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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094801
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240703BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240703BHJP
   G03B 27/62 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H04N1/12 Z
H04N1/00 567Q
G03B27/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211591
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】河村 一茂
【テーマコード(参考)】
2H012
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
2H012CB12
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA25
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB32
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC11
5C062AC22
5C062AC65
5C062AD02
5C062AF15
5C072AA01
5C072BA20
5C072CA02
5C072CA04
5C072CA05
5C072DA02
5C072DA03
5C072DA04
5C072DA25
5C072EA05
5C072EA07
5C072FB25
5C072LA02
5C072LA08
5C072LA18
5C072MA01
5C072MB01
5C072NA01
5C072NA04
5C072UA02
5C072UA05
5C072UA06
5C072UA13
5C072WA02
5C072XA01
(57)【要約】
【課題】開閉検知手段の誤検知を抑制することができる画像読取装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置は、画像読取部たる密着型イメージセンサ50と、密着型イメージセンサ50の原稿読取領域で密着型イメージセンサ50に対向配置された反射部材たる白色基準板38を有している。また、画像読取装置は、白色基準板38を保持し、装置本体に対して開閉可能に構成された開閉カバーたる給紙カバー33aを備えている。画像読取装置の開閉検出手段たるコントローラは、白色基準板38を読み取った画像データに基づいて、給紙カバー33aの開閉を検出している。そして、白色基準板38の給紙カバー33aに対する角度が、給紙カバー33aの開閉に連動して変更される。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に光を照射する光源と、
前記原稿からの反射光を受光する受光部とを有し、前記受光部が受光した前記原稿からの反射光により原稿画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部の原稿読取領域で前記画像読取部に対向配置され、前記光源の光を反射する反射部材と、
前記反射部材を保持し、装置本体に対して開閉可能に構成された開閉カバーと、
前記光源によって前記反射部材に光を照射し、前記受光部が受光した前記反射部材からの反射光に基づいて、前記開閉カバーの開閉を検出する開閉検出手段と、を備える画像読取装置において、
前記開閉カバーの開閉に連動して、前記反射部材の前記開閉カバーに対する角度が変更されることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記反射部材は、前記開閉カバーを開くときの回動方向とは逆方向に回動するように前記開閉カバーに支持されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像読取装置において、
前記開閉カバーの回動軸方向から見たとき、前記反射部材の回動の支点が、前記反射部材の開閉カバー回動支点側に設けられており、
前記反射部材は、付勢手段により前記画像読取部に向けて付勢されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像読取装置において、
前記反射部材には、前記開閉カバーに設けられたボス部が係合する係合部を有し、
前記係合部は、前記反射部材の回動中心を中心とした円弧形状であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記開閉検出手段は、前記受光部が受光した前記反射部材の反射光に基づいて読み取った反射部材読取画像データの画像濃度に基づいて、前記開閉カバーの開閉を検出することを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記原稿を搬送する原稿搬送手段を備え、
