(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096668
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】重合性オリゴマー液晶、重合性媒体および重合性液晶フィルム
(51)【国際特許分類】
G02B 5/30 20060101AFI20240709BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240709BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240709BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240709BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240709BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20240709BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240709BHJP
【FI】
G02B5/30
G02F1/1335 510
G02F1/13 505
G09F9/00 313
G09F9/30 365
H10K50/86
H10K59/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023206710
(22)【出願日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】22212134.5
(32)【優先日】2022-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ダンキン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ユエンユエン
(72)【発明者】
【氏名】バームパウティス,エフスタッフィオシュ
(72)【発明者】
【氏名】ブルール,ヤン ダーク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コーティングされたメソゲン材料の必要な平面配向を維持するために2つのガラス表面が必要で、大量生産の大きな障害となる。
【解決手段】重合性オリゴマー液晶(LC)、および1以上の単反応性、二反応性または多反応性メソゲン化合物と一緒に重合性オリゴマーLCを含む重合性LC媒体に関し、オリゴマーLC、重合性LC媒体から得られる複屈折ポリマーフィルムの調製方法、およびかかるポリマーフィルムの調製方法を提供する。特に液晶ディスプレイ(LCD)における超薄型偏光子(UTP)としての、有機発光デバイス(OLED)のコントラスト向上のための、またはAR/AV/VRアプリケーションのための、ポリマーフィルムを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の単反応性、二反応性もしくは多反応性液晶またはメソゲン化合物、および1以上の重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物を含む、重合性液晶媒体。
【請求項2】
スメクティックAおよびスメクティックC相とは異なる少なくとも1のスメクティック相を呈する、請求項1に記載の重合性LC媒体。
【請求項3】
スメクティックB相を呈する、請求項1または2に記載の重合性LC媒体。
【請求項4】
減少する温度にともない配列ネマティック相-スメクティックA相-スメクティックB相を包含するメソ相挙動を示す、請求項1~3のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項5】
式O:
P1-Sp1-[MG1-X1-E-X2]n-MG1-Sp2-P2 O
式中
P1およびP2は互いに独立して重合性基を示し、
Sp1およびSp2は互いに独立して、スペーサー基または単結合であり、
X1およびX2は互いに独立して-S-、-O-またはNRxを示し、
Eは1~20個、好ましくは2~12個のC原子を有するアルキレンであり、任意にF、Cl、Br、IまたはCNによりモノ-またはポリ置換されていてもよく、および加えて、1以上の非隣接する各CH2基は、相互に独立して、-O-、-S-、-NH-、-NRx-、-SiRxRy-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-NRx-CO-O-、-O-CO-NRx-、-NRx-CO-NRy-、-CH=CH-または-C≡C-によってOおよび/またはS原子が相互に直接結合しないように置き換えられていてもよく、
MG1は棒状のメソゲン基であり、好ましくは式Mから選択され、
-(A1-Z1)a-A2- M
式中
A1およびA2は、複数存在する場合において相互に独立して、芳香族または脂環式基を示し、任意に、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有し、および任意にLによりモノ-またはポリ置換されていてもよく、
Lは、P-Sp-、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NRxRy、-C(=O)ORx、-C(=O)Rx、-NRxRy、-OH、-SF5、任意に置換されていてもよいシリル、1~12個、好ましくは1~6個のC原子をもつアリールまたはヘテロアリール、および1~12個、好ましくは1~6個のC原子をもつ直鎖もしくは分枝のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであり、ここで1以上のH原子は、任意にFまたはClによって置き換えられていてもよく、
RxおよびRyは互いに独立してHまたは1~12個のC原子をもつアルキルを示し、
Z1は複数存在する場合において相互に独立して、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-S-CO-、-CO-S-、-O-COO-、-CO-NRx-、-NRx-CO-、-NRx-CO-NRy、-NRx-CO-O-、-O-CO-NRx-、-OCH2-、-CH2O-、-SCH2-、-CH2S-、-CF2O-、-OCF2-、-CF2S-、-SCF2-、-CH2CH2-、-(CH2)n1、-CF2CH2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-CH=CRx-、-CY1=CY2-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合、好ましくは-COO-、-OCO-または単結合を示し、
Y1およびY2は互いに独立してH、F、ClまたはCNを示し、
aは1、2、3または4、好ましくは1または2、最も好ましくは2であり、
n1は1から10まで、好ましくは1、2、3または4の整数であり、
nは、1分子あたりの繰り返し単位の平均数であり、および1から10まで、極めて好ましくは1から6までである、
前記式Oから選択される、少なくとも1の重合性オリゴマーの液晶またはメソゲン化合物を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項6】
式O1:
【化1】
式中nは請求項5において定義されるとおりであり、eは、1、2、3または4、好ましくは2であり、R
mは、HまたはCH
3、好ましくはHであり、およびMは、以下の式:
【化2】
式中Lは請求項5に定義されるとおりであり、rは、0、1、2、3または4であり、およびsは、1から20まで、好ましくは5から15までの整数である、前記式Mから選択される、
前記式O1から選択される、少なくとも1の重合性オリゴマーの液晶またはメソゲン化合物を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項7】
重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物の濃度は、0.05から15重量%まで、好ましくは0.1から10重量%まで、極めて好ましくは0.1から5重量%までである、請求項1~6のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項8】
好ましくは式DRM:
P1-Sp1-MG-Sp2-P2 DRM
式中P1、P2、Sp1およびSp2は請求項5において与えられる意味を有し、
MGは棒状のメソゲン基であり、好ましくは式M
-(A1-Z1)a-A2- M
式中A1、A2、Z1およびaは請求項5において与えられる意味を有する、前記式Mから選択される、
前記式DRMから選択される、1以上の二反応性または多反応性メソゲン化合物を含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項9】
二反応性または多反応性メソゲン化合物の濃度、好ましくは式DRMおよびその下位式のそれが、5から70重量%まで、好ましくは10から60重量%まで、極めて好ましくは20から55重量%までである、請求項1~8のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項10】
好ましくは式MRM:
P1-Sp1-MG-R MRM
式中P1、Sp1およびMGは請求項8において与えられる意味を有し、
RはP-Sp-、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NRxRy、-C(=O)X、-C(=O)ORx、-C(=O)Ry、-NRxRy、-OH、-SF5、任意に置換されていてもよいシリル、1~12個、好ましくは1~6個のC原子をもつ直鎖もしくは分枝アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを示し、ここで1以上のH原子は、任意にFまたはClによって置き換えられていてもよく、
Xはハロゲン、好ましくはFまたはClであり、および
RxおよびRyは互いに独立してHまたは1~12個のC原子をもつアルキルである、
前記式MRMから選択される、1以上の単反応性メソゲン化合物を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項11】
単反応性メソゲン化合物の濃度が、1から80重量%まで、好ましくは5から70重量%まで、極めて好ましくは10から60重量%までである、請求項1~10のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項12】
好ましくは二色性色素から選択される、1以上の色素または発色団をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の重合性LC媒体。
【請求項13】
色素の濃度は、0.1から10重量%まで、より好ましくは0.5から5重量%まで、極めて好ましくは0.5から3重量%までである、請求項12に記載の重合性LC媒体。
【請求項14】
請求項6において定義されるとおりの式O1で表される重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物。
【請求項15】
P1およびP2はアクリラートまたはメタクリラート基を示し、
式MD
H2C=CH-CO-O-Sp1-MG1-Sp2-O-CO-CH=CH2 MD
(式中Sp1、Sp2およびMG1は請求項5において与えられる意味を有し、およびRmはHまたはCH3、好ましくはHを示す)で表される化合物を、
式DT
HX1-E-X2H DT
(式中X1、X2およびEは請求項5において与えられる意味を有する)で表される化合物と、触媒存在下反応させるステップを包含する、請求項5に記載の重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物を調製するプロセス。
【請求項16】
下位式MD1
H2C=CRm-CO-O-M-O-CO-CRm=CH2 MD1
(式中Mは、請求項6において定義されるとおりの式M-1、M-2およびM-3から選択され、およびRmは、HまたはCH3、好ましくはHである)から選択される式MDで表される化合物を、
下位式DT1
HS-(CH2CH2O)e-CH2CH2-SH DT1
(式中eは、1、2、3または4、好ましくは2である)から選択される式DTで表される化合物
と触媒存在下反応させることにより、請求項6において定義されるとおりの式O1で表される化合物を調製するための請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
請求項1~13のいずれか一項に記載の重合性LC媒体または請求項14に記載の化合物の、ポリマーフィルムの調製のための使用。
【請求項18】
以下のステップ:
-請求項1~13のいずれか一項に記載の重合性LC媒体の層を基材上に提供するステップであって、任意に、前記重合性LC媒体の層に平面配向を誘導することができる配向層が設けられている、前記ステップ、
-重合性LC媒体をネマチック相を呈する温度まで加熱するステップ、
-重合性LC媒体を、スメクチック相、好ましくはスメクチックB相を呈する温度まで冷却する、または放冷するステップ、
-重合性LC媒体の層を化学線、好ましくはUV線で照射するステップ、
を含む、ポリマーフィルムの調製プロセス。
【請求項19】
請求項18に記載のプロセスにより得ることができるポリマーフィルム。
【請求項20】
請求項19に記載のポリマーフィルムの、光学装置または電気光学装置における光学部品における、もしくは光学部品としての、特に偏光子としての、好ましくは超薄型偏光子(UTP)としての使用。
【請求項21】
請求項1~18のいずれか一項に記載の重合性LC媒体または請求項19に記載のポリマーフィルムを含む、光学部品あるいは光学、電子または電気光学デバイス。
【請求項22】
OLEDまたはLCDなどの電気光学ディスプレイ、非線形光学(NLO)デバイス、光情報記憶デバイス、電子デバイス、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、有機太陽光発電(OPV)デバイス、照明デバイス、センサーデバイス、電子写真記録デバイス、有機メモリデバイスまたはAR/AV/VRアプリケーション用のデバイスから選択されることを特徴とする、請求項21に記載の光学、電子または電気光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
【0002】
本発明は、重合性オリゴマー液晶(LC)、および1以上の単反応性、二反応性または多反応性(mono-, di-, or multireactive)メソゲン化合物と一緒に重合性オリゴマーLCを含む重合性LC媒体に関する。さらに、本発明は、オリゴマーLC、重合性LC媒体から得られる複屈折ポリマーフィルムの調製方法、およびかかるポリマーフィルムの調製方法にも関する。本発明はさらに、光学部品としての、特に、液晶ディスプレイ(LCD)の超薄型偏光子(ultra-thin polariser)(UTP)としての、有機発光デバイス(OLED)のコントラスト向上のための、またはAR/AV/VRアプリケーションのための、ポリマーフィルムの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
背景と先行技術
OLEDディスプレイは、反射率が高く、鏡のように機能する金属陰極で構成されている。観察者には、ディスプレイから反射された入射光ではなく、OLEDから放射された光だけが見えることが重要である。これを達成するには、ディスプレイに反射防止層が必要である。
従来技術において、反応性メソゲン(RM)材料から製造される偏光子が知られている。例えばE. Peeters、 J. Lub、 J.A.M. Steenbakkers、 D.J. Broer、 Advanced Materials 2006、 16、 2412は、スメクティックRM材料に基づく高コントラスト偏光子を開示している。偏光子は、必要な平面配向を提供するラビングされたポリイミドを備えた2枚のガラス板の間で重合されたスメクチックBRM混合物に二色性色素を添加することによって作成される。原則として、偏光子は非常に薄くすることができ、特に、単一の基材上に塗布した場合、現在使用されている延伸ポリマー/ヨウ素偏光子よりもはるかに薄くすることができる。興味深い用途の1つは、円偏光板が明るく照らされた領域でのディスプレイのコントラストを向上させるOLEDディスプレイの分野である。
【0004】
しかしながら、RMベースの偏光子は、優れた性能にもかかわらず、いくつかの欠点があるため、まだ広く導入されていない。たとえば、コーティングされたRM材料の必要な平面配向を維持するために2つのガラス表面が必要であることが、その導入と大量生産の大きな障害と考えられている。したがって、偏光子は通常、配向層(ラビングされたポリイミドまたは光配向材料など)を備えた単一の柔軟な非複屈折基材(たとえばセルローストリアセテートまたはTAC)を使用したロールツーロールコーティングおよび硬化プロセスによって製造される。これは、RMコーティングが適用されるとすぐに、多くの場合ネマチック状態から平面配向になることを意味する。しかし、輸送中にコーティングが望ましいスメクチック状態に冷却されると、表面張力の作用下で再配列がすでに非常に急速に行われる。これは、より一般的な問題の一部であり、スメクチック材料はスメクチック層を基材に平行に配向させる傾向が強く、空気または窒素界面での平面配置からホメオトロピック配置への再配向を抑制できないということである。
【0005】
したがって、偏光子として使用することができ、従来技術の材料の欠点を示さない、または、たとえあったとしてもその程度が小さい、新規で改良されたRM材料および得られるポリマーフィルムが依然として必要とされている。
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来技術の材料、フィルムの欠点を持たない、新規かつ改良されたRM材料、その製造方法、これらのRM材料から調製されたポリマーフィルム、およびかかるフィルムの製造方法および上記のとおりの方法を提供することであった。
特に、フィルムの調製に使用されるRM材料は、単一の基材上に提供される場合にすでに良好で容易に達成可能な位置合わせを示す必要があり、優れた光学特性をもつUTPなどの厚さを薄くした偏光子などの光学フィルムの時間およびコスト効率の高い(time- and cost-effective)調製を可能にする必要がある。
【0007】
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明から当業者には直ちに明らかとなる。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、特に、オリゴマー液晶またはメソゲン化合物(以下、単に「オリゴマー」とも呼ぶ)をさらに含有する重合性LC媒体(以下、「RM混合物」とも呼ぶ)を使用することにより、以下に開示および特許請求するRM材料、ポリマーフィルムおよび方法を使用することによって、上記の要件の1以上、好ましくはすべてを、好ましくは同時に満たすことができることを発見した。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
本発明は、1以上の単反応性、二反応性、または多反応性メソゲン化合物と、1以上の重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物とを含む重合性LC媒体に関する。
重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物は、好ましくは式O
P1-Sp1-[MG1-X1-E-X2]n-MG1-Sp2-P2 O
式中
P1およびP2は互いに独立して重合性基を示し、
Sp1およびSp2は互いに独立しては、スペーサー基または単結合であり、
X1およびX2は各々独立して-S-、-O-またはNRx-を示し
Eは1~20個、好ましくは2~12個のC原子を有するアルキレンであり、F、Cl、Br、IまたはCNにより任意にモノ-またはポリ置換されていてもよく、および加えて1以上の非隣接する各CH2基は相互に独立して、-O-、-S-、-NH-、-NRx-、-SiRxRy-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-NRx-CO-O-、-O-CO-NRx-、-NRx-CO-NRy-、-CH=CH-または-CC-によってOおよび/またはSおよび/またはN原子は、相互に直接的に結合しないやり方で置き換えられていてもよく、
