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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097572
(43)【公開日】2024-07-19
(54)【発明の名称】2次元走査型MEMSミラー
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20240711BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20240711BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20240711BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E
G02B26/10 C
G01S7/481 A
B81B3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001111
(22)【出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】岡本 有貴
(72)【発明者】
【氏名】岡田 浩尚
(72)【発明者】
【氏名】一木 正聡
【テーマコード(参考)】
2H045
2H141
3C081
5J084
【Fターム(参考)】
2H045AB13
2H045AB38
2H045AB73
2H045BA12
2H141MA12
2H141MB24
2H141MC04
2H141MC07
2H141MD04
2H141MD13
2H141MD16
2H141MD20
2H141MD24
2H141ME01
2H141ME09
2H141ME24
2H141ME25
2H141MF01
2H141MF03
2H141MF05
2H141MF21
2H141MF22
2H141MF28
2H141MG06
2H141MZ06
2H141MZ16
2H141MZ19
2H141MZ26
3C081AA11
3C081AA13
3C081BA28
3C081BA44
3C081BA46
3C081BA47
3C081BA53
3C081BA54
3C081CA14
3C081CA28
3C081CA44
3C081DA04
3C081EA08
5J084AA05
5J084AC02
5J084BA03
5J084BA50
5J084BB01
5J084BB14
5J084BB28
5J084DA01
5J084DA09
5J084EA40
(57)【要約】
【課題】動作安定化、小型化、及び低コスト化を可能とした2次元走査型MEMSミラーを提供することを目的とする。
【解決手段】可動ミラー板11と、可動ミラー板11を第1回転軸S1まわり及び第1回転軸S1に直交する第2回転軸S2まわりに互いに異なる周期で回転させる回転アクチュエータ12と、を備えるスキャナ構造10と、スキャナ構造10を2次元方向に移動可能に支持する可動フレーム構造21と、可動フレーム構造21を2次元方向に移動させる移動アクチュエータ23と、を備える補正機構20と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動ミラー板と、前記可動ミラー板を第1回転軸まわり及び前記第1回転軸に直交する第2回転軸まわりに互いに異なる周期で回転させる回転アクチュエータと、を備えるスキャナ構造と、
前記スキャナ構造を2次元方向に移動可能に支持する可動フレーム構造と、前記可動フレーム構造を前記2次元方向に移動させる移動アクチュエータと、を備える補正機構と、
を備える、
2次元走査型MEMSミラー。
【請求項2】
前記可動ミラー板は、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に沿う方向に延びるトーションバーを備え、
前記回転アクチュエータは、前記トーションバーを介して前記可動ミラー板を回転させる、
請求項1に記載の2次元走査型MEMSミラー。
【請求項3】
前記補正機構は、前記可動フレーム構造を支持する支持部を更に備える、
請求項1に記載の2次元走査型MEMSミラー。
【請求項4】
前記回転アクチュエータと前記移動アクチュエータとは、互いに独立している、
請求項1に記載の2次元走査型MEMSミラー。
【請求項5】
前記可動フレーム構造の質量は、前記スキャナ構造の質量よりも大きい、
請求項1に記載の2次元走査型MEMSミラー。
【請求項6】
前記可動フレーム構造は、
前記スキャナ構造に接続される第1可動フレーム構造と、
前記第1可動フレーム構造の外側に配置され、前記第1可動フレーム構造と前記移動アクチュエータとを接続する第2可動フレーム構造と、
を備え、
前記移動アクチュエータは、
