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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000997
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】試験測定システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/20 20060101AFI20231226BHJP
   G01R 23/16 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G01R13/20 L
G01R13/20 R
G01R23/16 E
G01R23/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101573
(22)【出願日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】63/353,950
(32)【優先日】2022-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/209,110
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・イー・パターソン
(57)【要約】
【課題】入力信号の信号分析を効果的に行えるようにする。
【解決手段】試験測定システム900には、被試験デバイス(DUT)990からの入力信号を受けるポート902と、入力信号から第1及び第2測定データを生成する測定ユニット908と、主成分プロセッサ920とがある。主成分抽出部922は、主成分分析を使用して第1及び第2測定データから少なくとも1つの主成分を導出する。主成分マッパ924は、第1測定データ及び第2測定データを、少なくとも1つの主成分から導出した主成分領域に再マッピングする。主成分統計プロセッサ926は、再マッピングされたデータから統計データを生成する。主成分プロッタ928は、ヒストグラム等のプロットを生成する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイス(DUT)からの入力信号を受ける入力部と、
上記入力信号から第1測定データ及び第2測定データを生成する測定ユニットと、
1つ以上のプロセッサとを具え、
該プロセッサが、
主成分分析を用いて上記第1及び第2測定データから少なくとも1つの主成分を導出する処理と、
上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記少なくとも1つの主成分から導出した主成分領域に再マッピングする処理とを行うよう構成される試験測定システム。
【請求項2】
上記1つ以上のプロセッサが、再マッピングされたデータについて統計分析を行うように更に構成される請求項1の試験測定システム。
【請求項3】
上記統計分析が平均分析と標準偏差分析を含む請求項2の試験測定システム。
【請求項4】
上記1つ以上のプロセッサが、
上記再マッピングされたデータからプロットを生成する処理と、
出力ディスプレイに上記プロットを表示する処理と
を行うように更に構成される請求項1の試験測定システム。
【請求項5】
上記1つ以上のプロセッサが、
上記主成分領域の全ての成分よりも少ない成分の情報を用いて、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記主成分領域から測定領域に再マッピングする処理を行うように構成される請求項1の試験測定システム。
【請求項6】
上記測定ユニットによってN組の測定データが生成され、上記1つ以上のプロセッサが、上記N組の測定データからM(Mは、1からNのいずれか)個の主成分を導出するように構成される請求項1の試験測定システム。
【請求項7】
被試験デバイス(DUT)から入力信号を受信する処理と、
上記入力信号から第1測定データを生成する処理と、
上記入力信号から第2測定データを生成する処理と、
主成分分析を用いて上記第1及び第2測定データから少なくとも1つの主成分を導出する処理と、
上記第1測定データ及び上記第2測定データを、上記少なくとも1つの主成分から導出した主成分領域に再マッピングする処理と
を具える試験測定方法。
【請求項8】
再マッピングされたデータについて統計分析を行う処理を更に具える請求項7の試験測定方法。
【請求項9】
上記統計分析が、平均分析及び標準偏差分析を含む請求項8の試験測定方法。
【請求項10】
再マッピングされたデータからプロットを生成する処理と、
出力ディスプレイに上記プロットを表示する処理と
を更に具える請求項7の試験測定方法。
