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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093432
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】基板研磨装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 49/12 20060101AFI20240702BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240702BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20240702BHJP
   B24B 37/013 20120101ALI20240702BHJP
   B24B 49/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B24B49/12
H01L21/304 622R
H01L21/304 622S
B24B37/10
B24B37/013
B24B49/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209808
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】廣尾 康正
(72)【発明者】
【氏名】木下 将毅
【テーマコード(参考)】
3C034
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB37
3C034BB75
3C034BB93
3C034CA02
3C034CA15
3C034CA22
3C034CB14
3C034DD07
3C034DD10
3C158AA07
3C158AB01
3C158AB04
3C158AC02
3C158AC04
3C158BA09
3C158CB01
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA12
3C158EB01
5F057AA20
5F057BA15
5F057BB15
5F057BB36
5F057CA12
5F057DA03
5F057EB11
5F057GA12
5F057GA27
5F057GB01
5F057GB02
5F057GB13
5F057GB20
5F057GB21
5F057GB31
(57)【要約】
【課題】光学式表面監視システムにおいて、基板と研磨テーブルとの間の相対速度の違いによる測定精度の影響を除去または緩和させる。
【解決手段】基板研磨装置は、研磨テーブルと、前記研磨テーブルを回転させるためのモータと、基板を保持するように構成されている基板保持ヘッドと、光源と、研磨テーブルの内部に配置されている光学ヘッドと、を有する。光学ヘッドは、前記CW光源からの光を基板保持ヘッドに保持された基板に向けて投光するように配置されている投光口と、前記基板保持ヘッドに保持された基板から反射された光を受光するように配置されている受光口と、を備える。基板研磨装置は、さらに、前記受光口で受光した光を検出するための光検出器と、前記光検出器に光が取り込まれる露光時間を制御するためのシャッターと、基板の研磨条件に基づいて前記露光時間を変更するように前記シャッターの動作を制御するための制御装置と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板研磨装置であって、
研磨テーブルと、
前記研磨テーブルを回転させるためのモータと、
基板を保持するように構成されている基板保持ヘッドと、
光源と、
研磨テーブルの内部に配置されている光学ヘッドであって、
前記CW光源からの光を基板保持ヘッドに保持された基板に向けて投光するように配置されている投光口と、
前記基板保持ヘッドに保持された基板から反射された光を受光するように配置されている受光口と、
を備える、光学ヘッドと、
前記受光口で受光した光を検出するための光検出器と、
前記光検出器に光が取り込まれる露光時間を制御するためのシャッターと、
基板の研磨条件に基づいて前記露光時間を変更するように前記シャッターの動作を制御するための制御装置と、
を有する、基板研磨装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板研磨装置であって、
前記制御装置は、
前記投光口から基板上に投光された光により基板が照射される面積が実質的に一定となるように前記露光時間を決定する、
基板研磨装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板研磨装置であって、
前記露光時間は、前記研磨テーブルの回転速度に基づいて決定される、
基板研磨装置。
【請求項4】
請求項1に記載の基板研磨装置であって、
前記露光時間は、前記研磨テーブルの回転中心から前記光学ヘッドまでの距離に基づいて決定される、
基板研磨装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基板研磨装置であって、
前記基板保持ヘッドを回転させるための第2モータを有し、
前記露光時間は、前記基板保持ヘッドの回転速度に基づいて決定される、
