IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧

特開2024-96237高吸水性リサイクルポリマーの製造方法、及び高吸水性リサイクルポリマー
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096237
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】高吸水性リサイクルポリマーの製造方法、及び高吸水性リサイクルポリマー
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/34 20060101AFI20240705BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20240705BHJP
   C08J 11/06 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B01J20/34 G
B01J20/26 D
C08J11/06 ZAB
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071939
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2020071221の分割
【原出願日】2020-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100201112
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 美紀
(72)【発明者】
【氏名】小西 孝義
(72)【発明者】
【氏名】坂東 健司
(72)【発明者】
【氏名】平岡 利夫
(72)【発明者】
【氏名】栗田 範朋
(57)【要約】
【課題】粒子同士が固着することを抑制し、各粒子を効率よく乾燥させることができるとともに、白さに優れる高吸水性リサイクルポリマーを製造することができる、高吸水性リサイクルポリマーの製造方法を提供すること。
【解決手段】使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法であって、上記使用済の高吸水性ポリマーを脱水し、脱水された高吸水性ポリマーを形成する脱水ステップ、上記脱水された高吸水性ポリマーに、高吸水性ポリマーの粒子群を付着させ、粒子群が付着した高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記脱水された高吸水性ポリマーが保持している水分を上記粒子群に吸収させる粒子群付着ステップ、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを乾燥し、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する乾燥ステップを含むことを特徴とする方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法であって、
前記使用済の高吸水性ポリマーを脱水し、脱水された高吸水性ポリマーを形成する脱水ステップ、
前記脱水された高吸水性ポリマーに、高吸水性ポリマーの粒子群を付着させ、粒子群が付着した高吸水性ポリマーを形成するとともに、前記脱水された高吸水性ポリマーが保持している水分を前記粒子群に吸収させる粒子群付着ステップ、
前記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを乾燥し、前記高吸水性リサイクルポリマーを形成する乾燥ステップ、
を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記高吸水性リサイクルポリマーが、80以上の白色度(W)と、20以下の黄色度(YI)とを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記脱水ステップにおいて、前記使用済の高吸水性ポリマーを、塩、酸又は塩基に接触させることにより、前記脱水された高吸水性ポリマーを形成する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記脱水ステップにおいて、前記使用済の高吸水性ポリマーを、前記塩に接触させることにより、前記脱水された高吸水性ポリマーを形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記使用済の高吸水性ポリマーが酸基を含み、前記脱水ステップにおいて、前記使用済の高吸水性ポリマーを、前記塩基を含む水溶液に浸漬することにより、前記脱水された高吸水性ポリマーを形成し、前記塩基が、アルカリ金属の水酸化物である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記使用済の高吸水性ポリマーが酸基を含み、前記脱水ステップにおいて、前記酸が、前記酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも小さい酸解離定数(pKa,水中)を有する酸である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記脱水ステップにおいて、前記脱水された高吸水性ポリマーが、10質量%以上の固形率を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記粒子群付着ステップにおいて、前記粒子群が付着した高吸水性ポリマーが、30質量%超の固形率を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子群付着ステップにおいて、前記高吸水性ポリマーの粒子群が、90質量%以上の固形率を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子群付着ステップにおいて、前記高吸水性ポリマーの粒子群が、45μm超且つ300μm以下の粒径を有する粒子を60質量%以上含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記乾燥ステップにおいて、前記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを80~150℃の乾燥温度で、60~180分間乾燥する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記使用済の高吸水性ポリマーが、パルプ繊維を含む、使用済の衛生用品に含まれており、
前記脱水ステップが、次のサブステップ、
前記使用済の高吸水性ポリマー及び前記パルプ繊維を含む混合物を、前記使用済の高吸水性ポリマーから、2.0~9.0質量%の固形率を有する1次脱水された高吸水性ポリマーが形成されるように1次脱水するとともに、1次脱水された高吸水性ポリマーと、前記パルプ繊維とを分離する、1次脱水サブステップ、
1次脱水された高吸水性ポリマーを、10.0~40.0質量%の固形率を有する2次脱水された高吸水性ポリマーが形成するように脱水する、2次脱水サブステップ、
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーであって、