前記画像読取部は、前記原稿搬送手段により搬送されている搬送原稿の原稿画像を読み取るものであり、
前記原稿搬送手段の原稿搬送中に、前記開閉検出手段が前記開閉カバーが開かれたことを検出したときは、前記原稿の搬送を停止することを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像読取装置において、
前記開閉検出手段は、前記原稿搬送手段により原稿を搬送しているとき、前記搬送原稿の幅方向外側の読取画像データに基づいて、前記開閉カバーの開閉を検出することを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
原稿の画像を読み取る画像読取装置と、
前記画像読取装置で読み取った画像データに基づいて記録材上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記画像読取装置として、請求項1に記載の画像読取装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、次の構成を備えた画像読取装置が知られている。すなわち、原稿に光を照射する光源と、原稿からの反射光を受光する受光部とを有し、受光部が受光した原稿からの反射光により原稿画像を読み取る画像読取部と、画像読取部の原稿読取領域で画像読取部に対向配置され、前記光源の光を反射する反射部材と、反射部材を保持し、装置本体に対して開閉可能に構成された開閉カバーとを備えている。また、光源によって反射部材に光を照射し、受光部が受光した反射部材の反射光に基づいて、開閉カバーの開閉を検出する開閉検出手段を備えた画像読取装置である。
【0003】
特許文献1には、上記画像読取装置として、閉じた状態でコンタクトガラスに載置された原稿をコンタクトガラスに密着させる開閉カバーとしての原稿押さえカバーの開閉を、画像読取部により検出するものが記載されている。具体的には、原稿押さえカバーに反射部材としての正反射部を設け、原稿押さえカバーの開閉を検知するときは、画像読取部の光源の光を正反射部に照射し、画像読取部の受光部が受光した光量が基準光量を超えるときは、正反射部を正反射した正反射光を受光部が受光していると認識し、原稿押さえカバーが閉じられた状態であると判定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、原稿押さえカバーなどの開閉カバーの開き角度によっては、正反射部などの反射部材で正反射した外部からの外光が画像読取部の受光部に入射し、開閉カバーが閉じられた状態であると開閉検知手段が誤検知するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、原稿に光を照射する光源と、前記原稿からの反射光を受光する受光部とを有し、前記受光部が受光した前記原稿からの反射光により原稿画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部の原稿読取領域で前記画像読取部に対向配置され、前記光源の光を反射する反射部材と、前記反射部材を保持し、装置本体に対して開閉可能に構成された開閉カバーと、前記光源によって前記反射部材に光を照射し、前記受光部が受光した前記反射部材の反射光に基づいて、前記開閉カバーの開閉を検出する開閉検出手段と、を備える画像読取装置において、前記開閉カバーの開閉に連動して、前記反射部材の前記開閉カバーに対する角度が変更されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、開閉検知手段の誤検知を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の画像形成装置を示す斜視図。
図2】スキャナ部を示す斜視図。
図3】ADFの概略構成図。
図4】密着型イメージセンサの電気回路の要部を示すブロック図。
図5】給紙カバーの開閉検知の制御フロー図。
図6】原稿搬送中における給紙カバーの開閉検知の制御フロー図。
図7】密着型イメージセンサ付近の概略構成図。
図8】白色基準板の概略斜視図。
図9】白色基準板が、回動不能に給紙カバーに保持されている構成の不具合について説明する図。
図10】本実施形態における給紙カバーを開いたときの白色基準板の姿勢について説明する図。
図11】白色基準板の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものである。以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0009】
以下、本発明を、画像読取装置を備えた画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置1を示す斜視図である。
図1に示す画像形成装置1は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、スキャナ等の機能を併有しており、読取画像データ等の入力データを基にフルカラー画像やモノクロ画像を記録紙に記録出力したり所定のデータ形式で出力したりすることができる。
【0010】
画像形成装置1は、給紙部、スキャナ部4および画像形成部15の上方側に、自動原稿送り装置であるADF5を備えている。スキャナ部4は画像読取装置本体を構成し、ADF5とともに画像読取装置6を構成する。
