(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093771
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20240702BHJP
A01K 1/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A01K29/00 A
A01K1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210345
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100214215
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼梨 航
(72)【発明者】
【氏名】北浦 武明
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】田村 駿人
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA01
2B101BB01
2B101BB03
2B101BB07
2B101BB09
(57)【要約】
【課題】対象動物の育成をより適正に行うことを可能にすること。
【解決手段】判定の対象となる動物である対象動物に関する情報又は前記対象動物が飼育される領域である飼育領域の環境に関する情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記飼育領域の環境を制御する装置である環境制御装置に対する制御情報を取得し、前記環境制御装置に前記制御情報を送信する環境制御部と、を備える情報処理システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
判定の対象となる動物である対象動物に関する情報又は前記対象動物が飼育される領域である飼育領域の環境に関する情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記飼育領域の環境を制御する装置である環境制御装置に対する制御情報を取得し、前記環境制御装置に前記制御情報を送信する環境制御部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
コンピューターが、判定の対象となる動物である対象動物に関する情報又は前記対象動物が飼育される領域である飼育領域の環境に関する情報を収集する情報収集ステップと、
コンピューターが、前記情報収集ステップにおいて取得された情報に基づいて、前記飼育領域の環境を制御する装置である環境制御装置に対する制御情報を取得し、前記環境制御装置に前記制御情報を送信する環境制御ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項3】
判定の対象となる動物である対象動物に関する情報又は前記対象動物が飼育される領域である飼育領域の環境に関する情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記飼育領域の環境を制御する装置である環境制御装置に対する制御情報を取得し、前記環境制御装置に前記制御情報を送信する環境制御部と、を備える情報処理システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の領域における動物の状態を改善するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飼育対象の動物(以下「対象動物」という。)を適正に育成するためのシステムが提案されている。例えば特許文献1には、動物を育成する所定期間の潮汐の変動を求めることによって、適切な給餌タイミングを判定する育成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、必ずしも給餌のタイミング制御のみによって対象動物の育成を適正に行うことが可能になるわけではない。対象動物の育成をどのように適正に行うかについては、さらなる改善について要求がある。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、対象動物の育成をより適正に行うことが可能となる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、判定の対象となる動物である対象動物に関する情報又は前記対象動物が飼育される領域である飼育領域の環境に関する情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記飼育領域の環境を制御する装置である環境制御装置に対する制御情報を取得し、前記環境制御装置に前記制御情報を送信する環境制御部と、を備える情報処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、対象動物の育成をより適正に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の支援システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】対象端末装置10の機能構成の具体例を示す図である。
【
図3】支援装置40の機能構成例を示す概略ブロック図である。
【
図4】支援システム100の実装例を示す図である。
【
図5】支援システム100の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図6】支援システム100の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図7】モデル構築装置60の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図8】本実施形態に適用される情報処理装置70のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の支援システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。なお、本実施形態において『ユーザー』とは、支援システム100の一部又は全部を使用する者を指し、特定の契約を交わした者や特定の条件を満たした者に限定されるものではない。
【0010】
支援システム100は、複数の対象端末装置10、無線通信機器20、給水器21、計測機器23、カメラ25、環境制御装置26、環境センサー27、ゲートウェイ30、支援装置40及びユーザー端末装置50を備える。支援システム100は、さらにモデル構築装置60を備えてもよい。給水器21は無線通信機器22を備える。計測機器23は無線通信機器24を備える。対象端末装置10と無線通信機器20とは、無線通信を行うことによってデータを送受信する。この無線通信は、例えば短距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標))であってもよいし、無線LAN(Local Area Network)であってもよいし、Wi-Fiであってもよいし、LPWA(Low Power, Wide Area)であってもよい。無線通信機器20とゲートウェイ30とは、通信を行うことによってデータを送受信する。無線通信機器20とゲートウェイ30との間で行われる通信は、無線通信であってもよいし有線通信であってもよい。
【0011】
対象端末装置10と無線通信機器22とは、無線通信を行うことによってデータを送受信する。対象端末装置10と無線通信機器22とが行う無線通信は、短距離でのみ通信が可能な無線通信規格を用いて実装されることが望ましい。例えば、無線通信機器22の通信距離は、自装置が備えられた給水器21において水を飲んでいる対象動物の対象端末装置10とのみ無線通信が可能となるように、給水器21の構造等に基づいて実装される。このような無線通信機器22は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)等のNFC(Near field communication)の技術を適用することによって実装されてもよい。このように構成されることによって、給水器21において水を飲んだ対象動物や、その対象動物が飲んだ水の量(例えば通信が継続された時間の長さに比例)を推定することが可能である。
