IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社前川製作所の特許一覧

<>
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図1
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図2
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図3
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図4
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図5
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図6
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図7
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図8
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図9
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図10
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図11
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図12
  • 特開-濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089840
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 13/00 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
G01N13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205308
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】赤田 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】木村 健
(72)【発明者】
【氏名】安藤 杜之介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一弥
(57)【要約】
【課題】熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性を適切に評価することが可能な濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法を提供する。
【解決手段】濡れ性評価装置は、圧力容器と、前記圧力容器内に設けられ、ワークが載置されるステージと、前記圧力容器内において前記ステージの上方に設けられるシリンジを含む液滴形成部と、前記シリンジに試験液を供給するための試験液供給部と、前記圧力容器と前記試験液供給部とを連通させるための連通ラインと、前記ステージに対する前記シリンジの上下方向における相対位置を変化させるように前記ステージ又は前記シリンジの少なくとも一方を移動させるように構成された第1移動機構と、を備える。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器と、
前記圧力容器内に設けられ、ワークが載置されるステージと、
前記圧力容器内において前記ステージの上方に設けられるシリンジを含む液滴形成部と、
前記シリンジに試験液を供給するための試験液供給部と、
前記圧力容器と前記試験液供給部とを連通させるための連通ラインと、
前記ステージに対する前記シリンジの上下方向における相対位置を変化させるように前記ステージ又は前記シリンジの少なくとも一方を移動させるように構成された第1移動機構と、
を備える濡れ性評価装置。
【請求項2】
前記圧力容器及び前記試験液供給部を収容するための恒温槽を備える
請求項1に記載の濡れ性評価装置。
【請求項3】
前記圧力容器に雰囲気流体を供給するための雰囲気流体供給部を備え、
前記雰囲気流体供給部は、
前記雰囲気流体を貯留するための雰囲気流体貯留部と、
前記雰囲気流体貯留部からの前記雰囲気流体を前記圧力容器に導くための雰囲気流体供給ラインと、を含み、
前記試験液供給部は、
前記試験液を貯留するための試験液貯留部と、
前記試験液貯留部からの前記試験液を前記シリンジに導くための試験液供給ラインと、を含み、
前記連通ラインは、前記雰囲気流体供給ラインを介して、前記圧力容器と前記試験液貯留部とを連通させるように構成された
請求項1又は2に記載の濡れ性評価装置。
【請求項4】
前記第1移動機構は、
前記圧力容器を貫通する第1軸部と、
前記圧力容器の内部に設けられ、前記第1軸部とともに前記第1軸部の軸方向に移動可能なシリンジ保持部と、
前記圧力容器の外部に設けられ、前記第1軸部に取り付けられる第1操作部と、
を含み、
前記第1軸部の回転運動を前記第1軸部の直線運動に変換するように構成された
請求項1又は2に記載の濡れ性評価装置。
【請求項5】
前記液滴形成部は、前記シリンジ内を前記シリンジの軸方向に沿って摺動可能なピストンを含み、
前記ピストンを上下動させるための第2移動機構を備え、
前記第2移動機構は、
前記圧力容器を貫通する第2軸部と、
前記圧力容器の内部に設けられ、前記第2軸部とともに前記第2軸部の軸方向に移動可能であり、前記ピストンを押し下げる又は押し上げるためのピストン押し部と、
前記圧力容器の外部に設けられ、前記第2軸部に取り付けられる第2操作部と、
を含み、
前記第2軸部の回転運動を前記第2軸部の直線運動に変換するように構成された
請求項1又は2に記載の濡れ性評価装置。
【請求項6】
前記シリンジは、前記シリンジの内周面に開口する一端、及び、前記シリンジの側面に開口する他端を有する注入孔を有し、
前記注入孔を介して、前記試験液供給部からの試験液が前記シリンジに供給されるように構成された
請求項1又は2に記載の濡れ性評価装置。
【請求項7】
前記ステージ上に載置された前記ワークを加熱するための加熱部を備える
請求項1又は2に記載の濡れ性評価装置。
【請求項8】
前記ステージは、上下方向に沿った回転軸の周りを回転可能に構成された
請求項1又は2に記載の濡れ性評価装置。
【請求項9】
前記ステージの上面の水平方向に対する角度を調節するための角度調節部を備える
請求項1又は2に記載の濡れ性評価装置。
【請求項10】
前記圧力容器に設けられるサイトグラスと、
前記ワーク上に付着された液滴を前記サイトグラス越しに撮像するための撮像部と、
を備える請求項1又は2に記載の濡れ性評価装置。
【請求項11】
ワークが載置されたステージ、及び、シリンジが内部に設けられた圧力容器と、前記シリンジに試験液を供給するための試験液供給部とを連通させて、前記圧力容器と前記試験液供給部とを均圧させるステップと、
前記圧力容器と前記試験液供給部とが均圧された状態で、前記試験液供給部から前記シリンジに前記試験液を供給する供給ステップと、