基板研磨装置。
【請求項6】
請求項1に記載の基板研磨装置であって、
前記基板保持ヘッドを、前記研磨テーブルの平面に平行な方向に移動させるためのアームを有し、
前記露光時間は、前記基板保持ヘッドの前記アームによる平行移動速度に基づいて決定される、
基板研磨装置。
【請求項7】
請求項1に記載の基板研磨装置であって、
前記基板保持ヘッドを回転させるための第2モータと、
前記基板保持ヘッドを、前記研磨テーブルの平面に平行な方向に移動させるための平行移動機構と、を有し、
前記露光時間は、
(1)前記研磨テーブルの回転速度、
(2)前記研磨テーブルの回転中心から前記光学ヘッドまでの距離、
(3)前記基板保持ヘッドの回転速度、および、
(4)前記基板保持ヘッドの、前記アームによる平行移動速度、
に基づいて決定される、
基板研磨装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の基板研磨装置であって、 前記光源は、連続発光光源である、
基板研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、基板研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造に、基板の表面を平坦化するために化学機械研磨(CMP)装置が使用されている。半導体デバイスの製造に使用される基板は、多くの場合、円板形状である。CMP装置は、一般に、研磨パッドを支持する研磨テーブルと、基板を研磨パットに押し付ける基板保持ヘッドと、スラリーを研磨パッド上に供給するスラリー供給ノズルを備えている。研磨テーブルを回転させながら、研磨テーブル上の研磨パッドにスラリーが供給され、基板保持ヘッドは、基板を研磨パットに押し付ける。CMP装置においては、スラリーの存在下で基板を研磨パッドに押し付けながら相対移動させることで基板を研磨する。基板の表面は、スラリーの化学的作用と、スラリーに含まれる砥粒の機械的作用との組み合わせにより平坦化される。
【0003】
基板に研磨は、その表面を構成する膜(絶縁膜、金属膜、シリコン層など)の厚さが所定の目標値に達したときに終了される。CMP装置は、絶縁膜やシリコン層などの非金属膜の厚さを測定するために、光学式表面監視システムを備えることがある。この光学式表面監視システムは、光源から発せられた光を基板の表面に導き、基板からの反射光の強度を分光器で測定し、反射光のスペクトルを解析することで、基板の表面状態を検出(例えば、基板の膜厚を測定、または基板の表面を構成する膜の除去を検出)するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-142303号公報
【特許文献2】特開2017-220683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光源にはキセノンフラッシュランプが使用されることがある。このキセノンフラッシュランプは、数マイクロ秒オーダーの点灯時間を有するパルス点灯光源である。キセノンフラッシュランプは、約200nm~1100nmの多波長の光を発することが可能である。
【0006】
キセノンフラッシュランプは短い点灯時間で大光量が得られるというメリットがあるが、パルスごとに光量にばらつきがある。キセノンフラッシュランプを使用してなんらかの測定を行う場合、パルスごとの光量のばらつきの影響を抑制するために、同一の測定箇所に複数回パルス光を照射して複数回の測定を行い、測定値を合算したり平均値を算出したりすることが行われることがある。しかし、CMP装置の光学式表面監視システムの光源として、キセノンフラッシュランプを使用する場合、基板および光源が配置される研磨テーブルはいずれも回転しているので、基板の同一の測定箇所に複数回のパルス光を照射するのは困難である。また、基板の同一の測定箇所に複数回のパルス光を照射することが出来たとしても、複数回のパルス光を同一の測定箇所に照射する間に基板の研磨が進行してしまい、基板の表面の状態が変化してしまう。
【0007】
そこで、CMP装置の光学式表面監視システムの光源として、発光ばらつきを抑制したい処理を行う場合は、光量が安定している常時点灯する連続発光光源(またはCW光源:C
ontinuous Wave光源、連続波光源ともいう)を採用することが一つの方策となる。CW光源を使用する場合、基板上の所定の箇所の表面状態を測定するために、CW光の一部を切り出す必要がある。CW光の一部を切り出すためにシャッターが使用されるが、一般に、シャッターで切り出せる時間幅は、キセノンフラッシュランプの点灯時間よりも長くなる。
【0008】
CMP装置においては、基板の研磨中は、光学式表面監視システムが配置される研磨テーブルは常に回転しているため、一定時間に露光される基板の領域は、研磨テーブルと基板の測定箇所の相対速度によって変化する。そのため、基板の測定箇所の相対速度によって基板の測定領域の面積が変わるため、基板表面の測定精度が変わってしまう。
【0009】
光学式表面監視システムにCW光源およびシャッターを使用した場合、キセノンフラッシュランプのようなパルス光源を使用する場合よりも露光時間が長くなるので、上記のような基板と研磨テーブルとの間の相対速度の違いによる影響を受けやすい。
【0010】