MG1は棒状のメソゲン基であり、好ましくは式Mから選択され、
-(A1-Z1)a-A2- M
【0009】
式中
A1およびA2は、複数存在する場合において相互に独立して、芳香族または脂環式基を示し、任意に、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有し、および任意にLによりモノ-またはポリ置換されていてもよく、
Lは、P-Sp-、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NRxRy、-C(=O)ORx、-C(=O)Rx、-NRxRy、-OH、-SF5、任意に置換されていてもよいシリル、1~12個、好ましくは1~6個のC原子をもつアリールまたはヘテロアリール、および1~12個、好ましくは1~6個のC原子をもつ直鎖もしくは分枝のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであり、ここで1以上のH原子は、任意にFまたはClによって置き換えられていてもよく、
RxおよびRyは、互いに独立してHまたは1~12個のC原子をもつアルキルを示し、
Z1は、複数存在する場合において相互に独立して、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-S-CO-、-CO-S-、-O-COO-、-CO-NRx-、-NRx-CO-、-NRx-CO-NRy、-NRx-CO-O-、-O-CO-NRx-、-OCH2-、-CH2O-、-SCH2-、-CH2S-、-CF2O-、-OCF2-、-CF2S-、-SCF2-、-CH2CH2-、-(CH2)n1、-CF2CH2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-CH=CRx-、-CY1=CY2-、-CC-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合、好ましくは-COO-、-OCO-または単結合を示し、
Y1およびY2は、互いに独立してH、F、ClまたはCNを示し、
aは、1、2、3または4、好ましくは1または2、最も好ましくは2であり、
n1は、1から10まで、好ましくは1、2、3または4の整数であり
nは、1分子あたりの繰り返し単位の平均数であり、および1から10であり、極めて好ましくは1から6である、
前記式Oから選択される。
【0010】
本発明はさらに、式Oの新規なオリゴマー液晶またはメソゲン化合物に関する。
本発明はさらに、上記および下記に記載されるような重合性LC媒体の製造方法に関する。
本発明はさらに、光学、電子および電気光学部品およびデバイスにおける、好ましくは厚さを薄くした複屈折ポリマーフィルム、好ましくは複屈折二色性ポリマーフィルムの製造のための、上記および下記の重合性LC媒体の使用に関する。
本発明はさらに、複屈折ポリマーフィルム、好ましくは、上記および下記の重合性LC媒体を、好ましくは薄膜の形態の配向状態のLC相で重合させることによって得られる、または複屈折二色性ポリマーフィルムに関する。
【0011】
本発明はさらに、上記および下記に記載されるような複屈折ポリマーフィルムの製造方法に関する。
本発明は特に、光学、電子またはデバイスにおける光学部品における、もしくは光学部品としての、特に偏光子としての、好ましくは超薄型偏光子(UTP)としての、上記および下記の複屈折ポリマーフィルムの使用に関する。
本発明はさらに、上記および下記に記載されるような重合性LC媒体または複屈折ポリマーフィルムを含む、光学部品あるいはは光学、電子または電気光学部品またはデバイス自体に関する。
前記デバイスは、OLEDおよびLCDなどの電気光学ディスプレイ、非線形光学(NLO)デバイス、光情報記憶デバイス、電子デバイス、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、有機太陽光発電(organic photovoltaic)(OPV)デバイス、照明デバイス、センサーデバイス、電子写真記録デバイス、有機メモリデバイス、またはAR/AV/VRアプリケーション用のデバイスを包含するがこれらに限定されない。
【0012】
用語および定義
本明細書で使用される用語「ポリマー」は、1以上の異なるタイプの繰り返し単位(分子の最小構成単位)の主鎖を網羅する分子を意味すると理解され、一般に知られている用語「オリゴマー」、「コポリマー」、「ホモポリマー」が包含される。さらに、ポリマーという用語には、ポリマー自体に加えて、開始剤、触媒、およびかかるポリマーの合成に付随する他の要素からの残基が含まれることが理解され、かかる残基は、ポリマーに共有結合して組み込まれていないものと理解される。さらに、かかる残基および他の要素は、通常は重合後精製プロセス中に除去されるが、通常はポリマーと混合され(mixed)または混ぜられ(co-mingled)、容器間または溶媒もしくは分散媒間でポリマーが移送されるときに一般にポリマーと一緒に残る。
【0013】
本発明において「(メタ)アクリルポリマー」は、アクリルモノマーから得られるポリマー、メタクリルモノマーから得られるポリマー、およびこれらのモノマーの混合物から得られる対応するコポリマーを包含する。
用語「重合」は、複数の重合性基またはかかる重合性基を含むポリマー前駆体(重合性化合物)を結合させることによってポリマーを形成する化学プロセスを意味する。
用語「フィルム」および「層」は、機械的安定性を備えた硬質または可撓性の自己支持または自立フィルム、ならびに支持基材上のまたは2つの基材間のコーティングまたは層を包含する。
用語「液晶またはメソゲン化合物」は、1以上のカラミティック(棒状または板状/ラス状)または円盤状(ディスク状)メソゲン基を含む化合物を意味する。用語「メソゲン基」は、液晶(LC)相挙動を誘導する能力を有する基を意味する。メソゲン基を含む化合物は、必ずしもそれ自体がLC相を示す必要はない。また、他の化合物との混合物中、またはメソゲン化合物または材料、またはそれらの混合物が重合した場合にのみ、それらがLC相挙動を示す可能性もある。簡単にするために、以降、メソゲン材料とLC材料の両方に対して「液晶」という用語を使用する。定義の概要については、C. Tschierske、 G. Pelzl and S. Diele、 Angew. Chem. 2004、 116、 6340-6368を参照。
【0014】
カラミティックメソゲン基は通常、互いに直接または結合基を介して結合した1以上の芳香族または非芳香族環状基からなるメソゲンコアを含み、任意にメソゲンコアの末端に結合した末端基を含み、および任意にメソゲンコアの長辺に結合した1以上の側基を含み、これらの末端基および側基は通常、例えば、カルビルまたはヒドロカルビル基、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシなどの極性基、または重合性基からなる群から選択される。
「反応性メソゲン」(RM)という用語は、重合可能なメソゲン化合物または液晶化合物を意味する。
【0015】
1の重合性基を有する重合性化合物は「単反応性(monoreactive)」化合物とも呼ばれ、2の重合性基を有する化合物は「二反応性(direactive)」化合物、3以上の重合性基を有する化合物は「多反応性(multireactive)」化合物とも呼ばれる。重合性基を持たない化合物は、「非反応性」化合物とも呼ばれる。
【0016】
「非メソゲン性化合物または材料」という用語は、上で定義したメソゲン性基を含まない化合物または材料を意味する。
可視光は、約400nmから約740nmの範囲の波長を有する電磁放射線である。紫外線(UV)光は、約200nmから約450nmの範囲の波長を有する電磁放射線である。
特に明記しない限り、本出願で示されるすべての温度値は、たとえば、融点T(Cr、N)、スメクチック相(S、Sm)からネマチック相(N)への転移T(S/Sm、N)、および透明点T(N、I)の場合、摂氏(℃)で表示される。M.p.は融点を示し、cl.p.は透明点を示す。また、Crは結晶状態を示し、Nはネマチック相を示し、SまたはSmXはスメクチックX相を示し、Iは等方相を示す。これらの記号間のデータは転移温度を表する。用語「透明点」は、最高温度範囲の中間相と等方相の間の転移が起こる温度を意味する。
【0017】
分子の長軸に平行な遷移双極子モーメントを有する棒状分子である二色性色素または発色団を含有する本発明による二色性複屈折ポリマーフィルムの二色比は、上または下に開示されているとおりに、式(1)で与えられる。
【数1-1】
式中
【数1-2】
は色素または発色団の長軸の平均方向に平行な吸光度、
【数1-3】
は色素または発色団の長軸の平均方向に垂直な吸光度である。特に明記されていない限り、
【数1-4】
およびNの値は、偏光子の動作波長範囲および室温を指す。
複屈折Δnは式2に従って定義される。
【数2】
式中n
eは異常屈折率、n
oは常光屈折率、n
avは実効平均屈折率であり式(3)で与えられる。
【数3】
平均屈折率n
av、常光屈折率n
oはアッベ屈折計を使用して測定できる。Δnは上記の式から計算できる。あるいは、偏光解析法によって屈折率を測定し、交差偏光子間のUV-Vis分光法によってΔnを導き出すこともできる。
【0018】
「ディレクタ」という用語は従来技術で知られており、液晶分子またはRM分子の長分子軸(カラミティック化合物の場合)または短分子軸(円盤状化合物の場合)の優先配向方向を意味する。このような異方性分子の一軸秩序の場合、ディレクターは異方性の軸になる。
すべての物理的特性は、Merck Liquid Crystals、 Physical Properties of Liquid Crystals"、 Status Nov. 1997、 Merck KGaA、 Germanyに従って決定されており、特に明記されていない限り、20℃の温度で与えられている。光学異方性(Δn)は589.3nmの波長で測定される。
【0019】
定義の疑問がある場合において、C. Tschierske、 G. Pelzl and S. Diele、 Angew. Chem. 2004、 116、 6340-6368が適用される。
与えられた一般式で特に明記されていない限り、以下の用語は次の意味を有する。
【0020】
「カルビル基」は、それ以上の原子を含まないか(例えば、-C≡C-など)、または任意に1以上のさらなる原子を含む、例えば、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGe(例えばカルボニルなど)などの、少なくとも1個の炭素原子を含む一価または多価の有機基を意味する。「ヒドロカルビル基」は、1以上のH原子、および任意に、例えば、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの1以上のヘテロ原子をさらに含むカルビル基を意味する。
【0021】
カルビルまたはヒドロカルビル基は、飽和または不飽和の基であってもよい。不飽和基は、例えば、アリール、アルケニル、またはアルキニル基である。3個を超える炭素原子を有するカルビル基またはヒドロカルビル基は、直鎖、分枝鎖および/または環状であってもよく、スピロ結合または縮合環を含んでもよい。
好ましいカルビル基およびヒドロカルビル基は、1~40個、好ましくは1~25個、殊更好ましくは1~18個のC原子を有する、任意に置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、6~40個、好ましくは6~25個のC原子を有する、任意に置換されていてもよいアリールまたはアリールオキシ、または6~40個、好ましくは6~25個のC原子を有する、任意に置換されていてもよいアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである。
【0022】
さらに好ましいカルビル基およびヒドロカルビル基は、C1-C40アルキル、C2-C40アルケニル、C2-C40アルキニル、C3-C40アリル、C4-C40アルキルジエニル、C4-C40ポリエニル、C6-C40アリール、C6-C40アルキルアリール、C6-C40アリールアルキル、C6-C40アルキルアリールオキシ、C6-C40アリールアルキルオキシ、C2-C40ヘテロアリール、C4-C40シクロアルキル、C4-C40シクロアルケニル、等々である。好ましいものは、C1-C22アルキル、C2-C22アルケニル、C2-C22アルキニル、C3-C22アリル、C4-C22アルキルジエニル、C6-C12アリール、C6-C20アリールアルキル、およびC2-C20ヘテロアリールに与えられる。
さらに好ましいカルビル基およびヒドロカルビル基は、1~40個、好ましくは1~25個のC原子、より好ましくは1~12個のC原子を有する直鎖、分岐鎖または環状のアルキルラジカルであり、非置換であるか、F、Cl、Br、I、またはCNによって一置換または多置換されており、ここで、1以上の隣接しないCH2基はそれぞれ、-C(Rx)=C(Rx)-、-CC-、-N(Rx)-、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-によってOおよび/またはS原子が互いに直接結合しないやり方で互いに独立して置き換えられていてもよい。
【0023】
上記において、Rxは、好ましくは、H、ハロゲン、1~25個のC原子を有する直鎖、分岐鎖または環状のアルキル鎖を表し、さらに、1以上の隣接しないC原子が-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-によって置き換えられていてもよく、1以上のH原子がフッ素、置換されていてもよい炭素数6~40のアリールまたはアリールオキシ基、または置換されていてもよい炭素数2~40のヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基、好ましくはHまたは炭素数1~12のアルキルにおよって置き換えられていてもよい。
【0024】
好ましいアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、n-ヘキシル、2-エチルヘキシル、n-へプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、ドデカニル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ-n-ブチル、2、2、2-トリフルオロエチル、ペルフルオロオクチル、ペルフルオロヘキシル等々である。
【0025】
好ましいアルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル等々である。
好ましいアルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニル等々である。
好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、2-メトキシエトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、2-メチルブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキサオキシ、n-へプチルオキシ、n-オクチルオキシ、n-ノニルオキシ、n-デシルオキシ、n-ウンデシルオキシ、n-ドデシルオキシ等々である。
【0026】
好ましいアミノ基は、例えば、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等々である。
アリール基およびヘテロアリール基は単環式または多環式であり、すなわち、1の環(例えば、フェニルなど)または2以上の環を有していてもよく、縮合(例えば、ナフチルなど)または共有結合(例えば、ビフェニルなど)していてもよく、または縮合環と連結環の組み合わせを含んでもよい。ヘテロアリール基は、好ましくはO、N、SおよびSeから選択される1以上のヘテロ原子を含有する。
好ましくは、6~25個のC原子を有する単環式、二環式、または三環式アリール基および2~25個のC原子を有する単環式、二環式、または三環式ヘテロアリール基であり、これらは任意に縮合環を含有し、任意に置換されていてもよい。さらに、5員、6員または7員のアリール基およびヘテロアリール基、ここで加えて、O原子および/またはS原子が互いに直接結合しないやり方で、1以上のCH基がN、SまたはOで置換されていてもよい、が好ましい。
好ましいアリール基は、例えば、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、[1,1’:3’,1’’]-テルフェニル-2’-イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレン等々である。
【0027】
好ましいヘテロアリール基は例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1、2、3-トリアゾール、1、2、4-トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1、2-チアゾール、1、3-チアゾール、1、2、3-オキサジアゾール、1、2、4-オキサジアゾール、1、2、5-オキサジアゾール、1、3、4-オキサジアゾール、1、2、3-チアジアゾール、1、2、4-チアジアゾール、1、2、5-チアジアゾールなどの、1、3、4-チアジアゾールなどの5員の環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1、3、5-トリアジン、1、2、4-トリアジン、1、2、3-トリアジン、1、2、4、5-テトラジン、1、2、3、4-テトラジン、1、2、3、5-テトラジンなどの6員の環、または、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフチイミダゾール、フェナントリイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトキサゾール、アントラオキサゾール、フェナントリオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ-5、6-キノリン、ベンゾ-6、7-キノリン、ベンゾ-7、8-キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2、3b]チオフェン、チエノ[3、2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンなどの縮合基、またはそれらの組み合わせの基である。ヘテロアリール基はまた、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フッ素、フルオロアルキルまたはさらにアリールまたはヘテロアリール基によって置換されていてもよい。
【0028】
(非芳香族)脂環式基および複素環式基は、飽和環、すなわち単結合のみを含有する環と、部分的に不飽和環、すなわち多重結合もまた含有してもよい環の両方を網羅する。複素環は、好ましくはSi、O、N、SおよびSeから選択される1以上のヘテロ原子を含有する。
(非芳香族)脂環式基および複素環式基は、単環式、すなわち1の環のみを含む(たとえば、シクロヘキサンなど)、または多環式、すなわち複数の環を含む(たとえば、デカヒドロナフタレンまたはビシクロオクタンなど)ことができる。飽和基が好ましい。さらに、任意に縮合環を含有し、任意に置換されていてもよい、3~25個のC原子を有する単環式、二環式、または三環式基が好ましい。さらに好ましいのは、5員、6員、7員または8員の炭素環式基であり、ここで加えて、1個以上のC原子がSiで置き換えられてもよく、および/または1以上のCH基がNで置き換えられてもよく、および/または1以上の隣接しないCH2基が-O-および/または-S-で置き換えられてもよい。
好ましい脂環式および複素環式基は、例えば、シクロペンタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、ピロリジンなどの5員の基、シクロヘキサン、シリナン、シクロヘキセン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、1,3-ジオキサン、1,3-ジチアン、ピペリジンなどの6員の基、シクロヘプタンなどの7員の基、およびテトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、インダン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1,3-ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン-2,6-ジイル、オクタヒドロ-4,7-メタノインダン-2,5-ジイルなどの縮合された基である。
