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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095569
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】イメージセンシング装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/11 20230101AFI20240703BHJP
【FI】
H04N25/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023212734
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0187171
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ホリョン
(57)【要約】
【課題】カラーフィルタの接触面積の増加を図る。
【解決手段】一実施形態によるイメージセンシング装置は、1つの第1カラーフィルタ(以下cfと略記)を共有して第1カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第1イメージピクセル(以下ipと略記)が隣接して位置した複数の第1ピクセルブロック(以下pbと略記)と、1つの第2cfを共有して第2カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第2ipが隣接して位置した複数の第2pbと、1つの第3cfを共有して第3カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第3ipが隣接して位置した複数の第3pbと、第1cfから第3cfの間で第1pbから第3pbの境界領域に位置する上部グリッド構造140aと、基板層110と第1cfから第3cfとの間に位置し、第1pbから第3pbのそれぞれで当該ipの境界領域と少なくとも一部が垂直方向に重畳する下部グリッド構造140bとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1カラーを有する1つの第1カラーフィルタを共有して前記第1カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第1イメージピクセルが隣接して位置した複数の第1ピクセルブロック;
第2カラーを有する1つの第2カラーフィルタを共有して前記第2カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第2イメージピクセルが隣接して位置した複数の第2ピクセルブロック;
第3カラーを有する1つの第3カラーフィルタを共有して前記第3カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第3イメージピクセルが隣接して位置した複数の第3ピクセルブロック;
前記第1から第3カラーフィルタの間で前記第1から第3ピクセルブロックの境界領域に位置する上部グリッド構造;及び
基板層と前記第1から第3カラーフィルタの間に位置し、前記第1から第3ピクセルブロックのそれぞれで当該イメージピクセルの境界領域と少なくとも一部が垂直方向に重畳する下部グリッド構造を含むイメージセンシング装置。
【請求項2】
前記第1から第3ピクセルブロックのそれぞれは、
カラーフィルタを共有する複数のイメージピクセルがN×N(Nは2以上の自然数)形態で隣接して配列されることを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項3】
前記上部グリッド構造は、
第1方向に延長される領域と前記第1方向と交差される第2方向に延長される領域が互いに交差される十字形状の構造物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項4】
前記上部グリッド構造は、
隣り合う十字形状の構造物が互いに物理的に分離するように位置することを特徴とする、請求項3に記載のイメージセンシング装置。
【請求項5】
前記下部グリッド構造は、
前記第1から第3ピクセルブロック内において、前記第1方向に延長される領域と前記第2方向に延長される領域が互いに交差される十字形状の構造物を含むことを特徴とする、請求項3に記載のイメージセンシング装置。
【請求項6】
前記上部グリッド構造と前記下部グリッド構造は、互いにオーバーラップしないように位置することを特徴とする、請求項5に記載のイメージセンシング装置。
【請求項7】
前記下部グリッド構造は、
前記第1方向に複数のピクセルブロックを横切るように延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域と前記第2方向に複数のピクセルブロックを横切るように延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域が互いに交差される形態に形成されることを特徴とする、請求項3に記載のイメージセンシング装置。
