(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009631
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04W 4/38 20180101AFI20240116BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240116BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240116BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20240116BHJP
H04W 84/22 20090101ALI20240116BHJP
【FI】
H04W4/38
H04N1/00 127A
A61B5/00 102A
H04W88/04
H04W84/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111308
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】酒見 聡
(72)【発明者】
【氏名】森本 勝士
【テーマコード(参考)】
4C117
5C062
5K067
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB02
4C117XB07
4C117XE23
4C117XE37
4C117XF22
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4C117XJ03
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4C117XQ11
4C117XQ18
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4C117XR02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC34
5C062AF12
5K067AA21
5K067BB21
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE25
5K067LL11
(57)【要約】
【課題】対象者が多数存在する状況下においても、中継端末による計測器からの測定データの収集を効率よく確実に行う。
【解決手段】計測器で測定した対象者にかかる測定値を、中継端末を介してサーバに蓄積する情報処理システムにおいて、前記計測器は、前記中継端末へ送信不可能である場合、他の前記計測器に対して前記測定値を送信するデータ送信部と、他の前記計測器から送信された前記測定値を受信するデータ受信部と、を備え、前記データ送信部は、他の前記計測器から送信された前記測定値を、前記中継端末へ送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測器で測定した対象者にかかる測定値を、中継端末を介してサーバに蓄積する情報処理システムにおいて、
前記計測器は、
前記中継端末へ送信不可能である場合、他の前記計測器に対して前記測定値を送信するデータ送信部と、
他の前記計測器から送信された前記測定値を受信するデータ受信部と、
を備え、
前記データ送信部は、他の前記計測器から送信された前記測定値を、前記中継端末へ送信する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記計測器は、前記対象者を識別可能な生体情報を取得する生体情報取得部を備え、
前記データ送信部は、前記測定値を前記生体情報とともに送信し、
前記データ受信部は、前記測定値を前記生体情報とともに受信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記生体情報取得部は、指紋センサであって、前記計測器を使用する際に前記対象者の指先が触れる位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記サーバに蓄積された前記計測器で測定された前記測定値を情報処理する情報処理部を備え、
前記情報処理部は、前記対象者に定期的に前記計測器による測定を促す表示を、表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理部は、複数の緊急度にかかるモードを持ち、緊急度の高いモードの順に前記計測器による測定を促す頻度を多くする、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理部は、緊急度の高いモードに移行したと判断したときに、緊急の前記対象者を通知するアラートを発する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理部は、前記中継端末が前記対象者の個人所有の情報処理端末の場合には、当該中継端末について一定時間操作が確認されない場合、緊急度の高いモードに移行する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理部は、情報処理端末を持たない前記対象者が緊急度の高いモードになった時は、情報処理端末を持つ近隣の前記対象者にその旨を報知する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記サーバに蓄積された前記計測器で測定された前記測定値を印刷処理する画像形成装置を備え、
前記画像形成装置は、前記対象者を識別可能な生体情報を取得する第2の生体情報取得部を備え、
前記サーバは、前記生体情報と一致する生体情報とともに蓄積済みの前記測定値を印刷データに加工して前記画像形成装置に送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記第2の生体情報取得部は、指紋センサであって、前記画像形成装置を使用する際に前記対象者の指先が触れる位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
