(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094874
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240703BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20240703BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211747
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(74)【代理人】
【識別番号】100131598
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 和宗
(72)【発明者】
【氏名】荒巻 昂
(72)【発明者】
【氏名】李 黎夫
(72)【発明者】
【氏名】辻本 宏
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084CC03
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC15
2G084CC16
2G084CC17
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD24
2G084DD38
2G084DD55
2G084FF06
2G084FF15
5F004AA01
5F004BA06
5F004BA09
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB28
5F004CA03
5F004CA06
(57)【要約】
【課題】プラズマ処理における基板の面内均一性を向上することができる技術を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置は、プラズマ処理チャンバと、静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第2の外径を有する第2のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第3の外径を有する第3のバイアス電極と、第1のDC電源と、第2のDC電源と、第3のDC電源と、電圧加算器と、第1のバイアス電極に電気的に接続され、第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、第2のバイアス電極に電気的に接続され、第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、第3のバイアス電極に電気的に接続され、第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、基台と、前記基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、前記基板支持面上に配置された基板を囲むように前記リング支持面上に配置されたエッジリングと、を含む、前記基板支持部と、
前記静電チャック内において前記基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、
前記静電チャック内において前記リング支持面の下方に配置される少なくとも1つのリングチャック電極と、
前記静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、
第1の一次電圧レベルを有する第1の一次DC信号を生成するように構成される第1のDC電源と、
第2の一次電圧レベルを有する第2の一次DC信号を生成するように構成される第2のDC電源と、
第3の一次電圧レベルを有する第3の一次DC信号を生成するように構成される第3のDC電源と、
前記第1から第3の一次DC信号を用いて、第1の二次電圧レベルを有する第1の二次DC信号と、第2の二次電圧レベルを有する第2の二次DC信号と、第3の二次電圧レベルを有する第3の二次DC信号とを生成するように構成される電圧加算器であって、前記第1の二次電圧レベル、前記第2の二次電圧レベル及び前記第3の二次電圧レベルは、
前記第1の一次電圧レベル、
前記第1の一次電圧レベルと前記第2の一次電圧レベルとを加算した電圧レベル、及び、
前記第1の一次電圧レベルと前記第3の一次電圧レベルとを加算した電圧レベルの中から、互いに重複しないように選択されるものである、前記電圧加算器と、
前記第1のバイアス電極に電気的に接続され、前記第1の二次DC信号から、前記第1の二次電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、
前記第2のバイアス電極に電気的に接続され、前記第2の二次DC信号から、前記第2の二次電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、
前記第3のバイアス電極に電気的に接続され、前記第3の二次DC信号から、前記第3の二次電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、
を含む、プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記第1の電圧パルス信号、前記第2の電圧パルス信号及び前記第3の電圧パルス信号は、第1の電圧パルスのシーケンス、第2の電圧パルスのシーケンス及び第3の電圧パルスのシーケンスをそれぞれ含む、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記第1の一次電圧レベル、前記第2の一次電圧レベル及び前記第3の一次電圧レベルは、負極性を有する、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記第1の一次電圧レベルの絶対値は、前記第2の一次電圧レベル及び前記第3の一次電圧レベルの絶対値よりも大きい、
請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面及び前記リング支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記リング支持面と縦方向に重複するように配置される、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記リング支持面と縦方向に重複するように配置される、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記基板支持面及び前記リング支持面と縦方向に重複するように配置される、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置される、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記第1のバイアス電極、前記第2のバイアス電極及び前記第3のバイアス電極は、同じ高さに配置されている、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記第1のバイアス電極、前記第2のバイアス電極及び前記第3のバイアス電極は、互いに異なる高さに配置されている、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記第2のバイアス電極は、前記第1のバイアス電極よりも低い位置に配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記第2のバイアス電極よりも低い位置に配置されている、
請求項10に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記第1のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、前記第2のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複し、
前記第2のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、前記第3のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複する、
請求項11に記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
前記リングチャック電極は、
第1の極性を有する第1のリングチャック電圧が印加される内側リングチャック電極と、
第2の極性を有する第2のリングチャック電圧が印加される外側リングチャック電極と、を含む、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、基台と、前記基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、前記基板支持面上の基板を囲むように前記リング支持面上に配置されるエッジリングと、を含む、前記基板支持部と、
前記静電チャック内において前記基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、