アリール、ヘテロアリール、(非芳香族)脂環式基および複素環式基は、任意に、1以上の置換基を有し、好ましくはシリル、スルフォ、スルホニル、ホルミル、アミン、イミン、ニトリル、メルカプト、ニトロ、ハロゲン、C1-C12アルキル、C6-C12アリール、C1-C12アルコキシ、ヒドロキシル、またはこれらの組み合わせの基を含む群から選択される。
【0029】
好ましい置換基は、例えば、アルキルまたはアルコキシなどの溶解促進基、フッ素、ニトロまたはニトリルなどの電子求引基、またはポリマーのガラス転移温度(Tg)を上げるための置換基、特に例えばt-ブチル基または任意に置換されていてもよいアリール基などの嵩高い基である。
以下で「L」とも称される好ましい置換基は、例えば、F、Cl、Br、I、-OH、-CN、-NO2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)N(Rx)2、-C(=O)Yx、-C(=O)Rx、-C(=O)ORx、-N(Rx)2であり、Rxは上述の意味を有し、および上記Yxはハロゲン、任意に置換されていてもよいシリル、4~40個、好ましくは4~20個の環原子を有する任意に置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール、および1~25個のC原子を有する直鎖もしくは分枝のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであり、ここで、1以上のH原子は、任意にFまたはClにより置き換えられていてもよい。
「置換シリルまたはアリール」は好ましくはハロゲン、-CN、Ry、-ORy、-CO-Ry、-CO-O-Ry、-O-CO-Ryまたは-O-CO-O-Ryにより置換されることを意味し、RyはH、1~12個のC原子を有する直鎖、分枝のまたは環状アルキル鎖を示す。
【0030】
上記および下記の式において、基または置換基がアルキルまたはアルコキシラジカルを表す場合、すなわち末端CH2基が-O-で置換されている場合、これは直鎖または分枝鎖であってもよい。それは好ましくは直鎖であり、2、3、4、5、6、7または8炭素原子を有し、およびしたがって、好ましくは例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキサオキシ、ヘプタオキシ、またはオクトキシ、さらにまたメチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、ノナオキシ、デカオキシ、ウンデカオキシ、ドデカオキシ、トリデカオキシまたはテトラデカオキシである。
オキサアルキル、すなわち1のCH2基は、-O-によって置き換えられている、好ましくは例えば直鎖の2-オキサプロピル(=メトキシメチル)、2-(=エトキシメチル)または3-オキサブチル(=2-メトキシエチル)、2-、3-、または4-オキサペンチル、2-、3-、4-、または5-オキサヘキシル、2-、3-、4-、5-、または6-オキサへプチル、2-、3-、4-、5-、6-または7-オキサオクチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-オキサノニルまたは2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-または9-オキサデシルである。
Lは、好ましくはF、Cl、CN、NO2、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、COCH3、COC2H5、CF3、OCF3、とりわけF、Cl、CN、CH3、C2H5、OCH3、COCH3およびOCF3、最も好ましくはF、CH3、OCH3およびCOCH3である。
【0031】
本明細書における式において置換されたフェニレン環は、
【化1】
ここでLは、各存在にてまったく同じにまたは異なるように、本明細書において与えられる意味の1つを有し、および好ましくはF、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、C(CH
3)
3、CH(CH
3)
2、CH
2CH(CH
3)C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5またはP-Sp-、極めて好ましくはF、Cl、CN、CH
3、C
2H
5、OCH
3、COCH
3、OCF
3またはP-Sp-、最も好ましくはF、Cl、CH
3、OCH
3、COCH
3またはOCF
3である。
「ハロゲン」はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFまたはCl、より好ましくはFを示す。
「重合性基」(P)は、好ましくはC=C二重結合またはC≡C三重結合および開環を伴う重合に好適である基、例えばオキセタンまたはエポキシド基などを含有する基から選択される。
【0032】
好ましくは、重合性基(P)は、
CH
2=CW
1-COO-、CH
2=CW
1-CO-、
【化2】
CH
2=CW
2-(O)
k3-、CW
1=CH-CO-(O)
k3-、CW
1=CH-CO-NH-、CH
2=CW
1-CO-NH-、CH
3-CH=CH-O-、(CH
2=CH)
2CH-OCO-、(CH
2=CH-CH
2)
2CH-OCO-、(CH
2=CH)
2CH-O-、(CH
2=CH-CH
2)
2N-、(CH
2=CH-CH
2)
2N-CO-、CH
2=CW
1-CO-NH-、CH
2=CH-(COO)
k1-Phe-(O)
k2-、CH
2=CH-(CO)
k1-Phe-(O)
k2-、Phe-CH=CH-、からなる群から選択され、ここで
【0033】
W
1はH、F、Cl、CN、CF
3、フェニルまたは1~5個のC原子を有するアルキル、とりわけH、F、ClまたはCH
3を示し、
W
2は、Hまたは1~5個のC原子を有するアルキル、とりわけH、メチル、エチル、またはn-プロピルを示し、
W
3およびW
4各々は、相互に独立して、H、Clまたは1~5個のC原子を有するアルキルを示し、Pheは1,4-フェニレンを示し、これは、上で定義されているが、P-Spとは異なる1以上ののラジカルLによって任意に置換されていてもよく、好ましくは好ましい置換基Lは、F、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5、さらにまたフェニルであり、および
k
1、k
2およびk
3各々は、相互に独立して、0または1を示し、k
3は好ましくは1を示し、およびk
4は、1から10までの整数である。
殊更好ましい重合性基Pは、CH
2=CH-COO-、CH
2=C(CH
3)-COO-、CH
2=CF-COO-、CH
2=CH-、CH
2=CH-O-、(CH
2=CH)
2CH-OCO-、(CH
2=CH)
2CH-O-、
【化3】
でありここでW
2はHまたは1~5個のC原子を有するアルキル、とりわけH、メチル、エチルまたはn-プロピルを示す。
【0034】
さらに好ましい重合性基(P)は、ビニルオキシ、アクリラート、メタクリラート、フルオロアクリラート、クロロアクリラート、オキセタンおよびエポキシド、最も好ましくはアクリラートまたはメタクリラート、とりわけアクリラートである。
好ましくは、すべての多反応性重合性化合物およびその下位式は、1以上のラジカルP-Sp-の代わりに、2以上の重合性基Pを含む1以上の分岐ラジカル(多反応性重合性ラジカル)を含有する。
このタイプの好適なラジカル、およびそれらを含む重合性化合物は、例えば、このタイプの好適なラジカル、およびそれらを含む重合性化合物は、例えば、US 7,060,200 B1またはUS 2006/0172090 A1に記載されている。
【0035】
好ましいものは、以下の式から選択される多反応性重合性ラジカルに与えられ:
-X-アルキル-CHPx-CH2-CH2Py I*a
-X-アルキル-C(CH2Px)(CH2Py)-CH2Pz I*b
-X-アルキル-CHPxCHPy-CH2Pz I*c
-X-アルキル-C(CH2Px)(CH2Py)-CaaH2aa+1 I*d
-X-アルキル-CHPx-CH2Py I*e
-X-アルキル-CHPxPy I*f
-X-アルキル-CPxPy-CaaH2aa+1 I*g
-X-アルキル-C(CH2Pv)(CH2Pw)-CH2OCH2-C(CH2Px)(CH2Py)CH2Pz I*h
-X-アルキル-CH((CH2)aaPx)((CH2)bbPy) I*i
-X-アルキル-CHPxCHPy-CaaH2aa+1 I*k
式中、
【0036】
アルキルは単結合または1~12個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキレンを示し、ここで1以上の非隣接するCH2基は各々相互に独立して、-C(Rx)=C(Rx)-、-C≡C-、-N(Rx)-、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-によりOおよび/またはS原子が相互に直接結合しないやり方で置き換えられていてもよく、および加えて、1以上のH原子はF、ClまたはCNによって置き換えられていてもよく、Rx上述の意味を有し、
aaおよびbbは各々相互に独立して、0、1、2、3、4、5または6を示し
XはX’を表すための意味を示し、および
Pv~Pzは各々、相互に独立して、上述のPを表すための意味を有する。
好ましいスペーサー基SpおよびSp1-4は、ラジカル「P-Sp-」が式「P-Sp’-X’-」に適合するよう式Sp’-X’から選択され、
【0037】
Sp’は1~20、好ましくは1~12個のC原子を有するアルキレンを示し、任意にF、Cl、Br、IまたはCNによりモノ-またはポリ置換されていてもよくおよび加えて、1以上の非隣接するCH2基は各々相互に独立して、-O-、-S-、-NH-、-NRx-、-SiRxRy-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-NRx-CO-O-、-O-CO-NRx-、-NRx-CO-NRy-、-CH=CH-または-C≡C-により、Oおよび/またはS原子が相互に直接結合しないやり方で置き換えられていてもよく、
X’は-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-COO-、-CO-NRx-、-NRx-CO-、-NRx-CO-NRy-、-OCH2-、-CH2O-、-SCH2-、-CH2S-、-CF2O-、-OCF2-、-CF2S-、-SCF2-、-CF2CH2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-CH=CRx-、-CYx=CYx-、-CC-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合を示し、
【0038】
RxおよびRyは各々相互に独立して、Hまたは1~12個のC原子を有するアルキルを示し、および
YxおよびYyは各々相互に独立して、H、F、ClまたはCNを示す。
X’は好ましくは-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-COO-、-CO-NRx-、-NRx-CO-、-NRx-CO-NRy-または単結合である。
【0039】
典型的なスペーサー基Sp’は、例えば、-(CH2)p1-、-(CH2CH2O)q1-CH2CH2-、-CH2CH2-S-CH2CH2-、-CH2CH2-NH-CH2CH2-または-(SiRxRy-O)p1-であり、p1は、1から20までの整数、q1は、1から3までの整数、およびRxおよびRyは、上述の意味を有する。
殊更好ましい基-X’-Sp’-は、-(CH2)p1-、-O-(CH2)p1-、-OCO-(CH2)p1-、-OCOO-(CH2)p1-であり、p1は、1から20まで、好ましくは5から15までの整数である。
殊更好ましい基Sp’は、例えば各場合において、直鎖、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、へプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン-N-メチルイミノエチレン、1-メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0040】
本発明のために、
【化4】
はtrans-1,4-シクロヘキシレンを示し、および
【化5】
は1,4-フェニレンを示す。
【0041】
本発明のために、基-COO-、-C(=O)O-または-CO
2-は式
【化6】
で表されるエステル基を示し、および基-OCO-、-OC(=O)-、-O
2C-または-OOC-は式
【化7】
で表されるエステル基を示す。
すべての濃度は重量パーセント(w/w)において示され、それぞれの混合物全体に関連し、すべての温度は摂氏において示され、すべての温度差は差分度において示される。
文脈が明確にそうでないことを示していない限り、本明細書で使用される用語の複数形は単数形を含むものとして解釈されるべきであり、またその逆も同様である。
本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通じて、「含む」および「含有」という語、およびその語の変形、例えば「含み」および「含有し」は、「包含するがこれに限定されない」ものであり、他の要素を除外することを意図したものではない(また、除外するわけではない)。一方、「含む」という用語は、「からなる」という用語も網羅するが、これに限定されるものではない。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通じて、「得ることのできる」および「得られる」という語、およびその語の変形は、「包含するがそれに限定されない」ことを意味し、他の構成要素を排除することを意図するものではない(また、排除しない)。一方、「得ることのできる」は「得られる」も網羅するが、これに限定されるものではない。
【0042】
本発明の詳細な記載
本発明は、1以上の重合性液晶またはメソゲン化合物(以下、「反応性メソゲン」または「RM」とも称する)を含む重合性LC媒体を提供する。
これらは単反応性、二反応性、または多反応性であり、さらに少なくとも1つの重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物(以下、単に「オリゴマー」とも呼ぶ)を含む。重合性LC媒体は、以下では「RM混合物」または「RMM」とも呼ばれる。
好ましくは、RM混合物はスメクチック相、より好ましくはスメクチックA相およびスメクチックC相とは異なる少なくとも1つのスメクチック相、非常に好ましくはスメクチックB相を有する。より好ましくは、RM混合物は、温度が低下するにつれて、ネマティック-スメクティックA-スメクティックBの配列を含む中間相挙動を示す。
【0043】
本発明はまた、単一基材上に塗布される平面スメクチックコーティングを作成する方法を提供し、RM混合物がそのスメクチック状態に冷却されるときに平面配向を維持するための新しい原理を提供する。好ましい態様において、RM混合物は以下の一連の相:
ネマティック-スメクティックA-スメクティックB
を示す。
【0044】
この配列は、欠陥のないスメクティックB配列を作成するのに特に好適である。モノマーは処理され、ネマチック相において配向され、冷却してスメクチックA相を経てスメクチックB相に変換され、その後重合、好ましくはUV光重合によって凍結される。
ネマチック相からスメクチック相への転移における平面配向の損失の問題を克服するために、少量のオリゴマー液晶がRM混合物に添加される。オリゴマーはRM混合物と共配向し、その存在により、コーティングがネマチック状態で塗布され、重合前に所望のスメクチック状態に冷却されるときにさえ、再配向が遅れるか、完全に妨げられることさえある。その結果、コーティングはUV露光によって重合し、スメクチック配向を永久に固定することができる。
重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物は、好ましくは式Oから選択される。
【0045】
式Oの好ましい化合物は、それらの任意の組み合わせを含む、以下の好ましい態様から選択される:
-P1およびP2は、ビニルオキシ、アクリラート、メタクリラート、フルオロアクリラート、クロロアクリラート、オキセタンおよびエポキシド、最も好ましくはアクリラートまたはメタクリラート、とりわけアクリラートから選択され、
-Sp1およびSp2は、-(CH2)p1-、-O-(CH2)p1-、-OCO-(CH2)p1-、-OCOO-(CH2)p1-、ここでp1は、1から20まで、極めて好ましくは5から15までの整数であるから選択され、
-Sp3およびSp4は、-O-CO-CH2CH2-および-CH2-CH2-CO-O-から選択され、ここでSp3およびSp4は、Oおよび/またはS原子が相互に直接結合しないやり方でEに結合し、
-X1およびX2は-S-、-O-またはNH、好ましくは-S-を示し、
-A1およびA2は、1,4-フェニレン、ピリジン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、チオフェン-2,5-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-2,6-ジイル、インダン-2,5-ジイル、ビシクロオクチレンまたは1,4-シクロヘキシレン、ここで1または2の非隣接するCH2基は、任意にOおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、極めて好ましくは1,4-フェニレン、ナフタレン-2,6-ジイルまたは1,4-シクロヘキシレンから選択され、ここですべての先述の基は、非置換または上に定義されるとおりの1、2、3または4の基Lにより置換されていてもよく、
【0046】
-Z
1は、-COO-、-OCO-、-CH
2CH
2-または単結合から選択され、
-aは、1、2または3、好ましくは1または2であり、
-Eは3~12個のC原子を有するアルキレンを示し、ここで2の非隣接するCH
2基は、Oおよび/またはSおよび/またはN原子は、相互に直接結合しないやり方で-S-または-NR
x-によって置き換えられていてもよく、ここでR
xは上に与えられる意味を有し、および好ましくはHであり、
-Eは-S-(CH
2CH
2O)
e-CH
2CH
2-S-を示し、ここでeは、1、2または3、好ましくは2であり、
-メソゲン基MG
1は、以下の式:
【化8】
から選択され、
ここでLは、式Oまたは本明細書の好ましい意味の1つを有し、およびrは、0、1、2、3または4であり、
式Oのとくに好ましい化合物は、式O1:
【化9】
から選択され、
ここでnは式Oにおいて定義されるとおりであり、eは、1、2、3または4、好ましくは2であり、R
mは、HまたはCH
3、好ましくはHであり、およびMは、以下の式:
【0047】
【0048】
ここでLは式Oにおいて与えられる意味または本明細書の好ましい意味の1つを有し、rは、0、1、2、3または4であり、およびsは、1から20まで、好ましくは5から15までの整数である。
eは、2であり、Mは、式M-1またはM-2で表される、式O1で表される化合物がとくに好ましく、式M-1は、sは6、7、8、9、10、11または12、最も好ましくは6または11であり、およびrは、0であるのが最も好ましい。
好ましくは、オリゴマーはスメクチック相、より好ましくはスメクチックA相およびスメクチックC相とは異なる少なくとも1つのスメクチック相、非常に好ましくはスメクチックB相を有する。より好ましくは、オリゴマーは、温度の低下に伴って、ネマチック-スメクチックA-スメクチックBという配列を含む中間相挙動を示す。
【0049】
別の好ましい態様において、オリゴマーはネマチックおよび/またはスメクチックA相を有するが、スメクチックB相を呈さない。
本発明の別の目的は、式Oの新規なオリゴマーおよびその好ましい態様、特に式O1のオリゴマーである。
【0050】
RM混合物中のオリゴマーの濃度は、好ましくは0.05~15重量%、より好ましくは0.1~10重量%、最も好ましくは0.1~5重量%である。
本発明によるオリゴマー、特に式OおよびO1のオリゴマーは、当業者に知られ、文献に記載されている既知の方法によって合成することができる。
