(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093189
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】発光装置、発光モジュール及び面状光源
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20240702BHJP
【FI】
H01L33/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209397
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】原 力汰
(72)【発明者】
【氏名】小川 祐貴
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA02
5F142AA12
5F142BA03
5F142CA11
5F142CD17
5F142CD18
5F142CD32
5F142CD44
5F142CD47
5F142CE03
5F142CE16
5F142DA14
5F142DB02
5F142DB18
5F142GA14
(57)【要約】
【課題】所望の配光を有し、さらなる光取り出し効率の向上等を実現できる発光装置、発光モジュール及び面状光源を提供することを目的とする。
【解決手段】第1方向に長い上面と、前記上面と反対側の下面と、側面とを有する支持体と、前記支持体の上面に載置され、上面と側面とを有する発光素子と、前記発光素子の上面に載置され、上面と側面とを有する透光性部材と、前記透光性部材の上面を露出し、かつ前記透光性部材の側面と、前記発光素子の側面とを覆い、光反射性を有する被覆部材とを有し、前記支持体は、前記支持体の上面に隣接しかつ前記第1方向に延長する1A側面と、前記支持体の下面に隣接しかつ前記第1方向に延長する1B側面と、前記1A側面と前記1B側面との間にそれらに隣接する1C面とを有し、前記1B側面は、上面視において前記1A側面よりも内側に位置し、前記透光性部材の側面の一部は、前記被覆部材から露出している発光装置。
【選択図】
図1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に長い上面と、前記上面と反対側の面である下面と、側面とを有する支持体と、
前記支持体の前記上面に載置され、上面と側面とを有する発光素子と、
前記発光素子の前記上面に載置され、上面と側面とを有する透光性部材と、
前記透光性部材の前記上面を露出し、かつ前記透光性部材の前記側面と、前記発光素子の前記側面とを覆うとともに、光反射性を有する被覆部材とを有し、
前記支持体は、前記支持体の前記上面に隣接しかつ前記第1方向に延長する1A側面と、前記支持体の前記下面に隣接しかつ前記第1方向に延長する1B側面と、前記1A側面と前記1B側面との間に位置しかつ前記1A側面と前記1B側面とに隣接する1C面とを有し、前記1B側面は、上面視において前記1A側面よりも内側に位置し、
前記透光性部材の前記側面の一部は、前記被覆部材から露出している発光装置。
【請求項2】
前記被覆部材の側面は、前記支持体の前記1A側面側に、前記第1方向に延長するとともに前記1A側面と隣接する3B側面と、前記1A側面と反対側に、前記第1方向に延長し、上面視において前記3B側面よりも内側に位置する3A側面とを有し、
前記透光性部材の前記側面は、上面視において前記3B側面よりも内側に位置する請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記支持体は、前記1A側面の下面側端部と前記1B側面の下面側端部とに接する仮想平面が、前記1A側面に対して5度以上の角度で交差している請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記支持体の前記下面または前記1B側面に、前記発光素子と電気的に接続された外部接続端子を有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記支持体は、前記1B側面と前記下面とに開口する窪みを有し、前記窪みの内面に前記外部接続端子が少なくとも配置される請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記支持体は、前記1A側面と前記1B側面と下面とに開口する窪みを有し、前記窪みの内面に前記外部接続端子が少なくとも配置される請求項4に記載の発光装置。
【請求項7】
前記透光性部材は、透光層と蛍光体を含有する蛍光体層とを含み、
前記透光層は、前記透光性部材の前記上面と、前記透光性部材の前記側面とにおいて前記被覆部材から露出されている請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の発光装置と基板とを有し、
前記発光装置の前記1A側面の前記下面側端部と前記1B側面の前記下面側端部とが前記基板に接して配置される発光モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の発光モジュールと、主面と側面とを有する導光板とを有し、
前記発光モジュールは、前記導光板の前記側面に対向して配置され、
前記透光性部材の前記上面は、前記導光板の前記側面に対して傾斜して配置される面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置、発光モジュール及び面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、いわゆるサイドビュータイプの発光装置として、半導体層の光出射側の面上に、発光層からの放出光に対して透明な透明体として、レンズ及び蛍光体層が設けられた発光装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光装置においては、所望の配光を有し、さらなる光取り出し効率の向上等が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態の発光装置は、
第1方向に長い上面と、前記上面と反対側の面である下面と、側面とを有する支持体と、
前記支持体の前記上面に載置され、上面と側面とを有する発光素子と、
前記発光素子の前記上面に載置され、上面と側面とを有する透光性部材と、
前記透光性部材の前記上面を露出し、かつ前記透光性部材の前記側面と、前記発光素子の前記側面とを覆うとともに、光反射性を有する被覆部材とを有し、
