(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089653
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】高線量率における荷電粒子事象の検出
(51)【国際特許分類】
H01J 37/22 20060101AFI20240626BHJP
H01J 37/244 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
H01J37/22
H01J37/244
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023214376
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】63/476535
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/330,743
(32)【優先日】2023-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヤープ ミュルデル
(72)【発明者】
【氏名】バルト ヤンセン
(72)【発明者】
【氏名】アウケ ファン デル ヘイデ
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101BB03
5C101BB06
5C101BB11
5C101GG37
5C101HH06
5C101HH32
5C101JJ08
5C101KK19
(57)【要約】
【課題】荷電粒子顕微鏡(CPM)支援システム及び装置、並びに関連する方法を提供すること。
【解決手段】コンピューティングデバイス、及びコンピュータ可読媒体。1つの荷電粒子顕微鏡支援装置は、荷電粒子カメラの第1の画素において第1の荷電粒子事象を検出するための第1のロジックと、第1の画素を含む荷電粒子カメラの画素のサブ領域内で、画素のサブ領域内の各画素の線量率及びエネルギー値に基づいて、第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを検出するための第2のロジックと、を含む。第2の荷電粒子事象が存在すると判定されたときに、第2のロジックは、サブ領域内の第2の荷電粒子事象の位置を判定する。支援装置は、第1の荷電粒子事象及び第2の荷電粒子事象を表す荷電粒子事象データを出力するための第3のロジックを更に含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子顕微鏡支援装置であって、
荷電粒子カメラの第1の画素において第1の荷電粒子事象を検出する第1のロジックと、
第2のロジックであって、前記第1の画素を含む前記荷電粒子カメラの画素のサブ領域内で、画素の前記サブ領域内の各画素の線量率及びエネルギー値に基づいて、第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定し、前記第2の荷電粒子事象が存在すると判定されたときに、画素の前記サブ領域内の前記第2の荷電粒子事象の位置を判定する、第2のロジックと、
前記第1の荷電粒子事象及び前記第2の荷電粒子事象を表す荷電粒子事象データを出力する第3のロジックと、を含む、荷電粒子顕微鏡支援装置。
【請求項2】
前記第2のロジックが、準最大エネルギー値を有する画素の前記サブ領域内の第2の画素に基づいて、前記第2の荷電粒子事象の前記位置を判定し、前記準最大エネルギー値が、前記第1の画素の前記エネルギー値を除く画素の前記サブ領域内のエネルギー値の最大値である、請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡支援装置。
【請求項3】
前記第2のロジックは、前記第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを、
画素の前記サブ領域内の各画素について、前記画素に衝突する荷電粒子の確率を決定することと、
画素の前記サブ領域内の各画素について決定された前記確率に基づいて、前記第2の荷電粒子事象が存在すると判定することと、によって判定する、請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡支援装置。
【請求項4】
前記第2のロジックは、前記第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを、
画素の前記サブ領域内の各画素について、前記画素に衝突する荷電粒子の確率を決定することと、
画素の前記サブ領域内の最小確率と画素の前記サブ領域内の最大確率とを追加することによって確率の合計を決定することと、
前記確率の合計が所定の閾値よりも大きいことに応答して、前記第2の荷電粒子事象が存在すると判定することと、によって判定する、請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡支援装置。
【請求項5】
前記所定の閾値が、前記線量率に基づいて設定される、請求項4に記載の荷電粒子顕微鏡支援装置。
【請求項6】
画素の前記サブ領域が、3~5画素の正方形区域を含む、請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡支援装置。
【請求項7】
荷電粒子顕微鏡であって、
支援装置であって、
荷電粒子カメラの第1の画素において第1の荷電粒子事象を検出し、
前記第1の画素を含む前記荷電粒子カメラの画素のサブ領域内で、画素の前記サブ領域内の各画素の線量率及びエネルギー値に基づいて、第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定し、
前記第2の荷電粒子事象が判定されたときに、画素の前記サブ領域内の前記第2の荷電粒子事象の位置を判定し、および
前記第1の荷電粒子事象及び前記第2の荷電粒子事象を表す荷電粒子事象データを出力する、ロジックを含む、支援装置を備える、荷電粒子顕微鏡。
【請求項8】
前記支援装置が、準最大エネルギー値を有する画素の前記サブ領域内の第2の画素に基づいて、前記第2の荷電粒子事象の前記位置を決定し、前記準最大エネルギー値が、前記第1の画素の前記エネルギー値を除く画素の前記サブ領域内のエネルギー値の最大値である、請求項7に記載の荷電粒子顕微鏡。
【請求項9】
前記支援装置は、前記第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを、
画素の前記サブ領域内の各画素について、前記画素に衝突する荷電粒子の確率を決定することと、
画素の前記サブ領域内の各画素について決定された前記確率に基づいて、前記第2の荷電粒子事象が存在すると決定することと、によって判定する、請求項7に記載の荷電粒子顕微鏡。
【請求項10】
前記支援装置は、前記第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを、
画素の前記サブ領域内の各画素について、前記画素に衝突する荷電粒子の確率を決定することと、
画素の前記サブ領域内の最小確率と画素の前記サブ領域内の最大確率とを追加することによって確率の合計を決定することと、
前記確率の合計が所定の閾値よりも大きいことに応答して、前記第2の荷電粒子事象が存在すると決定することと、によって判定する、請求項7に記載の荷電粒子顕微鏡。
【請求項11】
前記所定の閾値が、前記線量率に基づいて設定される、請求項10に記載の荷電粒子顕微鏡。
【請求項12】
画素の前記サブ領域が、3~5画素の正方形区域を含む、請求項7に記載の荷電粒子顕微鏡。
【請求項13】
荷電粒子顕微鏡を支援する方法であって、
処理デバイスを用いて、荷電粒子カメラの第1の画素において第1の荷電粒子事象を検出することと、
前記処理デバイスを用いて、前記第1の画素を含む前記荷電粒子カメラの画素のサブ領域内で、画素の前記サブ領域内の各画素の線量率及びエネルギー値に基づいて、第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定することと、
前記第2の荷電粒子事象が判定されたときに、前記処理デバイスを用いて、画素の前記サブ領域内の前記第2の荷電粒子事象の位置を決定することと、
前記処理デバイスを用いて、前記第1の荷電粒子事象及び前記第2の荷電粒子事象を表す荷電粒子事象データを出力することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記第2の荷電粒子事象の前記位置が、準最大エネルギー値を有する画素の前記サブ領域内の第2の画素に基づいて決定され、前記準最大エネルギー値が、前記第1の画素の前記エネルギー値を除く画素の前記サブ領域内のエネルギー値の最大値である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定することが、
画素の前記サブ領域内の各画素について、前記画素に衝突する荷電粒子の確率を決定することと、
画素の前記サブ領域内の各画素について決定された前記確率に基づいて、前記第2の荷電粒子事象が存在すると決定することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定することが、
画素の前記サブ領域内の各画素について、前記画素に衝突する荷電粒子の確率を決定することと、
画素の前記サブ領域内の最小確率と画素の前記サブ領域内の最大確率とを加えることによって確率の合計を決定することと、
