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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095979
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240704BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20240704BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240704BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240704BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20240704BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H01L29/78 617J
H10B12/00 671Z
H10B12/00 671C
H01L29/78 618B
H01L29/78 613B
H01L29/44 S
H01L29/58 G
H01L21/28 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192381
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0190597
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム スン ファン
(72)【発明者】
【氏名】カク ジュン ハ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ジン ソン
【テーマコード(参考)】
4M104
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA02
4M104AA03
4M104BB01
4M104BB04
4M104BB06
4M104BB14
4M104BB16
4M104BB17
4M104BB18
4M104BB30
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4M104BB32
4M104BB33
4M104BB36
4M104BB40
4M104CC05
4M104EE03
4M104EE16
4M104EE17
4M104FF06
4M104GG16
5F083AD02
5F083AD23
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5F083HA02
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5F083MA16
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5F083PR05
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5F110BB11
5F110DD05
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5F110FF01
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5F110GG01
5F110GG02
5F110GG22
5F110HJ01
5F110NN72
5F110QQ04
5F110QQ05
(57)【要約】
【課題】高集積化されたメモリセルを備えた半導体装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本技術は、高集積化された半導体装置に関するものであって、 本技術に係る半導体装置は、下部構造物から離間し、前記下部構造物に平行な方向に沿って延びる水平層と、前記下部構造物に垂直な方向に沿って延びるものの、前記水平層の一側端に接続された垂直導電ラインと、前記水平層の他側端に接続されたデータ格納要素と、前記水平層を横断する方向に沿って延びた水平導電ラインとを備え、前記水平導電ラインは、第1の仕事関数電極と、前記垂直導電ラインに隣接するものの、前記第1の仕事関数電極より低い仕事関数を有する第2の仕事関数電極と、前記データ格納要素に隣接するものの、前記第1の仕事関数電極より低い仕事関数を有する第3の仕事関数電極と、前記第1の仕事関数電極と第3の仕事関数電極との間の第1のバリア層と、前記第1の仕事関数電極と第2の仕事関数電極との間の第2のバリア層とを備えることができる。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部構造物から離間し、前記下部構造物に平行な方向に沿って延びる水平層と、
前記下部構造物に垂直な方向に沿って延びるものの、前記水平層の一側端に接続された垂直導電ラインと、
前記水平層の他側端に接続されたデータ格納要素と、
前記水平層を横断する方向に沿って延びた水平導電ラインと、
を備え、
前記水平導電ラインは、
第1の仕事関数電極と、
前記垂直導電ラインに隣接するものの、前記第1の仕事関数電極より低い仕事関数を有する第2の仕事関数電極と、
前記データ格納要素に隣接するものの、前記第1の仕事関数電極より低い仕事関数を有する第3の仕事関数電極と、
前記第1の仕事関数電極と第3の仕事関数電極との間の第1のバリア層と、
前記第1の仕事関数電極と第2の仕事関数電極との間の第2のバリア層と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第2及び第3の仕事関数電極は、シリコンのミッドギャップ仕事関数より低い仕事関数を有し、前記第1の仕事関数電極は、前記シリコンのミッドギャップ仕事関数より高い仕事関数を有する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2及び第3の仕事関数電極は、N型ドーパントでドーピングされたドープドポリシリコンを含む請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の仕事関数電極は、金属-ベース物質を含む請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の仕事関数電極は、金属、金属窒化物、またはこれらの組み合わせを含む請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の仕事関数電極は、前記第2及び第3の仕事関数電極より体積がさらに大きい請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1、第2、及び第3の仕事関数電極の各々は、前記水平層と垂直にオーバーラップされる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2の仕事関数電極と第3の仕事関数電極とは、同一仕事関数を有する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記水平層は、前記第1、第2、及び第3の仕事関数電極より薄い厚みを有する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記水平層は、単結晶半導体物質、多結晶半導体物質、または酸化物半導体物質を含む請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記水平層は、
前記垂直導電ラインに接続された第1のドープド領域と、
前記データ格納要素に接続された第2のドープド領域と、
前記第1のドープド領域と前記第2のドープド領域との間のチャネルと、
を備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記水平導電ラインは、前記水平層を挟んで互いに対向するダブル構造の水平導電ラインを備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記データ格納要素は、キャパシタを備えるものの、前記キャパシタは、シリンダー型の第1の電極、第2の電極、及び前記第1の電極と第2の電極との間の誘電層を備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記垂直導電ラインと前記水平層の一側端との間の第1のコンタクトノードと、
前記データ格納要素と前記水平層の他側端との間の第2のコンタクトノードと、
をさらに備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1及び第2のバリア層は、金属窒化物を含む請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
下部構造物上部に絶縁層、第1の犠牲層、半導体層、及び第2の犠牲層が交互に積層されたスタックボディを形成するステップと、
前記スタックボディをエッチングしてオープニングを形成するステップと、
前記オープニングから前記第1の犠牲層及び第2の犠牲層をリセスさせて水平型リセスを形成するステップと、
前記水平型リセス内に互いに異なる仕事関数電極の組み合わせを含む水平導電ラインを形成するステップと、
を含み、
前記水平導電ラインを形成するステップは、
第1の低仕事関数電極を形成するステップと、
前記第1の低仕事関数電極上に第1のバリア層を形成するステップと、
前記第1のバリア層上に前記第1の低仕事関数電極より高い仕事関数を有する高仕事関数電極を形成するステップと、
前記高仕事関数電極上に第2のバリア層を形成するステップと、
