(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090235
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】発光装置及び発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20240627BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240627BHJP
H01L 33/64 20100101ALI20240627BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/50
H01L33/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205982
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】三橋 信也
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA12
5F142AA42
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB03
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD13
5F142CE03
5F142CE16
5F142CE18
5F142CE32
5F142CF12
5F142CF25
5F142CF33
5F142CF42
5F142CG03
5F142CG24
5F142CG32
5F142CG42
5F142DA13
5F142DA21
5F142DA72
5F142DA73
5F142DB16
5F142DB18
5F142FA21
(57)【要約】
【課題】コントラストの高い光照射を可能にするとともに、放熱性を高くすることができる発光装置及び発光装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】発光装置は、第1発光素子と、第1発光素子上に配置された第1透光性部材とを有する第1発光部と、第2発光素子と、第2発光素子上に配置された第2透光性部材とを有する第2発光部と、第1透光性部材の第1側面と第2透光性部材の第2側面との間に配置され、第1添加物を含む第1遮光部材と、第1発光素子の第1素子側面と第2発光素子の第2素子側面との間に配置され、且つ第1発光部及び第2発光部を一括して保持する第2遮光部材であって、第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1素子側面を有する第1発光素子と、前記第1発光素子上に配置され、第1側面を有する第1透光性部材とを有する第1発光部と、
前記第1素子側面に対向する第2素子側面を有する第2発光素子と、前記第2発光素子上に配置され、前記第1側面に対向する第2側面を有する第2透光性部材とを有する第2発光部と、
前記第1側面と前記第2側面との間に配置され、第1添加物を含む第1遮光部材と、
前記第1素子側面と前記第2素子側面との間に配置され、且つ前記第1発光部及び前記第2発光部を一括して保持する第2遮光部材であって、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む前記第2遮光部材と、
を備える発光装置。
【請求項2】
前記第1素子側面と前記第2素子側面との間の第1距離は、前記第1側面と前記第2側面との間の第2距離よりも大きく、
前記第2添加物の粒径は、前記第1添加物の粒径よりも大きい請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2添加物の粒径は、前記第1添加物の粒径の1.5倍以上である請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2距離は、10μm以上30μm以下である請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1透光性部材は、他の発光部に隣り合わない第3側面を有し、
前記第3側面に、前記第1遮光部材が配置される請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1透光性部材は、他の発光部に隣り合わない第3側面を有し、
前記第3側面に、前記第2遮光部材が配置される請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
前記第2遮光部材は、前記第1添加物をさらに含む請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1透光性部材は、前記第1発光素子上に配置された第1蛍光体層と、前記第1蛍光体層上に配置された第1光拡散層とを有し、
前記第2透光性部材は、前記第2発光素子上に配置された第2蛍光体層と、前記第2蛍光体層上に配置された第2光拡散層とを有する請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1光拡散層と前記第2光拡散層との間の隙間は、前記第1光拡散層の上面側及び前記第2光拡散層の上面側に位置する第1隙間と、前記第1隙間の下方に位置し、前記第1隙間の幅よりも広い幅を有する第2隙間とを有し、
前記第1隙間に、前記第1添加物が配置され、
前記第2隙間、及び前記第1蛍光体層と前記第2蛍光体層との間に、前記第2添加物が配置される請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1透光性部材は、前記第1発光素子と前記第1蛍光体層との間に配置された第1透光層を有し、
前記第2透光性部材は、前記第2発光素子と前記第2蛍光体層との間に配置された第2透光層を有する請求項8に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1光拡散層と前記第2光拡散層との間の隙間における前記第1光拡散層の上面側及び前記第2光拡散層の上面側に位置する上部に、空気層がある請求項8に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1側面と前記第2側面との間における前記第1透光性部材の上面側及び前記第2透光性部材の上面側に位置する上部における前記第1添加物の濃度は、前記上部より下方に位置する下部における前記第1添加物の濃度よりも低い請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項13】
素子側面を有する発光素子と、前記発光素子上に配置され、側面を有する透光性部材とを有する発光部と、
前記透光性部材の前記側面に配置され、第1添加物を含む第1遮光部材と、
前記発光素子の前記素子側面に配置され、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材と、
を備える発光装置。
【請求項14】
前記第1添加物の光反射率は、前記第2添加物の光反射率よりも高い請求項1または13に記載の発光装置。
【請求項15】
前記第1添加物は、酸化チタンからなる請求項1または13に記載の発光装置。
【請求項16】
前記第2添加物は、窒化ホウ素または酸化アルミニウムからなる請求項1または13に記載の発光装置。
【請求項17】
第1主面に溝を有する透光性シートを準備する工程と、
前記溝に、第1添加物を含む第1遮光部材を配置する工程と、
前記第1遮光部材を配置する工程の後、前記透光性シートの前記第1主面上に少なくとも1つの発光素子を配置する工程と、
前記発光素子の素子側面に、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材を配置する工程と、
を備える発光装置の製造方法。
【請求項18】
前記透光性シートを準備する工程において、前記透光性シートが、前記第1主面側から順に透光層と蛍光体層とを有し、
前記第1遮光部材を配置する工程は、
前記透光性シートの前記第1主面を被覆するように前記第1遮光部材を配置する工程と、
前記透光性シートの前記第1主面を被覆する前記第1遮光部材と、前記透光層の一部とを除去する工程と、
を有する請求項17に記載の発光装置の製造方法。
【請求項19】
第1主面に第1溝を有する透光性シートを準備する工程と、
前記透光性シートの前記第1主面上に少なくとも1つの発光素子を配置する工程と、
前記発光素子の周囲に、第1添加物を含む第1遮光部材と前記第1添加物の熱伝導率よりも高い第2添加物を含む第2遮光部材を備える遮光部材を配置する工程と、
を備え、
前記遮光部材を配置する工程は、
前記第1溝に、前記第2添加物を含む前記第2遮光部材を配置する工程と、
前記第1溝に配置された前記第2遮光部材に、前記第1溝の幅よりも小さい幅を有する第2溝を形成する工程と、
前記第2溝に、前記第1添加物を含む第1遮光部材を配置する工程と、
を有する発光装置の製造方法。
【請求項20】
前記遮光部材を配置する工程は、前記第1遮光部材の一部、前記第2遮光部材の一部、及び前記透光性シートの一部を除去する工程を有する請求項19に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置及び発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、基板上に載置された複数の発光素子間及び各発光素子上の光透過性部材間に被覆部材が設けられた発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、コントラストの高い光照射を可能にするとともに、放熱性を高くすることができる発光装置及び発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、発光装置は、第1素子側面を有する第1発光素子と、前記第1発光素子上に配置され、第1側面を有する第1透光性部材とを有する第1発光部と、前記第1素子側面に対向する第2素子側面を有する第2発光素子と、前記第2発光素子上に配置され、前記第1側面に対向する第2側面を有する第2透光性部材とを有する第2発光部と、前記第1側面と前記第2側面との間に配置され、第1添加物を含む第1遮光部材と、前記第1素子側面と前記第2素子側面との間に配置され、且つ前記第1発光部及び前記第2発光部を一括して保持する第2遮光部材であって、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む前記第2遮光部材と、を備える。