【0012】
対象端末装置10と無線通信機器24とは、無線通信を行うことによってデータを送受信する。対象端末装置10と無線通信機器24とが行う無線通信は、短距離でのみ通信が可能な無線通信規格を用いて実装されることが望ましい。例えば、無線通信機器24の通信距離は、自装置が備えられた計測機器23において計測が行われている対象動物の対象端末装置10とのみ無線通信が可能となるように、計測機器23の構造等に基づいて実装される。このような無線通信機器24は、例えばRFID等のNFCの技術を適用することによって実装されてもよい。このように構成されることによって、計測機器23において計測の対象となった対象動物を推定することが可能である。
【0013】
ゲートウェイ30、支援装置40及びユーザー端末装置50は、ネットワーク90を介して通信する。モデル構築装置60も、ネットワーク90を介して支援装置40と通信してもよい。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0014】
図2は、対象端末装置10の機能構成の具体例を示す図である。対象端末装置10は、通信可能な情報機器を用いて構成される。対象端末装置10は、例えばシングルボードコンピューター等の小型の情報機器を用いて構成されてもよい。対象端末装置10は、飼育対象の動物(対象動物)に装着される。対象端末装置10は、例えば首輪の形状の装置として構成されてもよいし、頭部、肢、胴体又は尾等の身体の部位に装着される装置として構成されてもよい。対象動物が鳥類である場合には、羽やくちばしに装着される装置として構成されてもよい。対象端末装置10は、通信部11、センサー12、記憶部13及び制御部14を備える。
【0015】
第一通信部111は、通信インターフェースを用いて構成される。第一通信部111は、無線通信で無線通信機器20に接続し、無線通信機器20との間でデータ通信する。このとき、第一通信部111は、識別情報記憶部131に記憶されている端末識別情報とセンサー情報とを送信する。
【0016】
第二通信部112は、通信インターフェースを用いて構成される。第二通信部112は、無線通信機器22や無線通信機器24との間で無線通信する。このとき、第二通信部112は、識別情報記憶部131に記憶されている端末識別情報を送信する。
【0017】
センサー12は、対象端末装置10が装着されている対象動物の生体情報及び動作情報のいずれか一方又は双方を取得する。生体情報は、対象動物の体に関する情報であり、例えば脈拍、心拍、体温、血圧等の情報を含む。動作情報は、対象動物の動作に関する情報である。センサー12は、例えば加速度センサー等のように動作(動き)を検出可能な装置であってもよい。この場合、センサー12は、対象動物の動きに関する情報を時系列で取得してもよい。例えば、センサー12が対象動物の特定部位に位置するように取り付けられている場合、センサー12は対象動物の特定部位の運動に関する情報を時系列で取得することができる。例えば、センサー12が対象動物の頭部又は首に位置するように取り付けられている場合、センサー12は対象動物の首の上下運動に関する情報を時系列で取得することができる。例えば、センサー12が対象動物の鼻に位置するように取り付けられている場合、センサー12は対象動物の鼻の運動に関する情報を時系列で取得することができる。
【0018】
また、センサー12が対象動物の歩数を取得するための適切な部位(人間であれば手首や腰など)に位置するように取り付けられている場合、センサー12は対象動物の歩数に関する情報を取得することができる。センサー12は、歩数に関する情報と対象動物の歩幅に関する情報とに基づいて、対象動物の移動に関する情報(例えば移動距離)を取得してもよい。センサー12は、対象動物の身体の動きを示す時系列情報を取得することによって、対象動物の運動の量の所定期間における積算値(以下「積算運動量」という。)を取得しても良い。センサー12は、対象動物の所定の上下の動きを検出し、そのような動きをした回数や時間を取得してもよい。センサー12は、対象動物が動かないまま継続した時間を取得してもよい。
【0019】
センサー12は、例えば脈拍センサーや心拍センサーや体温センサー等のように生体情報を取得可能な装置であってもよい。センサー12は、対象動物の温度を示す時系列情報を取得することによって、対象動物の温度の所定期間における蓄積値(以下「蓄積温度」という。)を取得しても良い。センサー12は、取得された情報を制御部14に出力する。センサー12は、さらに位置情報を取得するように構成されてもよい。この場合、センサー12は、例えばGPS(Global Positioning System)等の位置取得技術を用いて構成されてもよい。なお、センサー12が位置情報を取得するように構成するか、位置情報を取得しないように構成するかは、例えば対象端末装置10に備えられるバッテリーの性能や充電のタイミング等に基づいて支援システム100の設計者や使用者によって適宜決定されてもよい。
【0020】
記憶部13は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部13は、制御部14によって使用されるデータを記憶する。記憶部13に記憶されているデータは、制御部14によって読み出される。記憶部13は、例えば識別情報記憶部131及びセンサー情報記憶部132として機能する。
【0021】
識別情報記憶部131は、自装置(対象端末装置10)に予め割り当てられている端末識別情報を記憶する。端末識別情報は、他の対象端末装置10に記憶されている端末識別情報と重複しない値が付与されていることが望ましい。このように、対象端末装置10毎に異なる端末識別情報が記憶されていることで、端末識別情報を用いて個々の対象端末装置10を区別することが可能となる。センサー情報記憶部132は、自装置に備えられるセンサー12から出力される情報を記憶する。
【0022】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部14は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、記録制御部141及び通信制御部142として機能する。なお、制御部14の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0023】
記録制御部141は、センサー12から出力された情報をセンサー情報記憶部132に記録する。記録制御部141は、例えば所定のタイミングで記録を行ってもよい。例えば、所定のタイミング(第一タイミング)が到来する度に、その時点でセンサー12から出力された情報に基づいてセンサー情報をセンサー情報記憶部132に記録してもよい。この場合、記録制御部141は、例えば一つ前のタイミングから次のタイミングまでの間にセンサー12から出力された情報を一時的に記録しておき、その間に得られた情報の統計情報をセンサー情報としてセンサー情報記憶部132に記録してもよい。
【0024】
通信制御部142は、センサー情報記憶部132に記録されている情報(センサー情報)を自装置の端末識別情報とともに第一通信部111から無線通信機器20を介して支援装置40に送信する。通信制御部142は、自装置の端末識別情報を第二通信部112から無線通信機器22や無線通信機器24に送信する。通信制御部142は、例えば所定のタイミングで送信を行ってもよい。例えば、所定のタイミング(第二タイミング)が到来する度に、その時点でセンサー情報記憶部132に記録されている情報を送信してもよい。このとき、通信制御部142は、過去にまだ送信されていないセンサー情報のみを送信してもよい。第二タイミングは、第一タイミングの2倍よりも長い時間として設定されてもよい。この場合、通信制御部142は、1回の送信タイミングで複数のセンサー情報を送信してもよい。通信制御部142は、送信されたセンサー情報をセンサー情報記憶部132から削除してもよい。
【0025】