前記第2のバリア層上に前記高仕事関数電極より低い仕事関数を有する第2の低仕事関数電極を形成するステップと、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1及び第2の低仕事関数電極の各々は、N型ドーパントでドーピングされたドープドポリシリコンを含む請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記高仕事関数電極は、金属-ベース物質を含む請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1及び第2のバリア層は、金属窒化物を含む請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記水平導電ラインを形成するステップ後に、
前記オープニングを満たす垂直導電ラインを形成するステップと、
前記水平層の他側端に接続されるデータ格納要素を形成するステップと、
をさらに含む請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、より詳細には、3次元メモリセルを備える半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリ装置の大容量化と微細化に対応するために、複数のメモリセル(memory cell)が積層された3次元メモリ装置(3D Memory device)を提供するための技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態等は、高集積化されたメモリセルを備えた半導体装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態に係る半導体装置は、下部構造物から離間し、前記下部構造物に平行な方向に沿って延びる水平層と、前記下部構造物に垂直な方向に沿って延びるものの、前記水平層の一側端に接続された垂直導電ラインと、前記水平層の他側端に接続されたデータ格納要素と、前記水平層を横断する方向に沿って延びた水平導電ラインとを備え、前記水平導電ラインは、第1の仕事関数電極と、前記垂直導電ラインに隣接するものの、前記第1の仕事関数電極より低い仕事関数を有する第2の仕事関数電極と、前記データ格納要素に隣接するものの、前記第1の仕事関数電極より低い仕事関数を有する第3の仕事関数電極と、前記第1の仕事関数電極と第3の仕事関数電極との間の第1のバリア層と、前記第1の仕事関数電極と第2の仕事関数電極との間の第2のバリア層とを備えることができる。
【0005】
本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、下部構造物上部に絶縁層、第1の犠牲層、半導体層、及び第2の犠牲層が交互に積層されたスタックボディを形成するステップと、前記スタックボディをエッチングしてオープニングを形成するステップと、前記オープニングから前記第1の犠牲層及び第2の犠牲層をリセスさせて水平型リセスを形成するステップと、前記水平型リセス内に互いに異なる仕事関数電極の組み合わせを含む水平導電ラインを形成するステップとを含み、前記水平導電ラインを形成するステップは、第1の低仕事関数電極を形成するステップと、前記第1の低仕事関数電極上に第1のバリア層を形成するステップと、前記第1のバリア層上に前記第1の低仕事関数電極より高い仕事関数を有する高仕事関数電極を形成するステップと、前記高仕事関数電極上に第2のバリア層を形成するステップと、前記第2のバリア層上に前記高仕事関数電極より低い仕事関数を有する第2の低仕事関数電極を形成するステップとを含むことができる。
【0006】
本発明の実施形態に係る半導体装置は、下部構造物から離間し、前記下部構造物に平行な方向に沿って延びる半導体層と、前記基板に垂直な方向に沿って延びるものの、前記半導体層の一側端に接続された垂直導電ラインと、前記半導体層の他側端に接続されたデータ格納要素と、前記半導体層を横断する方向に沿って延びたワードラインとを備え、前記ワードラインは、金属電極と、前記垂直導電ラインに隣接するものの、前記金属電極より低い仕事関数を有する第1のポリシリコン電極と、前記データ格納要素に隣接するものの、前記金属電極より低い仕事関数を有する第2のポリシリコン電極とを備えることができる。
【0007】
本発明の実施形態に係る半導体装置は、下部構造物と、前記下部構造物上部で垂直に積層されたトランジスタのコラムアレイ(column array)を備える3次元アレイと、前記下部構造物上部で垂直に配向されて、前記3次元アレイの個別トランジスタの一側に共通に接続された垂直導電ラインと、前記3次元アレイの個別トランジスタの他側に各々接続されたデータ格納要素とを備え、前記3次元アレイの個別コラムアレイのトランジスタは、水平層と、前記水平層を横断する方向に沿って水平に延びたトリプル仕事関数電極構造の水平導電ラインとを備えることができる。トリプル仕事関数電極構造の水平導電ラインは、第1の低仕事関数電極、第2の低仕事関数電極、及び前記第1の低仕事関数電極と第2の低仕事関数電極との間の高仕事関数電極を備えることができる。
【発明の効果】
【0008】
本技術は、トリプル電極構造のワードラインを形成することで、メモリセルの高集積化を実現できる。
【0009】
本技術は、トリプル電極構造のワードラインを形成することで、漏れ電流を改善でき、これにより、リフレッシュ特性を確保して、低い電力消費で低電力化が可能である。
【0010】
本技術は、高集積化のためのチャネル厚み減少の際に発生する電界増加に相対的に有利であって、高い積層数実現を介しての高集積化に有利である。
【0011】
本技術は、高仕事関数電極と低仕事関数電極との間にバリア層を形成するので、ワードラインの電気的特性を改善できる。
【0012】
本技術は、3次元メモリセルの低電力化及び高集積化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】一実施形態に係るメモリセルの概略的な斜視図である。
図1B図1Aのメモリセルの概略的な断面図である。
図2A】メモリセルアレイの概略的な平面図である。
図2B図1のA-A’線に沿った断面図である。
図3】他の実施形態に係る半導体装置の概略的な断面図である。
図4】他の実施形態に係る半導体装置の概略的な断面図である。
図5】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図6】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図7】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図8】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図9】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図10】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図11】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図12】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図13】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図14】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図15】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図16】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図17】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図18】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図19】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図20】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図21】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図22】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図23】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
図24】実施形態に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において記載する実施形態等は、本発明の理想的な概略図である断面図、平面図、及びブロック図を参考して説明されるであろう。したがって、製造技術及び/又は許容誤差等により例示図の形態が変形され得る。したがって、本発明の実施形態等は、図示された特定形態に制限されるものではなく、製造工程によって生成される形態の変化も含むものである。したがって、図面において例示された領域は、概略的な属性を有し、図面において例示された領域の形状は、素子の領域の特定形態を例示するためのものであり、発明の範疇を制限するためのものではない。
【0015】
後述する実施形態は、メモリセルを垂直に積層してメモリセル密度(memory cell density)を高め、寄生キャパシタンスを減少させることができる。
【0016】
後述する実施形態等は、3次元メモリセル(three-dimensional memory cell)に関するものであって、水平導電ライン(ワードラインまたはゲート電極)が低仕事関数電極と高仕事関数電極とを備えることができる。低仕事関数電極は、データ格納要素(例、キャパシタ)及び垂直導電ライン(または、ビットライン)に隣接することができ、高仕事関数電極は、水平層のチャネルにオーバーラップされることができる。
【0017】
低仕事関数電極の低い仕事関数により、水平導電ラインとデータ格納要素との間に低い電界が形成されて、漏れ電流を改善できる。
【0018】
高仕事関数電極の高い仕事関数により、スイッチング要素の高い閾値電圧を形成できるだけでなく、低い電界形成により、メモリセルの高さを下げることができ、集積度の側面でも有利である。
【0019】
