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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099471
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240718BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20240718BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
H01L21/304 643A
H01L21/304 648G
H01L21/306 R
H01L21/304 651B
H01L21/30 569C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181905
(22)【出願日】2023-10-23
(31)【優先権主張番号】P 2023003074
(32)【優先日】2023-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】木下 貴文
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優樹
(72)【発明者】
【氏名】齊木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】橋本 知幸
(72)【発明者】
【氏名】天野 嘉文
(72)【発明者】
【氏名】相浦 一博
(72)【発明者】
【氏名】藤田 陽
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 周平
【テーマコード(参考)】
5F043
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE09
5F146LA02
5F146LA05
5F157AA03
5F157AA12
5F157AA15
5F157AB02
5F157AB13
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC01
5F157BB52
5F157CF22
5F157CF32
5F157DB02
5F157DB51
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】本開示は、基板の周縁部の上面に対する異物の付着を抑制することが可能な基板処理装置及び基板処理方法を説明する。
【解決手段】基板処理装置は、支持部と、供給部と、環状部材と、回転部と、カバー部材と、カバー部材の上方に配置された環状の整流部材とを備える。環状部材は、環状部材の径方向において、環状部材の中心側に向かうにつれて下方に傾く傾斜面を含む。整流部材は、ベース部と、支持部に支持されている基板の周縁部と対面し、且つ、基板の周縁部に向けてベース部から突出する突出部を含む。突出部は、上下方向から見たときに支持部と重なり合っている。突出部の下面は、支持部に支持されている基板の上面よりも上方で、且つ、環状部材の上面よりも下方に位置している。突出部の内周面は、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の裏面と当接して前記基板を支持するように構成された支持部と、
前記支持部に支持されている前記基板の裏面に向けて処理液を供給するように構成された供給部と、
前記支持部に支持されている前記基板の周囲を外側から取り囲むように配置された環状部材と、
前記支持部及び前記環状部材を回転させるように構成された回転部と、
前記環状部材を外側から取り囲むように配置された環状のカバー部材と、
前記カバー部材の上方に配置された環状の整流部材とを備え、
前記環状部材は、前記環状部材の径方向において、前記環状部材の中心側に向かうにつれて下方に傾く傾斜面を含み、
前記整流部材は、
ベース部と、
前記支持部に支持されている前記基板の周縁部と正対し、且つ、前記基板の周縁部に向けて前記ベース部から突出する突出部を含み、
前記突出部は、上下方向から見たときに前記支持部と重なり合っており、
前記突出部の下面は、前記支持部に支持されている前記基板の上面よりも上方で、且つ、前記環状部材の上面よりも下方に位置しており、
前記突出部の内周面は、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している、基板処理装置。
【請求項2】
前記整流部材は、
前記基板を前記支持部に対して搬入出するための上昇位置と、前記基板を処理するために前記カバー部材の上壁部の近傍に位置する処理位置との間で上下動可能に構成されており、
前記整流部材が前記処理位置に位置するときに、前記ベース部のうち前記突出部よりも径方向外方に位置する部分と、前記カバー部材の上壁部との間を封止するように構成された、環状のシール部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シール部材は、可撓性を有する材料によって構成されており、前記ベース部のうち前記突出部よりも径方向外方に位置する部分の下面に設けられており、上方から下方に向かうにつれて径方向外方に拡径する筒状の錐台形状を呈する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記整流部材が前記処理位置よりも下方に移動することを制止するように構成された制止部材をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記突出部の内周面は、円錐台形状の面、又は、ラッパ状の湾曲面である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記突出部の外周面は、上方から下方に向かうにつれて、径方向内方に向けて傾斜している、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記突出部の外周面は、前記環状部材の前記傾斜面と略平行に延びている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記環状部材の下面の高さ位置は、前記支持部に支持されている前記基板の上面の高さ位置と同等かそれよりも高い、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記支持部に支持されている前記基板の上面のうち、上下方向から見たときに、前記整流部材の最も内側の周面よりも前記基板の外周縁側の領域に向けて洗浄液を供給するように構成された別の供給部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記支持部に支持されている前記基板の上方において前記別の供給部を移動させるように構成された駆動部をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
基板の裏面と当接することにより前記基板を支持する支持部と、前記基板の周囲を取り囲むように配置された環状部材とが回転すると共に、前記環状部材を外側から取り囲む環状のカバー部材の上方に環状の整流部材が配置されている状態で、前記基板の裏面に洗浄液を供給することを含み、
前記整流部材は、
ベース部と、
前記支持部に支持されている前記基板の周縁部と正対し、且つ、前記基板の周縁部に向けて前記ベース部から突出する突出部を含み、
前記突出部は、上下方向から見たときに前記支持部と重なり合っており、