前記確率の合計が所定の閾値よりも大きいことに応答して、前記第2の荷電粒子事象が存在すると決定することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記所定の閾値が、前記線量率に基づいて設定される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
画素の前記サブ領域が、3~5画素の正方形区域を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定することが、
単一荷電粒子事象についてのエネルギー値の第1のヒストグラム及び二重荷電粒子事象についてのエネルギー値の第2のヒストグラムに基づいて、画素の前記サブ領域内の各画素についての確率を決定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
低線量画像の荷電粒子事象を検出し、検出された荷電粒子事象ごとに第1のブロブを定義し、および各ブロブの中心の前記エネルギー値を第1のヒストグラムに追加することによって、前記第1のヒストグラムを生成することと、
各第1のブロブを第2のブロブに拡張すること、ランダムなブロブ対を結合して結合ブロブを生成することであって、各ランダムなブロブ対が、前記第1のブロブのうちの1つと、前記第2のブロブのうちの1つと、を含む、生成すること、および各結合ブロブの中心のエネルギー値を第2のヒストグラムに追加することによって、前記第2のヒストグラムを生成することと、を更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2022年12月21日に出願された米国特許仮出願第63/476,535号の利益を主張するものであり、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本明細書に記載される実施形態は、概して荷電粒子顕微鏡法に関し、具体的には荷電粒子事象の検出に関する。
【発明の概要】
【0003】
顕微鏡法は、顕微鏡を使用して肉眼では見ることが困難である物体をより良好に閲覧するための技術分野である。顕微鏡法の異なる分野は、例えば、光学顕微鏡法、荷電粒子(電子及び/又はイオン)顕微鏡法、並びに走査型プローブ顕微鏡法を含む。荷電粒子顕微鏡法は、加速された荷電粒子のビームを照明源として使用することを伴う。荷電粒子顕微鏡法のタイプは、例えば、透過型電子顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法、走査透過型電子顕微鏡法、及び集束イオンビーム顕微鏡法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施形態は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。この説明を容易にするために、同様の参照番号は同様の構造要素を指している。実施形態は、限定としてではなく例として、添付の図面の図に示されている。
【
図1】様々な実施形態による、支援動作を実施するための例示的な荷電粒子顕微鏡(charged particle microscope、CPM)のブロック図である。
【
図2】様々な実施形態による、
図1のCPM支援モジュールを含み得るCPMシステムのブロック図である。
【
図3】様々な実施形態による、CPM支援動作を実施する例示的な方法の流れ図である。
【
図4A】様々な実施形態による、
図1のCPM支援モジュールによって処理された例示的な画素配列を例解する。
【
図4B】様々な実施形態による、画素配列内の第2の荷電粒子事象の確率を決定するために使用される例示的なヒストグラムのグラフを例解する。
【
図4C】様々な実施形態による、
図4Bの例示的なヒストグラムを使用する例示的な確率方程式のグラフを例解する。
【
図4D】様々な実施形態による、
図4Aの例示的な画素配列に対して
図1のCPM支援モジュールによって決定された例示的な確率行列を例解する。
【
図5】様々な実施形態による、本明細書に開示されるCPM支援方法のいくつか又は全ての実施に使用され得るグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)の一例である。
【
図6】様々な実施形態による、本明細書に開示されるCPM支援方法のいくつか又は全てを実施し得る例示的なコンピューティングデバイスのブロック図である。
【
図7】様々な実施形態による、本明細書に開示されるCPM支援方法のいくつか又は全てが実施され得る例示的なCPM支援システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書では、荷電粒子顕微鏡(CPM)支援システム、並びに荷電粒子顕微鏡のための荷電粒子事象の検出に関連する方法、装置、システム、及びコンピュータ可読媒体が開示される。例えば、いくつかの実施形態では、荷電粒子顕微鏡支援装置は、荷電粒子カメラの第1の画素において第1の荷電粒子事象を検出するための第1のロジックと、第1の画素を含む荷電粒子カメラの画素のサブ領域内で、画素のサブ領域内の各画素の線量率及びエネルギー値に基づいて、第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを検出することと、第2の荷電粒子事象が存在すると判定されたときに、サブ領域内の第2の荷電粒子事象の位置を判定することと、を行うための第2のロジックと、第1の荷電粒子事象及び第2の荷電粒子事象を表す荷電粒子事象データを出力するための第3のロジックと、を含む。
【0006】
本明細書に開示されるCPM支援の実施形態は、従来のアプローチと比較して改善された性能を達成し得る。従来の顕微鏡法システムでは、システムは、高フレーム率及び低プローブ電流(例えば、線量率)で動作し、したがって、カメラによって生成される各生画像フレームは、スパース信号を含む(例えば、各フレームは、規定数の画素に対して1つの電子事象のみを含む)。従来の顕微鏡システムは、計数アルゴリズムを各フレームに適用してスパース信号を検出することを可能にする閾値を適用する。計数アルゴリズムは、検出器に入射する各電子を各フレームの個々の画素に割り当てる。各生フレームのスパース性は、同時計数損失(例えば、2つ以上の電子がほぼ同時にシステムのセンサの同じ及び/又は重複する部分に当たり、1つの電子のみとして不正確に計数される事象)を回避するために必要である。したがって、従来の顕微鏡法システムは、電子計数画像を形成するために多数の計数されたフレームを合計することを必要とし、これは、検出器の有効フレーム率(例えば、使用可能な画像が生成される速度)が、電子計数モードでは積分モードよりもはるかに遅いことを意味する。他の従来の顕微鏡法システムでは、計数アルゴリズムは、閾値エネルギーを上回るフレームの各画素内で検出された各事象に1つの電子の計数を割り当てる。これらのシステムでは、検出器は、フレーム読み出し速度よりも速い速度で動作し、各画素が各フレーム内の複数の事象を記録することを可能にする。しかしながら、線量率が増加するにつれて、過少計数(例えば、同時計数損失)が発生し、電子エネルギーが閾値エネルギーを大幅に超えて電子電荷が複数の画素にわたって拡散すると、過剰計数が発生する。いくつかの従来の顕微鏡法システムでは、荷電粒子カメラは、フィルタ及び極大ファインダを含む。フィルタは、電子と関連付けられた入力グレーレベルを整形し、極大ファインダは、特定の領域の最大エネルギー事象を受け入れることによって、特定の領域の最大値である事象を特定する。しかしながら、より高い線量率において、事象は、領域内で重複する傾向があり、したがって、極大ファインダがより低いエネルギー事象を廃棄することに起因して、不正確な事象計数が生じる。
【0007】
本明細書に開示されるCPM支援の実施形態は、例えば、20~30eps(1フレーム当たり1画素当たりおよそ1/6又は1/10電子)の線量率を含む、例えば、1秒当たり1物理画素当たり13電子(eps)以上の線量率など、高い電子線量率で同時計数に対する第2の電子損失を検出してもよい。本明細書に開示される実施形態のうちの様々なものは、従来のアプローチを改善して、例えば、検出された電子事象に近接する第2の電子事象の確率を推定することによって画質を維持しながら、スループットのおよそ4倍の増加などの技術的利点を達成し得る。このような技術的利点は、ルーチン及び従来のアプローチによって達成可能ではなく、このような実施形態を含むシステムの全てのユーザは、これらの利点から利益を享受し得る。したがって、本明細書に開示される実施形態の技術的特徴は、本明細書に開示される実施形態の特徴の組み合わせと同様に、顕微鏡法の分野では明らかに慣用的ではない。したがって、本開示は、従来のコンピューティングデバイスも人間も実施することができなかった機能を導入する。
【0008】
したがって、本開示の実施形態は、画像分析をどのように制御するかを測定値から決定すること、荷電粒子顕微鏡における信号対雑音比を改善すること、処理されるセンサデータ(例えば、画像フレーム)の量を低減すること、又はセンサデータのより高速な処理を提供することなど、いくつかの技術的目的のいずれかを果たすことができる。特に、本開示は、画質(例えば、検出量子効率(detective quantum efficiency、DQE))の改善及び単一粒子分析(single particle analysis、SPA)再構成の前の処理時間の短縮を含むが、これらに限定されない技術的問題に対する技術的解決策を提供する。
【0009】
したがって、本明細書に開示される実施形態は、CPM支援システム技術に対する改善(例えば、改善の中でも、CPMを支援するコンピュータ技術の改善)を提供する。
