(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096269
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】ナフタレンユニット含有レジスト下層膜形成組成物
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20240705BHJP
C08G 59/44 20060101ALI20240705BHJP
C08G 59/20 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G03F7/11 502
G03F7/11 503
C08G59/44
C08G59/20
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073351
(22)【出願日】2024-04-30
(62)【分割の表示】P 2023507123の分割
【原出願日】2022-03-15
(31)【優先権主張番号】P 2021042228
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】緒方 裕斗
(72)【発明者】
【氏名】水落 龍太
(72)【発明者】
【氏名】広原 知忠
(72)【発明者】
【氏名】田村 護
(57)【要約】
【課題】 所望のレジストパターンを形成できるレジスト下層膜を形成するための組成物、及び該レジスト下層膜形成組成物を用いたレジストパターン製造方法、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 下記式(100):
(式(100)中、Ar
1とAr
2は各々独立して置換されていてもよい炭素原子数6~40の芳香環を表し且つ、Ar
1及びAr
2の少なくとも1つはナフタレン環であり、L
1は単結合、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキレン基又は置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニレン基を表し、T
1及びT
2は各々独立して単結合、エステル結合又はエーテル結合を表し、Eはエポキシ基を表す。)で表される化合物(A)と、エポキシ基と反応性を有する基を少なくとも2つ含む化合物(B)との反応生成物、及び溶剤を含む、レジスト下層膜形成組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(100):
【化51】
(式(100)中、Ar
1とAr
2は各々独立して置換されていてもよい炭素原子数6~40の芳香環を表し且つ、Ar
1及びAr
2の少なくとも1つはナフタレン環であり、L
1は単結合、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキレン基又は置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニレン基を表し、T
1及びT
2は各々独立して単結合、エステル結合又はエーテル結合を表し、Eはエポキシ基を表す。)で表される化合物(A)と、
エポキシ基と反応性を有する基を少なくとも2つ含む化合物(B)との反応生成物、及び溶剤を含む、レジスト下層膜形成組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造におけるリソグラフィープロセスにおいて、特に最先端(ArF、EUV、EB等)のリソグラフィープロセスに用いられる組成物に関する。また、前記レジスト下層膜を適用したレジストパターン付き基板の製造方法、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体装置の製造において、レジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工は、シリコンウェハー等の半導体基板上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上にデバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記パターンに対応する微細凹凸を形成する加工法である。近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線も、従来使用されていたi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)に加え、最先端の微細加工にはEUV光(波長13.5nm)又はEB(電子線)の実用化が検討されている。これに伴い、半導体基板等からの影響による、レジストパターン形成不良が大きな問題となっている。そこでこの問題を解決すべく、レジストと半導体基板の間にレジスト下層膜を設ける方法が広く検討されている。特許文献1には、縮合系ポリマーを有するEUVリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物が開示されている。特許文献2には、ドライエッチング耐性を有するとともに、高度な埋め込み/平坦化特性を併せ持つ有機膜を形成するための有機膜材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際特許出願公開第2013/018802号公報
【特許文献2】特開2016-216367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レジスト下層膜に要求される特性としては、例えば、上層に形成されるレジスト膜とのインターミキシングが起こらないこと(レジスト溶剤に不溶であること)が挙げられる。
【0005】
EUV露光を伴うリソグラフィーの場合、形成されるレジストパターンの線幅は32nm以下となり、EUV露光用のレジスト下層膜は、従来よりも膜厚を薄く形成して用いられる。このような薄膜を形成する際、基板表面、使用するポリマーなどの影響により、ピンホール、凝集などが発生しやすく、欠陥のない均一な膜を形成することが困難であった。
【0006】
一方、レジストパターン形成の際、現像工程において、レジスト膜を溶解し得る溶剤、通常は有機溶剤を用いて前記レジスト膜の未露光部を除去し、当該レジスト膜の露光部をレジストパターンとして残すネガ現像プロセスや、前記レジスト膜の露光部を除去し、当該レジスト膜の未露光部をレジストパターンとして残すポジ現像プロセスにおいては、レジストパターンの密着性の改善が大きな課題となっている。
【0007】
また、レジストパターン形成時のLWR(Line Width Roughness、ライン・ウィドス・ラフネス、線幅の揺らぎ(ラフネス))の悪化を抑制し、良好な矩形形状を有するレジストパターンを形成すること、及びレジスト感度の向上が求められている。
【0008】
本発明は、上記課題を解決した、所望のレジストパターンを形成できるレジスト下層膜を形成するための組成物、及び該レジスト下層膜形成組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下を包含する。
【0010】
[1]
下記式(100):
【化1】
(式(100)中、Ar
1とAr
2は各々独立して置換されていてもよい炭素原子数6~40の芳香環を表し且つ、Ar
1及びAr
2の少なくとも1つはナフタレン環であり、L
1は単結合、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキレン基又は置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニレン基を表し、T
1及びT
2は各々独立して単結合、エステル結合又はエーテル結合を表し、Eはエポキシ基を表す。)で表される化合物(A)と、
エポキシ基と反応性を有する基を少なくとも2つ含む化合物(B)との反応生成物、及び溶剤を含む、レジスト下層膜形成組成物。
【0011】
[2]
前記化合物(B)が、複素環構造又は炭素原子数6~40の芳香族環構造を含む、[1]に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【0012】
[3]
前記化合物(B)が、下記式(101):
【化2】
(式(101)中、X
1は下記式(2)、式(3)、式(4)又は式(0):
【化3】
(式(2)、(3)、(4)及び(0)中、R
1及びR
2は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数2~10のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数2~10のアルケニル基、ベンジル基及びフェニル基は、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基及び炭素原子数1~10のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、また、R
1とR
2は互いに結合して炭素原子数3~10の環を形成していてもよく、R
3はハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数2~10のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記フェニル基は、炭素原子数1~10のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、及び炭素原子数1~10のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい。))で表される、[1]又は[2]に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【0013】
[4]
前記反応生成物の末端が、下記式(102):
【化4】
(式(102)中、Arは置換されていてもよい炭素原子数6~40の芳香環を表し、L
1はエステル結合、エーテル結合又は置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニレン基を表し、n個のR
