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特開2024-92150赤外線検出装置、温度測定装置及び赤外線検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092150
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】赤外線検出装置、温度測定装置及び赤外線検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20240701BHJP
   G01J 5/0806 20220101ALI20240701BHJP
   G01J 1/04 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G01J1/02 C
G01J5/0806
G01J1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207879
(22)【出願日】2022-12-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 泰生
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 直博
【テーマコード(参考)】
2G065
2G066
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065AB02
2G065BB11
2G065BB12
2G065BC28
2G065BC33
2G065BC35
2G066BA25
2G066BC15
(57)【要約】
【課題】 検出視野の第2方向の長さが長くなることを抑制することができる赤外線検出装置を提供する。
【解決手段】 赤外線検出装置においては、第1検出部の光軸は、第1方向視において対象面と傾斜して交差し、第1検出部は、第1検出光路から入射する赤外線の量を検出する第1センサと、対象面から入射する赤外線を第1センサへ向けて出射する第1光学系と、を備え、第1光学系は、入射側の第1検出光路における第2方向視の第1入射視野角度を、出射側の第1検出光路の第1出射視野角度へ変換し、第1入射視野角度は、第1出射視野角度よりも、小さい。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する第1方向及び第2方向にそれぞれ沿う対象面からの赤外線を検出する赤外線検出装置であって、
前記対象面へ向けて広がる第1検出光路を有し、前記第1検出光路から入射する赤外線の量を検出する第1検出部を備え、
前記第1検出部の光軸は、前記第1方向視において前記対象面と傾斜して交差し、
前記第1検出部は、
前記第1検出光路から入射する赤外線の量を検出する第1センサと、
前記対象面から入射する赤外線を前記第1センサへ向けて出射する第1光学系と、を備え、
前記第1光学系は、入射側の前記第1検出光路における前記第1方向視の第1入射視野角度を、出射側の前記第1検出光路の第1出射視野角度へ変換し、
前記第1入射視野角度は、前記第1出射視野角度よりも、小さい、赤外線検出装置。
【請求項2】
前記対象面へ向けて広がる第2検出光路を有し、前記第2検出光路から入射する赤外線の量を検出する第2検出部をさらに備え、
前記第2検出部の光軸は、前記第1方向視において前記対象面と傾斜して交差し、
前記第2検出部は、
前記第2検出光路から入射する赤外線の量を検出する第2センサと、
前記対象面から入射する赤外線を前記第2センサへ向けて出射する第2光学系と、を備え、
前記第2光学系は、入射側の前記第2検出光路における前記第1方向視の第2入射視野角度を、出射側の前記第2検出光路の第2出射視野角度へ変換し、
前記第2入射視野角度は、前記第2出射視野角度よりも、小さい、請求項1に記載の赤外線検出装置。
【請求項3】
前記第1方向視において、前記第1検出部の光軸と前記対象面との間の交差角度は、前記第2検出部の光軸と前記対象面との間の交差角度よりも、小さく、
前記第1入射視野角度は、前記第2入射視野角度よりも、小さい、請求項2に記載の赤外線検出装置。
【請求項4】
前記対象面は、前記第1方向に沿って搬送される対象物の表面であり、
前記第1光学系は、入射側の前記第1検出光路における前記第2方向視の第3入射視野角度を、出射側の前記第1検出光路の第3出射視野角度へ変換し、
前記第3入射視野角度は、前記第3出射視野角度よりも、大きい、請求項1~3の何れか1項に記載の赤外線検出装置。
【請求項5】
前記第1光学系は、前記対象面から入射する赤外線を前記第1センサへ向けて反射する反射面を備える、一つの反射材であり、
前記反射面は、前記第1方向視において凹状に形成される、請求項1~4の何れか1項に記載の赤外線検出装置。
【請求項6】
前記第1光学系は、前記対象面から入射する赤外線を前記第1センサへ向けて反射する反射面を備える、一つの反射材であり、
前記反射面は、前記第1方向視において凹状に形成され、且つ、前記第1方向及び前記第2方向を含む面による断面において凸状に形成される、請求項4に記載の赤外線検出装置。
【請求項7】
前記第1センサ及び前記第1光学系間で熱伝導するために、前記第1センサ及び前記第1光学系にそれぞれ連結される第1伝熱部をさらに備える、請求項1~6の何れか1項に記載の赤外線検出装置。
【請求項8】
前記第1センサ及び前記第1光学系間で熱伝導するために、前記第1センサ及び前記第1光学系にそれぞれ連結される第1伝熱部と、
前記第2センサ及び前記第2光学系間で熱伝導するために、前記第2センサ及び前記第2光学系にそれぞれ連結される第2伝熱部と、をさらに備え、
前記第1伝熱部と前記第2伝熱部とは、前記第1伝熱部及び前記第2伝熱部間で熱伝導するために、互いに連結される、請求項2又は3に記載の赤外線検出装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載の赤外線検出装置と、
