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特開2024-95472作業システム、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095472
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】作業システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20240703BHJP
   G05G 5/03 20080401ALI20240703BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20240703BHJP
   B66F 9/20 20060101ALI20240703BHJP
   B66C 13/54 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B66F9/24 Z
G05G5/03 A
B25J3/00 Z
B66F9/20 A
B66C13/54 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212782
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】519097939
【氏名又は名称】ネクスティシステムデザイン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000241485
【氏名又は名称】豊田通商株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】598121341
【氏名又は名称】慶應義塾
(71)【出願人】
【識別番号】516331889
【氏名又は名称】モーションリブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(72)【発明者】
【氏名】萩原 健男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】柘植 広志
(72)【発明者】
【氏名】遠山 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大西 公平
(72)【発明者】
【氏名】溝口 貴弘
【テーマコード(参考)】
3C707
3F333
3J070
【Fターム(参考)】
3C707AS02
3C707HS13
3C707JS01
3C707JT05
3C707KS34
3C707LU08
3C707LV10
3F333AA02
3F333CA21
3F333DB10
3J070AA03
3J070BA19
3J070BA51
3J070CC71
3J070DA03
(57)【要約】
【課題】単動式かつ応答性の低いアクチュエータにおいて、より適切な触覚フィードバックを実現する。
【解決手段】作業システム1において、スレーブ装置20の油圧アクチュエータ22は、油圧によって動作する。油圧センサ23は、油圧アクチュエータ22の油圧を検出する。操作部材11dには、スレーブ装置20に対する操作が入力される。マスタ装置10のエンコーダ11cは、操作部材11dの位置を検出する。電動アクチュエータ11bは、操作部材11dの操作に対する反力を出力する。力触覚制御部13aは、油圧センサ23によって検出された油圧と、電動アクチュエータ11bによって出力されている反力と、油圧アクチュエータ22の出力位置及び操作部材11dの位置の差分とに基づいて、電動アクチュエータ11bが生成する反力を算出する。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧によって動作する油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータの油圧を検出する油圧検出手段と、
を備えるスレーブ装置と、
前記スレーブ装置に対する操作が入力される操作部材と、
前記操作部材の位置を検出する位置検出手段と、
前記操作部材の操作に対する反力を出力する反力生成手段と、
を備えるマスタ装置と、
前記油圧検出手段によって検出された油圧と、前記反力生成手段によって出力されている反力と、前記油圧アクチュエータの出力位置及び前記操作部材の位置の差分とに基づいて、前記反力生成手段が生成する反力を算出する力触覚制御手段と、
を備えることを特徴とする作業システム。
【請求項2】
前記力触覚制御手段は、前記油圧アクチュエータの出力位置及び前記操作部材の位置を同期させるための位置指令値または力指令値を算出し、
前記スレーブ装置は、前記油圧アクチュエータの出力位置及び前記操作部材の位置を同期させるための位置指令値または力指令値に基づいて、前記油圧アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載の作業システム。
【請求項3】
