(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092619
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】半導体素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/00 20100101AFI20240701BHJP
【FI】
H01L33/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208694
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】川口 浩史
(72)【発明者】
【氏名】石谷 豪浩
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA41
5F241CA05
5F241CA13
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA74
5F241CA88
5F241CB11
5F241CB13
5F241CB15
(57)【要約】
【課題】信頼性の高い半導体素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体素子の製造方法は、半導体構造体と、樹脂部材と、第1絶縁膜とを有する構造体を準備する工程と、第1面上に位置する第1絶縁膜上と、樹脂部材の表面上に位置する第1絶縁膜上とに連続して被覆部材を形成する工程と、被覆部材上にレジスト膜を形成し、被覆部材のうち樹脂部材の表面上に位置する被覆部材を除去することで、第1面上に位置する第1絶縁膜上に被覆部材を残す工程と、被覆部材をマスクに用いたエッチングにより、平面視において被覆部材と重ならない領域に位置する第1絶縁膜及び樹脂部材を除去する工程と、被覆部材を除去する工程と、を備え、第1絶縁膜及び樹脂部材を除去する工程における被覆部材に対するエッチングレートは、第1絶縁膜及び樹脂部材を除去する工程におけるレジスト膜に対するエッチングレートよりも低い。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面とを有する半導体構造体と、前記第2面側に配置され、前記第2面と前記第3面を覆う樹脂部材と、前記第1面と、平面視において前記第1面と隣り合う前記樹脂部材の表面とに連続して配置された第1絶縁膜と、を有する構造体を準備する工程と、
前記第1面上に位置する前記第1絶縁膜上と、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記第1絶縁膜上とに連続して被覆部材を形成する工程と、
前記被覆部材上にレジスト膜を形成し、前記被覆部材のうち前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記被覆部材を除去することで、前記第1面上に位置する前記第1絶縁膜上に前記被覆部材を残す工程と、
前記被覆部材を残す工程の後、前記被覆部材をマスクに用いたエッチングにより、平面視において前記被覆部材と重ならない領域に位置する前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程と、
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程の後、前記被覆部材を除去する工程と、
を備え、
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程における前記被覆部材に対するエッチングレートは、前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程における前記レジスト膜に対するエッチングレートよりも低い、半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程において、前記樹脂部材と共に前記レジスト膜も除去される請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記被覆部材は、金属であり、
前記被覆部材を残す工程において、
前記レジスト膜を、前記第1面上に位置する前記被覆部材上と、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記被覆部材上とに連続して形成した後、露光及び現像処理により、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記レジスト膜を除去し、
前記レジスト膜を除去するときの前記現像処理に用いる現像液によって、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記被覆部材も除去される請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程において、前記樹脂部材と共に前記レジスト膜も除去される請求項3に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項5】
前記被覆部材を残す工程において、前記被覆部材の外縁が前記第1面の外縁よりも内側に位置するように前記被覆部材の一部を除去し、
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程において、前記第1面の前記外縁よりも内側に位置する前記第1絶縁膜の一部が除去される請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項6】