計測器で測定した対象者にかかる測定値を、中継端末を介してサーバに蓄積する情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記計測器は、
前記中継端末へ送信不可能である場合、他の前記計測器に対して前記測定値を送信するデータ送信工程と、
他の前記計測器から送信された前記測定値を受信するデータ受信工程と、
を含み、
前記データ送信工程は、他の前記計測器から送信された前記測定値を、前記中継端末へ送信する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日常生活における日々の対象者の健康状態の変化を容易に管理する目的で、生体情報取得端末から生体情報を収集する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、指紋認証で対象者(例えば、患者など)を特定し、計測器で測定した対象者の体温などの測定データをネットワークでデータサーバに送信するようにしたシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、対象者の体温などの測定データをネットワークで送信するようにしたシステムは、体育館のような大部屋に対象者が多数存在する状況下での使用が想定される。このような状況下においては、計測器から近隣の情報処理端末(スマートフォン、タブレット端末など)である中継端末に一時的に測定データを集めてからデータサーバに転送する構成が考えられる。
【0005】
しかしながら、上述のように計測器から近隣の情報処理端末に一時的に測定データを集めてからデータサーバに転送するシステムにおいては、大部屋の所定の区画に中継端末を所有しない対象者が多く存在する場合、中継端末による測定データの収集が困難となる、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、対象者が多数存在する状況下においても、中継端末による計測器からの測定データの収集を効率よく確実に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、計測器で測定した対象者にかかる測定値を、中継端末を介してサーバに蓄積する情報処理システムにおいて、前記計測器は、前記中継端末へ送信不可能である場合、他の前記計測器に対して前記測定値を送信するデータ送信部と、他の前記計測器から送信された前記測定値を受信するデータ受信部と、を備え、前記データ送信部は、他の前記計測器から送信された前記測定値を、前記中継端末へ送信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、対象者が多数存在する状況下においても、中継端末による計測器からの測定データの収集を効率よく確実に行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、データ中継端末のハードウェア構成図である。
【
図3】
図3は、データ中継端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、計測器のハードウェア構成図である。
【
図5】
図5は、計測器の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、データサーバまたは医療支援提供部のハードウェア構成図である。
【
図8】
図8は、医療支援提供部の機能構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、データサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、計測器の計測およびデータ送信動作にかかる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、計測器のデータ中継動作にかかる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、データサーバの蓄積処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、画像形成装置のハードウェア構成図である。
【
図18】
図18は、画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、画像形成装置における印刷処理およびデータサーバにおける印刷データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、情報処理システムおよび情報処理方法の実施の形態を詳細に説明する。本実施形態の情報処理システムは、体育館のような大部屋に対象者が多数存在する状況下において、計測器の測定データを、近隣のデータ中継端末に一時的に集めてからデータサーバに転送する構成である。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、多数のデータ中継端末4と、データサーバ5と、医療支援提供部3とを、インターネットなどのネットワーク2に接続している。また、情報処理システム1は、データ中継端末4に通信接続可能な計測器6を少なくとも複数備える。データ中継端末4(データ中継端末(1)~(2))と計測器6(計測器(1)~(8))とは、それぞれ固有のIDを持つ。
【0012】
なお、各対象者の使用する計測器6の種類は、1種類に限定する必要はなく、異なっていてもよい。また、計測器6は、複数の対象者で共有してもよい。また、データ中継端末4は、複数の対象者をカバーすることができる。ただし、データ中継端末4は、中継可能エリア外の対象者のデータを直接収集することはできない。
【0013】
