(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095545
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】糖代謝異常の予防又は改善用組成物、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物、及び糖代謝異常の予防又は改善用組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20240702BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240702BHJP
A61P 3/08 20060101ALI20240702BHJP
A61K 36/752 20060101ALI20240702BHJP
A61P 5/50 20060101ALI20240702BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A23L33/105
A61P3/10
A61P3/08
A61K36/752
A61P5/50
A61P13/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201039
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2022209754
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・研究集会名 シンポジウム「無核性カンキツ新品種、全国展開へ向けて~日向夏発見から200年の宮崎の地にて~」 開催場所 宮崎県総合農業試験場(宮崎県宮崎市佐土原町下那珂5805) 開催日 令和5年7月10日 ・刊行物名 シンポジウム「無核性カンキツ新品種、全国展開へ向けて~日向夏発見から200年の宮崎の地にて~」予稿集、第2~3頁、第14~15頁 発行日 令和5年7月4日 発行所 無核性カンキツ新品種の高品質化および高度利用促進コンソーシアム 宮崎県総合農業試験場 ・研究集会名 第64回(令和5年) 果汁技術研究発表会 開催場所 銀座ライオンビル(東京都中央区銀座7-9-20) 開催日 令和5年9月8日 ・刊行物名 第64回(令和5年) 果汁技術研究発表会 予稿集、第37~40頁 発行日 令和5年9月8日 発行所 一般社団法人 日本果汁協会 ・研究集会名 14th Asian Congress of Nutrition 開催場所 中国、成都市 開催日 令和5年9月17日 ・ウェブサイトのアドレス https://acn2023.sciconf.cn/en/web/index/ 掲載日 令和5年9月16日 ・展示会名 京都スマートシティエキスポ2023/京都フードテックエキスポ2023 開催場所 けいはんなオープンイノベーションセンター(京都府相楽郡精華町精華台7-5-1) 展示日 令和5年10月5日 ・ウェブサイトのアドレス https://kyoto-sce2023.2ex.jp/ https://kyoto-sce2023.2ex.jp/VR/?startscene=map2 https://kyoto-sce2023.2ex.jp/VR/index.php?startscene=pano2015&h=175&yoko=175&exid=20010020 掲載日 令和5年11月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・研究集会名 日本缶詰びん詰レトルト食品協会 第72回技術大会 開催場所 ホテルメトロポリタンエドモント(東京都千代田区飯田橋3-10-8) 開催日 令和5年11月8日 ・刊行物名 日本缶詰びん詰レトルト食品協会 第72回技術大会 予稿集、第16~17頁 発行日 令和5年11月1日 発行所 公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会 ・刊行物名 缶詰時報 10月号、第32~34頁 発行日 令和5年10月1日 発行所 公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会 ・研究集会名 シンポジウム「~初夏の新カンキツで新しい風を~良食味の新品種「瑞季」を上手に作る・使う最新技術」 開催場所 広島県民文化センターふくやま(広島県福山市東桜町1-21) 開催日 令和5年11月15日 ・刊行物名 シンポジウム「~初夏の新カンキツで新しい風を~良食味の新品種「瑞季」を上手に作る・使う最新技術」予稿集、第14~15頁 発行日 令和5年11月15日 発行所 農林水産省農林水産技術会議事務局研究推進課産学連携室 特定非営利活動法人中国四国農林水産・食品先進技術研究会 無核性カンキツ新品種の高品質化および高度利用促進コンソーシアム