図1Aは、一実施形態に係るメモリセルの概略的な斜視図である。図1Bは、図1Aのメモリセルの概略的な断面図である。
【0020】
図1A及び図1Bに示すように、メモリセルMCは、垂直導電ラインBL、スイッチング要素TR、及びデータ格納要素CAPを備えることができる。スイッチング要素TRは、水平層HL、ゲート絶縁層GD、及び水平導電ラインDWLを備えることができる。データ格納要素CAPは、キャパシタのようなメモリ要素を備えることができる。垂直導電ラインBLは、ビットラインを備えることができる。水平導電ラインDWLは、ワードラインを備えることができ、水平層HLは、活性層を備えることができる。データ格納要素CAPは、第1の電極SN、誘電層DE、及び第2の電極PNを備えることができる。スイッチング要素TRは、トランジスタを備えることができ、この場合、水平導電ラインDWLは、ゲート電極の役割を果たすことができる。スイッチング要素TRは、アクセス要素または選択要素と称することもできる。
【0021】
垂直導電ラインBLは、第1の方向D1に沿って垂直に延びることができる。水平層HLは、第1の方向D1と交差する第2の方向D2に沿って延びることができる。水平導電ラインDWLは、第1の方向D1及び第2の方向D2と交差する第3の方向D3に沿って延びることができる。
【0022】
垂直導電ラインBLは、第1の方向D1に沿って垂直に配向(vertically oriented)されることができる。垂直導電ラインBLは、垂直配向ビットライン(vertically-oriented bit line)、垂直延長ビットライン(vertically-extented bit line)、またはピラー型ビットライン(pillar-shape bit line)と称することができる。垂直導電ラインBLは、導電物質を含むことができる。垂直導電ラインBLは、シリコン-ベース物質(Silicon-base material)、金属-ベース物質(Metal-base material)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。垂直導電ラインBLは、ポリシリコン、金属、金属窒化物、金属シリサイド、またはこれらの組み合わせを含むことができる。垂直導電ラインBLは、ポリシリコン、チタニウム窒化物、タングステン、またはこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、垂直導電ラインBLは、N型不純物がドーピングされたポリシリコンまたはチタニウム窒化物(TiN)を含むことができる。垂直導電ラインBLは、チタニウム窒化物及びタングステンのスタック(TiN/W)を含むことができる。
【0023】
スイッチング要素TRは、トランジスタを備えることができ、したがって、水平導電ラインDWLは、水平ゲートラインまたは水平ワードラインと称することができる。
【0024】
水平導電ラインDWLは、第3の方向D3に沿って長く延びることができ、水平層HLは、第2の方向D2に沿って延びることができる。水平層HLは、垂直導電ラインBLから水平的に配列されることができる。水平導電ラインDWLは、ダブル構造(Double structure)であることができる。例えば、水平導電ラインDWLは、水平層HLを挟んで互いに対向する第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2を備えることができる。水平層HLの上部表面及び下部表面上にゲート絶縁層GDが形成され得る。水平層HLの上部に第1の水平導電ラインWL1が位置しうるし、水平層HLの下部に第2の水平導電ラインWL2が位置しうる。水平導電ラインDWLは、第1の水平導電ラインWL1と第2の水平導電ラインWL2との対(Pair)を備えることができる。水平導電ラインDWLにおいて、第1の水平導電ラインWL1と第2の水平導電ラインWL2とは、互いに同じ電位を有することができる。例えば、第1の水平導電ラインWL1と第2の水平導電ラインWL2とが1つの対をなして1つのメモリセルMCに接続(Coupled)されることができる。第1の水平導電ラインWL1と第2の水平導電ラインWL2とには、同じ駆動電圧が印加され得る。
【0025】
水平層HLは、第2の方向D2に沿って延びることができる。水平層HLは、半導体物質を含むことができる。例えば、水平層HLは、ポリシリコン、単結晶シリコン、ゲルマニウム、またはシリコン-ゲルマニウムを含むことができる。他の実施形態において、水平層HLは、酸化物半導体物質を含むことができる。例えば、酸化物半導体物質は、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)を含むことができる。
【0026】
水平層HLの上部面と下部面とは、フラット表面(Flat-surface)を有することができる。すなわち、水平層HLの上部面と下部面とは、第2の方向D2に沿って互いに平行することができる。
【0027】
水平層HLは、チャネル(channel、CH)、チャネルCHと垂直導電ラインBLとの間の第1のドープド領域SR、及びチャネルCHとデータ格納要素CAPとの間の第2のドープド領域DRを備えることができる。水平層HLが酸化物半導体物質である場合、チャネルCHは、酸化物半導体物質からなることができ、第1及び第2のドープド領域SR、DRは、省略されることができる。水平層HLは、活性層(active layer)またはシン-ボディ(thin-body)と称することもできる。
【0028】
第1のドープド領域SRと第2のドープド領域DRとには、互いに同じ導電型の不純物がドーピングされ得る。第1のドープド領域SRと第2のドープド領域DRには、N型不純物がドーピングされるか、P型不純物がドーピングされ得る。第1のドープド領域SR及び第2のドープド領域DRは、アセニック(Arsenic、As)、ホスホラス(Phosphorus、P)、ボロン(Boron、B)、インジウム(Indium、In)、及びこれらの組み合わせから選択された少なくともいずれか1つの不純物を含むことができる。第1のドープド領域SRは、垂直導電ラインBLに接続されることができ、第2のドープド領域DRは、データ格納要素CAPの第1の電極SNに接続されることができる。第1及び第2のドープド領域SR、DRは、第1及び第2のソース/ドレイン領域と称することができる。
【0029】
ゲート絶縁層GDは、シリコン酸化物(silicon oxide)、シリコン窒化物(silicon nitride)、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属シリケート、高誘電率物質(high-k material)、強誘電体物質(ferroelectric material)、反強誘電体物質(anti-ferroelectric material)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。ゲート絶縁層GDは、SiO、Si、HfO、Al、ZrO、AlON、HfON、HfSiO、HfSiON、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0030】
水平導電ラインDWLは、金属(metal)、金属混合物(metal mixture)、金属合金(metal alloy)、または半導体物質を含むことができる。水平導電ラインDWLは、チタニウム窒化物、タングステン、ポリシリコン、またはこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、水平導電ラインDWLは、チタニウム窒化物とタングステンとが順次積層されたTiN/Wスタックを備えることができる。水平導電ラインDWLは、N型仕事関数物質またはP型仕事関数物質を含むことができる。N型仕事関数物質は、4.5eV以下の低仕事関数(Low work function)を有することができ、P型仕事関数物質は、4.5eV以上の高仕事関数(High work function)を有することができる。
【0031】
第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の各々は、第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3を備えることができる。第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3は、第2の方向D2に沿って水平に位置することができる。第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3は、互いに直接接触しながら互いに平行することができる。第2の仕事関数電極G2は、垂直導電ラインBLに隣接することができ、第3の仕事関数電極G3は、データ格納要素CAPに隣接することができる。水平層HLは、第1、第2、及び第3の仕事関数電極G1、G2、G3より薄い厚みを有することができる。
【0032】
第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3は、互いに異なる仕事関数物質で形成される。第1の仕事関数電極G1は、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3より仕事関数が高いことができる。第1の仕事関数電極G1は、高仕事関数物質(High work function material)を含むことができる。第1の仕事関数電極G1は、シリコンのミッドギャップ仕事関数(Mid-gap Work Function)より高い仕事関数を有することができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、低仕事関数物質(Low work function material)を含むことができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、シリコンのミッドギャップ仕事関数より低い仕事関数を有することができる。付け加えると、高仕事関数物質は、4.5eVより高い仕事関数を有し、低仕事関数物質は、4.5eVより低い仕事関数を有することができる。第1の仕事関数電極G1は、金属-ベース物質を含むことができ、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、半導体物質を含むことができる。