前記高吸水性リサイクルポリマーが、前記使用済の高吸水性ポリマーから回収された高吸水性ポリマーと、前記高吸水性ポリマーの表面に連結された、高吸水性ポリマーの粒子群とを備えており、
前記高吸水性リサイクルポリマーが、80以上の白色度(W)と、20以下の黄色度(YI)とを有する、
ことを特徴とする、前記高吸水性リサイクルポリマー。
【請求項14】
前記高吸水性リサイクルポリマーが、30倍(g/g)以上の吸水倍率を有する、請求項13に記載の高吸水性リサイクルポリマー。
【請求項15】
前記高吸水性リサイクルポリマーが、20倍(g/g)以上の保水倍率を有する、請求項13又は14に記載の前記高吸水性リサイクルポリマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法、及び使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
使用済の高吸水性ポリマーを再生し、再利用することが検討されている。
例えば、特許文献1には、以下の吸水性樹脂の再生方法が開示されている。
使用済みの体液吸収性物品から被吸収液を吸収した吸水性樹脂を取り出し、洗浄および脱水処理を行う吸水性樹脂の再生方法であって、洗浄及び/又は脱水処理が、該吸水性樹脂が吸収した被吸収液を排出する環境に置く操作を含むことを特徴とする吸水性樹脂の再生方法。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-326161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の方法は、被吸収液を吸収した吸水性樹脂を洗浄及び/又は脱水処理するものの、吸水性樹脂から全ての被吸収液を脱水するものではないため、再生された吸水性樹脂が、被吸収液の色を呈しやすい傾向がある。
また、特許文献1に記載の方法では、再生された吸水性樹脂を得るために乾燥工程を行う際に、吸水性樹脂同士が固着してしまうため、引例1の実施例等に記載されるように、解砕工程及び分級工程が必要となる。
従って、本開示は、粒子同士が固着することを抑制し、各粒子を効率よく乾燥させることができるとともに、白さに優れる高吸水性リサイクルポリマーを製造することができる、高吸水性リサイクルポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示者らは、使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法であって、上記使用済の高吸水性ポリマーを脱水し、脱水された高吸水性ポリマーを形成する脱水ステップ、上記脱水された高吸水性ポリマーに、高吸水性ポリマーの粒子群を付着させ、粒子群が付着した高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記脱水された高吸水性ポリマーが保持している水分を上記粒子群に吸収させる粒子群付着ステップ、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを乾燥し、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する乾燥ステップを含むことを特徴とする方法を見出した。
【発明の効果】
【0006】
本開示の高吸水性リサイクルポリマーの製造方法は、粒子同士が固着することを抑制し、各粒子を効率よく乾燥させることができるとともに、白さに優れる高吸水性リサイクルポリマーを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
具体的には、本開示は以下の態様に関する。
[態様1]
使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法であって、
上記使用済の高吸水性ポリマーを脱水し、脱水された高吸水性ポリマーを形成する脱水ステップ、
上記脱水された高吸水性ポリマーに、高吸水性ポリマーの粒子群を付着させ、粒子群が付着した高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記脱水された高吸水性ポリマーが保持している水分を上記粒子群に吸収させる粒子群付着ステップ、
上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを乾燥し、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する乾燥ステップ、
を含むことを特徴とする、上記方法。
【0008】
上記製造方法では、所定の脱水ステップと、粒子群付着ステップと、乾燥ステップとを含む。上記粒子群付着ステップでは、高吸水性ポリマーの粒子群が、脱水された高吸水性ポリマーに付着するとともに、脱水された高吸水性ポリマーが保持している水分を吸収する。また、高吸水性ポリマーの粒子群が、脱水された高吸水性ポリマーに付着することによって、その表面積が大きくなる。従って、上記製造方法は、上記乾燥ステップにおいて、粒子同士が固着することを抑制しつつ、各粒子を効率よく乾燥させ、高吸水性リサイクルポリマーを効率よく形成することができる。
なお、本明細書において、粒子同士の固着を抑制することを、「固着抑制性」と称し、各粒子を効率よく乾燥することを、「効率乾燥性」と称する場合がある。
【0009】
さらに、上記高吸水性リサイクルポリマーは、その表面に粒子群が付着しているため、光が乱反射しやすく、白さに優れ、使用者に清潔感を覚えさせることができるとともに、使用者に安心感を覚えさせることができる。
【0010】
[態様2]
上記高吸水性リサイクルポリマーが、80以上の白色度(W)と、20以下の黄色度(YI)とを有する、態様1に記載の方法。
【0011】
使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーは、使用中に吸収した液体の色に着色されている場合が多い。例えば、使用済の高吸水性ポリマーが、排泄物を吸収している場合には、使用済の高吸水性ポリマーが茶系に着色されている場合が多い。
そして、そのような場合には、使用済の高吸水性ポリマーから形成される高吸水性リサイクルポリマーが、茶系に着色されたままとなることが多い。
上記製造方法では、上記高吸水性リサイクルポリマーが、所定の白色度Wと、所定の黄色度YIとを有するので、白さに優れ、使用者に清潔感を覚えさせることができる。
【0012】
[態様3]
上記脱水ステップにおいて、上記使用済の高吸水性ポリマーを、塩、酸又は塩基に接触させることにより、上記脱水された高吸水性ポリマーを形成する、態様1又は2に記載の方法。
【0013】
上記製造方法では、脱水ステップにおいて、塩、酸又は塩基に接触させることにより、脱水された高吸水性ポリマーを形成する。従って、脱水された高吸水性ポリマーが、高い固形率を有しやすく、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群を付着させやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れる。
【0014】
[態様4]