前記支持体は、前記支持体の前記上面に隣接しかつ前記第1方向に延長する1A側面と、前記支持体の下面に隣接しかつ前記第1方向に延長する1B側面と、前記1A側面と前記1B側面との間に位置しかつ前記1A側面と前記1B側面とに隣接する1C面とを有し、前記1B側面は、上面視において前記1A側面よりも内側に位置し、
前記透光性部材の側面の一部は、前記被覆部材から露出している。
本開示の一実施形態の発光モジュールは、
上述した発光装置と基板とを有し、
前記発光装置の前記1A側面の下面側端部と前記1B側面の下面側端部とが前記基板に接して配置される。
本開示の一実施形態の面状光源は、
上述した発光モジュールと、主面と側面とを有する導光板とを有し、
前記発光モジュールは、前記導光板の前記側面に対向して配置され、
前記透光性部材の上面は、前記導光板の前記側面に対して傾斜して配置される。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、所望の配光を有し、さらなる光取り出し効率の向上等を実現できる発光装置、発光モジュール及び面状光源を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本開示の実施形態1による例示的な発光装置の外観を示す斜視図である。
【
図1E】支持体の傾斜角度を説明するための要部の概略側面図である。
【
図1F】支持体の別の部位の傾斜角度を説明するための要部の概略側面図である。
【
図2A】本開示の変形例1の発光装置の外観を示す斜視図である。
【
図2C】
図2Bの発光装置のIIC-IIC線での断面図である。
【
図3A】本開示の変形例2の発光装置の外観を示す斜視図である。
【
図4A】本開示の実施形態2による例示的な発光モジュールを示す概略側面図である。
【
図4B】本開示の別の発光モジュールを示す概略側面図である。
【
図5】本開示の実施形態3による例示的な面状光源を示す概略側面図である。
【
図6A】本開示の発光装置の支持体を形成する工程を説明するための製造工程図である。
【
図6B】本開示の発光装置の支持体を形成する工程を説明するための製造工程図である。
【
図6C】本開示の発光装置の支持体を形成する工程を説明するための製造工程図である。
【
図6D】本開示の発光装置の支持体を形成する工程を説明するための製造工程図である。
【
図7A】本開示の発光装置の被覆部材等を形成する工程を説明するための製造工程図である。
【
図7B】本開示の発光装置の被覆部材等を形成する工程を説明するための製造工程図である。
【
図7C】本開示の発光装置の被覆部材等を形成する工程を説明するための製造工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、ステップの順序などは、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。また、各実施形態は、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
図面が示す構成要素の寸法、形状などは、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の発光装置における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、一部の要素の図示を省略して模式的に示すことがある。
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」等)を用いる場合がある。これらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を便宜的に示しているに過ぎず、相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置などにおいて、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。例えば、透光性部材の上面側を上等と指し、上面視は、発光装置を、透光性部材の上面側から見た場合を指すことがある。
本願明細書において平行とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面などが0度から±5度程度の範囲にある場合を含む。「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面などが90度から±5度程度の範囲にある場合を含む。また、各図面において、特定の方向又は位置を示すために、XYZによる3次元直交座標系を用いることがある。この場合、X方向、Y方向、Z方向は、特定の一方向のみならず、それと反対の方向も含む双方向を意味する。また、X方向を第1方向、Y方向を第2方向、Z方向を第3方向ということがある。本願明細書において面一とは、同一平面を構成することを指す。ただし、数μm程度の高低差は許容される。さらに、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。また、本願明細書において「高さ」とは、特に他の言及がない限り、透光性部材の上面側を上とする上下方向における長さを指す。また、透光性部材の上面が発光装置の上面となる。
【0009】
実施形態1:発光装置
この実施形態1の発光装置10は、
図1A~1D等に示すように、支持体11、発光素子14、透光性部材12、被覆部材13を備える。
支持体11は、例えば、
図1Bに示すように、第1方向F(X方向)に長い上面11Uと、上面11Uと反対側の面である下面11Lと、側面11Sとを有する。
支持体11の側面11Sは、例えば、
図1C、1D等に示すように、支持体11の上面11Uに隣接しかつ第1方向に延長する1A側面11SAと、支持体11の下面11Lに隣接しかつ第1方向に延長する1B側面11SBとを含む。1A側面11SAと1B側面11SBとの間には、1A側面11SAと1B側面11SBとに隣接する1C面11Cが配置されている。1B側面11SBは、上面視において1A側面11SAよりも内側に位置している。
発光素子14は、支持体11の上面11Uに載置され、上面12Uと側面12Sとを有する。
透光性部材12は、発光素子14の上面14Uに載置され、上面12Uと側面12Sとを有する。透光性部材12の側面12Sの一部は、被覆部材13から露出している。