【0010】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照され、同様の数字は全体を通して同様の部分を指定し、例解として、実施され得る実施形態が示される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的又は論理的変更が行われ得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0011】
様々な動作は、本明細書に開示される主題を理解するのに最も役立つように、複数の別個のアクション又は動作として順に説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを示唆するものとして解釈されるべきではない。特に、これらの動作は、提示の順序で実施されない場合がある。説明される動作は、説明される実施形態とは異なる順序で実施され得る。様々な追加の動作が実施され得、及び/又は説明された動作が追加の実施形態において省略され得る。
【0012】
本開示の目的のために、「A及び/又はB」及び「A又はB」という句は、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。本開示の目的のために、「A、B、及び/又はC」及び「A、B、又はC」という句は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味する。いくつかの要素は単数形(例えば、「処理デバイス」)で言及され得るが、任意の適切な要素は、その要素の複数のインスタンスによって表され得、逆もまた同様である。例えば、処理デバイスによって実施されるものとして説明された動作のセットは、異なる処理デバイスによって実施される動作のうちの異なるものを用いて実装され得る。
【0013】
本説明は、「一実施形態」、「様々な実施形態」、及び「いくつかの実施形態」という句を使用し、それらの各々は、同一又は異なる実施形態のうちの1つ以上を指し得る。更に、本開示の実施形態に関して使用される「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、同義である。寸法の範囲を説明するために使用される場合、「XとYとの間」という句は、X及びYを含む範囲を表す。本明細書で使用されるように、「装置」は、任意の個々のデバイス、デバイスの集合、デバイスの一部、又はデバイスの一部の集合を指し得る。図面は、必ずしも縮尺通りではない。
【0014】
図1は、様々な実施形態による、支援動作を実施するためのCPM支援モジュール1000のブロック図である。CPM支援モジュール1000は、プログラムされたコンピューティングデバイスなどの回路(例えば、電気部品及び/又は光学部品を含む)によって実装され得る。CPM支援モジュール1000のロジックは、単一のコンピューティングデバイスに含まれ得るか、又は必要に応じて互いに通信している複数のコンピューティングデバイスにわたって分散され得る。単独で又は組み合わせて、CPM支援モジュール1000を実装し得るコンピューティングデバイスの例は、本明細書では、
図6のコンピューティングデバイス4000を参照して考察され、CPMモジュール1000がコンピューティングデバイスの1つ以上にわたって実装され得る相互接続されたコンピューティングデバイスのシステムの例は、本明細書では、
図7のCPM支援システム5000を参照して考察される。CPM支援モジュール1000によってその動作が支援されるCPMは、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope、SEM)、透過型電子顕微鏡(transmission electron microscope、TEM)、走査型透過型電子顕微鏡(scanning transmission electron microscope、STEM)、又はイオンビーム顕微鏡などの任意の好適なタイプのCPMを含み得る。
【0015】
CPM支援モジュール1000は、第1のロジック1002、第2のロジック1004、及び第3のロジック1006を含み得る。本明細書で使用される場合、「ロジック」という用語は、ロジックと関連付けられた動作のセットを実施する装置を含み得る。例えば、CPM支援モジュール1000に含まれるロジック要素のいずれかは、コンピューティングデバイスの1つ以上の処理デバイスに、関連する一連の動作を実施させる命令でプログラムされた1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装され得る。特定の実施形態では、ロジック要素は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体を含み得、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のコンピューティングデバイスの1つ以上の処理デバイスによって実行されたとき、1つ以上のコンピューティングデバイスに、関連付けられた動作のセットを実施させる命令を有する。本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、一緒にモジュールと関連する機能を実施する、1つ以上のロジック要素の集合を指し得る。モジュール内のロジック要素のうちの異なるものは、同じ形態をとり得るか、又は異なる形態をとり得る。例えば、モジュール内のいくつかのロジックは、プログラムされた汎用処理デバイスによって実装され得、モジュール内の他のロジックは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)によって実装され得る。別の実施例では、モジュール内のロジック要素のうちの異なるものは、1つ以上の処理デバイスによって実行される、異なる命令のセットと関連付けられ得る。モジュールは、関連する図面に描写されたロジック要素の全てを含まなくてもよく、例えば、モジュールは、そのモジュールが、そのモジュールを参照して本明細書で考察される動作のサブセットを実施するとき、関連する図面に描写されるロジック要素のサブセットを含み得る。いくつかの特定の実施形態では、CPM支援モジュール1000は、荷電粒子カメラの一部であり得るプログラムされたフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)によって実装され得る。
【0016】
図2は、CPM支援モジュール1000と、データ記憶装置1106(例えば、複数のハードドライブ)に通信可能に結合された荷電粒子カメラ1102(本明細書では計数カメラ又は電子計数カメラとも称される)と、を含むCPMシステム又は装置1110のブロック図である。使用中、荷電粒子カメラ1102は、試料を撮像するためにCPM(例えば、
図7を参照して以下で考察されるCPM 5010)の一部として使用されてもよく、CPM支援モジュール1000は、この撮像における荷電粒子事象を表すデータ(データ記憶装置1106に記憶される)を生成してもよい。データ記憶装置1106に記憶されたデータは、試料の顕微鏡的構造を再構成するために荷電粒子カメラ1102によって生成されたデータを使用して、単一粒子分析(SPA)、断層撮影再構成、又は任意の他の好適な再構成技法を実施し得る再構成ロジックによってアクセス可能であり得る。CPMシステム1110では、荷電粒子カメラ1102は、CPM支援モジュール1000(例えば、本明細書に開示されるCPM支援モジュール1000のロジックモジュールのいずれか)に通信可能に結合される荷電粒子センサ1104を含み得る。荷電粒子センサ1104は、適切な荷電粒子を検出するための任意の好適な形態をとり得る。例えば、いくつかの実施形態では、荷電粒子センサ1104は、電子検出のための相補型金属酸化膜半導体(complementing metal oxide semiconductor、CMOS)センサ画素を含んでもよい。
図2は、荷電粒子カメラ1102に含まれるものとしてCPM支援モジュール1000を例解しているが、CPM支援モジュール1000(又は本明細書に開示されるCPM支援モジュール1000の1つ以上のロジックモジュール)は、荷電粒子カメラ1102の外部に位置されてもよく、1つ以上の有線又は無線通信チャネルを介して、及び任意選択で1つ以上の中間デバイスを通じて、荷電粒子カメラ1102と通信してもよい。同様に、データ記憶装置1106は、荷電粒子カメラ1102の外部にあるものとして例解されているが、データ記憶装置1016又はその一部分は、荷電粒子カメラ1102、CPM支援モジュール1000、又はこれらの組み合わせの内部に含まれてもよい。したがって、
図2に例解されるCPMシステム1110は、1つの例示的な構成として提供されており、限定するものとして解釈されるべきではない。
【0017】
第1のロジック1002は、荷電粒子センサ1104のサブ領域に衝突する電子に対応する第1の荷電粒子事象を検出するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、第1のロジック1002は、荷電粒子センサ1104のサブ領域に衝突する電子から収集された電荷と関連付けられたエネルギー値に基づいて、第1の荷電粒子事象を検出するように構成されている。第1のロジック1002は、エネルギー値を閾値エネルギー値と比較して、第1の荷電粒子事象を検出することができる。他の実施形態では、第1のロジック1002は、サブ領域の画素のエネルギー値の比較に基づいてサブ領域の画素の最大エネルギー値を決定することによって、第1の荷電粒子事象を検出することができる。更なる実施形態では、第1のロジック1002は、任意の好適な電子検出方法論を使用して、第1の荷電粒子事象を検出するように構成され得る。
【0018】
