングの少なくとも一方を着用物品から離れるように手前側に引っ張った際に、一方のウイングを起立させる力が分断せずに他方のウイングに力が掛かり易く、一方のウイングが起立した後に他方のウイングが起立し、ウイング全体を起立させることができる。そして、第1ウイング及び第2ウイングを着用物品から円滑に取り外すことができる。また、ウイング基端による折り目と境界の間をウイング止着部によって止着できる。着用時に力のかかるクロッチ域の外側縁付近でウイングを固定することができるため、使用中に意図せずにウイングが外れることを抑制できる。また、ウイング基端による折り目と境界の間をウイング止着部によって止着でき、ウイング基端による折り目を安定できる。よって、ウイングに皺が生じることを抑制できる。ウイングの皺やよれを抑制することで、第1ウイング及び第2ウイングの両方を適切に使用できる。また、吸収性物品を取り外す際に、ウイングを引っ張った際に、ウイング止着部に力を掛けやすく、両ウイングのウイング止着部を着用物品から立ち上げやすい。よって、ウイング止着部と着用物品の間にせん断力が発生することを抑制し、ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0027】
好ましい態様によれば、態様13に係る発明は、態様12に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記ウイング止着部の外側縁は、前記境界よりも前記幅方向の外側に位置する。前記ウイング止着部は、前記幅方向において前記境界を跨がっている。本態様によれば、ウイングを非肌側に折り返す際に、境界において力が分断することを抑制し、第1ウイングと第2ウイングを一体化して、ウイング基端を基点として折り返し易い。また、着用時に力のかかるクロッチ域の外側縁付近でウイングを固定することができるため、使用中に意図せずにウイングが外れることを抑制できる。
【0028】
好ましい態様によれば、態様14に係る発明は、態様1から態様13のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記ウイング基端は、前記前後方向に沿って延びている。吸収コアの外側縁は、前記ウイング基端よりも前記幅方向の内側において、前記前後方向に沿う直線状である。着用物品のクロッチ域の幅が狭い場合には、吸収コアの外側縁に沿ってウイングを折ることがある。当該形態において、吸収コアの外側縁が前後方向に沿って直線状に延びるため、ウイングの折り位置を安定させることができる。
【0029】
好ましい態様によれば、態様15に係る発明は、態様1から態様14のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記ウイングの内側縁と前記吸収コアの外側縁の間には、前記トップシートと前記バックシートが積層された積層領域が設けられている。前記前後方向及び前記幅方向の一方において、前記ウイングの伸度は、前記積層領域の伸度よりも低い。ウイングの内側縁と吸収コアの外側縁の間の伸度が比較的高く、ウイングの伸度が比較的低い。ウイングが伸びにくいため、ウイングに皺やよれが生じることを抑制できる。また、ウイングの根元よりも幅方向の内側に伸びやすい積層領域が配置されているため、ウイングを折る際の変形を積層領域において吸収し、ウイングの皺やよれを抑制できる。よって、ウイング止着部同士がくっつくことを抑制でき、第1ウイング及び第2ウイングの両方を適切に使用できる。また、吸収性物品を取り外す際は、ウイングを介してウイング止着部を引っ張り、着用物品から立ち上げやすい。よって、ウイング止着部と着用物品の間にせん断力が発生することを抑制し、ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0030】
好ましい態様によれば、態様16に係る発明は、態様1から態様15のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1ウイングと前記第2ウイングは、前記吸収性物品の使用前に肌側に折り返され、前記ウイング止着部を覆うウイング剥離シートによって覆われている。前記境界は、前記剥離シートによって覆われ、前記剥離シートを介して視認可能である。使用者は、ウイング剥離シートが付された状態で、第1ウイングと第2ウイングの境界の位置を把握することができる。また、第1ウイングと第2ウイングの境界がウイングの前後方向の中心に位置する形態にあっては、ウイング剥離シートを外さずにウイングの前後方向の中心の位置を把握でき、着用物品の適切な位置に吸収性物品を装着し易くなる。
【0031】
好ましい態様によれば、態様17に係る発明は、態様1から態様16のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記ウイングの前記前後方向の長さは、150mm以下である。ウイングの前後方向の長さが長すぎると、各ウイングを着用物品の形状に沿って折り返しにくく、意図しない皺等が発生するおそれがある。しかし、ウイングの前後方向の長さが150mm以下であり、長すぎないため、各ウイングを着用物品の形状に沿って折り返し易く、意図しない皺等の発生を抑制できる。
【0032】
好ましい態様によれば、態様18に係る発明は、態様1から態様17のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記幅方向における前記ウイングの外側縁と前記境界の距離は、前記幅方向における前記吸収コアの外側縁と前記境界との距離よりも長い。ウイングの外側縁と境界の距離が、吸収コアの外側縁と境界との距離よりも長く、境界は、吸収コアよりもウイングの外側縁に近い。よって、吸収コアの外側縁を基点にウイングを折り返した際に、境界は、吸収コアの外側縁、すなわち着用物品に対する折り目の近くに配置される。着用物品の外縁近傍は、着用者の動きに合わせて伸び縮みし易い部分である。着用物品の伸び縮みが生じた際に、近くに配置された境界が変形することで、吸収性物品が着用物品の動きに追従し易くなり、ウイングが意図せずに外れることを抑制できる。
【0033】
好ましい態様によれば、態様19に係る発明は、態様1から態様18のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1ウイングは、前記第1ウイングの前端縁から後側に向かって前記幅方向の外側に延びる第1前側縁を有する。前記第2ウイングは、前記第2ウイングの後端縁から前側に向かって前記幅方向の外側に延びる第2後側縁を有する。前記第1前側縁及び前記第2後側縁は、円弧形状である。前記第1前側縁の前記円弧形状と、前記第2後側縁の前記円弧形状と、は異なっている。一般的に、着用者の身体の形状は、太腿の内縁(クロッチ域の前後方向の中心に当たる部分)よりも前側と後側で異なり、着用物品の形状(幅など)も異なる。第1前側縁の円弧形状と第2後側縁の円弧形状とが異なることにより、着用物品の形状に沿って第1ウイングと第2ウイングをそれぞれ折り返すことができる。よって、各ウイングに折り返し時に意図しないよれや皺が発生することを抑制できる。
【0034】
好ましい態様によれば、態様20に係る発明は、態様1から態様19のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1ウイングは、前記第1ウイングの前端縁から後側に向かって前記幅方向の外側に延びる第1前側縁と、前記第1ウイングの後端縁から前側に向かって前記幅方向の外側に延びる第1後側縁と、を有する。前記第1前側縁及び前記第1後側縁は、曲線状である。前記第1前側縁の曲率は、前記第1後側縁の曲率よりも大きい。第1前側縁は、曲率が大きくなだらかに傾斜しているため、ウイングを引き剥がす力が一点に集中せず、一定の範囲にて力を受ける。よって、第1前側縁が局所的に力を受けることで、第1前側縁が破れる等の不具合を抑制できる。また、第1後側縁は、曲率が小さく傾斜が急となる。よって、第1後側縁に掛かった力は、分散しにくく第2ウイングに伝達され易い。よって、第1ウイングと第2ウイングを共に円滑に引き剥がすことができる。
【0035】
好ましい態様によれば、態様21に係る発明は、態様1から態様20のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2ウイングは、前記第2ウイングの前端縁から後側に向かって前記幅方向の外側に延びる第2前側縁と、前記第2ウイングの後端縁から前側に向かって前記幅方向の外側に延びる第2後側縁と、を有する。前記第2前側縁及び前記第2後側縁は、曲線状である。前記第2前側縁の曲率は、前記第2後側縁の曲率よりも大きい。吸収性物品を前側から後側に向けて取り外す際に、前側から係る力を第2前側縁において分断させずに、第2ウイング全体に係ることができる。よって、第1ウイングと第2ウイングを共に円滑に引き剥がすことができる。また、第2後側縁の曲率が大きくなだらかに傾斜するため、臀部を覆うように広がる着用物品に沿ってウイングを配置でき、後漏れを抑制できる。
【0036】
好ましい態様によれば、態様22に係る発明は、態様1から態様21のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1ウイングの前端縁及び前記第2ウイングの後端縁は、前記境界よりも前記幅方向の内側に位置する。第1ウイングと第2ウイングを別々に折る形態にあっては、第1ウイングは、第1ウイングの前端縁と境界を繋いだ第1折り目を基点に折り畳まれ、第2ウイングは、第2ウイングの後端縁と境界を繋いだ第2折り目を基点に折り畳まれる。このとき、第1折り目と第2折り目とを繋ぐラインが幅方向の外側に凸状となるため、各ウイングを折り畳む際に、第1ウイングと第2ウイングを重ねて配置できる。また、第1ウイングの前端縁及び第2ウイングの後端縁が境界よりも幅方向の内側に位置していることにより、ウイングの前端縁及び後端縁のいずれから取り外した場合であっても、第1ウイングと第2ウイングを連続して円滑に取り外すことができる。
【0037】
好ましい態様によれば、態様23に係る発明は、態様1から態様22のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記ウイング基端は、前記前後方向に沿って延びている。少なくとも前記吸収コアが厚さ方向に圧搾された圧搾部が設けられている。圧搾部は、前記境界から前記幅方向の内側に延びる仮想線上に設けられている。本態様によれば、ウイングを折り返す際、及びウイングを展開する際に、境界から幅方向の内側に延びる領域が圧搾部の剛性によって変形し難く、ウイングを円滑に操作することができる。
【0038】
好ましい態様によれば、態様24に係る発明は、態様1から態様23のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記ウイング止着部の内側縁は、前記ウイングの前端縁から前記吸収性物品の前端縁までの前側域の外側縁と、前記ウイングの後端縁から前記吸収性物品の後端縁までの後側域の外側縁と、のうち少なくとも一方よりも前記幅方向の内側に位置する。ウイング止着部の内側縁が、前側域の外側縁と、後側域の外側縁と、のうち少なくとも一方よりも幅方向の内側に位置することで、ウイング止着部よりも幅方向の内側に延び、かつ着用物品に止着されていない領域を狭くでき、股下域の皺及びよれに起因した違和感を抑制できる。
【0039】
好ましい態様によれば、態様25に係る発明は、態様1から態様24のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記ウイングから前記幅方向の内側に延びる領域には、前記吸収コアの目付が最も高い中高部が設けられている。本態様によれば、ウイング基端を基点に非肌側にウイングを折り返す際、及びウイング基端を基点にウイングを展開する際に、中高部の剛性によってウイング基端が安定し、ウイングを円滑に操作することができる。