1は独立にヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキル基及び置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルコキシ基からなる群より選ばれる基を表し、nは0~5の整数を表し、*は前記反応生成物への結合部分を表す。)で表される構造を含む、[1]~[3]何れか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【0014】
[5]
酸発生剤をさらに含む、[1]~[4]の何れか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【0015】
[6]
架橋剤をさらに含む、[1]~[5]の何れか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【0016】
[7]
EUV(極端紫外線)露光プロセスに用いられる、[1]~[6]の何れか1項に記載の、レジスト下層膜形成組成物。
【0017】
[8]
[1]~[7]の何れか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物からなる塗布膜の焼成物であることを特徴とするレジスト下層膜。
【0018】
[9]
半導体基板上に[1]~[7]何れか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を塗布しベークしてレジスト下層膜を形成する工程、
前記レジスト下層膜上にレジストを塗布しベークしてレジスト膜を形成する工程、
前記レジスト下層膜と前記レジストで被覆された半導体基板を露光する工程、
露光後の前記レジスト膜を現像し、パターニングする工程
を含む、パターニングされた基板の製造方法。
【0019】
[10]
半導体基板上に、[1]~[7]何れか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物からなるレジスト下層膜を形成する工程と、
前記レジスト下層膜の上にレジスト膜を形成する工程と、
レジスト膜に対する光又は電子線の照射とその後の現像によりレジストパターンを形成する工程と、
形成された前記レジストパターンを介して前記レジスト下層膜をエッチングすることによりパターン化されたレジスト下層膜を形成する工程と、
パターン化された前記レジスト下層膜により半導体基板を加工する工程と、
を含むことを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、ナフタレン環ユニットをポリマー中に含むことで、被加工半導体基板への優れた塗布性を有し、レジストパターン形成時のレジストとレジスト下層膜界面の密着性に優れることで、レジストパターンの剥がれが生じることなく、レジストパターン形成時のLWR(Line Width Roughness、ライン・ウィドス・ラフネス、線幅の揺らぎ(ラフネス))の悪化を抑制でき、レジストパターンサイズ(最小CDサイズ)の極小化が出来、レジストパターンが矩形状である良好なレジストパターンを形成できる。特にEUV(波長13.5nm)又はEB(電子線)使用時に顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<レジスト下層膜形成組成物>
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、下記式(100):
【化5】
(式(100)中、Ar
1とAr
2は各々独立して置換されていてもよい炭素原子数6~40の芳香環を表し且つ、Ar
1及びAr
2の少なくとも1つはナフタレン環であり、L
1は単結合、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキレン基又は置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニレン基を表し、T
1及びT
2は各々独立して単結合、エステル結合又はエーテル結合を表し、Eはエポキシ基を表す。)で表される化合物(A)と、エポキシ基と反応性を有する基を少なくとも2つ含む化合物(B)との反応生成物、及び溶剤を含む。
【0022】
前記化合物(A)と、化合物(B)とを、例えば実施例に記載の公知の方法で反応させることで、化合物(A)と、化合物(B)との反応生成物(重合体、ポリマー)が製造できる。
【0023】
前記炭素原子数6~40の芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アセナフテン、フルオレン、トリフェニレン、フェナレン、フェナントレン、インデン、インダン、インダセン、ピレン、クリセン、ペリレン、ナフタセン、ペンタセン、コロネン、ヘプタセン、ベンゾ[a]アントラセン、ジベンゾフェナントレン、ジベンゾ[a,j]アントラセンが挙げられる。
【0024】
前記炭素原子数1~10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、シクロプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、s-ブチレン基、t-ブチレン基、シクロブチレン基、1-メチル-シクロプロピレン基、2-メチル-シクロプロピレン基、n-ペンチレン基、1-メチル-n-ブチレン基、2-メチル-n-ブチレン基、3-メチル-n-ブチレン基、1,1-ジメチル-n-プロピレン基、1,2-ジメチル-n-プロピレン基、2,2-ジメチル-n-プロピレン、1-エチル-n-プロピレン基、シクロペンチレン基、1-メチル-シクロブチレン基、2-メチル-シクロブチレン基、3-メチル-シクロブチレン基、1,2-ジメチル-シクロプロピレン基、2,3-ジメチル-シクロプロピレン基、1-エチル-シクロプロピレン基、2-エチル-シクロプロピレン基、n-ヘキシレン基、1-メチル-n-ペンチレン基、2-メチル-n-ペンチレン基、3-メチル-n-ペンチレン基、4-メチル-n-ペンチレン基、1,1-ジメチル-n-ブチレン基、1,2-ジメチル-n-ブチレン基、1,3-ジメチル-n-ブチレン基、2,2-ジメチル-n-ブチレン基、2,3-ジメチル-n-ブチレン基、3,3-ジメチル-n-ブチレン基、1-エチル-n-ブチレン基、2-エチル-n-ブチレン基、1,1,2-トリメチル-n-プロピレン基、1,2,2-トリメチル-n-プロピレン基、1-エチル-1-メチル-n-プロピレン基、1-エチル-2-メチル-n-プロピレン基、シクロヘキシレン基、1-メチル-シクロペンチレン基、2-メチル-シクロペンチレン基、3-メチル-シクロペンチレン基、1-エチル-シクロブチレン基、2-エチル-シクロブチレン基、3-エチル-シクロブチレン基、1,2-ジメチル-シクロブチレン基、1,3-ジメチル-シクロブチレン基、2,2-ジメチル-シクロブチレン基、2,3-ジメチル-シクロブチレン基、2,4-ジメチル-シクロブチレン基、3,3-ジメチル-シクロブチレン基、1-n-プロピル-シクロプロピレン基、2-n-プロピル-シクロプロピレン基、1-イソプロピル-シクロプロピレン基、2-イソプロピル-シクロプロピレン基、1,2,2-トリメチル-シクロプロピレン基、1,2,3-トリメチル-シクロプロピレン基、2,2,3-トリメチル-シクロプロピレン基、1-エチル-2-メチル-シクロプロピレン基、2-エチル-1-メチル-シクロプロピレン基、2-エチル-2-メチル-シクロプロピレン基、2-エチル-3-メチル-シクロプロピレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基又はn-デカニレン基が挙げられる。
【0025】
前記炭素原子数2~10のアルケニレン基としては、前記炭素原子数2~10のアルキレン基の内、隣り合う炭素原子から各々水素原子を取り去った2重結合を少なくとも1つ有する基が挙げられる。前記炭素原子数2~10のアルケニレン基の内、ビニレン基が好ましい。
【0026】
前記「置換されてよい」とは、前記炭素原子数1~10のアルキレン基又は前記炭素原子数2~10のアルケニレン基中に存在する一部又は全部の水素原子が、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基、炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換されてもよいことを意味する。
【0027】
前記炭素原子数1~10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、1-メチル-シクロプロピル基、2-メチル-シクロプロピル基、n-ペンチル基、1-メチル-n-ブチル基、2-メチル-n-ブチル基、3-メチル-n-ブチル基、1,1-ジメチル-n-プロピル基、1,2-ジメチル-n-プロピル基、2,2-ジメチル-n-プロピル基、1-エチル-n-プロピル基、シクロペンチル基、1-メチル-シクロブチル基、2-メチル-シクロブチル基、3-メチル-シクロブチル基、1,2-ジメチル-シクロプロピル基、2,3-ジメチル-シクロプロピル基、1-エチル-シクロプロピル基、2-エチル-シクロプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチル-n-ペンチル基、2-メチル-n-ペンチル基、3-メチル-n-ペンチル基、4-メチル-n-ペンチル基、1,1-ジメチル-n-ブチル基、1,2-ジメチル-n-ブチル基、1,3-ジメチル-n-ブチル基、2,2-ジメチル-n-ブチル基、2,3-ジメチル-n-ブチル基、3,3-ジメチル-n-ブチル基、1-エチル-n-ブチル基、2-エチル-n-ブチル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、1-エチル-1-メチル-n-プロピル基、1-エチル-2-メチル-n-プロピル基、シクロヘキシル基、1-メチル-シクロペンチル基、2-メチル-シクロペンチル基、3-メチル-シクロペンチル基、1-エチル-シクロブチル基、2-エチル-シクロブチル基、3-エチル-シクロブチル基、1,2-ジメチル-シクロブチル基、1,3-ジメチル-シクロブチル基、2,2-ジメチル-シクロブチル基、2,3-ジメチル-シクロブチル基、2,4-ジメチル-シクロブチル基、3,3-ジメチル-シクロブチル基、1-n-プロピル-シクロプロピル基、2-n-プロピル-シクロプロピル基、1-i-プロピル-シクロプロピル基、2-i-プロピル-シクロプロピル基、1,2,2-トリメチル-シクロプロピル基、1,2,3-トリメチル-シクロプロピル基、2,2,3-トリメチル-シクロプロピル基、1-エチル-2-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-1-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-2-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-3-メチル-シクロプロピル基、デシル基が挙げられる。