前記力触覚制御手段は、前記油圧検出手段によって検出された油圧の変化と、前記反力生成手段によって出力されている反力と、前記油圧アクチュエータの出力位置及び前記操作部材の位置を同期させるための力指令値とに基づいて、前記反力生成手段が出力する反力を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の作業システム。
【請求項4】
前記油圧アクチュエータは、一方向への能動的な制御が可能であると共に、反対の方向へは外力による従動的な制御が可能な単動式の油圧アクチュエータであることを特徴とする請求項1または2に記載の作業システム。
【請求項5】
前記反力生成手段は、前記操作部材に対して反力を出力する電動アクチュエータを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の作業システム。
【請求項6】
油圧によって動作する油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータの油圧を検出する油圧検出手段と、
を備えるスレーブ装置と、
前記スレーブ装置に対する操作が入力される操作部材と、
前記操作部材の位置を検出する位置検出手段と、
前記操作部材の操作に対する反力を出力する反力生成手段と、
を備えるマスタ装置と、を含む作業システムの制御方法であって、
前記油圧検出手段によって検出された油圧と、前記反力生成手段によって出力されている反力と、前記油圧アクチュエータの出力位置及び前記操作部材の位置の差分とに基づいて、前記反力生成手段が生成する反力を算出する力触覚制御ステップを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
油圧によって動作する油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータの油圧を検出する油圧検出手段と、
を備えるスレーブ装置と、
前記スレーブ装置に対する操作が入力される操作部材と、
前記操作部材の位置を検出する位置検出手段と、
前記操作部材の操作に対する反力を出力する反力生成手段と、
を備えるマスタ装置と、を含む作業システムを制御するコンピュータに、
前記油圧検出手段によって検出された油圧と、前記反力生成手段によって出力されている反力と、前記油圧アクチュエータの出力位置及び前記操作部材の位置の差分とに基づいて、前記反力生成手段が生成する反力を算出する力触覚制御機能を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フォークリフト等の産業車両において、自動運転あるいは遠隔操作を行うことが試みられている。
産業車両の自動運転システムあるいは遠隔操作システムは、多くのセンサを活用することで実現することが可能となる。
一方、人(操作者)が実現している荷役操作を完全に自動運転あるいは遠隔操作で実現するには、触覚フィードバックが必須であると考えられるが、現在入手可能なセンサで触覚フィードバックを実現すると高額なシステムとなり、また、重量が不定な荷役に対して、自動運転あるいは遠隔操作で全てを対応することは困難である。
ここで、機械工学において一般的である力帰還型バイラテラル制御を用いて、産業車両の自動運転システムあるいは遠隔操作システムを実現することを試みた場合、例えば、油圧式フォークリフトであれば、荷役用フォークにかかる重量が大きく変化した時のみの圧力センサ(油圧センサ)の変化を検出することが適当である。
そのためには、圧力センサの出力値は刻々と大きく変化していることから、ローパスフィルタを用い、出力値を平滑化する必要がある。
ところが、圧力センサの出力値にローパスフィルタを適用すると、荷役用フォークにかかる重量の変化が充分に操作者に伝達されなかったり、大きく遅れて伝達されたりする可能性があるため、力帰還型バイラテラル制御を単純に適用することは困難であると考えられる。
これに対し、高精度な力触覚のフィードバックを容易に実現する技術として、特許文献1に記載された技術が知られている。
特許文献1に記載された技術は、マスタ及びスレーブのアクチュエータそれぞれにおいて、加速度をベースとして、位置の差をゼロ、力の和をゼロとする制御を行うことにより、マスタ及びスレーブにおける力触覚の伝達を実現するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/041046号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、マスタ及びスレーブが比較的応答性の高い電動アクチュエータで構成され、順方向及び逆方向等の向きによらず、能動的な制御が可能である条件を主に想定している。
一方、フォークリフト等の産業車両においては、アクチュエータが単動式かつ応答性の低い油圧システムであるため、特許文献1に記載された技術において想定しているアクチュエータの条件を満たすことができず、バイラテラル制御におけるマスタ・スレーブ間の力の均衡やフィードバックにおける遅延・収束不能が生じる可能性がある。