【0033】
第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、N型ドーパントでドーピングされたドープドポリシリコン(N-type dopant doped polysilicon)を含むことができる。第1の仕事関数電極G1は、金属、金属窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第1の仕事関数電極G1は、タングステン、チタニウム窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3と第1の仕事関数電極G1との間にバリア物質がさらに形成されることができる。
【0034】
本実施形態において、水平導電ラインDWLの第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の各々は、第2の方向D2に沿って第2の仕事関数電極G2-第1の仕事関数電極G1-第3の仕事関数電極G3の順に水平に配置されることができる。第1の仕事関数電極G1が金属を含み、第2の仕事関数電極G2及び第3の仕事関数電極G3はポリシリコンを含むことができる。
【0035】
水平導電ラインDWLの第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の各々は、第2の方向D2に沿って水平に配置されるPMP(Poly Si-Metal-Poly Si)構造であることができる。PMP構造において、第1の仕事関数電極G1は、金属-ベース物質であることができ、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、N型ドーパントでドーピングされたドープドポリシリコン(N-type dopant doped polysilicon)であることができる。N型ドーパントは、リンまたはヒ素を含むことができる。
【0036】
第1の仕事関数電極G1は、第1のバリア層G1L及びバルク層G1Bの順に積層されたスタックを備えることができる。第1のバリア層G1Lは、チタニウム窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物、またはモリブデン窒化物を含むことができる。バルク層G1Bは、タングステン、モリブデン、またはアルミニウムを含むことができる。例えば、第1の仕事関数電極G1は、「チタニウム窒化物/タングステン(TiN/W)スタック」を備えることができ、チタニウム窒化物(TiN)は、第1のバリア層G1Lに対応し、タングステンWは、バルク層G1Bに対応することができる。
【0037】
第1の仕事関数電極G1は、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3より体積(Volume)がさらに大きいことができ、これにより、水平導電ラインDWLは、低い抵抗を有することができる。第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の第1の仕事関数電極G1は、水平層HLを挟んで第1の方向D1に沿って垂直にオーバーラップされることができる。第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、水平層HLを挟んで第1の方向D1に沿って垂直にオーバーラップされることができる。第1の仕事関数電極G1と水平層HLとのオーバーラップ面積は、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3と水平層HLとのオーバーラップ面積よりさらに大きいことができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3と第1の仕事関数電極G1とは、第3の方向D3に沿って延びることができる。
【0038】
水平導電ラインDWLは、第1の仕事関数電極G1と第2の仕事関数電極G2との間に配置された第2のバリア層G2Lをさらに備えることができる。第2のバリア層G2Lは、チタニウム窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物、またはモリブデン窒化物を含むことができる。
【0039】
第3の仕事関数電極G3は、ベンディド形状(Bended shape)またはコップ形状であることができる。第3の仕事関数電極G3は、第1のバリア層G1Lをカバーリングする内側面と第1の電極SNに接触する外側面とを備えることができる。第3の仕事関数電極G3は、ベンディド低仕事関数物質を含むことができる。第1のバリア層G1Lは、バルク層G1Bの一部分をサラウンディングすることができる。第1のバリア層G1Lは、ベンディド形状(Bended shape)またはコップ形状であることができる。第1のバリア層G1Lは、バルク層G1Bをカバーリングする内側面と第3の仕事関数電極G3に接触する外側面とを備えることができる。第1のバリア層G1Lは、第1の仕事関数電極G1の内側面に満たされた突出部形状であることができる。第2のバリア層G2Lは、垂直型またはフラット型形状であることができる。
【0040】
上述したように、第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の各々は、第1、第2、及び第3の仕事関数電極G1、G2、G3を備えるトリプル(Tripple)電極構造であることができる。水平導電ラインDWLは、水平層HLを挟んで水平層HLを横断(across)する第3の方向D3に沿って延びた一対の第1の仕事関数電極G1、一対の第2の仕事関数電極G2、及び一対の第3の仕事関数電極G3を有することができる。水平導電ラインDWLの第1の仕事関数電極G1は、チャネルCHに垂直にオーバーラップされることができ、水平導電ラインDWLの第2の仕事関数電極G2は、水平層の第1のドープド領域SRに垂直にオーバーラップされることができ、水平導電ラインDWLの第3の仕事関数電極G3は、水平層HLの第2のドープド領域DRに垂直にオーバーラップされることができる。
【0041】
水平導電ラインDWLの中心部に高仕事関数の第1の仕事関数電極G1が配置され、水平導電ラインDWLの両端部に低仕事関数の第2及び第3の仕事関数電極G2、G3が配置されることにより、GIDL(Gate Induced Drain leakage)のような漏れ電流を改善できる。
【0042】
水平導電ラインDWLの中心部に高仕事関数の第1の仕事関数電極G1が配置されることにより、スイッチング要素TRの閾値電圧を増加させることができる。水平導電ラインDWLの第2の仕事関数電極G2が低仕事関数を有するので、垂直導電ラインBLと水平導電ラインDWLとの間に低い電界(low electric field)が形成され得る。水平導電ラインDWLの第3の仕事関数電極G3が低仕事関数を有するので、データ格納要素CAPと水平導電ラインDWLとの間に低い電界が形成され得る。
【0043】
データ格納要素CAPは、スイッチング要素TRから第2の方向D2に沿って水平的に配置されることができる。データ格納要素CAPは、第2の方向D2に沿って水平層HLから水平的に延びた第1の電極SNを備えることができる。データ格納要素CAPは、第1の電極SN上の第2の電極PN及び第1の電極SNと第2の電極PNとの間の誘電層DEをさらに備えることができる。第1の電極SN、誘電層DE、及び第2の電極PNは、第2の方向D2に沿って水平的に配列されることができる。第1の電極SNは、水平的に配向されたシリンダー形状(Cylinder-shape)であることができる。誘電層DEは、第1の電極SNのシリンダー内壁及びシリンダー外壁をコンフォーマルにカバーリングすることができる。第2の電極PNは、誘電層DE上で第1の電極SNのシリンダー内壁(Cylinder inner wall)及びシリンダー外壁(Cylinder outer wall)をカバーリングできる。第1の電極SNは、第2のソース/ドレイン領域DRに電気的に接続されることができる。
【0044】
第1の電極SNは、3次元構造を有するものの、3次元構造の第1の電極SNは、第2の方向D2に沿って配向された水平的3次元構造であることができる。3次元構造の例として、第1の電極SNは、シリンダー形状(Cylinder shape)であることができる。他の実施形態において、第1の電極SNは、ピラー形状(Pillar shape)またはピリンダー形状(Pylinder shape)を有することができる。ピリンダー形状は、ピラー形状とシリンダー形状とがマージされた(Merged)構造を称することができる。
【0045】
第1の電極SN及び第2の電極PNは、金属、貴金属、金属窒化物、導電性金属酸化物、導電性貴金属酸化物、金属炭化物、金属シリサイド、またはこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、第1の電極SN及び第2の電極PNは、チタニウム(Ti)、チタニウム窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、タンタル窒化物(TaN)、タングステンW、タングステン窒化物(WN)、ルテニウム(Ru)、ルテニウム酸化物(RuO)、イリジウム(Ir)、イリジウム酸化物(IrO)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、モリブデン酸化物(MoO)、チタニウム窒化物/タングステン(TiN/W)スタック、タングステン窒化物/タングステン(WN/W)スタックを含むことができる。第2の電極PNは、金属-ベース物質とシリコン-ベース物質との組み合わせを含むこともできる。例えば、第2の電極PNは、チタニウム窒化物/シリコンゲルマニウム/タングステン窒化物(TiN/SiGe/WN)のスタックであることができる。チタニウム窒化物/シリコンゲルマニウム/タングステン窒化物(TiN/SiGe/WN)スタックにおいて、シリコンゲルマニウムは、第1の電極SNのシリンダー内部を満たすギャップフィル物質であることができ、チタニウム窒化物(TiN)は、データ格納要素CAPの第2の電極PNの役割をすることができ、タングステン窒化物は、低抵抗物質であることができる。
