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特開2024-98507ファイバ状引張センサおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098507
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】ファイバ状引張センサおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/107 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
A61B5/107 300
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002085
(22)【出願日】2024-01-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0003580
(32)【優先日】2023-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514274672
【氏名又は名称】延世大学校 産学協力団
【氏名又は名称原語表記】UIF (University Industry Foundation), Yonsei University
【住所又は居所原語表記】50,YONSEI-RO, SEODAEMUN-GU, SEOUL 03722, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンジェ
(72)【発明者】
【氏名】イ テユン
(72)【発明者】
【氏名】ミン ウォンキョン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン チヒョン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA06
4C038VB01
4C038VB29
4C038VC20
(57)【要約】
【課題】本発明は、Negative gauge-factor(N-GF)を有する歪みセンサ兼配線を介して引張時のみに抵抗が低くなって、電流が流れる伝導性纎維を介してスマート衣類に適用して、生体信号を伝達するファイバ状引張センサを提供する。
【解決手段】本発明のファイバ状引張センサは、電気伝導性を有する第1フレキシブル部を含む少なくとも一つの第1電気伝導性ラインと、第1電気伝導性ラインと一部当接するように織られ、電気伝導性を有する第2フレキシブル部を含み、引張された状態で、電気伝導性を有する第1フレキシブル部と通電されるように具現される少なくとも一つの第2電気伝導性ラインを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気伝導性を有する第1フレキシブル部を含む少なくとも一つの第1電気伝導性ラインと、
前記第1電気伝導性ラインと一部当接するように織られ、電気伝導性を有する第2フレキシブル部を含み、引張された状態で、前記電気伝導性を有する第1フレキシブル部と通電されるように具現される少なくとも一つの第2電気伝導性ラインと
を含む、ファイバ状引張センサ。
【請求項2】
前記ファイバ状引張センサは、
前記第1電気伝導性ラインおよび前記第2電気伝導性ラインが互いにツイスト形態に織られ、前記第1電気伝導性ラインと連結される第1ノードおよび前記第2電気伝導性ラインと連結される第2ノードが引張状態によって既設定された抵抗以下の抵抗が形成される相互間抵抗を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のファイバ状引張センサ。
【請求項3】
前記ファイバ状引張センサは、
前記第1フレキシブル部の内部または前記第2フレキシブル部の内部に絶縁体が形成されるように具現される、ことを特徴とする請求項2に記載のファイバ状引張センサ。
【請求項4】
前記ファイバ状引張センサは、
前記少なくとも一つの第1電気伝導性ラインおよび前記少なくとも一つの第2電気伝導性ラインが互いにツイストされる回数または程度が調節されることによって、抵抗変化程度が調節されるように具現される、ことを特徴とする請求項3に記載のファイバ状引張センサ。
【請求項5】
前記第1電気伝導性ラインまたは前記第2電気伝導性ラインは、
前記第1フレキシブル部および前記第2フレキシブル部の内部に金属ナノ粒子の蒸着によって前記電気伝導性を有する伝導性部がそれぞれ形成され、前記伝導性部の表面に絶縁体薄膜の蒸着によって前記絶縁体が形成され、
前記絶縁体薄膜は紫外線またはレーザの選択的照射または選択的熱処理によって硬化される、ことを特徴とするフ請求項3に記載のファイバ状引張センサ。
【請求項6】
前記第1フレキシブル部および前記第2フレキシブル部は、
高分子材料からなるポリウレタン(polyurethane)、SBS(styrene-butadiene-styrene)、SBR(styrene butadiene rubber)およびPDMS(polydimethylsiloxane)を少なくとも一つ含み、
前記伝導性部は、ナノ粒子で具現される金属物質、伝導性有機物、およびナノ材料を少なくとも一つ含む、ことを特徴とする請求項3に記載のファイバ状引張センサ。
【請求項7】
前記絶縁体は、
SU-8、Polyimide、PVA、PMMA、CYTOPのような絶縁体特性を形成する有機物またはSiOx、HfOxのような酸化物を少なくとも一つ含む、ことを特徴とする請求項3に記載のファイバ状引張センサ。
【請求項8】
前記絶縁体は、
硬化(Curing)によるモジュール(Modulus)調節、厚さの調節または硬度(hardness)の調節によって引張によるクラック(Crack)誘発程度が調節される、ことを特徴とする請求項3に記載のファイバ状引張センサ。
