(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093006
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】イメージセンシング装置およびそれを含むイメージング装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240701BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20240701BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N25/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218779
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0184486
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ハンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンレ
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA09
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA22
4M118DD04
4M118FA33
4M118FA38
4M118GC07
4M118GC14
4M118GD04
5C024EX43
5C024EX52
5C024GX01
5C024GX03
5C024GY31
(57)【要約】
【課題】イメージセンシング装置のイメージの品質を向上させる。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置100は、それぞれが第1サブピクセルと第1サブピクセルを囲む第2サブピクセルとを含む複数のピクセル200を含み、第1サブピクセルは、第1カラー光を感知するカラーサブピクセル(C)またはホワイト光を感知するホワイトサブピクセル(W)のいずれか一方であり、第2サブピクセルは、カラーサブピクセルまたはホワイトサブピクセルのいずれか他方であってもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが第1サブピクセルと前記第1サブピクセルを囲む第2サブピクセルとを含む複数のピクセルを含み、
前記第1サブピクセルは、第1カラー光を感知するカラーサブピクセルまたはホワイト光を感知するホワイトサブピクセルのいずれか一方であり、
前記第2サブピクセルは、前記カラーサブピクセルまたは前記ホワイトサブピクセルのいずれか他方である、イメージセンシング装置。
【請求項2】
前記第1サブピクセルは、前記ピクセルの中央に配置され、
前記第2サブピクセルは、前記第1サブピクセルを囲む閉鎖形態を有するように配置される、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項3】
前記第1サブピクセルの面積は、前記第2サブピクセルの面積よりも大きい、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項4】
前記第1サブピクセルは、前記カラーサブピクセルであり、
前記第2サブピクセルは、前記ホワイトサブピクセルである、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項5】
前記第1サブピクセルは、前記第1カラー光を選択的に透過させる光学フィルタを含み、
前記第2サブピクセルは、前記光学フィルタを含まない、請求項4に記載のイメージセンシング装置。
【請求項6】
前記第1サブピクセルは、前記ホワイトサブピクセルであり、
前記第2サブピクセルは、前記カラーサブピクセルである、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項7】
前記第2サブピクセルは、前記第1カラー光を選択的に透過させる光学フィルタを含み、
前記第1サブピクセルは、前記光学フィルタを含まない、請求項6に記載のイメージセンシング装置。
【請求項8】
前記第1サブピクセルは、前記第1カラー光または前記ホワイト光のいずれか一方を光電荷に変換する第1光電変換素子を含み、
前記第2サブピクセルは、前記第1カラー光または前記ホワイト光のいずれか他方を光電荷に変換する第2光電変換素子を含み、
前記第1光電変換素子と前記第2光電変換素子が互いに物理的に分離される、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項9】
前記複数のピクセルのうち、第1ピクセルの第2サブピクセルと、前記第1ピクセルに隣接する第2ピクセルの第2サブピクセルを光学的に分離する第1素子分離構造をさらに含む、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項10】
前記第1サブピクセルと前記第2サブピクセルを光学的に分離する第2素子分離構造をさらに含む、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項11】
それぞれが第1サブピクセルと前記第1サブピクセルを囲む第2サブピクセルとを含む複数のピクセルと、
前記第1サブピクセルおよび前記第2サブピクセルそれぞれから生成されたイメージデータを処理するイメージ信号プロセッサと、
を含み、
前記第1サブピクセルは、第1カラー光を感知するカラーサブピクセルまたはホワイト光を感知するホワイトサブピクセルのいずれか一方であり、
前記第2サブピクセルは、前記カラーサブピクセルまたは前記ホワイトサブピクセルのいずれか他方である、イメージング装置。
【請求項12】
前記第1サブピクセルは、前記カラーサブピクセルであり、
前記第2サブピクセルは、前記ホワイトサブピクセルである、請求項11に記載のイメージング装置。
【請求項13】
前記第1サブピクセルは、前記ホワイトサブピクセルであり、
前記第2サブピクセルは、前記カラーサブピクセルである、請求項11に記載のイメージング装置。
【請求項14】
前記第1サブピクセルは、前記ピクセルの中央に配置され、
前記第2サブピクセルは、前記第1サブピクセルを囲むドーナツ形状を有するように配置される、請求項11に記載のイメージング装置。
【請求項15】
前記第1サブピクセルの面積は、前記第2サブピクセルの面積よりも大きい、請求項11に記載のイメージング装置。
【請求項16】
