(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096525
(43)【公開日】2024-07-16
(54)【発明の名称】イメージセンシング装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240708BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20240708BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L31/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221500
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2023-0000637
(32)【優先日】2023-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ソンフン
【テーマコード(参考)】
4M118
5F149
【Fターム(参考)】
4M118AA05
4M118AB01
4M118BA09
4M118CA01
4M118CB01
4M118GB03
4M118GB11
4M118GC07
4M118GC14
4M118GD04
5F149BA17
5F149BB03
5F149CB14
5F149EA04
5F149HA03
5F149HA05
5F149HA10
5F149JA12
5F149KA20
5F149XB05
(57)【要約】
【課題】イメージセンシング装置のモジュールから反射された望まない光が有効ピクセル領域に流入されることを防止する。
【解決手段】本技術の一実施形態によるイメージセンシング装置は、有効ピクセル領域100E及び有効ピクセル領域100Eを取り囲むダミー領域100Dを含む基板層110、ダミー領域100Dの基板層110をカバーしてダミー領域100Dの基板層110に光が入射されることを遮断する遮光膜132、遮光膜132の上に位置するカラーフィルター層150、及び遮光膜132の上に位置し、カラーフィルター層150を貫通する高さで遮光膜132から上に延長されるフレア防止壁140aを含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効ピクセル領域及び前記有効ピクセル領域を取り囲むダミー領域を含む基板層;
前記ダミー領域の基板層をカバーして前記ダミー領域の基板層に光が入射されることを遮断する遮光膜;
前記遮光膜の上に位置するカラーフィルター層;及び
前記遮光膜の上に位置し、前記カラーフィルター層を貫通する高さで前記遮光膜から上に延長されるフレア防止壁を含む、イメージセンシング装置。
【請求項2】
前記フレア防止壁は、
前記有効ピクセル領域を取り囲む四角フレームの形態を有することを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項3】
前記フレア防止壁は、
前記有効ピクセル領域と前記ダミー領域の境界領域に位置することを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項4】
前記フレア防止壁は、
両側壁がいずれも前記遮光膜の上部面と垂直に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項5】
前記フレア防止壁は、
両側壁のうち反射光が入射される側の側壁が傾斜して形成されることを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項6】
前記フレア防止壁は、
前記遮光膜と異なる物質の金属膜を含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項7】
前記金属膜は、
アルミニウムを含むことを特徴とする、請求項6に記載のイメージセンシング装置。
【請求項8】
前記フレア防止壁は、
前記金属膜と前記遮光膜との間に位置するバリアメタル膜をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載のイメージセンシング装置。
【請求項9】
前記フレア防止壁は、
屈折率が1.6より大きい非金属物質を含むことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項10】
前記カラーフィルター層上に位置するレンズ層をさらに含み、
前記フレア防止壁は、前記レンズ層の内部領域まで延長されることを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項11】
前記レンズ層は、
オーバーコーティング膜及び前記オーバーコーティング膜の上に位置するマイクロレンズを含み、