前記静電チャック内において前記リング支持面の下方に配置される、少なくとも1つのリングチャック電極と、
前記静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、前記第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、
前記第1のバイアス電極に電気的に接続され、第1の電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、
前記第2のバイアス電極に電気的に接続され、第2の電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、
前記第3のバイアス電極に電気的に接続され、第3の電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、
を含む、プラズマ処理装置。
【請求項15】
前記第1の電圧レベルを有する第1のDC信号を前記第1の電圧パルス生成器に供給するように構成される第1のDC電源と、
前記第2の電圧レベルを有する第2のDC信号を前記第2の電圧パルス生成器に供給するように構成される第2のDC電源と、
前記第3の電圧レベルを有する第3のDC信号を前記第3の電圧パルス生成器に供給するように構成される第3のDC電源と、
をさらに含む、請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル及び前記第3の電圧レベルは、負極性を有する、
請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項17】
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記リング支持面と縦方向に重複するように配置される、
請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項18】
前記第2のバイアス電極は、前記第1のバイアス電極よりも低い位置に配置され、
前記第3のバイアス電極は、第2のバイアス電極よりも低い位置に配置される、
請求項17に記載のプラズマ処理装置。
【請求項19】
前記第1のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、前記第2のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複し、
前記第2のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、前記第3のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複する、
請求項18に記載のプラズマ処理装置。
【請求項20】
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、基台と、前記基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、前記基板支持面上に配置された基板を囲むように前記リング支持面上に配置されたエッジリングと、を含む、前記基板支持部と、
前記静電チャック内において前記基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、
前記静電チャック内において前記リング支持面の下方に配置される少なくとも1つのリングチャック電極と、
前記静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、
第1の電圧レベルを有する第1のDC信号を生成するように構成される第1のDC電源と、
第2の電圧レベルを有する第2のDC信号を生成するように構成される第2のDC電源と、
第3の電圧レベルを有する第3のDC信号を生成するように構成される第3のDC電源と、
前記第1のバイアス電極に電気的に接続され、前記第1の電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、
前記第2のバイアス電極に電気的に接続され、前記第1の電圧レベルと前記第2の電圧レベルを加算した第4の電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、
前記第3のバイアス電極に電気的に接続され、前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル及び前記第3の電圧レベルを加算した第5の電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、
を含む、プラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置において、高周波とパルス電圧を複数の電極に供給する技術として、特許文献1に記載された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/0037119号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、プラズマ処理における基板の面内均一性を向上することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一つの例示的実施形態におけるプラズマ処理装置は、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、基板支持部は、基台と、基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、基板支持面上に配置された基板を囲むようにリング支持面上に配置されたエッジリングと、を含む、基板支持部と、静電チャック内において基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、静電チャック内においてリング支持面の下方に配置される少なくとも1つのリングチャック電極と、静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、第1の一次電圧レベルを有する第1の一次DC信号を生成するように構成される第1のDC電源と、第2の一次電圧レベルを有する第2の一次DC信号を生成するように構成される第2のDC電源と、第3の一次電圧レベルを有する第3の一次DC信号を生成するように構成される第3のDC電源と、第1から第3の一次DC信号を用いて、第1の二次電圧レベルを有する第1の二次DC信号と、第2の二次電圧レベルを有する第2の二次DC信号と、第3の二次電圧レベルを有する第3の二次DC信号とを生成するように構成される電圧加算器であって、第1の二次電圧レベル、第2の二次電圧レベル及び第3の二次電圧レベルは、第1の一次電圧レベル、第1の一次電圧レベルと第2の一次電圧レベルとを加算した電圧レベル、及び、第1の一次電圧レベルと第3の一次電圧レベルとを加算した電圧レベルの中から、互いに重複しないように選択されるものである、電圧加算器と、第1のバイアス電極に電気的に接続され、第1の二次DC信号から、第1の二次電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、第2のバイアス電極に電気的に接続され、第2の二次DC信号から、第2の二次電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、第3のバイアス電極に電気的に接続され、第3の二次DC信号から、第3の二次電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一つの例示的実施形態によれば、プラズマ処理における基板の面内均一性を向上することができる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。
【
図2】容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【
図3】第1の例示的実施形態における基板支持部とDC電源の構成例を説明するための図である。
【
図4】平面視のバイアス電極の構成例を説明するための図である。
【
図6】基板上におけるプラズマシースの変動を説明するための図である。
【
図7】バイアス電極の他の配置例を説明するための図である。
【
図8】バイアス電極の他の配置例を説明するための図である。
【
図9】バイアス電極の他の配置例を説明するための図である。
【
図10】バイアス電極の他の配置例を説明するための図である。
【
図11】第2の例示的実施形態における基板支持部とDC電源の構成例を説明するための図である。
【