前記イメージ信号プロセッサは、前記第1サブピクセルから生成された第1イメージデータと前記第2サブピクセルから生成された第2イメージデータを演算した結果を、前記第1サブピクセルと前記第2サブピクセルを含むピクセルのイメージデータとして決める、請求項11に記載のイメージング装置。
【請求項17】
前記イメージ信号プロセッサは、
低照度の条件で、前記第1サブピクセルから生成された第1イメージデータと前記第2サブピクセルから生成された第2イメージデータを演算した結果を、前記第1サブピクセルと前記第2サブピクセルを含むピクセルのイメージデータとして決め、
高照度の条件で、前記第1イメージデータと前記第2イメージデータのうちカラーイメージデータを、前記第1サブピクセルと前記第2サブピクセルを含むピクセルのイメージデータとして決める、請求項11に記載のイメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を感知してイメージデータを生成することができるイメージセンシング装置およびそれを含むイメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンシング装置は、光に反応する光感知半導体物質の性質を用いて光学イメージをキャプチャ(capture)する装置である。自動車、医療、コンピュータ、および通信などの産業の発展に伴い、スマートフォン、デジタルカメラ、ゲーム機器、モノのインターネット(Internet of Things)、ロボット、セキュリティ用カメラ、医療用マイクロカメラなどの様々な分野における高性能(high-performance)イメージセンシング装置の需要が増大している。
【0003】
イメージセンシング装置は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンシング装置と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンシング装置に大別することができる。CCDイメージセンシング装置は、CMOSイメージセンシング装置に比べて、より良いイメージ品質を提供するが、より大きい大きさで実現され、より多い電力を消費する傾向がある。これに対し、CMOSイメージセンシング装置は、CCDイメージセンシング装置に比べて、より小さい大きさで実現されることができ、より少ない電力を消費する。また、CMOSイメージセンシング装置は、CMOS製造技術を用いて製造されるため、光感知素子および信号処理回路を単一チップに統合することができ、これにより、安価で小型のイメージセンシング装置を生産することができる。このことから、CMOSイメージセンシング装置は、モバイル装置を含む多くのアプリケーションのために開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的思想は、互いに異なる種類のサブピクセルで構成されたピクセルを含むイメージセンシング装置およびそれを含むイメージング装置を提供することができる。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されず、言及していない他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本文書に開示される本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置は、それぞれが第1サブピクセルと前記第1サブピクセルを囲む第2サブピクセルとを含む複数のピクセルを含み、前記第1サブピクセルは、第1カラー光を感知するカラーサブピクセルまたはホワイト光を感知するホワイトサブピクセルのいずれか一方であり、前記第2サブピクセルは、前記カラーサブピクセルまたは前記ホワイトサブピクセルのいずれか他方であってもよい。
【0007】
本発明の一実施形態に係るイメージング装置は、それぞれが第1サブピクセルと前記第1サブピクセルを囲む第2サブピクセルとを含む複数のピクセルと、前記第1サブピクセルおよび前記第2サブピクセルそれぞれから生成されたイメージデータを処理するイメージ信号プロセッサと、を含み、前記第1サブピクセルは、第1カラー光を感知するカラーサブピクセルまたはホワイト光を感知するホワイトサブピクセルのいずれか一方であり、前記第2サブピクセルは、前記カラーサブピクセルまたは前記ホワイトサブピクセルのいずれか他方であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本文書に開示される実施形態によると、1つのピクセル内にカラーサブピクセルおよびホワイトサブピクセルが含まれ、1つのピクセル毎にカラー情報と明るさ情報がともに取得されることができるため、イメージの品質が向上することができる。
この他に、本文書により、直接的または間接的に把握される様々な効果が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るイメージング装置を示したブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るピクセルを簡略に示した図である。
【
図3】
図2に示されたピクセルを含むピクセルアレイの一部に対する一例を示した図である。
【
図4】
図3に示されたピクセルアレイの一部から取得されるイメージデータを示した図である。
【
図5】
図3に示されたピクセルアレイの断面を示した図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係るピクセルを簡略に示した図である。
【
図7】
図6に示されたピクセルを含むピクセルアレイの一部に対する一例を示した図である。
【
図8】
図7に示されたピクセルアレイの一部から取得されるイメージデータを示した図である。
【
図9】
図7に示されたピクセルアレイの断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して様々な実施形態が説明される。ただし、本開示は、特定の実施形態に限定されず、実施形態の様々な変更(modification)、等価物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解しなければならない。本開示の実施形態は、本開示により直間接的に認識可能な様々な効果を提供することができる。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るイメージング装置を示したブロック図である。
図1を参照すると、イメージング装置(imaging device)は、イメージセンシング装置(image sensing device)100およびイメージ信号プロセッサ(image signal processor;ISP)50を含むことができる。