前記第1検出部及び前記第2検出部が検出する赤外線の量に基づいて、前記対象面の温度を演算する処理部と、を備える、温度測定装置。
【請求項10】
請求項1~8の何れか1項に記載の赤外線検出装置を用いて、前記対象面からの赤外線を検出する、赤外線検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、赤外線検出装置、温度測定装置及び赤外線検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、赤外線検出装置は、互いに直交する第1方向及び第2方向にそれぞれ沿う対象面から入射する赤外線の量を検出する第1センサ及び第2センサを備えている(例えば、特許文献1)。そして、第1方向視において、第1センサの光軸と対象面との間の第1交差角度は、第2センサの光軸と対象面との間の第2交差角度よりも、小さくなっている。
【0003】
ところで、第1方向視において、第1交差角度が小さいため、第1センサで赤外線を検出される対象面の領域(検出視野)の第2方向の長さは、長くなる。このように、第1方向視における第1交差角度が小さいほど、対象面において必要な第2方向の長さは、長くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/08002号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、検出視野の第2方向の長さが長くなることを抑制することができる赤外線検出装置、温度測定装置及び赤外線検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
赤外線検出装置は、互いに直交する第1方向及び第2方向にそれぞれ沿う対象面からの赤外線を検出する赤外線検出装置であって、前記対象面へ向けて広がる第1検出光路を有し、前記第1検出光路から入射する赤外線の量を検出する第1検出部を備え、前記第1検出部の光軸は、前記第1方向視において前記対象面と傾斜して交差し、前記第1検出部は、前記第1検出光路から入射する赤外線の量を検出する第1センサと、前記対象面から入射する赤外線を前記第1センサへ向けて出射する第1光学系と、を備え、前記第1光学系は、入射側の前記第1検出光路における前記第1方向視の第1入射視野角度を、出射側の前記第1検出光路の第1出射視野角度へ変換し、前記第1入射視野角度は、前記第1出射視野角度よりも、小さい。
【0007】
温度測定装置は、前記の赤外線検出装置と、前記第1検出部及び前記第2検出部が検出する赤外線の量に基づいて、前記対象面の温度を演算する処理部と、を備える。
【0008】
赤外線検出方法は、前記の赤外線検出装置を用いて、前記対象面からの赤外線を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る温度測定装置の概要図
図2】同実施形態に係る赤外線検出装置の第1方向視の概要図
図3】同実施形態に係る赤外線検出装置の第2方向視の概要図((a):全体図、(b):第1検出部のみの図、(c):第2検出部のみの図)
図4】同実施形態に係るセンサの概要図
図5】同実施形態に係る反射材の斜視図
図6】同実施形態に係る反射材の第1方向視の図
図7図6のVII-VII線断面図
図8】第1検出部の検出光路及び検出視野を説明する第1方向視図
図9】第1及び第2検出部の検出光路及び検出視野を説明する第1方向視図
図10】第1検出部の検出光路を説明する図((a):図8の第4方向視図、(b):第2方向視図)
図11】第1検出部の検出光路及び検出視野を説明する第3方向視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0011】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0012】
以下、温度測定装置及び赤外線検出装置における一実施形態について、図1図11を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、温度測定装置及び赤外線検出装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、温度測定装置及び赤外線検出装置の構成を限定するものではない。
【0013】
図1に示すように、例えば、温度測定装置1は、測定の対象である対象物X1の対象面X2からの赤外線を検出する赤外線検出装置(以下、単に「検出装置」ともいう)2と、検出装置2と通信可能な装置本体3と、検出装置2と装置本体3とを通信可能な通信手段4とを備えていてもよい。装置本体3は、例えば、本実施形態のように、情報が入力される入力部3aと、情報を処理する処理部3bと、情報を出力する出力部3cとを備えていてもよい。
【0014】
通信手段4は、例えば、Wi-Fi、ブルートゥース等の無線通信手段であってもよく、また、例えば、通信ケーブル等の有線通信手段であってもよい。なお、例えば、検出装置2及び装置本体3が、共通の筐体の内部に配置されることによって、検出装置2及び装置本体3は、一体的に構成されていてもよい。
【0015】
入力部3aは、特に限定されないが、例えば、ボタン、タッチパネル等とすることができる。そして、入力部3aには、例えば、対象面X2の温度の測定を開始する指示の情報等が入力されてもよい。
【0016】
処理部3bは、例えば、CPU及びMPU等のプロセッサ、ROM及びRAM等のメモリ、各種インターフェイス等を備えていてもよい。具体的には、処理部3bは、例えば、検出装置2及び入力部3a等から情報を取得する取得部と、情報を記憶する記憶部と、情報(例えば、対象面X2の温度)を演算する演算部と、温度測定装置1の各部(例えば、出力部3c)を制御する制御部とを備えていてもよい。
【0017】
出力部3cは、特に限定されないが、例えば、表示装置等とすることができる。なお、出力部3cは、例えば、温度測定装置1の外部へ信号を出力(送信)する送信手段としてもよい。そして、出力部3cは、測定した結果(例えば、対象面X2の温度)等を出力してもよい。
【0018】