前記構造体は、前記半導体構造体の前記第3面に配置された第2絶縁膜を有し、
前記第1絶縁膜の厚さは、前記第2絶縁膜の厚さよりも薄い請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項7】
前記構造体を準備する工程において、平面視において、外周領域と、前記外周領域よりも内側に位置し、粗面化された内側領域とを有する前記第1面を有する前記半導体構造体と、前記外周領域上及び前記樹脂部材の前記表面上に連続して形成された第1膜と、前記第1膜上及び前記内側領域上に連続して形成された第2膜とを有する前記第1絶縁膜と、を有する前記構造体を準備し、
前記被覆部材を残す工程において、前記被覆部材の外縁が、平面視において、前記外周領域と重なる位置となるように前記被覆部材を残す請求項1~6のいずれか1つに記載の半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、レジストをマスクに用いて、無機膜と樹脂をエッチングする工程が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、信頼性の高い半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、半導体素子の製造方法は、第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面とを有する半導体構造体と、前記第2面側に配置され、前記第2面と前記第3面を覆う樹脂部材と、前記第1面と、平面視において前記第1面と隣り合う前記樹脂部材の表面とに連続して配置された第1絶縁膜と、を有する構造体を準備する工程と、前記第1面上に位置する前記第1絶縁膜上と、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記第1絶縁膜上とに連続して被覆部材を形成する工程と、前記被覆部材上にレジスト膜を形成し、前記被覆部材のうち前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記被覆部材を除去することで、前記第1面上に位置する前記第1絶縁膜上に前記被覆部材を残す工程と、前記被覆部材を残す工程の後、前記被覆部材をマスクに用いたエッチングにより、平面視において前記被覆部材と重ならない領域に位置する前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程と、前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程の後、前記被覆部材を除去する工程と、を備え、前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程における前記被覆部材に対するエッチングレートは、前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程における前記レジスト膜に対するエッチングレートよりも低い、半導体素子の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、信頼性の高い半導体素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図2】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図3】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図4】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図5】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図6】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図7】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図8】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式平面図である。
【
図9】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式平面図である。
【
図11】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図12】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式平面図である。
【
図13】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図14】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式平面図である。
【
図15】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図16】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図17】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図18】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式平面図である。