【0012】
イメージセンシング装置100は、ピクセルアレイ(pixel array)110、ロウドライバ(row driver)120、相関二重サンプラ(Correlate Double Sampler;CDS)130、アナログ-デジタルコンバータ(Analog-Digital Converter;ADC)140、出力バッファ(output buffer)150、カラムドライバ(column driver)160、およびタイミングコントローラ(timing controller)170を含むことができる。ここで、イメージセンシング装置100の各構成は例示的なものにすぎず、必要に応じて少なくとも一部の構成が追加または省略されてもよい。
【0013】
ピクセルアレイ110は、複数のロウ(rows)および複数のカラム(columns)に配列された複数のピクセルを含むことができる。一実施形態において、複数のピクセルは、ロウおよびカラムを含む2次元ピクセルアレイに配列されることができる。他の実施形態において、複数の単位イメージピクセルは、3次元ピクセルアレイに配列されることができる。複数のピクセルは、ピクセル単位でまたはピクセルグループ単位で光信号を電気的信号に変換することができ、ピクセルグループ内のピクセルは、少なくとも特定の内部回路を共有することができる。ピクセルアレイ110は、ロウドライバ120からロウ選択信号、ピクセルリセット信号、および転送信号などを含む駆動信号を受信することができ、駆動信号により、ピクセルアレイ110の当該ピクセルは、ロウ選択信号、ピクセルリセット信号、および転送信号に対応する動作を行うように活性化されることができる。
【0014】
ロウドライバ120は、タイミングコントローラ170により供給される命令および制御信号に基づいて、当該ロウに含まれたピクセルに対して特定の動作を行うようにピクセルアレイ110を活性化することができる。一実施形態において、ロウドライバ120は、ピクセルアレイ110の少なくとも1つのロウに配列された少なくとも1つのピクセルを選択することができる。ロウドライバ120は、複数のロウのうち少なくとも1つのロウを選択するためにロウ選択信号を生成することができる。ロウドライバ120は、選択された少なくとも1つのロウに対応するピクセルに対して、ピクセルリセット信号および転送信号を順次イネーブルにすることができる。これにより、選択されたロウのピクセルそれぞれから生成されるアナログ形態の基準信号と画像信号が相関二重サンプラ130に順次伝達されることができる。ここで、基準信号は、ピクセルのセンシングノード(例えば、フローティングディフュージョンノード)がリセットされた際に、相関二重サンプラ130に提供される電気的信号であり、画像信号は、ピクセルにより生成された光電荷がセンシングノードに蓄積された際に、相関二重サンプラ130に提供される電気的信号であってもよい。ピクセル固有のリセットノイズ(reset noise)を示す基準信号、および入射光の強度を示す画像信号をピクセル信号と通称することができる。
【0015】
CMOSイメージセンサは、2つのサンプル間の差を除去するためにピクセル信号を2回サンプリングすることで、固定パターンノイズのようなピクセルの所望しないオフセット値を除去できるように相関二重サンプリングを用いることができる。一例として、相関二重サンプリングは、入射光により生成された光電荷がセンシングノードに蓄積される前後に取得されたピクセル出力電圧を比較することで、所望しないオフセット値を除去し、入射光のみに基づくピクセル出力電圧が測定されることができる。一実施形態において、相関二重サンプラ130は、ピクセルアレイ110から複数のカラムラインそれぞれに提供される基準信号と画像信号を順次サンプリングおよびホールディング(sampling and holding)することができる。すなわち、相関二重サンプラ130は、ピクセルアレイ110のカラムそれぞれに対応する基準信号と画像信号のレベルをサンプリングおよびホールディングすることができる。
【0016】
相関二重サンプラ130は、タイミングコントローラ170からの制御信号に基づいて、カラムそれぞれの基準信号と画像信号を相関二重サンプリング信号としてADC140に伝達することができる。
【0017】
ADC140は、相関二重サンプラ130から出力される各カラムに対する相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換して出力することができる。一実施形態において、ADC140は、ランプ比較タイプ(ramp-compare type)ADCで実現されることができる。ランプ比較タイプADCは、時間に応じて上昇または下降するランプ信号とアナログピクセル信号を比較する比較回路と、ランプ信号がアナログピクセル信号にマッチング(matching)するまでカウンティング動作を行うカウンタと、を含むことができる。一実施形態において、ADC140は、カラムそれぞれのための相関二重サンプラ130により生成された相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換して出力することができる。
【0018】
ADC140は、ピクセルアレイ110のカラムそれぞれに対応する複数のカラムカウンタを含むことができる。ピクセルアレイ110の各カラムは、各カラムカウンタに連結され、イメージデータは、カラムカウンタを用いて、カラムそれぞれに対応する相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換することで生成されることができる。他の実施形態によると、ADC140は、1つのグローバルカウンタを含み、グローバルカウンタから提供されるグローバルコードを用いて、カラムそれぞれに対応する相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換することができる。
【0019】
出力バッファ150は、ADC140から提供されるそれぞれのカラム単位のイメージデータを一時的にホールディングして出力することができる。出力バッファ150は、タイミングコントローラ170の制御信号に基づいて、ADC140から出力されるイメージデータを一時的に格納することができる。出力バッファ150は、イメージセンシング装置100と連結された他の装置間の転送(または、処理)速度の差を補償するインターフェースとして動作することができる。
【0020】
カラムドライバ160は、タイミングコントローラ170の制御信号に基づいて出力バッファ150のカラムを選択し、出力バッファ150の選択されたカラムに一時的に格納されたイメージデータが順次出力されるように出力バッファ150を制御することができる。一実施形態において、カラムドライバ160は、タイミングコントローラ170からアドレス信号を受信することができ、カラムドライバ160は、アドレス信号に基づいてカラム選択信号を生成して出力バッファ150のカラムを選択することで、出力バッファ150の選択されたカラムからイメージデータが外部に出力されるように制御することができる。
