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特開2024-92462耐熱漏洩同軸ケーブル及び耐熱漏洩同軸ケーブルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092462
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】耐熱漏洩同軸ケーブル及び耐熱漏洩同軸ケーブルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/22 20060101AFI20240701BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20240701BHJP
   H01B 11/18 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H01Q13/22
H01P11/00 103
H01B11/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208397
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】沼田 修一
【テーマコード(参考)】
5J045
【Fターム(参考)】
5J045AB08
5J045DA14
5J045HA06
5J045JA02
(57)【要約】
【課題】外側耐熱層で覆われていない部分が外部導体に生じることを抑制できる耐熱漏洩同軸ケーブル、及び耐熱漏洩同軸ケーブルの製造方法を提供すること。
【解決手段】耐熱漏洩同軸ケーブルは、内部導体と、前記内部導体の外周側に設けられ、発泡した樹脂によって形成された絶縁層と、前記絶縁層の外周側に縦添えにより設けられ、複数のスロットを有する外部導体と、前記絶縁層の外周側に縦添えにより設けられ、前記外部導体の内周面又は外周面と接する外側耐熱層とを備える。前記外側耐熱層のうち、周方向における一方の方向の端部を含む部分は、前記外部導体の前記周方向における一方の方向の端部よりも前記周方向における一方の方向に延出している。前記外部導体のうち、前記周方向における一方の方向とは反対方向の端部を含む部分は、前記外側耐熱層の前記反対方向の端部よりも、前記反対方向に延出している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部導体と、
前記内部導体の外周側に設けられ、発泡した樹脂によって形成された絶縁層と、
前記絶縁層の外周側に縦添えにより設けられ、複数のスロットを有する外部導体と、
前記絶縁層の外周側に縦添えにより設けられ、前記外部導体の内周面又は外周面と接する外側耐熱層と、
を備え、
前記外側耐熱層のうち、周方向における一方の方向の端部を含む部分は、前記外部導体の前記周方向における一方の方向の端部よりも前記周方向における一方の方向に延出しており、
前記外部導体のうち、前記周方向における一方の方向とは反対方向の端部を含む部分は、前記外側耐熱層の前記反対方向の端部よりも、前記反対方向に延出している、
耐熱漏洩同軸ケーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の耐熱漏洩同軸ケーブルであって、
前記外側耐熱層のうち、前記外部導体の前記周方向における一方の方向の端部よりも前記周方向における一方の方向に延出している部分は、前記外部導体に対し、ラミネート加工により接合している、
耐熱漏洩同軸ケーブル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の耐熱漏洩同軸ケーブルであって、
前記内部導体の外周側、且つ、前記外部導体及び前記外側耐熱層の内周側に、内側耐熱層をさらに備える、
耐熱漏洩同軸ケーブル。
【請求項4】
内部導体の外周側に、発泡した樹脂によって形成された絶縁層を設け、
前記絶縁層の外周側に、複数のスロットを有する外部導体を縦添えにより設け、
前記絶縁層の外周側に、前記外部導体の内周面又は外周面と接する外側耐熱層を縦添えにより設け、
前記外側耐熱層のうち、周方向における一方の方向の端部を含む部分は、前記外部導体の前記周方向における一方の方向の端部よりも前記周方向における一方の方向に延出しており、
前記外部導体のうち、前記周方向における一方の方向とは反対方向の端部を含む部分は、前記外側耐熱層の前記反対方向の端部よりも、前記反対方向に延出している、
耐熱漏洩同軸ケーブルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は耐熱漏洩同軸ケーブル及び耐熱漏洩同軸ケーブルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
漏洩同軸ケーブル(LCX/Leaky Coaxial cable)は、例えば、外部から電波が届き難い場所に敷設される。外部から電波が届き難い場所として、例えば、鉄道用トンネル、自動車用トンネル、高層ビル、地下街等が挙げられる。漏洩同軸ケーブルは、例えば、無線通信システムの送受信用アンテナとして使用される。