【請求項8】
前記下部グリッド構造により画成された領域には、前記第1から第3イメージピクセルがベイヤーパターンに配列されることを特徴とする、請求項7に記載のイメージセンシング装置。
【請求項9】
前記上部グリッド構造は、
第1方向に延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域と前記第1方向と交差される第2方向に延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域が互いに交差される形態に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項10】
前記下部グリッド構造は、
前記第1方向に複数のピクセルブロックを横切るように延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域と前記第2方向に複数のピクセルブロックを横切るように延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域が互いに交差される形態に形成されることを特徴とする、請求項9に記載のイメージセンシング装置。
【請求項11】
前記下部グリッド構造は、
前記第1から第3ピクセルブロック内において、前記第1方向に延長される領域と前記第2方向に延長される領域が互いに交差される十字形状の構造物を含むことを特徴とする、請求項9に記載のイメージセンシング装置。
【請求項12】
前記上部グリッド構造は、
メタル層;
前記メタル層上に位置するエアー層;及び
前記メタル層と前記エアー層をカバーするキャッピング膜を含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項13】
前記キャッピング膜は、
前記第1から第3カラーフィルタの下まで延長されることを特徴とする、請求項12に記載のイメージセンシング装置。
【請求項14】
前記基板層と前記キャッピング膜の間に位置する反射防止膜をさらに含み、
前記下部グリッド構造は、前記反射防止膜内に位置することを特徴とする、請求項13に記載のイメージセンシング装置。
【請求項15】
光電変換要素及び前記光電変換要素を分離させるピクセル分離膜を含む基板層;
1つのカラーフィルタが複数の前記光電変換要素をカバーするように前記基板層上に位置する複数のカラーフィルタ;
前記ピクセル分離膜とオーバーラップして前記カラーフィルタの間に位置する上部グリッド構造;及び
前記ピクセル分離膜とオーバーラップして前記基板層と前記カラーフィルタの間に位置する下部グリッド構造を含む、イメージセンシング装置。
【請求項16】
前記複数のカラーフィルタのそれぞれは、
N×N(Nは2以上の自然数)形態で隣接して配列される複数のイメージピクセルの前記光電変換要素とオーバーラップして位置することを特徴とする、請求項15に記載のイメージセンシング装置。
【請求項17】
前記上部グリッド構造は、
第1方向に延長される領域と前記第1方向と交差される第2方向に延長される領域が互いに交差される十字形状の構造物を含むことを特徴とする、請求項15に記載のイメージセンシング装置。
【請求項18】
前記下部グリッド構造は、
前記カラーフィルタのそれぞれに対して、当該カラーフィルタの下で前記第1方向に延長される領域と前記第2方向に延長される領域が互いに交差される十字形状の構造物を含むことを特徴とする、請求項17に記載のイメージセンシング装置。
【請求項19】
前記上部グリッド構造と前記下部グリッド構造は、互いにオーバーラップしないように位置することを特徴とする、請求項18に記載のイメージセンシング装置。
【請求項20】
前記下部グリッド構造は、
前記第1方向に複数のカラーフィルタを横切るように延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域と前記第2方向に複数のカラーフィルタを横切るように延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域が互いに交差される形態に形成されることを特徴とする、請求項17に記載のイメージセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサ(image sensor)は、光学映像を電気信号に変換させる素子である。近年、コンピューター産業と通信産業の発達に伴い、デジタルカメラ、カムコーダ、PCS(Personal Communication System)、ビデオゲーム機器、警備用カメラ、医療用マイクロカメラ、ロボットなど、多様な分野において集積度及び性能が向上したイメージセンサの需要が増大している。
【0003】