【0021】
タイミングコントローラ170は、ロウドライバ120、相関二重サンプラ130、ADC140、出力バッファ150、およびカラムドライバ160のうち少なくとも1つを制御することができる。
【0022】
タイミングコントローラ170は、イメージセンシング装置100の各構成の動作に求められるクロック信号、タイミングコントロールのための制御信号、およびロウまたはカラムを選択するためのアドレス信号を、ロウドライバ120、相関二重サンプラ130、ADC140、出力バッファ150、およびカラムドライバ160のうち少なくとも1つに提供することができる。一実施形態によると、タイミングコントローラ170は、ロジック制御回路(Logic control circuit)、位相ロックループ(Phase Lock Loop、PLL)回路、タイミングコントロール回路(timing control circuit)、および通信インターフェース回路(communication interface circuit)などを含むことができる。
【0023】
ISP50は、イメージセンシング装置100から受信するイメージデータに対して画像信号処理を行うことができる。ISP50は、イメージデータに対してノイズを低減し、イメージデータの補間(interpolation)、合成、ガンマ補正(Gamma Correction)、カラーフィルタアレイ補間(color filter array interpolation)、カラーマトリクス(color matrix)、カラー補正(color correction)、カラーエンハンスメント(color enhancement)、レンズ歪み補正(lens distortion correction)などの画質改善のための画像信号処理を行うことができる。また、ISP50は、画質改善のための画像信号処理を行って生成されたイメージデータを圧縮処理して画像ファイルを生成することができ、または前記画像ファイルからイメージデータを復元することができる。画像の圧縮形式は、可逆形式または非可逆形式であってもよい。圧縮形式の例としては、静止画の場合、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やJPEG2000形式などを用いることができる。また、動画の場合、MPEG(Moving Picture Experts Group)標準に従って複数のフレームを圧縮して動画ファイルを生成することができる。画像ファイルは、例えば、Exif(Exchangeable image file format)標準に従って生成することができる。
【0024】
ISP50は、イメージ処理動作が完了したイメージデータをホスト装置(図示せず)に転送することができる。ホスト装置(図示せず)は、ISP50から受信するイメージ処理されたイメージデータを処理するプロセッサ(例えば、アプリケーションプロセッサ(application processor))、イメージデータを格納するメモリ(例えば、不揮発性メモリ)、またはイメージデータを視覚的に出力するディスプレイ装置(例えば、LCD(liquid crystal display))であってもよい。
【0025】
また、ISP50は、イメージセンシング装置100の動作(作動の有無、動作タイミング、動作モードなど)を制御するための制御信号をイメージセンシング装置100に転送することができる。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態に係るピクセルを簡略に示した図である。
図2を参照すると、ピクセル200は、
図1のピクセルアレイ110を構成する複数のピクセルのいずれかであってもよい。
【0027】
ピクセルアレイ110を構成する各ピクセルは、第1サブピクセルと第2サブピクセルを含むことができ、
図2では、第1サブピクセルがカラーサブピクセルであり、第2サブピクセルがホワイトサブピクセルである実施形態について説明する。
【0028】
ピクセル200は、第1サブピクセルであるカラーサブピクセル(C)と、第2サブピクセルであるホワイトサブピクセル(W)と、を含むことができる。第1サブピクセルの面積と第2サブピクセルの面積が互いに同一であってもよく、他の実施形態によると、第1サブピクセルの面積が第2サブピクセルの面積よりも大きくても小さくてもよい。第1サブピクセルの面積と第2サブピクセルの面積の大小関係に応じて第1サブピクセルと第2サブピクセルの受光量が異なり得るため、第1サブピクセルの重要度がさらに高い場合、第1サブピクセルの面積を相対的により大きく設計することが適切である。
【0029】
カラーサブピクセル(C)は、ピクセル200の中央に配置される四角形状のピクセルであってもよい。カラーサブピクセル(C)は、予め定められた波長帯域に該当するカラー(例えば、レッド、ブルー、グリーン)の入射光のみを通過させるカラーフィルタを含むことができる。これにより、カラーサブピクセル(C)は、当該カラーに対応する入射光の強度に対応するピクセル信号を生成することができる。
【0030】
ホワイトサブピクセル(W)は、ピクセル200の縁部に配置されるドーナツ形状(または、リング形状)のピクセルであってもよい。すなわち、ホワイトサブピクセル(W)は、カラーサブピクセル(C)を囲む閉鎖形態(closed shape)を有することができる。ホワイトサブピクセル(W)は、カラーフィルタを含まなくてもよく、これにより、ホワイトサブピクセル(W)は、全波長帯域に該当する入射光の強度に対応するピクセル信号を生成することができる。
【0031】
図3は、
図2に示されたピクセルを含むピクセルアレイの一部に対する一例を示した図である。
図3を参照すると、
図2のピクセル200に該当する構造を有するピクセルで構成されたピクセルアレイの一部300が示されている。すなわち、各ピクセルは、第1サブピクセルであるカラーサブピクセル(レッドピクセル(R)、ブルーピクセル(B)、またはグリーンピクセル(G))と、第2サブピクセルであるホワイトサブピクセル(W)と、を含むことができる。レッドピクセル(R)、ブルーピクセル(B)、またはグリーンピクセル(G)のそれぞれは、レッド光、ブルー光、またはグリーン光それぞれを感知してピクセル信号を生成するピクセルであってもよい。
【0032】
ピクセルアレイの一部300は、4個のロウおよび4個のカラムで構成された4×4マトリクスの16個のピクセルを含むことができる。ピクセルのパターンは、各ピクセルに含まれたカラーサブピクセルの種類に応じて定められることができる。
