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特開2024-99039基板処理装置、基板処理システム、及びメンテナンス方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099039
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板処理システム、及びメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240717BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240717BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01L21/302 101M
H01L21/302 101C
H01L21/302 101D
H01L21/31 C
H01L21/68 N
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073414
(22)【出願日】2024-04-30
(62)【分割の表示】P 2020175383の分割
【原出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】澤地 淳
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 潤
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】曽根 一朗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優
(57)【要約】
【課題】その中で基板に対する処理が行われる処理空間を画成するチャンバを容易にメンテナンスすることを可能とする基板処理装置を提供する。
【解決手段】開示される基板処理装置は、第1及び第2のチャンバ、基板支持器、リフト機構、クランプ、並びに解除機構を備える。第1のチャンバは開口を提供する側壁及び可動部を含む。リフト機構は、可動部を上方及び下方に移動させる。基板支持器は、第1のチャンバ内に配置されている。第2のチャンバは、第1のチャンバ内に配置されており、処理空間を基板支持器と共に画成する。第2のチャンバは、開口を介して第1のチャンバの内部空間と第1のチャンバの外部との間で搬送可能である。クランプは、第2のチャンバを可動部に解除可能に固定する。解除機構は、クランプによる第2のチャンバの固定を解除するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を提供する側壁を含む第1のチャンバであり、該第1のチャンバ内で上方及び下方に移動可能な可動部を更に含む、該第1のチャンバと、
前記第1のチャンバ内に配置される基板支持器と、
前記第1のチャンバ内に配置され、前記基板支持器上に載置される基板がその中で処理される処理空間を前記基板支持器と共に画成する第2のチャンバであり、前記第1のチャンバから取り外し可能であり、且つ、前記開口を介して前記第1のチャンバの内部空間と前記第1のチャンバの外部との間で搬送可能である、該第2のチャンバと、
前記第2のチャンバを該第2のチャンバの上で延在する前記可動部に解除可能に固定するクランプと、
前記クランプによる前記第2のチャンバの固定を解除するように構成された解除機構と、
前記可動部を上方及び下方に移動させるように構成されたリフト機構と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記第2のチャンバは、前記処理空間の上方で延在する天部を含み、
前記クランプは、前記天部を前記可動部に解除可能に固定する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記クランプは、
前記天部がそこから吊り下げられるように構成された下端を有する支持部と、
前記支持部の前記下端を介して前記天部を前記可動部に付勢するバネと、
を含む、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記解除機構は、前記クランプによる前記天部の固定を解除するために前記支持部の前記下端を前記第2のチャンバから引き離すエア圧を与えるエア供給器を含む、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板支持器の外周に沿って設けられており、グランドに接続された導体部と、
前記導体部に電気的に接続されたコンタクトと、
を更に備え、
前記第2のチャンバは、前記基板支持器と共に前記処理空間を画成している状態で、前記コンタクトに当接する、
請求項1~4の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記コンタクトは、前記第2のチャンバと弾性的に接触するように構成されている、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記コンタクトは、バネを含む、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記コンタクトは、ピンであり、
前記第2のチャンバは、前記ピンが嵌め込まれる凹部を提供する、
請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ピンは、テーパー形状を有し、
前記第2のチャンバの前記凹部は、前記ピンの前記テーパー形状に対応するテーパー形状を有する、
請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記コンタクトは、可撓性を有し、且つ、導電性材料から形成された膜を含み、
前記膜にエア圧を与えて該膜を前記第2のチャンバに押し当てるように構成された別のエア供給器を更に備える、
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第2のチャンバは、前記処理空間の下方で延在する底部を含み、該底部が前記コンタクトに当接する、請求項5~10の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
内縁部及び外縁部を有するカバーリングを更に備え、
前記基板支持器上には、エッジリングが配置され、
前記カバーリングの前記内縁部は、その上に配置される前記エッジリングの外縁部を支持し、
前記カバーリングの前記外縁部は、径方向に突き出した複数の凸部を含み、
前記第2のチャンバは、前記エッジリング及び前記カバーリングが通過可能な内孔を画成する内縁部を有する底部を含み、該底部の該内縁部の上に前記複数の凸部が配置されている状態で前記カバーリングを支持し、
前記内孔は、前記複数の凸部が通過可能であり前記内縁部によって提供された複数のノッチを含む、
請求項1~10の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
プラズマ処理装置である請求項1~12の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の基板処理装置と、
開口を提供する側壁を含む別のチャンバと搬送装置を有する搬送モジュールであって、該搬送装置は、前記第1のチャンバの内部空間から該第1のチャンバの前記開口及び前記別のチャンバの前記開口を介して該別のチャンバの内部空間に前記第2のチャンバを搬送するように構成されている、該搬送モジュールと、
前記リフト機構、前記解除機構、及び前記搬送装置を制御するように構成された制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記可動部及び前記第2のチャンバを、前記基板支持器から上方に引き離すよう、前記リフト機構を制御し、
前記搬送装置に前記第2のチャンバを受け渡すために前記クランプによる前記第2のチャンバの固定を解除するよう、前記解除機構を制御し、
前記第1のチャンバの前記内部空間から該第1のチャンバの前記開口及び前記別のチャンバの前記開口を介して前記別のチャンバの前記内部空間に前記第2のチャンバを搬送するよう、前記搬送装置を制御する、
基板処理システム。
【請求項15】