図12】第3の例示的実施形態における基板支持部とDC電源の構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の各実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、基板支持部は、基台と、基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、基板支持面上に配置された基板を囲むようにリング支持面上に配置されたエッジリングと、を含む、基板支持部と、静電チャック内において基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、静電チャック内においてリング支持面の下方に配置される少なくとも1つのリングチャック電極と、静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、第1の一次電圧レベルを有する第1の一次DC信号を生成するように構成される第1のDC電源と、第2の一次電圧レベルを有する第2の一次DC信号を生成するように構成される第2のDC電源と、第3の一次電圧レベルを有する第3の一次DC信号を生成するように構成される第3のDC電源と、第1から第3の一次DC信号を用いて、第1の二次電圧レベルを有する第1の二次DC信号と、第2の二次電圧レベルを有する第2の二次DC信号と、第3の二次電圧レベルを有する第3の二次DC信号とを生成するように構成される電圧加算器であって、第1の二次電圧レベル、第2の二次電圧レベル及び第3の二次電圧レベルは、第1の一次電圧レベル、第1の一次電圧レベルと第2の一次電圧レベルとを加算した電圧レベル及び、第1の一次電圧レベルと第3の一次電圧レベルとを加算した電圧レベルの中から、互いに重複しないように選択されるものである、電圧加算器と、第1のバイアス電極に電気的に接続され、第1の二次DC信号から、第1の二次電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、第2のバイアス電極に電気的に接続され、第2の二次DC信号から、第2の二次電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、第3のバイアス電極に電気的に接続され、第3の二次DC信号から、第3の二次電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、を含む、プラズマ処理装置が提供される。
【0010】
一つの例示的実施形態において、第1の電圧パルス信号、第2の電圧パルス信号及び第3の電圧パルス信号は、第1の電圧パルスのシーケンス、第2の電圧パルスのシーケンス及び第3の電圧パルスのシーケンスをそれぞれ含む。
【0011】
一つの例示的実施形態において、第1の一次電圧レベル、第2の一次電圧レベル及び第3の一次電圧レベルは、負極性を有する。
【0012】
一つの例示的実施形態において、第1の一次電圧レベルの絶対値は、第2の一次電圧レベル及び第3の一次電圧レベルの絶対値よりも大きい。
【0013】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第2のバイアス電極は、基板支持面及びリング支持面と縦方向に重複するように配置され、第3のバイアス電極は、リング支持面と縦方向に重複するように配置される。
【0014】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第2のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第3のバイアス電極は、リング支持面と縦方向に重複するように配置される。
【0015】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第2のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第3のバイアス電極は、基板支持面及びリング支持面と縦方向に重複するように配置される。
【0016】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第2のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第3のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置される。
【0017】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極、第2のバイアス電極及び第3のバイアス電極は、同じ高さに配置されている。
【0018】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極、第2のバイアス電極及び第3のバイアス電極は、互いに異なる高さに配置されている。
【0019】
一つの例示的実施形態において、第2のバイアス電極は、第1のバイアス電極よりも低い位置に配置され、第3のバイアス電極は、第2のバイアス電極よりも低い位置に配置されている。
【0020】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、第2のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複し、第2のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、第3のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複する。
【0021】
一つの例示的実施形態において、リングチャック電極は、第1の極性を有する第1のリングチャック電圧が印加される内側リングチャック電極と、第2の極性を有する第2のリングチャック電圧が印加される外側リングチャック電極と、を含む。
【0022】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、基板支持部は、基台と、基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、基板支持面上の基板を囲むようにリング支持面上に配置されるエッジリングと、を含む、基板支持部と、静電チャック内において基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、静電チャック内においてリング支持面の下方に配置される、少なくとも1つのリングチャック電極と、静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、第1のバイアス電極に電気的に接続され、第1の電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、第2のバイアス電極に電気的に接続され、第2の電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、第3のバイアス電極に電気的に接続され、第3の電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、を含む、プラズマ処理装置が提供される。
【0023】
一つの例示的実施形態において、第1の電圧レベルを有する第1のDC信号を第1の電圧パルス生成器に供給するように構成される第1のDC電源と、第2の電圧レベルを有する第2のDC信号を第2の電圧パルス生成器に供給するように構成される第2のDC電源と、第3の電圧レベルを有する第3のDC信号を第3の電圧パルス生成器に供給するように構成される第3のDC電源と、をさらに含む。
【0024】
一つの例示的実施形態において、第1の電圧レベル、第2の電圧レベル及び第3の電圧レベルは、負極性を有する。
【0025】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第2のバイアス電極は、基板支持面と縦方向に重複するように配置され、第3のバイアス電極は、リング支持面と縦方向に重複するように配置される。
【0026】
一つの例示的実施形態において、第2のバイアス電極は、第1のバイアス電極よりも低い位置に配置され、第3のバイアス電極は、第2のバイアス電極よりも低い位置に配置される。
【0027】
一つの例示的実施形態において、第1のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、第2のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複し、第2のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、第3のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複する。