図2及び図3に示すように、対象物X1は、例えば、第1方向D1に沿って搬送される(第1方向D1に平行な方向へ搬送される構成だけでなく、第1方向D1と10°以内で交差する方向へ搬送される構成も含む)金属材、より具体的には、金属シート材であってもよく、そして、対象面X2は、金属材の表面であって、例えば、第1方向D1及び第2方向D2にそれぞれ沿う面であってもよい。なお、対象物X1は、特に限定されず、例えば、停止している金属材であってもよい。
【0019】
また、特に限定されないが、例えば、本実施形態においては、第1方向D1は、第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2と直交する上下方向D3である。
【0020】
検出装置2は、例えば、本実施形態のように、対象面X2からの赤外線の量を検出する第1検出部5及び第2検出部6と、第1検出部5及び第2検出部6を固定する固定手段7とを備えていてもよい。なお、対象面X2からの赤外線は、例えば、対象面X2から輻射(放射)された赤外線と、対象物X1の周辺の物から輻射(放射)されて対象面X2で反射された赤外線とを含んでいる。
【0021】
第1検出部5は、例えば、本実施形態のように、入射する赤外線の量を検出する第1センサ8と、対象面X2から入射する赤外線を第1センサ8へ向けて出射する第1光学系9とを備えていてもよい。これにより、対象面X2からの赤外線は、第1光学系9を経由して、第1センサ8に入射する。
【0022】
第2検出部6は、例えば、本実施形態のように、入射する赤外線の量を検出する第2センサ10と、対象面X2から入射する赤外線を第2センサ10へ向けて出射する第2光学系11とを備えていてもよい。これにより、対象面X2からの赤外線は、第2光学系11を経由して、第2センサ10に入射する。
【0023】
固定手段7は、例えば、本実施形態のように、ベース部7aと、第1センサ8をベース部7aに固定する第1固定部7bと、第1光学系9をベース部7aに固定する第2固定部7cと、第2センサ10をベース部7aに固定する第3固定部7dと、第2光学系11をベース部7aに固定する第4固定部7eとを備えていてもよい。
【0024】
これにより、ベース部7aと第1及び第2固定部7b,7cとは、第1センサ8及び第1光学系9にそれぞれ連結される第1伝熱部7fを構成し、第1伝熱部7fは、第1センサ8及び第1光学系9間で熱伝導させる。加えて、ベース部7aと第3及び第4固定部7d,7eとは、第2センサ10及び第2光学系11にそれぞれ連結される第2伝熱部7gを構成し、第2伝熱部7gは、第2センサ10及び第2光学系11間で熱伝導させる。
【0025】
したがって、センサ8,10と光学系9,11との間に温度差が生じることを抑制することができる。その結果、センサ8,10及び光学系9,11間で赤外線の受け渡しが生じることを抑制することができるため、対象面X2からの赤外線の量をセンサ8,10で正確に検出することができる。
【0026】
なお、ベース部7aが第1伝熱部7f及び第2伝熱部7gを構成しているため、第1伝熱部7fと第2伝熱部7gとは、互いに連結されていることになる。これにより、第1センサ8、第2センサ10、第1光学系9、及び第2光学系11間で熱伝導がされるため、第1センサ8、第2センサ10、第1光学系9、及び第2光学系11間に温度差が生じることを抑制することができる。
【0027】
したがって、第1センサ8、第2センサ10、第1光学系9、及び第2光学系11で赤外線の受け渡しが生じることを抑制することができる。その結果、例えば、第1センサ8、第2センサ10、第1光学系9、及び第2光学系11が近くに配置された場合でも、対象面X2からの赤外線の量を第1及び第2センサ8,10で正確に検出することができる。
【0028】
例えば、各伝熱部7f,7g(具体的には、ベース部7a及び各固定部7b~7e)の熱伝導率は、各検出部5,6及び固定手段7を内部に収容する筐体2aの熱伝導率よりも、大きいことが好ましい。特に限定されないが、伝熱部7f,7gは、例えば、アルミニウムで形成されていてもよく、また、筐体2aは、例えば、硬質樹脂で形成されていてもよい。
【0029】
特に限定されないが、各伝熱部7f,7gの熱伝導率は、例えば、100(W/m・K)以上であってもよく、また、例えば、200(W/m・K)以上であることが好ましい。なお、検出装置2は、筐体2aの内部に、熱媒体(例えば、一定の温度のガス)を導入する装置を備えていてもよい。これにより、センサ8,10及び光学系9,11間に温度差が生じることをさらに抑制することができる。
【0030】
第1光学系9は、例えば、本実施形態のように、第1反射面9bを有する、一つの第1反射材(例えば、ミラー)9aで構成されていてもよい。これにより、対象面X2から第1反射材9aへ向かう赤外線は、第1反射面9bに入射した後に、第1反射面9bで反射され、第1センサ8へ向かう。
【0031】
第2光学系11は、例えば、本実施形態のように、第2反射面11bを有する、一つの第2反射材(例えば、ミラー)11aで構成されていてもよい。これにより、対象面X2から第2反射材11aへ向かう赤外線は、第2反射面11bに入射した後に、第2反射面11bで反射され、第2センサ10へ向かう。
【0032】
特に限定されないが、反射材9a,11aの反射面9b,11bが入射された赤外線を反射する割合(反射面9b,11bの赤外線の反射率)は、例えば、90%としてもよく、また、例えば、95%以上であることが好ましく、また、例えば、98%以上であることがさらに好ましい。これにより、赤外線が反射材9a,11aに吸収されることを抑制することができるため、対象面X2からの赤外線をセンサ8,10で正確に検出することができる。
【0033】
なお、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1センサ8及び第1光学系9は、上下方向D3視において、対象物X1(対象面X2)から離れて配置されていてもよい。また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第2センサ10及び第2光学系11は、上下方向D3視において、対象物X1(対象面X2)から離れて配置されていてもよい。