【
図20】実施形態に係る半導体素子の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。実施形態に記載されている構成部の寸法、材料、形状、相対的配置などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。また、断面図において、半導体構造部を見やすくするために、半導体構造部の断面にはハッチングを付していない。
【0009】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「上(又は下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(又は下方)に位置している場合を含む。また、本明細書において、特定的な記載がない限り、部材が被覆対象を覆うとは、部材が被覆対象に接して被覆対象を直接覆う場合と、部材が被覆対象に非接触で被覆対象を間接的に覆う場合を含む。
【0010】
以下の実施形態では、半導体素子の一例として、発光素子の製造方法について説明する。なお、半導体素子は、発光素子に限らず、受光素子、ダイオード素子、またはトランジスタ素子などであってもよい。
【0011】
<構造体を準備する工程>
実施形態に係る半導体素子の製造方法は、構造体を準備する工程を備える。
図9は、ウェハ状態の構造体100の一部分の模式断面図である。
図10は、構造体100の模式平面図である。
図9は、
図10のIX-IX線における断面図である。なお、本願の模式平面図において、後述する半導体構造体10の第1面10aの粗面化された内側領域10a2を、網掛けで表している。
【0012】
構造体100は、半導体構造体10と、樹脂部材50と、第1絶縁膜40とを有する。また、構造体100は、半導体構造体10を支持する支持部材102を備えることができる。互いに分離された複数の半導体構造体10が、樹脂部材50を介して、支持部材102上に支持されている。
【0013】
支持部材102として、例えば、サファイア、スピネル(MgA12O4)、SiC、ZnS、ZnO、GaAs、Siなどの基板を用いることができる。
【0014】
半導体構造体10は、窒化物半導体からなる。本明細書において「窒化物半導体」とは、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)なる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。また、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電型などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むものも「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0015】
半導体構造体10は、第1半導体層11と、第2半導体層13と、活性層12とを有する。第2半導体層13は、第1半導体層11と支持部材102との間に位置する。活性層12は、第1半導体層11と第2半導体層13との間に位置する。活性層12は、光を発する発光層であり、例えば複数の障壁層と、複数の井戸層を含むMQW(Multiple Quantum well)構造を有する。活性層12は、例えば、ピーク波長が210nm以上580nm以下の光を発する。例えば、第1半導体層11はn型不純物を含む半導体層を有し、第2半導体層13はp型不純物を含む半導体層を有する。
【0016】
半導体構造体10は、第1面10aと、第2面10bと、第3面10cを有する。
【0017】
第1半導体層11の上面が、第1面10aを構成する。第1面10aは、
図10に示すように、平面視において、外周領域10a1と、外周領域10a1よりも内側に位置し、粗面化された内側領域10a2とを有する。
【0018】
第2面10bは、第1面10aの反対側に位置する。第2面10bは、第1領域10b1と第2領域10b2とを有する。第1領域10b1において、第1半導体層11の一部が第2半導体層13及び活性層12から露出する。第1領域10b1の表面は、基板101と反対側の第1半導体層11の面である。第2領域10b2の表面は、第2半導体層13の活性層12と反対側の面である。
【0019】
第3面10cは、第1面10aと第2面10bとを接続する。第3面10cは、第1面10aから連続する第1半導体層11の側面を含む。また、第3面10cは、活性層12の側面及び第2半導体層13の側面を含む。
【0020】
樹脂部材50は、第2面10b側に配置され、第2面10bと第3面10cを覆う。樹脂部材50は、第2面10bと支持部材102との間、及び第3面10cと支持部材102との間に配置されている。樹脂部材50は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、又はポリイミド樹脂のうち少なくとも1種の樹脂を含む。
【0021】
第1絶縁膜40は、第1面10aと、平面視において第1面10aと隣り合う樹脂部材50の表面50aとに連続して配置されている。第1絶縁膜40は、第1面10aを保護する。第1絶縁膜40として、例えば、SiO2を用いることができる。
【0022】
構造体100は、透光性導電膜21、第1導電膜23、第2導電膜22、第1電極25、第2電極24、金属膜26、第2絶縁膜43、及び第3絶縁膜44をさらに備えることができる。
【0023】