前記突出部の下面は、前記支持部に支持されている前記基板の上面よりも上方で、且つ、前記環状部材の上面よりも下方に位置しており、
前記突出部の内周面は、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板の裏面を処理液(例えば、薬液、リンス液など)で処理するように構成された液処理装置を開示している。当該装置は、基板を支持する支持部と、支持部に支持された基板を回転させる回転部と、支持部に支持された基板の裏面に洗浄液を供給する供給部と、支持部に支持される基板の周囲を取り囲むように配置されたカップとを備える。回転注の基板の裏面に対して供給部から洗浄液が供給されると、洗浄液は、遠心力によって基板の裏面の中心部から周縁部に向かって流れる。これにより、基板の裏面が処理される。基板から振り切られた洗浄液は、カップに向けて飛散し、カップにて集液された後、液処理装置の外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-021279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板の周縁部の上面に対する異物(例えば、パーティクル、薬液残渣など)の付着を抑制することが可能な基板処理装置及び基板処理方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
基板処理装置の一例は、基板の裏面と当接して基板を支持するように構成された支持部と、支持部に支持されている基板の裏面に向けて処理液を供給するように構成された供給部と、支持部に支持されている基板の周囲を外側から取り囲むように配置された環状部材と、支持部及び環状部材を回転させるように構成された回転部と、環状部材を外側から取り囲むように配置された環状のカバー部材と、カバー部材の上方に配置された環状の整流部材とを備える。環状部材は、環状部材の径方向において、環状部材の中心側に向かうにつれて下方に傾く傾斜面を含む。整流部材は、ベース部と、支持部に支持されている基板の周縁部と対面し、且つ、基板の周縁部に向けてベース部から突出する突出部を含む。突出部は、上下方向から見たときに支持部と重なり合っている。突出部の下面は、支持部に支持されている基板の上面よりも上方で、且つ、環状部材の上面よりも下方に位置している。突出部の内周面は、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る基板処理装置及び基板処理方法によれば、基板の周縁部の上面に対する異物の付着を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、基板洗浄装置の一例を示す概略断面図である。
図2図2は、図1の基板洗浄装置における整流部材の近傍を部分的に示す概略断面図である。
図3図3は、図1の基板洗浄装置の主要部の一例を示すブロック図である。
図4図4は、コントローラのハードウェア構成の一例を示す概略図である。
図5図5は、基板の洗浄処理の一例を説明するための図である。
図6図6は、図5に例示される基板洗浄装置における整流部材の近傍を部分的に示す概略断面図である。
図7図7は、図6に例示される基板洗浄装置における整流部材の近傍を部分的に示す概略断面図である。
図8図8(a)は、図1の基板洗浄装置における整流部材の近傍での気流の様子を示すシミュレーション結果の一例を示す図であり、図8(b)は、図1の基板洗浄装置において整流部材がない場合の基板の周縁部近傍での気流の様子を示すシミュレーション結果の一例を示す図である。
図9図9は、基板洗浄装置の他の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、図の上、下、右、左というときは、図中の符号の向きを基準とすることとする。
【0009】
[基板洗浄装置の構成]
まず、図1図4を参照して、基板洗浄装置1(基板処理装置)の一例の構成について説明する。基板洗浄装置1は、基板Wの裏面Wbを洗浄液(処理液)で洗浄するように構成されている。基板Wは、例えば、半導体基板(シリコンウエハ)であってもよい。基板Wの直径は、例えば200mm~450mm程度であってもよい。基板Wは、円板状を呈してもよいし、多角形など円形以外の板状を呈していてもよい。基板Wは、一部が切り欠かれた切欠部を有していてもよい。切欠部は、例えば、ノッチ(U字形、V字形等の溝)であってもよいし、直線状に延びる直線部(いわゆる、オリエンテーション・フラット)であってもよい。
【0010】
基板洗浄装置1は、図1に例示されるように、筐体10と、回転部20と、昇降部30と、カバー部材40と、供給部50と、整流部材60と、昇降部70と、ブロアBと、コントローラCtr(制御部)とを含む。
【0011】
筐体10は、主として、回転部20、昇降部30、カバー部材40、整流部材60、昇降部70及びブロアBを内部に収容している。筐体10の側壁11には、搬入出口12が形成されている。基板Wは、図示しない搬送機構(例えばロボットアームなど)により、搬入出口12を通じて、筐体10の内部に搬入され、また、筐体10から外部に搬出される。筐体10の底壁13には、下方に向けて延びる排気管H1が設けられている。排気管H1は、図示しない吸引ポンプに接続されており、カバー部材40内の気体を筐体10の外部に排出するための排気流路として機能する。
【0012】
回転部20は、回転軸21と、駆動機構22と、支持プレート23と、複数の支持ピン24(支持部)と、環状部材25とを含む。回転軸21は、鉛直方向に沿って延びる中空の管状部材である。回転軸21は、中心軸Ax周りにおいて回転可能となるように、筐体10の底壁13に対して取り付けられている。
【0013】
駆動機構22は、回転軸21に接続されている。駆動機構22は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、回転軸21を回転させるように構成されている。駆動機構22は、例えば電動モータ等の動力源であってもよい。
【0014】
支持プレート23は、例えば円環状を呈する平板であり、水平に沿って延びている。すなわち、支持プレート23の中央部には、貫通孔が形成されている。支持プレート23の内周部は、回転軸21の先端部に接続されている。そのため、支持プレート23は、回転軸21の中心軸Ax周りに、回転軸21の回転に伴って回転するように構成されている。
【0015】
複数の支持ピン24は、支持プレート23の上面から上方に向けて突出するように支持プレート23に設けられている。複数の支持ピン24は、これらの先端と基板Wの裏面Wbとが当接することで、基板Wを略水平に支持するように構成されている。複数の支持ピン24は、例えば、円柱形状を呈していてもよいし、錐台状を呈していてもよい。複数の支持ピン24は、支持プレート23の外周部の近傍において、上方から見て全体として円形状をなすように略等間隔に配置されていてもよい。例えば、複数の支持ピン24が12個の場合、複数の支持ピン24は、略30°間隔で配置されていてもよい。
【0016】
環状部材25は、円環状を呈しており、支持プレート23の外周部を取り囲むように配置されている。すなわち、環状部材25は、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの周囲を外側から取り囲むように構成されている。環状部材25は、複数の接続部材26によって、支持プレート23の外周部に接続されている。そのため、環状部材25は、回転軸21の中心軸Ax周りに、回転軸21の回転に伴って回転するように構成されている。
【0017】