【0003】
特許文献1、2に、漏洩同軸ケーブルの構成が記載されている。漏洩同軸ケーブルは、内部導体、絶縁層、外部導体、及び外側耐熱層を備える。絶縁層は、内部導体の周囲に設けられている。外部導体は、絶縁層の周囲に設けられている。外側耐熱層は、外部導体の周囲に設けられている。
【0004】
外部導体には、漏洩同軸ケーブルの長手方向に沿って複数のスロットが設けられている。それらのスロットを通して電波が漏洩する。外部から電波が届き難い場所に漏洩同軸ケーブルを敷設すれば、その場所に電波を届けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-141374号公報
【特許文献2】特開2019-186890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の漏洩同軸ケーブルでは、外部導体の一部を外側耐熱層で覆えないことがあった。本開示の1つの局面では、外側耐熱層で覆われていない部分が外部導体に生じることを抑制できる耐熱漏洩同軸ケーブル、及び耐熱漏洩同軸ケーブルの製造方法を提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの局面は、内部導体と、前記内部導体の外周側に設けられ、発泡した樹脂によって形成された絶縁層と、前記絶縁層の外周側に縦添えにより設けられ、複数のスロットを有する外部導体と、前記絶縁層の外周側に縦添えにより設けられ、前記外部導体の内周面又は外周面と接する外側耐熱層と、を備える耐熱漏洩同軸ケーブルである。前記外側耐熱層のうち、周方向における一方の方向の端部を含む部分は、前記外部導体の前記周方向における一方の方向の端部よりも前記周方向における一方の方向に延出しており、前記外部導体のうち、前記周方向における一方の方向とは反対方向の端部を含む部分は、前記外側耐熱層の前記反対方向の端部よりも、前記反対方向に延出している。
【0008】
本開示の1つの局面である耐熱漏洩同軸ケーブルは、外側耐熱層で覆われていない部分が外部導体に生じることを抑制できる。
本開示の別の局面は、内部導体の外周側に、発泡した樹脂によって形成された絶縁層を設け、前記絶縁層の外周側に、複数のスロットを有する外部導体を縦添えにより設け、前記絶縁層の外周側に、前記外部導体の内周面又は外周面と接する外側耐熱層を縦添えにより設ける耐熱漏洩同軸ケーブルの製造方法である。前記外側耐熱層のうち、周方向における一方の方向の端部を含む部分は、前記外部導体の前記周方向における一方の方向の端部よりも前記周方向における一方の方向に延出しており、前記外部導体のうち、前記周方向における一方の方向とは反対方向の端部を含む部分は、前記外側耐熱層の前記反対方向の端部よりも、前記反対方向に延出している。
【0009】
本開示の別の局面である耐熱漏洩同軸ケーブルの製造方法によれば、外側耐熱層で覆われていない部分が外部導体に生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る耐熱漏洩同軸ケーブルの構造を示す側面図である。
図2】第1実施形態に係る耐熱漏洩同軸ケーブルの構造を示す断面図である。
図3】第1実施形態に係る外部導体及び外側耐熱層の構成を表す断面図である。
図4】外部導体及び外側耐熱層の構成を表す平面図である。
図5図4におけるV-V断面での断面図である。
図6】第2実施形態に係る外部導体及び外側耐熱層の構成を表す断面図である。
図7】比較例で使用する外部導体及び外側耐熱層の構成を表す平面図である。
図8】比較例における外部導体及び外側耐熱層の構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.耐熱漏洩同軸ケーブル1の構成
図1図2に示すように、耐熱漏洩同軸ケーブル1は、内部導体10と、絶縁層20と、内側耐熱層30と、外部導体40と、外側耐熱層50と、抑え巻テープ層60と、シース70と、メッセンジャワイヤ80とを備える。
【0012】
内部導体10は、パイプ状の導体である。パイプ状の導体として、例えば、ストレート形状の銅パイプ、スパイラル形状の銅パイプ等が挙げられる。
絶縁層20は、内部導体10の外周側に設けられている。例えば、絶縁層20の内周面は、内部導体10の外周面と接している。絶縁層20は、発泡した樹脂、又は、発泡した樹脂を含む材料によって形成されている。
【0013】
絶縁層20の材料は未架橋であることが好ましい。絶縁層20の材料が未架橋である場合、誘電体損失を一層抑制することができる。絶縁層20の材料として、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレンがより好ましい。
【0014】
絶縁層20は、例えば、ベース樹脂であるポリエチレン100質量部と、発泡核剤であるADCA(アゾジカルボンアミド)0.005質量部と、発泡核剤であるOBSH(オキシビスベンゼンスルポニルヒドラジド)0.01質量部と、を含む材料によって形成されている。