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2~5年度、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】591116036
【氏名又は名称】アヲハタ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊裕
(72)【発明者】
【氏名】矢中 規之
【テーマコード(参考)】
4B018
4C088
【Fターム(参考)】
4B018MD52
4B018ME03
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF06
4B018MF07
4C088AB62
4C088AC04
4C088BA07
4C088BA08
4C088CA03
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA81
4C088ZC35
(57)【要約】
【課題】新規な糖代謝異常の予防又は改善用組成物、及び、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含む、糖代謝異常の予防又は改善用組成物。
【請求項2】
前記糖代謝異常が、高血糖、耐糖能異常、及び、インスリン抵抗性からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の糖代謝異常の予防又は改善用組成物。
【請求項3】
食品組成物である、請求項1又は2に記載の糖代謝異常の予防又は改善用組成物。
【請求項4】
瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含む、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物。
【請求項5】
前記II型糖尿病合併症は、糖尿病性腎症である、請求項4に記載のII型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物。
【請求項6】
食品組成物である、請求項4又は5に記載のII型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物。
【請求項7】
瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを用いて、糖代謝異常の予防又は改善用組成物を調製する工程を含む、糖代謝異常の予防又は改善用組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖代謝異常の予防又は改善用組成物、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物、及び糖代謝異常の予防又は改善用組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、血糖降下用のユズ種子抽出物含有組成物が開示されている。
【0003】
非特許文献1には、ポメロ(Citrus maxima)の皮の抽出物が、血糖値を減少する効果を有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Shaimaa M. Mohammed et. al.,“The Anti-Diabetic and Anti-Hyperlipidemia effect of Citrus maxima Fruit Peel extract in Streptozotocin-Induced Diabetic Rats”,Research J.Pharm. and Tech. 14(10),October 2021,p.5355-5358
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の糖代謝異常の予防又は改善用組成物、及び、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物のみでは、健康への関心が高い消費者、また、高脂質の食品を多く摂取する消費者のニーズを十分には満たせず、新規な糖代謝異常の予防又は改善用組成物、及び、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物が求められている。
【0007】
そこで、本発明の一態様は、新規な糖代謝異常の予防又は改善用組成物、及び、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含むことにより、糖代謝異常を予防及び改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、
(1)瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含む、糖代謝異常の予防又は改善用組成物、
(2)糖代謝異常が、高血糖、耐糖能異常、及び、インスリン抵抗性からなる群から選択される少なくとも一つである、(1)に記載の糖代謝異常の予防又は改善用組成物、
