(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092982
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】安定化された臭化アルキル化合物含有液体組成物及びその用途
(51)【国際特許分類】
C11D 7/50 20060101AFI20240701BHJP
C11D 7/30 20060101ALN20240701BHJP
C11D 7/32 20060101ALN20240701BHJP
【FI】
C11D7/50
C11D7/30
C11D7/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214746
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2022207959
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川邉 康介
(72)【発明者】
【氏名】岡 祐児
(72)【発明者】
【氏名】飯田 尚志
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003BA12
4H003DA05
4H003DA11
4H003DA12
4H003DA14
4H003EB02
4H003EB12
4H003EB13
4H003FA16
(57)【要約】
【課題】 従来公知の臭化アルキル化合物含有液体組成物については、安定化剤の含有量が低下すると金属腐食が生じやすくなり、金属腐食抑制制御が難しいという課題があった。
【解決手段】 臭化アルキル化合物と、脂肪族第三級ニトロ化合物を含むことを特徴とする液体組成物を用いる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭化アルキル化合物と、脂肪族第三級ニトロ化合物を含むことを特徴とする液体組成物。
【請求項2】
前記脂肪族第三級ニトロ化合物の含有量が、前記臭化アルキル化合物 100重量部に対して、0.01~100重量部である、請求項1に記載の液体組成物。
【請求項3】
前記臭化アルキル化合物が、1-ブロモプロパン、1-ブロモブタン、1-ブロモペンタン、1-ブロモ-2-メチルプロパン、及び1-ブロモ-2,2-ジメチルプロパンからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載の液体組成物。
【請求項4】
前記脂肪族第三級ニトロ化合物が、2-メチル-2-ニトロプロパン、及び2,3-ジメチル-2,3-ジニトロブタンからなる群より選ばれる1種又は2種である、請求項1に記載の液体組成物。
【請求項5】
前記液体組成物が、さらにエポキシ化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物。
【請求項6】
前記エポキシ化合物の含有量が、前記臭化アルキル化合物 100重量部に対して、0.1~50重量部である、請求項5に記載の液体組成物。
【請求項7】
前記エポキシ化合物が、1,2-ブチレンオキシド、1,2-エポキシペンタン、1,2-エポキシへキサン、エポキシシクロペンタン、及びエポキシシクロヘキサンからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項5に記載の液体組成物。
【請求項8】
前記液体組成物が、さらにアミン化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物。
【請求項9】
前記アミン化合物の含有量が、前記臭化アルキル化合物 100重量部に対して、0.1~50重量部である、請求項8に記載の液体組成物。
【請求項10】
前記アミン化合物が、ヒンダードアミン類である、請求項8に記載の液体組成物。
【請求項11】
臭化アルキル化合物に対して、脂肪族第三級ニトロ化合物を添加することを特徴とする、前記臭化アルキル化合物の熱安定化方法。
【請求項12】
前記請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の液体組成物を含む洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定化された臭化アルキル化合物含有液体組成物及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ハロゲン化アルキル化合物は、高い油脂溶解性と速い乾燥性を有するため、金属表面、自動車部品、及び精密部品の優れた脱脂洗浄剤として使用されている。その中で、フロン規制対象物質や水質汚染の恐れのある塩化アルキル化合物については、臭化アルキル化合物への代替が進みつつある。
【0003】
臭化アルキル化合物については、熱安定性が低いという特性があり、熱分解すると、金属腐食を引き起こすことが知られている。特許文献1~6には、臭化アルキル化合物の熱分解を抑制する安定化剤として、ニトロメタン、ニトロエタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパン、及び/又はニトロベンゼンが添加された組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-220494号公報
【特許文献2】特開平8-311675号公報
【特許文献3】特開平8-67643号公報
【特許文献4】特開平8-337795号公報
【特許文献5】特開平9-302389号公報
【特許文献6】特開2022-128446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~6に記載された従来公知の臭化アルキル化合物含有液体組成物については、毒性低減のために、安定化剤の含有量を低くすることが望ましいが、当該安定化剤の含有量を低下させると金属腐食が生じやすくなり、金属腐食抑制制御が難しいという課題があった。
【0006】
このため、より金属腐食性の低い臭化アルキル化合物含有液体組成物が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の一態様は、以下の[1]~[14]を含む。
【0009】
[1]
臭化アルキル化合物と、脂肪族第三級ニトロ化合物を含むことを特徴とする液体組成物。
【0010】
[2]
前記脂肪族第三級ニトロ化合物の含有量が、前記臭化アルキル化合物 100重量部に対して、0.01~100重量部である、[1]に記載の液体組成物。
【0011】
[3]
前記臭化アルキル化合物が、1-ブロモプロパン、1-ブロモブタン、1-ブロモペンタン、1-ブロモ-2-メチルプロパン、及び1-ブロモ-2,2-ジメチルプロパンからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、[1]に記載の液体組成物。
【0012】
[4]
前記脂肪族第三級ニトロ化合物が、2-メチル-2-ニトロプロパン、及び2,3-ジメチル-2,3-ジニトロブタンからなる群より選ばれる1種又は2種である、[1]に記載の液体組成物。
【0013】
[5]
前記液体組成物が、さらにエポキシ化合物を含むことを特徴とする、[1]乃至[4]のいずれかに記載の液体組成物。
【0014】
[6]
前記エポキシ化合物の含有量が、前記臭化アルキル化合物 100重量部に対して、0.1~50重量部である、[5]に記載の液体組成物。
【0015】
[7]
前記エポキシ化合物が、1,2-ブチレンオキシド、1,2-エポキシペンタン、1,2-エポキシへキサン、エポキシシクロペンタン、及びエポキシシクロヘキサンからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、[5]に記載の液体組成物。
【0016】
[8]
前記液体組成物が、さらにアミン化合物を含むことを特徴とする、[1]乃至[7]のいずれかに記載の液体組成物。
【0017】
[9]
前記アミン化合物の含有量が、前記臭化アルキル化合物 100重量部に対して、0.1~50重量部である、[8]に記載の液体組成物。
【0018】
[10]
前記アミン化合物が、ヒンダードアミン類である、[8]に記載の液体組成物。
【0019】
[11]
臭化アルキル化合物に対して、脂肪族第三級ニトロ化合物を添加することを特徴とする、前記臭化アルキル化合物の熱安定化方法。
【0020】
[12]
前記[1]乃至[10]のいずれかに記載の液体組成物を含む洗浄剤。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、従来公知の組成物に比べて、加熱使用時の安定性が高く、金属腐食が生じにくい臭化アルキル化合物含有液体組成物を提供することができる。
【0022】
このため、本発明の臭化アルキル化合物含有液体組成物は、当該臭化アルキル化合物含有液体組成物の生産現場、輸送現場、貯蔵現場、又は使用現場において、設備腐食のリスクを低減できるため、工業的に極めて利用価値が高い。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