前記フレア防止壁は、前記オーバーコーティング膜を貫通しながら前記マイクロレンズの内部領域まで延長されることを特徴とする、請求項10に記載のイメージセンシング装置。
【請求項12】
前記カラーフィルター層上に位置するレンズ層をさらに含み、
前記フレア防止壁は、前記レンズ層を貫通する高さで延長されることを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項13】
有効ピクセル領域及び前記有効ピクセル領域を取り囲むダミー領域を含む基板層上に第1金属層及び第2金属層を順次に形成する段階;
前記第2金属層をパターニングして前記有効ピクセル領域と前記ダミー領域の境界領域に隔壁形態のフレア防止壁を形成する段階;
前記第1金属層をパターニングして前記有効ピクセル領域にグリッド構造物を形成して前記ダミー領域に遮光膜を形成する段階;
前記グリッド構造物により画成された領域及び前記遮光膜の上にカラーフィルター層を形成する段階;及び
前記カラーフィルター層上にレンズ層を形成する段階を含む、イメージセンシング装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1金属層と前記第2金属層との間にバリアメタル膜を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項15】
前記フレア防止壁を形成する段階は、
前記第2金属層及び前記バリアメタル膜を順次にパターニングすることを特徴とする、請求項14に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項16】
前記カラーフィルター層を形成する段階は、
前記フレア防止壁の上部領域が前記カラーフィルター層の上部面より上に突出するように前記カラーフィルター層を形成することを特徴とする、請求項13に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項17】
前記レンズ層を形成する段階は、
前記レンズ層の上部面が前記フレア防止壁の上部面より高く位置するように前記レンズ層を形成することを特徴とする、請求項16に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項18】
前記レンズ層を形成する段階は、
前記フレア防止壁の上部領域が前記レンズ層の上部面より上に突出するように前記レンズ層を形成することを特徴とする、請求項16に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【請求項19】
有効ピクセル領域及び前記有効ピクセル領域を取り囲むダミー領域を含む基板層上に金属層を形成する段階;
前記金属層をパターニングして前記有効ピクセル領域にグリッド構造物を形成して前記ダミー領域に遮光膜を形成する段階;
前記グリッド構造物により画成された領域及び前記遮光膜の上にカラーフィルター層を形成する段階;
前記カラーフィルター層上にレンズ層を形成する段階;
前記遮光膜が露出されるように前記レンズ層及び前記カラーフィルター層を食刻してトレンチを形成する段階;及び
前記トレンチに光反射用物質で埋め込んでフレア防止壁を形成する段階を含む、イメージセンシング装置の製造方法。
【請求項20】
前記フレア防止壁を形成する段階は、
前記トレンチに前記レンズ層より屈折率が大きい非金属物質を埋め込むことを特徴とする、請求項19に記載のイメージセンシング装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンシング装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサ(image sensor)は、光学映像を電気信号に変換させる素子である。近年、コンピューター産業と通信産業の発達に伴い、デジタルカメラ、カムコーダ、PCS(Personal Communication System)、ビデオゲーム機器、警備用カメラ、医療用マイクロカメラ、ロボットなど、多様な分野において集積度及び性能が向上したイメージセンサの需要が増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態は、イメージセンシング装置のモジュールから反射された光がイメージセンシング装置の有効ピクセル領域に流入されることの防止を図る。
【0004】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は、下記記載から当業者に明確に理解され得るはずである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置は、有効ピクセル領域及び前記有効ピクセル領域を取り囲むダミー領域を含む基板層、前記ダミー領域の基板層をカバーして前記ダミー領域の基板層に光が入射されることを遮断する遮光膜、前記遮光膜の上に位置するカラーフィルター層、及び前記遮光膜の上に位置し、前記カラーフィルター層を貫通する高さで前記遮光膜から上に延長されるフレア防止壁を含むことができる。
