(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093777
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20240702BHJP
G06Q 50/02 20240101ALI20240702BHJP
【FI】
A01K29/00 A
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210357
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100214215
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼梨 航
(72)【発明者】
【氏名】北浦 武明
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】田村 駿人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】対象動物の育成をより適正に行うことを可能にすること。
【解決手段】判定の対象となる動物である対象動物に関する情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部の判定結果に基づいた情報を含む提供情報をユーザーに提供する情報提供部と、を備える情報処理システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
判定の対象となる動物である対象動物に関する情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する状態判定部と、
前記状態判定部の判定結果に基づいた情報を含む提供情報をユーザーに提供する情報提供部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記情報収集部は、前記対象動物の動作に関する情報を収集し、
前記状態判定部は、前記対象動物の動作に関する情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報収集部は、前記対象動物の水を飲む動作に関する情報を収集し、
前記状態判定部は、前記対象動物の水を飲む動作に関する情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報収集部は、前記対象動物の生体に関する情報を収集し、
前記状態判定部は、前記対象動物の生体に関する情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
コンピューターが、判定の対象となる動物である対象動物に関する情報を収集する情報収集ステップと、
前記情報収集ステップにおいて取得された情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する状態判定ステップと、
前記状態判定ステップにおける判定結果に基づいた情報を含む提供情報をユーザーに提供する情報提供ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項6】
判定の対象となる動物である対象動物に関する情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する状態判定部と、
前記状態判定部の判定結果に基づいた情報を含む提供情報をユーザーに提供する情報提供部と、を備える情報処理システムとして、コンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の領域における動物の状態を認知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飼育対象の動物(以下「対象動物」という。)を適正に育成するためのシステムが提案されている。例えば特許文献1には、動物を育成する所定期間の潮汐の変動を求めることによって、適切な給餌タイミングを判定する育成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、必ずしも給餌のタイミング制御のみによって対象動物の育成を適正に行うことが可能になるわけではない。対象動物の育成をどのように適正に行うかについては、さらなる改善について要求がある。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、対象動物の育成をより適正に行うことが可能となる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、判定の対象となる動物である対象動物に関する情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部の判定結果に基づいた情報を含む提供情報をユーザーに提供する情報提供部と、を備える情報処理システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記の情報処理システムであって、前記情報収集部は、前記対象動物の動作に関する情報を収集し、前記状態判定部は、前記対象動物の動作に関する情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の情報処理システムであって、前記情報収集部は、前記対象動物の水を飲む動作に関する情報を収集し、前記状態判定部は、前記対象動物の水を飲む動作に関する情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の情報処理システムであって、前記情報収集部は、前記対象動物の生体に関する情報を収集し、前記状態判定部は、前記対象動物の生体に関する情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する。
【0010】
本発明の一態様は、コンピューターが、判定の対象となる動物である対象動物に関する情報を収集する情報収集ステップと、前記情報収集ステップにおいて取得された情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する状態判定ステップと、前記状態判定ステップにおける判定結果に基づいた情報を含む提供情報をユーザーに提供する情報提供ステップと、を有する情報処理方法である。
【0011】
本発明の一態様は、判定の対象となる動物である対象動物に関する情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部によって取得された情報に基づいて、前記対象動物の状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部の判定結果に基づいた情報を含む提供情報をユーザーに提供する情報提供部と、を備える情報処理システムとして、コンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、対象動物の育成をより適正に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の支援システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】対象端末装置10の機能構成の具体例を示す図である。
