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特開2024-89594ADCおよびランプ電圧発生器を含むイメージセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089594
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】ADCおよびランプ電圧発生器を含むイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/772 20230101AFI20240626BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20240626BHJP
【FI】
H04N25/772
H04N25/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040213
(22)【出願日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0180922
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク ユ ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ソ ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ソ カン ボン
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CX06
5C024CX43
5C024GX16
5C024GX18
5C024GY31
5C024GY39
5C024HX17
5C024HX24
5C024HX29
(57)【要約】
【課題】ピクセル電圧のレベルが変更されてもノイズが補正されたHDRイメージを取得可能にし、LCGモード及びHCGモードの両方で動作可能なADCを含むイメージセンサを提供する。
【解決手段】本開示の実施形態によるイメージセンサ100は、第1モードで第1キャパシタンスを有し、第2モードで第1キャパシタンスよりも小さい第2キャパシタンスを有するFDノードFDを含むピクセルPXと、ランプ電圧RAMP及びピクセルPXから出力されたピクセル電圧VPIXに基づいてピクセル値を出力するADC141と、第1モードでADC141から出力された第1ピクセル値と第2モードでADC141から出力された第2ピクセル値との差異に基づいて、ランプ電圧RAMPを調節するランプ電圧発生器130とを含むことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モードで第1キャパシタンスを有し、第2モードで前記第1キャパシタンスよりも小さい第2キャパシタンスを有するFD(floating diffusion)ノードを含むピクセルと、
ランプ電圧および前記ピクセルから出力されたピクセル電圧に基づいてピクセル値を出力するADC(analog-to-digital converter)と、
前記第1モードで前記ADCから出力された第1ピクセル値及び前記第2モードで前記ADCから出力された第2ピクセル値の差異に基づいて、前記ランプ電圧を調節するランプ電圧発生器と、を含むことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記ADCから前記第1ピクセル値及び前記第2ピクセル値を受信し、
前記第1ピクセル値および前記第2ピクセル値の差異と関連する差異値データを前記ランプ電圧発生器に提供するデジタルロジックをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記ランプ電圧発生器は、
前記第1モードで、予め設定された第1電位から時間と共に減少する前記ランプ電圧を出力し、
前記第2モードで、前記第1電位に比べてキャリブレーション値だけ低い第2電位から時間と共に減少する前記ランプ電圧を出力し、
前記デジタルロジックから受信した前記差異値データに基づいて前記キャリブレーション値を調節することを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記ランプ電圧発生器は、
前記差異値データが、閾値未満であることに応答して、前記キャリブレーション値を維持し、
前記差異値データが、前記閾値以上であることに応答して、前記キャリブレーション値を変更することを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記ADCは、
前記ランプ電圧および第1ピクセルから出力されたピクセル電圧に基づいて前記第1ピクセル値および前記第2ピクセル値を出力し、
前記調節されたランプ電圧および第2ピクセルから出力されたピクセル電圧に基づいて第3ピクセル値を出力することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記ピクセルは、
前記FDノードのキャパシタンスを調節するDCG(dual conversion gain)トランジスタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記DCGトランジスタのON/OFFを利用して前記ピクセルの駆動モードを前記第1モードまたは前記第2モードのうちのいずれか1つに決めるロードライバーをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記ピクセルは、
前記第1モードで第1変換利得(conversion gain)によって第1ピクセル電圧を出力し、
前記第2モードで前記第1変換利得よりも高い第2変換利得によって第2ピクセル電圧を出力することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記ADCは、
前記ピクセルを含む1つのピクセルカラム毎に1つの前記ADCと連結され、
前記第1モードで、前記第1ピクセル電圧及び前記ランプ電圧を比較して前記第1ピクセル値を出力し、
前記第2モードで、前記第2ピクセル電圧および前記ランプ電圧を比較して前記第2ピクセル値を出力することを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記ADCは、
前記ADCに含まれる比較器のスイッチをONして前記比較器の入力ノードと出力ノードとを電気的に連結するオートゼロ(auto-zero)を行い、
前記スイッチがOFF状態に維持される間に、前記第1ピクセル電圧に基づく前記第1ピクセル値および前記第2ピクセル電圧に基づく前記第2ピクセル値を出力することを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
第1ピクセルから出力された第1ピクセル電圧およびランプ電圧を比較して第1ピクセル値を取得するステップと、
スイッチングを介して変更された変換利得(conversion gain)を有する前記第1ピクセルから出力された第2ピクセル電圧および前記ランプ電圧を比較して第2ピクセル値を取得するステップと、
前記第1ピクセル値及び前記第2ピクセル値の差異に基づいて前記ランプ電圧を調節するステップと、
第2ピクセルから出力された第3ピクセル電圧および前記調節されたランプ電圧を比較して第3ピクセル値を取得するステップと、を含むことを特徴とするイメージセンサの動作方法。
【請求項12】
前記第1ピクセル値を取得するステップは、
予め設定された第1電位から時間と共に減少する前記ランプ電圧と前記第1ピクセル電圧とを比較するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項13】
前記第2ピクセル値を取得するステップは、
前記第1電位に比べてキャリブレーション値だけ低い第2電位から時間と共に減少する前記ランプ電圧と前記第2ピクセル電圧とを比較するステップを含むことを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項14】
前記ランプ電圧を調節するステップは、
前記第1ピクセル値および前記第2ピクセル値の差異に基づいて前記キャリブレーション値を調節するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項15】
前記第2ピクセル値を取得するステップは、
前記第1ピクセルに含まれるスイッチを制御して、前記第1ピクセルの第1変換利得を、前記第1変換利得よりも高い第2変換利得に変更するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項16】
ADCに含まれる比較器のスイッチをONさせてオートゼロを行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項17】
前記オートゼロを行うステップは、
前記比較器の入力ノードと出力ノードとを電気的に連結するステップを含むことを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項18】
前記第1ピクセル値を取得するステップ及び前記第2ピクセル値を取得するステップは、