【0040】
好ましい態様によれば、態様26に係る発明は、態様1から態様25のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との前後方向の距離は、前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との幅方向の距離よりも短い。本態様によれば、第1ウイングの外側縁と第1ウイングの前端縁との前後方向の距離が第1ウイングの外側縁と第1ウイングの前端縁との幅方向の距離よりも短いため、第1ウイングの前端縁から後側に向かう力が直ぐに第1ウイングの外側縁に到達し易い。よって、吸収性物品1の前端部が手前に引っ張られて第1ウイングがウイング基端を基点に起立する際に、第1ウイングの前端縁から後側に向かう力が直ぐに第1ウイングの外側縁に到達し、第1ウイングの幅方向の全域に亘ってウイング基端を基点に起立させ、第1ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0041】
好ましい態様によれば、態様27に係る発明は、態様1から態様26のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との前後方向の距離は、前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との幅方向の距離よりも短い。本態様によれば、第2ウイングの外側縁と第2ウイングの後端縁との前後方向の距離が第2ウイングの外側縁と第2ウイングの後端縁との幅方向の距離よりも短いため、第2ウイングの後端縁から前側に向かう力が直ぐに第2ウイングの外側縁に到達し易い。よって、吸収性物品の後端部が手前に引っ張られて第2ウイングがウイング基端を基点に起立する際に、第2ウイングの後端縁から前側に向かう力が直ぐに第2ウイングの外側縁に到達し、第2ウイングの幅方向の全域に亘ってウイング基端を基点に起立させ、第2ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0042】
態様28係る発明は、第5形態に係る吸収性物品である。吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との前後方向の距離は、前記第1ウイングの外側縁と前記第1ウイングの前端縁との幅方向の距離よりも短い。本態様によれば、第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、ウイング基端よりも幅方向の外側に位置しているため、ウイング基端を基点として、第1ウイングと第2ウイングを一体化して共に折り返し易い。第1ウイングと第2ウイングを一体化して折ることで、ウイング基端による折り目を安定させることができる。ウイングの皴等が生じにくく、ウイング止着部同士が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。また、ウイング基端を折り目として第1ウイングと第2ウイングを折り返した状態で、境界は、着用物品の肌側に位置せず、着用物品の非肌側に位置する。よって、境界を介して体液が漏れるおそれを低減できる。また、吸収性物品を取り外す前の状態で、ウイング基端を折り目として、第1ウイングの全体及び第2ウイングの全体が折り返され、境界が着用物品の非肌側に位置しているため、吸収性物品を取り外そうとして第1ウイング及び第2ウイングの少なくとも一方を着用物品から離れるように手前側に引っ張った際に、一方のウイングを起立させる力が分断せずに他方のウイングに力が掛かり易く、一方のウイングが起立した後に他方のウイングが起立し、ウイング全体を起立させることができる。そして、第1ウイング及び第2ウイングを着用物品から円滑に取り外すことができる。また、第1ウイングの外側縁と第1ウイングの前端縁との前後方向の距離が第1ウイングの外側縁と第1ウイングの前端縁との幅方向の距離よりも短いため、第1ウイングの前端縁から後側に向かう力が直ぐに第1ウイングの外側縁に到達し易い。よって、吸収性物品の前端部が手前に引っ張られて第1ウイングがウイング基端を基点に起立する際に、第1ウイングの前端縁から後側に向かう力が直ぐに第1ウイングの外側縁に到達し、第1ウイングの幅方向Wの全域に亘ってウイング基端を基点に起立させ、第1ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0043】
態様29係る発明は、第6形態に係る吸収性物品である。吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する。前記ウイングは、第1ウイングと、前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングと、を有する。前記第1ウイング及び前記第2ウイングは、着用物品に止着されるウイング止着部をそれぞれ有する。前記第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に位置する。前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との前後方向の距離は、前記第2ウイングの外側縁と前記第2ウイングの後端縁との幅方向の距離よりも短い。本態様によれば、第1ウイングと前記第2ウイングの境界は、ウイング基端よりも幅方向の外側に位置しているため、ウイング基端を基点として、第1ウイングと第2ウイングを一体化して共に折り返し易い。第1ウイングと第2ウイングを一体化して折ることで、ウイング基端による折り目を安定させることができる。ウイングの皴等が生じにくく、ウイング止着部同士が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。また、ウイング基端を折り目として第1ウイングと第2ウイングを折り返した状態で、境界は、着用物品の肌側に位置せず、着用物品の非肌側に位置する。よって、境界を介して体液が漏れるおそれを低減できる。また、吸収性物品を取り外す前の状態で、ウイング基端を折り目として、第1ウイングの全体及び第2ウイングの全体が折り返され、境界が着用物品の非肌側に位置しているため、吸収性物品を取り外そうとして第1ウイング及び第2ウイングの少なくとも一方を着用物品から離れるように手前側に引っ張った際に、一方のウイングを起立させる力が分断せずに他方のウイングに力が掛かり易く、一方のウイングが起立した後に他方のウイングが起立し、ウイング全体を起立させることができる。そして、第1ウイング及び第2ウイングを着用物品から円滑に取り外すことができる。また、第2ウイングの外側縁と第2ウイングの後端縁との前後方向の距離が第2ウイングの外側縁と第2ウイングの後端縁との幅方向の距離よりも短いため、第2ウイングの後端縁から前側に向かう力が直ぐに第2ウイングの外側縁に到達し易い。よって、吸収性物品の後端部が手前に引っ張られて第2ウイングがウイング基端を基点に起立する際に、第2ウイングの後端縁から前側に向かう力が直ぐに第2ウイングの外側縁に到達し、第2ウイングの幅方向の全域に亘ってウイング基端を基点に起立させ、第2ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0044】
好ましい態様によれば、態様30に係る発明は、態様1から態様29のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1ウイングの外側縁と前記境界との前記前後方向の距離は、前記第1ウイングの外側縁と前記境界との前記幅方向の距離よりも短い。本態様によれば、第1ウイングの外側縁と境界の前後方向の距離が第1ウイングの外側縁と境界との幅方向の距離よりも短いため、第1ウイングの外側縁と境界の間で前後方向に沿って力を掛けた際に、当該力が到達し易い。よって、吸収性物品の後端部が手前に引っ張られて第2ウイングから第1ウイングに向かって起立する際に、境界から前側に向かう力が直ぐに第1ウイングの外側縁に到達し、第1ウイングと第2ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0045】
好ましい態様によれば、態様31に係る発明は、態様1から態様30のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2ウイングの外側縁と前記境界との前記前後方向の距離は、前記第2ウイングの外側縁と前記境界との前記幅方向の距離よりも短い。本態様によれば、第2ウイングの外側縁と境界の前後方向の距離が第2ウイングの外側縁と境界との幅方向の距離よりも短いため、第2ウイングの外側縁と境界の間で前後方向に沿って力を掛けた際に、当該力が到達し易い。よって、吸収性物品の前端部が手前に引っ張られて第1ウイングから第2ウイングに向かって起立する際に、境界から後側に向かう力が直ぐに第2ウイングの外側縁に到達し、第1ウイングと第2ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0046】
吸収性物品の製造方法は、吸収コアと、吸収コアよりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイングと、を有する吸収性物品を製造する方法である。製造方法は、前記ウイングを形成するウイング形成工程と、前記ウイングをウイング折り線にて折るウイング折り工程と、を有する。前記ウイング形成工程は、第1ウイングと前記第1ウイングの後側に配置された第2ウイングの境界を、前記第1ウイングの前端縁と前記第2ウイングの後端縁を繋ぐウイング基端よりも前記幅方向の外側に形成する。前記ウイング折り工程の前記ウイング折り線は、前記ウイング基端に一致、又は、前記ウイング基端よりも前記幅方向の外側かつ前記境界よりも前記幅方向の内側に位置する。本態様によれば、第1ウイングと第2ウイングの境界は、ウイング基端よりも幅方向の外側に位置しており、ウイング基端に一致したウイング折り線を基点として折る際に、第1ウイングと第2ウイングを共に安定して折ることができる。または、ウイング基端よりも前記幅方向の外側かつ前記境界よりも前記幅方向の内側に位置するウイング折り線を基点として折る際においても、第1ウイングと第2ウイングを共に安定して折ることができる。
【0047】
(2)実施形態に係る吸収性物品の全体概要
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品1について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。吸収性物品1は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、糞便パッドのような吸収性物品であってよい。吸収性物品は、下着のような着用物品の内側に取り付けられて使用される物品である。実施の形態の吸収性物品1は、昼用の生理用ナプキンである。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0048】
図1は、吸収性物品1の肌側T1から見た平面図である。
図2は、吸収性物品1の非肌側T2から見た平面図である。
図3は、