そのため、フォークリフト等の産業車両においては、従来の力触覚伝達技術を用いたとしても、人(操作者)によって実行されている荷役操作を自動運転あるいは遠隔操作で実現することが困難である。
即ち、従来の技術においては、単動式かつ応答性の低いアクチュエータにおいて、適切な触覚フィードバックを実現することが困難であった。
本発明の課題は、単動式かつ応答性の低いアクチュエータにおいて、より適切な触覚フィードバックを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る作業システムは、
油圧によって動作する油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータの油圧を検出する油圧検出手段と、
を備えるスレーブ装置と、
前記スレーブ装置に対する操作が入力される操作部材と、
前記操作部材の位置を検出する位置検出手段と、
前記操作部材の操作に対する反力を出力する反力生成手段と、
を備えるマスタ装置と、
前記油圧検出手段によって検出された油圧と、前記反力生成手段によって出力されている反力と、前記油圧アクチュエータの出力位置及び前記操作部材の位置の差分とに基づいて、前記反力生成手段が生成する反力を算出する力触覚制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、単動式かつ応答性の低いアクチュエータにおいて、より適切な触覚フィードバックを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の触覚フィードバック制御のアルゴリズムを示す模式図である。
図2】従来の力帰還型のバイラテラル制御のアルゴリズムを示す模式図である。
図3】特許文献1における力触覚伝達制御のアルゴリズムを示す模式図である。
図4】スレーブ装置としてのフォークリフトにおける油圧の変化と操作者のレバー操作角度との関係を示す模式図である。
図5】スレーブ装置としてのフォークリフトにおける圧力センサ(油圧センサ)の出力値にローパスフィルタを掛けた結果を示す模式図である。
図6】スレーブ装置としてのフォークリフトに触覚フィードバックを適用した場合の油圧の変化と操作レバーへの触覚フィードバック結果との関係を示す模式図である。
図7】本発明を適用した作業システム1のシステム構成を示す模式図である。
図8】作業システム1のマスタ側制御部13及びスレーブ側制御部21が実行する力触覚制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9】直接弁方式の操作レバーに本発明による反力を提示する場合の構成例を示す模式図(側面図)である。
図10】直接弁方式の操作レバーに本発明による反力を提示する場合の構成例を示す模式図(正面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
初めに、本発明に係る作業システム、制御方法及びプログラムに適用される基本的原理について説明する。
【0009】
[基本的原理]
図1は、本発明の触覚フィードバック制御のアルゴリズムを示す模式図である。
また、図2は、従来の力帰還型のバイラテラル制御のアルゴリズムを示す模式図、図3は、特許文献1における力触覚伝達制御のアルゴリズムを示す模式図である。
また、図4は、スレーブ装置としてのフォークリフトにおける油圧の変化と操作者のレバー操作角度との関係を示す模式図、図5は、スレーブ装置としてのフォークリフトにおける圧力センサ(油圧センサ)の出力値にローパスフィルタを掛けた結果を示す模式図、図6は、スレーブ装置としてのフォークリフトに触覚フィードバックを適用した場合の油圧の変化と操作レバーへの触覚フィードバック結果との関係を示す模式図である。
【0010】
図2に示す力帰還型のバイラテラル制御では、マスタ装置とスレーブ装置とで位置の差をゼロに収束させるための位置指令値をスレーブ装置に入力すると共に、マスタ装置とスレーブ装置との力の和をゼロに収束させるための力指令値をマスタ装置に入力する。
このような制御を行う場合、スレーブ装置(フォークリフト等)に加わる負荷が大きく変化した時の圧力センサ(油圧センサ)の変化のみを正確に捉える必要がある。圧力センサの出力値は、図4~6に示すように、油圧システムによる油圧の調整動作のために刻々と変化しているため、ローパスフィルタを用いて、圧力センサの出力値を平滑化する必要がある。
【0011】
しかしながら、ローパスフィルタの出力によって負荷の状態を判定すると、図5に示すように、油圧が急激に大きく変化したことは出力に反映されない(または、遅延して反映される)ため、スレーブ装置の可動部(荷役用フォーク等)が操作者の予想以上に大きく位置を移動している事態が発生する等、対象物(荷役用フォークの荷物等)の破損等が発生する可能性がある。また、実際の操作レバーの操作角度と油圧との関係は、図4の状態1~7のような経緯を辿るため、油圧の状態のみによっては操作者の操作内容に対応した反力を生成することが困難である。
【0012】