前記シリンジの先端に前記試験液の液滴を形成する液滴形成ステップと、
前記ステージに対する前記シリンジの上下方向における相対位置を変化させて、前記試験液の前記液滴を前記ワークに付着させるステップと、
を備える濡れ性評価方法。
【請求項12】
前記供給ステップでは、前記シリンジにピストンが装着された状態で、前記シリンジの内壁面に開口する一端及び前記シリンジの側面に開口する他端を有する注入孔を介して、前記試験液供給部からの前記試験液を前記シリンジに供給し、
前記シリンジへの前記試験液の供給後、前記シリンジに対して前記ピストンを動かして前記ピストンで前記注入孔の開口を塞ぐステップを備え、
前記液滴形成ステップでは、前記注入孔の前記開口を塞いだ状態で前記シリンジの先端に前記試験液の液滴を形成する
請求項11に記載の濡れ性評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器の伝熱性能は、熱交換器の伝熱面に対する液体(冷媒等の熱媒体や機械油等)の濡れ性に影響を受け得る。例えば、流下液膜蒸発器のように、伝熱面上に冷媒の液膜を形成し、被冷却媒体からの熱で冷媒を蒸発させることにより冷却を行う熱交換器においては、ドライアウトや冷凍機油により伝熱性能が低下し得る。そこで、伝熱面(例えば金属)に対する液体の濡れ性を適切に評価することが重要である。
【0003】
濡れ性を評価する方法として、液滴の接触角を測定することが挙げられる。一般的な接触角計による接触角の測定方法では、例えば特許文献1に記載されるように、シリンジ等の針先に液滴を形成させ、ワーク(固体試料)を設置したステージを上下させることで液滴をワークの測定面に付着させる。そして、測定面に付着した液滴を側面からCCDカメラ等で撮影して、静止画像に基づいて液滴の接線と固体表面とのなす角を算出する。一般に、接触角計は室内に開放する形で設置され、測定は大気圧下で行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-277373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性を適切に評価するためには、圧力や温度等の熱交換器の運転条件を模擬した環境下で濡れ性の評価(接触角の測定等)を行う必要がある。しかしながら、従来、熱交換器の運転条件を模擬した環境下で濡れ性を評価するための装置や方法は存在しなかった。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性を適切に評価することが可能な濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の少なくとも一実施形態に係る濡れ性評価装置は、
圧力容器と、
前記圧力容器内に設けられ、ワークが載置されるステージと、
前記圧力容器内において前記ステージの上方に設けられるシリンジを含む液滴形成部と、
前記シリンジに試験液を供給するための試験液供給部と、
前記圧力容器と前記試験液供給部とを連通させるための連通ラインと、
前記ステージに対する前記シリンジの上下方向における相対位置を変化させるように前記ステージ又は前記シリンジの少なくとも一方を移動させるように構成された第1移動機構と、
を備える。
【0008】
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る濡れ性評価方法は、
ワークが載置されたステージ、及び、シリンジが内部に設けられた圧力容器と、前記シリンジに試験液を供給するための試験液供給部とを連通させて、前記圧力容器と前記試験液供給部とを均圧させるステップと、
前記圧力容器と前記試験液供給部とが均圧された状態で、前記試験液供給部から前記シリンジに前記試験液を供給する供給ステップと、
前記シリンジの先端に前記試験液の液滴を形成する液滴形成ステップと、
前記ステージに対する前記シリンジの上下方向における相対位置を変化させて、前記試験液の前記液滴を前記ワークに付着させるステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性を適切に評価することが可能な濡れ性評価装置及び濡れ性評価方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る濡れ性評価装置を示す概略図である。
図2】一実施形態に係る濡れ性評価装置の圧力容器の内部を示す概略図である。
図3】一実施形態に係る第1移動機構の一部を拡大して示す概略図である。
図4図2に示す濡れ性評価装置の一部を拡大して示す図である。
図5】一実施形態に係る濡れ性評価方法のフローチャートである。
図6】一実施形態に係る濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。
図7】一実施形態に係る濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。
図8】一実施形態に係る濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。
図9】一実施形態に係る濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。
図10】一実施形態に係る濡れ性評価装置の圧力容器の内部を示す概略図である。
図11】一実施形態に係る濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。
図12】一実施形態に係る濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。
図13】一実施形態に係る濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0012】
(濡れ性評価装置の構成)
図1は、一実施形態に係る濡れ性評価装置を示す概略図である。図2は、図1に示す濡れ性評価装置の圧力容器の内部を示す概略図である。図10は、別の一実施形態に係る濡れ性評価装置の圧力容器の内部を示す概略図である。図1図2及び図10に示すように、一実施形態に係る濡れ性評価装置1は、圧力容器4と、圧力容器4の内部に設けられるステージ10と、液滴を形成するための液滴形成部40と、を備えている。液滴形成部40は、圧力容器4の内部にそれぞれ設けられるシリンジ42及びピストン48を含む。また、濡れ性評価装置1は、シリンジ42に試験液を供給するための試験液供給部20と、圧力容器4と試験液供給部20とを連通させるための連通ライン38と、ステージ10又はシリンジ42の少なくとも一方を移動させるための第1移動機構60を備えている。
【0013】
図1に示すように、濡れ性評価装置1は、圧力容器4及び試験液供給部20を収容する恒温槽2を備えていてもよい。また、図1に示すように、濡れ性評価装置1は、圧力容器4の内部に雰囲気流体を供給するための雰囲気流体供給部30を備えていてもよい。また、図1図2及び図10に示すように、濡れ性評価装置1は、ピストン48を上下動させるための第2移動機構80を備えていてもよい。また、図1に示すように、濡れ性評価装置1は、ステージ10上に載置されるワークW、及び、該ワークWに付着された液滴を撮像するための撮像部8を備えていてもよい。
【0014】