【0034】
そして、検出部5,6は、それぞれ光軸5a,6aを備えている。なお、検出部5,6の光軸5a,6aは、センサ8,10に入射される赤外線の光軸でもある。そして、各検出部5,6の光軸5a,6aは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1視において対象面X2と傾斜して交差していてもよい。
【0035】
これにより、第1横方向D1視において、第1検出部5の光軸5aと対象面X2との間の第1交差角度θ1は、90°未満(例えば、45°以下)となり、第2検出部6の光軸6aと対象面X2との間の第2交差角度θ2は、90°未満(例えば、45°以下)となる。なお、第1交差角度θ1は、例えば、本実施形態のように、第2交差角度θ2よりも、小さくてもよい。
【0036】
特に限定されないが、例えば、対象物X1がアルミニウム材である場合には、第1交差角度θ1が2°~6°とされ、第2交差角度θ2が8°~15°とされてもよい。また、特に限定されないが、例えば、第1交差角度θ1と第2交差角度θ2との差は、4°~10°とされてもよい。
【0037】
また、各検出部5,6の光軸5a,6aは、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2視において対象面X2と垂直に交差していてもよい。これにより、第2横方向D2視において、第1検出部5の光軸5aと対象面X2との間の第3交差角度θ3は、90°となり、第2検出部6の光軸6aと対象面X2との間の第4交差角度θ4は、90°となる。
【0038】
なお、第1~第4交差角度θ1~θ4で対象面X2と交差する光軸5a,6aは、対象面X2から検出部5,6へ入射する赤外線の光軸であり、入射光軸や入射側の光軸ともいう。具体的には、入射光軸は、検出部5,6の光軸5a,6aのうち、対象面X2及び光学系9,11(具体的には、反射材9a,11aの反射面9b,11b)間の光軸のことである。
【0039】
また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1検出部5の光軸5aの長さは、第2検出部6の光軸6aの長さと、同じでもよい。具体的には、例えば、第1検出部5の光軸5aのうち、第1センサ8及び第1反射材9a間の距離は、第2検出部6の光軸6aのうち、第2センサ10及び第2反射材11a間の距離と、同じでもよく、且つ、第1検出部5の光軸5aのうち、対象面X2及び第1反射材9a間の距離は、第2検出部6の光軸6aのうち、対象面X2及び第2反射材11a間の距離と、同じでもよい。
【0040】
ところで、対象物X1の反射率及び放射率が対象面X2に対する角度で異なるため、検出部5,6の光軸5a,6aと対象面X2との間の交差角度θ1,θ2が異なると、検出部5,6で検出する赤外線の量も異なる。これにより、第1交差角度θ1と第2交差角度θ2とが異なっているため、処理部3b(図1参照)は、第1検出部5及び第2検出部6が検出する赤外線の量に基づいて、対象面X2の温度を演算する。
【0041】
なお、処理部3bの演算方法は、特に限定されない。例えば、処理部3bは、第1検出部5及び第2検出部6が検出する赤外線の量と、各交差角度θ1,θ2での既知な反射率及び放射率の少なくとも一方とから、連立方程式や2分法等によって、対象面X2の温度を演算してもよい。これにより、対象面X2の温度を測定することができる。このように、温度測定装置1は、例えば、本実施形態のように、非接触式の放射温度計であってもよい。
【0042】
図4に示すように、第1センサ8は、例えば、赤外線を検出する受光素子8aと、赤外線が透過するレンズ8bと、レンズ8bを透過した赤外線が通過する絞り8cと、受光素子8a及びレンズ8bを収容するセンサ本体8dとを備えていてもよい。これにより、赤外線は、レンズ8bを透過して絞り8cを通過することによって、受光素子8aで受けられる。
【0043】
なお、受光素子8aは、例えば、赤外線を吸収したときの温度変化を起電力の変化として検出してもよい。特に限定されないが、受光素子8aは、例えば、熱電対を多数直列に並べて薄膜化したサーモパイル等の熱型であってもよく、また、例えば、量子型であってもよい。
【0044】
なお、図示していないが、第2センサ10も、例えば、第1センサ8と同様に、受光素子、レンズ、絞り、及びセンサ本体を備えていてもよい。特に限定されないが、第1センサ8及び第2センサ10は、例えば、同じ検出光路である、即ち、同じセンサであってもよい。
【0045】
図5図7に示すように、第1反射材9aの第1反射面9bは、例えば、第1横方向D1視において、凹状に形成されていてもよい。また、第1反射材9aの第1反射面9bは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1及び第2横方向D2を含む面による断面において、即ち、上下方向D3視において、凸状に形成されていてもよい。
【0046】
なお、第2反射材11aの第2反射面11bは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1視において、凹状に形成されていてもよい(図2及び図9参照)。また、第2反射材11aの第2反射面11bは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1及び第2横方向D2を含む面による断面において、即ち、上下方向D3視において、凸状に形成されていてもよい(図3参照)。
【0047】
ここで、検出部5,6の検出光路5b,5d,6b,6d及び検出視野5c,6cについて、図8図11を参照しながら説明する。
【0048】
図8に示すように、第1検出部5は、対象面X2へ向けて広がる第1検出光路5b,5dを備えており、第1センサ8は、第1検出光路5b,5dから入射する赤外線の量を検出する。なお、対象面X2及び第1光学系9間の第1検出光路5bは、入射側の第1検出光路5bといい、第1光学系9及び第1センサ8間の第1検出光路5dは、出射側の第1検出光路5dという。即ち、出射側の第1検出光路5dは、第1センサ8が有する検出光路と同じである。