【
図3】支援装置40の機能構成例を示す概略ブロック図である。
【
図4】支援システム100の実装例を示す図である。
【
図5】支援システム100の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図6】支援システム100の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図7】モデル構築装置60の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図8】本実施形態に適用される情報処理装置70のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の支援システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。なお、本実施形態において『ユーザー』とは、支援システム100の一部又は全部を使用する者を指し、特定の契約を交わした者や特定の条件を満たした者に限定されるものではない。
【0015】
支援システム100は、複数の対象端末装置10、無線通信機器20、給水器21、計測機器23、カメラ25、ゲートウェイ30、支援装置40及びユーザー端末装置50を備える。支援システム100は、さらにモデル構築装置60を備えてもよい。給水器21は無線通信機器22を備える。計測機器23は無線通信機器24を備える。対象端末装置10と無線通信機器20とは、無線通信を行うことによってデータを送受信する。この無線通信は、例えば短距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標))であってもよいし、無線LAN(Local Area Network)であってもよいし、Wi-Fiであってもよいし、LPWA(Low Power, Wide Area)であってもよい。無線通信機器20とゲートウェイ30とは、通信を行うことによってデータを送受信する。無線通信機器20とゲートウェイ30との間で行われる通信は、無線通信であってもよいし有線通信であってもよい。
【0016】
対象端末装置10と無線通信機器22とは、無線通信を行うことによってデータを送受信する。対象端末装置10と無線通信機器22とが行う無線通信は、短距離でのみ通信が可能な無線通信規格を用いて実装されることが望ましい。例えば、無線通信機器22の通信距離は、自装置が備えられた給水器21において水を飲んでいる対象動物の対象端末装置10とのみ無線通信が可能となるように、給水器21の構造等に基づいて実装される。このような無線通信機器22は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)等のNFC(Near field communication)の技術を適用することによって実装されてもよい。このように構成されることによって、給水器21において水を飲んだ対象動物や、その対象動物が飲んだ水の量(例えば通信が継続された時間の長さに比例)を推定することが可能である。
【0017】
対象端末装置10と無線通信機器24とは、無線通信を行うことによってデータを送受信する。対象端末装置10と無線通信機器24とが行う無線通信は、短距離でのみ通信が可能な無線通信規格を用いて実装されることが望ましい。例えば、無線通信機器24の通信距離は、自装置が備えられた計測機器23において計測が行われている対象動物の対象端末装置10とのみ無線通信が可能となるように、計測機器23の構造等に基づいて実装される。このような無線通信機器24は、例えばRFID等のNFCの技術を適用することによって実装されてもよい。このように構成されることによって、計測機器23において計測の対象となった対象動物を推定することが可能である。
【0018】
ゲートウェイ30、支援装置40及びユーザー端末装置50は、ネットワーク90を介して通信する。モデル構築装置60も、ネットワーク90を介して支援装置40と通信してもよい。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0019】
図2は、対象端末装置10の機能構成の具体例を示す図である。対象端末装置10は、通信可能な情報機器を用いて構成される。対象端末装置10は、例えばシングルボードコンピューター等の小型の情報機器を用いて構成されてもよい。対象端末装置10は、飼育対象の動物(対象動物)に装着される。対象端末装置10は、例えば首輪の形状の装置として構成されてもよいし、頭部、肢、胴体又は尾等の身体の部位に装着される装置として構成されてもよい。対象動物が鳥類である場合には、羽やくちばしに装着される装置として構成されてもよい。対象端末装置10は、通信部11、センサー12、記憶部13及び制御部14を備える。
【0020】
第一通信部111は、通信インターフェースを用いて構成される。第一通信部111は、無線通信で無線通信機器20に接続し、無線通信機器20との間でデータ通信する。このとき、第一通信部111は、識別情報記憶部131に記憶されている端末識別情報とセンサー情報とを送信する。
【0021】
第二通信部112は、通信インターフェースを用いて構成される。第二通信部112は、無線通信機器22や無線通信機器24との間で無線通信する。このとき、第二通信部112は、識別情報記憶部131に記憶されている端末識別情報を送信する。
【0022】
センサー12は、対象端末装置10が装着されている対象動物の生体情報及び動作情報のいずれか一方又は双方を取得する。生体情報は、対象動物の体に関する情報であり、例えば脈拍、心拍、体温、血圧等の情報を含む。動作情報は、対象動物の動作に関する情報である。センサー12は、例えば加速度センサー等のように動作(動き)を検出可能な装置であってもよい。この場合、センサー12は、対象動物の動きに関する情報を時系列で取得してもよい。例えば、センサー12が対象動物の特定部位に位置するように取り付けられている場合、センサー12は対象動物の特定部位の運動に関する情報を時系列で取得することができる。例えば、センサー12が対象動物の頭部又は首に位置するように取り付けられている場合、センサー12は対象動物の首の上下運動に関する情報を時系列で取得することができる。例えば、センサー12が対象動物の鼻に位置するように取り付けられている場合、センサー12は対象動物の鼻の運動に関する情報を時系列で取得することができる。
【0023】
また、センサー12が対象動物の歩数を取得するための適切な部位(人間であれば手首や腰など)に位置するように取り付けられている場合、センサー12は対象動物の歩数に関する情報を取得することができる。センサー12は、歩数に関する情報と対象動物の歩幅に関する情報とに基づいて、対象動物の移動に関する情報(例えば移動距離)を取得してもよい。センサー12は、対象動物の身体の動きを示す時系列情報を取得することによって、対象動物の運動の量の所定期間における積算値(以下「積算運動量」という。)を取得しても良い。センサー12は、対象動物の所定の上下の動きを検出し、そのような動きをした回数や時間を取得してもよい。センサー12は、対象動物が動かないまま継続した時間を取得してもよい。