【0028】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、基板支持部は、基台と、基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、基板支持面上に配置された基板を囲むようにリング支持面上に配置されたエッジリングと、を含む、基板支持部と、静電チャック内において基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、静電チャック内においてリング支持面の下方に配置される少なくとも1つのリングチャック電極と、静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、静電チャック内に配置され、第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、第1の電圧レベルを有する第1のDC信号を生成するように構成される第1のDC電源と、第2の電圧レベルを有する第2のDC信号を生成するように構成される第2のDC電源と、第3の電圧レベルを有する第3のDC信号を生成するように構成される第3のDC電源と、第1のバイアス電極に電気的に接続され、第1の電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、第2のバイアス電極に電気的に接続され、第1の電圧レベルと第2の電圧レベルを加算した第4の電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、第3のバイアス電極に電気的に接続され、第1の電圧レベル、第2の電圧レベル及び第3の電圧レベルを加算した第5の電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、を含む、プラズマ処理装置が提供される。
【0029】
以下、図面を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づいて上下左右等の位置関係を説明する。図面の寸法比率は実際の比率を示すものではなく、また、実際の比率は図示の比率に限られるものではない。
【0030】
<プラズマ処理装置の一例>
図1は、プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理システムは、基板処理システムの一例であり、プラズマ処理装置1は、基板処理装置の一例である。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
【0031】
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(Direct Current)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。一実施形態において、ACプラズマ生成部で用いられるAC信号(AC電力)は、100kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する。従って、AC信号は、RF(Radio Frequency)信号及びマイクロ波信号を含む。一実施形態において、RF信号は、 100kHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。
【0032】
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aを含んでもよい。コンピュータ2aは、例えば、処理部(CPU:Central Processing Unit)2a1、記憶部2a2、及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
【0033】
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての容量結合型のプラズマ処理装置の構成例について説明する。
図2は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【0034】
容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10筐体とは電気的に絶縁される。
【0035】
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ(エッジリングアセンブリ)112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
【0036】
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、RF又はDC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよく、この場合、RF又はDC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号又はDC信号がRF又はDC電極に接続される場合、RF又はDC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台1110の導電性部材とRF又はDC電極との両方が2つの下部電極として機能してもよい。
【0037】
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
【0038】
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
【0039】
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
【0040】
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
【0041】
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、ソースRF信号及びバイアスRF信号のような少なくとも1つのRF信号(RF電力)を、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ生成部12の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
【0042】
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
【0043】
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
【0044】
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
【0045】
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号がパルス化されてもよい。この場合、DCに基づく電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
【0046】
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0047】
<第1の例示的実施形態>
上記プラズマ処理装置1の第1の例示的実施形態について説明する。
図3は、第1の例示的実施形態における基板支持部11とDC電源32の構成例を示す図である。一実施形態において、基板支持部11は、静電チャック1111の内部に、基板チャック電極200と、リングチャック電極201と、第1のバイアス電極202と、第2のバイアス電極203と、第3のバイアス電極204を有する。基板チャック電極200とリングチャック電極201は、静電電極1111bの一例であってよい。
【0048】
一実施形態において、DC電源32は、第1のDC電源250と、第2のDC電源251と、第3のDC電源252と、電圧加算器260と、第1の電圧パルス生成器270と、第2の電圧パルス生成器271と、第3の電圧パルス生成器272を含む。
【0049】
基板チャック電極200は、静電チャック1111内において、基板支持面の下方に配置され得る。一実施形態において、基板チャック電極200は、円形状を有する。一実施形態において、基板チャック電極200は、スイッチ300を介して直流(DC)電源301に接続されている。基板チャック電極200に直流電源301からの直流電圧が印加されると、基板チャック電極200と基板Wとの間に静電引力(クーロン力)が発生する。基板Wは、その静電引力によって静電チャック1111に引き付けられて、基板支持面に吸着保持される。
【0050】
一実施形態において、リングチャック電極201は、静電チャック1111内において、リング支持面の下方に配置され得る。一実施形態において、リングチャック電極201は、内側リングチャック電極400と、外側リングチャック電極401を含む。一実施形態において、内側リングチャック電極400は、スイッチ410を介して直流電源411に接続されている。一実施形態において、外側リングチャック電極401は、内側リングチャック電極400の外側に配置されている。一実施形態において、外側リングチャック電極401は、スイッチ420を介して直流電源421に接続されている。一実施形態において、リングチャック電極201は、内側リングチャック電極400と外側リングチャック電極401との間に電位差が生じ、その電位差によってリングアセンブリ112がリング支持面に吸着保持される。一実施形態において、内側リングチャック電極400に印加される第1のリングチャック電圧の極性は、外側リングチャック電極401に印加される第2のリングチャック電圧の極性と異なる。
【0051】
一実施形態において、第1のバイアス電極202及び第2のバイアス電極203は、静電チャック1111内において、基板支持面と縦方向に重複するように基板支持面の下方に配置され得る。第3のバイアス電極204は、静電チャック1111内において、リング支持面と縦方向に重複するようにリング支持面の下方に配置され得る。