イメージセンサの解像度が高くなるにつれ、イメージセンサのピクセルサイズが除々に小さくなっており、ピクセルサイズが小さくなるのに伴って発生する多くの製造上の問題を解決するための方法が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、カラーフィルタのアイソレーション構造を改善してカラーフィルタの接触面積の増加を図る。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るはずである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置は、第1カラーを有する1つの第1カラーフィルタを共有して前記第1カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第1イメージピクセルが隣接して位置した複数の第1ピクセルブロック、第2カラーを有する1つの第2カラーフィルタを共有して前記第2カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第2イメージピクセルが隣接して位置した複数の第2ピクセルブロック、第3カラーを有する1つの第3カラーフィルタを共有して前記第3カラーに対応するイメージ信号を生成する複数の第3イメージピクセルが隣接して位置した複数の第3ピクセルブロック、前記第1から第3カラーフィルタの間で前記第1から第3ピクセルブロックの境界領域に位置する上部グリッド構造、及び基板層と前記第1から第3カラーフィルタの間に位置して前記第1から第3ピクセルブロックのそれぞれで当該イメージピクセルの境界領域と少なくとも一部が垂直方向に重畳する下部グリッド構造を含むことができる。
【0007】
本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置は、光電変換要素及び前記光電変換要素を分離させるピクセル分離膜を含む基板層、1つのカラーフィルタが複数の前記光電変換要素をカバーするように前記基板層上に位置する複数のカラーフィルタ、前記ピクセル分離膜とオーバーラップして前記カラーフィルタの間に位置する上部グリッド構造、及び前記ピクセル分離膜とオーバーラップして前記基板層と前記カラーフィルタの間に位置する下部グリッド構造を含むことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によるイメージセンシング装置は、カラーフィルタの接触面積を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置の構成を概略的に図示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるピクセルアレイの平面構造を部分的に例示的に示す図面である。
図3図2におけるA-A’切取線に沿って切断した断面の姿を例示的に示す断面図である。
図4図2におけるB-B’切取線に沿って切断した断面の姿を例示的に示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態によるピクセルアレイの平面構造を例示的に示す図面である。
図6】本発明の一実施形態によるピクセルアレイの平面構造を例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たって、同一の構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにおいて、関連した公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨害すると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置の構成を概略的に図示したブロック図である。
【0012】
図1を参照すると、イメージセンシング装置は、ピクセルアレイ(pixel array)100、ロードライバー(row driver)200、相関二重サンプラ(correlated double sampler、CDS)300、アナログ-デジタルコンバータ(analog digital converter、ADC)400、出力バッファ(output buffer)500、カラムドライバー(column driver)600及びタイミングコントローラ(timing controller)700を含むことができる。ここで、イメージセンシング装置の各構成は例示的なものに過ぎず、必要に応じて少なくとも一部の構成が追加されたり省略されたりすることができる。
【0013】
ピクセルアレイ100は、複数のロー(rows)及び複数のカラム(columns)に配列された複数のイメージピクセルを含むことができる。複数のイメージピクセルは、外部から入射された光を光電変換して入射光に対応する電気信号(ピクセル信号)を生成することができる。ピクセルアレイ100は、同一のカラーのカラーフィルタを有する複数のイメージピクセルが隣接して配列された複数のピクセルブロックを含むことができる。例えば、各ピクセルブロックは、同一のカラーのカラーフィルタを有してN×N(Nは2以上の自然数)形態で隣接して配列された複数のイメージピクセルを含むことができる。ピクセルブロックは、ベイヤーパターン(Bayer pattern)に配列されることができる。ピクセルアレイ100は、基板上で隣接したピクセル間のクロストークを防止するために二重分離構造(double layers isolation structure)のグリッド構造物を含むことができる。