【0049】
そして、第1光学系9は、入射側の第1検出光路5bにおける第1横方向D1視の角度(以下、「第1入射視野角度」という)θ6を、出射側の第1検出光路5dの第1出射視野角度θ5に変換している。なお、本実施形態においては、第1光学系9が、一つの第1反射材9aであり、且つ、第1検出部5の入射側の光軸5aだけでなく、出射側の光軸5aも、第2横方向D2視において対象面X2と垂直に交差しているため、第1出射視野角度θ5は、出射側の第1検出光路5dにおける第1横方向D1視の角度となる。
【0050】
そして、第1反射材9aの第1反射面9bは、第1横方向D1視において、凹状に形成されている。これにより、第1入射視野角度θ6は、第1出射視野角度θ5よりも、小さくなる。したがって、第1検出部5の検出視野5c(第1検出部5で赤外線を検出される対象面X2の領域)における第2横方向D2の長さが長くなることを抑制することができる。
【0051】
なお、図8において、破線は、第1入射視野角度θY6が第1出射視野角度θ5と同じである場合における、入射側の第1検出光路Y5bを図示している。そして、第1入射視野角度θ6が第1出射視野角度θ5より小さい(θ6<θ5)構成における、検出視野5cの第2横方向D2の長さは、第1入射視野角度θY6が第1出射視野角度θ5と同じ(θY6=θ5)構成における、検出視野Y5cの第2横方向D2の長さよりも、短くなっている(図11も参照)。
【0052】
しかも、対象物X1の反射率及び放射率が対象面X2に対する角度で異なることに対して、対象面X2に対する第1検出光路5b内の赤外線の角度の範囲は、小さくなる。これにより、第1検出部5の光軸5aに対する、第1検出光路5b内の赤外線の角度の範囲は、小さくなる。したがって、第1検出光路5b内の赤外線の反射率及び放射率の差が小さくなるため、例えば、赤外線量の検出の精度を向上させることができる。
【0053】
また、図9に示すように、第2検出部6は、対象面X2へ向けて広がる第2検出光路6b,6dを備えており、第2センサ10は、第2検出光路6b,6dから入射する赤外線の量を検出する。なお、対象面X2及び第2光学系11間の第2検出光路6bは、入射側の第2検出光路6bといい、第2光学系11及び第2センサ10間の第2検出光路6dは、出射側の第2検出光路6dという。即ち、出射側の第2検出光路6dは、第2センサ10が有する検出光路と同じである。
【0054】
そして、第2光学系11は、入射側の第2検出光路6bにおける第1横方向D1視の角度(以下、「第2入射視野角度」という)θ8を、出射側の第2検出光路6dの第2出射視野角度θ7に変換している。なお、本実施形態においては、第2光学系11が、一つの第2反射材11aであり、且つ、第2検出部6の入射側の光軸6aだけでなく、出射側の光軸6aも、第2横方向D2視において対象面X2と垂直に交差しているため、第2出射視野角度θ7は、出射側の第2検出光路6dにおける第1横方向D1視の角度となる。
【0055】
そして、第2反射材11aの第2反射面11bは、第1横方向D1視において、凹状に形成されている。これにより、第2入射視野角度θ8は、第2出射視野角度θ7よりも、小さくなる。したがって、第2検出部6の検出視野6c(第2検出部6で赤外線を検出される対象面X2の領域)における第2横方向D2の長さが長くなることを抑制することができる。
【0056】
ところで、第1交差角度θ1が第2交差角度θ2よりも小さいことに対して、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1視において、第1反射面9bの凹状の曲率半径は、第2反射面11bの凹状の曲率半径よりも、小さくてもよい。これにより、第1入射視野角度θ6は、第2入射視野角度θ8よりも、小さくなる。
【0057】
したがって、例えば、第1検出部5の検出視野5c及び第2検出部6の検出視野6c間で、第2横方向D2の長さの差が大きくなることを抑制することができる。なお、特に限定されないが、例えば、第1検出部5の検出視野5cにおける第2横方向D2の長さと、第2検出部6の検出視野6cにおける第2横方向D2の長さとを同じにすることもできる。
【0058】
また、図10に示すように、第1光学系9は、入射側の第1検出光路5bにおける第2横方向D2視の角度(以下、「第3入射視野角度」という)θ10を、出射側の第1検出光路5dの第3出射視野角度θ9に変換している。なお、本実施形態においては、第3出射視野角度θ9は、図8の第4方向D4視における出射側の第1検出光路5dの角度となる。
【0059】
なお、本実施形態においては、第1光学系9が、一つの第1反射材9aであり、且つ、第1検出部5の入射側の光軸5aだけでなく、出射側の光軸5aも、第2横方向D2視において対象面X2と垂直に交差しているため、第1方向D1視において、第4方向D4と出射側の光軸5aとの交差角度は、第2横方向D2と入射側の光軸5aとの交差角度と、同じである。
【0060】
そして、第1反射材9aの第1反射面9bは、第1横方向D1及び第2横方向D2を含む面による断面において、凸状に形成されている。これにより、第3入射視野角度θ10が、第3出射視野角度θ9よりも、大きくなるため、対象面X2が第1横方向D1に沿って搬送される金属材の表面であることに対して、第1検出部5の検出視野5cにおける第1横方向D1の長さを長くすることができる。
【0061】
したがって、検出視野5cにおける第1横方向D1の長さが長いため、例えば、対象物X1が第1横方向D1に沿って搬送されつつ、対象面X2が部分的に振動したときに、第1センサ8で検出する赤外線の量に、誤差が生じることを抑制することができる。その結果、例えば、当該振動によって第1センサ8で生じる検出誤差を小さくすることができる。
【0062】