そこで、本願は、光学式表面監視システムにおいて、上記のような基板と研磨テーブルとの間の相対速度の違いによる測定精度の影響を除去または緩和させることを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態によれば、基板研磨装置が提供され、かかる基板研磨装置は、研磨テーブルと、前記研磨テーブルを回転させるためのモータと、基板を保持するように構成されている基板保持ヘッドと、光源と、研磨テーブルの内部に配置されている光学ヘッドと、を有する。光学ヘッドは、前記CW光源からの光を基板保持ヘッドに保持された基板に向けて投光するように配置されている投光口と、前記基板保持ヘッドに保持された基板から反射された光を受光するように配置されている受光口と、を備える。基板研磨装置は、さらに、前記受光口で受光した光を検出するための光検出器と、前記光検出器に光が取り込まれる露光時間を制御するためのシャッターと、基板の研磨条件に基づいて前記露光時間を変更するように前記シャッターの動作を制御するための制御装置と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、基板研磨装置の一実施形態を示す模式図である。
図2図2は、図1に示される基板研磨装置の詳細な構成の一実施形態を示す断面図である。
図3図3は、研磨テーブルおよび基板保持ヘッドが停止している状態において、研磨テーブルと基板保持ヘッドに保持された基板との位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板上の測定領域(照射領域)を示す図である。
図4図4は、研磨テーブルが相対的に低速度で回転しており、基板保持ヘッドが停止している状態において、研磨テーブルと基板保持ヘッドに保持された基板との位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板W上の測定領域(照射領域)を示す図である。
図5図5は、研磨テーブルが相対的に高速度で回転しており、基板保持ヘッドが停止している状態において、研磨テーブルと基板保持ヘッドに保持された基板との位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板上の測定領域(照射領域)を示す図である。
図6図6は、研磨テーブルの半径方向に複数の光学センサヘッドが配置されていて、研磨テーブルが回転しており、基板保持ヘッドが停止している状態において、研磨テーブルと基板保持ヘッドに保持された基板との位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板W上の測定領域(測定領域)を示す図である。
図7図7は、研磨テーブルおよび基板保持ヘッドが回転している状態において、研磨テーブルと基板保持ヘッドに保持された基板との位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板上の測定領域(照射領域)を示す図である。
図8図8は、研磨テーブルが回転しており、基板保持ヘッドが揺動しながら回転している状態において、研磨テーブルと基板保持ヘッドに保持された基板との位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板上の測定領域(照射領域)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に基板研磨装置の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0014】
図1は、基板研磨装置の一実施形態を示す模式図である。図1に示されるように、基板研磨装置は、研磨パッド2を支持する研磨テーブル3と、基板Wを保持するための基板保持ヘッド1と、研磨テーブル3を回転させるテーブルモータ6と、研磨パッド2上にスラリーを供給するためのスラリー供給ノズル5と、を備えている。
【0015】
基板保持ヘッド1はヘッドシャフト10に連結されており、ヘッドシャフト10とともに基板保持ヘッド1は矢印で示す方向に回転することが可能である。図1に示されるように、ヘッドシャフト10は、アーム13に取り付けられている。アーム13は、支柱15を中心として旋回可能に構成される。基板研磨装置は、アーム13の回転角度を検出するロータリーエンコーダ14を備えている。ロータリーエンコーダ14は、アーム13を旋回させる不図示のモータに連結されている。
【0016】
研磨テーブル3はテーブルモータ6に連結されており、テーブルモータ6は研磨テーブル3および研磨パッド2を矢印で示す方向に回転させるように構成されている。基板研磨装置は、研磨テーブル3の回転角度を検出するロータリーエンコーダ11を備えている。ロータリーエンコーダ11はテーブルモータ6に連結されている。
【0017】
基板Wは次のようにして研磨される。研磨テーブル3および基板保持ヘッド1を図1 の矢印で示す方向に回転させながら、スラリー供給ノズル5からスラリーが研磨テーブル3上の研磨パッド2の研磨面2aに供給される。基板Wは基板保持ヘッド1によって回転されながら、研磨パッド2上にスラリーが存在した状態で基板Wは研磨パッド2の研磨面2aに押し付けられる。さらに、基板の研磨中に、アーム13を旋回させて、基板保持ヘッド1を研磨パッド2上で揺動させてもよい。基板Wの表面は、スラリーの化学的作用と、スラリーに含まれる砥粒による機械的作用により研磨される。