【0014】
ロードライバー200は、タイミングコントローラ700のような制御回路から提供される制御信号に基づいてイメージピクセルを動作させることができる。ロードライバー200は、ピクセルアレイ100の少なくとも1つのローラインに連結された少なくとも1つのイメージピクセルを選択することができる。ロードライバー200は、複数のローラインのうち少なくとも1つのローラインを選択するためのロー選択信号を生成することができる。選択されたローラインのイメージピクセルで生成されたピクセル信号は、相関二重サンプラ300に出力され得る。
【0015】
相関二重サンプラ300は、相関二重サンプリング(CDS:correlated double sampling)方式を用いてイメージピクセルの望まないオフセット(offset)の値を除去することができる。相関二重サンプラ300は、基準信号とピクセル信号を相関二重サンプリング(CDS)信号としてアナログ-デジタルコンバータ400に出力することができる。
【0016】
アナログ-デジタルコンバータ400は、相関二重サンプラ300から受信されるCDS信号をデジタル信号に変換することができる。アナログ-デジタルコンバータ400は、タイミングコントローラ700から提供されるランプ信号に基づいて比較信号のレベル転移(transition)時間をカウントし、カウント値を出力バッファ500に出力することができる。
【0017】
出力バッファ500は、アナログ-デジタルコンバータ400から提供されるそれぞれのカラム単位のデータをタイミングコントローラ700の制御に応じて一時格納することができる。
【0018】
カラムドライバー600は、タイミングコントローラ700の制御に応じて出力バッファ500のカラムを選択し、選択された出力バッファ500のカラムに一時格納されたデータを順次出力することができる。
【0019】
タイミングコントローラ700は、ロードライバー200、アナログ-デジタルコンバータ400、出力バッファ500及びカラムドライバー600の動作を制御するための信号を生成することができる。タイミングコントローラ700は、イメージセンシング装置の各構成の動作に要求されるクロック信号、タイミングコントロールのための制御信号、及びローまたはカラムを選択するためのアドレス信号をロードライバー200、カラムドライバー600、アナログ-デジタルコンバータ400及び出力バッファ500に提供することができる。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態によるピクセルアレイの平面構造を部分的に例示的に示す図面である。
【0021】
図2を参照すると、ピクセルアレイ100は、ロー方向及びカラム方向に連続的に配列された複数のイメージピクセルを含むことができる。
【0022】
複数のイメージピクセルは、それぞれ撮影客体に対応するイメージ信号(ピクセル信号)を独立して生成する単位ピクセルであってよい。複数のイメージピクセルは、レッド(red)カラーの光に対応するイメージ信号を生成するレッドピクセルPX_R、グリーン(green)カラーの光に対応するイメージ信号を生成するグリーンピクセルPX_Gr、PX_Gb及びブルー(blue)カラーの光に対応するイメージ信号を生成するブルーピクセルPX_Bを含むことができる。レッドピクセルPX_R、グリーンピクセルPX_Gr、PX_Gb及びブルーピクセルPX_Bは、レッドカラーフィルタR、グリーンカラーフィルタGr、Gb及びブルーカラーフィルタBを含むことができる。
【0023】
複数のイメージピクセルは、同一のカラーの光に対応するイメージ信号を生成するイメージピクセルがN×N(Nは2以上の自然数)形態で隣接して位置するように配列されることができる。例えば、ピクセルアレイ100は、4個のレッドピクセルPX_Rが2×2形態で隣接して位置するレッドピクセルブロック、4個のグリーンピクセル(PX_Gr)が2×2形態で隣接して位置するグリーンピクセルブロック、4個のグリーンピクセル(PX_Gb)が2×2形態で隣接して位置するグリーンピクセルブロック及び4個のブルーピクセルPX_Bが2×2形態で隣接して位置するブルーピクセルブロックを含むことができる。このようなレッドピクセルブロック、グリーンピクセルブロック及びブルーピクセルブロックは、ベイヤーパターン(bayer pattern)に配列されることができる。
【0024】
カラーフィルタR、G、Bは、対応するピクセルブロックごとに1つずつ形成されることができる。例えば、カラーフィルタR、Gr、Gb、Bは、各イメージピクセルPX_R、PX_Gr、PX_Gb、PX_B別に小さいサイズに形成されるものではなく、ピクセルブロック別に当該ピクセルブロックに含まれる複数のイメージピクセルが1つの大きいカラーフィルタを共有するように形成されることができる。
【0025】