前記基板処理装置は、前記第1のチャンバの前記開口を開閉するように構成されたゲートバルブを更に備え、
前記搬送モジュールは、前記別のチャンバの前記開口を開閉するように構成されたゲートバルブを更に備え、移動可能に構成されており、
前記第1のチャンバの前記側壁、前記別のチャンバの前記側壁、前記基板処理装置の前記ゲートバルブ、及び前記搬送モジュールの前記ゲートバルブは、前記第1のチャンバに前記別のチャンバが接続されている状態で、それらの間に密閉された空間を画成し、
前記密閉された空間を減圧するように構成された排気装置を更に備える、
請求項14に記載の基板処理システム。
【請求項16】
(a)基板処理装置の第1のチャンバ内で第2のチャンバを基板支持器から上方に引き離す工程であり、該基板処理装置は、
開口を提供する側壁を含み、前記第2のチャンバの上で延在し前記第1のチャンバ内で上方及び下方に移動可能な可動部を更に含む前記第1のチャンバと、
前記第1のチャンバ内に配置される前記基板支持器と、
前記第1のチャンバ内に配置され、前記基板支持器上に載置される基板がその中で処理される処理空間を前記基板支持器と共に画成する前記第2のチャンバと、
を備える、該工程と、
(b)前記第1のチャンバの前記可動部に対する前記第2のチャンバの固定を解除する工程と、
(c)前記第1のチャンバの内部空間から前記開口を介して搬送モジュールのチャンバの内部空間に前記第2のチャンバを搬送する工程と、
を含むメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、基板処理装置、基板処理システム、及びメンテナンス方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置が、基板に対するプラズマ処理で用いられている。プラズマ処理装置は、チャンバ及び基板支持器を備える。基板支持器は、チャンバ内で基板を支持する。基板は、チャンバ内で処理ガスから生成されたプラズマからの化学種により処理される。下記の特許文献1は、このようなプラズマ処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-197849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、その中で基板に対する処理が行われる処理空間を画成するチャンバを容易にメンテナンス可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態において、基板処理装置が提供される。基板処理装置は、第1のチャンバ、基板支持器、第2のチャンバ、クランプ、解除機構、及びリフト機構を備える。第1のチャンバは、開口を提供する側壁を含み、第1のチャンバ内で上方及び下方に移動可能な可動部を更に含む。基板支持器は、第1のチャンバ内に配置される。第2のチャンバは、第1のチャンバ内に配置され、基板支持器上に載置される基板がその中で処理される処理空間を基板支持器と共に画成する。第2のチャンバは、第1のチャンバから取り外し可能であり、第1のチャンバの側壁の開口を介して第1のチャンバの内部空間と第1のチャンバの外部との間で搬送可能である。クランプは、第2のチャンバの上で延在する可動部に第2のチャンバを解除可能に固定する。解除機構は、クランプによる第2のチャンバの固定を解除するように構成されている。リフト機構は、可動部を上方及び下方に移動させるように構成されている。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態によれば、その中で基板に対する処理が行われる処理空間を画成するチャンバを容易にメンテナンスすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一つの例示的実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
図2】一つの例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図3】一つの例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図4】一つの例示的実施形態に係る基板処理システムの搬送モジュールを概略的に示す図である。
図5】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。
図6】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。
図7】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。
図8】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。
図9】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。
図10】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。
図11】一つの例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図12】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。
図13】一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。
図14】別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図15】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図16】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。
図17】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置における第2のチャンバの一部、カバーリング、及びエッジリングを示す平面図である。
図18図17のXVIII-XVIII線に沿ってとった断面図である。
図19】更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置における第2のチャンバの一部、カバーリング、及びエッジリングを示す平面図である。
図20図19のXX-XX線に沿ってとった断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、基板処理装置が提供される。基板処理装置は、第1のチャンバ、基板支持器、第2のチャンバ、クランプ、解除機構、及びリフト機構を備える。第1のチャンバは、開口を提供する側壁を含み、第1のチャンバ内で上方及び下方に移動可能な可動部を更に含む。基板支持器は、第1のチャンバ内に配置される。第2のチャンバは、第1のチャンバ内に配置され、基板支持器上に載置される基板がその中で処理される処理空間を基板支持器と共に画成する。第2のチャンバは、第1のチャンバから取り外し可能であり、第1のチャンバの側壁の開口を介して第1のチャンバの内部空間と第1のチャンバの外部との間で搬送可能である。クランプは、第2のチャンバの上で延在する可動部に第2のチャンバを解除可能に固定する。解除機構は、クランプによる第2のチャンバの固定を解除するように構成されている。リフト機構は、可動部を上方及び下方に移動させるように構成されている。
【0010】
上記実施形態の基板処理装置では、基板は、第2のチャンバ内で処理される。第2のチャンバは、第1のチャンバ内に配置され、第1のチャンバに固定される。第1のチャンバに対する第2のチャンバの固定は、解除機構を用いて解除することが可能である。また、第1のチャンバに対する第2のチャンバの固定が解除された状態では、第1のチャンバの側壁に設けられた開口から第1のチャンバの外部に第2のチャンバを搬出することが可能である。故に、上記実施形態によれば、その中で基板に対する処理が行われる処理空間を画成するチャンバ、即ち第2のチャンバを容易にメンテナンスすることが可能となる。
【0011】
一つの例示的実施形態において、第2のチャンバは、処理空間の上方で延在する天部を含んでいてもよい。クランプは、天部を第1のチャンバの可動部に解除可能に固定してもよい。
【0012】