環状部材25は、図1及び図2に示されるように、上壁部25aと、側壁部25bとを含んでいてもよい。上壁部25aは、例えば円環状を呈する板状体であり、水平に沿って延びている。上壁部25aの内周面は、水平に対して傾斜した傾斜面S1となっている。傾斜面S1は、環状部材25の径方向において、環状部材25の中心側に向かうにつれて下方に傾いている。換言すれば、傾斜面S1は、径方向内方に向かうにつれて下方へと傾斜している。上壁部25aの下面S2の高さ位置は、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの上面Waの高さ位置よりも高くてもよいし、同等でもよいし、低くてもよい。
【0018】
上壁部25aの内周部は、傾斜面S1及び下面S2の存在により、径方向内方に向かうにつれて窄まる先細り形状とされていてもよい。傾斜面S1及び下面S2はそれぞれ、平坦面であってもよいし、非平坦面(例えば、湾曲面)であってもよい。洗浄液L1,L2(後述する)の流動性を高める目的で、傾斜面S1及び下面S2を含む環状部材25の表面が、例えば、ディンプル加工及び/又はエンボス加工により多数の凹凸を含んでいてもよいし、径方向に沿って延びる溝又は突条を含んでいてもよい。あるいは、洗浄液L1,L2の流動性を高める目的で、傾斜面S1及び下面S2を含む環状部材25の表面に対して、表面処理が施されていてもよいし、被膜が形成されていてもよい。
【0019】
側壁部25bは、例えば、円筒状を呈していてもよい。側壁部25bの上端部は、上壁部25aの外周部と一体的に接続されていてもよい。側壁部25bは、下方に向かうにつれて窄まる先細り形状とされていてもよい。
【0020】
昇降部30は、図1に示されるように、軸部材31と、駆動機構32と、複数の支持ピン33とを含む。軸部材31は、鉛直方向に沿って延びる中空の管状部材である。軸部材31は、中心軸Ax周りにおいて回転可能であると共に、上下方向に昇降可能に構成されている。軸部材31は、回転軸21の内部に挿通されている。
【0021】
駆動機構32は、軸部材31に接続されている。駆動機構32は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、軸部材31を昇降させるように構成されている。駆動機構32が軸部材31を昇降させることにより、軸部材31は、複数の支持ピン33が複数の支持ピン24よりも上方に位置する上昇位置(図示せず)と、複数の支持ピン33が複数の支持ピン24よりも下方に位置する降下位置(図1参照)との間で上下動してもよい。駆動機構22は、例えばリニアアクチュエータ等の動力源であってもよい。
【0022】
複数の支持ピン33は、軸部材31の上端から上方に向けて突出するように軸部材31に設けられている。複数の支持ピン33は、これらの先端と基板Wの裏面Wbとが当接することで、基板Wを支持するように構成されている。複数の支持ピン33は、例えば、円柱形状を呈していてもよいし、錐台状を呈していてもよい。複数の支持ピン33は、上方から見て全体として円形状をなすように略等間隔に配置されていてもよい。
【0023】
カバー部材40は、全体として円環状を呈しており、環状部材25及び支持プレート23を外側から取り囲むように設けられている。カバー部材40は、基板Wの裏面Wbに供給されて、基板Wから振り切られた洗浄液L1,L2を受け止める集液容器として機能する。
【0024】
カバー部材40は、図1及び図2に示されるように、上壁部41と、側壁部42と、底壁部43とを含んでいてもよい。上壁部41は、例えば円環状を呈する板状体であり、水平に沿って延びている。上壁部41は、上方から見たときに、傾斜面S1と重なり合っていてもよいし、重なり合っていなくてもよい。例えば、上壁部41の内周面は、傾斜面S1よりも径方向外方に位置していてもよい。換言すれば、傾斜面S1は、上壁部41の内周面よりも、環状部材25の中心側に位置していてもよい。上壁部41は、上方から見たときに、複数の支持ピン24に支持された状態の基板Wとは重なり合わない。
【0025】
側壁部42は、例えば、円筒状を呈していてもよい。側壁部42の上端部は、上壁部41の外周部と一体的に接続されていてもよい。側壁部42の下端部は、底壁部43の外周部と一体的に接続されていてもよい。底壁部43は、径方向内方に向かうにつれて上方へと傾斜していてもよい。底壁部43の底部には、貫通孔H2が設けられている。貫通孔H2は、カバー部材40において捕集された洗浄液L1,L2を筐体10の外部に排出するための排液流路として機能する。
【0026】
供給部50は、図1に示されるように、軸部材31の内部を通じて洗浄液L1,L2を基板Wの裏面Wbに供給するように構成されている。すなわち、軸部材31は、洗浄液L1,L2を基板Wの裏面Wbに供給するためのノズルとして機能する。供給部50は、液源51A,51Bと、ポンプ52A,52Bと、バルブ53A,53Bと、配管54A,54Bとを含む。
【0027】
液源51Aは、洗浄液L1の供給源として機能する。洗浄液L1は、例えば、基板Wの裏面Wbに付着したSiNなどの不要な膜を除去するための洗浄用薬液であってもよい。当該洗浄用薬液は、例えば、DHF液(希フッ酸)、SC-1液(アンモニア、過酸化水素及び純水の混合液)、過酸化水素水などを含んでいてもよい。ポンプ52Aは、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、液源51Aから洗浄液L1を吸引し、バルブ53A及び配管54Aを介して洗浄液L1を軸部材31に送り出すように構成されている。バルブ53Aは、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、バルブ53Aの前後において配管54Aを開放及び閉塞させるように構成されている。配管54Aは、上流側から順に、液源51A、ポンプ52A及びバルブ53Aを接続している。
【0028】
液源51Bは、洗浄液L2の供給源として機能する。洗浄液L2は、例えば、異物(例えば、パーティクル、薬液残渣など)を洗い流すためのリンス液であってもよい。当該リンス液は、例えば、純水(DIW:deionized water)などを含んでいてもよい。ポンプ52Bは、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、液源51Bから洗浄液L2を吸引し、バルブ53B及び配管54A,54Bを介して洗浄液L2を軸部材31に送り出すように構成されている。バルブ53Bは、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、バルブ53Bの前後において配管54Bを開放及び閉塞させるように構成されている。配管54Bは、上流側から順に、液源51B、ポンプ52B及びバルブ53Bを接続している。配管54Bの下流端は、バルブ53Aと軸部材31との間において配管54Aと接続されている。
【0029】
整流部材60は、カバー部材40の上方に配置されている。整流部材60は、ベース部61と、突出部62と、シール部材63とを含む。ベース部61は、例えば円環状を呈する板状体であり、水平に沿って延びている。ベース部61の外周部は、上方から見たときに、上壁部41と重なり合っている。ベース部61の外周部は、ベース部61のうち突出部62よりも径方向外方に位置する部分である。一方、ベース部61の内周部は、上方から見たときに、上壁部41と重なり合っておらず、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの周縁部Wcと重なり合っている。
【0030】
