IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士フイルム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-放射線照射装置 図1
  • 特開-放射線照射装置 図2
  • 特開-放射線照射装置 図3
  • 特開-放射線照射装置 図4
  • 特開-放射線照射装置 図5
  • 特開-放射線照射装置 図6
  • 特開-放射線照射装置 図7
  • 特開-放射線照射装置 図8
  • 特開-放射線照射装置 図9
  • 特開-放射線照射装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094001
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】放射線照射装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20240702BHJP
   H05G 1/30 20060101ALI20240702BHJP
   A61B 6/40 20240101ALI20240702BHJP
【FI】
A61B6/00 321
H05G1/30 D
A61B6/00 300B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210693
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】扇 一行
(72)【発明者】
【氏名】小林 丈恭
(72)【発明者】
【氏名】西納 直行
【テーマコード(参考)】
4C092
4C093
【Fターム(参考)】
4C092AA01
4C092AB11
4C092AC01
4C092BE05
4C092CC19
4C093AA01
4C093CA16
4C093EA02
4C093EA12
4C093EA17
4C093FA04
4C093FA15
4C093FA42
4C093FB12
4C093FD09
4C093FH06
(57)【要約】
【課題】単一の無線通信方式のみで外部と通信する場合と比較して、外部との通信を円滑に行うことが可能な放射線照射装置を提供する。
【解決手段】放射線を照射する装置本体と、装置本体に設けられた表示装置と、装置本体を遠隔操作可能な遠隔操作部と、遠隔操作部との間で、第1無線通信方式を用いて、装置本体を操作する操作指示を含む第1情報を無線通信する第1無線通信部と、装置本体の外部に設けられた外部装置との間で、第2無線通信方式を用いて、表示装置に表示させる情報を含む第2情報を無線通信する第2無線通信部と、を備える放射線照射装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を照射する装置本体と、
前記装置本体に設けられた表示装置と、
前記装置本体を遠隔操作可能な遠隔操作部と、
前記遠隔操作部との間で、第1無線通信方式を用いて、前記装置本体を操作する操作指示を含む第1情報を無線通信する第1無線通信部と、
前記装置本体の外部に設けられた外部装置との間で、第2無線通信方式を用いて、前記表示装置に表示させる情報を含む第2情報を無線通信する第2無線通信部と、を備える
放射線照射装置。
【請求項2】
前記第1無線通信部は、前記第2無線通信部よりも、応答速度が速い
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項3】
前記第1無線通信部は、前記第2無線通信部よりも、消費電力が小さい
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項4】
前記第1無線通信部は、前記第2無線通信部よりも、無線通信に用いる電波の到達距離が短い
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項5】
前記第2無線通信部は、前記第1無線通信部よりも、通信速度が速い
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項6】
前記操作指示には、前記装置本体に対して前記放射線の照射を開始させる照射開始指示が含まれる
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項7】
前記第2情報には、被検者の光学画像、被検者の放射線画像、及び/又は撮影情報が含まれる
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項8】
プロセッサをさらに備え、
前記プロセッサは、
前記第1無線通信部と前記遠隔操作部との無線通信の結果に基づいて前記装置本体と前記遠隔操作部との距離を導出し、
前記照射開始指示を受信した場合に、前記距離に応じた照射制御を実行する
請求項6に記載の放射線照射装置。
【請求項9】
前記照射制御は、前記距離が予め定められた値以下である場合に、前記放射線の照射を禁止すること、又は照射してよいか否かを警告することを含む
請求項8に記載の放射線照射装置。
【請求項10】
前記照射制御は、前記距離が予め定められた値以上である場合に、前記放射線の照射を許可することを含む
請求項8に記載の放射線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、放射線を発生する放射線発生部と、放射線発生部からの放射線の出射を制御するスイッチ部とを備えた放射線照射装置が記載されている。放射線発生部とスイッチ部とは別々の筐体から構成されるものであり、放射線発生部とスイッチ部とがそれぞれの筐体の一部の面を介して着脱可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2018/159011号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、放射線照射装置において、装置本体を遠隔から操作するための操作部(特許文献1においてはスイッチ部)が設けられている場合がある。操作部と装置本体とは無線通信が可能であり、操作部から放射線発生部を有する装置本体に向けて無線によって操作信号が送信される。
【0005】
このような放射線照射装置において、操作部との操作信号のやり取りだけではなく、操作部以外の外部装置との間で種々のデータを無線通信する機能が要望されている。種々のデータとしては、例えば、放射線照射装置のディスプレイに表示するための情報等(例えば画像及び患者情報等)が想定される。このような表示用の情報の無線通信と操作信号の無線通信とでは、無線通信部に要求される性能も異なるため、単一の無線通信方式のみで無線通信を実現しようとすると、円滑に通信が行えないといった不都合があった。
【0006】
本開示の技術は、単一の無線通信方式のみで外部と通信する場合と比較して、外部との通信を円滑に行うことが可能な放射線照射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の技術に係る第1の態様は、放射線を照射する装置本体と、装置本体に設けられた表示装置と、装置本体を遠隔操作可能な遠隔操作部と、遠隔操作部との間で、第1無線通信方式を用いて、装置本体を操作する操作指示を含む第1情報を無線通信する第1無線通信部と、装置本体の外部に設けられた外部装置との間で、第2無線通信方式を用いて、表示装置に表示させる情報を含む第2情報を無線通信する第2無線通信部と、を備える放射線照射装置である。
【0008】
本開示の技術に係る第2の態様は、第1無線通信部は、第2無線通信部よりも、応答速度が速い第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0009】
本開示の技術に係る第3の態様は、第1無線通信部は、第2無線通信部よりも、消費電力が小さい第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0010】