一つの例示的実施形態において、クランプは、支持部及びバネを含んでいてもよい。支持部は、第2のチャンバの天部がそこから吊り下げられるように構成された下端を有する。バネは、支持部の下端を介して第2のチャンバの天部を第1のチャンバの可動部に付勢する。
【0013】
一つの例示的実施形態において、解除機構は、クランプによる天部の固定を解除するために支持部の下端を第2のチャンバから引き離すエア圧を与えるエア供給器を含んでいてもよい。
【0014】
一つの例示的実施形態において、基板処理装置は、導体部及びコンタクトを更に備えていてもよい。導体部は、基板支持器の外周に沿って設けられており、グランドに接続されている。コンタクトは、導体部に電気的に接続されている。第2のチャンバは、基板支持器と共に処理空間を画成している状態で、コンタクトに当接してもよい。コンタクトは導体部から上方に延在していてもよい。
【0015】
一つの例示的実施形態において、コンタクトは、第2のチャンバと弾性的に接触するように構成されていてもよい。コンタクトは、バネを含んでいてもよい。
【0016】
一つの例示的実施形態において、コンタクトは、ピンであってもよい。第2のチャンバは、ピンが嵌め込まれる凹部を提供してもよい。ピンは、テーパー形状を有していてもよい。第2のチャンバの凹部は、ピンのテーパー形状に対応するテーパー形状を有していてもよい。
【0017】
一つの例示的実施形態において、コンタクトは、可撓性を有し、且つ、導電性材料から形成された膜を含んでいてもよい。基板処理装置は、膜にエア圧を与えて該膜を第2のチャンバに押し当てるように構成された別のエア供給器を更に備えていてもよい。
【0018】
一つの例示的実施形態において、第2のチャンバは、処理空間の下方で延在する底部を含んでいてもよい。第2のチャンバでは、その底部が、コンタクトに当接してもよい。
【0019】
一つの例示的実施形態において、基板処理装置は、内縁部及び外縁部を有するカバーリングを更に備えていてもよい。基板支持器上には、エッジリングが配置される。カバーリングの内縁部は、その上に配置されるエッジリングの外縁部を支持してもよい。カバーリングの外縁部は、径方向に突き出した複数の凸部を含んでいてもよい。第2のチャンバは、エッジリング及びカバーリングが通過可能な内孔を画成する内縁部を有する底部を含んでいてもよい。第2のチャンバは、底部の内縁部の上に複数の凸部が配置されている状態でカバーリングを支持してもよい。内孔は、複数の凸部が通過可能であり内縁部によって提供された複数のノッチを含んでいてもよい。
【0020】
一つの例示的実施形態において、基板処理装置は、プラズマ処理装置であってもよい。
【0021】
別の例示的実施形態において、基板処理システムが提供される。基板処理システムは、上述した種々の例示的実施形態のうち何れかの基板処理装置、搬送モジュール、及び制御部を備える。搬送モジュールは、別のチャンバ及び搬送装置を有する。搬送モジュールの別のチャンバは、開口を提供する側壁を含む。搬送装置は、第1のチャンバの内部空間から第1のチャンバの開口及び別のチャンバの開口を介して別のチャンバの内部空間に第2のチャンバを搬送するように構成されている。制御部は、リフト機構、解除機構、及び搬送装置を制御するように構成されている。制御部は、第1のチャンバの可動部及び第2のチャンバを、基板支持器から上方に引き離すよう、リフト機構を制御する。制御部は、搬送装置に第2のチャンバを受け渡すためにクランプによる第2のチャンバの固定を解除するよう、解除機構を制御する。制御部は、第1のチャンバの内部空間から第1のチャンバの開口及び別のチャンバの開口を介して別のチャンバの内部空間に第2のチャンバを搬送するよう、搬送装置を制御する。
【0022】
一つの例示的実施形態において、基板処理装置は、第1のチャンバの開口を開閉するように構成されたゲートバルブを更に備えていてもよい。搬送モジュールは、別のチャンバの開口を開閉するように構成されたゲートバルブを更に備えており、移動可能に構成されていてもよい。第1のチャンバに別のチャンバが接続されている状態において、第1のチャンバの側壁、別のチャンバの側壁、基板処理装置のゲートバルブ、及び搬送モジュールのゲートバルブは、それらの間に密閉された空間を画成してもよい。基板処理装置は、当該密閉された空間を減圧するように構成された排気装置を更に備えていてもよい。
【0023】
更に別の例示的実施形態において、メンテナンス方法が提供される。メンテナンス方法は、基板処理装置の第1のチャンバ内で第2のチャンバを基板支持器から上方に引き離す工程(a)を含む。基板処理装置は、第1のチャンバ、基板支持器、及び第2のチャンバを備える。第1のチャンバは、開口を提供する側壁を含み、第2のチャンバの上で延在し第1のチャンバ内で上方及び下方に移動可能な可動部を更に含む。基板支持器は、第1のチャンバ内に配置される。第2のチャンバは、第1のチャンバ内に配置され、基板支持器上に載置される基板がその中で処理される処理空間を基板支持器と共に画成する。メンテナンス方法は、第1のチャンバの可動部に対する第2のチャンバの固定を解除する工程(b)を更に含む。メンテナンス方法は、第1のチャンバの内部空間から開口を介して搬送モジュールのチャンバの内部空間に第2のチャンバを搬送する工程(c)を更に含む。
【0024】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0025】
図1は、一つの例示的実施形態に係る基板処理システムを示す図である。図1に示す基板処理システムPSは、プロセスモジュールPM1~PM6、搬送モジュールCTM、及び制御部MCを備えている。
【0026】
基板処理システムPSは、台2a~2d、容器4a~4d、アライナAN、ロードロックモジュールLL1,LL2、及び搬送モジュールTMを更に備えていてもよい。なお、基板処理システムPSにおける台の個数、容器の個数、ロードロックモジュールの個数は一つ以上の任意の個数であり得る。また、基板処理システムPSにおけるプロセスモジュールの個数は、一つ以上の任意の個数であり得る。
【0027】
台2a~2dは、ローダモジュールLMの一縁に沿って配列されている。容器4a~4dはそれぞれ、台2a~2d上に搭載されている。容器4a~4dの各々は、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)と称される容器である。容器4a~4dの各々は、その内部に基板Wを収容するように構成されている。
【0028】
ローダモジュールLMは、チャンバを有する。ローダモジュールLMのチャンバ内の圧力は、大気圧に設定される。ローダモジュールLMは、搬送装置TU1を有する。搬送装置TU1は、例えば搬送ロボットであり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU1は、ローダモジュールLMのチャンバを介して基板Wを搬送するように構成されている。搬送装置TU1は、容器4a~4dの各々とアライナANとの間、アライナANとロードロックモジュールLL1,LL2の各々との間、ロードロックモジュールLL1,LL2の各々と容器4a~4dの各々との間で、基板Wを搬送し得る。アライナANは、ローダモジュールLMに接続されている。アライナANは、基板Wの位置の調整(位置の較正)を行うように構成されている。
【0029】
ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ローダモジュールLMと搬送モジュールTMとの間に設けられている。ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、予備減圧室を提供している。ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ゲートバルブを介して、ローダモジュールLMに接続されている。また、ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ゲートバルブを介して搬送モジュールTMに接続されている。
【0030】
搬送モジュールTMは、減圧可能な搬送チャンバTCを有している。搬送モジュールTMは、搬送装置TU2を有している。搬送装置TU2は、例えば搬送ロボットであり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU2は、搬送チャンバTCを介して基板Wを搬送するように構成されている。搬送装置TU2は、ロードロックモジュールLL1,LL2の各々とプロセスモジュールPM1~PM6の各々との間、及び、プロセスモジュールPM1~PM6のうち任意の二つのプロセスモジュールの間において、基板Wを搬送し得る。