【0006】
本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置の製造方法は、有効ピクセル領域及び前記有効ピクセル領域を取り囲むダミー領域を含む基板層上に第1金属層及び第2金属層を順次に形成する段階、前記第2金属層をパターニングして前記有効ピクセル領域と前記ダミー領域の境界領域に隔壁形態のフレア防止壁を形成する段階、前記第1金属層をパターニングして前記有効ピクセル領域にグリッド構造物を形成して前記ダミー領域に遮光膜を形成する段階、前記グリッド構造物により画成された領域及び前記遮光膜の上にカラーフィルター層を形成する段階、及び前記カラーフィルター層上にレンズ層を形成する段階を含むことができる。
【0007】
本発明の他の実施形態によるイメージセンシング装置の製造方法は、有効ピクセル領域及び前記有効ピクセル領域を取り囲むダミー領域を含む基板層上に金属層を形成する段階、前記金属層をパターニングして前記有効ピクセル領域にグリッド構造物を形成して前記ダミー領域に遮光膜を形成する段階、前記グリッド構造物により画成された領域及び前記遮光膜の上にカラーフィルター層を形成する段階、前記カラーフィルター層上にレンズ層を形成する段階、前記遮光膜が露出されるように前記レンズ層及び前記カラーフィルター層を食刻してトレンチを形成する段階、及び前記トレンチに光反射用物質で埋め込んでフレア防止壁を形成する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態は、イメージセンシング装置のモジュールから反射された望まない光が有効ピクセル領域に流入されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置の構成を概略的に図示したブロック図である。
【
図2】
図1に図示されたイメージセンシング装置の平面構造を例示的に示す図面である。
【
図3】
図2においてX-X’切取線に沿って切断された断面構造の一実施形態を示す図面である。
【
図4a】
図3の構造を形成する過程を例示的に示す図面である。
【
図4b】
図3の構造を形成する過程を例示的に示す図面である。
【
図4c】
図3の構造を形成する過程を例示的に示す図面である。
【
図4d】
図3の構造を形成する過程を例示的に示す図面である。
【
図5】
図2においてX-X’切取線に沿って切断された断面構造の他の実施形態を示す図面である。
【
図6a】
図5に示されたものと同じ形態のフレア防止壁を形成する過程を例示的に示す図面である。
【
図6b】
図5に示されたものと同じ形態のフレア防止壁を形成する過程を例示的に示す図面である。
【
図6c】
図5に示されたものと同じ形態のフレア防止壁を形成する過程を例示的に示す図面である。
【
図7】
図2においてX-X’切取線に沿って切断された断面構造の他の実施形態を示す図面である。
【
図8a】
図7の構造を形成する過程を例示的に示す図面である。
【
図8b】
図7の構造を形成する過程を例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たって、同一の構成要素に対してはたとえ別の図面上に表示されるとしても、できる限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにおいて、関連した公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨害すると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置の構成を概略的に図示したブロック図である。
【0012】
図1を参照すると、本実施形態のイメージセンシング装置は、ピクセルアレイ(pixel array)100、ロードライバー(row driver)200、相関二重サンプラ(correlated double sampler、CDS)300、アナログ-デジタルコンバータ(analog digital converter、ADC)400、出力バッファ(output buffer)500、カラムドライバー(column driver)600及びタイミングコントローラ(timing controller)700を含むことができる。
【0013】
ピクセルアレイ100は、ロー(row)方向及びカラム(column)方向に連続的に配列された複数のユニットピクセルを含むことができる。ピクセルアレイ100は、外部から入射された光を光電変換してイメージ生成のための電気信号(ピクセル信号)を生成する有効ピクセルを含む有効ピクセル領域、及び有効ピクセル領域の外側に位置してダミーピクセルを含むダミー領域を含むことができる。また、ピクセルアレイ100は、有効ピクセル領域とダミー領域の境界領域に位置するフレア防止壁(flare protection wall)を含むことができる。