【0033】
一実施形態によると、16個のピクセルは、ベイヤーパターン(bayer pattern)で配列されることができる。ベイヤーパターンとは、2×2マトリクス状に配列されたピクセルで構成され、対角方向にレッドピクセルとブルーピクセルが配置され、2×2マトリクスの残りのピクセルがグリーンピクセルで満たされた形態を意味し得る。本開示ではピクセルアレイの一部300がベイヤーパターンで配置される実施形態を中心に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0034】
ピクセルアレイの一部300では、各ピクセルの中央にカラーサブピクセル(R、G、B)が配置され、各ピクセルの縁部にカラーサブピクセル(R、G、B)を囲むようにホワイトサブピクセル(W)が配置されることができる。
【0035】
このような配置形態により隣接するカラーサブピクセル(R、G、B)の間にホワイトサブピクセル(W)が配置されることで、カラーサブピクセル(R、G、B)間のクロストーク(crosstalk)が著しく低減され、カラーサブピクセルから生成されるカラー情報のノイズが低減されることができる。
【0036】
また、各ピクセル毎にホワイトサブピクセル(W)が含まれ、ホワイトサブピクセル(W)の解像度(resolution)が高くなることで、ホワイトサブピクセル(W)から取得される明るさ情報の精度が向上することができる。
【0037】
図4は、
図3に示されたピクセルアレイの一部から取得されるイメージデータを示した図である。
図4を参照すると、ピクセルアレイの一部300から取得されるイメージデータは、レッドイメージデータ410、グリーンイメージデータ420、ブルーイメージデータ430、およびホワイトイメージデータ440を含むことができる。各イメージデータで陰影処理された部分は、該当するイメージデータが存在しないことを意味し、例えば、レッドイメージデータ410では、4個のピクセルに対応するイメージデータのみが含まれることができる。
【0038】
レッドイメージデータ410は、レッドピクセル(R)のピクセル信号に基づいて生成されたイメージデータであり、グリーンイメージデータ420は、グリーンピクセル(G)のピクセル信号に基づいて生成されたイメージデータであり、ブルーイメージデータ430は、ブルーピクセル(B)のピクセル信号に基づいて生成されたイメージデータであり、ホワイトイメージデータ440は、ホワイトサブピクセル(W)のピクセル信号に基づいて生成されたイメージデータであってもよい。
【0039】
図4に示すように、全ピクセルそれぞれから、ホワイトイメージデータ440とともに、レッド、グリーン、ブルーのいずれかに該当するカラーイメージデータ(410~430のいずれか)が取得されることができる。
【0040】
本発明の実施形態とは異なり、各ピクセルにホワイトサブピクセルを含ませず、ベイヤーパターンにおける1つのグリーンピクセルをホワイトサブピクセルに置き換えて配置するピクセルアレイでは、グリーンイメージデータの解像度が劣化するだけでなく、一部のピクセルのみからホワイトイメージデータを取得することができるため、明るさ情報の正確性も低下し得る。
【0041】
ISP50は、各ピクセルに対して、カラーイメージデータ(410~430のいずれか)とホワイトイメージデータ440を様々な方式で処理することができる。
【0042】
一実施形態によると、ISP50は、各ピクセルのカラーイメージデータ(410~430のいずれか)とホワイトイメージデータ440の平均値を各ピクセルに対するイメージデータとして用いることができる。ここで、各ピクセルに対してイメージデータを決める理由は、その後のイメージ処理(例えば、補間)では各ピクセル毎に1つのイメージデータのみが対応していることが求められるため、各ピクセルに対応するカラーイメージデータとホワイトイメージデータを用いて1つのイメージデータを決めることが必要であるためである。
【0043】
他の実施形態によると、ISP50は、各ピクセルのカラーイメージデータ(410~430のいずれか)に第1補正値(正の数または負の数)を足した値と、ホワイトイメージデータ440を第2補正値(例えば、2)で割った値とを加算し、各ピクセルに対するイメージデータとして用いることができる。
【0044】
また他の実施形態によると、ISP50は、各ピクセルのカラーイメージデータ(410~430のいずれか)をそのまま各ピクセルに対するイメージデータとして用いるが、この際、ホワイトイメージデータ440を他のイメージ処理動作(例えば、ホワイトバランス補正など)に用いることができる。
【0045】
さらに他の実施形態によると、ISP50は、照度に応じて適応的にイメージ処理方式を変えてもよい。例えば、高照度ではISP50が各ピクセルのカラーイメージデータ(410~430のいずれか)をそのまま各ピクセルに対するイメージデータとして用い、低照度ではISP50が各ピクセルのカラーイメージデータ(410~430のいずれか)とホワイトイメージデータ440を演算した値を各ピクセルに対するイメージデータとして用いることができる。これは、高照度では各ピクセルの面積よりも小さいカラーサブピクセルのカラーイメージデータだけでも十分なイメージ情報を得ることができ、ただし、低照度ではカラーイメージデータだけでは十分なイメージ情報を得ることが難しく、ホワイトイメージデータをともに活用することがより効果的であるためである。一例によると、不要な動作を行わないために、ISP50は、高照度の場合、ホワイトイメージデータ440を生成しないように制御するための制御信号をイメージセンシング装置100に転送することができる。
【0046】
一例として、ISP50は、イメージセンシング装置100に取り付けられた照度センサ(図示せず)のセンシングデータに基づいて高照度であるかまたは低照度であるかを決めることができる。他の例として、ISP50は、ピクセルアレイ110全体のホワイトイメージデータ440の平均(または、合計)に基づいて高照度であるかまたは低照度であるかを決めることができる。
【0047】
本開示で説明するISP50が各ピクセルに対してカラーイメージデータ(410~430のいずれか)とホワイトイメージデータ440を処理する方式は例示的なものであり、通常のRGBWデータに対するイメージ処理方法が用いられてもよい。
【0048】
図5は、
図3に示されたピクセルアレイの断面を示した図である。
図5を参照すると、