ピクセルアレイ100は、基板層上で隣接したイメージピクセルのカラーフィルタの間に位置する二重分離構造(double layer isolation structure)を有するグリッド構造物140を含むことができる。このようなグリッド構造物140は、上部グリッド構造140a及び下部グリッド構造140bを含むことができる。
【0026】
上部グリッド構造140aは、互いに異なるカラーのカラーフィルタR、Gr、Gb、Bの間に位置することができる。例えば、上部グリッド構造140aは、カラーフィルタ層のようなレイヤーで上下又は左右に隣接したピクセルブロックの間の領域(境界領域)に位置することができる。
【0027】
上部グリッド構造140aは、平面上でみるとき、2×2形態に隣接して位置する4個のピクセルブロックの境界領域からX方向(又はロー方向)に延長される領域と、Y方向(又はカラム方向)に延長される領域とが交差する十字形状(cross shape)の構造物を含むことができる。例えば、各ピクセルブロックが形成される領域は、4個の十字形状の構造物により囲まれてよい。
【0028】
下部グリッド構造140bは、カラーフィルタR、Gr、Gb、Bの下に位置することができ、各ピクセルブロック内で隣接したイメージピクセルの境界領域とオーバーラップして位置することができる。例えば、下部グリッド構造140bは、各ピクセルブロック内でイメージピクセルの境界領域とオーバーラップしてカラーフィルタR、Gr、Gb、Bと基板層の間で位置することができる。
【0029】
下部グリッド構造140bは、平面上でみるとき、X方向(又はロー方向)に延長される領域と、Y方向(又はカラム方向)に延長される領域とが交差する十字形状の構造物を含むことができる。このとき、下部グリッド構造140bからX方向に延長される領域は当該カラーフィルタのX方向の中心線とオーバーラップされてよく、下部グリッド構造140bからY方向に延長される領域は当該カラーフィルタのY方向の中心線とオーバーラップされてよい。十字形状の上部グリッド構造140aと十字形状の下部グリッド構造140bは、垂直方向に互いにオーバーラップしないように位置することができる。
【0030】
一般的に、隣接したカラーフィルタの間のクロストークを防止するためのグリッド構造物は、カラーフィルタ層内で隣接したイメージピクセルのカラーフィルタの間に位置するように形成される。ところが、そのような構造では、イメージセンシング装置のピクセル数が増加するほどグリッド構造物の間の間隔が狭くなり、当該領域(グリッド構造物により画成された領域)内にカラーフィルタを形成し難いのみならず、各イメージピクセルに対応するカラーフィルタの底面積が小さくなるので後続の熱処理工程によりカラーフィルタが浮き上がるという現象が発生することがある。
【0031】
本実施形態においては、同一のカラーに対応するイメージ信号を生成する複数のイメージピクセルをN×N(Nは2以上の自然数)形態のブロック単位で隣接して配列した後、各ブロック(ピクセルブロック)のイメージピクセルが1つのカラーフィルタを共有するようにする。そして、カラーフィルタ層内では、ピクセルブロックの境界領域でのみグリッド構造(上部グリッド構造)を形成する。そして、各ピクセルブロックのイメージピクセルPX_R、PX_Gr、PX_Gb、PX_Bに対しては、カラーフィルタ層内にグリッド構造を形成せず、その代わりに当該イメージピクセルの境界領域とオーバーラップして当該カラーフィルタR、Gr、Gb、Bの下でグリッド構造(下部グリッド構造)を形成する。
【0032】
図2では、上部グリッド140aと下部グリッド140bがいずれも十字形状で形成される場合が例示的に図示されているが、これに限定されない。
【0033】
マイクロレンズ154は、ピクセルブロック別に形成されて1つのマイクロレンズ154がピクセルブロックに含まれた複数個(図2では4個)のイメージピクセルをカバーするように形成されてよい。
【0034】
図3は、図2におけるA-A’切取線に沿って切断した断面の姿を例示的に示す断面図であり、図4は、図2におけるB-B’切取線に沿って切断した断面の姿を例示的に示す断面図である。
【0035】
図3及び図4を参照すると、ピクセルアレイ100は、基板層110、反射防止層120、カラーフィルタ層130、グリッド構造物140及びレンズ層150を含むことができる。
【0036】
基板層110は、基板112、光電変換要素114及びピクセル分離膜116を含むことができる。基板層110は、第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を含むことができる。このとき、第1面は、外部から光が入射される面であって、第1面上にカラーフィルタ層130及びレンズ層150が形成されてよく、第2面において各イメージピクセル領域には当該イメージピクセルの光電変換要素114で生成された光電荷をリードアウトするためのピクセルトランジスタ(図示せず)が形成されてよい。
【0037】
基板112は、単結晶(Single crystal)のシリコンを含む半導体基板を含むことができる。基板112は、P型不純物を含むことができる。