式O(式中、P1およびP2はアクリラートまたはメタクリラート基を表す)で表されるオリゴマーを調製する好ましい方法は、式MD
H2C=CH-CO-O-Sp1-MG1-Sp2-O-CO-CH=CH2 MD
(式中、Sp1、Sp2およびMG1は、式Oで与えられる意味または上記および下記で与えられる好ましい意味の1つを有し、RmはHまたはCH3、好ましくはHを表す)で表されるジアクリラートまたはジメタクリラートを、
式DT
HX1-E-X2H DT
(式中、X1、X2およびEは式Oにおいて与えられる意味または本明細書の好ましい意味の1つを有する)で表されるジチオール、ジアルコールまたはジアミン化合物と触媒の存在下反応させるステップを包含する。
本発明の好ましいプロセスは、式O1で表されるオリゴマーの調製に関し、ここで下位式MD1から選択される式MD
H2C=CRm-CO-O-M-O-CO-CRm=CH2 MD1
(式中Mは、上に定義されるとおり式M-1、M-2およびM-3から選択され、およびRmは、HまたはCH3、好ましくはHである)で表されるジアクリラートまたはジメタクリラートを、
下位式DT1
HS-(CH2CH2O)e-CH2CH2-SH DT1
(式中eは、1、2、3または4、好ましくは2である)から選択される式DTで表される化合物と触媒の存在下反応させるステップを包含する。
【0051】
上述のプロセスは、本発明のさらなる目的である。
本発明によるオリゴマーは、好ましくは1000~20000、より好ましくは1500~10000の平均分子量数Mn(1H-NMR分析により測定)、および多分散指数PDI(ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定)を有し、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を使用した場合(ポリスチレン標準に対して)は1.5から4、より好ましくは1.6から3.5である。
オリゴマーとは別に、本発明による重合性LC媒体は、1つ以上の単反応性、二反応性、または多反応性RMをさらに含む。
【0052】
好ましい態様において、重合性LC媒体は、1以上の二反応性または多反応性RMを含み、好ましくは式DRMから選択され、
P1-Sp1-MG-Sp2-P2 DRM
式中
P1およびP2は互いに独立して重合性基を示し、
Sp1およびSp2は互いに独立しては、スペーサー基または単結合を示し、および
MGは棒状のメソゲン基であり、好ましくは式Mから選択され
-(A1-Z1)n-A2- M
【0053】
式中
A1およびA2は、複数存在する場合において相互に独立して、芳香族または脂環式基、を示しそれらは任意には、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含有し、および任意にLによりモノ-またはポリ置換されていてもよく、
LはP-Sp-、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NRxRy、-C(=O)ORx、-C(=O)Rx、-NRxRy、-OH、-SF5、任意に置換されていてもよいシリル、1~12、好ましくは1~6個のC原子をもつアリールまたはヘテロアリール、および1~12、好ましくは1~6個のC原子をもつ直鎖または分枝のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであり、ここで1以上のH原子は、任意にFまたはClによって置き換えられていてもよく、
【0054】
RxおよびRyはHまたは1~12個のC原子をもつアルキルを示し、
Z1は複数存在する場合において相互に独立して、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-S-CO-、-CO-S-、-O-COO-、-CO-NRx-、-NRx-CO-、-NRx-CO-NRy、-NRx-CO-O-、-O-CO-NRx-、-OCH2-、-CH2O-、-SCH2-、-CH2S-、-CF2O-、-OCF2-、-CF2S-、-SCF2-、-CH2CH2-、-(CH2)n1、-CF2CH2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-CH=CRx-、-CY1=CY2-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合、好ましくは-COO-、-OCO-または単結合を示し、
Y1およびY2は互いに独立してH、F、ClまたはCNを示し、
nは1、2、3または4、好ましくは1または2、最も好ましくは2であり
n1は1から10まで、好ましくは1、2、3または4の整数である。
【0055】
好ましい基A1およびA2は、限定せずに、フラン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、フェニレン、シクロヘキシレン、ビシクロオクチレン、シクロヘキセニレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、アズレン、インダン、フルオレン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、アントラセン、フェナントレンおよびジチエノチオフェンを包含し、それらのすべては、非置換または上に定義されるとおりの基Lにより1、2、3または4置換されていてもよい。
具体的な好ましい基A1およびA2は、1,4-フェニレン、ピリジン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、チオフェン-2,5-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-2,6-ジイル、インダン-2,5-ジイル、ビシクロオクチレンまたは1,4-シクロヘキシレンから選択され、ここで1または2の非隣接するCH2基は、任意にOおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、ここでこれらの基は、非置換または上に定義されるとおりの基Lにより1、2、3または4置換されていてもよい。
式DRMの好ましいRMは、以下の式から選択され:
【0056】
【0057】
式中
P0は、複数存在する場合において相互に独立して、重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、オキセタン、エポキシ、ビニル、ヘプタジエン、ビニルオキシ、プロペニルエーテルまたはスチレン基であり、
【0058】
Z0は-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-CF2O-、-OCF2-、-C≡C-、-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-COO-、または単結合、好ましくは-COO-、-OCO-、-CH2CH2-または単結合であり、
Lは各存在にてまったく同じにまたは異なって式DRMにおいて与えられる意味の1つを有し、および好ましくは、複数存在する場合において相互に独立して、F、Cl、CNまたは任意にハロゲン化されていてもよい1~5個のC原子をもつアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシから選択され、
rは0、1、2、3または4であり、
qは0または1であり、隣接するyは0である場合qは0であり、
xおよびyは互いに独立して0または1から20まで、好ましくは5から15までの同一のまたは異なる整数であり、
zは0または1であり、隣接するxまたはyは0である場合zは0である。
式DRMのさらに好ましいRMは、以下の式から選択され:
【0059】
【0060】
式中P0、L、r、q、x、yおよびzは、式DRMaおよびDMRbにおいて定義されるとおりであり、およびqは、0または1である。
式DRMa1、DRMa4、DRMa5、DRMb1、DRMb2、DRMb3、DRMc1およびDRMc2で表されるとくに好ましいは、とりわけ式DRMb2およびDRMc1で表されるものである。
より長いアルキレンスペーサーを有するこのような化合物をRM混合物中で使用すると、RM混合物中のスメクチック相の挙動、特にスメクチックB相などの高度な秩序を有するスメクチック相が強化されることが期待される。
【0061】
重合性LC媒体中の、好ましくは式DRMから選択され、非常に好ましくは式DRMa~DRMfおよびそれらの下位式から選択される、二反応性または多反応性RMの濃度は、重合性LC媒体中で、好ましくは5重量%~65重量%、より好ましくは10~60重量%、好ましくは20~55重量%である。
好ましい態様において、二反応性または多反応性RMに加えて、またはその代わりに、好ましくは式DRMa~DRMfおよびそれらの下位式から選択されるRMに加えて、重合性LC媒体は、1つ以上の単反応性RMを含む。
【0062】
単反応性RMは、好ましくは式MRM:
P1-Sp1-MG-R MRM
ここでP1、Sp1およびMGは式DRMにおいて与えられる意味を有し、
Rは、P-Sp-、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-C(=O)NRxRy、-C(=O)X、-C(=O)ORx、-C(=O)Ry、-NRxRy、-OH、-SF5、任意に置換されていてもよいシリル、1~12個、好ましくは1~6個のC原子をもつ直鎖もしくは分枝のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを示し、ここで1以上のH原子は、任意にFまたはClによって置き換えられていてもよく、
Xはハロゲン、好ましくはFまたはClであり、および
RxおよびRyは互いに独立してHまたは1~12個のC原子をもつアルキルである、
で表される化合物から選択される。
【0063】
式MRMのRMは好ましくは以下の式:
【化13-1】
【化13-2】
【化13-3】
【化13-4】
から選択され、
【0064】
式中P0、L、r、x、yおよびzは、式DRMaおよびDRMbにおいて与えられる意味または本明細書の好ましい意味の1つを有し、
R0は、1以上の、好ましくは1~15個のC原子をもつアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシである、またはY0を示し、
X0は-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-COO-、-CO-NR01-、-NR01-CO-、-NR01-CO-NR01-、-OCH2-、-CH2O-、-SCH2-、-CH2S-、-CF2O-、-OCF2-、-CF2S-、-SCF2-、-CF2CH2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-CH=CR01-、-CF=CF-、-CC-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、
【0065】
Y0は、F、Cl、CN、NO2、OCH3、OCN、SCN、SF5、または1~4個のC原子をもつモノ-オリゴ-またはポリフッ素化されたアルキルまたはアルコキシであり、
Z0は、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-CF2O-、-OCF2-、-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-COO-、または単結合であり、
【0066】
A0は、複数存在する場合において相互に独立して、非置換、または1、2、3または4の基Lにより置換されていてもよい1,4-フェニレン、または、trans-1,4-シクロヘキシレンであり、
R01、02は互いに独立してH、R0またはY0であり、
uおよびvは互いに独立して0、1または2であり、
wは0または1であり、および、
ここでベンゼンおよびナフタレン環は1以上の同一のまたは異なる基Lでさらに置換されていてもよい。
【0067】
式MRM1~MRM15で表されるとくに好ましい化合物は、とりわけ式MRM1、MRM2、MRM3、MRM5、MRM7、MRM9、MRM10、MRM12、MRM12およびMRM13で表されるものである。極めて好ましくは、式MRM1、MRM7、MRM11、MRM12およびMRM13で表される化合物である。
重合性LC媒体中の単反応性RM、好ましくは式MRMから選択されるもの、非常に好ましくは式MRM1からMRM15から選択されるものの濃度は、好ましくは5から80重量%、より好ましくは10から75重量%、非常に好ましくは20から65%重量である。
好ましい態様において、本発明による重合性LC媒体全体における重合性メソゲン化合物の割合は、30~99重量%の範囲であり、より好ましくは40~97重量%、さらにより好ましくは50~95重量%の範囲である。
【0068】
好ましくは、本発明による重合性LC媒体全体において、式DRM、MRMおよび上記および下記に与えられるそれらの下位式の化合物から選択されるすべての単反応性、二反応性、または多反応性の液晶化合物の割合は、好ましくは、30~99.9重量%の範囲であり、より好ましくは40~99.9重量%の範囲であり、さらにより好ましくは50~99.9重量%の範囲である。
好ましい態様において、本発明による重合性LC媒体全体における二反応性または多反応性の重合性メソゲン化合物の割合は、全体として5~99重量%、より好ましくは10~97重量%の範囲、さらにより好ましくは15~95重量%である。
【0069】
別の好ましい態様において、本発明による重合性LC媒体中の単反応性重合性メソゲン化合物の割合は、全体として、5~80重量%、より好ましくは10~75重量%、なお好ましくは15~70重量%である。
別の好ましい態様において、本発明による重合性LC媒体中の多反応性重合性メソゲン化合物の割合は、全体として、1~30重量%、より好ましくは2~20重量%、さらにより好ましくは3~10重量%の範囲である。
【0070】
別の好ましい態様において、本発明による重合性LC媒体中の二反応性または多反応性の重合性メソゲン化合物の全体の割合は、25~65重量%、より好ましくは30~60重量%の範囲にあり、 本発明による重合性LC媒体中の単反応性重合性メソゲン化合物の割合は全体として30~75重量%、より好ましくは40~70重量%の範囲である。
【0071】
別の好ましい態様において、重合性LC媒体は、1より多い重合性基を有する重合性メソゲン化合物を含有しない。
別の好ましい態様において、重合性LC媒体は、2より多い重合性基を有する重合性メソゲン化合物を含有しない。
別の好ましい態様において、重合性LC媒体は、2未満の重合性基を有する重合性メソゲン化合物を含有しない。
【0072】
式DRM、MRMおよびそれらの下位式の化合物は、当業者に公知であり、例えばHouben-Weyl、 Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry]、 Thieme-Verlag、 Stuttgartなどの有機化学の標準的な文献に記載されているプロセスと同様に調製することができる。
別の好ましい態様において、重合性LC媒体はさらに、二色性偏光子の調製に特に好適な二色性色素から選択されることが好ましい1つ以上の色素または発色団を含有する。
好適な二色性色素は当業者に知られており、文献に記載されており、および/または市販されている。
【0073】
好ましい二色性色素は次の式から選択される。
【化14】
【0074】
色素D4は、例えば、G205(Nippon Kankoh-Shikisho Kenkyusho Co., Ltd)の名称で市販されている。
代替的に、RMの1つが二色性発色団を含有してもよい。
重合性LC媒体中における色素の濃度は、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%、最も好ましくは0.5~3重量%である。
好ましくは、本発明による二色性複屈折ポリマーフィルムの二色比Nは少なくとも10、より好ましくは少なくとも15、非常に好ましくは少なくとも20である。
【0075】
さらに好ましい態様において、重合性LC媒体は、さらなる重合開始剤、酸化防止剤、界面活性剤、安定剤、触媒、増感剤、阻害剤、連鎖移動剤、共反応モノマー、反応性シンナー、界面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性向上剤、脱気剤または消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、助剤、着色剤、染料、顔料およびナノ粒子からなる群から選択される1以上の添加剤を任意に含んでもよい。
【0076】
別の好ましい態様において、重合性LC媒体は、重合性非メソゲン化合物(反応性シンナー)から選択される1つ以上の添加剤を任意に含む。重合性LC媒体中のこれらの添加剤の量は、好ましくは0~30%、非常に好ましくは0~25%である。
使用される反応性シンナーは、実際の意味で反応性シンナーと呼ばれる物質だけでなく、1つ以上の相補的な反応性単位または重合性基P、たとえばヒドロキシル、チオール、またはアミノ基を含有する上記に述べた補助化合物も含有し、これを介して、液晶化合物の重合性単位との反応が起こる。
【0077】
通常光重合可能な物質は、例えば、少なくとも1つのオレフィン性二重結合を含む単官能性、二官能性および多官能性の化合物を包含する。その例は、カルボン酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、および、ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸のビニルエステル、アリルおよびビニルエーテル、および、単官能性アルコールのメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル、例えば、ラウリル、ミリスチル、パルミチルおよびステアリルアルコール、および、二官能性アルコール、例えばエチレングリコールおよび1、4-ブタンジオールのジアリルおよびジビニルエーテルを包含する。
【0078】
また、例えば、多官能性アルコールのメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル、特にヒドロキシル基以外にさらなる官能基を含まないか、またはせいぜいエーテル基を含有しないものもまた好適である。かかるアルコールの例は、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの二官能性アルコール、およびそれらのより高度に縮合した代表物、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、エトキシル化およびプロポキシル化ビスフェノール、シクロヘキサンジメタノール、三官能性ビスフェノール、シクロヘキサンジメタノールなどのアルコキシル化フェノール化合物、多官能性アルコール、例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、および対応するアルコキシル化、特にエトキシル化およびプロポキシル化アルコールである。
【0079】
他の好適な反応性シンナーは、ポリエステルオールの(メタ)アクリル酸エステルであるポリエステル(メタ)アクリラートである。
好適なポリエステルオールの例は、ポリオール、好ましくはジオールを使用して、ポリカルボン酸、好ましくはジカルボン酸をエステル化することによって調製できるものである。このようなヒドロキシル含有ポリエステルの出発物質は当業者に知られている。使用できるジカルボン酸は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、o-フタル酸およびその異性体および水素化生成物、ならびに前記酸のエステル化可能およびエステル交換可能な誘導体、例えば無水物およびジアルキルエステルである。好適なポリオールは、上述のアルコール、好ましくはエチレングリコール、1、2-および1、3-プロピレングリコール、1、4-ブタンジオール、1、6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ならびにエチレングリコールおよびプロピレングリコールタイプのポリグリコールである。
【0080】
さらに、好適な反応性シンナーは、1、4-ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリラートの名でも知られるトリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステル、およびアクリル酸、メタクリル酸およびシアノアクリル酸のアリルエステルである。