【請求項11】
上記プロットが、ヒストグラム、時間トレンド・プロット又はスペクトル表示である請求項10の試験測定方法。
【請求項12】
上記主成分領域の全ての成分よりも少ない成分の情報を用いて、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記主成分領域から測定領域に再マッピングする処理を更に具える請求項7の試験測定方法。
【請求項13】
上記入力信号からN組の測定データを生成する処理と、上記N組の測定データからM(Mは、1からNのいずれか)個の主成分を導出する処理とを更に具える請求項7の試験測定方法。
【請求項14】
コンピュータ・プログラムであって、コンピューティング・デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンピューティング・デバイスに、請求項7から13のいずれかの方法を実行させるコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定システムに関し、より詳細には、試験測定装置を用いて収集された測定データに対して主成分分析を行うための機能を含む試験測定システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最新のオシロスコープその他の試験測定装置は、被試験デバイス(DUT)からの信号を受け取り、これらの信号に対して様々な測定を実行する。多くの場合、信号からもデータが収集され、この収集されたデータに対して測定と分析が行われることがある。測定された電圧、電流又は電力に基づく閾値試験のような、測定されたパラメータに対する試験が実行されることがある。また、試験や測定が実行される前に、入力信号の変換が実行されることもある。例えば、試験測定装置は、時間領域で入力信号を受け入れ、信号に対してフーリエ変換を実行して周波数領域に変換し、周波数領域で目的の試験又は測定を行うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2022-509267号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「テクトロニクス社製オシロスコープ」の紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2023年6月15日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/oscilloscopes>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、データは、入力信号から収集されてもよく、場合によっては、試験測定装置が、入力信号の特性を表すデータを生成することもある。従来のオシロスコープの中には、このデータに対して、統計処理などの単純なデータ処理を行ったり、ヒストグラムやタイミング・トレンドを使用してデータをプロットしたりする場合があるが、概して、従来の試験測定装置のデータ分析ツールは、単純なツールとプロセスに限定されている。
【0006】
本開示による実施形態は、従来の試験測定装置に見られるこれら及び他の制約を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態としては、被試験デバイス(DUT)から装置によって受信された測定値又はデータに対して主成分分析(Principal Component Analysis:PCA)を実行できるオシロスコープなどの試験測定装置がある。PCAは、DUTから受信した測定データなどの大規模なデータ・セットについて動作する。これらのデータ・セットに対してPCAを実行すると、ユーザは、どの変数(データに含まれる測定値など)がデータに関する情報を最も多く含んでいるかを判断できる。概して、PCAは、行列の分解(matrix decomposition)、即ち、行列を行列の積に因数分解するものであり、これにより、ユーザは、測定データを生成した測定領域とは異なる領域のことがある主要成分の領域において、測定値を分析し、洞察を引き出すことができる。測定領域から主成分領域にデータを再マッピングするPCAの機能は、いくつかの点で、例えば、時間領域で収集されたデータを周波数領域の測定値へ変換し、データの特性を再評価するフーリエ変換に似ている。PCAツールを使用すると、ユーザは、PCA分析なしでは認識できなかった特定の測定値に関する関係を判別できる場合がある。また、PCA分析は、複数の変数を分析し、どの変数が互いに相関しているかを判断するのに特に強力である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示技術の実施形態による主成分分析機能を有する試験測定装置が、収集したデータの集合に主成分分析をどのようにして適用するかを示すグラフである。