(3)食品組成物である、(1)又は(2)に記載の糖代謝異常の予防又は改善用組成物、
(4)瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含む、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物、
(5)前記II型糖尿病合併症は、糖尿病性腎症である、(4)に記載のII型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物、
(6)食品組成物である、(4)又は(5)に記載のII型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物、
(7)瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを用いて、糖代謝異常の予防又は改善用組成物を調製する工程を含む、糖代謝異常の予防又は改善用組成物の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、新規な糖代謝異常の予防又は改善用組成物、及び、II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1における組織重量を示した図である。
【
図2】実施例1における随時血糖値を示した図である。
【
図3】実施例1におけるグルコース負荷試験の結果を示した図である。
【
図4】実施例1における遺伝子発現解析の結果を示した図である。
【
図5】実施例2における随時血糖値を示した図である。
【
図6】実施例2におけるインスリン負荷試験の結果を示した図である。
【
図7】実施例3における組織重量割合を示した図である。
【
図8】実施例3における腎臓重量及び糸球体面積を示した図である。
【
図9】実施例1における空腹時血糖値を示した図である。
【
図10】実施例1におけるグルコース負荷試験の結果を示した図である。
【
図11】実施例1における肝臓重量及びALT値を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、単に「%」と記載されている場合は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
【0013】
<本発明の糖代謝異常の予防又は改善用組成物の特徴>
本発明の一態様である糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含むことに特徴を有する。本発明の一態様によれば、瑞季の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含むことにより、糖代謝異常を予防又は改善することができる。以下において、「瑞季(品種登録番号第27604号)」を、単に「瑞季」といい、「瑞季の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つ」を「瑞季の果皮等」という。
【0014】
本明細書において、「糖代謝異常の予防」とは、糖代謝異常の発症を防ぐことを指す。また、「糖代謝異常の改善」とは、糖代謝が正常に近づく又は正常になること、若しくは糖代謝異常の悪化を抑制することを意味する。
【0015】
<糖代謝異常>
本明細書において、「糖代謝異常」とは、糖代謝に異常をきたした状態を指し、その原因は問わない。なお、原因としては、例えば、糖尿病等が挙げられる。また、当該状態としては、例えば、糖尿病診断に関する検査の結果が所定の値を外れたり、再度の検査を要したりするような状態を指す。糖尿病診断に関する検査とは、例えば、空腹時血糖値、75g経口糖負荷試験(OGTT)2時間値、又は随時血糖値、若しくはHbAlcの測定、及び脂肪肝検査である。診断の結果、糖尿病型又は境界型と診断される対象及び再度の検査を要する対象は、糖代謝に異常をきたした状態であるといえる。
【0016】
糖代謝異常の症状としては、高血糖状態、耐糖能異常、インスリン抵抗性等が挙げられる。
【0017】
高血糖状態としては、例えば、随時高血糖、糖負荷後高血糖、食後高血糖、空腹時高血糖が挙げられる。中でも、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、随時高血糖、糖負荷後高血糖、及び空腹時高血糖をより好適に予防又は改善することができる。また、このように、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、糖負荷後の高血糖状態を予防又は改善することができるので、耐糖能異常を好適に予防又は改善することができる。
【0018】
