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特開2024-99717マルチ周波数無線周波数(RF)バイアス用のRFフィルタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099717
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】マルチ周波数無線周波数(RF)バイアス用のRFフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/09 20060101AFI20240718BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20240718BHJP
【FI】
H03H7/09 A
H05H1/46 A
H05H1/46 R
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024071034
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2020519440の分割
【原出願日】2018-10-02
(31)【優先権主張番号】15/727,516
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ロング・マオリン
【テーマコード(参考)】
2G084
5J024
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB14
2G084BB34
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD15
2G084DD38
2G084DD55
5J024AA01
5J024BA05
5J024CA06
5J024DA01
5J024DA25
5J024EA01
5J024EA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】RF電力が侵入することなく、RF電極内の加熱素子に提供されるRFフィルタを提供する。
【解決手段】無線周波数(RF)フィルタは、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを集合的に形成する複数のコイルセクションを有する誘導素子を含む。コイルセクションは、異なる巻ピッチを有する。ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成される。ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、第1の端部において、電源から電力を受け取ることになる電気部品へ接続され、ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、第2の端部において、電源に接続される。終端容量素子は、誘導素子の第2の端部と電源との間のそれぞれの場所で、基準接地電位とツイスト磁気ワイヤのケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)フィルタであって、
ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを含む誘導素子であって、各コイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含み、少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有し、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第1の端部において、電源から電力を受け取ることになる電気部品への接続用に構成され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第2の端部において、前記電源への接続用に構成される誘導素子と、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤのための別個の終端容量素子を含む一組の終端容量素子であって、各終端容量素子は、前記誘導素子の前記第2の端部と前記電源との間の場所で、基準接地電位と前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続される一組の終端容量素子と
を備える、RFフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、前記少なくとも2つのコイルセクションの隣接するコイルセクション間の各移行部を介した連続的な構成を有する、RFフィルタ。
【請求項3】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記少なくとも2つのコイルセクションは、前記RFフィルタによってフィルタリングされる対応するRF周波数に関連付けられる、RFフィルタ。
【請求項4】
請求項3に記載のRFフィルタであって、
所与のコイルセクションの前記巻ピッチは、前記所与のコイルセクションが、前記RFフィルタによってフィルタリングされる前記対応するRF周波数の1つと共振するように設定される、RFフィルタ。
【請求項5】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤは、電気絶縁コーティング材料でコーティングされた導電体である、RFフィルタ。
【請求項6】
請求項5に記載のRFフィルタであって、
前記電気絶縁コーティング材料は、低周波電流のワイヤ間導通を防止するとともに、RF電力のワイヤ間伝送を可能にする、RFフィルタ。
【請求項7】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
少なくとも1つのコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる複数層の巻層を含み、前記複数層の巻層は、前記誘導素子の軸に対して半径方向に積み重ねられる、RFフィルタ。
【請求項8】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
少なくとも2つのコイルセクションは、前記誘導素子の軸に沿って測定される長さが異なる、RFフィルタ。
【請求項9】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクションで巻径が異なる、RFフィルタ。
【請求項10】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクションで巻形状が異なる、RFフィルタ。
【請求項11】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、8つのワイヤを含み、4つのチャネル用に構成され、前記少なくとも2つのコイルセクションの数は2つである、RFフィルタ。
【請求項12】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、前記少なくとも2つのコイルセクションで巻径が実質的に同じであり、前記誘導素子の前記第1の端部に接続する第1のコイルセクションの前記巻ピッチは、前記誘導素子の前記第2の端部に接続する第2のコイルセクションの前記巻ピッチよりも大きい、RFフィルタ。
【請求項13】
請求項12に記載のRFフィルタであって、
前記第1のコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる1層の巻層を有し、前記第2のコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる2層の巻層を有する、RFフィルタ。
【請求項14】
請求項13に記載のRFフィルタであって、
前記第1のコイルセクションは、前記1層の巻層内に約13巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記第2のコイルセクションは、前記2層の巻層のうち内側の巻層内に約21巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記第2のコイルセクションは、前記2層の巻層のうち外側の巻層内に約18巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記一組の終端容量素子の各終端容量素子は、約0.1マイクロファラッドの静電容量値を有する、RFフィルタ。
【請求項15】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記誘導素子は、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルが巻き付けられたコイルフォームを含む、RFフィルタ。
【請求項16】
請求項15に記載のRFフィルタであって、
前記コイルフォームが中空の直円柱形状を有する、RFフィルタ。
【請求項17】
請求項16に記載のRFフィルタであって、
前記コイルフォームの外面内に連続的な溝が形成され、前記連続的な溝は、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを受け入れ、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの空間構成を維持するように構成される、RFフィルタ。
【請求項18】
無線周波数(RF)電力をフィルタリングするための方法であって、
電源と前記電源から電力を受け取ることになる電気部品との間にRFフィルタを有することであって、前記RFフィルタは、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを有する誘導素子を含み、各コイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含み、少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有し、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第1の端部において、前記電気部品に接続され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第2の端部において、前記電源に接続され、前記RFフィルタは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤに対して別個の終端容量素子を含み、各終端容量素子は、前記誘導素子の前記第2の端部と前記電源との間の場所で、基準接地電位と前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続されること
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載のRF電力をフィルタリングするための方法であって、
前記少なくとも2つのコイルセクションの数は、フィルタリングされる複数の異なるRF周波数に対応し、所与のコイルセクションの前記巻ピッチは、フィルタリングされる前記複数の異なるRF周波数の1つと前記所与のコイルセクションが共振するように設定される、方法。
【請求項20】
請求項19に記載のRF電力をフィルタリングするための方法であって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤは、低周波電流のワイヤ間導通を防止するとともにRF電力のワイヤ間伝送を可能にする電気絶縁コーティング材料でコーティングされた導電体である、方法。
【請求項21】
無線周波数(RF)電力をフィルタリングするための方法であって、
電力を電源から入力構成内のワイヤに伝送することであって、前記ワイヤは、それぞれの容量素子に接続され、前記ワイヤの各別個のペアは、RF電力に曝される電気部品に電力を供給するように指定されることと、
誘導素子の入力において、電力を前記入力構成内の前記ワイヤから、ツイスト磁気ワイヤのケーブル内の対応する磁気ワイヤに送ることであって、前記誘導素子は、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを前記誘導素子の前記入力と前記誘導素子の出力との間に集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを含み、各コイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含み、少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有することと、
前記誘導素子の前記出力において、電力を前記ツイスト磁気ワイヤのケーブル内の前記磁気ワイヤから、RF電力に曝される前記電気部品に接続された対応するワイヤに送ることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体製造機器に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な半導体製造プロセスでは、無線周波数(RF)電力が処理チャンバに伝送されてプラズマを生成し、かつ/またはバイアス電圧を生成する。ヒータアセンブリなどの1つまたは複数の他の電動部品は、RF電力に曝された状態で動作させることができる。例えば、ヒータアセンブリは、処理チャンバ内の部品または領域を加熱するように構成および配置することができる。プラズマおよび/またはバイアス電圧を生成するために使用されるRF電力は、電源と干渉し、および/または電源を損傷する可能性がある。RF電力が電源と干渉すること、および/または電源を損傷することを防止する必要がある。加えて、処理チャンバ内のRF電極に埋め込まれた加熱素子にヒータ電源を接続すると、RF電力が負荷されてその効率が低下し得る。RFフィルタは、AC(交流)またはDC(直流)のいずれかであるヒータ電源からRF電極を隔離するために必要であり、それによりACまたはDC供給経路内にRF電力が侵入することなく、AC電力またはDC電力がRF電極内の加熱素子に提供され得る。本開示は、このような状況で生じるものである。