【0024】
前述の通り、従来公知の臭化アルキル化合物含有液体組成物については、工業用洗浄剤などとして有用であるが、添加されている安定化剤の含有量が低下すると金属腐食が生じやすくなるという課題があった。
【0025】
また、従来公知の臭化アルキル化合物含有液体組成物については、加熱使用時に変色、又は着色が生じるという、品質上の課題があることも分かった。
【0026】
本発明の臭化アルキル化合物含有液体組成物は、安定化剤の含有量が低下しても高い加熱時安定性を示す為、従来公知の組成物に比べて、金属腐食抑制制御がより容易になるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明の臭化アルキル化合物含有液体組成物は、加熱使用時に変色、又は着色がほとんど生じないため、品質安定性に優れるという顕著な効果を奏するものである。
【0028】
さらに、本発明の臭化アルキル化合物含有液体組成物は、安定化剤の含有量を低く抑えることができる。すなわち、臭化アルキル化合物含有量を増加させることができるため、工業用洗浄剤としての性能を高められるという効果を奏するものであり、同時に安定化剤による洗浄対象物への悪影響を小さく抑えられるという効果を奏する。これらの効果に加えて、前記液体組成物の暴露によって生じ得る安定化剤の毒性悪影響を小さく抑えることができるという点で従来にない効果も期待できる。
【0029】
このように、本発明の臭化アルキル化合物含有液体組成物は、高い品質安定性を有するため、有効使用期間を延長することができるものであり、その生産現場、輸送現場、貯蔵現場、又は使用現場において、工業的に極めて利用価値が高いものである。
【0030】
本発明の一態様は、臭化アルキル化合物と、脂肪族第三級ニトロ化合物とを含むことを特徴とする液体組成物に関するものである。なお、本発明の液体組成物は、標準環境温度(25℃)、標準大気圧(101.3kPa)下で液体であることを特徴とする。
【0031】
前記の臭化アルキル化合物とは、少なくとも一つの臭素原子を有する脂肪族炭化水素化合物のことを意味する。
【0032】
なお、当該臭化アルキル化合物については、標準環境温度、標準大気圧下で液体であることが好ましい。
【0033】
また、当該臭化アルキル化合物については、加熱時安定性に優れる点で、炭素数2~6の臭化アルキル化合物であることが好ましく、炭素数3、4,又は5の臭化アルキル化合物であることがより好ましく、炭素数3、又は4の臭化アルキル化合物であることがより好ましい。なお、当該臭化アルキル化合物のアルキル基については、直鎖状であってもよいし、環状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
【0034】
本発明において、臭化アルキル化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、1-ブロモエタン、1-ブロモプロパン、2-ブロモプロパン、1-ブロモブタン、2-ブロモブタン、1-ブロモ-2-メチルプロパン、2-ブロモ-2-メチルプロパン、3-ブロモ-2-メチル-1-プロペン、1-ブロモ-2-ブテン、4-ブロモ-1-ブテン、1-ブロモペンタン、2-ブロモペンタン、3-ブロモペンタン、1-ブロモ-2-メチルブタン、1-ブロモ-3-メチルブタン、2-ブロモ-2-メチルブタン、2-ブロモ-3-メチルブタン、1-ブロモ-3-メチル-2-ブテン、1-ブロモへキサン、2-ブロモへキサン、3-ブロモへキサン、1-ブロモ-2-メチルペンタン、1-ブロモ-3-メチルペンタン、1-ブロモ-4-メチルペンタン、2-ブロモ-2-メチルペンタン、2-ブロモ-3-メチルペンタン、2-ブロモ-4-メチルペンタン、3-ブロモ-2-メチルペンタン、3-ブロモ-3-メチルペンタン、1-ブロモ-2-エチルブタン、1,2-ジブロモエタン、1,2-ジブロモプロパン、1,3-ジブロモプロパン、1,2-ジブロモブタン、1,3-ジブロモブタン、1,4-ジブロモブタン、2,3-ジブロモブタン、1,2-ジブロモペンタン、1,3-ジブロモペンタン、1,4-ジブロモペンタン、1,5-ジブロモペンタン、2,3-ジブロモペンタン、2,4-ジブロモペンタン、2,5-ジブロモペンタン、3,3-ジブロモペンタン、ブロモシクロプロパン、ブロモシクロブタン、ブロモシクロペンタン、ブロモシクロヘキサン、又はブロモシクロヘキセン等が挙げられる。
【0035】
これらの臭化アルキル化合物については、加熱時安定性に優れる点で、1-ブロモプロパン、1-ブロモブタン、1-ブロモペンタン、1-ブロモ-2-メチルプロパン、及び1-ブロモ-2,2-ジメチルプロパンからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、1-ブロモプロパン、1-ブロモ-2-メチルプロパン、及び1-ブロモブタンからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることより好ましい。
【0036】
なお、本発明の液体組成物における前記の臭化アルキル化合物の含有量については、前記液体組成物全量を100重量%として、洗浄剤等の産業上の利用価値が高い点で、50~99.9重量%であることが好ましく、75~99.8重量%であることがより好ましく、80~99.7重量%であることがより好ましい。
【0037】
前記の脂肪族第三級ニトロ化合物とは、少なくとも一つのニトロ基が第三級炭素原子と結合している脂肪族炭化水素化合物を意味する。
【0038】
なお、当該脂肪族第三級ニトロ化合物については、産業上の利用価値が高い点で、炭素数4~10の脂肪族第三級ニトロ化合物であることが好ましく、炭素数4、5、又は6の脂肪族第三級ニトロ化合物であることがより好ましい。
【0039】
本発明において、脂肪族第三級ニトロ化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、2-メチル-2-ニトロプロパン、2,3-ジメチル-2,3-ジニトロブタン、2-メチル-2-ニトロブタン、2-メチル-3-ニトロ-2-ブテン、3-メチル-3-ニトロペンタン、2,3-ジメチル-2-ニトロブタン、3-エチル-3-ニトロペンタン、2-メチル-2-ニトロペンタン、2-メチル-2-ニトロヘキサン、2,4-ジメチル-2-ニトロペンタン、5-メチル-5-ニトロ-2-ヘキサノン、4-メチル-4-ニトロペンタン酸メチル、又は2-(3-メチル-3-ニトロブチル)-1,3-ジオキソランが挙げられる。これらのうち、加熱時安定性に優れる点で、2-メチル-2-ニトロプロパン、又は2,3-ジメチル-2,3-ジニトロブタンがより好ましい。
【0040】
本発明において、前記の脂肪族第三級ニトロ化合物は、市販品をそのまま用いることもできるし、一般公知の有機合成化学反応を利用して製造したものを用いることもできる。
【0041】
なお、前記の脂肪族第三級ニトロ化合物については、上述した具体的な脂肪族第三級ニトロ化合物を単独で用いることもできるし、2種以上の具体的な脂肪族第三級ニトロ化合物を組み合わせて組成物として用いることもできる。
【0042】
本発明の液体組成物において、前記の脂肪族第三級ニトロ化合物の含有量については、特に限定するものではないが、加熱時安定性及び洗浄性能に優れる点で、前記の臭化アルキル化合物の重量 100重量部に対して、0.01~100重量部であることが好ましく、0.01~10重量部であることがより好ましく、0.1~2重量部であることがより好ましく、0.1~0.5重量部であることがより好ましい。
【0043】
本発明の液体組成物については、特に限定するものではないが、さらに、エポキシ化合物、アミン化合物、フッ素化合物、又は紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。当該エポキシ化合物、アミン化合物、フッ素化合物、又は紫外線吸収剤については、本発明の液体組成物の安定性をさらに高められるという効果を奏する。
【0044】
前記のエポキシ化合物については、加熱時安定性に優れる点で、炭素数4~10のエポキシ化合物であることが好ましく、炭素数4、5、又は6のエポキシ化合物であることがより好ましい。
【0045】
前記エポキシ化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、1,2-ブチレンオキシド、1,2-エポキシペンタン、1,2-エポキシへキサン、1,2-エポキシヘプタン、エポキシシクロペンタン、エポキシシクロヘキサン、エポキシシクロヘプタン、3,4-エポキシテトラヒドロフラン、アリルグリシジルエーテル、又は1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサンが挙げられる。これらのうち、加熱時安定性に優れる点で、エポキシシクロペンタン、又はエポキシシクロヘキサンが好ましく、エポキシシクロペンタンがより好ましい。
【0046】