【0015】
絶縁層20の厚みは6.0mm以上、7.0mm以下であることが好ましく、6.5m以上であることがより好ましい。絶縁層20の材料の発泡度は、70%以上85%以下が好ましく、80%前後がより好ましい。絶縁層20の材料の発泡度が70%以上85%以下である場合、誘電体損失を一層抑制できる。
【0016】
耐熱漏洩同軸ケーブル1は、例えば、内部導体10と絶縁層20との間に内部充実層を備えていてもよい。内部充実層は、内部導体10と絶縁層20との密着性を向上させる。内部充実層は、発泡していない樹脂によって形成することが好ましい。内部充実層の材料として、例えば、発泡していないポリエチレン等が挙げられる。内部充実層の厚みは0.1mm前後であることが好ましい。内部充実層の材料は未架橋であることが好ましい。
【0017】
絶縁層20の材料は、フッ素や塩素等のハロゲン元素を含まないノンハロゲン系の樹脂であることが好ましい。絶縁層20の材料がノンハロゲン系の樹脂である場合、燃焼時の有毒ガス発生を抑制することができる。絶縁層20を形成する樹脂は、必要に応じ、失活剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0018】
内側耐熱層30は、絶縁層20の外周側に設けられている。内側耐熱層30は、例えば、絶縁層20の外周面に接している。内側耐熱層30は、外部導体40及び外側耐熱層50よりも内周側に位置する。
【0019】
内側耐熱層30は、例えば、絶縁層20の外周面に巻かれた耐熱テープによって形成されている。耐熱テープは、例えば、ポリイミドテープである。ポリイミドテープの厚みは、例えば、0.025mm以上である。ポリイミドテープは、例えば、絶縁層20の外周面に螺旋状に巻かれている。ポリイミドテープは、例えば、絶縁層20の外周面に、ラップ幅(すなわち重複幅)が2.0mm以上となるように横巻きされている(すなわちラップ巻きされている)。
【0020】
外部導体40は、内側耐熱層30の外周側に設けられている。外部導体40は、例えば、内側耐熱層30の外周面に接している。つまり、内側耐熱層30を介して、絶縁層20の外周側に外部導体40が設けられている。
【0021】
外部導体40は、縦添えにより設けられている。外部導体40は、例えば、導電性テープから成る。導電性テープは、例えば、複数の楕円形状のスロット41が一定間隔で形成されているアルミニウムテープである。
【0022】
外部導体40を構成する導電性テープは、例えば、スロット付き銅テープ、プリーツ形状が付けられたアルミニウムテープ、銅テープ等であってもよい。
外側耐熱層50は、本実施形態では、外部導体40の外周側に設けられている。外側耐熱層50の内周面は、外部導体40の外周面に接している。外側耐熱層50と外部導体40とはラミネート加工により接合している。例えば、外部導体40に設けられている複数のスロット41の全てが、外部導体40の外周側から、外側耐熱層50によって塞がれている。
【0023】
外側耐熱層50は、例えば、耐熱テープから成る。外側耐熱層50は、縦添えにより設けられている。外側耐熱層50を構成している耐熱テープは、内側耐熱層30を構成している耐熱テープと同一の耐熱テープであってもよいし、異種の耐熱テープであってもよい。
【0024】
図3に示すように、外側耐熱層50における、周方向CAでの端部を50Aとする。周方向CAは、耐熱漏洩同軸ケーブル1の長手方向に直交する断面での周方向における、一方の方向である。外部導体40における、周方向CAでの端部を40Aとする。外側耐熱層50のうち、端部50Aを含む部分50Dは、端部40Aよりも、周方向CAに延出している。
【0025】
外側耐熱層50における、周方向CBでの端部を50Bとする。周方向CBは、周方向CAの反対方向である。外部導体40における、周方向CBでの端部を40Bとする。外部導体40のうち、端部40Bを含む部分40Dは、端部50Bよりも、周方向CBに延出している。
【0026】
外部導体40において、端部40Aを含む部分と、端部40Bを含む部分とは、重なり合っている。また、外側耐熱層50において、端部50Aを含む部分と、端部50Bを含む部分とは、重なり合っている。外側耐熱層50は、外部導体40の全てを覆っている。外側耐熱層50は、特に、外部導体40のうち、端部40Aと端部40Bとの間の部分を覆っている。
【0027】
部分50Dの内周面の一部は、外部導体40の外周面と、ラミネート加工により接合している。また、部分50Dの内周面の一部は、外側耐熱層50のうち端部50Bの付近の部分の外周面に、ラミネート加工により接合している。
【0028】
抑え巻テープ層60は、外側耐熱層50の外周側に設けられている。抑え巻テープ層60の内周面は、外側耐熱層50の外周面に接している。抑え巻テープ層60は、例えば、外側耐熱層50の外周面に巻かれた抑え巻テープによって形成されている。抑え巻テープは、例えば、ポリエチレンテレフタレートテープである。