透光性導電膜21は、第2面10bの第2領域10b2に配置され、第2半導体層13に接している。透光性導電膜21は、第2電極24を通じて供給される電流を第2半導体層13の面方向に拡散させる機能を有する。活性層12が発する光のピーク波長に対する透光性導電膜21の透過率は、60%以上、好ましくは70%以上である。透光性導電膜21として、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO、In2O3などを用いることができる。透光性導電膜21の膜厚は、例えば、10nm以上500nm以下とすることができる。
【0024】
第1導電膜23は、第2面10bの第1領域10b1に配置され、第1半導体層11に接している。第1導電膜23は、第1電極25と第1半導体層11との接触抵抗を低減する。
【0025】
第2導電膜22は、透光性導電膜21に配置され、透光性導電膜21に接している。第2導電膜22は、第2電極24と透光性導電膜21との接触抵抗を低減する。
【0026】
第1導電膜23及び第2導電膜22は、例えば、Ti、Rh、Au、Pt、Al、Ag、RhまたはRuを含む単層の金属層、または、これら金属層のうち少なくとも2つを含む積層構造とすることができる。第1導電膜23及び第2導電膜22は、同じ材料を用いて同時に形成することができる。
【0027】
第1電極25は、第1導電膜23に接する。第1電極25は、第1導電膜23を介して、第1半導体層11と電気的に接続される。
【0028】
第2電極24は、第2導電膜22に接する。第2導電膜22及び透光性導電膜21を介して、第2半導体層13と電気的に接続される。
【0029】
第1電極25及び第2電極24は、例えば、Ti、Rh、Au、またはこれらいずれか2つの積層構造を含む。第1電極25及び第2電極24は、同じ材料を用いて同時に形成することができる。第1電極25の膜厚及び第2電極24の膜厚は、例えば、10nm以上500nm以下とすることができる。
【0030】
第3絶縁膜44は、第2面10b及び透光性導電膜21を覆っている。第3絶縁膜44は、活性層12が発する光に対する反射性を有する膜とすることができる。活性層12が発する光に対する第3絶縁膜44の反射率は、60%以上、好ましくは70%以上である。第3絶縁膜44は、例えば、誘電体多層膜を含む。誘電体多層膜は、例えば、交互に積層されたSiO2層とNb2O5層とを含む。第3絶縁膜44として、例えば、厚さが100nm以上500nm以下の比較的厚いSiO2層を形成した後、この上に誘電体多層膜として、厚さが10nm以上100nm以下のNb2O5層と、厚さが10nm以上100nm以下のSiO2層のペアを2以上6以下のペア数で形成することが好ましい。第3絶縁膜44の各層の膜厚及び各層の積層数を、このように設定することで、良好な光反射性にすることができる。例えば、第3絶縁膜44として、厚さが300nmのSiO2層を形成した後、この上に厚さが52nmのNb2O5層と厚さが83nmのSiO2層のペアを3ペア形成することができる。第3絶縁膜44の材料として、TiO2、ZrO2、Al2O3、AlNなどの材料を用いることができる。
【0031】
金属膜26は、第3絶縁膜44に接して配置されている。金属膜26は、活性層12が発する光に対する反射性を有する。金属膜26は、例えば、Al、Ti、またはこれらの積層構造を含む。活性層12が発する光のピーク波長に対する金属膜26の反射率は、60%以上、好ましくは70%以上である。
【0032】
第2絶縁膜43は、第3面10cに配置され、第3面10cを覆っている。樹脂部材50は、第2絶縁膜43を介して、第3面10cを覆っている。また、第2絶縁膜43は、第2面10b側に配置され、第3絶縁膜44及び金属膜26を覆っている。第2絶縁膜43として、例えば、SiO2、SiON、SiNを用いることができる。
【0033】
第1電極25は、第1導電膜23に接すると共に、第2絶縁膜43上に配置されている。第2電極24は、第2導電膜22に接すると共に、第2絶縁膜43上に配置されている。
【0034】
構造体を準備する工程は、
図1~
図8に示す工程を含むことができる。以下、
図1~
図8の各工程について説明する。なお、構造体を準備する工程において、
図9及び
図10に示す構造体100を購入して準備することができる。
【0035】
図1に示す工程において、基板101上に半導体構造体10が形成される。例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により、基板101上に、第1半導体層11、活性層12、及び第2半導体層13が順に形成される。
【0036】
基板101として、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア又はスピネルのような絶縁性基板を用いることができる。また、基板101として、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Siなどの導電性の基板を用いても良い。本実施形態においては、C面を主面とするサファイア基板を基板101に用いている。
【0037】
例えば、基板101上に半導体構造体10をMOCVD法により形成した後、第2半導体層13上に透光性導電膜21をスパッタリング法により形成する。その後、第2半導体層13の一部及び活性層12の一部をエッチングにより除去することで、第2面10bに第1領域10b1と第2領域10b2を形成する。その後、第1導電膜23、第2導電膜22、第3絶縁膜44、金属膜26、第2絶縁膜43、第1電極25、及び第2電極24をスパッタリング法により形成する。例えば、第1導電膜23、第2導電膜22、及び第3絶縁膜44を形成した後、第2半導体層13の一部、活性層12の一部、及び第1半導体層11の一部をエッチングにより除去して、半導体構造体10に溝81を形成する。溝81は、基板101に達しない。換言すると、溝81を画定する面の底面は、半導体構造体10の表面である。溝81と第1面10aとの間に、第1半導体層11の一部が残されている。