【0031】
プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、ゲートバルブを介して搬送モジュールTMに接続されている。プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、専用の基板処理を行うように構成された装置である。プロセスモジュールPM1~PM6のうち少なくとも一つのプロセスモジュールは、後述する例示的実施形態に係る基板処理装置である。
【0032】
搬送モジュールCTMは、チャンバ及び搬送装置を有している。搬送モジュールCTMは、制御部MCによって制御される。搬送モジュールCTMは、搬送装置を有する。搬送モジュールCTMの搬送装置は、基板処理装置の第1のチャンバ内に設けられた第2のチャンバを、搬送モジュールCTMのチャンバ内に搬送するように構成されている。搬送モジュールCTMの詳細については、後述する。
【0033】
制御部MCは、基板処理システムPSの各部を制御するように構成されている。制御部MCは、プロセッサ、記憶装置、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり得る。制御部MCは、記憶装置に記憶されている制御プログラムを実行し、当該記憶装置に記憶されているレシピデータに基づいて基板処理システムPSの各部を制御する。後述する例示的実施形態に係るメンテナンス方法は、制御部MCによる基板処理システムPSの各部の制御により、基板処理システムPSにおいて実行され得る。
【0034】
以下、例示的実施形態に係る基板処理装置について説明する。図2は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図3は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。図2及び図3に示す基板処理装置1は、容量結合型のプラズマ処理装置である。基板処理装置1は、第1のチャンバ10、第2のチャンバ20、及び基板支持器30を備えている。
【0035】
第1のチャンバ10は、内部空間を提供している。第1のチャンバ10は、アルミニウムといった金属から形成されている。第1のチャンバ10は、電気的に接地されている。第1のチャンバ10の表面上には、耐腐食性の膜が形成されていてもよい。耐腐食性の膜は、例えば、酸化アルミニウム又は酸化イットリウムといった材料から形成される。
【0036】
第1のチャンバ10は、側壁10sを含んでいる。側壁10sは、略円筒形状を有している。側壁10sの中心軸線は、鉛直方向に延びており、図2においては軸線AXとして示されている。側壁10sは、通路10pを提供している。第1のチャンバ10の内部空間は、通路10pを介して搬送モジュールTMの搬送チャンバTCの内部空間と接続される。通路10pは、ゲートバルブ10gによって開閉可能である。基板Wは、第1のチャンバ10の内部空間と第1のチャンバ10の外部との間で搬送されるときに、通路10pを通過する。
【0037】
側壁10sは、開口10oを更に提供している。開口10oは、第2のチャンバ20が通過可能なサイズを有している。第1のチャンバ10の内部空間は、開口10oを介して搬送モジュールCTMの内部空間と接続可能である。開口10oは、ゲートバルブ10vによって開閉可能である。
【0038】
一実施形態において、側壁10sの一部は、内側壁10i及び外側壁10eから形成された二重構造を有する。内側壁10iと外側壁10eは、それらの間に空間10qを提供している。開口10oは、内側壁10i及び外側壁10eに形成されている。ゲートバルブ10vは、開口10oを開閉するために、内側壁10iに沿って設けられている。
【0039】
第1のチャンバ10は、上部10uを更に含んでいてもよい。上部10uは、側壁10sの上端から軸線AXに交差する方向に延在している。上部10uは、軸線AXに交差する領域において開口を提供している。
【0040】
第1のチャンバ10は、可動部10mを更に含んでいる。可動部10mは、第1のチャンバ10の上部10uの下方、且つ、側壁10sの内側に設けられている。可動部10mは、第1のチャンバ10内で上方及び下方に移動可能に構成されている。
【0041】
基板処理装置1は、リフト機構12を更に備えている。リフト機構12は、可動部10mを上方及び下方に移動させるように構成されている。リフト機構12は、駆動装置12d及びシャフト12sを含む。可動部10mは、シャフト12sに固定されている。シャフト12sは、可動部10mから上部10uの開口を通って上方に延在している。駆動装置12dは、第1のチャンバ10の外側に設けられている。駆動装置12dは、シャフト12sを上方及び下方に移動させるように構成されている。駆動装置12dは、例えばモータを含む。シャフト12sの上方及び下方への移動により、可動部10mは、上方及び下方に移動するようになっている。
【0042】
基板処理装置1は、ベローズ14を更に備えていてもよい。ベローズ14は、可動部10mと上部10uとの間で設けられている。ベローズ14は、第1のチャンバ10の内部空間を第1のチャンバ10の外部から分離している。ベローズ14の下端は、可動部10mに固定されている。ベローズ14の上端は、上部10uに固定されている。
【0043】
一実施形態において、可動部10mは、第1の部材10a及び第2の部材10bを含んでいてもよい。第1の部材10aと第2の部材10bは、互いに固定されている。第1の部材10aは、略円盤形状を有している。第1の部材10aは、アルミニウムといった導体から形成されている。第1の部材10aは、基板処理装置1において上部電極を構成し得る。第2の部材10bは、略円筒形状を有している。第2の部材10bは、第1の部材10aの外周に沿って延在し、且つ、第1の部材10aの上方で延在している。上述したベローズ14の下端は、第2の部材10bの上端に固定されている。
【0044】
一実施形態において、可動部10mは、第2のチャンバ20の後述する天部と共にシャワーヘッドを構成してもよい。即ち、可動部10mは、後述する処理空間Sにガスを供給するシャワーヘッドの一部を構成していてもよい。この実施形態において、可動部10mは、ガス拡散室10d及び複数のガス孔10hを提供する。
【0045】
ガス拡散室10dは、第1の部材10aの中に提供されていてもよい。ガス拡散室10dには、ガス供給部16が接続されている。ガス供給部16は、第1のチャンバ10の外部に設けられている。ガス供給部16は、基板処理装置1において用いられる一つ以上のガスのソース、一つ以上の流量制御器、及び一つ以上のバルブを含む。一つ以上のガスのソースの各々は、対応の流量制御器及び対応のバルブを介して、ガス拡散室10dに接続されている。複数のガス孔10hは、ガス拡散室10dから下方延びている。
【0046】
基板支持器30は、第1のチャンバ10内、且つ、可動部10mの下方に配置されている。基板支持器30は、その上に載置される基板Wを支持するように構成されている。基板支持器30は、支持部31によって支持されていてもよい。支持部31は、略円筒形状を有している。支持部31は、例えば石英といった絶縁体から形成される。支持部31は、底板32から上方に延在していてもよい。底板32は、アルミニウムといった金属から形成され得る。
【0047】
基板支持器30は、下部電極34及び静電チャック36を含んでいてもよい。下部電極34は、略円盤形状を有している。下部電極34の中心軸線は、軸線AXに略一致している。下部電極34は、アルミニウムといった導体から形成されている。下部電極34は、その中に流路34fを提供している。流路34fは、例えば渦巻き状に延在している。流路34fは、チラーユニット35に接続されている。チラーユニット35は、第1のチャンバ10の外部に設けられている。チラーユニット35は、冷媒を流路34fに供給する。流路34fに供給された冷媒は、チラーユニット35に戻される。
【0048】