【発明の概要】
【0003】
例示的な実施形態では、無線周波数(RF)フィルタが開示される。RFフィルタは、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを含む誘導素子を含む。各コイルセクションは、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含む。少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有する。ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成される。ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、誘導素子の第1の端部において、電気部品への接続用に構成される。電気部品は、DC電源またはAC電源のいずれかである電源から電力を受け取ることになる。ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、誘導素子の第2の端部において、電源への接続用に構成される。RFフィルタはまた、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤのための別個の終端容量素子を含む一組の終端容量素子を含む。各終端容量素子は、誘導素子の第2の端部と電源との間の場所で、基準接地電位とツイスト磁気ワイヤのケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続される。
【0004】
例示的な実施形態では、RF電力をフィルタリングするための方法が開示される。方法は、電源とこの電源から電力を受け取ることになる電気部品との間にRFフィルタを有することを含む。電源は、DC電源またはAC電源のいずれかである。RFフィルタは、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを有する誘導素子を含む。各コイルセクションは、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含む。少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有する。ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成される。ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、誘導素子の第1の端部において、電気部品に接続される。ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、誘導素子の第2の端部において、電源に接続される。RFフィルタはまた、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤに対して別個の終端容量素子を含む。各終端容量素子は、誘導素子の第2の端部と電源との間の場所で、基準接地電位とツイスト磁気ワイヤのケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続される。
【0005】
例示的な実施形態では、RF電力をフィルタリングするための方法が開示される。方法は、電力を電源から入力構成内のワイヤに伝送することを含む。ワイヤは、それぞれの容量素子に接続される。ワイヤの各別個のペアは、RF電力に曝される電気部品に電力を供給するように指定される。方法はまた、誘導素子の入力において、電力を入力構成内のワイヤから、ツイスト磁気ワイヤのケーブル内の対応する磁気ワイヤに送ることを含む。誘導素子は、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを誘導素子の入力と誘導素子の出力との間に集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを含む。各コイルセクションは、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含む。少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有する。方法はまた、誘導素子の出力において、電力をツイスト磁気ワイヤのケーブル内の磁気ワイヤから、RF電力に曝される電気部品に接続された対応するワイヤに送ることを含む。
【0006】
他の態様および利点は、例として提供される添付の図面と併せて、以下の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、CCP処理チャンバの例示的な垂直断面図である。
【0008】
図1B図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ICP処理チャンバの例示的な垂直断面図である。
【0009】
図1C図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、4つの同心円状に構成および位置決めされた加熱素子を含む例示的なヒータアセンブリの上面図である。
【0010】
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態による、図1Cの例示的な実施形態において電源とヒータアセンブリとの間に接続されたRFフィルタの電気回路図である。
【0011】
図3A図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、インダクタの等角図である。
【0012】
図3B図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、裸の状態のコイルフォームを示す図である。
【0013】
図3C図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による、ツイスト磁気ワイヤのケーブルをコイルフォームに巻き付けることによって形成されるツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを示す図である。
【0014】
図3D図3Dは、本開示のいくつかの実施形態による、インダクタの中心を通る垂直断面図である。
【0015】
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、電流フローをヒータアセンブリ内の所与の加熱素子に供給するワイヤの各々について、高いほうの一次RF周波数である13.56MHzにおけるRF周波数の関数としてのインピーダンスのプロットを示す図である。
【0016】
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による、電流フローをヒータアセンブリ内の所与の加熱素子に供給するワイヤの各々について、低いほうの一次RF周波数である1MHzにおけるRF周波数の関数としてのインピーダンスのプロットを示す図である。
【0017】
図6図6は、本開示のいくつかの実施形態による、RF電力をフィルタリングするための方法を提示する図である。
【0018】
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による、RF電力をフィルタリングするための方法を提示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本開示の実施形態は、これらの具体的な詳細の一部またはすべてがなくても実施され得ることが当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。
【0020】
半導体産業では、半導体基板は、容量結合プラズマ(CCP)処理チャンバおよび誘導結合プラズマ(ICP)プラズマ処理チャンバなど、様々なタイプのプラズマチャンバで製造作業を行うことができる。CCP処理チャンバおよびICP処理チャンバの両方では、無線周波数(RF)電力を使用してプロセスガスにエネルギーを与え、プロセスガスをプラズマに変換する。プラズマ内の反応種および/または帯電種は、例えば、基板に存在する材料を改質すること、または基板に材料を堆積させること、または基板から材料を除去/エッチングすることなどによって、基板と相互作用して基板の状態を改質することを目的とする。また、CCP処理チャンバおよびICP処理チャンバは、帯電種をプラズマから基板に向けて加速するためのバイアス電圧を生成するためにRF電力を受け取る1つまたは複数の電極を備えることができる。CCP処理チャンバおよびICP処理チャンバはまた、1つまたは複数の電源から電力を受け取る1つまたは複数の電動部品(ヒータアセンブリなど)を備えることができ、1つまたは複数の電源の各々は、DC(直流)電源またはAC(交流)電源のいずれかである。プラズマおよび/またはバイアス電圧の生成に使用されるRF電力が、1つまたは複数の電動部品(ヒータアセンブリなど)への電力供給に使用される電源(DCまたはAC電源)に伝わらないようにする必要がある。本明細書で開示されるRFフィルタおよび関連するインダクタの様々な実施形態は、CCP処理チャンバおよびICP処理チャンバの動作に関連するRF電力がDC電源および/またはAC電源に伝送されることを防止するのに適している。
【0021】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、CCP処理チャンバ101の例示的な垂直断面図を示す。CCP処理チャンバ101は、制御された様式で基板105の変化に影響を及ぼすために、プラズマ123が基板105への曝露中に生成される処理容積を定義する。様々な製造プロセスにおいて、基板105の変化は、基板105上の材料または表面状態の変化であり得る。例えば、様々な製造プロセスにおいて、基板105の変化は、基板105からの材料のエッチング、基板105への材料の堆積、または基板105に存在する材料105の改質の1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、基板105は、製造処理を受ける半導体ウエハである。しかしながら、様々な実施形態において、基板105は、プラズマを使用した製造プロセスにかけられる本質的に任意のタイプの基板であればよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で使用される基板105は、シリコン、サファイア、GaN、GaAsもしくはSiC、または他の基板材料で形成された基板を指し、ガラスパネル/基板、金属箔、金属シート、ポリマー材料などを含むことができる。また、様々な実施形態において、本明細書で言及される基板105は、形態、形状、および/またはサイズが異なってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で言及される基板105は、200mm(ミリメートル)の半導体ウエハ、300mmの半導体ウエハ、または450mmの半導体ウエハに対応し得る。また、いくつかの実施形態では、本明細書で言及される基板105は、様々な形状の中でもとりわけ、フラットパネルディスプレイ用の長方形基板のような非円形基板などに対応し得る。
【0022】
様々な実施形態において、CCP処理チャンバ101は、基板105上の材料または表面状態の変化に影響を及ぼすために、基板105の曝露中に1つまたは複数のプロセスガスを処理容積に流し、この1つまたは複数のプロセスガスにRF電力を印加して1つまたは複数のプロセスガスをプラズマ123に変換することによって動作する。CCP処理チャンバ101は、基板105が処理動作中に位置決めおよび支持される基板支持構造103を含む。いくつかの実施形態では、電極107が基板支持構造103内に配置され、RF電力を電極107から処理容積を通して伝送して、プラズマ123の生成および/またはイオンエネルギーの制御を行う。電極107は、RF給電構造109を通してRF電力を受け取るように接続されており、このRF給電構造109は、1つまたは複数のインピーダンス整合システム113を介して1つまたは複数のRF電力発生器111に接続されている。インピーダンス整合システム113は、コンデンサおよびインダクタの構成を含んでおり、この構成は、インピーダンス整合システム113の入力でRF電力発生器111によって見られるインピーダンスが、RF電力発生器111が動作するように設計された出力インピーダンス(通常50オーム)に十分に近くなるように構成される。その結果、RF電力発生器111によって生成および伝送されるRF電力は、効率的に(例えば、許容できないか望ましくない反射なしに)処理容積に伝送される。
【0023】
また、いくつかの実施形態では、上部電極115を設けることもできる。様々な実施形態において、上部電極115は、電気接地電極を提供することができるか、またはRF電力を処理容積に伝送するために使用することができる。いくつかの実施形態では、上部電極115は、RF給電構造117を通してRF電力を受け取るように接続されており、このRF給電構造117は、1つまたは複数のインピーダンス整合システム119を介して1つまたは複数のRF電力発生器121に接続されている。インピーダンス整合システム119は、コンデンサおよびインダクタの構成を含んでおり、この構成は、インピーダンス整合システム119の入力でRF電力発生器121によって見られるインピーダンスが、RF電力発生器121が動作するように設計された出力インピーダンス(通常、50オーム)に十分に近くなるように構成される。その結果、RF電力発生器121によって生成および伝送されるRF電力は、効率的に(例えば、許容できないか望ましくない反射なしに)処理容積に伝送される。
【0024】
いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ125が基板支持構造103内に配置され、基板105の温度制御を行う。ヒータアセンブリ125は、電気接続127を通して電力を受け取るように電気的に接続されており、この電力は、電源131から電気接続137を通してRFフィルタ129に供給され、RFフィルタ129を通して電気接続127に供給される。いくつかの実施形態では、電源131は交流(AC)電源である。いくつかの実施形態では、電源131は直流(DC)電源である。いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ125は複数の電気抵抗加熱素子を含む。RFフィルタ129は、電源131と電気接続127との間の電流の伝送を可能にしながら、RF電力が電源131に入るのを防止するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、ヒータアセンブリ125は複数の加熱素子を含む。図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、4つの同心円状に構成および位置決めされた加熱素子132、133、134、135を含む例示的なヒータアセンブリ125の上面図である。加熱素子132は、基板105を受け入れて支持するように構成された基板支持構造103の領域に対して水平方向の実質的に中心にある内側加熱ゾーンに対応する。加熱素子133は、内側加熱ゾーンを半径方向に囲むように構成された中間内側加熱ゾーンに対応する。加熱素子134は、中間内側加熱ゾーンを半径方向に囲むように構成された中間外側加熱ゾーンに対応する。加熱素子135は、中間外側加熱ゾーンを半径方向に囲むように構成された外側加熱ゾーンに対応する。図1Cの例示的なヒータアセンブリ125では、加熱素子132、133、134、135の各々は、電源131から別個の独立制御される電力を受け取るように接続される。より具体的には、加熱素子132、133、134、135の各々は、電気接続127内の2つのワイヤに排他的に接続される。したがって、4つの加熱素子132、133、134、135に対応するために、電気接続127は、図1Cに示すように、8つのワイヤ132A、132B、133A、133B、134A、134B、135A、135Bを含む。また、図1Cの例では、8つのワイヤ132A、132B、133A、133B、134A、134B、135A、135Bの各々は、RFフィルタ129を介して、電源131とRFフィルタ129との間に電気接続137を形成する8つのワイヤ137A、137B、137C、137D、137E、137F、137G、137H(137A~137H)にそれぞれ接続される。図1Cのヒータアセンブリ125は、例として示されていることを理解されたい。様々な実施形態において、ヒータアセンブリ125は、4つ未満の加熱素子または4つを超える加熱素子を含むことができ、各加熱素子は、RFフィルタ129を通して電源131から電力を受け取るための専用のワイヤペア(ワイヤ対)を有する。
【0026】
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ICP処理チャンバ151の例示的な垂直断面図を示す。ICP処理チャンバは、変圧器結合プラズマ(TCP)処理チャンバとも呼ばれることがある。ここでは説明を容易にするために、ICP処理チャンバは、ICP処理チャンバとTCP処理チャンバの両方を指すために使用されるものとする。ICP処理チャンバ151は、制御された様式で基板105の変化に影響を及ぼすために、プラズマ123が基板105への曝露中に生成される処理容積を定義する。様々な製造プロセスにおいて、基板105の変化は、基板105上の材料または表面状態の変化であり得る。例えば、様々な製造プロセスにおいて、基板105の変化は、基板105からの材料のエッチング、基板105への材料の堆積、または基板105に存在する材料105の改質の1つまたは複数を含み得る。
【0027】
ICP処理チャンバ150は、RF電力がICP処理チャンバ151の外側に配置されたコイル155からICP処理チャンバ151内のプロセスガスに伝送され、ICP処理チャンバ151内にプラズマ123を生成する任意のタイプのICP処理チャンバであり得ることを理解されたい。上部窓構造153は、RF電力をコイル155から上部窓構造153を通ってICP処理チャンバ151の処理容積へ伝送可能にするために設けられる。ICP処理チャンバ150は、基板105上の材料または表面状態の変化に影響を及ぼすために、基板105の曝露中に1つまたは複数のプロセスガスを処理容積に流し、この1つまたは複数のプロセスガスにコイル155からRF電力を印加して1つまたは複数のプロセスガスをプラズマ123に変換することによって動作する。コイル155は、上部窓構造153の上方に配置される。図1Bの例では、コイル155は、ラジアルコイルアセンブリとして形成され、コイル155の陰影部は、図面のページ手前から奥に向かうことを示し、コイル155の非陰影部は、図面のページ奥から手前に向かうことを示す。しかしながら、他の実施形態では、コイル155は、RF電力を上部窓構造153を通してプラズマ処理容積に伝送するのに適した本質的に任意の構成を有することができることを理解されたい。様々な実施形態において、コイル155は、上部窓構造153を通して処理容積へRF電力を望み通りに伝送するために、必要に応じて任意の巻数ならびに任意の断面サイズおよび断面形状(円形、楕円形、長方形、台形など)を有することができる。
【0028】
コイル155は、RF電源構造161を通して、1つまたは複数のインピーダンス整合システム159を介して1つまたは複数のRF電力発生器157に接続されている。インピーダンス整合システム159は、コンデンサおよび/またはインダクタの構成を含んでおり、この構成は、インピーダンス整合システム159の入力でRF電力発生器157によって見られるインピーダンスが、RF電力発生器157が動作するように設計された出力インピーダンス(通常50オーム)に十分に近くなるように構成される。その結果、RF電力発生器157によってコイル155に供給されるRF電力は、効率的に(すなわち、許容できないか望ましくない反射なしに)処理容積に伝送される。また、いくつかの実施形態では、ICP処理チャンバ151は、図1Aに関して前述したように、電極107、RF給電構造109、インピーダンス整合システム113、およびRF電力発生器111を含むことができる。
【0029】
また、いくつかの実施形態では、ICP処理チャンバ151は、基板支持構造103内に配置されて基板105の温度制御を行うヒータアセンブリ125を含むことができる。図1AのCCP処理チャンバ101に関して説明したように、ICP処理チャンバ151のヒータアセンブリ125は、電気接続127を通して電力を受け取るように電気的に接続されており、この電力は、電源131から電気接続137を通してRFフィルタ129に供給され、RFフィルタ129を通して電気接続127に供給される。
【0030】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、図1Cの例示的な実施形態において電源131とヒータアセンブリ125との間に接続されたRFフィルタ129の電気回路図を示す。RFフィルタ129は、電源131とヒータアセンブリ125との間に接続される各ワイヤのための別個のワイヤを含む。具体的には、RFフィルタ129は、電源131の出力からのワイヤ137Aをヒータアセンブリ125への入力に接続されるワイヤ132Aに接続するワイヤ142Aを含む。RFフィルタ129はまた、電源131の出力からのワイヤ137Bをヒータアセンブリ125への入力に接続されるワイヤ132Bに接続するワイヤ142Bを含む。RFフィルタ129はまた、電源131の出力からのワイヤ137Cをヒータアセンブリ125への入力に接続されるワイヤ133Aに接続するワイヤ142Cを含む。RFフィルタ129はまた、電源131の出力からのワイヤ137Dをヒータアセンブリ125への入力に接続されるワイヤ133Bに接続するワイヤ142Dを含む。RFフィルタ129はまた、電源131の出力からのワイヤ137Eをヒータアセンブリ125への入力に接続されるワイヤ134Aに接続するワイヤ142Eを含む。RFフィルタ129はまた、電源131の出力からのワイヤ137Fをヒータアセンブリ125への入力に接続されるワイヤ134Bに接続するワイヤ142Fを含む。RFフィルタ129はまた、電源131の出力からのワイヤ137Gをヒータアセンブリ125への入力に接続されるワイヤ135Aに接続するワイヤ142Gを含む。RFフィルタ129はまた、電源131の出力からのワイヤ137Hをヒータアセンブリ125への入力に接続されるワイヤ135Bに接続するワイヤ142Hを含む。
【0031】
RFフィルタ129内を通るワイヤ142A、142B、142C、142D、142E、142F、142G、142H(142A-142H)の各々は、RFフィルタ129内でインダクタ141の一部を形成する。インダクタ141の第1の端部では、ワイヤ142A-142Hの各々が、電気接続127を通してヒータアセンブリ125に接続される。インダクタ141の第2の端部では、ワイヤ142A-142Hの各々が、電気接続137を通して電源131に接続される。インダクタ141内では、ワイヤ142A-142Hが撚り合わせられ、機械的/空間的に1本のケーブルとして操作できるツイスト磁気ワイヤ142のケーブルを形成する。インダクタ141内では、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルは、インダクタ141の第1の端部(ヒータアセンブリ125に接続される電気接続127側)とインダクタ141の第2の端部(電源131に接続される電気接続137側)との間に延びる螺旋コイル形状に形成される。ワイヤ142A-142Hの各々は、電気絶縁コーティング材料でコーティングされた導電体として形成される。したがって、ワイヤ142A-142Hが撚り合わせられてツイスト磁気ワイヤ142のケーブルを形成するとき、各ワイヤ142A-142Hの電気絶縁コーティング材料は、電力伝送に関連する直流(DC)および交流(AC)などの低周波電流のワイヤ間導通を防止する。また、いくつかの実施形態では、各ワイヤ142A-142Hの電気絶縁コーティング材料は、ワイヤ142A-142Hに沿って伝わり得るRF電力に対して半透過性の材料である。これらの実施形態では、RF電力は、モノリシック導体ケーブルを伝わるかのようにツイスト磁気ワイヤ142のケーブルに沿って伝わることができ、その一方で、ワイヤ142A-142Hを同時に流れる低周波(DC/AC)電流は、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブル内のワイヤ142A-142H間を流れることが防止される。これにより、RFフィルタ129のインピーダンスにおけるチャネル間のばらつきが低減されるか、さらには排除さえされする。RFフィルタ129において、所与のチャネルは、ヒータアセンブリ125内の所与の加熱素子132、133、134、135に電流フローを供給するワイヤ142A-142Hの所与のペアに対応する。いくつかの実施形態では、ワイヤ142A-142Hは、高温電気絶縁ポリマー材料でコーティングされた銅線である。しかしながら、様々な実施形態において、ワイヤ142A-142Hは、銅以外の導電体材料で形成することができ、高温電気絶縁ポリマー材料以外の電気絶縁コーティング材料でコーティングすることができることを理解されたい。
【0032】
ワイヤ142A-142Hの各々は、インダクタ141と電源131への電気接続137との間のそれぞれの場所で、それぞれの終端コンデンサ143A、143B、143C、143D、143E、143F、143G、143H(143A-143H)に電気的に接続される。具体的には、ワイヤ142Aは、ワイヤ144Aを通して終端コンデンサ143Aの第1の端子に電気的に接続され、終端コンデンサ143Aの第2の端子は、基準接地電位145に電気的に接続される。ワイヤ142Bは、ワイヤ144Bを通して終端コンデンサ143Bの第1の端子に電気的に接続され、終端コンデンサ143Bの第2の端子は、基準接地電位145に電気的に接続される。ワイヤ142Cは、ワイヤ144Cを通して終端コンデンサ143Cの第1の端子に電気的に接続され、終端コンデンサ143Cの第2の端子は、基準接地電位145に電気的に接続される。ワイヤ142Dは、ワイヤ144Dを通して終端コンデンサ143Dの第1の端子に電気的に接続され、終端コンデンサ143Dの第2の端子は、基準接地電位145に電気的に接続される。ワイヤ142Eは、ワイヤ144Eを通して終端コンデンサ143Eの第1の端子に電気的に接続され、終端コンデンサ143Eの第2の端子は、基準接地電位145に電気的に接続される。ワイヤ142Fは、ワイヤ144Fを通して終端コンデンサ143Fの第1の端子に電気的に接続され、終端コンデンサ143Fの第2の端子は、基準接地電位145に電気的に接続される。ワイヤ142Gは、ワイヤ144Gを通して終端コンデンサ143Gの第1の端子に電気的に接続され、終端コンデンサ143Gの第2の端子は、基準接地電位145に電気的に接続される。ワイヤ142Hは、ワイヤ144Hを通して終端コンデンサ143Hの第1の端子に電気的に接続され、終端コンデンサ143Hの第2の端子は、基準接地電位145に電気的に接続される。電源131への電気接続137とインダクタ141との間において、ワイヤ142A-142H、ワイヤ144A-144H、終端コンデンサ143A-143Hおよび基準接地電位145を、RFフィルタ129の入力構成と総称することができる。
【0033】
終端コンデンサ143A-143Hは、それらがインダクタ141と組み合わされて存在することにより、ヒータアセンブリ125からRFフィルタ129に入るRF電力が電源131ではなく基準接地電位145への伝送経路をたどるようにする十分に高い静電容量を有する。いくつかの実施形態では、終端コンデンサ143A-143Hの各々は、約3000ピコファラッド(pF)から約5000pFに及ぶ範囲内、または約0.1マイクロファラッド(μF)の静電容量を有する。また、終端コンデンサ143A-143Hはこのような大きい静電容量を有するので、終端コンデンサ143A-143Hの製造ばらつきは、チャネル間のインピーダンス均一性に本質的に影響を及ぼさない。したがって、終端コンデンサ143A-143Hの製造ばらつきは、全体的なユニット間(RFフィルタ129-RFフィルタ129間)のインピーダンス均一性に本質的に影響を及ぼさない。