【0038】
溝81を形成した後、第2絶縁膜43を形成する。第2絶縁膜43は、溝81を画定する面の側面である半導体構造体10の第3面10c、及び溝81を画定する面の底面である半導体構造体10の第4面10dを覆う。
【0039】
図1に示す工程の後、
図2に示すように、樹脂部材50を介して、半導体構造体10の第2面10b側を支持部材102に接合する。樹脂部材50は、第2面10b側において、第1電極25、第2電極24、第2絶縁膜43を覆う。また、樹脂部材50は、溝81にも配置され、溝81において第2絶縁膜43を覆う。なお、
図2においては、基板101上と半導体構造体10の位置関係を、
図1と反転させて示している。
【0040】
半導体構造体10を支持部材102に接合した後、半導体構造体10と基板101とを分離し、
図3に示すように半導体構造体10の第1面10aを露出させる。基板101は、例えば、LLO(Laser Lift Off)法、研削、研磨、エッチング等の方法によって除去される。
【0041】
半導体構造体10の第1面10aを露出させた後、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法、またはRIE(Reactive Ion Etching)法などの方法により、第1半導体層11を除去することで、第1面10aの平坦性を向上させる。本明細書において、平坦性を向上させた第1面10aについても、第1面10aと称する。第1面10aの平坦性を向上させる際に、溝81の上方に位置していた第1半導体層11が消失するように、第1半導体層11を除去する。これにより、
図4に示すように、半導体構造体10は複数の部分に分離される。また、隣り合う半導体構造体10の間において、樹脂部材50の表面50a、及び第3面10cに配置された第2絶縁膜43の表面43aが露出する。また、第1面10aに、第3面10cと接続する外縁10oが形成される。
【0042】
半導体構造体10を複数の部分に分離した後、
図5に示すように、第1膜41を、第1面10a、第2絶縁膜43の表面43a、及び樹脂部材50の表面50a上に連続して形成する。第1膜41を、例えば、スパッタリング法、またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成する。第1膜41として、例えば、SiO
2、SiON、SiNを用いることができる。
【0043】
第1膜41を形成した後、
図6に示すように、第1面10aの内側領域10a2を第1膜41から露出させる。まず、
図5に示す状態の第1膜41上に、マスク91を形成する。その後、マスク91に、複数の開口部91aを形成する。マスク91に複数の開口部91aが形成された状態において、マスク91は、第1面10aの外周領域10a1上の第1膜41、第2絶縁膜43の表面43a上の第1膜41、及び樹脂部材50の表面50a上の第1膜41を覆う。このような状態のマスク91は、例えば、レジスト膜であるマスク91を
図5に示す状態の第1膜41上に形成した後、マスク91に露光及び現像処理を行うことで形成される。その後、マスク91を用いたエッチングにより、開口部91aにおいて露出する第1膜41を除去する。これにより、開口部91aにおいて、第1面10aの内側領域10a2が第1膜41から露出する。
【0044】
この後、マスク91を除去する。マスク91を除去した後、
図7及び
図8に示すように、第1膜41から露出する第1面10aの内側領域10a2を粗面化する。これにより、粗面化された内側領域10a2からの光の取り出し効率を向上させることができる。粗面化された内側領域10a2は複数の凸部を含む。例えば、塩素を含むガスによるドライエッチング、またはTMAH(Tetramethylammonium hydroxide)等のアルカリ溶液を使用したウェットエッチングにより、内側領域10a2が粗面化される。
【0045】
図8に示すように、平面視において、外周領域10a1は、内側領域10a2を連続して囲んでいる。外周領域10a1は、例えば、平面視において、第1面10aのうち、第1面10aの外縁10oから10μm以内の範囲の領域とすることが好ましく、5μm以内の範囲の領域とすることがさらに好ましい。
【0046】
内側領域10a2を粗面化した後、
図9及び
図10に示すように、第2膜42を、第1膜41上及び内側領域10a2上に連続して形成する。これにより、構造体100が準備される。第2膜42は、例えば、スパッタリング法、またはCVD法により形成する。第2膜42は、活性層12が発する光に対する透過性を有する。第2膜42として、例えば、SiO
2、SiON、SiNを用いることができる。第2膜42上面は、粗面化された内側領域10a2の複数の凸部に沿う。これにより、内側領域10a2から第2膜42を介して取り出される光の取り出し効率を向上させることができる。
【0047】
第1面10aの全面を粗面化した場合、第1面10aの外周部において第1半導体層11の欠けが発生しやすくなる。本実施形態においては、外周領域10a1を第1膜41で覆った状態で第1面10aの粗面化処理を行うため、外周領域10a1は粗面化されない。これにより、第1面10aの外周部において第1半導体層11を欠けにくくすることができる。