基板処理装置1は、第1の高周波電源41及び第2の高周波電源42を更に備えていてもよい。第1の高周波電源41は、第1の高周波電力を発生する電源である。第1の高周波電力は、プラズマの生成に適した周波数を有する。第1の高周波電力の周波数は、例えば27MHz以上である。第1の高周波電源41は、整合器41mを介して下部電極34に電気的に接続されている。整合器41mは、第1の高周波電源41の負荷側(下部電極34側)のインピーダンスを第1の高周波電源41の出力インピーダンスに整合させるためのマッチング回路を有している。なお、第1の高周波電源41は、下部電極34ではなく、上部電極に整合器41mを介して接続されていてもよい。
【0049】
第2の高周波電源42は、第2の高周波電力を発生する電源である。第2の高周波電力は、基板Wへのイオンの引き込みに適した周波数を有する。第2の高周波電力の周波数は、例えば13.56MHz以下である。第2の高周波電源42は、整合器42mを介して下部電極34に電気的に接続されている。整合器42mは、第2の高周波電源42の負荷側(下部電極18側)のインピーダンスを第2の高周波電源42の出力インピーダンスに整合させるためのマッチング回路を有している。
【0050】
静電チャック36は、下部電極34上に設けられている。静電チャック36は、本体と電極36aを含んでいる。静電チャック36の本体は、略円盤形状を有している。静電チャック36の中心軸線は、軸線AXと略一致している。静電チャック36の本体は、セラミックから形成されている。基板Wは、静電チャック36の本体の上面の上に載置される。電極36aは、導体から形成された膜である。電極36aは、静電チャック36の本体内に設けられている。電極36aは、スイッチ36sを介して直流電源36dに接続されている。直流電源36dからの電圧が電極36aに印加されると、静電チャック36と基板Wとの間で静電引力が発生する。発生した静電引力により、基板Wは静電チャック36に引き付けられ、静電チャック36によって保持される。基板処理装置1は、静電チャック36と基板Wの裏面との間の間隙に、伝熱ガス(例えば、ヘリウムガス)を供給するガスラインを提供していてもよい。
【0051】
基板支持器30は、その上に配置されるエッジリングERを支持していてもよい。基板Wは、エッジリングERによって囲まれた領域内で静電チャック36上に載置される。エッジリングERは、例えばシリコン、石英、又は炭化ケイ素から形成される。
【0052】
基板処理装置1は、絶縁部37を更に備えていてもよい。絶縁部37は、石英といった絶縁体から形成されている。絶縁部37は、略筒形状を有し得る。絶縁部37は、下部電極34の外周及び静電チャック36の外周に沿って延在している。
【0053】
基板処理装置1は、導体部38を更に備えていてもよい。導体部38は、アルミニウムといった導体から形成されている。導体部38は、略筒形状を有し得る。導体部38は、基板支持器30の外周に沿って設けられている。具体的には、導体部38は、径方向において絶縁部37の外側で周方向に延在している。径方向及び周方向の各々は、軸線AXを基準とする方向である。導体部38は、グランドに接続されている。一例では、導体部38は、底板32及び第1のチャンバ10を介して、グランドに接続されている。
【0054】
基板処理装置1は、カバーリング39を更に備えていてもよい。カバーリング39は、石英といった絶縁体から形成されている。カバーリング39は、環形状を有する。カバーリング39は、径方向においてエッジリングERが配置される領域の外側に位置するように、絶縁部37及び導体部38上に設けられている。
【0055】
基板処理装置1は、コンタクト40を更に備えていてもよい。コンタクト40は、導体部38に電気的に接続されている。第2のチャンバ20は、基板支持器30と共に処理空間Sを画成している状態で、コンタクト40に当接する。処理空間Sは、基板Wがその中で処理される空間である。一実施形態において、コンタクト40は、径方向においてカバーリング39の外側に配置されており、導体部38から上方に延在している。
【0056】
コンタクト40は、第2のチャンバ20と弾性的に接触するように構成されていてもよい。図3に示すように、コンタクト40は、バネ40sを有していてもよい。コンタクト40は、接触部40cを更に有していてもよい。バネ40s及び接触部40cは、導電性を有する。バネ40sの下端は、導体部38に固定されている。バネ40sは、導体部38から上方に延在している。接触部40cは、バネ40sの上端に固定されている。接触部40cは、第2のチャンバ20に接触する部分である。
【0057】
第2のチャンバ20は、第1のチャンバ10内に配置され、基板支持器30と共に処理空間Sを画成するように構成されている。第2のチャンバ20は、アルミニウムといった金属から形成されている。第2のチャンバ20の表面上には、耐腐食性の膜が形成されていてもよい。耐腐食性の膜は、例えば、酸化アルミニウム又は酸化イットリウムといった材料から形成される。
【0058】
第2のチャンバ20は、第1のチャンバ10から取り外し可能であり、且つ、開口10oを介して第1のチャンバ10の内部空間と第1のチャンバ10の外部との間で搬送可能である。
【0059】
基板処理装置1は、クランプ50及び解除機構60を更に備えている。クランプ50は、第2のチャンバ20を、第1のチャンバ10に解除可能に固定するように構成されている。解除機構60は、クランプ50による第2のチャンバ20の固定を解除するように構成されている。クランプ50及び解除機構60の詳細については、後述する。
【0060】
一実施形態において、第2のチャンバ20は、天部20cを含んでいてもよい。天部20cは、処理空間Sの上方で略水平に延在している。天部20cの上面は、第2のチャンバ20が第1のチャンバ10に固定されている状態において、可動部10mの下面に当接する。天部20cは、複数のガス孔20hを提供している。複数のガス孔20hは、天部20cを貫通しており、処理空間Sに向けて開口している。複数のガス孔20hはそれぞれ、複数のガス孔10hに接続されている。
【0061】
一実施形態において、第2のチャンバ20は、側部20sを更に含んでいてもよい。側部20sは、処理空間Sの側方で延在している。側部20sは、略円筒形状を有している。側部20sは、天部20cの縁部から下方に延在している。
【0062】
一実施形態において、第2のチャンバ20は、底部20bを更に含んでいてもよい。底部20bは、側部20sの下端から軸線AXに交差する方向に延在している。底部20bは、第2のチャンバ20が基板支持器30と共に処理空間Sを画成している状態において、コンタクト40に当接する。
【0063】
底部20bには、複数の貫通孔が形成されている。基板処理装置1は、排気装置70を更に備え得る。排気装置70は、自動圧力制御弁といった圧力調整器及びターボ分子ポンプといった減圧ポンプを含んでいる。排気装置70は、底部20bの下方で、第1のチャンバ10の底部に接続されている。
【0064】
以下、クランプ50及び解除機構60について説明する。クランプ50は、第2のチャンバ20の天部20cを第1のチャンバ10の可動部10mに解除可能に固定する。
【0065】
図2及び図3に示すように、一実施形態において、クランプ50は、複数の支持部52及び複数のバネ54を含む。クランプ50は、プレート56を更に含んでいてもよい。なお、クランプ50の支持部52の個数及びバネ54の個数の各々は、一つであってもよい。
【0066】
複数の支持部52の各々は、下端52bを有する。下端52bは、天部20cがそこから吊り下げられるように形成されている。複数のバネ54は、天部20cを第1のチャンバ10の可動部10mに付勢するように設けられている。
【0067】
一実施形態において、第1のチャンバ10の可動部10mは、空洞10cを提供している。空洞10cは、軸線AXの周りで周方向に延在していてもよい。空洞10cは、蓋体58によって閉じられている。蓋体58は、空洞10cを閉じるように第1のチャンバ10の可動部10m上に設けられる。可動部10mは、複数の孔10tを更に提供している。複数の孔10tは、軸線AX周りに等間隔に配列されていてもよい。複数の孔10tは、空洞10cから下方に延びて、天部20cに向けて開口している。天部20cは、複数の凹部20rを提供している。複数の凹部20rはそれぞれ、第2のチャンバ20が第1のチャンバ10に固定されている状態では、複数の孔10tに繋がる。
【0068】