また、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、後述する実施例で示されるように、白色脂肪組織を減少するか、又は、増加を抑制することができる。また、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、後述する実施例で示されるように、肝臓の炎症の発生又は炎症の増加を抑制できる。また、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、肥満又は運動不足により誘導されるインスリン抵抗性を好適に予防又は改善することができる。
【0019】
<瑞季>
本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物が含む瑞季の果皮は、外果皮であってもよく、中果皮であってもよい。また、含有する瑞季の果皮は、じょう嚢膜及び果心のうち少なくとも1つが付着している状態の果皮であってもよい。また、果皮は、例えば、瑞季の果実から人手又は機械で剥いた果皮であってもよく、瑞季に前処置を施した後の果皮であってもよい。前処理としては、瑞季の果実を搾汁する処理、瑞季の果実から特定の成分を抽出する処理等が挙げられる。換言すると、瑞季に前処置を施した後の果皮とは、例えば、瑞季の果実を搾汁した後の果皮、瑞季の果実から特定の成分を抽出した後の果皮等が挙げられる。
【0020】
瑞季の果皮の乾燥物は、果実の果皮を乾燥させて得ることができる。果皮を乾燥させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いればよく、例えば、自然乾燥、温風又は熱風乾燥、凍結乾燥等が挙げられる。乾燥させる前、及び/又は、乾燥させた後に、果皮を適当な大きさにカットしてもよい。また、瑞季の果皮の乾燥物は、乾燥粉末であってもよい。乾燥粉末は、公知の方法によって得ることができ、例えば、ボールミル等を用いて乾燥物を粉砕すればよい。
【0021】
瑞季の果皮又はその乾燥物の抽出物(以下、単に「抽出物」という。)は、果皮又はその乾燥物から、含有成分を抽出した抽出物であり得る。抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、及び水と親水性溶媒との混合溶媒などが挙げられる。中でも、抽出溶媒として、アルコールを用いることが好ましい。つまり、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、果皮のアルコール抽出物を含むことが好ましい。アルコール抽出物を含むことにより、高血糖及びインスリン抵抗性を好適に予防又は改善することができる。また、抽出物は、濃縮されたものであってもよく、乾燥されたものであってもよい。
【0022】
本発明の一態様である糖代謝異常の予防又は改善用組成物では、瑞季の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含んでいればよく、2つ以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0023】
<他の成分>
本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物には、瑞季の果皮等以外の成分が含まれていてもよい。瑞季の果皮等以外の成分は、本発明の効果を損ねるものでなければ特に限定されない。本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、医薬品、医薬部外品として提供される場合、任意の薬学的に許容され得る成分を含んでもよく、例えば、緩衝材、pH調整剤、等張化剤、防腐剤、抗酸化剤、溶媒等が挙げられる。また、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、食品として提供される場合、任意の他の食品成分を含んでもよい。
【0024】
<果皮等の含有量>
本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物が含む、瑞季の果皮等の含有量は特に制限されず、用途等に応じて適宜設定すればよい。当該含有量としては、例えば、5~100%が挙げられる。
【0025】
<対象>
本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、哺乳動物において好適に糖代謝異常を予防又は改善することができ、ヒトにおいてより好適に糖代謝異常を予防又は改善することができる。
【0026】
<糖代謝異常の予防又は改善用組成物の形態>
本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物は、例えば、医薬品、医薬部外品、食品等の形態で提供され得、食品組成物として好適に提供される。本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物では、食品組成物の形態は特に限定されない。例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、粉末、ペースト、半固体成形物、固体成形物等が挙げられる。また、食品組成物は、健康食品、機能性表示食品、栄養補助食品、保健機能食品、特別用途食品、特定保健用食品、及びサプリメントであってもよい。本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物を機能性表示食品又は特定保健用食品として提供する場合、「高血糖の改善に役立つ」、「高めの空腹時血糖値を低下させる」、「食後の上昇した血糖値を元に戻しやすくする」等の旨が表示され得る。