【0081】
例として挙げた反応性シンナーのうち、上記の好ましい組成を考慮すると、光重合性基を含有するものが特に使用される。
この基は、例えば、二価アルコールおよび多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、およびそれらのより高度に縮合された代表物、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなど、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールおよび対応するアルコキシル化、特にエトキシル化およびプロポキシル化されたアルコールを包含する。
この基はさらに、例えばアルコキシル化フェノール化合物、例えばエトキシル化およびプロポキシル化ビスフェノールも包含する。
これらの反応性シンナーはさらに、例えばエポキシドまたはウレタン(メタ)アクリラートであってもよい。
【0082】
エポキシド(メタ)アクリラートは、例えば、当業者に公知の、エポキシ化オレフィンまたはビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのポリまたはジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるものである。
ウレタン(メタ)アクリラートは、特に、同様に当業者に知られている、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリラートとポリイソシアネートまたはジイソシアネートとの反応の生成物である。
かかるエポキシドおよびウレタン(メタ)アクリラートは、「混合形態」として上に挙げた化合物に包含される。
【0083】
反応性シンナーが使用される場合、一方では満足のいく所望の効果、例えば本発明による組成物の所望の色が達成されるように、その量と特性をそれぞれの条件に適合させなければならないが、他方、液晶組成物の相挙動は過度に損なわれない。低架橋性(高架橋性)の液晶組成物は、例えば、分子あたりの反応性単位の数が比較的少ない(多い)、対応する反応性シンナーを使用して調製することができる。
希釈剤の基は例えば、C1~C4アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、および特に、C5~C12アルコール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-ノナノール、n-デカノール、n-ウンデカノールおよびn-ドデカノール、ならびにそれらの異性体、グリコール、例えば、1,2-エチレングリコール、1,2-および1,3-プロピレングリコール、1,2-、2,3-および1,4-ブチレングリコール、ジ-およびトリエチレングリコール、ならびにジ-およびトリプロピレングリコール、エーテル、例えば、メチルtert-ブチルエーテル、1,2-エチレングリコールモノ-およびジメチルエーテル、1,2-エチレングリコールモノ-および-ジエチルエーテル、3-メトキシプロパノール、3-イソプロポキシプロパノール、テトラヒドロフランおよびジオキサン、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)、C1~C5アルキルエステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルおよび酢酸アミル、脂肪族および芳香族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、石油エーテル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン、デカリン、ジメチルナフタレン、ホワイトスピリット、Shellsol(登録商標)およびSolvesso(登録商標)鉱物油(例:ガソリン、ケロシン、ディーゼル油、灯油)だけでなく、天然油(例:オリーブ油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、ひまわり油)も包含する。
【0084】
当然ながら、本発明に従う組成物においてこれらの希釈剤の混合物を使用することも可能である。
少なくとも部分的に混和性がある限り、これらの希釈剤は水と混合することもできる。ここでの好適な希釈剤の例は、C1~C4アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールおよびsec-ブタノール、グリコール、例えば、1,2-エチレングリコール、1,2-および1,3-プロピレングリコール、1,2-、2,3-および1,4-ブチレングリコール、ジ-およびトリエチレングリコール、および、ジ-およびトリプロピレングリコール、エーテル、例えばテトラヒドロフランやジオキサン、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトンおよびジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)、およびC1~C4アルキルエステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、プロピルおよび酢酸ブチルである。
【0085】
希釈剤は、任意に、重合性LC媒体の総重量に基づいて、約0~10.0重量%、好ましくは約0~5.0重量%の割合で使用される。
消泡剤および脱泡剤(c1))、潤滑剤および流動助剤(c2))、熱硬化または放射線硬化助剤(c3))、基材湿潤助剤(c4))、湿潤および分散助剤(c5))、疎水化剤(c6))、接着促進剤(c7))、および耐擦傷性を促進する助剤(c8))は、その作用において相互に厳密に区別することはできない。
例えば、潤滑剤および流動助剤は、多くの場合、消泡剤および/または脱気剤として、および/または耐引掻性を改善するための助剤としても機能する。放射線硬化助剤は、潤滑剤および流動助剤および/または脱気剤および/または基材湿潤助剤としても機能することができる。個々のケースにおいて、これらの助剤の一部は接着促進剤の機能を果たすこともある(c8))。
したがって、上記に対応して、特定の添加剤は、以下に説明するいくつかのグループc1)~c8)に分類できる。
【0086】
グループc1)の消泡剤には、シリコンを含まないポリマーおよびシリコン含有ポリマーが含まれる。ケイ素含有ポリマーは、例えば、未変性または変性ポリジアルキルシロキサンまたは分岐コポリマー、ポリジアルキルシロキサンおよびポリエーテル単位を含む櫛型またはブロックコポリマーであり、後者はエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから得られる。
【0087】
グループc1)の脱気剤は、例えば有機ポリマー、例えばポリエーテルおよびポリアクリラート、ジアルキルポリシロキサン、特にジメチルポリシロキサン、有機変性ポリシロキサン、例えばアリールアルキル変性ポリシロキサン、およびフルオロシリコーンを包含する。
消泡剤の作用は基本的に、泡の形成を防止すること、またはすでに形成された泡を破壊することに基づいている。消泡剤は本質的に、細かく分割されたガスまたは気泡の合体を促進して、脱気すべき媒体、例えば本発明による組成物中により大きな気泡を与え、それによってガス(空気)の逃散を促進することによって機能する。消泡剤は脱気剤としても使用できることが多く、またその逆も可能なため、これらの添加剤はグループc1)にまとめて包含される。
【0088】
かかる助剤は、例えばTEGO(登録商標) Foamex 800、 TEGO(登録商標) Foamex 805、 TEGO(登録商標) Foamex 810、 TEGO(登録商標) Foamex 815、 TEGO(登録商標) Foamex 825、 TEGO(登録商標) Foamex 835、 TEGO(登録商標) Foamex 840、 TEGO(登録商標) Foamex 842、 TEGO(登録商標) Foamex 1435、 TEGO(登録商標) Foamex 1488、 TEGO(登録商標) Foamex 1495、 TEGO(登録商標) Foamex 3062、 TEGO(登録商標) Foamex 7447、 TEGO(登録商標) Foamex 8020、 Tego(登録商標) Foamex N、 TEGO(登録商標) Foamex K 3、 TEGO(登録商標) Antifoam 2-18、TEGO(登録商標) Antifoam 2-18、 TEGO(登録商標) Antifoam 2-57、 TEGO(登録商標) Antifoam 2-80、 TEGO(登録商標) Antifoam 2-82、 TEGO(登録商標) Antifoam 2-89、 TEGO(登録商標) Antifoam 2-92、 TEGO(登録商標) Antifoam 14、 TEGO(登録商標) Antifoam 28、 TEGO(登録商標) Antifoam 81、 TEGO(登録商標) Antifoam D 90、 TEGO(登録商標) Antifoam 93、 TEGO(登録商標) Antifoam 200、 TEGO(登録商標) Antifoam 201、 TEGO(登録商標) Antifoam 202、 TEGO(登録商標) Antifoam 793、 TEGO(登録商標) Antifoam 1488、 TEGO(登録商標) Antifoam 3062、 TEGOPREN(登録商標) 5803、 TEGOPREN(登録商標) 5852、 TEGOPREN(登録商標) 5863、 TEGOPREN(登録商標) 7008、 TEGO(登録商標) Antifoam 1-60、 TEGO(登録商標) Antifoam 1-62、 TEGO(登録商標) Antifoam 1-85、 TEGO(登録商標) Antifoam 2-67、 TEGO(登録商標) Antifoam WM 20、 TEGO(登録商標) Antifoam 50、 TEGO(登録商標) Antifoam 105、 TEGO(登録商標) Antifoam 730、 TEGO(登録商標) Antifoam MR 1015、 TEGO(登録商標) Antifoam MR 1016、 TEGO(登録商標) Antifoam 1435、 TEGO(登録商標) Antifoam N、 TEGO(登録商標) Antifoam KS 6、 TEGO(登録商標) Antifoam KS 10、 TEGO(登録商標) Antifoam KS 53、 TEGO(登録商標) Antifoam KS 95、 TEGO(登録商標) Antifoam KS 100、 TEGO(登録商標) Antifoam KE 600、 TEGO(登録商標) Antifoam KS 911、 TEGO(登録商標) Antifoam MR 1000、 TEGO(登録商標) Antifoam KS 1100、 Tego(登録商標) Airex 900、 Tego(登録商標) Airex 910、 Tego(登録商標) Airex 931、 Tego(登録商標) Airex 935、 Tego(登録商標) Airex 936、 Tego(登録商標) Airex 960、 Tego(登録商標) Airex 970、 Tego(登録商標) Airex 980 and Tego(登録商標) Airex 985 and from BYK as BYK(登録商標)-011、 BYK(登録商標)-019、 BYK(登録商標)-020、 BYK(登録商標)-021、 BYK(登録商標)-022、 BYK(登録商標)-023、 BYK(登録商標)-024、 BYK(登録商標)-025、 BYK(登録商標)-027、 BYK(登録商標)-031、 BYK(登録商標)-032、 BYK(登録商標)-033、 BYK(登録商標)-034、 BYK(登録商標)-035、 BYK(登録商標)-036、 BYK(登録商標)-037、 BYK(登録商標)-045、 BYK(登録商標)-051、 BYK(登録商標)-052、 BYK(登録商標)-053、 BYK(登録商標)-055、 BYK(登録商標)-057、 BYK(登録商標)-065、 BYK(登録商標)-066、 BYK(登録商標)-070、 BYK(登録商標)-080、 BYK(登録商標)-088、 BYK(登録商標)-141 およびBYK(登録商標)-A 530から市販されている。
【0089】
グループc1)の助剤は、重合性LC媒体の総重量に基づいて、約0~3.0重量%、好ましくは約0~2.0重量%の割合で任意に使用される。
グループc2)において、潤滑剤および流動助剤は、典型的にはシリコンだけでなく、シリコン含有ポリマー、例えばポリアクリラートまたは改質剤、低分子量ポリジアルキルシロキサンも包含する。この改変は、アルキル基の一部がさまざまな有機ラジカルに置き換えられたものである。これらの有機ラジカルは、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、さらには長鎖(フッ素化)アルキルラジカルであり、前者が最も頻繁に使用される。
【0090】
対応して変性されたポリシロキサン中のポリエーテルラジカルは、通常、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位から構築される。一般に、変性ポリシロキサン中のこれらのアルキレンオキシド単位の割合が高くなるほど、得られる生成物はより親水性になる。
【0091】
かかる助剤は、例えばTEGO(登録商標) Glide 100、 TEGO(登録商標) Glide ZG 400、 TEGO(登録商標) Glide 406、 TEGO(登録商標) Glide 410、 TEGO(登録商標) Glide 411、 TEGO(登録商標) Glide 415、 TEGO(登録商標) Glide 420、 TEGO(登録商標) Glide 435、 TEGO(登録商標) Glide 440、 TEGO(登録商標) Glide 450、 TEGO(登録商標) Glide A 115、 TEGO(登録商標) Glide B 1484 (消泡剤および脱気剤としてもまた使用され得る)、 TEGO(登録商標) Flow ATF、 TEGO(登録商標) Flow 300、 TEGO(登録商標) Flow 460、 TEGO(登録商標) Flow 425 and TEGO(登録商標) Flow ZFS 460としてTEGOから市販できる。耐傷性を向上させるためにも使用できる好適な放射線硬化性潤滑剤および流動助剤は、TEGO(登録商標) Rad 2100、TEGO(登録商標) Rad 2200、TEGO(登録商標) Rad 2500、TEGO(登録商標) Rad 2600 および TEGO(登録商標) Rad 2700 であり、 TEGOから同様に入手可能である。
【0092】
かかる助剤は、例えばBYK(登録商標)-300 BYK(登録商標)-306、BYK(登録商標)-307、BYK(登録商標)-310、BYK(登録商標)-320、BYK(登録商標)-333、BYK(登録商標)-341、Byk(登録商標) 354、Byk(登録商標)361、Byk(登録商標)361N、BYK(登録商標)388としてBYKからも入手可能である。
かかる助剤は、例えば、3MからFC4430(登録商標)として入手可能である。
かかる助剤は、例えば、CytonixからFluorN(登録商標)561またはFluorN(登録商標)562として入手可能である。
かかる助剤は、例えば、Merck KGaA から Tivida(登録商標) FL 2300 および Tivida(登録商標) FL 2500 として入手可能である。
【0093】
グループc2)における助剤は、任意に、重合性LC媒体の総重量に基づいて、約0~3.0重量%、好ましくは約0~2.0重量%の割合で使用される。
【0094】
グループc3)において、放射線硬化助剤には、特に、例えばアクリラート基の構成成分である末端二重結合を有するポリシロキサンが含まれる。このような助剤は、化学線または例えば電子線によって架橋することができる。これらの補助機能は通常、多数の特性を組み合わせる。
未架橋状態において、それらは消泡剤、脱気剤、潤滑剤、流動助剤および/または基材湿潤助剤として作用することができるが、架橋状態では、特に、本発明による組成物を使用して製造され得る例えばコーティングまたはフィルムの耐引掻性を向上させる。
例えばこれらのコーティングやフィルムの光沢特性の改善は、基本的に、消泡剤、脱泡剤、および/または潤滑剤としてのこれらの助剤と流動助剤(未架橋状態)の作用の結果であると考えられている。
好適な放射線硬化助剤の例は、TEGOから入手可能な製品TEGO(登録商標) Rad 2100、TEGO(登録商標) Rad 2200、TEGO(登録商標) Rad 2500、TEGO(登録商標) Rad 2600およびTEGO(登録商標) Rad 2700、およびBYKから入手可能な製品BYK(登録商標)-371である。
【0095】
グループc3)における熱硬化助剤は、例えばバインダーのイソシアネート基と反応できる第一級OH基を含有する。
使用できる熱硬化助剤の例は、BYKから入手可能な製品BYK(登録商標)-370、BYK(登録商標)-373およびBYK(登録商標)-375である。
グループc3)の助剤は、重合性LC媒体の総重量に基づいて、約0~5.0重量%、好ましくは約0~3.0重量%の割合で任意に使用される。
【0096】
グループc4)における基材湿潤助剤は、特に、例えば印刷インキまたはコーティング組成物、例えば本発明による組成物によって印刷またはコーティングされる基材の湿潤性を高めるのに役立つ。一般に、かかる印刷インキまたはコーティング組成物の潤滑剤および流動挙動に付随する改善は、完成した(例えば架橋された)印刷またはコーティングの外観に影響を与える。
かかる助剤の多種多様のものは、例えばTego社からはTEGO(登録商標)Wet KL 245、TEGO(登録商標) Wet 250、TEGO(登録商標)Wet 260 およびTEGO(登録商標) Wet ZFS 453 として、BYK社からBYK(登録商標)-306、BYK(登録商標)-307、BYK(登録商標)-310、BYK(登録商標)-333、BYK(登録商標)-344、BYK(登録商標)-345、BYK(登録商標)-346、およびByk(登録商標)-348として入手可能である。
【0097】
グループc4)における助剤は、任意に、液晶組成物の総重量に基づいて、約0~3.0重量%、好ましくは約0~1.5重量%の割合で使用される。
グループc5)の湿潤助剤および分散助剤は、特に顔料のフラッディングおよび浮遊および沈降を防止するのに役立ち、したがって、任意に、特に着色組成物に適する。
【0098】
これらの助剤は、これらの添加剤を含む顔料粒子の静電反発および/または立体障害によって本質的に顔料分散液を安定化する。後者の場合、助剤と周囲媒体(たとえばバインダー)との相互作用が主要な役割を果たする。
【0099】
かかる湿潤助剤および分散助剤の使用は、例えば印刷インキおよび塗料の技術分野では一般的に行われているため、この種の好適な助剤の選択は、当業者にとって通常、使用される場合、いかなる困難も生じない。
このような湿潤助剤および分散助剤は、例えばTegoから
TEGO(登録商標)Dispers 610、TEGO(登録商標)Dispers 610 S、TEGO(登録商標)Dispers 630、TEGO(登録商標)Dispers 700、TEGO(登録商標)Dispers 705、TEGO(登録商標) Dispers 710、TEGO(登録商標) Dispers 720 W、TEGO(登録商標)Dispers 725 W、TEGO(登録商標)Dispers 730 W、TEGO(登録商標)Dispers 735 WおよびTEGO(登録商標)Dispers 740 Wとして、およびBYKからDisperbyk(登録商標)、Disperbyk(登録商標)-107、Disperbyk(登録商標)-108、Disperbyk(登録商標)-110、Disperbyk(登録商標)-111、Disperbyk(登録商標)-115、Disperbyk(登録商標)-130、Disperbyk(登録商標)-160、Disperbyk(登録商標)-161、Disperbyk(登録商標)-162、Disperbyk(登録商標)-163、Disperbyk(登録商標)-164、Disperbyk(登録商標)-165、Disperbyk(登録商標)-166、Disperbyk(登録商標)-167、Disperbyk(登録商標)-170、Disperbyk(登録商標)-174、Disperbyk(登録商標)-180、Disperbyk(登録商標)-181、Disperbyk(登録商標)-182、Disperbyk(登録商標)-183、Disperbyk(登録商標)-184、Disperbyk(登録商標)-185、Disperbyk(登録商標)-190、Anti-Terra(登録商標)-U、Anti-Terra(登録商標)-U 80、Anti-Terra(登録商標)-P、Anti-Terra(登録商標)-203、Anti-Terra(登録商標)-204、Anti-Terra(登録商標)-206、BYK(登録商標)-151、BYK(登録商標)-154、BYK(登録商標)-155、BYK(登録商標)-P 104 S、BYK(登録商標)-P 105、Lactimon(登録商標)、Lactimon(登録商標)-WS and Bykumen(登録商標)として市販されている。