上記脱水ステップにおいて、上記使用済の高吸水性ポリマーを、上記塩に接触させることにより、上記脱水された高吸水性ポリマーを形成する、態様3に記載の方法。
【0015】
上記製造方法では、脱水ステップにおいて、使用済の高吸水性ポリマーを、所定の塩に接触させ、浸透圧の差を用いて、使用済の高吸水性ポリマーを脱水する。従って、上記製造方法は、高い固形率を有する、脱水された高吸水性ポリマーを形成することができる。また、脱水された高吸水性ポリマーの固形率が高くなる傾向にある。その結果、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群を付着させやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0016】
[態様5]
上記使用済の高吸水性ポリマーが酸基を含み、上記脱水ステップにおいて、上記使用済の高吸水性ポリマーを、上記塩基を含む水溶液に浸漬することにより、上記脱水された高吸水性ポリマーを形成し、上記塩基が、アルカリ金属の水酸化物である、態様3に記載の方法。
【0017】
上記製造方法では、脱水ステップにおいて、アルカリ金属の水酸化物を含む水溶液を用いて、使用済の高吸水性ポリマーを脱水する。従って、使用済の高吸水性ポリマーが有する酸基及びその塩(特に、カルシウム塩)の一部が、アルカリ金属塩を形成するため、高吸水性リサイクルポリマー、特に、その使用済の高吸水性ポリマーに由来する部分が、吸水性に優れる。また、脱水された高吸水性ポリマーの固形率が高くなる傾向にある。その結果、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群を付着させやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0018】
[態様6]
上記使用済の高吸水性ポリマーが酸基を含み、上記脱水ステップにおいて、上記酸が、上記酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも小さい酸解離定数(pKa,水中)を有する酸である、態様3に記載の方法。
【0019】
上記製造方法では、脱水ステップにおいて、所定の酸を含む水溶液を用いて、脱水された高吸水性ポリマーを形成する。従って、使用済の高吸水性ポリマーの酸基が、その塩から、遊離の酸基を有するようになる傾向が高くなり、脱水された高吸水性ポリマーの固形率が高くなる傾向にある。その結果、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群を付着させやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0020】
[態様7]
上記脱水ステップにおいて、上記脱水された高吸水性ポリマーが、10質量%以上の固形率を有する、態様1~6のいずれか一項に記載の方法。
【0021】
上記製造方法では、脱水ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーが、所定の固形率を有する。従って、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群を付着させやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0022】
[態様8]
上記粒子群付着ステップにおいて、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーが、30質量%超の固形率を有する、態様1~7のいずれか一項に記載の方法。
【0023】
上記製造方法では、粒子群付着ステップにおいて、粒子群が付着した高吸水性ポリマーが、所定の固形率を有することから、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れる。
【0024】
[態様9]
上記粒子群付着ステップにおいて、上記高吸水性ポリマーの粒子群が、90質量%以上の固形率を有する、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
【0025】
上記製造方法では、粒子群付着ステップにおいて、高吸水性ポリマーの粒子群が、所定の固形率を有することから、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群が付着しやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0026】
[態様10]
上記粒子群付着ステップにおいて、上記高吸水性ポリマーの粒子群が、45μm超且つ150μm以下の粒径を有する粒子を60質量%以上含む、態様1~9のいずれか一項に記載の方法。
【0027】
上記製造方法では、粒子群付着ステップにおいて、高吸水性ポリマーの粒子群が、所定の粒径を有する粒子を所定量含むことから、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群が付着しやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れる。また、上記高吸水性リサイクルポリマーが、その表面に所定の粒径を有する粒子を所定量含む粒子群を有していることから、光が乱反射しやすく、白さに優れる。
【0028】
[態様11]
上記乾燥ステップにおいて、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを80~150℃の乾燥温度で、60~180分間乾燥する、態様1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0029】
上記製造方法では、乾燥ステップにおいて、粒子群が付着した高吸水性ポリマーを、所定の条件で乾燥することから、高吸水性リサイクルポリマーの、着色、変色等を抑制することができる。
【0030】
[態様12]
上記使用済の高吸水性ポリマーが、パルプ繊維を含む、使用済の衛生用品に含まれており、
上記脱水ステップが、次のサブステップ、
上記使用済の高吸水性ポリマー及び上記パルプ繊維を含む混合物を、上記使用済の高吸水性ポリマーから、2.0~9.0質量%の固形率を有する1次脱水された高吸水性ポリマーが形成されるように1次脱水するとともに、1次脱水された高吸水性ポリマーと、上記パルプ繊維とを分離する、1次脱水サブステップ、
1次脱水された高吸水性ポリマーを、10.0~40.0質量%の固形率を有する2次脱水された高吸水性ポリマーが形成するように脱水する、2次脱水サブステップ、
を含む、態様1~11のいずれか一項に記載の方法。
【0031】
上記製造方法では、脱水ステップが、1次脱水サブステップと、2次脱水サブステップとを含む。1次脱水サブステップでは、1次脱水された高吸水性ポリマーから、所定の固形率を有する1次脱水された高吸水性ポリマーを形成するため、衛生用品を構成する構成資材から、1次脱水された高吸水性ポリマー及びパルプ繊維の混合物を分離しやすくなる。また、分離した混合物において、1次脱水された高吸水性ポリマーと、パルプ繊維とを離間させ、そして1次脱水された高吸水性ポリマーを取り出しやすくなる。
【0032】