無線通信機器20は、無線通信を行う通信機器である。無線通信機器20は、対象端末装置10と無線通信可能であればどのような態様で実装されてもよい。無線通信機器20は、ゲートウェイ30を介して支援装置40等の他の装置とデータ通信する。
【0026】
給水器21は、対象動物に対して水を供給する器具である。給水器21には、例えば対象動物が水を飲むための領域が設けられており、その領域の水が減ると水を追加するように構成されてもよい。このような水の追加は、構造的な機構を用いて実現されてもよいし、電気的に動作するアクチュエーター等の電動機器を用いて実現されてもよい。給水器21が対象動物に対してどのように水を供給するかについては、既存のどのような技術が適用されてもよい。
【0027】
給水器21には無線通信機器22が設けられている。無線通信機器22は、上述したような無線通信を行うことによって、給水器21を用いて水を飲んでいる対象動物の対象端末装置10とのみ無線通信を行うことができるように構成されることが望ましい。
【0028】
給水器21には、例えばシングルボードコンピューター等の小型の情報機器が設けられる。給水器21の情報機器は、無線通信機器22と対象端末装置10との間で行われた無線通信の履歴を示す情報(以下「給水履歴情報」という。)を記憶装置に記録する。例えば、給水器21の情報機器は、無線通信機器22と無線通信を行った対象端末装置10の端末識別情報と、その端末識別情報と無線通信を行った期間を示す情報と、を対応づけて給水履歴情報として記憶装置に記録してもよい。無線通信が行われた期間を、対象端末装置10を装着した対象動物が水を飲んでいた時間として推定することができる。また、無線通信が行われた期間の長さに基づいて、対象端末装置10を装着した対象動物が水を飲んだ量を推定することができる。給水器21には、貯留されている水の量を計量する計量機器が設けられてもよい。この場合、計量機器の計量結果に基づいて減った水の量を判定し、無線通信が行われた対象端末装置10を装着した対象動物が飲んだ水の量として推定されてもよい。このような推定結果が給水履歴情報に含まれても良い。このような推定は、給水器21の情報機器によって行われても良いし、支援装置40によって行われても良い。このような給水履歴情報は、給水器21の情報機器は、所定のタイミングで、給水器21に備えられた通信装置を用いて、記憶装置に記録されている給水履歴情報を支援装置40に送信する。このような送信は、例えばゲートウェイ30を介して行われてもよい。
【0029】
計測機器23は、対象動物の身体に関する情報を計測する。計測機器23は、例えば対象動物の体重を計測してもよい。計測機器23は、例えば対象動物の血圧を計測してもよい。計測機器23は、対象動物の身体について他の情報を計測してもよい。
【0030】
計測機器23には無線通信機器24が設けられている。無線通信機器24は、上述したような無線通信を行うことによって、計測機器23を用いて計測が行われた対象動物の対象端末装置10とのみ無線通信を行うことができるように構成されることが望ましい。
【0031】
計測機器23には、例えばシングルボードコンピューター等の小型の情報機器が設けられる。計測機器23の情報機器は、無線通信機器24と対象端末装置10との間で行われた無線通信の履歴を示す情報(以下「計測履歴情報」という。)を記憶装置に記録する。例えば、計測機器23の情報機器は、無線通信機器24と無線通信を行った対象端末装置10の端末識別情報と、その無線通信が行われたタイミングで計測された計測結果を示す情報と、を対応づけて計測履歴情報として記憶装置に記録してもよい。計測機器23の情報機器は、所定のタイミングで、計測機器23に備えられた通信装置を用いて、記憶装置に記録されている計測履歴情報を支援装置40に送信する。このような送信は、例えばゲートウェイ30を介して行われてもよい。
【0032】
カメラ25は、対象動物を撮像可能な位置に設置され、対象動物の動画像を撮像する。なお、カメラ25は、短い間隔で静止画像を繰り返し撮像することによって擬似的に動画像を撮像するように構成されてもよい。カメラ25は、情報機器を備えてもよい。この場合、カメラ25の情報機器は、撮像された画像において画像解析処理を実行してもよい。画像解析処理の具体例として、画像の中から対象動物を検出する処理がある。このような処理は、例えば対象動物と正解ラベルとを含む教師データを用いて学習処理を行うことによって得られた学習済みモデルを用いて実行されてもよいし、パターンマッチングを用いて実行されてもよいし、他の態様で実行されてもよい。
【0033】
画像解析処理の具体例として、検出された対象動物の所定の動作を検出する処理がある。所定の動作として、例えば首を上下運動させる動作や、鼻を運動させる動作などがある。画像解析処理によって、これらの運動が実行された時間の長さや、運動の回数や運動の大きさが検出されてもよい。運動の大きさは、例えば首の先端(頭部)や鼻の先端が1回の運動で移動した距離の長さや、この距離の長さの累積値や平均値を用いて表されても良い。所定の動作として、一定の場所に止まっている動作がある。画像解析処理によって、一定の場所に止まっている継続時間が得られても良い。画像解析処理によって、対象動物の身体について測定が行われてもよい。例えば、対象動物の体長や幅が測定されてもよいし、成長状態の程度(が判定されてもよいし、体重が推定されてもよい。
【0034】
画像解析処理によって、検出された各対象動物の個体が判定されてもよい。言い換えると、画像解析処理によって、検出された各対象動物に関する端末識別情報又は管理識別情報が判定されてもよい。このような判定は、例えば画像中の対象端末装置10の表面に表示された識別情報(例えば文字や画像やバーコード等)に基づいて判定されてもよいし、画像中の対象動物の表面に表示された識別情報(例えば文字や画像やバーコード等)に基づいて判定されてもよい。また、このような判定は、例えば対象動物に関する画像(例えば顔の画像、模様の画像、シルエットの画像等)に基づいて行われても良い。このような判定は、例えば各対象動物に関する画像を用いた学習処理によって得られる学習済みモデルを用いて行われても良い。
【0035】
カメラ25は、画像解析処理によって得られた各対象動物の識別情報と、各対象動物の動作に関する情報とを対応づけて画像履歴情報として記憶装置に記録してもよい。カメラ25は、温度を測定可能なカメラ(サーモカメラ)を用いて構成されてもよい。この場合、カメラ25によって得られる画像に対して画像解析処理を行うことで、対象動物の温度を測定することが可能となる。カメラ25は、画像解析処理によって得られた各対象動物の識別情報と、各対象動物の温度に関する情報と、を対応づけて画像履歴情報として記憶装置に記録してもよい。例えば、カメラ25の情報機器は、所定のタイミングで、カメラ25に備えられた通信装置を用いて、記憶装置に記録されている画像履歴情報を支援装置40に送信する。このような送信は、例えばゲートウェイ30を介して行われてもよい。
【0036】
環境制御装置26は、対象動物が存在する領域(以下「飼育領域」という。)の環境を制御する装置である。環境制御装置26は、例えば飼育領域の温度、湿度、酸素濃度、二酸化炭素濃度、静けさ、香り、明るさ、視覚情報のいずれか一つ又は複数(全てでもよい)を制御する。環境制御装置26は、例えばヒーター装置、暖房装置、冷房装置、空調、加湿器、除湿器、換気システム、酸素ガス発生装置、二酸化炭素除去装置、ノイズキャンセリングスピーカー、音響出力装置、脱臭装置、芳香発生装置、照明機器、画像表示装置、プロジェクター等の装置の一つ又は複数を用いて構成されてもよい。
【0037】
ヒーター装置は、例えば飼育領域の上方に位置する部材(例えば天井)から地面に向けて吊された装置であってもよい。この場合、ヒーター装置は、加熱部と地面との間の距離を可変させる可動部を有してもよい。この場合、モーターやアクチュエーターが制御されることによって可動部が移動し、加熱部と地面との間の距離が制御されてもよい。
【0038】