図3の第1水平切断線(H1-H1’)または第1垂直切断線(V1-V1’)に沿ってピクセルアレイの一部300を切断した断面500が示されている。説明の便宜上、断面500における中央に位置するピクセルを第1ピクセル(PX1)、第1ピクセル(PX1)の左右に配置されるピクセルを第2ピクセル(PX2)および第3ピクセル(PX3)と定義する。例示的に、第1ピクセル(PX1)は、第1サブピクセルに該当する領域(PX1_M)と、第2サブピクセルに該当する領域(PX1_S)と、を含むことができる。
【0049】
断面500は、基板510と光入射層550が垂直的に積層された構造を有することができる。
基板510は、互いに反対側に位置する上部面と下部面を含むことができる。基板510の下部面と上部面は、それぞれ前面(front-side)と後面(back-side)と定義することができるが、本発明の範囲はこれに限定されない。基板510は、例えば、P型またはN型バルク(bulk)基板、P型バルク基板にP型またはN型エピタキシャル層(epitaxial layer)が成長した基板、またはN型バルク基板にP型またはN型エピタキシャル層が成長した基板であってもよい。基板510は、内部にシリコン領域515を含むことができる。
【0050】
基板510は、内部に互いに物理的に分離された第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)を含むことができる。第1光電変換素子(PD1)は、第1サブピクセルであるカラーサブピクセル(R、G、B)に含まれ、カラーサブピクセル(R、G、B)に相応する面積で配置されることができる。第2光電変換素子(PD2)は、第2サブピクセルであるホワイトサブピクセル(W)に含まれ、ホワイトサブピクセル(W)に相応する面積で配置されることができる。
【0051】
第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)のそれぞれは、入射光の強度に対応して光電荷(photocharge)を生成および蓄積することができる。第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)のそれぞれは、N型イオンを注入するイオン注入(ion implantation)工程によりN型ドーピング領域に形成されることができる。実施形態によると、第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)のそれぞれは、複数のドーピング領域が積層された形態に形成されることができる。この場合、下部ドーピング領域は、N+型イオンが注入されて形成され、上部ドーピング領域は、N-型イオンが注入されて形成されることができる。第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)のそれぞれは、受光効率を示すフィルファクタ(fill-factor)を高めるために、可能な限り広い面積にわたって形成されることができる。
【0052】
互いに隣接する第1~第3ピクセル(PX1~PX3)それぞれの境界には、ピクセル間の電気的分離および光学的分離のために垂直に深く掘られた形態を有する第1素子分離構造520が配置されることができる。
【0053】
第1~第3ピクセル(PX1~PX3)それぞれのカラーサブピクセル(R、G、B)とホワイトサブピクセル(W)との境界、すなわち、第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)との間には、第1サブピクセルと第2サブピクセルとの間の電気的分離および光学的分離のために垂直に深く掘られた形態を有する第2素子分離構造530が配置されることができる。
【0054】
第1素子分離構造520と第2素子分離構造530のそれぞれは、FDTI(front-side deep trench isolation)構造またはBDTI(backside deep trench isolation)構造に形成されることができる。第1素子分離構造520と第2素子分離構造530の内部には、絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜など)が配置されることができる。一実施形態によると、絶縁膜の内部に暗電流(dark current)抑制のためのバイアス電圧を印加可能なポリシリコン(polysilicon)が配置されることができる。
第1素子分離構造520の幅は、第2素子分離構造530の幅と同一であってもよく、より大きくてもよい。
【0055】
第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)それぞれに蓄積された光電荷は、第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)それぞれに連結された読み出し(readout)回路を介してピクセル信号に変換されてカラムラインに出力されることができる。一実施形態によると、読み出し回路は、転送トランジスタ、フローティングディフュージョンノード、リセットトランジスタ、ソースフォロアトランジスタ、および選択トランジスタを含むことができる。
【0056】
転送トランジスタは、ロウドライバ120から供給される転送信号に応答し、第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)それぞれに蓄積された光電荷をフローティングディフュージョンノードに伝達することができる。フローティングディフュージョンノードは、第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)それぞれから光電荷が伝達されて蓄積される領域であってもよい。リセットトランジスタは、ロウドライバ120から供給されるピクセルリセット信号に応答し、フローティングディフュージョンノードをリセット電圧(例えば、電源電圧)にリセットさせることができる。ソースフォロアトランジスタは、ゲートに連結されたフローティングディフュージョンノードの電位を電気信号に変換して選択トランジスタに伝達することができる。選択トランジスタは、ロウドライバ120から供給されるロウ選択信号に応答し、ソースフォロアトランジスタから出力される電気信号をピクセル信号としてカラムラインに出力することができる。
【0057】
読み出し回路のうち、転送トランジスタは、第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)それぞれに対応して独立して設けられ、他の構成は、第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)に対して共通して設けられることができる。
【0058】
光入射層550は、イメージセンシング装置100の外部から入射する入射光を受信して基板510に伝達する構成であり、反射防止層560、光学フィルタ570、光学グリッド構造580、およびマイクロレンズ590を含むことができる。
