(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010019
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】試料調製のための焦点合成適用
(51)【国際特許分類】
H01J 37/22 20060101AFI20250109BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20250109BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/317 D
H01J37/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024104625
(22)【出願日】2024-06-28
(31)【優先権主張番号】18/217,129
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.JAVASCRIPT
3.MATLAB
4.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】マテイ ドルニク
(72)【発明者】
【氏名】ラディム クリシュ
(72)【発明者】
【氏名】ルカシュ マリ
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101AA07
5C101AA32
5C101BB03
5C101CC04
5C101DD03
5C101EE45
5C101EE73
5C101FF03
5C101FF16
5C101FF19
5C101FF45
5C101FF47
5C101FF56
5C101FF59
5C101GG04
5C101GG05
5C101GG10
5C101GG13
5C101GG18
5C101GG32
5C101HH27
5C101HH34
5C101HH37
5C101HH44
5C101HH48
(57)【要約】
【課題】焦点合成を試料調製に適用し、分析タスクの精度を改善し、自動化を容易にし、スループットを改善する方法及び装置を提供する。
【解決手段】焦点合成は、異なる焦点深さを有する試料画像のセットに適用され、異なる深さにおける特徴に焦点が合っている合成画像、及び任意選択で、深さマップを生成する。試料位置が合成画像から選択され、局所的な材料除去、測定、又は撮像動作が、試料位置に基づいて行われる。深さマップからの深さ値は、局所的な動作を行うためのツールの作業深さを設定するために使用される。用途としては、生体試料の低温TEM分析のためのラメラ調製が挙げられる。他の用途、技法、及び変形例が開示される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1のビームを使用して、試料に対して局所的な動作を行うように構成されたツールと、
第2のビームを使用して、前記試料の複数の画像を取得するように構成された、撮像装置と、
コントローラであって、
合成画像を得るために、前記複数の画像を焦点合成し、
前記合成画像において選択された位置の指示を受信し、
前記ツールに、前記選択された位置に基づいて、前記局所的な動作を行わせるように構成された、コントローラと、を備える、装置。
【請求項2】
前記コントローラが、
前記複数の画像から深さマップを生成し、
前記深さマップを使用して、前記選択された位置からの作業深さを判定し、
前記局所的な動作のために、前記作業深さに従って前記ツールを設定するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のビームが、プラズマ集束イオンビームを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のビームが、前記試料の表面法線から60°~87°に配向されたビーム軸に沿って、前記試料に方向付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記撮像装置が、イオン顕微鏡を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のビームが、前記試料の表面法線から60°~87°に配向された視軸に沿って、前記試料に方向付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のビームが、プラズマ集束イオンビームを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のビームが、光ビームを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のビーム及び前記第2のビームが、共通のビームカラムで生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラが、マルチスケール変換を使用して、前記焦点合成を行うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
コンピュータ実装方法であって、
それぞれの焦点深さにおける試料の複数の画像を取得することと、
合成画像を得るために、前記複数の画像を焦点合成することと、
前記合成画像において選択された位置の指示を受信することと、
前記選択された位置に基づいて、前記試料に対して局所的な動作を行わせることと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記焦点合成することが、前記試料の深さマップを更に生成し、前記コンピュータ実装方法が、
前記深さマップを使用して、前記選択された位置からの作業深さを判定することと、
前記作業深さに従って、ツールを設定することと、