前記第1可動フレーム構造を第1方向に動作させる第1移動アクチュエータと、
前記第2可動フレーム構造を、前記第1方向と直交する第2方向に動作させる第2移動アクチュエータと、
を備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の2次元走査型MEMSミラー。
【請求項7】
前記補正機構は、前記可動フレーム構造を支持する支持部を更に備え、
前記第1可動フレーム構造と前記第2可動フレーム構造、及び、前記第2可動フレーム構造と前記支持部は、それぞれ板ばね構造を介して接続される、
請求項6に記載の2次元走査型MEMSミラー。
【請求項8】
前記スキャナ構造は、前記可動フレーム構造の中央に配置されている、
請求項6に記載の2次元走査型MEMSミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元走査型MEMSミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造技術を利用したデバイスとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が知られている。
特許文献1には、対象物をそれぞれX、YおよびZ方向に精密に微細位置決めできるマイクロ電子機械(MEMS)位置決め装置が開示されている。
特許文献2には、カメラの焦点調整のために、レンズを静電気力で移動させるMEMSアクチュエータを用いる技術が開示されている。
特許文献3には、衝撃等による破損を抑制することを目的とした、MEMSデバイスからなる光偏向器が開示されている。
特許文献4には、CMOSセンサ等に用いられることを目的とした、手動撮像動作と自動撮像動作とに合わせて撮像手段の動作に関する設定を切り替える制御を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2002-502952号公報
【特許文献2】特開2012-8569号公報
【特許文献3】特開2022-73956号公報
【特許文献4】特開2008-288821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
MEMSを利用したシステムの1つに、2次元走査型MEMSミラーがある。2次元走査型MEMSミラーは、例えば、レーザ掃引システムを用いたリモートセンシングに用いられる。具体的には、2次元走査型MEMSミラーは、例えば、レーザー掃引システムにおいて、レーザー光源から定点照射されるレーザー光を走査させるために用いられる。
2次元走査型MEMSミラーを用いたレーザ掃引システムを移動体(例えば、自動車)に搭載する場合、対象物に安定してレーザ光を照射するためには、移動によるブレを抑える必要がある。ここで、例えば、レーザ掃引システムのブレを抑える為に公知のジンバルを用いると、レーザ掃引システムと別の構成を設けることになるため、システムの小型化及び低コスト化を阻む原因となる。また、例えば、CMOSイメージセンサ向けのブレ補正機構を用いる場合、独立して作製された2次元走査型MEMSミラーとブレ補正機構を積層する必要がある。この場合は、2次元走査型MEMSミラーとブレ補正機構を高精度に位置合わせすることが必要であり、低コスト化を阻む原因となる。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、動作安定化、小型化、及び低コスト化を可能とした2次元走査型MEMSミラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の態様1に係る2次元走査型MEMSミラーは、可動ミラー板と、前記可動ミラー板を第1回転軸まわり及び前記第1回転軸に直交する第2回転軸まわりに互いに異なる周期で回転させる回転アクチュエータと、を備えるスキャナ構造と、前記スキャナ構造を2次元方向に移動可能に支持する可動フレーム構造と、前記可動フレーム構造を前記2次元方向に移動させる移動アクチュエータと、を備える補正機構と、を備える。
【0007】
この発明によれば、2次元走査型MEMSミラーは、補正機構を備える。言い換えれば、本発明に係る2次元走査型MEMSミラーは、スキャナ構造と補正機構とが一体に成形されている。補正機構は、スキャナ構造を2次元方向に移動可能に支持する可動フレーム構造と、可動フレーム構造を2次元方向に移動させる移動アクチュエータと、を備える。これにより、移動アクチュエータによって可動フレーム構造を移動させることで、スキャナ構造ごと可動ミラー板を2次元方向に移動させることができる。よって、例えば、2次元走査型MEMSミラーの位置にブレが生じた場合に、補正機構によって、スキャナ構造ごと可動ミラー板の位置を補正することができる。このように、補正機構がレーザ掃引システムのブレ補正の機能を担保することで、レーザ掃引システムの動作安定化に寄与することができる。