【請求項9】
前記ファイバ状引張センサは、
ストレッチャブル(Stretchable)装置に適用されるように具現され、
前記ストレッチャブル装置は、前記ファイバ状引張センサが長さ方向に引張可能な位置に適用される、ことを特徴とする請求項1に記載のファイバ状引張センサ。
【請求項10】
電気伝導性を有する第1フレキシブル部を含む少なくとも一つの第1電気伝導性ラインと、前記第1電気伝導性ラインと一部当接するように織られ、電気伝導性を有する第2フレキシブル部を含み、引張された状態で、前記電気伝導性を有する第1フレキシブル部と通電されるように具現される少なくとも一つの第2電気伝導性ラインを含むファイバ状引張センサと、
前記ファイバ状引張センサが適用され、動きによって引張可能に具現されるストレッチャブル装置と、
前記引張時に発生する電流を有線または無線で受けて前記ストレッチャブル装置の状態をモニタリングするモニタリング装置と
を含む、モニタリングシステム。
【請求項11】
前記ストレッチャブル装置は、
前記ファイバ状引張センサが長さ方向に引張可能な位置に適用されて、引張時に前記第1電気伝導性ラインおよび前記第2電気伝導性ラインが通電されるように具現され、
前記モニタリング装置は、前記引張によって通電される場合、前記ストレッチャブル装置の形態を予測してリアルタイムでフィードバックを提供する、ことを特徴とする請求項10に記載のモニタリングシステム。
【請求項12】
ファイバ状引張センサを製造する製造方法であって、
伸縮性を含むフレキシブル部の内部に金属ナノ粒子を蒸着して電気伝導性を有する伝導性部を形成する段階と、
前記電気伝導性ラインを少なくとも2つが引張される場合に互いに通電されるように互いに一部当接するように織る段階と
を含む、製造方法。
【請求項13】
前記伝導性部の表面に絶縁体薄膜の蒸着によって絶縁体を形成する段階をさらに含み、
前記絶縁体を形成する段階は、紫外線またはレーザの選択的照射または選択的熱処理によって硬化して、前記絶縁体を形成する、ことを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバ状引張センサおよびその製造方法に関し、特に、引張状態を感知して通電されるファイバ状引張センサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述された内容は単純に本実施形態に対する背景情報を提供するだけであって、従来技術を構成するのではない。
【0003】
日常生活で生体データを収集することができるモニタリングシステムは、人体で生成される脈搏、血圧、体温心電図などの健康指標を随時チェックして収集するために、体に付着したり着用するウェアラブルデバイスが代表的である。このようなウェアラブルデバイスは、着用時に不便感を最小化しながら体内の多様な信号を測定しなければならないが、市販の大衆化されたデバイスは、大部分スマートウォッチまたはスマートバンドのようなアクセサリー型で、電子素子を構成する材料の限界により、硬いアクセサリー形態で手首型のみに限られているという問題がある。
【0004】
また、高い伸縮性を有しながら、使用者の体の多様な部位に適用できるウェアラブルデバイスは、スマート衣類などに具現されてもよく、先端纎維/素材に各種センサと半導体素子などを装着させて、着用者の生体信号だけでなく、動き、姿勢、人体内刺激など多様なモニタリングシステムを具現し得るが、電力の消耗を最小化しながら、常時モニタリングを運用するための低電力技術を必要とするという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、Negative gauge-factor(N-GF)を有する歪みセンサ兼配線を介して引張時のみに抵抗が低くなって、電流が流れる伝導性纎維を介してスマート衣類に適用して、生体信号を伝達することに発明の主な目的がある。
【0006】
本発明の明示されないまた他の目的は、下記の詳細な説明およびその効果から容易に推論できる範囲内で追加的に考慮され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の一側面によれば、本発明は、電気伝導性を有する第1フレキシブル部を含む少なくとも一つの第1電気伝導性ラインと、前記第1電気伝導性ラインと一部当接するように織られ、電気伝導性を有する第2フレキシブル部を含み、引張された状態で前記電気伝導性を有する第1フレキシブル部と通電されるように具現される少なくとも一つの第2電気伝導性ラインを含む、ファイバ状引張センサを提案する。
【0008】
好ましくは、前記ファイバ状引張センサは、前記第1電気伝導性ラインおよび前記第2電気伝導性ラインが互いにツイスト形態に織られ、前記第1電気伝導性ラインと連結される第1ノードおよび前記第2電気伝導性ラインと連結される第2ノードが引張状態によって既設定された抵抗以下の抵抗が形成される相互間抵抗を形成することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記ファイバ状引張センサは、前記第1フレキシブル部の内部または前記第2フレキシブル部の内部に絶縁体が形成されるように具現されることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記ファイバ状引張センサは、前記少なくとも一つの第1電気伝導性ラインおよび前記少なくとも一つの第2電気伝導性ラインが互いにツイストされる回数または程度が調節されることによって、抵抗変化程度が調節されるように具現されることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記第1電気伝導性ラインまたは前記第2電気伝導性ラインは、前記第1フレキシブル部および前記第2フレキシブル部の内部に金属ナノ粒子の蒸着によって前記電気伝導性を有する伝導性部がそれぞれ形成され、前記伝導性部の表面に絶縁体薄膜の蒸着によって前記絶縁体が形成され、前記絶縁体薄膜は、紫外線またはレーザの選択的照射または選択的熱処理によって硬化されることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記第1フレキシブル部および前記第2フレキシブル部は、高分子材料からなるポリウレタン(polyurethane)、SBS(styrene-butadiene-styrene)、SBR(styrene