第2のロジック1004は、荷電粒子センサ1104のサブ領域に衝突した第2の電子に対応する第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを検出し、存在する場合、第2の荷電粒子事象の位置を検出するように構成されている。第2の荷電粒子事象は、第1のロジック1002によって検出された第1の荷電粒子事象と同じフレーム間隔内で荷電粒子カメラ1102の荷電粒子センサ1104のサブ領域に衝突する電子を表す。第2のロジック1004は、試料を撮像するために使用される線量率(例えば、平均線量率)と、第1の荷電粒子事象が検出されたサブ領域内の画素のエネルギー値とに基づいて、第2の荷電粒子事象が荷電粒子センサ1104のサブ領域に存在するかどうかを判定する。以下でより詳細に説明されるように、サブ領域は、形状(例えば、正方形、長方形、ブロブ、又は同様の形状の領域)及びサイズが変化してもよく、それらの一方又は両方は、荷電粒子センサ設計(例えば、厚さ、内部場など)に基づいて変化してもよい。いくつかの実施形態では、第2のロジック1004は、サブ領域内のエネルギー値に基づいて第2の荷電粒子事象の確率を決定することによって、第2の荷電粒子事象がサブ領域に存在するかどうかを判定するように構成されている。サブ領域内の個々の画素ごとに確率を決定することができ、特定の画素の確率は、画素のエネルギー値、サブ領域の1つ以上の他の画素(例えば、1つ以上の隣接画素)のエネルギー値、又はこれらの組み合わせに基づき得る。このような確率を決定することに関する更なる詳細は、以下で説明される。また、以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、決定された確率が、線量率に基づいて変化し得る所定の閾値(すなわち、所定の確率閾値)を満たす(すなわち、確率が第2の荷電粒子事象の高い可能性を示す)とき、第2のロジック1004は、サブ領域内の第2の荷電粒子事象の位置を判定する。いくつかの実施形態では、第2のロジック1004は、サブ領域内の準最大エネルギー値(すなわち、第1の荷電粒子事象を表す画素と関連付けられたエネルギー値を除く、サブ領域のエネルギー値の最大値)に基づいて、第2の荷電粒子事象の位置を判定する。
【0019】
第3のロジック1006は、例えば、荷電粒子事象インジケータなど、検出された荷電粒子事象に関する情報を(例えば、CPMシステム1110のデータ記憶装置1106に)出力するように構成されている。荷電粒子事象インジケータは、検出された荷電粒子事象の時間及び位置を特定することができる。いくつかの実施形態では、荷電粒子事象インジケータの時間は、画素配列データのN番目のフレームの捕捉と関連付けられたフレーム間隔中に発生する、関連する荷電粒子事象を表すフレーム間隔Nであってもよく、フレーム番号Nをフレーム率と組み合わせることは、時間(例えば、秒単位)が特定されることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、荷電粒子事象インジケータの位置は、関連する荷電粒子事象が検出された画素を反映することができる。荷電粒子事象インジケータの画素位置は、荷電粒子センサ1104によって生成された信号に基づいて判定され得る。例えば、荷電粒子事象(例えば、電子事象)は、荷電粒子センサ1104の領域にわたって電荷キャリアを生成させることができる。この領域の重心又は他の特性は、部分画素精度で荷電粒子事象の位置を推定するために、任意の好適な既知の技術に従って計算されてもよい。第1のロジック1002及び/又は第2のロジック1004によって生成される荷電粒子事象インジケータは、時間及び位置に加えて、他の荷電粒子事象情報を含み得る。第3のロジック1006によって出力される荷電粒子事象インジケータは、例えば、拡張マークアップ言語(Extensible Markup Language、XML)、JavaScript Object Notation(JSON)、又はComma-Separated Value(CSV)など、様々なファイル又はデータフォーマット又は構造で構造化され得る。
【0020】
図3は、様々な実施形態による、CPM支援動作を実施する方法2000の流れ図である。方法2000の動作は、本明細書に開示される特定の実施形態(例えば、
図1を参照して本明細書で考察されるCPM支援モジュール1000、
図5を参照して本明細書で考察されるGUI3000、
図6を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000、及び/又は
図7を参照して本明細書で考察されるCPM支援システム5000)を参照して例解され得るが、方法2000は、任意の好適な支援動作を実施するために任意の好適な設定で使用され得る。動作は、
図3において各々1回ずつ特定の順序で例解されているが、動作は、所望に応じて適切に並べ替え及び/又は繰り返され得る(例えば、実施される異なる動作は、適宜、並行して実施され得る)。また、動作は、CPM支援モジュール1000の第1、第2、又は第3のロジック1002、1004、及び1006のうちの1つによって実施されるものとして説明され得るが、動作は、任意の数のモジュール又はロジックの間で様々な方式で分散され得る。
【0021】
図3に例解されるように、2002において、第1のロジック1002は、荷電粒子カメラの第1の画素が検出され得る第1の荷電粒子事象を検出する。例えば、CPM支援モジュール1000の第1のロジック1002は、上述された従来の検出技術を含む任意の好適な方法に従って、2002の動作を実施し得る。一例として、第1のロジック1002は、極大ファインダを利用して、荷電粒子センサ1104のサブ領域の最大エネルギー値を有する画素を特定し得る。
【0022】
例えば、
図4Aは、荷電粒子センサ1104の例示的な画素配列(画像)2004を例解する。画素配列2004は、複数の個々の画素を含み、画素配列2004の各画素は、各画素が1つ以上の電子から収集する電荷量に対応するエネルギー値を含む。この例を使用して、第1のロジック1002は、最大エネルギー値を有するサブ領域2006内の画素を検出することによって、第1の荷電粒子事象を検出し得る。例示的な画素配列2004では、画素2008は、最大エネルギー値(例えば、20.8)を有し、したがって、第1のロジック1002は、画素2008を荷電粒子事象(「第1の」荷電粒子事象)の位置として特定し得る。いくつかの実施形態では、第1のロジック1002はまた、第1の荷電粒子事象を検出するときに、画素のサブ領域内の最大エネルギー値を所定の閾値(すなわち、所定のエネルギー閾値)と比較し得る。言い換えれば、第1のロジック1002は、サブ領域内の最大エネルギー値が所定のエネルギー閾値を満たすときに、サブ領域内の荷電粒子事象を検出するように構成され得る。また、いくつかの実施形態では、第1のロジック1002(又は別個のロジックモジュール)は、第1の荷電粒子事象を検出する前に、例えば、画素エネルギー値をグレーレベルに変換するなど、例えば、1つ以上のフィルタリングステップを実施するなど、画素配列2004に対して1つ以上の前処理ステップを実施してもよい。
【0023】
図4Aに例解されるサブ領域2006は、3×3の長方形構成の9個の個々の画素を含む。しかしながら、サブ領域2006は、用途に応じて追加の画素又はより少ない画素を含んでもよく、荷電粒子センサ1104に応じて様々な構成を含んでもよい。例えば、上記のように、CPM支援モジュール1000を介して処理される画素のサブ領域は、様々な形状及びサイズを有してもよく、いくつかの実施形態では、CPM支援モジュール1000を介して処理されるサブ領域のサイズ、形状、又はこれらの両方は、典型的には、高圧及びセンサ設計(厚さ、内部場など)に依存する、平均ブロブサイズに依存し得る。例えば、3×3の長方形サブ領域は、300keV用途に有用であり得る。また、様々な数の画素がサブ領域に含まれ得るが、画素の数が増加するにつれて信号対雑音比が劣化する可能性があるので、その数は小さく保たれてもよい。
【0024】
図3に戻ると、2010において、第1の荷電粒子事象を検出する第1のロジック1002に応答して、第2のロジック1004は、第1の荷電粒子事象が検出された画素のサブ領域内(すなわち、第1の荷電粒子事象の位置を表す第1の画素を含むサブ領域内)に第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定する。第2のロジック1004は、画素のサブ領域内の各画素の線量率及びエネルギー値に基づいて、第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定し得る。例えば、例示的な画素配列2004に戻ると、いくつかの実施形態では、第2のロジック1004は、9個の個々の画素の各々のエネルギーレベルの関数として、サブ領域2006の1つの電荷粒子事象対2つの荷電粒子事象の確率を計算する。第2のロジック1004は、確率を計算するために、例えば、以下に記載される式(1)などの式を使用することができ、式中、p(g)は、画素の所与のエネルギー値(g)に対する2つの(二重)荷電粒子事象の確率であり、h1(g)は、エネルギー値(g)に対する単一荷電粒子事象(1ev)の第1のヒストグラム値(画素数)であり、h2は、エネルギー値(g)に対する二重荷電粒子事象(2ev)の第2のヒストグラム値(画素数)である。
図4Bは、画素エネルギーレベルに関する例示的な第1のヒストグラム値及び第2のヒストグラム値をグラフを用いて例解するグラフ2012を含み、
図4Cは、
図4Bのヒストグラムに基づく画素エネルギーレベルに関する式1をグラフを用いて例解する第2のグラフ2014を含む。
【0025】
【0026】