暖房装置は、設定温度や強さを変更することによって、出力する熱の量や熱風の量が制御されてもよい。冷房装置は、設定温度や強さを変更することによって、出力する冷気の量や冷風の量が制御されてもよい。空調装置は、上述した暖房装置や冷房装置として動作することができる。ヒーター装置、暖房装置、冷房装置、空調装置を制御することによって、飼育領域の温度を変化させることが可能となる。特にヒーター装置の加熱部と地面との間の距離が制御されることによって、加熱部を対象動物の高さに近づけて配置することが可能となり、単に飼育領域の温度を上げる場合に比べてより短時間で対象動物の体温を上げることが可能となる。特に、対象動物が雛などの小さい時期は、ヒーター装置を下げて対象動物の近くに配置することによって、より効率的に対象動物を暖めることが可能となる。
【0039】
加湿器は、設定湿度や強さを変更することによって、出力される水分の量が制御されてもよい。除湿器は、設定湿度や強さを変更することによって、除去する湿度の量や程度が制御されてもよい。空調装置は、上述した加湿器や除湿器として動作することができる。加湿器、除湿器、空調装置を制御することによって、飼育領域の湿度を変化させることが可能となる。
【0040】
換気システムは、飼育領域における空気を他の領域に放出し、他の領域における空気を飼育領域に取り込むことで換気を行う。換気システムは、設定を変更することによって単位時間当たりに換気される空気の量が制御され、飼育領域における空気の状態(例えば酸素濃度、二酸化炭素濃度、匂い、湿度など)が制御されてもよい。
【0041】
酸素ガス発生装置は、酸素を発生させて飼育領域に酸素を放出する。酸素ガス発生装置は、設定を変更することによって放出する酸素の量が制御され、飼育領域における酸素濃度が制御されてもよい。二酸化炭素除去装置は、飼育領域における二酸化炭素を除去する。二酸化炭素除去装置は、設定を変更することによって除去する二酸化炭素の量が制御され、飼育領域における二酸化炭素濃度が制御されてもよい。ノイズキャンセリングスピーカーは、飼育領域における雑音を軽減する装置である。ノイズキャンセリングスピーカーの動作を制御することによって、飼育領域における雑音を軽減することが可能となる。音響出力装置は、所定の音響を出力する。音響出力装置は、例えば制御に応じて特定の環境音(例えば特定の動物の鳴き声や、風が吹く音、波の音、川が流れる音、草が揺れる音、ホワイトノイズ等)を出力してもよい。音響出力装置は、例えば制御に応じて特定の音楽(例えばジャズやクラシックなど)を出力してもよい。音響出力装置が出力する音量は制御されてもよい。
【0042】
脱臭装置は、飼育領域における臭いを軽減する。脱臭装置の脱臭処理の稼働量は制御されてもよい。芳香発生装置は、制御に応じて特定の匂い(例えば特定の動物の匂いや、動物の分泌物の匂いや、草の匂いや木の匂いなど)を発生させる。照明機器は、制御に応じて発光の強度を変更することによって、飼育領域の空間の明るさを制御する。画像表示装置は、画面や所定の空間に制御に応じた映像(例えば特定の動物の映像や風景の映像)を出力する。プロジェクターは、所定の壁面や物体の表面に、制御に応じた映像(例えば特定の動物の映像や風景の映像)を投影する。
【0043】
環境センサー27は、対象動物が存在する領域(飼育領域)の環境に関する情報を取得するセンサーである。環境センサー27は、例えば飼育領域の温度、湿度、酸素濃度、二酸化炭素濃度、ノイズレベル、香り、明るさのいずれか一つ又は複数(全てでもよい)に関する情報を取得する。環境センサー27は、取得された情報(環境センサー情報)を自装置のセンサー識別情報とともに支援装置40に送信する。例えば、複数の飼育領域が存在する場合や、一つの飼育領域に複数の環境センサー27が設置されている場合には、センサー識別情報に基づいてどの飼育領域のどの位置にある環境センサー27の情報であるかについて支援装置40において判定することが可能である。
【0044】
ゲートウェイ30は、ネットワーク90を介して支援装置40と通信する。ゲートウェイ30は、例えばSIMカードを備えることによって携帯通信網を経由してネットワーク90に接続してもよい。ゲートウェイ30は、例えば無線LAN(Local Area Network)の通信を行うことによってネットワーク90に接続されてもよい。ゲートウェイ30がネットワーク90に接続する手段は限定される必要は無い。
【0045】
支援装置40は、情報処理装置を用いて構成される。支援装置40は、パーソナルコンピューターやサーバー等の情報処理装置を用いて構成される。
図3は、支援装置40の機能構成例を示す概略ブロック図である。支援装置40は、通信部41、記憶部42及び制御部43を備える。
【0046】
通信部41は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部41は、ネットワーク90を介して他の機器(例えば無線通信機器20やゲートウェイ30やモデル構築装置60)とデータ通信する。
【0047】
記憶部42は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部42は、対象動物情報記憶部421、端末識別情報記憶部422、収集情報記憶部423、状態判定モデル記憶部424、状態情報記憶部425及び制御情報記憶部426として機能する。
【0048】
対象動物情報記憶部421は、対象動物に関する情報(以下「対象動物情報」という。)を記憶する。例えば、対象動物情報記憶部421は、対象動物の識別情報と、対象動物の属性を示す情報とを対応づけて記憶しても良い。対象動物の識別情報は、例えば端末識別情報であってもよいし、後述する管理識別情報であってもよいし、他の識別情報であってもよい。属性を示す情報には、例えば対象動物の生まれた年、性別、親、子などの情報、産卵実績の情報(例えば産卵数や有精率等)が含まれても良い。
【0049】
端末識別情報記憶部422は、各対象端末装置10に割り当てられている端末識別情報を記憶する。端末識別情報記憶部422は、対象端末装置10が装着されている対象動物に割り当てられている他の識別情報(以下「管理識別情報」という。)をさらに記憶してもよい。この場合、端末識別情報記憶部422は、ある対象動物の管理識別情報と、その動物に装着されている対象端末装置10の端末識別情報と、を対応付けて記憶してもよい。管理識別情報は、例えば対象動物が装着している他の装置において用いられている識別情報であってもよい。例えば、対象動物の生体情報を取得する装置(例えばバイタルセンサー)や、対象動物の動きを示す情報を取得する装置(例えばジャイロセンサー)を含む機器に対して割り当てられている識別情報が管理識別情報として使用されてもよい。
【0050】
このように、対象端末装置10とは異なる装置によって対象動物の生体情報が取得されている場合には、センサー12は対象動物の生体情報を取得しないように構成されてもよい。また、対象端末装置10とは異なる装置によって対象動物の動きを示す情報が取得されている場合には、センサー12は対象動物の動きを示す情報を取得しないように構成されてもよい。このように構成されることによって、対象端末装置10の装置構成をより小さく低いコストで実現することが可能となる。この場合は、支援装置40は、対象端末装置10とは異なる各装置から通信等の手段によって動きを示す情報や生体情報を取得する。
【0051】
収集情報記憶部423は、制御部43の情報収集部431によって取得される情報を記憶する。収集情報記憶部423は、例えば対象端末装置10から受信された情報(例えばセンサー情報と端末識別情報とを対応づけた情報)を記憶する。収集情報記憶部423は、例えば給水器21から受信された情報(給水履歴情報)を記憶してもよい。収集情報記憶部423は、例えば計測機器23から受信された情報(計測履歴情報)を記憶してもよい。収集情報記憶部423は、例えばカメラ25から受信された情報(画像履歴情報)を記憶してもよい。収集情報記憶部423は、例えば対象端末装置10から受信された情報を加工することによって得られる情報を記憶してもよい。例えば、対象動物(例えば雛)の温度と、その温度で存在した時間と、を積算することによって得られる蓄積温度を記憶してもよい。なお、対象端末装置10から蓄積温度の値が得られる場合には、加工することなくそのままその値が記憶されてもよい。収集情報記憶部423は、例えば環境センサー27から受信された情報(例えば環境センサー情報とセンサー識別情報とを対応づけた情報)を記憶する。
【0052】