前記比較器のスイッチがOFF状態に維持される間に、前記ADCが前記第1ピクセル電圧に基づいて前記第1ピクセル値を取得し、前記第2ピクセル電圧に基づいて前記第2ピクセル値を取得するステップを含むことを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに含まれるADC(analog-to-digital converter)およびランプ電圧発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルイメージのDR(dynamic range)は、イメージ内で最も明るいピクセル値と最も暗いピクセル値との割合で定義され、電子装置の一般的に扱えるDRよりも広いDRを有するイメージをHDR(high dynamic range)イメージという。HDRイメージを生成する技術には、互いに異なる露出時間の間に複数のイメージを撮影して合成する方法、各ピクセル毎に1回の露出後、互いに異なる変換利得(conversion gain)で2回以上リードアウトして取得したイメージを合成する方法など様々な方法が用いられる。例えば、イメージセンサは、ピクセルの1回の露出で生成された電荷をHCG(high conversion gain)モードおよびLCG(low conversion gain)モードに応じて連続的にリードアウトしてHDRイメージを取得できる。ここで、変換利得とは、各ピクセルのFD(floating diffusion)に蓄積された電荷が電圧に変換される割合を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ただし、DCG(dual conversion gain)を支援するイメージセンサがピクセルの変換利得を変更すると、FD(floating diffusion)ノードのカップリングキャパシタンスが変化するので、該当ピクセルから出力されるピクセル電圧のレベルも変更される。例えば、イメージセンサがピクセルの変換利得をLCGからHCGに変更すると、前記ピクセルから出力されるピクセル電圧は数十~数百mVだけ減少する。したがって、イメージセンサが行うCDS(correlated double sampling)の正確度が落ち、前記イメージセンサを介して取得されたHDRイメージにはCFPN(column fixed pattern noise)などのノイズが含まれる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態に係るイメージセンサは、第1モードで第1キャパシタンスを有し、第2モードで前記第1キャパシタンスよりも小さい第2キャパシタンスを有するFDノードを含むピクセル、ランプ電圧及び前記ピクセルから出力されたピクセル電圧に基づいてピクセル値を出力するADC、及び前記第1モードで前記ADCから出力された第1ピクセル値及び前記第2モードで前記ADCから出力された第2ピクセル値の差異に基づいて、前記ランプ電圧を調節するランプ電圧発生器を含むことができる。
【0005】
本開示の実施形態に係るイメージセンサの動作方法は、第1ピクセルから出力された第1ピクセル電圧及びランプ電圧を比較して第1ピクセル値を取得するステップ、スイッチングを介して変更されたキャパシタンスを有する前記第1ピクセルから出力された第2ピクセル電圧及び前記ランプ電圧を比較して第2ピクセル値を取得するステップ、前記第1ピクセル値及び前記第2ピクセル値の差異に基づいて前記ランプ電圧を調節するステップ、及び前記第2ピクセルから出力された第3ピクセル電圧及び前記調節されたランプ電圧を比較して第3ピクセル値を取得するステップを含むことができる。
【発明の効果】
【0006】
電子装置は、本開示によるイメージセンサを介してピクセル電圧のレベルが変更されてもCFPNなどのノイズが補正されたHDRイメージを取得することができる。また、本開示によるイメージセンサは、LCGモードとHCGモードの両方で動作可能なADCを含むので、ピクセルアレイをリードアウトするために求められる時間資源および電力資源を節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態によるイメージセンサの構成を概略的に説明するための図である。
図2a】本発明の実施形態によってDCG(dual conversion gain)を支援するピクセルの例を説明するための図である。
図2b】本発明の実施形態によってDCGを支援するピクセルの他の例を説明するための図である。
図3】本発明の実施形態によって調節されたランプ電圧を利用するイメージセンサを説明するためのタイミング図である。
図4】本発明の実施形態によってランプ電圧を調節するためのイメージセンサの構成を説明するための図である。
図5】本発明の実施形態によって第1モードおよび第2モードの両方で動作することができるADC(analog-to-digital converter)の構成を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態によってランプ電圧のキャリブレーション値を調節することができるランプ電圧発生器の構成を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態によって1回のオートゼロのみで第1モードおよび第2モードでそれぞれピクセル値を取得することができるADCを説明するためのタイミング図である。
図8】本発明の実施形態によるイメージセンサの動作を説明するためのフロー図である。
図9】本発明の実施形態によるピクセル、ADC、ランプ電圧発生器、およびデジタルロジックの動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書または出願に開示されている本発明の概念による実施形態についての特定の構造的ないし機能的説明は、単に本発明の概念による実施形態を説明する目的で例示されたものであり、本発明の概念による実施形態は、様々な形態で実施され、本明細書または出願に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0009】
以下では、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できるほど詳細に説明するために、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態によるイメージセンサの構成を概略的に説明するための図である。
【0011】
図1を参照すると、イメージセンサ100は、ピクセルアレイ110、ロードライバ120、ランプ電圧発生器130、ADCブロック(analog-to-digital converter block)140、カラムリードアウト回路150、およびタイミングコントローラ(timing controller、T/C)160を含むことができる。ただし、図1に示す構成は例示に過ぎず、イメージセンサ100は、図1に示さない追加的な構成をさらに含むことができる。
【0012】
ピクセルアレイ110は、複数のローラインRL、複数のカラムラインCL、および複数のローラインRLと複数のカラムラインCLに沿って配列される複数のピクセルPXを含むことができる。ピクセルPXの構造については、図2aおよび図2bを参照して後述する。
【0013】
本開示によるピクセルPXは、二重変換利得(dual conversion gain、以下、DCG)を有することができる。すなわち、ピクセルアレイ110に含まれるピクセルPXは、それぞれDCG方式で動作することができる。例えば、ピクセルPXは、それぞれLCG(low conversion gain)モードで動作することができ、HCG(high conversion gain)モードでも動作することができる。このとき、変換利得(conversion gain)は、各ピクセルPXに含まれるFD(floating diffusion)ノードに蓄積された電荷が電圧に変換される割合を表すことができる。ピクセルPXは、FDノードのキャパシタンス(capacitance)の大きさが大きいほど低い変換利得(LCG)を有し、FDノードのキャパシタンスの大きさが小さいほど高い変換利得(HCG)を有することができる。
【0014】
イメージセンサ100は、ピクセルPXの1回の露出(exposure)に後続するリードアウト区間の間に、LCGモードとHCGモードで連続して動作することができる。これにより、イメージセンサ100は、1つのフレーム区間内でLCGモードに応じる第1イメージデータとHCGモードに応じる第2イメージデータを取得することができる。イメージセンサ100は、第1イメージデータと第2イメージデータをイメージプロセッサ(図示せず)に提供することができる。イメージプロセッサは、第1イメージデータと第2イメージデータとを併合してHDR(high dynamic range)イメージを生成することができる。
【0015】