butadiene rubber)およびPDMS(polydimethylsiloxane)を少なくとも一つ含み、前記伝導性部は、ナノ粒子で具現される金属物質、伝導性有機物およびナノ材料を少なくとも一つ含むことを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記絶縁体は、SU-8、Polyimide、PVA、PMMA、CYTOPのような絶縁体特性を形成する有機物またはSiOx、HfOxのような酸化物を少なくとも一つ含むことを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記絶縁体は、硬化(Curing)によるモジュール(Modulus)調節、厚さの調節または硬度(hardness)の調節を通じて引張によるクラック(Crack)誘発程度が調節されることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記ファイバ状引張センサは、ストレッチャブル(Stretchable)装置に適用されるように具現され、前記ストレッチャブル装置は、前記ファイバ状引張センサが長さ方向に引張可能な位置に適用されることを特徴とする。
【0016】
本発明のまた他の実施形態によれば、本発明は、電気伝導性を有する第1フレキシブル部を含む少なくとも一つの第1電気伝導性ラインと、前記第1電気伝導性ラインと一部当接するように織られ、電気伝導性を有する第2フレキシブル部を含み、引張された状態で前記電気伝導性を有する第1フレキシブル部と通電されるように具現される少なくとも一つの第2電気伝導性ラインを含むファイバ状引張センサと、前記ファイバ状引張センサが適用され、動きによって引張可能に具現されるストレッチャブル装置と、前記引張時に発生する電流を有線または無線で受けて、前記ストレッチャブル装置の状態をモニタリングするモニタリング装置と、を含む、モニタリングシステムを提案する。
【0017】
好ましくは、前記ストレッチャブル装置は、前記ファイバ状引張センサが長さ方向に引張可能な位置に適用されて、引張時に前記第1電気伝導性ラインおよび前記第2電気伝導性ラインが通電されるように具現され、前記モニタリング装置は、前記引張によって通電される場合、前記ストレッチャブル装置の形態を予測して、リアルタイムでフィードバックを提供することを特徴とする。
【0018】
本発明のまた他の実施形態によれば、ファイバ状引張センサを製造する製造方法において、伸縮性を含むフレキシブル部の内部に金属ナノ粒子を蒸着して、電気伝導性を有する伝導性部を形成する段階と、前記電気伝導性ラインを少なくとも二つが引張される場合互いに通電されるように、互いに一部当接するように織る段階とを含む、製造方法を提案する。
【0019】
好ましくは、前記伝導性部の表面に絶縁体薄膜の蒸着によって絶縁体を形成する段階をさらに含み、前記絶縁体を形成する段階は紫外線またはレーザの選択的照射または選択的熱処理によって硬化して前記絶縁体を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
前述したように、本発明の実施形態によれば、本発明は、着用者の体に装着可能に高い伸縮性を有しながら、電力消耗を最小化し、また常時モニタリングが可能な効果を奏する。
【0021】
ここで明示的に言及されなかった効果であっても、本発明の技術的特徴によって期待される以下の明細書で記載された効果およびその暫定的な効果は、本発明の明細書に記載されたのと同様に取り扱いされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態による単一電気伝導性ラインの製造を示す図面である。
図2】本発明の一実施形態による絶縁膜蒸着および選択的UV照射後分析を示す図面である。
図3】本発明の一実施形態による2つの電気伝導性ラインのツイスト(twist)によるファイバ状引張センサを示す図面である。
図4】本発明の一実施形態による2つの電気伝導性ラインのツイスト(twist)回数別抵抗変化を示す図面である。
図5】本発明の一実施形態による2つの電気伝導性ラインの引張程度による隠れピクセル数を示す図面である。
図6】本発明の一実施形態による2つの電気伝導性ラインのツイスト(twist)回数を調節して引張程度別抵抗変化を示す図面である。
図7】本発明の一実施形態によるファイバ状引張センサをLEDアレイに適用した図面である。
図8】本発明の第1実施形態によるファイバ状引張センサが適用されたモニタリングシステムを示す図面である。
図9】本発明の第2実施形態によるファイバ状引張センサが適用されたモニタリングシステムを示す図面である。
図10】本発明の第3実施形態によるファイバ状引張センサが適用されたモニタリングシステムを示す図面である。
図11】本発明のまた他の一実施形態によるモニタリングシステムの構成図である。