被覆部材13は、透光性部材12の上面12U及び側面12Sの一部を露出し、かつ透光性部材12の他の側面12Sと、発光素子14の側面14Sとを覆う。また、被覆部材13は、光反射性を有する。
このような構成を備えることにより、本実施形態の発光装置は、所望の配光を有し、さらなる光取り出し効率の向上を実現することができる。具体的には、このような発光装置を、基板上に配置した場合に、支持体11の1A側面11SAと1B側面11SBとの存在によって、発光装置の上面をやや上向きに配置することができるとともに、基板に対向する側においても、透光性部材の側面の一部の露出によって、光取り出しが可能となる。その結果、その使用形態によって、より一層の光を、所定の方向に導くことが可能となり、発光装置からの光をより多く利用することができ、光取り出し効率の向上を図ることができる。特に、発光装置を表示装置のバックライトに適用した場合に、光取り出し効率の向上を実現することができる。
【0010】
(支持体11)
支持体11は、発光素子が載置される部材である。上述したように支持体11は、第1方向Fに延長する形状である。支持体11は、第1方向Fに直交する第2方向S(Y方向)よりも、第1方向Fに長いことが好ましい。例えば、支持体11は、上面視、長方形であるものが好ましい。つまり、支持体11の上面11Uは長方形であるものが好ましい。ただし、長方形の外縁の一部等において微細な切欠、凹凸等があるものであってもよい。本願において微細とは、支持体11の上面11Uの一辺の1/10以下の大きさを意味する。
支持体11の下面11Lは、長方形であるものが好ましい。ただし、長方形の外縁の一部等において微細な切欠、凹凸等があるものであってもよい。本願においては、上面11Uから下面11Lまでの距離を高さ又は厚さと称する。支持体11の上面11U及び下面11Lは、いずれも平坦であり、互いに平行であるものが好ましい。
支持体11の上面11Uが長方形である場合、支持体11は、上面11Uに隣接し、互いに対向する2対の側面を有する。互いに対向する一対の側面のうち、一方の第1方向に延長する側面を1A側面11SAという。この1A側面11SAは、1A側面11SAの反対側の側面よりも面積が小さい。言い換えると、1A側面11SAは、1A側面11SAの反対側の側面よりも、高さが低い。また、1A側面11SAは、下面11Lに隣接しておらず、下面11Lから離れて配置されている。
また、支持体11は、下面11Lに隣接し、互いに対向する2対の側面を有する。互いに対向する一対の側面のうち、一方の第1方向に延長する側面を1B側面11SBという。この1B側面11SBは、他方の第1方向に延長する側面よりも面積が小さい。言い換えると、1B側面11SBは、他方の第1方向に延長する側面よりも、高さが低い。また、1B側面11SBは、上面11Uに隣接しておらず、上面11Uから離れて配置されている。1B側面11SBは、上面視において、1A側面11SAよりも内側に位置する。1B側面11SBは、第1方向に隣接する1つの面として配置されている。後述するように、支持体11が、下面11L側に窪み16を有する場合には、1B側面11SBは、窪み16によって、第1方向に複数に分断されていてもよい。
【0011】
支持体11の側面のうち、1A側面11SA及び1B側面11SB以外の側面は、いずれも、上面11U及び下面11Lの双方に隣接するものが好ましい。
支持体11は、1A側面11SAと1B側面11SBとの間に、1A側面11SA及び1B側面11SBの双方に隣接する1C面11Cをさらに有する。この1C面11Cは、上面11U及び下面11Lと平行であってもよいし、上面11U又は下面11Lに対して傾斜していてもよい。傾斜している場合、
図1Fに示すように、その傾斜角度α1は、上面11Uと平行な面に対して、0度より大きく45度以下、または0度より小さく-45度以上であることが挙げられる。なかでも、
図1Fに示すように、傾斜角度α1が0度より大きく45度以下となる1C面11Cが好ましい。1C面11Cは、支持体11の下面側を向いていることが好ましい。
支持体11の1A側面11SA、1B側面11SB、1C面11Cは、後述するように、発光装置をバックライトの光源に適用する際に、基板の上面に対向する側の面となる。
【0012】
支持体11は、上面11Uが矩形であって、上面11Uにおける大きさは、例えば、1800μm以上5000μm以下×400μm以上800μm以下が挙げられる。支持体11の厚さは、例えば、150μm以上1000μm以下が挙げられる。1A側面11SAの高さ(
図1E中、H1):1B側面11SBの高さ(
図1E中、H2)は、例えば、10:1から1:10が挙げられ、5:1から1:5が好ましく、3:1から1:3がより好ましい。1A側面11SAから1B側面11SBまでの第2方向Sの距離(
図1E、1F中、L1)は、支持体11の第1方向Fの長さの1/20以上1/5以下が挙げられ、1/15以上1/7以下が好ましく、1/12以上1/8以下がより好ましい。また、1A側面11SAから1B側面11SBまでの第2方向Sの距離L1は、支持体11の厚さの1/10以上1/3以下が挙げられる。具体的には、L1は、15μm以上230μm以下が挙げられる。また、別の観点から、1A側面11SAの下面側端部Mと1B側面11SBの下面側端部Nとに接する面を仮想平面(
図1E中、R)とした場合、その仮想平面Rと、1A側面11SAとがなす角α3は、5度以上45度以下であることが好ましい。これによって、発光装置を基板上に配置した場合に、発光装置の上面を上向きに配置することができ、基板に対向する側での発光が可能となる。その結果、その使用形態によって、より一層の光を、所定の方向に導くことが可能となり、発光装置からの光を多く利用することができ、光取り出し効率の向上を図ることができる。特に、発光装置を表示装置のバックライトに適用した場合に、光取り出し効率の向上を実現することができる。
【0013】
支持体11は、下面11L側に窪み16を有することができる。窪み16は、発光装置10を基板に実装する際に半田などの接合部材を配置する空間となり得る。例えば、窪み16は、
図1Cに示すように、1B側面11SBと下面11Lとに開口する窪み16が挙げられる。なお、
図1Fに示すように、窪み16は、1B側面11SBと下面11Lとに加えて、1A側面11SAに及んで開口する窪み16であってもよい。さらに、窪み16は、1B側面11SBと下面11Lとに加えて、側面11Sに及んで開口する窪みとすることができる。窪み16の形状は、