【0024】
センサー12は、例えば脈拍センサーや心拍センサーや体温センサー等のように生体情報を取得可能な装置であってもよい。センサー12は、対象動物の温度を示す時系列情報を取得することによって、対象動物の温度の所定期間における蓄積値(以下「蓄積温度」という。)を取得しても良い。センサー12は、取得された情報を制御部14に出力する。センサー12は、さらに位置情報を取得するように構成されてもよい。この場合、センサー12は、例えばGPS(Global Positioning System)等の位置取得技術を用いて構成されてもよい。なお、センサー12が位置情報を取得するように構成するか、位置情報を取得しないように構成するかは、例えば対象端末装置10に備えられるバッテリーの性能や充電のタイミング等に基づいて支援システム100の設計者や使用者によって適宜決定されてもよい。
【0025】
記憶部13は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部13は、制御部14によって使用されるデータを記憶する。記憶部13に記憶されているデータは、制御部14によって読み出される。記憶部13は、例えば識別情報記憶部131及びセンサー情報記憶部132として機能する。
【0026】
識別情報記憶部131は、自装置(対象端末装置10)に予め割り当てられている端末識別情報を記憶する。端末識別情報は、他の対象端末装置10に記憶されている端末識別情報と重複しない値が付与されていることが望ましい。このように、対象端末装置10毎に異なる端末識別情報が記憶されていることで、端末識別情報を用いて個々の対象端末装置10を区別することが可能となる。センサー情報記憶部132は、自装置に備えられるセンサー12から出力される情報を記憶する。
【0027】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部14は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、記録制御部141及び通信制御部142として機能する。なお、制御部14の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0028】
記録制御部141は、センサー12から出力された情報をセンサー情報記憶部132に記録する。記録制御部141は、例えば所定のタイミングで記録を行ってもよい。例えば、所定のタイミング(第一タイミング)が到来する度に、その時点でセンサー12から出力された情報に基づいてセンサー情報をセンサー情報記憶部132に記録してもよい。この場合、記録制御部141は、例えば一つ前のタイミングから次のタイミングまでの間にセンサー12から出力された情報を一時的に記録しておき、その間に得られた情報の統計情報をセンサー情報としてセンサー情報記憶部132に記録してもよい。
【0029】
通信制御部142は、センサー情報記憶部132に記録されている情報(センサー情報)を自装置の端末識別情報とともに第一通信部111から無線通信機器20を介して支援装置40に送信する。通信制御部142は、自装置の端末識別情報を第二通信部112から無線通信機器22や無線通信機器24に送信する。通信制御部142は、例えば所定のタイミングで送信を行ってもよい。例えば、所定のタイミング(第二タイミング)が到来する度に、その時点でセンサー情報記憶部132に記録されている情報を送信してもよい。このとき、通信制御部142は、過去にまだ送信されていないセンサー情報のみを送信してもよい。第二タイミングは、第一タイミングの2倍よりも長い時間として設定されてもよい。この場合、通信制御部142は、1回の送信タイミングで複数のセンサー情報を送信してもよい。通信制御部142は、送信されたセンサー情報をセンサー情報記憶部132から削除してもよい。
【0030】
無線通信機器20は、無線通信を行う通信機器である。無線通信機器20は、対象端末装置10と無線通信可能であればどのような態様で実装されてもよい。無線通信機器20は、ゲートウェイ30を介して支援装置40等の他の装置とデータ通信する。
【0031】
給水器21は、対象動物に対して水を供給する器具である。給水器21には、例えば対象動物が水を飲むための領域が設けられており、その領域の水が減ると水を追加するように構成されてもよい。このような水の追加は、構造的な機構を用いて実現されてもよいし、電気的に動作するアクチュエーター等の電動機器を用いて実現されてもよい。給水器21が対象動物に対してどのように水を供給するかについては、既存のどのような技術が適用されてもよい。
【0032】
給水器21には無線通信機器22が設けられている。無線通信機器22は、上述したような無線通信を行うことによって、給水器21を用いて水を飲んでいる対象動物の対象端末装置10とのみ無線通信を行うことができるように構成されることが望ましい。
【0033】
給水器21には、例えばシングルボードコンピューター等の小型の情報機器が設けられる。給水器21の情報機器は、無線通信機器22と対象端末装置10との間で行われた無線通信の履歴を示す情報(以下「給水履歴情報」という。)を記憶装置に記録する。例えば、給水器21の情報機器は、無線通信機器22と無線通信を行った対象端末装置10の端末識別情報と、その端末識別情報と無線通信を行った期間を示す情報と、を対応づけて給水履歴情報として記憶装置に記録してもよい。無線通信が行われた期間を、対象端末装置10を装着した対象動物が水を飲んでいた時間として推定することができる。また、無線通信が行われた期間の長さに基づいて、対象端末装置10を装着した対象動物が水を飲んだ量を推定することができる。給水器21には、貯留されている水の量を計量する計量機器が設けられてもよい。この場合、計量機器の計量結果に基づいて減った水の量を判定し、無線通信が行われた対象端末装置10を装着した対象動物が飲んだ水の量として推定されてもよい。このような推定結果が給水履歴情報に含まれても良い。このような推定は、給水器21の情報機器によって行われても良いし、支援装置40によって行われても良い。このような給水履歴情報は、給水器21の情報機器は、所定のタイミングで、給水器21に備えられた通信装置を用いて、記憶装置に記録されている給水履歴情報を支援装置40に送信する。このような送信は、例えばゲートウェイ30を介して行われてもよい。
【0034】
計測機器23は、対象動物の身体に関する情報を計測する。計測機器23は、例えば対象動物の体重を計測してもよい。計測機器23は、例えば対象動物の血圧を計測してもよい。計測機器23は、対象動物の身体について他の情報を計測してもよい。
【0035】
計測機器23には無線通信機器24が設けられている。無線通信機器24は、上述したような無線通信を行うことによって、計測機器23を用いて計測が行われた対象動物の対象端末装置10とのみ無線通信を行うことができるように構成されることが望ましい。
【0036】