【0048】
<被覆部材を形成する工程>
実施形態に係る半導体素子の製造方法は、構造体100を準備する工程の後、
図11及び
図12に示すように、被覆部材60を形成する工程を備える。被覆部材60は、第1面10a上に位置する第1絶縁膜40上と、第2絶縁膜43の表面43a上に位置する第1絶縁膜40上と、樹脂部材50の表面50a上に位置する第1絶縁膜40上と、に連続して形成される。
【0049】
被覆部材60として、例えば、金属膜を用いることができる。被覆部材60は、例えば、スパッタリング法により形成される。被覆部材60の厚さは、例えば、50nm以上1μm以下である。
【0050】
<樹脂部材の表面上に位置する被覆部材を除去する工程>
実施形態に係る半導体素子の製造方法は、被覆部材60を形成する工程の後、樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60を除去する工程を備える。
【0051】
被覆部材60のうち樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60が、
図13及び
図14に示すレジスト膜92から露出するように、被覆部材60上にレジスト膜92を形成する。そして、レジスト膜92をマスクに用いて、樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60を除去し、第1面10a上に位置する第1絶縁膜40上に被覆部材を残す。本工程の詳細については後述する。
【0052】
<被覆部材と重ならない領域に位置する第1絶縁膜及び樹脂部材を除去する工程>
実施形態に係る半導体素子の製造方法は、樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60を除去する工程の後、被覆部材60をマスクに用いたエッチングにより、平面視において被覆部材60と重ならない領域に位置する第1絶縁膜40及び樹脂部材50を除去する工程を備える。
【0053】
被覆部材60上にレジスト膜92を残した状態で、まず第1絶縁膜40を除去する。
図14において、レジスト膜92の外縁92oを実線で表す。樹脂部材50の表面50a上に位置し、レジスト膜92から露出する第1絶縁膜40が除去される。第1絶縁膜40は、例えば、フッ素を含むガスを用いたドライエッチングにより除去される。樹脂部材50の表面50a上の第1絶縁膜40が除去されることで、
図15に示すように、樹脂部材50の表面50aが、レジスト膜92、被覆部材60、及び第1絶縁膜40から露出する。
【0054】
この後、露出した表面50aから樹脂部材50に対するエッチングを行う。例えば、酸素を含むガスを用いたドライエッチングにより、樹脂部材50を除去する。このとき、
図16に示すように、樹脂部材50と共にレジスト膜92も除去される。
【0055】
本工程における、被覆部材60に対するエッチングレートは、レジスト膜92に対するエッチングレートよりも低い。換言すると、本工程において、被覆部材60は、レジスト膜92よりも高いエッチング耐性を有する。被覆部材60を形成しない場合においては、樹脂部材50のエッチング中にレジスト膜92が消失してしまい、第1絶縁膜40の上面が露出することがある。第1絶縁膜40の上面が露出してしまうと、第1絶縁膜40も樹脂部材50のエッチング中に除去され、半導体構造体10の第1面10aが第1絶縁膜40から露出するおそれがある。これを防ぐために、レジスト膜92を厚くすることが考えられるが、レジスト膜92を厚くするとレジスト膜92の位置精度が低下してしまう。また、第1絶縁膜40を厚くして、樹脂部材50のエッチング中に第1面10aが第1絶縁膜40から露出しないようにすることが考えられるが、第1絶縁膜40を厚くすると、第1絶縁膜40を介した第1面10aからの光の取り出し効率を低下させてしまう。
【0056】
本実施形態によれば、第1面10a上に被覆部材60を形成することで、樹脂部材50のエッチング中にレジスト膜92が消失しても、第1絶縁膜40が被覆部材60に覆われる。従って、樹脂部材50のエッチング中に第1絶縁膜40が被覆部材60により保護され、第1面10aが第1絶縁膜40から露出しにくくできる。これにより、信頼性の高い半導体素子の製造方法を提供することができる。また、本実施形態によれば、レジスト膜92を厚くすることによるレジスト膜92の位置精度の低下、及び第1絶縁膜40を厚くすることによる光取り出し効率の低下を低減しつつ、第1面10aが第1絶縁膜40に覆われ保護された、信頼性の高い半導体素子の製造方法を提供することができる。
【0057】
図17及び
図18に示すように、被覆部材60と重ならない領域に位置する樹脂部材50が除去される。被覆部材60と重なる領域、すなわち第2面10b側に形成された樹脂部材50は、半導体構造体10と支持部材102との間に残される。これにより、支持部材102上に樹脂部材50を介して支持され、互いに分離した複数の発光素子1が得られる。
【0058】
樹脂部材50を除去した後、被覆部材60上にレジスト膜92が残ってもよいし、残らなくてもよい。本実施形態においては、樹脂部材50の除去中に、樹脂部材50と共にレジスト膜92も除去され、レジスト膜92が消失する。これにより、別工程でレジスト膜92を除去するよりも効率よく半導体素子の製造を行える。