一実施形態において、複数の支持部52の各々は、棒状をなしている。複数の支持部52の各々の下端52bは、水平方向に突き出している。複数の凹部20rの各々の底部は、拡張部20eを含んでいる。拡張部20eは、複数の支持部52のうち対応の支持部の下端52bがそこに位置し得るように、形成されている。一例では、複数の支持部52の各々はねじであってもよく、複数の支持部52の各々の下端52bはねじの頭部であってもよい。
【0069】
複数の支持部52は、空洞10cから複数の孔10tを通って下方に延びている。天部20cが複数の支持部52から吊り下げられている状態では、複数の支持部52の下端52bはそれぞれ、複数の凹部20r及びそれらの拡張部20eの中に配置される。
【0070】
複数の支持部52の上端は、空洞10cの中でプレート56に固定されている。複数のバネ54は、空洞10cの中に配置されている。複数のバネ54は、空洞10cを下方から画成する可動部10mの面とプレート56との間に配置されている。一実施形態では、複数のバネ54の各々は、コイルバネである。複数のバネ54はそれぞれ、空洞10cの中で複数の支持部52を囲むように設けられている。
【0071】
一実施形態において、解除機構60は、エア供給器を含んでいる。エア供給器は、クランプ50による天部20cの固定を解除するために、複数の支持部52の各々の下端52bを第2のチャンバ20から引き離すエア圧を与える。解除機構60のエア供給器は、蓋体58とプレート56との間の間隙にエアを供給し得る。蓋体58とプレート56との間の間隙にエアが供給されると、プレート56及び複数の支持部52が下方に移動して、複数の支持部52の各々の下端52bは第2のチャンバ20から引き離される。即ち、クランプ50による天部20cの固定が解除される。クランプ50による天部20cの固定が解除された状態では、第1のチャンバ10に対する第2のチャンバ20の固定が解除され、第2のチャンバ20は第1のチャンバ10の内部空間から第1のチャンバ10の外部に搬送可能となる。
【0072】
以下、搬送モジュールCTMについて説明する。図4は、一つの例示的実施形態に係る基板処理システムの搬送モジュールを概略的に示す図である。搬送モジュールCTMは、チャンバ110を備える。チャンバ110は、内部空間112及び内部空間114を提供している。内部空間112は、内部空間114の上方に設けられており、内部空間114から分離されている。チャンバ110の側壁110sは、内部空間112に連続する開口110oを提供している。開口110oは、ゲートバルブ116によって開閉可能である。
【0073】
一実施形態において、側壁110sの一部は、内側壁110i及び外側壁110eから形成された二重構造を有する。内側壁110iと外側壁110eは、それらの間に空間110qを提供している。開口110oは、内側壁110i及び外側壁110eに形成されている。ゲートバルブ110vは、開口110oを開閉するように、内側壁110iに沿って設けられている。
【0074】
搬送モジュールCTMは、搬送装置120を更に有する。搬送装置120は、搬送ロボットであり、アーム120aを含む。搬送装置120は、内部空間112の中に設けられている。
【0075】
搬送モジュールCTMは、排気装置122を更に有する。排気装置122は、内部空間114の中に設けられている。排気装置122は、バルブ124を介して内部空間112に接続されており、バルブ126を介して空間110qに接続されている。排気装置122は、内部空間112及び空間110qを減圧するように構成されている。
【0076】
搬送モジュールCTMは、移動機構130を更に有する。移動機構130は、本体132及び複数の車輪134を有する。本体132は、その中に、バッテリ等の電源、動力源、及びステアリング機構を内蔵している。車輪134は、本体132内の動力源によって回転し、本体132内のステアリング機構によって制御された方向に搬送モジュールCTMを移動させる。なお、移動機構130は、搬送モジュールCTMを移動させることが可能であれば、歩行型のような、車輪561以外のタイプを採用した機構であってもよい。
【0077】
搬送モジュールCTMは、センサ138及び制御部140を更に有する。センサ138は、チャンバ110の外壁に取り付けられている。制御部140は、内部空間114の中に設けられている。センサ138は、搬送モジュールCMの周囲の環境をセンシングし、センシングの結果を制御部140に出力する。センサ138は、例えば画像センサであり、搬送モジュールCMの周囲の画像を制御部140に出力する。制御部140は、プロセッサ、メモリといった記憶装置、及び通信部を有するコンピュータであり得る。制御部140は、搬送モジュールCTMの各部を制御するように構成されている。制御部140は、搬送モジュールCTMを基板処理装置1に接続するために、センサ138のセンシングの結果を用いて移動機構130を制御して搬送モジュールCTMを移動させる。また、制御部140は、排気装置122並びにバルブ124及び126を制御する。
【0078】
以下、図5図13を参照して、一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法について説明する。また、メンテナンス方法のための制御部MCの制御について説明する。図5図10及び図12図13の各々は、一つの例示的実施形態に係るメンテナンス方法の実行中の基板処理システムの状態を示す図である。図11は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。メンテナンス方法では、第2のチャンバ20が、そのメンテナンスのために、第1のチャンバ10から取り外されて、第1のチャンバ10の内部空間から搬送モジュールCTMのチャンバ110の内部空間に搬送される。
【0079】
メンテナンス方法は、第2のチャンバ20が可動部10mに対して固定されており、第2のチャンバ20が基板支持器30と共に処理空間Sを画成している状態で開始される。この状態では、第2のチャンバ20は、コンタクト40に接触しており、グランドに接続されている。
【0080】
まず、メンテナンス方法では、搬送モジュールCTMが移動されて、図5に示すように、搬送モジュールCTMのチャンバ110が、基板処理装置1の第1のチャンバ10に接続される。第1のチャンバ10とチャンバ110は、開口10oと開口110oが整列するように接続される。このように搬送モジュールCTMを移動させるために、制御部MCは、搬送モジュールCTMを制御する。具体的には、制御部MCからの指令を受けた制御部140によって移動機構130が制御されて、搬送モジュールCTMが移動される。
【0081】
第1のチャンバ10にチャンバ110が接続されている状態では、側壁10s、ゲートバルブ10v、側壁110s、及びゲートバルブ10vは、密閉された空間を画成する。密閉された空間は、空間10q及び空間110qを含む。メンテナンス方法では、この密閉された空間が、排気装置122によって減圧される。同時に、搬送モジュールCTMのチャンバ110の内部空間112も、排気装置122によって減圧される。密閉された空間及び内部空間112の減圧のために、排気装置122は、制御部MCによって制御される。具体的には、排気装置122は、制御部MCからの指令を受けた制御部140によって制御される。
【0082】
次いで、メンテナンス方法では、図6に示すように、第1のチャンバ10の内部空間と搬送モジュールCTMのチャンバ110の内部空間112を連通させるために、ゲートバルブ10v及びゲートバルブ116が移動される。ゲートバルブ10v及びゲートバルブ116の移動により、開口10o及び開口110oが開かれる。ゲートバルブ10v及びゲートバルブ116は、それらの移動のために、制御部MCによって制御される。ゲートバルブ116は、制御部MCからの指令を受けた制御部140によって制御される。
【0083】
次いで、メンテナンス方法では、図7に示すように、可動部10m及び第2のチャンバ20が第1のチャンバ10内で基板支持器30から上方に引き離される。可動部10m及び第2のチャンバ20は、リフト機構12により上方に移動される。可動部10m及び第2のチャンバ20の上方への移動のために、リフト機構12は、制御部MCによって制御される。なお、図7に示す状態、即ち、第2のチャンバ20が基板支持器30から上方に引き離された状態では、第2のチャンバ20は、コンタクト40からも引き離される。
【0084】