【0027】
<摂取量及び摂取期間>
瑞季の果皮等の摂取量及び摂取期間は、所望の効果、用途、組成物の形態、症状、体重等に応じて適宜調整することができる。摂取期間としては、例えば、1日以上、1週間以上等が挙げられる。糖代謝異常の予防又は改善効果をよりよく発揮させる観点からは、長期間にわたって継続的に摂取することが好ましい。具体的には、4週間以上継続的に摂取し続けることが好ましい。また、摂取量は1回当たり、瑞季の果皮の乾燥粉末重量に換算して、0.6~120gが好ましい。本明細書において「継続的」とは、糖代謝異常の予防又は改善用組成物をほぼ毎日決められた量を摂取し続けることを意味する。
【0028】
<糖代謝異常の予防又は改善用組成物の製造方法>
本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物の製造方法は、瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを用いて、糖代謝異常の予防又は改善用組成物を調製する工程を含む。
【0029】
<調製する工程>
調製する工程では、瑞季の果皮等を用いて、糖代謝異常の予防又は改善用組成物を調製する。瑞季の果皮等としては、瑞季の果実を搾汁した後の果皮を好適に用いることができる。糖代謝異常の予防又は改善用組成物の調製は、組成物の所望の形態、用途等に応じて、適当な方法を適宜採用することができる。
【0030】
<他の工程>
本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物の製造方法は、調製する工程の前又は後に他の工程を含んでいてもよい。調製する工程の前に行う工程としては、例えば、前処理工程等が挙げられる。前処理工程は、瑞季から果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物を作製する工程であり得る。調製する工程において、瑞季の果実を搾汁した後の果皮を用いる場合、前処理工程は、瑞季の果実を搾汁する工程であってもよい。また、調製する工程の後に行う工程としては、例えば、製造された糖代謝異常の予防又は改善用組成物の殺菌を行う殺菌工程等が挙げられる。
【0031】
<本発明のII型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物の特徴>
本発明の一態様に係るII型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物は、瑞季(品種登録番号第27604号)の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含む。本発明の一態様によれば、瑞季の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含むことにより、II型糖尿病合併症を予防又は改善することができる。なお、以下では、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物と異なる点について主に説明し、他の事項は、本発明の一態様に係る糖代謝異常の予防又は改善用組成物の説明に準じ、同じ説明は繰り返さない。
【0032】
本明細書において、「II型糖尿病合併症の予防」とは、II型糖尿病合併症の発症を防ぐことを指す。また、本明細書において、「II型糖尿病合併症の改善」は、II型糖尿病合併症を発症している対象に対して、II型糖尿病合併症を完治又は軽減すること、若しくはII型糖尿病合併症の悪化を抑制することを意味する。
【0033】
<II型糖尿病合併症>
本明細書において、「II型糖尿病合併症」とは、II型糖尿病が原因となって発症する別の疾患又は病気を指す。II型糖尿病合併症としては、例えば、II型糖尿病性の腎症、脂肪肝、網膜症、神経障害、骨格筋障害等が挙げられる。II型糖尿病性腎症は、腎臓の重量が増加する、糸球体が肥大する等の症状を発症する。本発明の一態様に係るII型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物は、腎臓の重量の増加及び糸球体の肥大を抑制することができる。したがって、本発明の一態様に係るII型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物は、II型糖尿病性腎症を好適に改善することができる。
【0034】
II型糖尿病合併症の予防又は改善用組成物の構成及び製造方法は、それぞれ糖代謝異常の予防又は改善用組成物にて記載した構成及び製造方法の通りであるため、同じ説明は繰り返さない。