計測機器23には、例えばシングルボードコンピューター等の小型の情報機器が設けられる。計測機器23の情報機器は、無線通信機器24と対象端末装置10との間で行われた無線通信の履歴を示す情報(以下「計測履歴情報」という。)を記憶装置に記録する。例えば、計測機器23の情報機器は、無線通信機器24と無線通信を行った対象端末装置10の端末識別情報と、その無線通信が行われたタイミングで計測された計測結果を示す情報と、を対応づけて計測履歴情報として記憶装置に記録してもよい。計測機器23の情報機器は、所定のタイミングで、計測機器23に備えられた通信装置を用いて、記憶装置に記録されている計測履歴情報を支援装置40に送信する。このような送信は、例えばゲートウェイ30を介して行われてもよい。
【0037】
カメラ25は、対象動物を撮像可能な位置に設置され、対象動物の動画像を撮像する。なお、カメラ25は、短い間隔で静止画像を繰り返し撮像することによって擬似的に動画像を撮像するように構成されてもよい。カメラ25は、情報機器を備えてもよい。この場合、カメラ25の情報機器は、撮像された画像において画像解析処理を実行してもよい。画像解析処理の具体例として、画像の中から対象動物を検出する処理がある。このような処理は、例えば対象動物と正解ラベルとを含む教師データを用いて学習処理を行うことによって得られた学習済みモデルを用いて実行されてもよいし、パターンマッチングを用いて実行されてもよいし、他の態様で実行されてもよい。
【0038】
画像解析処理の具体例として、検出された対象動物の所定の動作を検出する処理がある。所定の動作として、例えば首を上下運動させる動作や、鼻を運動させる動作などがある。画像解析処理によって、これらの運動が実行された時間の長さや、運動の回数や運動の大きさが検出されてもよい。運動の大きさは、例えば首の先端(頭部)や鼻の先端が1回の運動で移動した距離の長さや、この距離の長さの累積値や平均値を用いて表されても良い。所定の動作として、一定の場所に止まっている動作がある。画像解析処理によって、一定の場所に止まっている継続時間が得られても良い。画像解析処理によって、対象動物の身体について測定が行われてもよい。例えば、対象動物の体長や幅が測定されてもよいし、成長状態の程度(が判定されてもよいし、体重が推定されてもよい。
【0039】
画像解析処理によって、検出された各対象動物の個体が判定されてもよい。言い換えると、画像解析処理によって、検出された各対象動物に関する端末識別情報又は管理識別情報が判定されてもよい。このような判定は、例えば画像中の対象端末装置10の表面に表示された識別情報(例えば文字や画像やバーコード等)に基づいて判定されてもよいし、画像中の対象動物の表面に表示された識別情報(例えば文字や画像やバーコード等)に基づいて判定されてもよい。また、このような判定は、例えば対象動物に関する画像(例えば顔の画像、模様の画像、シルエットの画像等)に基づいて行われても良い。このような判定は、例えば各対象動物に関する画像を用いた学習処理によって得られる学習済みモデルを用いて行われても良い。
【0040】
カメラ25は、画像解析処理によって得られた各対象動物の識別情報と、各対象動物の動作に関する情報とを対応づけて画像履歴情報として記憶装置に記録してもよい。カメラ25は、温度を測定可能なカメラ(サーモカメラ)を用いて構成されてもよい。この場合、カメラ25によって得られる画像に対して画像解析処理を行うことで、対象動物の温度を測定することが可能となる。カメラ25は、画像解析処理によって得られた各対象動物の識別情報と、各対象動物の温度に関する情報と、を対応づけて画像履歴情報として記憶装置に記録してもよい。例えば、カメラ25の情報機器は、所定のタイミングで、カメラ25に備えられた通信装置を用いて、記憶装置に記録されている画像履歴情報を支援装置40に送信する。このような送信は、例えばゲートウェイ30を介して行われてもよい。
【0041】
ゲートウェイ30は、ネットワーク90を介して支援装置40と通信する。ゲートウェイ30は、例えばSIMカードを備えることによって携帯通信網を経由してネットワーク90に接続してもよい。ゲートウェイ30は、例えば無線LAN(Local Area Network)の通信を行うことによってネットワーク90に接続されてもよい。ゲートウェイ30がネットワーク90に接続する手段は限定される必要は無い。
【0042】
支援装置40は、情報処理装置を用いて構成される。支援装置40は、パーソナルコンピューターやサーバー等の情報処理装置を用いて構成される。
図3は、支援装置40の機能構成例を示す概略ブロック図である。支援装置40は、通信部41、記憶部42及び制御部43を備える。
【0043】
通信部41は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部41は、ネットワーク90を介して他の機器(例えば無線通信機器20やゲートウェイ30やモデル構築装置60)とデータ通信する。
【0044】
記憶部42は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部42は、対象動物情報記憶部421、端末識別情報記憶部422、収集情報記憶部423、状態判定モデル記憶部424及び状態情報記憶部425として機能する。
【0045】
対象動物情報記憶部421は、対象動物に関する情報(以下「対象動物情報」という。)を記憶する。例えば、対象動物情報記憶部421は、対象動物の識別情報と、対象動物の属性を示す情報とを対応づけて記憶しても良い。対象動物の識別情報は、例えば端末識別情報であってもよいし、後述する管理識別情報であってもよいし、他の識別情報であってもよい。属性を示す情報には、例えば対象動物の生まれた年、性別、親、子などの情報、産卵実績の情報(例えば産卵数や有精率等)が含まれても良い。
【0046】
端末識別情報記憶部422は、各対象端末装置10に割り当てられている端末識別情報を記憶する。端末識別情報記憶部422は、対象端末装置10が装着されている対象動物に割り当てられている他の識別情報(以下「管理識別情報」という。)をさらに記憶してもよい。この場合、端末識別情報記憶部422は、ある対象動物の管理識別情報と、その動物に装着されている対象端末装置10の端末識別情報と、を対応付けて記憶してもよい。管理識別情報は、例えば対象動物が装着している他の装置において用いられている識別情報であってもよい。例えば、対象動物の生体情報を取得する装置(例えばバイタルセンサー)や、対象動物の動きを示す情報を取得する装置(例えばジャイロセンサー)を含む機器に対して割り当てられている識別情報が管理識別情報として使用されてもよい。
【0047】
このように、対象端末装置10とは異なる装置によって対象動物の生体情報が取得されている場合には、センサー12は対象動物の生体情報を取得しないように構成されてもよい。また、対象端末装置10とは異なる装置によって対象動物の動きを示す情報が取得されている場合には、センサー12は対象動物の動きを示す情報を取得しないように構成されてもよい。このように構成されることによって、対象端末装置10の装置構成をより小さく低いコストで実現することが可能となる。この場合は、支援装置40は、対象端末装置10とは異なる各装置から通信等の手段によって動きを示す情報や生体情報を取得する。
【0048】