圧力容器4は、密閉可能な構造を有しており、内部の圧力が維持されるように構成される。図1に示すように、圧力容器4の側面には、少なくとも1つのサイトグラス6が設けられ、サイトグラス6を通して、圧力容器4の内部に照明光を取り入れたり、撮像部8により圧力容器4の内部を撮像したりすることができるようになっている。図1に示すように、圧力容器4の複数の側面の各々にサイトグラス6が設けられていてもよい。幾つかの実施形態では、圧力容器の正面及び背面にサイトグラスが設けられていてもよい。これにより、圧力容器の正面及び背面のサイトグラスを介して圧力容器内に照明光を取入れ可能となるので、撮像部8によって撮影される画像における撮影対象(液滴等)の輪郭を明確にすることができる。幾つかの実施形態では、さらに、圧力容器の側面にサイトグラスが設けられていてもよい。これにより、容器内により多くの照明光を取り入れることができ、撮影対象の輪郭がより明確な画像を得ることができる。なお、図1に示す例示的な実施形態では、圧力容器4の4つの側面の各々にサイトグラス6が設けられ(なお、図1では4つのうち3つのサイトグラス6が図示されている)、4方向から光を取り入れられるようになっている。このように、サイトグラス6を介して照明光を取り入れるとともに、撮像部8を用いて圧力容器4の内部の液滴及びワークWを撮像することで、液滴やワークWの輪郭等が鮮明な画像を取得することができる。なお、照明光としてLEDライトなどの光源を適宜設けてもよい。
【0015】
ステージ10は、ワークWが載置される上面10aを有する。図2に示すように、ステージ10は、圧力容器4に固定されるステージ支持部12に支持される。ステージ支持部12は、上下方向に沿って延びるとともに圧力容器4の底面に固定されていてもよい。
【0016】
ステージ10に載置されるワークWは、濡れ性の評価対象の機器(熱交換器等)を構成する材料から形成されたものであってもよい。
【0017】
液滴形成部40を構成するシリンジ42は、圧力容器4の内部においてステージ10の上方に設けられる。シリンジ42は、上下方向に沿って延びるシリンジ穴44を有し、該シリンジ穴44に試験液を貯留することができる。シリンジ42の下端部には、試験液の液滴を形成するための針46が設けられている。針46の内部空間はシリンジ穴44と連通している。また、シリンジ42は、シリンジ42の内部に試験液を注入するための注入孔45を有する。注入孔45は、シリンジ42の内周面に開口する一端45a、及び、シリンジ42の側面に開口する他端45bを有する。
【0018】
液滴形成部40を構成するピストン48は、シリンジ穴44の上部開口端からシリンジ穴44の内部に挿入されており、シリンジ42内をシリンジ42の軸方向(すなわち上下方向)に沿って摺動可能に構成される。シリンジ42の内部に(すなわちシリンジ穴44に)試験液が貯留された状態で、ピストン48を下方に向かって適量押下げることにより、針46の先端に試験液の液滴を形成することができる。ピストン48にはピストンロッド50が接続されており、ピストン48は、ピストンロッド50とともに上下動可能である。ピストンロッド50の上端部にはピストンフランジ52が設けられている。
【0019】
試験液供給部20は、圧力容器4の外部に設けられ、試験液を貯留するための試験液貯留部22と、試験液貯留部22からの試験液をシリンジ42に導くための試験液供給ライン24と、を含む。試験液供給ライン24には、試験液貯留部22からシリンジ42への試験液の供給量を調節するための試験液バルブ26が設けられる。図1図2及び図10に示すように、試験液貯留部22からの試験液は、試験液貯留部22の底部に接続される試験液供給ライン24、圧力容器4に設けられる貫通孔5、貫通孔5と注入孔45の間に設けられる接続チューブ25、及び注入孔45を介して、シリンジ42の内部に供給可能である。
【0020】
試験液は、ワークWに対する濡れ性評価対象の液体である。試験液は、評価対象の機器(熱交換器等)で用いられる冷媒等の熱媒体、又は、冷凍機油等の機械油であってもよい。
【0021】
雰囲気流体供給部30は、圧力容器4の外部に設けられ、雰囲気流体を貯留するための雰囲気流体貯留部32と、雰囲気流体貯留部32からの雰囲気流体を圧力容器4の内部に導くための雰囲気流体供給ライン34と、を含む。雰囲気流体供給ライン34には、雰囲気流体貯留部32から圧力容器4への雰囲気流体の供給量を調節するための雰囲気流体バルブ36が設けられる。図1図2及び図10に示すように、雰囲気流体貯留部32からの雰囲気流体は、雰囲気流体貯留部32の底部に接続される雰囲気流体供給ライン34、及び、圧力容器4に設けられる貫通孔7を介して、圧力容器4の内部に供給可能である。
【0022】
雰囲気流体は、評価対象の機器(熱交換器等)の内部において機器の運転中に気液平衡の状態で存在する流体を模した流体であってもよく、例えば、冷媒等の熱媒体であってもよい。雰囲気流体は、上述の試験液と同一種類の液体であってもよい。例えば、試験液と雰囲気流体とが同一の冷媒であってもよい。
【0023】
連通ライン38は、圧力容器4の内部空間と試験液供給部20とを連通させるように構成される。図1に示す例示的な実施形態では、連通ライン38は、雰囲気流体供給ライン34を介して、圧力容器4と試験液貯留部22の気相部とを連通させるように構成されている。連通ライン38には、圧力容器4と試験液供給部20との連通状態を切替えるための連通切替えバルブ39が設けられている。
【0024】
なお、図1に示す例示的な実施形態では、濡れ性評価装置1は、圧力容器4の内部の気体を排出するための排気ライン120と、排気ライン120に設けられる吸引ポンプ124と、を含む。排気ライン120には、排気バルブ122が設けられる。
【0025】
恒温槽2は、少なくとも圧力容器4及び試験液供給部20を収容し、該恒温槽2の内部の温度を所定範囲に維持するように構成される。図1に示すように、恒温槽2は、圧力容器4及び試験液供給部20に加え、連通ライン38、雰囲気流体供給部30、吸引ポンプ124、及び/又は、撮像部8を収容するように構成されていてもよい。
【0026】
第1移動機構60は、ステージ10に対するシリンジ42の上下方向における相対位置を変化させるようにステージ10又はシリンジ42の少なくとも一方を移動させるように構成される。図2及び図10に示す第1移動機構60は、ステージ10に対するシリンジ42の上下方向における相対位置を変化させるように、シリンジ42を移動させるように構成されている。ここで、図3は、図2及び図10に示す第1移動機構60の一部を拡大して示す概略図である。
【0027】
図2図3及び図10に示す第1移動機構60は、上下方向に沿って延在し、圧力容器4を貫通する第1軸部と、第1軸部64に取り付けられる第1操作部62と、シリンジ42を保持するためのシリンジ保持部66と、を含む。
【0028】
第1操作部62は、圧力容器4の外部に設けられており、圧力容器4の外部において手動操作可能となっている。図2図3及び図10に示す第1操作部62は、手動で把持して回転させることが可能な操作ハンドルを含む。
【0029】
シリンジ保持部66は、圧力容器4の内部に設けられているとともに、第1軸部64とともに第1軸部64の軸方向(即ち上下方向)に移動可能に構成される。
【0030】