図4に示すように、一実施形態において、第1のバイアス電極202は、円形状を有している。一実施形態において、第2のバイアス電極203及び第3のバイアス電極204は、径方向に幅を有する円環形状を有している。一実施形態において、第2のバイアス電極203は、第1のバイアス電極202よりも径が大きく、第1のバイアス電極202の外側に配置されている。一実施形態において、第3のバイアス電極204は、第2のバイアス電極203よりも径が大きく、第2のバイアス電極203の外側に配置されている。
【0052】
図3に示すように、第1のバイアス電極202、第2のバイアス電極203及び第3のバイアス電極204は、同じ高さに配置されていてよい。第1のバイアス電極202と第2のバイアス電極203は、距離D1以上離されていてよい。第2のバイアス電極203と第3のバイアス電極204は、距離D2以上離されていてよい。
【0053】
第1のDC電源250は、第1の一次電圧レベルV1を有する第1の一次DC信号DC1を生成し得る。第1の一次電圧レベルV1は、負極性を有していてよい。第1のDC電源250は、電圧加算器260に電気的に接続されている。生成された第1の一次DC信号DC1は、電圧加算器260に供給され得る。
【0054】
第2のDC電源251は、第2の一次電圧レベルV2を有する第2の一次DC信号DC2を生成し得る。第2の一次電圧レベルV2は、負極性を有していてよい。第2のDC電源251は、電圧加算器260に電気的に接続されている。生成された第2の一次DC信号DC2は、電圧加算器260に供給され得る。
【0055】
第3のDC電源252は、第3の一次電圧レベルV3を有する第3の一次DC信号DC3を生成し得る。第3の一次電圧レベルV3は、負極性を有していてよい。第3のDC電源252は、電圧加算器260に電気的に接続されている。生成された第3の一次DC信号DC3は、電圧加算器260に供給され得る。一実施形態において、第1の一次電圧レベルV1は、第2の一次電圧レベルV2及び第3の一次電圧レベルV3よりも大きい。一実施形態において、第1の一次電圧レベルV1の絶対値は、第2の一次電圧レベルV2の絶対値及び第3の一次電圧レベルV3の絶対値よりも5倍以上大きい。
【0056】
電圧加算器260は、第1~第3の一次DC信号DC1~DC3の電圧レベルV1~V3から、第1の二次電圧レベルV4を有する第1の二次DC信号DC4と、第2の二次電圧レベルV5を有する第2の二次DC信号DC5と、第3の二次電圧レベルV6を有する第3の二次DC信号DC6を生成し得る。
【0057】
第1の二次DC信号DC4の第1の二次電圧レベルV4、第2の二次DC信号DC5の第2の二次電圧レベルV5及び、第3の二次DC信号DC6の第3の二次電圧レベルV6は、次の(1)~(3)の中から、互いに重複しないように選択されるものである。
(1)第1の一次電圧レベルV1と同じ電圧レベル(V1)
(2)第1の一次電圧レベルV1と第2の一次電圧レベルV2とを加算した電圧レベル(V1+V2)
(3)第1の一次電圧レベルV1と第3の一次電圧レベルV3とを加算した電圧レベル(V1+V3)
すなわち、第1の二次電圧レベルV4が(1)電圧レベルV1の場合、第2の二次電圧レベルV5又は第3の二次電圧レベルV6が(2)電圧レベル(V1+V2)となり、残りの第2の二次電圧レベルV5又は第3の二次電圧レベルV6が(3)電圧レベル(V1+V3)となる。第2の二次電圧レベルV5が(1)電圧レベルV1の場合、第1の二次電圧レベルV4又は第3の二次電圧レベルV6が(2)電圧レベル(V1+V2)となり、残りの第1の二次電圧レベルV4又は第3の二次電圧レベルV6が(3)電圧レベル(V1+V3)となる。第3の二次電圧レベルV6が(1)電圧レベルV1の場合、第1の二次電圧レベルV4又は第2の二次電圧レベルV5が(2)電圧レベル(V1+V2)となり、残りの第1の二次電圧レベルV4又は第2の二次電圧レベルV5が(3)電圧レベル(V1+V3)となる。従って、第1の二次電圧レベルV4、第2の二次電圧レベルV5及び第3の二次電圧レベルV6は、上記の(1)~(3)のいずれかを排他的に有する。
【0058】
電圧加算器260は、第1の電圧パルス生成器270、第2の電圧パルス生成器271及び第3の電圧パルス生成器272に電気的に接続されている。電圧加算器260で生成された第1の二次DC信号DC4は、第1の電圧パルス生成器270に供給され、第2の二次DC信号DC5は、第2の電圧パルス生成器271に供給され、第3の二次DC信号DC6は、第3の電圧パルス生成器272に供給され得る。
【0059】
第1の電圧パルス生成器270は、電圧加算器260から供給された第1の二次DC信号DC4から、第1の二次電圧レベルV4を有する第1の電圧パルス信号DC7を生成し得る。第1の電圧パルス信号DC7は、第1の電圧パルスのシーケンスを含み得る。第1の電圧パルス生成器270は、第1のバイアス電極202に電気的に接続されている。生成された第1の電圧パルス信号DC7は、第1のバイアス電極202に供給され得る。第1の電圧パルス信号DC7を第1のバイアス電極202に供給することにより、直流電圧に基づくバイアスパルス信号が生成され、基板支持部11の基板W上に生成されたプラズマ中のイオン成分を第1のバイアス電極202側に引き込むことができる。
【0060】
第2の電圧パルス生成器271は、電圧加算器260から供給された第2の二次DC信号DC5から、第2の二次電圧レベルV5を有する第2の電圧パルス信号DC8を生成し得る。第2の電圧パルス信号DC8は、第2の電圧パルスのシーケンスを含み得る。第2の電圧パルス生成器271は、第2のバイアス電極203に電気的に接続されている。生成された第2の電圧パルス信号DC8は、第2のバイアス電極203に供給され得る。第2の電圧パルス信号DC8を第2のバイアス電極203に供給することにより、直流電圧に基づくバイアスパルス信号が生成され、基板支持部11の基板W上に生成されたプラズマ中のイオン成分を第2のバイアス電極203側に引き込むことができる。
【0061】
第3の電圧パルス生成器272は、電圧加算器260から供給された第3の二次DC信号DC6から、第3の二次電圧レベルV6を有する第3の電圧パルス信号DC9を生成し得る。第3の電圧パルス信号DC9は、第3の電圧パルスのシーケンスを含み得る。第3の電圧パルス生成器272は、第3のバイアス電極204に電気的に接続されている。生成された第3の電圧パルス信号DC9は、第3のバイアス電極204に供給され得る。第3の電圧パルス信号DC9を第3のバイアス電極204に供給することにより、直流電圧に基づくバイアスパルス信号が生成され、基板支持部11の基板W上に生成されたプラズマ中のイオン成分を第3のバイアス電極204側に引き込むことができる。
【0062】
図5は、第1~第3の電圧パルス信号DC7~DC9の一例を示す。第1の電圧パルス信号DC7は、繰り返し期間T内の第1の状態S1の間に、第1の二次電圧レベルV4を有する電圧パルスのシーケンスPS1を有し、繰り返し期間T内の第2の状態S2の間に基準電圧レベルV
refを連続的に有し得る。すなわち、第2の状態S2の間、第1の電圧パルス信号DC7は、基準電圧レベルV
refに維持され得る。基準電圧レベルV
refの絶対値は、第1の二次電圧レベルV4の絶対値よりも小さい。一実施形態において、第1の二次電圧レベルV4は、負極性を有する。一実施形態において、基準電圧レベルV
refは、ゼロ電圧レベルを有する。
【0063】
第2の電圧パルス信号DC8は、繰り返し期間T内の第1の状態S1の間に、第2の二次電圧レベルV5を有する電圧パルスのシーケンスPS2を有し、繰り返し期間T内の第2の状態S2の間に基準電圧レベルVrefを連続的に有し得る。すなわち、第2の状態S2の間、第2の電圧パルス信号DC8は、基準電圧レベルVrefに維持され得る。基準電圧レベルVrefの絶対値は、第2の二次電圧レベルV5の絶対値よりも小さい。一実施形態において、第2の二次電圧レベルV5は、負極性を有し、基準電圧レベルVrefは、ゼロ電圧レベルを有する。
【0064】
第3の電圧パルス信号DC9は、繰り返し期間T内の第1の状態S1の間に、第3の二次電圧レベルV6を有する電圧パルスのシーケンスPS3を有し、繰り返し期間T内の第2の状態S2の間に基準電圧レベルVrefを連続的に有し得る。すなわち、第2の状態S2の間、第3の電圧パルス信号DC9は、基準電圧レベルVrefに維持され得る。基準電圧レベルVrefの絶対値は、第3の二次電圧レベルV6の絶対値よりも小さい。一実施形態において、第3の二次電圧レベルV6は、負極性を有し、基準電圧レベルVrefは、ゼロ電圧レベルを有する。
【0065】
一実施形態において、第3の二次電圧レベルV6の絶対値は、第2の二次電圧レベルV5よりも大きく、第2の二次電圧レベルV5の絶対値は、第1の二次電圧レベルV4よりも大きくてもよい。第2の二次電圧レベルV5の絶対値は、第1の二次電圧レベルV4及び第3の二次電圧レベルV6よりも大きくてもよい。第1の二次電圧レベルV4の絶対値は、第2の二次電圧レベルV5及び第3の二次電圧レベルV6よりも大きくてよい。第1~第3の二次電圧レベルV4~V6の大小は、基板上に生成されるプラズマシースが基板に対し平行に近づくように調整されてよい。
【0066】