次いで、2次脱水サブステップでは、1次脱水された高吸水性ポリマーから、所定の固形率を有する2次脱水された高吸水性ポリマー(脱水された高吸水性ポリマー)を形成する。従って、1次脱水された高吸水性ポリマーが保持している水分を排出させ、高吸水性ポリマーを清浄化することができ、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群を付着させやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0033】
[態様13]
使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーであって、
上記高吸水性リサイクルポリマーが、上記使用済の高吸水性ポリマーから回収された高吸水性ポリマーと、上記高吸水性ポリマーの表面に連結された、高吸水性ポリマーの粒子群とを備えており、
上記高吸水性リサイクルポリマーが、80以上の白色度(W)と、20以下の黄色度(YI)とを有する、
ことを特徴とする、上記高吸水性リサイクルポリマー。
【0034】
上記高吸水性リサイクルポリマーは、その表面に連結された高吸水性ポリマーの粒子群を備えているとともに、所定の白色度Wと、20以下の黄色度YIとを有する。従って、上記高吸水性リサイクルポリマーは、白さに優れ、使用者に清潔感を覚えさせることができるとともに、使用者に安心感を覚えさせることができる。
【0035】
[態様14]
上記高吸水性リサイクルポリマーが、30倍(g/g)以上の吸水倍率を有する、態様13に記載の高吸水性リサイクルポリマー。
上記高吸水性リサイクルポリマーは、所定の吸水倍率を有し、吸収性に優れる。
【0036】
[態様15]
上記高吸水性リサイクルポリマーが、20倍(g/g)以上の保水倍率を有する、態様13又は14に記載の上記高吸水性リサイクルポリマー。
上記高吸水性リサイクルポリマーは、所定の保水倍率を有し、保水性に優れる。
【0037】
本開示の使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマーを製造する方法(以下、「高吸水性リサイクルポリマーの製造方法」と称する場合がある)、及び使用済の高吸水性ポリマーから再生された高吸水性リサイクルポリマー(以下、「高吸水性リサイクルポリマー」と称する場合がある)について、以下、詳細に説明する。
【0038】
本開示の高吸水性リサイクルポリマーの製造方法は、以下のステップを含む。
・上記使用済の高吸水性ポリマーを脱水し、脱水された高吸水性ポリマーを形成する脱水ステップ(以下、「脱水ステップ」と称する場合がある)
・上記脱水された高吸水性ポリマーに、高吸水性ポリマーの粒子群を付着させ、粒子群が付着した高吸水性ポリマーを形成するとともに、上記脱水された高吸水性ポリマーが保持している水分を上記粒子群に吸収させる粒子群付着ステップ(以下、「粒子群付着ステップ」と称する場合がある)
・上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを乾燥し、上記高吸水性リサイクルポリマーを形成する乾燥ステップ(以下、「乾燥ステップ」と称する場合がある)
【0039】
<脱水ステップ>
上記脱水ステップでは、使用済の高吸水性ポリマーを脱水し、脱水された高吸水性ポリマーを形成する。
本開示において、使用済の高吸水性ポリマーは、液体を吸収したものであれば、特に制限されず、例えば、使用済の衛生用品に含まれる高吸水性ポリマーが挙げられる。上記衛生用品としては、例えば、使い捨ておむつ、尿取りパッド、使い捨てショーツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、ベッド用シート、ペット用シート等が挙げられる。
【0040】
なお、上記使用済の衛生用品は、使用者によって使用された衛生用品であって、使用者の排泄物を吸収した衛生用品、使用者によって使用された衛生用品であって、使用者の排泄物を吸収していない衛生用品、未使用で廃棄された衛生用品(例えば、高吸水性ポリマーが、衛生用品をリサイクルするための処理液を吸収している衛生用品)等を含む。
【0041】
上記高吸水性ポリマーの組成としては、上記衛生用品の技術分野で公知のものが挙げられ、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系の高吸水性ポリマーが挙げられる。デンプン系又はセルロース系の高吸水性ポリマーとしては、例えば、デンプン-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物等が挙げられる。合成ポリマー系の高吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系等の高吸水性ポリマー(SAP,Super Absorbent Polymer)等が挙げられる。
上記高吸水性ポリマーは、酸基(例えば、カルボキシル基又はスルホ基)を有するものと、上記酸基を有しないものとに区画することができる。
【0042】
使用済の高吸水性ポリマーを脱水する手法としては、当技術分野で公知の手法が挙げられ、例えば、塩、酸、塩基、親水性有機溶媒、温度変化、吸水剤等が挙げられる。
【0043】
脱水ステップでは、脱水された高吸水性ポリマーが、所定の固形率を有するように脱水することができる。上記所定の固形率としては、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは20.0質量%以上、そしてさらに好ましくは30.0質量%以上が挙げられる。また、上記所定の固形率は、好ましくは50.0質量%以下、そしてより好ましくは40.0質量%以下である。それにより、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群を付着させやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0044】
本明細書では、固形率は、以下の通り測定される。
(1)測定すべきサンプル(高吸水性ポリマーの粒子群、粒子群が付着した高吸水性ポリマー、高吸水性リサイクルポリマー等)の乾燥前質量:m1(g)を測定する。
(2)測定すべきサンプルを、50℃で180分間乾燥し、その乾燥後質量:m2(g)を測定する。
(3)固形率(質量%)を、次の式:
固形率(質量%)=100×m2/m1
により算出する。
【0045】
上記脱水ステップでは、使用済の高吸水性ポリマーを、塩そのもの、又は当該塩を含む水溶液(例えば、飽和水溶液)に浸漬することにより脱水することができる。上記塩としては、例えば、塩基と、酸等の塩が挙げられる。上記塩基としては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)の水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)の水酸化物等が挙げられる。
【0046】
上記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記アルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記高吸水性ポリマーが、酸基(例えば、カルボキシル基又はスルホ基)を有する場合には、上記塩基は、アルカリ金属の水酸化物であることが好ましい。高吸水性リサイクルポリマーの吸水性を阻害しにくくなる観点からである。