図2及び図10に示す例では、シリンジ保持部66は、水平方向に沿って延びる形状を有しており、一端部がシリンジ42の側面に設けられた溝(不図示)に係合することによって、シリンジ42に取り付けられている。また、シリンジ保持部66の他端部には貫通孔67が設けられており、この貫通孔67を第1軸部64が貫通している。シリンジ保持部66の貫通孔67の上方及び下方の位置において、第1軸部64にナット68A,68Bが固定されているとともに、ナット68A,68Bとシリンジ保持部66の間に付勢部材70A,70B(例えばワッシャー)が設けられている。第1軸部64に施された雄ねじにナット68A,68Bを螺合させることで、ナット68A,68Bを第1軸部64に固定してもよい。付勢部材70A,70Bは、ナット68A,68Bからシリンジ保持部66に向かう付勢力をシリンジ保持部66に与えるように構成される。これにより、軸方向におけるシリンジ保持部66の第1軸部64に対する位置が維持されるようになっている。また、シリンジ保持部66は、上下方向に延びる案内スリット74によって、第1軸部64の回転軸周りの回転方向の移動を規制されながら、軸方向(即ち上下方向)の移動を案内されるようになっている。したがって、第1軸部64が回転しながら上下方向に移動するとき、シリンジ保持部66及びシリンジ42は、第1軸部64とともに上下方向に移動する。なお、図示する実施形態では、案内スリット74は、圧力容器4に固定される案内管72に設けられている。案内管72には、上端部の開口を介して第1軸部64の一部が挿入されるようになっている。
【0031】
上述の第1移動機構60は、第1軸部64の回転運動を第1軸部64の直線運動に変換するように構成される。図2図3及び図10に示す例では、第1軸部64及び圧力容器4に設けられるねじによって、第1軸部64の回転運動が直線運動に変換されるようになっている。
【0032】
図3に示すように、圧力容器4は、上方に突出する筒状の突出部102を有し、該突出部102の内周面には雌ねじ103が形成されている。第1軸部64は、圧力容器4の突出部102を貫通するように設けられ、第1軸部64のうち該突出部102を貫通する部分には、突出部102の雌ねじ103と螺合可能な雄ねじ65が設けられている。したがって、上述の雌ねじ103と雄ねじ65が螺合した状態で、第1操作部62等を介して第1軸部64をねじ回すことにより、第1軸部64が軸方向(即ち上下方向)に沿って移動する。このようにして、第1軸部64の回転運動が直線運動に変換される。また、第1軸部64のねじ回し量を適宜調節することで、第1軸部64及びシリンジ42を所望の距離だけ軸方向(上下方向)に移動させることができる。
【0033】
なお、図3に示すように、圧力容器4の第1軸部64による貫通部には、シール部100が設けられる。シール部100は、圧力容器4の突出部102の内周面と第1軸部64の外周面との間に設けられるシール部材108と、シール部材108を所定位置に保持するとともにシール部材108を突出部102の内周面と第1軸部64の外周面に対して押しつけることで圧力容器4の内圧を維持するためのキャップ部材106と、を含む。キャップ部材106の内周面に形成された雌ねじ107と、突出部102の外周面に形成された雄ねじ104とを螺合させてキャップ部材106を締めこむことで、シール部材108が所定位置に保持される。
【0034】
第2移動機構80は、ピストン48を上下動させるように構成される。図2に示す例示的な実施形態では、第2移動機構80は、ピストン48を下方に押下げるための押下げ機構80Aと、ピストン48を上方に押し上げるための押上げ機構80Bと、を含む。以下、押下げ機構80Aと押上げ機構80Bを第2移動機構80と総称する場合がある。図10に示す例示的な実施形態では、第2移動機構80は、ピストン48を下方に押下げることが可能であるとともに、ピストン48を上方に押し上げることが可能である。
【0035】
図2及び図10に示す第2移動機構80は、上下方向に沿って延在し、圧力容器4を貫通する第2軸部84(84A,84B)と、第2軸部84に取り付けられる第2操作部82(82A,82B)と、ピストン48を押し下げる又は押し上げるためのピストン押し部86(86A,86B)と、を含む。
【0036】
第2操作部82は、圧力容器4の外部に設けられており、圧力容器4の外部において手動操作可能となっている。図2及び図10に示す第2操作部82は、手動で把持して回転させることが可能な操作ハンドルを含む。
【0037】
ピストン押し部86は、圧力容器4の内部に設けられているとともに、第2軸部84とともに第2軸部84の軸方向(即ち上下方向)に移動可能に構成される。
【0038】
図2に示す押下げ機構80Aのピストン押し部86Aは、第2軸部84Aの下端部に設けられたフランジを含む。押下げ機構80Aは、第2軸部84Aが軸方向に下方に移動することで、第2軸部84Aとともに軸方向に移動するピストン押し部86A(フランジ)によって、ピストンフランジ52、ピストンロッド50及びピストン48を押し下げることが可能である。
【0039】
図2に示す押上げ機構80Bのピストン押し部86Bは、水平方向に沿って延びる形状を有している。ピストン押し部86Bの一端部には貫通孔88が設けられており、この貫通孔88をピストンロッド50が貫通している。ピストン押し部86Bの他端部には貫通孔95が設けられており、この貫通孔95を第2軸部84Bが貫通している。ピストン押し部86Bの貫通孔95の上方及び下方の位置において、第2軸部84Bにナット94A,94Bが固定されているとともに、ナット94A,94Bとピストン押し部86Bの間に付勢部材96A,96B(例えばワッシャー)が設けられている。第2軸部84Bに施された雄ねじにナット94A,94Bを螺合させることで、ナット94A,94Bを第2軸部84Bに固定してもよい。付勢部材96A,96Bは、ナット94A,94Bからピストン押し部86Bに向かう付勢力をピストン押し部86Bに与えるように構成される。これにより、軸方向におけるピストン押し部86Bの第2軸部84Bに対する位置が維持されるようになっている。また、ピストン押し部86Bは、上下方向に延びる案内スリット99によって、第2軸部84Bの回転軸周りの回転方向の移動を規制されながら、軸方向(即ち上下方向)の移動を案内されるようになっている。したがって、第2軸部84Bが回転しながら上下方向に移動するとき、ピストン押し部86Bは、第2軸部84Bとともに上下方向に移動する。なお、図示する実施形態では、案内スリット99は、圧力容器4に固定される案内管98に設けられている。案内管98には、上端部の開口を介して第2軸部84Bの一部が挿入されるようになっている。
【0040】
押上げ機構80Bは、第2軸部84Bが軸方向に上方に移動することで、第2軸部84Bとともに軸方向に移動するピストン押し部86Bによって、該ピストン押し部86Bの上面87を介してピストンフランジ52、ピストンロッド50及びピストン48を押し上げることが可能である。
【0041】
図10に示すピストン押し部86は、上枠116と、下枠117と、上枠116と下枠117を接続する接続部118,119を含む、枠状の形状を有しており、下枠117をピストンロッド50が貫通している。ピストンロッド50が貫通する下枠117の孔の径は、ピストンロッド50よりも大きく、ピストンフランジ52よりも小さい。
【0042】