【0006】
本開示の一態様によれば、発光装置は、素子側面を有する発光素子と、前記発光素子上に配置され、側面を有する透光性部材とを有する発光部と、前記透光性部材の前記側面に配置され、第1添加物を含む第1遮光部材と、前記発光素子の前記素子側面に配置され、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材と、を備える。
【0007】
本開示の一態様によれば、発光装置の製造方法は、第1主面に溝を有する透光性シートを準備する工程と、前記溝に、第1添加物を含む第1遮光部材を配置する工程と、前記第1遮光部材を配置する工程の後、前記透光性シートの前記第1主面上に少なくとも1つの発光素子を配置する工程と、前記発光素子の素子側面に、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材を配置する工程と、を備える。
【0008】
本開示の一態様によれば、発光装置の製造方法は、第1主面に第1溝を有する透光性シートを準備する工程と、前記透光性シートの前記第1主面上に少なくとも1つの発光素子を配置する工程と、前記発光素子の周囲に、第1添加物を含む第1遮光部材と前記第1添加物の熱伝導率よりも高い第2添加物を含む第2遮光部材を備える遮光部材を配置する工程と、を備え、前記遮光部材を配置する工程は、前記第1溝に、前記第2添加物を含む前記第2遮光部材を配置する工程と、前記第1溝に配置された前記第2遮光部材に、前記第1溝の幅よりも小さい幅を有する第2溝を形成する工程と、前記第2溝に、前記第1添加物を含む第1遮光部材を配置する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る実施形態によれば、コントラストの高い光照射を可能にするとともに、放熱性を高くすることができる発光装置及び発光装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る発光装置の模式上面図である。
【
図2】
図1のII-II線における模式断面図である。
【
図3】第2実施形態に係る発光装置の模式断面図である。
【
図4A】第3実施形態に係る発光装置の模式断面図である。
【
図4B】
図4Aにおける一部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図5】第4実施形態に係る発光装置の一部分を示す模式断面図である。
【
図6】第5実施形態に係る発光装置の模式断面図である。
【
図7】第6実施形態に係る発光装置の模式断面図である。
【
図8】実施形態に係る発光装置の変形例を示す模式上面図である。
【
図9A】第1実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図9B】第1実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図9C】第1実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図9D】第1実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図9E】第1実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図9F】第1実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図9G】第1実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10A】第2実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10B】第2実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10C】第2実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10D】第2実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10E】第2実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10F】第2実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11A】第3実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11B】第3実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11C】第3実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11D】第3実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11E】第3実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11F】第3実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11G】第3実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11H】第3実施形態に係る発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態に係る発光装置及び発光装置の製造方法について説明する。以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための発光装置及び発光装置の製造方法を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0012】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「上(または下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(または下方)に位置している場合も含む。また、本明細書において、特定的な記載がない限り、部材が被覆対象を覆うとは、部材が被覆対象に接して被覆対象を直接覆う場合と、部材が被覆対象に非接触で被覆対象を間接的に覆う場合を含む。また、本明細書において、部材の特定の方向における幅、距離、厚さとは、それぞれ、特定の方向における幅、距離、厚さの最大値を表す。
【0013】
以下に示す図でX軸、Y軸およびZ軸により方向を示す場合がある。X軸に沿うX方向は、実施形態に係る発光装置の発光面内での所定方向を示す。Y軸に沿うY方向は、上記発光面内においてX方向に直交する方向を示す。Z軸に沿うZ方向は、上記発光面に直交する方向を示すものとする。すなわち、発光装置の発光面はXY平面に平行であり、Z軸はXY平面に直交する。
【0014】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る発光装置1について、
図1及び
図2を参照して説明する。上面視における発光装置1の発光面における一の方向、例えばX軸に沿う方向を第1方向Xとする。発光装置1の発光面において第1方向Xと交差する方向、例えばY軸に沿う方向を第2方向Yとする。発光装置1の発光面に直交し、例えばZ軸に沿う方向を第3方向Zとする。なお、第1方向、第2方向及び第3方向は、必ずしもX軸、Y軸及びZ軸に沿う必要はない。
【0015】
発光装置1は、複数の発光部50を備える。複数の発光部50は、少なくとも、第1発光部50Aと第2発光部50Bを有する。複数の発光部50のうち、第1方向Xまたは第2方向Yにおいて隣り合う任意の2つの発光部50の一方を第1発光部50A、他方を第2発光部50Bとする。
図1には9個の発光部50を例示している。なお、発光部50の数はこれに限らない。
図1に示す例では、説明の便宜上、左下に位置する発光部50を第1発光部50A、第1方向Xにおいて第1発光部50Aの右隣に位置する発光部50を第2発光部50Bとしている。この例では、第1発光部50Aは、上面視において外周部に位置する。また、上面視において外周部に位置する発光部50を第2発光部50Bとしてもよい。また、第1方向Xまたは第2方向Yに4以上の発光部50が並んで位置する場合には、第1発光部50Aと第2発光部50Bのどちらも外周部に位置しないこともある。
図2においては、第1発光部50Aと第2発光部50Bとは、第1方向Xにおいて隣り合っている。なお、本明細書において、第1発光部50Aと、第2発光部50Bと、第1発光部50A及び第2発光部50B以外の発光部と、を互いに区別せずに、単に発光部50と言う場合もある。各発光部50は、同じ構成を有していてよい。
【0016】