<プラズマ処理方法の一例>
プラズマ処理方法は、プラズマを用いて基板W上の膜をエッチングするエッチング処理を含む。一実施形態において、プラズマ処理方法は、プラズマ処理装置1において制御部2により実行される。
【0067】
先ず、基板Wが、搬送アームによりチャンバ10内に搬入され、リフターにより基板支持部11に載置され、
図2に示すように基板支持部11上に吸着保持される。
【0068】
次に、処理ガスが、ガス供給部20によりシャワーヘッド13に供給され、シャワーヘッド13からプラズマ処理空間10sに供給される。このとき供給される処理ガスは、基板Wのエッチング処理のために必要な活性種を生成するガスを含む。
【0069】
1又は複数のRF信号がRF電源31から上部電極及び/又は下部電極に供給される。プラズマ処理空間10s内の雰囲気はガス排出口10eから排気され、プラズマ処理空間10sの内部は減圧されてもよい。これにより、プラズマ処理空間10sの基板支持部11上にプラズマが生成され、基板Wがエッチング処理される。
【0070】
プラズマ生成時には、
図3に示す第1の電圧パルス生成器270から第1のバイアス電極202に第1の電圧パルス信号DC7が供給され、第2の電圧パルス生成器271から第2のバイアス電極203に第2の電圧パルス信号DC8が供給され、第3の電圧パルス生成器272から第3のバイアス電極204に第3の電圧パルス信号DC9が供給される。これにより、基板W及びリングアセンブリ112に、電圧パルスに基づくバイアス電位が発生し、基板W上のプラズマ中のイオン成分が、基板W側に引き込まれる。このとき、第1~第3の電圧パルス信号DC7~DC9が有する第1~第3の二次電圧レベルV4~V6を調整し、第1~第3のバイアス電極202~204のそれぞれに直流電圧を印加することにより、
図6に示すように、基板W及びリングアセンブリ112の上方に生成されるプラズマシースPSを基板Wに対し平行(水平)に近づける。これにより、基板Wの面内において、プラズマのイオン成分が基板Wに対して進入する角度(イオン入射角)が基板Wに対して垂直に近づく。
【0071】
本例示的実施形態によれば、プラズマ処理装置1が、第1のバイアス電極202と、第2のバイアス電極203と、第3のバイアス電極204と、第1のDC電源250と、第2のDC電源251と、第3のDC電源252と、電圧加算器260と、第1の電圧パルス生成器270と、第2の電圧パルス生成器271と、第3の電圧パルス生成器272とを含む。これにより、例えば、プラズマ処理において基板Wの面内におけるイオン入射角を制御することができる。この結果、プラズマ処理における基板の面内均一性を向上することができる。
【0072】
上記実施の形態において、第1のバイアス電極202及び第2のバイアス電極203が基板支持面の下方に配置され、第3のバイアス電極204がリング支持面の下方に配置されていたが、
図7に示すように、第1のバイアス電極202が基板支持面の下方に配置され、第2のバイアス電極203が基板支持面及びリング支持面の下方に配置され、第3のバイアス電極204がリング支持面の下方に配置されていてよい。
【0073】
また、
図8に示すように、第1のバイアス電極202及び第2のバイアス電極203が基板支持面の下方に配置され、第3のバイアス電極204が基板支持面及びリング支持面の下方に配置されていてよい。さらに、
図9に示すように、第1のバイアス電極202、第2のバイアス電極203及び第3のバイアス電極204が基板支持面の下方に配置されてよい。
【0074】
以上の実施の形態において、プラズマ処理装置1は、静電チャック1111内に、第1~第3のバイアス電極202~204の他に、バイアス電極を有していてよい。バイアス電極の数は4つ以上であってよい。
【0075】
上記実施の形態において、
図10に示すように、第1のバイアス電極202、第2のバイアス電極203及び第3のバイアス電極204は、互いに異なる高さに配置されていてよい。一実施形態において、第2のバイアス電極203は、第1のバイアス電極202よりも低い位置に配置され、第3のバイアス電極204は、第2のバイアス電極203よりも低い位置に配置されてよい。一実施形態において、第1のバイアス電極202が有する外側エッジ領域202aは、第2のバイアス電極203が有する内側エッジ領域203aと縦方向に重複し、第2のバイアス電極203が有する外側エッジ領域203bは、第3のバイアス電極204が有する内側エッジ領域204aと縦方向に重複してよい。第1のバイアス電極202と第2のバイアス電極203の重複部分の径方向の幅D3は、9mm~11mmであってよい。第2のバイアス電極203と第3のバイアス電極204の重複部分の径方向の幅D4は、9mm~11mmであってよい。
【0076】
なお、第2のバイアス電極203は、第1のバイアス電極202よりも高い位置に配置され、第3のバイアス電極204は、第2のバイアス電極203よりも高い位置に配置されていてよい。
【0077】
第2のバイアス電極203は、第1のバイアス電極202及び第3のバイアス電極204よりも高い位置或いは低い位置に配置されていてよい。この場合、第1のバイアス電極202は、第3のバイアス電極204よりも高い位置或いは低い位置、或いは同じ高さであってよい。
【0078】
<第2の例示的実施形態>
プラズマ処理装置1の第2の例示的実施形態について説明する。
図11は、第2の例示的実施形態における基板支持部11とDC電源32の構成例を示す図である。一実施形態において、基板支持部11は、上記第1の例示的実施形態と同様であってよい。一実施形態において、第1のバイアス電極202、第2のバイアス電極203及び第3のバイアス電極204は、互いに異なる高さに配置されて、第2のバイアス電極203は、第1のバイアス電極202よりも低い位置に配置され、第3のバイアス電極204は、第2のバイアス電極203よりも低い位置に配置されてよい。
【0079】
一実施形態において、DC電源32は、第1のDC電源550と、第2のDC電源551と、第3のDC電源552と、第1の電圧パルス生成器570と、第2の電圧パルス生成器571と、第3の電圧パルス生成器572を含む。
【0080】
第1のDC電源550は、第1の電圧レベルV1を有する第1のDC信号DC1を生成し得る。第1の電圧レベルV1は、負極性を有していてよい。第1のDC電源550は、第1の電圧パルス生成器570に電気的に接続されていてよい。生成された第1のDC信号DC1は、第1の電圧パルス生成器570に供給され得る。
【0081】
第2のDC電源551は、第2の電圧レベルV2を有する第2のDC信号DC2を生成し得る。第2の電圧レベルV2は、負極性を有していてよい。第2のDC電源551は、第2の電圧パルス生成器571に電気的に接続されていてよい。生成された第2のDC信号DC2は、第2の電圧パルス生成器571に供給され得る。
【0082】
第3のDC電源552は、第3の電圧レベルV3を有する第3のDC信号DC3を生成し得る。第3の電圧レベルV3は、負極性を有していてよい。第3のDC電源552は、第3の電圧パルス生成器572に電気的に接続されていてよい。生成された第2のDC信号DC3は、第3の電圧パルス生成器572に供給され得る。
【0083】
第1の電圧パルス生成器570は、第1のDC電源550から供給された第1のDC信号DC1から、第1の電圧レベルV1を有する第1の電圧パルス信号DC4を生成し得る。第1の電圧パルス信号DC4は、第1の電圧レベルV1を有する第1の電圧パルスのシーケンスを含み得る。一実施形態において、第1の電圧パルスのシーケンスは、
図5に示す例と同様のパルスパターンを有する。第1の電圧パルス生成器570は、第1のバイアス電極202に電気的に接続されていてよい。生成された第1の電圧パルス信号DC4は、第1のバイアス電極202に供給され得る。第1の電圧パルス信号DC4を第1のバイアス電極202に供給することにより、直流電圧に基づくバイアスパルス信号が生成され、基板支持部11の基板W上に生成されたプラズマ中のイオン成分を第1のバイアス電極202側に引き込むことができる。
【0084】
第2の電圧パルス生成器571は、第2のDC電源551から供給された第2のDC信号DC2から、第2の電圧レベルV2を有する第2の電圧パルス信号DC5を生成し得る。第2の電圧パルス信号DC5は、第2の電圧レベルV2を有する第2の電圧パルスのシーケンスを含み得る。一実施形態において、第2の電圧パルスのシーケンスは、
図5に示す例と同様のパルスパターンを有する。第2の電圧パルス生成器571は、第2のバイアス電極203に電気的に接続されていてよい。生成された第2の電圧パルス信号DC5は、第2のバイアス電極203に供給され得る。第2の電圧パルス信号DC5を第2のバイアス電極203に供給することにより、直流電圧に基づくバイアスパルス信号が生成され、基板支持部11の基板W上に生成されたプラズマ中のイオン成分を第2のバイアス電極203側に引き込むことができる。
【0085】
第3の電圧パルス生成器572は、第3のDC電源552から供給された第3のDC信号DC3から、第3の電圧レベルV3を有する第3の電圧パルス信号DC6を生成し得る。第3の電圧パルス信号DC6は、第3の電圧レベルV3を有する第3の電圧パルスのシーケンスを含み得る。一実施形態において、第3の電圧パルスのシーケンスは、