【0008】
また、上述のように、2次元走査型MEMSミラーにおいてスキャナ構造と補正機構とが一体に成形されていることで、例えば、ジンバル等の別の構成を設けることを不要とすることができる。よって、装置を小型化することができる。更に、例えば、独立して作製された2次元走査型MEMSミラーとブレ補正機構を積層することを不要とすることで、2次元走査型MEMSミラーの厚さを抑えることができる。よって、2次元走査型MEMSミラーの質量を減らすことができ、最大動作周波数を高くすることができる。よって、動作に必要な電圧または電流を小さくすることができる。更に、積層の際の高精度な位置合わせを不要とできることや、材料の歩留まりを上昇させることができることで、製造コストを抑えることができる。
【0009】
<2>本発明の態様2に係る2次元走査型MEMSミラーは、態様1に係る2次元走査型MEMSミラーにおいて、前記可動ミラー板は、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に沿う方向に延びるトーションバーを備え、前記回転アクチュエータは、前記トーションバーを介して前記可動ミラー板を回転させる。
【0010】
この発明によれば、回転アクチュエータは、トーションバーを介して可動ミラー板を回転させる。つまり、第1回転軸及び第2回転軸は、トーションバーによって構成される。これにより、簡素な構成で可動ミラー板を回転させることができる。また、第1回転軸及び第2回転軸を簡素な構成とすることで、製造の工程を容易にして、製造コストを抑えることに寄与することができる。
【0011】
<3>本発明の態様3に係る2次元走査型MEMSミラーは、態様1又は態様2に係る2次元走査型MEMSミラーにおいて、前記補正機構は、前記可動フレーム構造を支持する支持部を更に備える。
【0012】
この発明によれば、補正機構は、可動フレーム構造を支持する支持部を更に備える。つまり、可動フレーム構造は、支持部によって支持される。これにより、より可動フレーム構造が予期しない方向に動くことを抑えることができる。よって、よりスキャナ構造の移動の精度を向上させ、レーザ掃引システムの動作安定化に寄与することができる。
【0013】
<4>本発明の態様4に係る2次元走査型MEMSミラーは、態様1から態様3のいずれか1つに係る2次元走査型MEMSミラーにおいて、前記回転アクチュエータと前記移動アクチュエータとは、互いに独立している。
【0014】
この発明によれば、回転アクチュエータと移動アクチュエータとは、互いに独立している。これにより、可動ミラー板を水平移動させる動きと、可動ミラー板を回転移動させる動きとを、それぞれ独立して行うことができる。よって、より可動ミラー板の移動を自在に行うことができるようにすることで、より補正機構によるブレ補正の機能を向上させ、レーザ掃引システムの動作安定化に寄与することができる。
【0015】
<5>本発明の態様5に係る2次元走査型MEMSミラーは、態様1から態様4のいずれか1つに係る2次元走査型MEMSミラーにおいて、前記可動フレーム構造の質量は、前記スキャナ構造の質量よりも大きい。
【0016】
この発明によれば、可動フレーム構造の質量は、スキャナ構造の質量よりも大きい。これにより、例えば、スキャナ構造が移動する際、スキャナ構造の慣性によって可動フレーム構造が予期しない方向に動かされることを抑えることができる。よって、よりスキャナ構造の移動の精度を向上させ、レーザ掃引システムの動作安定化に寄与することができる。
【0017】
<6>本発明の態様6に係る2次元走査型MEMSミラーは、態様1から態様5のいずれか1つに係る2次元走査型MEMSミラーにおいて、前記可動フレーム構造は、前記スキャナ構造に接続される第1可動フレーム構造と、前記第1可動フレーム構造の外側に配置され、前記第1可動フレーム構造と前記移動アクチュエータとを接続する第2可動フレーム構造と、を備え、前記移動アクチュエータは、前記第1可動フレーム構造を第1方向に動作させる第1移動アクチュエータと、前記第2可動フレーム構造を、前記第1方向と直交する第2方向に動作させる第2移動アクチュエータと、を備える。
【0018】
この発明によれば、可動フレーム構造は、第1可動フレーム構造と、第2可動フレーム構造と、を備える。移動アクチュエータは、第1可動フレーム構造を第1方向に動作させる第1移動アクチュエータと、第2可動フレーム構造を、第1方向と直交する第2方向に動作させる第2移動アクチュエータと、を備える。このように、可動フレーム構造を第1方向に移動させるアクチュエータと、第2方向に移動させるアクチュエータと、を個別に設けることで、可動ミラー板の水平移動を自在に行うことができるようにすることで、より補正機構によるブレ補正の機能を向上させ、レーザ掃引システムの動作安定化に寄与することができる。
