(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094002
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】放射線照射装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240702BHJP
H05G 1/30 20060101ALI20240702BHJP
A61B 6/40 20240101ALI20240702BHJP
【FI】
A61B6/00 321
H05G1/30 D
A61B6/00 300B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210694
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】扇 一行
(72)【発明者】
【氏名】小林 丈恭
(72)【発明者】
【氏名】西納 直行
【テーマコード(参考)】
4C092
4C093
【Fターム(参考)】
4C092AA01
4C092AB11
4C092AC01
4C092BE05
4C092CC19
4C093AA01
4C093CA16
4C093EA02
4C093EA12
4C093EA17
4C093FA04
4C093FA15
4C093FA42
4C093FB12
4C093FH06
(57)【要約】
【課題】間隔確保部の状態に応じた作業を行う必要性を低減し、利便性を向上させることが可能な放射線照射装置を提供する。
【解決手段】放射線を被検者に照射する装置本体と、装置本体から放射線の照射方向に延出することで被検者と装置本体との間隔を確保する部材であって、少なくとも一部の可動部が変位することにより、装置本体から延出する長さが予め定められた長さとなる展開状態と、装置本体からの長さが予め定められた長さよりも短い状態である収納状態とに切り替え可能とされた間隔確保部と、プロセッサと、を備え、プロセッサは、間隔確保部の収納状態及び展開状態を含む状態を検出し、検出した状態に応じて装置本体の動作の制御を実行する放射線照射装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を被検者に照射する装置本体と、
前記装置本体から前記放射線の照射方向に延出することで前記被検者と前記装置本体との間隔を確保する部材であって、少なくとも一部の可動部が変位することにより、前記装置本体から延出する長さが予め定められた長さとなる展開状態と、前記装置本体からの長さが前記予め定められた長さよりも短い状態である収納状態とに切り替え可能とされた間隔確保部と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記間隔確保部の前記収納状態及び前記展開状態を含む状態を検出し、
検出した前記状態に応じて前記装置本体の動作の制御を実行する
放射線照射装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記放射線の照射を開始させる指示である照射開始指示が入力された場合に、前記制御として、前記照射に関する制御である照射制御を実行する、
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項3】
前記照射制御は、前記間隔確保部が前記収納状態である場合に、前記装置本体による前記放射線の照射を禁止すること、又は照射してよいか否かを報知することを含む
請求項2に記載の放射線照射装置。
【請求項4】
前記照射制御は、前記間隔確保部が前記展開状態である場合に、前記装置本体による前記放射線の照射を許可することを含む
請求項2に記載の放射線照射装置。
【請求項5】
前記制御は、前記間隔確保部が前記展開状態になった場合に、前記放射線の照射の準備を開始することを含む
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項6】
前記制御は、前記間隔確保部が前記展開状態になった場合に、前記収納状態において停止されていた前記装置本体の機能の少なくとも一部を解除することを含む
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項7】
前記収納状態において停止されていた前記装置本体の機能には、前記放射線を照射する機能が含まれ、
前記間隔確保部が上記展開状態になった場合でも、追加の操作が行われない間は、前記放射線を照射する機能は、停止されたままとされる
請求項6に記載の放射線照射装置。
【請求項8】
前記装置本体は、ユーザに対して報知を行う報知部をさらに備え、
前記制御は、前記報知部に対して前記状態に関する報知を行わせることを含む
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項9】
前記装置本体の電源がオフになっている場合において、前記間隔確保部が前記展開状態になった場合に、前記装置本体の電源がオンになる
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項10】
前記装置本体には、前記収納状態と前記展開状態のそれぞれにおける前記可動部と前記装置本体との距離を検出可能な第1センサが設けられており、
前記プロセッサは、前記第1センサからの出力に応じて前記間隔確保部の前記状態を検出する
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項11】
前記間隔確保部には、前記可動部の変位を検出可能な第2センサが設けられており、
前記プロセッサは、前記第2センサからの出力に応じて前記間隔確保部の前記状態を検出する
請求項1に記載の放射線照射装置。
【請求項12】
前記装置本体は、前記被検者を撮像可能な光学撮像装置をさらに備え、
前記プロセッサは、前記光学撮像装置により前記可動部が撮像されることで得られた画像に対して画像認識処理を実行することにより、前記間隔確保部の前記状態を検出する
請求項1に記載の放射線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、放射線を発生する放射線発生部と、放射線発生部において発生した放射線の照射範囲を制御するコリメータ部と、放射線発生部と放射線が照射される被検体とが予め設定された距離よりも近づいた場合に被検体に当接する当接部材を有し、放射線発生部と被検体との間隔を確保する間隔確保部とを備えた放射線照射装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、間隔確保部の有する当接部材を折り畳み可能な構成とすることが記載されている。当接部材を折り畳むことで収納性および可搬性を向上できる。
【0005】
このような放射線照射装置において、間隔確保部の状態を確認するというユーザの作業が必要になる場合がある。例えば、放射線の照射を行う前に、間隔確保部の折り畳みを解除したことを確認する必要がある。しかし、放射線照射装置を取り扱う上で、ユーザのこのような間隔確保部の状態に応じた作業は、ユーザにとって負担となる。
【0006】
本開示の技術は、間隔確保部の状態に応じた作業を行う必要性を低減し、利便性を向上させることが可能な放射線照射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の技術に係る第1の態様は、放射線を被検者に照射する装置本体と、装置本体から放射線の照射方向に延出することで被検者と装置本体との間隔を確保する部材であって、少なくとも一部の可動部が変位することにより、装置本体から延出する長さが予め定められた長さとなる展開状態と、装置本体からの長さが予め定められた長さよりも短い状態である収納状態とに切り替え可能とされた間隔確保部と、プロセッサと、を備え、プロセッサは、間隔確保部の収納状態及び展開状態を含む状態を検出し、検出した状態に応じて装置本体の動作の制御を実行する放射線照射装置である。
【0008】
本開示の技術に係る第2の態様は、プロセッサは、放射線の照射を開始させる指示である照射開始指示が入力された場合に、制御として、照射に関する制御である照射制御を実行する、本開示の技術に係る第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0009】
本開示の技術に係る第3の態様は、照射制御は、間隔確保部が収納状態である場合に、装置本体による放射線の照射を禁止すること、又は照射してよいか否かを報知することを含む本開示の技術に係る第2の態様に係る放射線照射装置である。
【0010】
本開示の技術に係る第4の態様は、照射制御は、間隔確保部が展開状態である場合に、装置本体による放射線の照射を許可することを含む本開示の技術に係る第2の態様に係る放射線照射装置である。
【0011】
本開示の技術に係る第5の態様は、制御は、間隔確保部が展開状態になった場合に、放射線の照射の準備を開始することを含む本開示の技術に係る第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0012】
本開示の技術に係る第6の態様は、制御は、間隔確保部が展開状態になった場合に、収納状態において停止されていた装置本体の機能の少なくとも一部を解除することを含む本開示の技術に係る第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0013】
本開示の技術に係る第7の態様は、収納状態において停止されていた装置本体の機能には、放射線を照射する機能が含まれ、間隔確保部が展開状態になった場合でも、追加の操作が行われない間は、放射線を照射する機能は、停止されたままとされる第6の態様に係る放射線照射装置である。
【0014】
本開示の技術に係る第8の態様は、装置本体は、ユーザに対して報知を行う報知部をさらに備え、制御は、報知部に対して状態に関する報知を行わせることを含む本開示の技術に係る第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0015】
本開示の技術に係る第9の態様は、装置本体の電源がオフになっている場合において、間隔確保部が展開状態になった場合に、装置本体の電源がオンになる本開示の技術に係る第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0016】
本開示の技術に係る第10の態様は、装置本体には、収納状態と展開状態のそれぞれにおける可動部と装置本体との距離を検出可能な第1センサが設けられており、プロセッサは、第1センサからの出力に応じて間隔確保部の状態を検出する本開示の技術に係る第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0017】