発光装置1は、例えば撮像装置のフラッシュ光源として用いることができる。撮像装置は、例えば携帯通信端末に搭載される。本実施形態に係る発光装置1を撮像装置のフラッシュ光源として用いる場合は、例えば、上面視において中央に配置された発光部50のみを発光させる狭角モードと、すべての発光部50を発光させる広角モードとを切り替えて光を照射可能である。狭角モードは、広角モードよりも光の出射角が狭い。狭角モードと広角モードに対応して発光装置1が照射光を切り替え可能であることで、例えば、撮像装置における望遠や接写等の撮影モードに応じた撮影を行うことが可能となる。
【0017】
各発光部50は、発光素子10と透光性部材20とを有する。本明細書において、説明の便宜上、第1発光部50Aが有する発光素子及び透光性部材には接頭語として「第1」を添え、第1発光部50Aが有する発光素子及び透光性部材を表す符号の最後には「A」を添える。第2発光部50Bが有する発光素子及び透光性部材には接頭語として「第2」を添え、第2発光部50Bが有する発光素子及び透光性部材を表す符号の最後には「B」を添える。なお、各発光部50における第1発光部50Aおよび第2発光部50Bの配置は各実施形態の配置に限定されない。
【0018】
第1発光部50Aは、第1発光素子10Aを有する。第2発光部50Bは、第2発光素子10Bを有する。なお、第1発光素子10Aと、第2発光素子10Bと、第1発光素子10A及び第2発光素子10B以外の発光素子と、を互いに区別せずに、各発光部50が有する発光素子を単に発光素子10と言う場合もある。各発光素子10は、同じ構成を有していてよい。
【0019】
発光素子10は、半導体構造体を有する。また、発光素子10は、シリコン基板またはサファイア基板等の成長基板をさらに有していてよい。半導体構造体は、窒化物半導体を含む。本明細書において窒化物半導体とは、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)で表される化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。また、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素をさらに含むもの、半導体の導電型などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むものも窒化物半導体に含まれるものとする。半導体構造体は、活性層を含む。活性層は、光を発する発光層であり、例えば複数の障壁層と、複数の井戸層を含むMQW(Multiple Quantum well)構造を有する。活性層が発する光は、例えば、紫外光または可視光である。例えば、光学特性(輝度、色度等)のばらつきが所定範囲内に収まった複数の発光素子10が選別され、発光装置1に用いられる。
【0020】
発光素子10は、素子側面11を有する。第1発光素子10Aにおいて、第2発光素子10Bの素子側面11に対向する素子側面を第1素子側面11Aとする。第2発光素子10Bにおいて、第1発光素子10Aの第1素子側面11Aに対向する素子側面を第2素子側面11Bとする。
【0021】
第1発光部50Aは、第1発光素子10A上に配置された第1透光性部材20Aを有する。第2発光部50Bは、第2発光素子10B上に配置された第2透光性部材20Bを有する。なお、第1透光性部材20Aと、第2透光性部材20Bと、第1透光性部材20A及び第2透光性部材20B以外の透光性部材と、を互いに区別せずに、各発光部50が有する透光性部材を単に透光性部材20と言う場合もある。各透光性部材20は、同じ構成を有していてよい。
【0022】
透光性部材20は、発光素子10が発する光に対して透光性を有する。発光素子10のピーク波長に対する透光性部材20の透過率は、例えば、70%以上であり、80%以上が好ましく、90%以上がさらに好ましい。透光性部材20は、発光素子10が発する光を波長変換及び/又は拡散させることができる。透光性部材20の具体的な材料については、後述する。
【0023】
透光性部材20は、側面25を有する。第1透光性部材20Aにおいて、第2透光性部材20Bの側面25に対向する側面を第1側面25Aとする。第2透光性部材20Bにおいて、第1透光性部材20Aの第1側面25Aに対向する側面を第2側面25Bとする。
【0024】
図1に示すように、上面視において、発光素子10の外縁(破線で表す)は、透光性部材20の外縁(実線で表す)よりも内側に位置する。
【0025】
発光装置1は、第1遮光部材31と第2遮光部材32とをさらに備える。発光素子10のピーク波長に対する第1遮光部材31の透過率及び第2遮光部材32の透過率は、発光素子10のピーク波長に対する透光性部材20の透過率よりも低い。発光素子10のピーク波長に対する第1遮光部材31の透過率及び第2遮光部材32の透過率は、例えば、20%以下であり、10%以下が好ましい。第1遮光部材31および第2遮光部材32は、絶縁性を有する。
【0026】
第1遮光部材31は、第1方向Xにおいて隣り合う2つの透光性部材20の側面25の間、及び第2方向Yにおいて隣り合う2つの透光性部材20の側面25の間に配置されている。すなわち、第1遮光部材31は、第1透光性部材20Aの第1側面25Aと、第2透光性部材20Bの第2側面25Bとの間に配置されている。第1遮光部材31は、透光性部材20の側面25を覆っている。透光性部材20の上面は、第1遮光部材31から露出している。各透光性部材20の上面は、発光装置1の発光面を構成する。本実施形態においては、各発光素子10上に1つの透光性部材20がそれぞれ配置されている。なお、本開示は、この形態に限定されず、例えば透光性部材20が複数の層を含み、かつ透光性部材20の最も上側に配置される最上層がすべての発光素子10上を覆って配置されていてもよい。この場合は、透光性部材20の最上層の上面が、発光装置1の発光面を構成する。また、この場合は、各発光部50の発光面は、透光性部材20の最上層の上面において、発光素子10の平面サイズと同等の領域または透光性部材20の最上層以外の層の平面サイズと同等の領域を発光面とみなしてもよい。
【0027】
第2遮光部材32は、第1方向Xにおいて隣り合う2つの発光素子10の素子側面11の間、及び第2方向Yにおいて隣り合う2つの発光素子10の素子側面11の間に配置され、且つ複数の発光部50を一括して保持する。すなわち、第2遮光部材32は、第1発光素子10Aの第1素子側面11Aと、第2発光素子10Bの第2素子側面11Bとの間に配置され、且つ第1発光部50A及び第2発光部50Bを一括して保持する。より詳細には、第2遮光部材32は、第1発光素子10A及び第2発光素子10Bを一括して保持している。第2遮光部材32は、発光素子10の素子側面11を覆っている。
【0028】
透光性部材20の側面25の間に配置された第1遮光部材31は、発光素子10の素子側面11の間に配置された第2遮光部材32上に位置する。本実施形態においては、透光性部材20の側面25の間に配置された第1遮光部材31は、発光素子10の素子側面11の間に配置された第2遮光部材32と接している。第1遮光部材31及び第2遮光部材32の具体的な材料については、後述する。
【0029】
発光装置1が第1遮光部材31及び第2遮光部材32を備えることによって、一の発光部50が発光し、隣接する発光部50が非発光である場合に、一の発光部50が出射した出射光が隣接する発光部50の透光性部材20に進入し、例えば透光性部材20に含まれる波長変換物質が発光してしまうことを低減することができる。その結果、高いコントラストを有する発光装置とすることができる。
【0030】
第1遮光部材31は第1添加物を含み、第2遮光部材32は第2添加物を含む。第2添加物の熱伝導率は、第1添加物の熱伝導率よりも高い。第1添加物の熱伝導率は、例えば0.05W/m・K以上0.9W/m・K以下であり、0.1W/m・K以上0.5W/m・K以下が好ましく、0.2W/m・K以上0.4W/m・K以下がより好ましい。第2添加物の熱伝導率は、例えば1W/m・K以上9W/m・K以下であり、1.5W/m・K以上5W/m・K以下が好ましく、2W/m・K以上3W/m・K以下がより好ましい。第2添加物を含む第2遮光部材32が発光素子10の素子側面11を被覆することで、発光動作に伴って発光素子10が発する熱を、第2添加物を含む第2遮光部材32を介して効率よく放熱することができる。
【0031】
以上説明したように、第1実施形態に係る発光装置1によれば、コントラストの高い光照射を可能にするとともに、放熱性を高くすることができる。
【0032】
発光部50は、電極12をさらに備えることができる。電極12は、発光素子10の下面に配置され、発光素子10と電気的に接続されている。1つの発光部50は、2つの電極12を有する。2つの電極12のうちの一方はアノード電極、他方はカソード電極として機能する。なお、発光素子10が有する素子電極を、発光部50の電極として用いてもよい。第2遮光部材32は、発光素子10の下面及び電極12の側面を覆っている。電極12の下面は、第2遮光部材32から露出し、発光装置1が実装される基板に配置された導電部に対して、はんだ等を介して接合される。電極12の下面に金属膜が配置されてもよい。金属膜は、例えば、金膜と、金膜と電極12の下面との間に配置されるニッケル膜と、を含む。
【0033】
発光部50は、接合部材41をさらに備えることができる。接合部材41は、発光素子10の上面と透光性部材20の下面との間に配置され、発光素子10と透光性部材20とを接合する。接合部材41は、発光素子10の上面、素子側面11の一部、及び透光性部材20の下面を被覆する。接合部材41の材料として、透光性の樹脂を用いることができ、例えばシリコーン樹脂を用いることができる。第2遮光部材32は、接合部材41を覆っている。なお、発光部50は、接合部材41を備えていなくてもよく、発光素子10の上面と透光性部材20の下面とが直接接して配置されてもよい。
【0034】