【0028】
前記炭素原子数1~10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、1-メチル-n-ブトキシ基、2-メチル-n-ブトキシ基、3-メチル-n-ブトキシ基、1,1-ジメチル-n-プロポキシ基、1,2-ジメチル-n-プロポキシ基、2,2-ジメチル-n-プロポキシ基、1-エチル-n-プロポキシ基、n-ヘキシルオキシ基、1-メチル-n-ペンチルオキシ基、2-メチル-n-ペンチルオキシ基、3-メチル-n-ペンチルオキシ基、4-メチル-n-ペンチルオキシ基、1,1-ジメチル-n-ブトキシ基、1,2-ジメチル-n-ブトキシ基、1,3-ジメチル-n-ブトキシ基、2,2-ジメチル-n-ブトキシ基、2,3-ジメチル-n-ブトキシ基、3,3-ジメチル-n-ブトキシ基、1-エチル-n-ブトキシ基、2-エチル-n-ブトキシ基、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシ基、1,2,2,-トリメチル-n-プロポキシ基、1-エチル-1-メチル-n-プロポキシ基、1-エチル-2-メチル-n-プロポキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基及びn-デカニルオキシ基が挙げられる。
【0029】
前記化合物(A)は、本発明の効果を奏する、少なくともナフタレン構造を含む2つのエポキシ基を有する市販の化合物を使用してよく、具体例としてはEPICLON HP-4770、HP-6000、WR-600(何れもDIC(株)製)が挙げられる。
【0030】
又、前記化合物(A)として、特開2007-262013号公報に記載の以下の一般式を有する、エポキシ基を2つ有する化合物を使用してよい。
【化6】
(式(3)中、R
3は水素原子又はメチル基を表し、Arはそれぞれ独立的にナフチレン基、フェニレン基、又は炭素原子数1~4のアルキル基若しくはフェニル基を置換基として有するナフチレン基若しくはフェニレン基を表し、R
2はそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表し、n及びmはそれぞれ0~2の整数であって、かつn又はmの何れか一方は1以上であり、R
1は水素原子又は下記一般式(3-2)で表されるエポキシ基含有芳香族炭化水素基を表す。但し、式中の全芳香核数は2~8である。また、一般式(3)においてナフタレン骨格への結合位置はナフタレン環を構成する2つの環の何れであってもよい。)
【化7】
(一般式(3-2)中、R
3は水素原子又はメチル基を表し、Arはそれぞれ独立的にナフチレン基、フェニレン基、又は炭素原子数1~4のアルキル基若しくはフェニル基を置換基として有するナフチレン基若しくはフェニレン基を表し、pは1又は2の整数である。)
上記式(100)及び上記一般式(3)で表される化合物を、本発明のレジスト下層膜形成組成物が含む固形分中に、例えば10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上含んでよい。
【0031】
前記エポキシ基と反応性を有する基を少なくとも2つ含む化合物(B)の具体例としては、下記に記載の化合物が挙げられる。
【化8】
【化9】
【0032】
前記化合物(B)が、複素環構造又は炭素原子数6~40の芳香族環構造を含んでよい。
【0033】
前記複素環構造としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドール、プリン、キノリン、イソキノリン、キヌクリジン、クロメン、チアントレン、フェノチアジン、フェノキサジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、カルバゾール、トリアジンオン、トリアジンジオン及びトリアジントリオンが挙げられる。
【0034】
また、上記複素環構造は、バルビツール酸から由来する構造であってよい。
【0035】
炭素原子数6~40の芳香族環構造は、前述の通りである。
【0036】
前記化合物(B)が、下記式(101):
【化10】
(式(101)中、X
1は下記式(2)、式(3)、式(4)又は式(0):
【化11】
(式(2)、(3)、(4)及び(0)中、R
1及びR
2は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数2~10のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数2~10のアルケニル基、ベンジル基及びフェニル基は、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基及び炭素原子数1~10のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、また、R
1とR
2は互いに結合して炭素原子数3~10の環を形成していてもよく、R
3はハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数2~10のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記フェニル基は、炭素原子数1~10のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、及び炭素原子数1~10のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい。))で表されてよい。
【0037】
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0038】
前記炭素原子数1~10のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、へプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基及びデカニルチオ基が挙げられる。
【0039】
上記炭素原子数3~10の環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、シクロノナン及びシクロデカンが挙げられる。その他の各用語の意味は前述の通りである。
【0040】
前記反応生成物の末端が、下記式(102):
【化12】
(式(102)中、Arは置換されていてもよい炭素原子数6~40の芳香環を表し、L
1はエステル結合、エーテル結合又は置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニレン基を表し、n個のR
1は独立にヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、メチレンジオキシ基、アセトキシ基、メチルチオ基、アミノ基、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキル基及び置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルコキシ基からなる群より選ばれる基を表し、nは0~5の整数を表し、*は前記反応生成物への結合部分を表す。)で表される構造を末端に含んでよい。各用語の意味は前述の通りである。
【0041】
前記式(1-2)で表される構造は、けい皮酸又はハロゲン原子で置換されていてもよいサリチル酸から誘導されてよい。
【0042】
前記式(1-2)で表される構造を誘導するための、前記反応生成物の末端に結合し得る化合物としては以下式で表される化合物が挙げられる。
【化13-1】
【化13-2】
【0043】
前記反応生成物の末端が、WO2020/226141に記載の、炭素-炭素結合がヘテロ原子で中断されていてもよく且つ置換基で置換されていてもよい脂肪族環構造を有してよい。
【0044】
前記脂肪族環が、炭素原子数3~10の単環式又は多環式脂肪族環であってよい。
【0045】
前記多環式脂肪族環が、ビシクロ環又はトリシクロ環であってよい。
【0046】
前記脂肪族環が、少なくとも1つの不飽和結合を有してよい。
【0047】
前記脂肪族環の置換基が、ヒドロキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~20のアルコキシ基、炭素原子数1~10のアシルオキシ基及びカルボキシ基から選ばれてよい。
【0048】
炭素-炭素結合がヘテロ原子で中断されていてもよく且つ置換基で置換されていてもよい脂肪族環構造を、前記反応生成物末端に誘導するための化合物の具体例としては以下に記載の構造を有する化合物が挙げられる。
【化14】
【化15】
【化16】
【0049】
又、前記反応生成物の末端が、WO2012/124597に記載の、下記式(1)で表される構造を有してよい。
【化17】
(式中、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~13の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基又はヒドロキシ基を表し、前記R
1、R
2及びR
3の少なくとも1つは前記炭化水素基であり、m及びnはそれぞれ独立に0又は1を表し、前記ポリマーの主鎖はnが1を表す場合メチレン基と結合し、nが0を表す場合-O-で表される基と結合する。)
【0050】
又、前記反応生成物の末端が、WO2013/168610に記載の、下記式(1a)、式(1b)又は式(2)で表される構造を有してよい。