図2図2は、本開示技術の実施形態による主成分分析機能を有する試験測定装置によって収集されたデータの集合体のグラフである。
図3A図3Aは、現在の試験測定装置における従来のデータ処理の限界を示す観測データ(生データ)及びソートされたデータ・サンプルのグラフである。
図3B図3Bは、現在の試験測定装置における従来のデータ処理の限界を示す観測データ(生データ)及びソートされたデータ・サンプルのグラフである。
図4A図4Aは、主成分分析機能を含む試験測定装置が、本開示技術の実施形態によるデータ分析の工程をどのように適用できるかを示すヒストグラム・グラフのセットを示す。
図4B図4Bは、主成分分析機能を含む試験測定装置が、本開示技術の実施形態によるデータ分析の工程をどのように適用するかを示すヒストグラム・グラフのセットを示す。
図5A図5Aは、主成分分析機能を含む試験測定装置が、開示技術の実施形態によるデータ分析の別の工程をどのように適用するかを示すグラフである。
図5B図5Bは、主成分分析機能を含む試験測定装置が、開示技術の実施形態によるデータ分析の別の工程をどのように適用するかを示すグラフである。
図6図6は、本開示技術の実施形態による、単一の主成分のみを用いた再生成されたデータを示す図である。
図7A図7Aは、本開示技術の実施形態による、主成分分析機能を含む試験測定装置が、主成分分析の結果をどのようにユーザに提示できるかを示す時間トレンド・グラフである。
図7B図7Bは、本開示技術の実施形態による、主成分分析機能を含む試験測定装置が、主成分分析の結果をどのようにユーザに提示できるかを示す時間トレンド・グラフである。
図8A図8Aは、本開示技術の実施形態による、主成分分析を含む試験測定装置が、主成分分析の結果をどのようにユーザに表示できるかを示すスペクトル・グラフである。
図8B図8Bは、本開示技術の実施形態による、主成分分析を含む試験測定装置が、主成分分析の結果をどのようにユーザに表示できるかを示すスペクトル・グラフである。
図9図9は、本開示技術の実施形態による主成分分析機能を含む試験測定装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上述のように、PCAは、データのセットに対して動作する。図1は、本開示技術の実施形態による主成分分析機能を有するオシロスコープ等の試験測定装置が、収集したデータの集合に主成分分析をどのようにして適用するかを示すグラフであり、PCAの基本的な基礎の1つを示すデータのチャート10である。チャート10のデータは、X成分とY成分を有するデータであると仮定する。データは、XY成分に従ってチャート10上にマッピングされる。PCAは、座標変換によって測定領域から主成分領域にデータをマッピングする。
【0010】
主成分軸を見つけるために、以下に説明するプロセスで、測定データについて、特異値分解(Singular Value Decomposition)が実行される。主成分軸(この場合は軸20)は、データ・セットからのデータがこの特定の軸に投影されたときに、常に最大の分散を持つ軸になる。データのセットついて特異値分解を実行するためには、オリジナルのデータに対して任意の方向で軸を生成し、この任意の軸にデータ・セットを投影することを想定すると良い。現在の軸に対する投影データの分散を記録し、オリジナルのデータを新しい任意の軸に投影して、このプロセスを繰り返す。このプロセスは、考えられる全ての軸の方向で繰り返される。全ての可能な軸が生成されたら、各軸の分散データが分析され、オリジナルのデータが投影されたときに、分散が最も大きい軸が決定される。分散が最も大きい軸が、主成分軸である。つまり、主成分軸は、測定データの分散が最も大きい方向を向く。
【0011】
図1のデータ・セットでは、主成分軸は、軸20としてラベルが付されている。他の軸も、変数(データ内の測定値)毎に1つとして、生成しても良い。PCAでは、図1に示すように、主成分軸の夫々は、互いに直交しているため、副成分軸30は、主成分軸20と直交している。PCAは、フィード・フォワード・イコライザ(FFE)タップや、様々なレベルの信号で伝送されるデータなど、測定値が線形に依存する場合に特に有益である。なお、PCA分析を用いた可視化を含む測定データの可視化は、測定値の個数が3個以上になると、次第に難しくなるが、測定値の個数が少なめであれば、分析に有用なツールである。PCAが測定データの分析に役立つ理由の1つは、PCAが主成分の階層的な結果を生成することである。このため、ユーザは、統計分析又はプロットに使用する主成分を体系的に選択できる。
【0012】