【0038】
光電変換要素114は、各イメージピクセルに対応するように半導体基板112の内部に形成されてよい。光電変換要素114は、カラーフィルタ層130によりフィルタリングされて入射した可視光を光電変換して光電荷を生成することができる。光電変換要素114は、N型不純物を含むことができる。
【0039】
ピクセル分離膜116は、基板112内で隣接したイメージピクセルの光電変換要素114の間に形成されてイメージピクセル別に光電変換要素114をアイソレーションさせることができる。ピクセル分離膜116は、BDTI(Back Deep Trench Isolation)又はFDTI(Front Deep Trench Isolation)のようなトレンチ構造を含むことができる。または、ピクセル分離膜116は、基板112に高濃度の不純物(例えば、P型不純物)が注入されたジャンクションアイソレーション構造を含むことができる。
【0040】
反射防止層120は、基板層110の第1面上に位置することができ、入射光が光電変換要素114に円滑に到達することができるように光の反射を防止することができる。例えば、反射防止層120は、カラーフィルタ層130と基板層110の間の屈折率差を補償してカラーフィルタ130を通過する光が効果的に基板層110の内部に入射されるようにすることができる。反射防止層120は、基板層110に形成された所定の構造物による段差を除外するための平坦化層の役割を担うこともできる。
【0041】
反射防止層120は、第1反射防止膜122、第2反射防止膜124及び第3反射防止膜126を含むことができる。第1反射防止膜122内には下部グリッド構造140bが形成されてよい。第2反射防止膜124と第3反射防止膜126は、カラーフィルタR、G、Bと第1反射防止膜122の間に位置することができる。第2反射防止膜124と第3反射防止膜126は、上部グリッド構造140aのキャッピング膜144、148が同一の膜であってよい。例えば、第2反射防止膜124と第3反射防止膜126は、キャッピング膜144、148がカラーフィルタR、G、Bと第1反射防止膜122の間の領域まで延長して形成されたものであってよい。すなわち、本実施形態においては、説明の便宜のために第2反射防止膜124と第3反射防止膜126の参照番号をキャッピング膜144、148と異なって表示したが、第2反射防止膜124とキャッピング膜144、そして第3反射防止膜126とキャッピング膜148は同じ工程を介して共に形成されてよい。
【0042】
反射防止膜122、124、126は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、又は高誘電膜(例えば、ハフニウム酸化膜、アルミニウム酸化膜)のうち少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0043】
カラーフィルタ層130は、反射防止層120上に位置することができる。カラーフィルタ層130は、レンズ層150を介して入射された光から可視光をフィルタリングして対応する光電変換要素114に伝達する複数のカラーフィルタR、G、Bを含むことができる。例えば、カラーフィルタ層130は、レッドカラーの可視光を通過させる複数のレッドカラーフィルタR、グリーンカラーの可視光を通過させる複数のグリーンカラーフィルタGr、Gb、及びブルーカラーの可視光を通過させる複数のブルーカラーフィルタ130Bを含むことができる。
【0044】
カラーフィルタR、Gr、Gb、Bは、上部グリッド構造140aにより画成された領域に形成されてよい。例えば、カラーフィルタR、Gr、Gb、Bは、各ピクセルブロックに対応するようにピクセルブロックごとに1つずつ形成されてよい。このように、カラーフィルタR、Gr、Gb、Bが各イメージピクセルPX_R、PX_Gr、PX_Gb、PX_B別に小さいサイズに形成されずにピクセルブロック別に大きく形成されることにより、カラーフィルタR、Gr、Gb、Bと反射防止層120の接触面積が増加し得る。これを介して、例えば、カラーフィルタR、Gr、Gb、Bの浮き上がり現象がより効果的に防止され得る。
【0045】
グリッド構造物140は、反射防止層120上でカラーフィルタR、Gr、Gb、Bの間に位置する上部グリッド構造140a及び第1反射防止膜122内でカラーフィルタR、Gr、Gb、BとオーバーラップされながらイメージピクセルPX_R、PX_Gr、PX_Gb、PX_Bの境界領域とオーバーラップされて位置する下部グリッド構造140bを含むことができる。上部グリッド構造140aと下部グリッド構造140bは、ピクセル分離膜116とオーバーラップして形成されてよい。
【0046】
上部グリッド構造140aは、隣接したピクセルブロックの間に位置することにより互いに異なるカラーを有するカラーフィルタR、Gr、Gb、B間のクロストークを防止することができる。上部グリッド構造140aは、エアー層、メタル層又はエアー層とメタル層が積層されたハイブリッド構造を含むことができる。例えば、上部グリッド構造140aは、メタル層142、第1キャッピング膜144、エアー層146及び第2キャッピング膜148を含むことができる。