図1C等に示すように、円柱形状の一部であってよいし、1/4の円柱形状等であってもよい。窪み16の大きさは、第1方向(X方向)の最大長さが、200μm以上360μm以下が挙げられ、第2方向(Y方向)の最大長さが、100μm以上230μm以下が挙げられ、厚さ方向(Z方向)の最大長さは、100μm以上230μm以下が挙げられる。
窪み16の内面は、平面によって構成されていてもよいし、曲面によって構成されていてもよいし、平面と曲面とが混在して構成されていてもよい。
【0014】
支持体11は、絶縁性の基材11aと、その表面、例えば、上面11U、窪み16の内面もしくはビア内面及び/又は下面11Lに、内部接続端子15a、15b及び/又は外部接続端子15c、15dが配置されて構成される。
基材11aの材料としては、樹脂、セラミックス、ガラス等、これらを含む複合材が挙げられる。樹脂としては、エポキシ、ポリイミド、ビスマレイミドトリアジン(BT)等が挙げられる。セラミックスとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。複合材としては、繊維強化樹脂等の複合材、ガラスエポキシ基板等が挙げられる。基材は、発光素子の線膨張係数に近い線膨張係数を有する材料を用いることが好ましい。
内部接続端子15aは、基材11aの上面11Uに配置されており、後述する発光素子の電極と接続されている。
外部接続端子15dは、基材11aの窪み16の内面に配置されており、後述する外部接続端子15cに接続されている。つまり、外部接続端子15c、15dは発光素子と電気的に接続されている。また、基材11aがビアを有する場合には、内部接続端子15bはビア内面に配置されており、内部接続端子15aと、後述する外部接続端子15cとを接続するように配置されている。
外部接続端子15cは、基材11aの下面11Lの一部に配置されている。
内部接続端子15aと外部接続端子15cとは、基材11aの第2方向Sに延長する側面に沿って延長して接続されていてもよいし、上述したように、基材11aに形成されたビアを介して接続されていてもよい。
内部接続端子15a、15b及び外部接続端子15c、15dは、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、白金、金、チタン、パラジウム、ロジウム又はこれらの1種以上を含有する合金等によって、単層又は積層膜として形成することができる。放熱性の観点からは、これらの配線の材料に銅または銅合金を適用することが好ましい。なかでも、これら端子の最表面が、銀、白金、アルミニウム、ロジウムもしくは金又はこれらの1種以上を含有する合金であることが好ましい。これによって、半田に対する良好な濡れ性を得ることができる。
外部接続端子15cは、その表面の一部が、例えば、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、いわゆるソルダーレジスト等の絶縁膜17によって被覆されていてもよい。これにより、発光装置の基板20等への実装の際の、半田を介した外部接続端子同士の短絡を低減することができる。
【0015】
(発光素子14)
発光素子14は、支持体11の上面11Uに配置される。発光素子14は、
図1Bに示すように、支持体上に1つのみ配置されていてよいし、2つ以上配置されていてもよい。2つ以上配置される場合、発光素子14は、第1方向Fに沿って複数配置されていてもよいし、第2方向Sに沿って複数配置されていてもよいし、第1方向Fと第2方向Sとに沿って複数配置されていてもよい。
発光素子14は、発光装置10の上面側である上面14Uと、それに隣接する側面14Sとを有する。発光素子の平面形状は、特に限定されず、円形、楕円形、四角形等の多角形等、種々の形状とすることができ、なかでも、四角形であることが好ましく、長方形であることがより好ましい。発光素子14は、例えば、150μm以上300μm以下×400μm以上1500μm以下のものが挙げられる。
【0016】
発光素子14は、半導体積層体を有する。半導体積層体は、n型半導体層及びp型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。発光層は、ダブルヘテロ接合または単一量子井戸(SQW)、多重量子井戸(MQW)等の構造を有する。半導体積層体は、複数の発光層を含んでいてもよい。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に2以上の発光層を含む構造を有していてもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造を有していてもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、複数の発光層の間で発光ピーク波長が異っていてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層が半導体積層体に含まれていてもよい。
【0017】
半導体積層体は、可視光または紫外光を発光可能に構成される。このような半導体積層体は、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含み得る。半導体積層体は、サファイアまたは窒化ガリウムなどの成長基板上に配置されていてもよい。ただし、成長基板は削除されていてもよい。このような半導体積層体によって、発光素子は、例えば、青色光又は緑色光を出射するLEDとすることができる。半導体積層体の、成長基板とは反対側の表面、つまり、発光素子14の上面12Uと反対側の下面に正負の電極が配置されている。これによって、例えば、発光素子を支持体11の上面の内部接続配線上にフリップチップ実装することができる。電極は、金、銀、錫、白金、ロジウム、チタン、アルミニウム、タングステン、パラジウム、ニッケル又はこれらの1種以上を含む合金の単層又は積層膜によって形成することができる。
【0018】
(導光部材18)
発光素子14は、その側面12Sの一部又は全部を被覆するように、導光部材18をさらに有することができる。導光部材18は、側面12Sの一部又は全部を被覆するように配置することができる。導光部材18は、発光素子14の上面12Uから下面側に向かう一部又は全部において、徐々に膜厚又は薄膜となるように配置することができる。導光部材18の表面は、凸状又は凹状の曲面とすることができる。導光部材18は、後述する透光性部材を構成する材料と同様の材料を用いることができる。導光部材18は、被覆部材13によってその表面の全てが被覆される。また、導光部材18の一部は、後述する透光性部材12とともに、被覆部材13から露出していてもよい。