図13に示すレジスト膜92は、第1面10a上に位置する被覆部材60上と、第2絶縁膜43の表面43a上に位置する被覆部材60上と、樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60上とに、レジスト膜を連続して形成した後、露光及び現像処理により、樹脂部材50の表面50a上に位置するレジスト膜を除去することで形成することができる。この工程において形成されたレジスト膜92の厚さを、被覆部材60と重ならない領域に位置する樹脂部材50の厚さよりも薄くすることで、樹脂部材50を除去するエッチングにおいて、レジスト膜92を消失させることができる。この工程において形成された、レジスト膜92の厚さは、例えば、0.5μm以上4μm以下である。また、被覆部材60と重ならない領域に位置する樹脂部材50の厚さは、例えば、4μmより大きく15μm以下である。なお、本明細書において厚さは、最大厚さを表す。また、樹脂部材50を除去するエッチング条件に対して、樹脂部材50のエッチングレートとレジスト膜92のエッチングレートとはほぼ同じである。
【0059】
<被覆部材を除去する工程>
実施形態に係る半導体素子の製造方法は、被覆部材60をマスクに用いて第1絶縁膜40及び樹脂部材50を除去する工程の後、被覆部材60を除去する工程を備える。
【0060】
被覆部材60が除去され、
図20に示すように、第1面10a上の第1絶縁膜40が露出する。発光素子1において光の主な取り出し面である第1面10aから、被覆部材60が除去されることで、第1面10aからの光取り出し効率を向上させることができる。
【0061】
この後、例えば、支持部材102側から樹脂部材50にレーザ光を照射することで、第2面10b側に配置された樹脂部材50が除去され、発光素子1と支持部材102とを分離することができる。支持部材102と分離した発光素子1は、第1面10aが、第1絶縁膜40を介して、例えば粘着性のあるシートに接着される。発光素子1は、シートに接着された後、支持部材102から分離してもよい。発光素子1を支持部材102から分離した後、第2面10b側に残った樹脂部材50を、例えばRIE法により除去して、第1電極25及び第2電極24を露出させる。露出した第1電極25及び第2電極24は、実装基板に接合される外部接続端子として機能する。発光素子1は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)である。
【0062】
本実施形態によれば、樹脂部材50の除去工程において、第1絶縁膜40のうち少なくとも粗面化された内側領域10a2上の第1絶縁膜40(第2膜42)は被覆部材60に覆われ除去されにくいため、第1絶縁膜40(第2膜42)の厚さは、第3面10cに配置された第2絶縁膜43の厚さよりも薄くすることができる。これにより、第1絶縁膜40を介した内側領域10a2からの光の取り出し効率を向上させることができる。
【0063】
上述したように、
図13に示すレジスト膜92は、第1面10a上に位置する被覆部材60上と、第2絶縁膜43の表面43a上に位置する被覆部材60上と、樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60上とに、レジスト膜を連続して形成した後、露光及び現像処理により、樹脂部材50の表面50a上に位置するレジスト膜を除去することで形成することができる。
【0064】
また、樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60を除去し、第1面10a上に被覆部材60を残す工程において、レジスト膜を除去するときの現像処理に用いる現像液によって、樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60も除去することができる。例えば、被覆部材60としてAlを主成分として含む金属を用い、現像液として、アルカリ系の溶液を用いることで、被覆部材60を除去することができる。このとき、被覆部材60のAl組成比は、80%以上とすることができる。レジスト膜92の現像と、樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60の除去とを同じ工程で行うことで、半導体素子の製造効率をよくできる。被覆部材60として、例えば、AlとCuが混合された膜を用いることができる。
【0065】
また、樹脂部材50を除去した後の、第1面10a上の被覆部材60を除去する工程において、上記現像液を用いて被覆部材60を除去することができる。
【0066】
樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60を除去し、第1面10a上に被覆部材60を残す工程において、上記現像液のような液体を用いる場合、レジスト膜92の下に位置する被覆部材60の一部を除去することができる。これにより、
図13及び
図14に示すように、被覆部材60の外縁60oが、平面視において、第1面10aの外縁10oよりも内側に位置するようにすることができる。
【0067】
その後、樹脂部材50の除去工程において、レジスト膜92が消失すると、
図17及び
図18に示すように、被覆部材60が露出する。平面視において被覆部材60の外縁60oが第1面10aの外縁10oよりも内側に位置するため、被覆部材60の外縁60oよりも外側に位置し、被覆部材60から露出する第1絶縁膜40を、樹脂部材50の除去工程において、樹脂部材50と同時に一部除去することができる。被覆部材60の外縁60oよりも外側に位置し、被覆部材60から露出する第1絶縁膜40が一部除去されることで、
図17のA部の拡大図である