図10に示す第2移動機構80は、第2軸部84が軸方向に下方に移動することで、第2軸部84とともに軸方向に移動するピストン押し部86の上枠116の下面によって、ピストンフランジ52、ピストンロッド50及びピストン48を押し下げることが可能である。また、図10に示す第2移動機構80は、第2軸部84が軸方向に上方に移動することで、第2軸部84とともに軸方向に移動するピストン押し部86の下枠117の上面によって、ピストンフランジ52、ピストンロッド50及びピストン48を押し上げることが可能である。
【0043】
上述の第2移動機構80(押下げ機構80A及び押上げ機構80B)は、第2軸部84の回転運動を第2軸部84の直線運動に変換するように構成される。第2移動機構80は、既に説明した第1移動機構60と同様の構造を有していてもよい。
【0044】
撮像部8は、サイトグラス6越しに、圧力容器4内部のステージ10上のワークW、及び、ワークWの上に付着される液滴を撮像して画像を取得するように構成される。撮像部8は、CCDカメラ等のカメラを含んでもよい。撮像部8で得られた画像を解析することで、ワークWの表面に対する液滴の接触角、又は、ワークWの表面における液滴の最大液広がり面積を計測することができる。
【0045】
濡れ性評価装置1は、ステージ10上に載置されたワークWを加熱するための加熱部を備えていてもよい。図4は、図2に示す濡れ性評価装置1の一部を拡大して示す図である。図4に示す例では、濡れ性評価装置1は、ステージ10の下方(ワークWが載置される面とは反対側)に設けられる加熱部14を含む。加熱部14は、セラミックヒータ等のヒータであってもよい。図4に示すように、加熱部14の周囲には、熱伝導体16がステージ10に接触するように設けられていてもよい。また、図4に示すように、ステージ10の温度を検出するための熱電対18が設けられていてもよい。
【0046】
また、濡れ性評価装置1は、各部位における圧力や温度を検出するためのセンサを含んでもよい。図1に示す例示的な実施形態では、濡れ性評価装置1には、圧力容器4内の圧力を検出するための圧力センサ202、連通ライン38の圧力を検出するための圧力センサ200、及び、雰囲気流体供給ライン34の温度を検出するための温度センサ204が設けられている。
【0047】
上述の実施形態に係る濡れ性評価装置1では、圧力容器4内に、ワークWが載置されるステージ10、及び、ワークWの表面に付着させる液滴を形成するための液滴形成部40が設けられる。したがって、圧力容器4内において熱媒体等の気液平衡状態を形成することができ、熱交換器の運転状態を模擬することができる。
【0048】
また、圧力容器4と試験液供給部20との間に圧力差があると、試験液供給部20から圧力容器4内のシリンジ42に試験液を供給したときに、シリンジ42の先端に適切に液滴を形成するのが難しい。例えば、比較的低圧の試験液供給部20からシリンジ42に試験液を供給した場合、液滴形成時には、より高い圧力でピストン48を押圧する必要がある。このため、ピストン48で押し出されるシリンジ42内の試験液の温度及び圧力が上昇するが、該試験液が針46を通り針46の先端から圧力容器4の内部に押し出されるときには、圧力容器4と同じ圧力に減圧されるため、気液二相状態となり、針46の先端部で液がフラッシュし、液の一部が圧力容器4内に飛散し、針の先端部に液滴を適切に形成することができない。この点、上述の実施形態に係る濡れ性評価装置1では、連通ライン38を介して圧力容器4と試験液供給部20とを連通させることができる。これにより、圧力容器4の内部と試験液供給部20とを均圧にできるので、試験液供給部20からの試験液をシリンジ42に適切に供給することができるとともに、シリンジ42先端(針46の先端)に液滴を適切に形成することができる。
【0049】
また、上述の実施形態に係る濡れ性評価装置1では、第1移動機構60を設けたので、ステージ10に対するシリンジ42の上下方向における相対位置を変化させるようにステージ10とシリンジ42の少なくとも一方を移動させて両者を近づけることができる。これにより、圧力容器4の内部において、シリンジ42の先端に形成された液滴をステージ10上のワークWに安定的に載せることができる。このため、シリンジ42の先端からワークW上に液滴を落下させて付着させる場合等に比べて、ワークW上の液滴の形状の再現性が良好となる。なお、シリンジ42の先端から液滴を落下させてワークWに付着させた場合、液滴がワークWに衝突することで液滴に水平方向への慣性力が働くため、衝突の仕方によって液滴の形状が様々に変化するので、濡れ性測定を正確に行うことができなくなる。これに対し、上述の実施形態では、シリンジ42の先端をステージ10に近付けてシリンジ42の先端の液滴をワークWに載せることができるので、液滴に作用する慣性力等の外力を低減しながら液滴をワークWに付着させることができる。即ち、シリンジ42の先端に形成された液滴の形状の再現性が良好となる。
【0050】
よって、上述の実施形態に係る濡れ性評価装置1によれば、熱交換器の運転条件を模擬した環境下で、ワークWに対する液体(試験液)の濡れ性を適切に測定することができる。よって、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性を適切に評価することができる。
【0051】
また、上述の実施形態に係る濡れ性評価装置1は、圧力容器4及び試験液供給部20を収容するための恒温槽2を備える。
【0052】
圧力容器4の温度と試験液供給部20の温度が異なる場合、均圧していたとしても、試験液供給部20からシリンジ42に供給される試験液と圧力容器4の温度が異なるため、シリンジ42先端からピストン48で押し出されるときに試験液の温度や圧力が変化する。このため、シリンジ42の先端に試験液の液滴を適切に形成できない場合がある。この点、上述の実施形態に係る濡れ性評価装置1では、圧力容器4及び試験液供給部20が恒温槽2に収容されるため、圧力容器4及び試験液供給部20からの試験液が同じ温度に維持されやすい。よって、シリンジ42の先端から押し出されるときに試験液の温度及び圧力が維持されやすく、このため、シリンジ42の先端に試験液の液滴をより適切に形成しやすい。
【0053】
特に図示しないが、ステージ10は、上下方向に沿った回転軸の周りを回転可能に構成されていてもよい。
【0054】
この場合、ワークWを載置するためのステージ10が上下方向に沿った回転軸の周りを回転可能である。よって、例えば、ワークW上の液滴の接触角等の測定後に、ステージ10を回転軸周りに所定角度回転させることで、ワークWの上面のうち液滴が載っていない部分をシリンジ42の先端(針46)に対向させることができる。これにより、該液滴がワークW上に残っていても、液滴が載っていない部分に次の液滴を付着させることで、速やかに次の計測を行うことができる。よって、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性評価を効率的に行うことができる。
【0055】
また、特に図示しないが、濡れ性評価装置1は、ステージ10の上面10aの水平方向に対する角度を調節するための角度調節部を備えていてもよい。
【0056】
この場合、角度調節部により、ステージ10の上面10aの水平方向に対する角度を変化させることができる。よって、ステージ10上のワークWに液滴を付着させた状態でステージ10の上面10aの水平方向に対する角度を変化させることにより、液体の動的接触角を測定することができる。