次いで、メンテナンス方法では、図8に示すように、搬送装置120のアーム120aが、搬送モジュールCTMのチャンバ110の内部空間112から第2のチャンバ20の下方まで伸びるように、第1のチャンバ10の内部空間の中に進入する。このために、搬送装置120は、制御部MCによって制御される。具体的に、搬送装置120は、制御部MCからの指令を受けた制御部140によって制御される。
【0085】
次いで、メンテナンス方法では、図9に示すように、可動部10mと第2のチャンバ20がリフト機構12によって下方に移動されて、第2のチャンバ20がアーム120a上に置かれる。可動部10mと第2のチャンバ20の下方への移動のために、リフト機構12は、制御部MCによって制御される。
【0086】
次いで、メンテナンス方法では、図10及び図11に示すように、クランプ50による第2のチャンバ20の固定が解除される。クランプ50による第2のチャンバ20の固定は、解除機構60によって解除される。一例では、解除機構60は、そのエア供給器から、蓋体58とプレート56との間の間隙にエアを供給する。その結果、クランプ50による第2のチャンバ20の固定が解除される。クランプ50による第2のチャンバ20の固定を解除するために、解除機構60は、制御部MCによって制御される。
【0087】
そして、図10及び図11に示すように、搬送装置120によって、第2のチャンバ20が水平方向に移動される。これにより、複数の支持部52の下端52bは、拡張部20eから退避する。第2のチャンバ20の水平方向への移動のために、搬送装置120は、制御部MCによって制御される。具体的に、搬送装置120は、制御部MCからの指令を受けた制御部140によって制御される。
【0088】
次いで、メンテナンス方法では、図12に示すように、可動部10mが、上方に移動されて、第2のチャンバ20から引き離される。可動部10mは、リフト機構12により上方に移動される。可動部10mの上方への移動のために、リフト機構12は、制御部MCによって制御される。
【0089】
次いで、メンテナンス方法では、図13に示すように、第2のチャンバ20が、第1のチャンバ10の内部空間から開口10o及び開口110oを介して搬送モジュールCTMのチャンバ110の内部空間112に移動される。このために、搬送装置120のアーム120aが、搬送モジュールCTMのチャンバ110の内部空間112の中に戻される。搬送装置120は、第2のチャンバ20の搬送のために、制御部MCによって制御される。具体的に、搬送装置120は、制御部MCからの指令を受けた制御部140によって制御される。
【0090】
そして、図13に示すように、ゲートバルブ10v及びゲートバルブ116が移動されて、開口10o及び開口110oが閉じられる。ゲートバルブ10v及びゲートバルブ116は、それらの移動のために、制御部MCによって制御される。ゲートバルブ116は、制御部MCからの指令を受けた制御部140によって制御される。
【0091】
上述したように、基板処理装置1では、基板Wは、第2のチャンバ20内で処理される。第2のチャンバ20は、第1のチャンバ10内に配置され、第1のチャンバ10に固定される。第1のチャンバ10に対する第2のチャンバ20の固定は、解除機構60を用いて解除することが可能である。また、第1のチャンバ10に対する第2のチャンバ20の固定が解除された状態では、第1のチャンバ10の側壁に設けられた開口10oから第1のチャンバ10の外部に第2のチャンバ20を搬出することが可能である。故に、処理空間Sを画成する第2のチャンバ20を容易にメンテナンスすることが可能となる。
【0092】
また、基板処理システムPS及び上述のメンテナンス方法によれば、第2のチャンバ20を第1のチャンバ10の内部空間から自動的に搬出することが可能である。したがって、第2のチャンバ20のメンテナンス(例えば交換)に起因する基板処理システムPSの非稼働期間が短くなる。
【0093】
以下、図14を参照する。図14は、別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。図14に示す基板処理装置では、コンタクト40の構成が、基板処理装置1のコンタクト40の構成と異なっている。図14に示す基板処理装置において、コンタクト40は、ピンである。第2のチャンバ20は、コンタクト40のピンが嵌め込まれる凹部20rを提供している。一実施形態において、コンタクト40のピンは、テーパー形状を有していてもよい。第2のチャンバ20の凹部20rは、コンタクト40のピンのテーパー形状に対応するテーパー形状を有していてもよい。図14に示す基板処理装置の他の構成は、基板処理装置1の対応の構成と同一であり得る。
【0094】
以下、図15を参照する。図15は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。図15に示す基板処理装置では、コンタクト40の構成が、基板処理装置1のコンタクト40の構成と異なっている。図15に示す基板処理装置において、コンタクト40は、膜を含む。コンタクト40の膜は、可撓性を有し、且つ、導電性材料から形成されている。コンタクト40の膜は、導体部38の外周面に取り付けられている。コンタクト40の膜は、導体部38と共に導体部38内に圧力チャンバ40pを形成している。
【0095】
図15に示す基板処理装置1は、流路40fを提供している。流路40fは、圧力チャンバ40pに接続している。流路40fは、部分的に導体部38の中に形成されている。図15に示す基板処理装置1は、エア供給器70a及び排気装置71aを更に備えている。エア供給器70aは、バルブ70vを介して流路40fに接続されている。排気装置71aは、ドライポンプのような装置であり、バルブ71vを介して流路40fに接続されている。エア供給器70aは、圧力チャンバ40pにエアを供給する。即ち、エア供給器70aは、コンタクト40の膜にエア圧を与えて当該膜を第2のチャンバ20に押し当てるように構成されている。コンタクト40の膜は、図示された例では、第2のチャンバ20の底部20bの内縁部に押し当てられる。排気装置71aによって圧力チャンバ40p内のエアが排気されると、コンタクト40の膜は、第2のチャンバ20から引き離される。図15に示す基板処理装置の他の構成は、基板処理装置1の対応の構成と同一であり得る。
【0096】
以下、図16図20を参照する。図16は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置の部分拡大断面図である。図17は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置における第2のチャンバの一部、カバーリング、及びエッジリングを示す平面図である。図17には、カバーリングの複数の凸部が第2のチャンバの底部の内縁部上に配置されている状態が示されている。図18は、図17のXVIII-XVIII線に沿ってとった断面図である。図19は、更に別の例示的実施形態に係る基板処理装置における第2のチャンバの一部、カバーリング、及びエッジリングを示す平面図である。図19には、カバーリングの複数の凸部の位置と第2のチャンバの底部の内縁部によって提供される複数のノッチの位置が一致している状態が示されている。図20は、図19のXX-XX線に沿ってとった断面図である。
【0097】
図16図20に示す基板処理装置において、カバーリング39は、内縁部39i及び外縁部を含む。基板支持器30上に配置されるエッジリングERの外縁部ERoは、内縁部39i上に配置されて、内縁部39iによって支持される。カバーリング39の外縁部は、複数の凸部39pを含んでいる。複数の凸部39pは、径方向に突き出しており、周方向に沿って配列されている。
【0098】
第2のチャンバ20の底部20bは、内縁部20iを含んでいる。内縁部20iは、内孔20pを画成している。内孔20pは、カバーリング39によって支持されたエッジリングERがカバーリング39と共に第2のチャンバ20の内部から内孔20pを介して第2のチャンバ20の外部へ通過可能であるように形成されている。内孔20pは、複数のノッチ20nを含んでいる。複数のノッチ20nは、内縁部20iによって提供されている。複数のノッチ20nは、複数の凸部39pと同様に周方向に沿って配列されている。複数のノッチ20nは、複数の凸部39pが通過可能であるように形成されている。第2のチャンバ20の底部20bの内縁部20iは、その上に配置されるカバーリング39の複数の凸部39pを支持するように構成されている。