例えば、ピクセルPXがLCGモードで動作することによって取得された第1イメージデータは、相対的に暗いイメージであり得る。また、ピクセルPXがHCGモードで動作することによって取得された第2イメージデータは、相対的に明るいイメージであり得る。したがって、第1イメージデータには明るい領域が鮮明に表現され、第2イメージデータには暗い領域が鮮明に表現されることができる。イメージプロセッサは、第1イメージデータの明るい領域および第2イメージデータの暗い領域を合成することで、第1イメージデータや第2イメージデータのそれぞれに比べてDRの広いHDRイメージを生成することができる。本開示では、HDRイメージ生成のために、イメージセンサ100が変換利得の調節の可能なピクセルPXを利用して第1イメージデータと第2イメージデータを取得することを前提に説明する。
【0016】
ロードライバ120は、タイミングコントローラ160の制御によって、ピクセルアレイ110に含まれる複数のローのうちから少なくとも1つのローを選択することができる。ロードライバ120は、ローラインRLを介して特定のローに含まれるピクセルPXがピクセル電圧VPIXを出力するように制御することができる。イメージセンサ100は、ロードライバ120の選択に応じて、ピクセルアレイ110に含まれる複数のピクセルPXのうち特定のローに含まれるピクセルPXをリードアウトすることができる。
【0017】
ロードライバ120は、ピクセルPXの駆動モードをLCGモードまたはHCGモードのうちのいずれか1つに決めることもできる。ロードライバ120は、ピクセルPXに含まれるFDノードのキャパシタンスを調節してピクセルPXの変換利得を調節することができる。FDノードのキャパシタンス調節によるピクセルPXの駆動モードについては、図2aを参照して後述する。
【0018】
ランプ電圧発生器130は、タイミングコントローラ160の制御によってランプ電圧RAMPを出力することができる。ランプ電圧発生器130は、ADCブロック140に含まれるそれぞれのADCにランプ電圧RAMPを提供することができる。ランプ電圧発生器130は、ADCブロック140およびデジタルロジック155とのフィードバックシステム(例えば、フィードバックループ(feedback loop))を介してランプ電圧RAMPの電位を調節することができる。ランプ電圧RAMPの電位については、図3を参照して後述する。
【0019】
ADCブロック140は、複数のADCを含むことができる。ADCブロック140に含まれるADCは、ピクセルアレイ110に含まれるピクセルPXのカラム毎にそれぞれ対応するように配置されることができる。例えば、ADCブロック140は、ピクセルアレイ110に含まれるピクセルPXのカラムの個数に対応する個数のADCを含むことができる。図1を参照すると、第1ADC141は、第1ピクセル111を含む第1カラムのピクセルPXとカラムラインCLを介して連結されることができる。
【0020】
ADCは、ピクセルPXから入力されるピクセル電圧VPIXをデジタル信号であるピクセル値に変換することができる。ADCブロック140に含まれるそれぞれのADCは、比較器およびカウンタを含むことができる。ADCは、比較器およびカウンタを利用して、アナログ信号であるピクセル電圧VPIXをデジタル信号であるピクセル値に変換することができる。
【0021】
例えば、比較器は、ピクセルPXからカラムラインCLを介して受信されるピクセル電圧VPIX、およびランプ電圧発生器130から受信されるランプ電圧RAMPを比較することができる。比較器は、ピクセル電圧VPIXとランプ電圧RAMPとの比較結果に対応する比較信号を出力することができる。カウンタは、前記比較信号の反転する時点に基づいてピクセル値を取得することができる。ADCに含まれる比較器およびカウンタの詳細な動作については、図5を参照して後述する。
【0022】
本開示によるADCは、ピクセルPXの変換利得に関わらず、ADC(analog-to-digital convert)動作を行うことができる。すなわち、第1ADC141は、第1ピクセル111がLCGモードで出力した第1ピクセル電圧に基づいて第1ピクセル値を出力することができ、第1ピクセル111がHCGモードで出力した第2ピクセル電圧に基づいて第2ピクセル値を出力することもできる。
【0023】
カラムリードアウト回路150は、ADCブロック140から出力されたピクセル値をイメージセンサ100の外部に出力することができる。例えば、カラムリードアウト回路150は、ADCからピクセル値を受信することができ、前記ピクセル値を含むイメージデータ(例えば、第1イメージデータ、第2イメージデータ)をイメージプロセッサ(図示せず)に出力することができる。
【0024】
カラムリードアウト回路150は、デジタルロジック155を含むことができる。デジタルロジック155は、ピクセルPXの変換利得によって取得されるピクセル値間の差異を計算することができる。例えば、デジタルロジック155は、LCGモードで第1ADC141から出力された第1ピクセル値、およびHCGモードで第1ADC141から出力された第2ピクセル値間の差異を演算して差異値データを生成することができる。デジタルロジック155は、前記差異値データをランプ電圧発生器130に提供することができる。デジタルロジック155およびランプ電圧発生器130の詳細な動作については、図4を参照して後述する。
【0025】
タイミングコントローラ160は、ロードライバ120、ランプ電圧発生器130、およびカラムリードアウト回路150のそれぞれに制御信号を出力することができる。タイミングコントローラ160は、前記制御信号を利用してロードライバ120、ランプ電圧発生器130、およびカラムリードアウト回路150が動作するタイミングを制御することができる。
【0026】
図2aは、本発明の実施形態によってDCG(dual conversion gain)を支援するピクセルの例を説明するための図である。
【0027】
図2aを参照すると、ピクセルPXは、フォトダイオード(photo diode)PD、転送トランジスタTX、FD(floating diffusion)ノードFD、ソースフォロワ(source follower)SF、選択トランジスタSX、リセットトランジスタRX、第1キャパシタC、第2キャパシタC、およびDCG(dual conversion gain)トランジスタDCGを含むことができる。
【0028】
フォトダイオードPDは、外部からピクセルPXに入射される光を電気信号に変換することができる。フォトダイオードPDは、入射光に対応する電荷を発生させることができる。例えば、フォトダイオードPDは、入射光の強度が強いほど多量の電荷を生成することができる。
【0029】
露出時間の間、フォトダイオードPDに蓄積される電荷は、転送トランジスタTXがONのときにFDノードFDに移動することができる。フォトダイオードPDで生成された電荷は、転送トランジスタTXを介してFDノードFDに蓄積されることができる。この際、DCGトランジスタDCGがOFF状態である場合には、前記電荷が第1キャパシタCに蓄積されることができ、DCGトランジスタDCGがON状態である場合には、前記電荷が第1キャパシタC及び第2キャパシタCに蓄積されることができる。
【0030】
FDノードFDに蓄積された電荷は、電圧を発生させることができる。すなわち、FDノードFDに蓄積された電荷は電圧に変換(conversion)されることができる。ソースフォロワSFは、FDノードFDの電圧に対応する電圧をピクセル電圧VPIXとして出力することができる。
【0031】
選択トランジスタSXは、ピクセルPXを選択することができる。図1のロードライバ120は、ピクセルPXの選択トランジスタSXをONさせることで、選択されたピクセルPXのピクセル電圧VPIXをカラムラインCLを介してADCに提供することができる。
【0032】
リセットトランジスタRXは、FDノードFDをリセットさせることができる。ロードライバ120は、ピクセルPXのリセットトランジスタRXをONさせることで、該当ピクセルPXのFDノードFD、第1キャパシタC、および第2キャパシタCをリセットすることができる。
【0033】
DCGトランジスタDCGは、ロードライバ120の制御によってFDノードFDのキャパシタンスを調節して、ピクセルPXの変換利得を調節することができる。DCGトランジスタDCGがOFFであると、FDノードFDは第1キャパシタCに連結されることができ、FDノードFDは第1キャパシタCによるキャパシタンスを有すことができる。DCGトランジスタDCGがONであると、FDノードFDは第1キャパシタCおよび第2キャパシタCに連結されることが でき、FDノードFDは第1キャパシタCおよび第2キャパシタCによるキャパシタンスを有すことができる。ピクセルPXの変換利得は、FDノードFDのキャパシタンスに反比例するので、DCGトランジスタDCGがONのときにピクセルPXは低い変換利得LCGを有し、DCGトランジスタDCGがOFFのときにピクセルPXは高い変換利得HCGを有することができる。本開示では、DCGトランジスタDCGは、ピクセルPXに含まれるスイッチと呼ぶことができる。
【0034】
ロードライバ120は、DCGトランジスタDCGのON/OFFを用いてピクセルPXの駆動モードを決めることができる。本開示では、ピクセルPXに含まれるDCGトランジスタDCGがON状態であり、ピクセルPXが低い変換利得LCGを有する駆動モードを第1モード(LCGモード)と呼び、ピクセルPXに含まれるDCGトランジスタDCGがOFF状態であり、ピクセルPXが高い変換利得HCGを有する駆動モードを第2モード(HCGモード)と呼ぶことができる。