本発明の液体組成物が前記のエポキシ化合物を含有する場合、前記のエポキシ化合物の含有量については、特に限定するものではないが、加熱時安定性及び洗浄性能に優れる点で、前記の臭化アルキル化合物の重量 100重量部に対して、0.1~50重量部であることが好ましく、0.1~5重量部であることがより好ましく、0.1~1重量部であることがより好ましい。
【0047】
前記のアミン化合物としては、特に限定するものではないが、ヒンダードアミン類を挙げることができる。
【0048】
上記ヒンダードアミン類としては、特に限定するものではないが、例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドン、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ヒドロキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-ヒドロキシ-1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、又はブチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)等を挙げることができる。これらのうち、融点が低いという点で、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル、又はセバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)が好ましい。
【0049】
本発明の液体組成物が前記のアミン化合物を含有する場合、前記のアミン化合物の含有量については、特に限定するものではないが、加熱時安定性及び洗浄性能に優れる点で、前記の臭化アルキル化合物の重量 100重量部に対して、0.1~50重量部であることが好ましく、0.1~5重量部であることがより好ましく、0.1~1重量部であることがより好ましい。
【0050】
前記のフッ素化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、芳香族フッ素化合物、又はフルオロヨード化合物等が挙げられる。
【0051】
上記芳香族フッ素化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ベンゾトリフルオリド、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,2-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,2,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、又は1,3,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンが挙げられ、これらのうち、入手容易性が高いという点で、ベンゾトリフルオリドが好ましい。
【0052】
上記フルオロヨード化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、1,1-ジフルオロ-2-ヨードエタン、1,1-ジフルオロ-3-ヨードプロパン、1,1-ジフルオロ-4-ヨードブタン、1,1,2,2-テトラフルオロ-4-ヨードブタン、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン、1,1,1-トリフルオロ-4-ヨードブタン、又は1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-4-ヨードブタン等が挙げられる。
【0053】
本発明の液体組成物が前記のフッ素化合物を含有する場合、前記のフッ素化合物の含有量については、特に限定するものではないが、加熱時安定性及び洗浄性能に優れる点で、前記の臭化アルキル化合物の重量 100重量部に対して、0.1~50重量部であることが好ましく、0.1~5重量部であることがより好ましく、0.1~1重量部であることがより好ましい。
【0054】
前記の紫外線吸収剤としては、特に限定するものではないが、ベンゾフェノン化合物が好ましく、例えば、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、5-クロロ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2’,5-ジクロロ-2-ジヒドロキシベンゾフェノン、又は5-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾフェノンを挙げることができる。これらのうち、溶解性が高いという点で、2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノンが好ましい。
【0055】
本発明の液体組成物が前記の紫外線吸収剤を含有する場合、前記の紫外線吸収剤の含有量については、特に限定するものではないが、加熱時安定性及び洗浄性能に優れる点で、前記の臭化アルキル化合物の重量 100重量部に対して、0.1~50重量部であることが好ましく、0.1~5重量部であることがより好ましく、0.1~1重量部であることがより好ましい。
【0056】
本発明の液体組成物は、後述の通り従来公知の安定剤を含む組成物に比べて、高い加熱時安定性を示すという特長を有するが、その特長を生かした用途での利用が期待される。本発明の液体組成物の用途としては、特に限定するものではないが、例えば、噴射剤、洗浄剤、発泡剤、及び熱伝導媒体等が挙げられる。
【0057】
本発明の液体組成物については、従来公知の臭素化合物又は当該臭素化合物含有液体組成物に比べて、アルミニウムに対する安定性が高く(腐食性が低い)、加熱時の着色性が極めて低いという効果を奏する。すなわち、当該臭化アルキル化合物含有液体組成物は、脂肪族第三級ニトロ化合物と混合されることによって熱安定化されたと推測される。
【0058】
したがって、本発明は、その一態様として、臭化アルキル化合物に対して、脂肪族第三級ニトロ化合物を添加することを特徴とする、前記臭化アルキル化合物の熱安定化方法を提供する。
【0059】
本発明の一態様に係る噴射剤は、上記の液体組成物を含むものであって、エアゾール噴射剤であることが好ましい。当該噴射剤は、物体に噴きかけることによって使用することができ、被噴射物に対して、噴射剤に由来する有意な効果を付与することができる。
【0060】
本発明の被噴射物への付与効果としては、特に限定するものではないが、例えば、表面付着物の除去効果、殺菌効果、又は消毒効果等を挙げることができる。
【0061】
すなわち、上記の液体組成物は、殺菌剤、又は消毒剤として利用できる。
【0062】
本発明の一態様に係る洗浄剤は、上記の液体組成物を含むものであって、洗浄対象物の表面付着物を除去することができるものを表し、上記の液体組成物からなるものであることが好ましい。
【0063】
以下、前記の洗浄剤を用いた洗浄対象物の洗浄方法について説明する。
【0064】
前記の洗浄方法については、一例として、粗洗浄と仕上げ洗浄との組合せによる二段階洗浄によって行うことができ、前記の粗洗浄および仕上げ洗浄の両方において前記の洗浄剤を用いることができる。
【0065】
粗洗浄では、洗浄剤を溜めた粗洗浄槽に洗浄対象物を投入し、当該洗浄対象物に付着した表面付着物を前記洗浄剤に溶解させる。粗洗浄された洗浄対象物には、前記の表面付着物を含んだ洗浄剤が付着する。仕上げ洗浄では、洗浄剤を溜めた仕上げ洗浄槽に、粗洗浄された洗浄対象物を投入し、微量の表面付着物が付着した洗浄対象物をさらに洗浄して、前記表面付着物を取り除くことを目的とする。仕上げ洗浄された洗浄対象物については、さらに液切りされ、次いで乾燥されることが好ましい。
【0066】
このような工程を経ることによって、きれいに洗浄された洗浄対象物を取得することができる。
【0067】
上記の粗洗浄槽における洗浄においては、特に限定するものではないが、例えば、洗浄剤及び洗浄対象物に対して超音波発振器による超音波照射を行ったり、撹拌機やホモジェナイザーによる洗浄液の撹拌を行ったり、又はポンプによる洗浄液の循環等を行うことによって、洗浄効率を向上させることができる。なお、これらの手段については、洗浄剤の種類、洗浄対象物の種類、洗浄対象物のサイズ、及び洗浄槽のサイズ等に応じて単独で使用してもよいし、併用して使用してもよい。
【0068】
また、上記の仕上げ洗浄槽における洗浄については、特に限定するものではないが、例えば、超音波洗浄、噴流洗浄、浸漬洗浄、揺動洗浄、回転洗浄、シャワー洗浄、又は減圧超音波洗浄等によって行うことができ、要求される清浄度や所要時間等を考慮して、単独もしくは数種類の方式を組み合わせて使用することができる。
【0069】
粗洗浄及び仕上げ洗浄については、室温下、又は加熱条件で行うことができ、特に限定するものではないが、例えば、4~80℃の範囲で行うことができ、洗浄効率と蒸発ロス防止に優れる点で、10~70℃の範囲が好ましく、20~60℃の範囲がより好ましい。
【0070】