【化18】
(式中、R
1は水素原子又はメチル基を表し、R
2及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、フェニル基、ベンジル基、ベンジルオキシ基、ベンジルチオ基、イミダゾール基又はインドール基を表し、前記炭化水素基、前記脂環式炭化水素基、前記フェニル基、前記ベンジル基、前記ベンジルオキシ基、前記ベンジルチオ基、前記イミダゾール基、前記インドール基は置換基としてヒドロキシ基又はメチルチオ基を少なくとも1つ有してもよく、R
4は水素原子又はヒドロキシ基を表し、Q
1はアリーレン基を表し、vは0又は1を表し、yは1乃至4の整数を表し、wは1乃至4の整数を表し、x
1は0又は1を表し、x
2は1~5の整数を表す。)
【0051】
又、前記反応生成物の末端が、WO2015/046149に記載の、下記式(1)で表される構造を有してよい。
【化19】
(式中、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~13の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、ハロゲノ基又はヒドロキシ基を表し、前記R
1、R
2及びR
3の少なくとも1つは前記アルキル基を表し、Arはベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環を表し、2つのカルボニル基はそれぞれ前記Arで表される環の隣接する2つの炭素原子と結合するものであり、Xは炭素原子数1~3のアルコキシ基を置換基として有してもよい炭素原子数1乃至6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)
【0052】
又、前記反応生成物の末端が、WO2015/163195に記載の、下記式(1)又は式(2)で表される構造をポリマー鎖の末端に有してよい。
【化20】
(式中、R
1は置換基を有してもよい炭素原子数1~6のアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ハロゲノ基又はヒドロキシ基を表し、R
2は水素原子、炭素原子数1乃至6のアルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲノ基又は-C(=O)O-Xで表されるエステル基を表し、Xは置換基を有してもよい炭素原子数1~6のアルキル基を表し、R
3は水素原子、炭素原子数1~6のアルキル基、ヒドロキシ基又はハロゲノ基を表し、R
4は直接結合、又は炭素原子数1乃至8の二価の有機基を表し、R
5は炭素原子数1~8の二価の有機基を表し、Aは芳香族環又は芳香族複素環を表し、tは0又は1を表し、uは1又は2を表す。)
【0053】
又、前記反応生成物の末端が、WO2020/071361に記載の、下記式(1)又は(2)で表される構造を有してよい。
【化21】
(上記式(1)及び式(2)中、Xは2価の有機基であり、Aは炭素原子数6乃至40のアリール基であり、R
1はハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数1~10のアルコキシ基であり、R
2及びR
3は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよい炭素原子数1~10のアルキル基又は置換されてもよい炭素原子数6~40のアリール基であり、n1及びn3は各々独立に1~12の整数であり、n2は0~11の整数である。)
【0054】
WO2020/226141、WO2012/124597、WO2013/168610、WO2015/046149、WO2015/163195及びWO2020/071361に記載の全開示が本願に援用される。
【0055】
前記反応生成物(ポリマー)の、例えば実施例に記載の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される重量平均分子量の下限は例えば1,000又は2,000であり、前記反応生成物の重量平均分子量の上限は例えば30,000、20,000、又は10,000である。
【0056】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、EUV(極端紫外線)露光プロセスに用いられる、EUVレジスト下層膜形成組成物であってよい。
【0057】
<溶剤>
本発明のレジスト下層膜形成組成物に使用される溶剤は、前記ポリマー等の常温で固体の含有成分を均一に溶解できる溶剤であれば特に限定は無いが、一般的に半導体リソグラフィー工程用薬液に用いられる有機溶剤が好ましい。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノール、2―ヒドロキシイソ酪酸メチル、2―ヒドロキシイソ酪酸エチル、エトキシ酢酸エチル、酢酸2-ヒドロキシエチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヘプタノン、メトキシシクロペンタン、アニソール、γ-ブチロラクトン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、及びN,N-ジメチルアセトアミドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0058】
これらの溶剤の中でプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、及びシクロヘキサノンが好ましい。特にプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
【0059】
<酸発生剤>
本発明のレジスト下層膜形成組成物に任意成分として含まれる酸発生剤としては、熱酸発生剤、光酸発生剤何れも使用することができるが、熱酸発生剤を使用することが好ましい。熱酸発生剤としては、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウム-p-トルエンスルホネート(ピリジニウム-p-トルエンスルホン酸)、ピリジニウムフェノールスルホン酸、ピリジニウム-p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(p-フェノールスルホン酸ピリジニウム塩)、ピリジニウム-トリフルオロメタンスルホン酸、サリチル酸、カンファースルホン酸、5-スルホサリチル酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸等のスルホン酸化合物及びカルボン酸化合物が挙げられる。
【0060】
前記光酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
【0061】
オニウム塩化合物としてはジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物等が挙げられる。
【0062】
スルホンイミド化合物としては、例えばN-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(ノナフルオロノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
【0063】
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル-p-トルエンスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
【0064】
前記酸発生剤は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0065】
前記酸発生剤が使用される場合、当該酸発生剤の含有割合は、下記架橋剤に対し、例えば0.1質量%~50質量%であり、好ましくは、1質量%~30質量%である。
【0066】
<架橋剤>
本発明のレジスト下層膜形成組成物に任意成分として含まれる架橋剤としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(テトラメトキシメチルグリコールウリル)(POWDERLINK〔登録商標〕1174)、1,3,4,6-テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6-テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリル、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,1,3,3-テトラキス(ブトキシメチル)尿素及び1,1,3,3-テトラキス(メトキシメチル)尿素が挙げられる。
【0067】
また、本願の架橋剤は、国際公開第2017/187969号公報に記載の、窒素原子と結合する下記式(1d)で表される置換基を1分子中に2~6つ有する含窒素化合物であってもよい。
【0068】
【化22】
(式(1d)中、R
1はメチル基又はエチル基を表す。)
前記式(1d)で表される置換基を1分子中に2~6つ有する含窒素化合物は下記式(1E)で表されるグリコールウリル誘導体であってよい。
【0069】
【化23】
(式(1E)中、4つのR
1はそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表し、R
2及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、又はフェニル基を表す。)
前記式(1E)で表されるグリコールウリル誘導体として、例えば、下記式(1E-1)~式(1E-6)で表される化合物が挙げられる。
【0070】
【0071】
前記式(1d)で表される置換基を1分子中に2~6つ有する含窒素化合物は、窒素原子と結合する下記式(2d)で表される置換基を1分子中に2~6つ有する含窒素化合物と下記式(3d)で表される少なくとも1種の化合物とを反応させることで得られる。
【0072】
【化25】
(式(2d)及び式(3d)中、R
1はメチル基又はエチル基を表し、R
4は炭素原子数1~4のアルキル基を表す。)