【0035】
図2bは、本発明の実施形態によってDCGを支援するピクセルの他の例を説明するための図である。図2bでは、図2aを参照して説明した内容と重複する内容は説明を簡略化あるいは省略することができる。
【0036】
図2bを参照すると、ピクセルPXは、フォトダイオード(photo diode)PD、転送トランジスタTX、FD(floating diffusion)ノードFD、ソースフォロワ(source follower)SF、選択トランジスタSX、リセットトランジスタRX、および第1キャパシタCを含むことができる。
【0037】
図2aと図2bを比較すると、図2aのピクセルPXは2つのキャパシタ(例えば、第1キャパシタC及び第2キャパシタC)を含むのに対し、図2bのピクセルPXは、1つのキャパシタ(例えば、第1キャパシタC)を含むことができる。図2bを参照すると、FDノードFDは、ピクセルPXの第1キャパシタCおよび別のピクセルPX’の第2キャパシタCと連結されることができる。例えば、DCGトランジスタDCGがOFFであると、FDノードFDは第1キャパシタCと連結され、DCGトランジスタDCGがONであると、FDノードFDは第1キャパシタC1及び別のピクセルPX’の第2キャパシタCと連結されることができる。
【0038】
すなわち、本開示によるイメージセンサ100は、図2aに示すように、各ピクセルPX毎に含まれる2つのキャパシタを用いて変換利得を調節してもよく、図2bに示すように、互いに異なるピクセル(PXおよびPX’)にそれぞれ含まれる2つのキャパシタを用いて変換利得を調節してもよい。
【0039】
また、図2a及び図2bでは、イメージセンサ100が、FDノードFDに連結可能な2つのキャパシタを利用してFDノードFDのキャパシタンスを調節するものとして説明したが、これは単なる一例であって、本開示による権利範囲を制限しない。例えば、イメージセンサ100は、各ピクセルPXのFDノードFD毎に1つのキャパシタが連結可能であり、第1モードLCGではFDノードFDが1つのキャパシタと連結され、第2モードHCGではFDノードFDがキャパシタと連結されないように構成されてもよい。
【0040】
図3は、本発明の実施形態によって調節されたランプ電圧を利用するイメージセンサを説明するためのタイミング図である。
【0041】
イメージセンサ100は、各ピクセルPXの有するピクセル固有の特性によるノイズ(例えば、リセットノイズ)および/またはピクセル電圧VPIXを出力するロジック(例えば、カラムラインCL、ADC)の特性によるノイズ(例えば、CFPN)を減少させるために、CDS(correlated double sampling)を行うことができる。イメージセンサ100は、ピクセルPXのリードアウト区間の間に該当ピクセルPXのリセット信号をリードアウトし、前記リセット信号と相関するイメージ信号をリードアウトすることができる。イメージセンサ100は、ピクセルPXのイメージ信号からリセット信号を差し引くことで、実際のイメージ信号に対応するピクセル値、すなわちピクセルPXのフォトダイオードPDで生成された電荷量を表すピクセルデータを取得することができる。
【0042】
ピクセルPXがDCGを支援する場合、イメージセンサ100は、リードアウト区間の間にLCGモードおよびHCGモードのそれぞれに対するリセット信号およびイメージ信号をリードアウトすることができる。例えば、イメージセンサ100は、ピクセルPXのLCGリセット信号およびLCGイメージ信号に基づいてLCGピクセルデータを取得することができ、ピクセルPXのHCGリセット信号およびHCGイメージ信号に基づいてHCGピクセルデータを取得することができる。
【0043】
図3を参照すると、ピクセルPXのリードアウト区間は4つのサブ区間に区分されることができる。例えば、イメージセンサ100は、第1区間310の間にピクセルPXのLCGリセット信号を取得でき、第2区間320の間にピクセルPXのHCGリセット信号を取得でき、第3区間330の間にピクセルPXのHCGイメージ信号を取得でき、第4区間340の間にピクセルPXのLCGイメージ信号を取得できる。ピクセルPXは、第1区間310および第4区間340ではLCGモードで動作し、第2区間320および第3区間330ではHCGモードで動作することができる。図3に示すように、ピクセルPXのリードアウト区間の間にLCGリセット信号、HCGリセット信号、HCGイメージ信号、およびLCGイメージ信号が順にリードアウトされる方式は、RRSS(reset-reset-signal-signal)リードアウト方式と呼ぶことができる。
【0044】
図3に示すSX、RX、DCG、およびTXは、それぞれ図2aと図2bに示した選択トランジスタSX、リセットトランジスタRX、DCGトランジスタDCG、および転送トランジスタTXのON/OFF状態を表すことができる。
【0045】
ピクセルPXのリードアウト区間の間、選択トランジスタSXはON状態であり得る。イメージセンサ100(例えば、ロードライバ120)は、ピクセルPXのリードアウト区間が始まる時点t0で選択トランジスタSXをONさせることができ、ピクセルPXのリードアウト区間が終了する時点t4で選択トランジスタSXをOFFさせることができる。
【0046】
イメージセンサ100は、第1区間310が始まる時点t0でピクセルPXのリセットトランジスタRXおよびDCGトランジスタDCGをONさせることができる。イメージセンサ100は、リセットトランジスタRXおよびDCGトランジスタDCGをONさせて、ピクセルPXのFDノードFDをリセットさせることができる。例えば、イメージセンサ100は、ピクセルPXのリセットトランジスタRXおよびDCGトランジスタDCGをONさせて、ピクセルPXのFDノードFD、第1キャパシタC、および第2キャパシタCをリセットさせることができる。イメージセンサ100は、FDノードFDのリセットが終了した後、リセットトランジスタRXをOFFさせることができる。
【0047】
ピクセルPXは、第1区間310の間、LCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。第1区間310では、DCGトランジスタDCGがONであるので、ピクセルPXはLCGモードで動作することができる。したがって、ピクセルPXは、LCGモードに応じてLCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。例えば、ピクセルPXが出力するLCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIXは、VPIX1と呼ぶことができる。
【0048】
イメージセンサ100は、第2区間320が始まる時点t1でDCGトランジスタDCGをOFFさせることができる。DCGトランジスタDCGがOFFされることで、FDノードFDのキャパシタンスが減少することができる。したがって、第2区間320でピクセルPXは、HCGモードで動作することができる。
【0049】
ピクセルPXは、第2区間320の間、HCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。第2区間320では、DCGトランジスタDCGがOFFであるので、ピクセルPXはHCGモードで動作することができる。したがって、ピクセルPXは、HCGモードに応じて、HCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。例えば、ピクセルPXが出力するHCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIXは、VPIX2と呼ぶことができる。
【0050】
図3を参照すると、時点t1から所定の区間の間にピクセル電圧VPIXがVdropだけ下降することができる。ピクセルPXに含まれるDCGトランジスタDCGがONからOFFに変更されると、FDノードFDのカップリングキャパシタンスが変わることになり、これによってFDノードFDの電圧が変更されることができる。したがって、DCGトランジスタDCGがOFFされると、ピクセルPXから出力されるピクセル電圧VPIXもVdropだけ下降することができる。例えば、VPIX2は、VPIX1に比べてVdropだけ低いピクセル電圧VPIXであり得る。
【0051】
イメージセンサ100は、時点t2乃至時点t3に該当する第3区間330のうち、一部の時間区間の間に転送トランジスタTXをONさせることができる。ピクセルPXの転送トランジスタTXがONの間、フォトダイオードPDで生成された電荷がFDノードFDに移動することができる。
【0052】
イメージセンサ100は、第3区間330の間にHCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。第3区間330では、DCGトランジスタDCGがOFF状態に維持されるので、ピクセルPXはHCGモードで動作することができる。また、フォトダイオードPDで生成された電荷がFDノードFDに移動した状態であるので、ピクセルPXは、HCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。例えば、ピクセルPXが出力するHCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIXは、VPIX3と呼ぶことができる。