また、この時、粗洗浄槽及び仕上げ洗浄槽の槽内については、加圧状態であっても、大気圧状態であっても、減圧状態であってもよい。なお、前記の槽内を減圧状態にすることによって洗浄対象物の微細孔内洗浄を促進できる場合があるため、減圧と減圧解除を繰り返して洗浄することがより好ましい。減圧と減圧解除を繰り返して洗浄を行う際の減圧時の真空度については特に限定しないが、2~100kPa(絶対圧)の範囲であることが好ましい。
【0071】
前記の乾燥方法については、特に限定するものではないが、例えば、温風乾燥、吸引乾燥、回転乾燥、又は真空乾燥等が挙げられる。なお、乾燥操作については、これらを単独で行ってもよいし、組合せて行ってもよい。
【0072】
また、仕上げ洗浄の後に、蒸気洗浄(ベーパー洗浄)を行ってもよい。当該蒸気洗浄では、前記の洗浄剤を沸点まで加熱し、発生させた蒸気を洗浄対象物に接触させることによって前記表面付着物等を洗い落とすことができる。さらに蒸気のあたらないところまで洗浄対象物を引き上げ、静置することによって、洗浄対象物を乾燥させることができる。
【0073】
前記の表面付着物としては、特に限定するものではないが、例えば、油汚れ、シミ、インク、ワックス、ほこり、微生物、又はこれら2種以上の混合物等が挙げられる。本発明の液体組成物は、加工油等の油脂成分の溶解性が優れることから、油脂成分を含む表面付着物の除去に用いることが好ましい。
【0074】
前記の洗浄対象物については、特に限定するものではないが、例えば、自動車、機械、精密機器、電気産業、又は電子産業等の各分野において製品組み立てに使用される部品(例えば、金属部品、非金属部品、電子部品、又はレンズ等)等が挙げられる。
【0075】
また、前記の洗浄対象物の材質としては、特に限定するものではないが、例えば、金属、プラスチック、エラストマー、セラミックス、木材、ガラス、又はこれらの複合材料等を挙げることができる。
【0076】
本発明の一態様に係る発泡剤は、上記の液体組成物を含むものであって、特に限定するものではないが、例えば、発泡ポリウレタン樹脂の発泡剤として用いることができる。
【0077】
上記の液体組成物については、高い熱安定性を有することから、熱伝導媒体として使用することができる。すなわち、本発明の一態様に係る熱伝導媒体は、前記の液体組成物を含むものであって、目的とする物質を加熱する目的で幅広く用いることができる。すなわち、上記の液体組成物を含む熱伝導媒体は、例えば、加熱装置、又は保温装置に用いることができる。
【0078】
本発明の一態様に係る液体組成物が上記の噴射剤、殺菌剤、消毒剤、洗浄剤、発泡剤、又は熱伝導媒体として利用される際は、前記液体組成物はその用途に合わせて成分調整がなされることが望ましい。すなわち、前記の液体組成物を含む噴射剤、殺菌剤、消毒剤、洗浄剤、発泡剤、又は熱伝導媒体については、それぞれ、当該用途に一般的に利用される化合物が含まれていることが好ましい。
【実施例0079】
以下、本願発明を実施例によって具体的に記述する。しかし、これらによって本願発明は制限されるものではない。
【0080】
[試験1.金属腐食性試験]
下記の実施例などで調製した液体組成物 50mlを、100ml容量の三角フラスコに入れ、このフラスコの中に表面を事前に洗浄乾燥し、表面に傷をつけたアルミニウム試験片を含む金属試験片(13mm×65mm×3mm、スタンダードテストピース社製)を気液両相にまたぐ形で設置した。この三角フラスコ上部に冷却管を接続し、オイルバス上で沸点温度まで加熱し、還流している状態で、前記の液体組成物を金属試験片に接触させた。最長7日間加熱還流後、金属試験片の腐食状態を観察した。なお、金属試験片の外観の判定基準は下記の通り標示する。
<金属試験片の判定基準>
○(良好):全く変化がない。
×(不良):腐食が認められる。
【0081】
[試験2.熱安定性試験]
下記の実施例などで調製した液体組成物 100gを100ml容量の丸底フラスコに投入し、上部に冷却管を接続し、オイルバス上で沸点温度まで加熱し還流させた。最長14日間加熱還流後、試験液の着色度を目視で確認した。なお、試験液の着色度の判定基準は下記の通り標示する。
<試験液の着色の判定基準>
○(良好):全く変化がない(無色透明)。
×(不良):着色が認められる。
【0082】
実施例1-1
1-ブロモプロパン、エポキシシクロペンタン、及び2-メチル-2-ニトロプロパン(以下、tBNと称する)を混合し、1-ブロモプロパン(99.3重量%)、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)、及びtBN(0.2重量%)からなる液体組成物を得た。当該液体組成物を用い、金属試験片としてアルミニウム試験片を用いて、上記の[試験1.金属腐食性試験]を行った。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0083】
実施例1-2
実施例1-1において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2,3-ジメチル-2,3-ジニトロブタン(以下、DMDNBと称する)(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0084】
実施例1-3
実施例1-1において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2-メチルプロパン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0085】
実施例1-4
実施例1-2において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2-メチルプロパン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-2と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0086】
実施例1-5
実施例1-1において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモブタン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0087】
実施例1-6
実施例1-2において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモブタン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-2と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0088】
実施例1-7
実施例1-1において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2,2-ジメチルプロパン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0089】
実施例1-8
実施例1-2において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2,2-ジメチルプロパン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-2と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0090】
実施例1-9
実施例1-1において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモペンタン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0091】
実施例1-10
実施例1-2において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモペンタン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-2と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0092】
実施例1-11
実施例1-1において、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)の代わりに、エポキシシクロヘキサン(0.5重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0093】
実施例1-12
実施例1-2において、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)の代わりに、エポキシシクロヘキサン(0.5重量%)を用いた以外は、実施例1-2と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0094】
実施例1-13