前記式(1E)で表されるグリコールウリル誘導体は、下記式(2E)で表されるグリコールウリル誘導体と前記式(3d)で表される少なくとも1種の化合物とを反応させることにより得られる。
【0073】
前記式(2d)で表される置換基を1分子中に2~6つ有する含窒素化合物は、例えば、下記式(2E)で表されるグリコールウリル誘導体である。
【0074】
【化26】
(式(2E)中、R
2及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、又はフェニル基を表し、R
4はそれぞれ独立に炭素原子数1~4のアルキル基を表す。)
前記式(2E)で表されるグリコールウリル誘導体として、例えば、下記式(2E-1)~式(2E-4)で表される化合物が挙げられる。さらに前記式(3d)で表される化合物として、例えば下記式(3d-1)及び式(3d-2)で表される化合物が挙げられる。
【0075】
【0076】
前記窒素原子と結合する下記式(1d)で表される置換基を1分子中に2~6つ有する含窒素化合物に係る内容については、WO2017/187969号公報の全開示が本願に援用される。
【0077】
また、上記架橋剤は、国際公開2014/208542号公報に記載の、下記式(G-1)又は式(G-2)で表される架橋性化合物であってもよい。
【0078】
【化29】
(式中、Q
1は単結合又はm1価の有機基を示し、R
1及びR
4はそれぞれ炭素原子数2乃至10のアルキル基、又は炭素原子数1乃至10のアルコキシ基を有する炭素原子数2乃至10のアルキル基を示し、R
2及びR
5はそれぞれ水素原子又はメチル基を示し、R
3及びR
6はそれぞれ炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数6乃至40のアリール基を示す。
n1は1≦n1≦3の整数、n2は2≦n2≦5の整数、n3は0≦n3≦3の整数、n4は0≦n4≦3の整数、3≦(n1+n2+n3+n4)≦6の整数を示す。
n5は1≦n5≦3の整数、n6は1≦n6≦4の整数、n7は0≦n7≦3の整数、n8は0≦n8≦3の整数、2≦(n5+n6+n7+n8)≦5の整数を示す。
m1は2乃至10の整数を示す。)
【0079】
上記式(G-1)又は式(G-2)で示される架橋性化合物は、下記式(G-3)又は式(G-4)で示される化合物と、ヒドロキシル基含有エーテル化合物又は炭素原子数2乃至10のアルコールとの反応によって得られるものであってよい。
【0080】
【化30】
(式中、Q
2は単結合又はm2価の有機基を示す。R
8、R
9、R
11及びR
12はそれぞれ水素原子又はメチル基を示し、R
7及びR
10はそれぞれ炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数6乃至40のアリール基を示す。
n9は1≦n9≦3の整数、n10は2≦n10≦5の整数、n11は0≦n11≦3の整数、n12は0≦n12≦3の整数、3≦(n9+n10+n11+n12)≦6の整数を示す。
n13は1≦n13≦3の整数、n14は1≦n14≦4の整数、n15は0≦n15≦3の整数、n16は0≦n16≦3の整数、2≦(n13+n14+n15+n16)≦5の整数を示す。
m2は2乃至10の整数を示す。)
【0081】
上記式(G-1)及び式(G-2)で示される化合物は例えば以下に例示することができる。
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
式(G-3)及び式(G-4)で示される化合物は例えば以下に例示することができる。
【0088】
【0089】
【0090】
国際公開2014/208542号公報の全開示は本願に援用される。
【0091】
前記架橋剤が使用される場合、当該架橋剤の含有割合は、前記反応生成物に対し、例えば1質量%~50質量%であり、好ましくは、5質量%~30質量%である。
【0092】
<その他の成分>
本発明のレジスト下層膜形成組成物には、ピンホールやストリエーション等の発生がなく、表面むらに対する塗布性をさらに向上させるために、さらに界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製、商品名)、メガファックF171、F173、R-30(大日本インキ(株)製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製、商品名)、アサヒガードAG710、サーフロンS-382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製、商品名)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明のレジスト下層膜形成組成物の全固形分に対して通常2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上の組合せで添加することもできる。
【0093】
本発明のレジスト下層膜形成組成物が含む固形分、すなわち前記溶剤を除いた成分は例えば0.01質量%~10質量%である。
【0094】
<レジスト下層膜>
本発明に係るレジスト下層膜は、前述したレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し、焼成することにより製造することができる。
【0095】
本発明のレジスト下層膜形成組成物が塗布される半導体基板としては、例えば、シリコンウエハ、ゲルマニウムウエハ、及びヒ化ガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム等の化合物半導体ウエハが挙げられる。
【0096】
表面に無機膜が形成された半導体基板を用いる場合、当該無機膜は、例えば、ALD(原子層堆積)法、CVD(化学気相堆積)法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、スピンコーティング法(スピンオングラス:SOG)により形成される。前記無機膜として、例えば、ポリシリコン膜、酸化ケイ素膜、窒化珪素膜、BPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)膜、窒化チタン膜、窒化酸化チタン膜、タングステン膜、窒化ガリウム膜、及びヒ化ガリウム膜が挙げられる。
【0097】
このような半導体基板上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のレジスト下層膜形成組成物を塗布する。その後、ホットプレート等の加熱手段を用いてベークすることによりレジスト下層膜を形成する。ベーク条件としては、ベーク温度100℃~400℃、ベーク時間0.3分~60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、ベーク温度120℃~350℃、ベーク時間0.5分~30分間、より好ましくは、ベーク温度150℃~300℃、ベーク時間0.8分~10分間である。
【0098】
形成されるレジスト下層膜の膜厚としては、例えば0.001μm(1nm)~10μm、0.002μm(2nm)~1μm、0.005μm(5nm)~0.5μm(500nm)、0.001μm(1nm)~0.05μm(50nm)、0.002μm(2nm)~0.05μm(50nm)、0.003μm(3nm)~0.05μm(50nm)、0.004μm(4nm)~0.05μm(50nm)、0.005μm(5nm)~0.05μm(50nm)、0.003μm(3nm)~0.03μm(30nm)、0.003μm(3nm)~0.02μm(20nm)、0.005μm(5nm)~0.02μm(20nm)、0.003μm(3nm)~0.01μm(10nm)、0.005μm(5nm)~0.01μm(10nm)、0.003μm(3nm)~0.006μm(6nm)、0.004μm(4nm)、0.005μm(5nm)である。ベーク時の温度が、上記範囲より低い場合には架橋が不十分となる。一方、ベーク時の温度が上記範囲より高い場合は、レジスト下層膜が熱によって分解してしまうことがある。
【0099】
<パターンニングされた基板の製造方法、半導体装置の製造方法>
パターンニングされた基板の製造方法は以下の工程を経る。通常、レジスト下層膜の上にフォトレジスト層を形成して製造される。レジスト下層膜の上に自体公知の方法で塗布、焼成して形成されるフォトレジストとしては露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はない。ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。ノボラック樹脂と1,2-ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、及び酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、メタル元素を含有するレジストなどがある。例えば、JSR(株)製商品名V146G、シプレー社製商品名APEX-E、住友化学(株)製商品名PAR710、及び信越化学工業(株)製商品名AR2772、SEPR430等が挙げられる。また、例えば、Proc.SPIE,Vol.3999,330-334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357-364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365-374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることができる。
【0100】