【0035】
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例0036】
[実施例1]
(瑞季の果皮の乾燥粉末の調製)
瑞季の果皮を凍結乾燥機により乾燥させた後、30,000rpm/分、50μm相当の条件下で粉砕機により粉砕することにより、瑞季の果皮の乾燥粉末を得た。瑞季の果皮の乾燥粉末の味を評価したところ、苦みが少なく、食用に適していた。
【0037】
(飼料)
瑞季の果皮の乾燥粉末を5%となるように食餌飼料に配合することにより、実施例1の組成物を得た。具体的な組成は、カゼイン 25.9%、シスチン 0.39%、コーンスターチ 11.2%、スクロース 8.9%、コーン油 5.2%、ラード 31.1%、セルロース 6.48%、AIN-93Gミネラル混合4.5%、AIN-93ビタミン混合 1.3%、及び瑞季果皮乾燥粉末 5%とした。
【0038】
[コントロール、比較例1]
オリエンタル酵母製MF(固形飼料)をコントロールとした。また、組成をカゼイン 25.9%、シスチン 0.39%、コーンスターチ 16.2%、スクロース 8.9%、コーン油 5.2%、ラード 31.1%、セルロース 6.48%、AIN-93Gミネラル混合 4.5%、AIN-93ビタミン混合 1.3%としたものを比較例1とした(これは、実施例1の組成物から、瑞季果皮乾燥粉末 5%をコーンスターチに置き換えた飼料である)。
【0039】
<試験例1>
(飼育方法)
7週齢の雄のC57BL/6Jマウスを無作為に8匹ずつ3群に分け、コントロール、比較例1、及び実施例1の食餌をそれぞれ自由摂取で飼育した。また、体重を毎日測定し、各群の平均値を算出した。
【0040】
(血糖値の測定)
各実施例及び比較例の食餌を摂取させ始めてから4週間後及び8週間後にマウスから血液を採取して、血中グルコース濃度を測定し、各群の平均値を算出した。なお、採血は、6時間絶食させた後に行った。血中グルコース濃度の測定は、グルコーテスター(アキュチェック、ロシュ製)を用いて行った。
【0041】
(グルコース負荷試験)
各実施例及び比較例の食餌を8週間摂取させた後、マウスを12時間絶食させた。絶食後、生理食塩水で調製したグルコース溶液を、2gグルコース/kg体重となるように経口投与した。グルコース溶液の投与から0分後、15分後、30分後、60分後、及び120分後に血液を採取し、血中グルコース濃度を測定し、各群の平均値を算出した。血中グルコース濃度の測定は、上述の(血糖値の測定)と同様の方法で行った。
【0042】
(組織重量の測定)
各実施例及び比較例の食餌を8週間摂取させた後、マウスを解剖して、肝臓(Liver)、腓腹筋(Gastrocnemius)、精巣周囲脂肪組織(Epididymal fat)、及び腎臓周囲脂肪組織(Perirenal fat)を採取し、重量を測定した。
【0043】
(遺伝子発現解析)
採取した肝臓からトータルRNAを調製し、RNAシーケンス法を用いて網羅的に遺伝子発現解析を行った。具体的には、トータルRNAの調製は、RNeasy Lipid
Tissue Mini kit(Qiagen社製)を用いて行った。マウス肝臓及び白色脂肪組織を摘出し、QIAZOL reagent(Qiagen社製)でホモジナイズした。200μLのクロロホルムを加え、20秒間ボルテックスし激しく撹拌した後、室温で3分間静置し、遠心(12,000rpm、4℃、15分間)した。上清300μLを回収し、等量の70%エタノールを加えて転倒混合した後、スピンカラムに全量を移して遠心(13,000G、4℃、15秒間)し、フロースルー画分を除去した。700μLのBuffer RWを添加して遠心(13,000G、4℃、15秒間)し、フロースルー画分を除去した。続いて、あらかじめエタノールを添加したBuffer RPEをカラムに500μL添加して遠心(13,000G、4℃、15秒間)し、フロースルー画分を除去した。その後、RNase free waterを滴下して遠心(13,000G、4℃、1分間)し、RNAを回収した。
【0044】
(統計解析)
t検定にて有意差検定を行った。p<0.05を*、p<0.01を**、p<0.001を***、p<0.0001を****で示した。p<0.05の場合に、有意差ありと評価した。
【0045】
(結果)
以上の結果を
図1~4に示す。
図1は組織重量を示す。
図2は随時血糖値を示す。
図3はグルコース負荷試験の結果を示す。
図4は遺伝子発現解析の結果を示す。なお、各群において、体重に有意な差は見られなかった。
【0046】
図1に示すように、実施例1は、比較例1と比較して、精巣周囲脂肪組織及び腎臓周囲脂肪組織の重量が有意に低かった。したがって、瑞季の果皮の乾燥物を含む組成物は、白色脂肪組織重量の増加を予防又は改善することが示された。
【0047】
図2に示すように、実施例1は、比較例1と比較して、8週間摂取した後の血糖値が、有意に低かった。したがって、瑞季の果皮の乾燥物を含む組成物は、高血糖状態を予防又は改善することが示された。