図2は、ノン・リターン・トゥ・ゼロ(Non-Return-To-Zero:NRZ)符号化(coding)を用いるシステムから、オシロスコープ等の試験測定装置で収集した測定データを示しており、NRZのレベルには、線形な依存性がある。このデータは、1000組の線形依存データで生成される。言い換えると、記録される測定値は、次の数式1に従って、平均とは反対の方向(opposite directions)に同時に移動する。
[数式1]
lvl1=x1+xn
lvl0=x0+xn

ここで、x1は、区間[0.8, 1]中に一様に分布し、x0=-2x1+1であり、xnは、標準偏差が0.1のゼロ平均(zero-mean)ガウス・ノイズである。なお、数式1中、lvlは、レベル(level)を意味する。
【0013】
図2に示す測定データを従来の方法で分析したものを図3A及び3Bに示す。測定されたレベルの瞬間的な測定値やトレンドの観測では、記録されたデータに関する重要な情報は明らかにならないことに注意されたい。図3A及び図3Bでは、0~1000の間のサンプル番号夫々に関する瞬間的な測定値が示されている。なお、図3Aでは下降し、図3Bでは上昇している比較的直線に近い形の暗い線は、測定値をソートした(sorted:並べ替えた)順に示している。
【0014】
しかし、記録されたデータにPCAを使用すると、図3A及び3Bに示すような従来のツールでは認識できないデータ内の線形関係を明らかにすることができる。
【0015】
まず、PCAを実行するために、特異値分解を使用して測定データから主成分を抽出し、上述の主成分軸を決定する。次に、主成分が導出された後、元々は測定領域で収集された測定値を、主成分(Principal Component:PC)領域に投影する。ここで、各PCは、複数のレベルの線形な組み合わせである。
【0016】
【数2】
例えば、数式2を使用すると、レベル[1, -1]Vが、[-0.223, 0.0002]にマッピングされる。なお、数式2において、「lvl」は、レベル(level)を意味する。
【0017】
主成分1の軸(PC1)と主成分2の軸(PC2)を図2に示す。これらは、図2の測定データに対して、このPC分析を行って求めたものである。なお、PC2軸は、PC1軸と直交していることに注意されたい。
【0018】
これら主成分、従って、PC領域が導出された後、そして、オリジナルの測定データもPC領域に投影された後、オリジナルのデータだけでは不可能なデータ分析を進めても良い。例えば、ユーザが測定値のヒストグラムを生成しても良く、これにより、ユーザは、測定対象データの挙動を調査できる。図4Aは、測定領域でのレベル1及びレベル0のデータの測定値ヒストグラムを示し、図4Bは、測定データを最初の2つの主成分領域であるPC1とPC2に投影した後の測定データのヒストグラムを示している。図4Bは2つの別々のヒストグラムを示しており、1つは測定データを第1主成分PC1に投影してビン毎に分割し、もう1つのグラフは測定データを第2主成分PC2に投影してビン毎に分割したものである。上述のように、PC2は、PC1と直交している点に注意されたい。
【0019】
オリジナルの測定データに関する情報が、ほとんどわからないプロット図3A及び3Bとは異なり、図4Bに示されているヒストグラムは、変換されたデータをビン毎に分割すると、パターンが現れるように、測定データに関する有用な情報が得られる。PC1のビン毎に分割したデータは、中央部分のほとんどのビンは、それらの測定値がほぼ同じであるのに対し、PC2のビン毎に分割したデータは、ガウス分布のように見えることを示している。
【0020】
更に、図5Aと5Bにマッピングされた特異値(singular values)は、主成分に捕捉された電力を明らかにする。図5Aは、特異値分解プロセス中に計算されるシグマ行列から得られる2つの特異値をプロットしている。シグマ行列は、そのPC軸に沿った分散又は標準偏差を提供する。これは、そのPCに取り込まれた「パワー(電力)」と考えることができる。図5Bは、正規化累積パワー(電力)又は「エネルギー」のグラフである。図5Bの「1」のデータ・ポイントの値は0.92で、図5Aでグラフ化されたデータから計算できる。図5Aでは、その合計(累積値)は、4.3である(線より下の領域の台形の面積)。次に、累積パワーに関する図5Bにおける「1」のデータ・ポイントは、図5Aにおける「1」のデータ・ポイントの値4を、その合計4.3で割る(正規化する)ことで、約0.92と得られる。累積パワーに関する図5Bにおける「2」のデータ・ポイントは、図5Aにおける「2」のデータ・ポイントまでの累積値4.3を同じ累積値4.3で割るので、1.0になり、図5Bの「2」のデータ・ポイントの値としてグラフ化される。従って、この例では、測定値の分散の92%が第1のPC(PC1)でキャプチャされる。これは、2つの測定値、つまり図2で最初にマッピングされたデータが、互いに線形に依存していることを意味する。PC2の標準偏差は、上記の数式1のノイズの標準偏差とまったく同じである。その特異値との関係は、次の数式Aに示される。