本開示の技術に係る第11の態様は、間隔確保部には、可動部の変位を検出可能な第2センサが設けられており、プロセッサは、第2センサからの出力に応じて間隔確保部の状態を検出する本開示の技術に係る第1の態様に係る放射線照射装置である。
【0018】
本開示の技術に係る第12の態様は、装置本体は、被検者を撮像可能な光学撮像装置をさらに備え、プロセッサは、光学撮像装置により可動部が撮像されることで得られた画像に対して画像認識処理を実行することにより、間隔確保部の状態を検出する本開示の技術に係る第1の態様に係る放射線照射装置である。
【発明の効果】
【0019】
本開示の技術は、間隔確保部の状態に応じた作業を行う必要性を低減し、利便性を向上させることが可能な放射線照射装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】放射線照射装置の使用態様の一例を示す斜視図である。
【
図2】放射線照射装置の構成の一例を示す外観斜視図である。
【
図3】放射線照射装置の構成の一例を示す外観斜視図である。
【
図4】放射線照射装置の構成の一例を示す外観斜視図である。
【
図5】放射線照射装置の電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】検出センサによる間隔確保部の状態に応じた信号の出力の態様の一例を示す概念図である。
【
図7】取得部、検出部、及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図8】検出センサによる間隔確保部の状態に応じた信号の出力の態様の一例を示す概念図である。
【
図9】検出センサによる間隔確保部の状態に応じた信号の出力の態様の一例を示す概念図である。
【
図10】取得部、検出部、及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図11】取得部、検出部、及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図12】取得部、検出部、及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図13】取得部、検出部、及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図14】取得部、検出部、及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図15】取得部、検出部、及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図16】検出センサによる間隔確保部の状態に応じた信号の出力の態様の一例を示す概念図である。
【
図17】検出センサによる間隔確保部の状態に応じた信号の出力の態様の一例を示す概念図である。
【
図18】取得部、検出部、及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
なお、以下の説明では、説明の便宜上、放射線照射装置10の高さ方向、幅方向及び前後方向(奥行方向ともいう)をX、Y及びZの3つの矢印で示す。まず、高さ方向を矢印Zで示し、矢印Zが指し示す矢印Z方向を放射線照射装置10の上方向とし、その逆方向を下方向とする。高さ方向は鉛直方向である。幅方向を、矢印Zと直交する矢印Xで示し、矢印Xが指し示す方向を放射線照射装置10の右方向とし、その逆方向を左方向とする。前後方向を、矢印Z及び矢印Xと直交する方向を矢印Yで示し、矢印Yが指し示す方向を放射線照射装置10の前方向とし、その逆を後方向とする。すなわち、放射線照射装置10において放射線の照射方向が前方向であり、被検者Aが立つ側(
図1参照)が前方向である。また、以下において、上側、下側、左側、右側、前側、及び後側といった側を用いた表現も方向を用いた表現と意味は同じである。
【0023】
また、本実施形態において、「鉛直方向」とは、完全な鉛直方向のほかに、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの鉛直方向を指す。また、「水平方向」についても同様であり、完全な水平方向の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの水平方向を指す。
【0024】
<第1実施形態>
一例として
図1に示すように、放射線照射装置10は、装置本体11と、遠隔操作部12とを備えている。装置本体11は、被検者Aに対して放射線Rを照射可能な装置である。装置本体11は、内部に放射線の発生源である放射線管15を備えており、放射線管15において発生させた放射線(例えば、X線又はγ線)を照射野限定器(
図3参照)及び照射窓(
図3参照)等を介して、被検者Aに向けて照射する。放射線照射装置10は、本開示の技術に係る「放射線照射装置」の一例であり、装置本体11は、本開示の技術に係る「装置本体」の一例である。なお、ここで、遠隔とは、物理的に分離されることにより離隔している程度の意味であり、距離の多寡を意味するものではない。
【0025】
放射線照射装置10は、持ち運び可能な大きさ及び重量となっている。すなわち、放射線照射装置10は、可搬型の放射線照射装置である。放射線照射装置10は、例えば、医療施設において、簡易的な放射線検査で使用されてもよいし、在宅診療の際の放射線検査に用いられてもよい。また、放射線照射装置10は、屋外で用いられてもよい。例えば、放射線照射装置10は、被災地又は医療過疎地域における出張診療に用いられてもよい。
【0026】
装置本体11は、例えば、三脚14を介して被検者Aに対して予め定められた位置(例えば、高さ、及び距離)に設定されている。装置本体11の下面には、三脚14と装置本体11とを固定する固定部17が設けられている。固定部17は、例えば、ねじ穴である。固定部17は、放射線Rの線束の中心軸RAと直交する直線であって放射線管15の焦点Fを通る直線L上に位置している。放射線管15は、例えば、陰極から放出された電子をターゲットに衝突させることにより放射線Rを発生する。焦点Fは、ターゲット上において電子が衝突する位置である。放射線Rの線束は、焦点Fを基点として錐形に広がる。中心軸RAは、こうした線束の中心軸である。固定部17は、直線Lと装置本体11の下面との交差する位置に設けられている。放射線照射装置10において、放射線管15の焦点Fが位置する部分が重心に近い。直線L上に固定部17を設けることで、三脚14上の放射線照射装置10を安定させやすい。
【0027】
遠隔操作部12は、装置本体11を遠隔操作可能な装置である。遠隔操作部12は、装置本体11に対して着脱自在である。遠隔操作部12は、例えば、装置本体11と無線通信を行うことで、装置本体11を遠隔操作する。遠隔操作部12による遠隔操作には、例えば、装置本体11に対して、放射線Rを被検者Aへ向けて照射させる操作が含まれる。
【0028】
放射線照射装置10の操作者であるユーザBは、遠隔操作部12を装置本体11から取り出した後、予め定められた距離、装置本体11から離れた状態で、遠隔操作部12を操作する。これにより、装置本体11の放射線管15から放射線Rが被検者Aに照射される。被検者Aを透過した放射線Rは、検出器16によって検出される。検出器16は、例えば、いわゆるフラットパネルディテクタであり、二次元に画素が配列された検出面を有し、各画素に入射する放射線Rの強度に応じた画像信号を出力する。放射線Rは、被検者Aを透過することによって被検者Aの体内組織の情報を担持する。検出器16は、検出面の各画素においてこうした放射線Rを検出することにより、被検者Aの体内組織の投影像を表す画像信号を放射線画像として出力する。
【0029】
また、ユーザBは、放射線照射装置10を用いた撮影の終了後、遠隔操作部12を装置本体11に収容する。遠隔操作部12が装置本体11に収容された状態で、放射線照射装置10は、ユーザBによって持ち運ばれたり、放射線照射装置10の収納ケースに収納されたりする。
【0030】
一例として
図2に示すように、装置本体11は、左右方向に長手方向を有する略直方体形状を有している。装置本体11の前面11Aには、放射線Rを照射方向に向かって突出する筒状部18が設けられている。筒状部18の内部には、後述する照射野限定器(コリメータとも呼ばれる)及び照射窓が取り付けられている。また、筒状部18の先端には、間隔確保部20が取り付けられている。間隔確保部20は、装置本体11から放射線Rの照射方向に延出することで被検者Aと装置本体11との間隔を確保する部材である。ここで、照射方向とは、放射線Rの線束の中心軸RAに沿った方向である。間隔確保部20は、被検者Aに対して装置本体11が過度に接近した状態で放射線Rが照射されることを抑制する。間隔確保部20は、本開示の技術に係る「間隔確保部」の一例である。
【0031】
装置本体11の背面11Bには、収容部24が設けられている。収容部24は、装置本体11の背面11Bに遠隔操作部12を着脱自在に収容可能とされている。具体的には、収容部24は、凹型の内壁面34を有している。遠隔操作部12が収容部24に収容された状態において、内壁面34は、遠隔操作部12の裏面12B以外の全ての面と対向する。このように、収容部24は、遠隔操作部12を着脱自在に収容する。
【0032】
また、装置本体11の背面11Bには、ディスプレイ23が設けられている。ディスプレイ23には、放射線撮影に関する種々の情報が表示される。ディスプレイ23は、例えば、液晶ディスプレイであってもよいし、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであってもよい。ディスプレイ23は、本開示の技術に係る「報知部」の一例である。また、装置本体11の左側面には、把持部材11Cが取り付けられている。ユーザBは、把持部材11Cを介して放射線照射装置10を把持する。
【0033】
遠隔操作部12は、装置本体11に収容された状態において、上下方向に長手方向を有する略直方体形状を有している。遠隔操作部12は、操作面12A及び裏面12Bを有している。操作面12Aには、照射ボタン13Aと撮影ボタン13Bとが設けられている。
【0034】
照射ボタン13Aは、放射線Rの照射を指示するための操作ボタンである。照射ボタン13AがユーザBによって押下されることで、遠隔操作部12から装置本体11に対して放射線Rを照射させる信号が出力される。また、放射線照射装置10には、光学カメラ47(
図4参照)が内蔵されている。光学カメラ47は、本開示の技術に係る「光学撮像装置」の一例である。撮影ボタン13Bは、光学カメラ47による撮影を指示するための操作ボタンである。撮影ボタン13BがユーザBによって押下されることで、遠隔操作部12から装置本体11に対して後述する光学カメラ47に撮像をさせる信号が出力される。裏面12Bは、操作面12Aの反対側の面であり、裏面12Bには、照射ボタン13A及び撮影ボタン13Bを含む操作キーは設けられていない。