【0047】
メタル層142は、光吸収率が高い金属材質(例えば、タングステン)を含むことができ、一実施形態により互いに異なる材質が積層して形成されてもよい。例えば、メタル層142は、タングステンの下に位置するバリアメタル層(図示せず)をさらに含むことができる。エアー層146は、メタル層142と重畳されるように第1キャッピング膜144上に形成されてよい。エアー層146は、エアー(air)で満たされた領域であってよい。
【0048】
第1キャッピング膜144は、窒化膜を含むことができ、メタル層142をカバーしながらカラーフィルタR、Gr、Gb、Bの下まで延長して形成されてよい。第1キャッピング膜144は、熱処理工程時にメタル層142が膨張することを防止することができる。第1キャッピング膜144において、カラーフィルタ層130の下に形成される領域は、第2反射防止膜124として用いられてよい。
【0049】
第2キャッピング膜148は、上部グリッド構造140aの最外側に形成される物質膜であって、エアー層146が形成される領域を画成することができる。第2キャッピング膜148は、酸化膜を含むことができ、エアー層146及びメタル層142をカバーしながらカラーフィルタ層130の下まで延長して形成されてよい。酸化膜は、シリコン酸化膜(SiO)のような低温酸化(ULTO:Ultra Low Temperature Oxide)膜を含むことができる。第2キャッピング膜148において、カラーフィルタ層130の下に形成される領域は第3反射防止膜126として用いられてよい。
【0050】
図3には、上部グリッド構造140aがメタル層142、第1キャッピング膜144、エアー層146及び第2キャッピング膜148を含む場合のみが例示的に図示されたが、本発明はこれに限定されない。
【0051】
下部グリッド構造140bは、第1反射防止膜122内で各ピクセルブロックごとに位置することができる。下部グリッド構造140bは、各ピクセルブロックにおいてイメージピクセルPX_R、PX_Gr、PX_Gb、PX_Bの境界領域とオーバーラップして位置することにより、同じカラーフィルタを共有する隣接したイメージピクセル間のクロストークを防止することができる。下部グリッド構造140bは、入射光の透過を防止することができる絶縁物又はメタルを含むことができる。または、下部グリッド構造140bは、エアー層を含むこともできる。
【0052】
下部グリッド構造140bは、ピクセル分離膜116とオーバーラップして形成されてよい。各ピクセルブロックに形成される下部グリッド構造140bは、互いに物理的に分離して形成されてよい。
【0053】
本実施形態における上部グリッド構造140aは、カラーフィルタR、Gr、Gb、Bのようなレイヤーでピクセルブロックの境界領域に形成されることにより互いに異なるカラーのカラーフィルタR、Gr、Gb、B間のクロストークを防止し、下部グリッド構造140bは、カラーフィルタR、Gr、Gb、Bの下で各ピクセルブロック別に当該イメージピクセルの境界領域に形成されることにより同一のカラーのカラーフィルタを通過した入射光に対してイメージピクセル間のクロストークを防止することができる。
【0054】
レンズ層150は、オーバーコーティング層152及びマイクロレンズ154を含むことができる。オーバーコーティング層152は、カラーフィルタ層130により発生し得る段差を補償するための平坦化層の役割を担うことができる。マイクロレンズ154は、オーバーコーティング層152上に位置することができる。マイクロレンズ154のそれぞれは、凸レンズ形態に形成されてよく、ピクセルブロックごとに形成されてよい。マイクロレンズ154は、入射光を対応する光電変換要素114に集光させることができる。オーバーコーティング層152とマイクロレンズ154は、同一の物質で形成されてよい。
【0055】
図3及び図4では、上部グリッド構造140aと下部グリッド構造140bがピクセル分離膜116と全体的にオーバーラップして位置する姿が例示的に示されている。しかし、シェーディング偏差(Shading variations)を改善するため、ピクセルアレイ100内における位置に応じて上部グリッド構造140aと下部グリッド構造140bはCRA(Chief ray angle)に対応して所定の間隔ほどシフト(shifted)されてよい。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態によるピクセルアレイの平面構造を例示的に示す図面である。
【0057】
図5を参照すると、ピクセルアレイ100は、基板層上で隣接したイメージピクセルのカラーフィルタの間に位置する二重分離構造(double layer isolation structure)を有するグリッド構造物140’を含むことができる。このようなグリッド構造物140’は、上部グリッド構造140a及び下部グリッド構造140cを含むことができる。
【0058】