ヒストグラムは、低線量画像を使用して生成され得、作成されると、式1を使用して高線量画像に適用することができる。例えば、ヒストグラムは、単一のブロブに基づいてもよく、高線量率の場合、このようなブロブの形態は変化しないが、ブロブは、互いにより近くに着地してもよい。ヒストグラムを作成することは、2つのステップを含み得る。第1のステップとして、荷電粒子事象が、低線量画像において検出される。このステップは、(暗信号の補正又は他の前処理ステップの後に)3つのサブステップを含み得、これらのサブステップは、(a)生画像をフィルタリングするステップと、(b)フィルタリングされた画像の画素サブ領域(例えば、3×3のサブ領域)内の全ての極大値を見出すステップと、(c)特定された極大値を閾値処理して(例えば、極大値を所定のエネルギー閾値と比較して)画像内の事象を特定するステップと、を含み得る。ブロブ(例えば、画素の3×3のサブ領域)は、サブ領域の中心画素に位置する事象を有する各検出された事象の周りに定義される。次に、中心画素のエネルギー値が、
図4Bに例解される第1のヒストグラム213aに追加される。
【0027】
ヒストグラムの作成の第2のステップでは、各ブロブは、より大きなブロブ(例えば、5×5のサブ領域)に拡張される。例えば、いくつかの実施形態では、検出された事象の周りに定義されるグレースケール値の各3×3のサブ領域に対して、1画素のエッジが追加され、各追加された画素は、0の値として追加される。この拡張により、黒いエッジを有する5×5のブロブが得られる。次に、ランダムなブロブ対が組み合わされ、各対は、拡張された5×5のブロブのうちの1つと、元の3×3のブロブのうちの1つと、を含む(例えば、5×5のブロブで表される事象とは異なる事象について)。例えば、拡張された5×5のブロブから、ランダムな5×5のブロブが選択され、ランダムに選択された5×5のブロブは、ランダムに選択された3×3のブロブに追加される。ブロブを結合することは、個々の画素におけるエネルギー値を追加することを含む。3×3のブロブは、拡張された5×5のブロブよりもサイズが小さいので、ランダムに選択された3×3のブロブは、ランダムに選択された5×5のブロブのランダム領域に追加される(例えば、9つの可能な選択肢がある)。結果として得られる組み合わせは、2つの事象を含む5×5のブロブであり、5×5の組み合わされたブロブの中心画素が、
図4Bに例解される第2のヒストグラム213bに追加される。この組み合わせは、ランダムに選択された3×3のブロブとランダムに選択された5×5のブロブとを組み合わせるための9つの可能な選択肢の各々について繰り返され、その結果、9つの組み合わせが、選択されたブロブの対について作成され、9つの中心値が第2のヒストグラム213bに追加される。上記の組み合わせは、第2のヒストグラム213bを構築するために複数のブロブ対について繰り返される。
【0028】
第2のロジック1004は、生成された確率を使用して、第1の荷電粒子事象が検出されたサブ領域内に第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定する。例えば、いくつかの実施形態では、生成された確率行列を使用して、第2のロジック1004は、サブ領域の最も高い確率値(pmax)と最も低い確率値(pmin)とを追加することによって確率の合計を決定する。例えば、
図4Dは、式1及び
図4Bに表される例示的なヒストグラムを使用して、例示的なサブ領域2006に対して生成された確率のセット(確率行列)2016を例解する(行列内の各確率値は、サブ領域2006内の画素に対応する)。例示的な確率行列2016に関して、1.05(確率目的のために1.0で上限を定められ得る)は、最大確率であり、0.216は、最も低い確率値(すなわち、最小確率)である。したがって、この例では、第2のロジック1004は、確率の合計を1.216と決定する。
【0029】
いくつかの実施形態では、第2のロジック1004は、確率の合計を所定の確率閾値と比較することによって、第2の荷電粒子事象が存在するかどうかを判定する。所定の確率閾値は、線量率に基づいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、所定の確率閾値は、値1から線量率と共に変化する調整値(アルファ)を引いた値を有してもよく、アルファ値は、線量率が増加するにつれて増加する。確率の合計が所定の確率閾値を満たす(例えば、超える)とき、1つの荷電粒子事象よりも2つの荷電粒子事象がサブ領域2006に表される可能性が高く、第2のロジック1004は、第2の荷電粒子事象がサブ領域2006に存在すると判定する。
【0030】
図3に戻ると、2020において、第2のロジック1004が、第2の荷電粒子事象が(2010において)画素のサブ領域に存在すると判定したとき、第2のロジック1004は、第1の荷電粒子事象が検出されたサブ領域内の第2の荷電粒子事象の位置を判定する。いくつかの実施形態では、第2のロジック1004は、準最大エネルギー値と関連付けられた荷電粒子センサ1104のサブ領域の画素に基づいて、第2の荷電粒子事象の位置を特定するように構成されている。準最大エネルギー値は、第1のロジック1002によって検出された第1の荷電粒子事象に関連する画素と関連付けられたエネルギー値を除く最も高いエネルギー値である。第2のロジック1004は、サブ領域2006内のエネルギー値を比較することによって、又は第1の荷電粒子事象と関連付けられた画素位置に関連するエネルギー値を無視するように構成された第1のロジック1002に関して上述したような極大ファインダを使用することによって、準最大エネルギー値を決定することができる。例えば、
図4Aに例解されるように、サブ領域の第2の画素である画素2022は、サブ領域2006内に準最大エネルギーレベルを有し、したがって、第2の荷電粒子事象の位置として第2のロジック1004によって設定される。
【0031】
再び
図3に戻ると、2030において、第3のロジック1006は、第1の荷電粒子事象及び第2の荷電粒子事象を表す荷電粒子事象データを出力する。例えば、第3のロジック1006は、第1の荷電粒子事象及び第2の荷電粒子事象に対する事象インジケータを含む荷電粒子事象インジケータのセットを表すデータを出力するように構成されてもよい。これらのインジケータは、(第1のロジック1002及び第2のロジック1004によって出力されたデータを使用して)第3のロジック1006によって生成されてもよく、第1のロジック1002及び第2のロジック1004によって生成されてもよく、又はこれらの組み合わせによって生成されてもよい。荷電粒子事象インジケータ又はそこに含まれる情報は、例えば、単一粒子分析(SPA)再構成、又は例えば、電子エネルギー損失分光法(electron energy loss spectroscopy、EELS)、エネルギー分散X線分光法などの電子ベースの分光法などの様々な用途において使用され得る。したがって、上述したように、荷電粒子事象を検出する精度を改善することにより、様々な分析システム及び方法へのデータ入力が改善され、その結果、出力が改善され、顕微鏡法機器並びにこのような分析の結果を使用する他の機器及びシステムの使用及び動作が改善される。同様に、検出された事象に関する情報は、1人以上のユーザを通じてユーザに提示されてもよく、これは、ユーザが顕微鏡法機器又は他の機器をより効率的又は正確に操作することを可能にし得る。したがって、本明細書に記載される実施形態は、顕微鏡法技術並びに関連機器及び機能を改善する。
【0032】
上記のように、本明細書に開示されるCPM支援方法は、人間のユーザとの相互作用を含み得る(例えば、
図7を参照して本明細書で考察されるユーザローカルコンピューティングデバイス5020を介して)。これらの相互作用は、ユーザに情報(例えば、
図7のCPM5010などのCPMの動作に関する情報、分析されている試料又はCPMによって実施される他の試験若しくは測定に関する情報、ローカル若しくはリモートデータベースから検索された情報、又は他の情報)を提供すること、又はコマンド(例えば、
図7のCPM5010などのCPMの動作を制御するため、若しくはCPMによって生成されるデータの分析を制御するための)、クエリ(例えば、ローカル若しくはリモートデータベースへの)、又は他の情報を入力するためのオプションをユーザに提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、これらの相互作用は、ユーザに出力を提供する、かつ/又は入力を提供するようにユーザに促す(例えば、
図6を参照して本明細書で考察される他のI/Oデバイス4012に含まれる、キーボード、マウス、トラックパッド、又はタッチスクリーンなどの1つ以上の入力デバイスを介して)表示デバイス(例えば、
図6を参照して本明細書で考察される表示デバイス4010)上の視覚的表示を含むGUIを通じて実施され得る。本明細書に開示されるCPM支援システムは、ユーザとの相互作用のための任意の好適なGUIを含み得る。
【0033】
図5は、様々な実施形態による、本明細書に開示される支援方法のいくつかの又は全ての実施において使用され得る例示的なGUI3000を示す。上記のように、GUI3000は、CPM支援システム(例えば、
図7を参照して本明細書で考察されるCPM支援システム5000)のコンピューティングデバイス(例えば、
図6を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000)の表示デバイス(例えば、
図6を参照して本明細書で考察される表示デバイス4010)上に提供され得、ユーザは、任意の好適な入力デバイス(例えば、
図6を参照して本明細書で考察される他のI/Oデバイス4012に含まれる入力デバイスのいずれか)、及び入力技術(例えば、カーソルの移動、モーションキャプチャ、顔認識、ジェスチャ検出、音声認識、ボタンの作動など)を使用してGUI3000と対話し得る。