【0018】
基板研磨装置は、基板Wの表面状態を検出する光学的表面監視システム40を備えている。光学的表面監視システム40は、光学センサヘッド7と、CW光源44と、分光器47と、トリガセンサ25と、制御装置9と、を備えている。光学センサヘッド7、CW光源44、および分光器47は研磨テーブル3に取り付けられており、研磨テーブル3および研磨パッド2とともに一体に回転する。光学センサヘッド7の位置は、研磨テーブル3および研磨パッド2が一回転するたびに研磨パッド2上の基板Wの表面を横切る位置である。他の実施形態において、CW光源44に変えて、キセノンフラッシュランプのようなパルス光源を使用してもよい。
【0019】
図2は、図1に示される基板研磨装置の詳細な構成の一実施形態を示す断面図である。ヘッドシャフト10は、ベルト等の連結手段17を介して基板保持ヘッドモータ18に連結されて回転されるようになっている。このヘッドシャフト10の回転により、基板保持
ヘッド1が矢印で示す方向に回転する。
【0020】
分光器47は、光検出器48を備えている。一実施形態では、光検出器48は、CCDまたはCMOSなどのイメージセンサである。光学センサヘッド7は、CW光源44および光検出器48に光学的に連結されている。CW光源44および光検出器48は制御装置9に電気的に接続されている。
【0021】
光学的表面監視システム40は、CW光源44から発せられた光を基板Wの表面に導く投光用光ファイバーケーブル31と、基板Wからの反射光を受け、反射光を分光器47に送る受光用光ファイバーケーブル32とをさらに備えている。投光用光ファイバーケーブル31の先端は、基板保持ヘッド1に保持された基板に向けて光を投光する投光口31aを構成する。受光用光ファイバーケーブル32の先端は、基板保持ヘッド1に保持された基板から反射された光を受光する受光口32aを構成する。投光口31aおよび受光口32aは、基板保持ヘッド1に保持された基板の方を向くように、研磨テーブル3内に位置している。
【0022】
投光用光ファイバーケーブル31の先端である投光口31aおよび受光用光ファイバーケーブル32の先端である受光口32aは、光を基板Wの表面に導き、かつ基板Wからの反射光を受ける光学センサヘッド7を構成する。投光用光ファイバーケーブル31の他端はCW光源44に接続され、受光用光ファイバーケーブル32の他端は分光器47に接続されている。分光器47は、基板Wからの反射光を波長に従って分解し、所定の波長範囲に亘って反射光の強度を測定するように構成されている。
【0023】
CW光源44から発された光は、投光用光ファイバーケーブル31を通じて光学センサヘッド7に送られ、投光口31aから基板Wに向けて放たれる。基板Wからの反射光は受光口32aに受けられ、受光用光ファイバーケーブル32を通じて分光器47に送られる。分光器47は反射光をその波長に従って分解し、各波長での反射光の強度を測定する。分光器47は、反射光の強度の測定データを制御装置9に送る。
【0024】
制御装置9は、反射光の強度の測定データから反射光のスペクトルを生成する。このスペクトルは、反射光の強度と波長との関係を示し、スペクトルの形状は基板Wの膜厚に従って変化する。制御装置9は、反射光のスペクトルから基板Wの膜厚を決定する。反射光のスペクトルから基板Wの膜厚を決定する方法には、公知の技術が用いられる。例えば、反射光のスペクトルに対してフーリエ変換を実行し、得られた周波数スペクトルから膜厚を決定する。
【0025】
基板の研磨中、光学センサヘッド7は、研磨テーブル3が一回転するたびに、研磨パッド2上の基板Wの表面を横切りながら、基板W上の測定点に光を照射し、基板Wからの反射光を受ける。制御装置9は、反射光の強度の測定データから基板Wの膜厚を決定し、膜厚に基づいて基板Wの研磨動作を制御する。例えば、制御装置9は、基板Wの膜厚が目標膜厚に達した時点である研磨終点を決定する。
【0026】
一実施形態として、制御装置9は、入出力装置、演算装置、記憶装置などを備える一般的なコンピュータから構成することができる。なお、制御装置9は、研磨テーブル3の内部に配置し、研磨テーブル3とともに回転するものとしてもよく、また、研磨テーブル3の外部に配置し、研磨テーブル3とともに回転しないものとしてもよい。
【0027】
一実施形態において、基板研磨装置はオペレーションPC29を備える。オペレーションPCは研磨装置のユーザーインターフェースを構成し、ユーザーが研磨テーブル3の回転速度などの研磨条件などを指定することができる。オペレーションPC29は、入出力
装置、演算装置、記憶装置などを備える一般的なコンピュータから構成することができる。制御装置9およびオペレーションPC29の機能は互いに交換可能であり、基板研磨装置内における動作の制御や、計算処理は、制御装置9およびオペレーションPC29のいずれで行ってもよい。
【0028】
一実施形態では、制御装置9は、反射光のスペクトルの変化から基板Wの表面を構成する膜が除去された状態を検出してもよい。この場合は、制御装置9は、基板Wの表面を構成する膜が除去された時点である研磨終点を決定する。制御装置9は、反射光のスペクトルから基板Wの膜厚を決定しなくてもよい。
【0029】