本開示の技術に係る第4の態様は、第1無線通信部は、第2無線通信部よりも、無線通信に用いる電波の到達距離が短い第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0011】
本開示の技術に係る第5の態様は、第2無線通信部は、第1無線通信部よりも、通信速度が速い第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0012】
本開示の技術に係る第6の態様は、操作指示には、装置本体に対して放射線の照射を開始させる照射開始指示が含まれる第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0013】
本開示の技術に係る第7の態様は、第2情報には、被検者の光学画像、被検者の放射線画像、及び/又は撮影情報が含まれる第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0014】
本開示の技術に係る第8の態様は、プロセッサをさらに備え、プロセッサは、第1無線通信部と遠隔操作部との無線通信の結果に基づいて装置本体と遠隔操作部との距離を導出し、照射開始指示を受信した場合に、距離に応じた照射制御を実行する第6の態様に係る放射線照射装置である。
【0015】
本開示の技術に係る第9の態様は、照射制御は、距離が予め定められた値以下である場合に、放射線の照射を禁止すること、又は照射してよいか否かを警告することを含む第8の態様に係る放射線照射装置である。
【0016】
本開示の技術に係る第10の態様は、照射制御は、距離が予め定められた値以上である場合に、放射線の照射を許可することを含む第8の態様に係る放射線照射装置である。
【発明の効果】
【0017】
本開示の技術は、単一の無線通信方式のみで外部と通信する場合と比較して、外部との通信を円滑に行うことが可能な放射線照射装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】放射線照射装置の使用態様の一例を示す斜視図である。
図2】放射線照射装置の構成の一例を示す外観斜視図である。
図3】放射線照射装置の構成の一例を示す外観斜視図である。
図4】放射線照射装置の電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】第1無線通信部及び第2無線通信部による無線通信の態様の一例を示す概念図である。
図6】第1無線通信部及び第2無線通信部による無線通信の態様の一例を示す概念図である。
図7】第1無線通信部及び第2無線通信部による無線通信の態様の一例を示す概念図である。
図8】導出部及び照射制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
図9】導出部及び照射制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
図10】導出部及び照射制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。
【0020】
なお、以下の説明では、説明の便宜上、放射線照射装置10の高さ方向、幅方向及び前後方向(奥行方向ともいう)をX、Y及びZの3つの矢印で示す。まず、高さ方向を矢印Zで示し、矢印Zが指し示す矢印Z方向を放射線照射装置10の上方向とし、その逆方向を下方向とする。高さ方向は鉛直方向である。幅方向を、矢印Zと直交する矢印Xで示し、矢印Xが指し示す方向を放射線照射装置10の右方向とし、その逆方向を左方向とする。前後方向を、矢印Z及び矢印Xと直交する方向を矢印Yで示し、矢印Yが指し示す方向を放射線照射装置10の前方向とし、その逆を後方向とする。すなわち、放射線照射装置10において放射線の照射方向が前方向であり、被検者Aが立つ側(図1参照)が前方向である。また、以下において、上側、下側、左側、右側、前側、及び後側といった側を用いた表現も方向を用いた表現と意味は同じである。
【0021】
また、本実施形態において、「鉛直方向」とは、完全な鉛直方向のほかに、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの鉛直方向を指す。また、「水平方向」についても同様であり、完全な水平方向の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの水平方向を指す。
【0022】
一例として図1に示すように、放射線照射装置10は、装置本体11と、遠隔操作部12とを備えている。装置本体11は、被検者Aに対して放射線Rを照射可能な装置である。装置本体11は、内部に放射線の発生源である放射線管15を備えており、放射線管15において発生させた放射線(例えば、X線又はγ線)を照射野限定器(図3参照)及び照射窓(図3参照)等を介して、被検者Aに向けて照射する。放射線照射装置10は、本開示の技術に係る「放射線照射装置」の一例であり、装置本体11は、本開示の技術に係る「装置本体」の一例であり、遠隔操作部12は、本開示の技術に係る「遠隔操作部」の一例である。なお、ここで、遠隔とは、物理的に分離されることにより離隔している程度の意味であり、距離の多寡を意味するものではない。
【0023】
放射線照射装置10は、持ち運び可能な大きさ及び重量となっている。すなわち、放射線照射装置10は、可搬型の放射線照射装置である。放射線照射装置10は、例えば、医療施設において、簡易的な放射線検査で使用されてもよいし、在宅診療の際の放射線検査に用いられてもよい。また、放射線照射装置10は、屋外で用いられてもよい。例えば、放射線照射装置10は、被災地又は医療過疎地域における出張診療に用いられてもよい。
【0024】
装置本体11は、例えば、三脚14を介して被検者Aに対して予め定められた位置(高さ、及び距離)に設定されている。装置本体11の下面には、三脚14と装置本体11とを固定する固定部17が設けられている。固定部17は、例えば、ねじ穴である。固定部17は、放射線Rの線束の中心軸RAと直交する直線であって放射線管15の焦点Fを通る直線L上に位置している。放射線管15は、例えば、陰極から放出された電子をターゲットに衝突させることにより放射線Rを発生する。焦点Fは、ターゲット上において電子が衝突する位置である。放射線Rの線束は、焦点Fを基点として錐形に広がる。中心軸RAは、こうした線束の中心軸である。固定部17は、直線Lと装置本体11の下面との交差する位置に設けられている。放射線照射装置10において、放射線管15の焦点Fが位置する部分が重心に近い。直線L上に固定部17を設けることで、三脚14上の放射線照射装置10を安定させやすい。
【0025】
遠隔操作部12は、装置本体11を遠隔操作可能な装置である。遠隔操作部12は、装置本体11に対して着脱自在である。遠隔操作部12は、例えば、装置本体11と無線通信を行うことで、装置本体11を遠隔操作する。遠隔操作部12による遠隔操作には、例えば、装置本体11に対して、放射線Rを被検者Aヘ向けて照射させる操作が含まれる。
【0026】
放射線照射装置10の操作者であるユーザBは、遠隔操作部12を装置本体11から取り出した後、予め定められた距離、装置本体11から離れた状態で、遠隔操作部12を操作する。これにより、装置本体11の放射線管15から放射線Rが被検者Aに照射される。被検者Aを透過した放射線Rは、検出器16によって検出される。検出器16は、例えば、いわゆるフラットパネルディテクタであり、二次元に画素が配列された検出面を有し、各画素に入射する放射線Rの強度に応じた画像信号を出力する。放射線Rは、被検者Aを透過することによって被検者Aの体内組織の情報を担持する。検出器16は、検出面の各画素においてこうした放射線Rを検出することにより、被検者Aの体内組織の投影像を表す画像信号を放射線画像として出力する。
【0027】