【0053】
イメージセンサ100は、第4区間340が始まる時点t3でDCGトランジスタDCGをONさせることができる。第4区間340では、DCGトランジスタDCGがONであるので、ピクセルPXはLCGモードで動作することができる。
【0054】
イメージセンサ100は、第4区間340のうち、一部の時間区間の間に転送トランジスタTXを再びONさせることができる。転送トランジスタTXが再びONされることで、フォトダイオードPDで生成されたが、第3区間330でFDノードFDに移動しなかった電荷がFDノードFDに伝送されることができる。
【0055】
イメージセンサ100は、第4区間340の間、LCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。第4区間340では、DCGトランジスタDCGがONであるので、ピクセルPXはLCGモードで動作することができる。したがって、ピクセルPXは、LCGモードに応じてLCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。例えば、ピクセルPXが出力するLCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIXは、VPIX4と呼ぶことができる。
【0056】
ピクセルPXのリードアウト区間の間、ピクセルPXから出力されたピクセル電圧VPIXをデジタル信号に変換してピクセル値を取得する方法について説明する。ADCは、ピクセルPXからピクセル電圧VPIXを受信でき、ランプ電圧発生器130からランプ電圧RAMPを受信できる。ADCは、ピクセル電圧VPIXとランプ電圧RAMPとが一致する時点に基づいてピクセル値を取得することができる。
【0057】
第1区間310で、ランプ電圧RAMPは、第1電位301から時間と共に減少する形態の位相を有することができる。ADCは、LCGリセット信号に対応するピクセル電圧(VPIX1)、および第1電位301から一定の速度で減少するランプ電圧RAMPを比較することができる。ADCは、LCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIX1がランプ電圧RAMPと一致する時点に基づいて、LCGリセット信号に対応するピクセル値(デジタル信号)を取得することができる。
【0058】
第2区間320でも、ADCは、ピクセル電圧VPIXをランプ電圧RAMPと比較してデジタル信号に変換することで、HCGリセット信号を表すピクセル値を取得することができる。ここで、図3を参照すると、ランプ電圧RAMPの電位は第1区間310と第2区間320で互いに異なって表れる。第2区間320でのランプ電圧RAMPは、第1電位301に比べてキャリブレーション値xだけ低い第2電位302から時間と共に減少する形態の位相を有することができる。ランプ電圧発生器130は、第2区間320で、Vdropだけ下降したピクセル電圧VPIX2を補償するために、キャリブレーション値xだけ下降したランプ電圧RAMPを出力することができる。ADCは、HCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIX2、および第2電位302から一定の速度で減少するランプ電圧RAMPを比較することができる。ADCは、HCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIX2がランプ電圧RAMPと一致する時点に基づいて、HCGリセット信号に対応するピクセル値(デジタル信号)を取得することができる。LCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIX1およびHCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIX2が互いに異なる値を有しても、ADCは第1区間310と第2区間320で互いに異なる位相を有するランプ電圧RAMPを利用するので、LCGリセット信号に対応するピクセル値およびHCGリセット信号に対応するピクセル値は、互いに対応する値を有することができる。
【0059】
第3区間330で、ランプ電圧RAMPは、第1電位301に比べてキャリブレーション値xだけ低い第2電位302から時間と共に減少する形態の位相を有することができる。ADCは、HCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIX3、および第2電位302から一定の速度で減少するランプ電圧RAMPを比較することができる。ADCは、HCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIX3がランプ電圧RAMPと一致する時点に基づいて、HCGイメージ信号に対応するピクセル値(デジタル信号)を取得することができる。
【0060】
第4区間340で、電圧RAMPは、第1電位301から時間と共に減少する形態の位相を有することができる。ADCは、LCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIX4、および第1電位301から一定の速度で減少するランプ電圧RAMPを比較することができる。ADCは、LCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIX4がランプ電圧RAMPと一致する時点に基づいて、LCGイメージ信号に対応するピクセル値(デジタル信号)を取得することができる。
【0061】
イメージセンサ100は、ピクセルPXの変換利得変更によってピクセル電圧VPIXがVdropだけ下降することを補償するために、ランプ電圧RAMPをキャリブレーション値xだけ下げることができる。ただし、ピクセル電圧VPIXが下落する値Vdropは、固定の値でなくてもよい。例えば、撮影するイメージのフレームによって、撮影環境によって、および/またはピクセルPXによって前記Vdropは互いに異なる値を有することができる。イメージセンサ100は、流動的に変化するVdropを補償するためのフィードバックシステムを含んでもよい。イメージセンサ100に含まれる前記フィードバックシステムについては、図4を参照して後述する。
【0062】
本開示によるイメージセンサ100は、ランプ電圧発生器130が出力するランプ電圧RAMPを調節することによって、1つのADCがLCGモードおよびHCGモードの両方でADC(analog-to-digital convert)動作を行えるように構成されることができる。従来のイメージセンサは、1つのピクセルPXから出力されるピクセル電圧であっても、ピクセルPXの駆動モードに応じて互いに異なるADCからデジタル信号に変換した。すなわち、従来のイメージセンサは、LCGモード専用のADCおよびHCGモード専用のADCを含んでいた。本開示によるイメージセンサ100を含む電子装置は、DCG方式を利用してHDRイメージを取得することができ、ランプ電圧RAMPの調節を通じてCFPNのようなノイズの減少したHDRイメージを取得することができる。また、本開示によるイメージセンサ100は、LCGモードおよびHCGモードの両方で動作可能なADCを含むので、駆動モード毎に別途のADCを利用する場合に比べてリードアウト速度が向上され、またADCで消費する電力が減少する。
【0063】
図3では、ランプ電圧RAMPが特定の電位(例えば、第1電位301、第2電位302)から時間と共に減少する形態の位相を有するものとして説明したが、これは単なる一例であって、ランプ電圧RAMPは、特定の電位から時間と共に増加する形態の位相を有してもよい。また、ランプ電圧RAMPが時間と共に減少/増加するということは、ランプ電圧RAMPが線形的に減少/増加すること、またはランプ電圧RAMPが一定に維持される傾き乃至傾斜(slope)を有することを表すことができる。
【0064】
図4は、本発明の実施形態によってランプ電圧を調節するためのイメージセンサの構成を説明するための図である。第1ピクセル111は、図1のピクセルPXのうちのいずれか1つのピクセルを表すことができ、第1ADC141は、図1のADCブロック140に含まれるADCのうちのいずれか1つを表すことができる。第1ピクセル111および第1ADC141に対する説明は、図1に示した他のピクセルPXおよび他のADCにも適用されることができる。
【0065】
図3を参照して説明したように、ピクセルPXの駆動モードに応じてピクセル電圧VPIXが変更される値Vdropは、固定の値でなくてもよい。第2モード(HCGモード)で、イメージセンサ100は、Vdropを補償するために第1モード(LCGモード)に比べてキャリブレーション値xだけ低い電位(例えば、第2電位302)から一定に減少するランプ電圧RAMPを利用することができる。例えば、イメージセンサ100は、設計ステップでのシミュレーション結果に基づいて計算されたデフォルトキャリブレーション値(default calibration value)を予め記憶できる。また、イメージセンサ100は、イメージセンサ100の駆動中に、図4を参照して説明する方式を通じてキャリブレーション値xを調節することができる。図4では、イメージセンサ100に含まれるフィードバックシステム(例えば、フィードバックループ)がキャリブレーション値xを調節する方法について説明する。