【数A】

ここで、Nは、観察の数である。従って、測定値をPC1のみから再構築すると、図6の「1主成分からの概算データ」が示すように、観測データのノイズを除去/低減する効果がある。
【0021】
具体的には、図6では、オリジナルのデータは、多数の特異点として示されているが、PC2を使用せず、PC1のみを使用して再構築されたデータは、はるかに緊密なデータの集合として示されている。この再構築データを生成するため、上述のように、オリジナルの測定データがPC領域に再マッピングされている。その後、PC2からのデータへの寄与が除去され、残りのデータを再び測定領域に再マッピングしている。PC2にはノイズが存在しており、これは、図4Bで測定データを第2主成分PC2に投影してビン毎に分割したものがガウス曲線に似ているとして観測されるが、PC領域からオリジナルの測定領域にデータを再マッピングする際にPC2成分を除去することで、ノイズを除去する。オリジナルのデータと比較して、図6の再構築データが、どれくらい一層線形になって現れているかに注意されたい。
【0022】
一般に、PCAは2つ以上の測定値の母集団に対して実行される。母集団は、単一のデータ取得(acquisition)又は複数のデータ取得(acquisitions)に基づくことがある。この場合、ユーザは、以下で説明するように、試験測定装置の標準的なユーザ・インタフェースを介して測定値を照会できる。
【0023】
全体のPCA測定でN回の測定が設定されている場合、最大N個のPCを分析しても良いが、PCの個数を測定回数と等しくすることが必須なわけではない。例えば、

1. 測定値A(測定領域で)
2. 測定値B(測定領域で)
3. 測定値C(測定領域で)
4. PCA(測定値A及び測定値Bを使用するように設定)

a. PC1=V11*測定値A+V12*測定値B(PC領域で)
b. PC2=V21*測定値A+V22*測定値B(PC領域で)
【0024】
ユーザがPC1及びPC2分析を実行した後、本開示による実施形態によれば、ユーザが試験測定装置のユーザに馴染みのある統計値及びプロットを通じてPCA結果を観察できる。この例では、測定値Cは、測定領域の形式のままであり、これは、全ての測定値がPCAの一部である必要はないことを示している。代わりに、ユーザは、測定領域で行われた測定値とPC領域で分析されたデータとの組み合わせを、全体的な分析のために使用しても良い。
【0025】
PC1及びPC2分析の統計値には、統計処理と、平均、標準偏差、最大値及び最小値などの統計的な結果とが含まれても良い。PCA分析を示すプロットとしては、図4Bに図示されるようなヒストグラム、図7A及び図7Bに図示されるような時間トレンド・プロット、並びに、図8A及び8Bに示されるようなスペクトル・プロットなど、ユーザに馴染みのある典型的なプロットであっても良い。これらの図では、4BのヒストグラムはPC領域であり、時間トレンド・プロットとスペクトル・プロットは測定領域であるが、ユーザは、分析及び表示のために、測定領域又はPC領域のいずれかから任意のプロットを選択できる。
【0026】
本開示技術の実施形態は、上述のPCA動作を実施するために特定のハードウェアやソフトウェア上で動作する。図9は、本願に開示される開示技術の実施形態を実施するためのオシロスコープ又はスペクトラム・アナライザなどの例示的な試験測定装置900のブロック図である。試験測定装置900には、1つ以上のポート902があり、これらは任意の信号伝達媒体であっても良い。ポート902は、レシーバ、トランスミッタやトランシーバを有していても良い。各ポート902は、試験測定装置900のチャンネル(Ch)である。ポート902は、1つ以上の被試験デバイス(DUT)990からポート902で受信した信号や波形を処理するために、1つ以上のプロセッサ916と結合される。いくつかの実施形態では、これらポートは、1つのDUT990から複数の信号を受けるか、又は、1つ以上のDUTからの複数の信号を受けても良い。図2では、DUT990からの2つの信号(チャンネル1、チャンネル2)をポートで受けることが図示されているが、試験測定装置900は、最大でポート902の数まで、任意の数の入力信号を受けることができる。また、簡潔に図示するため、図9では、プロセッサ916を1つだけ示しているが、当業者であればわかるように、単一のプロセッサ916ではなく、様々なタイプの複数のプロセッサ916を試験測定装置900において組み合わせて使用しても良い。
【0027】