また、ユーザBは、放射線照射装置10を用いた撮影の終了後、遠隔操作部12を装置本体11に収容する。遠隔操作部12が装置本体11に収容された状態で、放射線照射装置10は、ユーザBによって持ち運ばれたり、放射線照射装置10の収納ケースに収納されたりする。
【0028】
一例として図2に示すように、装置本体11は、左右方向に長手方向を有する略直方体形状を有している。装置本体11の前面11Aには、放射線Rを照射方向に向かって突出する筒状部18が設けられている。筒状部18の内部には、後述する照射野限定器(コリメータとも呼ばれる)及び照射窓が取り付けられている。また、筒状部18の先端には、スキンガード20が取り付けられている。スキンガード20は、装置本体11と被検者Aとの間に必要な間隔を確保するためのもので、被検者Aに対して装置本体11が過度に接近した状態で放射線Rが照射されることを抑制する。
【0029】
装置本体11の背面11Bには、収容部24が設けられている。収容部24は、装置本体11の背面11Bに遠隔操作部12を埋め込む形態で収容する。具体的には、収容部24は、凹型の内壁面34を有している。遠隔操作部12が収容部24に収容された状態において、内壁面34は、遠隔操作部12の裏面12B以外の全ての面と対向する。このように、収容部24は、遠隔操作部12を収容する。
【0030】
また、装置本体11の背面11Bには、ディスプレイ22が設けられている。ディスプレイ22には、放射線撮影に関する種々の情報が表示される。ディスプレイ22は、例えば、液晶ディスプレイであってもよいし、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであってもよい。ディスプレイ22は、本開示の技術に係る「表示装置」の一例である。また、装置本体11の左側面には、把持部材11Cが取り付けられている。ユーザBは、把持部材11Cを介して放射線照射装置10を把持する。
【0031】
遠隔操作部12は、装置本体11に収容された状態において、上下方向に長手方向を有する略直方体形状を有している。遠隔操作部12は、操作面12A及び裏面12Bを有している。操作面12Aには、照射ボタン13Aと撮影ボタン13Bとが設けられている。
【0032】
照射ボタン13Aは、放射線Rの照射を指示するための操作ボタンである。照射ボタン13AがユーザBによって押下されることで、遠隔操作部12から装置本体11に対して放射線Rを照射させる信号が出力される。また、放射線照射装置10には、光学カメラ(図示せず)が内蔵されている。撮影ボタン13Bは、光学カメラによる撮影を指示するための操作ボタンである。撮影ボタン13BがユーザBによって押下されることで、遠隔操作部12から装置本体11に対して後述する光学カメラに撮像をさせる信号が出力される。裏面12Bは、操作面12Aの反対側の面であり、裏面12Bには、照射ボタン13A及び撮影ボタン13Bを含む操作キーは設けられていない。
【0033】
なお、ここでは、照射ボタン13A及び撮影ボタン13Bは、ボタンである例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎない。照射ボタン13A及び撮影ボタン13Bは、カーソル、スライドスイッチの他、タッチパッドであってもよい。
【0034】
一例として図3に示すように、装置本体11の前面11Aから突出した筒状部18は、照射野限定器26と、照射窓28とを有している。照射野限定器26は、放射線Rの照射範囲を予め定められた範囲に規定する照射野限定器である。また、照射窓28は、放射線Rに対して透明な部材で構成され、外部と筒状部18内とを区画する窓部材である。放射線管15から出射された放射線Rは、照射野限定器26によって照射範囲が規定され、さらに照射窓から被検者Aに向かって照射される。また、筒状部18内には、光学カメラ47(図4参照)が設けられている。光学カメラ47は、例えば、CCD(charge coupled device)イメージセンサ及びCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサなどのイメージセンサを有する撮像装置である。符号30は、光学カメラのレンズの一部である撮影窓である。撮影窓30を通じて被検者Aの像光が光学カメラ内のイメージセンサに入射する。光学カメラは、例えば、被検者Aを撮像する。撮像した被検者Aの光学画像は、例えば、放射線Rの照射位置の位置合わせを行うために用いられる。
【0035】
一例として図4に示すように、装置本体11は、制御装置36を備えている。制御装置36は、装置本体11の全体の動作を制御する。制御装置36は、プロセッサ38、ストレージ40、及びRAM(Random Access Memory)42、及び外部I/F(インタフェース)44を備えている。プロセッサ38、ストレージ40、RAM42、及び外部I/F44は、バス46に接続されている。プロセッサ38は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。
【0036】
プロセッサ38には、メモリが接続されている。メモリは、ストレージ40及びRAM42を含む。プロセッサ38は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を有する。なお、プロセッサ38に、CPUとは別に、画像処理専用のGPU(Graphics Processing Unit)を設けてもよい。
【0037】
ストレージ40は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。ストレージ40としては、例えば、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)及びSSD(Solid State Drive)等)及び/又はHDD(Hard Disk Drive)が挙げられる。なお、フラッシュメモリ及びHDDは、あくまでも一例に過ぎず、フラッシュメモリ、HDD磁気抵抗メモリ、及び強誘電体メモリのうちの少なくとも1つをストレージ40として用いてもよい。
【0038】
RAM42は、一時的に情報が記憶されるメモリであり、プロセッサ38によってワークメモリとして用いられる。RAM42としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等が挙げられる。
【0039】
外部I/F44は、制御装置36の外部に存在する装置との間の各種情報の授受を司る。外部I/F44は、放射線管15、ディスプレイ22、及び光学カメラ47と通信可能に接続されている。また、外部I/F44は、後述する第1無線通信部48及び第2無線通信部50と接続されている。
【0040】
装置本体11は、第1無線通信部48及び第2無線通信部50を備えている。第1無線通信部48は、遠隔操作部12との間で第1情報49を無線通信する。第1情報49には、装置本体11を遠隔操作する操作指示49Aが含まれる。操作指示49Aには、装置本体11に対して放射線の照射を開始させる照射開始指示が含まれる。その他の例として、操作指示49Aには、光学カメラ47による撮像を開始させる指示、及び/又は、装置本体11の電源を切る指示が含まれる。第1無線通信部48は、遠隔操作部12と無線通信を行うためのハードウェアであり、無線通信I/F(インタフェース)である。第1無線通信部48としての無線通信I/Fは、例えば、通信用アンテナ及び送受信回路を含んで構成される。第1無線通信部48は、本開示の技術に係る「第1無線通信部」の一例であり、第1情報49は、本開示の技術に係る「第1情報」の一例であり、操作指示49Aは、本開示の技術に係る「操作指示」の一例である。
【0041】