【0066】
第1ピクセル111は、カラムラインCLを介してピクセル電圧VPIXを出力することができる。例えば、第1ピクセル111は、LCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIX、HCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIX、HCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIX、およびLCGイメージ信号に対応するピクセル電圧VPIXを出力することができる。第1ピクセル111が出力するピクセル電圧VPIXは、アナログ信号であり得る。
【0067】
第1ADC141は、第1ピクセル111からピクセル電圧VPIXを受信することができ、ランプ電圧発生器130からランプ電圧RAMPを受信することができる。第1ADC141は、ピクセル電圧VPIXとランプ電圧RAMPとの比較結果に基づいてデジタル信号に変換されたピクセル値を出力することができる。例えば、第1ADC141は、LCGリセット信号に対応するピクセル値、HCGリセット信号に対応するピクセル値、HCGイメージ信号に対応するピクセル値、およびLCGイメージ信号に対応するピクセル値を出力することができる。第1ADC141が出力するピクセル値は、デジタル信号であり得る。
【0068】
デジタルロジック155は、第1ADC141が出力するピクセル値の一部を受信することができる。例えば、デジタルロジック155は、第1ADC141が出力するピクセル値のうち、LCGリセット信号に対応するピクセル値およびHCGリセット信号に対応するピクセル値を受信することができる。図4に関する説明において、LCGリセット信号に対応するピクセル値は第1ピクセル値、HCGリセット信号に対応するピクセル値は第2ピクセル値と呼ぶことができる。
【0069】
デジタルロジック155は、第1ADC141から受信した第1ピクセル値および第2ピクセル値の差異を計算することができる。デジタルロジック155は、LCGリセット信号に対応する第1ピクセル値およびHCGリセット信号に対応する第2ピクセル値の差異と関連する差異値データ400を取得することができる。例えば、デジタルロジック155は、第1ピクセル値および第2ピクセル値の差異値を取得することができる。デジタルロジック155は、第1ピクセル111だけでなく、ピクセルアレイ110に含まれる少なくとも1つのピクセルPXを介して受信される、LCGリセット信号に対応するピクセル値およびHCGリセット信号に対応するピクセル値の差異値を取得することができる。デジタルロジック155は、リセット信号に対応するピクセル値(例えば、第1ピクセル値、第2ピクセル値)間の差異値を積分することができる。本開示において、差異値データ400とは、一つのピクセルを介して一つのフレームから取得された差異値、一つのピクセルを介して複数のフレームから取得された差異値を合算(または積分)した値、複数のピクセルを介して一つのフレームから取得された差異値を合算(または積分)した値、または複数のピクセルを介して複数のフレームから取得された差異値を合算(または積分)した値のうちのいずれか1つを表すことができる。この他にも差異値データ400は、LCGリセット信号に対応するピクセル値とHCGリセット信号に対応するピクセル値との間の差異値に基づいて取得された様々な形態のデータを意味することができる。図4では、デジタルロジック155が第1ADC141から受信した第1ピクセル値および第2ピクセル値に基づいて差異値データ400を取得するものとして示し、説明したが、デジタルロジック155は、第1ADC141以外に2つ以上のADCから受信したピクセル値を共に利用して差異値データ400を取得することができる。
【0070】
デジタルロジック155は、LCGリセット信号に対応するピクセル値およびHCGリセット信号に対応するピクセル値の差異と関連する差異値データ400をランプ電圧発生器130に提供することができる。
【0071】
ランプ電圧発生器130は、差異値データ400に基づいてランプ電圧RAMPを調節することができる。ランプ電圧発生器130は、差異値データ400に基づいてキャリブレーション値xを調節することができる。例えば、ランプ電圧発生器130に含まれるオフセットブロック135は、LCGモードとHCGモードで出力されるランプ電圧RAMPが、キャリブレーション値xだけ互いに異なる電位を有するように調節することができる。ここで、ランプ電圧発生器130は、オフセットブロック135を利用してキャリブレーション値xを調節(例えば、維持または変更)することで、ランプ電圧RAMPの波形(waveform)をピクセル電圧VPIXのレベル変化(例えば、Vdrop)に対応させることができる。
【0072】
ランプ電圧発生器130は、差異値データ400が閾値未満であることに応答して、キャリブレーション値xを維持することができる。例えば、LCGリセット信号に対応する第1ピクセル値およびHCGリセット信号に対応する第2ピクセル値が互いに一致したり、無視できるほどの少ない差異を有したりする場合、キャリブレーション値xの現在の大きさは第1ADC141に提供されるに適切であるので、ランプ電圧発生器130はキャリブレーション値xをそのまま維持することができる。
【0073】
ランプ電圧発生器130は、差異値データ400が閾値以上であることに応答して、キャリブレーション値xを変更することができる。例えば、LCGリセット信号に対応する第1ピクセル値およびHCGリセット信号に対応する第2ピクセル値が一定水準以上の差異があるということは、ランプ電圧RAMPに対するキャリブレーションが適切になされていないことを意味し得る。ランプ電圧発生器130は、第1ピクセル値および第2ピクセル値の間の差異を減少させる方向にキャリブレーション値xを調節することができる。
【0074】
ランプ電圧発生器130が差異値データ400に基づいてランプ電圧RAMPを維持または変更した後、ランプ電圧発生器130は、調節されたランプ電圧RAMPを出力することができる。第1ADC141は、ランプ電圧発生器130から調節されたランプ電圧RAMPを受信することができる。例えば、第1ADC141は、第1ピクセル111または該当カラムの他のピクセルから受信されたピクセル電圧VPIXおよび調節されたランプ電圧RAMPを比較してピクセル値を取得することができる。図示は省略するが、ピクセルアレイ110の第2カラムに対応する第2ADCは、第2カラムのピクセルから受信されたピクセル電圧VPIXおよび調節されたランプ電圧RAMPを比較してピクセル値を取得することができる。
【0075】
図4を参照して、第1ピクセル111および第1ADC141を基準としてフィードバックシステムを説明したが、これは説明の便宜のためのものであって、本開示の権利範囲を制限しない。例えば、イメージセンサ100は、ピクセルアレイ110に含まれるピクセルPXのうちの少なくとも一部のピクセルPXを利用してランプ電圧RAMPを調節することができる。イメージセンサ100は、少なくとも1つのピクセルPXを代表ピクセルとして指定することができ、代表ピクセルを介して取得した第1ピクセル値および第2ピクセル値の差異に基づいてランプ電圧RAMPを調節することができる。代表ピクセルは、特定位置の1つのピクセル、特定ローのピクセル、または関心領域(region of interest、ROI)のピクセルのうちのいずれか1つであり得る。イメージセンサ100は、代表ピクセルを介して決められたキャリブレーション値xを利用して全ピクセルPXのピクセル値を取得することができる。
【0076】
イメージセンサ100は、図4のフィードバックシステムを利用してランプ電圧RAMPを持続的にキャリブレーションすることができる。イメージセンサ100は、デジタルロジック155を利用して差異値データをリアルタイムで演算(real-time calculation)することができ、ランプ電圧発生器130は、前記差異値データを利用してキャリブレーション値xをリアルタイムで調節することができる。本開示において「リアルタイム」とは、イメージセンサ100の駆動中に、特定動作が一定の時間遅延(delay)を持って行われる場合を含むことができる。図4のフィードバックシステムは、自動的なキャリブレーション(automatic calibration)と呼ぶことができる。イメージセンサ100は、別途の外部制御(例えば、ユーザ入力)がなくても、図4を参照して説明したフィードバックシステムを稼動することができる。また、図4のフィードバックシステムは、差異値データをランプ電圧発生器130のキャリブレーション値xの変化因子として用いるので、ネガティブフィードバック(negative feedback)、ネガティブループ(negative loop)、またはネガティブフィードバックキャリブレーションと呼ぶこともできる。
【0077】