【0019】
<7>本発明の態様7に係る2次元走査型MEMSミラーは、態様6に係る2次元走査型MEMSミラーにおいて、前記補正機構は、前記可動フレーム構造を支持する支持部を更に備え、前記第1可動フレーム構造と前記第2可動フレーム構造、及び、前記第2可動フレーム構造と前記支持部は、それぞれ板ばね構造を介して接続される。
【0020】
この発明によれば、第1可動フレーム構造と第2可動フレーム構造、及び、第2可動フレーム構造と支持部は、それぞれ板ばね構造を介して接続される。これにより、例えば、可動フレーム構造が移動アクチュエータによって移動した後は、移動アクチュエータが電圧が印加されていない時は板ばね構造の弾性によって元の位置に戻り、電圧を印加している時はその電圧に応じた位置で停止する。これにより、可動フレーム構造を初期位置に戻すための特別な制御等を不要とすることができる。よって、より移動アクチュエータの制御を容易にすることができる。
【0021】
<8>本発明の態様8に係る2次元走査型MEMSミラーは、態様1から態様7のいずれか1つに係る2次元走査型MEMSミラーにおいて、前記スキャナ構造は、前記可動フレーム構造の中央に配置されている。
【0022】
この発明によれば、スキャナ構造は、可動フレーム構造の中央に配置されている。これにより、スキャナ構造の移動を、いずれの方向に対しても安定して行うことができる。よって、よりスキャナ構造の移動の精度を向上させ、レーザ掃引システムの動作安定化に寄与することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、動作安定化、小型化、及び低コスト化を可能とした2次元走査型MEMSミラーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】レーザ掃引システムの模式図である。
図2図1に示すレーザ掃引システムに位置ブレが生じた際の模式図である。
図3】2次元走査型MEMSミラーの斜視図である。
図4】2次元走査型MEMSミラーのミラー部が第1回転軸まわりに回転した例である。
図5】2次元走査型MEMSミラーのミラー部が第2回転軸まわりに回転した例である。
図6】2次元走査型MEMSミラーの製造工程の第1図である。
図7】2次元走査型MEMSミラーの製造工程の第2図である。
図8】2次元走査型MEMSミラーの製造工程の第3図である。
図9】2次元走査型MEMSミラーの第1方向及び第2方向への動作に係る周波数特性のグラフである。
図10】2次元走査型MEMSミラーのミラー部が第1回転軸まわりに回転してレーザ掃引を行った時の、走査されたレーザ光である。
図11】2次元走査型MEMSミラーのミラー部が第2回転軸まわりに回転してレーザ掃引を行った時の、走査されたレーザ光である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る2次元走査型MEMSミラー100を説明する。本実施形態に係る2次元走査型MEMSミラー100は、例えば、レーザ掃引システム1000に用いられる。以下、レーザ掃引システム1000について説明する。
レーザ掃引システム1000は、例えば、リモートセンシングに用いられる。本実施形態に係るレーザ掃引システム1000は、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)システムである。すなわち、本実施形態に係るレーザ掃引システム1000は、対象物Oにレーザ光を照射して、対象物Oとの距離等を測定するシステムである。本実施形態に係るレーザ掃引システム1000は、図1に示すように、送光器200と、2次元走査型MEMSミラー100と、広角レンズ300と、ビームスプリッタ400と、受光器500と、を備える。
【0026】
送光器200は、対象物Oに照射するレーザ光の光源である。送光器200は、レーザ光を2次元走査型MEMSミラー100に向けて一点に照射(送信)する。
2次元走査型MEMSミラー100は、送光器200から照射されたレーザ光(以下、送波光B1)、及び対象物Oから反射されたレーザ光(以下、受波光B2)を反射する。2次元走査型MEMSミラー100の可動ミラー板11は、レーザ掃引システム1000の内部で適宜回転又は移動する。このことで、送光器200から発された送波光B1は、2次元走査型MEMSミラー100によって2次元に掃引される(詳細は後述する)。
【0027】
広角レンズ300は、2次元走査型MEMSミラー100が反射した送波光B1、及び対象物Oから反射された受波光B2を屈折させる。このことで、2次元走査型MEMSミラー100が送波光B1を走査できる範囲を大きくする。及び、対象物Oから反射された受波光B2を2次元走査型MEMSミラー100に向けて集約させる。