第2無線通信部50は、検出器16との間で第2情報51を無線通信する。ここで、検出器16は、本開示の技術に係る「外部装置」の一例である。第2情報51には、ディスプレイ22に表示させる情報が含まれる。第2情報51には、ディスプレイ22に表示される放射線画像(図6参照)を示す情報(以下単に、画像情報51Aとも称する)が含まれる。第2無線通信部50は、検出器16と無線通信を行うためのハードウェアであり、すなわち、無線通信I/F(インタフェース)である。第2無線通信部50としての無線通信I/Fは、例えば、通信用アンテナ及び送受信回路を含んで構成される。第2無線通信部50は、本開示の技術に係る「第2無線通信部」の一例であり、第2情報51は、本開示の技術に係る「第2情報」の一例である。
【0042】
なお、第1無線通信部48と第2無線通信部50とは、それぞれ別体で構成されていてもよいが、例えば、第1無線通信部48と第2無線通信部50とが、同じ基板上に形成されていて、物理的に一体となっていてもよい。
【0043】
第1無線通信部48と遠隔操作部12との無線通信では、第1情報49がやり取りされる。第1情報49は、装置本体11を遠隔操作する操作指示49Aを含んでいる。遠隔操作のためには、ユーザの求める動作タイミングと、実際の装置本体11の動作タイミングとのずれが小さいことが求められる。そのため、第1無線通信部48と遠隔操作部12との無線通信では、応答速度が速いことが求められる。
【0044】
そこで、第1無線通信部48は、第2無線通信部50と比較して、応答速度が速い。一例として図5に示すように、第1無線通信部48は、無線通信方式として第1方式を用いた無線通信を行う。第1方式は、例えばBluetooth(登録商標)の仕様に準拠した無線通信方式である。また、第2無線通信部50は、無線通信方式として第2方式を用いた無線通信を行う。第1方式は、例えば無線LAN(Local Area Network)規格であるIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11規格に準拠した無線通信方式であり、いわゆるWi-Fi(登録商標)などとも呼ばれる。第1方式の第1無線通信部48の応答速度は、第2方式の第2無線通信部50と比較して速い。
【0045】
また、第1無線通信部48と遠隔操作部12との無線通信では、混信を避けることが求められる。混信を回避することで、通信の阻害が抑制され、応答速度が低下を抑制できるためである。混信を回避するためには、他の通信機器との電波の干渉を避けるため、電波の到達距離を短くすることが望ましい。そこで、第1無線通信部48は、第2無線通信部50と比較して、無線通信に用いる電波の到達距離が短い。具体的には、第1無線通信部48の第1方式の一例であるBluetooth(登録商標)による電波の到達距離は、第2無線通信部50の第2方式の一例である無線LAN規格と比較して小さい。
【0046】
また、遠隔操作部12は、装置本体11とは別の電源で動作している。そのため、遠隔操作部12と装置本体11との無線通信に要する消費電力は、できるだけ小さいことが望ましい。そこで、第1無線通信部48の消費電力は、第2無線通信部50と比較して小さい。具体的には、第1方式の第1無線通信部48による無線通信の消費電力は、第2方式の第2無線通信部50による無線通信の消費電力と比較して小さい。
【0047】
遠隔操作部12と第1無線通信部48との間でやり取りされる操作指示49Aは、画像情報51Aと比較してデータ容量の小さい情報である。そのため、第1方式のような比較的通信速度が遅く、送受信可能なデータ容量の小さい無線通信方式であっても、遠隔操作部12と第1無線通信部48との無線通信には十分である。
【0048】
一方、検出器16と第2無線通信部50との間でやり取りされる画像情報51Aは、操作指示49Aと比較してデータ容量の大きい情報である。そのため、第2無線通信部50の通信速度は、第1無線通信部48と比較して速い。具体的には、第2無線通信部50では、無線LAN規格のような比較的通信速度が速く、かつ送受信可能なデータ容量の大きな無線通信方式が採用される。第1方式と第2方式にはそれぞれ以上のような性能が求められており、そうした要求に適合する特性のものが採用される。
【0049】
また、検出器16に代えて、又は、検出器16と共に、放射線照射装置10の外部に設けられたパーソナル・コンピュータ52と第2無線通信部50との間で画像情報51Aがやり取りされてもよい。なお、ここでは、放射線照射装置10の外部にパーソナル・コンピュータ52が設けられた例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎない。パーソナル・コンピュータ52に代えて、又は、パーソナル・コンピュータ52と共に、スマートデバイス、サーバ、及びプリンタのうちの少なくとも1つが設けられてもよい。
【0050】
一例として図6に示すように、ユーザ(図1参照)によって、遠隔操作部12の照射ボタン13Aが押下されると、遠隔操作部12から装置本体11に対して放射線Rの照射を開始させる指示である照射開始指示49Bが送信される。照射開始指示49Bは、本開示の技術に係る「照射開始指示」の一例である。遠隔操作部12との無線通信は、無線通信方式として第1方式を採用する第1無線通信部48によって行われる。第1無線通信部48は、照射開始指示49Bを受信する。制御装置36は、第1無線通信部48を介して受信した照射開始指示49Bに基づいて、放射線管15の制御を開始する。例えば、制御装置36は、予め定められた管電圧、管電流、及び照射時間で、放射線Rを照射するように、放射線管15を制御する。放射線管15は、制御装置36の制御下で動作する。これにより、放射線管15から被検者Aに対して放射線Rが照射される。
【0051】
検出器16において、放射線Rが検出される。放射線Rの検出結果は、放射線画像16Aとして検出器16から送信される。放射線画像16Aは、本開示の技術に係る「放射線画像」の一例である。検出器16との間の無線通信は、無線通信方式として第2方式を採用した第2無線通信部50を用いて行われる。第2無線通信部50は、放射線画像16Aを受信する。制御装置36は、第2無線通信部50を介して取得した放射線画像16Aをディスプレイ22に対して表示させる。具体的には、制御装置36は、放射線画像16Aを表示するためのGUI(Graphical User Interface)制御を行うことで、ディスプレイ22に対して放射線画像16Aを含む画面を表示させる。ユーザは、ディスプレイ22に表示された放射線画像16Aを視認することで、放射線撮影の結果を確認することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る放射線照射装置10では、装置本体11を操作するため操作指示49Aを含む第1情報49と、装置本体11のディスプレイ22に表示させる画像情報51Aを含む第2情報51とは、情報の利用目的、及びデータ容量が異なる。そのため、それぞれの情報に応じた無線通信方式を用いて外部と通信することで、情報の利用目的、及びデータ容量に応じた無線通信が可能になる。これにより、単一の無線通信方式のみで外部と通信する場合と比較して、装置本体11と外部との無線通信が円滑に行われる。
【0053】
例えば、操作指示49Aは、データ容量は小さいが、操作遅延を低減するため応答性の良い第1方式が適している。一方、画像情報51Aは、データ容量が大きいため、通信速度の大きな第2方式が適している。そのため、操作指示49Aに適した第1方式を用いて、画像情報51Aを送信しようとすると、送信に多大な時間を要し、円滑な無線通信が困難となる。反対に、画像情報51Aに適した第2方式のみを用いると、操作指示49Aの送信における応答性が悪く、操作遅延が生じる。本構成では、第1情報49に適した第1方式と、第2情報51に適した第2方式とを用いて外部と通信が行われる。このため、情報の利用目的、及びデータ容量に応じた無線通信が可能になる。これにより、装置本体11と外部との無線通信が円滑に行われる。
【0054】