また、WO2019/188595、WO2019/187881、WO2019/187803、WO2019/167737、WO2019/167725、WO2019/187445、WO2019/167419、WO2019/123842、WO2019/054282、WO2019/058945、WO2019/058890、WO2019/039290、WO2019/044259、WO2019/044231、WO2019/026549、WO2018/193954、WO2019/172054、WO2019/021975、WO2018/230334、WO2018/194123、特開2018-180525、WO2018/190088、特開2018-070596、特開2018-028090、特開2016-153409、特開2016-130240、特開2016-108325、特開2016-047920、特開2016-035570、特開2016-035567、特開2016-035565、特開2019-101417、特開2019-117373、特開2019-052294、特開2019-008280、特開2019-008279、特開2019-003176、特開2019-003175、特開2018-197853、特開2019-191298、特開2019-061217、特開2018-045152、特開2018-022039、特開2016-090441、特開2015-10878、特開2012-168279、特開2012-022261、特開2012-022258、特開2011-043749、特開2010-181857、特開2010-128369、WO2018/031896、特開2019-113855、WO2017/156388、WO2017/066319、特開2018-41099、WO2016/065120、WO2015/026482、特開2016-29498、特開2011-253185等に記載のレジスト組成物、感放射性樹脂組成物、有機金属溶液に基づいた高解像度パターニング組成物等のいわゆるレジスト組成物、金属含有レジスト組成物が使用できるが、これらに限定されない。
【0101】
レジスト組成物としては、例えば、以下の組成物が挙げられる。
【0102】
酸の作用により脱離する保護基で極性基が保護された酸分解性基を有する繰り返し単位を有する樹脂A、及び、一般式(21)で表される化合物を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
【0103】
【化38】
一般式(21)中、mは、1~6の整数を表す。
【0104】
R1及びR2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基を表す。
【0105】
L1は、-O-、-S-、-COO-、-SO2-、又は、-SO3-を表す。
【0106】
L2は、置換基を有していてもよいアルキレン基又は単結合を表す。
【0107】
W1は、置換基を有していてもよい環状有機基を表す。
【0108】
M+は、カチオンを表す。
【0109】
金属-酸素共有結合を有する化合物と、溶媒とを含有し、上記化合物を構成する金属元素が、周期表第3族~第15族の第3周期~第7周期に属する、極端紫外線又は電子線リソグラフィー用金属含有膜形成組成物。
【0110】
下記式(31)で表される第1構造単位及び下記式(32)で表され酸解離性基を含む第2構造単位を有する重合体と、酸発生剤とを含有する、感放射線性樹脂組成物。
【0111】
【化39】
(式(31)中、Arは、炭素数6~20のアレーンから(n+1)個の水素原子を除いた基である。R
1は、ヒドロキシ基、スルファニル基又は炭素数1~20の1価の有機基である。nは、0~11の整数である。nが2以上の場合、複数のR
1は同一又は異なる。R
2は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。式(32)中、R
3は、上記酸解離性基を含む炭素数1~20の1価の基である。Zは、単結合、酸素原子又は硫黄原子である。R
4は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)
【0112】
環状炭酸エステル構造を有する構造単位、式(II)で表される構造単位及び酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(A1)と、酸発生剤とを含有するレジスト組成物。
【0113】
【化40】
[式(II)中、
R
2は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表し、X
1は、単結合、-CO-O-*又は-CO-NR
4-*を表し、*は-Arとの結合手を表し、R
4は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、Arは、ヒドロキシ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる1以上の基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基を表す。]
【0114】
レジスト膜としては、例えば、以下が挙げられる。
【0115】
下記式(a1)で表される繰り返し単位及び/又は下記式(a2)で表される繰り返し単位と、露光によりポリマー主鎖に結合した酸を発生する繰り返し単位とを含むベース樹脂を含むレジスト膜。
【0116】
【化41】
(式(a1)及び式(a2)中、R
Aは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。R
1及びR
2は、それぞれ独立に、炭素数4~6の3級アルキル基である。R
3は、それぞれ独立に、フッ素原子又はメチル基である。mは、0~4の整数である。X
1は、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合、ラクトン環、フェニレン基及びナフチレン基から選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1~12の連結基である。X
2は、単結合、エステル結合又はアミド結合である。)
【0117】
レジスト材料としては、例えば、以下が挙げられる。
【0118】
下記式(b1)又は式(b2)で表される繰り返し単位を有するポリマーを含むレジスト材料。
【0119】
【化42】
(式(b1)及び式(b2)中、R
Aは、水素原子又はメチル基である。X
1は、単結合又はエステル基である。X
2は、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1~12のアルキレン基又は炭素数6~10のアリーレン基であり、該アルキレン基を構成するメチレン基の一部が、エーテル基、エステル基又はラクトン環含有基で置換されていてもよく、また、X
2に含まれる少なくとも1つの水素原子が臭素原子で置換されている。X
3は、単結合、エーテル基、エステル基、又は炭素数1~12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基であり、該アルキレン基を構成するメチレン基の一部が、エーテル基又はエステル基で置換されていてもよい。Rf
1~Rf
4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であるが、少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。また、Rf
1及びRf
2が合わさってカルボニル基を形成してもよい。R
1~R
5は、それぞれ独立に、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1~12のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数2~12のアルケニル基、炭素数2~12のアルキニル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~12のアラルキル基、又は炭素数7~12のアリールオキシアルキル基であり、これらの基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、オキソ基、シアノ基、アミド基、ニトロ基、スルトン基、スルホン基又はスルホニウム塩含有基で置換されていてもよく、これらの基を構成するメチレン基の一部が、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カーボネート基又はスルホン酸エステル基で置換されていてもよい。また、R
1とR
2とが結合して、これらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。)
【0120】
下記式(a)で表される繰り返し単位を含むポリマーを含むベース樹脂を含むレジスト材料。
【0121】
【化43】
(式(a)中、R
Aは、水素原子又はメチル基である。R
1は、水素原子又は酸不安定基である。R
2は、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1~6のアルキル基、又は臭素以外のハロゲン原子である。X
1は、単結合若しくはフェニレン基、又はエステル基若しくはラクトン環を含んでいてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1~12のアルキレン基である。X
2は、-O-、-O-CH
2-又は-NH-である。mは、1~4の整数である。nは、0~3の整数である。)
露光により酸を発生し、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化するレジスト組成物であって、
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)及びアルカリ現像液に対して分解性を示すフッ素添加剤成分(F)を含有し、
前記フッ素添加剤成分(F)は、塩基解離性基を含む構成単位(f1)と、下記一般式(f2-r-1)で表される基を含む構成単位(f2)と、を有するフッ素樹脂成分(F1)を含有することを特徴とする、レジスト組成物。
【0122】
【化44】
[式(f2-r-1)中、Rf
21は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ヒドロキシアルキル基又はシアノ基である。n”は、0~2の整数である。*は結合手である。]
【0123】
前記構成単位(f1)は、下記一般式(f1-1)で表される構成単位、又は下記一般式(f1-2)で表される構成単位を含む。
【0124】
【化45】
[式(f1-1)、(f1-2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基又は炭素数1~5のハロゲン化アルキル基である。Xは、酸解離性部位を有さない2価の連結基である。A