図12】本発明の一実施形態によるファイバ状引張センサの製造方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を説明する際において、係わる公知機能に対して当該分野における技術者に自明な事項であって本発明の要旨を不必要に曖昧にする虞があると判断される場合には、その詳細な説明を省略し、本発明の一部実施形態を例示的な図面を通じて詳細に説明する。しかしながら、本発明は様々な異なる形態に具現されてもよく、説明する実施形態に限定されるのではない。また、本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略され、図面の同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0024】
「および/または」という用語は、複数の関連する記載された項の組合または複数の関連する記載された項の何れの項も含む。
【0025】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり「接続されて」いると言及された場合には、その他の構成要素に直接連結されていたりまたは接続されている場合もあるが、中間に他の構成要素が存在してもよいことに理解すべきである。
【0026】
以下の説明で用いられる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書の作成の容易性のみを考慮して付与したり混用したもので、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0027】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明する際に用いられてもよいが、構成要素は用語によって限定されてはならない。上記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで用いられる。
【0028】
本発明は、ファイバ状引張センサおよびその製造方法に関する。
【0029】
デジタルヘルスケアは、情報通信技術を活用して高度化された患者オーダーメード医療サービスと健康を増進させるための健康管理製品、およびサービスを提供する産業で、これによって最大のサポートを受けることができる対象者として、常に自分の健康状態を管理しなければならない慢性疾患の患者(高血圧、糖尿、慢性呼吸器疾患、慢性椎間板ヘルニアなど)が挙げられている。彼らにとって最も重要な技術は、日常生活で生体データを収集することができるモニタリングシステムに対する技術で、人体で生成される脈搏、血圧、体温、心電図などの健康指標を随時チェックして収集するために、体に付着したり着用するウェアラブルデバイスが代表的である。
【0030】
ウェアラブルデバイスは、着用時に不便を最小化しながらも、体内の多様な信号を測定しなければならないが、現在市販の大衆化されたウェアラブルデバイスは、大部分スマートウォッチまたはスマートバンドのようなアクセサリー型で、電子素子を構成する材料の限界により、相変らず硬いアクセサリーの形態で手首型のみに限られているという問題がある。したがって、これを克服するために、高い伸縮性を有しながらも我々の体の多様な部位に適用可能な次世代ウェアラブルデバイスの代表として、「スマート衣類」がたくさん期待されており、先端纎維/素材に各種センサと半導体素子などを装着させて、着用者の生体信号だけでなく、動き、姿勢、人体内刺激など多様なモニタリングシステムを具現することができて、活用可能性がより優れる。
【0031】
しかしながら、上述したスマート衣類に基づくモニタリングシステムの開発は、電力の消耗を最小化しながら常時モニタリングを運用するための低電力技術を必要とするという技術的障害物が存在し、これを克服するために多様な低電力技術が研究されているが、低電力センサや半導体技術を開発するよりは超小型でありながらも大容量を有するバッテリー技術開発自体のみに集中している。
【0032】
したがって、本発明は、スマート衣類に適用可能な超低電力ヘルスモニタリングシステムを具現するために、従来の素子の物理的限界を克服してNegative gauge-factor(N-GF)を有する歪みセンサ兼配線で具現されてもよい。
【0033】
一般的な場合、所定の変形率下で、伝導性纎維は、クラック(crack)によって電気抵抗が増加されるpositive gauge-factor(P-GF)を有するが、本発明のファイバ状引張センサ1は、N-GFを有し、引張時のみに抵抗が低くなって電流が流れることができる伝導性纎維を製作すれば、体に挿入時、臓器が脹れる現象(例えば、膀胱の膨脹、心臓の弛緩)時のみに動作が可能なスィッチ性モニタリングシステムなど体の機能上の問題があったり引張されたときのみ動作して、生体信号を伝達する低電力システムが具現可能である。
【0034】
また、Form-factorに変化をもたらすディスプレイ技術は、現在1段階カーブド、曲げ可能な固定型フレキシブルディスプレイを経て、2段階ローラブル、フォールダブル単一軸可変型フレキシブルディスプレイまで常用化された。3段階次世代form-factor革新ディスプレイとして、freeformディスプレイと呼ばれるストレッチャブルディスプレイが台頭している。その中でも自在に伸縮可能な代表的なストレッチャブルディスプレイは、纎維に基づく衣類ディスプレイであり、このディスプレイはフレキシブルディスプレイを衣類に付着することを超えて、電子纎維の応用分野の開発によって衣類とディスプレイが統合される新概念市場を創出することと予想される。しかしながら、このような衣類ディスプレイも従来のフレキシブルディスプレイとは違って、ストレッチャブルディスプレイであるため、引張時に同じピクセル数対比画素間の間隔の増加により、解像度/輝度の変化が発生して、イメージが歪曲されるという問題があり、このための解決策が至急な状況である。
【0035】