【0019】
(透光性部材12)
透光性部材12は、発光素子14を保護する機能を有する部材である。透光性部材12は、発光素子14の発光ピーク波長を有する光に対して、60%以上、70%以上又は80%以上の透光性を有することが好ましい。
透光性部材12は、単層構造でもよいし、
図1B、1D等に示すように、透光層122と蛍光体を含有する蛍光体層121とが積層された積層構造であってもよいし、さらに透光層及び/又は蛍光体層が複数の積層構造であってもよい。また、それらの積層順序は適宜設定することができる。いずれの場合においても、最も上層の上面が、透光性部材12の上面12Uを構成し、発光装置の上面となり、上面12Uから多くの光が取り出される。
【0020】
透光性部材12の平面形状は、円形、楕円形、四角形等の多角形等の種々の形状とすることができる。なかでも、四角形であることが好ましく、長方形、例えば、第1方向Fに延長する形状であることが好ましい。透光性部材12は、上面12Uと上面12Uと反対側の下面12Lを有する。上面12Uと下面12Lとは、いずれも平坦であることが好ましく、互いに平行であることが好ましい。透光性部材12は、その下面12Lが、発光素子14の上面14Uに対向するように、直接又は透光性の導光部材18等を介して配置されている。透光性部材12の平面形状は、発光素子14の平面形状と同じであっても異なっていてもよい。また、透光性部材12の上面12U及び/又は下面12Lの外縁は、発光素子の上面14Uの外縁と一致していてよいし、それよりも内側又は外側に配置されていてもよい。なかでも、透光性部材12の上面12U及び下面12Lの外縁は、上面視において発光素子の上面14Uの外縁の外側に配置されていることが好ましい。発光素子が2以上配置される場合は、透光性部材12は、個々の発光素子に1つずつ配置してもよいし、複数の発光素子に1つの透光性部材12を配置してもよい。なかでも、全ての発光素子の上面に1つの透光性部材12が配置されることが好ましい。
【0021】
透光性部材12は、上面12Uに隣接する側面12Sを有する。例えば、
図1A等に示すように、上面12Uが長方形である場合、上面12Uに隣接する側面12Sとして、互いに対向する2対の面を有することが好ましい。本願明細書においては、互いに対向する一対の面のうち、一方の第1方向Fに延長する側面の一部又は全部が、後述する被覆部材から露出している。ここでの側面の一部とは、上述したように2つの第1方向Fに延長する側面がある場合、そのうちの少なくとも1つを指してもよいし、1つ又は2つの側面の一部分を指してもよい。好ましくは、1つの側面における一部又は全部が後述する被覆部材から露出しており、この露出した側面を2A側面12SAと称する。
透光性部材12は、上面12Uと、2A側面12SAとが、被覆部材13から露出している。言い換えると、透光性部材12は、2A側面12SA以外の側面12Sは、後述する被覆部材13に被覆されている。ここでの上面12Uは、透光性部材12が透光層122と蛍光体層121との積層構造である場合、透光層122の上面及び/又は側面が被覆部材13から露出していることが好ましい。
【0022】
透光性部材12は、2A側面12SAが、第1方向Fに延長する2A側面12SAの全長において露出していてよいし、一部のみ露出していてもよい。なかでも、2A側面12SAは、第1方向Fの全長において露出していることが好ましい。透光性部材12は、2A側面12SAが、厚さ方向、つまり、
図1Dの第2方向に直交する第3方向Tに延長する2A側面12SAの全長において露出していてよいし、一部のみ露出していてもよい。
図1Dにおいては、2A側面12SAは、第3方向Tの全長において露出している。2A側面12SAは、
図1D等に示すように、支持体11の1A側面11SAと、後述する被覆部材を介して、面一とすることができる。なお、発光素子14の側面に導光部材18が配置されている場合、導光部材18の一部は、透光性部材12の2A側面12SAと面一であってもよい。
透光性部材12の上面12Uにおける大きさは、例えば、1700μm以上4000μm以下×350μm以上750μm以下が挙げられる。厚さ(
図1Dの第3方向Tの長さ)は、例えば、100μm以上500μm以下が挙げられる。
【0023】
透光性部材12は、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂又はこれらの2種以上を含む樹脂によって形成することができる。透光性部材12が蛍光体層121を有する場合、入射した光の一部を波長変換して波長の異なる光を出射し得る、公知の蛍光体を用いることができる。蛍光体の具体例としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、酸窒化物系蛍光体、窒化物系蛍光体、フッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、または、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS2またはAgInSe2)などを用いることができる。酸窒化物系蛍光体の代表例は、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)およびαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)などである。窒化物系蛍光体の代表例は、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)およびSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)などである。フッ化物系蛍光体の代表例は、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2Si0.99Al0.01F5.99:Mn)およびMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)などである。蛍光体は、1種を単独で又は2種以上の混合又は積層状態で用いることができる。蛍光体は、その種類によって、蛍光体が大気に触れることによって腐食する懸念がある場合には、透光性部材12のうち、蛍光体層121の表面、例えば、上面は、透光層122で被覆することが好ましい。
さらに、透光性部材12は、後述する光拡散材を含んでいてもよい。
【0024】