【0035】
なお、ここでは、照射ボタン13A及び撮影ボタン13Bは、ボタンである例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎない。照射ボタン13A及び撮影ボタン13Bは、カーソル、スライドスイッチの他、タッチパッドであってもよい。
【0036】
一例として
図3に示すように、装置本体11の前面11Aから突出した筒状部18は、照射野限定器26と、照射窓28とを有している。照射野限定器26は、放射線Rの照射範囲を予め定められた範囲に規定する照射野限定器である。また、照射窓28は、放射線Rに対して透明な部材で構成され、外部と筒状部18内とを区画する窓部材である。放射線管15から出射された放射線Rは、照射野限定器26によって照射範囲が規定され、さらに照射窓から被検者Aに向かって照射される。また、筒状部18内には、光学カメラ47(
図4参照)が設けられている。光学カメラ47は、例えば、CCD(charge coupled device)イメージセンサ及びCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサなどのイメージセンサを有する撮像装置である。符号30は、光学カメラ47のレンズの一部である撮影窓である。撮影窓30を通じて被検者Aの像光が光学カメラ47内のイメージセンサに入射する。光学カメラ47は、例えば、被検者Aを撮像する。撮像した被検者Aの光学画像は、例えば、放射線Rの照射位置の位置合わせを行うために用いられる。
【0037】
間隔確保部20は、可動部21及びヒンジ22を備えている。可動部21は、本開示の技術に係る「可動部」の一例である。可動部21は、装置本体11に対して変位可能な部材である。
図3に示す例では、可動部21は、側面視した場合(
図3に示すX方向視した場合)にU字形状とされており、筒状部18の周縁において、左右に一つずつ設けられている。可動部21の装置本体11側の端部には、ヒンジ22が設けられており、ヒンジ22を介して可動部21が装置本体11に取り付けられている。ヒンジ22は、可動部21を回転可能に支持している。
図3に示す例では、ヒンジ22は、上下方向(
図3に示すZ方向)に沿った軸を回転軸として、可動部21を回転可能に支持している。
【0038】
図3に示す例では、間隔確保部20は、装置本体11から予め定められた長さt1となる展開状態とされている。予め定められた長さt1は、装置本体11の前面11Aから可動部21の装置本体11と最も反対側の位置までの長さであり、例えば、20cm(センチメートル)である。間隔確保部20が展開状態となることで、被検者A(
図1参照)が装置本体11に過度に接近することが抑制される。
【0039】
一例として
図4に示すように、可動部21がヒンジ22を回転中心として変位することで、間隔確保部20が収納状態とされる。
図4に示す例では、一対の可動部21が折り重なる態様で装置本体11に近づく方向に変位することで収納状態とされている。収納状態では、間隔確保部20の装置本体11からの長さt2が、展開状態における予め定められた長さt1よりも短くなっている。このように、収納状態では、間隔確保部20の装置本体11からの長さが展開状態よりも短くなるので、放射線照射装置10を小型化することができ可搬性が向上する。また、収納状態では、展開状態と比較して間隔確保部20が装置本体11から突出していないので、外部と間隔確保部20との接触が抑制され、放射線照射装置10の取り扱いが容易となる。
【0040】
また、収納状態とされた間隔確保部20において、可動部21がヒンジ22を回転中心として変位することで、間隔確保部20が展開状態とされる。このように、間隔確保部20は、展開状態と収納状態とに切り替え可能とされている。間隔確保部20の状態の切り替えは、例えば、ユーザによって手動で行われる。また、間隔確保部20は、収納状態及び展開状態の各々において、可動部21の変位が規制されるロック機能を有してもよい。この場合、ロック機能が解除された後、可動部21が変位することで収納状態と展開状態との切り替えが行われる。
【0041】
一例として
図5に示すように、装置本体11は、制御装置36を備えている。制御装置36は、装置本体11の全体の動作を制御する。制御装置36は、プロセッサ38、ストレージ40、及びRAM(Random Access Memory)42、及び外部I/F(インタフェース)44を備えている。プロセッサ38、ストレージ40、RAM42、及び外部I/F44は、バス46に接続されている。プロセッサ38は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。
【0042】
プロセッサ38には、メモリが接続されている。メモリは、ストレージ40及びRAM42を含む。プロセッサ38は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を有する。なお、プロセッサ38に、CPUとは別に、画像処理専用のGPU(Graphics Processing Unit)を設けてもよい。
【0043】
ストレージ40は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。ストレージ40としては、例えば、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)及びSSD(Solid State Drive)等)及び/又はHDD(Hard Disk Drive)が挙げられる。なお、フラッシュメモリ及びHDDは、あくまでも一例に過ぎず、フラッシュメモリ、HDD磁気抵抗メモリ、及び強誘電体メモリのうちの少なくとも1つをストレージ40として用いてもよい。
【0044】
RAM42は、一時的に情報が記憶されるメモリであり、プロセッサ38によってワークメモリとして用いられる。RAM42としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等が挙げられる。
【0045】
外部I/F44は、制御装置36の外部に存在する装置との間の各種情報の授受を司る。外部I/F44は、放射線管15、ディスプレイ23、及び光学カメラ47と通信可能に接続されている。また、外部I/F44は、後述する無線通信部48及び検出センサ50と接続されている。
【0046】
装置本体11は、無線通信部48を備えている。無線通信部48は、遠隔操作部12との間で操作指示49を含む情報を無線通信する。無線通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)の仕様に準拠した通信方式である。操作指示49は、装置本体11を遠隔操作する指示を指す。操作指示49には、装置本体11に対して放射線の照射を開始させる照射開始指示49Aが含まれる。その他の例として、操作指示49には、光学カメラ47による撮像を開始させる指示、及び/又は、装置本体11の電源を切る指示が含まれる。無線通信部48は、遠隔操作部12と無線通信を行うためのハードウェアであり、無線通信I/F(インタフェース)である。無線通信部48としての無線通信I/Fは、例えば、通信用アンテナ及び送受信回路を含んで構成される。
【0047】
なお、ここでは、無線通信部48と遠隔操作部12との間の無線通信方式としてBluetooth(登録商標)を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。無線通信方式として、Zigbee(登録商標)又は赤外線通信が用いられてもよい。
【0048】
装置本体11は、検出センサ50を備えている。検出センサ50は、間隔確保部20の状態に応じた信号を出力する。検出センサ50から出力された信号は、外部I/F44を介してプロセッサ38により取得される。検出センサ50の詳細については、後述する。
【0049】
ところで、放射線照射装置10において、例えば、間隔確保部20が展開状態とされないまま放射線が照射されると、被検者Aと放射線照射装置10との距離が確保されない場合がある。この場合、ユーザが意図しない条件での放射線の照射が行われてしまう。そのため、放射線照射装置10による放射線の照射前に、ユーザは、間隔確保部20の展開状態を確認するという作業が必要になる。しかし、放射線照射装置10を取り扱う上で、このような間隔確保部20の状態の確認作業は、ユーザにとって負担となっていた。
【0050】
そこで、このような事情に鑑み、本実施形態に係る放射線照射装置10では、制御装置36において、プロセッサ38は、ストレージ40から制御プログラム40Aを読み出し、読み出した制御プログラム40AをRAM42上で実行する。これにより、プロセッサ38は、取得部38A、検出部38B、及び制御部38Cとして動作する。
【0051】
一例として
図6に示すように、取得部38Aは、検出センサ50から出力された信号を取得する。検出センサ50は、可動部21の変位を検出可能なセンサである。検出センサ50は、間隔確保部20に設けられている。
図6に示す例では、検出センサ50は、ヒンジ22内に設けられたマイクロスイッチ50Aである。ヒンジ22において、可動部21の変位に応じてマイクロスイッチ50Aが押下されることで、間隔確保部20の状態に応じた信号が出力される。検出センサ50及びマイクロスイッチ50Aは、本開示の技術に係る「第2センサ」の一例である。
【0052】
なお、ここでは、検出センサ50としてマイクロスイッチ50Aである形態例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎない。検出センサ50として、例えば、ヒンジ22内に設けられた電気接点が用いられてもよい。この場合、可動部21の変位に応じて電気接点における導通が確保されることで、間隔確保部20の状態に応じた信号が出力される。
【0053】
一例として
図7に示すように、間隔確保部20が収納状態であるとする。この場合、検出センサ50は、間隔確保部20の収納状態に応じた信号を出力する。すなわち、検出センサ50は、状態情報51を出力する。ここで、状態情報51は、間隔確保部20が収納状態であることを示す情報を含む。
図7に示す例では、状態情報51として、収納状態の電流値が出力されており、収納状態の電流値は、展開状態の電流値と比較して高い値となっている。
【0054】
また、間隔確保部20が収納状態である場合に、ユーザにより照射ボタン13Aが操作される。照射ボタン13Aが操作されると、照射開始指示49Aが、遠隔操作部12から無線通信部48に送信される。無線通信部48は、受信した照射開始指示49Aを取得部38Aに出力する。