【0057】
(濡れ性評価方法)
以下、幾つかの実施形態に係る濡れ性評価方法について説明する。図5は、一実施形態に係る濡れ性評価方法のフローチャートである。図6図9は、それぞれ、図1及び図2に示す濡れ性評価装置を用いて濡れ性評価方法を実施する場合の、濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。図10図13は、それぞれ、図10に示す濡れ性評価装置を用いて濡れ性評価方法を実施する場合の、濡れ性評価装置の状態変化を示す図である。なお、図11図13は、図10に示す濡れ性評価装置の一部を拡大して示すものである。
【0058】
一実施形態に係る濡れ性評価方法では、先ず、試験液貯留部22及び雰囲気流体貯留部32を、試験液供給ライン24及び雰囲気流体供給ライン34をそれぞれ介して圧力容器4に接続した状態で、恒温槽2の槽内の温度を試験温度に調節する(S2)。試験温度は、評価対象の機器(例えば蒸発器等の熱交換器)の運転状態における温度であってもよい。また、試験液バルブ26、雰囲気流体バルブ36及び連通切替えバルブ39を閉じ、かつ、排気バルブ122を開けた状態で吸引ポンプ124を動作させて、圧力容器4を含む系を真空にし、排気バルブ122を閉める。
【0059】
次に、圧力容器4を含む系の温度が恒温槽2の設定温度と等しくなったことを確認した後、雰囲気流体バルブ36を開けて、雰囲気流体貯留部32からの雰囲気流体F図6及び図10参照)を、雰囲気流体供給ライン34を介して、圧力容器4の下部に溜まるように供給する(S4)。適量の雰囲気流体Fが圧力容器4の下部に溜まったら、雰囲気流体バルブ36を閉める。なお、圧力容器4を含む系の温度は、例えば上述の温度センサ204で検出することができる。
【0060】
次に、圧力容器4内が雰囲気流体Fの飽和状態(冷媒飽和状態)となるまで待機する(S6)。圧力容器4内が飽和状態になったか否かは、圧力センサ200、202で検出される圧力が、試験温度における雰囲気流体Fの飽和圧力になっているか否かによって判断することができる。
【0061】
次に、連通切替えバルブ39を開けて、圧力容器4と試験液供給部20を連通させて、圧力容器4と試験液供給部20を均圧させる(S8)。
【0062】
次に、連通切替えバルブ39を開けた状態のままで(すなわち、圧力容器4と試験液供給部20とが連通されて均圧された状態で)、試験液バルブ26を開き、図6及び図10に示すように、試験液供給部20からの試験液L図6及び図10参照)を、試験液供給ライン24、貫通孔5、接続チューブ25及び注入孔45を介して、圧力容器4内のシリンジ42に供給する(S10)。
【0063】
ステップS10で適切な量の試験液Lをシリンジ42内に供給したら、シリンジ42に対してピストン48を少し押し下げて、ピストン48で注入孔の一端45a側の開口を塞ぐようにしてもよい。これにより、例えば試験液Lの自重により過剰な量の試験液Lが注入孔45を介してシリンジ42に流入するのを抑制することができる。
【0064】
また、ステップS10で適切な量の試験液Lをシリンジ42内に供給したら、連通切替えバルブ39及び試験液バルブ26を閉める。
【0065】
次に、図7及び図11に示すように、第2移動機構80の第2操作部82(図2等では第2操作部82A)を回転させることにより、ピストン押し部86(図2等ではピストン押し部86A)を操作してピストン48を押下げて、ピストン48でシリンジ42内の試験液Lを押し出し、シリンジ42の先端部(針46の先端部)に試験液Lの液滴D(図7及び図11参照)を形成する(S12)。
【0066】
シリンジ42の先端に試験液Lの液滴Dが形成されたら、撮像部8等を用いて液滴Dを撮影し、得られた画像から計測される液滴Dの径に基づき、試験液Lの滴下量を取得してもよい。
【0067】
以上の手順により、適切なサイズの液滴Dが得られたら、図8に示すように、第1移動機構60の第1操作部62を回転させることにより、シリンジ42を下方に動かし、ステージ10に近付けて(S14)、シリンジ42先端部の液滴Dをステージ10上に載置されたワークWに静かに接触させ、付着させる(S16)。また、撮像部8を用いて、ワークW及びワークW上の液滴Dを撮像し、濡れ性評価のための画像を取得する(S18)。ステップS18で取得した画像に基づき、ワークWに対する試験液Lの接触角や、ワークW表面における試験液Lの最大液広がり面積を計測することができる。これにより、ワークWに対する試験液Lの濡れ性を評価することができる。
【0068】
次に、図9及び図12に示すように、第1移動機構60の第1操作部62及び第2移動機構80(図2等では第2移動機構80A及び80B)の第2操作部82(図2等では第2操作部82A及び82B)を回転させることにより、シリンジ42及びピストン48を上方に移動させ、初期位置(例えば図6及び図10に示す位置)に戻す(S20)。なお、この後、図9に示す実施形態では、第2操作部82Bを再度回転させることによりピストン押し部86Bを下方に移動させ、例えばピストン押し部86Bを初期位置(例えば図6に示す位置)に戻す。また、図12に示す実施形態では、図13に示すように、第2操作部82を再度回転させることによりピストン押し部86を下方に移動させ、ピストン押し部86を初期位置(例えば図10に示す位置)に戻す。
【0069】
以上の一連の手順により、試験液Lの液滴についての測定が終了したら、加熱部14(図4参照)を用いてワークWを加熱して、ワークW上の液滴Dを蒸発させる。ワークW上の液滴Dが蒸発したら、加熱部14によるワークWの加熱を停止する。
【0070】
この後、連続して次の試験を行う場合は、熱電対18(図4参照)等を用いてワークWの温度が飽和温度(試験温度)と同等になったことを確認し、ステップS8移行の手順を繰り返し行う。
【0071】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0072】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る濡れ性評価装置(1)は、
圧力容器(4)と、
前記圧力容器内に設けられ、ワーク(W)が載置されるステージ(10)と、
前記圧力容器内において前記ステージの上方に設けられるシリンジ(42)を含む液滴形成部(40)と、
前記シリンジに試験液を供給するための試験液供給部(20)と、
前記圧力容器と前記試験液供給部とを連通させるための連通ライン(40)と、
前記ステージに対する前記シリンジの上下方向における相対位置を変化させるように前記ステージ又は前記シリンジの少なくとも一方を移動させるように構成された第1移動機構(60)と、
を備える。
【0073】
上記(1)の構成では、圧力容器内に、ワークが載置されるステージ、及び、ワークの表面に付着させる液滴を形成するための液滴形成部が設けられる。したがって、圧力容器内において熱媒体等の気液平衡状態を形成することができ、熱交換器の運転状態を模擬することができる。
また、圧力容器と試験液供給部との間に圧力差があると、試験液供給部から圧力容器内のシリンジに試験液を供給したときに、シリンジの先端に適切に液滴を形成するのが難しい。この点、上記(1)の構成では、連通ラインを介して圧力容器と試験液供給部とを連通させることができる。これにより、圧力容器の内部と試験液供給部とを均圧にできるので、試験液供給部からの試験液をシリンジに適切に供給することができるとともに、シリンジ先端(針の先端)に液滴を適切に形成することができる。