図1に示すA-A線に沿った断面図である。ここで、「肌側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。吸収性物品1は、互いに直交する前後方向L、幅方向W、及び厚さ方向Tを有する。吸収性物品1の前後方向Lにおいて、使用者の下腹部に当接する側を「前側」といい、使用者の臀部に当接する側を「後側」という。吸収性物品1は、股下域S2、前側域S1及び後側域S3を有する。股下域S2は、着用者の排泄口、例えば膣口に対向して配置される領域である。吸収性物品1が着用物品に装着されたときに、股下域S2は着用物品の股下に配置され、着用者の両脚の間に配置される領域であり、後述するウイング40が配置された領域である。前側域S1は、股下域S2よりも前側に位置する。前側域S1の前端縁は、吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S3は、股下域S2よりも後方に位置する。後側域S3の後端縁は、吸収性物品1の後端縁を規定する。前側域S1と股下域S2の境界は、ウイング40の前端縁によって規定される。後側域S3と股下域S2の境界は、ウイング40の後端縁によって規定される。
【0049】
なお、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外側縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外側縁である。なお、前後方向に一定の範囲を占める構成部材の外側縁は、当該構成部材において幅方向の外側に位置する点を、構成部材全体に亘って繋いだ縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。なお、前後方向に一定の範囲を占める構成部材の内側縁は、当該構成部材において幅方向の内側に位置する点を、構成部材全体に亘って繋いだ縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。また、内側辺は、内側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。外側辺は、外側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。なお、本明細書において、「前後方向Lに沿って」という用語は、前後方向Lに対して45°未満の角度を持った方向を意味し、「幅方向Wに沿って」という用語は、幅方向Wに対して45°未満の角度を持った方向を意味する。
【0050】
吸収性物品1は、吸収コア31、トップシート10及びバックシート20を少なくとも有する。吸収性物品1は、縦長の形状である。トップシート10は、着用者に当接するシートである。トップシート10は、吸収コア31の幅方向Wの中央を覆うセンターシート11と、センターシート11よりも幅方向Wの外側に配置され、後述するウイング40に少なくとも配置される疎水性のサイドシート12と、を有してよい。サイドシート12は、センターシート11よりも幅方向Wに配置された部分を有していればよく、センターシート11の外側部と重なってよい。センターシート11は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成される。サイドシート12は、疎水性を有してよく、その構成繊維の樹脂成分及び繊度は、センターシート11と同様であってよく、親水油剤が含まれていなくてよい。センターシート11とサイドシート12は、シート接合部16によって接合されてよい。また、変形例において、トップシート10は、サイドシート12を有していなくてよく、センターシート11が吸収性物品1の肌面全体を覆ってよい。
【0051】
バックシート20は、吸収コア31よりも非肌側T2に配置され、着用物品に当接するシートである。バックシート20は、液不透過性のシートである。バックシート20は、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。
【0052】
吸収コア31は、吸収体30を構成する。吸収コア31は、液体を吸収する吸収材料によって構成されてよい。吸収コア31を構成する吸収材料は、例えば、親水性繊維、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)から形成できる。吸収体30は、吸収コア31を覆うコアラップシート32を有してよい。コアラップシート32は、例えば不織布やティッシュから構成することができる。変形例として、吸収コア31は、コアラップシート32によって覆われていなくてもよい。
【0053】
図2等に示すように、吸収性物品1は、吸収性物品1を下着等の着用物品に止着するための止着部を有する。止着部は、バックシート20の非肌側T2に設けられ、吸収性物品1を着用物品に止着するための止着手段が設けられた領域である。止着手段は、粘着剤であってもよいし、メカニカルフックであってもよい。止着部は、少なくとも吸収コア31と重なる領域を着用物品に止着するための本体止着部60と、ウイング40に配置されたウイング止着部と、を有する。本体止着部60は、吸収性物品1の厚さ方向Tにおいて、吸収コア31と重なる領域に設けられている。本実施の形態の本体止着部60は、前後方向Lに延び、かつ幅方向Wに間隔を空けて複数設けられている。なお、変形例において、本体止着部60は、幅方向Wに延び、前後方向Lに間隔を空けて複数設けられてよい。ウイング止着部は、ウイング40の非肌面に付されており、着用時にウイング40が着用物品の非肌側T2に折り返された状態で、着用物品の非肌面に止着する。そのため、ウイング止着部は、ウイング40が展開した状態(
図1及び
図2に示す状態)において、ウイング基端FLよりも幅方向Wの外側に配置されている。止着部は、使用前に、図示しない包装シート又は剥離シートによって覆われてよい。
【0054】
吸収性物品1は、一対のウイング40を有する。ウイング40は、吸収コア31よりも幅方向Wの外側に延出している。ウイング40は、股下域S2に配置され、着用時に着用物品の非肌側T2に配置される。ウイング40は、着用時に着用物品の非肌側T2に向けて折り返される。ウイング40には、少なくともトップシート10とバックシート20が配置されてよい。ウイング40は、第1ウイング41と、第1ウイング41の後側に配置された第2ウイング42と、を有する。第1ウイング41と第2ウイング42は、それぞれウイング止着部を有し、それぞれが独立して着用物品に止着可能に構成されている。より詳細には、第1ウイング41には、第1ウイング止着部61が設けられ、第2ウイング42には、第2ウイング止着部62が設けられている。第1ウイング止着部61と第2ウイング止着部62は、前後方向Lに離間している。第1ウイング41と第2ウイング42の間には、幅方向の内側に括れた部分が設けられている。当該括れ部分の内側縁は、第1ウイング41と第2ウイング42の境界となる。すなわち、境界43は、括れ部のうち最も幅方向Wの内側に位置する部分である。本実施の形態のように、括れ部分の内側縁が一点の場合には、当該内側縁が境界を構成する。しかし、括れ部分の内側縁が前後方向Lに一定の範囲を有する形態にあっては、当該一定範囲の前後方向Lの中心が境界43を規定する。境界43は、第1ウイング41の後端縁41Rを構成し、かつ第2ウイング42の前端縁42Fを構成する。
【0055】
このように構成されたウイングは、少なくとも二通りの態様によって折られる。ウイングは、第1ウイング41の前端縁41Fと第2ウイング42の後端縁42Rを繋ぐウイング基端FLを折り目として、着用物品Sの非肌側T2に折り返し可能である。ウイング基端FLを基点として、第1ウイング41と第2ウイング42を共に着用物品Sの非肌側T2に折り返しできる。ウイング基端FLは、前後方向Lに延びてよい。好適には、ウイング基端FLは、前後方向Lに対して±5度以内で傾斜していてよく、より好適には、前後方向Lと平行に延びてよい。ウイング40は、使用前に、ウイング基端FLを基点にトップシート10側に折り畳まれており、使用時に着用物品の非肌側T2に折り返されていてもよい。
【0056】
また、ウイングは、各ウイングをそれぞれ折り返し可能である。各ウイングを折り返す形態にあっては、第1ウイング41は、第1ウイング41の前端縁41Fと、境界43と、を繋ぐ第1折り目FL41を基点に、着用時に非肌側T2に折り返し可能である。第2ウイング42は、境界43と、第2ウイング42の後端縁42Rと、を繋ぐ第2折り目FL42を基点に、着用時に非肌側T2に折り返し可能である。
【0057】
吸収コア31の外側縁31Eは、ウイング基端FLよりも幅方向Wの内側に位置してよい。すなわち、吸収コア31は、ウイング基端FLを跨がずに配置されてよい。また、吸収コア31の外側縁31Eは、第1折り目FL41よりも幅方向Wの内側に位置し、第2折り目FL42よりも幅方向Wの内側に位置してよい。すなわち、吸収コア31は、第1折り目FL41及び第2折り目FL42を跨がずに配置されてよい。ウイング40は、補強シート15を有してよい。補強シート15は、トップシート10とバックシート20の間に配置されてよい。補強シート15は、不織布によって構成されてよい。本体止着部60は、ウイング基端FLを基点に折り返されたウイング40と厚さ方向Tに重なる位置に設けられよい。本体止着部60を介して着用物品Sに止着した領域をウイング40で覆うことで、ウイング40と本体止着部60によって着用物品を挟んで、吸収性物品1の位置ずれを抑制できる。より好適には、本体止着部60は、ウイング基端FLを基点に折り返されたウイング止着部と厚さ方向に重なる位置に設けられよい。ウイング止着部と本体止着部60によって着用物品を挟んで、吸収性物品1の位置ずれを抑制できる。
【0058】
本実施の形態の吸収性物品1は、ウイング基端FLによる折り目を安定できるとともに、第1ウイング41及び第2ウイング42の両方を適切に使用できるように構成されている。ウイング基端FLによる折り目を安定できるとともに、第1ウイング41及び第2ウイング42の両方を適切に使用するための形態は、大別して第1実施形態から第6実施形態がある。以下、各実施形態について説明するが、各実施形態のそれぞれの構成は、他の実施形態においても適用可能な構成である。また、特に、実施形態を限定しない説明にあっては、第1実施形態から第6実施形態のいずれの形態においても適用可能な構成である。なお、説明の便宜上、図面は、第1実施形態から第6実施形態の全ての構成を含む形態において示しているが、本発明は、第1実施形態から第6実施形態の構成のみを有しても成立するものである。
図4は、
図1に示す平面図におけるウイング40部分の拡大図である。また、以下の説明において特段の言及がない限り、ウイングを展開した(ウイングを折り返していない)状態における位置関係を説明する。
【0059】
図5は、着用物品としての下着Sに吸収性物品を装着した状態の非肌側T2側から見た着用物品及び吸収性物品1の平面図である。
図5(a)は、吸収性物品1及び着用物品Sに力が掛かっていない状態であり、
図5(b)は、歩行時等、斜め方向の力が吸収性物品1及び着用物品Sに掛かった状態である。
図6及び
図7は、着用物品Sから吸収性物品1を取り外す態様を模式的に示した図であり、
図3の断面を基準としている。
図6及び
図7は、吸収性物品1の前端部を把持し、吸収性物品1の前側から後側に向かって吸収性物品1を着用物品Sから取り外す態様を示している。
【0060】