ポート902は、更に、試験測定装置900内の測定ユニット908に接続される。測定ユニット908としては、ポート902を介して受信された信号の特性(例えば、電圧、アンペア数、振幅、電力、エネルギーなど)を測定できる任意のコンポーネントがあっても良い。試験測定装置900は、更なる分析のために受信信号を波形に変換するための、コンディショニング回路、アナログ・デジタル・コンバータ、その他の回路などの追加のハードウェアやプロセッサを有していても良い。得られた波形は、次いで、メモリ910に記憶することができ、また、ディスプレイ912に表示することもできる。
【0028】
1つ以上のプロセッサ916は、メモリ910からの命令を実行するように構成されてもよく、試験測定装置が受信した入力信号を表示及び変更するなど、そのような命令によって示される任意の方法や関連するステップを実行しても良い。メモリ910は、プロセッサ・キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ディスク・ドライブ又は任意の他のメモリ形式として実装されても良い。メモリ910は、取得したサンプル波形、コンピュータ・プログラム・プロダクト、その他の命令などのデータを記憶するための媒体として機能する。
【0029】
ユーザ入力部914は、プロセッサ916に結合される。ユーザ入力部914は、試験測定装置900をセットアップ及び操作するためにユーザによって利用できるキーボード、マウス、タッチスクリーン、その他の任意の操作装置を有していても良い。ユーザ入力部914は、ディスプレイ912と連動して動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェース又はテキスト/文字インタフェースを有していても良い。ユーザ入力部914は、試験測定装置900自体上又はリモート・デバイスのいずれかから、リモート・コマンド又はプログラム形式のコマンドを受信しても良い。ディスプレイ912は、波形、測定値及び他のデータをユーザに表示するデジタル・スクリーン、ブラウン管ベースのディスプレイ、その他の任意のモニタであっても良い。試験装置900のコンポーネントは、試験測定装置900内に統合されているものとして描かれているが、これらのコンポーネントのいずれかが試験装置900の外部にあっても良く、従来の任意の方法(例えば、有線や無線の通信メディアやメカニズム)で試験装置900に結合されても良いことが、当業者には理解できよう。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイ912が、試験測定装置900から離れていてもよく、又は、試験測定装置900は、装置900上で表示することに加えて、出力をリモート・デバイスに送信するように構成されても良い。更なる実施形態では、試験測定装置900からの出力は、クラウド・デバイスなどのリモート・デバイスに送信されるか又は格納されても良く、これに、クラウド・デバイスに結合された他のマシンからアクセス可能としても良い。
【0030】
試験測定装置900には、主成分プロセッサ920があっても良く、これは、上述した1つ以上のプロセッサ916とは別個のプロセッサであっても良いし、又は、主成分プロセッサ920の機能が1つ以上のプロセッサ916に統合されても良い。更に、主成分プロセッサ920は、別個のメモリ、上述のメモリ910又は試験測定装置900によってアクセス可能な他の任意のメモリを有していても良い。主成分プロセッサ920は、上述の機能を実装するための専用のプロセッサ又は演算能力を有していても良い。例えば、主成分プロセッサ920は、2組以上の測定データに対して主成分分析を実行するために使用される主成分抽出部922を有していても良い。主成分プロセッサ920は、上述したように、オリジナルのデータ・セットに対して特異値分解処理を実行しても良い。次いで、主成分(PC)領域マッパ(mapper)924は、元の測定領域から、主成分抽出部922によって導出された主成分領域に測定データをマッピングしても良い。測定データが主成分領域にマッピングされると、再マッピングされたデータについて様々な統計値とプロットを生成しても良い。例えば、主成分(PC)統計プロセッサ926は、平均、標準偏差、最大値及び最小値を含む、再マッピングされたデータから導出される統計データ(統計値)を生成しても良い。更に、主成分(PC)プロッタ928は、測定データの分析においてユーザに有用なヒストグラム、時間トレンド・プロット及びスペクトル図を生成しても良い。
【0031】