状態判定モデル記憶部424は、対象動物の状態を判定するために使用される情報(以下「状態判定モデル」という。)を記憶する。状態判定モデルは、例えば他の装置において既知データを用いたモデル構築処理によって得られてもよい。状態判定モデルは、例えば正解ラベルを有する複数の既知データ(教師データ)を用いて教師あり学習を行うことによって得られる学習済モデルを示す情報であってもよいし、収集情報記憶部423に記憶される情報の一つ又は複数と判定結果の状態を示す情報とを対応づけたルックアップテーブルを示す情報であってもよいし、他の情報であってもよい。このような状態判定モデルは、例えば後述するモデル構築装置によって生成されてもよい。制御部43は、状態判定モデル記憶部424に記憶される状態判定モデルを用いることによって、対象動物の状態を判定する。対象動物の状態は、例えば対象動物の健康状態のことであってもよい。健康状態は、例えば物理的な体調面での健康状態であってもよいし、精神面での健康状態であってもよいし、その両方を含むものであってもよい。
【0053】
状態判定モデルは、例えば、対象動物の状態を、複数の分類(例えば、「優良」、「普通」、「要観察」、「要隔離」、「要緊急対応」等の分類)のうちどの分類に属するかを判定するためのモデルであってもよい。状態判定モデルは、例えば対象動物の状態を示すスコア(例えば高いほど良い状態であり低いほど悪い状態であることを示すスコア)を判定するためのモデルであってもよい。状態判定モデルは、例えば対象動物の種別、年齢、性別のいずれか一つ又は複数の属性毎に記憶されてもよい。年齢の具体例としては、生後~1ヶ月、1~3ヶ月、3~6ヶ月、6ヶ月以上のように分類されてもよい。この場合、状態判定部432による判定は、判定対象となっている対象動物の属性に応じた判定モデルを使用して実行されてもよい。対象動物の属性は、例えば対象動物情報記憶部421に記憶されている情報に基づいて取得されてもよい。状態判定モデルは、対象動物の実際の飼育の状況に応じて更新されてもよい。例えば、対象動物を飼育領域において飼育して新たに得られたデータに基づいて、対象動物に関する情報(動作に関する情報や生体に関する情報等)と、そのような情報に係る対象動物の実際の生存率との相関関係を数式等でモデル化し、モデル化された情報に基づいて状態判定モデルが更新されてもよい。このような処理は、後述するモデル構築装置60によって実行されてもよい。
【0054】
状態情報記憶部425は、制御部43によって状態判定が行われた結果を示す情報(以下「状態情報」という。)を記憶する。状態情報記憶部425は、例えば各対象動物を示す識別情報と、その対象動物の状態を示す判定結果と、を対応づけて記憶してもよい。対象動物を示す識別情報には、端末識別情報が用いられても良いし、管理識別情報が用いられても良いし、他の識別情報が用いられても良い。状態情報記憶部425は、例えば状態が良いことを示す所定の条件を満たした対象動物の血縁者(例えば親又は子)の識別情報と、状態が良い対象動物の血縁者(例えば親又は子)であることを示す情報と、を対応づけて記憶しても良い。状態情報記憶部425は、例えば状態が悪いことを示す所定の条件を満たした対象動物の血縁者(例えば親又は子)の識別情報と、状態が悪い対象動物の血縁者(例えば親又は子)であることを示す情報と、を対応づけて記憶しても良い。
【0055】
制御情報記憶部426は、環境制御条件と制御情報とを対応づけて記憶する。環境制御条件が満たされると、その環境制御条件に対応する制御情報に応じた制御が実行される。この制御は、対象動物の状態がより好ましい状態になるように予め定義された内容の制御である。環境制御条件は、測定情報又は状態情報の条件として定義されてもよい。測定情報は、対象動物に関して測定された情報である。例えば、対象端末装置10のセンサー12、給水機器21、計測機器23及びカメラ25のいずれか一つ又は複数によって得られる情報である。状態情報は、測定情報に基づいて対象動物の状態を判定することによって得られる情報である。制御情報は、対応づけられた状態情報が判定結果として得られた場合に、対象動物の状態の改善を目的として環境制御装置26を制御するための情報である。
【0056】
例えば、対象動物(例えば雛)の温度と、その温度で存在した時間と、を積算することによって得られる蓄積温度を測定情報として、温度を調整する機器(ヒーター装置、暖房装置、冷房装置、空調)を制御する制御情報と対応づけて記録されていてもよい。より具体的には、積算温度が適切な量よりも少ない場合には、対象動物の体温をより高めるように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録される。積算温度が適切な量よりも多い場合には、対象動物の体温をより下げるように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録される。
【0057】
例えば、対象動物の特定の部位(例えばダチョウやエミューの首)の特定の動き(例えば上下動)の運動量と、温度を調整する機器(ヒーター装置、暖房装置、冷房装置、空調装置)を制御する制御情報とが対応づけて記録されていてもよい。このとき、制御情報として、ヒーター装置の加熱部の地面との間の距離が記録されていてもよい。より具体的には運動量が予め定められた適切な量よりも少ない場合には、対象動物の体温をより高めるように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録される。運動量と飼育領域の温度とに対応づけて制御情報が登録されてもよい。例えば運動量が少なく飼育領域の温度が低い場合には、対象動物の体温をより高めるように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録されてもよい。例えば運動量が少なく飼育領域の温度が高い場合には、対象動物の体温をより下げるように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録されてもよい。
【0058】
例えば、対象動物の特定の部位(例えばダチョウやエミューの首)の特定の動き(例えば上下動)の運動量と、湿度を調整する機器(加湿装置、除湿装置、空調装置)を制御する制御情報とが対応づけて記録されていてもよい。この場合、運動量が予め定められた適切な量よりも少ない場合には、より快適な値として定義された値に湿度が近づくように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録される。
【0059】
例えば、対象動物の特定の部位(例えばダチョウやエミューの首)の特定の動き(例えば上下動)の運動量と、酸素濃度又は二酸化炭素濃度を調整する機器(酸素ガス発生装置、二酸化炭素除去装置、換気システム)を制御する制御情報とが対応づけて記録されていてもよい。この場合、運動量が予め定められた適切な量よりも少ない場合には、より適切な値として定義された値に酸素濃度又は二酸化炭素濃度が近づくように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録される。
【0060】
例えば、対象動物の所定時間内の移動距離と、温度を調整する機器(ヒーター装置、暖房装置、冷房装置、空調装置)を制御する制御情報とが対応づけて記録されていてもよい。このとき、制御情報として、ヒーター装置の加熱部の地面との間の距離が記録されていてもよい。より具体的には所定時間内の移動距離が予め定められた適切な量よりも少ない場合には、対象動物の体温をより高めるように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録される。所定時間内の移動距離と飼育領域の温度とに対応づけて制御情報が登録されてもよい。例えば所定時間内の移動距離が少なく飼育領域の温度が低い場合には、対象動物の体温をより高めるように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録されてもよい。例えば所定時間内の移動距離が少なく飼育領域の温度が高い場合には、対象動物の体温をより下げるように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録されてもよい。
【0061】