【0011】
画像形成部15の給紙部は、例えばそれぞれカット状の記録紙を収納する複数段の給紙カセットと、それらのうち任意の給紙カセットから記録紙をピックアップして給紙する複数組の給紙ローラとを備える。また、給紙部は、給紙ローラのいずれかから給紙された記録紙を画像形成部15の所定の画像形成位置まで搬送する各種ローラ等を含む給紙経路を有している。
【0012】
画像形成部15は、例えば露光ユニットと、複数の感光体ドラムと、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のトナーを用いる現像装置と、転写ベルト、二次転写部および定着部等とを備えている。
【0013】
画像形成部15は、画像読取装置6で読み取った読取画像に基づき、例えば露光ユニットにより各色の感光体ドラムを露光して各感光体ドラム上に静電潜像を形成し、現像装置の各色の現像ユニットで各感光体ドラムの潜像上にトナーを供給して現像する。また、画像形成部15は、各色の感光体ドラム上のトナー像を転写ベルトに一次転写し、二次転写部で記録紙上に重ねて二次転写した後、定着部により記録紙上のトナー像を加熱および加圧して定着させ、カラー画像を形成できるようになっている。さらに、画像形成部15は、スキャナ部4かまたは後述する密着型イメージセンサ50での読取り画像を基に、外部に出力可能な画像ファイルやデータ等の外部出力画像を形成できるようになっている。以上のような電子写真方式の画像形成部15に代えインクジェット方式などの他の記録方式を採用した画像形成部を用いてもよい。
【0014】
次に、画像読取装置6について説明する。
図2は、スキャナ部4を示す斜視図である。
スキャナ部4は、筐体4a内に画像読取部としての一体型光学走査ユニット(以下、「光学走査ユニット」という)40を備えている。この光学走査ユニット40は、光源及び主走査方向を長手方向(矢印A方向)とする密着型イメージセンサを保持し、あるいは光源、レンズ、CCD(電荷結合素子)及びミラーを保持したものである。光学走査ユニット40は、スキャナ部4に備えられる駆動手段によって、スキャン走査方向である副走査方向(矢印B方向)に走査(移動)されることによって、コンタクトガラス7に戴置された原稿の2次元カラー画像を読み取るようになっている。また、コンタクトガラス7は、スキャナ部4の筐体4aの上部に設けられており、筐体4aの上面を構成している。なお、上記駆動手段は、光学走査ユニット40に固定されたワイヤ、ワイヤに橋架される複数の従動プーリおよび駆動プーリと、駆動プーリを回転させるモータ等によって構成されるものであり、公知のものを用いることができる。
【0015】
また、スキャナ部4の筐体4aの上部には、ADF5により搬送される原稿シート上の画像を光学走査ユニット40で読み取るためのDFコンタクトガラス71が設けられている。ADF5により搬送される原稿シート上の画像を読み取るときは、光学走査ユニット40を、DFコンタクトガラス直下に位置させる。
【0016】
図3は、ADF5の概略構成図である。
ADF5は、スキャナ部4の上に配設され、スキャナ部4に重なる状態の閉じ姿勢と、スキャナ部4から立ち上がった開いた姿勢とを取り得るようにヒンジによってスキャナ部4に開閉自在に取り付けられている。
【0017】
ADF5は、読取前の原稿を載置するための原稿載置台31、原稿を搬送するための原稿搬送手段たる搬送ユニット33、読取後の原稿をスタックするための原稿スタック台32などを有している。
【0018】
搬送ユニット33は、分離給紙部34、湾曲搬送部35および排紙部36を有している。分離給紙部34は、給紙部34aと分離部34bとを備えており、給紙部34aによりセットされた原稿の束の少なくなくとも最上位原稿を給送し、分離部34bにより原稿MSを一枚ずつ分離して給送する。
【0019】
湾曲搬送部35は、搬送ドラム35aと押さえローラ35b,35cとを有し、押さえローラ35b,35cにより原稿を搬送ドラム35aに密着させ、原稿を折り返しながらその上下を反転させる。
排紙部36は、排紙ローラ対36aを備え、原稿画像が読み取られた原稿を原稿スタック台32に向けて排出する。
【0020】
原稿載置台31に載置し、操作パネル108(図4参照)でスキャンを選択(例えば、コピースタートボタンの押下)することで給紙部34aで原稿載置台31に載置された原稿の束から少なくとも最上位の原稿が給紙される。給紙された原稿は、分離部34bで1枚に分離されて搬送される。
【0021】
両面読取モードが設定されている場合には、分離給紙部34と湾曲搬送部35の間に配置された密着型イメージセンサ(CIS)50により原稿の裏面(第二面)が読み取られる。具体的には、搬送中の原稿の裏面が、搬送方向の上流側部分から順次部分的に裏側コンタクトガラス37に対面し、密着型イメージセンサ50により読み取られる。
【0022】
湾曲搬送部35へ搬送された原稿は、押さえローラ35b,35cで搬送ドラム35aに密着されて搬送される間に上下面が逆転されるとともに、搬送方向が折り返される。そして、原稿のおもて面が、その搬送方向の上流側部分から順次部分的にスキャナ部4のDFコンタクトガラス71に対面し、光学走査ユニット40でにより読み取られる。その後、原稿画像が読み取られた原稿は、排紙ローラ対36aにより原稿スタック台32へ排出される。