第1実施形態から第6実施形態に掛かる吸収性物品1は、第1ウイング41と第2ウイング42を有し、各ウイングがそれぞれ着用物品Sに止着するように構成されている。また、第1ウイング41と第2ウイング42の間に境界43となる括れ部分が形成されており、第1ウイング41と第2ウイング42がそれぞれ着用物品Sに対して追従可能である。一般的に、吸収性物品1の伸長率は、布などから構成される着用物品Sの伸長率よりも低い。そのため、着用物品Sが身体の動きに追従して伸長しても吸収性物品1が十分に追従できず、ウイング40が着用物品Sから意図せずに外れてしまうおそれがある。しかし、本実施の形態の吸収性物品1は、第1ウイング止着部61と第2ウイング止着部62の角度や位置が変化可能であり、第1ウイング41と第2ウイング42がそれぞれ別々に着用物品に追従可能であるため、着用物品に対する吸収性物品1の追従性が向上し、ウイング40が着用物品Sから意図せずに外れてしまうことを抑制できる。また、第1ウイング41と第2ウイング42のそれぞれに設けられたウイング止着部を介して、任意の位置で着用物品に止着できることで、第1ウイング41と第2ウイング42が一体化した大きなウイングを有する形態と比較して、ウイングに皺が生じることを抑制できる。ウイングの皺やよれを抑制することで、ウイング止着部の自着を防ぎ、第1ウイング41及び第2ウイング42の両方を適切に使用できる。
【0061】
第1実施形態から第6実施形態に掛かる吸収性物品1は、第1ウイング41と第2ウイング42の境界43が第1ウイング41の前端縁41Fと第2ウイング42の後端縁42Rを繋ぐウイング基端FLよりも幅方向Wの外側に位置するように構成されている。当該構成によれば、ウイング基端FLを基点としてウイング40が非肌側T2に折り返す際に、第1ウイング41と第2ウイング42を一体化して折り返し易い。また、第1ウイング41と第2ウイング42を一体化して折ることで、第1ウイング41と第2ウイング42が重なることを防ぎ、より広い面積でクロッチ域の非肌面を覆うことができる。また、ウイング基端FLを折り目として第1ウイング41と第2ウイング42を折り返した状態で、境界43は、着用物品Sの肌側T1に位置せず、着用物品Sの非肌側T2に位置する。よって、境界43を介して体液が漏れるおそれを低減できる。
【0062】
次いで、ウイング基端FLを折り目として折り返した吸収性物品1を取り外す際の態様について、
図6から
図8に基づいて説明する。
図6は、実施形態に係る吸収性物品1を着用物品Sから取り外す態様を模式的に示した図であり、
図3の断面を基準としている。
図7は、実施形態に係る吸収性物品1を着用物品Sから取り外す態様を模式的に示した斜視図であり、
図8は、比較例に係る吸収性物品100を着用物品Sから取り外す態様を模式的に示した斜視図である。比較例に係る吸収性物品100は、境界43がウイング基端FLよりも幅方向Wの内側に位置している。
図6及び
図7は、吸収性物品1の前端部を把持し、吸収性物品1の前側から後側に向かって吸収性物品1を着用物品Sから取り外す態様を示しているが、他の態様において、吸収性物品1の後側を把持し、吸収性物品1の後側から取り外してもよい。
【0063】
吸収性物品1を着用物品から取り外す際は、一般的に、吸収性物品1の前後方向Lの外端部(前端部又は後端部)を把持して、吸収性物品1を手前に引っ張る。このとき、第1ウイング41及び第2ウイング42は、着用物品Sの非肌面に止着しており、吸収性物品1が手前に引っ張られることでウイング基端FLを基点に着用物品Sの非肌面から剥がれ、ウイング基端FLを基点に起立する(
図7(a)及び
図6(c))。吸収性物品1を取り外す前の状態で、ウイング基端FLを介して、第1ウイング41の全体及び第2ウイング42の全体が折り返され、境界43が着用物品Sの非肌側T2に位置しているため、一方のウイング(
図6に示す形態では、第1ウイング)が起立し、この起立したウイングの変形が境界43を介して他方のウイング(
図6に示す形態では、第2ウイング)に伝達し、他方のウイングも起立する。よって、ウイング基端FLを基点として、第1ウイング41の全体及び第2ウイング42の全体が円滑に起立する(
図7(c))。そして、吸収性物品1を更に引っ張ることで、第1ウイング41及び第2ウイング42を着用物品Sから取り外すことができる。
【0064】
一方、
図8に示す比較例に係る吸収性物品100のように、境界43がウイング基端FLよりも幅方向Wの内側に位置する形態においては、
図8(a)に示すように、着用状態(取り外す前の状態)で、ウイング基端FLを介して、第1ウイング41の一部及び第2ウイング42の一部(展開状態の外側部)が折り返され、第1ウイング41の付け根、第2ウイング42の付け根、及び境界43が着用物品Sの肌側T1に位置している。吸収性物品1の前後方向Lの外端部(前端部又は後端部)を把持して、吸収性物品1を手前に引っ張ると、ウイング基端FLを基点として第1ウイング41及び第2ウイング42の両方に起立させる力がかからずに、力が分断する。より詳細には、吸収性物品の前端部を把持して引っ張ると、ウイング基端FLの前端縁側から後側に向かって、まず、第1ウイングが起立する(
図8(b))。第1ウイングが起立した状態で、更に吸収性物品1を手前に引っ張ると、境界43が着用物品Sの肌側に位置しているため、非肌側に位置している第2ウイングの前端縁に力をかけ難く、ウイング基端FLに対して力がかかる。ウイング基端FLは、第2ウイング42において前後方向に延びる一定範囲に設けられている。第2ウイング42は、ウイング基端全体に亘って引っ張られると、非肌側に位置する第2ウイング止着部と着用物品Sの間でせん断応力が生じる。そのため、第2ウイング42がちぎれてしまったり、境界43を基点として吸収性物品がちぎれたりする等の不具合が生じることがある。また、ちぎれない場合であっても、境界43によって力が分断するため、少ない力で円滑に取り外しできない。しかし、本実施形態に係る吸収性物品は、境界43が、ウイング基端FLよりも幅方向Wの外側に位置するため、吸収性物品1を取り外す際に、第1ウイング41と第2ウイング42の一方側から引っ張った際に、一方側から他方側に連続して力を掛けることができる。よって、第1ウイング41と第2ウイング42の間での力の分断を抑制し、第1ウイング41及び第2ウイング42を連続して取り外し易い。また、第1ウイングと第2ウイングを分断せずに取り外すことができる。
【0065】
第1実施形態に係る吸収性物品1において、ウイング40の前後方向Lの長さは、ウイング40の前端縁40Fから吸収性物品1の前端縁1Fまでの前側域S1の前後方向Lの長さと、ウイング40の後端縁40Rから吸収性物品1の後端縁1Rまでの後側域S3の前後方向Lの長さと、を合わせた長さよりも短い(以下、構成(A)とする)。ウイング40の前後方向Lの長さは、第1ウイング41の前端縁41Fと、第2ウイング42の後端縁42Rと、の前後方向Lに沿った距離である。前側域S1の前後方向Lの長さと、後側域S3の前後方向Lの長さと、を合わせた長さは、ウイング40が設けられていない領域の前後方向Lに沿った長さである。
図4に示すように、一般的に、着用物品のクロッチ域の幅方向Wの長さは、クロッチ域の前後方向Lの中心部において最も短く、クロッチ域の前後方向Lの中心部から前後方向Lの外側に向けて長くなっている。そのため、ウイング40が配置された領域の前後方向Lの長さが長すぎると、着用物品の幅が短い領域と着用物品の幅が長い領域との両方、すなわち着用物品の外縁が曲線状の領域に沿って直線状のウイング基端FLが配置されるため、ウイング基端FLとクロッチ域の間に隙間ができることがある。その結果、ウイング止着部全体が下着に止着しないことがある。第1実施形態に係る吸収性物品1は、ウイング基端FLとクロッチ域の間の隙間を小さくでき、ウイング止着部を着用物品Sに止着させ易い。よって、着用物品Sに対する吸収性物品1の追従性を維持でき、意図せずにウイング40が外れてしまう不具合を抑制できる。また、ウイング40が配置された領域の前後方向Lの長さが長すぎると、ウイング基端FLが着用物品Sの幅が長くなる領域に掛かり、ウイング40を折った際に、ウイング40に意図しない皺やよれが生じ、ウイング止着部同士がくっつく等の不具合が生じるおそれがある。しかし、第1実施形態の吸収性物品によれば、吸収性物品の前後方向Lの全体長さに占めるウイング40の前後方向Lの長さが長すぎないため、クロッチ域における幅方向の長さが比較的短い領域においてウイング40を折ることができ、ウイング40を折った際に、ウイング40に意図しない皺やよれが生じることを抑制できる。よって、ウイング止着部同士がくっつくことを抑制でき、第1ウイング41及び第2ウイング42の両方を適切に使用できる。
【0066】
また、歩行時等、着用物品に斜め方向の力がかかった状態においては、着用物品Sからの力は、ウイング基端FLの前端縁又は後端縁にかかり易い。このとき、構成(A)を満たしていない吸収性物品にあっては、ウイング基端FLの前端縁又は後端縁が着用物品の幅が長い部分にかかっているため、ウイング40が外れやすかったり、ウイング基端FLとクロッチ域の間の隙間によってウイング40が外れやすかったりする。しかし、第1実施形態に係る吸収性物品1は、構成(A)を備えていることにより、ウイング基端FLの前端縁又は後端縁が着用物品の幅が比較的短い部分に位置しやすく、意図せずにウイング40が外れてしまう不具合を抑制できる。また、構成(A)を備えていることにより、ウイング基端FLとクロッチ域の隙間を小さくでき、ウイング止着部が意図せずに外れてしまう不具合を抑制できる。なお、第1実施形態に係る吸収性物品は、構成(A)を有していればよく、後述する構成(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)を有していなくてよい。しかし、変形例において、第1実施形態に係る吸収性物品は、構成(A)と合わせて、構成(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0067】
第2実施形態に係る吸収性物品1は、第1ウイング41と第2ウイング42の境界43と重なる領域に補強シート15が配置されている(以下、構成(B)とする)。第1ウイング41と第2ウイング42の境界43は、力が分断しやすい。しかし、境界43に重なる領域に補強シート15が配置されているため、境界43に重なる領域の剛性を高め、第1ウイング41と第2ウイング42の力の分断を抑制できる。第1ウイング41と第2ウイング42を一体化して折ることができ、ウイング基端FLによる折り目を安定させることができる。ウイング40に意図しない皴等が生じにくく、ウイング止着部が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。よって、ウイング40を適切に下着に止着でき、着用物品Sに対する吸収性物品1の追従性を維持できる。
【0068】
図6(a)は、着用物品Sに吸収性物品1を取り付けた状態(着用物品から吸収性物品を取り外す前の状態)であり、本体止着部60及び第1ウイング止着部61は、下着Sに止着している。吸収性物品1を取り外すために、吸収性物品1の前端部を把持して着用物品Sから剥がすように吸収性物品1を引っ張ると、下着よりも肌側T1に位置する吸収性物品1が肌側T1に引っ張られ、本体止着部60が下着Sから剥がれる(
図6(b))。このとき、引っ張る力は、ウイング基端FL部分にもかかる。ウイング基端FLを基点にウイング40が起立して第1ウイング止着部61が下着Sの非肌面から剥離したり、着用物品Sの外側縁に対して擦れつつウイング40が引っ張られ第1ウイング止着部61が下着の非肌面から剥離したりする(