【0048】
図3に示すように、グルコース負荷試験において、実施例1は、グルコース溶液の投与後60分以降の血糖値が比較例1と比較して有意に低く、コントロールと同様の値を示した。したがって、瑞季の果皮の乾燥物を含む組成物は、耐糖能異常を予防又は改善することが示された。
【0049】
図4に示すように、実施例1は、比較例1と比較して、炎症の指標となるマーカーであるSaa1及びSaa2の発現が減少した。血清アミロイドA(serum amyloid A,SAA)は、肝臓で合成される急性期タンパク質であり、炎症性のサイトカインであるインターロイキン-1(IL-1)、腫瘍壊死因子(TNF)等の作用によりその合成が促進される。そのため、食品素材によるSAA遺伝子の発現量の低下は、抗炎症作用の指標となる。したがって、瑞季の果皮の乾燥物を含む組成物は、炎症を予防又は改善することが示された。
【0050】
[実施例2及び3]
(抽出物の調製)
70%エタノールを用いて、瑞季の果皮の乾燥粉末を浸漬抽出し、エタノール抽出液及び抽出した後の果皮(抽出残渣)を得た。得られた抽出液及び抽出残渣を凍結乾燥し、抽出液の乾燥粉末を作製した。
【0051】
(飼料)
瑞季の果皮の抽出液又は抽出残渣を使用する以外は、実施例1と同様に調製し、瑞季の果皮の抽出液を含む飼料を実施例2の組成物、抽出残渣を含む飼料を実施例3の組成物とした。
【0052】
<試験例2>
(飼育方法)
7週齢の雄のC57BL/6Jマウスを無作為に8匹ずつ4群に分け、コントロール、比較例1、並びに実施例2及び3の食餌をそれぞれ自由摂取で飼育した。また、体重を毎日測定し、各群の平均値を算出した。
【0053】
(血糖値の測定)
各実施例及び比較例の食餌を4週間及び8週間摂取させた後、試験例1と同様の方法で血糖値を測定し、各群の平均値を算出した。
【0054】
(インスリン負荷試験)
各実施例及び比較例の食餌を8週間摂取させた後、マウスを8時間絶食させた。絶食後、インスリンを0.75U/kg体重となるように腹腔内投与した。インスリン投与から0分後、15分後、30分後、60分後、及び120分後に血液を採取し、血中グルコース濃度を測定し、各群の平均値を算出した。血中グルコース濃度の測定は、試験例1の血糖値の測定と同様の方法で行った。統計解析は、試験例1と同様の方法で行った。
【0055】
(結果)
結果を
図5及び6に示す。
図5は随時血糖値を示す。
図6はインスリン負荷試験の結果を示す。
【0056】
図5に示すように、実施例2は、比較例1と比較して、4週間及び8週間摂取した後の血糖値が有意に低かった。また、実施例3は、比較例1と比較して、8週間摂取した後の血糖値が有意に低かった。したがって、瑞季の果皮の乾燥物の抽出物及び抽出残渣を含む組成物は、高血糖状態を予防又は改善することが示された。
【0057】
また、
図6に示すように、インスリン負荷試験において、実施例2は、インスリンの投与から15分後の血糖値が、比較例1と比較して有意に低かった。したがって、瑞季の果皮の乾燥物の抽出物を含む組成物は、インスリン抵抗性を予防又は改善することが示された。
【0058】
[実施例4]
(飼料)
瑞季の果皮の乾燥粉末を実施例1と同じ方法で調製した。瑞季の果皮の乾燥粉末を5%となるように配合することにより、実施例4の組成物を得た。具体的な組成は、L-シスチン 0.36%、AIN-93ビタミン混合 1%、重酒石酸コリン 0.25%、AIN-93Gミネラル混合 3.5%、炭酸カルシウム 0.18%、セルロース 6.61%、ミルクカゼイン 25.6%、スクロース 5.5%、コーンスターチ 21.5%、マルトデキストリン 10%、大豆油 2%、ラード 20.5%、瑞季乾燥粉末 5%であった。
【0059】
[比較例2]
実施例4の組成物に含まれる瑞季果皮乾燥粉末 5%をコーンスターチに置き換えた飼料を比較例2とした。
【0060】
<試験例3>
(飼育方法)
7週齢の雄性のC57BL/6Jマウスを無作為に2群に分け、1つの群は比較例2を自由摂取で4週間飼育し、糖尿病性腎症モデルマウスを作製した。また、もう1つの群には、同じ条件下でコントロールを摂取させた。
【0061】
4週間後、糖尿病性腎症モデルマウスに、低用量ストレプトゾトシン(STZ)を1日当たり55mg/kg体重になるように5日間腹腔内投与した。その後、STZを投与したマウスを無作為に2群に分け、比較例2又は実施例4の食餌を、自由摂取で16週間飼育した。
【0062】
(組織重量の測定)
STZの投与から16週間後、マウスを解剖し、肝臓(Liver)、腎臓(Kidney)、前脛骨筋(Tibialis Anterior(TA))を採取し、重量を測定し、体重(BW)に対する重量割合を算出した。また、腎臓から糸球体を採取し、糸球体面積(Glomeruler area)を測定した。具体的には、HE染色を行った腎臓切片の組織画像を顕微鏡にて撮影し、NIS-Elements AR(NIKON)を用いて糸球体面積を測定した。また、一個体あたり約70個の糸球体面積を測定し、面積の大きさが上位20個の糸球体の面積の平均値を算出し、その個体の糸球体面積(Glomeruler area)を測定した。統計解析は、試験例1と同様の方法で行った。