【0023】
原稿搬送路を挟んで密着型イメージセンサ50に対向する位置には、密着型イメージセンサ50におけるシェーディングデータを取得するための反射部材たる白色基準板38が配置されている。
【0024】
ADF5の搬送ユニット33は、上方を開閉可能とした開閉カバーたる給紙カバー33aを有しており、給紙カバー33aにより分離給紙部34、湾曲搬送部35および排紙部36が覆われている。
【0025】
給紙カバー33aは、給紙部34a、分離部34bの一方のローラ、白色基準板38および押さえローラ35bを保持している。給紙カバー33aを、支軸133を支点にして開くことで、給紙部34aから湾曲搬送部35の原稿搬送方向上流側までの原稿搬送路が露出し、この原稿搬送路でジャムした原稿を容易に取り除くことができる。
【0026】
図4は、密着型イメージセンサ50の電気回路の要部を示すブロック図である。
密着型イメージセンサ50は、光源たる光源部200、受光部たるセンサチップ201、画像処理部204、フレームメモリ205および出力制御回路206等から構成されている。
【0027】
光源部200は、LEDアレイ、蛍光灯、または冷陰極管等を備える。センサチップ201は、主走査方向(原稿幅方向に対応する方向)に複数並べて配置されている。複数のOPアンプ回路202は、複数のセンサチップ201のそれぞれに個別に接続されている。複数のA/Dコンバータ203は、複数のOPアンプ回路202のそれぞれに個別に接続されている。
【0028】
センサチップ201は、等倍密着型イメージセンサと称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものである。密着型イメージセンサ50による読取位置に原稿が進入するのに先立って、ADF5の一連の制御を行う制御部であるコントローラ100から光源部200に点灯信号が送られる。これにより、光源部200が点灯し、その光を原稿の裏面に向けて照射する。
【0029】
原稿の裏面で反射した反射光は、集光レンズによってセンサチップ201に集光されて画像情報として読み取られる。それぞれのセンサチップ201で読み取られた画像情報は、OPアンプ回路202によって増幅された後、A/Dコンバータ203によってデジタル化され画像データに変換される。
【0030】
このようにして得られた画像データは、画像処理部204に入力されてシェーディング補正などが施された後、フレームメモリ205に一時記憶される。その後、画像データは、出力制御回路206によって本体制御部111(複写機1本体の制御部)に受入可能なデータ形式に変換された後、インターフェイス回路(以下、I/F回路107と呼ぶ)を経由して本体制御部111に出力される。
【0031】
コントローラ100からは原稿の先端が密着型イメージセンサ50による読取位置に到達するタイミングを知らせるためのタイミング信号や光源部200の点灯信号、電源等が出力されるようになっている。原稿の先端が読取位置に到達するタイミングを知らせるためのタイミング信号は、そのタイミング以降の画像データが有効データとして扱われる。
【0032】
使用者が、両面読取モードか片面読取モードかを指定し、原稿を原稿載置台31にセットした状態で、操作パネル108のコピースタートボタンを押下すると、本体制御部111からI/F回路107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が送信される。これにより、原稿載置台31に載置された原稿の読み取り動作が開始される。
【0033】
本実施形態では、密着型イメージセンサ50を用いて、給紙カバー33aの開閉検知を行っている。この給紙カバー33aの開閉検知は、例えば、20秒毎など、所定の間隔で行っている。
【0034】
給紙カバー33aが閉じられているときは、白色基準板38の基準面38aが、密着型イメージセンサ50に対向している。このときは、密着型イメージセンサ50のセンサチップ201に白色基準板38の基準面38aを反射した光源部200の反射光が良好に入射し、良好に基準面38aが読み取られる。よって、給紙カバー33aが閉じられているとき、密着型イメージセンサが取得した画像データは、ほぼ白色であり画像濃度が高い。
【0035】
給紙カバー33aを開いていくと、給紙カバー33aに保持されている白色基準板38が密着型イメージセンサ50から離れていき、センサチップ201に入射する白色基準板の基準面38aを反射した光源部200の反射光が減少する。その結果、密着型イメージセンサ50の画像データの画像濃度が低下していく。よって、画像濃度が閾値より低下した場合は、給紙カバー33aが開いていると検出できる。
【0036】
図5は、給紙カバー33aの開閉検知の制御フロー図である。
図5に示すように、コントローラ100は、点灯信号を密着型イメージセンサ50に送信し、光源部200を点灯させて、画像の読み取りを行い、画像データを取得する(S1、S2)。密着型イメージセンサ50で読み取った画像データは、出力制御回路206によってコントローラ100に送られる。コントローラ100では、送られた画像データの画像濃度が閾値以上か否かをチェックする(S3)。例えば、コントローラ100は、各画素の画像濃度の平均値を算出し、その平均値が閾値か否かを判定する。
【0037】