収集情報記憶部423は、制御部43の情報収集部431によって取得される情報を記憶する。収集情報記憶部423は、例えば対象端末装置10から受信された情報(例えばセンサー情報と端末識別情報とを対応づけた情報)を記憶する。収集情報記憶部423は、例えば給水器21から受信された情報(給水履歴情報)を記憶してもよい。収集情報記憶部423は、例えば計測機器23から受信された情報(計測履歴情報)を記憶してもよい。収集情報記憶部423は、例えばカメラ25から受信された情報(画像履歴情報)を記憶してもよい。収集情報記憶部423は、例えば対象端末装置10から受信された情報を加工することによって得られる情報を記憶してもよい。例えば、対象動物(例えば雛)の温度と、その温度で存在した時間と、を積算することによって得られる蓄積温度を記憶してもよい。なお、対象端末装置10から蓄積温度の値が得られる場合には、加工することなくそのままその値が記憶されてもよい。
【0049】
状態判定モデル記憶部424は、対象動物の状態を判定するために使用される情報(以下「状態判定モデル」という。)を記憶する。状態判定モデルは、例えば他の装置において既知データを用いたモデル構築処理によって得られてもよい。状態判定モデルは、例えば正解ラベルを有する複数の既知データ(教師データ)を用いて教師あり学習を行うことによって得られる学習済モデルを示す情報であってもよいし、収集情報記憶部423に記憶される情報の一つ又は複数と判定結果の状態を示す情報とを対応づけたルックアップテーブルを示す情報であってもよいし、他の情報であってもよい。このような状態判定モデルは、例えば後述するモデル構築装置によって生成されてもよい。制御部43は、状態判定モデル記憶部424に記憶される状態判定モデルを用いることによって、対象動物の状態を判定する。対象動物の状態は、例えば対象動物の健康状態のことであってもよい。健康状態は、例えば物理的な体調面での健康状態であってもよいし、精神面での健康状態であってもよいし、その両方を含むものであってもよい。
【0050】
状態判定モデルは、例えば、対象動物の状態を、複数の分類(例えば、「優良」、「普通」、「要観察」、「要隔離」、「要緊急対応」等の分類)のうちどの分類に属するかを判定するためのモデルであってもよい。状態判定モデルは、例えば対象動物の状態を示すスコア(例えば高いほど良い状態であり低いほど悪い状態であることを示すスコア)を判定するためのモデルであってもよい。状態判定モデルは、例えば対象動物の種別、年齢、性別のいずれか一つ又は複数の属性毎に記憶されてもよい。年齢の具体例としては、生後~1ヶ月、1~3ヶ月、3~6ヶ月、6ヶ月以上のように分類されてもよい。この場合、状態判定部432による判定は、判定対象となっている対象動物の属性に応じた判定モデルを使用して実行されてもよい。対象動物の属性は、例えば対象動物情報記憶部421に記憶されている情報に基づいて取得されてもよい。状態判定モデルは、対象動物の実際の飼育の状況に応じて更新されてもよい。例えば、対象動物を飼育領域において飼育して新たに得られたデータに基づいて、対象動物に関する情報(動作に関する情報や生体に関する情報等)と、そのような情報に係る対象動物の実際の生存率との相関関係を数式等でモデル化し、モデル化された情報に基づいて状態判定モデルが更新されてもよい。このような処理は、後述するモデル構築装置60によって実行されてもよい。
【0051】
状態情報記憶部425は、制御部43によって状態判定が行われた結果を示す情報(以下「状態情報」という。)を記憶する。状態情報記憶部425は、例えば各対象動物を示す識別情報と、その対象動物の状態を示す判定結果と、を対応づけて記憶してもよい。対象動物を示す識別情報には、端末識別情報が用いられても良いし、管理識別情報が用いられても良いし、他の識別情報が用いられても良い。状態情報記憶部425は、例えば状態が良いことを示す所定の条件を満たした対象動物の血縁者(例えば親又は子)の識別情報と、状態が良い対象動物の血縁者(例えば親又は子)であることを示す情報と、を対応づけて記憶しても良い。状態情報記憶部425は、例えば状態が悪いことを示す所定の条件を満たした対象動物の血縁者(例えば親又は子)の識別情報と、状態が悪い対象動物の血縁者(例えば親又は子)であることを示す情報と、を対応づけて記憶しても良い。
【0052】
制御部43は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部43は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報収集部431、状態判定部432及び情報提供部433として機能する。なお、制御部43の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0053】
情報収集部431は、他の装置から、対象動物の状態を判定するために使用される情報を収集し、収集された情報を収集情報記憶部423に記録する。情報収集部431によって収集される情報は、例えば各対象動物の行動に関する情報であってもよいし、各対象動物の生体情報であってもよい。より具体的には以下の通りである。情報収集部431は、例えば対象端末装置10から受信された情報(例えばセンサー情報と端末識別情報とを対応づけた情報)を取得する。情報収集部431は、例えば給水器21から給水履歴情報を取得してもよい。情報収集部431は、例えば計測機器23から計測履歴情報を取得してもよい。情報収集部431は、例えばカメラ25から画像履歴情報を取得してもよい。情報収集部431は、取得された情報を収集情報記憶部423に記録する。
【0054】
情報収集部431は、取得された情報を加工して収集情報記憶部423に記録してもよい。例えば、情報収集部431は、給水器21、計測機器23及びカメラ25の各情報機器に代わって、上述した処理を実行してもよい。
【0055】
状態判定部432は、情報収集部431によって収集された情報に基づいて、各対象動物の状態を判定する。例えば、状態判定部432は、各対象動物の健康状態について判定する。判定対象となる健康状態は、例えば対象動物の物理的な体調面での健康状態であってもよいし、対象動物の精神面での健康状態であってもよい。状態判定部432は、判定結果を各対象動物の識別情報(端末識別情報又は管理識別情報など)と対応づけて状態情報記憶部425に記録する。
【0056】
以下、状態判定部432が行う判定処理の具体例について列挙する。
・状態判定部432は、対象動物の特定部位の運動に関する情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が特定部位の運動の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば特定部位の運動の回数や運動の大きさに応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0057】
・状態判定部432は、対象動物(例えばダチョウやエミュー)の首の上下運動に関する情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が首の上下運動の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が首の上下運動の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば上下運動が実行された時間の長さや、上下運動の回数や上下運動の大きさに応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0058】