【0046】
誘電層DEは、キャパシタ誘電層またはメモリ層と称することができる。誘電層DEは、シリコン酸化物、シリコン窒化物、高誘電率物質、またはこれらの組み合わせを含むことができる。高誘電率物質は、シリコン酸化物より高い誘電率を有することができる。シリコン酸化物(SiO)は、約3.9の誘電率を有することができ、誘電層DEは、4以上の誘電率を有する高誘電率物質を含むことができる。高誘電率物質は、約20以上の誘電率を有することができる。高誘電率物質は、ハフニウム酸化物(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、アルミニウム酸化物(Al)、ランタン酸化物(La)、チタニウム酸化物(TiO)、タンタル酸化物(Ta)、ニオブ酸化物(Nb)、またはストロンチウムチタニウム酸化物(SrTiO)を含むことができる。他の実施形態において、誘電層DEは、前述した高誘電率物質を2層以上含む複合層からなることもできる。
【0047】
誘電層DEは、ジルコニウム-ベース酸化物(Zr-base oxide)で形成されることができる。誘電層DEは、ジルコニウム酸化物(ZrO)を含むスタック構造であることができる。誘電層DEは、ZA(ZrO/Al)スタックまたはZAZ(ZrO/Al/ZrO)スタックを含むことができる。ZAスタックは、ジルコニウム酸化物(ZrO)上にアルミニウム酸化物(Al)が積層された構造であることができる。ZAZスタックは、ジルコニウム酸化物(ZrO)、アルミニウム酸化物(Al)、及びジルコニウム酸化物(ZrO)が順次積層された構造であることができる。ZAスタック及びZAZスタックは、ジルコニウム酸化物-ベース層(ZrO-base layer)と称されることができる。他の実施形態において、誘電層DEは、ハフニウム-ベース酸化物(Hf-base oxide)で形成されることができる。誘電層DEは、ハフニウム酸化物(HfO)を含むスタック構造であることができる。誘電層DEは、HA(HfO/Al)スタックまたはHAH(HfO/Al/HfO)スタックを含むことができる。HAスタックは、ハフニウム酸化物(HfO)上にアルミニウム酸化物(Al)が積層された構造であることができる。HAHスタックは、ハフニウム酸化物(HfO)、アルミニウム酸化物(Al)、及びハフニウム酸化物(HfO)が順次積層された構造であることができる。HAスタック及びHAHスタックは、ハフニウム酸化物-ベース層(HfO-base layer)と称されることができる。ZAスタック、ZAZスタック、HAスタック、及びHAHスタックにおいてアルミニウム酸化物(Al)は、ジルコニウム酸化物(ZrO)及びハフニウム酸化物(HfO)よりバンドギャップエネルギー(Band gap energy)が大きいことができる。アルミニウム酸化物(Al)は、ジルコニウム酸化物(ZrO)及びハフニウム酸化物(HfO)より誘電率が低いことができる。したがって、誘電層DEは、高誘電率物質及び固誘電率物質よりバンドギャップエネルギーが大きい高バンドギャップ物質(High band gap material)のスタックを備えることができる。誘電層DEは、アルミニウム酸化物(Al)以外に、他の高バンドギャップ物質としてシリコン酸化物(SiO)を含むこともできる。誘電層DEは、高バンドギャップ物質を含むことにより漏れ電流が抑制され得る。高バンドギャップ物質は、高誘電率物質より薄いことができる。他の実施形態において、誘電層DEは、高誘電率物質と高バンドギャップ物質とが交互に積層されたラミネート構造(Laminated structure)を含むことができる。例えば、誘電層DEは、ZAZA(ZrO/Al/ZrO/Al)スタック、ZAZAZ(ZrO/Al/ZrO/Al/ZrO)スタック、HAHA(HfO/Al/HfO/Al)スタック、またはHAHAH(HfO/Al/HfO/Al/HfO)スタックを備えることができる。上記のようなラミネート構造において、アルミニウム酸化物(Al)は、ジルコニウム酸化物(ZrO)及びハフニウム酸化物(HfO)より薄いことができる。
【0048】
他の実施形態において、誘電層DEは、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物を含むスタック構造、ラミネート構造、または相互ミキシング構造を含むことができる。
【0049】
他の実施形態において、第1の電極SNと誘電層DEとの間に漏れ電流改善のための界面制御層がさらに形成されることができる。界面制御層は、チタニウム酸化物(TiO)、タンタル酸化物(Ta)、またはニオブ酸化物(Nb)を含むことができる。界面制御層は、第2の電極PNと誘電層DEとの間にも形成されることができる。
【0050】
データ格納要素CAPは、MIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタを備えることができる。第1の電極SN及び第2の電極PNは、金属-ベース物質(Metal-base material)を含むことができる。
【0051】
データ格納要素CAPは、他のデータ格納物質に代替されることもできる。例えば、データ格納物質は、相変換物質、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)、または可変抵抗物質であることができる。
【0052】
上述したように、メモリセルMCは、トリプル仕事関数電極構造を有する水平導電ラインDWLを備えることができる。水平導電ラインDWLの第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の各々が第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3を備えることができる。第1の仕事関数電極G1は、チャネルCHにオーバーラップされることができ、第2の仕事関数電極G2は、垂直導電ラインBL及び第1のドープド領域SRに隣接することができ、第3の仕事関数電極G3は、データ格納要素CAP及び第2のドープド領域DRに隣接することができる。第2の仕事関数電極G2の低い仕事関数により、水平導電ラインDWLと垂直導電ラインBLとの間に低い電界が形成されて、漏れ電流を改善できる。第3の仕事関数電極G3の低い仕事関数により、水平導電ラインDWLとデータ格納要素CAPとの間に低い電界が形成されて、漏れ電流を改善できる。第1の仕事関数電極G1の高い仕事関数により、スイッチング要素TRの高い閾値電圧を形成できるだけでなく、低い電界形成によりメモリセルMCの高さを下げることができ、集積度の側面でも有利である。
【0053】
比較例1として、第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2が金属-ベース物質単独で形成される場合、金属-ベース物質の高仕事関数により、第1、2の水平導電ラインWL1、WL2とデータ格納要素CAPとの間に高い電界が形成され、これは、メモリセルMCの漏れ電流を劣化させる。このような高い電界による漏れ電流劣化は、チャネルCHが薄くなるほど深化される。
【0054】
比較例2として、第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2が低仕事関数物質単独で形成される場合、低い仕事関数により、スイッチング要素TRの閾値電圧が減少して漏れ電流を発生させる。
【0055】
本実施形態は、水平導電ラインDWLの第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2が各々トリプル電極構造を有するので、漏れ電流が改善され、これにより、メモリセルMCのリフレッシュ特性を確保して低電力化が可能である。
【0056】
また、本実施形態は、水平導電ラインDWLの第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2が各々トリプル電極構造を有するので、高集積化のためにチャネルCHの厚みが減少しても、電界増加に相対的に有利であって、高い積層数を実現できる。
【0057】
図2Aは、実施形態に係る半導体装置の概略的な平面図を示す。図2Bは、図2AのA-A’線に沿った断面図である。
【0058】
図2A及び図2Bに示すように、半導体装置100は、下部構造物LS及びメモリセルアレイMCAを備えることができる。メモリセルアレイMCAは、メモリセルMCの3次元アレイを備えることができる。メモリセルMCの3次元アレイは、メモリセルMCのコラムアレイ(column array)及びメモリセルMCのローアレイ(row array)を備えることができる。メモリセルMCのコラムアレイは、第1の方向D1に沿って複数のメモリセルMCが積層され得るし、メモリセルMCのローアレイは、第3の方向D3に沿って複数のメモリセルMCが水平に配置され得る。一部実施形態等において、第1の方向D1に沿って積層されたメモリセルMC間にセル絶縁層が配置され得る。第3の方向D3に沿って隣接するメモリセルMC間に素子分離層ISOが配置され得る。素子分離層ISOは、第1の分離物質ISO1及び第2の分離物質ISO2を含むことができる。第1の分離物質ISO1は、シリコン酸化物であることができ、第2の分離物質ISO2は、シリコンカーボン酸化物(SiCO)を含むことができる。メモリセルアレイMCAは、下部構造物LS上部に位置することができる。
【0059】
個別メモリセルMCは、垂直導電ラインBL、スイッチング要素TR、及びデータ格納要素CAPを備えることができる。個別スイッチング要素TRは、トランジスタであって、水平層HL、ゲート絶縁層GD、及び水平導電ラインDWLを備えることができる。個別水平層HLは、第1のドープド領域SR、第2のドープド領域DR、及び第1のドープド領域SRと第2のドープド領域DRとの間のチャネルCHを備えることができる。個別水平導電ラインDWLは、第1の水平導電ラインWL1及び第2の水平導電ラインWL2の一対を備えることができる。第1の水平導電ラインWL1及び第2の水平導電ラインWL2の各々は、第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3を備えることができる。個別データ格納要素CAPは、第1の電極SN、第2の電極PN、及び第1の電極SNと第2の電極PNとの間の誘電層DEを備えることができる。