【0055】
取得部38Aは、検出センサ50から状態情報51を取得する。また、取得部38Aは、無線通信部48から照射開始指示49Aを取得する。そして、取得部38Aは、状態情報51を検出部38Bへ出力する。
【0056】
検出部38Bは、間隔確保部20の状態を検出する。ここで、間隔確保部20の状態は、間隔確保部20の収納状態及び展開状態を含む。検出部38Bは、取得部38Aから取得した状態情報51に基づいて間隔確保部20の状態を検出する。具体的には、検出部38Bは、状態情報51により示される電流値が予め定められた値より高い場合、間隔確保部20が収納状態であることを検出する。ここで、予め定められた値は、実機を用いた試験によって適宜設定される。
【0057】
制御部38Cは、検出部38Bにおいて検出された間隔確保部20の状態に応じた制御を実行する。例えば、制御部38Cは、制御として放射線の照射に関する制御を実行する。先ず、検出部38Bにより間隔確保部20が収納状態であることが検出された場合、制御部38Cは、取得部38Aから照射開始指示49Aを取得する。そして、照射開始指示49Aが入力された場合、制御部38Cは、放射線の照射を禁止する。具体的には、照射開始指示49Aが入力された場合でも、制御部38Cは、放射線管15への放射線の照射のための電力の供給を停止する。これにより、間隔確保部20が収納状態である場合には、被検者Aに対して放射線の照射が行われなくなる。
【0058】
以上説明したように、本第1実施形態に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、検出部38Bによって間隔確保部20の状態が検出される。そして、制御部38Cは、間隔確保部20の状態に応じた制御を実行する。例えば、制御部38Cは、間隔確保部20が収納状態である場合に、照射開始指示49Aを受け付けた場合であっても放射線の照射を禁止する。これにより、ユーザが間隔確保部20の状態に応じた作業を行う必要性が低減され、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0059】
また、本第1実施形態に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、遠隔操作部12から照射開始指示49Aが入力された場合に、制御部38Cは、間隔確保部20の状態に応じて、放射線の照射に関する制御を行う。これにより、ユーザが間隔確保部20の状態を確認して、放射線の照射を開始させる場合と比較して、ユーザが作業を行う必要性が低減されるので、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0060】
また、本第1実施形態に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、遠隔操作部12から照射開始指示49Aが入力された場合に、制御部38Cは、間隔確保部20が収納状態である場合に、放射線の照射を禁止する。これにより、被検者Aが放射線照射装置10に近づいた状態での放射線の照射等、ユーザの意図しない放射線の照射が行われることが抑制される。
【0061】
例えば、間隔確保部20が展開状態とされないまま放射線が照射されると、被検者Aと放射線照射装置10との距離が確保されない場合がある。この場合、ユーザが意図しない条件での放射線の照射が行われるおそれがある。本構成では、間隔確保部20が収納状態である場合には、放射線の照射が禁止されるので、ユーザの意図しない放射線の照射が抑制される。
【0062】
また、本第1実施形態に係る放射線照射装置10では、間隔確保部20のヒンジ22に検出センサ50が設けられており、検出センサ50は、間隔確保部20の状態に応じて状態情報51を出力する。プロセッサ38において、検出部38Bは、検出センサ50からの状態情報51に基づいて間隔確保部20の状態を検出する。これにより、ユーザが間隔確保部20の状態に応じた作業を行う必要性が低減され、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0063】
なお、上記第1実施形態では、可動部21の装置本体11側の端部にヒンジ22が設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として
図8に示すように、可動部21の中間部にヒンジ22が設けられてもよい。この場合において、可動部21には、長手方向に沿って空洞21Aが形成されており、空洞21A内にケーブル21Bが配置されている。検出センサ50から出力される信号は、ケーブル21Bを介して、制御装置36へ出力される。
【0064】
また、上記第1実施形態では、ヒンジ22を介して可動部21が変位する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として
図9に示すように、間隔確保部20は、予め定められた弾性率を有する軟質性樹脂(例えば、ゴム)から形成されており、間隔確保部20の内部には支持板20A及び20Bが設けられている。ここで、間隔確保20を形成する材料の弾性率は、例えば、実機を用いた試験によって適宜設定され得る。
【0065】
間隔確保部20の装置本体11と反対側には、支持板20Aが設けられており、間隔確保部20の装置本体11側には、支持板20Bが設けられている。支持板20A及び20Bは、間隔確保部20を形成する軟質性樹脂よりも高い曲げ剛性を備えている。支持板20A及び20Bの材質は、例えば、金属である。支持板20A及び20Bが軟質性樹脂よりも高い曲げ剛性を有していることで、支持板20Aと支持板20Bの間の部分が屈曲部20Cとして機能する。間隔確保部20において、屈曲部20Cには、検出センサ50が設けられている。
【0066】
間隔確保部20において、支持板20Aが埋め込まれた領域が可動部21として機能する。すなわち、間隔確保部20において、屈曲部20Cが、他の領域よりも曲げ剛性が低いため、屈曲部20Cが回転中心となって、可動部21が変位する。検出センサ50は、屈曲部20Cにおける変形に応じた信号を制御装置36(
図8等参照)へ出力する。
【0067】
(第1変形例)
上記第1実施形態では、間隔確保部20の状態に応じた制御として放射線の照射が禁止される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第1変形例では、放射線を照射してもよいか否かの報知をする制御が行われる。
【0068】
一例として
図10に示すように、取得部38Aは、検出センサ50から状態情報51を取得する。また、取得部38Aは、無線通信部48から照射開始指示49Aを取得する。そして、取得部38Aは、状態情報51を検出部38Bへ出力する。
【0069】
検出部38Bにより間隔確保部20が収納状態であることが検出された場合、制御部38Cは、取得部38Aから照射開始指示49Aを取得する。照射開始指示49Aが入力された場合、制御部38Cは、放射線をしてもよいか否かの報知を行う。具体的には、照射開始指示49Aが受け付けられた場合、制御部38Cは、ディスプレイ23にメッセージ52を表示させる。
図10に示す例では、メッセージ52として「放射線を照射しますか?」というテキストが表示される例が示されている。これにより、間隔確保部20が収納状態である場合には、ユーザに対して放射線を照射してもよいかを確認することが実現される。
【0070】
以上説明したように、本第1変形例に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、遠隔操作部12から照射開始指示49Aが入力された場合に、制御部38Cは、間隔確保部20が収納状態である場合に、放射線を照射してもよいか否かの報知を行う。ユーザは、報知内容を確認した上で、放射線の照射を行うか、中断するかの判断ができる。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が行われることが抑制される。
【0071】
例えば、間隔確保部20が展開状態とされないまま放射線が照射されると、被検者と放射線照射装置10との距離が確保されない場合がある。この場合、ユーザが意図しない条件での放射線の照射が行われるおそれがある。本構成では、間隔確保部20が収納状態である場合には、照射開始指示49Aが受信されると、放射線の照射をしてもよいか、報知が行われる。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が抑制される。
【0072】
(第2変形例)
上記第1実施形態では、間隔確保部20の状態に応じた制御として放射線の照射が禁止される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第2変形例では、放射線の照射を許可する制御が行われる。
【0073】
一例として
図11に示すように、間隔確保部20が展開状態である場合、検出センサ50は、状態情報51を出力する。
図11に示す例では、状態情報51として、間隔確保部20が展開状態の電流値が出力されている。間隔確保部20が展開状態である電流値は、間隔確保部20が収納状態である電流値と比較して、低い値となっている。
【0074】
取得部38Aは、検出センサ50から状態情報51を取得する。また、取得部38Aは、無線通信部48から照射開始指示49Aを取得する。そして、取得部38Aは、状態情報51を検出部38Bへ出力する。
【0075】
検出部38Bにより展開状態であることが検出された場合、制御部38Cは、取得部38Aから照射開始指示49Aを取得する。照射開始指示49Aが入力された場合、制御部38Cは、放射線の照射を許可する制御を行う。具体的には、制御部38Cは、照射開始指示49Aに基づいて、予め定められた管電圧、管電流、及び照射時間で、放射線Rを照射するように、放射線管15を制御する。
【0076】
以上説明したように、本第2変形例に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、遠隔操作部12から照射開始指示49Aが入力された場合に、制御部38Cは、間隔確保部20が展開状態である場合に、放射線の照射を許可する。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が行われることが抑制される。
【0077】
例えば、間隔確保部20が展開状態であるということは、被検者Aと放射線照射装置10との距離が確保されていることを意味する。この場合、ユーザが意図した条件での放射線の照射を行うことが可能である。本構成では、間隔確保部20が展開状態である場合には、照射開始指示49Aが受信されると、放射線の照射が許可される。これにより、ユーザの意図しない放射線の照射が抑制される。