ビームスプリッタ400は、2次元走査型MEMSミラー100が反射した受波光B2を、受光器500に向けて反射する。
受光器500は、ビームスプリッタ400が反射した受波光B2を受信する。受光器500は、受信した受波光B2を解析する。このことで、レーザ掃引システム1000と対象物Oとの距離を把握可能とする。
【0028】
ここで、レーザ掃引システム1000は、車両をはじめとする移動体に搭載されることがある。このとき、図2に示すように、移動に伴う振動等によってレーザ掃引システム1000に位置ブレが生じることがある。これにより、レーザ掃引システム1000による対象物Oへの送波光B1の照射位置に位置ブレ(図2に示すB3)が生じ、正確に対象物Oとの距離が測定できなくなることがある。
【0029】
上記の課題に対応するため、本実施形態に係る2次元走査型MEMSミラー100は、以下の構成を備える。すなわち、2次元走査型MEMSミラー100は、図3に示すように、スキャナ構造10と、補正機構20と、を備える。
スキャナ構造10は、送波光B1を対象物Oに向けて走査する。及び、スキャナ構造10は、対象物Oからの受波光B2をビームスプリッタ400を介して受光器500に反射させる。スキャナ構造10は、可動ミラー板11と、回転アクチュエータ12と、を備える。
【0030】
可動ミラー板11は、送波光B1及び受波光B2を反射する。可動ミラー板11は、ミラー部11Aと、ミラー支持部11Bと、トーションバー11Cと、を備える。
ミラー部11Aは、送光器200の送波光B1を反射する円状の部位である。ミラー部11Aは、図3に示す第1回転軸S1まわり、及び第1回転軸S1に直交する第2回転軸S2まわりに振動する。言い換えれば、ミラー部11Aは、第1回転軸S1まわり及び第2回転軸S2まわりに回転可能である。このことで、送光器200から一点に照射される送波光B1の方向を変化させ、送波光B1を対象物Oに向けて走査可能とする。ミラー部11Aの中心は、第1回転軸S1と第2回転軸S2との交点に設けられる。
【0031】
ミラー支持部11Bは、ミラー部11Aの周囲に形成される長方形状の部位である。ミラー支持部11Bの長辺は、第1回転軸S1と平行に配置される。ミラー支持部11Bの短辺は、第2回転軸S2と平行に配置される。ミラー支持部11Bは、ミラー部11Aに対して非対称に配置される。具体的には、ミラー部11Aは、図3に示すように、ミラー支持部11Bの長手方向の中央から一方に移動した位置に配置される。なお、ミラー部11Aは、ミラー支持部11Bの短手方向の中央に配置される。このことで、可動ミラー板11の、第1回転軸S1まわりの共振周波数と第2回転軸S2まわりの共振周波数とが異なるようにして、第1回転軸S1まわりの回転と第2回転軸S2まわりの振動を個別に制御できるようにする。
【0032】
トーションバー11Cは、互いに直交する第1回転軸S1及び第2回転軸S2に沿う方向に延びる。トーションバー11Cは、ねじり方向に弾性変形する。以下、第1回転軸S1に沿う方向に延びるトーションバー11Cを、第1トーションバー11C1という。第2回転軸S2に沿う方向に延びるトーションバー11Cを、第2トーションバー11C2という。
【0033】
第1トーションバー11C1は、図3に示すように、ミラー部11Aとミラー支持部11Bとの間に配置される。第1トーションバー11C1は、ミラー支持部11Bの長手方向と平行に延びる。第1トーションバー11C1は、ミラー支持部11Bの短手方向の中央に配置される。このことで、第1トーションバー11C1は、図4に示すように、ミラー部11Aを第1回転軸S1まわりに回転可能とする。
【0034】
第2トーションバー11C2は、図3に示すように、ミラー支持部11Bと回転アクチュエータ12(後述する)との間に配置される。第2トーションバー11C2は、ミラー支持部11Bの短手方向と平行に延びる。第2トーションバー11C2は、ミラー支持部11Bの長手方向の中央から一方に移動した位置に配置される。このことで、第2トーションバー11C2は、図5に示すように、ミラー支持部11Bごと、ミラー部11Aを第2回転軸S2まわりに回転可能とする。
【0035】
回転アクチュエータ12は、トーションバー11Cを介して可動ミラー板11を回転させる。具体的には、回転アクチュエータ12は、可動ミラー板11を第1回転軸S1まわり及び第1回転軸S1に直交する第2回転軸S2まわりに互いに異なる周期で回転させる。この周期を適宜制御することで、回転アクチュエータ12は、送波光B1が走査可能となるように、可動ミラー板11を回転させる。
本実施形態において、回転アクチュエータ12は、電磁力アクチュエータである。すなわち、回転アクチュエータ12は、電磁力(ローレンツ力)を発生させることで、可動ミラーを振動させる。
【0036】