【0060】
メモリセルMCのコラムアレイは、第1の方向D1に沿って積層された複数のスイッチング要素TRを備えることができ、メモリセルMCのローアレイは、第3の方向D3に沿って水平に配置された複数のスイッチング要素TRを備えることができる。
【0061】
水平層HLは、下部構造物LS上部で第1の方向D1に沿って積層されることができ、また、水平層HLは、下部構造物LSから離間し、下部構造物LSの表面に平行な第2の方向D1に沿って延びることができる。
【0062】
垂直導電ラインBLは、下部構造物LSの表面に垂直な第1の方向D1に沿って延びるものの、水平層HLの一側端に接続されることができる。
【0063】
データ格納要素CAPは、水平層HLの他側端の各々に接続されることができる。
【0064】
水平導電ラインDWLは、下部構造物LS上部で第1の方向D1に沿って積層されることができ、また、水平導電ラインDWLは、下部構造物LSから離間し、下部構造物LSの表面に平行な第3の方向D1に沿って延びることができる。
【0065】
データ格納要素CAPの第2の電極PNは、コモンプレート(Commonplate、PL)に接続されることができる。第3の方向D3に沿って水平に配置されたスイッチング要素TRの水平層HLは、1つの水平導電ラインDWLを共有できる。第3の方向D3に沿って水平に配置されたスイッチング要素TRの水平層HLは、互いに異なる垂直導電ラインBLに接続されることができる。第1の方向D1に沿って積層されたスイッチング要素TRは、1つの垂直導電ラインBLを共有できる。第3の方向D3に沿って水平に配置されたスイッチング要素TRは、1つの水平導電ラインDWLを共有できる。
【0066】
下部構造物LSは、半導体基板または周辺回路部を備えることができる。下部構造物LSは、メモリセルアレイMCAより低いレベルに配置されることができる。これをCOP(Cell over PERI)構造と称することができる。周辺回路部は、メモリセルアレイMCAを駆動させるための少なくとも1つ以上の制御回路を備えることができる。周辺回路部の少なくとも1つ以上の制御回路は、N-チャネルトランジスタ、P-チャネルトランジスタ、CMOS回路、またはこれらの組み合わせを含むことができる。周辺回路部の少なくとも1つ以上の制御回路は、アドレスデコーダ回路、リード回路、ライト回路などを備えることができる。周辺回路部の少なくとも1つ以上の制御回路は、プラナチャネルトランジスタ(Planar channel transistor)、リセスチャネルトランジスタ(Recess channel transistor)、埋め込みゲートトランジスタ(Buried gate transistor)、フィンチャネルトランジスタ(Fin channel transistor、FinFET)などを備えることができる。
【0067】
例えば、周辺回路部は、サブワードラインドライバ及びセンスアンプを備えることができる。水平導電ラインDWLは、サブワードラインドライバに接続されることができる。垂直導電ラインBLは、センスアンプに接続されることができる。
【0068】
他の実施形態において、メモリセルアレイMCAより高いレベルに周辺回路部が位置しうる。これをPOC(PERI over Cell)構造と称することができる。
【0069】
メモリセルアレイMCAは、第1の方向D1に沿って積層された水平導電ラインDWLを備えることができる。個別水平導電ラインDWLは、第1の水平導電ラインWL1と第2の水平導電ラインWL2との対を含むことができる。
【0070】
第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の各々は、第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3を備えることができる。第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3は、第2の方向D2に沿って水平に位置することができる。第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3は、互いに直接接触しながら互いに平行することができる。第2の仕事関数電極G2は、垂直導電ラインBLに隣接することができ、第3の仕事関数電極G3は、データ格納要素CAPに隣接することができる。第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3は、互いに異なる仕事関数物質で形成される。第1の仕事関数電極G1は、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3より仕事関数が高いことができる。第1の仕事関数電極G1は、高仕事関数物質を含むことができる。第1の仕事関数電極G1は、シリコンのミッドギャップ仕事関数より高い仕事関数を有することができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、低仕事関数物質を含むことができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、シリコンのミッドギャップ仕事関数より低い仕事関数を有することができる。付け加えると、高仕事関数物質は、4.5eVより高い仕事関数を有し、低仕事関数物質は、4.5eVより低い仕事関数を有することができる。
【0071】
第1の仕事関数電極G1は、金属-ベース物質を含むことができ、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、半導体物質を含むことができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、N型ドーパントでドーピングされたドープドポリシリコンを含むことができる。第1の仕事関数電極G1は、金属、金属窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第1の仕事関数電極G1は、タングステン、チタニウム窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3と第1の仕事関数電極G1との間にバリア物質がさらに形成されることができる。
【0072】
第1の仕事関数電極G1は、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3より体積(Volume)がさらに大きいことができ、これにより、水平導電ラインDWLは、低い抵抗を有することができる。第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の第1の仕事関数電極G1は、水平層HLを挟んで第1の方向D1に沿って垂直にオーバーラップされることができる。第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、水平層HLを挟んで第1の方向D1に沿って垂直にオーバーラップされることができる。第1の仕事関数電極G1と水平層HLとのオーバーラップ面積は、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3と水平層HLとのオーバーラップ面積よりさらに大きいことができる。第2及び第3の仕事関数電極G2、G3と第1の仕事関数電極G1とは、第3の方向D3に沿って延びることができ、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3と第1の仕事関数電極G1とは、直接接触することができる。
【0073】
水平導電ラインDWLの第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の各々は、第2の方向D2に沿って水平に配置されるPMP(Poly Si-Metal-Poly Si)構造であることができる。第1の仕事関数電極G1は、「TiN/Wスタック」であることができ、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、N型ドーパントでドーピングされたドープドポリシリコン(N-type dopant doped polysilicon)であることができる。
【0074】
水平導電ラインDWLの第1の仕事関数電極G1は、第1のバリア層G1L及びバルク層G1Bの順に積層されたスタックを備えることができ、第1の仕事関数電極G1と第2の仕事関数電極G2との間に配置された第2のバリア層G2Lをさらに備えることができる。第1及び第2のバリア層G1L、G2Lは、チタニウム窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物、またはモリブデン窒化物を含むことができる。
【0075】
第1のバリア層G1Lは、第3の方向D3に沿って延びる連続性物質を含むことができ、第2のバリア層G2Lは、素子分離層ISOによりカッティングされる不連続性物質を含むことができる。第1のバリア層G1Lは、第3の仕事関数電極G3及び素子分離層ISOに同時に接触しながら延びることができる。第2のバリア層G2Lは、第3の方向D3に沿って配置された素子分離層ISO間に配置されることができる。
【0076】
上述したように、第1及び第2の水平導電ラインWL1、WL2の各々は、第1、第2、及び第3の仕事関数電極G1、G2、G3を備えるトリプル(Tripple)電極構造であることができる。水平導電ラインDWLは、水平層HLを挟んで水平層HLを横断する第3の方向D3に沿って延びた一対の第1の仕事関数電極G1、一対の第2の仕事関数電極G2、及び一対の第3の仕事関数電極G3を有することができる。
【0077】
図3及び図4は、他の実施形態等に係る半導体装置の概略的な断面図である。図3及び図4において、図1A図1B図2A、及び図2Bと重複する構成要素等の詳細な説明は省略する。