【0078】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、間隔確保部20の状態に応じた制御として放射線の照射が禁止される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第2実施形態では、放射線の照射の準備を開始する制御が行われる。
【0079】
一例として
図12に示すように、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられると、検出センサ50は、状態情報51を取得部38Aに出力する。ここで、状態情報51は、間隔確保部20が収納状態から展開状態へ切り替えられたことを示す情報を含んでいる。
図12に示す例では、状態情報51として、間隔確保部20が収納状態である場合の相対的に高い値から、間隔確保部20が展開状態とされた場合の相対的に低い値への電流値の変化が出力されている。
【0080】
検出部38Bは、取得部38Aから取得した状態情報51に基づいて間隔確保部20の状態を検出する。例えば、検出部38Bは、具体的には、検出部38Bは、電流値の変化が、予め定められた差分より小さい負の値である場合に、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられたことを検出する。ここで、予め定められた差分は、例えば、実機を用いた試験に基づいて適宜設定され得る。
【0081】
検出部38Bにより間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられたことが検出された場合、制御部38Cは、放射線の照射準備を開始する。具体的には、制御部38Cは、駆動部(図示省略)に準備動作を開始させる。ここで、駆動部は、例えば、放射線管15に印加する高電圧を発生する高電圧発生部(図示省略)を含む。準備動作としては、高電圧発生部のトランスに昇圧を開始させる動作させることを含む。また、放射線管15が陰極として熱電子を放出するフィラメント(図示省略)を有する場合は、準備動作は、フィラメントに電流を流してフィラメントを加熱させる動作などを含む。
【0082】
以上説明したように、本第2実施形態に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、制御部38Cは、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、放射線の照射準備を開始する。これにより、放射線の照射の準備に要する時間が短縮されるので、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0083】
(第3変形例)
上記第2実施形態では、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、放射線の照射準備が開始される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第3変形例では、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、停止している装置本体11の機能の少なくとも一部を解除する。
【0084】
一例として
図13に示すように、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられると、検出センサ50は、状態情報51を取得部38Aに出力する。そして、取得部38Aは、取得した状態情報51を検出部38Bへ出力する。
【0085】
検出部38Bにより間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられたことが検出された場合、制御部38Cは、収納状態において停止されていた装置本体11の機能の少なくとも一部を解除する。例えば、装置本体11が休止状態とされ、ユーザからの入力を受け付ける機能以外の装置本体11の機能が停止されているとする。この休止状態において、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられたことが検出された場合、制御部38Cは、停止されていた装置本体11の機能を開始させる。
【0086】
なお、この場合において、停止されていた機能のうちの放射線を照射する機能(例えば、放射線の照射準備及び照射を含む機能)は、追加の操作(例えば、放射線の照射ボタン13Bの押下)が行われない間は、停止されたままとされる。例えば、放射線の照射ボタン13Bがユーザにより押下され、遠隔操作部12から照射開始指示49Aが入力された場合に、放射線を照射する機能が開始される。
【0087】
以上説明したように、本第3変形例に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、制御部38Cは、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、収納状態において停止されていた装置本体11の機能の少なくとも一部を解除する。これにより、ユーザによる装置本体11の機能停止の解除操作の手間が省略されるので、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0088】
また、例えば、間隔確保部20が収納状態から展開状態となるということは、放射線の照射準備ができたことを意味する。放射線の照射の準備ができた状態で機能停止が解除されるので、電力が必要な場合に動作開始することになり、放射線照射装置10の不要な電力消費を低減できる。
【0089】
また、本第3変形例に係る放射線照射装置10では、間隔確保部20が展開状態に切り替えられた場合でも、放射線を照射する機能は、停止されたままとされる。放射線を照射する機能は、高電圧発生部のトランスに電圧を印加したり、フィラメントに電流を流したりする等、多くの電力を消費する。このため、放射線を照射する機能が停止されたままとされることで、放射線照射装置10の不要な電力消費を低減できる。
【0090】
(第4変形例)
上記第2実施形態では、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、放射線の照射準備が開始される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第4変形例では、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、光学カメラ47による撮像機能を開始させる。
【0091】
一例として
図14に示すように、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられると、検出センサ50は、状態情報51を取得部38Aに出力する。そして、取得部38Aは、取得した状態情報51を検出部38Bへ出力する。
【0092】
検出部38Bにより間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられたことが検出された場合、制御部38Cは、光学カメラ47による撮像機能を開始させる。ここで、撮像機能には、光学カメラ47による撮像そのものの他に、撮像により得られた光学画像47Aを表示又は外部に送信するための機能も含まれる。例えば、撮像機能は、光学画像47Aを表示するためのディスプレイ23の機能、又は、光学画像47Aを外部に送信する機能も含む。
【0093】
例えば、装置本体11が休止状態とされ、ユーザからの入力を受け付ける機能以外の装置本体11の機能が停止されているとする。この休止状態において、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられたことが検出された場合、制御部38Cは、停止されていた装置本体11の機能のうちの光学カメラ47による撮像機能のみ開始させる。換言すれば、停止されていた機能のうちの撮像機能以外は、停止されたままとされる。ユーザは、光学カメラ47を用いて被検者Aに対する放射線の照射前の位置合わせを行う。
【0094】
以上説明したように、本第4変形例に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、制御部38Cは、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、光学カメラ47のみ動作を開始させる。これにより、放射線の照射前の準備に必要な光学カメラ47のみ作動させることで、放射線照射装置10の不要な電力消費を低減できる。
【0095】
本第2実施形態及び各変形例では、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられたことが検出された場合に、制御部38Cにより各種制御が実行される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。間隔確保部20が展開状態になったことが検出できれば本開示の技術は成立する。例えば、間隔確保部20が収納状態と展開状態の間の中間状態から、展開状態に切り替えられたことが検出された場合に、制御部38Cにより各種制御が実行される態様であってもよい。
【0096】
<第3実施形態>
上記第1実施形態では、間隔確保部20の状態に応じた制御として放射線の照射が禁止される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第3実施形態では、間隔確保部20の状態に関する報知が行われる。
【0097】
一例として
図15に示すように、検出センサ50は、状態情報51を取得部38Aに出力する。そして、取得部38Aは、取得した状態情報51を検出部38Bへ出力する。
【0098】
検出部38Bは、間隔確保部20の状態を検出する。ここで、間隔確保部20の状態は、展開状態及び収納状態を含む。検出部38Bは、取得部38Aから取得した状態情報51に基づいて状態を検出する。例えば、検出部38Bは、状態情報51により示される電流値を予め定められた値と比較することで、状態を検出する。具体的には、検出部38Bは、状態情報51により示される電流値が予め定められた値より低い場合、間隔確保部20が展開状態であることを検出する。
【0099】
制御部38Cは、検出部38Bにおいて検出された状態に応じた報知制御を実行する。例えば、制御部38Cは、メッセージ54をディスプレイ23に対して表示させる。具体的には、制御部38Cは、メッセージ54を表示するためのGUI(Graphical User Interface)制御を行うことで、ディスプレイ23に対してメッセージ54を含む画面を表示させる。