突出部62は、ベース部61の内周部の下面から下方に向けて突出するように設けられている。そのため、突出部62は、上方から見たときに、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの周縁部Wcと重なり合う(正対している)と共に、複数の支持ピン24と重なり合っている。
【0031】
図2に例示されるように、突出部62の下面S4は、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの上面Waよりも上方で、且つ、環状部材25の上壁部25aの上面S3よりも下方に位置していてもよい。換言すれば、突出部62の下面S4の高さ位置は、水平方向から見て、傾斜面S1と重なり合っていてもよい。
【0032】
突出部62の下面S4と、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの上面Waとの直線距離t1は、例えば、1mm~2mm程度であってもよい。突出部62の下面S4と、環状部材25の上壁部25aの上面S3との直線距離t2は、例えば、0.5mm~2.5mm程度であってもよいし、1.6mm~1.8mm程度であってもよい。
【0033】
突出部62の内周面S5は、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している。突出部62の内周面S5は、図2に例示されるように、ラッパ状の湾曲面であってもよい。当該湾曲面は、整流部材60の中心部に向けて突出していてもよい。図示されてはいないが、突出部62の内周面S5は、円錐台形状の面であってもよい。すなわち、突出部62の断面を水平方向から見たときに、突出部62の内周面S5は、平坦状に延びていてもよい。
【0034】
突出部62の外周面S6は、上方から下方に向かうにつれて、径方向内方に向けて傾斜していてもよい。図2に例示されるように、突出部62の断面を水平方向から見たときに、突出部62の外周面S6は、平坦状に延びていてもよい。突出部62の下端部近傍における外周面S6は、整流部材60が処理位置(後述する)に位置するとき(図2参照)、水平方向において、環状部材25の上壁部25aの傾斜面S1と対面していてもよい。例えば、突出部62の下端部近傍における外周面S6は、整流部材60が処理位置に位置するとき、環状部材25の上壁部25aの傾斜面S1と略平行に延びていてもよい。
【0035】
シール部材63は、環状を呈する筒状体である。シール部材63は、図2に例示されるように、上方から下方に向かうにつれて径方向外方に拡径する筒状の錐台形状を呈していてもよい。シール部材63は、図2に例示されるように、ベース部61の外周部の下面から下方に向けて突出するように、当該下面に設けられていてもよい。図示されてはいないが、シール部材63は、上壁部41の上面から上方に向けて突出するように、当該上面に設けられていてもよい。
【0036】
シール部材63は、整流部材60が処理位置に位置するとき(図2参照)、ベース部61の外周部の下面と、上壁部41の上面とで挟持される。これにより、シール部材63は、ベース部61の外周部の下面と、上壁部41の上面との間の空間V1(図2参照)を封止する。シール部材63は、可撓性を有する材料(例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムなど)によって構成されていてもよい。この場合、シール部材63が空間V1を封止する際に、シール部材63が変形してベース部61及び/又は上壁部41が高まるので、シール性が向上する。
【0037】
昇降部70は、図1に例示されるように、コントローラCtrからの指示に基づいて、整流部材60を上下方向に移動させるように構成されている。具体的には、昇降部70は、基板Wを複数の支持ピン24に対して搬入出するための上昇位置と、基板Wを処理するために整流部材60がカバー部材40の上壁部41の近傍に位置する処理位置との間で、整流部材60を上下動させるように構成されている。
【0038】
昇降部70は、例えば、直動シリンダであってもよい。昇降部70は、ベース部材71(制止部材)と、ロッド72と、スライダ73(制止部材)とを含んでいてもよい。ロッド72は、ベース部材71から上方に向けて直線状に延びている。スライダ73は、整流部材60と接続されており、コントローラCtrからの指示に基づいて、ロッド72の延在方向(上下方向)に沿って上下動するように構成されている。スライダ73は、ロッド72の下端まで下降すると、ベース部材71と当接して停止する。そのため、ベース部材71及びスライダ73は、整流部材60が処理位置よりも下方に移動することを制止する機能を有している。
【0039】
ブロアBは、筐体10内において、回転部20、昇降部30、カバー部材40及び整流部材60の上方に配置されている。ブロアBは、コントローラCtrからの信号に基づいて動作し、整流部材60の内側空間を通って基板Wの上面Waに向かう下降流を形成するように構成されている。
【0040】
コントローラCtrは、図3に示されるように、機能モジュールとして、読取部M1と、記憶部M2と、処理部M3と、指示部M4とを有する。これらの機能モジュールは、コントローラCtrの機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラCtrを構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
【0041】
読取部M1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体RMからプログラムを読み取るように構成されている。記録媒体RMは、基板洗浄装置1の各部を動作させるためのプログラムを記録している。記録媒体RMとしては、例えば、半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクであってもよい。
【0042】
記憶部M2は、種々のデータを記憶するように構成されている。記憶部M2は、例えば、読取部M1において記録媒体RMから読み出したプログラム、外部入力装置(図示せず)を介してオペレータから入力された設定データなどを記憶してもよい。
【0043】
処理部M3は、各種データを処理するように構成されている。処理部M3は、例えば、記憶部M2に記憶されている各種データに基づいて、基板洗浄装置1の各部(例えば、駆動機構22,32、ポンプ52A,52B及びバルブ53A,53B、昇降部70、ブロアB等)を動作させるための動作信号を生成するように構成されていてもよい。
【0044】
指示部M4は、処理部M3において生成された動作信号を基板洗浄装置1の各部に送信するように構成されている。
【0045】
指示部M4は、駆動機構32によって軸部材31を上昇位置に上昇させ、複数の支持ピン33によって基板Wを支持させる第1の処理を実行してもよい。指示部M4は、第1の処理の後に、基板Wが複数の支持ピン33によって支持されている状態で、駆動機構32によって軸部材31を降下位置まで下降させる第2の処理を実行してもよい。このとき、基板Wは、複数の支持ピン24に載置される。指示部M4は、第2の処理の後に、回転部20によって基板Wを回転させ、その状態で、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの裏面Wbに向けて軸部材31から洗浄液L1,L2を供給するように供給部50を制御する第3の処理を実行してもよい。
【0046】
コントローラCtrのハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成されていてもよい。コントローラCtrは、ハードウェア上の構成として、例えば図4に示される回路C1を含んでいてもよい。回路C1は、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路C1は、例えば、プロセッサC2と、メモリC3(記憶部)と、ストレージC4(記憶部)と、ドライバC5と、入出力ポートC6とを含んでいてもよい。プロセッサC2は、メモリC3及びストレージC4の少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポートC6を介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。メモリC3及びストレージC4は、記憶部M2として機能する。ドライバC5は、基板洗浄装置1の各部をそれぞれ駆動する回路である。入出力ポートC6は、ドライバC5と基板洗浄装置1の各部との間で、信号の入出力を行う。
【0047】
基板洗浄装置1は、一つのコントローラCtrを備えていてもよいし、複数のコントローラCtrで構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。後者の場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコントローラCtrによって実現されていてもよいし、2個以上のコントローラCtrの組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrが複数のコンピュータ(回路C1)で構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータ(回路C1)によって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータ(回路C1)の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrは、複数のプロセッサC2を含んでいてもよい。この場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのプロセッサC2によって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサC2の組み合わせによって実現されていてもよい。
【0048】
[洗浄処理]
続いて、図5図7を参照して、基板洗浄装置1における基板Wの洗浄処理について説明する。
【0049】
まず、図示しない搬送機構により、基板Wを筐体10内に搬入する。このとき、コントローラCtrは、駆動機構32を制御して、軸部材31を上昇位置に位置させておく。また、コントローラCtrは、昇降部70を制御して、整流部材60を上昇位置に位置させておく。搬入出口12を通じて筐体10内に搬入された基板Wは、搬送機構から支持ピン33に受け渡される。これにより、裏面Wbが支持ピン33と当接するように、基板Wが支持ピン33上(昇降部30)に載置される。
【0050】
次に、コントローラCtrは、駆動機構32を制御して、軸部材31を降下位置まで降下させる。軸部材31が降下する過程で、基板Wが、支持ピン33から支持ピン24に受け渡される。これにより、裏面Wbが支持ピン24と当接するように、基板Wが支持ピン24上(回転部20)に載置される。
【0051】
次に、コントローラCtrは、昇降部70を制御して、整流部材60を処理位置まで降下させる。これにより、シール部材63が、ベース部61の外周部の下面と、上壁部41の上面とで挟持され、空間V1が封止される。
【0052】
次に、コントローラCtrは、駆動機構22を制御して、所定の回転数で回転軸21を回転させる。このとき、回転軸21を介して支持プレート23及び環状部材25が回転すると共に、支持ピン24に載置されている基板Wも回転する。また、コントローラCtrは、ブロアBを制御して、整流部材60の内側空間を通って基板Wの上面Waに向かう下降流を形成する。
【0053】
次に、コントローラCtrは、供給部50を制御して、回転中の基板Wの裏面Wbに向けて軸部材31を通じて洗浄液L1,L2を供給させる。これにより、図5図7に例示されるように、洗浄液L1,L2は、遠心力によって基板Wの外周縁に向けて裏面Wbに沿って流れた後、基板Wの外周縁から外方に振り切られる(図5図7の矢印Ar1を参照)。その結果、裏面Wbの全体が洗浄液L1,L2によって洗浄される。
【0054】
一方、図6及び図7に例示されるように、ブロアBによって形成された下降流は、突出部62の内周面S5に沿って流れ、突出部62の下面S4と基板Wの上面Waとの間に流れていく(図6及び図7の矢印Ar2を参照)。その後、気流は、第1の分岐流(図6及び図7の矢印Ar3を参照)と、第2の分岐流(図6及び図7の矢印Ar4を参照)とに分岐する。第1の分岐流は、環状部材25の上壁部25aの傾斜面S1と基板Wの周縁部Wcとの間に向かって流れている。第2の分岐流は、環状部材25の上壁部25aの傾斜面S1と突出部62の外周面S6との間に向かって流れている。そのため、基板Wから振り切られた洗浄液L1,L2は、図6及び図7に例示されるように、主として第1の分岐流に阻まれ、基板Wの上面Waに回り込むことが抑制される。また、基板Wから振り切られた洗浄液L1,L2の水滴が上壁部25aなどに衝突して跳ね返ったり、ミストとなったとしても、突出部62の存在により基板Wの中心側に到達することが阻まれると共に、第2の分岐流に随伴して傾斜面S1と外周面S6との間を流れていく。
【0055】
次に、コントローラCtrは、所定時間の経過後に供給部50を制御して、洗浄液L1,L2の供給を停止させる。次に、コントローラCtrは、駆動機構22を制御して、回転軸21の回転を停止させる。
【0056】
次に、コントローラCtrは、昇降部70を制御して、整流部材60を上昇位置まで上昇させる。次に、コントローラCtrは、駆動機構32を制御して、軸部材31を上昇位置まで上昇させる。軸部材31が上昇する過程で、基板Wが、支持ピン24から支持ピン33に受け渡されつつ、基板Wも上昇する。これにより、裏面Wbが支持ピン33と当接するように、基板Wが支持ピン33上に載置される。
【0057】
その後、図示しない搬送機構が基板Wを支持ピン33から受け取り、基板Wを筐体10から搬出する。以上により、基板Wの裏面Wbの洗浄処理が完了する。
【0058】
[作用]
以上の例によれば、整流部材60の突出部62の内周面S5が、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している。そのため、上方から基板Wの上面Waに向けて下降する気流が、内周面S5に沿って円滑に基板Wの周縁部Wcの上面Waへと流れる。加えて、突出部62が、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの周縁部Wcと対面しているので、突出部62と、基板Wの周縁部Wcの上面Waとの間の間隔が狭められている。そのため、突出部62の内周面S5によって基板Wの周縁部Wcの上面Waへと円滑に導かれた気流は、突出部62の下面S4と、基板Wの周縁部Wcの上面Waとの間に形成される狭隘流路において高速に流れる(図6及び図7の矢印Ar2を参照)。
【0059】