・状態判定部432は、対象動物(例えば象)の鼻の運動に関する情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が鼻の運動の変化として現れることがある。例えば、象では、状態の変化が鼻の運動の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば運動が実行された時間の長さや、運動の回数や運動の大きさに応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0059】
・状態判定部432は、対象動物の移動に関する情報又は積算運動量に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が移動の仕方や移動量や積算運動量の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が移動の仕方や移動量や積算運動量の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば所定時間内の移動距離、移動回数、動かないまま継続した時間の長さ及び積算運動量のいずれか一つ又は複数に応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0060】
・状態判定部432は、対象動物の生体情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。対象動物によっては、状態の変化が生体情報の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が生体情報の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば一つ又は複数の生体情報(例えば体温、血圧、脈拍、心拍)に応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0061】
・状態判定部432は、対象動物が水を飲む動作に関する情報に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。水を飲む動作に関する情報の具体例として、例えば対象動物が水を飲んだ時間、所定期間で水を飲んだ時間の累積値、各タイミングで飲んだ水の量、所定期間で飲んだ水の量の累積値のいずれか一つ又は複数の組み合わせがある。これらの値は、給水履歴情報に基づいて得られても良い。対象動物によっては、状態の変化が水を飲む動作の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が水を飲む動作の変化として現れることがある。状態判定モデルは、例えば水を飲む動作に関する情報(例えば上記情報のうち一つ又は複数)に応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0062】
・状態判定部432は、対象動物の身体に関する情報(例えば体重又は血圧)に基づいて、対象動物の健康状態を判定する。このような身体に関する情報は、計測履歴情報に基づいて得られても良い。対象動物によっては、状態の変化が身体に関する情報の変化として現れることがある。例えば、ダチョウやエミューでは、状態の変化が身体に関する情報として現れることがある。状態判定モデルは、例えば計測結果に関する値に応じて判定結果が得られるモデルであってもよい。
【0063】
状態判定部432は、例えば状態が良いことを示す所定の条件を満たした対象動物の親又は子を判定し、判定された親又はこの識別情報と、状態が良い対象動物の親又は子であることを示す情報と、を対応づけて状態情報記憶部425に記録しても良い。状態判定部432は、例えば状態が悪いことを示す所定の条件を満たした対象動物の親又は子を判定し、判定された親又はこの識別情報と、状態が悪い対象動物の親又は子であることを示す情報と、を対応づけて状態情報記憶部425に記録しても良い。
【0064】
情報提供部433は、所定の条件が満たされると、満たされた条件に応じた情報を提供情報としてユーザー端末装置50に送信する。所定の条件は、例えばユーザー端末装置50から情報を要求することを示す要求情報を受信したことであってもよい。この場合、情報提供部433は、ユーザーによって要求された情報(例えば要求された対象動物の状態の判定結果)をユーザー端末装置50に送信する。所定の条件は、判定結果が悪いこと(例えば弱っていること)を示す所定の値であることであってもよい。この場合、情報提供部433は、所定の条件を満たした対象動物の状態情報や、警告を示す情報や、判定結果に応じた対処方法を示す情報を提供情報としてユーザー端末装置50に送信してもよい。警告を示す情報や、判定結果に応じた対処方法を示す情報は、所定の条件や判定結果に対応づけて予め記憶部42に記憶されていても良い。
【0065】
図4は、支援システム100の実装例を示す図である。支援システム100には、対象動物の飼育に使用される飼育領域110が一つ又は複数設けられる。複数の飼育領域110のうち一部の飼育領域110は、弱った対象動物を飼育するための領域として設けられても良い。このような飼育領域110は、他の飼育領域110(例えば健康な対象動物を飼育するための領域として設けられた飼育領域)に比べて相対的に高い気温となるように、飼育領域110における空調設備が設定されてもよい。
【0066】
例えば、状態判定部432による判定結果が、弱っていることを示す所定の条件を満たす対象動物は、弱った対象動物を飼育するための飼育領域110に移動されてもよい。このように飼育領域110が用いられる場合には、情報提供部433は、判定結果が悪いこと(例えば弱っていること)を示す所定の値である対象動物の識別情報と、弱った対象動物を飼育するための飼育領域110にその対象動物を移動させることを示す情報をユーザー端末装置50に送信してもよい。
【0067】
ユーザー端末装置50は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、ウェアラブルコンピューター、テレビ受像器、ゲーム機器、スマートスピーカー等のユーザーインターフェースを備えた情報処理装置を用いて構成される。ユーザー端末装置50は、ユーザーによる操作を受け付けて要求情報を生成し、生成された要求情報を支援装置40へ送信する。また、ユーザー端末装置50は、支援装置40から情報を受信すると、受信された情報をユーザーに対して出力する。
【0068】
図5は、支援システム100の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。対象端末装置10は、第一タイミングが到来すると(ステップS101-YES)、センサー12の出力を記録する(ステップS102)。対象端末装置10は、第二タイミングが到来すると(ステップS103-YES)、センサー情報を支援装置40に送信する(ステップS104)。
【0069】
支援装置40は、センサー情報を受信すると(ステップS105)、受信されたセンサー情報を自装置の収集情報記憶部423に記録する(ステップS106)。支援装置40は、判定処理を行い(ステップS107)、判定結果を状態情報記憶部425に記録する(ステップS108)。