図19に示すように、第1面10aの外縁10oよりも内側に位置する第1絶縁膜40の一部が薄くなる。これにより、第1面10aの外縁10oの近傍領域における第1面10aからの光取り出し効率を向上させることができる。
【0068】
第1膜41及び第2膜42が配置された外周領域10a1上の第1絶縁膜40の厚さは、第2膜42が配置され、第1膜41が配置されていない内側領域10a2上の第1絶縁膜40の厚さよりも厚い。樹脂部材50の表面50a上に位置する被覆部材60を除去し、第1面10a上に被覆部材60を残す工程において、被覆部材60の外縁60oが、平面視において、第1面10aの外周領域10a1と重なる位置となるようにすることができる。これにより、第1絶縁膜40の厚さが厚い部分を、樹脂部材50の除去中に、
図19に示すように薄くでき、光取り出し効率を向上させることができる。
【0069】
本発明の実施形態は、以下の半導体素子の製造方法を含む。
【0070】
[項1]
第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面とを有する半導体構造体と、前記第2面側に配置され、前記第2面と前記第3面を覆う樹脂部材と、前記第1面と、平面視において前記第1面と隣り合う前記樹脂部材の表面とに連続して配置された第1絶縁膜と、を有する構造体を準備する工程と、
前記第1面上に位置する前記第1絶縁膜上と、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記第1絶縁膜上とに連続して被覆部材を形成する工程と、
前記被覆部材上にレジスト膜を形成し、前記被覆部材のうち前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記被覆部材を除去することで、前記第1面上に位置する前記第1絶縁膜上に前記被覆部材を残す工程と、
前記被覆部材を残す工程の後、前記被覆部材をマスクに用いたエッチングにより、平面視において前記被覆部材と重ならない領域に位置する前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程と、
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程の後、前記被覆部材を除去する工程と、
を備え、
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程における前記被覆部材に対するエッチングレートは、前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程における前記レジスト膜に対するエッチングレートよりも低い、半導体素子の製造方法。
[項2]
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程において、前記樹脂部材と共に前記レジスト膜も除去される上記項1に記載の半導体素子の製造方法。
[項3]
前記被覆部材は、金属であり、
前記被覆部材を残す工程において、
前記レジスト膜を、前記第1面上に位置する前記被覆部材上と、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記被覆部材上とに連続して形成した後、露光及び現像処理により、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記レジスト膜を除去し、
前記レジスト膜を除去するときの前記現像処理に用いる現像液によって、前記樹脂部材の前記表面上に位置する前記被覆部材も除去される上記項1に記載の半導体素子の製造方法。
[項4]
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程において、前記樹脂部材と共に前記レジスト膜も除去される上記項3に記載の半導体素子の製造方法。
[項5]
前記被覆部材を残す工程において、前記被覆部材の外縁が前記第1面の外縁よりも内側に位置するように前記被覆部材の一部を除去し、
前記第1絶縁膜及び前記樹脂部材を除去する工程において、前記第1面の前記外縁よりも内側に位置する前記第1絶縁膜の一部が除去される上記項1に記載の半導体素子の製造方法。
[項6]
前記構造体は、前記半導体構造体の前記第3面に配置された第2絶縁膜を有し、
前記第1絶縁膜の厚さは、前記第2絶縁膜の厚さよりも薄い上記項1に記載の半導体素子の製造方法。
[項7]
前記構造体を準備する工程において、平面視において、外周領域と、前記外周領域よりも内側に位置し、粗面化された内側領域とを有する前記第1面を有する前記半導体構造体と、前記外周領域上及び前記樹脂部材の前記表面上に連続して形成された第1膜と、前記第1膜上及び前記内側領域上に連続して形成された第2膜とを有する前記第1絶縁膜と、を有する前記構造体を準備し、
前記被覆部材を残す工程において、前記被覆部材の外縁が、平面視において、前記外周領域と重なる位置となるように前記被覆部材を残す上記項1~6のいずれか1つに記載の半導体素子の製造方法。
【0071】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0072】
1…発光素子、10…半導体構造体、10a…第1面、10a1…外周領域、10a2…内側領域、10b…第2面、10c…第3面、11…第1半導体層、12…活性層、13…第2半導体層、25…第1電極、24…第2電極、40…第1絶縁膜、41…第1膜、42…第2膜、43…第2絶縁膜、44…第3絶縁膜、50…樹脂部材、60…被覆部材、92…レジスト膜、100…構造体、101…基板、102…支持部材