実施例1-11において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2-メチルプロパン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-11と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0095】
実施例1-14
実施例1-12において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2-メチルプロパン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-12と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0096】
実施例1-15
実施例1-11において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモブタン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-11と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0097】
実施例1-16
実施例1-12において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモブタン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-12と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0098】
実施例1-17
実施例1-11において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2,2-ジメチルプロパン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-11と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0099】
実施例1-18
実施例1-12において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2,2-ジメチルプロパン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-12と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0100】
実施例1-19
実施例1-11において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモペンタン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-11と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0101】
実施例1-20
実施例1-12において、1-ブロモプロパン(99.3重量%)の代わりに、1-ブロモペンタン(99.3重量%)を用いた以外は、実施例1-12と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0102】
実施例1-1~1-20で調製した液体組成物の組成及び評価結果を表1に示した。
【0103】
比較例1-1
実施例1-1において、tBNを添加しない(1-ブロモプロパンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。10分間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0104】
比較例1-2
実施例1-1において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0105】
比較例1-3
実施例1-1において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0106】
比較例1-4
実施例1-1において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0107】
比較例1-5
実施例1-3において、tBNを添加しない(1-ブロモ-2-メチルプロパンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-3と同様の操作及び評価を実施した。10分加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0108】
比較例1-6
実施例1-3において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-3と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0109】
比較例1-7
実施例1-3において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-3と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0110】
比較例1-8
実施例1-3において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-3と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0111】
比較例1-9
実施例1-5において、tBNを添加しない(1-ブロモブタンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-5と同様の操作及び評価を実施した。10分加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0112】
比較例1-10
実施例1-5において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-5と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0113】
比較例1-11
実施例1-5において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-5と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0114】
比較例1-12
実施例1-5において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-5と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0115】
比較例1-13
実施例1-7において、tBNを添加しない(1-ブロモ-2,2-ジメチプロパンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-7と同様の操作及び評価を実施した。30分加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0116】
比較例1-14
実施例1-7において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-7と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0117】
比較例1-15
実施例1-7において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-7と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0118】
比較例1-16
実施例1-7において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-7と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0119】
比較例1-17
実施例1-9において、tBNを添加しない(1-ブロモペンタンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-9と同様の操作及び評価を実施した。10分加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0120】
比較例1-18
実施例1-9において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-9と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0121】
比較例1-19
実施例1-9において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量)を用いた以外は、実施例1-9と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0122】
比較例1-20