ネットワーク2とデータサーバ5とは、例えば専用線(有線)で接続される。
図1においては、専用線(有線)を実線で表示する。また、ネットワーク2とデータ中継端末4とは、それぞれ無線で接続される。計測器6と、データ中継端末4または他の計測器6とは、それぞれ無線で接続される。ネットワーク2と医療支援提供部3とは、無線で接続される。
図1においては、無線を矢印線で表示する。
【0014】
計測器6は、対象者の体温を測定する体温計、対象者の動脈血中の酸素飽和度(ヘモグロビンがどの程度酸素と結びついているか)を測定するパルスオキシメータなどである。計測器6は、データ中継端末4または他の計測器6に対して、測定値(体温、酸素飽和度など)を送信する。
【0015】
データ中継端末4は、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理端末である。データ中継端末4は、計測器6から送信された測定データを、ネットワーク2を使用してデータサーバ5に送信する。
【0016】
データサーバ5は、計測器6で測定された測定データを記憶する。データサーバ5は、記憶した計測器6で測定された測定データを、クライアント端末として機能する医療支援提供部3に対して提供する。
【0017】
医療支援提供部3は、医療スタッフの待機部屋に設置される。医療支援提供部3は、データサーバ5に蓄積された計測器6で測定された測定値を情報処理する情報処理部である。医療支援提供部3は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末などの情報処理装置である。医療支援提供部3は、データサーバ5から提供された計測器6で測定された測定データを、表示したり、分析したりする。
【0018】
次に、データ中継端末4について詳述する。
【0019】
ここで、
図2はデータ中継端末4のハードウェア構成図である。本実施形態のデータ中継端末4は、スマートフォンを適用した例である。
【0020】
図2に示されているように、データ中継端末4は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、EEPROM404、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS受信部411を備えている。
【0021】
これらのうち、CPU401は、データ中継端末4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。
【0022】
CMOSセンサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。
【0023】
撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0024】
また、データ中継端末4は、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
【0025】
これらのうち、遠距離通信回路412は、ネットワーク2を介して、他の機器(例えば、データサーバ5など)と通信する回路である。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0026】
CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。
【0027】
ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、データ中継端末4を操作する入力手段の一種である。
【0028】
また、データ中継端末4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、
図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0029】
次に、データ中継端末4のCPU401がスマートフォン用プログラムに従って動作することにより実現される機能について説明する。
【0030】
ここで、
図3はデータ中継端末4の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、データ中継端末4のCPU401は、スマートフォン用プログラムに従って動作することにより、データ受信部41と、データ送信部42と、データ処理部43と、として機能する。
【0031】
データ受信部41は、近距離通信回路420を用いて、計測器6から送信されたデータを受信する。
【0032】
データ送信部42は、遠距離通信回路412を用いてネットワーク2を介して、計測器6から送信されたデータを、データサーバ5に送信する。
【0033】
データ処理部43は、計測器6から受信したデータに対して、各種のデータ処理を施す。
【0034】
次に、計測器6について詳述する。
【0035】
ここで、
図4は計測器6のハードウェア構成図である。以下では、計測器6は、対象者の体温を測定する体温計とするが、対象者の動脈血中の酸素飽和度(ヘモグロビンがどの程度酸素と結びついているか)を測定するパルスオキシメータなどであってもよい。
【0036】
図4に示されているように、計測器6は、測定ユニット601、表示部602、生体認証ユニット604、CPU(Central Processing Unit)611、ROM(Read Only Memory)612、SRAM(Static Random Access Memory)613、DRAM(Dynamic Random Access Memory)614、操作部615、外部機器接続I/F616、近距離通信回路617、アンテナ617aによって構成されている。
【0037】
測定ユニット601は、例えば、対象者の額表面から放射される赤外線量を測定し、舌下温度に換算して対象者の体温を測定する。なお、測定ユニット601は、対象者の動脈血中の酸素飽和度(ヘモグロビンがどの程度酸素と結びついているか)を測定するものなどであってもよい。