これに対し、特許文献1に記載されたアルゴリズムでは、マスタ装置及びスレーブ装置の位置を二階微分することにより加速度ベースの信号を取得し、現在の状態を表す加速度ベースで表された入力ベクトルを、位置と力とが互いに関連する座標空間から位置と力とが互いに独立な座標空間のベクトルに変換する。そして、目標とする位置及び力に収束させるために、位置の領域での制御量及び力の領域での制御量をそれぞれ算出して、これらを逆変換(統合)することにより、実際のアクチュエータへの指令値を表す出力ベクトルを算出する。これにより、特許文献1に記載されたアルゴリズムでは、加速度ベースで表された現在の状態を基に、マスタ装置及びスレーブ装置の位置及び力を制御することから、ほぼリアルタイムに力触覚のフィードバックを行うことができると考えられる。
【0013】
ところが、フォークリフト等の作業システムにおいては、アクチュエータが単動式かつ応答性の低い油圧システムであるため、特許文献1に記載されたアルゴリズムによって、スレーブ装置を非制御方向(例えば、荷役用フォークの下降方向)に制御しようとしても、その方向への力の制御を行うことができない。そのため、システムが想定した通りにスレーブ装置の位置及び力が収束せず、図6において「出力される操作反力」がピークから徐々に下降していることからもわかるように、マスタ・スレーブ間の力の均衡やフィードバックにおける遅延・収束不能が生じる可能性がある。
【0014】
そこで、図1に示すように、本発明においては、圧力センサ(油圧センサ)が出力する油圧値の変化を参照し、スレーブ装置からマスタ装置への力触覚の伝達については、マスタ装置のアクチュエータが出力する力、スレーブ装置の油圧値の変化、マスタ装置の位置(操作レバー等の位置)及びスレーブ装置の位置(荷役用フォーク等の可動部の位置)から力指令値を生成することで実現すると共に、マスタ装置からスレーブ装置の制御については、特許文献1に記載されたアルゴリズムの力触覚伝達技術を適用するものである。
【0015】
このような制御を行う結果、マスタ装置を操作することによるスレーブ装置への指令は、操作者の操作意図の通りに伝達されると共に、スレーブ装置からマスタ装置への触覚フィードバックについては、マスタ装置とスレーブ装置との位置の差を解消する成分、マスタ装置が現在出力している力の成分及びスレーブ装置に生じた力(油圧)の変化の成分を反映させた力の指令値によって反力を生成することができる。
これにより、単動式かつ応答性の低いアクチュエータにおいて、より適切な触覚フィードバックを実現することが可能となる。
【0016】
[構成]
次に、本発明を適用した作業システムの構成について説明する。
図7は、本発明を適用した作業システム1のシステム構成を示す模式図である。
図7に示すように、作業システム1は、マスタ装置10と、スレーブ装置20とを含んで構成され、マスタ装置10とスレーブ装置20とは、有線または無線による通信手段を介して通信可能に構成されている。
マスタ装置10は、スレーブ装置20としてのフォークリフトを遠隔的に操作するものであり、フォークリフトにより荷物の運搬を行う操作者によって操作される。
具体的には、マスタ装置10は、昇降操作部11と、運転操作部12と、マスタ側制御部13と、を備えている。
【0017】
昇降操作部11は、操作者によってスレーブ装置20(フォークリフト)の上昇、下降及び停止を指示するために操作される。本実施形態において、昇降操作部11は、ドライバ11aと、電動アクチュエータ11bと、エンコーダ11cと、操作部材11dと、を備えている。
ドライバ11aは、マスタ側制御部13からの指示に従って、電動アクチュエータ11bに駆動電流を印加し、電動アクチュエータ11bを回転させる。
【0018】
電動アクチュエータ11bは、ドライバ11aから印加される電流によって正方向または負方向に回転する駆動力を出力する。電動アクチュエータ11bの出力は、操作者による操作部材11dの操作に対する反力として作用する。
エンコーダ11cは、電動アクチュエータ11bの回転角度または電動アクチュエータ11bの回転に連動する部材の位置を検出する。例えば、エンコーダ11cは、電動アクチュエータ11bに備えられたロータリーエンコーダによって構成することができる。
【0019】
操作部材11dは、操作者が把持して荷役用フォーク24の上昇、下降及び停止を指示するための操作を行う部材(例えば、操作レバー等)である。操作部材11dがニュートラル位置にある場合、荷役用フォーク24に対して停止が指示される。また、操作部材11dがニュートラル位置に対して一方向(例えば、操作レバーを手前に引く方向)側にある場合、荷役用フォーク24の上昇が指示され、操作部材11dがニュートラル位置に対して逆方向(例えば、操作レバーを奥に押し込む方向)側にある場合、荷役用フォーク24の下降が指示される。
【0020】
運転操作部12は、操作者によってスレーブ装置20(フォークリフト)の前進、後退、停止及び転回を指示するために操作される。なお、運転操作部12の操作形態は、フォークリフトに備えられたハンドルやペダル等と同様のものとすることや、前進及び後退を指示する前後レバーと、右転回及び左転回を指示する左右レバーとによって平面内の移動を操作するもの等、種々の形態の操作装置を採用することが可能である。