(被覆部材13)
被覆部材13は、光反射性を有する部材であって、透光性部材12の側面の一部と、発光素子14の側面12Sとを被覆する部材である。被覆部材13は、透光性部材12の上面12Uと、2A側面12SAとを露出する。発光素子14が導光部材18を備える場合には、導光部材18を介して、発光素子14の側面14Sの全部を被覆することが好ましい。被覆部材13は、発光素子14の側面14Sに加えて、支持体11の上面11Uと発光素子14の下面との間にも配置されていることが好ましい。なお、本願明細書において、「光反射性」とは、発光素子の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指し、70%以上、80%以上が好ましい。
被覆部材13は、支持体11に対向する下面13Lと、下面13Lの反対側であって、透光性部材12の上面12Uを露出している上面13Uと、側面13Sとを有することが好ましい。被覆部材13の上面13Uは、透光性部材12の上面12Uと面一とすることができる。
【0025】
被覆部材13は、下面13Lが長方形である場合、下面13Lに隣接する側面13Sを4つ、互いに対向する2対の面を有する。側面13Sは、第1方向Fに延長する側面として、露出した透光性部材12の2A側面12SAと同じ方向に延長する3A側面13SAを有する。被覆部材13の3A側面13SAは、透光性部材の2A側面12SAと、面一であることが好ましい。また、被覆部材13の3A側面13SAは、支持体11の1A側面11SAと隣接する面であることが好ましく、面一であることがより好ましい。
【0026】
被覆部材13は、透光性部材12の2A側面12SAと反対側に位置する側面と、第2方向Sに延長する2つの側面とが、支持体11のそれぞれと、面一であることが好ましい。言い換えると、被覆部材13は、上述したように支持体11が上面視において長方形である場合、同様に上面視において長方形であることが好ましい。この場合、上面視において、支持体11の外縁一部と、被覆部材13の外縁の一部とが重なることが好ましく、支持体11の上面11Uの外縁と、被覆部材13の下面の外縁とが重なることがより好ましい。
【0027】
被覆部材13は、上述した透光性部材12を構成する樹脂と同様の樹脂に、光拡散材を含有させることにより形成することができる。光拡散材としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウム、酸化ケイ素、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)等の粒子が挙げられる。光拡散材の粒径は、1nm以上100nm以下が挙げられる。
【0028】
(変形例1)
変形例1の発光装置は、
図2A~2Eに示すように、透光性部材12及び/又は被覆部材13は、第1方向Fに延長する一側面が、上面視において、その一部において、被覆部材13の最も外側に位置する面と、それよりも内側に位置する面と、を有している。
つまり、被覆部材13は、支持体11の1A側面11SA側に、第1方向Fに延長し、かつ1A側面11SAと隣接する3B側面13SBと、1A側面11SAと反対側に、第1方向Fに延長し、上面視において、3B側面13SBよりも内側に位置する3A側面13SAとを有することができる。この場合、3A側面13SAと3B側面13SBとの間に位置し、3A側面13SAと3B側面13SBとに隣接する3C面13Cを有することができる。被覆部材13の3C面13Cは、1C面11Cで説明したのと同様に、上面13Uと平行であってもよいし、傾斜していてもよい。
【0029】
被覆部材13は、上面13Uの面積は、下面13Lの面積の95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましい。また50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。あるいは、上面視において、3A側面13SAは、3B側面13SBよりも、被覆部材13の第2方向Sの最大長さの5%以上85%以下、内側に配置されていることが好ましい。具体的には、3C面13Cの第2方向Sの最大長さ(
図2E中、L2)は、20μm以上68μm以下が挙げられる。また、3A側面13SAの高さ(
図2D中、H4)と3B側面13SBの高さ(
図2D中、H3)とは、20:1から1:20が挙げられ、15:1から1:15が好ましく、12:1から1:12がより好ましい。具体的には、3A側面13SAの高さは、被覆部材13の最長高さの10%以上70%以下が挙げられ、30%以上60%以下が好ましい。
【0030】
透光性部材12は、被覆部材13から露出する2A側面12SAが、上面視において、被覆部材13の3B側面13SBよりも内側に配置することができる。透光性部材12は、
図2Eに示すように、上面視において、2A側面12SAよりも、外側に位置する2B側面12SBを有することができる。2B側面12SBは、上面視において、被覆部材13の3B側面13SBよりも内側に位置する、つまり、被覆部材13に被覆されていることが好ましい。透光性部材12が、2A側面12SAと2B側面12SBとを有する場合、2A側面12SAと2B側面12SBとの間に位置し、2A側面12SAと2B側面12SBとに隣接する2C面12Cを有することができる。透光性部材12の2C面12Cは、1C面11Cで説明したのと同様に、上面12Uと平行であってもよいし、傾斜していてもよい。特に、2C面12Cは、被覆部材13の3C面13Cと隣接し、面一であることが好ましい。別の観点から、発光装置は、第1方向に延長する側面において、支持体11の一部及び被覆部材13の一部が凸状になっている。
2C面12Cの第2方向Sにおける長さ、言い換えると、2A側面12SAから2B側面12SBまでの第2方向Sの距離(
図2E中、W)は、具体的には、10μm以上34μm以下が挙げられる。また、透光性部材12が2B側面12SBを有する場合には、2A側面12SAと2B側面12SBの高さは、例えば、30:1から1:1が挙げられ、20:1から1:1が好ましく、10:1から1:1がより好ましい。
上述したように、透光性部材12が蛍光体層を含む場合、蛍光体層121の表面、つまり、被覆部材13から露出した上面及び側面は、透光層又は透光性部材で被覆することが好ましい。これによって、蛍光体の大気による劣化を低減することができる。
【0031】
(変形例2)
変形例2の発光装置は、