【0014】
ピクセルアレイ100は、ロー選択信号、リセット信号及び伝送信号のような駆動信号の提供をロードライバー200から受けることができる。ユニットピクセルは、駆動信号が受信されると活性化され、ロー選択信号、リセット信号及び伝送信号に対応される動作を遂行することができる。
【0015】
ロードライバー200は、タイミングコントローラ700のような制御回路から提供される制御信号に基づいてユニットピクセルを動作させることができる。
【0016】
相関二重サンプラ300は、相関二重サンプリング(CDS:correlated double sampling)方式を用いてユニットピクセルの望まないオフセット(offset)値を除去することができる。相関二重サンプラ300は、基準信号とピクセル信号を相関二重サンプリング(CDS)信号としてアナログ-デジタルコンバータ400に出力することができる。
【0017】
アナログ-デジタルコンバータ400は、相関二重サンプラ300から受信されるCDS信号をデジタル信号に変換することができる。
【0018】
出力バッファ500は、アナログ-デジタルコンバータ300から提供されるそれぞれのカラム単位のデータをタイミングコントローラ700の制御により一時格納することができる。
【0019】
カラムドライバー600は、タイミングコントローラ700の制御により出力バッファ500のカラムを選択し、選択された出力バッファ500のカラムに一時格納されたデータを順次に出力することができる。
【0020】
タイミングコントローラ700は、ロードライバー200、アナログ-デジタルコンバータ400、出力バッファ500及びカラムドライバー600の動作を制御するための信号を生成することができる。
【0021】
図2は、
図1に図示されたイメージセンシング装置におけるピクセルアレイの平面構造を例示的に示す図面である。
【0022】
図2を参照すると、ピクセルアレイ100は、有効ピクセル領域(effective pixel area)100E及びダミー領域(dummy area)100Dを含むことができる。
【0023】
有効ピクセル領域100Eは、イメージセンシング装置の中央部に四角形の形態で配置されてよい。有効ピクセル領域100Eは、2次元的なマトリックス形態で配列された複数の有効ピクセルを含むことができる。複数の有効ピクセルは、入射光を光電変換してイメージ生成のためのピクセル信号を生成することができる。複数の有効ピクセルは、複数のレッドピクセル(Red pixels)、複数のグリーンピクセル(Green pixels)及び複数のブルーピクセル(Blue pixels)がRGGBベイヤーパターン(Bayer pattern)形態で配列されてよい。
【0024】
ダミー領域100Dは、有効ピクセル領域100Eと隣接して有効ピクセル領域100Eの外側に位置することができる。例えば、ダミー領域100Dは、有効ピクセル領域100Eを取り囲む四角フレームの形態で有効ピクセル領域100Eの外側に配置されてよい。ダミー領域100Dは、複数のダミーピクセルを含むことができる。ダミー領域100Dは、半導体基板に流入される光を遮断するための遮光膜を含むことができる。遮光膜は、金属膜(例えば、タングステン)を含むことができ、半導体基板の上に形成されてよい。ダミー領域100Dにおいて遮光膜が形成される領域は、暗黒(dark)状態でピクセル信号を生成するオプティカルブラックピクセル(Optical Black Pixel)領域を含むことができる。
【0025】
また、ダミー領域100Dは、イメージセンシング装置のモジュールから反射された後、有効ピクセル領域100Eに流入される反射光を遮断するためのフレア防止壁(flare protection wall)140を含むことができる。フレア防止壁140は、ダミー領域100Dにおいて有効ピクセル領域100Eに隣接した領域に位置することができる。または、フレア防止壁140は、有効ピクセル領域100Eとダミー領域100Dとの境界領域に位置することができる。フレア防止壁140は、有効ピクセル領域100Eを取り囲む四角フレームの形態で形成されてよい。
【0026】
フレア防止壁140は、ダミー領域100Dの遮光膜の上に位置することができ、遮光膜から既に設定された高さほど上に延長して形成されてよい。例えば、フレア防止壁140は、カラーフィルター層を貫通しながらレンズ層の内部まで延長される高さで形成されてよい。または、フレア防止壁140は、カラーフィルター層及びレンズ層を貫通する高さで形成されてよい。
【0027】