【0034】
GUI3000は、データ表示領域3002、データ分析領域3004、CPM制御領域3006、及び設定領域3008を含み得る。
図5に示す領域の特定の数及び配置は、単に例解的なものであり、任意の所望の特徴を含む、任意の数及び配置の領域がGUI3000に含まれ得る。
【0035】
データ表示領域3002は、CPM(例えば、
図7を参照して本明細書で考察されるCPM5010)によって生成されたデータを表示し得る。例えば、データ表示領域3002は、CPM支援モジュール1000の第3のロジック1006によって出力された荷電粒子事象インジケータ(又はそれを表すデータ)を表示してもよい。
【0036】
データ分析領域3004は、データ分析の結果(例えば、データ表示領域3002に例解されるデータ及び/又は他のデータを分析した結果)を表示し得る。例えば、データ分析領域3004は、本明細書に開示される技術のいずれかに従って撮像された試料の再構成又は他の表現を表示してもよい。いくつかの実施形態では、データ表示領域3002及びデータ分析領域3004は、GUI3000内で組み合わされ得る(例えば、CPMからのデータ出力、及びデータのいくつかの分析を、共通のグラフ又は領域に含めるために)。
【0037】
CPM制御領域3006は、ユーザが科学的機器(例えば、
図7を参照して本明細書で考察されるCPM5010)を制御することを可能にするオプションを含み得る。例えば、CPM制御領域3006は、撮像動作をプログラムし、開始し、又は停止するための制御オプションを含んでもよい。
【0038】
設定領域3008は、ユーザが、GUI3000(及び/又は他のGUI)の特徴及び機能を制御し、かつ/又はデータ表示領域3002及びデータ分析領域(3004)に関する共通のコンピューティング動作を実施することを可能にするオプションを含み得る(例えば、
図6に関して本明細書で考察される記憶デバイス4004などの記憶デバイス上にデータを保存する、別のユーザにデータを送信する、データをラベル付けするなど)。例えば、設定領域3008は、(例えば、第1のロジック1002又は第2のロジック1004によって決定されるような)荷電粒子カメラ1102の荷電粒子事象に関する情報を含んでもよい。
【0039】
上記のように、CPM支援モジュール1000は、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装され得る。
図6は、様々な実施形態による、本明細書に開示される科学的機器支援方法のいくつか又は全てを実施し得る、コンピューティングデバイス4000のブロック図である。いくつかの実施形態では、CPM支援モジュール1000は、単一のコンピューティングデバイス4000又は複数のコンピューティングデバイス4000によって実装され得る。更に、以下で考察されるように、CPM支援モジュール1000を実装するコンピューティングデバイス4000(又は複数のコンピューティングデバイス4000)は、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又は
図7のリモートコンピューティングデバイス5040のうちの1つ以上の一部であり得る。
【0040】
図6のコンピューティングデバイス4000は、いくつかの構成要素を有するものとして例解されているが、これらの構成要素のうちのいずれか1つ以上は、用途及び設定に好適であるように、省略又は複製され得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス4000に含まれる構成要素のいくつか又は全部は、1つ以上のマザーボードに取り付けられ、筐体(例えば、プラスチック、金属、及び/又は他の材料を含む)に封入され得る。いくつかの実施形態では、いくつかのこれらの構成要素は、単一のシステムオンチップ(system-on-a-chip、SoC)上に製造され得る(例えば、SoCは、1つ以上の処理デバイス4002及び1つ以上の記憶デバイス4004を含み得る)。代替的に、様々な実施形態では、コンピューティングデバイス4000は、
図6に例解される構成要素の1つ以上を含まない場合があるが、任意の好適なインターフェース(例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インターフェース、高精細マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface、HDMI(登録商標))インターフェース、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)インターフェース、シリアルペリフェラルインターフェース(Serial Peripheral Interface、SPI)インターフェース、イーサネットインターフェース、無線インターフェース、又は任意の他の好適なインターフェース)を使用して1つ以上の構成要素に結合するためのインターフェース回路(図示せず)を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス4000は、表示デバイス4010を含まない場合があるが、表示デバイス4010が結合され得る表示デバイスインターフェース回路(例えば、コネクタ及びドライバ回路)を含み得る。
【0041】
コンピューティングデバイス4000は、処理デバイス4002(例えば、1つ以上の処理デバイス)を含み得る。本明細書で使用される場合、「処理デバイス」という用語は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、その電子データをレジスタ及び/又はメモリに記憶され得る他の電子データに変換する、任意のデバイス又はデバイスの一部分を指し得る。処理デバイス4002は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、暗号プロセッサ(ハードウェア内で暗号アルゴリズムを実行する専用プロセッサ)、サーバプロセッサ、又は任意の他の好適な処理デバイスを含み得る。
【0042】
コンピューティングデバイス4000は、記憶デバイス4004(例えば、1つ以上の記憶デバイス)を含み得る。記憶デバイス4004は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)(例えば、スタティックRAM(static RAM、SRAM)デバイス、磁気RAM(magnetic RAM、MRAM)デバイス、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)デバイス、抵抗性RAM(resistive RAM、RRAM)デバイス、又は導電性ブリッジRAM(conductive-bridging RAM、CBRAM)デバイス)、ハードドライブベースのメモリデバイス、ソリッドステートメモリデバイス、ネットワークドライブ、クラウドドライブ、又はメモリデバイスの任意の組み合わせなどの1つ以上のメモリデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、記憶デバイス4004は、処理デバイス4002とダイを共有するメモリを含み得る。そのような実施形態では、メモリは、キャッシュメモリとして使用され得、例えば、組み込みダイナミックランダムアクセスメモリ(embedded dynamic random access memory、eDRAM)又はスピン転送トルク磁気ランダムアクセスメモリ(spin transfer torque magnetic random access memory、STT-MRAM)を含み得る。いくつかの実施形態では、記憶デバイス4004は、1つ以上の処理デバイス(例えば、処理デバイス4002)によって実行されると、コンピューティングデバイス4000に、本明細書に開示される方法のうちの任意の適切なもの又はその部分を実施させる命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0043】
コンピューティングデバイス4000は、インターフェースデバイス4006(例えば、1つ以上のインターフェースデバイス4006)を含み得る。インターフェースデバイス4006は、コンピューティングデバイス4000と他のコンピューティングデバイスとの間の通信を管理するために、1つ以上の通信チップ、コネクタ、及び/又は他のハードウェア及びソフトウェアを含み得る。例えば、インターフェースデバイス4006は、コンピューティングデバイス4000との間でデータを転送するための無線通信を管理する回路を含み得る。「無線」という用語及びその派生語は、非固体媒体を介して変調された電磁放射の使用を通じてデータを通信し得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用され得る。この用語は、関連するデバイスがいかなるワイヤを含まないことを意味するものではないが、いくつかの実施形態では含まない場合もある。無線通信を管理するためにインターフェースデバイス4006に含まれる回路は、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、IEEE802.16規格(例えば、IEEE802.16-2005修正)、任意の修正、更新、及び/又は改訂を伴う長期的進化型(Long-Term Evolution、LTE)プロジェクト(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、ウルトラモバイルブロードバンド(ultra mobile broadband、UMB)プロジェクト(「3GPP(登録商標)2」とも称される)など)を含む電気電子技術者協会(Institute for Electrical and Electronic Engineers、IEEE)規格を含むがこれらに限定されない、いくつかの無線規格又はプロトコルのうちのいずれかを実装し得る。