第1遮光部材31及び第2遮光部材32は、光反射性を有し発光部50が発する光を反射する、又は、光吸収性を有し発光部50が発する光を吸収することが好ましい。第1遮光部材31及び第2遮光部材32は、双方が光反射性または光吸収性を有する部材であってもよく、またどちらか一方が光反射性を有する部材であり、他方が光吸収性を有する部材であってもよい。特に、第1遮光部材31及び第2遮光部材32は、双方が光反射性を有することが好ましい。これにより、各発光部50からの光を第1遮光部材31及び第2遮光部材32で効率よく反射させることができ、発光装置1の光束が高くなりやすい。
【0035】
第1遮光部材31及び第2遮光部材32として、例えば、光反射性の添加物または光吸収性の添加物を含む樹脂部材を用いることができる。第1遮光部材31及び第2遮光部材32に用いる光反射性の添加物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて使用することができる。また、光吸収性の添加物は、カーボンブラック等を使用することができる。第1遮光部材31及び第2遮光部材32に用いる樹脂部材は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、またはフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を母材とすることができる。
【0036】
第1遮光部材31に含まれる第1添加物の光反射率は、第2遮光部材32に含まれる第2添加物の光反射率よりも高いことが好ましい。第1添加物の光反射率は、例えば、80%以上99%以下であり、一例としては90%以上99%以下である。第2添加物の光反射率は、50%以上90%以下であり、一例としては60%以上85%以下である。また、第1添加物の光反射率と第2添加物の光反射率との差は、例えば、8%以上であり、15%以上であり、20%以上であり、40%以上である。また、第1添加物の光反射率と第2添加物の光反射率との差は、例えば、80%以下であり、70%以下であり、60%以下である。第2遮光部材32よりも発光装置1の発光面に近い位置にある第1遮光部材31における反射率を高くすることで、発光装置1の光照射面におけるコントラストを高くしやすくできる。第1遮光部材31に含まれる第1添加物の含有量は、第1遮光部材31の全体を100質量%とした場合、例えば30質量%以上80質量%以下であり、好ましくは55質量%以上80質量%以下である。また、第2遮光部材32に含まれる第2添加物の含有量は、第2遮光部材32の全体を100質量%とした場合、例えば20質量%以上70質量%以下であり、好ましくは30質量%以上70質量%以下である。一例としては、第1遮光部材31に含まれる第1添加物の含有量は、第2遮光部材32に含まれる第2添加物の含有量と同等、若しくは多い。
【0037】
第1発光素子10Aの第1素子側面11Aと第2発光素子10Bの第2素子側面11Bとの間の第1距離は、第1透光性部材20Aの第1側面25Aと第2透光性部材20Bの第2側面25Bとの間の第2距離よりも大きいことが好ましい。これにより、隣り合う発光素子10の素子側面11間に、隣り合う透光性部材20の側面25間に配置される第1添加物よりも粒径の大きな第2添加物を配置することができる。第2添加物の粒径は、第1添加物の粒径よりも大きい。例えば、第2添加物の粒径は、第1添加物の粒径の1.5倍以上であり、1.8倍以上であってもよく、4倍以上であってもよく、10倍以上であってもよい。第1添加物の粒径は、例えば0.05μm以上0.5μm以下であり、0.1μm以上0.3μm以下であることが好ましい。第2添加物の粒径は、例えば0.2μm以上15μm以下であり、一例としては0.2μm以上0.6μm以下であってよく、別の一例としては0.8μm以上1.5μmであり、また別の一例としては5μm以上15μm以下であってよい。このような第1添加物および第2添加物として、例えば、第1添加物は酸化チタンからなり、第2添加物は窒化ホウ素または酸化アルミニウムからなる。一般的には、窒化ホウ素または酸化アルミニウムの熱伝導率は、酸化チタンの熱伝導率よりも高い。
【0038】
また、第1側面25Aと第2側面25Bとの間の第2距離は、第1素子側面11Aと第2素子側面11Bとの間の第1距離よりも小さいため、隣り合う透光性部材20の間の暗部となる領域を狭くすることができる。上記第2距離は、例えば、5μm以上100μmであり、10μm以上30μm以下であることが好ましい。第2距離を上記の距離に設定することで、隣り合う透光性部材20の間の暗部となる領域を狭くすることができるとともに、第1側面25Aと第2側面25Bとの間に配置される第1遮光部材31により透光性部材20の側面から出射される光が遮光されやすくなるため発光装置1の高いコントラストを実現できる。
【0039】
複数の透光性部材20のうち、上面視において外周部に位置する透光性部材20は、他の発光部50に隣り合わない側面25を有する。
図1及び
図2に示す例では、第1透光性部材20Aは、他の発光部50に隣り合わない第3側面25Cを有する。第3側面25Cに、第1遮光部材31が配置される。換言すると、第1遮光部材31は、第3側面25Cを覆っている。第3側面25Cを第1遮光部材31で覆うことで、外周部に位置する第1透光性部材20Aよりも外側の領域への光の照射を低減でき、発光装置1の発光面において、第1透光性部材20Aの上面と、第3側面25Cに配置された第1遮光部材31の上面との輝度差を大きくでき、高いコントラストを実現できる。
【0040】
また、複数の発光素子10のうち、上面視において外周部に位置する透光性部材20の下に配置された発光素子10は、他の発光部50に隣り合わない第3素子側面11Cを有する。
図1及び
図2に示す例では、第1発光素子10Aは、他の発光部50に隣り合わない第3素子側面11Cを有する。第3素子側面11Cに、第2遮光部材32が配置される。第2遮光部材32が第3素子側面11Cを覆っている。これにより、外周部に位置する第1発光素子10Aよりも外側の領域への光の照射を低減でき、発光装置1の発光面において、第1透光性部材20Aの上面と第3側面25Cに配置された第1遮光部材31の上面との輝度差を大きくでき、高いコントラストを実現できる。
【0041】
第3側面25Cに配置された第1遮光部材31は、第3素子側面11Cに配置された第2遮光部材32上に位置する。
【0042】
透光性部材20は、発光素子10上に配置された蛍光体層と、蛍光体層上に配置された光拡散層とを有することができる。
図2に示す例では、第1透光性部材20Aは、第1発光素子10A上に配置された第1蛍光体層22Aと、第1蛍光体層22A上に配置された第1光拡散層21Aとを有する。第2透光性部材20Bは、第2発光素子10B上に配置された第2蛍光体層22Bと、第2蛍光体層22B上に配置された第2光拡散層21Bとを有する。なお、本明細書において、第1蛍光体層22Aと、第2蛍光体層22Bと、第1蛍光体層22A及び第2蛍光体層22B以外の蛍光体層と、を互いに区別せずに、単に蛍光体層22と言う場合もある。また、第1光拡散層21Aと、第2光拡散層21Bと、第1光拡散層21A及び第2光拡散層21B以外の光拡散層と、を互いに区別せずに、単に光拡散層21と言う場合もある。
【0043】
蛍光体層22は、発光素子10が発する光の少なくとも一部を波長変換する蛍光体を含む。蛍光体層22として、樹脂、セラミック、ガラス等に蛍光体を含有させたもの、蛍光体の焼結体等が挙げられる。また、蛍光体層22は、樹脂、セラミック、ガラス等の成形体の一の面に蛍光体を含有する樹脂層を配置したものでもよい。
【0044】
蛍光体層22の樹脂として、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、またはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。蛍光体層22の樹脂として、特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂またはその変性樹脂が好適である。
【0045】
蛍光体として、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3 ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を用いることができる。
【0046】
蛍光体層22は、1種類の蛍光体を含んでいてもよいし、複数種類の蛍光体を含んでいてもよい。発光部50は、例えば、発光素子10が発する可視光の色と、発光素子10が発する光に励起されて蛍光体層22の蛍光体が発する光の色と、が混合された色の光を発する。または、発光部50は、発光素子10が発する紫外光の色と、発光素子10が発する光に励起されて蛍光体層22の蛍光体が発する光の色と、が混合された色の光を発する。複数の発光部50は、互いに発光ピーク波長が同じ発光部50から構成されてもよく、また互いに発光ピーク波長が異なる発光部50を含んでいてもよい。
【0047】
光拡散層21の上面は、透光性部材20の上面を構成する。光拡散層21は、発光素子10が発する光を拡散させる光拡散材を含む。光拡散層21として、樹脂、セラミック、ガラス等に光拡散材を含有させたものを用いることができる。光拡散材として、例えば、酸化チタン、または酸化ケイ素等が挙げられる。光拡散層21の樹脂として、蛍光体層22の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。本実施形態では、各発光部50の光拡散層21は、互いに離隔して配置されている。なお、本開示は、この形態に限定されず、例えばすべての発光素子10に跨って1つの光拡散層21が配置されてもよい。これにより、複数の発光部50から出射される光を発光面側の光拡散層21で拡散することができ、発光装置1の輝度ムラや色度ムラを低減することができる。
【0048】
また、透光性部材20は、発光素子10と蛍光体層22との間に配置された透光層23をさらに有することができる。