【0059】
反射防止層560は、基板510の上部に配置され、基板510に入射する光の反射を低減することができる。反射防止層560は、反射を低減するために、所定の屈折率(例えば、基板510の屈折率よりも低い屈折率)を有することができる。
【0060】
光学フィルタ570は、各ピクセル(PX1~PX3)の第1サブピクセルであるカラーサブピクセル(R、G、B)に配置されることができる。光学フィルタ570は、互いに隣接する光学グリッド構造580の間でカラーサブピクセル(R、G、B)の第1光電変換素子(PD1)の上部に配置されることができ、透過波長帯域の光(例えば、レッド(Red)、グリーン(Green)、ブルー(Blue)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、シアン(Cyan)、赤外線(infrared)など)を選択的に透過させることができる。ここで、透過波長帯域とは、当該光学フィルタが選択的に透過させようとする光に対応する波長帯域を意味し得る。例えば、光学フィルタ570は、特定のカラーに対応する有色の感光性物質を含むか、または交互に配置された薄膜層を含むことができる。
【0061】
光学フィルタ570は、各ピクセル(PX1~PX3)の第2サブピクセルであるホワイトサブピクセル(W)には配置されなくてもよい。すなわち、光学フィルタ570がホワイトサブピクセル(W)の第2光電変換素子(PD2)の上部に配置されないことで、全波長帯域に該当する光が第2光電変換素子(PD2)に伝達されることができる。
【0062】
他の実施形態によると、各ピクセル(PX1~PX3)のホワイトサブピクセル(W)にも光学フィルタが配置されることができる。ただし、ホワイトサブピクセル(W)に配置される光学フィルタの透過波長帯域は可視光の全波長帯域に該当し、全波長帯域に該当する光が第2光電変換素子(PD2)に伝達されることができる。ホワイトサブピクセル(W)に配置される光学フィルタは、平面上では当該ホワイトサブピクセル(W)に相応する面積を有し、断面上では光学フィルタ570に相応する高さを有することができるが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0063】
光学グリッド構造580は、隣接するピクセル(PX1~PX3)間の境界に沿って配置され、第1~第3ピクセル(PX1~PX3)それぞれに入射する光が隣接するピクセルに移動するのを防止して光学的クロストークを最小化することができる。他の実施形態によると、光学グリッド構造580は、第1~第3ピクセル(PX1~PX3)それぞれの第1サブピクセルと第2サブピクセルとの境界にさらに配置され、第1サブピクセルと第2サブピクセルとの間の光学的クロストークを最小化することができる。
【0064】
マイクロレンズ590は、反射防止層560、光学フィルタ570、および光学グリッド構造580の上部に形成されることができ、入射光に対する集光力(light gathering power)を高め、第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)の受光効率を向上させることができる。
【0065】
図6は、本発明の他の実施形態に係るピクセルを簡略に示した図である。
図6を参照すると、ピクセル600は、
図1のピクセルアレイ110を構成する複数のピクセルのいずれかであってもよい。
【0066】
ピクセルアレイ110を構成する各ピクセルは、第1サブピクセルと第2サブピクセルを含むことができ、
図6では、第1サブピクセルがホワイトサブピクセルであり、第2サブピクセルがカラーサブピクセルである実施形態について説明する。
【0067】
ピクセル600は、第1サブピクセルであるホワイトサブピクセル(W)と、第2サブピクセルであるカラーサブピクセル(C)と、を含むことができる。第1サブピクセルの面積と第2サブピクセルの面積が互いに同一であってもよく、他の実施形態によると、第1サブピクセルの面積が第2サブピクセルの面積よりも大きくても小さくてもよい。第1サブピクセルの面積と第2サブピクセルの面積の大小関係に応じて第1サブピクセルと第2サブピクセルの受光量が異なり得るため、第1サブピクセルの重要度がさらに高い場合、第1サブピクセルの面積を相対的により大きく設計することが適切である。
【0068】
ホワイトサブピクセル(W)は、ピクセル600の中央に配置される四角形状のピクセルであってもよい。ホワイトサブピクセル(W)は、カラーフィルタを含まなくてもよく、これにより、ホワイトサブピクセル(W)は、全波長帯域に該当する入射光の強度に対応するピクセル信号を生成することができる。
【0069】
カラーサブピクセル(C)は、ピクセル600の縁部に配置されるドーナツ形状(または、リング形状)のピクセルであってもよい。すなわち、カラーサブピクセル(C)は、ホワイトサブピクセル(W)を囲む閉鎖形態を有することができる。カラーサブピクセル(C)は、予め定められた波長帯域に該当するカラー(例えば、レッド、ブルー、グリーン)の入射光のみを通過させるカラーフィルタを含むことができる。これにより、カラーサブピクセル(C)は、当該カラーに対応する入射光の強度に対応するピクセル信号を生成することができる。
【0070】
図7は、
図6に示されたピクセルを含むピクセルアレイの一部に対する一例を示した図である。
図7を参照すると、
図6のピクセル600に該当する構造を有するピクセルで構成されたピクセルアレイの一部700が示されている。すなわち、各ピクセルは、第1サブピクセルであるホワイトサブピクセル(W)と、第2サブピクセルであるカラーサブピクセル(レッドピクセル(R)、ブルーピクセル(B)、またはグリーンピクセル(G))と、を含むことができる。レッドピクセル(R)、ブルーピクセル(B)、またはグリーンピクセル(G)のそれぞれは、レッド光、ブルー光、またはグリーン光それぞれを感知してピクセル信号を生成するピクセルであってもよい。
【0071】
ピクセルアレイの一部700は、4個のロウおよび4個のカラムで構成された4×4マトリクスの16個のピクセルを含むことができる。ピクセルのパターンは、各ピクセルに含まれたカラーサブピクセルの種類に応じて定められることができる。
【0072】
一実施形態によると、16個のピクセルは、ベイヤーパターン(bayer pattern)で配列されることができる。ベイヤーパターンとは、2×2マトリクス状に配列されたピクセルで構成され、対角方向にレッドピクセルとブルーピクセルが配置され、2×2マトリクスの残りのピクセルがグリーンピクセルで満たされた形態を意味し得る。本開示ではピクセルアレイの一部700がベイヤーパターンで配置される実施形態を中心に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0073】