給紙カバー33aが閉じられており、白色基準板38の基準面38aが、密着型イメージセンサ50に対向しているときは、上述したように画像データの画像濃度が閾値以上となる。よって、画像データの画像濃度が閾値以上のとき(S3のYes)は、給紙カバー33aは閉じられていると判定する(S4)。
【0038】
前回の判定結果が「開」であるとき(S6のYes)は、コントローラ100は、I/F回路107を介して本体制御部111に給紙カバー33aが閉じられた旨を通知する。本体制御部111は、この通知をコントローラ100から受信したら、操作パネル108の表示部に表示されている給紙カバー33aが開かれている旨の警告表示を終了する。また、コピースタートボタンの押下による原稿給紙信号の送信禁止を解除し、原稿搬送を可能とする(S7)。
【0039】
一方、給紙カバー33aが開いているときは、上述したように、密着型イメージセンサ50のセンサチップ201に入射する白色基準板の基準面38aを反射した光源部200の反射光が減少し、画像データの画像濃度が低下する。よって、画像データの画像濃度が閾値未満のとき(S3のNo)は、給紙カバー33aは開かれていると判定する(S8)。
【0040】
コントローラ100は、給紙カバー33aが開かれていると判定したとき、前回の判定結果が「閉」であるか否かを確認する(S9)。前回の検出結果が「閉」であるとき(S9のYes)は、I/F回路107を介して本体制御部111に給紙カバー33aが開かれた旨を通知する。本体制御部111は、コントローラ100から給紙カバー33aが開かれた旨の通知を受信したら、操作パネル108の表示部に給紙カバー33aが開かれている旨の警告表示を行う。また、コピースタートボタンの押下によるコントローラへの原稿給紙信号の送信を禁止し、原稿搬送を禁止にする(S10)。
【0041】
前回の給紙カバー33aの開閉の検出結果に基づいて、閾値を変更してもよい。例えば、前回の給紙カバー33aの開閉検知において、給紙カバー33aが開らかれたことを検出した場合は、基準の閾値よりも閾値を大きくする。これにより、給紙カバー33aが閉じきってない状態で、給紙カバー33aが閉じれているという誤検出を抑制することができる。
【0042】
一方、前回の給紙カバー33aの開閉検知において、給紙カバー33aが閉じられていることを検出した場合は、基準の閾値を用いる。これにより、基準面38aの僅かな汚れによる誤検知を抑制することができる。
【0043】
密着型イメージセンサ50を用いて、給紙カバー33aの開閉検知を行うことで、給紙カバー33aの開閉を検知するための手段を別に設ける必要がなくなり、部品点数の削減を図ることができる。これにより、装置のコストダウンを図ることができる。
【0044】
また、光源部200を点灯させずに密着型イメージセンサ50で取得した画像データに基づいても給紙カバー33aの開閉を検知することもできる。この場合は、給紙カバー33aが開かれることで、外光(装置外の光)が密着型イメージセンサ50のセンサチップ201に入射し密着型イメージセンサ50が取得した画像データの画像濃度が上昇する。従って、画像濃度が閾値以上となったときに、給紙カバー33aが開かれたことを検出することが可能である。
【0045】
しかし、光源部200を点灯させずに密着型イメージセンサ50で取得した画像データに基づいても給紙カバー33aの開閉を検知する場合は、以下の不具合がある。すなわち、装置の設置環境が薄暗い場合、密着型イメージセンサ50のセンサチップ201に入射する外光が不十分となり、給紙カバー33aが開かれているにもかかわらず、画像濃度が閾値未満となって、給紙カバー33aが閉じていると誤判定する不具合である。
【0046】
一方、本実施形態のように、光源部200を点灯させて密着型イメージセンサ50で取得した画像データに基づいて給紙カバー33aの開閉を検知することで、装置の設置環境が薄暗い場合でも、良好に給紙カバーの開閉検知を行うことができる。
【0047】
また、本実施形態は、原稿搬送中も密着型イメージセンサ50を用いて給紙カバー33aの開閉を検知している。
【0048】
図6は、原稿搬送中における給紙カバー33aの開閉検知の制御フロー図である。
上述と同様にして、給紙カバー33aの開閉検知タイミングとなったら、コントローラ100は、点灯信号を密着型イメージセンサ50に送信し、光源部200を点灯させて、画像の読み取りを行い画像データを取得する(S11、S12)。密着型イメージセンサ50で読み取った画像データは、出力制御回路206によってコントローラ100に送られる。なお、給紙カバー33aの開閉検知タイミングのときに、密着型イメージセンサ50で原稿の裏面を読み取っているときは、原稿読取画像データをコントローラ100に送信する。
【0049】
コントローラ100は、原稿載置台31に載置された原稿の幅サイズを検知する原稿幅サイズ検知手段により検出された原稿幅情報に基づいて、送られてきた画像データから原稿の幅方向外側の画像データを抽出する(S13)。原稿の幅方向外側の画像データは、白色基準板38の基準面38aを読み取った画像データである。従って、原稿の幅方向外側の画像データを用いることで、給紙カバー33aの開閉検知を良好に行うことができる。
【0050】