主成分抽出部922、PC領域マッパ924、PC統計プロセッサ926及びPCプロッタ928を含む主成分プロセッサ920のコンポーネントのいずれか又は全てが、1つ以上の別個のプロセッサで実装されても良いし、本願に記載されるこれら別々の機能が、専用プロセッサ又は汎用プロセッサにおいて、事前プログラムされた専用の演算機能として実装されても良い。更に、上述したように、主成分プロセッサ920のコンポーネント又は機能のいずれか又は全てが、試験測定装置900を制御する1つ以上のプロセッサ916に統合されても良い。
【0032】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0033】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0034】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0035】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。

実施例
【0036】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0037】
実施例1は、システムであって、被試験デバイス(DUT)からの入力信号を受ける入力部と、上記入力信号から第1測定データ及び第2測定データを生成する測定ユニットと、1つ以上のプロセッサとを具え、該プロセッサが、主成分分析を用いて上記第1及び第2測定データから少なくとも1つの主成分を導出する処理と、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記少なくとも1つの主成分から導出した主成分領域に再マッピングする処理とを行うよう構成される。
【0038】
実施例2は、実施例1によるシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、再マッピングされたデータについて統計分析を行うように更に構成されている。
【0039】
実施例3は、実施例2によるシステムであって、上記統計分析が平均分析と標準偏差分析を含む。
【0040】
実施例4は、実施例2又は実施例3によるシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、上記統計分析の結果を出力ディスプレイに表示する処理を行うよう更に構成されている。
【0041】
実施例5は、先行する例のいずれかによるシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、上記再マッピングされたデータからプロットを生成する処理と、出力ディスプレイに上記プロットを表示する処理とを行うように更に構成される。
【0042】
実施例6は、実施例5によるシステムであって、上記プロットが、ヒストグラム、時間トレンド・プロット又はスペクトル表示である。
【0043】
実施例7は、先行する実施例のいずれかによるシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、単一の主成分のみからの情報を使用して、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記主成分領域から測定領域に再マッピングする処理を行うように更に構成されている。
【0044】
実施例8は、先行する実施例のいずれかによるシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、上記主成分領域の全ての成分よりも少ない成分の情報を用いて、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記主成分領域から測定領域に再マッピングする処理を行うように構成されている。
【0045】
実施例9は、先行する例のいずれかによるシステムであって、上記測定ユニットによってN組の測定データが生成され、上記1つ以上のプロセッサが、上記N組の測定データからM(Mは、1からNのいずれか)個の主成分を導出するように構成される。
【0046】
実施例10は、方法であって、被試験デバイス(DUT)から入力信号を受信する処理と、上記入力信号から第1測定データを生成する処理と、上記入力信号から第2測定データを生成する処理と、主成分分析を用いて上記第1及び第2測定データから少なくとも1つの主成分を導出する処理と、上記第1測定データ及び上記第2測定データを、上記少なくとも1つの主成分から導出した主成分領域に再マッピングする処理とを具える。
【0047】
実施例11は、実施例10に係る方法であって、再マッピングされたデータについて統計分析を行う処理を更に具える。
【0048】
実施例12は、実施例11に係る方法であって、上記統計分析が、平均分析及び標準偏差分析を含む。
【0049】
実施例13は、実施例11又は実施例12のいずれかによる方法であって、上記統計分析の結果を出力ディスプレイに表示する処理を更に具える。