図2に示す例では、第1透光性部材20Aは、第1発光素子10Aと第1蛍光体層22Aとの間に配置された第1透光層23Aをさらに有する。第2透光性部材20Bは、第2発光素子10Bと第2蛍光体層22Bとの間に配置された第2透光層23Bをさらに有する。なお、本明細書において、第1透光層23Aと、第2透光層23Bと、第1透光層23A及び第2透光層23B以外の透光層と、を互いに区別せずに、単に透光層23と言う場合もある。透光層23の樹脂として、蛍光体層22の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
【0049】
光拡散層21、蛍光体層22、及び透光層23を含む透光性部材20の側面25は、光拡散層21の側面、蛍光体層22の側面、及び透光層23の側面を含む。第1遮光部材31は、光拡散層21の側面、蛍光体層22の側面、及び透光層23の側面を覆っている。
【0050】
光拡散層21の厚さは、例えば、20μm以上150μm以下であり、30μm以上120μm以下であることが好ましい。蛍光体層22の厚さは、例えば、20μm以上100μm以下であり、30μm以上80μm以下であることが好ましい。透光層23の厚さは、例えば、5μm以上50μm以下であり、10μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0051】
なお、透光性部材20は、光拡散層21、蛍光体層22、及び透光層23のうちのいずれか1つのみ、または2つのみを含む構成であってもよい。本実施形態においては、透光性部材20の平面視における大きさは、発光素子10の平面視における大きさよりも大きい。換言すると、平面視において、透光性部材20の外形は、発光素子10の外形の外側に位置する。これにより、発光素子10から出射される光は透光性部材20に効率よく入射される。発光素子10の平面積に対する透光性部材20の平面積は、例えば、1.1倍以上1.8倍以下であり、1.2倍以上1.7倍以下であることが好ましい。なお、透光性部材20の平面視における大きさは、発光素子10の平面視における大きさと同等でもよく、小さくてもよい。
【0052】
[第2実施形態]
次に、
図3を参照して、第2実施形態に係る発光装置2について説明する。なお、以降の実施形態において、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。また、第1実施形態と同じ構成については、同様の効果が得られる。
【0053】
第2実施形態に係る発光装置2においては、第1透光性部材20Aの第3側面25Cに、第2遮光部材32が配置される。第2遮光部材32が第3側面25Cを覆っている。これにより、外周部に位置する第1透光性部材20Aよりも外側の領域への光の照射を低減でき、発光装置2の発光面において、第1透光性部材20Aの上面と、第3側面25Cに配置された第2遮光部材32の上面との輝度差を大きくでき、高いコントラストを実現できる。
【0054】
また、発光装置2において、第1添加物よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材32の体積を第1実施形態に係る発光装置1よりも大きくすることができ、発光装置2の放熱性を向上させることができる。
【0055】
[第3実施形態]
次に、
図4A及び
図4Bを参照して、第3実施形態に係る発光装置3について説明する。
【0056】
第3実施形態に係る発光装置3においては、透光性部材20は、発光素子10上に配置された蛍光体層22と、蛍光体層22上に配置された光拡散層21とを有する。
図4A及び
図4Bに示す例では、第1透光性部材20Aは、第1発光素子10A上に配置された第1蛍光体層22Aと、第1蛍光体層22A上に配置された第1光拡散層21Aとを有する。第2透光性部材20Bは、第2発光素子10B上に配置された第2蛍光体層22Bと、第2蛍光体層22B上に配置された第2光拡散層21Bとを有する。
【0057】
図4Bに示すように、第1光拡散層21Aと第2光拡散層21Bとの間の隙間60は、第1隙間61と第2隙間62とを有する。第1隙間61は、第2隙間62よりも、第1光拡散層21Aの上面側及び第2光拡散層21Bの上面側に位置する。第2隙間62は、第1隙間61の下方に位置する。第2隙間62の幅(この例では第1方向Xの幅)W2は、第1隙間61の幅(同様に第1方向Xの幅)W1よりも広い。
【0058】
第1隙間61の幅W1は、第1発光素子10Aの第1素子側面11Aと、第2発光素子10Bの第2素子側面11Bとの間の第1距離d1よりも小さい。第2隙間62の幅W2は、第1距離d1よりも小さい。第1蛍光体層22Aの側面と第2蛍光体層22Bの側面との間の距離は、第1距離d1よりも小さい。例えば、第1蛍光体層22Aの側面と第2蛍光体層22Bの側面との間の距離は、第2隙間62の幅W2と同じである。
【0059】
第1隙間61を画定する光拡散層21の側面と、第2隙間62を画定する光拡散層21の側面との間に段差が形成されている。第1隙間61を画定する光拡散層21の側面は、光拡散層21の上面と連続している。第2隙間62を画定する光拡散層21の側面は、蛍光体層22の側面と連続している。
【0060】
第1隙間61に、第1添加物を含む第1遮光部材31が配置されている。第1遮光部材31は、第1隙間61を画定する光拡散層21の側面を覆っている。第2隙間62、及び第1蛍光体層22Aの側面と第2蛍光体層22Bの側面との間に、第2添加物を含む第2遮光部材32が配置されている。第2遮光部材32は、第2隙間62を画定する光拡散層21の側面、及び蛍光体層22の側面を覆っている。また、
図4Bに示すように、第1遮光部材31の一部が、第2隙間62に配置された第2遮光部材32中に配置されてもよい。
【0061】
第3実施形態によれば、隣り合う透光性部材20の間に配置された第1遮光部材31及び第2遮光部材32によって、一の発光部50が発光し、隣接する発光部50が非発光である場合に、一の発光部50が出射した出射光が隣接する発光部50の透光性部材20に進入し、例えば透光性部材20に含まれる波長変換物質が発光してしまうことを低減することができる。その結果、高いコントラストを有する発光装置3とすることができる。特に、第1遮光部材31に含まれる第1添加物の光反射率を、第2遮光部材32に含まれる第2添加物の光反射率よりも高くすることで、第2遮光部材32よりも発光装置3の発光面(光拡散層21の上面)に近い位置にある第1遮光部材31における反射率を高くして、光照射のコントラストを高くしやすくできる。
【0062】
また、蛍光体層22の間にも第2遮光部材32が配置されているため、蛍光体が発する熱を、第1添加物よりも熱伝導率の高い第2添加物を含む第2遮光部材32を介して効率よく放熱することができる。
【0063】
第1隙間61の幅W1、第1隙間61の第3方向Zにおける長さ、第2隙間62の幅W2、または第2隙間62の第3方向Zにおける長さを調整することで、発光面におけるコントラストの調整が可能となる。
【0064】
[第4実施形態]
次に、
図5を参照して、第4実施形態に係る発光装置4について説明する。
【0065】
第4実施形態によれば、第1光拡散層21Aと第2光拡散層21Bとの間の隙間における第1光拡散層21Aの上面側及び第2光拡散層21Bの上面側に位置する上部に、空気層71がある。空気層71は、第1透光性部材20Aの第1側面25Aと第2透光性部材20Bの第2側面25Bとの間において、第1遮光部材31の上方に位置する。
【0066】
図5に示す例では、第1遮光部材31における空気層71との界面である上端面31aは凸面となっている。
【0067】
第1光拡散層21Aの上端の角部および第2光拡散層21Bの上端の角部の間に空気層71があることで、例えば、発光装置4の運搬時等において発光装置4に外力が負荷される場合に、該外力による応力を空気層71で緩和させることができる。これにより、例えば、上面視において、第1光拡散層21Aと第1遮光部材31との界面または第2光拡散層21Bと第1遮光部材31との界面が剥離することを低減することができる。また、第1遮光部材31にクラック等が発生することを低減することができる。特に、第1遮光部材31の短手の幅が短い場合に、例えば第1遮光部材31の短手の幅が10μm以上30μm以下である場合に、より効果的である。
【0068】
[第5実施形態]
次に、
図6を参照して、第5実施形態に係る発光装置5について説明する。
【0069】
第5実施形態において、透光性部材20の間に配置された第1遮光部材31の上端面31aは、凹面となっている。
【0070】
第5実施形態に係る発光装置5は、基板80と、基板80の上面に配置された導電部82とをさらに備える。複数の発光部50が基板80上に配置されている。各発光部50の電極12が、導電性の接合材81を介して、導電部82に接合されている。接合材81として、例えば、はんだを用いることができる。
【0071】
第2遮光部材32は、基板80上に配置され、発光素子10の素子側面11、発光素子10の下面、電極12、接合材81、及び導電部82を覆っている。第2遮光部材32は、発光部50と導電部82との接合部分を覆って保護している。
【0072】
基板80は、例えば、アルミニウム基板である。アルミニウム基板の上面に絶縁膜が形成され、絶縁膜上に導電部82が配置されている。この場合、第2添加物を含む第2遮光部材32及びアルミニウム基板を介して、発光素子10が発する熱を効率よく放熱することができる。
【0073】
隣り合う透光性部材20の間に配置された第1遮光部材31の一部は、隣り合う発光素子10の間にも配置され、発光素子10の素子側面11の一部を覆っている。
【0074】
[第6実施形態]
次に、
図7を参照して、第6実施形態に係る発光装置6について説明する。
【0075】