【0038】
表示部602は、測定ユニット601で測定した対象者の体温を表示する。
【0039】
生体認証ユニット604は、対象者を識別可能な生体情報を取得する生体情報取得部である。生体認証ユニット604は、例えば静電容量方式の指紋センサを備え、対象者の指紋のデータを取得する。なお、本実施形態においては、指紋センサが、操作部615の測定開始ボタンを兼ねている。この場合、生体認証ユニット604は、特別な操作なく対象者の指紋データを取得することができる。なお、生体認証ユニット604は、対象者の指紋データを取得するものに限るものではなく、対象者を識別可能な生体情報(瞳の中の虹彩、静脈など)であってもよい。
【0040】
測定ユニット601、表示部602及び生体認証ユニット604は、バス610を介してCPU611と接続される。さらに、バス610には、ROM612、SRAM613、DRAM614、操作部615、外部機器接続I/F(Interface)616、近距離通信回路617なども接続される。
【0041】
測定ユニット601は、操作部615の測定開始ボタンが押下されたタイミングで、対象者の体温を測定する。測定ユニット601は、測定した対象者の体温にかかるデータを、バス610を介してCPU611に送る。CPU611は、測定した対象者の体温にかかるデータを、表示部602に表示する。
【0042】
生体認証ユニット604は、操作部615の測定開始ボタンが押下されたタイミングで、対象者の指紋のデータを取得する。生体認証ユニット604は、対象者の指紋のデータを、バス610を介してCPU611に送る。
【0043】
CPU611は、計測器6の全体の動作を制御すると共に必要な処理を実行する。ROM612は、CPU611のための種々のプログラムを記憶している。SRAM613及びDRAM614はワークメモリであり、CPU611で実行するプログラムや処理途中のデータ等を記憶する。特にDRAM614は、測定ユニット601で取得した対象者の体温にかかるデータや、対象者の指紋のデータを記憶する。
【0044】
操作部615は、測定開始ボタンなどの操作ボタンの総称である。
【0045】
外部機器接続I/F616は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやPC(Personal Computer)等である。
【0046】
近距離通信回路617は、計測器6に設けられたアンテナ617aを介して、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信技術によって、他の計測器6やデータ中継端末4等の外部端末(装置)と通信を行う。
【0047】
次に、計測器6のCPU611がプログラムに従って動作することにより実現される機能について説明する。
【0048】
ここで、
図5は計測器6の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、計測器6のCPU611は、プログラムに従って動作することにより、データ受信部61と、データ送信部62と、データ処理部63と、として機能する。
【0049】
データ受信部61は、近距離通信回路617を用いて、他の計測器6から送信された測定データを受信する。このように他の計測器6から送信された測定データを受信するようにしたのは、データ中継端末4から遠い対象者の測定データを、別の対象者の使用する計測器6を通じて収集できるようにするためである。
【0050】
データ送信部62は、近距離通信回路617を用いて、他の計測器6から送信されたデータ、および、計測器6で生成した測定データを、データ中継端末4または他の計測器6に送信する。
【0051】
なお、データ送信部62は、一定の範囲内にあるデータ中継端末4の近距離通信回路420及び他の計測器6の近距離通信回路617を検出することができる。また、データ送信部62は、検出された他の計測器6のIDを識別することができる。さらに、データ送信部62は、データ送信時において、SRAM613に形成されるIDのリストに対して、自身のIDを追加する。
【0052】
データ処理部63は、送信する測定データを生成する。測定データは、最終的にデータサーバ5に送られる計測値(体温、酸素飽和度など)に加え、ルーティング用に中継した計測器6のIDのリストを含む。
【0053】
ここで、
図6は測定データの一例を示す図である。
図6に示すように、測定データとして必須となるのは、指紋データと、計測値(体温など)と、中継した計測器6のIDリスト(ルーティング用IDリスト)と、である。
【0054】
また、
図6に示すように、測定データは、計測器6の計測器ID、計測器6の計測機種別(体温計など)、計測時刻などを含んでもよい。
【0055】
なお、計測時刻は、データサーバ5の受信時刻で代用可能である。ただし、後述する
図13に示す処理をリトライした場合には、計測時刻とデータサーバ5の受信時刻とが乖離する可能性がある。
【0056】
また、計測器種別は、計測値の形式によってカバー可能なため、任意である。例えば、「測定値:体温36.5℃」であれば体温計の測定値であるとわかるため、計測器種別は不要である。
【0057】
上述のように測定データに計測器IDを付与している場合には、いつもと違う計測器IDの計測器6を使っていた場合において、「この人の測定器が壊れて他の人ものを借りているのか」、「いつもと違う場所にいて、そこにいる人の測定器を借りて測定しているのか」などの類推に役立つ。
【0058】
次に、データサーバ5および医療支援提供部3について詳述する。
【0059】
ここで、
図7はデータサーバ5または医療支援提供部3のハードウェア構成図である。データサーバ5または医療支援提供部3は、いわゆるコンピュータによって構築されている。本実施形態では、データサーバ5および医療支援提供部3のハードウェア構成は、同一であるとして説明する。
【0060】