図6(c))。このように第1ウイング41が剥離し、更に吸収性物品1が引っ張られることで、第1ウイング41に次いで第2ウイング42が引っ張られ、ウイング40全体が剥離する。このとき、第1ウイング41と第2ウイング42の境界43に補強シート15が配置されており、境界43の剛性が高くなっている。よって、第1ウイング41にかかった力が分断せずに第2ウイング42にも伝達し易く、第1ウイング41から第2ウイング42まで円滑に取り外しできる。また、第1ウイング41と第2ウイング42の境界43の剛性が低い構成にあっては、境界43から幅方向Wの内側にサイドシート等が引き裂かれたり、境界においてサイドシート等が延伸したりして、吸収性物品1を円滑に取り外しできないおそれがある。しかし、第1ウイング41と第2ウイング42の境界43の剛性が高めることで、吸収性物品1を円滑に取り外しできる。なお、第2実施形態に係る吸収性物品1は、構成(B)を有していればよく、構成(A)、(C)、(D)、(E)及び(F)を有していなくてよい。しかし、変形例において、第2実施形態に係る吸収性物品は、構成(B)と合わせて、が、構成(A)(C)、(D)、(E)及び(F)の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0069】
第3実施形態に係る吸収性物品は、幅方向Wにおけるウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11は、ウイング40の幅方向Wの全体長さL12に対する60%以上90%以下である(以下、構成(C)とする)。ウイング40の幅方向Wの全体長さL12は、ウイング40の外側縁40Eと、ウイング40の内側縁40Iと、の幅方向Wの距離である。ウイング40の外側縁40Eは、第1ウイング41の外側縁41Eと第2ウイング42の外側縁42Eのうち、幅方向Wの外側に位置する外縁であればよい。第1ウイング41の外側縁41Eと第2ウイング42の外側縁42Eは、幅方向Wに一致してもよい。ウイング40の内側縁40Iは、第1ウイング41の内側縁41Iと第2ウイング42の内側縁42Iのうち、幅方向Wの内側に位置する外縁であればよい。第1ウイング41の内側縁41Iと第2ウイング42の内側縁42Iは、幅方向Wに一致してもよい。
【0070】
出願人は、鋭意研究し、境界43の好適な深さについて検討した。ウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11がウイングの幅方向の全体長さL12に対する90%より長いと、第1ウイング41と第2ウイング42が分断し、両ウイングを一体化して折り難いことがある。しかし、ウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11がウイングの幅方向の全体長さL12に対する90%以下であると、第1ウイング41と第2ウイング42を一体化して折ることができ、ウイング基端FLによる折り目を安定させることができる。ウイング40の皴等が生じにくく、ウイング止着部が意図せずにくっつく不具合を抑制できる。よって、ウイング40を適切に下着に止着でき、着用物品Sに対する吸収性物品1の追従性を維持できる。また、境界43は、ウイング基端FLよりも幅方向の外側に位置するため、ウイング40を折り返した状態で境界43は、着用物品Sの肌側T1に位置せず、着用物品Sの非肌側T2に位置する。よって、境界43を介して体液が漏れるおそれを低減できる。ウイングの外側縁と境界の距離がウイングの幅方向の全域に対する90%以下であり、境界よりも幅方向の内側に、ウイングの幅方向の全域に対する10%以上の領域が配置されている。そのため、ウイング基端による折り位置が、多少幅方向の外側にずれた場合であっても、境界43が着用物品Sの肌側T1に位置することを抑制し、使用者の横漏れ不安を緩和することができる。また、ウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11がウイング40の幅方向Wの全体長さL12に対する60%よりも短いと、第1ウイング41と第2ウイング42の角度や位置が変化する際の自由度が低く、着用物品Sに対する吸収性物品1の追従性を十分に得難いことがある。しかし、ウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11がウイング40の幅方向Wの全体長さに対する60%以上であるため、第1ウイング41と第2ウイング42の角度や位置が変化する際の自由度が高く、着用物品に対する吸収性物品1の追従性を得やすい。
【0071】
ウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11がウイング40の幅方向の全体長さL12に対する90%よりも長いと、着用時に斜め方向の力が掛かった際に、境界43が着用物品Sから浮き上がり易く、第1ウイング41と第2ウイング42の一方が外れ易く、当該一方が外れることで他方も外れてしまうことがある。しかし、ウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11がウイング40の幅方向Wの全体長さL12に対する90%以下であることにより、境界43が着用物品から浮き上がり難く、ウイング40が着用物品Sから意図せずに外れてしまうことを抑制できる。また、ウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11がウイング40の幅方向Wの全体長さL12に対する90%以下であるため、吸収性物品1を取り外す際に、第1ウイング41と第2ウイング42の一方側から引っ張った際に、一方側から他方側に連続して力を掛けることができる。よって、第1ウイング41と第2ウイング42の間での力の分断を抑制し、第1ウイング41及び第2ウイング42を連続して取り外し易い。なお、第3実施形態に係る吸収性物品は、構成(C)を有していればよく、構成(A)、(B)、(D)、(E)及び(F)を有していなくてよい。しかし、変形例において、第3実施形態に係る吸収性物品は、構成(C)と合わせて、構成(A)、(B)、(D)、(E)及び(F)の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0072】
第4実施形態に係る吸収性物品1は、ウイング止着部の内側縁が第1ウイング41と第2ウイング42の境界43よりも幅方向Wの内側に位置する(以下、構成(D)とする)。第1ウイング止着部61の内側縁61Iと第2ウイング止着部62の内側縁62Iの少なくともいずれか一方が境界43よりも幅方向Wの内側に位置していればよく、好適には、第1ウイング止着部61の内側縁61Iと第2ウイング止着部62の内側縁62Iの両方が境界43よりも幅方向Wの内側に位置してよい。当該構成によれば、ウイング基端FLと境界43の間をウイング止着部によって止着できる。着用時に力のかかるクロッチ域の外側縁付近でウイング40を固定することができるため、使用中に意図せずにウイング40が外れることを抑制できる。また、ウイング基端FLと境界43の間をウイング止着部によって止着でき、ウイング基端FLによる折り目を安定できる。よって、ウイング40に皺が生じることを抑制できる。ウイング40の皺やよれを抑制することで、第1ウイング41及び第2ウイング42の両方を適切に使用できる。また、吸収性物品1を取り外すためにウイング40を引っ張った際には、ウイング止着部に力を掛けやすく、両ウイングのウイング止着部を着用物品から立ち上げやすい。よって、ウイング止着部と着用物品の間にせん断力が発生することを抑制し、ウイングを円滑に取り外すことができる。なお、第4実施形態に係る吸収性物品は、構成(D)を有していればよく、構成(A)、(B)、(C)、(E)及び(F)を有していなくてよい。しかし、変形例において、第4実施形態に係る吸収性物品は、構成(D)と合わせて、構成(A)、(B)、(C)、(E)及び(F)の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0073】
第5実施形態に係る吸収性物品1は、第1ウイング41の外側縁41Eと第1ウイング41の前端縁41Fとの前後方向Lの距離L51は、第1ウイング41の外側縁41Eと第1ウイングの前端縁41Fとの幅方向Wの距離W51よりも短い(以下、構成(E)とする)。第1ウイング41の外側縁41Eは、第1ウイング41において最も外側に位置する縁であり、本願のように、直線状に配置され、前後方向Lに延びる一定範囲であってもよいし、第1ウイング41の外側部が凸状に膨らむ形態にあっては、点であってもよい。外側縁が前後方向Lに延びる一定範囲の形態にあっては、距離L51は、第1ウイング41の外側縁41Eのうち最も前側に位置する前端縁と、第1ウイング41の前端縁41Fと、の前後方向Lの距離である。外側縁が点の形態にあっては、距離L51は、当該点と、第1ウイング41の前端縁41Fと、の前後方向Lの距離である。
【0074】
図9は、吸収性物品を着用物品Sから取り外す態様を示した図であり、
図9(a)及び(b)は、L51<W51及びL52<W52を満たす吸収性物品であり、
図9(c)及び(d)は、L51>W51、及びL52>W52を満たす吸収性物品である。L51<W51を満たす形態では、第1ウイングの前端縁(付け根)と第1ウイング41の外側縁41Eとの間で力が掛かるラインF41は、前後方向Lよりも幅方向Wに沿うこととなる。
図9に示すように、吸収性物品1の前端部が手前に引っ張られて第1ウイング41がウイング基端FLを基点に起立する際は、第1ウイング41の前端縁41Fから後側に向かって徐々に力がかかり、第1ウイング41は、前後方向Lに延びるウイング基端FLを基点として幅方向Wに展開する。このとき、第1ウイング41の前端縁41Fから第1ウイング41の外側縁41Eまでの前後方向Lの距離が短いため、第1ウイング41の前端縁41Fから後側に向かう力が直ぐに第1ウイング41の外側縁41Eに到達し、第1ウイング41の幅方向Wの全域に亘ってウイング基端FLを基点に起立させることができる。
【0075】
一方、L51>W51を満たす形態では、第1ウイング41の前端縁(付け根)41Fと第1ウイング41の外側縁41Eとの間で力が掛かるラインF41は、幅方向Wよりも前後方向Lに沿うこととなる。吸収性物品1の前端部が手前に引っ張られて第1ウイング41がウイング基端FLを基点に起立する際は、第1ウイング41の前端縁41Fから後側に向かって徐々に力がかかり、第1ウイング41は、前後方向Lに延びるウイング基端FLを基点として幅方向Wに展開する。このとき、
図9(c)及び(d)に示すように、第1ウイング41の前端縁41Fから第1ウイング41の外側縁41Eまでの前後方向Lの距離が長いため、第1ウイング41の前端縁41Fから後側に向かう力が直ぐに第1ウイング41の外側縁41Eに到達し難く、第1ウイング41の幅方向Wの全域に亘ってウイング基端FLを基点に起立させ難い。そのため、第1ウイング41及び第2ウイング42を円滑に取り外し難いおそれがある。しかし、第5実施形態に掛かる吸収性物品によれば、第1ウイング41の前端縁41Fから後側に向かう力が直ぐに第1ウイング41の外側縁41Eに到達し、第1ウイング41の幅方向Wの全域に亘ってウイング基端FLを基点に起立させることができ、第1ウイング41及び第2ウイング42を円滑に取り外すことができる。なお、第5実施形態に係る吸収性物品は、構成(E)を有していればよく、構成(A)、(B)、(C)、(D)及び(F)を有していなくてよい。しかし、変形例において、第5実施形態に係る吸収性物品は、構成(E)と合わせて、構成(A)、(B)、(C)、(D)及び(F)の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0076】
第6実施形態に係る吸収性物品1は、第2ウイング42の外側縁42Eと第2ウイング42の後端縁42Rとの前後方向の距離L52は、第2ウイング42の外側縁42Eと第2ウイング42の後端縁42Rとの幅方向Wの距離W52よりも短い(以下、構成(E)とする)。第2ウイング42の外側縁42Eは、第2ウイング42において最も外側に位置する縁であり、本願のように、直線状に配置され、前後方向Lに延びる一定範囲であってもよいし、第2ウイング42の外側部が凸状に膨らむ形態にあっては、点であってもよい。外側縁が前後方向Lに延びる一定範囲の形態にあっては、距離L52は、第2ウイング42の外側縁42Eのうち最も後側に位置する後端縁と、第2ウイング42の後端縁42Rと、の前後方向Lの距離である。外側縁が点の形態にあっては、距離L52は、当該点と、第2ウイング42の後端縁42Rと、の前後方向Lの距離である。