【0021】
マスタ側制御部13は、プロセッサ及びメモリを備えるマイクロコンピュータ等の情報処理装置によって構成され、力触覚の伝達に関する制御を行う力触覚制御部13aと、遠隔的な運転操作に関する制御を行う運転操作伝達部13bと、を備えている。
【0022】
力触覚制御部13aは、昇降操作部11に対する制御信号(力指令値)を出力すると共に、昇降操作部11から出力される昇降操作に関する検出信号(操作部材11dの位置及び電動アクチュエータ11bの出力)、スレーブ装置20における荷役用フォーク24の位置の入力を受け付ける。また、力触覚制御部13aは、スレーブ装置20から出力される油圧センサ23の検出信号(油圧の値)の入力を受け付ける。なお、荷役用フォーク24の位置(高さ)は、下限位置を基準として、位置の指令値を積分した値によって算出され、本実施形態においては、力触覚制御部13aが荷役用フォーク24の高さを算出して管理している。ただし、荷役用フォーク24の高さは、スレーブ装置20のミニレバーコントローラ21aによって算出し、管理することとしてもよい。
【0023】
そして、力触覚制御部13aは、図1に示す制御アルゴリズムに従って、位置の同期則に基づき、スレーブ装置20に対する位置指令値(または力指令値)を算出すると共に、昇降操作部11の電動アクチュエータ11bに対する力指令値を算出する。
このとき、力触覚制御部13aは、位置を二階微分することにより加速度に変換し、加速度ベースの位置及び力制御アルゴリズム(例えば、特許文献1に記載されたアルゴリズム)に従って、操作部材11dの位置と荷役用フォーク24の位置との差をゼロに収束させる位置領域の演算(位置の同期則に基づく演算)を行い、スレーブ装置20への位置指令値(または、これに対応する力指令値)及びマスタ装置10への力指令値を算出する。位置の同期則に基づくマスタ装置10への力指令値は、マスタ装置10からの操作に追従してスレーブ装置20が動作している場合にはほぼゼロとなる。また、マスタ装置10からの上昇操作に対してスレーブ装置20が荷物に接触し始め、位置が変化しない場合や、反対に、スレーブ装置20が荷物から離れ始めてマスタ装置10からの下降操作に対して位置の変化速度が低下した場合等、マスタ装置10の操作にスレーブ装置20が追従していない場合には、位置の同期則に基づくマスタ装置10への力指令値は正の値(操作反力が増加する力指令値)となる。
【0024】
なお、本実施形態において、操作部材11dを操作することによる操作内容は、「上昇」及び「下降」の動作の方向性及び「停止」を表す段階的なものとなっており、これに対応して、荷役用フォーク24に対する動作の制御も、「上昇」及び「下降」の動作の方向性及び「停止」を表す段階的なものとなっている。これら「上昇」及び「下降」の動作速度は予め設定された値(操作に適した所定速度)とされており、油圧アクチュエータ22においては、この速度を目標値として、油圧(シリンダ内のオイルの量及び圧力)が負荷の大きさに応じて逐次調整される。
【0025】
また、力触覚制御部13aは、スレーブ装置20の油圧センサ23によって検出された油圧の値の変化と、マスタ装置10の電動アクチュエータ11bの現在の出力と、位置の同期則に基づくマスタ装置10への力指令値とを加算することにより、マスタ装置10の電動アクチュエータ11bに対する統合的な力指令値を算出する。そして、力触覚制御部13aは、算出した統合的な力指令値をドライバ11aに出力する。
【0026】
スレーブ装置20は、マスタ装置10から入力される位置指令値(または力指令値)に基づいて、油圧アクチュエータ22を制御し、荷役用フォーク24を上昇、下降及び停止させる。
具体的には、スレーブ装置20は、スレーブ側制御部21と、油圧アクチュエータ22と、油圧センサ23と、荷役用フォーク24と、走行装置25と、を備えている。
【0027】
スレーブ側制御部21は、プロセッサ及びメモリを備えるマイクロコンピュータ等の情報処理装置によって構成され、油圧アクチュエータ22を制御するミニレバーコントローラ21aと、スレーブ装置20の走行装置25を制御する走行制御部21bと、を備えている。
ミニレバーコントローラ21aは、スレーブ装置20(フォークリフト)の操作レバー(ミニレバー)の操作に対して、荷役用フォーク24の昇降動作を制御するコントローラである。本実施形態においては、ミニレバーコントローラ21aに対し、マスタ装置10から位置の同期則に基づく信号(位置指令値または力指令値)を入力し、スレーブ装置20が直接操作された場合と同様に、油圧アクチュエータ22による昇降動作を制御する。なお、ミニレバーコントローラ21aから油圧アクチュエータ22への制御信号は、適宜DA(Digital to Analog)変換される。
【0028】
走行制御部21bは、マスタ装置10の運転操作部12に対して行われた運転操作を表す信号(前進、後退、停止及び転回の指示信号)に従って、スレーブ装置20が直接操作された場合と同様に、走行動作を制御する。