なお、図10(b)及び図11において、破線は、第3入射視野角度θY10が第3出射視野角度θ9と同じである場合の第1検出光路Y5b及び第1検出視野Y5cを図示している。そして、第3入射視野角度θ10が第3出射視野角度θ9より大きい(θ10>θ9)構成の、検出視野5cの第1横方向D1の長さは、第3入射視野角度θY10が第3出射視野角度θ9と同じ(θY10=θ9)構成の、検出視野Y5cの第2横方向D2の長さよりも、長くなっている。
【0063】
また、図示していないが、第2光学系11は、入射側の第2検出光路6bにおける第2横方向D2視の角度(以下、「第4入射視野角度」という)を、出射側の第2検出光路6dの第4出射視野角度に変換している。そして、第2反射材11aの第2反射面11bは、第1横方向D1及び第2横方向D2を含む面による断面において、凸状に形成されているため(図3参照)、第4入射視野角度は、第4出射視野角度よりも、大きくなる。
【0064】
したがって、対象面X2が第1横方向D1に沿って搬送される金属材の表面であることに対して、第2検出部6の検出視野6cにおける第1横方向D1の長さを長くすることができる。特に限定されないが、例えば、第1検出部5の検出視野5cにおける第1横方向D1の長さと、第2検出部6の検出視野6cにおける第1横方向D1の長さとを同じにしてもよい。
【0065】
このように、第1光学系9によって、第1検出部5の検出視野5cを所望の領域にすることができ、また、第2光学系11によって、第2検出部6の検出視野6cを所望の領域にすることができる。したがって、特に限定されないが、例えば、第1検出部5の検出視野5cと、第2検出部6の検出視野6cとを、同じ領域にすることもできる。
【0066】
なお、特に限定されないが、例えば、第1出射視野角度θ5及び第3出射視野角度θ9は、同じであってもよい。具体的には、出射側の第1検出光路5b、即ち、第1センサ8が有する検出光路の広がり角度(例えば、第1出射視野角度θ5、第3出射視野角度θ9)は、第1横方向D1及び第2横方向D2だけでなく何れの横方向においても、同じであってもよい。
【0067】
また、特に限定されないが、例えば、第2出射視野角度θ7及び第4出射視野角度は、同じであってもよい。具体的には、出射側の第2検出光路6d、即ち、第2センサ10が有する検出光路の広がり角度(例えば、第3出射視野角度θ9、第4出射視野角度)は、第1横方向D1及び第2横方向D2だけでなく何れの横方向においても、同じであってもよい。
【0068】
以上より、赤外線検出装置2は、例えば、本実施形態のように、互いに直交する第1方向D1及び第2方向D2にそれぞれ沿う対象面X2からの赤外線を検出する赤外線検出装置2であって、前記対象面X2へ向けて広がる第1検出光路5b,5dを有し、前記第1検出光路5b,5dから入射する赤外線の量を検出する第1検出部5を備え、前記第1検出部5の光軸5aは、前記第1方向D1視において前記対象面X2と傾斜して交差し、前記第1検出部5は、前記第1検出光路5b,5dから入射する赤外線の量を検出する第1センサ8と、前記対象面X2から入射する赤外線を前記第1センサ8へ向けて出射する第1光学系9と、を備え、前記第1光学系9は、入射側の前記第1検出光路5bにおける前記第1方向D1視の第1入射視野角度θ6を、出射側の前記第1検出光路5dの第1出射視野角度θ5へ変換し、前記第1入射視野角度θ6は、前記第1出射視野角度θ5よりも、小さい、という構成が好ましい。
【0069】
斯かる構成によれば、第1光学系9が、対象面X2から入射する赤外線を、第1センサ8へ向けて出射しており、第1入射視野角度θ6は、第1出射視野角度θ5よりも、小さくなっている。これにより、第1検出部5の検出視野5cにおける第2方向D2の長さが長くなることを抑制することができる。
【0070】
また、赤外線検出装置2は、例えば、本実施形態のように、前記対象面X2へ向けて広がる第2検出光路6b,6dを有し、前記第2検出光路6b,6dから入射する赤外線の量を検出する第2検出部6をさらに備え、前記第2検出部6の光軸6aは、前記第1方向D1視において前記対象面X2と傾斜して交差し、前記第2検出部6は、前記第2検出光路6b,6dから入射する赤外線の量を検出する第2センサ10と、前記対象面X2から入射する赤外線を前記第2センサ10へ向けて出射する第2光学系11と、を備え、前記第2光学系11は、入射側の前記第2検出光路6bにおける前記第1方向D1視の第2入射視野角度θ8を、出射側の前記第2検出光路6dの第2出射視野角度θ7へ変換し、前記第2入射視野角度θ8は、前記第2出射視野角度θ7よりも、小さい、という構成が好ましい。
【0071】
斯かる構成によれば、第2光学系11が、対象面X2から入射する赤外線を、第2センサ10へ向けて出射しており、第2入射視野角度θ8は、第2出射視野角度θ7よりも、小さくなっている。これにより、第2検出部6の検出視野6cにおける第2方向D2の長さが長くなることを抑制することができる。
【0072】
また、赤外線検出装置2においては、例えば、本実施形態のように、前記第1方向D1視において、前記第1検出部5の光軸5aと前記対象面X2との間の交差角度(本実施形態においては、第1交差角度)θ1は、前記第2検出部6の光軸6aと前記対象面X2との間の交差角度(本実施形態においては、第2交差角度)θ2よりも、小さく、前記第1入射視野角度θ6は、前記第2入射視野角度θ8よりも、小さい、という構成が好ましい。
【0073】
斯かる構成によれば、第1方向D1視において、第1検出部5の光軸5aと対象面X2との間の交差角度θ1が、第2検出部6の光軸6aと対象面X2との間の交差角度θ2よりも、小さいことに対して、第1入射視野角度θ6は、第2入射角度θ8よりも、小さくなっている。これにより、例えば、第1検出部5の検出視野5c及び第2検出部6の検出視野6c間で、第2方向D2の長さの差が大きくなることを抑制することができる。
【0074】
また、赤外線検出装置2においては、例えば、本実施形態のように、前記対象面X2は、前記第1方向D1に沿って搬送される対象物X1の表面であり、前記第1光学系9は、入射側の前記第1検出光路5bにおける前記第2方向D2視の第3入射視野角度θ10を、出射側の前記第1検出光路5dの第3出射視野角度θ9へ変換し、前記第3入射視野角度θ10は、前記第3出射視野角度θ9よりも、大きい、という構成が好ましい。