【0077】
L52<W52を満たす形態では、第2ウイング42の後端縁(付け根)42Rと第2ウイング42の外側縁42Eとの間で力が掛かるラインF42は、前後方向Lよりも幅方向Wに沿うこととなる。吸収性物品の後端部が手前に引っ張られて第2ウイング42がウイング基端FLを基点に起立する際は、第2ウイング42の後端縁42Rから前側に向かって徐々に力がかかり、第2ウイング42は、前後方向Lに延びるウイング基端FLを基点として幅方向Wに展開する。このとき、第2ウイングの後端縁42Rから第2ウイング42の外側縁42Eまでの前後方向Lの距離が短いため、第2ウイング42の後端縁42Rから前側に向かう力が直ぐに第2ウイング42の外側縁42Eに到達し、第2ウイング42の幅方向Wの全域に亘ってウイング基端FLを基点に起立させることができる。
【0078】
一方、L52>W52を満たす形態では、第2ウイングの後端縁(付け根)と第2ウイング42の外側縁42Eとの間で力が掛かるラインF42は、幅方向Wよりも前後方向Lに沿うこととなる。吸収性物品1の後端部が手前に引っ張られて第2ウイングがウイング基端FLを基点に起立する際は、第2ウイング42の後端縁42Rから前側に向かって徐々に力がかかり、第2ウイング42は、前後方向Lに延びるウイング基端FLを基点として幅方向Wに展開する。このとき、第2ウイングの後端縁42Rから第2ウイング42の外側縁42Eまでの前後方向Lの距離が長いため、第2ウイング42の後端縁42Rから前側に向かう力が直ぐに第2ウイング42の外側縁42Eに到達し難く、第2ウイングの幅方向Wの全域に亘ってウイング基端FLを基点に起立させ難い。そのため、第1ウイング41及び第2ウイング42を円滑に取り外し難いおそれがある。しかし、第6実施形態に掛かる吸収性物品によれば、第2ウイング42の後端縁42Rから前側に向かう力が直ぐに第2ウイング42の外側縁42Eに到達し、第2ウイング42の幅方向Wの全域に亘ってウイング基端FLを基点に起立させることができ、第1ウイング41及び第2ウイング42を円滑に取り外すことができる。なお、第6実施形態に係る吸収性物品は、構成(F)を有していればよく、構成(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を有していなくてよい。しかし、変形例において、第6実施形態に係る吸収性物品は、構成(F)と合わせて、構成(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0079】
以下、第1実施形態から第6実施形態に係る吸収性物品において、好適な構成について詳細に説明する。補強シート15は、境界43を跨いで前後方向Lに延びてよい。すなわち、補強シート15の前端縁15Fは、境界43よりも前側に位置し、補強シート15の後端縁15Rは、境界43よりも後側に位置してよい。当該構成によれば、第1ウイング41と第2ウイング42の間で力が分断し難くなり、第1ウイング41と第2ウイング42の一方を把持して非肌側T2に折り返した際に、他方のウイングも追従させ易い。よって、ウイングの折り位置を安定させることができる。また、補強シート15は、境界43を跨いで幅方向Wに延びてよい。すなわち、補強シート15の外側縁15Eは、境界43よりも幅方向Wの外側に位置し、補強シート15の内側縁15Iは、境界43よりも幅方向Wの内側に位置している。当該構成によっても、第1ウイング41と第2ウイング42の間で力が分断し難くなり、第1ウイング41と第2ウイング42の一方を把持して非肌側に折り返した際に、他方のウイングも追従させ易い。よって、ウイングの折り位置を安定させることができる。
【0080】
補強シート15の外側縁15Eは、ウイング40の幅方向Wの中心よりも幅方向Wの外側に位置してよい。当該構成によれば、ウイング40の幅方向Wの半分以上の領域の剛性を補強シート15によって高めることができる。また、補強シート15の外側縁15Eは、第1ウイング止着部61の外側縁61Eよりも幅方向Wの外側に位置してよく、第2ウイング止着部62の外側縁62Eよりも幅方向Wの外側に位置してよい。当該構成によれば、ウイング止着部を平面に保ち易く、ウイング止着部の自着を防ぐことができる。また、好適には、補強シート15の外側縁15Eは、ウイング40の外側縁40Eに到達してよい。当該構成によれば、ウイング40の先端の剛性を高め、ウイング40の先端が着用物品Sから浮き上がることに起因してウイング40が外れる不具合を抑制できる。
【0081】
補強シート15は、ウイング基端FLに重なっていてよい。ウイング基端FLの少なくとも一部に、補強シート15が重なっていればよい。当該構成によれば、ウイング基端FLを幅方向Wに跨いで補強シート15が配置されており、ウイング基端FLによる折り目が安定し、第1ウイング41及び第2ウイング42に意図しない皺やよれが発生することを抑制できる。また、吸収性物品1を取り外す際は、
図6(b)に示すように、ウイング40は、着用物品Sの非肌側T2に折り返されており、ウイング基端FLが手前側に引っ張られる。このとき、ウイング40がウイング基端FLを基点に非肌側T2に折り返された状態のままであると、ウイング止着部が着用物品Sの非肌面に接合したまま、ウイング止着部が着用物品Sの非肌面に沿って引っ張られ、ウイング止着部のせん断力によってウイング40を円滑に取り外せないことがある。しかし、ウイング基端FLを跨がって補強シート15が配置されていることにより、ウイング基端FLの剛性が補強シート15によって高められる。よって、着用物品Sの肌側T1から剥がすように吸収性物品1を手前に引っ張ると、各ウイングの根元が引っ張られ、
図6(c)に示すように、ウイング40は、ウイング基端FLを基点に着用物品の非肌側から起立するように(ウイング止着部を着用物品の非肌面から離れる方向に)、立ち上がり易い。よって、ウイング止着部と着用物品Sの間にせん断力が発生することを抑制し、ウイング40を円滑に取り外すことができる。
【0082】
また、
図10に示すように、変形例において、補強シート15は、ウイング基端FLに重ならない領域に配置されてよい。すなわち、補強シート15の内側縁15Iは、ウイング基端FLよりも幅方向Wの外側に位置してよい。補強シート15の剛性が比較的高い場合、ウイング基端FLの剛性が高くなってウイング40が柔軟に変形せずに、ウイング40に意図しない皺が形成されるおそれがある。しかし、補強シート15がウイング基端FLに重ならないことより、ウイング基端FLの剛性が高くなることを抑制し、ウイング40の皺の発生を抑制できる。また、着用時に脚にウイング基端FLが当たった際の当たりを和らげることができ、着用時の違和感を抑制できる。
【0083】
上述のように、ウイング40を折り返す形態は、ウイング基端FLを基点にウイング40全体を折り返す形態だけでなく、各ウイングをそれぞれ折り返す形態もある。各ウイングを折り返す形態にあっては、第1ウイング41は、第1ウイング41の前端縁41Fと、第1ウイング41の後端縁41Rと、を繋ぐ第1折り目FL41を基点に、着用時に非肌側T2に折り返し可能である。第2ウイング42は、第2ウイング42の前端縁42Fと、第2ウイング42の後端縁42Rと、を繋ぐ第2折り目FL42を基点に、着用時に非肌側T2に折り返し可能である。補強シート15は、第1折り目FL41と第2折り目FL42の少なくとも一方に重なってよい。当該構成によれば、各ウイングをそれぞれ折り返した際の折り目を安定させることができ、各ウイングの止着状態を維持し易く、また、各ウイングを円滑に取り外すことができる。また、ウイング止着部も、第1折り目FL41と第2折り目FL42の少なくとも一方に重なってよい。ウイング止着部が第1折り目FL41及び第2折り目FL42を跨いでいるため、各折り目よりも幅方向の内側(折り返されていない部分)と各折り目よりも幅方向の外側(折り返された部分)の両方を着用物品Sに止着でき、折り目の位置ずれを抑制できる。
【0084】
補強シート15は、ウイング止着部と重なる領域に設けられてよい。好適には、補強シート15は、第1ウイング止着部61の全域と重なり、第2ウイング止着部62の全域と重なってよい。当該構成によれば、ウイング止着部と重なる領域の剛性が高くなり、ウイング止着部と重なる領域の皺やよれを抑制でき、ウイング止着部同士がくっつくことを抑制できる。また、吸収性物品1を取り外す際に、ウイング40がウイング基端FLを基点に立ち上がる力がウイング止着部全体に作用し易く、ウイング止着部を着用物品Sの非肌面から引き剥がし、ウイング止着部のせん断力を抑制できる。
【0085】
補強シート15の前後方向Lの長さは、ウイング40の前後方向Lの長さよりも短くてよい。補強シート15の前端縁15Fは、第1ウイング41の前端縁41Fよりも後側に位置し、補強シート15の後端縁15Rは、第2ウイング42の後端縁42Rよりも前側に位置してよい。ウイング40の一部の領域のみに補強シート15が配置されていることにより、補強シート15によって剛性を高めてウイング40の皺を抑制する効果と、補強シート15が配置されてない(比較的剛性が低い)領域においてウイング40が柔軟に変形することで皺を抑制する効果と、をそれぞれ得ることができる。補強シート15の前後方向Lの長さは、ウイング40の前後方向Lの全体長さに対する50%以上90%以下であってよく、好適には、70%以上80%以下であってよい。また、変形例において、補強シート15は、ウイング40の前後方向Lの全域に配置されていてもよい。
【0086】
補強シート15の内側縁は、サイドシート12の内側縁12Iよりも幅方向の外側に位置してよく、センターシートの外側縁11Eよりも幅方向の外側に位置してよく、シート接合部16よりも幅方向の外側に位置してよく、吸収コア31の外側縁31Eよりも幅方向の外側に位置してよい。補強シート15の内側縁15Iは、境界43よりも幅方向Wの内側に位置してよく、第1ウイング41の前端縁41Fよりも幅方向Wの内側に位置してよく、第2ウイング42の後端縁42Rよりも幅方向Wの内側に位置してよく、第1ウイング止着部61の内側縁61Iよりも幅方向Wの内側に位置してよく、第2ウイング止着部62の内側縁62Iよりも幅方向Wの内側に位置してよい。
【0087】
補強シート15の内側縁15Iは、前後方向Lに沿う直線状であってよい。補強シート15の内側縁15Iは、実質的に、前後方向Lに対して平行であってよい。実質的に平行な構成は、前後方向Lに対して平行(傾斜角度0度)のみならず、製造誤差によって僅かに傾斜した構成(例えば、前後方向に対して3度以下で傾斜する構成)を含むものである。補強シート15の内側縁15Iは、剛性が変化しており、変形基点となり易い。本構成によれば、前後方向にL延びる変形基点を設け、第1ウイング41及び第2ウイング42を含むウイング40の前後方向Lの全域を、前後方向Lに沿って折り易くなる。
【0088】
また、変形例において、補強シート15の内側縁15Iは、前後方向Lに対して傾斜しつつ前後方向Lに延びる直線状であってよい。補強シート15の内側縁15Iと、前後方向Lと、がなす角度は、鋭角であってよい。吸収性物品1を取り外す際は、吸収性物品1の前端部又は後端部を把持して、着用物品よりも肌側T1に位置する吸収性物品1を手間側に引っ張る。このとき、補強シート15の内側縁は、剛性が変化する境界であり、吸収性物品を手間側に引っ張った力は、補強シート15の内側縁に沿ってウイング40に対して掛かる。本構成によれば、補強シート15の内側縁15Iは、前後方向Lに対して傾斜しつつ前後方向Lに延びる直線状であるため、ウイング40が立ち上がる基点が幅方向Wに広がり、ウイング40全体を立ち上げ易くなる。