また、例えば、単一の無線通信部のみで第1情報49と第2情報51とを無線通信しようとする場合、無線通信方式が共通のため、混信が発生することがある。これにより、装置本体11と外部との無線通信が阻害される。本構成では、第1情報49と第2情報51とを別の無線通信方式を用いて通信するため、両者の混信が抑制される。これにより、装置本体11と外部との無線通信が円滑に行われる。
【0055】
また、本実施形態に係る放射線照射装置10では、第1無線通信部48は、第2無線通信部50よりも応答速度が速い。第1無線通信部48は、遠隔操作部12との間で無線通信を行う。遠隔操作部12との無線通信では、装置本体11に対する操作の遅延が少ないことが望まれる。本構成では、第1無線通信部48は、第2無線通信部50よりも応答速度が速いことにより、操作遅延が抑制される。
【0056】
また、本実施形態に係る放射線照射装置10では、第1無線通信部48は、第2無線通信部50よりも、消費電力が小さい。遠隔操作部12は、装置本体11とは別の電源で動作している。第1無線通信部48と遠隔操作部12との無線通信に要する消費電力を小さくすることで、遠隔操作部12は、充電頻度が少なくなり、長時間使用に耐えられる。これにより、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0057】
また、本実施形態に係る放射線照射装置10では、第1無線通信部48は、第2無線通信部50よりも、無線通信に用いる電波の到達距離が短い。第1無線通信部48が、第2無線通信部50よりも、電波の到達距離が短いことで他の通信機器との混信が抑制される。これにより、混信によって無線通信が阻害され、第1無線通信部48と遠隔操作部12との無線通信の応答速度が遅くなることが抑制される。
【0058】
また、第1無線通信部48は、第2無線通信部50よりも、無線通信に用いる電波の到達距離が短いということは、第2無線通信部50の到達距離が、第1無線通信部48よりも長いことを意味する。このため、装置本体11と放射線照射装置10の外部に設けられた装置との距離が長い場合でも無線通信を行うことが実現される。これにより、外部に設けられた装置と放射線照射装置10との位置関係が制限されにくくなり、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0059】
また、本実施形態に係る放射線照射装置10では、第2無線通信部50は、第1無線通信部48よりも、通信速度が速い。つまり、単位時間当たりの送信データ容量が大きい。第2無線通信部50は、放射線照射装置10の外部に設けられた装置との無線通信を行う。第2無線通信部50と外部に設けられた装置との間では、画像情報51Aを含む第2情報51がやり取りされる。第2情報51は、操作指示49Aを含む第1情報49と比較してデータ容量が大きい。そのため、第1無線通信部48よりも、通信速度の速い第2無線通信部50において無線通信を行うことで安定してデータ容量が大きい第2情報51の通信を行うことが実現される。
【0060】
また、本実施形態に係る放射線照射装置10では、操作指示49Aには、装置本体11に対して放射線の照射を開始させる照射開始指示49Bが含まれる。遠隔操作部12との無線通信により、やり取りされる操作指示49Aには、照射開始指示49Bが含まれる。画像情報51Aとは異なる無線通信方式で照射開始指示49Bが送信されることで、放射線の照射タイミングを逃すことが抑制される。
【0061】
また、本実施形態に係る放射線照射装置10では、第2情報51には、被検者Aの放射線画像16Aが含まれる。放射線画像16Aを示す情報は、操作指示49Aと比較してデータ容量が大きい。このため、操作指示49Aとは異なる方式で放射線画像16Aの無線通信を行うことで安定して通信を行うことが実現される。
【0062】
また、本実施形態に係る放射線照射装置10では、遠隔操作部12との無線通信と、外部装置との無線通信とは、別の無線通信方式の無線通信部が用いられる。これにより、他の通信の影響を受けにくくでき、操作指示49Aが装置本体11に正確に伝達される。また、第1無線通信部48が採用するBluetooth(登録商標)等の第1方式は、無線LAN規格等の第2方式と比較して応答速度が速いので、遠隔操作における遅延が生じにくく、さらに遠隔操作部12における消費電力の抑制もできる。
【0063】
また、本実施形態に係る放射線照射装置10では、放射線照射装置10の外部に設けられた装置との無線通信において、無線通信方式として無線LAN規格等の第2方式を用いることで、大容量の通信を高速で行うことができ、放射線画像16Aなどのデータ容量の大きい情報を、装置本体11と外部に設けられた装置との間で円滑にやり取りすることが実現される。
【0064】
(第1変形例)
上記実施形態では、検出器16と第2無線通信部50との間で第2情報51として放射線画像16Aがやり取りされる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第1変形例では、装置本体11と外部に設けられた装置との間で、第2情報51として光学画像47A及び撮影情報15Aがやり取りされる。光学画像47Aは、本開示の技術に係る「光学画像」の一例であり、撮影情報15Aは、本開示の技術に係る「撮影情報」の一例である。
【0065】
一例として図7に示すように、ユーザ(図1参照)によって、遠隔操作部12の撮影ボタン13Bが押下されると、遠隔操作部12から装置本体11に対して光学カメラ47による撮影を開始させる指示である撮影開始指示49Cが送信される。遠隔操作部12との無線通信は、第1方式の第1無線通信部48を用いて行われる。第1無線通信部48は、撮影開始指示49Cを受信する。制御装置36は、第1無線通信部48を介して受信した撮影開始指示49Cに基づいて、光学カメラ47の制御を開始する。例えば、制御装置36は、予め定められた光学撮影条件(例えば、撮影範囲)で撮影するように光学カメラ47を制御する。光学カメラ47は、制御装置36の制御下で動作する。これにより、光学カメラ47による被検者Aの撮影が行われる。制御装置36は、光学カメラ47による撮像で得られた光学画像47Aをディスプレイ22に表示させる。
【0066】
第2無線通信部50は、パーソナル・コンピュータ52から撮影情報15Aを取得する。パーソナル・コンピュータ52との無線通信は、第2無線通信部50を用いて行われる。撮影情報15Aは、放射線撮影に利用可能な情報である。
【0067】
撮影情報15Aには、被検者情報及び/又は照射条件が含まれる。被検者情報は、放射線撮影の被検者を特定可能な情報(例えば、被検者の氏名、年齢、又は性別)である。照射条件は、放射線の照射のための条件である。照射条件には、例えば、放射線管15の管電圧、管電流、及び照射時間が含まれる。
【0068】
制御装置36は、第2無線通信部50を介して撮影情報15Aを取得する。そして、制御装置36は、撮影情報15Aを示す画像をディスプレイ22に表示させる。図7に示す例では、撮影情報15Aとして管電圧及び照射時間の照射条件が表示された例が示されている。ユーザは、ディスプレイ22に表示された光学画像47A及び撮影情報15Aを視認することで、放射線撮影に利用可能な情報を確認することができる。
【0069】
また、制御装置36は、第2無線通信部50を介して、光学画像47Aをパーソナル・コンピュータ52へ送信する。パーソナル・コンピュータ52において、光学画像47Aは、ディスプレイに表示されたり、ストレージに記憶されたりする。
【0070】
以上説明したように、本第1変形例に係る放射線照射装置10では、第2情報51には、被検者Aの光学画像47A及び撮影情報15Aが含まれる光学画像47A及び撮影情報15Aを示す情報は、操作指示49Aと比較してデータ容量が大きい。このため、操作指示49Aとは異なる方式で光学画像47A及び撮影情報15Aの無線通信を行うことで安定して通信を行うことが実現される。
【0071】