また、上記(1)の構成では、ステージに対するシリンジの上下方向における相対位置を変化させるようにステージとシリンジの少なくとも一方を移動させて両者を近づけることができる。これにより、圧力容器の内部において、シリンジ先端に形成された液滴をステージ上のワークに安定的に載せることができる。このため、シリンジ先端からワーク上に液滴を落下させて付着させる場合等に比べて、ワーク上の液滴の形状の再現性が良好となる。
よって、上記(1)の構成によれば、熱交換器の運転条件を模擬した環境下で、ワークに対する液体(試験液)の濡れ性を適切に測定することができる。よって、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性を適切に評価することができる。
【0074】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記濡れ性評価装置は、
前記圧力容器及び前記試験液供給部を収容するための恒温槽(2)を備える。
【0075】
圧力容器の温度と試験液供給部の温度が異なる場合、均圧していたとしても、試験液供給部からシリンジに供給される試験液と圧力容器の温度が異なるため、シリンジ先端からピストンで押し出されるときに試験液の温度や圧力が変化する。このため、シリンジの先端に試験液の液滴を適切に形成できない場合がある。この点、上記(2)の構成によれば、圧力容器及び試験液供給部が恒温槽に収容されるため、圧力容器及び試験液供給部からの試験液が同じ温度に維持されやすい。よって、シリンジ先端から押し出されるときに試験液の温度及び圧力が維持されやすく、このため、シリンジの先端に試験液の液滴をより適切に形成しやすい。
【0076】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記濡れ性評価装置は、
前記圧力容器に雰囲気流体を供給するための雰囲気流体供給部(30)を備え、
前記雰囲気流体供給部は、
前記雰囲気流体を貯留するための雰囲気流体貯留部(32)と、
前記雰囲気流体貯留部からの前記雰囲気流体を前記圧力容器に導くための雰囲気流体供給ライン(34)と、を含み、
前記試験液供給部は、
前記試験液を貯留するための試験液貯留部(22)と、
前記試験液貯留部からの前記試験液を前記シリンジに導くための試験液供給ライン(24)と、を含み、
前記連通ラインは、前記雰囲気流体供給ラインを介して、前記圧力容器と前記試験液貯留部とを連通させるように構成される。
【0077】
上記(3)の構成では、圧力容器に雰囲気流体(例えば冷媒)を供給するようにしたので、圧力容器の内部において雰囲気流体の気液平衡状態を形成することができる。即ち、熱交換器の運転状態を模擬することができる。また、上記(3)の構成では、雰囲気流体貯留部と圧力容器とを接続する雰囲気流体供給ラインを介して、圧力容器と試験液貯留部とを適切に連通させることができる。よって、上記(3)の構成によれば、熱交換器の運転条件を模擬した環境下で、ワークに対する液体の濡れ性を適切に測定することができる。
【0078】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記第1移動機構は、
前記圧力容器を貫通する第1軸部(64)と、
前記圧力容器の内部に設けられ、前記第1軸部とともに前記第1軸部の軸方向に移動可能なシリンジ保持部(66)と、
前記圧力容器の外部に設けられ、前記第1軸部に取り付けられる第1操作部(62)と、
を含み、
前記第1軸部の回転運動を前記第1軸部の直線運動に変換するように構成される。
【0079】
上記(4)の構成によれば、第1移動機構は、第1軸部の回転運動を軸部の直線運動に変換するように構成される。よって、圧力容器の外部に設けられる第1操作部を第1軸部の回転軸周りに回転させることで、第1操作部とともに第1軸部が回転し、また、第1軸部がシリンジ保持部及び該シリンジ保持部に保持されるシリンジとともに軸方向に移動する。このようにして、圧力容器の外部での操作により、シリンジを第1軸部の軸方向に移動させることができる。これにより、上下方向にてシリンジをステージに近付けるように動かすことで、シリンジ先端に形成された液滴をステージ上のワークに安定的に載せることができる。
【0080】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記液滴形成部は、前記シリンジ内を前記シリンジの軸方向に沿って摺動可能なピストン(48)を含み、
前記濡れ性評価装置は、
前記ピストンを上下動させるための第2移動機構(80)を備え、
前記第2移動機構は、
前記圧力容器を貫通する第2軸部(84)と、
前記圧力容器の内部に設けられ、前記第2軸部とともに前記第2軸部の軸方向に移動可能であり、前記ピストンを押し下げる又は押し上げるためのピストン押し部(86)と、
前記圧力容器の外部に設けられ、前記第2軸部に取り付けられる第2操作部(82)と、
を含み、
前記第2軸部の回転運動を前記第2軸部の直線運動に変換するように構成される。
【0081】
上記(5)の構成では、第2移動機構は、第2軸部の回転運動を軸部の直線運動に変換するように構成される。よって、圧力容器の外部に設けられる第2操作部を第2軸部の回転軸周りに回転させることで、第2操作部とともに第2軸部が回転し、また、第2軸部がピストン押し部とともに軸方向に移動する。このようにして、圧力容器の外部での操作により、ピストン押し部を第2軸部の軸方向に移動させて、ピストン押し部でピストンを押下げたり押し上げたりすることができる。これにより、ピストンを適切に上下動させることで、シリンジの先端に試験液の液滴を適切に形成することができる。
【0082】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記シリンジは、前記シリンジの内周面に開口する一端(45a)、及び、前記シリンジの側面に開口する他端(45b)を有する注入孔(45)を有し、
前記注入孔を介して、前記試験液供給部からの試験液が前記シリンジに供給されるように構成される。
【0083】
上記(6)の構成によれば、シリンジには、シリンジの内周面及び側面に開口する両端を有する注入孔が設けられる。よって、シリンジにピストンを装着したままで、該注入孔を介して試験液をシリンジに供給することができる。よって、シンプルな操作で、シリンジの先端に液滴を形成することができる。
【0084】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記濡れ性評価装置は、
前記ステージ上に載置された前記ワークを加熱するための加熱部(14)を備える。
【0085】
上記(7)の構成によれば、ステージ上に載置されたワークを加熱するための加熱部が設けられる。よって、例えば、ワーク上の液滴の接触角等の測定後に、加熱部でワーク及び液滴を加熱することにより液滴を蒸発させることで、速やかに次の測定の準備を行うことができる。よって、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性評価を効率的に行うことができる。