【0034】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、インダクタ141の等角図を示す。図3Aの例示的なインダクタ141は、2つの異なるRF周波数のRF電力をフィルタリングするために、図1Cの例示的なヒータアセンブリ125と共に使用するように構成される。インダクタ141は、電気絶縁材料で形成されたコイルフォーム305を含む。いくつかの実施形態では、コイルフォーム305の電気絶縁材料は、高温に耐えることができるポリマー材料である。例えば、いくつかの実施形態では、コイルフォーム305の電気絶縁材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、例えば、テフロン(商標)などのテトラフルオロエチレンのフルオロポリマーである。しかしながら、他の実施形態では、コイルフォーム305の電気絶縁材料は、電気的に非伝導性であり、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの動作温度に耐えることができ、プラズマ処理チャンバで動作するように設置されるときにツイスト磁気ワイヤ142のケーブルおよび他のインターフェース材料と化学的に適合する本質的に任意の他の固体材料であり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、コイルフォーム305の電気絶縁材料は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、アセテート、アクリル、酸化ベリリウム、セラミック、Delrin(商標)、エポキシ、ガラス繊維、ガラス、Kynar(商標)、Lexan(商標)、Merlon(商標)、メラミン、マイカ、Nomex(商標)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレン、Noryl(商標)、Ultem(商標)、Udel(商標)、Vespel(商標)、Torlon(商標)、ビニルなどの1つまたは複数であり得る。
【0035】
図3Aの例示的なコイルフォーム305は、内径307および外径309を有する中空円柱として形成される。ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルがコイルフォーム305の外面に巻き付けられるので、インダクタ141のインダクタンスは、コイルフォーム305の外径309の部分関数であることを理解されたい。様々な実施形態において、コイルフォーム305の外径309は、約4インチ~約6インチに及ぶ範囲内にある。
【0036】
いくつかの実施形態では、コイルフォーム305の内径307は、コイルフォーム305を通る冷却空気流を提供するように定義される。また、コイルフォーム305の内径307は、コイルフォーム305が、コイルフォーム305の外面にコイル状に巻かれたツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの空間構成を維持するための剛性構造を提供するのに十分な機械的強度を有するように定義される。また、コイルフォーム305の内径307は、インダクタ141全体の重量を低減するように定義することができ、これによりインダクタ141の物理的な装着に利益をもたらし得る。様々な実施形態において、コイルフォーム305の内径307は、約3インチ~約5インチに及ぶ範囲内にある。
【0037】
概して、インダクタ141は、RFフィルタ129によってフィルタリングされる複数の実質的に異なるRF周波数に対応する数のコイルセクションを含む。図3Aの例では、インダクタ141は、2つの実質的に異なるRF周波数のRF電力をフィルタリングするように構成される。したがって、図3Aの例示的なインダクタ141は、2つのコイルセクション、すなわち第1のコイルセクション301および第2のコイルセクション303を有する。インダクタ141の各コイルセクション、例えば、301、303は、インダクタ141の軸方向全長のそれぞれの部分に沿って延びる。図3Aの例では、インダクタ141の軸方向全長はz方向で測定され、内径307および外径309はx―y平面で測定される。インダクタ141の各コイルセクション、例えば、301、303は、RFフィルタ129によるフィルタリングが意図される特定のRF周波数またはその近くの周波数でRF電力をフィルタリングするように定義される特定のインダクタンス特性を有するように構成される。
【0038】
インダクタ141の所与のコイルセクション、例えば、301、303によって提供される特定のインダクタンスは、コイルフォーム305の外径309、所与のコイルセクションの軸方向長さ、所与のコイルセクション内のツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの(コイルフォーム305に巻き付けられる)隣接する巻き間の巻ピッチ、および所与のコイルセクション内のツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの(コイルフォーム305に巻き付けられる)巻数の関数である。図3Aの例では、第1のコイルセクション301は、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間で測定された巻ピッチ311を有し、第2のコイルセクション303は、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間で測定された巻ピッチ313を有する。巻ピッチは、コイルフォーム305に巻き付けられたツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻きについて測定されるものであり、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの中心線間をz方向に平行に、かつコイルフォーム305のz方向軸周りの同じ方位角位置で測定したものであることを理解されたい。所与のコイルセクション、例えば、301、303におけるツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチ、例えば、311、313は、その所与のコイルセクションの共振周波数に影響を及ぼす。言い換えると、所与のコイルセクションにおけるツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチ、例えば、311、313は、その所与のコイルセクションによってフィルタリングされるRF周波数を決定する。所与のコイルセクション、例えば、301、303におけるツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチ、例えば、311、313が小さいほど、その所与のコイルセクションにおいて提供されるインダクタンスが高くなる。そして、所与のコイルセクション、例えば、301、303におけるツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチ、例えば、311、313が大きいほど、その所与のコイルセクションにおいて提供されるインダクタンスが低くなる。
【0039】
所与のコイルセクション、例えば、301、303について特定のインピーダンスを得るために、より高いRF周波数に対しては、より少ないインダクタンスが所与のコイルセクション内に必要とされ、より低いRF周波数に対しては、より多くのインダクタンスが所与のコイルセクション内に必要とされる。したがって、所与のコイルセクション、例えば301、303について特定のインピーダンスを得るために、より高いRF周波数に対しては、より少ないインダクタンスが所与のコイルセクション内に必要とされ、これは所与のコイルセクション、例えば、301、303においてツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の大きいほうの巻ピッチ、例えば、311、313に対応する。そして、所与のコイルセクション、例えば、301、303について特定のインピーダンスを得るために、より低いRF周波数に対しては、より多くのインダクタンスが所与のコイルセクション内に必要とされ、これは所与のコイルセクション、例えば、301、303においてツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の小さいほうの巻ピッチ、例えば、311、313に対応する。したがって、図3Aの例示的なインダクタ141では、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチが大きいほうの巻ピッチ311である第1のコイルセクション301は、より低いインダクタンスを提供し、高いほうのRF周波数と共振する。そして、図3Aの例示的なインダクタ141では、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチが小さいほうの巻ピッチ313である第2のコイルセクション303は、より高いインダクタンスを提供し、低いほうのRF周波数と共振する。ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルは、ヒータアセンブリ125に接続されるインダクタ141の第1の端部から電源131に接続されるインダクタ141の第2の端部まで、インダクタ141全体を通して連続していることを理解されたい。したがって、隣接するコイルセクション、例えば、301、303間の各移行部において、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルは、途切れることなく、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチを調整しながらコイルフォーム305に巻き付けられる。
【0040】
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、裸の状態のコイルフォーム305を示す。図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルをコイルフォーム305に巻き付けることによって形成されるツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの非分割コイルを示す。図3Bの例では、連続的な溝がコイルフォーム305の外面に形成され、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルをコイルフォーム305の周りに正確に位置決めするとともに、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルをコイルフォーム305に巻き付けることによって形成されるツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの非分割コイルの空間構成を維持する。図3Bは、この連続的な溝が、第1のコイルセクション301内に形成された第1の溝部分315と、第2のコイルセクション303内に形成された第2の溝部分317とを含み、第1のコイルセクション301と第2のコイルセクション303との間の移行部に、第1の溝部分315と第2の溝部分317との間の滑らかな移行部を伴うことを示している。しかしながら、他の実施形態では、コイルフォーム305は、外面に連続的な溝を設けずに構成することができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、コイルフォーム305は、実質的に滑らかな外面を有し、コイルフォーム305に巻き付けられたツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き同士を分離するために電気絶縁スペーサを用いたものとすることができる。これらの実施形態では、電気絶縁スペーサは、例として上に挙げたものなど、コイルフォーム305の形成に使用可能な本質的に任意の材料で形成することができる。
【0041】
図示される例示的なコイルフォーム305は(連続的な溝の存在を除いて)直円柱形状の外面を有するが、他の実施形態では、コイルフォーム305の外面は、x―y平面内の断面形状を、楕円形、長方形、正方形、三角形、多角形、星形、x形、十字形など他の断面形状を有することができることを理解されたい。また、いくつかの実施形態では、x―y平面内のコイルフォーム305の外面の断面形状および/またはサイズは、コイルフォーム305の軸方向長さに沿って異なる/変化し得る。例えば、x―y平面内のコイルフォーム305の外面の断面形状および/またはサイズは、コイルセクション、例えば、301、303ごとに異なる/変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、コイルフォーム305は、第1のコイルセクション301について外径309の第1の値を有し、第2のコイルセクション303について外径309の第2の値を有するように構成することができ、このとき、外径309の第2の値は外径309の第1の値とは異なる。また、いくつかの実施形態では、インダクタ141のコイルフォーム305は、中空の内部領域のない中実の構成を有することができることを理解されたい。
【0042】