そして、抽出した画像データの画像濃度が閾値未満の場合(S14のNo)は、コントローラ100は、給紙カバー33aが開かれたと判定し、原稿の搬送を停止する(S16)。これにより、原稿が異常搬送されるのを防止でき、原稿にダメージが生じるのを防止できる。
【0051】
また、給紙カバー33aが開かれたと判定したら、コントローラ100は、I/F回路107を介して本体制御部111に原稿搬送中に給紙カバー33aが開かれた旨を通知する。本体制御部111は、コントローラ100の通知に基づいて、搬送中に給紙カバー33aが開かれたため原稿搬送を停止した旨と、原稿搬送路内の原稿を取り出して再セットを促す警告表示を操作パネル108の表示部に表示する。また、コピースタートボタンの押下によるコントローラ100への原稿給紙信号の送信を禁止する(S18)。また、画像形成動作も停止し、画像形成装置内の用紙搬送路に用紙が有る場合は、用紙を取り出すように指示する。
【0052】
一方、抽出した画像データの画像濃度が閾値以上(S14のYes)で、給紙カバーが閉じていると判定した場合は、そのまま原稿の搬送を継続する。
【0053】
本実施形態では、上記閾値は、給紙カバー33aの開き角度が、20°のときの画像濃度に設定している。上記閾値の値を大きくすれば、給紙カバー33aが僅かに開いた時点(開き角度20°未満)で、給紙カバー33aが開かれたことを検出することができる。これにより、原稿搬送中において、すばやく原稿の搬送を停止することができ、原稿にダメージなどが生じるのを抑制でき好ましい。しかし、上記閾値の値を大きくすると、基準面38aの僅かな汚れにより、実際は、給紙カバー33aは閉じられているのに、給紙カバー33aが開かれていると誤検出するおそれがある。
【0054】
上記閾値を、給紙カバー33aの開き角度が20°のときの画像濃度に設定することで、誤検知を抑制し、かつ、給紙カバー33aが開けられたときに早めの段階で給紙カバー33aの開きを検出することができる。
【0055】
図7は、密着型イメージセンサ50付近の概略構成図であり、図8は、白色基準板38の概略斜視図である。
白色基準板38の原稿幅方向に直交する両側面には、支持軸62に回動自在に支持される支持穴38dと、ボス部たるガイドボス部61が係合する係合部たるガイド穴38bが設けられている。ガイド穴38bは、支持軸62の中心を中心とする円弧状の長穴となっている。かかる構成により、白色基準板38は、支持軸62を支点にして所定の範囲で回動可能に給紙カバー33aに保持される。なお、ガイド穴38bは、支持軸62の中心を中心とする円弧状の溝部でもよい。
【0056】
基準面38aの原稿幅方向両端には、スペーサ部材38cが設けられている。このスペーサ部材38cが裏側コンタクトガラス37に当接することで、白色基準板38と裏側コンタクトガラス37との間に、規定の搬送ギャップを確保している。
また、白色基準板38は、原稿幅方向に所定間隔で配置された複数の加圧スプリング39(図8参照)によって裏側コンタクトガラス37に向けて付勢されている。これにより、白色基準板38は、裏側コンタクトガラス37に所定の付勢力で押圧される。
【0057】
図9は、白色基準板38が、回動不能に給紙カバー33aに保持されている構成の不具合について説明する図である。
白色基準板38が、回動不能に給紙カバー33aに保持されている構成においては、給紙カバー33aを開いていくとき、白色基準板38の基準面38aが給紙カバー33aを開くことで開口する開口側を向く。そのため、図9に示すように、開口側から搬送ユニット内部に進入した外光が、白色基準板38の基準面38aに正反射し、密着型イメージセンサ50のセンサチップ201に入射するおそれがある。正反射光は、拡散反射光よりも強く、密着型イメージセンサ50と白色基準板38との距離がある程度離れた状態でも、暗くならずに画像データの濃度が明るくなる。その結果、画像データの画像濃度が閾値以上(S14のYes)となり、給紙カバー33aが開かれているにも関わらず、給紙カバー33aが閉じられていると誤検知するおそれがある。
【0058】
図10は、本実施形態における給紙カバー33aを開いたときの白色基準板38の姿勢について説明する図である。
本実施形態では、給紙カバー33aを開いていくと、加圧スプリング39の付勢力により白色基準板38は、支持軸62を支点にして図中時計回りに回動する。
本実施形態では、給紙カバー33aが開かれていくときに開口する開口側と反対側(図中左側)に支持軸62があることで、白色基準板38は、給紙カバー33aを開くときの回動方向(図中反時計回り)とは逆方向(図中時計回り)に回動する。その結果、図10に示すように、白色基準板38の基準面38aが開口側と反対側を向き、開口側から進入した外光が、基準面38aに入射しないようにできる。これにより、基準面38aを反射した外光が、密着型イメージセンサ50のセンサチップ201に入射するのを防止できる。これにより、給紙カバー33aの誤検知を良好に抑制することができる。
【0059】
また、給紙カバー33aが開かれたときは、ガイドボス部61がガイド穴38bの上端に突き当たり白色基準板38の図中時計回りの回動が規制され、白色基準板38は、次のような姿勢となっている。すなわち、給紙カバー33aを閉じるときに白色基準板38の基準面38aの原稿搬送方向下流側端部が、裏側コンタクトガラス37に突き当たるような姿勢である。これにより、給紙カバー33aを閉じるとき、白色基準板38の基準面38aの原稿搬送方向下流側端部が、裏側コンタクトガラス37に突き当たり、加圧スプリング39の付勢力に抗して図中反時計回りに回動し、図7に示す状態になる。