なお、上記第1変形例では、第2情報51に光学画像47A及び撮影情報15Aが含まれる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。第2情報51には、光学画像47A及び撮影情報15Aのうちの何れか一つが含まれてもよい。また、第2情報51には、光学画像47A及び撮影情報15Aとともに、放射線画像16Aが含まれてもよい。
【0072】
(第2変形例)
本第2変形例では、遠隔操作部12と第1無線通信部48との間の無線通信の結果に基づいて、遠隔操作部12と装置本体11との距離(以下、単に「通信距離」とも称する)が導出される。そして、導出された距離に応じて、放射線Rの照射制御が実行される。
【0073】
一例として図8に示すように、制御装置36において、プロセッサ38は、ストレージ40から照射制御プログラム40Aを読み出し、読み出された照射制御プログラム40AをRAM42上で実行する。これにより、プロセッサ38は、導出部38A及び照射制御部38Bとして動作する。
【0074】
導出部38Aは、遠隔操作部12と第1無線通信部48との間の無線通信の結果に基づいて、通信距離を導出する。ここで、無線通信における信号強度は、通信距離に応じて変化する。すなわち、遠隔操作部12と装置本体11が近い場合には、信号強度は比較的大きく、遠隔操作部12と装置本体11が離れている場合には、信号強度は比較的小さくなる。
【0075】
そこで、第1無線通信部48は、遠隔操作部12からの照射開始指示等の操作指示を受信した場合に、受信した信号強度を、導出部38Aに出力する。導出部38Aは、信号強度に基づいて、通信距離を導出する。例えば、導出部38Aは、距離導出テーブル(図示省略)を用いて、通信距離を導出する。距離導出テーブルは、信号強度を入力値とし、通信距離を出力値とするテーブルである。導出部38Aは、距離導出テーブルを用いて、信号強度に応じた通信距離を導出し、照射制御部38Bへ出力する。
【0076】
なお、ここでは、距離導出テーブルを用いて通信距離が導出される例を挙げたが、これはあくまでも一例に過ぎず、距離演算式が用いられてもよい。距離演算式は、信号強度を独立変数とし、通信距離を従属変数とする演算式である。
【0077】
照射制御部38Bは、照射開始指示を受信した場合に、通信距離に応じた照射制御を実行する。先ず、照射制御部38Bは、第1無線通信部48を介して遠隔操作部12から照射開始指示を受信したか否かを判定する。判定が肯定された場合、次に、照射制御部38Bは、導出部38Aから取得した通信距離が閾値(例えば、5m)以下であるか否かを判定する。判定が肯定された場合、照射制御部38Bは、照射制御として放射線の照射を禁止する制御を行う。具体的には、照射開始指示が受け付けられた場合でも、照射制御部38Bは、放射線管15への放射線の照射のための電力の供給を停止する。これにより、遠隔操作部12が、装置本体11から予め定められた範囲内にある場合には、放射線Rの照射が行われなくなる。
【0078】
以上説明したように、本第2変形例に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、導出部38Aが、第1無線通信部48と遠隔操作部12との無線通信の結果に基づいて通信距離を導出する。そして、照射制御部38Bは、第1無線通信部48を介して照射開始指示49Bを受信した場合に、通信距離に応じた照射制御を実行する。通信距離に応じて、装置本体11による放射線の照射に対する制御が行われる。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が行われることが抑制される。
【0079】
また、本第2変形例に係る放射線照射装置10では、照射制御部38Bによる照射制御は、通信距離が予め定められた値以下である場合に、放射線の照射を禁止することを含む。遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた距離以下である場合に、照射開始指示49Bが受信されても、放射線の照射が禁止される。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が行われることが抑制される。
【0080】
例えば、ユーザが遠隔操作部12を持った状態で、遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた距離の範囲内にあるということは、ユーザが装置本体11に近い位置にいることを意味する。この状態で、放射線が照射されると、装置本体11に近い位置にいるユーザが少なからず被爆してしまうなど、ユーザの意図しない放射線の照射が生じるおそれもある。本構成では、遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた範囲内にある場合には、照射開始指示49Bが受信されても照射制御部38Bにより放射線の照射が禁止されるので、ユーザの意図しない放射線の照射が抑制される。
【0081】
(第3変形例)
上記第2変形例では、照射制御として放射線の照射が禁止される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第3変形例では、照射制御として放射線を照射してよいか否かを警告することが含まれる。
【0082】
一例として図9に示すように、導出部38Aは、遠隔操作部12と第1無線通信部48との間の無線通信の結果に基づいて、通信距離を導出する。導出部38Aは、遠隔操作部12から送信された距離導出用信号の信号強度に基づいて、通信距離を導出する。例えば、導出部38Aは、距離導出テーブルを用いて、信号強度に応じた通信距離を導出し、照射制御部38Bへ出力する。
【0083】
照射制御部38Bは、第1無線通信部48を介して遠隔操作部12から照射開始指示を受信したか否かを判定する。判定が肯定された場合、次に、照射制御部38Bは、導出部38Aから取得した通信距離が閾値(例えば、5m)以下であるか否かを判定する。判定が肯定された場合、照射制御部38Bは、照射制御として放射線を照射してよいか警告する制御を行う。具体的には、照射開始指示が受け付けられた場合でも、照射制御部38Bは、ディスプレイ22に警告メッセージ54を表示させる。図9に示す例では、警告メッセージ54として「放射線を照射しますか?」というテキストが表示される例が示されている。これにより、遠隔操作部12が、装置本体11から予め定められた範囲内にある場合には、ユーザに対して放射線を照射してもよいかを確認することが実現される。
【0084】
以上説明したように、本第3変形例に係る放射線照射装置10では、照射制御部38Bによる照射制御は、通信距離が予め定められた値以下である場合に、放射線の照射をしてもよいか警告することを含む。遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた距離以下である場合には、放射線の照射をしてもよいか、警告が行われる。ユーザは、警告内容を確認したうえで、放射線の照射を行うか、中断するかの判断ができる。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が行われることが抑制される。
【0085】
例えば、ユーザが遠隔操作部12を持った状態で、遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた距離の範囲内にあるということは、ユーザが装置本体11に近い位置にいることを意味する。この状態で、放射線が照射されるとユーザの意図しない放射線の照射が行われる場合がある。本構成では、遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた範囲内にある場合には、照射開始指示49Bが受信されると、放射線の照射をしてもよいか、警告が行われる。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が抑制される。
【0086】
(第4変形例)