加えて、インダクタ141の各コイルセクション、例えば、301、303は、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルによる1層または複数層の巻層を含むことができる。例えば、インダクタ141では、図3Aに示すように、第1のコイルセクション301は、ツイスト磁性ワイヤ142のケーブルによる1層の巻層を有し、第2のコイルセクション303は、ツイスト磁性ワイヤ142のケーブルによる2層の巻層を有する。図3Dは、本開示のいくつかの実施形態による、インダクタ141の中心を通る垂直断面図を示す。図3Dは、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルがコイルフォーム305に様々に巻き付けられていることを示す。図3Dに示す第1のコイルセクション301は、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルによる1層の巻層を有する。また、図3Dに示す第2のコイルセクション303は、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルによる2層の巻層を有する。具体的には、第2のコイルセクション303は、コイルフォーム305の外面に形成されたツイスト磁気ワイヤ142のケーブルによる第1の巻層303Aと、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルによる第1の巻層303Aの外側/上に形成されたツイスト磁気ワイヤ142のケーブルによる第2の巻層303Bとを有する。様々な実施形態において、インダクタ141の任意のコイルセクション、例えば、301、303は、所望のレベルのインダクタンスを提供するよう適切に、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルによる1層または複数層の巻層を含むように構成され得ることを認識および理解されたい。また、所与のコイルセクション、例えば、301、303においてツイスト磁気ワイヤ142のケーブルによる巻層を複数層とすることは、その所与のコイルセクションにおいてツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの全長が同じで巻層が1層の場合と比較して、インダクタ141全体のサイズを抑え、かつ、さらに高いインダクタンスを所与のコイルセクションに提供することを理解されたい。
【0043】
例示的な実施形態では、インダクタ141は、1MHzまたは約1MHz、および13.56MHzまたは約13.56MHzのRF周波数をフィルタリングするように構成される。この例示的な実施形態では、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチが大きいほうの巻ピッチ311である第1のコイルセクション301は、高いほうの13.56MHzのRF周波数をフィルタリングするように構成される。そして、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチが小さいほうの巻ピッチ313である第2のコイルセクション303は、低いほうの1MHzのRF周波数をフィルタリングするように構成される。この例示的な実施形態では、第1のコイルセクション301は、13巻のツイスト磁気ワイヤ142のケーブルを含む。また、この実施形態では、第2のコイルセクション303の第1の巻層303Aは、21巻のツイスト磁気ワイヤ142のケーブルを含む。そして、この実施形態では、第2のコイルセクション303の第2の巻層303Bは、18巻のツイスト磁気ワイヤ142のケーブルを含む。加えて、この例示的な実施形態では、終端コンデンサ143A-143Hの各々は、約0.1マイクロファラッドの静電容量値を有する。
【0044】
インダクタ141は、2つ以上の異なるRF周波数をフィルタリングするように構成することができ、上記の例示的な実施形態における1MHzおよび13.56MHzの周波数は、例として述べられていることを認識されたい。例えば、インダクタ141が、3つの異なるRF周波数(例えば、400キロヘルツ(kHz)、1MHz、および13.56MHz)をフィルタリングするように構成されると仮定した場合、インダクタ141は、3つのコイルセクション(例えば、コイルセクション301、303、および、コイルセクション303から延びる別のコイルセクション)を含むことになる。また、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチは、それぞれ3つの異なるRF周波数と共振するのに適切であるように、3つのコイルセクションの各々で異なり得る。そして、3つのコイルセクションの各々におけるツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの巻数は、3つのコイルセクションの各々に所望のインダクタンスを確立するために適切に設定することができる。そして、前述のように、いくつかの実施形態では、特定のコイルセクションで所望のインダクタンスを得るために適切である場合、コイルフォーム305の外径309は、3つのコイルセクションの1つまたは複数で異なっていてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、インダクタ141が2つのコイルセクション301および303を有し、ツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチとして、コイルセクション301が大きいほうの巻ピッチ311を有する場合、コイルセクション301内の巻数は、約10~約15に及ぶ範囲内にある。また、この実施形態では、コイルセクション303内の巻数は、約20~約25に及ぶ範囲内にある。また、この実施形態では、コイルセクション301内のツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチ311は、約0.4インチ~約0.6インチに及ぶ範囲内にある。また、この実施形態では、コイルセクション303内のツイスト磁気ワイヤ142のケーブルの隣接する巻き間の巻ピッチ313は、約0.2インチ~約0.3インチに及ぶ範囲内にある。
【0046】
図3Dはまた、インダクタ141がどのように外側ハウジング319内に配置され得るかを示している。外側ハウジング391は、インダクタ141を物理的に保護し、プラズマ処理チャンバに関連する他の機器および/または機器用のラック、シャーシ、ボックス、ハウジングなどとインダクタ141との取付を行う。いくつかの実施形態では、外側ハウジング319は、少なくとも一端に、別の表面に装着するためのフランジ319Aを有する実質的に円柱形の構造として構成される。また、いくつかの実施形態では、外側ハウジング319は、終端コンデンサ、例えば、143A-143Hを収容するための備え付けのエンクロージャ320と、電源131から電力を受け取るためのコネクタとを有することができる。しかしながら、他の実施形態では、外側ハウジング319は、インダクタ141の物理的保護と、インダクタ141の冷却と、プラズマ処理チャンバに関連する既存のシステム内にインダクタ141を取付可能にすることとに適切な本質的に任意の形状を有するように形成することができることを理解されたい。また、図3Dは、矢印323で示すようにインダクタ141に冷却空気を送り込むか、または矢印324で示すようにインダクタ141から冷却空気を引き出すために、ファン321をどのように格子325に近接して配置できるかを示している。
【0047】
プラズマ処理チャンバ、例えば、101、151の動作中、RFフィルタ129は、RF発生器、例えば、111、121、157への負荷として現れる。したがって、RFフィルタ129のインピーダンスが高いほど、RFフィルタ129がRF発生器に与える負荷は低くなる。したがって、いくつかの実施形態において、量が少ないほうのRF電力がRFフィルタ129内で失われるように、RFフィルタ129がRF電力伝送に対して高いインピーダンスを表すことは興味深いことである。いくつかの実施形態では、RF電力発生器、例えば、111、121、157の動作RF周波数は、周波数同調の結果として変化し得る。これらの実施形態では、RFフィルタ129に、周波数同調動作中にRF電力発生器によって生成されるRF周波数の予想範囲にわたって少なくとも最小指定インピーダンスを提供させることが望ましいであろう。いくつかの実施形態では、周波数同調動作中にRF電力発生器によって生成されるRF周波数の予想範囲を制限するため、RFフィルタ129のインピーダンスは約3キロオーム以上である。このようにして、RFフィルタ129は、動作中に発生する任意のRF周波数に対して少なくとも最小指定インピーダンスを提示するように構成される。また、RFフィルタ129のインピーダンスは比較的高く、例えば、3キロオームであるため、RFフィルタ129を通して伝送されるRF電力が少なくなり、プラズマ処理チャンバ、例えば、101、151の全体的なRF電力効率が改善されることを認識されたい。
【0048】
前述のように、所与のチャネルは、電流フローをヒータアセンブリ125内の所与の加熱素子132、133、134、135に提供するワイヤ142A-142Hの所与のペアに対応する。RFフィルタ129は存在する各チャネルに対して実質的に同様の様式でRF電力伝送を遮断することが可能であるため、RFフィルタ129は、改善されたチャネル間のインピーダンス均一性を提供する。図4は、本開示のいくつかの実施形態による、電流フローをヒータアセンブリ125内の所与の加熱素子132、133、134、135に供給するワイヤ132A、132B、132C、132D、132E、132F、132G、132Hの各々について、高いほうの一次RF周波数である13.56MHzにおけるRF周波数の関数としてのインピーダンスのプロットを示す。図4は、RFフィルタ129が、高いほうのRF周波数である13.56MHzまたはその近くのRF周波数においてチャネル間のインピーダンスの実質的な均一性をどのように提供するかを実証している。図5は、本開示のいくつかの実施形態による、電流フローをヒータアセンブリ125内の所与の加熱素子132、133、134、135に供給するワイヤ132A、132B、132C、132D、132E、132F、132G、132Hの各々について、低いほうの一次RF周波数である1MHzにおけるRF周波数の関数としてのインピーダンスのプロットを示す。図5は、RFフィルタ129が、低いほうのRF周波数である1MHzまたはその近くのRF周波数においてチャネル間のインピーダンスの実質的な均一性をどのように提供するかを実証している。RFフィルタ129はチャネル間のインピーダンスの実質的な均一性を提供するので、ヒータアセンブリ125の電力供給チャネルの各々には本質的に同じ量のRF電力が存在する。これは様々な加熱ゾーンの異なる加熱素子、例えば、132、133、134、135がそれぞれの加熱ゾーン内のRF電力伝送に対して実質的に均一な影響を有することを意味し、それによって異なる加熱素子、例えば、132、133、134、135を通るRF電力伝送/損失に関して基板105全体のプロセス均一性を改善する。また、RFフィルタ129内のチャネル間のインピーダンス均一性を制御することによって、異なるプラズマ処理チャンバに設置された異なるRFフィルタ129のユニット間のインピーダンス均一性を制御し、したがってRFフィルタ129がチャンバ間のインピーダンス均一性に与える影響を制御することが可能である。
【0049】
本明細書において、RFフィルタ(例えば、129)は、誘導素子(例として、インダクタ141など)および一組の終端容量素子(例として、コンデンサ143A-143Hなど)を含むものとして開示されていることを理解されたい。誘導素子(例えば、141)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)を含む。ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)の隣接するコイルセクション間の各移行部を介した連続的な構成を有する。各コイルセクション(例えば、301、303)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチ(例えば、311、313)で構成された部分を含む。少なくとも2つの隣接するコイルセクション(例えば、301、303)は、異なる巻ピッチ(例えば、311、313)を有する。ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成される。ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルは、誘導素子(例えば、141)の第1の端部において、電源(例えば、131)から電力を受け取ることになる電気部品(例えば、125)への接続用に構成される。ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルは、誘導素子(例えば、141)の第2の端部において、電源(例えば、131)への接続用に構成される。一組の終端容量素子(例えば、143A-143H)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの各ワイヤのための別個の終端容量素子を含む。各終端容量素子(例えば、143A-143H)は、誘導素子(例えば、141)の第2の端部と電源(例えば、131)との間の場所で、基準接地電位(例えば、145)とツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続される。