【0089】
ウイング止着部の外側縁は、境界43よりも幅方向Wの外側に位置し、ウイング止着部は、幅方向Wにおいて境界を跨がってよい。当該構成によれば、境界43よりも幅方向Wの内側の領域と、境界43よりも幅方向Wの外側の領域と、の両方を着用物品Sに止着できる。境界43において力が分断することを抑制し、第1ウイング41と第2ウイング42を一体化して折り返し易い。また、着用時に力のかかるクロッチ域の外側縁付近でウイング40を固定することができるため、使用中に意図せずにウイング40が外れることを抑制できる。
【0090】
図1に示すように、ウイング止着部の内側縁61I、62Iは、前側域S1の外側縁S1Eと、後側域S3の外側縁S3Eと、のうち少なくとも一方よりも幅方向の内側に位置してよい。幅方向においてウイング止着部の内側縁と本体止着部の間の領域は、止着手段が設けられてなく、着用物品に止着しない。股下域S2は、脚の動き等によって変形し易く、ウイング止着部の内側縁よりも幅方向Wの内側に延び、かつ着用物品に止着されていない領域は、身体の動きに追従できず、皺及びよれが発生し易い。この領域の皺及びよれによって着用時の違和感が生じるおそれがある。特に、着用物品の股下域の幅方向の長さは、前側域の幅方向の長さ及び後側域の幅方向の長さと比較して短く、吸収性物品の股下域S2は、着用物品に対して浮き上がり易く、皺及びよれが発生し易い。しかし、ウイング止着部の内側縁61I、62Iが、前側域S1の外側縁S1Eと、後側域S3の外側縁S3Eと、のうち少なくとも一方よりも幅方向の内側に位置することで、ウイング止着部よりも幅方向の内側に延び、かつ着用物品に止着されていない領域を狭くでき、股下域の皺及びよれに起因した違和感を抑制できる。
【0091】
図2に示すように、第1ウイング止着部は、各第1ウイング41において1個であってよく、第2ウイング止着部62は、各第2ウイング42において1個であってよい。しかし、
図10に示すように、変形例において、第1ウイング止着部61は、各第1ウイング41において複数個であってよく、第2ウイング止着部62は、各第2ウイング42において複数であってよい。
【0092】
吸収コア31の外側縁31Eは、ウイング基端FLよりも幅方向Wの内側において、前後方向Lに沿う直線状であってよい。着用物品のクロッチ域の幅が狭い場合等、吸収コア31の外側縁31Eに沿ってウイング40を折り畳むことがある。当該形態において、吸収コア31の外側縁31Eが前後方向Lに沿って直線状に延びるため、折り位置を安定させることができる。また、ウイング40を有する吸収性物品1は、ウイング40がある分だけ横漏れしにくいという印象を使用者に与えることができる。当該吸収コアが前後方向Lに沿う直線状であるため、吸収コアの幅が広い心証を使用者により与えやすい。
【0093】
図4に示すように、ウイング40の内側縁40Iと吸収コア31の外側縁31Eの間には、少なくともトップシート10とバックシート20が積層された積層領域ORが設けられている。前後方向L及び幅方向Wの一方において、ウイング40の伸度は、積層領域ORの伸度よりも低くてよい。積層領域ORは、ウイング基端FLと吸収コア31の間の領域であってよく、本実施の形態では、サイドシート12、補強シート15及びバックシート20が重なった領域と、サイドシート12とバックシート20が重なった領域と、サイドシート12、センターシート11及びとバックシート20が重なった領域と、を有する。ウイング40の伸度は、積層領域ORを構成する少なくともいずれかの領域よりも高くてよい。すなわち、ウイング40が伸びやすく構成されている。ウイング40の内側縁40Iと吸収コア31の外側縁31Eの間の伸度が比較的高く、ウイング40の伸度が比較的低い。ウイング40が伸びにくいため、ウイング40に皺やよれが生じることを抑制できる。また、ウイングの根元よりも幅方向の内側に伸びやすい積層領域が配置されているため、ウイングを折る際の変形を積層領域において吸収し、ウイングの皺やよれを抑制できる。よって、ウイング止着部同士がくっつくことを抑制でき、第1ウイング41及び第2ウイング42の両方を適切に使用できる。また、吸収性物品を取り外す際は、ウイングを介してウイング止着部を引っ張り、着用物品から立ち上げやすい。よって、ウイング止着部と着用物品の間にせん断力が発生することを抑制し、ウイングを円滑に取り外すことができる。ここで、伸度は、以下の方法によって測定でき、その数値によって伸度の高低を評価できる。測定は、インストロン ジャパン カンパニーリミテッド社製の引張試験機を用いて測定する。引張試験機の上下フック間の離間距離を所定の長さ寸法となるように調整して、上フック(固定具)と下フック(可動具)に試料を取付ける。引張試験機を100mm/minの引張スピードで上フックを移動させ、120%伸びるまでの最大応力を測定する。
【0094】
第1ウイング41と第2ウイング42は、吸収性物品の使用前に肌側に折り返され、ウイング止着部を覆うウイング剥離シート(図示せず)によって覆われてよい。境界43は、剥離シートによって覆われ、剥離シートを介して視認可能であってよい。本態様によれば、ウイング剥離シートを付けた状態で、第1ウイング41と第2ウイング42の境界43の位置を把握することができる。また、第1ウイング41と第2ウイング42の境界43がウイングの前後方向Lの中心に位置する形態にあっては、ウイング剥離シートを外さずにウイングの前後方向の中心の位置を把握でき、着用物品の適切な位置に吸収性物品を装着し易くなる。なお、本実施の形態において視認可能な状態とは、照度(lx)が、100(lx)~1000(lx)の環境下において、視認可能な状態とする。
【0095】
ウイング止着部を、ウイングの展開状態において幅方向の内側に位置する内側領域と、ウイングの展開状態において幅方向の外側に位置する外側領域と、に分けると、内側領域の接着強度は、外側領域の接着強度よりも高い方が好ましい。ウイング止着部の内側領域は、ウイングを折り返した際にウイング基端FLの近傍に位置しており、ウイング基端FL近傍において安定して着用物品に接合できる。また、ウイング止着部の外側領域は、ウイングの先端側に位置しており、ウイングを着用物品から剥がす際に、内側領域よりも先に剥がされる。ウイング止着部の外側領域の接着強度が低いため、ウイング40を剥がす際に容易に取り外すことができる。
【0096】
ウイング40の前後方向Lの長さは、150mm以下であってよい。例えば、ウイング40の前後方向Lの長さが長すぎると、各ウイング40を着用物品Sの形状に沿って折り返しにくく、意図しない皺等が発生するおそれがある。しかし、ウイング40の前後方向の長さが150mm以下であり、長すぎないため、各ウイング40を着用物品の形状に沿って折り返し易く、意図しない皺等の発生を抑制できる。
【0097】
幅方向Wにおけるウイング40の外側縁40Eと第1ウイング41と第2ウイング42の境界43の距離L11は、幅方向Wにおける吸収コア31の外側縁31Eと境界43との距離L13よりも長くてよい。ウイング40の外側縁40Eと境界43の距離L11が、吸収コア31の外側縁31Eと境界43との距離L13よりも長く、境界43は、吸収コア31よりもウイング40の外側縁40Eに近い。よって、吸収コア31の外側縁31Eを基点にウイング40を折り返した際に、境界43は、吸収コアの外側縁、すなわち着用物品に対する折り目に近づけて配置される。着用物品の外縁近傍は、着用者の動きに合わせて伸び縮みし易い部分である。着用物品の伸び縮みが生じた際に、近くに配置された境界43が変形することで、吸収性物品1が着用物品の動きに追従し易くなり、ウイング40が意図せずに外れることを抑制できる。
【0098】
第1ウイング41は、第1ウイング41の前端縁41Fから後側に向かって幅方向の外側に延びる第1前側縁41FSと、第1ウイング41の後端縁41Rから前側に向かって幅方向の外側に延びる第1後側縁41RSと、を有する。第2ウイング42は、第2ウイング42の前端縁42Fから後側に向かって幅方向の外側に延びる第2前側縁42FSと、第2ウイング42の後端縁42Rから前側に向かって幅方向の外側に延びる第2後側縁42RSと、を有する。第1後側縁41RSと第2前側縁42FSは、境界43を挟んで連なっていてよい。第1前側縁41FSは、第1ウイング41の前端縁41Fを含む一定範囲における第1ウイングの外縁であり、例えば、第1ウイング41の前端縁41Fから5mmの範囲内の外縁であってよく、第1後側縁41RSは、第1ウイング41の後端縁41Rを含む一定範囲における第1ウイングの外縁であり、例えば、第1ウイング41の後端縁41Rから5mmの範囲内の外縁であってよい。また、第2前側縁42FSは、第2ウイング42の前端縁42Fを含む一定範囲における第2ウイングの外縁であり、例えば、第2ウイング42の前端縁42Fから5mmの範囲内の外縁であってよく、第2後側縁42RSは、第2ウイング42の後端縁42Rを含む一定範囲における第2ウイング42の外縁であり、例えば、第2ウイング42の後端縁42Rから5mmの範囲内の外縁であってよい。第1前側縁41FS及び第2後側縁42RSは、円弧形状であってよい。一般的に、着用者の身体の形状は、太腿の内縁(クロッチ域の前後方向の中心に当たる部分)よりも前側と後側で異なり、着用物品の形状(幅など)も異なる。第1前側縁41FSの円弧形状と第2後側縁42RSの円弧形状とが異なることにより、着用物品の形状に沿って第1ウイング41と第2ウイング42をそれぞれ折り返すことができる。よって、各ウイングに折り返し時に意図しないよれや皺が発生することを抑制できる。また、第1ウイング41の前端縁41Fの幅方向Wの位置(例えば、吸収コアの外側縁との距離)は、第2ウイング42の後端縁42Rの幅方向Wの位置と異なってよい。着用物品の外縁形状は、一般的に、クロッチ域の前後方向の中心から後側に延びる形状と、クロッチ域の前後方向の中心から前側に延びる形状と、が異なる。第1ウイング41の前端縁41Fの幅方向Wの位置と第2ウイング42の後端縁42Rの幅方向Wの位置が異なることにより、着用物品の外縁の形状に沿って第1ウイング41及び第2ウイング42をそれぞれ配置できる。また、第1ウイング41と第2ウイング42は、境界を介してその位置や角度が変更可能である。例えば、境界43を基点として第2ウイング42を前側かつ幅方向Wの内側に引っ張ることで、第1ウイング41と第2ウイング42がなす角度が狭くなり、又は第1ウイング41と第2ウイング42が一部重なり、第2後側縁42RSの位置が幅方向Wの外側に移動する。着用物品のクロッチ域の前後方向Lの中心よりも後側の形状が幅広の場合に、第2後側縁42RSを着用物品の外側縁に沿わせたり着用物品の外側縁に近づけたりして配置できる。
【0099】
第1前側縁41FS及び第1後側縁41RSは、曲線状であってよい。第1前側縁41FSの曲率は、第1後側縁41RSの曲率よりも大きくてよい。着用物品Sから吸収性物品1を取り外す際は、吸収性物品の前側から後側に引っ張ることが多く、ウイング40も前側から後側に向けて徐々に着用物品から剥がされる。このとき、ウイング40において最初に引き剥がす力がかかる箇所は、第1前側縁41FSとなる。第1前側縁41FSは、曲率が大きくなだらかに傾斜しているため、当該引き剥がす力が一点に集中せず、一定の範囲にて力を受ける。よって、第1前側縁41FSが局所的に力を受けることで、第1前側縁41FSが破れる等の不具合を抑制できる。また、第1後側縁41RSは、曲率が小さく傾斜が急となる。よって、第1後側縁41RSに掛かった力は、分散しにくく第2ウイング42に伝達され易い。よって、第1ウイング41と第2ウイング42を円滑に引き剥がすことができる。