【0100】
グループc5)における助剤の使用量は、助剤の平均分子量に基づいて決定される。したがって、いずれの場合も、予備実験を行うことが望ましいが、これは当業者であれば簡単に行うことができる。
【0101】
グループc6)における疎水化剤は、例えば本発明による組成物を使用して製造されたプリントまたはコーティングに撥水特性を与えるために使用することができる。これにより、吸水による膨潤が防止されるか、少なくとも大幅に抑制され、その結果、例えばかかるプリントやコーティングの光学特性が変化する。さらに、組成物が、例えばオフセット印刷における印刷インキとして使用される場合、それにより、吸水を防止するか、少なくとも大幅に低減することができる。
【0102】
かかる疎水化剤は、例えばTegoからTego(登録商標) Phobe WF、 Tego(登録商標) Phobe 1000、 Tego(登録商標) Phobe 1000 S、 Tego(登録商標) Phobe 1010、 Tego(登録商標) Phobe 1030、 Tego(登録商標) Phobe 1010、 Tego(登録商標) Phobe 1010、 Tego(登録商標) Phobe 1030、 Tego(登録商標) Phobe 1040、 Tego(登録商標) Phobe 1050、 Tego(登録商標) Phobe 1200、 Tego(登録商標) Phobe 1300、 Tego(登録商標) Phobe 1310 and Tego(登録商標) Phobe 1400として市販できる。
【0103】
グループc6)における助剤は、任意に、重合性LC媒体の総重量に基づいて、約0~5.0重量%、好ましくは約0~3.0重量%の割合で使用される。
グループc7)からのさらなる接着促進剤は、接触する2つの界面の接着を改善するのに役立つ。このことから、本質的に有効な接着促進剤の唯一の部分は、一方または他方、または両方の界面に位置する部分であることが直接明らかである。例えば、液体またはペースト状の印刷インキ、コーティング組成物またはペイントを固体基材に塗布することが望ましい場合、これは一般に、接着促進剤を後者に直接添加するか、基材を接着促進剤で前処理する必要があること(下塗りとしても知られている)、つまり、この基材に化学的および/または物理的表面特性を変更する必要があることを意味する。
基材が予めプライマーで下塗りされている場合、これは、接触する界面が一方ではプライマーの界面であり、他方では印刷インキまたはコーティング組成物または塗料の界面であることを意味する。この場合、基材とプライマーとの間の接着特性だけでなく、基材と印刷インキまたはコーティング組成物または塗料との間の接着特性も、基材上の多層構造全体の接着に関与する。
広義の接着促進剤としては、グループc4)に既に挙げた基材湿潤助剤も挙げられるが、これらは一般に同じ接着促進能力を有さない。
【0104】
基材、印刷インク、コーティング組成物、および印刷やコーティングなどを目的とした塗料の物理的および化学的性質が大きく異なることを考慮すると、接着促進剤システムの多様性は驚くべきことではない。
【0105】
シラン系接着促進剤は、例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-メチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシランおよびビニルトリメトキシシランである。これらおよび他のシランは、例えば商品名DYNASILAN(登録商標)でHuelsから市販されている。
このような添加剤の製造業者からの対応する技術情報は一般に使用されるべきであるが、当業者は対応する予備実験を通じて簡単な方法でこの情報を得ることができる。
【0106】
しかしながら、これらの添加剤がグループc7)からの助剤として本発明による重合性LC媒体に添加される場合、それらの割合は任意に、重合性LC媒体の総重量に基づいて約0~5.0重量%に相当する。添加剤の量と正体は基材と印刷/コーティング組成物の性質によって個々の場合に決定されるため、これらの濃度データは単なる指針として機能する。この場合、対応する技術情報は通常、かかる添加剤の製造業者から市販されているか、または当業者が対応する予備実験を通じて簡単な方法で決定することができる。
【0107】
グループc8)の耐引掻性を改善するための助剤は、例えば、Tegoから市販されている上述の製品TEGO(登録商標)Rad 2100、TEGO(登録商標)Rad 2200、TEGO(登録商標)Rad 2500、TEGO(登録商標)Rad 2600およびTEGO(登録商標)Rad 2700を包含する。
【0108】
これらの助剤については、グループc3)について与えられた量のデータも同様に好適である、すなわち、これらの添加剤は、任意に、液晶組成物の総重量に基づいて、約0~5.0重量%、好ましくは約0~3.0重量%の割合で使用される。
さらなる光、熱および/または酸化安定剤の例は、以下のものを包含する:
【0109】
2、6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4、6-ジメチルフェノール、2、6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2、6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2、6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2、6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4、6-ジメチルフェノール、2、6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2、4、6-トリシクロヘキシルフェノール、2、6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、線状または分枝状の側鎖を有するノニルフェノール、例えば2、6-ジノニル-4-メチルフェノール、2、4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデカ-1’-イル)フェノール、2、4-ジメチル-6-(1’-ヘプタデカ-1’-イル)フェノール、2、4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデカ-1’-イル)フェノールなどのアルキル化モノフェノールおよびこれら化合物の混合物、2、4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2、4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2、4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノールおよび2、6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノールなどのアルキルチオメチルフェノール、
2、6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2、5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2、5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2、6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2、6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアラートおよびビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジパートなどのヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、
【0110】
α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールなどのトコフェロールおよびこれらの化合物の混合物、およびトコフェリルアセタート、スクシナート、ニコチナートおよびポリオキシエチレンスクシナート(「tocofersolate」)などのトコフェロール誘導体、
【0111】
2、2’-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2、2’-チオビス(4-オクチルフェノール)、4、4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4、4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4、4’-チオビス(3、6-ジ-sec-アミルフェノール)および4、4′-ビス(2、6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィドなどのヒドロキシル化されたジフェニルチオエーテル、
【0112】
2、2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2、2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2、2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2、2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2、2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2、2’-メチレンビス(4、6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2、2-エチリデンビス(4、6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2、2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2、2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2、2’-メチレンビス[6-(α、α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4、4’-メチレンビス(2、6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4、4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1、1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2、6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1、1、3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1、1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシル-メルカプトブタン、エチレングリコールビス[3、3-ビス(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチラート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタラート、1、1-ビス(3、5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2、2-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2、2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシル-メルカプトブタンおよび1、1、5、5-テトラキス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタンなどのアルキリデンビスフェノール、
【0113】
3、5、3’、5’-テトラ-tert-ブチル-4、4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル4-ヒドロキシ-3、5-ジメチルベンジルメルカプトアセタート、トリデシル4-ヒドロキシ-3、5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセタート、トリス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2、6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタラート、ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィドおよびイソオクチル-3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセタートなどのO-、N-およびS-ベンジル化合物
【0114】
1、3、5-トリス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2、4、6-トリメチル-ベンゼン、1、4-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2、3、5、6-テトラメチル-ベンゼンおよび2、4、6-トリス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール芳香族などのヒドロキシベンジル化合物、
2、4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1、3、5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4、6-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1、3、5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4、6-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1、3、5-トリアジン、2、4、6-トリス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1、2、3-トリアジン、1、3、5-トリス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、1、3、5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2、6-ジメチルベンジル)イソシアヌラート、2、4、6-トリス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1、3、5-トリアジン、1、3、5-トリス-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ-1、3、5-トリアジン、1、3、5-トリス(3、5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌラートおよび1、3、5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートなどのトリアジン化合物、
【0115】
ジメチル2、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホナート、ジエチル3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホナートおよびジオクタデシル5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホナートなどのベンジルホスホナート
4-ヒドロキシラウロイルアニリド、4-ヒドロキシステアロイルアニリドおよびオクチルN-(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバマートなどのアシルアミノフェノール、
【0116】
プロピオンのおよび酢酸のエステル、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1、2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサラミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパンおよび4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2、6、7-トリオキサビシクロ[2.2.2]-オクタンなどの一水酸基のまたは多価のアルコール、
N、N’-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N、N’-ビス(3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミンおよびN、N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジンなどのアミン誘導体に基づきプロピオンアミド
【0117】
パルミチン酸アスコルビル、ラウラートおよびステアラート、およびアスコルビルスルファートおよびホスファートなどのアスコルビン酸(ビタミンC)およびアスコルビン酸誘導体、
N、N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルへプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1、3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルへプチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、p、p′-ジ-tert-オクチルジフェニルアミンなどのオクチル-置換ジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス[4-メトキシフェニル)アミン、2、6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2、4-ジアミノジフェニルメタン、4、4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラメチル-4、4’-ジアミノジフェニルメタン、1、2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1、2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアナイド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル-置換N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ-およびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化ノニルジフェニルアミンとジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化ドデシルジフェニルアミンとジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ-およびジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミン、2、3-ジヒドロ-3、3-ジメチル-4H-1、4-ベンゾチアジン、フェノチアジンの混合物、モノ-およびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノ-およびジアルキル化tert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’-テトラフェニル-1、4-ジアミノブタ-2-エン、N,N-ビス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバカート、2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-オンおよび2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-オールなどのアミン化合物に基づく抗酸化剤、