ディスプレイに印加される引張力によって抵抗特性が変化する物質が含まれたファイバ状引張センサによって、ディスプレイの引張前には駆動されなかった発光素子(Hidden pixel)がディスプレイの引張後には発光制御されることができて、ディスプレイが引張されても解像度および輝度の変化によるイメージの歪曲を防止することができるストレッチャブル衣類ディスプレイを具現しようとする。従来のN-GFを有する配線は、不導体から導体まで変化する大きいN-GFや抵抗変化率を有することができないだけでなく、纎維に適用された事例が存在しない。
【0036】
したがって、上述した問題を解決するために、ファイバ状引張センサ1は、Negative gauge-factor(N-GF)を有し、引張時のみに抵抗が低くなって電流が流れることができる伝導性纎維で具現されてもよい。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態による単一電気伝導性ラインの製造を示す図面である。
【0038】
ファイバ状引張センサ1は、第1電気伝導性ライン10a、および第2電気伝導性ライン10bを含む。
【0039】
図1を参照すると、電気伝導性ライン10は、フレキシブル部100、伝導性部200、および絶縁体300を含む。電気伝導性ライン10は、図1で例示的に示した多様な構成要素の中で一部構成要素を省略するか、他の構成要素を追加的に含んでもよい。
【0040】
電気伝導性ライン10は、電気伝導性を有するフレキシブル部100を含む。
【0041】
ファイバ状引張センサ1は、電気伝導性を有する第1フレキシブル部を含む少なくとも一つの第1電気伝導性ライン10aおよび第1電気伝導性ライン10aと一部当接するように織られ、電気伝導性を有する第2フレキシブル部を含み、引張された状態で、前記電気伝導性を有する第1フレキシブル部と通電されるように具現される少なくとも一つの第2電気伝導性ライン10bを含む。
【0042】
第1電気伝導性ライン10aまたは第2電気伝導性ライン10bは、電気伝導性を有するフレキシブル部100の表面に形成される絶縁体300をさらに含んでもよい。
【0043】
ファイバ状引張センサ1は、第1電気伝導性ライン10aおよび第2電気伝導性ライン10bが互いにツイスト形態に織られ、第1電気伝導性ライン10aと連結される第1ノードおよび第2電気伝導性ライン10bと連結される第2ノードが引張状態によって既設定された抵抗以下の抵抗が形成される相互間抵抗を形成することができる。
【0044】
ファイバ状引張センサ1は、少なくとも一つの第1電気伝導性ライン10aおよび少なくとも一つの第2電気伝導性ライン10bが互いにツイストされる回数または程度が調節されることによって、抵抗変化程度が調節されるように具現されることができる。
【0045】
第1電気伝導性ライン10aまたは第2電気伝導性ライン10bは、フレキシブル部100の表面に金属ナノ粒子の蒸着によって電気伝導性を有する伝導性部200が形成され、伝導性部の表面に絶縁体薄膜の蒸着によって絶縁体300が形成されることができる。ここで、絶縁体薄膜は、紫外線またはレーザの選択的照射または選択的熱処理によって硬化されることができ、例えば、紫外線硬化(UV-curing)が選択的に照射されて形成されるように具現されてもよい。
【0046】
フレキシブル部100は、高分子材料からなるポリウレタン(polyurethane)、SBS(styrene-butadiene-styrene)、SBR(styrene butadiene rubber)およびPDMS(polydimethylsiloxane)を少なくとも一つ含んでもよい。
【0047】
伝導性部200は、ナノ粒子で具現される金属物質、伝導性有機物、およびナノ材料を少なくとも一つ含んでもよい。
【0048】
絶縁体300は、SU-8、Polyimide、PVA、PMMA、CYTOPのような絶縁体特性を形成する有機物またはSiOx、HfOxのような酸化物を少なくとも一つ含んでもよい。
【0049】
絶縁体300は、硬化(Curing)によるモジュール(Modulus)調節、厚さの調節または硬度(hardness)の調節によって、引張によるクラック(Crack)誘発程度が調節されることができる。
【0050】
ファイバ状引張センサ1は、ストレッチャブル(Stretchable)装置に適用されるように具現されてもよい。ここで、ストレッチャブル装置は、ファイバ状引張センサ1が長さ方向に引張可能な位置に適用されることができる。
【0051】
したがって、ファイバ状引張センサ1は、2つの伝導性纎維の上記の絶縁(Insulating)特性を有する薄膜を蒸着させた後、2つの素子を捻じって引張によるクラック(Crack)の密度と大きさを細密に調節することによって、引張時のみに電流が流れることができるN-GFを有する配線電極を形成することができる。
【0052】
図2は、本発明の一実施形態による絶縁膜蒸着および選択的UV照射後の分析を示す図面である。
【0053】
図2を参照すると、ファイバ状引張センサ1は、伸縮性纎維を示すポリウレタン(Polyurethane(PU))繊維(fiber)の表面に伝導性物質である銀ナノ粒子(Ag nanoparticle(AgNP))を蒸着した後、その上にSU-8絶縁膜蒸着および選択的UVを照射して形成されることができる。
【0054】
図2の(a)を参照すると、ファイバ状引張センサ1は、絶縁体のUV照射による選択的硬化をさらに実行してもよい。
【0055】
図2の(b)は、本発明の一実施形態によるUV照射有無による引張時クラック(Crack)形成様相を示す図面であり、図2の(c)は、本発明の一実施形態による力センサによる変形ストレス(Strain stress)測定結果を示すグラフであり、図2の(d)は、本発明の一実施形態によるSU-8絶縁膜で表面が蒸着されたファイバ状引張センサの断面を示す図面である。
【0056】
図3は、本発明の一実施形態による2つの電気伝導性ラインのツイスト(twist)によるファイバ状引張センサを示す図面である。
【0057】