図7に示されているように、データサーバ5(医療支援提供部3)は、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、表示部であるディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disc Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0061】
これらのうち、CPU501は、データサーバ5(医療支援提供部3)全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。データサーバ5と医療支援提供部3とでは、HD504に記憶されるプログラム等の各種データが異なっており、それぞれ特有の機能を発揮する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0062】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図7に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0063】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0064】
次に、医療支援提供部3のCPU501がプログラムに従って動作することにより実現される機能について説明する。
【0065】
ここで、
図8は医療支援提供部3の機能構成を示すブロック図である。
図8に示すように、医療支援提供部3のCPU501は、プログラムに従って動作することにより、データ受信部31と、データ処理部32と、支援要請部33と、として機能する。
【0066】
データ受信部31は、ネットワークI/F509を介して、データサーバ5よりデータを受信する。
【0067】
データ処理部32は、例えば、体温、酸素飽和度のなど測定値、計測なしの連続回数などから、緊急度合いの判断を行う。また、データ処理部32は、対象者に定期的(8:00,16:00の1日2回など)に計測器6による測定を促す表示を、ディスプレイ506に表示するようにしてもよい。
【0068】
ここで、
図9は測定を促す時刻例を示す図である。
図9に示すように、データ処理部32は、複数のモードを持ち、モードごとに測定を促す時刻を定めるようにしてもよい。
図9に示す例では、通常モード、注意モード、緊急モードを規定している。
図9に示すように、通常モードに比べて注意モードのほうが計測器6による測定を促す頻度が多く、注意モードに比べて緊急モードのほうが計測器6による測定を促す頻度が多くなっている。
【0069】
ここで、
図10はモード移行の移行条件例を示す図である。
図10に示すように、データ処理部32は、あらかじめ定められた移行条件に従ってモードを移行する。
【0070】
図10に示ように、データ処理部32は、計測値(体温、酸素飽和度など)が閾値1(体温:37.5℃。、酸素飽和度:96%)を超えて上/下がった場合、緊急モードに移行する。データ処理部63は、計測値(体温、酸素飽和度など)が閾値2(体温:38.5℃。、酸素飽和度:90%)を超えて上/下がった場合、注意モードに移行する。また、データ処理部63は、注意モードが一定時間以上続いた場合、緊急モードに移行する。
【0071】
図10に示ように、さらに、データ処理部32は、測定を促してから第1の時間において計測値(体温など)が確認されない場合、注意モードに移行する。測定を促してから第2の時間(第2の時間>第1の時間)において計測値(体温など)が確認されない場合、緊急モードに移行する。
【0072】
なお、データ処理部32は、データ中継端末4が対象者の個人所有のスマートフォン/タブレット端末の場合には、データ中継端末4について一定時間操作が確認されない場合、注意モードに移行するようにしてもよい。さらに、データ処理部32は、注意モードに移行後、更に一定時間操作が確認されない場合、緊急モードに移行するようにしてもよい。このようにすることで、データ中継端末4を自分で操作することができない(モニタ出来ない)対象者の放置を防止することができる。
【0073】
図11は、モード判定例を示す図である。
図11に示すように、データ処理部32は、真である移行条件のうち最もモード値の高いもの(深刻なもの)を移行先とする。
図11に示す例では、測定を促してから1時間以内に測定データが確認でき、かつ、体温38.0℃、酸素飽和度88%の場合を示している。データ処理部32は、
図11に示す例では、移行後のモードを緊急モードと判定する。
【0074】
データ処理部32は、モードごとに定められた時刻になった場合、対象者に測定を促す表示を、ディスプレイ506に表示する。モードに応じて測定を促す回数(頻度)を増やすため、重篤な対象者、重篤になりつつある対象者を漏れなくモニタ出来る。
【0075】
支援要請部33は、データ処理部32の上記判断に従い、支援要請を行う。支援要請部33は、例えば、ディスプレイ506に緊急の患者を表示する。また、支援要請部33は、例えば、緊急と判断したときに、医療スタッフの携帯電話(PHSを含む)に対し、緊急の患者を通知するアラートを発する。また、支援要請部33は、例えば、近隣の人のスマートフォン/タブレット端末に対して緊急の患者を通知するアラートを発し、緊急の患者を見に行ってもらうよう依頼通知する。
【0076】
また、支援要請部33は、個人でスマートフォン/タブレット端末を持たない対象者が注意/緊急モードになった時は、近隣のスマートフォン/タブレット端末を持つ対象者にその旨を報知し(見に行ってくださいとスマートフォン/タブレット端末から依頼を出す)、見に行ってもらう。このようにすることで、対象者の放置を防止することができる。
【0077】
次に、データサーバ5のCPU501がプログラムに従って動作することにより実現される機能について説明する。
【0078】
ここで、
図12はデータサーバ5の機能構成を示すブロック図である。