実施例1-9において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-9と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0123】
比較例1-21
実施例1-11において、tBNを添加しない(1-ブロモプロパンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-11と同様の操作及び評価を実施した。10分間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0124】
比較例1-22
実施例1-11において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-11と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0125】
比較例1-23
実施例1-11において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-11と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0126】
比較例1-24
実施例1-11において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-11と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0127】
比較例1-25
実施例1-13において、tBNを添加しない(1-ブロモ-2-メチルプロパンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-13と同様の操作及び評価を実施した。10分加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0128】
比較例1-26
実施例1-13において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-13と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0129】
比較例1-27
実施例1-13において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-13と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0130】
比較例1-28
実施例1-13において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-13と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0131】
比較例1-29
実施例1-15において、tBNを添加しない(1-ブロモブタンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-15と同様の操作及び評価を実施した。10分加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0132】
比較例1-30
実施例1-15において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-15と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0133】
比較例1-31
実施例1-15において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-15と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0134】
比較例1-32
実施例1-15において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-15と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0135】
比較例1-33
実施例1-17において、tBNを添加しない(1-ブロモ-2,2-ジメチプロパンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-17と同様の操作及び評価を実施した。30分加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0136】
比較例1-34
実施例1-17において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-17と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0137】
比較例1-35
実施例1-17において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-17と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0138】
比較例1-36
実施例1-17において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-17と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0139】
比較例1-37
実施例1-19において、tBNを添加しない(1-ブロモペンタンを99.5重量%とした)こと以外は、実施例1-19と同様の操作及び評価を実施した。10分加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0140】
比較例1-38
実施例1-19において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-19と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0141】
比較例1-39
実施例1-19において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量)を用いた以外は、実施例1-19と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0142】
比較例1-40
実施例1-19において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例1-19と同様の操作及び評価を実施した。1時間加熱後、アルミニウム試験片は著しく腐食した。
【0143】
比較例1-1~1-40で調製した液体組成物の組成及び評価結果を表2に示した。
【0144】
実施例2-1
1-ブロモ-2-メチルプロパン、エポキシシクロペンタン、tBN、及び1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンを混合し、1-ブロモ-2-メチルプロパン(98.3重量%)、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)、tBN(0.2重量%)、及び1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン(1重量%)からなる液体組成物を得た。当該液体組成物を用いて、上記の[試験2.熱安定性試験]を行った。14日間加熱したが、液着色は確認できなかった。
【0145】
実施例2-2
実施例2-1において、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン(1重量%)の代わりに、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジン(1重量%)を用いた以外は、実施例2-1と同様の操作および評価を実施した。14日間加熱したが、液着色は確認できなかった。
【0146】
実施例2-3
実施例2-1において、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン(1重量%)の代わりに、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)(1重量%)を用いた以外は、実施例2-1と同様の操作および評価を実施した。14日間加熱したが、液着色は確認できなかった。
【0147】
比較例2-1
実施例2-1において、tBN(0.2重量%)の代わりに、ニトロメタン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例2-1と同様の操作および評価を実施した。1日加熱した時点で、褐色に着色した。
【0148】
比較例2-2
実施例2-1において、tBN(0.2重量%)の代わりに、1-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例2-1と同様の操作および評価を実施した。1日加熱した時点で、褐色に着色した。