【0118】
トリフェニルホスフィン トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリールペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2、4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2、4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2、6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2、4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2、4、6-トリス(tert-ブチルフェニル))ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリールソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2、4-ジ-tert-ブチルフェニル)4、4′-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2、4、8、10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d、g]-1、3、2-ジオキサホスフィン、6-フルオロ-2、4、8、10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d、g]-1、3、2-ジオキサホスフィン、ビス(2、4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイトおよびビス(2、4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイトなどのホスフィン、ホスファイトおよびホスホナイト
【0119】
2-(2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3′、5′-ジ-tert-ブチル-2′-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-(1、1、3、3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3′、5′-ジ-tert-ブチル-2′-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3′-sec-ブチル-5′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-4′-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3′、5′-ジ-tert-アミル-2′-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3、5′-ビス-(α、α-ジメチルベンジル)-2′-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシ-5′-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールの混合物、2-(3′-tert-ブチル-5′-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2′-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシ-5′-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシ-5′-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシ-5′-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3′-tert-ブチル-5′-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3′-ドデシル-2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2、2’-メチレンビス[4-(1、1、3、3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール];2-[3’-tert-ブチル-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)-2’-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールをポリエチレングリコール300で完全にエステル化した生成物などの2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール。
【0120】
硫黄含有過酸化物捕捉剤および硫黄含有酸化防止剤(3、3’-チオジプロピオン酸のエステルなど)、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルおよびトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾールおよび2-メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチル亜鉛ジチオカルバマート、ジオクタデシルジスルフィドおよびペンタエリスリトールテトラキス(β-ドデシルメルカプト)プロピオナート、
【0121】
4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクチルオキシ、4-デシクロキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4、2’、4’-トリヒドロキシおよび2′-ヒドロキシ-4、4′-ジメトキシ誘導体などの2-ヒドロキシベンゾフェノン
【0122】
4-tert-ブチルフェニルサリチラート、フェニルサリチラート、オクチルフェニルサリチラート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2、4-ジ-tert-ブチルフェニル3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾアート、ヘキサデシル-3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾアート、オクタデシル-3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾアートおよび2-メチル-4、6-ジ-tert-ブチルフェニル-3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾアートなどの非置換および置換安息香酸のエステル
【0123】
エチルα-シアノ-β、β-ジフェニルアクリラート、イソオクチルα-シアノ-β、β-ジフェニルアクリラート、メチルα-メトキシカルボニルシンナマート、メチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナマート、ブチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナマートおよびメチル-α-メトキシカルボニル-p-メトキシシンナマートなどのアクリラート、
【0124】
ビス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバカート、ビス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシナート、ビス(1、2、2、6、6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバカート、ビス(1-オクチルオキシ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバカート、ビス(1、2、2、6、6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-n-ブチル-3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロナート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2、2、6、6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合生成物、N,N’-ビス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2、6-ジクロロ-1、3、5-トリアジンの縮合生成物、トリス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)1、2、3、4-ブタンテトラカルボキシラート、1、1′-(1、2-エチレン)ビス(3、3、5、5-テトラメチルピペラジンオン)、4-ベンゾイル-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン、ビス(1、2、2、6、6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3、5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロナート、3-n-オクチル-7、7、9、9-テトラメチル-1、3、8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2、4-ジオン、ビス(1-オクチルオキシ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバカート、ビス(1-オクチルオキシ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシナート、 N,N’-ビス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2、6-ジクロロ-1、3、5-トリアジンの縮合生成物、2-クロロ-4、6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-1、3、5-トリアジンと1、2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、2-クロロ-4、6-ジ(4-n-ブチルアミノ-1、2、2、6、6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-1、3、5-トリアジンと1、2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、8-アセチル-3-ドデシル-7、7、9、9-テトラメチル-1、3、8-トリアザスピロ[4.5]-デカン-2、4-ジオン、3-ドデシル-1-(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2、5-ジオン、3-ドデシル-1-(1、2、2、6、6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2、5-ジオン、4-ヘキサデシルオキシ-と4-ステアリルオキシ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’-ビス(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2、6-ジクロロ-1、3、5-トリアジンの縮合生成物、1、2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと2、4、6-トリクロロ-1、3、5-トリアジンの縮合生成物、4-ブチルアミノ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジン、N-(2、2、6、6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-n-ドデシルスクシンイミド、N-(1、2、2、6、6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-n-ドデシルスクシンイミド、2-ウンデシル-7、7、9、9-テトラメチル-1-オキサ-3、8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4.5]-デカン、7、7、9、9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3、8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4.5]デカンとエピクロヒドリンの縮合生成物、テトラメチロールアセチレンジウレアをもつ4-アミノ-2、2、6、6-テトラメチルピペリジンとポリ(メトキシプロピル-3-オキシ)-[4(2、2、6、6-テトラメチル)ピペリジニル]-シロキサンの縮合生成物などの立体的にかさ高いアミン
【0125】
4、4′-ジオクチルオキシオキサニリド、2、2′-ジエトキシオキサニリド、2、2′-ジオクチルオキシ-5、5′-ジ-tert-ブトキサニリド、2、2′-ジドデシルオキシ-5、5′-ジ-tert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2′-エチルオキサニリド、N,N’-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2′-エトキサニリドおよびその2-エトキシ-2′-エチル-5、4′-ジ-tert-ブトキサニリドとの混合物、およびオルト-、パラ-メトキシ-二置換されているオキサニリドの混合物、およびオルト-およびパラ-エトキシ-二置換されているオキサニリドの混合物などのオキサルアミド、および
【0126】
2、4、6-トリス-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4、6-ビス(2、4-ジメチルフェニル)-1、3、5-トリアジン、2-(2、4-ジヒドロキシフェニル)-4、6-ビス(2、4-ジメチルフェニル)-1、3、5-トリアジン、2、4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2、4-ジメチルフェニル)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4、6-ビス(4-メチルフェニル)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4、6-ビス(2、4-ジメチルフェニル)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4、6-ビス(2、4-ジメチルフェニル)-1、3、5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4、6-ビス(2、4-ジメチル)-1、3、5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロポキシ)フェニル]-4、6-ビス(2、4-ジメチル)-1、3、5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4、6-ビス(2、4-ジメチルフェニル)-1、3、5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4、6-ビス-(2、4-ジメチルフェニル)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-4、6-ジフェニル-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4、6-ジフェニル-1、3、5-トリアジン、2、4、6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1、3、5-トリアジンおよび2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1、3、5-トリアジンなどの2-(2-ヒドロキシフェニル)-1、3、5-トリアジン。
【0127】
別の好ましい態様において、重合性LC媒体は、好ましくはIrganox(登録商標)シリーズから選択される1以上の特定の酸化防止剤添加剤、例えばスイスのCibaから市販されている酸化防止剤Irganox(登録商標)1076およびIrganox(登録商標)1010を含む。
別の好ましい態様において、重合性LC媒体は、1以上、より好ましくは2以上の、例えば市販のIrgacure(登録商標)またはDarocure(登録商標)(Ciba AG)シリーズ、とりわけ、Irgacure 127、Irgacure 184、Irgacure 369、Irgacure 651、Irgacure 817、Irgacure 907、Irgacure 1300、Irgacure、Irgacure 2022、Irgacure 2100、Irgacure 2959、またはDarcure TPOから選択される光開始剤を含む。とくに重合性LC媒体は、好ましくは、市販のOXE02 (Ciba AG)、NCI 930、N1919T (Adeka)、SPI-03またはSPI-04 (Samyang)から選択される1以上のオキシムエステル光開始剤を含む。
【0128】
重合性LC媒体における全体としての重合開始剤の濃度は、好ましくは0.5~10%、非常に好ましくは0.8~8%、より好ましくは1~6%である。
好ましくは、重合性LC媒体は、光開始剤の濃度と全体としてのすべてのキラル化合物の濃度との間に所定の比を含み、これは、1:1から1:5の範囲内、より好ましくは1:1から1:4の範囲内、さらにより好ましくは1:1から1:3の範囲内である。
好ましい態様において、重合性LC媒体は、好ましくは有機溶媒から選択される好適な溶媒に溶解される。
【0129】
溶媒は、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン;メチル、エチルまたはブチルアセタートまたはアセト酢酸メチルなどのアセタート;メタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールなどのアルコール;トルエンまたはキシレンなどの芳香族溶媒;シクロペンタンまたはシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ジ-またはトリクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;PGMEA(プロピルグリコールモノメチルエーテルアセタート)、γ-ブチロラクトンなどのグリコールまたはそれらのエステルから選択される。
重合性LC媒体が1つ以上の溶媒を含む場合、溶媒中のRMを含むすべての固体の総濃度は、好ましくは10~60%である。
【0130】
好ましくは、重合性LC媒体は、
a)1以上の二反応性または多反応性重合性メソゲン化合物、
b)任意に、好ましくは式MRM1、MRM7、MRM9および/またはMRM10の化合物およびそれらの対応する下位式から選択される1以上の単反応性重合性メソゲン化合物、
c)1以上の重合性オリゴマー液晶またはメソゲン化合物、好ましくは式Oの化合物から選択され、非常に好ましくは式O1から選択され、
d)任意に、好ましくは二色性色素から選択される1以上の色素、
e)任意に1以上の抗酸化添加剤、