例えば、対象動物の所定時間内の移動距離と、湿度を調整する機器(加湿装置、除湿装置、空調装置)を制御する制御情報とが対応づけて記録されていてもよい。この場合、所定時間内の移動距離が予め定められた適切な量よりも少ない場合には、その時点の飼育領域の湿度がより快適な値として定義された値に近づくように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録される。
【0062】
例えば、所定時間内の移動距離と、酸素濃度又は二酸化炭素濃度を調整する機器(酸素ガス発生装置、二酸化炭素除去装置、換気システム)を制御する制御情報とが対応づけて記録されていてもよい。この場合、所定時間内の移動距離が予め定められた適切な量よりも少ない場合には、その時点の飼育領域の酸素濃度又は二酸化炭素濃度がより適切な値として定義された値に近づくように環境制御装置26を動作させるための制御情報が対応づけて記録される。
【0063】
他にも、所定の悪いことを示す状態情報と、その状態を改善する見込みのある制御情報とが対応づけて記録されていてもよい。例えば、状態情報が精神的に好ましくない状態である場合には、そのような状態を改善させる見込みのある音響、匂い、明るさ及び映像のいずれか一つ又は複数を出力するような制御情報が対応づけて記録されていてもよい。
【0064】
制御部43は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部43は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報収集部431、状態判定部432及び環境制御部433として機能する。なお、制御部43の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0065】
情報収集部431は、他の装置から、対象動物に関する情報又は対象動物が飼育される領域(飼育領域)の環境に関する情報を収集し、収集された情報を収集情報記憶部423に記録する。対象動物に関する情報には、例えば対象動物の状態を判定するために使用される情報が含まれてもよい。情報収集部431によって収集される情報は、例えば各対象動物の行動に関する情報であってもよいし、各対象動物の生体情報であってもよい。情報収集部431によって収集される情報は、例えば飼育領域に設置された環境センサー27によって取得される環境センサー情報であってもよい。より具体的には以下の通りである。
【0066】
情報収集部431は、例えば対象端末装置10から受信された情報(例えばセンサー情報と端末識別情報とを対応づけた情報)を取得する。情報収集部431は、例えば給水器21から給水履歴情報を取得してもよい。情報収集部431は、例えば計測機器23から計測履歴情報を取得してもよい。情報収集部431は、例えばカメラ25から画像履歴情報を取得してもよい。情報収集部431は、例えば環境センサー27から環境センサー情報を取得してもよい。情報収集部431は、取得された情報を収集情報記憶部423に記録する。
【0067】
情報収集部431は、取得された情報を加工して収集情報記憶部423に記録してもよい。例えば、情報収集部431は、給水器21、計測機器23及びカメラ25の各情報機器に代わって、上述した処理を実行してもよい。
【0068】
状態判定部432は、情報収集部431によって収集された情報に基づいて、各対象動物の状態を判定する。例えば、状態判定部432は、各対象動物の健康状態について判定する。判定対象となる健康状態は、例えば対象動物の物理的な体調面での健康状態であってもよいし、対象動物の精神面での健康状態であってもよい。状態判定部432は、判定結果を各対象動物の識別情報(端末識別情報又は管理識別情報など)と対応づけて状態情報記憶部425に記録する。
【0069】
以下、状態判定部432が行う判定処理の具体例について列挙する。
・状態判定部432は、対象動物の特定部位の運動に関する情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が特定部位の運動の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば特定部位の運動の回数や運動の大きさに応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0070】
・状態判定部432は、対象動物(例えばダチョウやエミュー)の首の上下運動に関する情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が首の上下運動の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が首の上下運動の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば上下運動が実行された時間の長さや、上下運動の回数や上下運動の大きさに応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0071】
・状態判定部432は、対象動物(例えば象)の鼻の運動に関する情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が鼻の運動の変化として現れることがある。例えば、象では、状態の変化が鼻の運動の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば運動が実行された時間の長さや、運動の回数や運動の大きさに応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0072】
・状態判定部432は、対象動物の移動に関する情報又は積算運動量に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が移動の仕方や移動量や積算運動量の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が移動の仕方や移動量や積算運動量の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば所定時間内の移動距離、移動回数、動かないまま継続した時間の長さ及び積算運動量のいずれか一つ又は複数に応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0073】
・状態判定部432は、対象動物の生体情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が生体情報の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が生体情報の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば一つ又は複数の生体情報(例えば体温、血圧、脈拍、心拍)に応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0074】
・状態判定部432は、対象動物が水を飲む動作に関する情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。水を飲む動作に関する情報の具体例として、例えば対象動物が水を飲んだ時間、所定期間で水を飲んだ時間の累積値、各タイミングで飲んだ水の量、所定期間で飲んだ水の量の累積値のいずれか一つ又は複数の組み合わせがある。これらの値は、給水履歴情報に基づいて得られても良い。対象動物によっては、状態の変化が水を飲む動作の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が水を飲む動作の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば水を飲む動作に関する情報(例えば上記情報のうち一つ又は複数)に応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0075】