【0060】
図11は、白色基準板の変形例を示す図である。
この変形例の白色基準板138は、密着型イメージセンサ50として被写界深度が浅いものを用いた場合の構成である。密着型イメージセンサ50として被写界深度が浅いものを用いた場合は、図7に示す構成では、基準面38aを良好に読み取れず、シェーディング補正の精度が低下するおそれがある。そのため、基準面38aを裏側コンタクトガラス37に接触させている。
【0061】
基準面38aを裏側コンタクトガラス37に接触させる構成は、原稿が白色基準板138と裏側コンタクトガラス37との間を移動できるように、加圧スプリング39の付勢力に抗して基準面38aを裏側コンタクトガラス37から離間させる必要がある。そのため、この変形例の白色基準板138は、原稿MSの搬送方向下流側に延びるアーム部138aを設け、白色基準板138の回動の支点を、裏側コンタクトガラス37よりも原稿搬送方向下流側の位置に設けている。また、基準面38aの搬送方向上流側端部から、原稿搬送方向上流側にいくに従って、原稿搬送路から離間するように傾斜した傾斜板138bを設けている。
【0062】
図11(a)に示すように、原稿の先端が傾斜板138bに突き当たると、原稿の搬送力により傾斜板138bが押される。すると、白色基準板138は、支持軸62を支点にして加圧スプリング39の付勢力に抗して図中反時計回り回動し、基準面38aが裏側コンタクトガラス37から離間する。これにより、図11(b)に示すように、原稿MSが、白色基準板138を押し除けるようにして、裏側コンタクトガラス37と白色基準板138との間を移動する。原稿MSの後端が抜けると、白色基準板138は、加圧スプリング39の付勢力により図中時計回りに回動し、基準面38aが裏側コンタクトガラス37に接触する。
【0063】
この変形例も、実施形態と同様に、給紙カバー33aを開いて基準面38aが裏側コンタクトガラス37から離間することで、加圧スプリング39の付勢力により給紙カバー33aの回動方向とは逆方向(図中時計回り)に回動する。これにより、基準面38aを、給紙カバー33aを開いていくときの開口とは反対側(給紙カバー33aの回動支点側)に向かせることができ、開口から装置内に入ってきた外光が基準面38aに入射しないようにできる。これにより、基準面38aを反射した外光が、密着型イメージセンサ50のセンサチップ201に入射するのを防止できる。その結果、給紙カバー33aの誤検知を良好に抑制することができる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0065】
例えば、光学走査ユニット40を用いてADF5のスキャナ部4に対する開閉を検知するようにしてもよい。具体的には、DFコンタクトガラス71に対向配置された反射部材たるスキャナ部用白色基準板41(図3参照)を光学走査ユニット40で読み取り、その読み取った画像データの画像濃度に基づいて、ADF5の開閉を検知する。
【0066】
そして、ADF5を開くときに、ADF5の回動方向とは逆方向にスキャナ部用白色基準板41が回動するよう構成する。具体的には、スキャナ部用白色基準板41のADF5の回動支点側(ヒンジ側)を、支持軸により回動可能に支持するとともに、加圧スプリングによりスキャナ部用白色基準板41をDFコンタクトガラス71に向けて付勢する構成とする。
【0067】
これにより、ADF5を開くときに、ADF5の回動方向とは逆方向にスキャナ部用白色基準板41が回動し、スキャナ部用白色基準板41の基準面を、ADF5を開くときに開口する開口側とは反対側に向かせることができる。これにより、開口側から進入した外光の基準面への入射を抑制でき、基準面を正反射した外光が、光学走査ユニット40に入射するのを抑制できる。これにより、ADF5の開閉の誤検知を良好に抑制することができる。
【0068】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
原稿に光を照射する光源部200などの光源と、原稿からの反射光を受光するセンサチップ201などの受光部とを有し、受光部が受光した原稿からの反射光により原稿画像を読み取る密着型イメージセンサ50などの画像読取部と、画像読取部の原稿読取領域で画像読取部に対向配置された白色基準板38などの反射部材と、反射部材を保持し装置本体に対して開閉可能に構成された給紙カバー33aなどの開閉カバーと、光源によって反射部材に光を照射し、受光部が受光した反射部材の反射光に基づいて、開閉カバーの開閉を検出するコントローラ100などの開閉検出手段とを有する画像読取装置において、開閉カバーの開閉に連動して、反射部材の開閉カバーに対する角度が変更される。
これによれば、開閉カバーを開くことで開口した開口部から進入した外光が反射部材に反射して受光部に入射しないよう、開閉カバーの開きに連動して反射部材の開閉カバーに対する角度を変更することが可能となる。これにより、外光による開閉検知手段の誤検知を抑制することができる。
【0069】
(態様2)
態様1において、白色基準板38などの反射部材は、給紙カバー33aなどの開閉カバーを開くときの回動方向とは逆方向に回動するように開閉カバーに支持されている。