図4に示すフィードバックシステムを介して、第1ADC141は、第1ピクセル111のLCGモードおよびHCGモードの両方で動作することができる。例えば、イメージセンサ100は、ピクセルアレイ110の1つのピクセルカラム毎に1つのADCが連結され、前記1つのADCは、第1モード(LCGモード)および第2モード(HCGモード)の両方で動作することができる。本開示によれば、従来のイメージセンサがピクセルのLCGモードとHCGモードで互いに異なるADCを利用する場合に比べて、イメージセンサ100が第1ピクセル111をリードアウトする速度が向上できる。リードアウト速度の向上については、図5及び図7を参照して後述する。
【0078】
図5は、本発明の実施形態によって、第1モードおよび第2モードの両方で動作可能なADC(analog-to-digital converter)の構成を説明するための図である。第1ADC141は、図1に示したADCのうちのいずれか1つを示すことができる。第1ADC141に対する説明は、図1に示す他のADCにも適用できる。
【0079】
図5を参照すると、第1ADC141は、比較器510及びカウンタ520を含むことができる。比較器510は、キャパシタ511を介して入力ノードINNに入力されたピクセル電圧VPIX、およびキャパシタ512を介して入力ノードINPに入力されたランプ電圧RAMPのレベルを比較することができる。比較器510は、前記比較結果に対応する比較信号を出力ノードOUTPに出力することができる。前記比較信号は、ピクセル電圧VPIXとランプ電圧RAMPとが一致する時点でレベルが遷移する信号であり得る。カウンタ520は、比較器510からキャパシタ521を介して比較信号を受信することができ、カウンティングクロック生成器からカウンティングクロックCNT_CLKを受信することができる。カウンタ520は、カウンティングクロックCNT_CLKを利用して、ランプ電圧RAMPが減少/増加し始めた時点から前記比較信号のレベルが遷移する時点までカウントすることでピクセル値DOUTを取得することができる。
【0080】
イメージセンサ100は、比較器510の比較動作が行われる前にオートゼロ(auto-zero)を行うことができる。イメージセンサ100は、比較器510のスイッチ513、514に提供されるスイッチ信号SW1を介して比較器510をオートゼロイング(auto-zeroing)することができる。イメージセンサ100は、スイッチ513をONして入力ノードINNと出力ノードOUTPとを電気的に連結することができ、スイッチ514をONして入力ノードINPと出力ノードOUTNとを電気的に連結することができる。イメージセンサ100は、比較器510のオートゼロイングを介してピクセル電圧VPIXと前記比較信号が同じレベルを有するようにすることで、ピクセル電圧VPIXのリセットノイズや比較器510のオフセットを除去することができる。
【0081】
また、イメージセンサ100は、カウンタ520のスイッチ522に提供されるスイッチ信号SW2を介してカウンタ520をオートゼロイングすることができる。イメージセンサ100は、スイッチ522をONしてカウンタ520の入力ノードと出力ノードとを電気的に連結することができる。イメージセンサ100は、カウンタ520のオートゼロイングを介して前記比較信号とピクセル値DOUTが同じレベルを有するようにすることで、カウンタ520のオフセットを除去することができる。
【0082】
第1ADC141に含まれるスイッチ513、514、522に提供されるスイッチ信号SW1、SW2については、図7を参照して後述する。
【0083】
本開示によれば、イメージセンサ100は、第1ピクセル111の第1モード(LCGモード)と第2モード(HCGモード)でリセット信号によるピクセル値が同じであるように、第1ADC141に提供するランプ電圧RAMPの電位を調節することができる。したがって、第1ADC141は、第1ピクセル111の駆動モード毎に別途のオートゼロを行う必要がなく、1回のリードアウト区間毎に1回のオートゼロのみを行うことができる。
【0084】
従来のイメージセンサは、ピクセルのリードアウト区間(例えば、1つのフレーム区間に含まれるリードアウト区間)の間に2回のオートゼロを行わなければならなかった。例えば、ピクセルの駆動モードに応じて別個のADCを利用するイメージセンサの場合、LCGモードに利用するADCのオートゼロ、およびHCGモードに利用するADCのオートゼロが求められる。しかしながら、本開示によれば、イメージセンサ100は、ピクセルPXのリードアウト区間(例えば、図3のリードアウト区間)の間に1回のオートゼロのみを行うことができる。したがって、本開示によれば、ピクセルPXのリードアウト速度を従来に比べて向上させることができる。
【0085】
図6は、本発明の実施形態によってランプ電圧のキャリブレーション値を調節できるランプ電圧発生器の構成を説明するための図である。
【0086】
図6を参照すると、ランプ電圧発生器130は、IDAC(current digital-to-analog converter)アレイ610、可変抵抗620、およびコントローラ630を含むことができる。
【0087】
ランプ電圧発生器130は、IDACアレイ610および可変抵抗620を利用して指定された波形を有するランプ電圧RAMPを生成することができる。コントローラ630は、入力されたクロック信号CLKに基づいてランプ電圧RAMPの波形を決めることができる。例えば、コントローラ630は、クロック信号CLKに基づいて指定された時点でランプ電圧RAMPにオフセットを加えて、第1電位301または第2電位302を有するように制御することができる。また、コントローラ630は、クロック信号CLKに基づいて指定された時点からランプ電圧RAMPが時間と共に減少または増加するように制御することができる。
【0088】
IDACアレイ610は、オフセットブロック135を含むことができる。オフセットブロック135は、デジタルロジック155から受信した差異値データ400に基づいて、ランプ電圧RAMPのキャリブレーション値xを調節することができる。ランプ電圧発生器130は、第1モード(LCGモード)で第1電位301から一定に減少するランプ電圧RAMPを出力し、第2モード(HCGモード)で第1電位301よりも調節されたキャリブレーション値xだけ低い第2電位302から一定に減少するランプ電圧RAMPを出力することができる。第1電位301よりも調節されたキャリブレーション値xだけ低い第2電位302から一定に減少するランプ電圧RAMPは、調節されたランプ電圧RAMPと呼ぶことができる。
【0089】
図7は、本発明の実施形態によって1回のオートゼロのみで第1モードおよび第2モードでそれぞれピクセル値を取得できるADCを説明するためのタイミング図である。図7は、図3のタイミング図と実質的に同じであってもよい。
【0090】
図7に示す第1区間310、第2区間320、第3区間330、及び第4区間340は、図3を参照して説明した第1区間310、第2区間320、第3区間330、及び第4区間340に対応することができる。図7に示すRX、TX、DCG、VPIX、およびRAMPは、図3に示したRX、TX、DCG、VPIX、およびRAMPに対応することができる。図7に関して、図3を参照して説明した構成については説明を簡略化あるいは省略することができる。
【0091】
図7に示すSW1、SW2は、図5を参照して説明したスイッチ信号SW1、SW2のON/OFFを示すことができる。図7に示すVPIX INは、図5の比較器510の入力ノードINNの電圧レベルを示し、RAMP INは、図5の比較器510の入力ノードINPの電圧レベルを示すことができる。
【0092】
イメージセンサ100は、第1区間310でピクセルPXのFDノードFDをリセットさせた後、スイッチ信号SW1、SW2をONすることができる。スイッチ信号SW1、SW2がONになる区間は、オートゼロ区間700と呼ぶことができる。
【0093】
イメージセンサ100は、オートゼロ区間700の間にADCのオートゼロを行うことができる。例えば、イメージセンサ100は、オートゼロ区間700の間に比較器510およびカウンタ520をオートゼロイングすることができる。オートゼロ区間700の間に、イメージセンサ100は、スイッチ513をONして比較器510の入力ノードINNと出力ノードOUTPとを電気的に連結することができる。また、オートゼロ区間700の間にイメージセンサ100は、スイッチ514をONして比較器510の入力ノードINPと出力ノードOUTNとを電気的に連結することができる。
【0094】
図7を参照すると、オートゼロ区間700の間に、スイッチ信号SW1によってスイッチ513、514がONになることによって、比較器510に入力されるピクセル電圧VPIX INと比較器510に入力されるランプ電圧RAMPは、同じレベルを有することができる。
【0095】
本開示によるイメージセンサ100は、リードアウト区間の間に1回のオートゼロを行うことができる。イメージセンサ100は、オートゼロ区間700の間にオートゼロを行った後、スイッチ信号SW1、SW2がOFF状態に維持される間にLCGリセット信号、HCGリセット信号、HCGイメージ信号、およびLCGイメージ信号をリードアウトすることができる。すなわち、イメージセンサ100は、ピクセルPXのリードアウト区間内で、オートゼロ区間700以外にはスイッチ513、514、522をOFF状態に維持することができる。
【0096】