図5に示す例と同様のパルスパターンを有する。第3の電圧パルス生成器572は、第3のバイアス電極204に電気的に接続されていてよい。生成された第3の電圧パルス信号DC6は、第3のバイアス電極204に供給され得る。第3の電圧パルス信号DC6を第3のバイアス電極204に供給することにより、直流電圧に基づくバイアスパルス信号が生成され、基板支持部11の基板W上に生成されたプラズマ中のイオン成分を第3のバイアス電極204側に引き込むことができる。プラズマ処理装置1のその他の構成は、上記第1の例示的実施形態と同様であってよい。
【0086】
プラズマ生成時には、第1の電圧パルス生成器570から第1のバイアス電極202に第1の電圧パルス信号DC4が供給され、第2の電圧パルス生成器571から第2のバイアス電極203に第2の電圧パルス信号DC5が供給され、第3の電圧パルス生成器572から第3のバイアス電極204に第3の電圧パルス信号DC6が供給される。これにより、基板W及びリングアセンブリ112に、電圧パルスに基づくバイアス電位が発生し、基板W上のプラズマ中のイオン成分が、基板W側に引き込まれる。このとき、第1~第3の電圧パルス信号DC4~DC6が有する第1~第3の電圧レベルV1~V3を調整し、第1~第3のバイアス電極202~204のそれぞれに直流電圧に基づく電圧パルスを印加することにより、
図6に示すように、基板W及びリングアセンブリ112の上方に生成されるプラズマシースPSを基板Wに対し平行(水平)に近づける。これにより、基板Wの面内において、プラズマのイオン成分が基板Wに対して進入する角度(イオン入射角)が基板Wに対して垂直に近づく。
【0087】
<第3の例示的実施形態>
図12は、第3の例示的実施形態における基板支持部11とDC電源32の構成例を示す図である。一実施形態において、DC電源32は、上記第2の例示的実施形態と同様に、第1のDC電源550と、第2のDC電源551と、第3のDC電源552と、第1の電圧パルス生成器570と、第2の電圧パルス生成器571と、第3の電圧パルス生成器572を含んでいてよい。
【0088】
第1の電圧パルス生成器570は、第1の電圧レベルV1を有する第1の電圧パルス信号DC4を生成し得る。第1の電圧パルス信号DC4は、第1の電圧レベルV1を有する第1の電圧パルスのシーケンスを含み得る。一実施形態において、第1の電圧パルスのシーケンスは、
図5に示す例と同様のパルスパターンを有する。第2の電圧パルス生成器571は、第1の電圧レベルV1と第2の電圧レベルV2を加算した第4の電圧レベルV4を有する第2の電圧パルス信号DC5を生成し得る。第2の電圧パルス信号DC5は、第4の電圧レベルV4を有する第2の電圧パルスのシーケンスを含み得る。一実施形態において、第2の電圧パルスのシーケンスは、
図5に示す例と同様のパルスパターンを有する。第3の電圧パルス生成器572は、第1の電圧レベルV1、第2の電圧レベルV2及び第3の電圧レベルV3を加算した第5の電圧レベルV5を有する第3の電圧パルス信号DC6を生成し得る。第3の電圧パルス信号DC6は、第5の電圧レベルV5を有する第3の電圧パルスのシーケンスを含み得る。一実施形態において、第3の電圧パルスのシーケンスは、
図5に示す例と同様のパルスパターンを有する。プラズマ処理装置1のその他の構成は、上記第2の例示的実施形態又は第1の例示的実施形態と同様であってよい。
【0089】
プラズマ生成時には、第1の電圧パルス生成器570から第1のバイアス電極202に、第1の電圧レベルV1を有する第1の電圧パルス信号DC4が供給され、第2の電圧パルス生成器571から第2のバイアス電極203に、第4の電圧レベルV4を有する第2の電圧パルス信号DC5が供給され、第3の電圧パルス生成器572から第3のバイアス電極204に、第5の電圧レベルV5を有する第3の電圧パルス信号DC6が供給される。これにより、基板W及びリングアセンブリ112に、直流電圧に基づくバイアスパルス信号が生成され、基板W上のプラズマ中のイオン成分が、基板W側に引き込まれる。第1~第3のバイアス電極202~204のそれぞれに直流電圧に基づく電圧パルスを印加することにより、
図6に示すように、基板W及びリングアセンブリ112の上方に生成されるプラズマシースPSを基板Wに対し平行(水平)に近づける。これにより、基板Wの面内において、プラズマのイオン成分が基板Wに対して進入する角度(イオン入射角)が基板Wに対して垂直に近づく。
【0090】
以上の実施形態において、
図3に示すリングチャック電極201が、互いに異なる極性を有する2つの電極400、401を有していたが、単極性の一つの電極を有していてよい。バイアス電極、DC電源、電圧パルス生成器の数が各々3つであったが、4つ以上であってよい。
【0091】
上記実施形態では、容量結合型のプラズマ装置を例に説明したが、これに限定されるものではなく、他のプラズマ装置に適用されてもよい。例えば、容量結合型のプラズマ装置に代えて、誘導結合型のプラズマ装置が用いられてもよい。この場合、誘導結合型のプラズマ装置は、アンテナ及び下部電極を含む。下部電極は、基板支持部内に配置され、アンテナは、チャンバの上部又は上方に配置される。一実施形態において、DC電源32は、基板支持部内に配置されるバイアス電極に電気的に接続され、当該バイアス電極に電圧パルスのシーケンスを印加してよい。RF電源31は、アンテナに電気的に接続され、アンテナにRF信号を供給してよい。
【0092】
本開示の実施形態は、以下の態様をさらに含む。
【0093】
(付記1)
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、基台と、前記基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、前記基板支持面上に配置された基板を囲むように前記リング支持面上に配置されたエッジリングと、を含む、前記基板支持部と、
前記静電チャック内において前記基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、
前記静電チャック内において前記リング支持面の下方に配置される少なくとも1つのリングチャック電極と、
前記静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、
第1の一次電圧レベルを有する第1の一次DC信号を生成するように構成される第1のDC電源と、
第2の一次電圧レベルを有する第2の一次DC信号を生成するように構成される第2のDC電源と、
第3の一次電圧レベルを有する第3の一次DC信号を生成するように構成される第3のDC電源と、
前記第1から第3の一次DC信号を用いて、第1の二次電圧レベルを有する第1の二次DC信号と、第2の二次電圧レベルを有する第2の二次DC信号と、第3の二次電圧レベルを有する第3の二次DC信号とを生成するように構成される電圧加算器であって、前記第1の二次電圧レベル、前記第2の二次電圧レベル及び前記第3の二次電圧レベルは、
前記第1の一次電圧レベル、
前記第1の一次電圧レベルと前記第2の一次電圧レベルとを加算した電圧レベル及び、
前記第1の一次電圧レベルと前記第3の一次電圧レベルとを加算した電圧レベルの中から、互いに重複しないように選択されるものである、前記電圧加算器と、
前記第1のバイアス電極に電気的に接続され、前記第1の二次DC信号から、前記第1の二次電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、
前記第2のバイアス電極に電気的に接続され、前記第2の二次DC信号から、前記第2の二次電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、
前記第3のバイアス電極に電気的に接続され、前記第3の二次DC信号から、前記第3の二次電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、
を含む、プラズマ処理装置。
【0094】
(付記2)
前記第1の電圧パルス信号、前記第2の電圧パルス信号及び前記第3の電圧パルス信号は、第1の電圧パルスのシーケンス、第2の電圧パルスのシーケンス及び第3の電圧パルスのシーケンスをそれぞれ含む、
付記1に記載のプラズマ処理装置。
【0095】
(付記3)
前記第1の一次電圧レベル、前記第2の一次電圧レベル及び前記第3の一次電圧レベルは、負極性を有する、
付記1又は2に記載のプラズマ処理装置。
【0096】
(付記4)
前記第1の一次電圧レベルの絶対値は、前記第2の一次電圧レベル及び前記第3の一次電圧レベルの絶対値よりも大きい、
付記3に記載のプラズマ処理装置。
【0097】
(付記5)
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面及び前記リング支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記リング支持面と縦方向に重複するように配置される、
付記1から4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0098】
(付記6)