【0050】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)の数は、RFフィルタ(例えば、129)によってフィルタリングされる複数の異なるRF周波数に対応する。また、いくつかの実施形態では、所与のコイルセクション(例えば、301、303)の巻ピッチ(例えば、311、313)は、所与のコイルセクション(例えば、301、303)がRFフィルタ(例えば、129)によってフィルタリングされる複数の異なるRF周波数の1つと共振するように設定される。いくつかの実施形態では、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの各ワイヤ(例えば、142A-142H)は、電気絶縁コーティング材料でコーティングされた導電体である。いくつかの実施形態では、電気絶縁コーティング材料は、低周波電流のワイヤ間導通を防止するとともに、RF電力のワイヤ間伝送を可能にする。いくつかの実施形態では、誘導素子(例えば、141)がコイルフォーム(例えば、305)を含んでおり、このコイルフォームにツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルが巻き付けられる。いくつかの実施形態では、コイルフォーム(例えば、305)は、中空の直円柱形状を有する。いくつかの実施形態では、連続的な溝がコイルフォーム(例えば、305)の外面に形成され、この連続的な溝は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルを受け入れ、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルの空間構成を維持するように構成される。
【0051】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコイルセクション(例えば、301、303)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルによる複数層の巻層を含む。いくつかの実施形態では、複数層の巻層は、誘導素子(例えば、141)の軸に対して半径方向に積み重ねられる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)は、誘導素子(例えば、141)の軸に沿って測定される長さが異なる。いくつかの実施形態では、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)の巻径(例えば、309)が異なる。いくつかの実施形態では、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)の巻形状が異なる。いくつかの実施形態では、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルは、8つのワイヤ(例えば、142A~142H)を含み、4つのチャネル用に構成され、誘導素子(例えば、141)内の少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)の数は、2つである。いくつかの実施形態では、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルは、2つのコイルセクション(例えば、301、303)で巻径(例えば、309)が実質的に同じであり、誘導素子(例えば、141)の第1の端部に接続する第1のコイルセクション(例えば、301)の巻ピッチ(例えば、311)は、誘導素子(例えば、141)の第2の端部に接続する第2のコイルセクション(例えば、303)の巻ピッチ(例えば、313)よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1のコイルセクション(例えば、301)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルによる1層の巻層を有し、第2のコイルセクション(例えば、303)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルによる2層の巻層(例えば、303A、303B)を有する。いくつかの実施形態では、第1のコイルセクション(例えば、301)は、この1層の巻層内に約13巻のツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルを有し、第2のコイルセクション(例えば、303)は、2つの巻層のうち内側の巻層(例えば、303A)内に約21巻のツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルを有し、第2のコイルセクション(例えば、303)は、2つの巻層のうち外側の巻層(例えば、303B)内に約18巻のツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルを有し、一組の終端容量素子の各終端容量素子(例えば、143A-143H)は、約0.1マイクロファラッドの静電容量値を有する。
【0052】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、RF電力をフィルタリングするための方法を提示する。方法は、電源(例えば、131)とこの電源(例えば、131)から電力を受け取ることになる電気部品(例えば、125)との間にRFフィルタ(例えば、129)を接続することを含む。図6の方法では、RFフィルタ(例えば、129)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)を有する誘導素子(例えば、141)を含む。各コイルセクション(例えば、301、303)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチ(例えば、311、313)で構成された部分を含む。少なくとも2つの隣接するコイルセクション(例えば、301、303)は、異なる巻ピッチ(例えば、311、313)を有する。ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成される。ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルは、誘導素子(例えば、141)の第1の端部において、電気部品(例えば、125)に接続される。ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルは、誘導素子(例えば、141)の第2の端部において、電源(例えば、131)に接続される。RFフィルタ(例えば、129)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの各ワイヤ(例えば、142A-142H)のための別個の終端容量素子(例えば、143A-143H)を含む。各終端容量素子(例えば、143A~143H)は、誘導素子(例えば、141)の第2の端部と電源(例えば、131)との間の場所で、基準接地電位(例えば、145)とツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルのそれぞれのワイヤ(例えば、142A~142H)との間に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)の数は、RFフィルタ(例えば、129)によってフィルタリングされる複数の異なるRF周波数に対応する。いくつかの実施形態では、所与のコイルセクション(例えば、301、303)の巻ピッチ(例えば、311、313)は、所与のコイルセクション(例えば、301、303)がRFフィルタ(例えば、129)によってフィルタリングされる複数の異なるRF周波数の1つと共振するように設定される。いくつかの実施形態では、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの各ワイヤ(例えば、142A-142H)は、低周波電流のワイヤ間導通を防止するとともにRF電力のワイヤ間伝送を可能にする電気絶縁コーティング材料でコーティングされた導電体である。
【0053】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、RF電力をフィルタリングするための方法を提示する。方法は、電力を電源(例えば、131)から入力構成内のワイヤ(例えば、142A-142H)に伝送するための動作701を含む。ワイヤ(例えば、142A-142H)は、それぞれの容量素子(例えば、143A-143H)に接続される。ワイヤ(例えば、142A-142H)の各別個のペアは、RF電力に曝される電気部品(例えば、125)に電力を供給するように指定される。方法はまた、誘導素子(例えば、141)の入力において、電力を入力構成内のワイヤ(例えば、142A-142H)から、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブル内の対応する磁気ワイヤに送るための動作703を含む。誘導素子(例えば、141)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルを誘導素子(例えば、141)の入力と誘導素子(例えば、141)の出力との間に集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクション(例えば、301、303)を含む。各コイルセクション(例えば、301、303)は、ツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブルの非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチ(例えば、311、313)で構成された部分を含む。少なくとも2つの隣接するコイルセクション(例えば、301、303)は、異なる巻ピッチ(例えば、311、313)を有する。方法はまた、誘導素子(例えば、141)の出力において、電力をツイスト磁気ワイヤ(例えば、142)のケーブル内の磁気ワイヤから、RF電力に曝される電気部品(例えば、125)に接続された対応するワイヤ(例えば、132A、132B、133A、133B、134A、134B、135A、135B)に送るための動作705を含む。
【0054】
RFフィルタ129のいくつかの利点を理解するために、RFフィルタ129を他の可能なRFフィルタ構成と対比することが有益である。2つ以上の異なる一次RF周波数をフィルタリングする目的で、いくつかの他の可能なRFフィルタ構成は、異なる一次RF周波数の各々に対して物理的に別個の組のインダクタと終端コンデンサを実装することがある。例えば、一次RF周波数が2つの場合、他の可能なRFフィルタ構成は、第1の一次RF周波数用に1組のインダクタと終端コンデンサを実装し、第2の一次RF周波数用に物理的に別個の1組のインダクタと終端コンデンサを実装することがある。RFフィルタ129と比較すると、この他の可能なRFフィルタ構成は、2倍の数のインダクタと2倍の数の終端コンデンサを有する。RFフィルタ129がこの他の可能なRFフィルタ構成と異なる点は、RFフィルタ129の異なるコイルセクション、例えば、301、303が同じコイル巻線の一部であり、物理的に別個のインダクタではない点であることを理解および認識されたい。また、RFフィルタ129がこの他の可能なRFフィルタ構成とさらに異なる点は、異なるコイルセクション、例えば301、303の数に関係なく、一組の終端コンデンサ143A-143Hが使用される点である。
【0055】
加えて、他の可能なRFフィルタ構成では、一部の終端コンデンサは、静電容量値が比較的低く、静電容量の製造公差が数パーセント以上と比較的高いことがある。終端コンデンサの静電容量に対するこれらの製造公差が組み合わさり、他の可能なRFフィルタ構成内で達成可能なチャネル間のインピーダンス均一性を本質的に制限する可能性がある。また、他の可能なRFフィルタ構成では、より低いRF周波数をフィルタリングするために定義された別個のインダクタは、(必要に迫られて)無撚導線が巻き付けられたフェライトコアを有するように構成されることがある。この他の可能なRFフィルタ構成におけるフェライトコアは、ユニット間の透磁率のばらつきが大きく、最大で30%となる場合があり、異なるRFフィルタユニット間の達成可能なインピーダンス均一性を本質的に制限している。フェライトコア材料の透磁率のユニット間のばらつきの低減は、コストが高くなる可能性があるとともに、より大きいフェライトコア構造の使用を必要とする可能性がある。他の可能なRFフィルタ構成に関しては、小さな終端コンデンサの静電容量の製造ばらつきと、低周波巻線のフェライトコア材料の透磁率に関連する製造ばらつきが集合的に、RFフィルタの特性および性能(RFフィルタによってRF発生器に与えられるインピーダンスなど)におけるチャンバ間のばらつきを増加させ、そのようなばらつきがRF電力伝送特性に影響を及ぼすことになる。また、他の可能なRFフィルタ構成では、RFフィルタのいずれかの部品が故障すると、多くの場合RFフィルタ全体が交換される。したがって、他の可能なRFフィルタ構成では、終端コンデンサの数が多いほど、故障率が高くなる可能性がある。
【0056】
上述の他の可能なRFフィルタ構成と比較して、本明細書で開示されるRFフィルタ129は、複数組の終端コンデンサを含まない。本明細書で開示されるRFフィルタ129によって提供される大きな全体インダクタンスは、より小さい静電容量の終端コンデンサを使用する必要性を回避し、フェライトコアの周りにインダクタを形成する必要性を回避する。本明細書で開示されるRFフィルタ129は、インダクタ141と電源131への電気接続137との間のそれぞれの場所に一組の終端コンデンサ143A-143Hを含む。また、上述の他の可能なRFフィルタ構成と比較して、本明細書で開示されるRFフィルタ129は、静電容量が比較的低く、製造公差が高い終端コンデンサを利用しない。したがって、本明細書で開示されるRFフィルタ129は、チャネル間のインピーダンス均一性を改善するとともに、対応するチャンバ間のインピーダンス均一性を改善することができる。また、上述の他の可能なRFフィルタ構成と比較して、本明細書で開示されるRFフィルタ129は、より低いRF周波数をフィルタリングするように定義されたインダクタ用のフェライトコア構造を含まず、それによってフェライトコア構造に関連する透磁率の大きな製造ばらつきを回避し、チャンバ間のインピーダンス均一性を改善する。
【0057】