f)任意に1以上の接着促進剤、
g)任意に1以上の界面活性剤、
h)任意に1以上の単反応性、二反応性、または多反応性の重合性非メソゲン化合物、
i)任意に、光重合を開始するために使用される波長で吸収極大を示す1以上の色素、
j)任意に1以上の連鎖移動剤、
k)任意に1以上のさらなる安定剤、
l)任意選択で1以上の潤滑剤および流動助剤、および
m)任意に1以上の希釈剤、
n)任意に非重合性ネマチック成分、
o)任意に1以上の有機溶媒
を含む。
【0131】
本発明による重合性LC媒体は、それ自体従来の方法、例えば、1以上の上記の光反応性キラル化合物を、1以上の二反応性LC化合物および1以上の上で定義したとおりのキラル化合物、任意にさらなる添加剤と混合することによって調製される。
【0132】
本発明はさらに、以下のステップを含む、好ましくは以下のステップからなるポリマーフィルムの調製プロセスに関する。
-基材上に上記および下記のような重合性LC媒体の層を提供するステップであってこの層には、任意に、重合性LC媒体の隣接する層に平面配向を誘導することができる配向層が設けられている、前記ステップ、-重合性LC媒体をネマチック相を呈する温度まで加熱するステップ、
-重合性LC媒体を、スメクチック相、好ましくはスメクチックB相を呈する温度まで冷却する、または放冷するステップ、
-重合性LC媒体の層を化学線、好ましくはUV線で照射するステップ。
本発明はさらに、このプロセスによって得られるポリマーフィルムに関する。
【0133】
好ましくは、本発明によるプロセスでは、すべての照射またはUV露光ステップは室温で行われ、重合性LC媒体の層は、照射またはUV露光ステップ中またはその間に熱処理を受けない。
【0134】
この重合性LC媒体は、例えばスピンコーティング、印刷、または他の既知の技術によって基材上にコーティングまたは印刷することができ、溶媒は重合前に蒸発させられる。ほとんどの場合、溶媒の蒸発を促進するために混合物を加熱することが好適である。
【0135】
重合性LC媒体は、スピンコーティング、バーコーティング、ブレードコーティングなどの従来のコーティング技術によって基材上に塗布できる。また、当業者に知られている従来の印刷技術、例えばスクリーン印刷、オフセット印刷、オープンリール印刷、活版印刷、グラビア印刷、輪転グラビア印刷、フレキソ印刷、凹版印刷、パッド印刷、ヒートシール印刷、インクジェット印刷、またはスタンプまたは印刷版による印刷によって基材に塗布することもできる。
好適な基材媒体および基材は、例えばガラスまたはプラスチックなどの光学フィルム産業で使用される従来の基材として、当業者に知られており、文献に記載されている。重合に特に適しており好ましい基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、または一般的に知られているカラーフィルタ材料、好ましくは、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、または一般的に知られているカラーフィルタ材料である。
フリーデル・クリーク・クメッツ則を使用すると、RM層(γRM)と基材(γs)の表面エネルギーを比較することで、混合物が平面配向またはホメオトロピック配向を採用するかどうかを予測できる。
【0136】
γRM>γsの場合、反応性メソゲン化合物はホメオトロピック配向を示し、γRM<γsの場合、反応性メソゲン化合物は均一な配向を示す。
特定の理論に束縛されるつもりはないが、基材の表面エネルギーが比較的低い場合、反応性メソゲン間の分子間力は、RMと基材の界面を横切る力よりも強いため、反応性メソゲンは、分子間力を最大化するために基材に対して垂直に整列する(ホメオトロピック整列)。したがって、隣接する重合性LC媒体に対して平面配向を誘導できる追加の配向層が必要である。
【0137】
基材の表面張力がRMの表面張力よりも大きい場合、界面を横切る力が支配的になる。反応性メソゲンが基材と平行に整列すると界面エネルギーが最小化され、RMの長軸が基材と相互作用できるようになる。平面配向を促進できる1つの方法は、基材をポリイミド層でコーティングし、次にベルベット布で配向層をこすることである。他の好適な平面配向層は、例えばラビングされたポリイミド、または米国特許第5、602、661号、米国特許第5、389、698号または米国特許第6、717、644号に記載されている光配向によって調製される配向層のような当技術分野で知られている。
一般に配向技術のレビューは、例えばI. Sage in "Thermotropic Liquid Crystals"、 edited by G. W. Gray、 John Wiley & Sons、 1987、 pages 75-77; and by T. Uchida and H. Seki in "Liquid Crystals - Applications and Uses Vol. 3"、 edited by B. Bahadur、 World Scientific Publishing、 Singapore 1992、 pages 1-63に与えられる。配向材料および配向技術のさらなる概説は、J. Cognard、 Mol. Cryst. Liq. Cryst. 78、 Supplement 1 (1981)、 pages 1-77に与えられる。
【0138】
好ましい態様において、本発明によるプロセスは、基材上に重合性LC媒体を均一に再分布させるために、重合性LC媒体を一定期間放置するプロセスステップ(本明細書では「アニーリング」と呼ぶ)を含有する。
好ましい態様において、基材上に重合性LC媒体を提供した後、層スタックは、10秒~1時間、好ましくは20秒~10分、最も好ましくは30秒~2分の時間アニールされる。アニーリングは室温で行うことが好ましい。
【0139】
任意に、高温でアニールした後、層スタックを室温まで冷却することができる。冷却は、冷却補助具を使用して能動的に実行することも、積層体を一定時間放置するだけで受動的に実行することもできる。
重合性LC媒体の光重合は、好ましくは、それを化学線に露光することによって達成される。化学線とは、UV光、IR光、可視光などの光の照射、X線やガンマ線の照射、またはイオンや電子などの高エネルギー粒子の照射を意味する。好ましくは、重合は光照射、特にUV光により行われる。化学線源として、例えば単一のUVランプまたは一組のUVランプを使用することができる。高いランプ出力を使用すると、硬化時間を短縮できる。光放射線の別の可能な光源は、例えばUVレーザー、IRレーザー、または可視レーザーのようなレーザーである。
【0140】
光重合の硬化時間は、とりわけ、重合性LC媒体の反応性、コーティング層の厚さ、重合開始剤の種類、およびUVランプの出力に依存する。硬化時間は、好ましくは5分以下、非常に好ましくは3分以下、最も好ましくは1分以下である。大量生産の場合は、30秒以下の短い硬化時間が推奨される。
光重合に好適なUV放射出力は、好ましくは100~1000mWcm-2の範囲、より好ましくは200~800mWcm-2の範囲、最も好ましくは300~600mWcm-2の範囲である。
【0141】
適用されるUV放射線に関連して、および時間の関数として、好適なUV線量は、好ましくは25~16500mJcm-2の範囲、より好ましくは50~7200mJcm-2の範囲、非常に好ましくは100~3500mJcm-2の範囲であり、最も好ましくは200~2000mJcm-2の範囲である。
光重合は、好ましくは不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で行われる。
光重合は室温で行うことが好ましい。
【0142】
本発明による重合LCフィルムの好ましい厚さは、フィルムまたは最終製品に求められる光学特性によって決定される。
ポリマーフィルムの光学用途の場合、ポリマーフィルムは、好ましくは0.5~10μm、非常に好ましくは0.5~5μm、特に0.5~3μmの厚さを有する。
光重合後、得られたポリマーフィルムを基材から除去し、当業者に知られている積層プロセスによって他の基材または光学フィルムと組み合わせることができる。好適な基材および光学フィルムは上記に示されており、特に偏光子、特に直線偏光子が含まれる。
要約すると、本発明による重合LCフィルムおよび重合性LC媒体は、光学部品または素子に有用である。
【0143】
本発明による重合LCフィルムおよび重合性LC媒体は、透過型または反射型のディスプレイに使用することができ、特に従来のOLEDディスプレイまたはLCD、特にOLEDディスプレイに使用することができる。
本発明は、特に好ましい態様を参照して上記および以下に説明される。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができることを理解されたい。
【0144】
本明細書で言及される化合物またはそれらの混合物の多くは市販されている。
これらの化合物はすべて既知であるか、文献(例えばHouben-Weyl、Methoden der Organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry]、Georg-Thieme-Verlag、 Stuttgartなどの標準的な著作において)記載されているようにそれ自体既知の方法によって調製できるかのいずれか、正確には、既知であり、前記反応に好適な反応条件下で行われる。ここでは、それ自体は知られているが、ここでは言及されていない変形例を使用することもできる。
本発明の範囲内にありながら、本発明の前述の態様に対する変更を行うことができることが理解されるであろう。特に明記しない限り、同じ、同等、または同様の目的を果たす代替の特徴が、本明細書に開示された各特徴を置き換えることができる。したがって、特に明記しない限り、開示される各特徴は、一連の同等または類似の特徴の一般的な一例にすぎない。
本明細書で開示されるすべての特徴は、かかる特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで使用することができる。同様に、必須ではない組み合わせで説明されている機能は、個別に(組み合わせずに)使用できる。
【0145】
上述した特徴の多く、特に好ましい態様は、本発明の態様の一部としてだけでなく、それ自体で発明性があることが理解されるであろう。現在特許請求されている発明に加えて、またはその代替として、これらの特徴に対して独立した保護を求めることができる。
次に、以下の実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これらは単に例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0146】
例1
オリゴマーO1は、以下:
【化15】
式中nは、表1において平均分子量により与えられる、
のとおり調製される。
スメクチック反応性メソゲンRM1(Cr 46 SB 98 SA 112 N 114 I)を、触媒1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(3滴)の存在下、ジクロロメタン(20mL)中で2,2’(エチレンジオキシ)ジタンジオール(DODT)とともに38℃で18時間撹拌する。反応混合物を0.1M HCl溶液、蒸留水、およびブラインで順次洗浄する。有機相を乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を減圧下で除去する。残渣を高真空下、40℃で1日間乾燥させて、所望の生成物を高収率(>95%)で得る。表1に示されるとおり、RM1/DODT比が異なる2つのサンプルを調製する。
【0147】
【0148】
Mnは1H-NMR分析によって推定され、PDIはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、溶離剤としてテトラヒドロフラン(THF)とポリスチレン標準を使用して決定される。
オリゴマーは次のLC相配列を示す。
O1A: Cr 15.3 SmX 74.4 I
O1B: Cr 7.7 SmX 94.4 I
ここで、SmX相は未確認のスメクチック相である。
重合性混合物RMM1は次のように配合される。
【0149】
【0150】
Irganox(登録商標)1076は安定剤であり、市販されている(Ciba AG、バーゼル、スイス)。N1919T(登録商標)は光開始剤であり、市販されている(Adeka Corporation、日本)。BYK(登録商標)-310は、市販されている界面活性剤である(BYK、ドイツ)。
混合物RMM1はLC相配列Cr 60 SmA 75 N 113 Iを示す。
30%のオリゴマーO1Bを混合物RMM1に添加して、重合性混合物SRMM1を形成する。
【0151】
混合物SRMM1は次のLC相配列を示す: Cr 20.6 SmA 56.3 N 95.5 I
混合物SRMM1のトルエン溶液(固形分25重量%)を、ポリイミド配向層を含むガラス基材上にスピンコートする。溶媒を蒸発させた後、コーティングされた混合物SRMM1の連続フィルムが形成される。
SRMM1のコーティングされたフィルムは100℃でアニールされ、その後室温まで冷却され、それによって混合物がネマチック相からスメクチックA相に変換される。スメクチックA配向は安定しており、重合前にコーティングされたフィルムを保管した後でも観察できる。
【0152】
混合物SRMM1のコーティングされたフィルムを、UV-LEDランプ(365 nm、10 mW/cm2)に30℃で1時間UV露光することによって重合させ、厚さ4.2μmのポリマーフィルムを形成し、ここであるメクティックA配向は永久に固定される。2%の二色性ジアゾ色素G205(Hayashibara Biochemical Laboratories INC、 Kankoh-Shikiso Institute、 Okayama、日本)を混合物SRMM1に添加し、厚さ5.2μmのポリマーフィルムを上記のように調製する。ポリマーフィルムは、上記の式(1)に従って吸収測定から決定された9.1の二色比を有する。したがって、ポリマーフィルムは二色性超薄型偏光子(UTP)として好適である。
【0153】
比較例1
比較の目的で、オリゴマーを含まない混合物RMM1の溶液を、例3.1に記載されるとおりガラス基材上にスピンコートする。溶媒の蒸発後、ディウェッティングが起こり、連続膜の代わりに混合物の液滴が形成される。
【0154】
【0155】
式中nは、表2において示される平均分子量により与えられる、
のとおり調製される。
スメクチック反応性メソゲンRM2(Cr 63 SB 99 SA 103 I)を、触媒1、8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(3滴)の存在下、ジクロロメタン(20mL)中、2,2’-(エチレンジオキシ)ジエタンジオール(DODT)(DODT)とともに38℃で18時間撹拌する。反応混合物を0.1M HCl溶液、蒸留水、およびブラインで順次洗浄する。有機相を乾燥させ(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去する。残渣を高真空下、40℃で1日間乾燥させて、所望の生成物を高収率(>95%)で得る。表2に示されるとおり、RM2/DODT比が異なる4つのサンプルを調製する。
【0156】
【0157】
SRMM1のコーティングされたフィルムは100℃でアニールされ、その後室温まで冷却され、それによって混合物がネマチック相からスメクチックA相に変換される。スメクチックA配向は安定しており、重合前にコーティングされたフィルムを保管した後でも観察できる。
混合物SRMM1のコーティングされたフィルムを、UV-LEDランプ(365nm、10mW/cm2)に30℃で1時間UV露光することによって重合させて、厚さ2.9μmのポリマーフィルムを形成し、配列は永久に固定される。
2%の二色性ジアゾ色素G205(Hayashibara Biochemical Laboratories INC、 Kankoh-Shikiso Institute、Okayama、日本)を混合物SRMM1に添加し、厚さ2.3μmのポリマーフィルムを上記のように調製する。ポリマーフィルムは、上記の式(1)に従って吸収測定から決定された21.3の二色比を有する。したがって、ポリマーフィルムは二色性超薄型偏光子(UTP)として好適である。
【0158】
【0159】
式中nは、表3における平均分子量により与えられる、
のとおり調製される。
ネマチック反応性メソゲンRM3(Cr 86 N 116 I)を、触媒1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(3滴)の存在下、ジクロロメタン(20mL)中、2,2’-(エチレンジオキシ)ジエタンジオール(DODT)(DODT)とともに38℃で6時間撹拌する。反応混合物を0.1M HCl溶液、蒸留水、およびブラインで順次洗浄する。有機相を乾燥させ(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去する。残渣を高真空下、40℃で1日間乾燥させて、所望の生成物を高収率(>95%)で得る。表3に示されるとおり、RM3/DODT比が異なる2つのサンプルを調製する。
【0160】
【0161】
Mnは1H-NMR分析によって推定され、PDIはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、溶離剤としてテトラヒドロフラン(THF)とポリスチレン標準を使用して決定される。
オリゴマーは次のLC相配列を示す。
O3A: Cr 31.4 N 92.2 I
O3B: Cr 44.3 N 94.4 I
0.2重量%のオリゴマーO3Aを混合物RMM1に添加して、重合性混合物SRMM3を形成する。
【0162】
混合物SRMM3は次のLC相配列を示す:Cr 60 SmA 75 N 113 I (純粋な混合物と比較して明らかな変化なし)。
トルエン中の混合物SRMM3の溶液(固形分25重量%)を、例1に記載されるとおりガラス基材上にスピンコートする。溶媒を蒸発させた後、コーティングされた混合物SRMM3の連続膜が形成される(3.2μm)。
SRMM3のコーティングされたフィルムは、例1に記載されているように100℃でアニールされ、その後冷却され、それによって混合物がスメクチックA相に変換される。スメクチックA配向は安定しており、重合前にコーティングされたフィルムを保管した後でも観察できる。
SRMM3のコーティングされたフィルムを例1に記載されるとおり重合して、スメクティックA配向が永久に固定された厚さ3.2μmのポリマーを形成する。
2%の二色性ジアゾ色素G205(Hayashibara Biochemical Laboratories INC、 Kankoh-Shikiso Institute、 Okayama、日本)を混合物SRMM3に添加し、例1に記載されるとおり厚さ2.8μmのポリマーフィルムを調製した。ポリマーフィルムは二色比17.4を有し、超薄型二色偏光子として好適である。
【0163】
例4
重合性混合物RMM2は、以下:
【化22】
のとおり配合される。
【0164】
Irganox(登録商標)1076は安定剤であり、市販されている(Ciba AG、バーゼル、スイス)。SPI-03(登録商標)は光開始剤であり、市販されている(Samyang)。BYK(登録商標)-361Nは、市販されている界面活性剤である(BYK、ドイツ)。
混合物RMM2は次のLC相配列を示す:SmX 91 SmA 107 I。
1重量%のオリゴマーO2Bを混合物RMM2に添加して、重合性混合物SRMM4を形成する。
混合物SRMM4は次のLC相配列を示す:SmX 87 SmA 106 I。
混合物SRMM4(RMM2中1%のオリゴマーO1C)のトルエン(固形分25重量%)溶液を、例3.1に記載されるとおりガラス基材上にスピンコートする。溶媒を蒸発させた後、コーティングされた混合物の連続フィルムSRMM4が形成される(2.1μm)。
SRMM4のコーティングされたフィルムは、例1に記載されているようにアニールされ、その後冷却され、それによって混合物がスメクチックX相に変換される。スメクチックX配向は安定しており、重合前にコーティングされたフィルムを保管した後でも観察できる。
SRMM4のコーティングされたフィルムを例1に記載されるとおり重合して、スメクティックX配向が永久に固定された厚さ2.1μmのポリマーを形成する。
2%の二色性ジアゾ色素G205を混合物SRMM4に添加し、例1に記載されるとおり厚さ1.8μmのポリマーフィルムを調製した。ポリマーフィルムは二色比20.9を有し、超薄型二色偏光子として好適である。
【外国語明細書】