【0075】
斯かる構成によれば、第3入射視野角度θ10が、第3出射視野角度θ9よりも、大きくなっているため、対象面X2が第1方向D1に沿って搬送される対象物X1の表面であることに対して、第1検出部5の検出視野5cにおける第1方向D1の長さを長くすることができる。
【0076】
また、赤外線検出装置2においては、例えば、本実施形態のように、前記第1光学系9は、前記対象面X2から入射する赤外線を前記第1センサ8へ向けて反射する反射面(本実施形態においては、第1反射面)9bを備える、一つの反射材(本実施形態においては、第1反射材)9aであり、前記反射面9bは、前記第1方向D1視において凹状に形成される、という構成が好ましい。
【0077】
斯かる構成によれば、反射面9bは、第1方向D1視において、凹状に形成されている。これにより、反射面9bが、対象面X2から入射する赤外線を、第1センサ8へ向けて出射することによって、第1入射視野角度θ6は、第1出射視野角度θ5よりも、小さくなる。
【0078】
また、赤外線検出装置2においては、例えば、本実施形態のように、前記第1光学系9は、前記対象面X2から入射する赤外線を前記第1センサ8へ向けて反射する反射面(本実施形態においては、第1反射面)9bを備える、一つの反射材(本実施形態においては、第1反射材)9aであり、前記反射面9bは、前記第1方向D1視において凹状に形成され、且つ、前記第1方向D1及び前記第2方向D2を含む面による断面において凸状に形成される、という構成が好ましい。
【0079】
斯かる構成によれば、反射面9bは、第1方向D1視において、凹状に形成されている。これにより、反射面9bが、対象面X2から入射する赤外線を、第1センサ8へ向けて出射することによって、第1入射視野角度θ6は、第1出射視野角度θ5よりも、小さくなる。
【0080】
また、反射面9bは、第1方向D1及び第2方向D2を含む面による断面において、凸状に形成されている。これにより、反射面9bが、対象面X2から入射する赤外線を、第1センサ8へ向けて出射することによって、第3入射視野角度θ10は、第3出射視野角度θ9よりも、大きくなる。
【0081】
また、赤外線検出装置2は、例えば、本実施形態のように、前記第1センサ8及び前記第1光学系9間で熱伝導するために、前記第1センサ8及び前記第1光学系9にそれぞれ連結される第1伝熱部7fをさらに備える、という構成が好ましい。
【0082】
斯かる構成によれば、第1伝熱部7fが、第1センサ8及び第1光学系9にそれぞれ連結されているため、第1センサ8及び第1光学系9間で、熱伝導が行われる。これにより、第1センサ8と第1光学系9との間に、温度差が生じることを抑制することができる。
【0083】
また、赤外線検出装置2は、例えば、本実施形態のように、前記第1センサ8及び前記第1光学系9間で熱伝導するために、前記第1センサ8及び前記第1光学系9にそれぞれ連結される第1伝熱部7fと、前記第2センサ10及び前記第2光学系11間で熱伝導するために、前記第2センサ10及び前記第2光学系11にそれぞれ連結される第2伝熱部7gと、をさらに備え、前記第1伝熱部7fと前記第2伝熱部7gとは、前記第1伝熱部7f及び前記第2伝熱部7g間で熱伝導するために、互いに連結される、という構成が好ましい。
【0084】
斯かる構成によれば、第1伝熱部7fと第2伝熱部7gとが互いに連結されるため、第1センサ8、第2センサ10、第1光学系9、及び第2光学系11間で、熱伝導が行われる。これにより、第1センサ8、第2センサ10、第1光学系9、及び第2光学系11間に、温度差が生じることを抑制することができる。
【0085】
また、温度測定装置1は、例えば、本実施形態のように、前記の赤外線検出装置2と、前記第1検出部5及び前記第2検出部6が検出する赤外線の量に基づいて、前記対象面X2の温度を演算する処理部3bと、を備える、という構成が好ましい。
【0086】
斯かる構成によれば、第1方向D1視において、第1検出部5の光軸5aと前記対象面X2との間の交差角度θ1が、第2検出部6の光軸6aと対象面X2との間の交差角度θ2と異なっているため、処理部3bは、第1検出部5及び第2検出部6が検出する赤外線の量に基づいて、対象面X2の温度を演算する。これにより、対象面X2の温度を測定することができる。
【0087】
また、赤外線検出方法は、例えば、本実施形態のように、前記の赤外線検出装置2を用いて、前記対象面X2からの赤外線を検出する、という方法が好ましい。
【0088】
斯かる方法によれば、第1検出部5の検出視野5cの第2方向D2の長さが長くなることを抑制することができる。
【0089】
なお、温度測定装置1、赤外線検出装置2及び赤外線検出方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、温度測定装置1、赤外線検出装置2及び赤外線検出方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0090】
(1)上記実施形態に係る赤外線検出装置2は、第1検出部5及び第2検出部6を備えている、いう構成である。しかしながら、赤外線検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、赤外線検出装置2は、第1検出部5のみを備えており、第2検出部6を備えていない、いう構成でもよい。
【0091】
(2)また、上記実施形態に係る赤外線検出装置2においては、第2検出部6は、第2センサ10及び第2光学系11を備えている、いう構成である。しかしながら、赤外線検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、第2検出部6は、第2センサ10のみを備えており、第2光学系11を備えていない、いう構成でもよい。
【0092】