【0078】
図3に示すように、半導体装置200は、メモリセルアレイMCA1を備えることができ、メモリセルアレイMCA1は、垂直導電ラインBLを共有するミラー型構造であることができる。図4に示すように、半導体装置300は、メモリセルアレイMCA2を備えることができ、メモリセルアレイMCA2は、コモンプレートPLを共有するミラー型構造であることができる。
【0079】
メモリセルアレイMCA1、MCA2は、4個のメモリセルMCを備える3次元メモリセルアレイを例示している。個別メモリセルMCは、水平層HL及び水平導電ラインDWLを備えるスイッチング要素TR、垂直導電ラインBL及びデータ格納要素CAPを備えることができる。水平導電ラインDWLは、第1の仕事関数電極G1、第2の仕事関数電極G2、及び第3の仕事関数電極G3を備えることができる。データ格納要素CAPは、第1の電極SN、誘電層DE、及び第2の電極PNを備えることができる。水平導電ラインDWLと水平層HLとの間にゲート絶縁層GDが配置され得る。水平層HLは、図1C及び図2Bにおいて参照したように、第1のドープド領域SR、チャネルCH、及び第2のドープド領域DRを備えることができる。水平導電ラインDWLは、第1の仕事関数電極G1が高仕事関数物質を含むことができ、第2の仕事関数電極G2及び第3の仕事関数電極G3が低仕事関数物質を含むことができる。第1の仕事関数電極G1は、金属-ベース物質を含むことができ、第2及び第3の仕事関数電極G2、G3は、半導体物質を含むことができる。水平導電ラインDWLの第1の仕事関数電極G1は、図1Cにおいて参照したように、第1のバリア層G1L及びバルク層G1Bを備えることができる。水平導電ラインDWLは、第1の仕事関数電極G1と第2の仕事関数電極G2との間の第2のバリア層G2Lをさらに備えることができる。
【0080】
1つの垂直導電ラインBLには、第1の方向D1に沿って互いに隣接するメモリセルMCの水平層HLが接触しうる。データ格納要素CAPは、水平層HLの各々に接続されることができる。
【0081】
半導体装置200、300は、メモリセルアレイMCA1の下の下部構造物LSをさらに備えることができ、下部構造物LSは、周辺回路部を備えることができる。周辺回路部は、メモリセルアレイMCA1より低いレベルに位置することができる。これをCOP(Cell over PERI)構造と称することができる。周辺回路部は、メモリセルアレイMCA1を駆動させるための少なくとも1つ以上の制御回路を備えることができる。
【0082】
他の実施形態において、メモリセルアレイMCA1より高いレベルに周辺回路部が位置しうる。これをPOC(PERI over Cell)構造と称することができる。
【0083】
図5図24は、実施形態等に係る半導体装置を製造する方法の一例を説明するための図である。
【0084】
図5に示されたように、下部構造物11上部にスタックボディSBが形成され得る。スタックボディSBは、複数のサブスタックが交互に積層され得る。個別サブスタックは、絶縁層12’、第1の犠牲層13’、半導体層14’、及び第2の犠牲層15’の順に積層されることができる。絶縁層12’は、シリコン酸化物を含むことができ、第1、2の犠牲層13’、15’は、シリコン窒化物を含むことができる。半導体層14’は、半導体物質または酸化物半導体物質を含むことができる。半導体層14’は、単結晶シリコン、ポリシリコン、またはIGZO(Indium gallium zinc oxide)を含むことができる。前述した実施形態等を参照したように、メモリセルを積層する場合、スタックボディSBを数回積層することができる。
【0085】
次に、スタックボディSBの一部分をエッチングして第1のオープニング16を形成できる。第1のオープニング16は、下部構造物11の表面から垂直に延びることができる。第1のオープニング16を形成する前に、図2A及び図2Bにおいて参照したように、スタックボディSBは、メモリセル単位でパターニングされることができる。
【0086】
図6に示されたように、第1のオープニング16を介して第1、2の犠牲層13’、15’を選択的にエッチングし、リセス17を形成できる。リセス17により半導体層14’の一部分が露出しうる。リセス17は、絶縁層12’間に配置されることができる。
【0087】
図7に示されたように、半導体層14’の露出した部分上にゲート絶縁層18を形成できる。ゲート絶縁層18は、シリコン酸化物(silicon oxide)、シリコン窒化物(silicon nitride)、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属シリケート、高誘電率物質(high-k material)、強誘電体物質(ferroelectric material)、反強誘電体物質(anti-ferroelectric material)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。ゲート絶縁層18は、SiO、Si、HfO、Al、ZrO、AlON、HfON、HfSiO、HfSiON、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0088】
本実施形態において、ゲート絶縁層18は、酸化工程により形成されることができ、半導体層14’の一部14Tが薄くなりうる。半導体層14’の薄い部分14Tは、シンボディ14Tと称することができる。
【0089】
図8に示されたように、リセス17内に第1の仕事関数物質19Aをコンフォーマルに形成することができる。第1の仕事関数物質19Aは、ゲート絶縁層18上でリセス17をコンフォーマルにカバーリングすることができる。第1の仕事関数物質19Aは、導電物質を含むことができる。第1の仕事関数物質19Aは、シリコンのミッドギャップ仕事関数より低い仕事関数を有することができる。例えば、第1の仕事関数物質19Aは、N型ドーパントでドーピングされたポリシリコンを含むことができる。N型ドーパントは、リン(P)またはヒ素(As)を含むことができる。
【0090】
図9に示されたように、リセス17内に第1の低仕事関数電極19を形成できる。第1の低仕事関数電極19を形成するために、第1の仕事関数物質19Aの選択的エッチングを行うことができる。例えば、第1の仕事関数物質19Aのウェットエッチングを行うことができる。
【0091】
半導体層14’のシンボディ14Tを挟んで一対の第1の低仕事関数電極19が形成され得る。第1の低仕事関数電極19は、コップ形状またはベンディド形状であることができる。
【0092】
図10に示されたように、第1の低仕事関数電極19上にリセス17の残りの部分をギャップフィルするように第1のバリア物質20A及び第2の仕事関数物質21Aを順次形成することができる。第1のバリア物質20Aは、金属-ベース物質を含むことができる。第1のバリア物質20Aは、金属窒化物を含むことができる。第2の仕事関数物質21Aは、シリコンのミッドギャップ仕事関数より高い仕事関数を有することができる。第2の仕事関数物質21Aは、第1の低仕事関数電極19より高い仕事関数を有することができる。第2の仕事関数物質21Aは、第1の低仕事関数電極19より低抵抗を有することができる。第2の仕事関数物質21Aは、金属-ベース物質を含むことができる。第2の仕事関数物質21Aは、金属窒化物、金属、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第2の仕事関数物質21Aは、チタニウム窒化物、タングステン、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第1のバリア物質20A及び第2の仕事関数物質21Aのスタックは、チタニウム窒化物とタングステンとを順次積層することができる。
【0093】
図11に示されたように、リセス17内に第1のバリア層20及び高仕事関数電極21を形成できる。第1のバリア層20及び高仕事関数電極21を形成するために、第1のバリア物質20A及び第2の仕事関数物質21Aの選択的エッチングを行うことができる。例えば、第1のバリア物質20A及び第2の仕事関数物質21Aを各々ドライエッチングまたはウェットエッチングすることができる。
【0094】
第1のバリア層20は、コップ形状またはベンディド形状であることができる。高仕事関数電極21は、第1のバリア層20の内側面に配置されることができる。高仕事関数電極21は、第1のバリア層20を挟んで第1の低仕事関数電極19の一側面に隣接することができる。高仕事関数電極21は、第1の低仕事関数電極19より高い仕事関数を有することができる。高仕事関数電極21は、金属-ベース物質を含むことができる。例えば、高仕事関数電極21は、チタニウム窒化物、タングステン、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0095】
半導体層14’のシンボディ14Tを挟んで一対の高仕事関数電極21が形成され得る。第1の低仕事関数電極19と高仕事関数電極21とは、リセス17を部分的に満たすことができる。高仕事関数電極21が形成された後に、第1の犠牲リセス21Rが画定され得る。
【0096】
図12に示されたように、第1の犠牲リセス21R内に第2のバリア物質22Aが形成され得る。第2のバリア物質22Aは、第1の犠牲リセス21Rをコンフォーマルにカバーリングすることができる。第2のバリア物質22Aは、金属-ベース物質を含むことができる。第2のバリア物質22Aは、金属窒化物を含むことができる。第2のバリア物質22Aは、チタニウム窒化物を含むことができる。
【0097】
第2のバリア物質22A上に犠牲バリア23を形成できる。犠牲バリア23は、ポリシリコンを含むことができる。犠牲バリア23を形成するために、ポリシリコンの蒸着及びにエッチバックが行われ得る。
【0098】
図13に示されたように、犠牲バリア23をエッチストッパとして使用して、第2のバリア物質22Aを選択的にエッチングすることができる。これにより、高仕事関数電極21及び第1のバリア層20に接触する第2のバリア層22が形成され得る。
【0099】