加えて、本明細書で開示されるRFフィルタ129では、インダクタ141内でワイヤ142のツイストアセンブリのケーブルを使用することにより、チャネル間のインピーダンス均一性および再現性が改善され、プロセス均一性に対する負荷効果を最小限に抑えることを認識されたい。RFフィルタ129により、ユニット間のばらつきに対する静電容量公差の影響が排除される。RFフィルタ129により、ユニット間のばらつきに対するフェライトコア磁性材料の透磁率公差の影響が排除される。RFフィルタ129により、周波数同調を可能にするために、広帯域でより高いインピーダンスを達成することができる。RFフィルタ129により、チャネル間の再現性が、プロセス均一性に対する負荷効果を最小限に抑える。RFフィルタ129により、RFフィルタ129内のRF電力損失を最小限に抑えることによって、より高いRF電力効率を達成することができる。RFフィルタ129は、高いインピーダンス(最大3キロオーム、またはそれ以上)を提供し、これによりRFフィルタ129の負荷効果を最小限に抑え、広い帯域幅を提供して、レベル間のRF電力パルス方式を使用するプラズマプロセスでの周波数同調動作を可能とする。RFフィルタ129は段間コンデンサを使用せず、フェライトコア構造を使用しないため、ユニット間のばらつきに対する静電容量公差と透磁率公差の影響がRFフィルタ129では排除される。また、RFフィルタ129のインダクタ141の巻線にツイスト磁気ワイヤを使用することにより、チャネル間のばらつきが最小限に抑えられ、したがってプラズマプロセス均一性に対するチャネル間の負荷効果が最小限に抑えられる。
【0058】
前述の開示は、理解を明確にする目的でいくらかの詳細を含んでいるが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および修正を実施することができることは明らかであろう。したがって、本実施形態は例示的であって限定的ではないと考えるべきであり、特許請求の範囲は、本明細書に与えられた詳細に限定されるものではなく、説明された実施形態の範囲および均等物内で修正することができる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)フィルタであって、
コイルフォームと、前記コイルフォームに巻き付けられたツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを含む誘導素子であって、前記コイルフォームは、内径および外径を有する中空円柱であり、前記コイルフォームの前記内径は、前記コイルフォームを通る冷却空気流を提供するように定義され、各コイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含み、少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有し、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第1の端部において、電源から電力を受け取ることになる電気部品への接続用に構成され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第2の端部において、前記電源への接続用に構成される誘導素子と、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤのための別個の終端容量素子を含む一組の終端容量素子であって、各終端容量素子は、前記誘導素子の前記第2の端部と前記電源との間の場所で、基準接地電位と前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続される一組の終端容量素子と、
前記コイルフォームを通る冷却空気を移動させるように前記コイルフォームの端部に位置決めされたファンと、
外側ハウジングであって、前記誘導素子は前記外側ハウジング内に配置される、外側ハウジングと、
を備える、RFフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、前記少なくとも2つのコイルセクションの隣接するコイルセクション間の各移行部を介した連続的な構成を有する、RFフィルタ。
【請求項3】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記少なくとも2つのコイルセクションは、前記RFフィルタによってフィルタリングされる対応するRF周波数に関連付けられる、RFフィルタ。
【請求項4】
請求項3に記載のRFフィルタであって、
所与のコイルセクションの前記巻ピッチは、前記所与のコイルセクションが、前記RFフィルタによってフィルタリングされる前記対応するRF周波数の1つと共振するように設定される、RFフィルタ。
【請求項5】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤは、電気絶縁コーティング材料でコーティングされた導電体である、RFフィルタ。
【請求項6】
請求項5に記載のRFフィルタであって、
前記電気絶縁コーティング材料は、低周波電流のワイヤ間導通を防止するとともに、RF電力のワイヤ間伝送を可能にする、RFフィルタ。
【請求項7】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
少なくとも1つのコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる複数層の巻層を含み、前記複数層の巻層は、前記誘導素子の軸に対して半径方向に積み重ねられる、RFフィルタ。
【請求項8】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
少なくとも2つのコイルセクションは、前記誘導素子の軸に沿って測定される長さが異なる、RFフィルタ。
【請求項9】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクションで巻径が異なる、RFフィルタ。
【請求項10】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクションで巻形状が異なる、RFフィルタ。
【請求項11】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、8つのワイヤを含み、4つのチャネル用に構成され、前記少なくとも2つのコイルセクションの数は2つである、RFフィルタ。
【請求項12】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、前記少なくとも2つのコイルセクションで巻径が同じであり、前記誘導素子の前記第1の端部に接続する第1のコイルセクションの前記巻ピッチは、前記誘導素子の前記第2の端部に接続する第2のコイルセクションの前記巻ピッチよりも大きい、RFフィルタ。
【請求項13】
請求項12に記載のRFフィルタであって、
前記第1のコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる1層の巻層を有し、前記第2のコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる2層の巻層を有する、RFフィルタ。
【請求項14】
請求項13に記載のRFフィルタであって、
前記第1のコイルセクションは、前記1層の巻層内に13巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記第2のコイルセクションは、前記2層の巻層のうち内側の巻層内に21巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記第2のコイルセクションは、前記2層の巻層のうち外側の巻層内に18巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記一組の終端容量素子の各終端容量素子は、0.1マイクロファラッドの静電容量値を有する、RFフィルタ。
【請求項15】
請求項に記載のRFフィルタであって、
前記コイルフォームの外面内に連続的な溝が形成され、前記連続的な溝は、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを受け入れ、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの空間構成を維持するように構成される、RFフィルタ。
【請求項16】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記外側ハウジングは、円柱形の構造として構成される、RFフィルタ。
【請求項17】
請求項16に記載のRFフィルタであって、
前記外側ハウジングは、前記円柱形の構造の少なくとも一端にフランジを有する、RFフィルタ。
【請求項18】
請求項16に記載のRFフィルタであって、さらに、
前記円柱形の構造に備え付けられたエンクロージャであって、前記一組の終端容量素子を収容するように構成されたエンクロージャを備える、RFフィルタ。
【請求項19】
請求項17に記載のRFフィルタであって、さらに、
前記電源から電力を受け取るためのコネクタであって、前記誘導素子の前記第2の端部で前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルに電気的に接続され、前記エンクロージャ内に配置されたコネクタを備える、RFフィルタ。
【請求項20】
請求項1に記載のRFフィルタであって、
前記外側ハウジングは、前記誘導素子の冷却を提供するように構成される、RFフィルタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
半導体産業では、半導体基板は、容量結合プラズマ(CCP)処理チャンバおよび誘導結合プラズマ(ICP)処理チャンバなど、様々なタイプのプラズマチャンバで製造作業を行うことができる。CCP処理チャンバおよびICP処理チャンバの両方では、無線周波数(RF)電力を使用してプロセスガスにエネルギーを与え、プロセスガスをプラズマに変換する。プラズマ内の反応種および/または帯電種は、例えば、基板に存在する材料を改質すること、または基板に材料を堆積させること、または基板から材料を除去/エッチングすることなどによって、基板と相互作用して基板の状態を改質することを目的とする。また、CCP処理チャンバおよびICP処理チャンバは、帯電種をプラズマから基板に向けて加速するためのバイアス電圧を生成するためにRF電力を受け取る1つまたは複数の電極を備えることができる。CCP処理チャンバおよびICP処理チャンバはまた、1つまたは複数の電源から電力を受け取る1つまたは複数の電動部品(ヒータアセンブリなど)を備えることができ、1つまたは複数の電源の各々は、DC(直流)電源またはAC(交流)電源のいずれかである。プラズマおよび/またはバイアス電圧の生成に使用されるRF電力が、1つまたは複数の電動部品(ヒータアセンブリなど)への電力供給に使用される電源(DCまたはAC電源)に伝わらないようにする必要がある。本明細書で開示されるRFフィルタおよび関連するインダクタの様々な実施形態は、CCP処理チャンバおよびICP処理チャンバの動作に関連するRF電力がDC電源および/またはAC電源に伝送されることを防止するのに適している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、CCP処理チャンバ101の例示的な垂直断面図を示す。CCP処理チャンバ101は、制御された様式で基板105の変化に影響を及ぼすために、プラズマ123が基板105への曝露中に生成される処理容積を定義する。様々な製造プロセスにおいて、基板105の変化は、基板105上の材料または表面状態の変化であり得る。例えば、様々な製造プロセスにおいて、基板105の変化は、基板105からの材料のエッチング、基板105への材料の堆積、または基板105に存在する材料の改質の1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、基板105は、製造処理を受ける半導体ウエハである。しかしながら、様々な実施形態において、基板105は、プラズマを使用した製造プロセスにかけられる本質的に任意のタイプの基板であればよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で使用される基板105は、シリコン、サファイア、GaN、GaAsもしくはSiC、または他の基板材料で形成された基板を指し、ガラスパネル/基板、金属箔、金属シート、ポリマー材料などを含むことができる。また、様々な実施形態において、本明細書で言及される基板105は、形態、形状、および/またはサイズが異なってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で言及される基板105は、200mm(ミリメートル)の半導体ウエハ、300mmの半導体ウエハ、または450mmの半導体ウエハに対応し得る。また、いくつかの実施形態では、本明細書で言及される基板105は、様々な形状の中でもとりわけ、フラットパネルディスプレイ用の長方形基板のような非円形基板などに対応し得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ICP処理チャンバ151の例示的な垂直断面図を示す。ICP処理チャンバは、変圧器結合プラズマ(TCP)処理チャンバとも呼ばれることがある。ここでは説明を容易にするために、ICP処理チャンバは、ICP処理チャンバとTCP処理チャンバの両方を指すために使用されるものとする。ICP処理チャンバ151は、制御された様式で基板105の変化に影響を及ぼすために、プラズマ123が基板105への曝露中に生成される処理容積を定義する。様々な製造プロセスにおいて、基板105の変化は、基板105上の材料または表面状態の変化であり得る。例えば、様々な製造プロセスにおいて、基板105の変化は、基板105からの材料のエッチング、基板105への材料の堆積、または基板105に存在する材料の改質の1つまたは複数を含み得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