【0100】
第2前側縁42FS及び第2後側縁42RSは、曲線状であってよい。第2前側縁42FSの曲率は、第2後側縁42RSの曲率よりも大きくてよい。吸収性物品1を前側から後側に向けて取り外す際に、前側から係る力を第2前側縁42FSにおいて分断させずに、第2ウイング全体に係ることができる。よって、第1ウイング41と第2ウイング42を円滑に引き剥がすことができる。また、第2後側縁42RSの曲率が大きくなだらかに傾斜するため、臀部を覆うように広がる着用物品に沿ってウイング40を配置でき、後漏れを抑制できる。
【0101】
第1ウイング41の後端縁41Rと第2ウイング42の前端縁42Fは、本実施の形態のように隣接していてもよいし、前後方向Lに離間していてもよい。具体的には、第1ウイング41の後端縁41Rと第2ウイング42の前端縁42Fが前後方向Lに離れ、第1ウイング41の後端縁41Rと第2ウイング42の前端縁42Fの間に前後方向Lに延びる側縁が設けられてよい。第1ウイングの後端縁と第2ウイングの前端縁が前後方向Lに離間している形態にあっては、着用物品の前後方向L又は斜め方向の伸縮に対して緩衝し易くなり、ウイング40が着用物品に追従し易くなる。よって、ウイングが意図せずに外れることをより抑制できる。第1ウイング41の後端縁41Rと第2ウイング42の前端縁42Fの前後方向Lの間隔は、20mm未満であってよい。第1ウイング41の後端縁41Rと第2ウイング42の前端縁42Fの間隔が20mm未満であることにより、第1ウイング41と第2ウイング42を合わせて折り返し易くなり、ウイングの折り返し操作を円滑に行うことができる。
【0102】
第1ウイング41の前端縁41F及び第2ウイング42の後端縁42Rは、境界43よりも幅方向Wの内側に位置してよい。第1ウイング41と第2ウイング42を別々に折り畳む形態にあっては、ウイング基端FLを基点に折り畳まれず、第1ウイング41は、第1ウイング41の前端縁41Fと境界43を繋いだ第1折り目FL41を基点に折り畳まれ、第2ウイング42は、第2ウイング42の後端縁42Rと境界43を繋いだ第2折り目を基点に折り畳まれる。このとき、第1折り目と第2折り目を繋ぐラインが幅方向Wの外側に凸状となるため、各ウイングを折り畳む際に、第1ウイング41と第2ウイングを重ねて配置できる。また、ウイング基端FLが前後方向に対して傾斜している形態にあっては、ウイング基端FLよりも幅方向の外側に境界43が位置していても、第1ウイング41の前端縁41Fと第2ウイング42の後端縁42Rの一方が、境界43よりも幅方向の外側に位置することがある。当該形態にあっては、境界43よりも幅方向の外側に位置するウイングの外端縁を基点に取り外し時に展開すると、境界43によって力が分断し、第1ウイングと第2ウイングを連続して円滑に取り外すことができないおそれがある。しかし、第1ウイング41の前端縁41F及び第2ウイング42の後端縁42Rが境界43よりも幅方向Wの内側に位置していることにより、ウイングの前端縁及び後端縁のいずれから取り外した場合であっても、第1ウイングと第2ウイングを連続して円滑に取り外すことができる。
【0103】
吸収性物品は、少なくとも吸収コアを厚さ方向Tに圧縮した圧搾部(図示せず)が設けられてよい。圧搾部は、境界43から幅方向の内側に延びる仮想線上に設けられている。本態様によれば、ウイング40を折り返す際、及びウイング40を展開する際に、境界43から幅方向の内側に延びる領域が圧搾部の剛性によって変形し難く、ウイング40を円滑に操作することができる。また、仮想線上に配置された圧搾部は、前後方向Lに沿って延びてよい。前後方向に延びる一定の範囲に亘って剛性を確保し、ウイングをより操作し易くなる。好適には、仮想線上に配置された圧搾部の前端縁は、第1ウイングの前端縁よりも前側に位置してよく、仮想線上に配置された圧搾部の後端縁は、第2ウイングの後端縁よりも後側に位置してよい。本構成によれは、ウイングの前後方向の全体に亘って、圧搾部の剛性によってウイング基端が安定し、ウイングを円滑に操作することができる。
【0104】
ウイングから幅方向の内側に延びる領域には、吸収コアの目付が最も高い中高部(図示せず)が設けられてよい。ウイングから幅方向の内側に延びる領域は、第1ウイング41の前端縁41Fから幅方向Wの内側に延びる仮想線と、第2ウイング42の後端縁42Rから幅方向Wの内側に延びる仮想線と、によって挟まれた領域である。本態様によれば、ウイング基端FLを基点に非肌側にウイングを折り返す際、及びウイング基端FLを基点にウイングを展開する際に、中高部の剛性によってウイング基端が安定し、ウイングを円滑に操作することができる。
【0105】
第1ウイング41の外側縁41Eと境界43との前後方向Lの距離L53は、第1ウイング41の外側縁41Eと境界43との幅方向の距離W53よりも短くてよい。第1ウイング41の外側縁41Eは、第1ウイング41において最も外側に位置する縁であり、第1ウイング41の外側縁41Eが前後方向Lに延びる一定範囲の形態にあっては、距離L53は、第1ウイング41の外側縁41Eのうち最も後側に位置する後端縁と、境界43と、の前後方向Lの距離である。第1ウイング41の外側縁が点の形態にあっては、距離L53は、当該点と、境界43と、の前後方向Lの距離である。L53>W53を満たすため、第1ウイングの外側縁と境界の間で前後方向に沿って力を掛けた際に、当該力が到達し易い。よって、吸収性物品の後端部が手前に引っ張られて第2ウイングから第1ウイングに向かって起立する際に、境界から前側に向かう力が直ぐに第1ウイングの外側縁に到達し、第1ウイングと第2ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0106】
第2ウイング42の外側縁42Eと境界43との前後方向Lの距離L54は、第2ウイング42の外側縁42Eと境界43との幅方向の距離W54よりも短くてよい。第2ウイング42の外側縁42Eは、第2ウイング42において最も外側に位置する縁であり、第2ウイング42の外側縁42Eが前後方向Lに延びる一定範囲の形態にあっては、距離L54は、第2ウイング42の外側縁42Eのうち最も前側に位置する前端縁と、境界43と、の前後方向Lの距離である。第2ウイング42の外側縁が点の形態にあっては、距離L54は、当該点と、境界43と、の前後方向Lの距離である。L54>W54を満たすため、第2ウイングの外側縁と境界の間で前後方向に沿って力を掛けた際に、当該力が到達し易い。よって、吸収性物品の前端部が手前に引っ張られて第1ウイングから第2ウイングに向かって起立する際に、境界から後側に向かう力が直ぐに第2ウイングの外側縁に到達し、第1ウイングと第2ウイングを円滑に取り外すことができる。
【0107】
次いで、このように構成された吸収性物品の製造方法について説明する。なお、以下の説明においては、製造方法の一部の工程について説明し、その他の工程については、周知の製造方法の工程を採用することができる。製造方法は、吸収コア31と、吸収コア31よりも前記幅方向の外側に延出し、着用物品の非肌側に折り返されるウイング40と、を有する吸収性物品を製造する製造方法である。製造方法は、ウイング40を形成するウイング形成工程と、ウイング40をウイング折り線にて折るウイング折り工程と、を少なくとも有する。
【0108】
ウイング形成工程は、ウイング40を構成する部材(例えば、トップシート、バックシート、補強シート等)を積層した積層部材をウイング40の外形にて切断する。ウイング形成工程は、第1ウイング41と第2ウイング42の境界43を、第1ウイング41の前端縁41Fと第2ウイング42の後端縁42Rを繋ぐウイング基端FLよりも幅方向Wの外側に形成する。なお、ウイング形成工程は、ウイング折り工程よりも前工程であり、ウイング40を展開した状態(例えば、
図1に示す状態)において、境界43がウイング基端FLよりも幅方向Wの外側に位置するように形成する。ウイング折り工程のウイング折り線は、ウイング基端FLに一致、又は、ウイング基端FLよりも幅方向Wの外側かつ境界43よりも幅方向Wの内側に位置する。すなわち、ウイング折り工程は、ウイング基端FLに一致するウイング折り線においてウイングを折る。または、ウイング折り工程は、ウイング基端FLよりも幅方向の外側かつ境界43よりも幅方向Wの内側に位置するウイング折り線にてウイングを折る。
【0109】
ウイング折り工程は、所定の折り畳み冶具(例えば、セーラー等)を用いて、当該治具を当ててウイング40を折る。このとき、ウイング40の折り線上に境界43が配置されていると、第1ウイング41と第2ウイング42の間で折り目が分断し、第1ウイング41と第2ウイング42を共に安定して折り難いことがある。例えば、第1ウイング41の折り目と第2ウイング42の折り目の角度や位置がずれ、第1ウイング41の折り目と第2ウイング42の折り目が一直線上に配置されないことがある。しかし、境界43がウイング基端FLよりも幅方向Wの外側に位置しているため、ウイング基端FLに一致したウイング折り線を基点として折った際に、第1ウイング41の折り目の延長線上に第2ウイング42の折り目が位置し、第1ウイング41と第2ウイング42を一体化して共に折ることができる。また、境界43がウイング基端FLよりも幅方向Wの外側に位置しているため、ウイング基端FLよりも幅方向の外側かつ境界43よりも幅方向Wの内側に位置するウイング折り線にて折った際においても、第1ウイング41の折り目の延長線上に第2ウイング42の折り目が位置し、第1ウイングと第2ウイングを共に安定して折ることができる。
【0110】
吸収性物品の製造方法は、ウイング止着部を構成する止着手段を設ける止着配置工程と、ウイング止着部を覆うウイング剥離シートを設けるシート配置工程と、を有してよい。止着配置工程は、例えば、ウイング止着部を構成する粘着剤を塗布する工程であってよい。止着配置工程は、ウイング形成工程の前工程であってもよいし、ウイング形成工程の後工程であってもよいし、ウイング折り工程の前工程であってもよいし、ウイング折り工程の後工程であってもよい。好適には、止着配置工程は、ウイング形成工程の後工程、かつウイング折り工程の後工程であってよい。また、シート配置工程は、ウイング折り工程の後工程であり、折り畳まれたウイング止着部を覆うように剥離シートを配置する。
【0111】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0112】
なお、2022年7月8日に出願された国際特許出願 PCT/JP/027074号の全内容が、参照により、本明細書に組み込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明によれば、ウイング基端による折り目を安定できるとともに、第1ウイング及び第2ウイングの両方を適切に使用できる吸収性物品を提供する。
【符号の説明】
【0114】
1 :吸収性物品
10 :トップシート
11 :センターシート
12 :サイドシート
15 :補強シート
20 :バックシート
30 :吸収体
31 :吸収コア
40 :ウイング
41 :第1ウイング
42 :第2ウイング
43 :境界
60 :本体止着部
61 :第1ウイング止着部(ウイング止着部)
62 :第2ウイング止着部(ウイング止着部)
FL :ウイング基端
FL41 :第1折り目
FL42 :第2折り目
L :前後方向
OR :積層領域
S :着用物品(下着)
S1 :前側域
S2 :股下域
S3 :後側域
T :厚さ方向
T1 :肌側
T2 :非肌側
W :幅方向