図12に示すように、データサーバ5のCPU501は、プログラムに従って動作することにより、データ受信部51と、データ送信部52と、データ処理部53と、記憶制御部54と、として機能する。
【0079】
データ受信部51は、計測器6から送信されたデータを、ネットワークI/F509を介して、データ中継端末4から受信する。
【0080】
データ送信部52は、ネットワークI/F509を介して、医療支援提供部3などに対してデータを送信する。
【0081】
記憶制御部54は、データ中継端末4から受信した計測器6で測定された測定データを、HD504に記憶する。
【0082】
データ処理部53は、HD504に記憶した計測器6で測定された測定データを、クライアント端末として機能する医療支援提供部3に対して提供する。
【0083】
次に、計測器6の動作について説明する。
【0084】
まず、計測器6の計測およびデータ送信動作について説明する。
【0085】
ここで、
図13は計測器6の計測およびデータ送信動作にかかる処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
図13に示すように、まず、計測器6のデータ処理部63は、指紋データを取得する(ステップS11)。なお、本実施形態においては、指紋センサが操作部615の測定開始ボタンを兼ねているので、対象者は指紋取得のための特別な動作が不要である。
【0087】
次に、計測器6のデータ処理部63は、測定データ(体温など)を取得する(ステップS12)。
【0088】
続いて、計測器6のデータ送信部62は、一定の範囲内にあるデータ中継端末4の近距離通信回路420を検出し、データ中継端末4にデータ送信可能かを判断する(ステップS13)。
【0089】
ステップS13において、計測器6のデータ送信部62は、一定の範囲内にあるデータ中継端末4の近距離通信回路420が検出された場合には、無条件でデータ送信可能とする。
【0090】
計測器6のデータ送信部62は、データ中継端末4へ送信可能であれば(ステップS13のYes)、測定データをデータ中継端末4に送信する(ステップS14)。
【0091】
一方、計測器6のデータ送信部62は、データ中継端末4へ送信不可能であれば(ステップS13のNo)、他の計測器6に測定データのデータ送信を試みる(ステップS15)。より詳細には、計測器6のデータ送信部62は、他の計測器6の近距離通信回路617を検出する。
【0092】
計測器6のデータ送信部62は、他の計測器6(計測器(1)~(n))に順番にデータ送信を試み、送信可能なものが見つかれば(ステップS15のYes)、送信可能な計測器6(計測器(1)~(n))に測定データを送信して(ステップS16)、処理を終了する。
【0093】
なお、複数の計測器6に対してデータ送信が可能な場合は、計測器6のデータ送信部62は、最初に検出された送信可能な計測器6に測定データを送信する。
【0094】
一方、計測器6のデータ送信部62は、他の計測器6(計測器(1)~(n))に順番にデータ送信を試み、送信可能なものが見つからなければ(ステップS15のNo)、送信可能な計測器6がないとして、一定時間待機した後(ステップS17)、ステップS13に戻り、リトライする。
【0095】
次に、計測器6のデータ中継動作について説明する。
【0096】
ここで、
図14は計測器6のデータ中継動作にかかる処理の流れを示すフローチャートである。
【0097】
図14に示すように、計測器6のデータ送信部62は、他の計測器6(例えば、計測器(1))から測定データがデータ送信されているかを判断する(ステップS21)。なお、計測器6のデータ送信部62は、データ送信時に、過去に中継した計測器6のIDと検出した計測器6のIDを照合し、中継履歴のない計測器6が検出されている状態を送信可能な状態とする。これにより、或る計測器6との間での測定データの往復やループを防ぐ。
【0098】
計測器6のデータ送信部62は、他の計測器6(例えば、計測器(1))からデータ送信されていると判断した場合(ステップS21のYes)、ステップS22に進み、一定の範囲内にあるデータ中継端末4の近距離通信回路420を検出し、データ中継端末4にデータ送信可能かを判断する。
【0099】
ステップS22において、計測器6のデータ送信部62は、一定の範囲内にあるデータ中継端末4の近距離通信回路420が検出された場合には、無条件でデータ送信可能とする。
【0100】
計測器6は、データ中継端末4へ送信可能であれば(ステップS22のYes)、他の計測器6(例えば、計測器(1))から測定データを受信し(ステップS23)、他の計測器6(例えば、計測器(1))から受信した測定データをデータ中継端末4に送信する(ステップS24)。
【0101】
一方、計測器6のデータ送信部62は、データ中継端末4へ送信不可能であれば(ステップS22のNo)、他の計測器6に測定データのデータ送信を試みる(ステップS25)。
【0102】
計測器6のデータ送信部62は、他の計測器6(例えば、計測器(2)~(n))に順番にデータ送信を試み、送信可能なものが見つかれば(ステップS25のYes)、他の計測器6(例えば、計測器(1))から測定データを受信し(ステップS26)、送信可能な計測器6(例えば、計測器(2)~(n))に他の計測器6から受信した測定データを送信して(ステップS27)、処理を終了する。
【0103】
なお、複数の計測器6に対してデータ送信が可能な場合は、計測器6のデータ送信部62は、最初に検出された送信可能な計測器6に測定データを送信する。
【0104】
一方、計測器6のデータ送信部62は、他の計測器6(例えば、計測器(2)~(n))に順番にデータ送信を試み、送信可能なものが見つからなければ(ステップS25のNo)、送信可能な計測器6がないとして、他の計測器6(例えば、計測器(1))にデータ受信不可である旨を通知し(ステップS28)、処理を終了する。
【0105】