【0149】
比較例2-3
実施例2-1において、tBN(0.2重量%)の代わりに、2-ニトロプロパン(0.2重量%)を用いた以外は、実施例2-1と同様の操作および評価を実施した。1日加熱した時点で、褐色に着色した。
【0150】
実施例2-1~2-3、及び比較例2-1~2-3で調製した液体組成物の組成及び評価結果を表3に示した。
【0151】
実施例3-1
1-ブロモプロパン、エポキシシクロペンタン、tBN、及び1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン(以下、TFIEと称する)を混合し、1-ブロモプロパン(94.3重量%)、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)、tBN(0.2重量%)、及びTFIE(5.0重量%)からなる液体組成物を得た。当該液体組成物を用い、金属試験片としてアルミニウム試験片を用いて、上記の[試験1.金属腐食性試験]を行った。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0152】
実施例3-2
実施例3-1において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(以下、TFIPと称する)(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0153】
実施例3-3
実施例3-1において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、ベンゾトリフルオリド(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0154】
実施例3-4
実施例3-1において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、フルオロベンゼン(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0155】
実施例3-5
実施例3-1において、tBN(0.2重量%)の代わりに、DMDNB(0.2重量%)を用いた以外は、実施例3-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0156】
実施例3-6
実施例3-5において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、TFIP(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-5と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0157】
実施例3-7
実施例3-5において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、ベンゾトリフルオリド(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-5と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0158】
実施例3-8
実施例3-5において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、フルオロベンゼン(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-5と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0159】
実施例3-9
実施例3-1において、1-ブロモプロパン(94.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2-メチルプロパン(94.3重量%)を用いた以外は、実施例3-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0160】
実施例3-10
実施例3-9において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、TFIP(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-9と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0161】
実施例3-11
実施例3-9において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、ベンゾトリフルオリド(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-9と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0162】
実施例3-12
実施例3-9において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、フルオロベンゼン(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-9と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0163】
実施例3-13
実施例3-5において、1-ブロモプロパン(94.3重量%)の代わりに、1-ブロモ-2-メチルプロパン(94.3重量%)を用いた以外は、実施例3-5と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0164】
実施例3-14
実施例3-13において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、TFIP(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-13と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0165】
実施例3-15
実施例3-13において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、ベンゾトリフルオリド(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-13と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0166】
実施例3-16
実施例3-13において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、フルオロベンゼン(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-13と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0167】
実施例3-17
実施例3-1において、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)の代わりに、エポキシシクロヘキサン(0.5重量%)を用いた以外は、実施例3-1と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0168】
実施例3-18
実施例3-17において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、TFIP(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-17と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0169】
実施例3-19
実施例3-17において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、ベンゾトリフルオリド(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-17と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0170】
実施例3-20
実施例3-17において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、フルオロベンゼン(5.0重量%)を用いた以外には、実施例3-17と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0171】
実施例3-21
実施例3-5において、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)の代わりに、エポキシシクロヘキサン(0.5重量%)を用いた以外は、実施例3-5と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0172】