【0047】
上記酸としては、特に制限されず、例えば、無機酸及び有機酸が挙げられる。
上記無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、臭素酸、ヨウ素酸等が挙げられる。上記有機酸としては、酸基、例えば、カルボキシル基、スルホ基等を有するものが挙げられる。なお、スルホ基を有する有機酸は、スルホン酸と称され、そしてカルボキシル基を有し且つスルホ基を有しない有機酸は、カルボン酸と称される。上記有機酸としては、設備を保護する観点から、カルボキシル基を有する有機酸、特に、カルボン酸であることが好ましい。
【0048】
上記有機酸がカルボキシル基を有する場合には、上記有機酸は、1分子当たり、1又は複数のカルボキシル基を有することができ、そして複数のカルボキシル基を有することが好ましい。そうすることにより、有機酸が、排泄物等に含まれる2価以上の金属、例えば、カルシウムとキレート錯体を形成しやすくなり、高吸水性リサイクルポリマーの吸水性を阻害しにくくなる、使用済の衛生用品から製造されるリサイクルパルプ繊維の灰分を下げやすくなる等の効果が得られるためである。
【0049】
上記有機酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸(以上、複数のカルボキシル基を有するカルボン酸)、グルコン酸(C6)、ペンタン酸(C5)、ブタン酸(C4)、プロピオン酸(C3)、グリコール酸(C2)、酢酸(C2)、例えば、氷酢酸、蟻酸(C1)、乳酸(以上、1つのカルボキシル基を有するカルボン酸)、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸(以上、スルホン酸)等が挙げられる。
【0050】
上記高吸水性ポリマーが、酸基(例えば、カルボキシル基又はスルホ基)を有する場合には、上記酸は、高吸水性ポリマー中の酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも大きい酸解離定数(pKa,水中)を有する酸であってもよい。そうすることにより、高吸水性ポリマーの酸基が、塩(例えば、アルカリ金属塩)を形成しやすくなり、ひいては、後述の高吸水性リサイクルポリマーが、吸水倍率及び保水倍率に優れることになる。
【0051】
上記酸が複数の酸基を有する場合、例えば、上記酸が二塩基酸又は三塩基酸である場合には、上記酸の酸解離定数(pKa,水中)のうち最も小さな酸解離定数(pKa,水中)が、高吸水性ポリマーの酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも大きいことが好ましく、そして高吸水性ポリマーが複数種の酸基を有する場合には、上記酸の酸解離定数(pKa,水中)のうち最も小さな酸解離定数(pKa,水中)が、高吸水性ポリマーの複数種の酸基のうち最も大きな酸解離定数(pKa,水中)よりも大きいことが好ましい。高吸水性ポリマーの酸基が、塩(例えば、アルカリ金属塩)を形成しやすくなる観点からである。
【0052】
本明細書では、酸解離定数(pka,水中)は、電気化学会編集の電気化学便覧に記載の値を採用することができる。
電気化学便覧によると、主要な化合物の酸解離定数(pka,水中,25℃)は、以下の通りである。
[有機酸]
・酒石酸:2.99(pKa1),4.44(pKa2
・リンゴ酸:3.24(pKa1),4.71(pKa2
・クエン酸:2.87(pKa1),4.35(pKa2),5.69(pKa3
[無機酸]
・硫酸:1.99(pKa2
【0053】
電気化学便覧に記載されていない酸の酸解離定数(pka,水中)は、測定により求めることができる。酸の酸解離定数(pka,水中)を測定することができる機器としては、例えば、Sirius社製の化合物物性評価分析システム,T3が挙げられる。
【0054】
上記酸としての炭酸は、炭酸が、水溶液中に残存しにくいか、又は加熱等により容易に除去できるため好ましい。
また、炭酸以外の上記酸は、例えば、湿潤状態における、高吸水性リサイクルポリマーが酸性pHにある場合には、湿潤状態における高吸水性リサイクルポリマー、乾燥状態における高吸水性リサイクルポリマー等に抗菌性を付与することができる。
【0055】
上記塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
【0056】
上記塩は、塩そのもの又は水溶液として用いられることが好ましく、塩そのものが好ましい。また、上記水溶液は、飽和水溶液が好ましい。それにより、脱水された高吸水性ポリマーが、上記所定の固形率を有しやすくなる。
【0057】
上記高吸水性ポリマーが、酸基(例えば、カルボキシル基又はスルホ基)を有する場合には、脱水ステップにおいて、使用済の高吸水性ポリマーを、酸を含む水溶液に浸漬することにより脱水することができる。上記酸は、高吸水性ポリマー中の酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも小さい酸解離定数(pKa,水中)を有する酸(以下、「所定の強酸」と称する場合がある)であることが好ましい。使用済の高吸水性ポリマーの脱水の効率の観点からである。
【0058】
上記酸が複数の酸基を有する場合、例えば、上記酸が二塩基酸又は三塩基酸である場合には、上記酸の酸解離定数(pKa,水中)のうち最も大きな酸解離定数(pKa,水中)が、高吸水性ポリマーの酸基の酸解離定数(pKa,水中)よりも小さいことが好ましく、そして高吸水性ポリマーが複数種の酸基を有する場合には、上記酸の酸解離定数(pKa,水中)のうち最も大きな酸解離定数(pKa,水中)が、高吸水性ポリマーの複数種の酸基のうち最も小さな酸解離定数(pKa,水中)よりも小さいことが好ましい。高吸水性ポリマーの脱水の効率の観点からである。
【0059】
上記所定の強酸としては、塩の箇所で説明した酸、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸等が挙げられる。
【0060】
上記酸を含む水溶液は、所定のpHを有することが好ましく、上記所定のpHは、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下、そしてさらにいっそう好ましくは3.0以下である。それにより、脱水された高吸水性ポリマーが、上記所定の固形率を有しやすくなる。
【0061】
また、上記所定のpHは、好ましくは0.5以上、そしてより好ましくは1.0以上である。上記所定のpHが低すぎると、高吸水性ポリマーの酸基が、塩(例えば、ナトリウム塩)の状態から、遊離酸の状態に変化しやすくなり、高吸水性リサイクルポリマーの吸水性が低下する場合がある。
【0062】
なお、本明細書において、pHは、25℃における値を意味する。また、pHは、例えば、株式会社堀場製作所製のtwin pHメーター AS-711を用いて測定することができる。
【0063】
脱水ステップでは、例えば、使用済の高吸水性ポリマーを、酸を含む水溶液中で、温度にもよるが、約5~60分攪拌することにより、高吸水性ポリマーを脱水し、脱水された高吸水性ポリマーを形成することができる。
【0064】