図1に示す例では、計測器(1)~(2)で示される計測器6は、接続可能な位置にあるデータ中継端末(1)で示されるデータ中継端末4に接続する。計測器(3)~(4)で示される計測器6は、接続可能な位置にあるデータ中継端末(2)で示されるデータ中継端末4に接続する。
【0106】
一方、計測器(5)~(6)で示される計測器6は、データ中継端末(2)で示されるデータ中継端末4に接続可能な位置にない。そのため、計測器(5)~(6)で示される計測器6は、近隣の計測器(4)で示される計測器6に接続し、計測器(4)で示される計測器6は計測器(5)~(6)で示される計測器6の測定データをデータ中継端末(2)で示されるデータ中継端末4に中継する。
【0107】
また、計測器(7)~(8)で示される計測器6は、計測器(4)で示される計測器6に接続可能な位置にない。そのため、計測器(7)~(8)で示される計測器6は、近隣の計測器(5)で示される計測器6に接続し、計測器(5)で示される計測器6は計測器(7)~(8)で示される計測器6の測定データを計測器(4)で示される計測器6に中継する。中継された測定データは、さらにデータ中継端末(2)で示されるデータ中継端末4に中継される。
【0108】
続いて、データサーバ5の動作について説明する。ここでは、データ中継端末4から送信された測定データの蓄積処理について説明する。
【0109】
図15は、データサーバ5の蓄積処理の流れを示すフローチャートである。
図15に示すように、データサーバ5のデータ受信部51は、データ中継端末4から中継された測定データを受信する(ステップS31)。
【0110】
次いで、データサーバ5の記憶制御部54は、データ中継端末4から中継された指紋データについて、蓄積済みの指紋データに一致するものがあるかを判断する(ステップS32)。
【0111】
データサーバ5の記憶制御部54は、蓄積済みの指紋データに一致するものがあると判断した場合(ステップS32のYes)、一致する指紋データに紐づけて、受信した測定データをHD504に追加蓄積する(ステップS33)。
【0112】
一方、データサーバ5の記憶制御部54は、蓄積済みの指紋データに一致するものがないと判断した場合(ステップS32のNo)、受信した指紋データを含めて受信した測定データをHD504に新規に蓄積する(ステップS34)。
【0113】
このように本実施形態によれば、対象者(患者など)の体温などの測定値を含む測定データをネットワーク2で送信するに際して、対象者の個々の計測器(体温計など)6にデータ中継機能を持たせ、ある対象者の計測器6がデータ中継端末4から遠くてデータ中継端末4に接続できない場合には、近隣の計測器6を通じて測定データをデータ中継端末4に転送させる。これにより、体育館のような大部屋に対象者が多数存在する状況下においても、データ中継端末4による計測器6からの測定データの収集を効率よく確実に行うことができる。
【0114】
また、本実施形態によれば、複数の対象者の計測値を効率的に収集し、必要に応じて医師などのスタッフ派遣等を支援することができる。
【0115】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0116】
第2の実施の形態は、情報処理システム1のシステム構成に画像形成装置を含む点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0117】
図16は、第2の実施の形態にかかる情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図16に示すように、情報処理システム1は、画像形成装置9をネットワーク2に接続している。本実施形態の画像形成装置9は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral/Product/Printer)である。
【0118】
なお、画像形成装置9は、複合機に限るものではなく、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0119】
図17は、画像形成装置9のハードウェア構成図である。
図17に示されているように、画像形成装置9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0120】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0121】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0122】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0123】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0124】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0125】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0126】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、電源ボタン、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0127】
なお、画像形成装置9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0128】
また、ネットワークI/F950は、ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0129】