実施例3-22
実施例3-21において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、TFIP(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-21と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0173】
実施例3-23
実施例3-21において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、ベンゾトリフルオリド(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-21と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0174】
実施例3-24
実施例3-21において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、フルオロベンゼン(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-21と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0175】
実施例3-25
実施例3-9において、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)の代わりに、エポキシシクロヘキサン(0.5重量%)を用いた以外は、実施例3-9と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0176】
実施例3-26
実施例3-25において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、TFIP(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-25と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0177】
実施例3-27
実施例3-25において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、ベンゾトリフルオリド(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-25と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0178】
実施例3-28
実施例3-25において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、フルオロベンゼン(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-25と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0179】
実施例3-29
実施例3-13において、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)の代わりに、エポキシシクロヘキサン(0.5重量%)を用いた以外は、実施例3-13と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0180】
実施例3-30
実施例3-29において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、TFIP(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-29と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0181】
実施例3-31
実施例3-29において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、ベンゾトリフルオリド(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-29と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0182】
実施例3-32
実施例3-29において、TFIE(5.0重量%)の代わりに、フルオロベンゼン(5.0重量%)を用いた以外は、実施例3-29と同様の操作及び評価を実施した。140時間加熱したが、アルミニウム試験片は腐食しなかった。
【0183】
実施例3-1~3-32で調製した液体組成物の組成及び評価結果を表4に示した。
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
[試験3.洗浄性試験]
上記の実施例などで調整した液体組成物を、スナップカップ1(株式会社マルエム製 Nо.35 25ml)とスナップカップ2(スナップカップ1と同じ)にそれぞれ25ml入れ、スナップカップ1を粗洗浄槽、スナップカップ2を仕上洗浄槽とする。
【0189】
洗浄対象物は、よく研磨されたステンレス板(30×30×0.8mm)に、一般的な油性加工油であるダフニーカットLS-5(出光興産株式会社製)を0.1ml(約0.09g)付着させたものである。
【0190】
前記粗洗浄槽に、前記洗浄対象物を入れ、超音波洗浄機(型式MCD-13 アズワン株式会社製 40kHz 300W)にて室温(25℃)下5分間、超音波洗浄を実施した。
【0191】
次に、粗洗浄槽から取り出した洗浄対象物を仕上洗浄槽に入れ、粗洗浄槽のときと同様の条件で5分間超音波洗浄を実施した。
【0192】
次に、仕上洗浄槽から取り出した洗浄対象物をエアブローにて乾燥させ、目視にて下記評価基準で洗浄性の評価を行った。
【0193】
良好:加工油の残渣なし
不良:加工油の残渣あり
実施例4-1
1-ブロモ-2-メチルプロパン、エポキシシクロペンタン、及びtBNを混合し、1-ブロモ-2-メチルプロパン(99.3重量%)、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)、及びtBN(0.2重量%)からなる液体組成物を得た(上記実施例1-3に記載の液体組成物と同じ)。当該液体組成物を用い、上記の[試験3.洗浄性試験]を行ったところ、ステンレス板に加工油の残渣はなく、良好な洗浄性を示した。
【0194】
実施例4-2
1-ブロモ-2-メチルプロパン、エポキシシクロペンタン、tBN、及びメタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンを混合し、1-ブロモ-2-メチルプロパン(98.3重量%)、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)、tBN(0.2重量%)、及びメタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン(1.0重量%)からなる液体組成物を得た(上記実施例2-2に記載の液体組成物と同じ)。当該液体組成物を用い、上記の[試験3.洗浄性試験]を行ったところ、ステンレス板に加工油の残渣はなく、良好な洗浄性を示した。
【0195】
実施例4-3
1-ブロモ-2-メチルプロパン、エポキシシクロペンタン、tBN、及びTFIPを混合し、1-ブロモ-2-メチルプロパン(94.3重量%)、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)、tBN(0.2重量%)、及びTFIP(5.0重量%)からなる液体組成物を得た(上記実施例3-10に記載の液体組成物と同じ)。当該液体組成物を用い、上記の[試験3.洗浄性試験]を行ったところ、ステンレス板に加工油の残渣はなく、良好な洗浄性を示した。
【0196】
実施例4-4
1-ブロモ-2-メチルプロパン、エポキシシクロペンタン、tBN、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、及びTFIPを混合し、1-ブロモ-2-メチルプロパン(93.3重量%)、エポキシシクロペンタン(0.5重量%)、tBN(0.2重量%)、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン(1.0重量%)、及びTFIP(5.0重量%)からなる液体組成物を得た。当該液体組成物を用い、上記の[試験3.洗浄性試験]を行ったところ、ステンレス板に加工油の残渣はなく、良好な洗浄性を示した。
【0197】
実施例4-1~4-4の液体組成物の組成を表5に示した。
【0198】
本願発明の液体組成物は、加熱時における高い安定化効果(金属腐食抑制効果、着色抑制効果)を有するため、洗浄剤、噴射剤、及び熱伝達媒体などの様々な工業用途において利用価値の高い組成物を提供することができる。