図14に示されたように、犠牲バリア23を除去できる。犠牲バリア23を除去することにより、第2のバリア層22を露出させる第2の犠牲リセス23Rが画定されうる。
【0100】
図15に示されたように、第2のバリア層22に接触する第2の低仕事関数電極24を形成できる。第2の低仕事関数電極24を形成するステップは、第2のバリア層22上に第2の犠牲リセス23Rを満たすように第3の仕事関数物質を蒸着するステップ、第2の低仕事関数電極24を形成するために第3の仕事関数物質をエッチングするステップを含むことができる。第2の低仕事関数電極24は、N型ドーパントでドーピングされたポリシリコンを含むことができる。第1の低仕事関数電極19と第2の低仕事関数物質24とは、同一物質であることができる。
【0101】
半導体層14’のシンボディ14Tを挟んで一対の第2の低仕事関数電極24が形成され得る。
【0102】
上述したような一連の工程等により、半導体層14’のシンボディ14Tを挟んで一対の第1の低仕事関数電極19、一対の高仕事関数電極21、及び一対の第2の低仕事関数電極24が形成され得る。一対の第1の低仕事関数電極19、一対の高仕事関数電極21、及び一対の第2の低仕事関数電極24は、ダブル構造の水平導電ラインDWLになることができる。図1A図3において参照したような第1の仕事関数電極G1は、高仕事関数電極21に対応することができ、図1A図3において参照したような第2の仕事関数電極G2は、第2の低仕事関数電極24に対応し、図1A図3において参照したような第3の仕事関数電極G3は、第1の低仕事関数電極19に対応することができる。高仕事関数電極21は、第1の低仕事関数電極19に平行であるものの、第1の低仕事関数電極19より高い仕事関数を有し、第2の低仕事関数電極24は、高仕事関数電極21に平行であるものの、高仕事関数電極21より低い仕事関数を有する。第1の低仕事関数電極19と高仕事関数電極21との間に第1のバリア層20が位置しうるし、第2の低仕事関数電極24と高仕事関数電極21との間に第2のバリア層22が位置しうる。第1及び第2のバリア層20、22により高仕事関数電極21と第1、2の低仕事関数電極19、24との間の相互拡散が防止され得る。
【0103】
第1の低仕事関数電極19は、ベンディド形状(Bended shape)またはコップ形状であることができる。第1の低仕事関数電極19は、第1のバリア層20をカバーリングする内側面を備えることができる。第1の低仕事関数電極19は、ベンディド低仕事関数物質を含むことができる。第1のバリア層20は、高仕事関数電極21の一部分をサラウンディングすることができる。第1のバリア層20は、ベンディド形状(Bended shape)またはコップ形状であることができる。第1のバリア層20は、高仕事関数電極21をカバーリングする内側面と第1の低仕事関数電極19に接触する外側面とを備えることができる。第1のバリア層20は、第1の低仕事関数電極19の内側面に満たされた突出部形状であることができる。第2のバリア層22は、垂直型またはフラット型形状であることができる。
【0104】
第1の低仕事関数電極19、高仕事関数電極21、及び第2の低仕事関数電極24は、トリプル(Tripple)仕事関数電極構造であって、図1A図2Bにおいて参照したような水平導電ラインDWLを構成できる。
【0105】
図16に示されたように、第2の低仕事関数電極24の側面に第1のキャップフィル層25を形成できる。第1のキャップフィル層25は、シリコン酸化物またはシリコン窒化物を含むことができる。
【0106】
次に、第1のキャップフィル層25により露出したゲート絶縁層18の一部分をエッチングして、半導体層14’のシンボディ14Tの一側端を露出させることができる。
【0107】
図17に示されたように、半導体層14’のシンボディ14Tの一側端に接続される第1のコンタクトノード26を形成できる。第1のコンタクトノード26は、N型不純物がドーピングされたポリシリコンを含むことができる。
【0108】
第1のコンタクトノード26を形成した後に、熱処理を行い、半導体層14’のシンボディ14T内に第1のドープド領域27を形成できる。第1のドープド領域27は、第1のコンタクトノード26から拡散された不純物を含むことができる。他の実施形態において、第1のドープド領域27は、不純物のドーピング工程により形成されることができる。
【0109】
他の実施形態において、第1のコンタクトノード26の底部分が部分的にカッティングされ得る。
【0110】
図18に示されたように、第1のコンタクトノード26上に垂直導電ライン28が形成され得る。垂直導電ライン28は、第1のオープニング16を満たすことができる。垂直導電ライン28は、チタニウム窒化物、タングステン、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0111】
他の実施形態において、垂直導電ライン28を形成する前に、半導体層14’のシンボディ14Tの一側端に接続される第1のオミックコンタクトを形成できる。第1のオミックコンタクトは、金属シリサイドを含むことができる。例えば、金属層蒸着及びアニールを順次行って金属シリサイドを形成でき、未反応金属層は除去することができる。金属シリサイドは、半導体層14’のシンボディ14Tのシリコンと金属層とが反応して形成されることができる。
【0112】
図19に示されたように、スタックボディSBの他の部分をエッチングして第2のオープニング29を形成できる。第2のオープニング29は、下部構造物11の表面から垂直に延びることができる。
【0113】
図20に示されたように、第2のオープニング29を介して第1、2の犠牲層13’、15’及び半導体層14’を選択的にリセスさせることができる。これにより、絶縁層12’間にワイドオープニング(Wide opening)30が形成され得る。シンボディ14Tを備える半導体層14’は、図面符号「14」のように、水平層14として残留することができ、ワイドオープニング30により水平層14の他側端が露出しうる。第1及び第2の犠牲層13’、15’の選択的リセス工程により、第1の低仕事関数電極19の側面に各々第2のキャッピング層13、15が形成され得る。
【0114】
水平層14は、第1の低仕事関数電極19、高仕事関数電極21、及び第2の低仕事関数電極24より薄いことができる。水平層14は、シン-ボディ活性層と称することができる。
【0115】
図21に示されたように、第2のコンタクトノード31が形成され得る。第2のコンタクトノード31は、不純物を含むポリシリコンを含むことができる。第2のコンタクトノード31を形成するステップは、ワイドオープニング30上にドープドポリシリコンを形成するステップ、ドープドポリシリコンをエッチングするステップを含むことができる。
【0116】
次に、第2のドープド領域32が形成され得る。第2のドープド領域32は、後続熱処理を行って第2のコンタクトノード31から水平層14の他側端へと不純物を拡散させることができる。これにより、水平層14の他側端内に第2のドープド領域32が形成され得る。第1のドープド領域27と第2のドープド領域32との間にチャネル33が画定され得る。第1のドープド領域27、チャネル33、及び第2のドープド領域32は、図1Bの第1のドープド領域SR、チャネルCH、及び第2のドープド領域DRに対応することができる。
【0117】
他の実施形態において、ワイドオープニング30を形成した後に、水平層14の他側端内に第2のドープド領域32を形成できる。第2のドープド領域32は、不純物のドーピング工程により形成されることができる。
【0118】
他の実施形態において、水平層14の他側端に接続される第2のオミックコンタクトを形成できる。第2のオミックコンタクトは、金属シリサイドを含むことができる。例えば、金属層蒸着及びアニールを順次行って金属シリサイドを形成でき、未反応金属層は除去することができる。金属シリサイドは、水平層14のシリコンと金属層とが反応して形成されることができる。
【0119】
図22に示されたように、水平層14の他側端に各々接触する第1の電極34を形成できる。第1の電極34を形成するために、導電物質の蒸着及びエッチバック工程を行うことができる。第1の電極34は、チタニウム窒化物を含むことができる。第1の電極34は、水平に配向されたシリンダー形状であることができる。
【0120】
図23に示されたように、絶縁層12’を部分的にリセス35させることができる。これにより、第1の電極34の外壁が露出しうる。残留する絶縁層12は、水平導電ラインDWLに接触することができる。残留絶縁層12をセル絶縁層またはセル分離層と称することができる。
【0121】
図24に示されたように、第1の電極34上に誘電層36及び第2の電極37を順次形成することができる。第1の電極34、誘電層36、及び第2の電極37は、データ格納要素CAPになることができる。
【0122】
他の実施形態において、水平導電ラインDWLは、シングル構造であることができる。例えば、シングル構造の水平導電ラインは、第1の水平導電ラインWL1及び第2の水平導電ラインWL2のうち1つの水平導電ラインを備えることができる。シングル構造の水平導電ラインは、トリプル仕事関数構造を含むことができる。
【0123】
前述した本発明は、前述した実施形態及び添付された図面により限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形、及び変更が可能であるということが本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【符号の説明】
【0124】
DWL 水平導電ライン
HL 水平層
GD ゲート絶縁層
CH チャネル
SR 第1のドープド領域
DR 第2のドープド領域
BL 垂直導電ライン
TR スイッチング要素
CAP データ格納要素
SN 第1の電極
DE 誘電層
PN 第2の電極
PL コモンプレート
WL1 第1の水平導電ライン
WL2 第2の水平導電ライン
MCA メモリセルアレイ
MC メモリセル
G1 第1の仕事関数電極
G2 第2の仕事関数電極
G3 第3の仕事関数電極
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24