フレア防止壁140は、反射率が高い物質膜を含むことができる。例えば、フレア防止壁140は、アルミニウムを含むことができる。または、フレア防止壁140は、レンズ層160より屈折率が大きい非金属物質を含むことができる。例えば、フレア防止壁140は、屈折率が1.6以上である非金属物質を含むことができる。
【0028】
ダミー領域100Dの外側には、パッド(PAD)が形成されてよい。
【0029】
図3は、
図2においてX-X’切取線に沿って切断された断面構造の一実施形態を示す図面である。
【0030】
図3を参照すると、ピクセルアレイ100は、基板層110、反射防止層120、遮光膜132、グリッド構造物134、フレア防止壁140a、カラーフィルター層150及びレンズ層160を含むことができる。
【0031】
基板層110は、基板112及び光電変換領域114を含むことができる。基板層110は、第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を含むことができる。このとき、第1面は、外部から光が入射される面を示すことができる。
【0032】
基板112は、単結晶(Single crystal)のシリコンを含む半導体基板を含むことができる。基板112は、P型不純物を含むことができる。
【0033】
光電変換領域114は、各ユニットピクセルに対応して半導体基板112の内部に形成されてよい。光電変換領域114は、レンズ層160及びカラーフィルター層150を通過して入射された可視光を光電変換して光電荷を生成することができる。光電変換領域114は、N型不純物を含むことができる。
【0034】
反射防止層120は、基板層110の第1面上に位置することができ、基板層110の第1面に入射される光が光電変換領域114に円滑に到達できるように光の反射を防止することができる。例えば、反射防止層120は、基板層110とカラーフィルター層150及びオーバーコーティング膜162の間の屈折率差を補償することで、カラーフィルター層150及びオーバーコーティング膜162を通過する光が効果的に基板層110の内部に入射されるようにすることができる。反射防止層120は、基板層110に形成された所定の構造物による段差を除去するための平坦化層の役割を担うこともできる。反射防止層120は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、又は高誘電膜(例えば、ハフニウム酸化膜、アルミニウム酸化膜)を含むことができる。
【0035】
遮光膜132は、ダミー領域100Dにおいて基板層110上に平板形態で形成され、基板層110に光が流入されることを遮断することができる。遮光膜132は、タングステンのような金属膜を含むことができる。遮光膜132の下に位置する光電変換領域は、暗黒(dark)状態でピクセル信号を生成するオプティカルブラックピクセルの光電変換領域を含むことができる。
【0036】
グリッド構造物134は、有効ピクセル領域100Eにおいて反射防止層120上に形成されてよい。グリッド構造物134は、グリッド形態でカラーフィルターの間に位置することにより、隣接したカラーフィルター間のクロストーク(crosstalk)を防止することができる。グリッド構造物134は、遮光膜132と同じ物質で形成されてよい。例えば、グリッド構造物134は、タングステンのような金属層を含むことができ、グリッド構造物134と遮光膜134は同じ工程を介して共に形成されてよい。
【0037】
フレア防止壁140aは、ダミー領域100Dにおいて遮光膜132上に一定の高さの隔壁形態で形成されることによりイメージセンシング装置のモジュールから反射され、有効ピクセル領域100Eに流入される光を遮断することができる。例えば、フレア防止壁140aは、両側壁がいずれも遮光膜132の上部面と垂直な方向に延長される垂直壁の形態で形成されてよい。フレア防止壁140aは、ダミー領域100Dにおいて有効ピクセル領域100Eと隣接した領域(例えば、境界領域)に形成されてよい。フレア防止壁140aは、カラーフィルター層150を貫通しながらレンズ層160の内部まで延長される高さで形成されてよい。または、フレア防止壁140aは、カラーフィルター層150及びレンズ層160を貫通する高さで形成されてよい。
【0038】
フレア防止壁140aは、光反射率が高い金属層を含むことができる。例えば、フレア防止壁140aは、アルミニウム膜144を含むことができる。アルミニウム膜144と遮光膜132との間にはバリア(barrier)メタル膜142が形成されてよい。バリアメタル膜142は、Ti、TiNの少なくともいずれか1つを含むことができる。または、フレア防止壁140aは、屈折率が高い、例えば、屈折率がレンズ層160より大きい非金属物質を含むことができる。
【0039】