脱水ステップでは、酸基を有する高吸水性ポリマーの酸基が、塩(例えば、ナトリウム塩)の状態から、遊離酸の状態に変化する傾向があるため、高吸水性ポリマーの吸水性が低下する傾向がある。
吸水した高吸水性ポリマーを、酸を含む水溶液中に入れると、マイナスに帯電した親水性基(例えば、-COO-)がプラスに帯電した水素イオン(H+)によって中和される(例えば、-COOH)ため、親水性基のイオン反発力が弱まり、吸水力が低下し、高吸水性ポリマーが脱水される。
【0065】
脱水ステップにおける酸を含む水溶液の温度は、特に制限がなく、例えば、室温(25℃)であることができ、そして室温よりも高温であってもよい。
具体的には、脱水ステップにおける酸を含む水溶液の温度は、好ましくは室温よりも高温、より好ましくは60~100℃、さらに好ましくは70~95℃、そしてさらにいっそう好ましくは80~90℃である。そうすることにより、酸含有水溶液に含まれる酸により、酸含有水溶液に含まれる、排泄物等に由来する菌を殺菌しやすくなる。
【0066】
上記高吸水性ポリマーが、酸基(例えば、カルボキシル基又はスルホ基)を有する場合には、脱水ステップにおいて、使用済の高吸水性ポリマーを、塩基を含む水溶液に浸漬することにより脱水することができる。
【0067】
上記塩基としては、「塩」の箇所で説明した、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)の水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、ベリリウム、マグネシウム、カリウム)の水酸化物が挙げられ、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)の水酸化物が好ましい。それにより、高吸水性リサイクルポリマー、特に、その使用済の高吸水性ポリマーに由来する部分の酸基が塩を形成し、使用済の高吸水性ポリマーに由来する部分、ひいては、高吸水性リサイクルポリマーが、吸水性に優れやすくなる。
【0068】
上記塩基を含む水溶液は、所定のpHを有することが好ましく、上記所定のpHは、好ましくは8.0以上、より好ましくは9.0以上、そしてさらに好ましくは10.0以上である。また、上記所定のpHは、好ましくは14.0以下、そしてより好ましくは13.0以下である。それにより、脱水された高吸水性ポリマーが、上記所定の固形率を有しやすくなる。
なお、pHの測定方法については、上述の通りである。
【0069】
上記親水性有機溶媒としては、水と混和性を有するものであることが好ましく、例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール及びその異性体、ブチルアルコール及びその異性体)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)等が挙げられる。
【0070】
使用済の高吸水性ポリマーが、パルプ繊維との混合物として存在する場合、例えば、使用済の高吸水性ポリマーが、使用済の衛生用品に含まれている場合には、上記脱水ステップは、次のサブステップを含むことができる。
・上記使用済の高吸水性ポリマー及び上記パルプ繊維を含む混合物を、上記使用済の高吸水性ポリマーから、所定の固形率を有する1次脱水された高吸水性ポリマーが形成されるように1次脱水するとともに、所定の1次脱水された高吸水性ポリマーと、パルプ繊維とを分離する、1次脱水サブステップ
・1次脱水された高吸水性ポリマーを、所定の固形率を有する2次脱水された高吸水性ポリマーが形成するように脱水する、2次脱水サブステップ
【0071】
それにより、1次脱水サブステップにおいて、パルプ繊維が、1次脱水された高吸水性ポリマーと離間しやすく、そして1次脱水された高吸水性ポリマーを、パルプ繊維と分離しやすくなる。また、続く粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群が付着しやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0072】
1次脱水された高吸水性ポリマーに関する所定の固形率は、好ましくは2.0~9.0質量%、より好ましくは3.0~9.0質量%、そしてさらに好ましくは3.0~9.0質量%である。2次脱水された高吸水性ポリマーに関する所定の固形率は、好ましくは10.0~40.0質量%、より好ましくは11.0~35.0質量%、そしてさらに好ましくは12.0~30.0質量%である。
【0073】
1次脱水された高吸水性ポリマーの固形率と、2次脱水された高吸水性ポリマー(脱水された高吸水性ポリマー)の固形率とは、上述の塩、酸、塩基、親水性有機溶媒、温度変化、吸水剤の種類、それらに浸漬する時間等を調整することにより調整することができる。
【0074】
<粒子群付着ステップ>
粒子群付着ステップでは、脱水された高吸水性ポリマーに、高吸水性ポリマーの粒子群を付着させ、粒子群が付着した高吸水性ポリマーを形成するとともに、脱水された高吸水性ポリマーが保持している水分を上記粒子群に吸収させる。
【0075】
上記高吸水性ポリマーの粒子群の組成は、特に制限されず、上述の高吸水性ポリマー(使用済の高吸水性ポリマー)の組成と同様の組成を有することができ、そして上述の高吸水性ポリマー(使用済の高吸水性ポリマー)と同一又は異なる組成を有することができる。
上記高吸水性ポリマーの粒子群の具体的な組成については、「脱水ステップ」の箇所で説明されるとおりであるため、ここでの説明を省略する。
上記高吸水性ポリマーの粒子群は、未使用であることが好ましい。高吸水性リサイクルポリマーの白さの観点からである。
【0076】
また、上記高吸水性ポリマーの粒子群は、高吸水性ポリマーを製造する際に生じた微粉、衛生用品を製造する際に回収された微粉であることができる。
上記高吸水性ポリマーを製造する際に生じた微粉としては、塊状重合物の粉砕時に生じた微粉、乳化重合物、溶液重合物、逆相懸濁重合物等の造粒の際に生じた微粉等が挙げられる。
上記衛生用品を製造する際に回収された微粉としては、例えば、集塵機により回収された微粉が挙げられる。
【0077】
上記高吸水性ポリマーの粒子群は、好ましくは90.0質量%以上、そしてより好ましくは95.0質量%以上の固形率を有する。それにより、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群が付着し、その水分を吸収しやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。なお、上記高吸水性ポリマーの粒子群の固形率の上限は、100.0質量%である。
固形率の測定方法については、上述の通りである。
【0078】
上記高吸水性ポリマーの粒子群は、脱水された高吸水性ポリマーの粒径よりも小さい粒径を有することが好ましく、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは200μm以下、そしてさらにいっそう好ましくは150μm以下の粒径を有する。また、上記高吸水性ポリマーの粒子群は、好ましくは1μm超、より好ましくは30μm超、さらに好ましくは45μm超、そしてさらにいっそう好ましくは50μm超の粒径を有する。
なお、上述の脱水された高吸水性ポリマーの粒径は、脱水された高吸水性ポリマーを、50℃で180分間乾燥した後の粒径を意味する。
【0079】