ここで、当該狭隘流路において気流が高速に流れる点を確認するために、コンピュータを用いたシミュレーションを行った。計算例1では、上述した基板洗浄装置1において、ブロアBは動作させずに、筐体10内の雰囲気を排気圧200Pa相当で排気管H1を通じて吸引ポンプにより排気するとの条件のもとで、整流部材60及び基板Wの周縁部Wcの近傍での気流の様子を計算した。計算例2では、整流部材60を設けず、筐体10内の雰囲気を排気圧240Pa相当で排気した以外は、計算例1と同じ条件のもとで、基板Wの周縁部Wcの近傍での気流の様子を計算した。
【0060】
計算例1の結果を図8(a)に示し、計算例2の結果を図8(b)に示す。図8では、気流の向きを矢印の向きで概略的に示しており、気流の強さを矢印の大きさで概略的に示している。計算例1では、狭隘流路を流れる気流(図8(a)の矢印Ar5を参照)の最大速度が、23.6m/secであった。一方、計算例2では、環状部材25の上壁部25aの傾斜面S1と基板Wの周縁部Wcとの間を流れる気流(図8(b)の矢印Ar6を参照)の最大速度が、5.2m/secであった。そのため、計算例1では、計算例2と比較して、狭隘流路における気流の速度が約4.5倍を超える結果となった。
【0061】
このように、以上の例では、狭隘流路において気流が高速に流れるため、供給部50によって基板Wの裏面Wbに供給された洗浄液L1,L2は、基板Wの周縁に到達したときに高速の気流に阻まれ、基板Wの周縁部Wcの上面Waに回り込むことが抑制される。その結果、洗浄液L1,L2が基板Wの周縁部Wcの上面Waに回り込むことに伴う液滴の飛散などが発生し難くなるので、基板Wの周縁部Wcの上面Waに対する異物の付着を抑制することが可能となる。また、突出部62と、基板Wの周縁部Wcの上面Waとの間において流れる高速の気流は、基板処理時の基板Wの回転数には依存しない。そのため、基板処理時の基板Wの回転数が低速から高速に至るまで幅広い範囲において、基板Wの周縁部Wcの上面Waに対する異物の付着を抑制することが可能となる。
【0062】
以上の例によれば、整流部材60が、基板Wの周縁部Wcに向けてベース部61から突出する突出部62を含んでいる。そのため、基板Wの周縁近傍において洗浄液L1,L2の液滴、ミスト等の飛散が発生した場合であっても、飛散物の多くが突出部62の外周面S6に付着する。したがって、突出部62の存在によって、基板Wの中心側に飛散物が移動することが抑制される。その結果、基板Wの周縁部Wcの上面Waに対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0063】
以上の例によれば、整流部材60の突出部62が、上下方向から見たときに複数の支持ピン24と重なり合っている。そのため、狭隘流路を流れる高速の気流によって、基板Wが複数の支持ピン24に押し付けられる。したがって、洗浄液L1,L2による基板Wの処理に際して、基板Wの撓みが抑制される。その結果、基板Wをより均一に処理することが可能となる。
【0064】
以上の例によれば、環状部材25が傾斜面S1を含んでいるので、突出部62と、基板Wの周縁部Wcの上面Waとの間を流れた高速の気流が、傾斜面S1に沿って円滑に下流側に導かれる(図6及び図7の矢印Ar4を参照)。そのため、環状部材25と整流部材60との間において、高速の気流の流れが乱れ難い。したがって、基板Wの周縁近傍において洗浄液L1,L2の液滴、ミスト等の飛散が発生した場合であっても、飛散物は、高速の気流に随伴して下流側に流れていき、基板Wの上面Waに付着し難い。その結果、基板Wの周縁部Wcの上面Waに対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0065】
以上の例によれば、整流部材60が処理位置に位置するときに、整流部材60とカバー部材40との隙間が、シール部材63によって封止される。そのため、当該隙間を通じた、外部からの、整流部材60とカバー部材40及び環状部材25との間の内側空間への気体の流入が防止されると共に、当該隙間を通じた、当該内側空間からの、外部への気体の排出が防止される。したがって、当該内部空間が清浄に保たれやすくなるので、当該内部空間において処理される基板Wの周縁部Wcの上面Waに対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0066】
以上の例によれば、整流部材60が上昇位置から処理位置に降下する際に、シール部材63が径方向外方に拡がるように変形しながらカバー部材40の上壁部41に当接する。そのため、整流部材60のカバー部材40に対する水平方向及び上下方向の位置決めが厳格でなくても、整流部材60とカバー部材40との隙間をシール部材63によって封止できる。したがって、簡易な装置構成により、整流部材60とカバー部材40との隙間の封止を実現することが可能となる。
【0067】
以上の例によれば、ベース部材71及びスライダ73によって、整流部材60が処理位置よりも下方に移動することが制止されている。そのため、整流部材60とカバー部材40との接触を避けつつ、整流部材60を所定の処理位置に位置させることが可能となる。
【0068】
以上の例によれば、突出部62の内周面S5は、円錐台形状の面、又は、ラッパ状の湾曲面であってもよい。この場合、上方から基板Wの上面Waに向けて下降する気流が、内周面S5に沿ってより円滑に基板Wの周縁部Wcの上面Waへと流れるようになる。
【0069】
以上の例によれば、突出部62の外周面S6は、上方から下方に向かうにつれて、径方向内方に向けて傾斜していてもよい。この場合、突出部62の外周面S6が、環状部材25の傾斜面S1に沿って延びた状態となるので、突出部62の外周面S6と環状部材25の傾斜面S1との間に形成される下流側流路の幅が変動し難い。そのため、下流側流路が極端に狭くなることで圧力損失が過大となることを抑制しつつ、高速の気流を生成するための所定の長さの狭隘流路を確保することが可能となる。
【0070】
以上の例によれば、突出部62の外周面S6は、整流部材60が処理位置に位置するときに、環状部材25の傾斜面S1と略平行に延びるように対面していてもよい。この場合、下流側流路の幅が略一定となる。そのため、下流側流路の所定幅及び狭隘流路の所定長さをより効果的に確保することが可能となる。
【0071】
以上の例によれば、環状部材25の下面S2の高さ位置は、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの上面Waの高さ位置と同等かそれよりも高くてもよい。この場合、狭隘流路において生成された高速の気流が、突出部62の外周面S6と環状部材25の傾斜面S1との間に形成される下流側流路を流れる気流(第2の分岐流)と、基板Wの周縁と環状部材25の上壁部25aとの間に形成される別の下流側流路を流れる気流(第1の分岐流)とに分岐して流れやすくなる。そのため、洗浄液L1,L2が基板Wの周縁部Wcの上面Waに回り込むことに伴う液滴の飛散などがより発生し難くなるので、基板Wの周縁部Wcの上面Waに対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0072】
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
【0073】
(1)図9に例示されるように、基板洗浄装置1は、供給部80(別の供給部)と、駆動機構90(駆動部)とをさらに備えていてもよい。供給部80は、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの上面Waのうち、上下方向から見たときに、整流部材60の最も内側の周面S7よりも基板Wの外周縁側の領域に向けて洗浄液を供給するように構成されている。換言すれば、図9の例において、供給部80は、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの上面Waのうち、上下方向から見たときに、整流部材60と重なり合う領域に向けて洗浄液を供給するように構成されていてもよい。供給部80は、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの上面Waのうち周縁部Wcに向けて洗浄液を供給するように構成されていてもよい。洗浄液は、例えば、純水などのリンス液であってもよい。