上記第2変形例及び第3変形例では、通信距離が閾値以下である場合に、照射制御として放射線の照射の禁止又は放射線を照射してもよいか否かの警告が行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第4変形例では、通信距離が閾値以上である場合に、照射制御として放射線の照射の許可が行われる。
【0087】
一例として図10に示すように、制御装置36において、プロセッサ38は、ストレージ40から照射制御プログラム40Bを読み出し、読み出された照射制御プログラム40AをRAM42上で実行する。これにより、プロセッサ38は、導出部38A及び照射制御部38Cとして動作する。
【0088】
導出部38Aは、遠隔操作部12と第1無線通信部48との間の無線通信の結果に基づいて、通信距離を導出する。導出部38Aは、遠隔操作部12から送信された距離導出用信号の信号強度に基づいて、通信距離を導出する。例えば、導出部38Aは、距離導出テーブルを用いて、信号強度に応じた通信距離を導出し、照射制御部38Cへ出力する。
【0089】
照射制御部38Cは、第1無線通信部48を介して遠隔操作部12から照射開始指示を受信したか否かを判定する。判定が肯定された場合、次に、照射制御部38Cは、導出部38Aから取得した通信距離が閾値(例えば、5m)以上であるか否かを判定する。判定が肯定された場合、照射制御部38Cは、照射制御として放射線の照射を許可する制御を行う。具体的には、照射制御部38Bは、照射開始指示に基づいて、予め定められた管電圧、管電流、及び照射時間で、放射線Rを照射するように、放射線管15を制御する。
【0090】
以上説明したように、本第4変形例に係る放射線照射装置10では、照射制御部38Cによる照射制御は、通信距離が予め定められた値以上である場合に、放射線の照射を許可することを含む。遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた距離以上である場合には、照射制御部38Cにより放射線の照射が許可される。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が行われることが抑制される。
【0091】
例えば、ユーザが遠隔操作部12を持った状態で、遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた距離の範囲外にあるということは、ユーザが装置本体11から十分離れた位置にいることを意味する。この状態では、放射線が照射されてもユーザへの影響は小さい。本構成では、遠隔操作部12と装置本体11とが予め定められた範囲外にある場合には、放射線の照射が許可される。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が抑制される。
【0092】
なお、上記実施形態では、第1無線通信部48と遠隔操作部12との間の無線通信方式である第1方式としてBluetooth(登録商標)を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。第1方式として、Zigbee(登録商標)又は赤外線通信が用いられてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、ストレージ40に照射制御プログラム40A又は40Bが記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、照射制御プログラム40A又は40BがSSD又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記憶媒体(図示省略)に記憶されていてもよい。記憶媒体は、可搬型のコンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体である。記憶媒体に記憶されている照射制御プログラム40A又は40Bは、放射線照射装置10にインストールされる。プロセッサ38は、照射制御プログラム40A又は40Bに従って処理を実行する。
【0094】
また、ネットワークを介して放射線照射装置10に接続される他のコンピュータ又はサーバ等の記憶装置に照射制御プログラム40A又は40Bを記憶させておき、放射線照射装置10の要求に応じて照射制御プログラム40A又は40Bがダウンロードされ、放射線照射装置10にインストールされるようにしてもよい。つまり、本実施形態で説明したプログラム(プログラム製品)は、記録媒体で提供するほか、外部のコンピュータから配信する形態であっても良い。
【0095】
また、上記実施形態では、放射線照射装置10のプロセッサ38、ストレージ40、RAM42、及び外部I/F44がコンピュータとして例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータに代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及び/又はPLD(Programmable Logic Device)を含むデバイスを適用してもよい。また、コンピュータに代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
【0096】
上記実施形態で説明した処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで処理を実行する。
【0097】
処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【0098】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC(System-on-a-chip)などに代表されるように、処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0099】
これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の画像処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0100】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0101】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0102】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0103】
<付記1>
放射線を照射する装置本体と、
上記装置本体に設けられた表示装置と、
上記装置本体を遠隔操作可能な遠隔操作部と、
上記遠隔操作部との間で、第1無線通信方式を用いて、上記装置本体を操作する操作指示を含む第1情報を無線通信する第1無線通信部と、
上記装置本体の外部に設けられた外部装置との間で、第2無線通信方式を用いて、上記表示装置に表示させる情報を含む第2情報を無線通信する第2無線通信部と、を備える
放射線照射装置。
<付記2>
上記第1無線通信部は、上記第2無線通信部よりも、応答速度が速い
付記1に記載の放射線照射装置。
<付記3>
上記第1無線通信部は、上記第2無線通信部よりも、消費電力が小さい
付記1又は付記2に記載の放射線照射装置。
<付記4>
上記第1無線通信部は、上記第2無線通信部よりも、無線通信に用いる電波の到達距離が短い
付記1から付記3の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記5>
上記第2無線通信部は、上記第1無線通信部よりも、通信速度が速い
付記1から付記4の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記6>
上記操作指示には、上記装置本体に対して上記放射線の照射を開始させる照射開始指示が含まれる