図3A、3Bに示すように、被覆部材13は、その上面13Uの第1方向Fの両端において、凸部13Pを有している。このような凸部13Pが配置されることにより、透光性部材12の上面12Uに傷が付くことを低減することができる。また、凸部13Pは、後述するように、面状光源を構成する際に、発光面と導光板の側面との間で、一定の距離を採ることができる。特に、発光面となる透光性部材12の上面12Uと2A側面12SAとの境界が導光板の側面に接触することを低減することができる。
凸部13Pは、高さ(
図3B中、H5)が被覆部材13の全高さ(
図3B中、H6)の3%以上24%以下が挙げられる。具体的には10μm以上55μm以下が挙げられる。凸部13Pの第1方向Fにおける長さ(
図3A及び3B中、L4)は、被覆部材13の第1方向Fにおける長さの3%以上10%以下が挙げられる。具体的には、具体的には54μm以上500μm以下が挙げられる。凸部13Pの第1方向Fにおける長さL4は、被覆部材13の第1方向F端から透光性部材12の第1方向F端までの長さと一致していてもよい。
実施形態1の発光装置においても、上記と同様に、その上面13Uの第1方向Fの両端において、凸部13Pを有していてもよい。
【0032】
実施形態2:発光モジュール
実施形態2の発光モジュール30は、
図4Aに示すように、上述した発光装置10と、基板20とを備えて構成される。発光装置10は、支持体11の1A側面11SAの下面側端部Mと1B側面11SBの下面側端部Nとが、基板20に接して配置される。発光装置10は、基板20上に、導電性接合部材21によって固定される。この際、導電性接合部材21は、その一部が、支持体11の窪み16の内部に配置される。このような配置によって、発光装置10の発光面の角度α3が、基板20表面に対して、5度以上45度以下に設定することができる。これによって、発光装置10を基板20上に配置した場合に、発光装置10の上面を上向きに配置することができるとともに、発光装置10の基板20に対向する側の面(
図4A中、Q)での発光が可能となる。その結果、その使用形態によって、より一層の光を、所定の方向、例えば、発光装置10の上面のやや上向きの前方に導くことが可能となり、発光装置からの光を多く利用することができ、光取り出し効率の向上を図ることができる。例えば、基板20が光反射性を有する場合、
図4Aに示したように、発光装置10の基板20に対向する側の面Qから出射された光が、基板20によって反射されて、発光装置の前方に取り出すことができ、光取り出し効率の向上に貢献することができる。特に、発光装置を表示装置のバックライトに適用した場合に、光取り出し効率の向上を実現することができる。
基板20には、上述した発光装置10を1つのみならず、複数配置してもよい。この場合、発光装置は、複数の発光装置の上面が、ある一つの面に並ぶように、直線状に一列に配置されることが好ましい。
発光モジュール30では、実施形態1、変形例1及び2のいずれの発光装置を用いてもよい。例えば、
図4Bに示すように、発光モジュール30Aが、透光性部材12の被覆部材13から露出している面が、内側に位置する場合、つまり透光性部材12が2A側面12SAを有し、被覆部材13が3C面13Cを有する場合には、透光性部材12の2A側面12SAから出射した光の一部が、被覆部材13の3C面13C側に照射され、3C面13Cに照射された光は反射して、発光装置10Aの前方側に光が取り出される。このような発光モジュール30とすることで、発光装置10は、より一層、光取り出し効率の向上に貢献することができる。
【0033】
実施形態3:面状光源
この実施形態3の面状光源は、
図5に示すように、上述した発光モジュール30と、主面と側面とを有する導光板22とを備えて構成される。発光モジュール30は、導光板22の側面に対向して配置されている。透光性部材12の上面12Uは、導光板22の上面22Uに対して傾斜して配置されている。
このような面状光源では、1つの導光板に対して、1つの発光モジュール30を配置して構成されていてもよいが、複数の発光モジュールを配置して構成されていてもよい。発光モジュールでは、上述したように、1つの発光装置を備えていてもよいし、複数の発光装置を備えていてもよい。
具体的には、面状光源は、支持体11の1A側面11SAの下面側端部と1B側面11SBの下面側端部とが基板20に接して配置された発光モジュール30を用いる。そして、発光装置10の発光面の角度α3が0度より大きい値で配置されている。加えて、透光性部材12の上面12Uを、導光板22の上面22Uに対して傾斜して配置されている。このような面状光源とすることで、発光装置10から出射される光を、基板20の表面に対して平行な方向、つまり、発光装置10の前方に進行するのみならず、前方かつ上に向かって進行させることができる。また、透光性部材12の側面の一部、特に、基板20の実装面に対向する側面が被覆部材13から露出していることにより、発光装置から出射される光を、基板20側に向けて進行させることができる。
その結果、発光装置から出射される光の進行を、所望の配光に制御することが可能となる。例えば、導光板22への入射光を、上方に向けることができる。これにより発光装置10から導光板22に入射した光の内、導光板22の発光装置とは反対側の端部に直接当たる光を低減させることができる。つまり、導光板22の上面22U側に、より効率的に光を取り出すことが可能となる。
【0034】
(発光装置の例示的な製造方法1)
支持体11に1A側面11SA及び1B側面11SBを形成する方法は、以下の方法が挙げられる。
まず、支持体11を準備し、支持体11上に、発光素子14を配置する。発光素子14の上面14Uには、透光性部材12を配置する。次いで、発光素子14等が配置された支持体11上に、被覆部材13を配置する。この場合、透光性部材12の上面12Uは、被覆部材13から露出させていることが好ましい。このような支持体11等は、
図6Aに示すように、複数の発光装置を形成するために、通常、集合形態で製造することが好ましい。
図6Aにおいては、2×12の発光装置を集合形態で配置している。
得られた発光装置の集合体は、
図6Aに示すように、X1線、X2線及びY線において、ブレード等を用いて切断する。この際、X2線及びY線における切断は、支持体11及び被覆部材13をそれぞれ切断して、
図6Bに示すように、発光装置を個片化するために行う。一方、X1線における切断、つまり、窪み16の中央を通る位置での切断は、