【0063】
(結果)
結果を
図7及び8に示す。
図7は組織重量割合を示す。
図8は腎臓の重量及び糸球体の面積を示す。
【0064】
図7に示すように、実施例4は、比較例2と比較して、肝臓及び腎臓の重量が有意に低かった。また、
図8に示すように、実施例4は、比較例2と比較して、糸球体面積が有意に狭かった。したがって、瑞季の果皮の乾燥物を含む組成物は、糖尿病性腎症を予防又は改善することが示された。
【0065】
<試験例4>
(飼育方法)
試料として、実施例1、比較例1、及び、実施例1の食餌に含まれる瑞季果皮乾燥粉末 5%を、グレープフルーツホワイト乾燥粉末 5%に置き換えた食餌(比較例3)を用いた。6週齢の雄のC57BL/6Jマウスを無作為に8~9匹ずつ4群に分け、コントロール(n=8)、実施例1(n=9)、比較例1(n=8)、及び比較例3(n=9)の食餌をそれぞれ自由摂取で飼育した。
【0066】
(空腹時血糖値の測定)
各実施例及び比較例の食餌を摂取させ始めてから1か月後に、マウスから血液を採取して、血中グルコース濃度を測定し、各群の平均値を算出した。なお、採血は、5時間絶食させた後に行った。血中グルコース濃度の測定は、グルコーテスター(アキュチェック、ロシュ製)を用いて行った。
【0067】
(グルコース負荷試験)
各実施例及び比較例の食餌を3か月間摂取させた後、試験例1と同じ方法でグルコース負荷試験を行った。
【0068】
(肝臓重量及びALT値の測定)
各実施例及び比較例の食餌を3か月間摂取させた後、マウスを解剖して、肝臓(Liver)及び血液を採取し、肝臓重量及び血中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)濃度を測定した。ALT値の測定は、自動血清分析装置(Beckman Coulter AU480 analyzer、ベックマン社製)を用いて行った。
【0069】
(統計解析)
各測定について、統計解析は、試験例1と同様の方法で行った。
【0070】
(結果)
結果を
図9~11に示す。
図9は空腹時血糖値を示す。
図10はグルコース負荷試験を示す。
図11は肝臓重量及びALT値を示す。
【0071】
図9に示すように、血糖値改善効果を有することが知られているグレープフルーツホワイトを用いた比較例3は、比較例1と比較して、空腹時血糖値が有意に低かった。実施例1は、比較例1と比較して、空腹時血糖値が有意に低く、また、比較例3と比較して、空腹時血糖値が同程度であった。したがって、本発明によって、高血糖状態を予防又は改善できることが示された。
【0072】
図10に示すように、実施例1は、90分及び120分における血糖値から分かるように、比較例1及び3と比較して、血糖値の低下が認められたことから、本発明によって、耐糖能異常及びII型糖尿病合併症を予防又は改善できることが示された。
【0073】
図11に示すように、実施例1は、比較例1及び3と比較して、肝臓重量が有意に低かった。このことからは、インスリン抵抗性の指標、及びII型糖尿病合併症の一症状である脂肪肝が、本発明によって改善又は予防されたことを示唆している。また、実施例1は、比較例1及び3と比較して、肝障害の指標の1つであるALT値が低かった。したがって、本発明によって、糖代謝異常及びII型糖尿病合併症を予防又は改善できることが示された。
【0074】
[参考例]
(果皮の乾燥粉末の調製)
瑞季の果皮の乾燥粉末を実施例1と同じ方法で調製し、参考例の乾燥粉末を得た。また、瑞季の代わりにグレープフルーツホワイト、及び温州ミカンそれぞれを用いたことを除いて実施例1と同じ方法を用いて、参考例の乾燥粉末を得た。
【0075】
(成分分析)
参考例の各乾燥粉末の成分分析を行った。成分分析は、以下の方法により行った。具体的には、各乾燥粉末をエタノールで抽出し、定容後、以下の分析条件においてLC-MSによる定量分析を行った。結果を表1に示す。
【0076】
(分析条件)
・カラム:Agilent InfinityLab Poroshell 120 EC-C18 3.0×150mm 2.7μm
・カラム温度:40℃
・検出器:MS
・移動相条件等:
流速:0.5ml/min
移動相A:0.1%ギ酸水溶液
移動相B:0.1%ギ酸 メタノール溶液
グラジエント:(min,B液%)
(0,20)、(5,50)、(11,70)、(12,90)、(18,90)
【0077】
【0078】
以上の実施例から、瑞季の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含む組成物は、糖代謝異常を予防又は改善することが示された。また、瑞季の果皮及びその乾燥物、並びにそれらの抽出物のうち少なくとも1つを含む組成物は、II型糖尿病合併症を予防又は改善することが示された。