補正機構20は、スキャナ構造10を移動させる。具体的には、レーザ掃引システム1000に位置ブレが生じた時、補正機構20は、レーザ掃引システム1000の内部において、スキャナ構造10を位置ブレの方向と反対の方向に移動させる。このことで、補正機構20は、図2に示すように、レーザ掃引システム1000に位置ブレが生じた場合においても、送波光B1の照射先にブレが生じないようにする。
補正機構20は、可動フレーム構造21と、支持部22と、移動アクチュエータ23と、を備える。
【0037】
可動フレーム構造21は、スキャナ構造10を2次元方向に移動可能に支持する。具体的には、可動フレーム構造21は、例えば、スキャナ構造10を第1回転軸S1及び第2回転軸S2の両方を含む2次元方向に移動可能に支持する。本実施形態において、スキャナ構造10は、可動フレーム構造21の中央に配置される。すなわち、可動フレーム構造21は、第1回転軸S1及び第2回転軸S2の両方を含む2次元方向において、スキャナ構造10の全周に配置される。可動フレーム構造21は、第1可動フレーム構造21Aと、第2可動フレーム構造21Bと、を備える。
【0038】
第1可動フレーム構造21Aは、スキャナ構造10に接続される。第1可動フレーム構造21Aは、スキャナ構造10を、第1方向D1に移動可能となるように支持する。本実施形態において、第1方向D1は、第1回転軸S1及び第2回転軸S2の両方を含む2次元方向のうち、第1回転軸S1に直交する方向である。
【0039】
第2可動フレーム構造21Bは、第1可動フレーム構造21Aの外側に配置される。第2可動フレーム構造21Bは、第1可動フレーム構造21Aと移動アクチュエータ23とを接続する。第2可動フレーム構造21Bは、スキャナ構造10を、第1可動フレーム構造21Aごと、第1回転軸S1及び第2回転軸S2の両方を含む2次元方向のうち、第1方向D1と直交する第2方向D2に移動可能となるように支持する。本実施形態において、第1可動フレーム構造21Aと第2可動フレーム構造21Bとは、図3に示すように、第1板ばね構造21C1(板ばね構造)を介して接続される。
【0040】
本実施形態において、可動フレーム構造21の質量は、スキャナ構造10の質量よりも大きいことが好ましい。このことで、スキャナ構造10が移動する際、スキャナ構造10の慣性によって可動フレーム構造21が予期しない方向に動かされることを抑えることができるようにすることが好ましい。
【0041】
支持部22は、可動フレーム構造21を支持する。支持部22は、例えば、レーザ掃引システム1000の筐体に固定されたプリント基板やセラミックパッケージ上に配置される。このことで、可動フレーム構造21が、レーザ掃引システム1000の内部において、スキャナ構造10を第1方向D1と第2方向D2との二次元方向に移動可能に保持できるようにする。
本実施形態において、第2可動フレーム構造21Bと支持部22とは、図3に示すように、第2板ばね構造21C2(板ばね構造)を介して接続される。
【0042】
移動アクチュエータ23は、可動フレーム構造21を二次元方向に移動させる。本実施形態において、移動アクチュエータ23は、例えば、 櫛歯電極型静電アクチュエータである、すなわち、移動アクチュエータ23は、2つの櫛歯状の電極が互いに噛み合った構造を備える。移動アクチュエータ23は、前記2つの電極同士の間に電位差を生じさせることで、前記櫛歯状の噛み合い代を変化させる。このことで、移動アクチュエータ23は、第1可動フレーム構造21A又は第2可動フレーム構造21Bを一次元方向に移動させる。
【0043】
移動アクチュエータ23は、第1移動アクチュエータ23Aと、第2移動アクチュエータ23Bと、を備える。第1移動アクチュエータ23Aは、第1可動フレーム構造21Aを第1方向D1に動作させる。第2移動アクチュエータ23Bは、第2可動フレーム構造21Bを第2方向D2に動作させる。これにより、移動アクチュエータ23は、可動フレーム構造21の中央に配置されたスキャナ構造10を、第1方向D1と第2方向D2とに移動可能とする。
【0044】
移動アクチュエータ23は、図3に示すように、第1可動フレーム構造21A及び第2可動フレーム構造21Bの外側に設けられる。ここで、スキャナ構造10の回転アクチュエータ12は、上述のように、第1可動フレーム構造21Aの内側に設けられる。このような構造とすることで、回転アクチュエータ12と移動アクチュエータ23とは、互いに独立して配置される。すなわち、回転アクチュエータ12の機能による可動ミラー板11の回転が、移動アクチュエータ23の機能による可動フレーム構造21の移動に影響を及ぼすことのないように、且つ、移動アクチュエータ23の機能による可動フレーム構造21の移動が、回転アクチュエータ12の機能により可動ミラー板11の回転に影響を及ぼすことのないように配置される。これにより、スキャナ構造10におけるミラー部11Aの回転移動及び二次元方向への移動とは、互いに独立して制御できるようにすることが好ましい。