図15に示す例では、メッセージ54として「間隔確保部が展開されています」というテキストがディスプレイ23に表示されている。ユーザは、ディスプレイ23に表示されたメッセージ54を視認することで、間隔確保部20の状態を認識できる。
【0100】
なお、ここでは、メッセージ54が表示される形態例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎない。メッセージ54の内容は、適宜設定され得る。また、メッセージ54に代えて、又は、メッセージ54とともに、間隔確保部20の状態を示すマークが表示されてもよい。
【0101】
以上説明したように、本第3実施形態に係る放射線照射装置10では、プロセッサ38において、制御部38Cは、間隔確保部20の状態に応じた報知をディスプレイ23に行わせる。これにより、ユーザに対して間隔確保部20の状態を認識させることが実現される。
【0102】
なお、本第3実施形態では、ディスプレイ23によって間隔確保部20の状態が報知される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。ディスプレイ23に代えて、又は、ディスプレイ23とともに、装置本体11に設けられた表示灯(図示省略)によって間隔確保部20の状態が表示されてもよい。表示灯は、例えば、装置本体11の上面に設けられており、上面から外側に突出している。表示灯は、例えば、LED(light-emitting diode)を光源として用いた表示灯である。
【0103】
例えば、間隔確保部20が展開状態である場合に、表示灯が点灯する態様が挙げられるが、これはあくまでも一例にすぎない。表示灯が明滅してもよいし、表示灯の色が間隔確保部20の状態に応じて変化する(例えば、間隔確保部20が収納状態である場合には、青色であり、間隔確保部20が展開状態である場合には、赤色が点灯する)態様であってもよい。
【0104】
また、上記第3実施形態では、ディスプレイ23又は表示灯によって視覚的に間隔確保部20の状態が報知される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、装置本体11に設けられたスピーカ(図示省略)によって音声による間隔確保部20の状態の報知が行われてもよい。
【0105】
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、間隔確保部20の状態に応じた制御が行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第4実施形態では、間隔確保部20が展開状態になった場合に、装置本体11の電源がオンとなる。
【0106】
先ず、間隔確保部20が収納状態である場合に、装置本体11の電源がオフとなっているとする。すなわち、装置本体11の主電源56が切れている。そして、一例として
図16に示すように、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、装置本体11の電源がオンになる。すなわち、装置本体11の主電源56が入る。例えば、検出センサ50がヒンジ22に設けられたマイクロスイッチ50Aである場合、間隔確保部20が展開状態とされることで、マイクロスイッチ50Aが押下される。マイクロスイッチ50Aは、主電源56の起動スイッチとなっており、このため、間隔確保部20が展開状態となると、主電源56が入る。このように、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、装置本体11の電源がオンになる。なお、ここでは、間隔確保部20が、収納状態から展開状態に切り替えられた形態例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎず、間隔確保部20が中間状態から展開状態となった場合に、電源がオンになる様に構成してもよい。
【0107】
以上説明したように、本第4実施形態に係る放射線照射装置10では、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられた場合に、装置本体11の電源がオンとなる。これにより、ユーザによる電源操作の手間が省略されるので、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0108】
また、例えば、間隔確保部20が展開状態に切り替えられるということは、放射線の照射の用意ができたことを意味する。放射線の照射の用意ができた状態で電源が入るので、電力が必要な場合に主電源56が入ることになり、放射線照射装置10の不要な電力消費を低減できる。
【0109】
なお、上記第1実施形態~第3実施形態及び各変形例に記載の制御部38Cにより実行される各種制御は、組み合わせて実行されてもよいことはもちろんである。すなわち、上記第1実施形態~第3実施形態及び各変形例に記載の制御が、間隔確保部20の状態に応じて、適宜選択されて実行されてもよい。また、上記第1実施形態~第3実施形態及び各変形例に記載の制御のうちの何れを行うかを予めユーザが選択できるようにしてもよい。
【0110】
また、上記第4実施形態に記載の機能は、上記第1実施形態~第3実施形態及び各変形例に記載の制御部38Cにより実行される各種制御と、組み合わせて実行されてもよいことはもちろんである。すなわち、上記第4実施形態に記載の機能によって、装置本体11の電源がオンとなった後、上記第1実施形態~第3実施形態及び各変形例に記載の制御が、間隔確保部20の状態に応じて、適宜選択されて実行されてもよい。
【0111】
(第5変形例)
上記第1実施形態では、検出センサ50が間隔確保部20に設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第5変形例では、検出センサ50が装置本体11に設けられている。
【0112】
一例として
図17に示すように、装置本体11の前面11Aには、検出センサ50として光電センサ50Bが設けられている。光電センサ50Bは、本開示の技術に係る「第1センサ」の一例である。光電センサ50Bは、装置本体11に設けられた赤外光源58から出射され、可動部21で反射された光を検出する。これにより、光電センサ50Bは、いわゆるTOF(Time of Flight)方式によって可動部21と装置本体11との距離t3(以下単に、「距離t3」とも称する)を検出可能とされている。
図17に示す例では、間隔確保部20が収納状態である場合に、光電センサ50Bによって距離t3が検出される例が示されている。光電センサ50Bは、検出した距離t3に応じた信号を制御装置36へ出力する。また、光電センサ50Bは、間隔確保部20が展開状態である場合に距離t3を検出する。このように、光電センサ50Bは、間隔確保部20の展開状態及び収納状態である場合に、それぞれの状態における距離t3を検出する。
【0113】
制御装置36のプロセッサ38(
図5参照)において、検出部38B(
図5参照)は、光電センサ50Bからの出力に応じて間隔確保部20の状態を検出する。そして、制御部38C(
図5参照)は、検出部38Bにより検出された間隔確保部20の状態に応じた各種制御を実行する。
【0114】
以上説明したように、本第5変形例に係る放射線照射装置10では、装置本体11には光電センサ50Bが設けられており、光電センサ50Bにより、間隔確保部20の可動部21と装置本体11との距離t3が検出される。可動部21は、収納状態と展開状態とで装置本体11との距離が変化する。本構成では、光電センサ50Bからの出力に応じて間隔確保部20の状態が検出される。これにより、ユーザが間隔確保部20の状態に応じた作業を行う必要性が低減され、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0115】
また、例えば、装置本体11に検出センサ50を設けることで、間隔確保部20に検出センサ50を設ける場合と比較して、間隔確保部20の構造の複雑化を抑制できる。
【0116】
なお、本第5変形例では、検出センサ50が光電センサ50Bである形態例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例にすぎない。検出センサ50は、距離t3を検出可能なセンサであればよい。例えば、検出センサ50として磁力センサが用いられてもよい。この場合、例えば、可動部21内に磁性体が設けられ、磁力センサが可動部21の変位に伴う磁性体による磁界の変化を検出することで、距離t3が検出されてもよい。
【0117】
(第6変形例)
上記第1実施形態では、検出センサ50によって間隔確保部20の状態が検出される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第6変形例では、光学カメラ47によって可動部が撮像されること光学画像47Aが得られ、光学画像47Aに対する画像認識処理によって間隔確保部20の状態が検出される。
【0118】
一例として
図18に示すように、光学カメラ47によって光学画像47Aが得られる。間隔確保部20が展開状態である場合に光学カメラ47による撮像が行われると、光学画像47Aには可動部21を示す像が含まれる。取得部38Aは、光学カメラ47から光学画像47Aを取得する。そして、取得部38Aは、検出部38Bに光学画像47Aを出力する。ここで、光学画像47Aには、撮像開始指示に従って撮像された動画像、及び、撮像開始指示が入力される前のライブビュー動画像が含まれる。
【0119】
検出部38Bは、取得部38Aから取得した光学画像47Aに対して画像認識処理を実行する。画像認識処理の結果、間隔確保部20の状態が検出される。
図18に示す例では、画像認識処理により可動部21の角部が抽出されており、間隔確保部20が展開状態であることが検出されている。画像認識処理としては、特に限定されないが、例えば、AI(artificial intelligence)方式及び/又はパターンマッチング方式等による画像認識処理が挙げられる。そして、制御部38Cは、検出部38Bにより検出された間隔確保部20の状態に応じた各種制御を実行する。
【0120】
以上説明したように、本第6変形例に係る放射線照射装置10では、間隔確保部20の可動部21が撮像された光学画像47Aに対して、画像認識処理が行われることで、間隔確保部20の状態が検出される。これにより、ユーザが間隔確保部20の状態に応じた作業を行う必要性が低減され、放射線照射装置10の利便性が向上する。
【0121】
また、例えば、光学カメラ47は被検者Aを撮像し、光学カメラ47により得られる光学画像47Aは、放射線の照射準備のための位置合わせに利用される。本構成では、光学画像47Aに対して画像認識処理を実行することで、間隔確保部20の状態が検出される。これにより、別途、画像認識処理のための光学カメラを設ける場合と比較して、放射線照射装置10の構成の簡素化が実現される。