ファイバ状引張センサ1は、N-GFを有するように2つの電気伝導性ラインを捻じって引張時にクラック(Crack)が当接するように具現されることができる。具体的には、第1電気伝導性ライン10aおよび第2電気伝導性ライン10bは、引張される場合、互いに当接するように具現され、抵抗が互いに連結されるように具現されることができる。
【0058】
図3を参照すると、SU-8/AgNP coated PU fiberを捻じって製作したファイバ状引張センサ1のセンシング結果を確認することができる。
【0059】
図3の(b)は、本発明の一実施形態による引張速度による素子の抵抗変化(20%引張変化繰り返し)を示す図面であり、図3の(c)は、本発明の一実施形態による所定回数20%引張繰り返しを測定した結果を示した図面である。
【0060】
図4は、本発明の一実施形態による2つの電気伝導性ラインのツイスト(Twist)回数別抵抗変化を示す図面である。
【0061】
図4を参照すると、ファイバ状引張センサ1は、電気伝導性ラインを織る際に撚り回数を調節して、抵抗変化敏感度を調節することができるように具現されてもよい。
【0062】
図4の(a)は、本発明の一実施形態による1回ツイスト(Twisted)時10%引張、20%引張および30%引張を示す図面であり、図4の(b)は、本発明の一実施形態による2回ツイスト(Twisted)時10%引張、20%引張および30%引張を示す図面であり、図4の(c)は、本発明の一実施形態による3回ツイスト(Twisted)時10%引張、20%引張および30%引張を示す図面である。
【0063】
図4を参照すると、ファイバ状引張センサ1は、1回ツイスト(Twisted)された場合、低い敏感度を形成することを確認することができ、3回ツイスト(Twisted)された場合、高い敏感度を形成することを確認することができる。
【0064】
図5は、本発明の一実施形態による2つの電気伝導性ラインの引張程度による隠れピクセル数を示す図面である。
【0065】
図5の(a)を参照すると、ファイバ状引張センサ1を10%引張する場合、一般ピクセルと隠れピクセルが6:2に確認される。
【0066】
図5の(b)を参照すると、ファイバ状引張センサ1を20%引張する場合、一般ピクセルと隠れピクセルが7:1に確認される。
【0067】
図5の(c)を参照すると、ファイバ状引張センサ1を30%引張する場合、一般ピクセルと隠れピクセルが8:0に確認される。
【0068】
これによって、ファイバ状引張センサ1は、引張程度によって開かれる隠れピクセル数を調節することができる。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態による2つの電気伝導性ラインのツイスト(twist)回数を調節して引張程度別抵抗変化を示す図面である。
【0070】
図6を参照すると、SU-8/AgNP coated PU fiberの撚り回数を調節して引張程度による素子の抵抗変化結果(各5回繰り返す)を確認することができる。
【0071】
図7は、本発明の一実施形態によるファイバ状引張センサをLEDアレイに適用した図面である。
【0072】
図7を参照すると、ファイバ状引張センサ1は、引張された程度によってLEDアレイでの反応が引張方向に拡散されることを確認することができる。
【0073】
図8図10は、本発明の一実施形態によるファイバ状引張センサが適用されたモニタリングシステムを示す図面である。
【0074】
モニタリングシステムは、ファイバ状引張センサ、ストレッチャブル装置、およびモニタリング装置を含んでもよい。
【0075】
ファイバ状引張センサ電気伝導性を有する第1フレキシブル部を含む少なくとも一つの第1電気伝導性ラインと、第1電気伝導性ラインと一部当接するように織られ、電気伝導性を有する第2フレキシブル部を含み、引張された状態で電気伝導性を有する第1フレキシブル部と通電されるように具現される少なくとも一つの第2電気伝導性ラインを含んでもよい。
【0076】
ストレッチャブル装置は、ファイバ状引張センサが適用され、動きによって引張可能に具現されることができる。
【0077】
モニタリング装置は、引張時に発生する電流を有線または無線で受けて、ストレッチャブル装置の状態をモニタリングすることができる。
【0078】
図8は、本発明の第1実施形態によるファイバ状引張センサが適用されたモニタリングシステムを示す図面である。
【0079】
第1実施形態によれば、ファイバ状引張センサ1は、ストレッチャブル衣類ディスプレイに適用されてもよい。
【0080】
本発明の一実施形態によれば、ストレッチャブル衣類ディスプレイは、2軸方向に引張時に解像度補完のための隠れピクセルを適用することができる。この際、解像度補完のための隠れピクセルは、LEDアレイで具現されてもよく、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0081】
ストレッチャブル衣類ディスプレイは、常に連結された+電極およびファイバ状引張センサと連結された+電極が互いに交差して配置されるように具現されてもよく、常に連結された-電極およびファイバ状引張センサと連結された-電極が互いに交差して配置されるように具現されてもよい。
【0082】
Xは、x軸引張時にOnになるx軸方向の隠れピクセルを示し、yは、y軸引張時にOnになるy軸方向の隠れピクセルを示す。
【0083】
図9は、本発明の第2実施形態によるファイバ状引張センサが適用されたモニタリングシステムを示す図面である。
【0084】
第2実施形態によれば、ファイバ状引張センサ1は、ヘルスケアモニタリングシステムに適用されてもよい。例えば、ファイバ状引張センサ1は、呼吸感知センサが内蔵された低電力スマートマスクに適用されてもよい。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、ファイバ状引張センサ1は、マスクの耳掛けに適用されてもよく、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0086】