【0045】
(2次元走査型MEMSミラー100の製造工程)
次に、図6図8を用いて、上述した2次元走査型MEMSミラー100の製造工程について説明する。本実施形態に係る2次元走査型MEMSミラー100は、1枚の基板を用いて、標準的なMEMSプロセスにより形成される。すなわち、本実施形態に係る2次元走査型MEMSミラー100の備える各構成は、1枚の基板を後述するように加工することで、一体に成形される。
基板には、図6に示すように、SOI(Silicon-on-Insulator)基板が好適に用いられる。本実施形態において、基板には、活性層L1の厚みが50μm、埋め込み酸化膜L2の厚みが2μm、支持層L3の厚みが400μmのSOI基板が好適に用いられる。
【0046】
上述のSOI基板に、まず、Ti20nm、Au200nmからなる金属膜L4をスパッタリングにより形成した後、図6に示すように、フォトリソグラフィ、エッチングによって金属膜L4からなる回路をパターニングする。次に、図7に示すように、活性層L1を、シリコン深掘りエッチング(DRIE)によりパターニングする。その後、図8に示すように、支持層L3をシリコン深掘りエッチングによってパターニングする。最後に、CHF3プラズマでエッチングを行って埋め込み酸化膜L2を除去する。
以上の工程によって、本発明に係る2次元走査型MEMSミラー100は製造される。
【0047】
(実施例)
図9に、上述の製造工程によって製造された2次元走査型MEMSミラー100における、第1方向D1及び第2方向D2への2次元移動における周波数特性を示す。図9に示すように、第1方向D1への動作においては195Hz、第2方向D2への動作においては225Hzで共振動作が得られた。なお、共振動作が得られた際に移動アクチュエータ23に印加した交流電圧の最大値と最小値の差であるVpp値は、第1方向D1への動作においては12V、第2方向D2への動作においては30Vであった。
図10に、上述の製造工程によって製造された2次元走査型MEMSミラー100を搭載したレーザ掃引システム1000によって走査されたレーザ光を示す。図10に示すように、第1回転軸S1まわりにおいては3.004kHz、第2回転軸S2まわりにおいては680Hzで共振動作が見られ、走査角θoptは、第1回転軸S1まわりにおいて光学0.69°、第2回転軸S2まわりにおいて光学2.6°という結果が得られた。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係る2次元走査型MEMSミラー100によれば、2次元走査型MEMSミラー100は、補正機構20を備える。言い換えれば、本発明に係る2次元走査型MEMSミラー100は、スキャナ構造10と補正機構20とが一体に成形されている。補正機構20は、スキャナ構造10を2次元方向に移動可能に支持する可動フレーム構造21と、可動フレーム構造21を2次元方向に移動させる移動アクチュエータ23と、を備える。これにより、移動アクチュエータ23によって可動フレーム構造21を移動させることで、スキャナ構造10ごと可動ミラー板11を2次元方向に移動させることができる。よって、例えば、2次元走査型MEMSミラー100の位置にブレが生じた場合に、補正機構20によって、スキャナ構造10ごと可動ミラー板11の位置を補正することができる。このように、補正機構20がレーザ掃引システム1000のブレ補正の機能を担保することで、レーザ掃引システム1000の動作安定化に寄与することができる。
【0049】
また、上述のように、2次元走査型MEMSミラー100においてスキャナ構造10と補正機構20とが一体に成形されていることで、例えば、ジンバル等の別の構成を設けることを不要とすることができる。よって、装置を小型化することができる。更に、例えば、独立して作製された2次元走査型MEMSミラー100とブレ補正機構を積層することを不要とすることで、2次元走査型MEMSミラー100の厚さを抑えることができる。よって、2次元走査型MEMSミラー100の質量を減らすことができ、最大動作周波数を高くすることができる。よって、動作に必要な電圧または電流を小さくすることができる。更に、積層の際の高精度な位置合わせを不要とできることや、材料の歩留まりを上昇させることができることで、製造コストを抑えることができる。
【0050】
また、回転アクチュエータ12は、トーションバー11Cを介して可動ミラー板11を回転させる。つまり、第1回転軸S1及び第2回転軸S2は、トーションバー11Cによって構成される。これにより、簡素な構成で可動ミラー板11を回転させることができる。また、第1回転軸S1及び第2回転軸S2を簡素な構成とすることで、製造の工程を容易にして、製造コストを抑えることに寄与することができる。
【0051】