・状態判定部432は、対象動物の身体に関する情報(例えば体重又は血圧)に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。このような身体に関する情報は、計測履歴情報に基づいて得られても良い。対象動物によっては、状態の変化が身体に関する情報の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が身体に関する情報として現れることがある。状態判定モデルは、例えば計測結果に関する値に応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0076】
状態判定部432は、例えば状態が良いことを示す所定の条件を満たした対象動物の親又は子を判定し、判定された親又はこの識別情報と、状態が良い対象動物の親又は子であることを示す情報と、を対応づけて状態情報記憶部425に記録しても良い。状態判定部432は、例えば状態が悪いことを示す所定の条件を満たした対象動物の親又は子を判定し、判定された親又はこの識別情報と、状態が悪い対象動物の親又は子であることを示す情報と、を対応づけて状態情報記憶部425に記録しても良い。
【0077】
環境制御部433は、測定情報又は状態情報に基づいて、それに応じた制御情報を制御情報記憶部426から取得する。環境制御部433は、取得された制御情報に応じて、環境制御装置26を制御する。例えば、環境制御部433は、取得された制御情報に応じた制御要求を生成する。このような制御要求は、例えば環境制御装置26との間で予め定義された形式のデータであってもよい。環境制御部433は、生成された制御要求を送信することで、環境制御装置26の動作を制御してもよい。
【0078】
図4は、支援システム100の実装例を示す図である。支援システム100には、対象動物の飼育に使用される飼育領域110が一つ又は複数設けられる。複数の飼育領域110のうち一部の飼育領域110は、弱った対象動物を飼育するための領域として設けられても良い。このような飼育領域110は、他の飼育領域110(例えば健康な対象動物を飼育するための領域として設けられた飼育領域)に比べて相対的に高い気温となるように、飼育領域110における空調設備が設定されてもよい。
【0079】
例えば、状態判定部432による判定結果が、弱っていることを示す所定の条件を満たす対象動物は、弱った対象動物を飼育するための飼育領域110に移動されてもよい。このように飼育領域110が用いられる場合には、情報提供部433は、判定結果が悪いこと(例えば弱っていること)を示す所定の値である対象動物の識別情報と、弱った対象動物を飼育するための飼育領域110にその対象動物を移動させることを示す情報をユーザー端末装置50に送信してもよい。
【0080】
ユーザー端末装置50は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、ウェアラブルコンピューター、テレビ受像器、ゲーム機器、スマートスピーカー等のユーザーインターフェースを備えた情報処理装置を用いて構成される。ユーザー端末装置50は、ユーザーによる操作を受け付けて要求情報を生成し、生成された要求情報を支援装置40へ送信する。また、ユーザー端末装置50は、支援装置40から情報を受信すると、受信された情報をユーザーに対して出力する。
【0081】
図5は、支援システム100の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。対象端末装置10は、第一タイミングが到来すると(ステップS101-YES)、センサー12の出力を記録する(ステップS102)。対象端末装置10は、第二タイミングが到来すると(ステップS103-YES)、センサー情報を支援装置40に送信する(ステップS104)。
【0082】
支援装置40は、センサー情報を受信すると(ステップS105)、受信されたセンサー情報を自装置の収集情報記憶部423に記録する(ステップS106)。支援装置40は、判定処理を行い(ステップS107)、判定結果を状態情報記憶部425に記録する(ステップS108)。
【0083】
図6は、支援システム100の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。支援装置40の環境制御部433は、所定のタイミングで環境制御条件が満たされたか否か判定する(ステップS201)。環境制御条件が満たされていない場合には(ステップS201-NO)、環境制御部433は次の判定のタイミングまで処理を待機する。一方、環境制御条件が満たされている場合には(ステップS201-YES)、環境制御部433は、満たされた環境制御条件に対応づけて記憶されている制御情報を取得する(ステップS202)。環境制御部433は、取得された制御情報に応じた制御要求を生成する(ステップS203)。環境制御部433は、生成された制御要求を送信する(ステップS204)。
【0084】
環境制御装置26は、支援装置40から送信された制御要求を受信する(ステップS205)。環境制御装置26は、受信された制御要求に応じて自装置の状態を変更する(ステップS206)。自装置の状態の変更とは、例えば電源オン状態から電源オフ状態にすることや、電源オフ状態から電源オン状態にすることや、温度や湿度や運転の強さ等の設定値を変更することである。
【0085】
図7は、モデル構築装置60の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。モデル構築装置60は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。モデル構築装置60は、通信部61、記憶部62及び制御部63を備える。
【0086】
通信部61は、通信機器である。通信部61は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部61は、制御部63の制御に応じて、ネットワークを介して他の装置とデータ通信する。このようなネットワークは、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワークは、例えばインターネットを用いて構成されてもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて構成されてもよい。ネットワークは、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。通信部61は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0087】
記憶部62は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部62は、制御部63によって使用されるデータを記憶する。記憶部62は、例えば既知データ記憶部621及び判定モデル記憶部622として機能してもよい。
【0088】
既知データ記憶部621は、モデル構築装置60において実行されるモデル構築処理に用いられる既知データを記憶する。既知データは、例えば教師あり学習処理に用いられる教師データであってもよい。既知データ記憶部621が記憶する既知データは、例えば動物の画像と、その画像に写っている動物が対象動物であるか否かを示す正解ラベルと、を含む教師データであってもよい。既知データ記憶部621が記憶する既知データは、例えば、対象動物の画像と、その画像に写っている対象動物の識別情報を示す正解ラベルと、を含む教師データであってもよい。既知データ記憶部621が記憶する既知データは、例えば、対象動物の動作に関する情報と、その動作を行う対象動物の状態を示す正解ラベルと、を含む教師データであってもよい。既知データ記憶部621が記憶する既知データは、他のデータであってもよい。
【0089】
判定モデル記憶部622は、既知データ記憶部621に記憶される既知データを用いたモデル構築処理によって得られる判定モデルを記憶する。判定モデル記憶部622は、例えば既知データを教師データとして用いた教師あり学習処理によって得られる学習済モデルを判定モデルとして記憶してもよい。
【0090】