ピクセルアレイの一部700では、各ピクセルの中央にホワイトサブピクセル(W)が配置され、各ピクセルの縁部にホワイトサブピクセル(W)を囲むようにカラーサブピクセル(R、G、B)が配置されることができる。
【0074】
このような配置形態により隣接するホワイトサブピクセル(W)の間にカラーサブピクセル(R、G、B)が配置されることで、ホワイトサブピクセル(W)間のクロストークが著しく低減され、ホワイトサブピクセル(W)から生成される明るさ情報のノイズが低減されることができる。
【0075】
また、各ピクセル毎にホワイトサブピクセル(W)が含まれ、ホワイトサブピクセル(W)の解像度が高くなることで、ホワイトサブピクセル(W)から取得される明るさ情報の精度が向上することができる。
【0076】
図8は、
図7に示されたピクセルアレイの一部から取得されるイメージデータを示した図である。
図8を参照すると、ピクセルアレイの一部700から取得されるイメージデータは、レッドイメージデータ810、グリーンイメージデータ820、ブルーイメージデータ830、およびホワイトイメージデータ840を含むことができる。各イメージデータで陰影処理された部分は、該当するイメージデータが存在しないことを意味し、例えば、レッドイメージデータ810では、4個のピクセルに対応するイメージデータのみが含まれることができる。
【0077】
レッドイメージデータ810は、レッドピクセル(R)のピクセル信号に基づいて生成されたイメージデータであり、グリーンイメージデータ820は、グリーンピクセル(G)のピクセル信号に基づいて生成されたイメージデータであり、ブルーイメージデータ830は、ブルーピクセル(B)のピクセル信号に基づいて生成されたイメージデータであり、ホワイトイメージデータ840は、ホワイトサブピクセル(W)のピクセル信号に基づいて生成されたイメージデータであってもよい。
【0078】
図8に示すように、全ピクセルそれぞれから、ホワイトイメージデータ840とともに、レッド、グリーン、ブルーのいずれかに該当するカラーイメージデータ(810~830のいずれか)が取得されることができる。
【0079】
本発明の実施形態とは異なり、各ピクセルにホワイトサブピクセルを含ませず、ベイヤーパターンにおける1つのグリーンピクセルをホワイトサブピクセルに置き換えて配置するピクセルアレイでは、グリーンイメージデータの解像度が劣化するだけでなく、一部のピクセルのみからホワイトイメージデータを取得することができるため、明るさ情報の正確性も低下し得る。
【0080】
ISP50は、各ピクセルに対して、カラーイメージデータ(810~830のいずれか)とホワイトイメージデータ840を様々な方式で処理することができる。ISP50がカラーイメージデータ(810~830のいずれか)とホワイトイメージデータ840を処理する方式は、
図4を参照して説明した方式と実質的に同様であるため、重複した説明は省略する。
【0081】
図9は、
図7に示されたピクセルアレイの断面を示した図である。
図9を参照すると、
図7の第2水平切断線(H2-H2’)または第2垂直切断線(V2-V2’)に沿ってピクセルアレイの一部700を切断した断面900が示されている。説明の便宜上、断面900における中央に位置するピクセルを第4ピクセル(PX4)、第4ピクセル(PX4)の左右に配置されるピクセルを第5ピクセル(PX5)および第6ピクセル(PX6)と定義する。例示的に、第4ピクセル(PX4)は、第1サブピクセルに該当する領域(PX4_M)と、第2サブピクセルに該当する領域(PX4_S)と、を含むことができる。
【0082】
断面900は、基板910と光入射層950が垂直的に積層された構造を有することができる。断面900は、
図5の断面500と比較して一部の相違点を除いては実質的に同様であるため、一部の相違点を中心に説明する。
【0083】
基板910は、内部に第1光電変換素子(PD1)と第2光電変換素子(PD2)を含むことができる。第1光電変換素子(PD1)は、第1サブピクセルであるホワイトサブピクセル(W)に含まれ、ホワイトサブピクセル(W)に相応する面積で配置されることができる。第2光電変換素子(PD2)は、第2サブピクセルであるカラーサブピクセル(R、G、B)に含まれ、カラーサブピクセル(R、G、B)に相応する面積で配置されることができる。基板910は、シリコン領域915、第1および第2素子分離構造920、930をさらに含むが、
図5のシリコン領域515、第1および第2素子分離構造520、530それぞれの構造および機能と実質的に同様であってもよい。
【0084】
光入射層950は、光学フィルタ970を含むことができ、光学フィルタ970は、各ピクセル(PX4~PX6)の第2サブピクセルであるカラーサブピクセル(R、G、B)に配置されることができる。光学フィルタ970は、互いに隣接する光学グリッド構造980の間でカラーサブピクセル(R、G、B)の第2光電変換素子(PD2)の上部に配置されることができ、透過波長帯域の光を選択的に透過させることができる。
【0085】
光学フィルタ970は、各ピクセル(PX4~PX6)の第1サブピクセルであるホワイトサブピクセル(W)には配置されなくてもよい。すなわち、光学フィルタ970がホワイトサブピクセル(W)の第1光電変換素子(PD1)の上部に配置されないことで、全波長帯域に該当する光が第1光電変換素子(PD1)に伝達されることができる。
【0086】
他の実施形態によると、各ピクセル(PX1~PX3)のホワイトサブピクセル(W)にも光学フィルタが配置されることができる。ただし、ホワイトサブピクセル(W)に配置される光学フィルタの透過波長帯域は可視光の全波長帯域に該当し、全波長帯域に該当する光が第2光電変換素子(PD2)に伝達されることができる。ホワイトサブピクセル(W)に配置される光学フィルタは、平面上では当該ホワイトサブピクセル(W)に相応する面積を有し、断面上では光学フィルタ970に相応する高さを有することができるが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0087】
光入射層950は、光学グリッド構造980、マイクロレンズ990をさらに含むが、
図5の光学グリッド構造580、マイクロレンズ590それぞれの構造および機能と実質的に同様であってもよい。
【0088】
本発明の一実施形態に係るイメージセンシング装置100によると、1つのピクセル内にカラーサブピクセルおよびホワイトサブピクセルが含まれ、1つのピクセル毎にカラー情報と明るさ情報がともに取得されることができるため、イメージの品質が向上することができる。