図6Cに示すように、まず、支持体11のみを、その途中まで切断する。この場合、用いるブレードの幅は、X2線及びY線における切断で用いたものよりも厚いものを用いることが好ましい。この切断により、支持体11の下面側に溝25が形成される。この溝25を画定する側面は、後に、支持体11の1A側面11SA及び1B側面11SBとなる。
その後、
図6Dに示すように、溝25の中央部分において、X2線及びY線における切断と同様に、未切断の支持体11及び被覆部材13をそれぞれ切断する。この切断により、支持体11の1A側面11SA及び1B側面11SBとともに、被覆部材13の3A側面13SAと、透光性部材12の露出した2A側面12SAを形成することができる。
このような切断方法によって、支持体11、被覆部材13及び透光性部材12を所望の形状に、容易に形成することができる。
【0035】
(発光装置の例示的な製造方法2)
透光性部材12に2A側面12SA及び2B側面12SB、被覆部材13に、3B側面13SB及び3C面13Cを形成する方法は、以下の方法が挙げられる。
例えば、
図7Aに示すように、
図6Aに示すX1線において、支持体11のみを、その途中までを切断する。その後、
図7Bに示すように、支持体11の切断と同様の方法で、被覆部材13をその途中まで切断する。この際、透光性部材12の一部を切断してもよい。ここで用いるブレードの幅は、任意に設定することができる、例えば、X2線及びY線における切断で用いたものよりも厚いものを用いることが好ましい。この切断により、透光性部材12及び被覆部材13において、溝26が形成される。この溝26を画定する側面は、後に、透光性部材12の2A側面12SA及び2B側面12SB、被覆部材13の3B側面13SB及び3C面13Cとなる。支持体11の切断と被覆部材13の切断は、いずれを先に行ってもよい。また、それらの工程で用いるブレードの幅を適宜設定することにより、溝25、26の幅を任意に設定することができる。その結果、例えば、透光性部材12に2A側面12SAのみを形成してもよいし、被覆部材13に、3B側面13SBのみを形成してもよい。
その後、
図7Cに示すように、溝25、26の中央部分において、X2線及びY線における切断と同様に、未切断の支持体11及び被覆部材13をそれぞれ切断する。この切断により、支持体11の1A側面11SA及び1B側面11SBとともに、透光性部材12の2A側面12SA、被覆部材13の3B側面13SB、任意に、透光性部材12の2B側面12SB、2C面12C、被覆部材13の3C面13Cを形成することができる。
このような切断方法によって、支持体11、被覆部材13及び透光性部材12を所望の形状に、容易に形成することができる。
【0036】
本願は、以下の発明を含む
(1)第1方向に長い上面と、前記上面と反対側の面である下面と、側面とを有する支持体と、
前記支持体の前記上面に載置され、上面と側面とを有する発光素子と、
前記発光素子の前記上面に載置され、上面と側面とを有する透光性部材と、
前記透光性部材の前記上面を露出し、かつ前記透光性部材の前記側面と、前記発光素子の前記側面とを覆うとともに、光反射性を有する被覆部材とを有し、
前記支持体は、前記支持体の前記上面に隣接しかつ前記第1方向に延長する1A側面と、前記支持体の下面に隣接しかつ前記第1方向に延長する1B側面と、前記1A側面と前記1B側面との間に位置しかつ前記1A側面と前記1B側面とに隣接する1C面とを有し、前記1B側面は、上面視において前記1A側面よりも内側に位置し、
前記透光性部材の側面の一部は、前記被覆部材から露出している発光装置。
(2)前記被覆部材の側面は、前記支持体の前記1A側面側に、前記第1方向に延長するとともに前記1A側面と隣接する3B側面と、前記1A側面と反対側に、前記第1方向に延長し、上面視において前記3B側面よりも内側に位置する3A側面とを有し、前記透光性部材の前記側面は、上面視において前記3B側面よりも内側に位置する(1)に記載の発光装置。
(3)前記支持体は、前記1A側面の下面側端部と前記1B側面の下面側端部とに接する仮想平面が、前記1A側面に対して5度以上の角度で交差している(1)又は(2)に記載の発光装置。
(4)前記支持体は、前記支持体の下面または前記1B側面に、前記発光素子と電気的に接続された外部接続端子を有する(1)~(3)のいずれかに記載の発光装置。
(5)前記支持体は、前記1B側面と下面とに開口する窪みを有し、前記窪みの内面に前記外部接続端子が少なくとも配置される(4)に記載の発光装置。
(6)前記支持体は、前記1A側面と前記1B側面と下面とに開口する窪みを有し、前記窪みの内面に前記外部接続端子が少なくとも配置される(4)に記載の発光装置。
(7)前記透光性部材は、透光層と蛍光体を含有する蛍光体層とを含み、
前記透光層は、前記透光性部材の上面と、前記透光性部材の前記側面とにおいて前記被覆部材から露出されている(1)~(6)のいずれかに記載の発光装置。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の発光装置と基板とを有し、
前記発光装置の前記1A側面の下面側端部と前記1B側面の下面側端部とが前記基板に接して配置される発光モジュール。
(9)(8)に記載の発光モジュールと、主面と側面とを有する導光板とを有し、
前記発光モジュールは、前記導光板の前記側面に対向して配置されるとともに、
前記透光性部材の上面は、前記導光板の前記側面に対して傾斜して配置される面状光源。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本開示の実施形態は、各種照明用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源などに有用である。特に、液晶表示装置に向けられたバックライトユニットに有利に適用できる。
【符号の説明】
【0038】
10、10A 発光装置
11 支持体
11C 1C面
11L 下面
11S 側面
11SA 1A側面
11SB 1B側面
11U 上面
12 透光性部材
121 蛍光体層
122 透光層
12C 2C面
12L 下面
12S 側面
12SA 2A側面
12SB 2B側面
12U 上面
13 被覆部材
13C 3C面
13L 下面
13P 凸部
13S 側面
13SA 3A側面
13SB 3B側面
13U 上面
14 発光素子
14S 側面
14U 上面
15a、15b 内部接続端子
15c、15d 外部接続端子
16 窪み
17 絶縁膜
18 導光部材
20 基板
21 導電性接合部材
22 導光板
22U 上面
25、26 溝
30、30A 発光モジュール