arylは、置換基を有していてもよい2価の芳香族環式基である。X
01は、単結合又は2価の連結基である。R
2は、それぞれ独立に、フッ素原子を有する有機基である。]
【0125】
コーティング、コーティング溶液、及びコーティング組成物としては、例えば、以下が挙げられる。
【0126】
金属炭素結合および/または金属カルボキシラート結合により有機配位子を有する金属オキソ-ヒドロキソネットワークを含むコーティング。
【0127】
無機オキソ/ヒドロキソベースの組成物。
【0128】
コーティング溶液であって、有機溶媒;第一の有機金属組成物であって、式RzSnO(2-(z/2)-(x/2))(OH)x(ここで、0<z≦2および0<(z+x)≦4である)、式R’nSnX4-n(ここで、n=1または2である)、またはそれらの混合物によって表され、ここで、RおよびR’が、独立して、1~31個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、およびXが、Snに対する加水分解性結合を有する配位子またはそれらの組合せである、第一の有機金属組成物;および加水分解性の金属化合物であって、式MX’v(ここで、Mが、元素周期表の第2~16族から選択される金属であり、v=2~6の数であり、およびX’が、加水分解性のM-X結合を有する配位子またはそれらの組合せである)によって表される、加水分解性の金属化合物を含む、コーティング溶液。
【0129】
有機溶媒と、式RSnO(3/2-x/2)(OH)x(式中、0<x<3)で表される第1の有機金属化合物とを含むコーティング溶液であって、前記溶液中に約0.0025M~約1.5Mのスズが含まれ、Rが3~31個の炭素原子を有するアルキル基またはシクロアルキル基であり、前記アルキル基またはシクロアルキル基が第2級または第3級炭素原子においてスズに結合された、コーティング溶液。
【0130】
水と、金属亜酸化物陽イオンと、多原子無機陰イオンと、過酸化物基を含んで成る感放射線リガンドとの混合物を含んで成る無機パターン形成前駆体水溶液。
【0131】
露光は、所定のパターンを形成するためのマスク(レチクル)を通して行われ、例えば、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV(極端紫外線)またはEB(電子線)が使用されるが、本願のレジスト下層膜形成組成物は、EB(電子線)又はEUV(極端紫外線)露光用に適用されることが好ましく、EUV(極端紫外線)露光用に適用されることが好ましい。現像にはアルカリ現像液が用いられ、現像温度5℃~50℃、現像時間10秒~300秒から適宜選択される。アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n-プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジーn-ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。さらに、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらの中で好ましい現像液は第四級アンモニウム塩、さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンである。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。アルカリ現像液に代えて、酢酸ブチル等の有機溶媒で現像を行い、フォトレジストのアルカリ溶解速度が向上していない部分を現像する方法を用いることもできる。上記工程を経て、上記レジストがパターンニングされた基板が製造できる。
【0132】
次いで、形成したレジストパターンをマスクとして、前記レジスト下層膜をドライエッチングする。その際、用いた半導体基板の表面に前記無機膜が形成されている場合、その無機膜の表面を露出させ、用いた半導体基板の表面に前記無機膜が形成されていない場合、その半導体基板の表面を露出させる。その後基板を自体公知の方法(ドライエッチング法等)により基板を加工する工程を経て、半導体装置が製造できる。
【実施例0133】
次に実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0134】
本明細書の下記合成例1~10、比較合成例1に示すポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称する)による測定結果である。測定には東ソー(株)製GPC装置を用い、測定条件等は次のとおりである。
【0135】
GPCカラム:TSKgel Super-MultiporeHZ-N (2本)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.35ml/分
標準試料:ポリスチレン(東ソー(株)製)
【0136】
<合成例1>
反応容器に商品名EPICLON HP-4770(DIC(株)製)7.00g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)1.92g、3,5-ジヨードサリチル酸(東京化成工業(株)製)1.43g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.31gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル49.10gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー1を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー1は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量3,200、分散度は3.7であった。ポリマー1中に存在する構造を下記式に示す。
【化46】
【0137】
<合成例2>
反応容器に商品名EPICLON WR-600(DIC(株)製、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)25.00g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)2.46g、3,5-ジヨードサリチル酸(東京化成工業(株)製)1.84g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.40gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル11.21gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー2を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー2は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量4,900、分散度は3.5であった。
【0138】
<合成例3>
反応容器に商品名EPICLON HP-4770(DIC(株)製)4.50g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)1.83g、Trans-けい皮酸(東京化成工業(株)製)0.33g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.28gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル85.54gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー3を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー3は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量3,400、分散度は3.2であった。ポリマー3中に存在する構造を下記式に示す。
【化47】
【0139】
<合成例4>
反応容器に商品名EPICLON HP-4770(DIC(株)製)6.00g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)2.30g、Trans-けい皮酸(東京化成工業(株)製)0.65g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.37gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル83.97gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー4を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー4は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量4,000、分散度は3.4であった。ポリマー4中に存在する構造を下記式に示す。
【化48】
【0140】
<合成例5>
反応容器に商品名EPICLON HP-4770(DIC(株)製)7.00g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)2.53g、Trans-けい皮酸(東京化成工業(株)製)1.02g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.44gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル76.87gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー5を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー5は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量4,300、分散度は3.4であった。ポリマー5中に存在する構造を下記式に示す。
【化49】
【0141】
<合成例6>