【0086】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記ステージは、上下方向に沿った回転軸の周りを回転可能に構成される。
【0087】
上記(8)の構成によれば、ワークを載置するためのステージが上下方向に沿った回転軸の周りを回転可能である。よって、例えば、ワーク上の液滴の接触角等の測定後に、ステージを所定角度回転させることで、ワーク上面のうち液滴が載っていない部分をシリンジに対向させることができる。これにより、該液滴がワーク上に残っていても、当該部分に次の液滴を付着させることで、速やかに次の計測を行うことができる。よって、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性評価を効率的に行うことができる。
【0088】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、
前記濡れ性評価装置は、
前記ステージの上面の水平方向に対する角度を調節するための角度調節部を備える。
【0089】
上記(9)の構成によれば、ステージの上面の水平方向に対する角度を調節するための角度調節部を設けたので、ステージの上面の水平方向に対する角度を変化させることができる。よって、ステージ上のワークに液滴を付着させた状態でステージ上面の水平方向に対する角度を変化させることにより、液体の動的接触角を測定することができる。
【0090】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、
前記濡れ性評価装置は、
前記圧力容器に設けられるサイトグラス(6)と、
前記ワーク上に付着された液滴を前記サイトグラス越しに撮像するための撮像部(8)と、
を備える。
【0091】
上記(10)の構成によれば、圧力容器内においてワーク上に付着された液滴をサイトグラス越しに撮像するための撮像部を設けたので、該撮像部で得られる画像データを用いて、ワークに対する液滴の接触角や、液滴の最大液広がり面積を適切に測定することができる。
【0092】
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る濡れ性評価方法は、
ワークが載置されたステージ、及び、シリンジが内部に設けられた圧力容器と、前記シリンジに試験液を供給するための試験液供給部とを連通させて、前記圧力容器と前記試験液供給部とを均圧させるステップ(S8)と、
前記圧力容器と前記試験液供給部とが均圧された状態で、前記試験液供給部から前記シリンジに前記試験液を供給する供給ステップ(S10)と、
前記シリンジの先端に前記試験液の液滴を形成する液滴形成ステップ(S12)と、
前記ステージに対する前記シリンジの上下方向における相対位置を変化させて、前記試験液の前記液滴を前記ワークに付着させるステップ(S14及びS16)と、
を備える。
【0093】
上記(11)の方法では、圧力容器内に、ワークが載置されるステージ、及び、ワークの表面に付着させる液滴を形成するための液滴形成部が設けられる。したがって、圧力容器内において熱媒体等の気液平衡状態を形成することができ、熱交換器の運転状態を模擬することができる。
また、圧力容器と試験液供給部との間に圧力差があると、試験液供給部から圧力容器内のシリンジに試験液を供給したときに、シリンジの先端に適切に液滴を形成するのが難しい。この点、上記(11)の方法では、圧力容器と試験液供給部とを均圧させるので、試験液供給部からの試験液をシリンジに適切に供給することができるとともに、シリンジ先端(針の先端)に液滴を適切に形成することができる。
また、上記(11)の方法では、ステージに対するシリンジの上下方向における相対位置を変化させるようにステージとシリンジの少なくとも一方を移動させて両者を近づけることができる。これにより、圧力容器の内部において、シリンジ先端に形成された液滴をステージ上のワークに安定的に載せることができる。このため、シリンジ先端からワーク上に液滴を落下させて付着させる場合等に比べて、ワーク上の液滴の形状の再現性が良好となる。
よって、上記(11)の方法によれば、熱交換器の運転条件を模擬した環境下で、ワークに対する液体(試験液)の濡れ性を適切に測定することができる。よって、熱交換器の伝熱面に対する液体の濡れ性を適切に評価することができる。
【0094】
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)の方法において、
前記供給ステップでは、前記シリンジにピストンが装着された状態で、前記シリンジの内壁面に開口する一端及び前記シリンジの側面に開口する他端を有する注入孔を介して、前記試験液供給部からの前記試験液を前記シリンジに供給し、
前記シリンジへの前記試験液の供給後、前記シリンジに対して前記ピストンを動かして前記ピストンで前記注入孔の開口を塞ぐステップを備え、
前記液滴形成ステップでは、前記注入孔の前記開口を塞いだ状態で前記シリンジの先端に前記試験液の液滴を形成する。
【0095】
上記(12)の方法によれば、試験液供給部から、注入孔を介してシリンジに試験液を供給した後、シリンジに対してピストンを動かして、ピストンで注入孔の開口を塞ぐ。これにより、例えば試験液の自重により過剰な量の試験液が注入孔を介してシリンジに流入するのを抑制することができる。よって、シリンジの先端に液滴を適切に形成しやすくなる。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0097】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0098】
1 濡れ性評価装置
2 恒温槽
4 圧力容器
5 貫通孔
6 サイトグラス
7 貫通孔
8 撮像部
10 ステージ
10a 上面
12 ステージ支持部
14 加熱部
16 熱伝導体
18 熱電対
20 試験液供給部
22 試験液貯留部
24 試験液供給ライン
25 接続チューブ
26 試験液バルブ
30 雰囲気流体供給部
32 雰囲気流体貯留部
34 雰囲気流体供給ライン
36 雰囲気流体バルブ
38 連通ライン
39 連通切替えバルブ
40 液滴形成部
42 シリンジ
44 シリンジ穴
45 注入孔
45a 一端
45b 他端
46 針
48 ピストン
50 ピストンロッド
52 ピストンフランジ
60 第1移動機構
62 第1操作部
64 第1軸部
65 雄ねじ
66 シリンジ保持部
67 貫通孔
68A ナット
68B ナット
70A 付勢部材
70B 付勢部材
72 案内管
74 案内スリット
80,80A,80B 第2移動機構
82,82A,82B 第2操作部
84,84A,84B 第2軸部
86,86A,86B ピストン押し部
87 上面
88 貫通孔
94A ナット
94B ナット
95 貫通孔
96A 付勢部材
96B 付勢部材
98 案内管
99 案内スリット
100 シール部
102 突出部
103 雌ねじ
104 雄ねじ
106 キャップ部材
107 雌ねじ
108 シール部材
116 上枠
117 下枠
118 接続部
119 接続部
120 排気ライン
122 排気バルブ
124 吸引ポンプ
200 圧力センサ
202 圧力センサ
204 温度センサ
D 液滴
雰囲気流体
試験液
W ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13