また、画像形成装置9は、生体認証ユニット960を操作パネル940に備える。生体認証ユニット960は、対象者を識別可能な生体情報を取得する第2の生体情報取得部である。生体認証ユニット960は、例えば静電容量方式の指紋センサを備え、対象者の指紋のデータを取得する。なお、本実施形態においては、指紋センサが、操作パネル940bの電源ボタンまたは印刷スタートボタンを兼ねている。この場合、生体認証ユニット960は、特別な操作なく対象者の指紋データを取得することができる。なお、生体認証ユニット960は、対象者の指紋データを取得するものに限るものではなく、対象者を識別可能な生体情報(瞳の中の虹彩、静脈など)であってもよい。
【0130】
次に、画像形成装置9のCPU901がプログラムに従って動作することにより実現される機能について説明する。
【0131】
ここで、
図18は画像形成装置9の機能構成を示すブロック図である。
図18に示すように、画像形成装置9のCPU901は、プログラムに従って動作することにより、データ受信部91と、データ送信部92と、データ処理部93と、印刷制御部94と、として機能する。
【0132】
データ受信部91は、印刷データなどを、ネットワークI/F950を介して、データサーバ5から受信する。
【0133】
データ送信部92は、ネットワークI/F950を介して、データサーバ5に対して指紋データなどを送信する。
【0134】
データ処理部93は、各種データに対する各種の処理を実行する。
【0135】
印刷制御部94は、プリンタ部932を制御して、印刷処理を実行する。
【0136】
次に、画像形成装置9の動作およびデータサーバ5の動作について説明する。ここでは、画像形成装置9における印刷処理およびデータサーバ5における印刷データ送信処理について説明する。
【0137】
図19は、画像形成装置9における印刷処理およびデータサーバ5における印刷データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0138】
図19に示すように、画像形成装置9のデータ送信部92は、生体認証ユニット960を介して、指紋データを取得し(ステップS41)、指紋データをデータサーバ5に送信する(ステップS42)。
【0139】
データサーバ5のデータ受信部51は、画像形成装置9から送信された指紋データを、ネットワークI/F509を介して受信する(ステップS51)。
【0140】
その後、データサーバ5のデータ受信部51は、蓄積済みの指紋データに一致するものがあるかを判断する(ステップS52)。データサーバ5のデータ受信部51は、蓄積済みの指紋データに一致するものがある場合(ステップS52のYes)、画像形成装置9に対して印刷可能なデータありと通知する(ステップS53)。次いで、データサーバ5のデータ処理部53は、一致する指紋データに基づく測定データを印刷データに加工する(ステップS55)。印刷データの加工例としては、測定データの表形式、測定データのグラフ形式などが考えられる。次いで、データサーバ5のデータ送信部52は、印刷データを画像形成装置9に送信する(ステップS56)。
【0141】
一方、データサーバ5のデータ受信部51は、蓄積済みの指紋データに一致するものがない場合(ステップS52のNo)、画像形成装置9に対して印刷可能なデータなしと通知し(ステップS54)、処理を終了する。
【0142】
画像形成装置9のデータ受信部91は、データサーバ5から通知を受信すると(ステップS43)、印刷可能なデータがあるかを判断する(ステップS44)。画像形成装置9のデータ受信部91は、印刷可能なデータがある場合(ステップS44のYes)、データサーバ5から印刷データを受信する(ステップS45)。
【0143】
その後、画像形成装置9の印刷制御部94は、プリンタ部932を制御して、印刷データを印刷する印刷処理を実行する(ステップS46)。
【0144】
一方、画像形成装置9のデータ受信部91は、印刷可能なデータがない場合(ステップS44のNo)、処理を終了する。
【0145】
ここで、
図20は印刷例を示す図である。
図20(a)は測定データの一覧を表形式で示した例を示し、
図20(b)は測定データの一覧をグラフ形式で示した例を示している。このように測定データを一覧表示することにより、対象者は自分の測定データを過去分も含めて確認することができる。
【0146】
このように本実施形態によれば、共用の画像形成装置9の操作パネル940bの電源ボタンまたは印刷スタートボタンに指紋センサを設け、指紋認証によって、対象者はボタン押下のみで自分の測定データを印刷できるので、対象者は自分の測定データを過去分も含めて確認することができる。
【0147】
なお、本実施形態のそれぞれの装置3,5,6,9で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0148】
また、本実施形態のそれぞれの装置3,5,6,9で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のそれぞれの装置3,5,6,9で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0149】
また、本実施形態のそれぞれの装置3,5,6,9で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0150】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0151】
なお、データ中継端末4は、通信機能を備えた装置であれば、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理端末に限られない。データ中継端末4は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【符号の説明】
【0152】
1 情報処理システム
3 情報処理部
4 中継端末
5 サーバ
6 計測器
9 画像形成装置
61 データ受信部
62 データ送信部
506 表示部
604 生体情報取得部
960 第2の生体情報取得部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0153】