【0070】
図6は、支援システム100の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。ユーザーがユーザー端末装置50を操作することによって、要求する情報を指定する(ステップS201)。例えば、所定の条件を満たす対象動物の識別情報を要求することが指定されてもよい。例えば、特定の対象動物の状態を示す情報を要求することが指定されても良い。この場合は、特定の対象動物を示す情報がユーザーによってユーザー端末装置50に入力される。例えば、ユーザー端末装置50の画面に表示された複数の対象動物の選択肢の中からユーザーが選択操作をすることによって入力がなされてもよいし、対象動物の識別情報がユーザーの操作によって入力されてもよい。ユーザー端末装置50は、ユーザーによって選択された対象動物を示す識別情報を含む要求情報を支援装置40に送信する(ステップS202)。
【0071】
支援装置40は、要求情報を受信すると(ステップS203)、受信された要求情報に含まれる識別情報が示す対象動物の状態を示す情報(状態情報)を状態情報記憶部425から読み出す(ステップS204)。支援装置40は、読み出された状態情報を含む提供情報を生成する(ステップS205)。支援装置40は、提供情報をユーザー端末装置50に送信する(ステップS206)。
【0072】
ユーザー端末装置50は、提供情報を受信する(ステップS207)。ユーザー端末装置50は、受信された提供情報を出力する(ステップS208)。例えば、ユーザー端末装置50は、提供情報に含まれる状態情報を示す文字や画像を画像表示装置に表示することによって提供情報を出力しても良い。例えば、ユーザー端末装置50は、提供情報に含まれる状態情報を示す音声をスピーカーやヘッドホン等の音響出力装置から出力しても良い。提供情報に警告が含まれる場合には、ユーザー端末装置50は予め警告に応じて定められた出力を行っても良い。例えば、ユーザー端末装置50は、自装置に備えられた振動発生装置を動作させて振動を発生させてもよい。例えば、ユーザー端末装置50は、警告に応じて定められた出力態様で文字や画像を表示させてもよいし、警告に応じて定められた出力態様で音声を出力させてもよい。警告に応じた出力態様は、警告を含まない通常時の出力態様とは異なる出力態様であり、よりユーザーが気づきやすい出力態様である。例えば、通常時に比べて大きい文字、大きな画像、より彩度の高い色、より大きな音量で出力がなされてもよい。
【0073】
図7は、モデル構築装置60の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。モデル構築装置60は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。モデル構築装置60は、通信部61、記憶部62及び制御部63を備える。
【0074】
通信部61は、通信機器である。通信部61は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部61は、制御部63の制御に応じて、ネットワークを介して他の装置とデータ通信する。このようなネットワークは、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワークは、例えばインターネットを用いて構成されてもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて構成されてもよい。ネットワークは、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。通信部61は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0075】
記憶部62は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部62は、制御部63によって使用されるデータを記憶する。記憶部62は、例えば既知データ記憶部621及び判定モデル記憶部622として機能してもよい。
【0076】
既知データ記憶部621は、モデル構築装置60において実行されるモデル構築処理に用いられる既知データを記憶する。既知データは、例えば教師あり学習処理に用いられる教師データであってもよい。既知データ記憶部621が記憶する既知データは、例えば動物の画像と、その画像に写っている動物が対象動物であるか否かを示す正解ラベルと、を含む教師データであってもよい。既知データ記憶部621が記憶する既知データは、例えば、対象動物の画像と、その画像に写っている対象動物の識別情報を示す正解ラベルと、を含む教師データであってもよい。既知データ記憶部621が記憶する既知データは、例えば、対象動物の動作に関する情報と、その動作を行う対象動物の状態を示す正解ラベルと、を含む教師データであってもよい。既知データ記憶部621が記憶する既知データは、他のデータであってもよい。
【0077】
判定モデル記憶部622は、既知データ記憶部621に記憶される既知データを用いたモデル構築処理によって得られる判定モデルを記憶する。判定モデル記憶部622は、例えば既知データを教師データとして用いた教師あり学習処理によって得られる学習済モデルを判定モデルとして記憶してもよい。
【0078】
制御部63は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部63は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報制御部631及びモデル構築制御部632として機能する。なお、制御部63の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0079】
情報制御部631は、情報の入出力を制御する。例えば、情報制御部631は、他の機器(情報処理装置や記憶媒体)から既知データを取得し、既知データ記憶部621に記録する。例えば、情報制御部631は、判定モデル記憶部622に記憶されている判定モデルを、他の装置(例えば支援装置40)に対して送信する。
【0080】
モデル構築制御部632は、既知データ記憶部621に記憶される既知データを用いてモデル構築処理を行うことで、判定モデルを構築する。モデル構築制御部632は、例えば、既知データ記憶部621に記憶されている既知データを教師データとして用いて教師あり学習処理を実行することで判定モデルを構築してもよい。なお、モデル構築制御部632が実行する処理は教師あり学習処理に限定される必要はない。例えば、モデル構築制御部632は既知データを用いて多変量解析等の統計処理を行うことによって推定モデルを構築してもよい。
【0081】
このような学習処理の具体例として、例えば、分類の機械学習の処理が用いられてもよいし、回帰の機械学習の処理が用いられてもよいし、ニューラルネットワークやディープラーニング等の他の学習技術が用いられてもよい。モデル構築制御部632は、生成された判定モデルを判定モデル記憶部622に記録する。このようなモデル構築制御部632によって得られた判定モデルは、支援装置40に対して送信され、支援装置40の状態判定モデル記憶部424に記録されてもよい。