図9を参照すると、輪ゴムマスク紐に製作されたファイバ状引張センサ1を配線に挿入し、マスクを着用した時のみに動作して0の待機電力を有するガスセンサに基づく超低電力モニタリングシステムが具現可能である。
【0087】
この際、ヘルスケアモニタリングシステムにおけるマスクは、CO2センサ2によって使用者の呼吸習慣や健康状態をモニタリングすることができ、粒子状物質センサ3によって粒子状物質濃度を測定することができるように具現されてもよい。
【0088】
図10は、本発明の第3実施形態によるファイバ状引張センサが適用されたモニタリングシステムを示す図面である。
【0089】
第3実施形態によれば、ファイバ状引張センサ1は、ヘルスケアモニタリングシステムに適用されてもよい。例えば、ファイバ状引張センサ1は、姿勢校正のためのリアルタイム低電力姿勢モニタリングスマート衣類に適用されてもよい。
【0090】
図10を参照すると、首、肩、腰に製作されたファイバ状引張センサ1を挿入して不良な姿勢のみで電流が流れるように具現されてもよく、その電流値によって、スマートフォンアプリケーションに知らせが表示されるモニタリングシステムを具現可能である。この際、正しい姿勢である場合には、電流が流れないので、待機電力の消耗がない。
【0091】
ファイバ状引張センサ1は、着用者別にマッチングされるように着脱形態に具現されてもよく、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0092】
図11は、本発明のまた他の一実施形態によるモニタリングシステムの構成図である。
【0093】
図11を参照すると、モニタリングシステムは、ファイバ状引張センサ1000、ディスプレイ部2000、電源部(図示せず)、およびハウジング(図示せず)を含んでもよい。モニタリングシステムは、図11で例示的に示した多様な構成要素の中で一部構成要素を省略するか、他の構成要素を追加的に含んでもよい。
【0094】
ファイバ状引張センサ1000は、本発明の伝導性纎維が配列されたセンサアレイ1100、および第1コントローラ1200を含む。センサアレイ1100は、第1電気伝導性ラインと第2電気伝導性ラインがツイスト形態に結合された伝導性ツイストセンサラインが交差して配列された構造を有してもよい。もちろん、2次元交差配列ではない1次元配列または3次元配列など多様な配列形態に具現されてもよい。伝導性ツイストセンサラインそれぞれからの電気信号は、第1伝導性バスライン1110と第2伝導性バスライン1120を介して収集されて、第1コントローラ1200に伝達される。
【0095】
第1コントローラ1200は、収集された電気信号を分析して、センサアレイの各位置別電圧、または電流、または抵抗の変化を感知する。例えば、第1コントローラ1200は、ある位置のノードで抵抗値の減少が感知された場合、当該位置で伝導性纎維が引張されたことを感知することができる。
【0096】
第1コントローラ1200は、センサアレイに含まれる各ノード別抵抗の変化を感知して、各ノードによる収縮/引張が発生したのか否かを判断することができる。
【0097】
ディスプレイ部2000は、発光素子アレイ2100、および第2コントローラ2200を含む。発光素子アレイ2100は、例えば、LED、OLEDであってもよく、発光素子の種類に特別な制限はない。
【0098】
第2コントローラ2200は、発光素子の配列位置によって、または伝導性纎維の収縮/引張状況に応じて発光素子の状態(オンオプ、または輝度)を制御するための制御信号を発光素子アレイ2100に伝達する。
【0099】
本発明において、第1コントローラ1200は、センサアレイ1100を介して感知された、ノードの位置別に獲得された電気信号によって、各ノードの抵抗変化(抵抗変化は、ノード別収縮/引張の状況に対応する)を感知し、各ノード別に抵抗変化による発光素子制御のためのノード別収縮/引張信号を第2コントローラ2200に伝達する。第2コントローラ2200は、収縮/引張信号を受けて、所定基準によって発光素子の制御のための制御信号を発光素子アレイ2100に伝達する。
【0100】
図12は、本発明の一実施形態によるファイバ状引張センサの製造方法を示す流れ図である。ファイバ状引張センサの製造方法は、ファイバ状引張センサによって実行され、上述した図面におけるファイバ状引張センサと重複される説明は省略する。
【0101】
ファイバ状引張センサの製造方法は、伸縮性を含むフレキシブル部の内部に金属ナノ粒子を蒸着して、電気伝導性を有する伝導性部を形成する段階(S1210)、伝導性部の表面に絶縁体薄膜の蒸着によって絶縁体を形成する段階(S1220)、および電気伝導性ラインを少なくとも二つが引張される場合、互いに通電されるように互いに一部当接するように織る段階(S1230)を含む。
【0102】
伝導性部の表面に絶縁体薄膜の蒸着によって絶縁体を形成する段階(S1220)は、絶縁体を形成する段階は、紫外線またはレーザの選択的照射または選択的熱処理によって硬化して絶縁体を形成することができる。
【0103】
伝導性部の表面に絶縁体薄膜の蒸着によって絶縁体を形成する段階(S1220)は、伝導性部が蒸着されたフレキシブル部の内部に絶縁体を蒸着して、電気伝導性ラインを生成することができる。
【0104】
電気伝導性ラインを少なくとも二つが引張される場合に互いに通電されるように互いに一部当接するように織る段階(S1230)は、段階(S1210を)によって生成された電気伝導性ラインと段階(S1220)によって生成された電気伝導性ラインが互いにツイストされるように織られることができ、または段階(S1220)によって生成された電気伝導性ライン2つ以上が互いにツイストされるように織られることができる。