カラーフィルター層150は、レンズ層150を介して入射された光から可視光をフィルタリングすることができる。カラーフィルター層150は、ベイヤーパターン(Bayer pattern)で配列されたレッドカラーフィルター、グリーンカラーフィルター及びブルーカラーフィルターを含むことができる。カラーフィルターは、有効ピクセル領域100Eにおいては反射防止層120上でグリッド構造物134により画成された領域に形成されてよく、ダミー領域100Dにおいては遮光膜132を全体的にカバーするように形成されてよい。
【0040】
レンズ層160は、オーバーコーティング膜162及びマイクロレンズ164を含むことができる。オーバーコーティング膜162は、カラーフィルター層150をカバーするように形成されてよい。オーバーコーティング膜162は、カラーフィルターにより発生し得る段差を補償するための平坦化層の役割を担うことができる。マイクロレンズ164は、オーバーコーティング膜162上に位置することができる。マイクロレンズ164のそれぞれは凸レンズの形態で形成されてよく、ユニットピクセルごとに形成されてよい。マイクロレンズ164は、有効ピクセル領域100Eにおいて入射光を対応される光電変換領域114に集光させることができる。レンズ層160は、ダミー領域100Dまで延長して形成されてよい。オーバーコーティング膜162とマイクロレンズ164は同じ物質で形成されてよい。例えば、オーバーコーティング膜162とマイクロレンズ164は、光透過性フォトレジスト物質で形成されてよい。
【0041】
図4aから
図4dは、
図3の構造を形成する過程を例示的に示す図面である。
【0042】
先ず、
図4aを参照すると、光電変換領域114を含む基板層110上に反射防止層120及び金属層132’、142’、144’が順次に積層して形成されてよい。このとき、反射防止層120は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、又は、高誘電膜(例えば、ハフニウム酸化膜、アルミニウム酸化膜)を含むことができる。金属層132’は、タングステンを含むことができ、金属層142’は、Ti、TiNのようなバリアメタルを含むことができる。また、金属層144’は、アルミニウムを含むことができる。
【0043】
次に、
図4bを参照すると、金属層144’、142’がパターニングされることにより、金属層132’上にフレア防止壁140aが形成されてよい。例えば、金属層144’上にフレア防止壁140aが形成される領域を画成するフォトレジストパターン(図示せず)が形成された後、そのフォトレジストパターンを食刻マスクとしてメタル層144’、142’が順次に食刻されることにより、バリアメタル膜142とアルミニウム膜144が積層されたフレア防止壁140aが形成されてよい。
【0044】
次に、
図4cを参照すると、金属層132’がパターニングされ遮光膜132及びグリッド構造物134が形成されてよい。
【0045】
例えば、金属層132’上にグリッド構造物134及び遮光膜132が形成される領域を画成するフォトレジストパターン(図示せず)が形成された後、そのフォトレジストパターンを食刻マスクとして金属層132’が食刻されることにより、有効ピクセル領域100Eにはグリッド構造物134が形成され、ダミー領域100Dには遮光膜132が形成されてよい。
【0046】
次に、
図4dを参照すると、グリッド構造物134により画成された領域及び遮光膜132上にカラーフィルター層150が形成されてよい。カラーフィルター層150は、ベイヤーパターン(Bayer pattern)で配列されたレッドカラーフィルター、グリーンカラーフィルター及びブルーカラーフィルターを含むことができる。
【0047】
次いで、カラーフィルター層150上にオーバーコーティング膜162が形成されてよい。例えば、光透過性フォトレジスト物質がカラーフィルターをカバーするように形成されてよい。オーバーコーティング膜162は、上部面がフレア防止壁140aの上部面より低く形成されてよく、オーバーコーティング膜162の上部面は平坦化されてよい。
【0048】
次いで、オーバーコーティング膜162上にマイクロレンズ164が形成されてよい。例えば、各光電変換領域114に対応してオーバーコーティング膜162上にフォトレジストパターンを形成した後、そのフォトレジストパターンをリフロー(reflow)させることにより上に突出した形態のマイクロレンズ164が形成されてよい。
【0049】
図5は、
図2においてX-X’切取線に沿って切断された断面構造の他の実施形態を示す図面である。
【0050】
図5を参照すると、本実施形態におけるフレア防止壁140bの両側壁のうち反射光が入射される側の側壁が傾斜して形成されることにより、外部から入射される反射光が反射されるように形成され得る。例えば、フレア防止壁140bの両側壁のうち有効ピクセル領域100Eと隣接した側壁は、遮光膜132の上部面と垂直な方向に延長される垂直壁の形態で形成され、その反対側の側壁は傾斜した形態で形成されてよい。
【0051】