【0122】
なお、上記第6変形例では、画像認識処理によって可動部21の角部が抽出される形態例を挙げたが、これはあくまでも一例にすぎない。例えば、可動部21の全体が抽出されてもよいし、可動部21に設けられたマーカ(例えば、可動部21に表示された十字のマーク)が検出される態様であってもよい。また、可動部21の展開状態の配置によっては、画像認識処理によって可動部21が検出されていない(例えば、光学画像47Aに可動部の写り込みがない)場合に、間隔確保部20が展開状態であることが検出部38Bによって検出される態様であってもよい。さらに、画像認識処理によって間隔確保部20が収納状態であることが検出されてもよいことはもちろんである。
【0123】
なお、上記第1実施形態、上記第5変形例及び第6変形例で説明した間隔確保部20の状態の検出方法は、組み合わせて用いられてもよい。例えば、ヒンジ22に設けられた検出センサ50による状態の検出と、光学カメラ47により得られた光学画像47Aに対する画像認識処理による状態の検出とが両方行われる態様であってもよい。
【0124】
なお、上記実施形態では、遠隔操作部12が収容部24に収容された状態において、内壁面34は、遠隔操作部12の裏面12B以外の全ての面と対向する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、遠隔操作部12が収容部24に収容された状態において、遠隔操作部12の操作面12Aが露出する態様であってもよい。また、遠隔操作部12が収容部24に収容された状態において、遠隔操作部12の複数の面が露出する態様であってもよい。すなわち、収容部24が装置本体11の角部を切り欠いて形成され、遠隔操作部12のうちの2つの面を介して収容部24に取り付けられる態様であってもよい。
【0125】
また、遠隔操作部12が装置本体11に着脱自在であれば、本開示の技術は成立する。例えば、遠隔操作部12の1つの面を介して装置本体11の外周面に取り付けられる態様であってもよいし、装置本体11に設けられたフックに遠隔操作部12の一部が引っ掛けられる態様であってもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、遠隔操作部12と装置本体11とが無線通信を行う形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。遠隔操作部12と装置本体11とは、有線通信を行ってもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、間隔確保部20の可動部21の形状が平板である形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。可動部21の形状は、中実又は中空の丸棒でもよい。また、可動部21の形状が、側面視でU字形状である形態例を挙げたが、これはあくまでも一例にすぎず、長方形の板状部材であってもよいし、複数の棒状部材が延出した形状であってもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、間隔確保部20の可動部21が屈曲したり、又はヒンジ22を中心として回転したりする形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。可動部21は、延出方向に沿って伸縮する形態であってもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、ストレージ40に制御プログラム40Aが記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、制御プログラム40AがSSD又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記憶媒体(図示省略)に記憶されていてもよい。記憶媒体は、可搬型のコンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体である。記憶媒体に記憶されている制御プログラム40Aは、放射線照射装置10にインストールされる。プロセッサ38は、制御プログラム40Aに従って処理を実行する。
【0130】
また、ネットワークを介して放射線照射装置10に接続される他のコンピュータ又はサーバ等の記憶装置に制御プログラム40Aを記憶させておき、放射線照射装置10の要求に応じて制御プログラム40Aがダウンロードされ、放射線照射装置10にインストールされるようにしてもよい。つまり、本実施形態で説明したプログラム(プログラム製品)は、記録媒体で提供するほか、外部のコンピュータから配信する形態であっても良い。
【0131】
また、上記実施形態では、放射線照射装置10のプロセッサ38、ストレージ40、RAM42、及び外部I/F44がコンピュータとして例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータに代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及び/又はPLD(Programmable Logic Device)を含むデバイスを適用してもよい。また、コンピュータに代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
【0132】
上記実施形態で説明した処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで処理を実行する。
【0133】
処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【0134】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC(System-on-a-chip)などに代表されるように、処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0135】
これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の画像処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0136】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0137】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0138】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0139】
<付記1>
放射線を被検者に照射する装置本体と、
上記装置本体から上記放射線の照射方向に延出することで上記被検者と上記装置本体との間隔を確保する部材であって、少なくとも一部の可動部が変位することにより、上記装置本体から延出する長さが予め定められた長さとなる展開状態と、上記装置本体からの長さが上記予め定められた長さよりも短い状態である収納状態とに切り替え可能とされた間隔確保部と、
プロセッサと、を備え、
上記プロセッサは、
上記間隔確保部の上記収納状態及び上記展開状態を含む状態を検出し、
検出した上記状態に応じて上記装置本体の動作の制御を実行する
放射線照射装置。
<付記2>
上記プロセッサは、上記放射線の照射を開始させる指示である照射開始指示が入力された場合に、上記制御として、上記照射に関する制御である照射制御を実行する、
付記1に記載の放射線照射装置。
<付記3>
上記照射制御は、上記間隔確保部が上記収納状態である場合に、上記装置本体による上記放射線の照射を禁止すること、又は照射してよいか否かを報知することを含む
付記2に記載の放射線照射装置。
<付記4>
上記照射制御は、上記間隔確保部が上記展開状態である場合に、上記装置本体による上記放射線の照射を許可することを含む
付記2に記載の放射線照射装置。
<付記5>
上記制御は、上記間隔確保部が上記展開状態になった場合に、上記放射線の照射の準備を開始することを含む
付記1から付記4の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記6>
上記制御は、上記間隔確保部が上記展開状態になった場合に、上記収納状態において停止されていた上記装置本体の機能の少なくとも一部を解除することを含む
付記1から付記5の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記7>
上記収納状態において停止されていた上記装置本体の機能には、上記放射線を照射する機能が含まれ、
上記間隔確保部が上記展開状態になった場合でも、追加の操作が行われない間は、上記放射線を照射する機能は、停止されたままとされる
請求項6に記載の放射線照射装置。
付記6に記載の放射線照射装置。
<付記8>
上記装置本体は、ユーザに対して報知を行う報知部をさらに備え、
上記制御は、上記報知部に対して上記状態に関する報知を行わせることを含む
付記1から付記7の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記9>
上記装置本体の電源がオフになっている場合において、上記間隔確保部が上記展開状態になった場合に、上記装置本体の電源がオンになる
付記1から付記8の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記10>
上記装置本体には、上記収納状態と上記展開状態のそれぞれにおける上記可動部と上記装置本体との距離を検出可能な第1センサが設けられており、
上記プロセッサは、上記第1センサからの出力に応じて上記間隔確保部の上記状態を検出する
付記1から付記9の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記11>
上記間隔確保部には、上記可動部の変位を検出可能な第2センサが設けられており、
上記プロセッサは、上記第2センサからの出力に応じて上記間隔確保部の上記状態を検出する
付記1から付記9の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記12>
上記装置本体は、上記被検者を撮像可能な光学撮像装置をさらに備え、
上記プロセッサは、上記光学撮像装置により上記可動部が撮像されることで得られた画像に対して画像認識処理を実行することにより、上記間隔確保部の上記状態を検出する
付記1から付記9の何れか一つに記載の放射線照射装置。
【符号の説明】
【0140】
10 放射線照射装置