また、上記高吸水性ポリマーの粒子群は、上記上限及び下限の範囲内の粒径を有する粒子を、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは90質量%以上の質量比で含む。また、上記高吸水性ポリマーの粒子群は、上記上限及び下限の範囲内の粒径を有する粒子を、100質量%以下の質量比で含むことができる。
【0080】
それにより、上記高吸水性ポリマーの粒子群が取扱い性に優れる。また、粒子群付着ステップにおいて、脱水された高吸水性ポリマーに高吸水性ポリマーの粒子群が付着しやすくなるとともに、乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。また、上記高吸水性リサイクルポリマーが、光が乱反射しやすく、白さに優れやすくなる。
【0081】
本明細書では、上記高吸水性ポリマーの粒子群及び高吸水性リサイクルポリマーに関する、所定の粒径を有する粒子の質量比は、ISO 17190-3に従い、JIS Z 8801-1で規定する公称目開きを有するふるいを用いて、以下の通り測定することができる。
(1)測定すべきサンプルの粒径の下限値の公称目開きを有するふるい(以下、「下限ふるい」と称する)と、測定すべきサンプルの粒径の上限値の公称目開きを有するふるい(以下、「上限ふるい」と称する)を準備する。
例えば、サンプルのうち、45~300μmの粒径を有する粒子の量を測定する場合には、45μmの公称目開きを有する下限ふるいと、300μmの公称目開きを有する上限ふるいとを準備する。
【0082】
(2)測定すべきサンプルの質量:m3(g)、例えば、100gを精密に測定する。
(3)上限ふるいの下に、下限ふるいを配置した機器の、上限ふるいに、測定すべきサンプルを載せ、10分間ふるい分けし、上限ふるいを通過し、下限ふるい上に残存する残存物の質量:m4(g)を測定する。
(5)所定の粒径を有する粒子の質量比:R(質量%)を、以下の式:
R(質量%)=100×m4/m3
により算出する。
【0083】
粒子群付着ステップでは、高吸水性ポリマーの粒子群を、脱水された高吸水性ポリマー100質量部に対して、好ましくは50~150質量部、より好ましくは60~120質量部、そしてさらに好ましくは70~100質量部の比率で混合する。それにより、次の乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。また、上記高吸水性リサイクルポリマーが、白さに優れやすくなる。
【0084】
上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーは、好ましくは30.0質量%以上、より好ましくは35.0質量%以上、そしてさらに好ましくは40.0質量%以上の固形率を有する。また、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーは、好ましくは90.0質量%以下の固形率を有する。それにより、次の乾燥ステップが、固着抑制性と、効率乾燥性とに優れやすくなる。
【0085】
<乾燥ステップ>
乾燥ステップでは、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを乾燥し、高吸水性リサイクルポリマーを形成する。
乾燥ステップでは、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを、例えば、80~150℃、そして好ましくは100~120℃の乾燥温度で乾燥する。それにより、短い乾燥時間で、着色が抑制され、吸水性に優れる高吸水性リサイクルポリマーを形成しやすくなる。なお、乾燥温度が高くなると、高吸水性リサイクルポリマーの酸基等が脱水縮合を生じ、高吸水性リサイクルポリマーの吸水性が低下するとともに、高吸水性リサイクルポリマーが茶系色に着色する場合がある。
【0086】
乾燥ステップでは、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーを、例えば、30~300分間、好ましくは60~180分間の乾燥時間の間乾燥することができる。上記乾燥時間が短いと、乾燥温度にもよるが、形成される高吸水性リサイクルポリマーの固形率が低くなる場合がある。上記乾燥時間が長いと、乾燥温度にもよるが、高吸水性リサイクルポリマーの酸基等が脱水縮合を生じ、高吸水性リサイクルポリマーの吸水性が低下する場合がある。
上記乾燥ステップは、減圧下、例えば、0.1kPa以上且つ100kPa未満で実施してもよい。
【0087】
上記高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは250μm超、より好ましくは300μm超、そしてさらに好ましくは350μm超の粒径を有する。また、上記粒子群が付着した高吸水性ポリマーは、好ましくは800μm以下、より好ましくは750μm以下、そしてさらに好ましくは700μm以下の粒径を有する。
【0088】
また、上記高吸水性リサイクルポリマーは、上記上限及び下限の範囲内の粒径を有する粒子を、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは90質量%以上の質量比で含む。また、上記高吸水性リサイクルポリマーは、上記上限及び下限の範囲内の粒径を有する粒子を、100質量%以下の質量比で含むことができる。それにより、上記高吸水性リサイクルポリマーを、高吸水性ポリマーが用いられる種々の用途、例えば、衛生用品に再利用しやすくなる。
【0089】
上記高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは90.0質量%以上、そしてより好ましくは95.0質量%以上の固形率を有する。また、上記高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは100.0質量%以下の固形率を有する。それにより、高吸水性リサイクルポリマーが、固着しにくく、吸水性に優れやすくなる。
なお、固形率の測定方法については、上述の通りである。
【0090】
高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは80以上、より好ましくは82以上、そしてさらに好ましくは84以上の白色度(W)を有する。それにより、それにより、上記高吸水性リサイクルポリマーが白さに優れ、使用者に清潔感を覚えさせることができる。
【0091】
また、高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは20以下、より好ましくは19以下、そしてさらに好ましくは18以下の黄色度(YI)を有する。それにより、それにより、上記高吸水性リサイクルポリマーが白さに優れ、使用者に清潔感を覚えさせることができる。
【0092】
本明細書では、白色度(W)及び黄色度(YI)は、以下のように測定される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、日本電色工業(株)製の交照測光式色差計 Z-300Aを準備する。
(2)高吸水性リサイクルポリマー4.5gを、色差計の試料台のガラス窓(直径40mm)に均一に敷き詰める。