第6実施形態に係る発光装置6は、1つの発光部50を備える。発光部50は、素子側面11を有する発光素子10と、発光素子10上に配置され、側面25を有する透光性部材20とを有する。
【0076】
発光装置6は、さらに、第1添加物を含む第1遮光部材31と、第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材32とを備える。第1遮光部材31は、透光性部材20の側面25に配置され、側面25を覆っている。透光性部材20の上面は、第1遮光部材31から露出している。第2遮光部材32は、発光素子10の素子側面11に配置され、素子側面11を覆っている。
【0077】
第6実施形態によれば、発光装置6の発光面において、透光性部材20の上面(発光領域)と、第1遮光部材31の上面(非発光領域)との輝度差を大きくでき、高いコントラストを有することができる。また、発光素子10が発する熱を、第1添加物よりも熱伝導率の高い第2添加物を含む第2遮光部材32を介して効率よく放熱することができる。
【0078】
発光装置6は、前述した実施形態と同様、発光素子10の下面に配置された電極12と、発光素子10と透光性部材20とを接合する接合部材41と、をさらに備えることができる。
【0079】
前述した第1~第4、及び第6実施形態に係る発光装置は、第5実施形態と同様の基板80及び導電部82をさらに備えてもよい。基板80を備えた第1~第6実施形態に係る発光装置において、発光部50を中間基板上に配置し、発光部50が配置された中間基板を基板80上に配置してもよい。また、基板80上に、発光部50を制御する制御素子を配置し、制御素子上に発光部50を配置してもよい。基板80上に制御素子を配置し、制御素子上に発光部50が配置された中間基板を配置してもよい。
【0080】
また、前述した各実施形態において、第1側面25Aと第2側面25Bとの間における、第1透光性部材20Aの上面側及び第2透光性部材20Bの上面側に位置する上部における第1遮光部材31の第1添加物の濃度が、上部より下方に位置する下部における第1遮光部材31の第1添加物の濃度よりも低くすることができる。これにより、例えば、発光装置が非発光時において、透光性部材20の上面の体色と、第1遮光部材31の上面の体色とを近づけることができる。なお、第1遮光部材31の上部における第1添加物の濃度は、第1遮光部材31の下部における第1添加物の濃度と同等でもよく、また高くてもよい。
【0081】
また、前述した各実施形態において、第2遮光部材32は、第1添加物をさらに含んでもよい。これにより、発光素子10から、発光素子10よりも外側の領域、及び隣接する発光部50の透光性部材20への光の照射を低減でき、発光装置の発光面におけるコントラストを高くしやすくできる。
【0082】
複数の発光部50を備える発光装置において、各発光素子10上に1つの透光性部材20を配置する形態に限らない。
図8に示すように、上面視において中央に配置される複数の発光素子10上に跨がって1つの透光性部材20が配置されてもよい。
【0083】
以下、実施形態に係る発光装置の製造方法について説明する。
【0084】
[第1実施形態に係る発光装置の製造方法]
図9A~
図9Gを参照して、第1実施形態に係る発光装置1の製造方法について説明する。
【0085】
第1実施形態に係る発光装置の製造方法は、
図9Aに示すように、第1主面121に溝300を有する透光性シート120を準備する工程を備える。透光性シート120における第1主面121の反対側に位置する第2主面122が第1支持部材201に対向するように、透光性シート120は第1支持部材201に支持される。例えば、上面視において、格子状に複数の溝300が第1主面121に配置される。
【0086】
溝300を有する透光性シート120を譲受(購入を含む)して準備することができる。または、溝300を有する透光性シート120を準備する工程は、透光性シート120に溝300を形成する工程を有してもよい。溝300は、例えば、ブレードまたはレーザにより形成することができる。
【0087】
例えば、透光性シート120は、第1主面121側から順に、透光層23と蛍光体層22と光拡散層21とを有する。溝300は透光性シート120を貫通せず、溝300の底は光拡散層21中に位置する。
【0088】
第1実施形態に係る発光装置の製造方法は、
図9Bに示すように、溝300に、第1添加物を含む第1遮光部材31を配置する工程を備える。第1遮光部材31は、例えば、金型を用いたトランスファモールド法、射出成形法、または圧縮成形法などを用いて形成される。例えば、第1遮光部材31は、溝300に配置されるとともに、透光性シート120の第1主面121及び側面を被覆する。
【0089】
溝300に第1遮光部材31を配置する工程の後、第1実施形態に係る発光装置の製造方法は、
図9Dに示すように、透光性シート120の第1主面121上に少なくとも1つの発光素子10を配置する工程を備える。例えば、複数の発光素子10が、透光性シート120の第1主面121上に配置される。発光素子10における第1主面121と対向する面の反対側の面に電極12が配置されている。
【0090】
なお、溝300に第1遮光部材31を配置する工程において、透光性シート120の第1主面121を被覆するように第1遮光部材31を配置した場合には、発光素子10を配置する工程の前に、透光性シート120の第1主面121を被覆する第1遮光部材31と、透光層23の一部とを除去する工程を備える。第1主面121を被覆する第1遮光部材31が除去されることで、
図9Cに示すように、透光層23の上面が第1遮光部材31から露出し、さらに透光層23の一部も除去されることで、透光層23が薄くなる。また、溝300に第1遮光部材31を配置する工程において、透光性シート120の側面を被覆するように第1遮光部材31を配置した場合には、透光性シート120の側面を被覆する第1遮光部材31の一部も除去される。第1遮光部材31及び透光層23の除去は、例えば、研削装置を用いて行われる。蛍光体層22が露出するまで透光層23を除去せずに、蛍光体層22上に透光層23が残るようにする。これにより、蛍光体層22の一部が除去されて蛍光体層22の厚さがばらつくことに起因して、各発光部の発光色がばらつくことを低減することができる。
【0091】
発光素子10を配置する工程において、
図9Dに示すように、例えば、接合部材41を用いて、透光性シート120の第1主面121上に発光素子10を配置する。発光素子10において、電極12が配置された面の反対側の面が第1主面121に対向される。第1主面121上に、未硬化状態の接合部材41が、例えばディスペンサにより供給される。接合部材41を供給した後、接合部材41を硬化させる。接合部材41を硬化させる工程は、例えば、加熱することにより行われる。これにより、発光素子10と透光性シート120とが接合部材41を介して接合される。
【0092】
発光素子10を配置する工程の後、第1実施形態に係る発光装置の製造方法は、
図9Eに示すように、発光素子10の素子側面11に、第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材32を配置する工程を備える。第2遮光部材32は、例えば、金型を用いたトランスファモールド法、射出成形法、または圧縮成形法などを用いて、発光素子10、接合部材41、及び電極12を被覆するように、透光性シート120上及び第1遮光部材31上に配置される。
【0093】
第2遮光部材32を配置する工程において、電極12を被覆するように第2遮光部材32を配置した場合、例えば、研削装置を用いて第2遮光部材32を除去し、
図9Fに示すように、電極12の表面を第2遮光部材32から露出させる。この後、必要に応じて、電極12の表面に金属膜を形成する。金属膜として、例えば、電極12の表面側からニッケル膜及び金膜が順に積層される。金属膜は、例えば、スパッタ法、または蒸着法により形成される。
【0094】
第2遮光部材32を配置する工程の後、透光性シート120、発光素子10、電極12、接合部材41、第1遮光部材31、及び第2遮光部材32を含む構造体501を、光拡散層21が上面側になるように上下反転させて、第1支持部材201から第2支持部材202に転写する。この後、例えば、研削装置を用いて、光拡散層21の一部を除去する。光拡散層21は、溝300に配置された第1遮光部材31が露出するまで除去される。これにより、上記構造体501は、
図9Gに示すように、複数の発光部50に分離される。この後、発光部50の外側の領域において、第1遮光部材31及び第2遮光部材32を、例えば、ブレードまたはレーザを用いて切断し、発光装置に個片化する。
【0095】
[第2実施形態に係る発光装置の製造方法]
図10A~
図10Fを参照して、第2実施形態に係る発光装置2の製造方法について説明する。
【0096】
第1実施形態に係る発光装置の製造方法と同様、第1主面121に溝300を有する透光性シート120を準備する工程の後、
図9Bに示すように、溝300に第1遮光部材31を配置する。第2実施形態に係る発光装置の製造方法においては、透光性シート120の第1主面121を被覆するように第1遮光部材31を配置する。透光性シート120の側面は、第1遮光部材31から露出させる。透光性シート120の側面を第1遮光部材31から露出させる方法として、例えば、
図10Aに示すように、溝300に第1遮光部材31が配置される透光性シート120を準備する。次に、各発光装置となる領域において、透光性シート120の周囲に配置される第1遮光部材31をブレード等で除去する。これにより、透光性シート120の厚み方向において、透光性シート120の周囲に配置される第1遮光部材31に窪み31bが形成される。透光性シート120の周囲に配置される第1遮光部材31を除去する工程は、第1遮光部材31の除去とともに、透光性シート120の端部に位置する光拡散層21、蛍光体層22および透光層23の一部を除去してもよい。