前記ツールに、前記局所的な動作を行わせることと、を更に含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記作業深さが、前記選択された位置から所定の横方向オフセットで前記深さマップに記憶された値に基づく、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記選択された位置を組み込むラメラを形成することを更に含み、前記形成することが、前記局所的な動作を前記行わせることを含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記試料が、低温生体試料を含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記試料が、5~20μmの範囲の表面横方向範囲にわたって、2~10μmの範囲の表面高さ変動を有する、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記位置が、自動化されたプログラムによって選択される、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記局所的な動作が、ミリングによって行われる、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記局所的な動作が、前記選択された位置から所定の横方向及び/又は深さオフセットで行われる、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のハードウェアプロセッサを作動させて、
それぞれの焦点深さにおける試料の複数の画像を取得することと、
合成画像を得るために、前記複数の画像を焦点合成することと、
前記合成画像において選択された位置の指示を受信することと、
前記選択された位置に基づいて、前記試料に対して局所的な動作を行わせることと、を含む動作を行う、1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料調製のための焦点合成適用に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型電子顕微鏡(transmission electron
microscopy、TEM)は、ラメラとして知られる薄い試料(一般に10~150nm厚)を必要とする。ラメラ調製は、例えば、TEMによって分析される特徴を見出すための撮像、及びその特徴を組み込むラメラを調製するためのミリングを伴うことができる。撮像ベースのワークフローはまた、他の試料調製用途において採用されることもできる。
【0003】
集束イオンビーム(focused ion beam、FIB)又は蛍光顕微鏡等のいくつかのツールは、撮像される試料領域の深さ変動未満の焦点深さを有する場合があり、これは、撮像のためにこれらのツールを使用することに課題をもたらし得る。いくつかのワークフローでは、この問題は、大きな焦点深さを有する走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope、SEM)を使用して表面撮像を行うことによって回避することができ、SEM画像内で識別された特徴を使用して、後続のFIBミリングをガイドすることができる。しかしながら、表面のSEMビューを同じ表面のFIBビューと相関させることは、特に、SEM及びFIBのビュー軸が異なるとき、著しいトポグラフィ変動を有する表面(「でこぼこ表面」)の場合、困難であり、誤差を生じやすい場合がある。
【0004】
他のワークフローでは、蛍光撮像を使用して試料内部の特徴を見つけることができるが、SEM撮像に置き換えることはできない。ラメラ調製をガイドするために蛍光画像を使用することは、TEM撮像のための特徴を識別するために、異なる焦点深さで撮影された一連の蛍光画像を厳密に調べることを必要とし得る。これは面倒なプロセスであり得、異なる深さで関連する特徴を容易に視覚化することができないことによってより面倒になり得る。
【0005】
したがって、TEMラメラの製造に限定されない用途の範囲において、試料調製のガイドとして撮像するための改善された技術が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
簡単に説明すると、開示された技術の例は、焦点合成を使用して、単一の合成画像において全て焦点が合っている、異なる深さにおける試料特徴を統合し、提示する。試料位置は、ユーザによって対話的に、又は自動化されたソフトウェアによって、合成画像から選択することができる。選択された位置に基づいて、試料に対して局所的な動作を行うことができる。
【0007】
いくつかの実施例では、焦点合成はまた、選択された位置の、又は選択された位置に対して所定の空間的関係を有する別の位置における深さ値を直接示すことができる深さマップを生成することができる。合成画像ピクセルの横方向座標と深さマップからの深さ値との組み合わせは、所与の特徴の三次元位置を正確に指定することができる。局所的な動作を正確に行うために、ツールの作業深さを状況に応じて適切に設定することができる。
【0008】
特に、開示された技術は、試料表面上のトポグラフィ変動、撮像若しくはミリングのためのかすめ入射ビーム、又は制限された焦点深さ(例えば、試料サイズに匹敵するか、若しくはそれより小さい)を有するビーム、を有する環境において適用されることができる。開示された技術は、ミクロンスケールの変動を有する試料及びツールを用いて作業するときにナノメートル精度を達成するという課題に対処することができる。1つの用途では、開示された技術は、試料からTEMラメラをミリングするために適用することができ、本明細書で更に説明される様々な理由でスループットを増加させる。しかしながら、開示された技術は、ワークフロー自動化を改善するために、又は撮像ベースの分析動作の精度若しくは収率を改善するために、広く適用可能である。そのような動作は、材料除去、測定、又は更なる撮像を含むことができる。