(3)敷き詰めた高吸水性リサイクルポリマーの上に、色差計に付属の黒色プレート(サイズ:80mm×80mm,質量:280g)を載せ、高吸水性リサイクルポリマーに荷重をかける。
(4)色差計を、モード:反射,透過窓直径:30mmに選択し、高吸水性リサイクルポリマーの白色度(W)及び黄色度(YI)を測定する。
【0093】
上記高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは30倍(g/g)以上、より好ましくは40倍(g/g)以上、そして45倍(g/g)以上の吸水倍率を有する。上記高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは80倍(g/g)以下、そしてより好ましくは70倍(g/g)以下の吸水倍率を有する。高吸水性リサイクルポリマーの吸水性及び形状保持性の観点からである。
【0094】
本明細書では、吸水倍率は、以下の通り測定する。
(1)ナイロンネット(株式会社NBCメッシュテック製250メッシュナイロンネット)製の袋(200mm×200mm)を準備し、その質量:N0(g)を測定する。
(2)ナイロンネット製の袋にサンプル約5gを入れ、ナイロンネット製の袋を含む質量:A0(g)を測定する。
(3)ビーカーに生理食塩水1Lを入れ、準備したサンプル入りのナイロンネット製の袋を浸漬し、3分間静置する。
【0095】
(4)ナイロンネット製の袋を引き上げ、水切りネット上に3分間静置し、水切りする。
(5)サンプルの入ったナイロンネット製の袋の水切り後の質量:A(g)を測定する。
(6)同一のサイズにて切り出したナイロンネット製の袋をもう1セット準備し、サンプルを入れずに(3)、(4)を同様に実施し、水切り後のナイロンネット製の袋のみの質量:N(g)を測定する。
(7)吸水倍率(倍)を、次の式:
吸水倍率(倍)=(A-N-(A0-N0))/(A0-N0
により算出する。
(8)測定は10回行い、10回の測定値を平均する。
【0096】
上記高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは20倍(g/g)以上、より好ましくは25倍(g/g)以上、そして30倍(g/g)以上の保水倍率を有する。上記高吸水性リサイクルポリマーは、好ましくは50倍(g/g)以下、そしてより好ましくは45倍(g/g)以下の保水倍率を有する。高吸水性リサイクルポリマーの保水性及び形状保持性の観点からである。
【0097】
本明細書では、保水倍率は、以下の通り測定される。
(1)上記吸水倍率を測定後のサンプルを、遠心分離機(国産遠心株式会社製分離機、型H130、回転数850rpm=150G)にて、150Gで90秒間脱水後の質量:B(g)を測定する。
保水倍率=(B-N-(A0-N0))/(A0-N0
測定は10回行い、10回の測定値を平均する。
【0098】
本開示の製造方法により製造される高吸水性リサイクルポリマーは、高吸水性ポリマーが用いられている分野に制限なく用いられることができ、例えば、衛生用品の分野が挙げられる。
上記衛生用品としては、特に制限されず、例えば、使い捨ておむつ、使い捨てショーツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、尿取りパッド、ベッド用シート、ペット用シート等が挙げられる。
【実施例0099】
以下、例を挙げて本開示を説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
[実施例1]
<脱水ステップ>
使用済の使い捨ておむつの吸収体から、吸水した高吸水性ポリマーNo.1(ポリアクリル酸塩系SAP)と、パルプ繊維との混合物を取り出した。上記混合物では、吸水した高吸水性ポリマーNo.1と、パルプ繊維とが、一体化しており、それらを分離することは難しかった。また、吸水した高吸水性ポリマーNo.1及びパルプ繊維は、茶系色に着色していた。
【0100】
上記混合物を、pH2.0の希硫酸水溶液に10分間浸漬し、高吸水性ポリマーを脱水し、1次脱水された高吸水性ポリマーを形成した。1次脱水された高吸水性ポリマーNo.1と、パルプ繊維とは、容易に離間した。次いで、1次脱水された高吸水性ポリマーNo.1と、パルプ繊維とを分離した。
1次脱水された高吸水性ポリマーNo.1を回収し、その固形率を本明細書に記載の方法に従って測定したところ、15質量%であった。
【0101】
1次脱水された高吸水性ポリマーNo.1を、硫酸ナトリウムそのものの粒子が充填された容器内に30分間保持した。1次脱水された高吸水性ポリマーNo.1の表面には、吸液した硫酸ナトリウムが付着していた。1次脱水された高吸水性ポリマーNo.1の表面に付着した、吸液した硫酸ナトリウムをふるいにより除去し、2次脱水された高吸水性ポリマーNo.1を形成した。2次脱水された高吸水性ポリマーNo.1を回収し、その固形率を本明細書に記載の方法に従って測定したところ、20質量%であった。
2次脱水された高吸水性ポリマーNo.1は、薄茶系に着色していた。
【0102】
<粒子群付着ステップ>
100gの2次脱水された高吸水性ポリマーNo.1を、高吸水性ポリマーの粒子群No.1(ポリアクリル酸塩系SAP,粒径:100質量%が、50μm超且つ150μm以下,固形率:98質量%)に投入し、粒子群が付着した高吸水性ポリマーNo.1を形成した。粒子群が付着した高吸水性ポリマーNo.1の固形率は、30質量%であった。
【0103】
<乾燥ステップ>
粒子群が付着した高吸水性ポリマーNo.1を、100℃で60分間乾燥し、高吸水性リサイクルポリマーNo.1を得た。高吸水性リサイクルポリマーNo.1は、粒子同士が固着していなかった。
高吸水性リサイクルポリマーNo.1の白色度(W)、黄色度(YI)、吸水倍率、及び保水倍率を表1に示す。
【0104】
[比較例1]
2次脱水された高吸水性ポリマーNo.1に、高吸水性ポリマーの粒子群No.1を付着させなかった以外は、実施例1と同様にして、高吸水性リサイクルポリマー塊を得た。高吸水性リサイクルポリマー塊は、乾燥の際に粒子同士が固着することで形成された。高吸水性リサイクルポリマー塊を、公知の粉砕機を用いて粉砕し、高吸水性リサイクルポリマーNo.1と同様の粒径を有する高吸水性リサイクルポリマーNo.2を得た。
高吸水性リサイクルポリマーNo.2の白色度(W)、黄色度(YI)、吸水倍率、及び保水倍率を表1に示す。
【0105】
【表1】
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物を吸収した使用済の高吸水性ポリマーに由来する高吸水性リサイクルポリマーであって、
前記高吸水性リサイクルポリマーが、前記使用済の高吸水性ポリマーに由来するとともに前記排泄物を吸収している高吸水性ポリマーと、前記高吸水性ポリマーの表面に連結された、高吸水性ポリマーの粒子群とを備えており、
前記高吸水性リサイクルポリマーが、80以上の白色度(W)と、20以下の黄色度(YI)とを有する、
ことを特徴とする、前記高吸水性リサイクルポリマー。
【請求項2】
前記高吸水性リサイクルポリマーが、30倍(g/g)以上の吸水倍率を有する、請求項1に記載の高吸水性リサイクルポリマー。
【請求項3】
前記高吸水性リサイクルポリマーが、20倍(g/g)以上の保水倍率を有する、請求項1又は2に記載の前記高吸水性リサイクルポリマー。