【0029】
シース70は、抑え巻テープ層60の外周側に設けられている。シース70にメッセンジャワイヤ80が取り付けられている。言い換えれば、シース70は、抑え巻テープ層60及びメッセンジャワイヤ80を一括して被覆している。シース70の材料は、例えば、難燃ポリエチレンである。
【0030】
2.耐熱漏洩同軸ケーブル1の製造方法
耐熱漏洩同軸ケーブル1は、例えば、以下のように製造することができる。内部導体10の外周側に絶縁層20を設ける。次に、絶縁層20の外周面に耐熱テープを巻くことで、内側耐熱層30を設ける。
【0031】
図4図5に示すように、外部導体40と外側耐熱層50とを、ラミネート加工により接合する。外側耐熱層50のうち、外部導体40の側の表面にはサーリン(登録商標)の層43が形成されている。外部導体40及び外側耐熱層50の形状はそれぞれ帯状である。帯の長手方向は周方向CA、CBと直交する。
【0032】
外側耐熱層50は、外部導体40に対し、周方向CA、CBにおいて位置がずれている。部分50Dは、端部40Aよりも、周方向CAに延出している。部分40Dは、端部50Bよりも、周方向CBに延出している。
【0033】
外部導体40が内側耐熱層30の外周面に接するように、外部導体40及び外側耐熱層50を縦添えにより取り付けることで、外部導体40及び外側耐熱層50は図3に示す状態となる。次に、抑え巻テープ層60及びシース70を取り付ける。
【0034】
3.耐熱漏洩同軸ケーブル1が奏する効果
(1A)部分50Dは、端部40Aよりも、周方向CAに延出しているため、外側耐熱層50は、外部導体40の全てを覆うことができる。外側耐熱層50は、特に、外部導体40のうち、端部40Aと端部40Bとの間の部分を覆うことができる。
【0035】
なお、図7に、比較例における外部導体40及び外側耐熱層50を示す。端部50Aは、端部40Bよりも周方向CBの側にあり、部分50Dは存在しない。この外部導体40及び外側耐熱層50を縦添えにより取り付けると、図8に示す状態となる。外部導体40の一部は、外側耐熱層50により覆われていない。
【0036】
(1B)部分50Dの内周面の一部は、外部導体40の外周面と、ラミネート加工により接合している。そのため、外部導体40と外側耐熱層50とを一層強固に接合することができる。
<第2実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0037】
前述した第1実施形態では、外側耐熱層50は、外部導体40の外周側に設けられていた。これに対し、第2実施形態では、図6に示すように、外側耐熱層50は、外部導体40の内周側に設けられている点で、第1実施形態と相違する。なお、外側耐熱層50の内周側には内側耐熱層30が存在する。また、外部導体40の外周側には抑え巻テープ層60が存在する。
【0038】
外側耐熱層50の外周面は、外部導体40の内周面に接している。外側耐熱層50と外部導体40とはラミネート加工により接合している。外部導体40に設けられている複数のスロット41の全てが、外部導体40の内周側から、外側耐熱層50によって塞がれている。
【0039】
図6に示すように、部分50Dは、端部40Aよりも、周方向CAに延出している。部分40Dは、端部50Bよりも、周方向CBに延出している。部分50Dの外周面の一部は、部分40Dの内周面と、ラミネート加工により接合している。
【0040】
2.耐熱漏洩同軸ケーブル1の製造方法
本実施形態の耐熱漏洩同軸ケーブル1は、基本的には第1実施形態と同様の方法で製造できる。ただし、ラミネート加工により接合された外部導体40と外側耐熱層50とを、外側耐熱層50が外部導体40よりも内周側となるように取り付ける。
【0041】
3.耐熱漏洩同軸ケーブル1が奏する効果
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果を奏する。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0042】
(1)上記各実施形態において、耐熱漏洩同軸ケーブル1は、内側耐熱層30を備えていなくてもよい。
(2)上記各実施形態において、部分40Dと部分50Dとは接合していなくてもよい。
【0043】
(3)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0044】
(4)上述した耐熱漏洩同軸ケーブル1の他、当該耐熱漏洩同軸ケーブル1を構成要素とするシステム、当該システムの製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1…耐熱漏洩同軸ケーブル、10…内部導体、20…絶縁層、30…内側耐熱層、40…外部導体、40A、40B、50A、50B…端部、41…スロット、43…サーリンの層、50…外側耐熱層、60…抑え巻テープ層、70…シース、80…メッセンジャワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8