付記1から付記5の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記7>
上記第2情報には、被検者の光学画像、被検者の放射線画像、及び/又は撮影情報が含まれる
付記1から付記6の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記8>
プロセッサをさらに備え、
上記プロセッサは、
上記無線通信部と上記遠隔操作部との無線通信の結果に基づいて上記装置本体と上記遠隔操作部との距離を導出し、
上記照射開始指示を受信した場合に、上記距離に応じた照射制御を実行する
付記1から付記7の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記9>
上記照射制御は、上記距離が予め定められた値以下である場合に、上記放射線の照射を禁止すること、又は照射してよいか否かを警告することを含む
付記8に記載の放射線照射装置。
<付記10>
上記照射制御は、上記距離が予め定められた値以上である場合に、上記放射線の照射を許可することを含む
付記8に記載の放射線照射装置。
【符号の説明】
【0104】
10 放射線照射装置
11 装置本体
11A 前面
11B 背面
11C 把持部材
12 遠隔操作部
12A 操作面
12B 裏面
13A 照射ボタン
13B 撮影ボタン
14 三脚
15 放射線管
15A 撮影情報
16 検出器
16A 放射線画像
17 固定部
18 筒状部
20 スキンガード
22 ディスプレイ
24 収容部
26 照射野限定器
28 照射窓
30 撮影窓
34 内壁面
38 プロセッサ
38A 導出部
38B,38C 照射制御部
40 ストレージ
40A,40B 照射制御プログラム
42 RAM
44 外部I/F
46 バス
47 光学カメラ
47A 光学画像
48 第1無線通信部
49 第1情報
49A 操作指示
49B 照射開始指示
49C 撮影開始指示
50 第2無線通信部
51 第2情報
51A 画像情報
52 パーソナル・コンピュータ
54 警告メッセージ
A 被検者
B ユーザ
F 焦点
L 直線
R 放射線
RA 中心軸
X,Y,Z 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
一例として図2に示すように、装置本体11は、左右方向に長手方向を有する略直方体形状を有している。装置本体11の前面11Aには、放射線R照射方向に向かって突出する筒状部18が設けられている。筒状部18の内部には、後述する照射野限定器(コリメータとも呼ばれる)及び照射窓が取り付けられている。また、筒状部18の先端には、スキンガード20が取り付けられている。スキンガード20は、装置本体11と被検者Aとの間に必要な間隔を確保するためのもので、被検者Aに対して装置本体11が過度に接近した状態で放射線Rが照射されることを抑制する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
ストレージ40は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。ストレージ40としては、例えば、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)及びSSD(Solid State Drive)等)及び/又はHDD(Hard Disk Drive)が挙げられる。なお、フラッシュメモリ及びHDDは、あくまでも一例に過ぎず、フラッシュメモリ、HDD磁気抵抗メモリ、及び強誘電体メモリのうちの少なくとも1つをストレージ40として用いてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
以上説明したように、本第1変形例に係る放射線照射装置10では、第2情報51には、被検者Aの光学画像47A及び撮影情報15Aが含まれ光学画像47A及び撮影情報15Aを示す情報は、操作指示49Aと比較してデータ容量が大きい。このため、操作指示49Aとは異なる方式で光学画像47A及び撮影情報15Aの無線通信を行うことで安定して通信を行うことが実現される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
一例として図10に示すように、制御装置36において、プロセッサ38は、ストレージ40から照射制御プログラム40Bを読み出し、読み出された照射制御プログラム40をRAM42上で実行する。これにより、プロセッサ38は、導出部38A及び照射制御部38Cとして動作する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
照射制御部38Cは、第1無線通信部48を介して遠隔操作部12から照射開始指示を受信したか否かを判定する。判定が肯定された場合、次に、照射制御部38Cは、導出部38Aから取得した通信距離が閾値(例えば、5m)以上であるか否かを判定する。判定が肯定された場合、照射制御部38Cは、照射制御として放射線の照射を許可する制御を行う。具体的には、照射制御部38は、照射開始指示に基づいて、予め定められた管電圧、管電流、及び照射時間で、放射線Rを照射するように、放射線管15を制御する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
<付記1>
放射線を照射する装置本体と、
上記装置本体に設けられた表示装置と、
上記装置本体を遠隔操作可能な遠隔操作部と、
上記遠隔操作部との間で、第1無線通信方式を用いて、上記装置本体を操作する操作指示を含む第1情報を無線通信する第1無線通信部と、
上記装置本体の外部に設けられた外部装置との間で、第2無線通信方式を用いて、上記表示装置に表示させる情報を含む第2情報を無線通信する第2無線通信部と、を備える
放射線照射装置。
<付記2>
上記第1無線通信部は、上記第2無線通信部よりも、応答速度が速い
付記1に記載の放射線照射装置。
<付記3>
上記第1無線通信部は、上記第2無線通信部よりも、消費電力が小さい
付記1又は付記2に記載の放射線照射装置。
<付記4>
上記第1無線通信部は、上記第2無線通信部よりも、無線通信に用いる電波の到達距離が短い
付記1から付記3の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記5>
上記第2無線通信部は、上記第1無線通信部よりも、通信速度が速い
付記1から付記4の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記6>
上記操作指示には、上記装置本体に対して上記放射線の照射を開始させる照射開始指示が含まれる
付記1から付記5の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記7>
上記第2情報には、被検者の光学画像、被検者の放射線画像、及び/又は撮影情報が含まれる
付記1から付記6の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記8>
プロセッサをさらに備え、
上記プロセッサは、
上記第1無線通信部と上記遠隔操作部との無線通信の結果に基づいて上記装置本体と上記遠隔操作部との距離を導出し、
上記照射開始指示を受信した場合に、上記距離に応じた照射制御を実行する
付記1から付記7の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記9>
上記照射制御は、上記距離が予め定められた値以下である場合に、上記放射線の照射を禁止すること、又は照射してよいか否かを警告することを含む
付記8に記載の放射線照射装置。
<付記10>
上記照射制御は、上記距離が予め定められた値以上である場合に、上記放射線の照射を許可することを含む
付記8に記載の放射線照射装置。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4