【0082】
図8は、本実施形態に適用される情報処理装置70のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置70は、プロセッサー71、主記憶装置72、通信インターフェース73、補助記憶装置74、入出力インターフェース75及び内部バス76を備える。プロセッサー71、主記憶装置72、通信インターフェース73、補助記憶装置74及び入出力インターフェース75は、内部バス76を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置70は、例えば支援装置40に適用されてもよい。この場合、例えば通信部41は通信インターフェース73を用いて構成されてもよい。例えば記憶部42は補助記憶装置74を用いて構成されてもよい。また、制御部43は、プロセッサー71及び主記憶装置72を用いて構成されてもよい。
【0083】
このように構成された支援システム100では、対象動物の育成をより適正に行うことが可能となる。具体的には以下の通りである。支援システム100では、対象動物に関する情報が収集され、収集された情報に基づいて対象動物の状態が判定される。判定された状態を示す情報はユーザーに対して出力される。そのため、ユーザーは対象動物の状態について容易に認知することができ、対象動物の状態に応じて育成をより適正に行うことが可能となる。
【0084】
また、支援システム100では、対象動物に関する情報として、対象動物の動作に関する情報が取得され、動作に関する情報に基づいて状態が判定される。そのため、対象動物の動作に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化を認知して育成をより適正に行うことが可能となる。
【0085】
また、支援システム100では、対象動物に関する情報として、対象動物の生体に関する情報が取得され、生体に関する情報に基づいて状態が判定される。そのため、対象動物の生体に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化を認知して育成をより適正に行うことが可能となる。
【0086】
支援システム100では、例えば対象動物の動作に関する情報として、特定部位の運動に関する情報が取得されて状態が判定される。より具体的には、対象動物の首の運度(例えば上下運動)に基づいて状態が判定される。そのため、対象動物の特定部位の運動に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化を認知して育成をより適正に行うことが可能となる。特に、動物においては、健康状態の変化が特定部位の動きに生じることがある。そのような場合にも、支援システム100では、特定部位の動きについて判定モデルを用いて状態が判定される。例えば、対象動物がダチョウやエミューである場合、首の運動(例えば上下運動)に関する情報が取得され、その情報に基づいて状態が判定される。例えば、対象動物が象である場合、鼻の運動に関する情報が取得され、その情報に基づいて状態が判定される。そのため、より正確に対象動物の状態を判定することが可能となる。
【0087】
支援システム100では、対象動物が水を飲む動作に基づいて状態が判定される。そのため、対象動物が水を飲む動作に生じた変化を見逃すことなく、対象動物の状態の変化を認知して育成をより適正に行うことが可能となる。特に、動物においては、健康状態の変化が水を飲む動作に生じることがある。そのような場合にも、支援システム100では、水を飲む動作について判定モデルを用いて状態が判定される。そのため、より正確に対象動物の状態を判定することが可能となる。
【0088】
支援システム100では、複数の飼育領域110が設けられる。複数の飼育領域110のうちいくつかは他の飼育領域110と環境(例えば気温や湿度)が異なるように設定されてもよい。対象動物の状態に応じて、その対象動物の飼育領域110が選択される。そのため、対象動物の状態に応じてより適した環境で対象動物を飼育することが可能となる。
【0089】
支援システム100では、対象動物の状態と、その対象動物の血縁者(例えば親、子)との関係が記録される。そのため、ある対象動物の状態について、その血縁者の状態に基づいた判断を容易に行うことが可能となる。
【0090】
(変形例)
無線通信機器20とゲートウェイ30とは一体の装置として構成されてもよい。無線通信機器20は、ゲートウェイ30を介すること無く、直接ネットワーク90に接続するように構成されてもよい。給水器21、計測機器23及びカメラ25についても同様に、ゲートウェイ30を介すること無く、直接ネットワーク90に接続するように構成されてもよい。
【0091】
支援装置40の記憶部42が記憶する情報の一部又は全部は、他の情報処理装置に記憶されてもよい。例えば、支援装置40とネットワーク90を介して通信可能な他の情報処理装置の記憶部において、記憶部42が記憶する情報の一部又は全部が記憶されても良い。その場合、制御部43は、上記他の情報処理装置と通信することによって、処理に必要な情報を取得しても良い。このような他の情報処理装置は1つの情報処理装置を用いて実装されてもよいし、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。
【0092】
支援装置40の制御部43が実行する処理の一部又は全部は、他の情報処理装置によって実行されてもよい。例えば、支援装置40とネットワーク90を介して通信可能な他の情報処理装置の制御部において、制御部43が実行する処理の一部又は全部が実行されても良い。その場合、制御部43は、上記他の情報処理装置と通信することによって、他の情報処理装置による実行結果の情報を取得しても良い。このような他の情報処理装置は1つの情報処理装置を用いて実装されてもよいし、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。
【0093】
情報提供部433は、ユーザー端末装置50等の他の装置に提供情報を送信する処理に代えて、自装置(支援装置40)に設けられた出力装置から提供情報を出力するように構成されてもよい。この場合、支援装置40は、画像出力装置や音響出力装置を備える。情報提供部433は、画像出力装置に提供情報に応じた画像や文字を表示させてもよいし、提供情報に応じた音声を音響出力装置から出力させてもよい。
【0094】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0095】
100…支援システム, 110…飼育領域, 10…対象端末装置, 111…第一通信部, 112…第二通信部, 12…センサー, 13…記憶部, 131…識別情報記憶部, 132…センサー情報記憶部, 14…制御部, 141…記録制御部, 142…通信制御部, 20…無線通信機器, 21…給水器, 23…計測機器, 25…カメラ, 30…ゲートウェイ, 40…支援装置, 41…通信部, 42…記憶部, 421…対象動物情報記憶部, 422…端末識別情報記憶部, 423…収集情報記憶部, 424…状態判定モデル記憶部, 425…状態情報記憶部, 43…制御部, 431…情報収集部, 432…状態判定部, 433…情報提供部