11 装置本体
11A 前面
11B 背面
11C 把持部材
12 遠隔操作部
12A 操作面
12B 裏面
13A 照射ボタン
13B 撮影ボタン
14 三脚
15 放射線管
16 検出器
17 固定部
18 筒状部
20 間隔確保部
20A,20B 支持板
20C 屈曲部
21 可動部
21A 空洞
21B ケーブル
22 ヒンジ
23 ディスプレイ
24 収容部
26 照射野限定器
28 照射窓
30 撮影窓
34 内壁面
36 制御装置
38 プロセッサ
38A 取得部
38B 検出部
38C 制御部
40 ストレージ
40A 照射制御プログラム
42 RAM
44 外部I/F
46 バス
47 光学カメラ
47A 光学画像
48 無線通信部
49 操作指示
49A 照射開始指示
50 検出センサ
50A マイクロスイッチ
50B 光電センサ
51 状態情報
52,54 メッセージ
56 主電源
58 赤外光源
A 被検者
B ユーザ
F 焦点
L 直線
R 放射線
RA 中心軸
X,Y,Z 矢印
t1,t2,t3 距離
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
一例として
図2に示すように、装置本体11は、左右方向に長手方向を有する略直方体形状を有している。装置本体11の前面11Aには、放射線R
の照射方向に向かって突出する筒状部18が設けられている。筒状部18の内部には、後述する照射野限定器(コリメータとも呼ばれる)及び照射窓が取り付けられている。また、筒状部18の先端には、間隔確保部20が取り付けられている。間隔確保部20は、装置本体11から放射線Rの照射方向に延出することで被検者Aと装置本体11との間隔を確保する部材である。ここで、照射方向とは、放射線Rの線束の中心軸RAに沿った方向である。間隔確保部20は、被検者Aに対して装置本体11が過度に接近した状態で放射線Rが照射されることを抑制する。間隔確保部20は、本開示の技術に係る「間隔確保部」の一例である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
ストレージ40は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。ストレージ40としては、例えば、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)及びSSD(Solid State Drive)等)及び/又はHDD(Hard Disk Drive)が挙げられる。なお、フラッシュメモリ及びHDDは、あくまでも一例に過ぎず、フラッシュメモリ、HDD、磁気抵抗メモリ、及び強誘電体メモリのうちの少なくとも1つをストレージ40として用いてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
また、上記第1実施形態では、ヒンジ22を介して可動部21が変位する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として
図9に示すように、間隔確保部20は、予め定められた弾性率を有する軟質性樹脂(例えば、ゴム)から形成されており、間隔確保部20の内部には支持板20A及び20Bが設けられている。ここで、間隔確保
部20を形成する材料の弾性率は、例えば、実機を用いた試験によって適宜設定され得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
検出部38Bにより間隔確保部20が収納状態であることが検出された場合、制御部38Cは、取得部38Aから照射開始指示49Aを取得する。照射開始指示49Aが入力された場合、制御部38Cは、放射線を
照射してもよいか否かの報知を行う。具体的には、照射開始指示49Aが受け付けられた場合、制御部38Cは、ディスプレイ23にメッセージ52を表示させる。
図10に示す例では、メッセージ52として「放射線を照射しますか?」というテキストが表示される例が示されている。これにより、間隔確保部20が収納状態である場合には、ユーザに対して放射線を照射してもよいかを確認することが実現される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
検出部38Bは、取得部38Aから取得した状態情報51に基づいて間隔確保部20の状態を検出する。具体的には、検出部38Bは、電流値の変化が、予め定められた差分より小さい負の値である場合に、間隔確保部20が収納状態から展開状態に切り替えられたことを検出する。ここで、予め定められた差分は、例えば、実機を用いた試験に基づいて適宜設定され得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
なお、この場合において、停止されていた機能のうちの放射線を照射する機能(例えば、放射線の照射準備及び照射を含む機能)は、追加の操作(例えば、放射線の照射ボタン13Aの押下)が行われない間は、停止されたままとされる。例えば、放射線の照射ボタン13Aがユーザにより押下され、遠隔操作部12から照射開始指示49Aが入力された場合に、放射線を照射する機能が開始される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
(第6変形例)
上記第1実施形態では、検出センサ50によって間隔確保部20の状態が検出される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第6変形例では、光学カメラ47によって可動部が撮像されることで光学画像47Aが得られ、光学画像47Aに対する画像認識処理によって間隔確保部20の状態が検出される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
<付記1>
放射線を被検者に照射する装置本体と、
上記装置本体から上記放射線の照射方向に延出することで上記被検者と上記装置本体との間隔を確保する部材であって、少なくとも一部の可動部が変位することにより、上記装置本体から延出する長さが予め定められた長さとなる展開状態と、上記装置本体からの長さが上記予め定められた長さよりも短い状態である収納状態とに切り替え可能とされた間隔確保部と、
プロセッサと、を備え、
上記プロセッサは、
上記間隔確保部の上記収納状態及び上記展開状態を含む状態を検出し、
検出した上記状態に応じて上記装置本体の動作の制御を実行する
放射線照射装置。
<付記2>
上記プロセッサは、上記放射線の照射を開始させる指示である照射開始指示が入力された場合に、上記制御として、上記照射に関する制御である照射制御を実行する、
付記1に記載の放射線照射装置。
<付記3>
上記照射制御は、上記間隔確保部が上記収納状態である場合に、上記装置本体による上記放射線の照射を禁止すること、又は照射してよいか否かを報知することを含む
付記2に記載の放射線照射装置。
<付記4>
上記照射制御は、上記間隔確保部が上記展開状態である場合に、上記装置本体による上記放射線の照射を許可することを含む
付記2に記載の放射線照射装置。
<付記5>
上記制御は、上記間隔確保部が上記展開状態になった場合に、上記放射線の照射の準備を開始することを含む
付記1から付記4の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記6>
上記制御は、上記間隔確保部が上記展開状態になった場合に、上記収納状態において停
止されていた上記装置本体の機能の少なくとも一部を解除することを含む
付記1から付記5の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記7>
上記収納状態において停止されていた上記装置本体の機能には、上記放射線を照射する機能が含まれ、
上記間隔確保部が上記展開状態になった場合でも、追加の操作が行われない間は、上記放射線を照射する機能は、停止されたままとされる
付記6に記載の放射線照射装置。
<付記8>
上記装置本体は、ユーザに対して報知を行う報知部をさらに備え、
上記制御は、上記報知部に対して上記状態に関する報知を行わせることを含む
付記1から付記7の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記9>
上記装置本体の電源がオフになっている場合において、上記間隔確保部が上記展開状態になった場合に、上記装置本体の電源がオンになる
付記1から付記8の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記10>
上記装置本体には、上記収納状態と上記展開状態のそれぞれにおける上記可動部と上記装置本体との距離を検出可能な第1センサが設けられており、
上記プロセッサは、上記第1センサからの出力に応じて上記間隔確保部の上記状態を検出する
付記1から付記9の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記11>
上記間隔確保部には、上記可動部の変位を検出可能な第2センサが設けられており、
上記プロセッサは、上記第2センサからの出力に応じて上記間隔確保部の上記状態を検出する
付記1から付記9の何れか一つに記載の放射線照射装置。
<付記12>
上記装置本体は、上記被検者を撮像可能な光学撮像装置をさらに備え、
上記プロセッサは、上記光学撮像装置により上記可動部が撮像されることで得られた画像に対して画像認識処理を実行することにより、上記間隔確保部の上記状態を検出する
付記1から付記9の何れか一つに記載の放射線照射装置。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
10 放射線照射装置
11 装置本体
11A 前面
11B 背面
11C 把持部材
12 遠隔操作部
12A 操作面
12B 裏面
13A 照射ボタン
13B 撮影ボタン
14 三脚
15 放射線管
16 検出器
17 固定部
18 筒状部
20 間隔確保部
20A,20B 支持板
20C 屈曲部
21 可動部
21A 空洞
21B ケーブル
22 ヒンジ
23 ディスプレイ
24 収容部
26 照射野限定器
28 照射窓
30 撮影窓
34 内壁面
36 制御装置
38 プロセッサ
38A 取得部
38B 検出部
38C 制御部
40 ストレージ
40A 制御プログラム
42 RAM
44 外部I/F
46 バス
47 光学カメラ
47A 光学画像
48 無線通信部
49 操作指示
49A 照射開始指示
50 検出センサ
50A マイクロスイッチ
50B 光電センサ
51 状態情報
52,54 メッセージ
56 主電源
58 赤外光源
A 被検者
B ユーザ
F 焦点
L 直線
R 放射線
RA 中心軸
X,Y,Z 矢印
t1,t2,t3 距離