研磨テーブル3は、その上面で開口する第1の孔50Aおよび第2の孔50Bを有している。また、研磨パッド2には、これら孔50A,50Bに対応する位置に通孔51が形成されている。孔50A,50Bと通孔51とは連通し、通孔51は研磨面2aで開口している。第1の孔50Aは液体供給ライン53に連結されており、第2の孔50Bはドレインライン54に連結されている。投光用光ファイバーケーブル31の先端および受光用光ファイバーケーブル32の先端から構成される光学センサヘッド7は、第1の孔50Aに配置されており、かつ通孔51の下方に位置している。
【0030】
一実施形態において、CW光源44として、ハロゲン光源、プラズマ光源、重水素光源などを使用することができる。投光用光ファイバーケーブル31は、CW光源44によって発せられた光を基板Wの表面まで導く光伝送部である。投光口31aおよび受光口32aは、第1の孔50A内に位置しており、基板Wの被研磨面の近傍に位置している。投光用光ファイバーケーブル31および受光用光ファイバーケーブル32の各先端である投光口31aおよび受光口32aから構成される光学センサヘッド7は、基板保持ヘッド1に保持された基板Wを向いて配置される。研磨テーブル3が回転するたびに基板Wに光が照射される。本実施形態では、1つの光学センサヘッド7のみが設けられているが、複数の光学センサヘッド7が設けられてもよい。
【0031】
基板Wの研磨中、研磨テーブル3が一回転するたびに、光学センサヘッド7は基板Wを横切って移動する。光学センサヘッド7が基板Wの下方にある間、CW光源44は、常時、光を発している。光は、投光用光ファイバーケーブル31を通って基板Wの表面(被研磨面)に導かれ、基板Wからの反射光は受光用光ファイバーケーブル32を通って分光器47に受けられ、光検出器48に取り込まれる。光検出器48は、各波長での反射光の強度を所定の波長範囲に亘って測定し、得られた測定データを制御装置9に送る。この測定データは、基板Wの膜厚に従って変化する膜厚信号である。制御装置9は、波長ごとの光の強度を表わす反射光のスペクトルを測定データから生成し、さらに反射光のスペクトルから基板Wの膜厚を決定する。
【0032】
基板Wの研磨中は、リンス液として純水が液体供給ライン53を介して第1の孔50Aに供給され、さらに第1の孔50Aを通って通孔51に供給される。純水は、基板Wの表面(被研磨面)と光学センサヘッド7との間の空間を満たす。純水は、第2の孔50Bに流れ込み、ドレインライン54を通じて排出される。第1の孔50Aおよび通孔51内を流れる純水は、スラリーが第1の孔50Aに浸入することを防止し、これにより光路が確保される。
【0033】
液体供給ライン53およびドレインライン54は、ロータリージョイント19に接続されており、さらに研磨テーブル3内を延びている。液体供給ライン53の一端は、第1の孔50Aに接続されている。液体供給ライン53の他端は、図示しない純水供給源に接続されている。純水は、液体供給ライン53を通って第1の孔50Aに供給され、さらに第1の孔50Aを通って通孔51に供給される。
【0034】
液体供給ライン53およびドレインライン54は、ロータリージョイント19に接続されており、さらに研磨テーブル3内を延びている。液体供給ライン53の一端は、第1 の孔50Aに接続されている。液体供給ライン53の他端は、図示しない純水供給源に接続されている。純水は、液体供給ライン53を通って第1の孔50Aに供給され、さらに第1の孔50Aを通って通孔51に供給される。
【0035】
ドレインライン54の一端は、第2の孔50Bに接続されている。通孔51に供給された純水は、第2の孔50Bを流れ、さらにドレインライン54を通って基板研磨装置の外に排出される。液体供給ライン53には開閉弁68が取り付けられている。開閉弁68は、電磁弁または電動弁である。開閉弁68は、制御装置9に電気的に接続されている。制御装置9は、基板Wの研磨中、研磨テーブル3の回転に同期して開閉弁68を周期的に開閉する。具体的には、基板Wが通孔51の上にないときは、制御装置9は開閉弁68を閉じ、基板Wが通孔51の上にあるときは、制御装置9は開閉弁68を開く。
【0036】
上述の実施形態においては、基板Wの表面(被研磨面)と光学センサヘッド7との間の空間を純粋で満たす、いわゆる水封式の例である。他の実施形態として、水封式により光学センサヘッド7の光路を確保するのではなく、透明窓を有する研磨パッドを研磨テーブルに貼り付ける形態でもよい。透明窓を用いる方式については、たとえば、特開2017-220683号公報(特許文献2)に開示されている。
【0037】
ロータリーエンコーダ11、14は制御装置9に電気的に接続されており、ロータリーエンコーダ11、14の出力信号(すなわち、研磨テーブル3の回転角度の検出値、基板保持ヘッド1の位置)は、制御装置9に送られる。制御装置9は、ロータリーエンコーダ11、14の出力信号、すなわち研磨テーブル3の回転角度および基板保持ヘッド1の位置から、基板保持ヘッド1に対する光学センサヘッド7の相対位置を決定し、光学センサヘッド7の相対位置に基づいて、光検出器48の光検出タイミングを制御することができる。また、制御装置9は、後述するように、ロータリーエンコーダ11から得られる研磨テーブル3の回転速度に基づいて露光時間を制御することができる。
【0038】