また、補正機構20は、可動フレーム構造21を支持する支持部22を更に備える。つまり、可動フレーム構造21は、支持部22によって支持される。これにより、より可動フレーム構造21が予期しない方向に動くことを抑えることができる。よって、よりスキャナ構造10の移動の精度を向上させ、レーザ掃引システム1000の動作安定化に寄与することができる。
【0052】
また、回転アクチュエータ12と移動アクチュエータ23とは、互いに独立している。これにより、可動ミラー板11を水平移動させる動きと、可動ミラー板11を回転移動させる動きとを、それぞれ独立して行うことができる。よって、より可動ミラー板11の移動を自在に行うことができるようにすることで、より補正機構20によるブレ補正の機能を向上させ、レーザ掃引システム1000の動作安定化に寄与することができる。
【0053】
また、可動フレーム構造21の質量は、スキャナ構造10の質量よりも大きい。これにより、例えば、スキャナ構造10が移動する際、スキャナ構造10の慣性によって可動フレーム構造21が予期しない方向に動かされることを抑えることができる。よって、よりスキャナ構造10の移動の精度を向上させ、レーザ掃引システム1000の動作安定化に寄与することができる。
【0054】
また、可動フレーム構造21は、第1可動フレーム構造21Aと、第2可動フレーム構造21Bと、を備える。移動アクチュエータ23は、第1可動フレーム構造21Aを第1方向D1に動作させる第1移動アクチュエータ23Aと、第2可動フレーム構造21Bを、第1方向D1と直交する第2方向D2に動作させる第2移動アクチュエータ23Bと、を備える。このように、可動フレーム構造21を第1方向D1に移動させるアクチュエータと、第2方向D2に移動させるアクチュエータと、を個別に設けることで、可動ミラー板11の水平移動を自在に行うことができるようにすることで、より補正機構20によるブレ補正の機能を向上させ、レーザ掃引システム1000の動作安定化に寄与することができる。
【0055】
また、第1可動フレーム構造21Aと第2可動フレーム構造21B、及び、第2可動フレーム構造21Bと支持部22は、それぞれ板ばね構造を介して接続される。これにより、例えば、可動フレーム構造21が移動アクチュエータ23によって移動した後は、移動アクチュエータ23が電圧が印加されていない時は板ばね構造の弾性によって元の位置に戻り、電圧を印加している時はその電圧に応じた位置で停止する。これにより、可動フレーム構造21を初期位置に戻すための特別な制御等を不要とすることができる。よって、より移動アクチュエータ23の制御を容易にすることができる。
【0056】
また、スキャナ構造10は、可動フレーム構造21の中央に配置されている。これにより、スキャナ構造10の移動を、いずれの方向に対しても安定して行うことができる。よって、よりスキャナ構造10の移動の精度を向上させ、レーザ掃引システム1000の動作安定化に寄与することができる。
【0057】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態に係るレーザ掃引システム1000はLiDARシステムであり、2次元走査型MEMSミラー100は前記LiDARシステムに搭載されるとして説明したが、これに限らない。すなわち、本発明に係る2次元走査型MEMSミラー100を、LiDARシステム以外のシステムに適用してもよい。すなわち、例えば、本実施形態に係る2次元走査型MEMSミラー100は、例えば、航空機やドローン等におけるLiDARシステム以外のリモートセンシングに用いられてもよいし、プロジェクタに用いられてもよい。
また、可動ミラー板11の備えるミラー部11Aは円状であると説明したが、円状以外の計上であってもよい。
【0058】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 スキャナ構造
11 可動ミラー板
11A ミラー部
11B ミラー支持部
11C トーションバー
11C1 第1トーションバー
11C2 第2トーションバー
12 回転アクチュエータ
20 補正機構
21 可動フレーム構造
21A 第1可動フレーム構造
21B 第2可動フレーム構造
21C1 第1板ばね構造
21C2 第2板ばね構造
22 支持部
23 移動アクチュエータ
23A 第1移動アクチュエータ
23B 第2移動アクチュエータ
100 2次元走査型MEMSミラー
200 送光器
300 広角レンズ
400 ビームスプリッタ
500 受光器
1000 レーザ掃引システム
B1 送波光
B2 受波光
D1 第1方向
D2 第2方向
L1 活性層
L2 酸化膜
L3 支持層
L4 金属膜
O 対象物
S1 第1回転軸
S2 第2回転軸
θopt 走査角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11