【0097】
第1遮光部材31を配置する工程の後、透光性シート120の第1主面121を被覆する第1遮光部材31と、透光層23の一部とを除去する。第1主面121を被覆する第1遮光部材31が除去されることで、
図10Bに示すように、透光層23の上面が第1遮光部材31から露出し、さらに透光層23の一部も除去されることで、透光層23が薄くなる。第1遮光部材31及び透光層23の除去は、例えば、研削装置を用いて行われる。
【0098】
この後、
図10Cに示すように、透光性シート120の第1主面121上に、接合部材41を介して発光素子10を配置する。
【0099】
発光素子10を配置する工程の後、
図10Dに示すように、発光素子10の素子側面11に、第2遮光部材32を配置する。第2遮光部材32は、例えば、金型を用いたトランスファモールド法、射出成形法、または圧縮成形法などを用いて、発光素子10、接合部材41、及び電極12を被覆するように形成される。また、第2実施形態に係る発光装置2の製造方法においては、第2遮光部材32は、透光性シート120の周囲に配置された窪み31bにも配置され、透光性シート120の側面を被覆する。
【0100】
第2遮光部材32を配置する工程において、電極12を被覆するように第2遮光部材32を配置した場合、例えば、研削装置を用いて第2遮光部材32を除去し、
図10Eに示すように、電極12の表面を第2遮光部材32から露出させる。この後、必要に応じて、電極12の表面にスパッタまたは蒸着等により金属膜を形成する。
【0101】
第2遮光部材32を配置する工程の後、透光性シート120、発光素子10、電極12、接合部材41、第1遮光部材31、及び第2遮光部材32を含む構造体502を、光拡散層21が上面側になるように上下反転させて、第1支持部材201から第2支持部材202に転写する。この後、例えば、研削装置を用いて、光拡散層21の一部を除去する。光拡散層21は、溝300に配置された第1遮光部材31が露出するまで除去される。これにより、上記構造体502は、
図10Fに示すように、複数の発光部50に分離される。この後、発光部50の外側の領域において、第2遮光部材32を、例えば、ブレードまたはレーザを用いて切断し、発光装置に個片化する。
【0102】
[第3実施形態に係る発光装置の製造方法]
図11A~
図11Hを参照して、第3実施形態に係る発光装置3の製造方法について説明する。
【0103】
第3実施形態に係る発光装置の製造方法は、
図11Aに示すように、第1主面221に第1溝301を有する透光性シート220を準備する工程を備える。透光性シート220における第1主面221の反対側に位置する第2主面222が第1支持部材201に対向するように、透光性シート220は第1支持部材201に支持される。例えば、上面視において、格子状に複数の第1溝301が第1主面221に配置される。
【0104】
第1溝301を有する透光性シート220を譲受(購入を含む)して準備することができる。または、第1溝301を有する透光性シート220を準備する工程は、透光性シート220に第1溝301を形成する工程を有してもよい。第1溝301は、例えば、ブレードまたはレーザにより形成することができる。
【0105】
例えば、透光性シート220は、第1主面221側から順に、蛍光体層22と光拡散層21とを有する。第1溝301は透光性シート220を貫通せず、第1溝301の底は光拡散層21中に位置する。
【0106】
第1溝301を有する透光性シート220を準備する工程の後、第3実施形態に係る発光装置の製造方法は、
図11Bに示すように、透光性シート220の第1主面221上に少なくとも1つの発光素子10を配置する工程を備える。例えば、接合部材41を介して、発光素子10が透光性シート220の第1主面221上に配置される。
【0107】
発光素子10を配置する工程の後、第3実施形態に係る発光装置の製造方法は、発光素子10の周囲に、第1添加物を含む第1遮光部材31と、第1添加物の熱伝導率よりも高い第2添加物を含む第2遮光部材32を備える遮光部材を配置する工程を備える。
【0108】
遮光部材を配置する工程は、
図11Cに示すように、第1溝301に第2遮光部材32を配置する工程を有する。第2遮光部材32は、例えば、金型を用いたトランスファモールド法、射出成形法、または圧縮成形法などを用いて配置される。例えば、第2遮光部材32は、第1溝301に配置されるとともに、発光素子10、電極12、及び透光性シート220の側面を被覆する。
【0109】
電極12を被覆するように第2遮光部材32を配置した場合、遮光部材を配置する工程は、電極12を被覆する第2遮光部材32を除去する工程を有する。例えば、研削装置を用いて第2遮光部材32が除去され、
図11Dに示すように、電極12の表面が第2遮光部材32から露出する。この後、必要に応じて、電極12の表面にスパッタや蒸着等により金属膜を形成する。
【0110】
電極12の表面を露出させた後、透光性シート220、発光素子10、電極12、接合部材41、及び第2遮光部材32を含む構造体503を、
図11Eに示すように、光拡散層21が上面側になるように上下反転させて、第1支持部材201から第2支持部材202に転写する。
【0111】
この後、遮光部材を配置する工程は、
図11Fに示すように、第1溝301に配置された第2遮光部材32に、第1溝301の幅よりも小さい幅を有する第2溝302を形成する工程を有する。第2溝302は、透光性シート220の第2主面222側において連続していた光拡散層21を複数に分離する。これにより、上記構造体503は、複数の発光部50に分離される。第2溝302の底は、第1溝301に配置された第2遮光部材32中に位置する。第2溝302は、例えば、ブレードまたはレーザにより形成することができる。
【0112】
さらに、遮光部材を配置する工程は、
図11Gに示すように、第2溝302に第1遮光部材31を配置する工程を有する。第1遮光部材31は、例えば、金型を用いたトランスファモールド法、射出成形法、または圧縮成形法などを用いて配置される。例えば、第2溝302に第1遮光部材31を配置する工程は、光拡散層21の上面を被覆するように第2溝302に第1遮光部材31を配置する工程と、光拡散層21の上面を被覆する第1遮光部材31を除去する工程とを有する。光拡散層21の上面を被覆する第1遮光部材31が除去されることで、
図11Hに示すように、光拡散層21の上面が第1遮光部材31から露出する。
【0113】
この後、発光部50の外側の領域において、第2遮光部材32を、例えば、ブレードまたはレーザを用いて切断し、発光装置に個片化する。
【0114】
次に、実施形態を実施した実施例について説明する。
【0115】
実施例1は、
図2に示す第1実施形態の発光装置1の構成を備える。
実施例2は、
図4A及び
図4Bに示す第3実施形態の発光装置3の構成を備える。
【0116】
実施例1及び実施例3の第1遮光部材31は、第1添加物として、以下に示す酸化チタンを60質量%含む。
酸化チタンの粒径:0.25μm。
酸化チタンの熱伝導率:0.2W/m・K以上0.4W/m・K以下。
発光ピーク波長が450nmの波長の光に対する酸化チタンの反射率:91.9%。
【0117】
実施例1及び実施例3の第2遮光部材32は、第2添加物として、以下に示す窒化ホウ素を30質量%含む。
窒化ホウ素の粒径:1.22μm。
窒化ホウ素の熱伝導率:2W/m・K以上3W/m・K以下。
発光ピーク波長が450nmの波長の光に対する窒化ホウ素の反射率:81.4%。
【0118】
実施例1及び実施例3の発光装置の光束及び温度を測定し、比較例と比較した。ここでの温度は、発光素子のジャンクション温度Tjを表す。
【0119】
比較例は、
図2に示す第1実施形態の発光装置1の構成において、第1遮光部材31及び第2遮光部材32を同じ遮光部材とした。比較例の遮光部材は、添加物として酸化チタンを60質量%含む。比較例に用いた酸化チタンは、実施例1及び実施例3に用いた酸化チタンと同じ粒径、同じ熱伝導率、及び同じ反射率(発光ピーク波長が450nmの波長の光に対する反射率)を有する。すなわち、比較例は、隣り合う発光素子の素子側面の間にも実施例1及び実施例3における第1遮光部材31と同じ遮光部材が配置されている。
【0120】
複数の発光部のうち中央に配置される発光部のみを発光させたときの光束を測定した。この時の比較例の発光装置の光束の測定値を100%とした。この比較例の光束に対する実施例1の発光装置の光束比は102.7%であった。比較例の光束に対する実施例3の発光装置の光束比は100.6%であった。
【0121】
複数の発光部のうち中央に配置される発光部のみを発光させたときの発光装置の温度を測定した。この時の比較例の発光装置の温度は174℃であった。実施例1の発光装置の温度は167℃であった。実施例3の発光装置の温度は170℃であった。
【0122】
以上の結果より、実施例1及び実施例3における光束は、比較例と同等もしくは同等以上とすることができ、且つ実施例1及び実施例3における温度は、比較例よりも低くすることができた。
【0123】
本開示に係る実施形態は、以下の発光装置及び発光装置の製造方法を含む。
[項1]
第1素子側面を有する第1発光素子と、前記第1発光素子上に配置され、第1側面を有する第1透光性部材とを有する第1発光部と、
前記第1素子側面に対向する第2素子側面を有する第2発光素子と、前記第2発光素子上に配置され、前記第1側面に対向する第2側面を有する第2透光性部材とを有する第2発光部と、
前記第1側面と前記第2側面との間に配置され、第1添加物を含む第1遮光部材と、
前記第1素子側面と前記第2素子側面との間に配置され、且つ前記第1発光部及び前記第2発光部を一括して保持する第2遮光部材であって、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む前記第2遮光部材と、