【0050】
実施例14は、先行する方法例のいずれかによる方法であって、再マッピングされたデータからプロットを生成する処理と、出力ディスプレイに上記プロットを表示する処理とを更に具える。
【0051】
実施例15は、実施例14による方法であって、上記プロットが、ヒストグラム、時間トレンド・プロット又はスペクトル表示である。
【0052】
実施例16は、先行する実施例のいずれかによる方法であって、単一の主成分のみからの情報を用いて、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記主成分領域から測定領域に再マッピングする処理を更に具える。
【0053】
実施例17は、先行する実施例のいずれかによる方法であって、上記主成分領域の全ての成分よりも少ない成分の情報を用いて、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記主成分領域から測定領域に再マッピングする処理を更に具える。
【0054】
実施例18は、先行する例のいずれかによる方法であって、上記入力信号からN組の測定データを生成する処理と、上記N組の測定データからM個の主成分を導出する処理と(ここでMは、範囲[1,N]にある、即ち、1からNのいずれかである)を更に具える。
【0055】
実施例19は、コンピュータ・プログラムであって、コンピューティング・デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンピューティング・デバイスに、被試験デバイス(DUT)から入力信号を受信する処理と、上記入力信号から第1測定データを生成する処理と、上記入力信号から第2測定データを生成する処理と、主成分分析を用いて上記第1及び第2測定データから少なくとも1つの主成分を導出する処理と、上記第1測定データ及び上記第2測定データを、少なくとも1つの主成分から導出された主成分領域に再マッピングする処理とを行わせる。
【0056】
実施例20は、実施例19によるコンピュータ・プログラムであって、上記コンピューティング・デバイスの上記1つ以上のプロセッサによって実行されると、上記コンピューティング・デバイスに、更に上記再マッピングされたデータについて統計分析を行わせる。
【0057】
実施例21は、実施例19~20のいずれかに記載のコンピュータ・プログラムであって、上記コンピューティング・デバイスの上記1つ以上のプロセッサによって実行されると、上記コンピューティング・デバイスに、更に、上記コンピューティング・デバイスが、単一の主成分のみからの情報を使用して、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記主成分領域から測定領域に再マップする処理を行わせる。
【0058】
実施例22は、実施例19~20のいずれかに記載のコンピュータ・プログラムであって、上記コンピューティング・デバイスの上記1つ以上のプロセッサによって実行されると、上記コンピューティング・デバイスに、上記主成分領域の全ての成分よりも少ない成分の情報を用いて、上記第1測定データ及び上記第2測定データを上記主成分領域から測定領域に再マッピングする処理を行わせる。
【0059】
開示された本件の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0060】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書での開示技術は、これら特定の特徴のあり得る全ての組み合わせを含むと理解すべきである。例えば、ある特定の特徴が特定の形態に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の形態との関連においても利用できる。
【0061】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0062】
説明の都合上、本開示技術の具体的な態様を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本開示技術は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0063】
20 主成分軸
30 副成分軸
900 試験測定装置
902 ポート
908 測定ユニット
910 メモリ
912 ディスプレイ
914 ユーザ入力部
916 プロセッサ
920 主成分プロセッサ
922 主成分抽出部
924 主成分マッパ
926 主成分統計プロセッサ
928 主成分プロッタ
990 被試験デバイス(DUT)
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9