制御部63は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部63は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報制御部631及びモデル構築制御部632として機能する。なお、制御部63の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0091】
情報制御部631は、情報の入出力を制御する。例えば、情報制御部631は、他の機器(情報処理装置や記憶媒体)から既知データを取得し、既知データ記憶部621に記録する。例えば、情報制御部631は、判定モデル記憶部622に記憶されている判定モデルを、他の装置(例えば支援装置40)に対して送信する。
【0092】
モデル構築制御部632は、既知データ記憶部621に記憶される既知データを用いてモデル構築処理を行うことで、判定モデルを構築する。モデル構築制御部632は、例えば、既知データ記憶部621に記憶されている既知データを教師データとして用いて教師あり学習処理を実行することで判定モデルを構築してもよい。なお、モデル構築制御部632が実行する処理は教師あり学習処理に限定される必要はない。例えば、モデル構築制御部632は既知データを用いて多変量解析等の統計処理を行うことによって推定モデルを構築してもよい。
【0093】
このような学習処理の具体例として、例えば、分類の機械学習の処理が用いられてもよいし、回帰の機械学習の処理が用いられてもよいし、ニューラルネットワークやディープラーニング等の他の学習技術が用いられてもよい。モデル構築制御部632は、生成された判定モデルを判定モデル記憶部622に記録する。このようなモデル構築制御部632によって得られた判定モデルは、支援装置40に対して送信され、支援装置40の状態判定モデル記憶部424に記録されてもよい。
【0094】
図8は、本実施形態に適用される情報処理装置70のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置70は、プロセッサー71、主記憶装置72、通信インターフェース73、補助記憶装置74、入出力インターフェース75及び内部バス76を備える。プロセッサー71、主記憶装置72、通信インターフェース73、補助記憶装置74及び入出力インターフェース75は、内部バス76を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置70は、例えば支援装置40に適用されてもよい。この場合、例えば通信部41は通信インターフェース73を用いて構成されてもよい。例えば記憶部42は補助記憶装置74を用いて構成されてもよい。また、制御部43は、プロセッサー71及び主記憶装置72を用いて構成されてもよい。
【0095】
このように構成された支援システム100では、対象動物の育成をより適正に行うことが可能となる。具体的には以下の通りである。支援システム100では、対象動物が飼育される飼育領域の環境について、測定情報や状態情報に応じて、対象動物の状態がより好ましい状態になるように制御を実行する。そのため、対象動物の状態に応じて飼育環境を適正なものに制御することが可能となる。
【0096】
例えば、支援システム100では、対象動物に関する情報として、対象動物の動作に関する情報が取得され、動作に関する情報に基づいて環境が制御される。そのため、対象動物の動作に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化に応じて環境をより適正に制御することが可能となる。
【0097】
また、支援システム100では、対象動物に関する情報として、対象動物の生体に関する情報が取得され、生体に関する情報に基づいて環境が制御される。そのため、対象動物の生体に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化に応じて環境をより適正に制御することが可能となる。
【0098】
支援システム100では、例えば対象動物の動作に関する情報として、特定部位の運動に関する情報が取得されて環境が制御される。より具体的には、対象動物の首の運度(例えば上下運動)に基づいて環境が制御される。そのため、対象動物の特定部位の運動に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化に応じて環境より適正に制御することが可能となる。特に、動物においては、健康状態の変化が特定部位の動きに生じることがある。例えば、対象動物がダチョウやエミューである場合、首の運動(例えば上下運動)に関する情報が取得され、その情報に基づいて環境が制御される。例えば、対象動物が象である場合、鼻の運動に関する情報が取得され、その情報に基づいて環境が制御される。そのため、より正確に対象動物の状態に応じて環境を制御することが可能となる。
【0099】
支援システム100では、例えば対象動物の動作に関する情報として、対象動物が歩き回る量(移動距離)を示す情報が取得されて環境が制御される。そのため、対象動物が歩き回る動作に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化に応じて環境より適正に制御することが可能となる。そのため、より正確に対象動物の状態に応じて環境を制御することが可能となる。
【0100】
支援システム100では、例えば対象動物に関する情報として、対象動物の蓄積温度を示す情報が取得されて環境が制御される。そのため、対象動物の温度に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化に応じて環境より適正に制御することが可能となる。そのため、より正確に対象動物の状態に応じて環境を制御することが可能となる。
【0101】
(変形例)
無線通信機器20とゲートウェイ30とは一体の装置として構成されてもよい。無線通信機器20は、ゲートウェイ30を介すること無く、直接ネットワーク90に接続するように構成されてもよい。給水器21、計測機器23、カメラ25、環境制御装置26及び環境センサー27についても同様に、ゲートウェイ30を介すること無く、直接ネットワーク90に接続するように構成されてもよい。
【0102】
支援装置40の記憶部42が記憶する情報の一部又は全部は、他の情報処理装置に記憶されてもよい。例えば、支援装置40とネットワーク90を介して通信可能な他の情報処理装置の記憶部において、記憶部42が記憶する情報の一部又は全部が記憶されても良い。その場合、制御部43は、上記他の情報処理装置と通信することによって、処理に必要な情報を取得しても良い。このような他の情報処理装置は1つの情報処理装置を用いて実装されてもよいし、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。
【0103】
支援装置40の制御部43が実行する処理の一部又は全部は、他の情報処理装置によって実行されてもよい。例えば、支援装置40とネットワーク90を介して通信可能な他の情報処理装置の制御部において、制御部43が実行する処理の一部又は全部が実行されても良い。その場合、制御部43は、上記他の情報処理装置と通信することによって、他の情報処理装置による実行結果の情報を取得しても良い。このような他の情報処理装置は1つの情報処理装置を用いて実装されてもよいし、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。
【0104】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0105】
100…支援システム, 110…飼育領域, 10…対象端末装置, 111…第一通信部, 112…第二通信部, 12…センサー, 13…記憶部, 131…識別情報記憶部, 132…センサー情報記憶部, 14…制御部, 141…記録制御部, 142…通信制御部, 20…無線通信機器, 21…給水器, 23…計測機器, 25…カメラ, 26…環境制御装置, 27…環境センサー, 30…ゲートウェイ, 40…支援装置, 41…通信部, 42…記憶部, 421…対象動物情報記憶部, 422…端末識別情報記憶部, 423…収集情報記憶部, 424…状態判定モデル記憶部, 425…状態情報記憶部, 426…制御情報記憶部, 43…制御部, 431…情報収集部, 432…状態判定部, 433…環境制御部