(3)また、上記実施形態に係る赤外線検出装置2においては、第1検出部5の光軸5aは、第2方向D2視において対象面X2と垂直に交差する、という構成である。しかしながら、赤外線検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、第1検出部5の光軸5aは、第2方向D2視において対象面X2と傾斜して交差する、という構成でもよい。即ち、例えば、第1検出部5の光軸5aは、第1方向D1視及び第2方向D2視においてそれぞれ対象面X2と傾斜して交差する、という構成でもよい。
【0093】
(4)また、上記実施形態に係る赤外線検出装置2においては、第2検出部6の光軸6aは、第1方向D1視において対象面X2と傾斜して交差し、且つ、第2方向D2視において対象面X2と垂直に交差する、という構成である。即ち、第2交差角度θ2は、90°未満であり、且つ、第4交差角度θ4は、90°である、という構成である。しかしながら、赤外線検出装置2は、斯かる構成に限られない。
【0094】
例えば、第2検出部6の光軸6aは、第1方向D1視及び第2方向D2視においてそれぞれ対象面X2と傾斜して交差する、という構成でもよい。即ち、第2交差角度θ2及び第4交差角度θ4は、それぞれ90°未満である、という構成でもよい。
【0095】
また、例えば、第2検出部6の光軸6aは、第1方向D1視及び第2方向D2視においてそれぞれ対象面X2と垂直に交差する、という構成でもよい。即ち、第2交差角度θ2及び第4交差角度θ4は、それぞれ90°である、という構成でもよい。
【0096】
また、例えば、第2検出部6の光軸6aは、第1方向D1視において対象面X2と垂直に交差し、且つ、第2方向D2視において対象面X2と傾斜して交差する、という構成でもよい。即ち、第2交差角度θ2は、90°であり、且つ、第4交差角度θ4は、90°未満である、という構成でもよい。
【0097】
(5)また、上記実施形態に係る赤外線検出装置2においては、第2入射視野角度θ8は、第2出射視野角度θ7よりも、小さい、という構成である。しかしながら、赤外線検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、第2入射視野角度θ8は、第2出射視野角度θ7よりも、大きい、という構成でもよい。また、例えば、第2入射視野角度θ8は、第2出射視野角度θ7と、同じ、という構成でもよい。
【0098】
(6)また、上記実施形態に係る赤外線検出装置2においては、第3入射視野角度θ10は、第3出射視野角度θ9よりも、大きい、という構成である。しかしながら、赤外線検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、第3入射視野角度θ10は、第3出射視野角度θ9よりも、小さい、という構成でもよい。また、例えば、第3入射視野角度θ10は、第3出射視野角度θ9と、同じ、という構成でもよい。
【0099】
(7)また、上記実施形態に係る赤外線検出装置2においては、光学系9,11は、一つの光学部材であり、当該光学部材は、反射材9a,11aである、という構成である。しかしながら、赤外線検出装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、光学系9,11は、複数の光学部材である、という構成でもよい。また、例えば、光学部材は、少なくとも一つのレンズである、という構成でもよく、また、例えば、少なくとも一つの反射材及び少なくとも一つのレンズである、という構成でもよい。
【0100】
なお、光学系9,11が複数の光学部材である場合には、入射側の検出光路5b,6bとは、対象面X2と最も入射側に配置される光学部材との間の検出光路をいい、また、出射側の検出光路5d,6dとは、センサ8,10と最も出射側に配置される光学部材との間の検出光路をいう。また、最も入射側に配置される光学部材と最も出射側に配置される光学部材との間の検出光路は、光学系内検出光路という。
【0101】
(8)また、上記実施形態に係る赤外線検出装置2においては、第1センサ8及び第1光学系9は、第1伝熱部7fにそれぞれ連結され、第2センサ10及び第2光学系11は、第2伝熱部7gにそれぞれ連結され、第1伝熱部7fと第2伝熱部7gとは、互いに連結される、という構成である。しかしながら、赤外線検出装置2は、斯かる構成に限られない。
【0102】
例えば、第1伝熱部7fと第2伝熱部7gとは、熱伝導しないように、離れている、という構成でもよい。また、例えば、第1センサ8と第1光学系9とは、熱伝導しないように、離れている、という構成でもよい。また、例えば、第2センサ10と第2光学系11とは、熱伝導しないように、離れている、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…温度測定装置、2…赤外線検出装置、2a…筐体、3…装置本体、3a…入力部、3b…処理部、3c…出力部、4…通信手段、5…第1検出部、5a…光軸、5b…(入射側)第1検出光路、5c…検出視野、5d…(出射側)第1検出光路、6…第2検出部、6a…光軸、6b…(入射側)第2検出光路、6c…検出視野、6d…(出射側)第2検出光路、7…固定手段、7a…ベース部、7b…第1固定部、7c…第2固定部、7d…第3固定部、7e…第4固定部、7f…第1伝熱部、7g…第2伝熱部、8…第1センサ、8a…受光素子、8b…レンズ、8c…絞り、8d…センサ本体、9…第1光学系、9a…第1反射材、9b…第1反射面、10…第2センサ、11…第2光学系、11a…第2反射材、11b…第2反射面、D1…第1横方向(第1方向)、D2…第2横方向(第2方向)、D3…上下方向(第3方向)、D4…第4方向、X1…対象物、X2…対象面、θ1…第1交差角度、θ2…第2交差角度、θ3…第3交差角度、θ4…第4交差角度、θ5…第1出射視野角度、θ6…第1入射視野角度(第1角度)、θ7…第2出射視野角度、θ8…第2入射視野角度(第2角度)、θ9…第3出射視野角度、θ10…第3入射視野角度(第3角度)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11