図1,2に示されるように、基板研磨装置は、トリガセンサ25を備える。トリガセンサ25は、図2に示されるように、研磨テーブル3に取り付けられていて、研磨テーブル3とともに回転可能である。また、図2に示されるように、基板研磨装置は、研磨テーブル3の外側にドグ27が配置されている。トリガセンサ25は、研磨テーブル3が1回転するたびにドグ27を検知し、トリガ信号を生成するように構成されている。トリガ信号は制御装置9に送られる。一実施形態において、トリガセンサ25から生成されるトリガ信号に基づいて、光検出器48の光検出タイミングを制御することができる。
【0039】
制御装置9は、基板Wの研磨中、光検出器48に指令を発して光検出器48の光検出動作を制御する。すなわち、制御装置9は、光学センサヘッド7が基板Wの下方にあるときに、光検出トリガ信号を光検出器48に送信する。光検出器48は、光検出トリガ信号を受けると、反射光の取り込みを開始し、光検出トリガ信号の送信が停止されると、反射光の取り込みを停止する。
【0040】
本明細書では、光検出器48が反射光を取り込む動作の1回当たりの時間を、露光時間という。露光時間の間は、光検出器48は反射光を取り込み続ける(反射光を検出し続ける)。光検出器48は、電子シャッター機能を有している。すなわち、光検出器48は、光検出トリガ信号を受けると、電子シャッターが開き、光検出トリガ信号の送信が停止されると、電子シャッターが閉じる。電子シャッターが開いた時点から、電子シャッターが閉じた時点までの時間が、露光時間である。本実施形態においは、シャッターは、光検出
器48が備える電子シャッター機能であるが、他の実施形態として、シャッターは、光検出器48または分光器47の前方に配置された機械的なシャッターとしてもよい。また、一実施形態として、機械的なシャッターと電子シャッター機能の両方を使用してもよい。機械式シャッターを使用する場合でも、制御装置9により動作を制御するように構成することができる。機械式シャッターを使用する場合においても、光検出器48が反射光を受け、反射光と取り込む間が露光時間となる。露光時間は、シャッターが開いている開時間とも言える。
【0041】
以下に、一実施形態による、露光時間の制御について説明する。図3は、研磨テーブル3および基板保持ヘッド1が停止している状態において、研磨テーブル3と基板保持ヘッド1に保持された基板Wとの位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板W上の測定領域100(照射領域)が示されている。前述したように、研磨テーブル3には、光学センサヘッド7が配置されていて、投光用光ファイバーケーブル31の投光口31aから基板Wに向けて光が照射されている。図3に示されるように、研磨テーブル3および基板保持ヘッド1が停止している状態において、投光口31aから照射される基板W上の測定領域100は最小となり一定である。
【0042】
図4は、研磨テーブル3が相対的に低速度で回転しており、基板保持ヘッド1が停止している状態において、研磨テーブル3と基板保持ヘッド1に保持された基板Wとの位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板W上の測定領域100(照射領域)が示されている。図4に示される条件において、研磨テーブル3が回転しているので、光学センサヘッド7も回転し、一定の露光時間の間に照射光は基板W上を移動するため、測定領域100が図3の場合よりも大きくなる。
【0043】
図5は、研磨テーブル3が相対的に高速度で回転しており、基板保持ヘッド1が停止している状態において、研磨テーブル3と基板保持ヘッド1に保持された基板Wとの位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板W上の測定領域100(照射領域)が示されている。図5に示される条件において、研磨テーブル3が高速度で回転しているので、測定領域100が図4の場合よりもさらに大きくなる。
【0044】
以上のように、露光時間が一定である場合、研磨テーブル3の回転速度によって測定領域100の面積が変化する。そのため、光学的表面監視システム40における基板Wの表面状態の測定精度が研磨テーブル3の回転速度によって影響を受ける。
【0045】
そこで、一実施形態において、制御装置9は、研磨テーブル3の回転速度によらず実質的に一定の面積の測定領域100となるように、研磨テーブル3の回転速度に応じて露光時間を変更する。なお、測定領域の面積は完全に一定にならなくてもよく、露光時間が一定である場合の測定領域の面積の変動が小さくなるように露光時間を変更すればよい。
【0046】
一実施形態において、まず、基準となる研磨テーブル3の回転速度(TTstd)における、基準露光時間(ExpTstd)を定義する。露光時間内における光学センサヘッド7の移動距離は、研磨テーブル3の回転速度に比例する。そのため、測定領域100の面積は、露光時間内における光学センサヘッド7の移動距離、すなわち、研磨テーブル3の回転速度に比例する。研磨テーブル3が任意の回転速度(TT)で回転しているときに、研磨テーブル3が基準回転速度(TTstd)で回転しているときと光学センサヘッド7の移動距離が同一となる露光時間(ExpT(TT))は、
ExpT(TT) = ExpTstd × (TTstd/TT)
となる。換言すれば、研磨テーブル3の回転速度を用いて基準露光時間を補正していると言える。
【0047】