【0074】
供給部80は、整流部材60に部分的に設けられたスリットST内に配置されていてもよい。すなわち、整流部材60は、供給部80の大きさに対応する幅が切りかかれたC字形状(優弧状)を呈していてもよい。供給部80は、本体部81と、ノズル82とを含む。
【0075】
本体部81は、図示しない液源からの洗浄液をノズル82に供給するように構成されている。ノズル82は、基板Wの上面Waに対して洗浄液を吐出するように構成されている。ノズル82の吐出口は、上方から見たときに、基板Wの外周縁の接線に沿う方向に向いていてもよい。当該接線は、上方から見たときに、基板Wの中心とノズル82の吐出口とを結ぶ仮想線が基板Wの外周縁と交差する交点を通るものであってもよい。ノズル82の吐出口は、当該接線よりも基板Wの径方向外方に向いていてもよい。ノズル82の吐出口は、基板Wの回転方向と同じ方向に向いていてもよい。
【0076】
供給部80による洗浄液の基板Wの上面Waへの吐出開始は、供給部50による基板Wの裏面Wbへの洗浄液L1の吐出開始前であってもよい。供給部80による洗浄液の基板Wの上面Waへの吐出停止は、供給部50による基板Wの裏面Wbへの洗浄液L1の吐出完了後で、さらに、供給部50による基板Wの裏面Wbへの洗浄液L2の吐出開始後であってもよい。
【0077】
駆動機構90は、複数の支持ピン24に支持されている基板Wの上方において、供給部80を移動させるように構成されている。駆動機構90は、図9に例示されるように、接続部材91を介して本体部81に接続されていてもよい。駆動機構90は、上方から見たときに、供給部80を基板Wの径方向に沿って移動させるように構成されていてもよい。駆動機構90は、供給部80を上下方向に沿って移動させるように構成されていてもよい。
【0078】
図9の例によれば、供給部80によって供給される洗浄液により、基板Wの裏面Wbに供給された洗浄液L1が基板Wの外周縁を回り込んで基板Wの上面Waに到達することが、抑制される。そのため、基板Wの上面Waの周縁部における異物の発生を抑制することが可能となる。また、狭隘流路において気流が高速に流れているので、供給部80から供給された洗浄液が基板Wに衝突した際にミストが発生したとしても、基板Wの上面Waの中心側にミストが飛散することが抑制される。さらに、供給部80によって供給される洗浄液により、基板Wの上面Waの周縁部に付着したミストが除去される。その結果、基板Wの上面Waに対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0079】
図9の例において、例えば、駆動機構90が供給部80を、基板Wの外周縁の外側から基板Wの中心部側へと移動させてもよい(いわゆる、スキャンイン動作)。この場合、供給部80がスキャンイン動作することにより、供給部80から供給される洗浄液が基板Wの上面Waに着液する際に、液が周囲への飛散を抑制することが可能となる。
【0080】
図9の例において、駆動機構90が供給部80を上下方向に移動させうる。この場合、基板Wに反りなどの変形があったとしても、供給部80からの洗浄液の吐出口(ノズル82の吐出口)と、当該洗浄液の基板Wの上面Waへの着液点との離隔距離を、基板Wの反りなどによらず一定の大きさとしうる。したがって、供給部80から供給された洗浄液が基板Wに衝突した際のミストの飛散が抑制される。その結果、基板Wに反りなどの変形があった場合でも、基板Wの上面Waに対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0081】
[他の例]
例1.基板処理装置の一例は、基板の裏面と当接して基板を支持するように構成された支持部と、支持部に支持されている基板の裏面に向けて処理液を供給するように構成された供給部と、支持部に支持されている基板の周囲を外側から取り囲むように配置された環状部材と、支持部及び環状部材を回転させるように構成された回転部と、環状部材を外側から取り囲むように配置された環状のカバー部材と、カバー部材の上方に配置された環状の整流部材とを備える。環状部材は、環状部材の径方向において、環状部材の中心側に向かうにつれて下方に傾く傾斜面を含む。整流部材は、ベース部と、支持部に支持されている基板の周縁部と対面し、且つ、基板の周縁部に向けてベース部から突出する突出部を含む。突出部は、上下方向から見たときに支持部と重なり合っている。突出部の下面は、支持部に支持されている基板の上面よりも上方で、且つ、環状部材の上面よりも下方に位置している。突出部の内周面は、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している。
【0082】
この場合、整流部材の突出部の内周面が、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している。そのため、上方から基板の上面に向けて下降する気流が、当該内周面に沿って円滑に基板の周縁部の上面へと流れる。加えて、突出部が、支持部に支持されている基板の周縁部と対面しているので、突出部と、基板の周縁部の上面との間の間隔が狭められている。そのため、突出部の内周面によって基板の周縁部の上面へと円滑に導かれた気流は、突出部の下面と、基板の周縁部の上面との間に形成される狭隘流路において高速に流れる。したがって、供給部によって基板の裏面に供給された処理液は、基板の周縁に到達したときに高速の気流に阻まれ、基板の周縁部の上面に回り込むことが抑制される。その結果、処理液が基板の周縁部の上面に回り込むことに伴う液滴の飛散などが発生し難くなるので、基板の周縁部の上面に対する異物の付着を抑制することが可能となる。また、突出部と、基板の周縁部の上面との間において流れる高速の気流は、基板処理時の基板の回転数には依存しない。そのため、基板処理時の基板の回転数が低速から高速に至るまで幅広い範囲において、基板の周縁部の上面に対する異物の付着を抑制することが可能となる。
【0083】
また、例1によれば、整流部材が、基板の周縁部に向けてベース部から突出する突出部を含んでいる。そのため、基板の周縁近傍において処理液の液滴、ミスト等の飛散が発生した場合であっても、飛散物の多くが突出部の外周面に付着する。したがって、突出部の存在によって、基板の中心側に飛散物が移動することが抑制される。その結果、基板の周縁部の上面に対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0084】
さらに、例1によれば、整流部材の突出部が、上下方向から見たときに支持部と重なり合っている。そのため、狭隘流路を流れる高速の気流によって、基板が支持部に押し付けられる。したがって、処理液による基板の処理に際して、基板の撓みが抑制される。その結果、基板をより均一に処理することが可能となる。
【0085】
またさらに、例1によれば、環状部材が上記の傾斜面を含んでいるので、突出部と、基板の周縁部の上面との間を流れた高速の気流が、当該傾斜面に沿って円滑に下流側に導かれる。そのため、環状部材と整流部材との間において、高速の気流の流れが乱れ難い。したがって、基板の周縁近傍において処理液の液滴、ミスト等の飛散が発生した場合であっても、飛散物は、高速の気流に随伴して下流側に流れていき、基板の上面に付着し難い。その結果、基板の周縁部の上面に対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0086】