油圧アクチュエータ22は、荷役用フォーク24を上昇、下降及び停止させる油圧式のアクチュエータである。本実施形態において、油圧アクチュエータ22は、荷役用フォーク24の上昇については、油圧源からシリンダにオイルを供給する能動的な制御を行うことで、荷役用フォーク24及び負荷を所定速度で上昇させる油圧に保ち、上昇動作を行うことが可能となっている。一方、油圧アクチュエータ22は、荷役用フォーク24の下降については、シリンダの弁を開くことで、荷役用フォーク24及び負荷に作用する重力によってシリンダからオイルを抜き、荷役用フォーク24及び負荷を所定速度で下降させる。即ち、本実施形態において、油圧アクチュエータ22は、上昇方向にのみ積極的な制御が可能な単動式のアクチュエータであり、下降方向については、重力に応じた従動的な動作を行うものとなっている。
【0029】
油圧センサ23は、油圧アクチュエータ22における油圧を検出し、検出した油圧の値をマスタ側制御部13に出力する。油圧センサ23によって検出された油圧の値は、適宜AD(Analog to Digital)変換される。なお、油圧センサ23によって出力される油圧は、図4~6に示すように、微細な変化を呈するため、ノイズ除去の観点から出力信号に適宜ローパスフィルタが適用される。ただし、ここでは、スレーブ装置20における荷役用フォーク24に作用する力をマスタ装置10に伝達する上で支障を及ぼさない範囲の強度でローパスフィルタを適用するものとする。
【0030】
荷役用フォーク24は、油圧アクチュエータ22によって上昇、下降及び停止される荷物の支持部材であり、例えば、荷物を積載したパレットの差し込み口に差し込まれて、パレットを支持する。
走行装置25は、スレーブ装置20の走行(駆動及び操舵)のための装置であり、走行制御部21bの指示に従って、スレーブ装置20を前進、後退、停止及び転回させる。
【0031】
[動作]
次に、作業システム1の動作を説明する。
図8は、作業システム1のマスタ側制御部13及びスレーブ側制御部21が実行する力触覚制御処理の流れを示すフローチャートである。
力触覚制御処理は、作業システム1の起動と共に開始される。
力触覚制御処理が開始されると、ステップS1において、マスタ側制御部13の力触覚制御部13aは、力触覚伝達処理のための初期設定を行う。例えば、力触覚制御部13aは、スレーブ装置20からマスタ装置10にフィードバックされる力触覚の感度(スケーリングの大きさ)等、力触覚伝達処理で用いられる各種設定値を設定する。なお、初期設定される値は、初期設定の内容が予め定義されたファイルを読み込んで設定したり、操作者によって逐次入力して設定したりすることが可能である。
【0032】
ステップS2において、力触覚制御部13aは、エンコーダ11cによって検出される位置(操作部材11dの位置)を取得する。
ステップS3において、力触覚制御部13aは、取得した位置(操作部材11dの位置)とスレーブ装置20の荷役用フォーク24の位置との同期則に基づく信号(位置指令値または力指令値)をスレーブ側制御部21に出力する。
【0033】
ステップS4において、スレーブ側制御部21のミニレバーコントローラ21aは、位置の同期則に基づく信号に従って、油圧アクチュエータ22を制御する。
ステップS5において、力触覚制御部13aは、油圧センサ23によって検出された油圧を取得する。
ステップS6において、力触覚制御部13aは、油圧センサ23によって検出された油圧のノイズ成分を除去する(即ち、ローパスフィルタによるノイズ除去処理を実行する)。
【0034】
ステップS7において、力触覚制御部13aは、ノイズ除去後の油圧の値の変化と、マスタ装置10の電動アクチュエータ11bの現在の出力と、位置の同期則に基づくマスタ装置10への力指令値とを加算することにより、マスタ装置10の電動アクチュエータ11bに対する統合的な力指令値を算出する。
ステップS8において、力触覚制御部13aは、算出した統合的な力指令値をドライバ11aに出力し、電動アクチュエータを駆動する。
【0035】
ステップS9において、力触覚制御部13aは、力触覚制御処理の終了が指示されたか否かの判定を行う。
力触覚制御処理の終了が指示されていない場合、ステップS9においてNOと判定されて、処理はステップS2に移行する。
一方、力触覚制御処理の終了が指示された場合、ステップS9おいてYESと判定されて、力触覚制御処理は終了する。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る作業システム1は、油圧センサ23が出力する油圧値の変化を参照し、スレーブ装置20からマスタ装置10への力触覚の伝達については、マスタ装置10の電動アクチュエータ11bが出力する力、スレーブ装置20の油圧値の変化、マスタ装置10の操作部材11dの位置及びスレーブ装置20の荷役用フォーク24の位置から力指令値を生成することで実現すると共に、マスタ装置10からスレーブ装置20の制御については、加速度ベースの位置の同期則(特許文献1に記載されたアルゴリズム等)を適用する。