を備える発光装置。
[項2]
前記第1素子側面と前記第2素子側面との間の第1距離は、前記第1側面と前記第2側面との間の第2距離よりも大きく、
前記第2添加物の粒径は、前記第1添加物の粒径よりも大きい上記項1に記載の発光装置。
[項3]
前記第2添加物の粒径は、前記第1添加物の粒径の1.5倍以上である上記項2に記載の発光装置。
[項4]
前記第2距離は、10μm以上30μm以下である上記項2または3に記載の発光装置。
[項5]
前記第1透光性部材は、他の発光部に隣り合わない第3側面を有し、
前記第3側面に、前記第1遮光部材が配置される上記項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
[項6]
前記第1透光性部材は、他の発光部に隣り合わない第3側面を有し、
前記第3側面に、前記第2遮光部材が配置される上記項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
[項7]
前記第2遮光部材は、前記第1添加物をさらに含む上記項1~6のいずれか1つに記載の発光装置。
[項8]
前記第1透光性部材は、前記第1発光素子上に配置された第1蛍光体層と、前記第1蛍光体層上に配置された第1光拡散層とを有し、
前記第2透光性部材は、前記第2発光素子上に配置された第2蛍光体層と、前記第2蛍光体層上に配置された第2光拡散層とを有する上記項1~7のいずれか1つに記載の発光装置。
[項9]
前記第1光拡散層と前記第2光拡散層との間の隙間は、前記第1光拡散層の上面側及び前記第2光拡散層の上面側に位置する第1隙間と、前記第1隙間の下方に位置し、前記第1隙間の幅よりも広い幅を有する第2隙間とを有し、
前記第1隙間に、前記第1添加物が配置され、
前記第2隙間、及び前記第1蛍光体層と前記第2蛍光体層との間に、前記第2添加物が配置される上記項8に記載の発光装置。
[項10]
前記第1透光性部材は、前記第1発光素子と前記第1蛍光体層との間に配置された第1透光層を有し、
前記第2透光性部材は、前記第2発光素子と前記第2蛍光体層との間に配置された第2透光層を有する上記項8に記載の発光装置。
[項11]
前記第1光拡散層と前記第2光拡散層との間の隙間における前記第1光拡散層の上面側及び前記第2光拡散層の上面側に位置する上部に、空気層がある上記項8または10に記載の発光装置。
[項12]
前記第1側面と前記第2側面との間における前記第1透光性部材の上面側及び前記第2透光性部材の上面側に位置する上部における前記第1添加物の濃度は、前記上部より下方に位置する下部における前記第1添加物の濃度よりも低い上記項1~11のいずれか1つに記載の発光装置。
[項13]
素子側面を有する発光素子と、前記発光素子上に配置され、側面を有する透光性部材とを有する発光部と、
前記透光性部材の前記側面に配置され、第1添加物を含む第1遮光部材と、
前記発光素子の前記素子側面に配置され、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材と、
を備える発光装置。
[項14]
前記第1添加物の光反射率は、前記第2添加物の光反射率よりも高い上記項1~13のいずれか1つに記載の発光装置。
[項15]
前記第1添加物は、酸化チタンからなる項1~14のいずれか1つに記載の発光装置。
[項16]
前記第2添加物は、窒化ホウ素または酸化アルミニウムからなる項1~15のいずれか1つに記載の発光装置。
[項17]
第1主面に溝を有する透光性シートを準備する工程と、
前記溝に、第1添加物を含む第1遮光部材を配置する工程と、
前記第1遮光部材を配置する工程の後、前記透光性シートの前記第1主面上に少なくとも1つの発光素子を配置する工程と、
前記発光素子の素子側面に、前記第1添加物の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2添加物を含む第2遮光部材を配置する工程と、
を備える発光装置の製造方法。
[項18]
前記透光性シートを準備する工程において、前記透光性シートが、前記第1主面側から順に透光層と蛍光体層とを有し、
前記第1遮光部材を配置する工程は、
前記透光性シートの前記第1主面を被覆するように前記第1遮光部材を配置する工程と、
前記透光性シートの前記第1主面を被覆する前記第1遮光部材と、前記透光層の一部とを除去する工程と、
を有する上記項17に記載の発光装置の製造方法。
[項19]
第1主面に第1溝を有する透光性シートを準備する工程と、
前記透光性シートの前記第1主面上に少なくとも1つの発光素子を配置する工程と、
前記発光素子の周囲に、第1添加物を含む第1遮光部材と前記第1添加物の熱伝導率よりも高い第2添加物を含む第2遮光部材を備える遮光部材を配置する工程と、
を備え、
前記遮光部材を配置する工程は、
前記第1溝に、前記第2添加物を含む前記第2遮光部材を配置する工程と、
前記第1溝に配置された前記第2遮光部材に、前記第1溝の幅よりも小さい幅を有する第2溝を形成する工程と、
前記第2溝に、前記第1添加物を含む第1遮光部材を配置する工程と、
を有する発光装置の製造方法。
[項20]
前記遮光部材を配置する工程は、前記第1遮光部材の一部、前記第2遮光部材の一部、及び前記透光性シートの一部を除去する工程を有する上記項19に記載の発光装置の製造方法。
【0124】
以上、具体例を参照しつつ、本開示に係る実施形態について説明した。しかし、本開示は、これらの具体例に限定されるものではない。本開示の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本開示の要旨を包含する限り、本開示の範囲に属する。その他、本開示の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本開示の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0125】
1~6…発光装置、10…発光素子、10A…第1発光素子、10B…第2発光素子、11…素子側面、11A…第1素子側面、11B…第2素子側面、11C…第3素子側面、12…電極、20…透光性部材、20A…第1透光性部材、20B…第2透光性部材、21…光拡散層、21A…第1光拡散層、21B…第2光拡散層、22…蛍光体層、22A…第1蛍光体層、22B…第2蛍光体層、23…透光層、23A…第1透光層、23B…第2透光層、25…側面、25A…第1側面、25B…第2側面、25C…第3側面、31…第1遮光部材、32…第2遮光部材、41…接合部材、50…発光部、50A…第1発光部、50B…第2発光部、60…隙間、61…第1隙間、62…第2隙間、71…空気層、80…基板、81…接合材、82…導電部、120…透光性シート、121…第1主面、122…第2主面、201…第1支持部材、202…第2支持部材、220…透光性シート、221…第1主面、300…溝、301…第1溝、302…第2溝
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
実施例1及び実施例2の第1遮光部材31は、第1添加物として、以下に示す酸化チタンを60質量%含む。
酸化チタンの粒径:0.25μm。
酸化チタンの熱伝導率:0.2W/m・K以上0.4W/m・K以下。
発光ピーク波長が450nmの波長の光に対する酸化チタンの反射率:91.9%。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
実施例1及び実施例2の第2遮光部材32は、第2添加物として、以下に示す窒化ホウ素を30質量%含む。
窒化ホウ素の粒径:1.22μm。
窒化ホウ素の熱伝導率:2W/m・K以上3W/m・K以下。
発光ピーク波長が450nmの波長の光に対する窒化ホウ素の反射率:81.4%。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
実施例1及び実施例2の発光装置の光束及び温度を測定し、比較例と比較した。ここでの温度は、発光素子のジャンクション温度Tjを表す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
比較例は、
図2に示す第1実施形態の発光装置1の構成において、第1遮光部材31及び第2遮光部材32を同じ遮光部材とした。比較例の遮光部材は、添加物として酸化チタンを60質量%含む。比較例に用いた酸化チタンは、実施例1及び実施例3に用いた酸化チタンと同じ粒径、同じ熱伝導率、及び同じ反射率(発光ピーク波長が450nmの波長の光に対する反射率)を有する。すなわち、比較例は、隣り合う発光素子の素子側面の間にも実施例1及び実施例
2における第1遮光部材31と同じ遮光部材が配置されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
複数の発光部のうち中央に配置される発光部のみを発光させたときの光束を測定した。この時の比較例の発光装置の光束の測定値を100%とした。この比較例の光束に対する実施例1の発光装置の光束比は102.7%であった。比較例の光束に対する実施例2の発光装置の光束比は100.6%であった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
複数の発光部のうち中央に配置される発光部のみを発光させたときの発光装置の温度を測定した。この時の比較例の発光装置の温度は174℃であった。実施例1の発光装置の温度は167℃であった。実施例2の発光装置の温度は170℃であった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
以上の結果より、実施例1及び実施例2における光束は、比較例と同等もしくは同等以上とすることができ、且つ実施例1及び実施例3における温度は、比較例よりも低くすることができた。