図7に示すように、本開示によるイメージセンサ100は、ピクセルPXのリードアウト区間の間に1回のオートゼロのみを行うので、ピクセルPXのリードアウト速度が従来に比べて向上することができる。
【0097】
図8は、本発明の実施形態によるイメージセンサの動作を説明するためのフロー図である。
【0098】
ステップS801において、イメージセンサ100は、第1ピクセル111から出力された第1ピクセル電圧およびランプ電圧RAMPを比較して第1ピクセル値を取得することができる。第1ピクセル電圧は、LCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIXを表すことができる。第1ピクセル値は、LCGリセット信号に対応するピクセル値を表すことができる。
【0099】
イメージセンサ100は、予め設定された第1電位301から時間と共に減少するランプ電圧RAMPと前記第1ピクセル電圧とを比較して前記第1ピクセル値を取得することができる。
【0100】
ステップS803において、イメージセンサ100は、スイッチングを介して変更されたキャパシタンスを有する第1ピクセル111から出力された第2ピクセル電圧およびランプ電圧RAMPを比較して第2ピクセル値を取得することができる。第2ピクセル電圧は、HCGリセット信号に対応するピクセル電圧VPIXを表すことができる。第2ピクセル値は、HCGリセット信号に対応するピクセル値を表すことができる。
【0101】
ステップS803のスイッチングとは、ピクセルPXに含まれるDCGトランジスタDCGのON/OFFによってピクセルPXの変換利得が変更され、ピクセルPXの駆動モードが変更されることを表すことができる。例えば、イメージセンサ100は、第1ピクセル111に含まれるDCGトランジスタDCGをOFFさせて、第1ピクセル111のFDノードFDのキャパシタンスを減少させることができる。これにより、イメージセンサ100は、第1ピクセル111の第1変換利得(例えば、LCG)を第1変換利得よりも高い第2変換利得(HCG)に変更することができる。
【0102】
イメージセンサ100は、第1電位301に比べてキャリブレーション値xだけ低い第2電位302から時間と共に減少するランプ電圧RAMPと前記第2ピクセル電圧とを比較して前記第2ピクセル値を取得することができる。
【0103】
ステップS805において、イメージセンサ100は、第1ピクセル値および第2ピクセル値の差異に基づいてランプ電圧RAMPを調節することができる。例えば、イメージセンサ100は、LCGリセット信号に対応する第1ピクセル値およびHCGリセット信号に対応する第2ピクセル値の差異と関連する差異値データ400を取得することができる。ランプ電圧発生器130は、前記差異値データ400を減少させるためにランプ電圧RAMPを調節することができる。
【0104】
ステップS807において、イメージセンサ100は、第2ピクセルから出力された第3ピクセル電圧および調節されたランプ電圧RAMPを比較して第3ピクセル値を取得することができる。ランプ電圧発生器130は、キャリブレーション値xの調節されたランプ電圧RAMPを出力することができる。イメージセンサ100は、調節されたランプ電圧RAMPを利用してアナログ-デジタル変換を行うことができる。ステップS807において、第2ピクセルは、第1ピクセル111と同じカラムに含まれる任意のピクセル、または第1ピクセル111と違うカラムに含まれる任意のピクセルであり得る。第3ピクセル電圧は、第2ピクセルが出力するピクセル電圧(例えば、LCGリセット信号に対応するピクセル電圧、HCGリセット信号に対応するピクセル電圧、HCGイメージ信号に対応するピクセル電圧、LCGイメージ信号に対応するピクセル電圧)を表すことができる。第3ピクセル値は、第2ピクセルが出力するピクセル電圧をデジタル信号に変換したピクセル値(例えば、LCGリセット信号に対応するピクセル値、HCGリセット信号に対応するピクセル値、HCGイメージ信号に対応するピクセル値、LCGイメージ信号に対応するピクセル値)を表すことができる。
【0105】
図9は、本発明の実施形態によるピクセル、ADC、ランプ電圧発生器、およびデジタルロジックの動作を説明するためのフロー図である。
【0106】
ステップS901において、第1ピクセル111は、第1ピクセル電圧を出力することができる。第1ピクセル電圧は、第1ピクセル111が第1モード(LCGモード)で駆動される間に出力されたリセット信号に対応することができる。ステップS903において、第1ADC141は、第1ピクセル111から第1ピクセル電圧を受信することができる。
【0107】
ステップS905において、ランプ電圧発生器130は、ランプ電圧RAMPを出力することができる。ステップS907において、第1ADC141は、ランプ電圧RAMPを受信することができる。
【0108】
ステップS909において、第1ADC141は、第1ピクセル電圧およびランプ電圧RAMPを比較して第1ピクセル値を取得することができる。第1ピクセル値は、LCGリセット信号に対応するピクセル値を表すことができる。ステップS911において、デジタルロジック155は、第1ピクセル値を受信することができる。
【0109】
ステップS913において、第1ピクセル111は、第2ピクセル電圧を出力することができる。第2ピクセル電圧は、第1ピクセル111が第2モード(HCGモード)で駆動される間に出力されたリセット信号に対応するこてができる。ステップS915において、第1ADC141は、第1ピクセル111から第2ピクセル電圧を受信することができる。
【0110】
ステップS917において、ランプ電圧発生器130は、ランプ電圧RAMPを出力することができる。ステップS919において、第1ADC141は、ランプ電圧RAMPを受信することができる。
【0111】
ステップS921において、第1ADC141は、第2ピクセル電圧およびランプ電圧RAMPを比較して第2ピクセル値を取得することができる。第2ピクセル値は、HCGリセット信号に対応するピクセル値を表すことができる。ステップS923において、デジタルロジック155は、第2ピクセル値を受信することができる。
【0112】
ステップS925において、デジタルロジック155は、第1ピクセル値および第2ピクセル値に基づいて差異値データ400を取得することができる。例えば、デジタルロジック155は、第1ピクセル値と第2ピクセル値との差異値を計算することができる。
【0113】
ステップS927において、ランプ電圧発生器130は、差異値データ400を受信することができる。ステップS929において、ランプ電圧発生器130は、差異値データ400に基づいてキャリブレーション値xを調節することができる。例えば、ランプ電圧発生器130は、差異値データ400が閾値以上である場合にはキャリブレーション値xを変更することができる。
【0114】
ステップS931において、第2ピクセル112は、第3ピクセル電圧を出力することができる。第3ピクセル電圧は、第2ピクセル112が出力する任意のピクセル電圧を表すことができる。ステップS933において、第1ADC141は、第2ピクセル112から第3ピクセル電圧を受信することができる。図9では、第2ピクセル112が第1ピクセル111と同じカラムに配置されることを前提に、第1ADC141が第2ピクセル112から第3ピクセル電圧を受信するものとして説明したが、これは単なる一例であって、第2ピクセル112が第1ピクセル111と違うカラムに配置される場合にも本開示は適用可能である。
【0115】
ステップS935において、ランプ電圧発生器130は、調節されたランプ電圧RAMPを出力することができる。ステップS937において、第1ADC141は、調節されたランプ電圧RAMPを受信することができる。
【0116】
ステップS939において、第1ADC141は、第3ピクセル電圧および調節されたランプ電圧RAMPを比較して第3ピクセル値を取得することができる。第3ピクセル値は、第3ピクセル電圧をデジタル信号に変換した値を表すことができる。ステップS939の後には、ステップS911~ステップS929に対応するステップを行うことができる。
【0117】
図9では、第1ピクセル111が出力したLCGリセット信号に対応する第1ピクセル電圧およびHCGリセット信号に対応する第2ピクセル電圧を中心に示したが、これは説明の便宜のためのものであって、参照符号950に該当する区間で行われるステップは、図9において省略されたと理解されるべきである。例えば、参照符号950に該当する区間で、第1ピクセル111は、HCGイメージ信号に対応するピクセル電圧及びLCGイメージ信号に対応するピクセル電圧を出力することができ、第1ADC141は、HCGイメージ信号に対応するピクセル値及びLCGイメージ信号に対応するピクセル値を取得して、カラムリードアウト回路150に提供することができる。
【符号の説明】
【0118】
100 イメージセンサ
110 ピクセルアレイ
111 第1ピクセル
120 ロードライバ
130 ランプ電圧発生器
140 ADCブロック
141 第1ADC
150 カラムリードアウト回路
155 デジタルロジック
160 タイミングコントローラ
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9