そのため、マスタ装置10を操作することによるスレーブ装置20への指令は、操作者の操作意図の通りに伝達されると共に、スレーブ装置20からマスタ装置10への触覚フィードバックについては、マスタ装置10の操作部材11dとスレーブ装置20の荷役用フォーク24との位置の差を解消する成分、マスタ装置10の電動アクチュエータ11bが現在出力している力の成分及びスレーブ装置20に生じた力(油圧)の変化の成分を反映させた力の指令値によって反力を生成することができる。
したがって、単動式かつ応答性の低いアクチュエータにおいて、より適切な触覚フィードバックを実現することが可能となる。
【0037】
[変形例1]
上述の実施形態において、スレーブ装置20(フォークリフト)の油圧システムがミニレバーコントローラ21aによって電子制御される方式のものを例として説明したが、これに限られない。即ち、本発明は、スレーブ装置20の油圧システムとして、油圧を制御可能な種々の方式のものに適用することが可能であり、例えば、直接弁方式の操作レバーによって制御される油圧システムにおいて、操作レバーに反力を提示する構成とすることが可能である。
図9及び図10は、直接弁方式の操作レバーに本発明による反力を提示する場合の構成例を示す模式図であり、図9は側面図、図10は正面図を表している。
図9及び図10に示すように、直接弁方式の操作レバー26は、「上昇弁」、「下降弁」、「停止弁」の位置にそれぞれ操作レバーの位置を切り換え可能となっており、「上昇弁」の位置に操作レバー26を設定すると、シリンダに高圧のオイルを供給する弁(上昇弁)が開き、可動部(荷役用フォーク)が上昇する構成となっている。また、「下降弁」の位置に操作レバー26を設定すると、シリンダからオイルを抜く弁(下降弁)が開き、可動部(荷役用フォーク)が下降する構成となっている。なお、「停止弁」の位置に操作レバー26を設定すると、シリンダ内のオイルが密閉された状態となり、可動部(荷役用フォーク)の位置が固定される。
このような構成を有する操作レバー26の軸側に、図7における電動アクチュエータ11bを組み込み、マスタ側制御部13の力触覚制御部13aによる力の制御を適用する。
即ち、操作レバー26と荷役用フォークとの位置の差を解消する成分、電動アクチュエータ11bが現在出力している力の成分及び油圧アクチュエータに生じた力(油圧)の変化の成分を反映させた力の指令値によって、電動アクチュエータ11bが出力する反力を生成する。
これにより、荷役用フォークを操作している際に、力触覚制御部13aのアルゴリズムによって、出力すべき触覚フィードバックが発生すると、操作レバー26の操作方向と逆方向に電動アクチュエータ11bを制御することで、操作レバー26に適切な触覚フィードバックを付与することが可能となる。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る作業システム1は、マスタ装置10と、スレーブ装置20と、を備えている。スレーブ装置20は、油圧アクチュエータ22と、油圧センサ23と、を備えている。マスタ装置10は、操作部材11dと、エンコーダ11cと、電動アクチュエータ11bと、力触覚制御部13aと、を備えている。
油圧アクチュエータ22は、油圧によって動作する。
油圧センサ23は、油圧アクチュエータ22の油圧を検出する。
操作部材11dには、スレーブ装置20に対する操作が入力される。
エンコーダ11cは、操作部材11dの位置を検出する。
電動アクチュエータ11bは、操作部材11dの操作に対する反力を出力する。
力触覚制御部13aは、油圧センサ23によって検出された油圧と、電動アクチュエータ11bによって出力されている反力と、油圧アクチュエータ22の出力位置及び操作部材11dの位置の差分とに基づいて、電動アクチュエータ11bが生成する反力を算出する。
これにより、マスタ装置10の操作部材11dとスレーブ装置20の荷役用フォーク24との位置の差を解消する成分、マスタ装置10の電動アクチュエータ11bが現在出力している力の成分及びスレーブ装置20に生じた力(油圧)の変化の成分を反映させた力の指令値によって操作部材11dの操作に対する反力を生成することができる。
したがって、単動式かつ応答性の低いアクチュエータにおいて、より適切な触覚フィードバックを実現することが可能となる。
【0039】
力触覚制御部13aは、油圧アクチュエータ22の出力位置及び操作部材11dの位置を同期させるための位置指令値または力指令値を算出する。
スレーブ装置20は、油圧アクチュエータ22の出力位置及び操作部材11dの位置を同期させるための位置指令値または力指令値に基づいて、油圧アクチュエータ22を制御する。
これにより、マスタ装置10を操作することによるスレーブ装置20への指令は、操作者の操作意図の通りに伝達されると共に、スレーブ装置20からマスタ装置10への力触覚のフィードバックについては、マスタ装置10の操作部材11dとスレーブ装置20の荷役用フォーク24との位置の差を解消する成分、マスタ装置10の電動アクチュエータ11bが現在出力している力の成分及びスレーブ装置20に生じた力(油圧)の変化の成分を反映させた力の指令値によって操作部材11dの操作に対する反力を生成することができる。