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記リング支持面と縦方向に重複するように配置される、
付記1から4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0099】
(付記7)
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記基板支持面及び前記リング支持面と縦方向に重複するように配置される、
付記1から4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0100】
(付記8)
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置される、
付記1から4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0101】
(付記9)
前記第1のバイアス電極、前記第2のバイアス電極及び前記第3のバイアス電極は、同じ高さに配置されている、
付記1から8のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0102】
(付記10)
前記第1のバイアス電極、前記第2のバイアス電極及び前記第3のバイアス電極は、互いに異なる高さに配置されている、
付記1から8のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0103】
(付記11)
前記第2のバイアス電極は、前記第1のバイアス電極よりも低い位置に配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記第2のバイアス電極よりも低い位置に配置されている、
付記10に記載のプラズマ処理装置。
【0104】
(付記12)
前記第1のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、前記第2のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複し、
前記第2のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、前記第3のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複する、
付記11に記載のプラズマ処理装置。
【0105】
(付記13)
前記リングチャック電極は、
第1の極性を有する第1のリングチャック電圧が印加される内側リングチャック電極と、
第2の極性を有する第2のリングチャック電圧が印加される外側リングチャック電極と、を含む、
付記1から12のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0106】
(付記14)
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、基台と、前記基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、前記基板支持面上の基板を囲むように前記リング支持面上に配置されるエッジリングと、を含む、前記基板支持部と、
前記静電チャック内において前記基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、
前記静電チャック内において前記リング支持面の下方に配置される、少なくとも1つのリングチャック電極と、
前記静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、前記第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、
前記第1のバイアス電極に電気的に接続され、第1の電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、
前記第2のバイアス電極に電気的に接続され、第2の電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、
前記第3のバイアス電極に電気的に接続され、第3の電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、
を含む、プラズマ処理装置。
【0107】
(付記15)
前記第1の電圧レベルを有する第1のDC信号を前記第1の電圧パルス生成器に供給するように構成される第1のDC電源と、
前記第2の電圧レベルを有する第2のDC信号を前記第2の電圧パルス生成器に供給するように構成される第2のDC電源と、
前記第3の電圧レベルを有する第3のDC信号を前記第3の電圧パルス生成器に供給するように構成される第3のDC電源と、
をさらに含む、付記14に記載のプラズマ処理装置。
【0108】
(付記16)
前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル及び前記第3の電圧レベルは、負極性を有する、
付記14又は15に記載のプラズマ処理装置。
【0109】
(付記17)
前記第1のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第2のバイアス電極は、前記基板支持面と縦方向に重複するように配置され、
前記第3のバイアス電極は、前記リング支持面と縦方向に重複するように配置される、
付記14から16のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0110】
(付記18)
前記第2のバイアス電極は、前記第1のバイアス電極よりも低い位置に配置され、
前記第3のバイアス電極は、第2のバイアス電極よりも低い位置に配置される、
付記17に記載のプラズマ処理装置。
【0111】
(付記19)
前記第1のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、前記第2のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複し、
前記第2のバイアス電極が有する外側エッジ領域は、前記第3のバイアス電極が有する内側エッジ領域と縦方向に重複する、
付記18に記載のプラズマ処理装置。
【0112】
(付記20)
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に配置される基板支持部であって、前記基板支持部は、基台と、前記基台上に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する静電チャックと、前記基板支持面上に配置された基板を囲むように前記リング支持面上に配置されたエッジリングと、を含む、前記基板支持部と、
前記静電チャック内において前記基板支持面の下方に配置される基板チャック電極と、
前記静電チャック内において前記リング支持面の下方に配置される少なくとも1つのリングチャック電極と、
前記静電チャック内に配置され、第1の外径を有する第1のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する第2のバイアス電極と、
前記静電チャック内に配置され、第2の外径よりも大きい第3の外径を有する第3のバイアス電極と、
第1の電圧レベルを有する第1のDC信号を生成するように構成される第1のDC電源と、
第2の電圧レベルを有する第2のDC信号を生成するように構成される第2のDC電源と、
第3の電圧レベルを有する第3のDC信号を生成するように構成される第3のDC電源と、
前記第1のバイアス電極に電気的に接続され、前記第1の電圧レベルを有する第1の電圧パルス信号を生成するように構成される第1の電圧パルス生成器と、
前記第2のバイアス電極に電気的に接続され、前記第1の電圧レベルと前記第2の電圧レベルを加算した第4の電圧レベルを有する第2の電圧パルス信号を生成するように構成される第2の電圧パルス生成器と、
前記第3のバイアス電極に電気的に接続され、前記第1の電圧レベル、前記第2の電圧レベル及び前記第3の電圧レベルを加算した第5の電圧レベルを有する第3の電圧パルス信号を生成するように構成される第3の電圧パルス生成器と、
を含む、プラズマ処理装置。
【0113】
以上の各実施形態は、説明の目的で記載されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以上の各実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。例えば、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。
【符号の説明】
【0114】
1……プラズマ処理装置、10……チャンバ、11……基板支持部、112……リングアセンブリ、1111……静電チャック、200……基板チャック電極、201……リングチャック電極、202……第1のバイアス電極、203……第2のバイアス電極、204……第3のバイアス電極、250……第1のDC電源、251……第2のDC電源、252……第3のDC電源、260……電圧加算器、270……第1の電圧パルス生成器、271……第2の電圧パルス生成器、272……第3の電圧パルス生成器、W…基板