フレア防止壁140bは、バリア(barrier)メタル膜146とアルミニウム膜148の積層構造を含むことができる。バリアメタル膜146は、Ti、TiNの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0052】
図6aから
図6cは、
図5に示されたものと同じ形態のフレア防止壁を形成する過程を例示的に示す図面である。本実施形態においては、フレア防止壁140bが形成される過程に対してのみ説明する。
【0053】
図6aを参照すると、基板層110上に反射防止層120及び金属層132’、142’、144’が順次に積層して形成されてよい。このとき、反射防止層120は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、または高誘電膜(例えば、ハフニウム酸化膜、アルミニウム酸化膜)を含むことができる。金属層132’は、タングステンを含むことができ、金属層142’は、Ti、TiNのようなバリアメタルを含むことができる。また、金属層144’は、アルミニウムを含むことができる。
【0054】
次に、
図6bを参照すると、金属層144’、142’がパターニングされた後、パターニングされた金属層パターン144’’、142’’の両側壁のうち一側壁の部分のみカバーするようにフォトレジスト膜170が形成されてよい。
【0055】
次に、
図6cを参照すると、金属層パターン144’’、142’’の一側壁はフォトレジスト膜170によりカバーされ、他の側壁は、露出された状態で金属層パターン144’’、142’’に対する傾斜食刻が進行されることによりフレア防止壁140bが形成されてよい。
【0056】
傾斜面の角度は、傾斜食刻時、パターンのCDを調節することにより所望の角度に調節できる。
【0057】
図7は、
図2においてX-X’切取線に沿って切断された断面構造の他の実施形態を示す図面である。
【0058】
図7を参照すると、フレア防止壁140cは、上部領域(upper portion)がレンズ層160より上に突出して形成されてよい。本実施形態において、フレア防止壁140cは、レンズ層160より屈折率が大きい非金属物質を含むことができる。例えば、フレア防止壁140cは、屈折率が1.6以上の非金属物質として、SiN、SiON、ポリシリコン(poly-silicon)などを含むことができる。
【0059】
本実施形態においては、非金属物質で形成されたフレア防止壁180がレンズ層160より上に突出して形成される場合を例示的に説明したが、前述した
図3及び
図5のフレア防止壁140a、140bも、上部領域(upper portion)がレンズ層160より上に突出して形成されてよい。
【0060】
図8a及び
図8bは、
図7の構造を形成する過程を例示的に示す図面である。
【0061】
図8aを参照すると、基板層110上に反射防止層120、遮光膜132、グリッド構造物134、カラーフィルター層150及びレンズ層160が形成されてよい。反射防止層120、遮光膜132、グリッド構造物134、カラーフィルター層150及びレンズ層160が形成される方法は、通常の方法中いずれか一つの方法が用いられてよいので、これに対する説明は省略する。
【0062】
次に、マイクロレンズ164上にフレア防止壁140cが形成される領域を画成するフォトレジストパターン170が形成されてよい。例えば、有効ピクセル領域100Eとダミー領域100Dの境界領域に有効ピクセル領域100Eを取り囲むフレーム形態の領域を画成するフォトレジストパターン170が形成されてよい。
【0063】
次いで、フォトレジストパターン170を食刻マスクとして遮光膜132が露出されるまでレンズ層160及びカラーフィルター層150が食刻されることにより、ダミー領域100Dに有効ピクセル領域100Eをフレーム形態で取り囲むトレンチ172が形成されてよい。
【0064】
次に、
図8bを参照すると、トレンチ172が埋め込まれるように非金属物質が形成されることによりフレア防止壁140cが形成されてよい。例えば、レンズ層160より大きい屈折率(例えば、屈折率1.6以上)を有する非金属物質がトレンチ192に埋め込まれることによりフレア防止壁140cが形成されてよい。
【0065】
次いで、フォトレジストパターン170が除去されてよい。
【0066】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能なはずである。
【0067】
したがって、本発明に開示されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護の範囲は、下記の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0068】
110 基板層
120 反射防止層
132 遮光膜
134 グリッド構造物
140、170、180 フレア防止壁
150 カラーフィルター層
160 レンズ層