これによれば、実施形態で説明したように、給紙カバー33aなどの開閉カバーを開いたとき白色基準板38などの反射部材の密着型イメージセンサ50などの画読取部に対向する基準面38aなどの対向面を、開閉カバーを開くことで開口した開口側とは反対側を向かせることができる。これにより、上記開口から入射した外光が対向面に入射するのを抑制できる。よって、対向面を反射した外光が画像読取部のセンサチップ201などの受光部に入射するのが抑制され、外光による開閉検知手段の誤検知を抑制することができる。
【0070】
(態様3)
態様2において、給紙カバー33aなどの開閉カバーの回動軸方向から見たとき、白色基準板38などの反射部材の回動の支点が、開閉カバー回動支点側に設けられており、反射部材は、加圧スプリング39などの付勢手段により密着型イメージセンサ50などの画像読取部に向けて付勢されている。
これによれば、実施形態で説明したように、給紙カバー33aなどの開閉カバーを開いていくと、白色基準板38などの反射部材が、加圧スプリング39などの付勢手段の付勢力により、開閉カバーを開くときの回動方向とは逆方向に反射部材を回動させることができる。
【0071】
(態様4)
態様3において、白色基準板38などの反射部材には、給紙カバー33aなどの開閉カバーに設けられたガイドボス部61などのボス部が係合するガイド穴38bなどの係合部を有し、係合部は、反射部材の回動中心を中心とした円弧形状である。
これによれば、実施形態で説明したように、給紙カバー33aなどの開閉カバーに対して、所定範囲内で回動可能に白色基準板38などの反射部材を保持することができる。
【0072】
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、コントローラ100などの開閉検出手段は、センサチップ201などの受光部が受光した白色基準板38などの反射部材の反射光に基づいて読み取った反射部材読取画像データの画像濃度に基づいて、給紙カバー33aなどの開閉カバーの開閉を検出する。
これによれば、実施形態で説明したように、給紙カバー33aなどの開閉カバーが閉じられているときは、光源部200などの光源の白色基準板38などの反射部材を反射した光が、密着型イメージセンサ50などの画像読取部に良好に入射するため反射部材読取画像データが明るくなり、画像濃度が高くなる。一方、開閉カバーが開かれて反射部材が画像読取部から離れていくことで、画像読取部に入射する反射部材を反射した光源の反射光が減少し、反射部材読取画像データが暗くなり、画像濃度が低くなる。よって、反射部材読取画像データの画像濃度により、開閉カバーの開閉を検出することができる。
【0073】
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、原稿を搬送する搬送ユニット33などの原稿搬送手段を備え、密着型イメージセンサ50などの画像読取部は、原稿搬送手段により搬送されている搬送原稿の原稿画像を読み取るものであり、原稿搬送手段の原稿搬送中に、コントローラ100などの開閉検出手段が、開閉カバーが開かれたことを検出したときは、原稿の搬送を停止する。
これによれば、実施形態で説明したように、原稿の異常搬送を防止でき、原稿にダメージが生じるのを防止できる。
【0074】
(態様7)
態様6において、コントローラ100などの開閉検出手段は、原稿搬送手段により原稿を搬送しているとき、搬送原稿の幅方向外側の読取画像データに基づいて、給紙カバー33aなどの開閉カバーの開閉を検出する。
これによれば、実施形態で説明したように、原稿搬送中も、給紙カバー33aなどの開閉カバーの開閉の検出を行うことができる。
【0075】
(態様8)
原稿の画像を読み取る画像読取装置6と、画像読取装置6で読み取った画像データに基づいて記録材上に画像を形成する画像形成装置であって、画像読取装置として、態様1乃至7いずれかの画像読取装置を用いた。
【符号の説明】
【0076】
1 :画像形成装置
4 :スキャナ部
4a :筐体
5 :ADF
6 :画像読取装置
7 :コンタクトガラス
15 :画像形成部
31 :原稿載置台
32 :原稿スタック台
33 :搬送ユニット(原稿搬送手段)
33a :給紙カバー(開閉カバー)
34 :分離給紙部
34a :給紙部
34b :分離部
35 :湾曲搬送部
35a :搬送ドラム
35b :押さえローラ
35c :押さえローラ
36 :排紙部
36a :排紙ローラ対
37 :裏側コンタクトガラス
38 :白色基準板(反射部材)
38a :基準面
38b :ガイド穴(係合部)
38c :スペーサ部材
38d :支持穴
39 :加圧スプリング(付勢手段)
40 :光学走査ユニット
41 :スキャナ部用白色基準板
50 :密着型イメージセンサ(画像読取部)
53 :原稿載置台
61 :ガイドボス部(ボス部)
62 :支持軸
71 :DFコンタクトガラス
100 :コントローラ(開閉検出手段)
200 :光源部(光源)
201 :センサチップ(受光部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開平10-32679号公報
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