基板Wを研磨するときの研磨テーブル3の回転速度(TT)は、基板研磨装置のユーザーにより決定されたものを使用することができる。図2に示されるように、基板研磨装置はオペレーションPC29を備える。オペレーションPCは研磨装置のユーザーインターフェースを構成し、ユーザーが研磨テーブル3の回転速度(TT)などの研磨条件などを指定することができる。また、一実施形態において、基板研磨装置はロータリーエンコーダ11を備えているので、研磨中における研磨テーブル3の回転速度を測定することができるので、測定された研磨テーブル3の回転速度を利用することもできる。また、一実施形態において、トリガセンサ25がトリガ信号を発するタイミングから研磨テーブル3の回転速度を測定してもよい。なお、本明細書において、研磨条件はユーザーが指定した条件だけでなく、実際に基板研磨装置において実現されている条件も含む。たとえば、研磨条件は、ユーザーが指定した研磨テーブル3の回転速度(TT)だけでなく、基板研磨装置において測定された研磨テーブル3の回転速度も含む。
【0048】
図6は、研磨テーブル3の半径方向に複数の光学センサヘッド7が配置されていて、研磨テーブル3が回転しており、基板保持ヘッド1が停止している状態において、研磨テーブル3と基板保持ヘッド1に保持された基板Wとの位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板W上の測定領域100(測定領域)が示されている。
【0049】
図6に示されるように、研磨テーブル3が一定の回転速度であったとしても、光学センサヘッド7の半径方向位置によって、露光時間内における光学センサヘッド7の移動距離が変わる。そこで、一実施形態において、光学センサヘッド7の半径方向位置に応じて露光時間を変更する。
【0050】
研磨テーブル3の一定の回転速度において、光学センサヘッド7の移動距離は、半径方向位置に比例する。そこで、光学センサヘッド7がいずれの半径方向位置であったとしても、同一の移動距離となるように露光時間を決定する。基準となる光学センサヘッド7の位置(r0)に対する基準露光時間(ExpTstd)に対して、任意の半径方向位置(r)に配置された光学センサヘッド7による測定の露光時間(ExpT(r))は、
ExpT(r) = ExpTstd × (r0/r)
となる。換言すれば、光学センサヘッド7の半径方向位置を用いて基準露光時間を補正していると言える。
【0051】
図6は、基板研磨装置が複数の光学センサヘッド7を備える場合の例であるが、1つの光学センサヘッド7が半径方向に移動可能である場合も、同様に露光時間の補正が可能である。
【0052】
一実施形態において、上述の研磨テーブル3の回転速度による露光時間の補正、および。研磨テーブル3の半径方向位置による露光時間の補正のうち、一方だけを採用してもよく、両者を採用してもよい。
【0053】
上記の露光時間の補正は、研磨中に基板保持ヘッド1が回転していない場合、あるいは、基板保持ヘッド1が回転していたとしても考慮しない場合であるが、一実施形態において、基板保持ヘッド1の回転を考慮して露光時間を補正してもよい。
【0054】
図7は、研磨テーブル3および基板保持ヘッド1が回転している状態において、研磨テーブル3と基板保持ヘッド1に保持された基板Wとの位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板W上の測定領域100(照射領域)が示されている。図7に示される条件において、研磨テーブル3だけでなく基板保持ヘッド1も回転しているので、基板W上における光学センサヘッド7の半径方向位置によって測定領域100の大きさが変化することになる。そこで、一実施形態において、研磨テーブル3および基板保
持ヘッド1が回転している状態においても、一定の測定領域100の大きさとなるように露光時間の補正を行う。
【0055】
回転する研磨テーブル3に配置された光学センサヘッド7の位置は、基板研磨装置の設計情報、研磨テーブル3の回転速度、およびトリガセンサ25が反応してからの時間で決定することができる。基板Wの中心は基板保持ヘッド1の回転中心に等しく、設計情報により決定される値である。光学センサヘッド7により測定される基板W上の半径方向位置は、光学センサヘッド7の研磨テーブル3の半径方向位置、および基板保持ヘッド1の中心からの距離から求めることができる。任意の光学センサヘッド7の、ある露光時間における基板W上での移動距離Lは、研磨テーブル3の回転による移動距離成分Ltt(x1,y1)と基板保持ヘッド1の回転による移動距離成分Ltr(x2,y2)による合成により、
【数1】
となる。
【0056】
基準となる研磨テーブル3の回転速度(TTstd)における測定領域100の移動距離をL0とすると、任意の基板W上での半径位置rにおける露光時間ExpT(r)は
ExpT(r) = ExpTstd × (L/L0)
として決定することができる。
【0057】
上述したように、一実施形態において、基板の研磨中に、アーム13を旋回させて、基板保持ヘッド1を研磨パッド2上で揺動させてもよい。図8は、研磨テーブル3が回転しており、基板保持ヘッド1が揺動しながら回転している状態において、研磨テーブル3と基板保持ヘッド1に保持された基板Wとの位置関係を模式的に示す図であり、ある一定の露光時間における基板W上の測定領域100(照射領域)が示されている。基板の研磨中に基板保持ヘッド1を研磨パッド2上で揺動させる場合、基板Wの中心が露光時間の間に移動することになる。そこで、アーム13による、基板保持ヘッド1の揺動を考慮して、露光時間を補正するようにしてもよい。なお、アーム13による、基板保持ヘッド1の揺動速度は、制御装置9により制御することができる。