反応容器に商品名EPICLON WR-600(DIC(株)製、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)16.00g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)1.66g、Trans-けい皮酸(東京化成工業(株)製)0.30g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.26gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル76.03gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー6を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー6は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量4,500、分散度は2.8であった。
【0142】
<合成例7>
反応容器に商品名EPICLON WR-600(DIC(株)製、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)20.00g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)1.97g、Trans-けい皮酸(東京化成工業(株)製)0.56g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.32gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル66.22gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー7を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー7は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量4,500、分散度は2.8であった。
【0143】
<合成例8>
反応容器に商品名EPICLON WR-600(DIC(株)製、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)20.00g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)1.85g、Trans-けい皮酸(東京化成工業(株)製)0.74g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.32gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル66.85gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー8を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー8は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量3,700、分散度は2.6であった。
【0144】
<合成例9>
反応容器に商品名EPICLON HP-4770(DIC(株)製)3.17g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)1.22g、9-アントラセンカルボン酸(東京化成工業(株)製)0.52g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.10gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル45.00gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー9を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー9は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量6,000、分散度は3.6であった。
【0145】
<合成例10>
反応容器に商品名EPICLON WR-600(DIC(株)製、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)11.08g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)1.09g、9-アントラセンカルボン酸(東京化成工業(株)製)0.46g、テトラブチルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.09gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル37.27gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、140℃で24時間反応させポリマー10を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られたポリマー10は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量6,300、分散度は2.9であった。
【0146】
<比較合成例1>
反応容器にモノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成工業株式会社製)100.00g、5,5-ジエチルバルビツール酸(立山化成株式会社製)66.4g、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド4.1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル682.00gに加え溶解した。反応容器を窒素置換後、130℃で24時間反応させ比較ポリマー1を含む溶液を得た。GPC分析を行ったところ、得られた比較ポリマー1は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量6,800、分散度は4.8であった。比較ポリマー1中に存在する構造を下記式に示す。
【化50】
【0147】
(レジスト下層膜の調製)
(実施例、比較例)
上記合成例1~10、比較合成例1で得られたポリマー、架橋剤、硬化触媒、溶媒を表1、表2に示す割合で混合し、孔径0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、レジスト下層膜形成用組成物の溶液をそれぞれ調製した。
【0148】
表1、表2中でテトラメトキシメチルグリコールウリルをPL-LI、Imidazo[4,5-d]imidazole-2,5(1H,3H)-dione,tetrahydro-1,3,4,6-tetrakis[(2-methoxy-1-methylethoxy)methyl]-をPGME-PL、ピリジニウム-p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸をPyPSA、界面活性剤はR-30N、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートはPGMEA、プロピレングリコールモノメチルエーテルはPGMEと略した。各添加量は質量部で示した。
【表1】
【表2】
【0149】
(フォトレジスト溶剤への溶出試験)
実施例1~10、比較例1のレジスト下層膜形成組成物の各々を、スピナーを用いてシリコンウェハー上に塗布した。そのシリコンウェハーを、ホットプレート上で205℃で60秒間ベークし、膜厚4nmの膜を得た。これらのレジスト下層膜をフォトレジストに使用する溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル/プロピレングリコールモノメチルエーテル=70/30の混合溶液に浸漬し、膜厚変化が5Å未満である場合に良、5Å以上である場合に不良として、その結果を表3に示す。
【表3】
【0150】
(レジストパターニング評価)
〔電子線描画装置によるレジストパターンの形成試験〕
レジスト下層膜形成組成物を、スピナーを用いてシリコンウェハー上にそれぞれ塗布した。そのシリコンウェハーを、ホットプレート上で205℃、60秒間ベークし、膜厚4nmのレジスト下層膜を得た。そのレジスト下層膜上に、EUV用ポジ型レジスト溶液をスピンコートし、130℃で60秒間加熱し、EUVレジスト膜を形成した。そのレジスト膜に対し、電子線描画装置(ELS-G130)を用い、所定の条件で露光した。露光後、90℃で60秒間ベーク(PEB)を行い、クーリングプレート上で室温まで冷却し、フォトレジスト用現像液として2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京応化工業(株)製、商品名NMD-3)を用いて30秒間パドル現像を行った。ラインサイズが16nm~28nmのレジストパターンを形成した。レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、CG4100)を用いた。
【0151】
このようにして得られたフォトレジストパターンについて、22nmのラインアンドスペース(L/S)の形成可否を評価した。実施例1~2、実施例4、実施例7で22nmL/Sパターン形成を確認した。また22nmライン/44nmピッチ(ラインアンドスペース(L/S=1/1)を形成した電荷量を最適照射エネルギーとし、その時の照射エネルギー(μC/cm
2)、及びLWRを表4に示す。実施例1~2、実施例4、実施例7では比較例1と比較してLWRの向上、最小CDサイズの向上が確認された。
【表4】
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、所望のレジストパターンを形成できるレジスト下層膜を形成するための組成物、及び該レジスト下層膜形成組成物を用いたレジストパターン付き基板の製造方法、半導体装置の製造方法を提供することができる。