【0099】
図16図20に示す基板処理装置によれば、第2のチャンバ20は、複数の凸部39pの位置と複数のノッチ20nの位置が一致していない状態では、カバーリング39と共にエッジリングERを支持することができる。したがって、カバーリング39及びエッジリングERは、第2のチャンバ20と共に、第1のチャンバ10の内部から第1のチャンバ10の外部に搬出することが可能である。また、カバーリング39の回転方向の位置を調整して複数の凸部39pの位置と複数のノッチ20nの位置を一致させると、第2のチャンバ20から内孔20pを介してカバーリング39及びエッジリングERを取り出すことが可能である。なお、図16図20に示す基板処理装置の他の構成は、基板処理装置1の対応の構成と同一であり得る。
【0100】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0101】
例えば、別の実施形態において、基板処理装置は、誘導結合型のプラズマ処理装置、電子サクロトロン共鳴(ECR)プラズマ処理装置、又はマイクロ波を用いてプラズマを生成するプラズマ処理装置のような他のタイプのプラズマ処理装置であってもよい。また、更に別の実施形態において、基板処理装置は、プラズマ処理以外の基板処理を行うように構成された基板処理装置であってもよい。
【0102】
また、搬送モジュールCTMは、移動可能でなくてもよく、第2のチャンバ20を有する基板処理装置の第1のチャンバに接続されて、固定されていてもよい。また、搬送モジュールCTMの代わりに、搬送モジュールTMが第2のチャンバ20を第1のチャンバ10の内部空間から搬出するモジュールとして用いられてもよい。
【0103】
また、クランプ50は、第2のチャンバ20を第1のチャンバ10に対して固定するカム機構を含んでいてもよい。解除機構60は、カム機構のカムを回転させてカム機構による第2のチャンバ20の固定を解除するように構成されていてもよい。
【0104】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0105】
1…基板処理装置、10…第1のチャンバ、10s…側壁、10o…開口、10m…可動部、12…リフト機構、20…第2のチャンバ、30…基板支持器、S…処理空間、50…クランプ、60…解除機構、PS…基板処理システム、CTM…搬送モジュール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2024-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を提供する側壁を含む第1のチャンバであり、該第1のチャンバ内で上方及び下方に移動可能な可動部を更に含む、該第1のチャンバと、
前記第1のチャンバ内に配置される基板支持器と、
前記第1のチャンバ内に配置され、前記基板支持器上に載置される基板がその中で処理される処理空間を前記基板支持器と共に画成する第2のチャンバであり、前記第1のチャンバから取り外し可能であり、且つ、前記開口を介して前記第1のチャンバの内部空間と前記第1のチャンバの外部との間で搬送可能である、該第2のチャンバと、
前記第2のチャンバを該第2のチャンバの上で延在する前記可動部に解除可能に固定する固定器具と、
前記可動部を上方及び下方に移動させるように構成されたリフト機構と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記第2のチャンバは、前記処理空間の上方で延在する天部を含み、
前記固定器具は、前記天部を前記可動部に解除可能に固定する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記固定器具は、前記天部がそこから吊り下げられるように構成された下端を有する支持部を含む、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板支持器の外周に沿って設けられており、グランドに接続された導体部と、
前記導体部に電気的に接続されたコンタクトと、
を更に備え、
前記第2のチャンバは、前記基板支持器と共に前記処理空間を画成している状態で、前記コンタクトに当接する、
請求項1~の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記コンタクトは、前記第2のチャンバと弾性的に接触するように構成されている、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記コンタクトは、バネを含む、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記コンタクトは、ピンであり、
前記第2のチャンバは、前記ピンが嵌め込まれる凹部を提供する、
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ピンは、テーパー形状を有し、
前記第2のチャンバの前記凹部は、前記ピンの前記テーパー形状に対応するテーパー形状を有する、
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記コンタクトは、可撓性を有し、且つ、導電性材料から形成された膜を含み、
前記膜にエア圧を与えて該膜を前記第2のチャンバに押し当てるように構成された別のエア供給器を更に備える、
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第2のチャンバは、前記処理空間の下方で延在する底部を含み、該底部が前記コンタクトに当接する、請求項の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
内縁部及び外縁部を有するカバーリングを更に備え、
前記基板支持器上には、エッジリングが配置され、
前記カバーリングの前記内縁部は、その上に配置される前記エッジリングの外縁部を支持し、
前記カバーリングの前記外縁部は、径方向に突き出した複数の凸部を含み、
前記第2のチャンバは、前記エッジリング及び前記カバーリングが通過可能な内孔を画成する内縁部を有する底部を含み、該底部の該内縁部の上に前記複数の凸部が配置されている状態で前記カバーリングを支持し、
前記内孔は、前記複数の凸部が通過可能であり前記内縁部によって提供された複数のノッチを含む、
請求項1~の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
プラズマ処理装置である請求項1~11の何れか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の基板処理装置と、
開口を提供する側壁を含む別のチャンバと搬送装置を有する搬送モジュールであって、該搬送装置は、前記第1のチャンバの内部空間から該第1のチャンバの前記開口及び前記別のチャンバの前記開口を介して該別のチャンバの内部空間に前記第2のチャンバを搬送するように構成されている、該搬送モジュールと、
前記リフト機構及び前記搬送装置を制御するように構成された制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記可動部及び前記第2のチャンバを、前記基板支持器から上方に引き離すよう、前記リフト機構を制御し、
前記固定器具による固定が解除された前記第2のチャンバを、前記第1のチャンバの前記内部空間から該第1のチャンバの前記開口及び前記別のチャンバの前記開口を介して前記別のチャンバの前記内部空間に搬送するよう、前記搬送装置を制御する、
基板処理システム。
【請求項14】
前記基板処理装置は、前記第1のチャンバの前記開口を開閉するように構成されたゲートバルブを更に備え、
前記搬送モジュールは、前記別のチャンバの前記開口を開閉するように構成されたゲートバルブを更に備え、移動可能に構成されており、
前記第1のチャンバの前記側壁、前記別のチャンバの前記側壁、前記基板処理装置の前記ゲートバルブ、及び前記搬送モジュールの前記ゲートバルブは、前記第1のチャンバに前記別のチャンバが接続されている状態で、それらの間に密閉された空間を画成し、
前記密閉された空間を減圧するように構成された排気装置を更に備える、
請求項13に記載の基板処理システム。