本実施形態におけるグリッド構造物140’は、前述したグリッド構造物140と比較して上部グリッド構造140aは互いに同一であるが、下部グリッド構造140cが下部グリッド構造140bと差がある。
【0059】
前述した図2において、下部グリッド構造140bは、各ピクセルブロックごとに形成された十字形状の構造物が互いに物理的に分離されるように形成された。
【0060】
本実施形態における下部グリッド構造140cは、各ピクセルブロックごとに形成された十字形状の構造物がX方向及びY方向にさらに延長されることにより、隣り合うピクセルブロックにある十字形状の構造物が互いに連結される形態で形成されてよい。例えば、下部グリッド構造140cは、X方向に複数のピクセルブロックを横切るように長く延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域とY方向に複数のピクセルブロックを横切るように長く延長して互いに一定間隔離隔されたラインタイプの複数の領域が互いに交差される形態で形成されてよい。
【0061】
このとき、下部グリッド構造140cにより画成された各領域に位置するイメージピクセルは互いに異なるカラーに対応するイメージ信号を生成するピクセルとなってよく、当該イメージピクセルはベイヤーパターンに配列されてよい。
【0062】
本実施形態において、下部グリッド140cがX及びY方向にさらに延長して形成されること以外の他の構成は、前述した図2の実施形態と同一に形成されてよく、したがって、他の構成に対する説明は省略する。
【0063】
図6は、本発明の一実施形態によるピクセルアレイの平面構造を例示的に示す図面である。
【0064】
図6を参照すると、ピクセルアレイ100は、基板層上で隣接したイメージピクセルのカラーフィルタの間に位置する二重分離構造(double layer isolation structure)を有するグリッド構造物140’’を含むことができる。このようなグリッド構造物140’’は、上部グリッド構造140d及び下部グリッド構造140cを含むことができる。
【0065】
本実施形態におけるグリッド構造物140’’は、前述した図2のグリッド構造物140と比較して上部グリッド構造140d及び下部グリッド構造140cがいずれも上部グリッド構造140a及び下部グリッド構造140bと差がある。また、グリッド構造物140’’は、前述した図5のグリッド構造物140’と比較して下部グリッド構造140cは互いに同一であるが、上部グリッド構造140dが上部グリッド構造140aと差がある。
【0066】
前述した図2及び図5において、上部グリッド構造140aは、2×2形態で隣接して位置する4個のピクセルブロックの境界領域からX方向に延長される領域とY方向に延長される領域が交差する十字形状の構造物に形成され、その十字形状の構造物が互いに物理的に分離されるように形成された。
【0067】
本実施形態における上部グリッド構造140dは、下部グリッド構造140cのように十字形状の構造物がX方向及びY方向にさらに延長して互いに連結される形態で形成されてよい。
【0068】
本実施形態において、上部グリッド構造140dと下部グリッド構造140c以外の他の構成は、前述した図2の当該構成と同一なのでこれに対する説明は省略する。
【0069】
前述した図6の実施形態において、下部グリッド構造は、図2の実施形態のように、十字形状の構造物に形成されてもよいことは自明である。
【0070】
また、前述した実施形態においては、ピクセルブロックが2×2形態で位置する4個のイメージピクセルを含む場合を例示的に説明したが、ピクセルブロックは、3×3、4×4…などの形態に位置する複数のイメージピクセルを含むことができる。そのような場合にも、カラーフィルタはピクセルブロックごとに1つずつ形成されることにより、当該ピクセルブロックに含まれる複数のイメージピクセルは1つのカラーフィルタを共有することができる。また、上部グリッド構造は、カラーフィルタのようなレイヤーでピクセルブロックの境界領域に位置することができ、下部グリッド構造は、カラーフィルタの下で各ピクセルブロック内のイメージピクセルの境界領域に位置することができる。
【0071】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能なはずである。
【0072】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではなく、本発明の保護範囲は下記の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0073】
100 ピクセルアレイ
110 基板層
120 反射防止層
130 カラーフィルタ層
140、140’、140’’ グリッド構造物
150 レンズ層
200 ロードライバー
300 相関二重サンプラ
400 アナログ-デジタルコンバータ
500 出力バッファ
600 カラムドライバー
700 タイミングコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6