【0040】
力触覚制御部13aは、油圧センサ23によって検出された油圧の変化と、電動アクチュエータ11bによって出力されている反力と、油圧アクチュエータ22の出力位置及び操作部材11dの位置を同期させるための力指令値とに基づいて、電動アクチュエータ11bが出力する反力を算出する。
これにより、現在出力されている反力に対し、油圧アクチュエータ22の出力位置との同期と、油圧の変化とを反映させて反力を算出することができるため、操作者の操作に対し、スレーブ装置20の状態を適切に反映させた反力を付与することができる。
【0041】
油圧アクチュエータ22は、一方向への能動的な制御が可能であると共に、反対の方向へは外力による従動的な制御が可能な単動式の油圧アクチュエータである。
したがって、単動式の油圧アクチュエータであっても、本発明の制御アルゴリズムを適用することで、より適切な触覚フィードバックを実現することが可能となる。
【0042】
電動アクチュエータ11bは、操作部材11dに対して反力を出力する電動アクチュエータとして構成される。
したがって、スレーブ装置20が油圧アクチュエータを備え、マスタ装置10が電動アクチュエータを備えるシステムにおいて、より適切な触覚フィードバックを実現することが可能となる。
【0043】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態において、スレーブ装置20は単動式の油圧アクチュエータ22を備えるものとして説明したが、これに限られない。即ち、本発明は、単動式の油圧アクチュエータ以外に適用することも可能である。
また、上述の実施形態において、マスタ装置10がスレーブ装置20を遠隔的に操作する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、マスタ装置10がスレーブ装置20としてのフォークリフト等に設置されている形態や、マスタ装置10がスレーブ装置20の平面的な移動を操作する必要がない形態(即ち、昇降のみを操作者が操作する形態)等に本発明を適用することが可能である。
【0044】
また、上述の実施形態に記載された例を適宜組み合わせて、本発明を実施することが可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
即ち、上述の処理を実行できる機能が作業システム1に備えられていればよく、この機能を実現するためにどのような機能構成及びハードウェア構成とするかは上述の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0045】
プログラムを記憶する記憶媒体は、装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア、あるいは、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクあるいはフラッシュメモリ等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray Disc(登録商標)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。フラッシュメモリは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリあるいはSDカードにより構成される。また、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体は、例えば、プログラムが記憶されているROMやハードディスク等で構成される。
【0046】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0047】
上記実施形態は、本発明を適用した一例を示しており、本発明の技術的範囲を限定するものではない。即ち、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができ、上記実施形態以外の各種実施形態を取ることが可能である。本発明が取ることのできる各種実施形態及びその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 作業システム、10 マスタ装置、11 昇降操作部、11a ドライバ、11b 電動アクチュエータ、11c エンコーダ、11d 操作部材、12 運転操作部、13 マスタ側制御部、13a 力触覚制御部、13b 運転操作伝達部、20 スレーブ装置、21 スレーブ側制御部、21a ミニレバーコントローラ、21b 走行制御部、22 油圧アクチュエータ、23 油圧センサ、24 荷役用フォーク、25 走行装置、26 操作レバー
図1
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