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためのインターフェースデバイス4006に含まれる回路は、モバイル通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communication、GSM)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service、GPRS)、ユニバーサルモバイル電気通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)、高速パケットアクセス(High Speed Packet Access、HSPA)、進化型HSPA(Evolved HSPA、E-HSPA)、又はLTEネットワークに従って動作し得る。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためにインターフェースデバイス4006に含まれる回路は、GSM進化型高速データ(Enhanced Data for GSM Evolution、EDGE)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GSM EDGE Radio Access Network、GERAN)、ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network、UTRAN)、又は進化型UTRAN(Evolved UTRAN、E-UTRAN)に従って動作し得る。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためのインターフェースデバイス4006に含まれる回路は、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、デジタル拡張コードレス電気通信(Digital Enhanced Cordless Telecommunications、DECT)、エボリューションデータ最適化(Evolution-Data Optimized、EV-DO)、及びそれらの派生物、並びに3G、4G、5G、及びそれ以降として指定される任意の他の無線プロトコルに従って動作し得る。いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス4006は、無線通信の受信及び/又は送信のための1つ以上のアンテナ(例えば、1つ以上のアンテナアレイ)を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス4006は、電気的、光学的、又は任意の他の好適な通信プロトコルなどの有線通信を管理するための回路を含み得る。例えば、インターフェースデバイス4006は、イーサネット技術に従って通信を支援する回路を含み得る。いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス4006は、無線通信及び有線通信の両方を支援し得、並びに/又は複数の有線通信プロトコル及び/若しくは複数の無線通信プロトコルを支援し得る。例えば、インターフェースデバイス4006の回路の第1のセットは、Wi-Fi又はBluetoothなどの短距離無線通信専用であり得、インターフェースデバイス4006の回路の第2のセットは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、EV-DO、又はその他などの長距離無線通信専用であり得る。いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス4006の回路の第1のセットは、無線通信専用であり得、インターフェースデバイス4006の回路の第2のセットは、有線通信専用であり得る。
【0045】
コンピューティングデバイス4000は、バッテリ/電力回路4008を含み得る。バッテリ/電力回路4008は、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ又はキャパシタ)、及び/又はコンピューティングデバイス4000の構成要素をコンピューティングデバイス4000とは別個のエネルギー源(例えば、ACライン電力)に結合するための回路を含み得る。
【0046】
コンピューティングデバイス4000は、表示デバイス4010(例えば、複数の表示デバイス)を含み得る。表示デバイス4010は、ヘッドアップディスプレイ、コンピュータモニタ、プロジェクタ、タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオードディスプレイ、又はフラットパネルディスプレイなどの任意の視覚インジケータを含み得る。
【0047】
コンピューティングデバイス4000は、他の入力/出力(input/output、I/O)デバイス4012を含み得る。他のI/Oデバイス4012は、例えば、1つ以上のオーディオ出力デバイス(例えば、スピーカ、ヘッドセット、イヤホン、アラームなど)、1つ以上のオーディオ入力デバイス(例えば、マイクロフォン又はマイクロフォンアレイ)、位置デバイス(例えば、当技術分野で知られているように、コンピューティングデバイス4000の位置を受信するために衛星ベースのシステムと通信するGPSデバイス)、オーディオコーデック、ビデオコーデック、プリンタ、センサ(例えば、熱電対又は他の温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、振動センサ、加速度計、ジャイロスコープなど)、カメラなどの画像キャプチャデバイス、キーボード、マウス、スタイラス、トラックボール、又はタッチパッドなどのカーソル制御デバイス、バーコードリーダ、クイックレスポンス(Quick Response、QR)コードリーダ、又は無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)リーダを含み得る。
【0048】
コンピューティングデバイス4000は、ハンドヘルド又はモバイルコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ウルトラブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータなど)、デスクトップコンピューティングデバイス、又はサーバコンピューティングデバイス若しくは他のネットワーク化されたコンピューティング構成要素)などのその用途及び設定に好適な任意のフォームファクタを有し得る。
【0049】
本明細書に開示されるCPM支援モジュール又は方法のいずれかを実装する1つ以上のコンピューティングデバイスは、CPM支援システムの一部であり得る。
図7は、様々な実施形態による、本明細書に開示されるCPM支援方法のいくつか又は全てが実施され得る例示的なCPM支援システム5000のブロック図である。本明細書に開示されるCPM支援モジュール及び方法(例えば、
図1のCPM支援モジュール1000及び
図4の方法2000)は、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はCPM支援システム5000のリモートコンピューティングデバイス5040のうちの1つ以上によって実装され得る。
【0050】
CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちのいずれかは、
図6を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のうちのいずれかを含み得、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちのいずれかは、
図6を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態の任意の適切なものの形態をとり得る。
【0051】
CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040は、各々、処理デバイス5002、記憶デバイス5004、及びインターフェースデバイス5006を含み得る。処理デバイス5002は、
図4を参照して本明細書で考察される処理デバイス4002のうちのいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040の異なるものに含まれる処理デバイス5002は、同じ形態又は異なる形態をとり得る。記憶デバイス5004は、
図4を参照して本明細書で考察される記憶デバイス5004のうちのいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040の異なるものに含まれる記憶デバイス5004は、同じ形態又は異なる形態をとり得る。インターフェースデバイス5006は、
図4を参照して本明細書で考察されるインターフェースデバイス4006のうちのいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040の異なるものに含まれるインターフェースデバイス5006は、同じ形態又は異なる形態をとり得る。
【0052】
CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、及びリモートコンピューティングデバイス5040は、通信経路5008を介して、CPM支援システム5000の他の要素と通信し得る。通信経路5008は、図示のように、CPM支援システム5000の要素の異なるもののインターフェースデバイス5006を通信可能に結合し得、有線又は無線通信経路であり得る(例えば、
図6のコンピューティングデバイス4000のインターフェースデバイス4006を参照して本明細書で考察される通信技術のいずれかに従って)。
図7に示すCPM支援システム5000は、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、及びリモートコンピューティングデバイス5040の各対間の通信経路を含むが、この「完全結合」実装は、単に例解的なものであり、様々な実施形態では、通信経路5008の様々なものが存在しない可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、そのインターフェースデバイス5006とCPM5010のインターフェースデバイス5006との間に直接通信経路5008を持たない場合があり、代わりに、サービスローカルコンピューティングデバイス5030とユーザローカルコンピューティングデバイス5020との間の通信経路5008、及びユーザローカルコンピューティングデバイス5020とCPM5010との間の通信経路5008を介してCPM5010と通信し得る。
【0053】
図7に戻ると、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、CPM5010のユーザにローカルであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のうちのいずれかによる)であり得る。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020はまた、CPM5010に対してローカルであり得るが、そうである必要はない。例えば、ユーザの自宅又はオフィスにあるユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、CPM5010からリモートにあるが、ユーザがユーザローカルコンピューティングデバイス5020を使用してCPM5010からのデータを制御及び/又はアクセスし得るように、CPM5010と通信し得る。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、ラップトップ、スマートフォン、又はタブレットデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、ポータブルコンピューティングデバイスであり得る。
【0054】
サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、CPM5010にサービスするエンティティにローカルであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のうちのいずれかによる)であり得る。例えば、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、CPM5010の製造元又はサードパーティのサービス会社に対してローカルであり得る。いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と通信して(例えば、上で考察されるように、直接通信経路5008を介して、又は複数の「間接」通信経路5008を介して)、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040の動作に関するデータを受信し得る。いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、CPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と通信して(例えば、上で考察されるように、直接通信経路5008を介して、又は複数の「間接」通信経路5008を介して)、データをCPM5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040に送信し得る(例えば、CPM5010内のファームウェアなどのプログラムされた命令を更新する、CPM5010、CPM支援モジュール1000、又はこれら両方の実施を開始する、CPM支援モジュール1000を構成する(例えば、閾値を設定する、確率方程式を設定するなど)、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020又はリモートコンピューティングデバイス5040などにおいて、ソフトウェアなどのプログラムされた命令を更新するなど)。CPM5010のユーザは、サービスローカルコンピューティングデバイス5030と通信しCPM5010又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020の問題を報告するために、CPM5010の動作を改善するために技術者に訪問を要求し、CPM5010と関連する消耗品又は交換部品を注文し、又は他の目的のために、CPM5010又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020を利用し得る。
【0055】
リモートコンピューティングデバイス5040は、科学的機器5010から、かつ/又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020からリモートであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のいずれかによる)であり得る。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス5040は、データセンター又は他の大規模サーバ環境に含まれ得る。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス5040は、ネットワーク接続ストレージを含み得る(例えば、記憶デバイス5004の一部として)。リモートコンピューティングデバイス5040は、CPM5010によって生成されたデータを記憶し、CPM5010によって生成されたデータの分析を実施し(例えば、プログラムされた命令に従って)、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020とCPM5010との間の通信を容易にし、かつ/又はサービスローカルコンピューティングデバイス5030とCPM5010との間の通信を容易にし得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、
図7に例解されるCPM支援システム5000の要素のうちの1つ以上が存在しない場合がある。更に、いくつかの実施形態では、
図7のCPM支援システム5000の要素の様々なもののうちの複数のものが存在し得る。例えば、CPM支援システム5000は、複数のユーザローカルコンピューティングデバイス5020(例えば、異なるユーザと関連付けられた又は異なる位置における異なるユーザローカルコンピューティングデバイス5020)を含み得る。別の例では、科学的機器支援システム5000は、複数のCPM5010を含んでもよく、全てがサービスローカルコンピューティングデバイス5030及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と通信し、このような実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、これらの複数のCPM5010を監視し得るか、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、更新を引き起こし得るか、又は他の情報が複数のCPM5010に同時に「ブロードキャスト」され得る。CPM支援システム5000内のCPM5010の異なるものは、互いに近くに(例えば、同じ部屋に)又は互いに遠くに(例えば、建物の異なる階、異なる建物、異なる都市になど)配置され得る。いくつかの実施形態では、CPM5010は、ウェブベースのアプリケーション、仮想又は拡張現実アプリケーション、モバイルアプリケーション、モバイルアプリケーション及び/又はデスクトップアプリケーションを介してCPM5010のコマンド及び制御を可能にするモノのインターネット(Internet-of-Things、IoT)スタックに結合され得る。これらのアプリケーションのうちのいずれも、介在するリモートコンピューティングデバイス5040によって、CPM5010と通信してユーザローカルコンピューティングデバイス5020を動作するユーザによってアクセスされ得る。いくつかの実施形態では、CPM5010は、ローカルCPMコンピューティングユニット5012の一部として、1つ以上の関連するユーザローカルコンピューティングデバイス5020と共に製造業者によって販売され得る。
【0057】
以下の段落は、本明細書に開示される実施形態の様々な例を提供する。
【0058】
実施例1は、XXXを含むコンピューティングデバイスである。
【0059】
実施例2は、実施例1の主題を含み得、そのXXXを更に指定し得る。
【0060】
実施例Aは、本明細書に開示される科学的機器支援モジュールのいずれかを含む。
【0061】
実施例Bは、本明細書に開示される方法のいずれかを含む。
【0062】
実施例Cは、本明細書に開示されるGUIのうちのいずれかを含む。
【0063】
実施例Dは、本明細書に開示される科学的機器支援コンピューティングデバイス及びシステムのいずれかを含む。
【外国語明細書】