例2.例1の装置において、整流部材は、基板を支持部に対して搬入出するための上昇位置と、基板を処理するためにカバー部材の上壁部の近傍に位置する処理位置との間で上下動可能に構成されており、整流部材が処理位置に位置するときに、ベース部のうち突出部よりも径方向外方に位置する部分と、カバー部材の上壁部との間を封止するように構成された、環状のシール部材をさらに含んでいてもよい。この場合、整流部材が処理位置に位置するときに、整流部材とカバー部材との隙間が、シール部材によって封止される。そのため、当該隙間を通じた、外部からの、整流部材とカバー部材及び環状部材との間の内側空間への気体の流入が防止されると共に、当該隙間を通じた、当該内側空間からの、外部への気体の排出が防止される。したがって、当該内部空間が清浄に保たれやすくなるので、当該内部空間において処理される基板の周縁部の上面に対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0087】
例3.例2の装置において、シール部材は、可撓性を有する材料によって構成されており、ベース部のうち突出部よりも径方向外方に位置する部分の下面に設けられており、上方から下方に向かうにつれて径方向外方に拡径する筒状の錐台形状を呈していてもよい。この場合、整流部材が上昇位置から処理位置に降下する際に、シール部材が径方向外方に拡がるように変形しながらカバー部材の上壁部に当接する。そのため、整流部材のカバー部材に対する水平方向及び上下方向の位置決めが厳格でなくても、整流部材とカバー部材との隙間をシール部材によって封止できる。したがって、簡易な装置構成により、整流部材とカバー部材との隙間の封止を実現することが可能となる。
【0088】
例4.例2又は例3の装置は、整流部材が処理位置よりも下方に移動することを制止するように構成された制止部材をさらに備えていてもよい。この場合、整流部材とカバー部材との接触を避けつつ、整流部材を所定の処理位置に位置させることが可能となる。
【0089】
例5.例1~例4のいずれかに記載の装置において、突出部の内周面は、円錐台形状の面、又は、ラッパ状の湾曲面であってもよい。この場合、上方から基板の上面に向けて下降する気流が、当該内周面に沿ってより円滑に基板の周縁部の上面へと流れるようになる。
【0090】
例6.例1~例5のいずれかの装置において、突出部の外周面は、上方から下方に向かうにつれて、径方向内方に向けて傾斜していてもよい。この場合、突出部の外周面が、環状部材の傾斜面に沿って延びた状態となるので、突出部の外周面と環状部材の傾斜面との間に形成される下流側流路の幅が変動し難い。そのため、下流側流路が極端に狭くなることで圧力損失が過大となることを抑制しつつ、高速の気流を生成するための所定の長さの狭隘流路を確保することが可能となる。
【0091】
例7.例6の装置において、突出部の外周面は、環状部材の傾斜面と略平行に延びていてもよい。この場合、下流側流路の幅が略一定となる。そのため、下流側流路の所定幅及び狭隘流路の所定長さをより効果的に確保することが可能となる。
【0092】
例8.例1~例7のいずれかの装置において、環状部材の下面の高さ位置は、支持部に支持されている基板の上面の高さ位置と同等かそれよりも高くてもよい。この場合、狭隘流路において生成された高速の気流が、突出部の外周面と環状部材の傾斜面との間に形成される下流側流路と、基板の周縁と環状部材との間に形成される別の下流側流路とに分岐して流れやすくなる。そのため、処理液が基板の周縁部の上面に回り込むことに伴う液滴の飛散などがより発生し難くなるので、基板の周縁部の上面に対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0093】
例9.例1~例8のいずれかの装置は、支持部に支持されている基板の上面のうち、上下方向から見たときに、整流部材の最も内側の周面よりも基板の外周縁側の領域に向けて洗浄液を供給するように構成された別の供給部をさらに備えていてもよい。この場合、別の供給部によって供給される洗浄液により、基板の裏面に供給された処理液が基板の外周縁を回り込んで基板の上面に到達することが、抑制される。そのため、基板の上面の周縁部における異物の発生を抑制することが可能となる。また、狭隘流路において気流が高速に流れているので、別の供給部から供給された洗浄液が基板に衝突した際にミストが発生したとしても、基板の上面の中心側にミストが飛散することが抑制される。さらに、別の供給部によって供給される洗浄液により、基板の上面の周縁部に付着したミストが除去される。その結果、基板の上面に対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0094】
例10.例9の装置は、支持部に支持されている基板の上方において別の供給部を移動させるように構成された駆動部をさらに備えていてもよい。例10の場合、駆動部が別の供給部を基板の径方向に移動させてもよい。例えば、駆動部が別の供給部を、基板の外周縁の外側から基板の中心部側へと移動させてもよい(いわゆる、スキャンイン動作)。別の供給部がスキャンイン動作することにより、別の供給部から供給される洗浄液が基板の上面に着液する際に、液が周囲への飛散を抑制することが可能となる。また、例10の場合、駆動部が別の供給部を上下方向に移動させてもよい。そのため、基板に反りなどの変形があったとしても、別の供給部からの洗浄液の吐出口と、当該洗浄液の基板の上面への着液点との離隔距離を、基板の反りなどによらず一定の大きさとしうる。したがって、別の供給部から供給された洗浄液が基板に衝突した際のミストの飛散が抑制される。その結果、基板に反りなどの変形があった場合でも、基板の上面に対する異物の付着をより抑制することが可能となる。
【0095】
例11.基板処理方法の一例は、基板の裏面と当接することにより基板を支持する支持部と、基板の周囲を取り囲むように配置された環状部材とが回転すると共に、環状部材を外側から取り囲む環状のカバー部材の上方に環状の整流部材が配置されている状態で、基板の裏面に洗浄液を供給することを含む。整流部材は、ベース部と、支持部に支持されている基板の周縁部と対面し、且つ、基板の周縁部に向けてベース部から突出する突出部を含む。突出部は、上下方向から見たときに支持部と重なり合っている。突出部の下面は、支持部に支持されている基板の上面よりも上方で、且つ、環状部材の上面よりも下方に位置している。突出部の内周面は、上方から下方に向かうにつれて、径方向外方に向けて傾斜している。この場合、例1の装置と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0096】
1…基板洗浄装置(基板処理装置)、20…回転部、24…支持ピン(支持部)、25…環状部材、40…カバー部材、41…上壁部、50…供給部、60…整流部材、61…ベース部、62…突出部、63…シール部材、70…昇降部、71…ベース部材(制止部材)、73…スライダ(制止部材)、80…供給部(別の供給部)、90…駆動機構(駆動部)、Ctr…コントローラ(制御部)、S1…傾斜面、S2…下面、S3…上面、S4…下面、S5…内周面、S6…外周面、S7…周面、W…基板、Wa…上面、Wb…裏面、Wc…周縁部。
図1
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図9