図3Dはまた、インダクタ141がどのように外側ハウジング319内に配置され得るかを示している。外側ハウジング319は、インダクタ141を物理的に保護し、プラズマ処理チャンバに関連する他の機器および/または機器用のラック、シャーシ、ボックス、ハウジングなどとインダクタ141との取付を行う。いくつかの実施形態では、外側ハウジング319は、少なくとも一端に、別の表面に装着するためのフランジ319Aを有する実質的に円柱形の構造として構成される。また、いくつかの実施形態では、外側ハウジング319は、終端コンデンサ、例えば、143A-143Hを収容するための備え付けのエンクロージャ320と、電源131から電力を受け取るためのコネクタとを有することができる。しかしながら、他の実施形態では、外側ハウジング319は、インダクタ141の物理的保護と、インダクタ141の冷却と、プラズマ処理チャンバに関連する既存のシステム内にインダクタ141を取付可能にすることとに適切な本質的に任意の形状を有するように形成することができることを理解されたい。また、図3Dは、矢印323で示すようにインダクタ141に冷却空気を送り込むか、または矢印324で示すようにインダクタ141から冷却空気を引き出すために、ファン321をどのように格子325に近接して配置できるかを示している。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
前述のように、所与のチャネルは、電流フローをヒータアセンブリ125内の所与の加熱素子132、133、134、135に提供するワイヤ142A-142Hの所与のペアに対応する。RFフィルタ129は存在する各チャネルに対して実質的に同様の様式でRF電力伝送を遮断することが可能であるため、RFフィルタ129は、改善されたチャネル間のインピーダンス均一性を提供する。図4は、本開示のいくつかの実施形態による、電流フローをヒータアセンブリ125内の所与の加熱素子132、133、134、135に供給するワイヤ132A、132B、133A、133B、134A、134B、135A、135Bの各々について、高いほうの一次RF周波数である13.56MHzにおけるRF周波数の関数としてのインピーダンスのプロットを示す。図4は、RFフィルタ129が、高いほうのRF周波数である13.56MHzまたはその近くのRF周波数においてチャネル間のインピーダンスの実質的な均一性をどのように提供するかを実証している。図5は、本開示のいくつかの実施形態による、電流フローをヒータアセンブリ125内の所与の加熱素子132、133、134、135に供給するワイヤ132A、132B、133A、133B、134A、134B、135A、135Bの各々について、低いほうの一次RF周波数である1MHzにおけるRF周波数の関数としてのインピーダンスのプロットを示す。図5は、RFフィルタ129が、低いほうのRF周波数である1MHzまたはその近くのRF周波数においてチャネル間のインピーダンスの実質的な均一性をどのように提供するかを実証している。RFフィルタ129はチャネル間のインピーダンスの実質的な均一性を提供するので、ヒータアセンブリ125の電力供給チャネルの各々には本質的に同じ量のRF電力が存在する。これは様々な加熱ゾーンの異なる加熱素子、例えば、132、133、134、135がそれぞれの加熱ゾーン内のRF電力伝送に対して実質的に均一な影響を有することを意味し、それによって異なる加熱素子、例えば、132、133、134、135を通るRF電力伝送/損失に関して基板105全体のプロセス均一性を改善する。また、RFフィルタ129内のチャネル間のインピーダンス均一性を制御することによって、異なるプラズマ処理チャンバに設置された異なるRFフィルタ129のユニット間のインピーダンス均一性を制御し、したがってRFフィルタ129がチャンバ間のインピーダンス均一性に与える影響を制御することが可能である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
前述の開示は、理解を明確にする目的でいくらかの詳細を含んでいるが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および修正を実施することができることは明らかであろう。したがって、本実施形態は例示的であって限定的ではないと考えるべきであり、特許請求の範囲は、本明細書に与えられた詳細に限定されるものではなく、説明された実施形態の範囲および均等物内で修正することができる。本開示は、以下の形態により実現されてもよい。
[形態1]
無線周波数(RF)フィルタであって、
ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを含む誘導素子であって、各コイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含み、少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有し、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第1の端部において、電源から電力を受け取ることになる電気部品への接続用に構成され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第2の端部において、前記電源への接続用に構成される誘導素子と、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤのための別個の終端容量素子を含む一組の終端容量素子であって、各終端容量素子は、前記誘導素子の前記第2の端部と前記電源との間の場所で、基準接地電位と前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続される一組の終端容量素子と
を備える、RFフィルタ。
[形態2]
形態1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、前記少なくとも2つのコイルセクションの隣接するコイルセクション間の各移行部を介した連続的な構成を有する、RFフィルタ。
[形態3]
形態1に記載のRFフィルタであって、
前記少なくとも2つのコイルセクションは、前記RFフィルタによってフィルタリングされる対応するRF周波数に関連付けられる、RFフィルタ。
[形態4]
形態3に記載のRFフィルタであって、
所与のコイルセクションの前記巻ピッチは、前記所与のコイルセクションが、前記RFフィルタによってフィルタリングされる前記対応するRF周波数の1つと共振するように設定される、RFフィルタ。
[形態5]
形態1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤは、電気絶縁コーティング材料でコーティングされた導電体である、RFフィルタ。
[形態6]
形態5に記載のRFフィルタであって、
前記電気絶縁コーティング材料は、低周波電流のワイヤ間導通を防止するとともに、RF電力のワイヤ間伝送を可能にする、RFフィルタ。
[形態7]
形態1に記載のRFフィルタであって、
少なくとも1つのコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる複数層の巻層を含み、前記複数層の巻層は、前記誘導素子の軸に対して半径方向に積み重ねられる、RFフィルタ。
[形態8]
形態1に記載のRFフィルタであって、
少なくとも2つのコイルセクションは、前記誘導素子の軸に沿って測定される長さが異なる、RFフィルタ。
[形態9]
形態1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクションで巻径が異なる、RFフィルタ。
[形態10]
形態1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、少なくとも2つのコイルセクションで巻形状が異なる、RFフィルタ。
[形態11]
形態1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、8つのワイヤを含み、4つのチャネル用に構成され、前記少なくとも2つのコイルセクションの数は2つである、RFフィルタ。
[形態12]
形態1に記載のRFフィルタであって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルは、前記少なくとも2つのコイルセクションで巻径が実質的に同じであり、前記誘導素子の前記第1の端部に接続する第1のコイルセクションの前記巻ピッチは、前記誘導素子の前記第2の端部に接続する第2のコイルセクションの前記巻ピッチよりも大きい、RFフィルタ。
[形態13]
形態12に記載のRFフィルタであって、
前記第1のコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる1層の巻層を有し、前記第2のコイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルによる2層の巻層を有する、RFフィルタ。
[形態14]
形態13に記載のRFフィルタであって、
前記第1のコイルセクションは、前記1層の巻層内に約13巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記第2のコイルセクションは、前記2層の巻層のうち内側の巻層内に約21巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記第2のコイルセクションは、前記2層の巻層のうち外側の巻層内に約18巻の前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを有し、前記一組の終端容量素子の各終端容量素子は、約0.1マイクロファラッドの静電容量値を有する、RFフィルタ。
[形態15]
形態1に記載のRFフィルタであって、
前記誘導素子は、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルが巻き付けられたコイルフォームを含む、RFフィルタ。
[形態16]
形態15に記載のRFフィルタであって、
前記コイルフォームが中空の直円柱形状を有する、RFフィルタ。
[形態17]
形態16に記載のRFフィルタであって、
前記コイルフォームの外面内に連続的な溝が形成され、前記連続的な溝は、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルを受け入れ、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの空間構成を維持するように構成される、RFフィルタ。
[形態18]
無線周波数(RF)電力をフィルタリングするための方法であって、
電源と前記電源から電力を受け取ることになる電気部品との間にRFフィルタを有することであって、前記RFフィルタは、ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを有する誘導素子を含み、各コイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含み、少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有し、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、チャネルごとに2つのワイヤを含み、少なくとも1つのチャネル用に構成され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第1の端部において、前記電気部品に接続され、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルは、前記誘導素子の第2の端部において、前記電源に接続され、前記RFフィルタは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤに対して別個の終端容量素子を含み、各終端容量素子は、前記誘導素子の前記第2の端部と前記電源との間の場所で、基準接地電位と前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルのそれぞれのワイヤとの間に電気的に接続されること
を含む、方法。
[形態19]
形態18に記載のRF電力をフィルタリングするための方法であって、
前記少なくとも2つのコイルセクションの数は、フィルタリングされる複数の異なるRF周波数に対応し、所与のコイルセクションの前記巻ピッチは、フィルタリングされる前記複数の異なるRF周波数の1つと前記所与のコイルセクションが共振するように設定される、方法。
[形態20]
形態19に記載のRF電力をフィルタリングするための方法であって、
前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの各ワイヤは、低周波電流のワイヤ間導通を防止するとともにRF電力のワイヤ間伝送を可能にする電気絶縁コーティング材料でコーティングされた導電体である、方法。
[形態21]
無線周波数(RF)電力をフィルタリングするための方法であって、
電力を電源から入力構成内のワイヤに伝送することであって、前記ワイヤは、それぞれの容量素子に接続され、前記ワイヤの各別個のペアは、RF電力に曝される電気部品に電力を供給するように指定されることと、
誘導素子の入力において、電力を前記入力構成内の前記ワイヤから、ツイスト磁気ワイヤのケーブル内の対応する磁気ワイヤに送ることであって、前記誘導素子は、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの非分割コイルを前記誘導素子の前記入力と前記誘導素子の出力との間に集合的に形成する少なくとも2つのコイルセクションを含み、各コイルセクションは、前記ツイスト磁気ワイヤのケーブルの前記非分割コイルの一部分として、対応する巻ピッチで構成された部分を含み、少なくとも2つの隣接するコイルセクションは、異なる巻ピッチを有することと、
前記誘導素子の前記出力において、電力を前記ツイスト磁気ワイヤのケーブル内の前記磁気ワイヤから、RF電力に曝される前記電気部品に接続された対応するワイヤに送ることと
を含む、方法。
【外国語明細書】