【0058】
基板保持ヘッド1を揺動させる場合、研磨テーブル3の回転方向と基板保持ヘッド1の揺動方向の関係で測定領域100が変化することになる。基板保持ヘッド1の揺動方向が研磨テーブル3の回転方向と同一方向の場合、露光時間中における光学センサヘッド7の相対的な移動距離が減少し、測定領域100が小さくなるので、露光時間が長くなるように補正する。逆に、基板保持ヘッド1の揺動方向が研磨テーブル3の回転方向と逆方向の場合、露光時間中における光学センサヘッド7の相対的な移動距離が大きくなり、測定領域100が大きくなるので、露光時間が短くなるように補正する。
【0059】
上述のように、本開示によれば、光学的表面監視システムを用いて基板の表面状態を監視する場合において、露光時間中における光の照射領域の移動を考慮して、測定領域100が一定になるように露光時間を補正することができる。そのため、測定領域100の面積が変化することにより測定精度の影響を除去ないし緩和することができる。特に、光学的表面監視システムの光源として露光時間が長くなりやすいCW光源を使用する場合により有効である。
【0060】
なお、上述の実施形態の説明においては、測定領域100が一定の面積となるように露光時間を補正するものとして説明しているが、補正により測定領域100が完全に一定の面積とならなくともよい。全く補正しない場合に比べて、各種の研磨条件における測定領域100の面積の変化が小さくなるように補正すれば、測定領域100の面積が変化する
ことにより測定精度の影響を緩和することができるからである。
【0061】
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【0062】
上述の実施形態から少なくとも以下の技術的思想が把握される。
[形態1]形態1によれば、基板研磨装置が提供され、かかる基板研磨装置は、研磨テーブルと、前記研磨テーブルを回転させるためのモータと、基板を保持するように構成されている基板保持ヘッドと、光源と、研磨テーブルの内部に配置されている光学ヘッドであって、前記CW光源からの光を基板保持ヘッドに保持された基板に向けて投光するように配置されている投光口と、前記基板保持ヘッドに保持された基板から反射された光を受光するように配置されている受光口と、を備える、光学ヘッドと、前記受光口で受光した光を検出するための光検出器と、前記光検出器に光が取り込まれる露光時間を制御するためのシャッターと、基板の研磨条件に基づいて前記露光時間を変更するように前記シャッターの動作を制御するための制御装置と、を有する。
【0063】
[形態2]形態2によれば、形態1による基板研磨装置において、前記制御装置は、前記投光口から基板上に投光された光により基板が照射される面積が実質的に一定となるように前記露光時間を決定する。
【0064】
[形態3]形態3によれば、形態1または形態2による基板研磨装置において、前記露光時間は、前記研磨テーブルの回転速度に基づいて決定される。
【0065】
[形態4]形態4によれば、形態1から形態3のいずれか1つの形態による基板研磨装置において、前記露光時間は、前記研磨テーブルの回転中心から前記光学ヘッドまでの距離に基づいて決定される。
【0066】
[形態5]形態5によれば、形態1から形態4のいずれか1つの形態による基板研磨装置において、前記基板保持ヘッドを回転させるための第2モータを有し、前記露光時間は、前記基板保持ヘッドの回転速度に基づいて決定される。
【0067】
[形態6]形態6によれば、形態1から形態5のいずれか1つの形態による基板研磨装置において、前記基板保持ヘッドを、前記研磨テーブルの平面に平行な方向に移動させるためのアームを有し、前記露光時間は、前記基板保持ヘッドの前記アームによる平行移動速度に基づいて決定される。
【0068】
[形態7]形態7によれば、形態1による基板研磨装置において、前記基板保持ヘッドを回転させるための第2モータと、前記基板保持ヘッドを、前記研磨テーブルの平面に平行な方向に移動させるための平行移動機構と、を有し、前記露光時間は、(1)前記研磨テーブルの回転速度、(2)前記研磨テーブルの回転中心から前記光学ヘッドまでの距離、(3)前記基板保持ヘッドの回転速度、および、(4)前記基板保持ヘッドの、前記アームによる平行移動速度、に基づいて決定される。
【0069】
[形態8]形態8によれば、形態1から形態7のいずれか1つの形態による基板研磨装置において、前記光源は、連続発光光源である。
【符号の説明】
【0070】
1…基板保持ヘッド
2…研磨パッド
3…研磨テーブル
5…スラリー供給ノズル
7…光学センサヘッド
9…制御装置
11…ロータリーエンコーダ
13…アーム
14…ロータリーエンコーダ
15…支柱
25…トリガセンサ
40…光学的表面監視システム
44…CW光源
47…分光器
48…光検出器
100…測定領域
31a…投光口
32a…受光口
W…基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8