【0105】
図12ではそれぞれの過程を順次に行うことについて記載しているが、これは例示的に説明したことに過ぎず、当該分野における技術者であれば、本発明の実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で、図12に記載された順序を変更して実行したり、または1つ以上の過程を並列的に実行したり、他の過程を追加することで多様に修正および変形して適用可能であるはずである。
【0106】
したがって、本発明の電気伝導性ライン10は、フレキシブル部100、伝導性部200、および絶縁体300を含む。
【0107】
電気伝導性ライン10は、伸縮性纎維で具現されるフレキシブル部100を含み、伸縮性纎維の内部に形成された金属ナノ粒子からなる導電性纎維を示す伝導性部200を含み、導電性纎維の表面に形成された絶縁層薄膜を含む伸縮性纎維を示す絶縁体300を含む。この際、表面は絶縁層であり、内部は伝導性層で具現されてもよい。
【0108】
ファイバ状引張センサ1は、上述した絶縁層/伝導層伸縮性纎維2つ以上を互いにツイスト(Twist)させて、互いに相互間抵抗を形成するファイバ状センサで具現されてもよく、または絶縁層/伝導層伸縮性纎維1つ以上および伝導層のみからなる伸縮性纎維1つ以上を互いにツイストさせて、互いに相互間抵抗を形成するファイバ状センサでも具現され得る。
【0109】
相互間抵抗は、引張時のみに導体レベルの低い抵抗を形成し、引張しなかった時は絶縁体レベルの高い抵抗を形成して、陰の歪みゲージ値も有してもよい。
【0110】
伸縮性纎維は、高分子材料からなる纎維を用い、ポリウレタン(polyurethane)、SBS(styrene-butadiene-styrene)、SBR(styrene butadiene rubber)およびPDMS(polydimethylsiloxane)からなる群より選択される何れか1つを含んでもよく、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0111】
伝導層は、銀ナノ粒子、金ナノ粒子、銅ナノ粒子、および白金ナノ粒子など多様な金属物質、PEDOT:PSSのような伝導性有機物またはナノワイヤのようなナノ材料を含んでもよく、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0112】
絶縁層は、SU-8、Polyimide、PVA、PMMA、CYTOPのような絶縁体特性を帯びる有機物や、SiOx、HfOxのような酸化物を含んでもよく、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0113】
本発明の一実施形態によれば、絶縁層は、UVなど選択的硬化(curing)によってモジュール(modulus)を異なるように調節することによって、引張によるクラック(crack)誘発程度を調節することができる薄膜を含んでもよい。
【0114】
また、絶縁層の厚さおよび硬度(hardness)を調節することによって、引張によるクラック(crack)誘発程度を調節することができる薄膜を含んでもよい。
【0115】
ファイバ状引張センサ1は、電気伝導性ライン10のツイストされる回数または程度によって抵抗変化の程度を調節することができる。
【0116】
電気伝導性ライン10は、纎維と纎維だけでなく、絶縁層/伝導層を有する伸縮性基板と纎維との組合、基板と基板との組合にも用いられ得る。
【0117】
また、電気伝導性ライン10を配線の一部として用いる各種アプリケーション(モニタリング装置、ウェアラブルディスプレイなど)に適用されて用いられてもよい。
【0118】
本実施形態による動作は、多様なコンピュータ手段によって実行されることができるプログラム命令形態で具現されて、コンピュータ判読可能な媒体に記録されることができる。コンピュータ判読可能な媒体は、実行のために、プロセッサに命令語を提供するのに参加した何れの媒体を示す。コンピュータ判読可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造またはこれらの組合を含んでもよい。例えば、磁気媒体、光記録媒体、メモリーなどがあり得る。コンピュータプログラムは、ネットワークで連結されたコンピュータシステム上に分散されて、分散方式でコンピュータが判読可能なコードが格納されて実行されてもよい。本実施形態を具現するための機能的(Functional)プログラム、コード、およびコードセグメントは、本実施形態が属する技術分野におけるプログラマーによって容易に推論され得るはずである。
【0119】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正、変更および置換が可能である。したがって、本発明に開示された実施形態および添付された図面は、本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであって、このような実施形態および添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるのではない。本発明の保護範囲は、以下の特許請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれることに解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0120】
1 ・・・ファイバ状引張センサ
10 ・・・電気伝導性ライン
100 ・・・フレキシブル部
200 ・・・伝導性部
300 ・・・絶縁体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12