【0009】
本発明の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付図面を参照して進める以下の詳細な説明より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】開示された技術を実施することができる、例示的な装置の図である。
【
図2】開示された技術のいくつかの実施例のための試料載置構成を示す図である。
【
図3】開示された技術を説明する、例示的なビーム及び試料構成の図である。
【
図4】開示された技術の一例におけるパターンミリングの図である。
【
図5】開示された技術の第1の例示的な適用を示す、画像のセットである。
【
図6】開示された技術による例示的な方法を描写するフローチャートである。
【
図7】開示された技術とともに使用され得る焦点合成方法のフローチャートである。
【
図8】開示された技術の一例における合焦画像及び深さマップの生成を説明する図である。
【
図9】開示された技術の第2の例示的な適用における焦点合成を説明する画像のセットである。
【
図10A】
図10Bとともに、開示された技術の第3の例示的な適用における焦点合成を説明する画像のセットを提供する。
【
図10B】
図10Aとともに、開示された技術の第3の例示的な適用における焦点合成を説明する画像のセットを提供する。
【
図12】撮像又はミリングに関連する、説明された実施形態、技法、及び技術を実施することができる、好適なコンピューティング環境の、一般化された例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
序論
透過型電子顕微鏡(transmission electron
microscope、TEM)は、生物学的試料、並びに材料科学試料及び半導体デバイスの分析のためにますます使用されている。低温電子顕微鏡法は、特に、結晶構造を伴わない構造判定を可能にする。
【0012】
スループットは、多くの用途において重要な考慮すべき事項であり得る。多くの場合、複数の試料部位が単一の基板上に調製され得る。試料部位は、例えばFIBツールを使用して、薄いラメラとして調製することができる。基板を斜角に配置することにより、FIBカラムの制限された視野内により多くの試料部位をもたらすことができる。説明すると、基板表面をFIBビーム軸に対して10°のかすめ角(すなわち、入射角80°)で配向することは、FIB視野内の試料面積を、法線入射と比較して約1/sin(10°)=5.75だけ増加させ得る。かすめ入射FIBは、ラメラの上及び下の試料材料をミリングで除去することができ、例えば、分離して別のラメラホルダに再付着させることなく、ラメラを元の基板に付着させたまま使用することを可能にするという別の利点を提供する。
【0013】
したがって、FIBビーム軸に沿って見られるように特徴及び試料部位を識別することが望ましい場合がある。(例えば、高ビーム電流での)ミリングのために使用されるFIBツールは、(例えば、低ビーム電流での)撮像にも使用することができる。しかしながら、FIBビームの焦点深さは、約20~50μmに制限され得、これは、典型的な直径3mmのグリッドプレートは言うまでもなく、単一の100μmの試料部位の寸法よりも小さくあり得る。
【0014】
焦点深さに関する問題を回避するために、いくつかのワークフローは、試料の法線入射SEM撮像を使用する。表面特徴は、SEM画像から容易に識別することができるが、SEM画像からの特徴位置をFIBの視点に相関させることは、トポグラフィ変動(例えば、「でこぼこ表面」)の幾何学的補正、SEMとFIBとの間のコントラスト又はエッジ回折変動、及びビーム操向における時間依存変動を含む理由のために困難であり得る。SEMとFIBとの間の画像相関にかかる時間、及び誤差の傾向は、達成可能なスループットを直接低下させる可能性がある。
【0015】
開示された技術は、焦点合成を適用して、かすめ入射であっても、FIB画像が特徴識別のために直接使用されることを可能にする。したがって、ラメラを調製するための撮像及び後続のミリングに同じツールを使用することができる。ビームドリフトを追跡し、補償するために、ミリング動作の間に撮像を行うこともできる。更に、焦点合成は、深さマップを補助出力として提供することができ、その結果、識別された特徴における又はその近くの作業深さを正確に知ることができ、それに応じてFIBミリングを設定することができる。ビーム焦点深さの変動はビームスポットサイズの変動に関連するので、FIBミルの正確な制御は、TEM用途における限界寸法であり得る、結果として得られるラメラ厚さの厳密な公差を直接提供することができる。
【0016】
他の用途では、特徴は、例えば、タンパク質又は他の生体分子に付着されたフルオロフォアの蛍光撮像によって、試料の内部体積内で識別することができる。FIBと同様に、蛍光顕微鏡法もまた、限られた焦点深さを有する場合があり、試料体積の完全な撮像は、異なる焦点深さにおける10~100個の蛍光画像のスタックを必要とする場合がある。いくつかのワークフローは、例えば、画像スライスを選択又は変更するために対話型ディスプレイ上のスライダを使用した、これらの画像間の手動走査を可能にするが、異なる深さの特徴を同時に示すことはできない。
【0017】
開示された技術は、広範囲の深さから合焦特徴を含む合成画像を生成するために、焦点合成を適用する。異なる深さで特徴を同時に視覚化する能力は、それらの環境に関して、又はそれらがその一部であるより大きい対象に関して、特徴の情報に基づく評価を提供することができる。特に、合成画像内の横方向距離、又はコンパニオン深さマップ内の深さ値は、より大きい対象又は特徴の配向に関する手がかりを提供することができる。この情報を用いて、ユーザ又は自動化されたプログラムは、TEM撮像又はラメラ調製のために好適に配向されるそれらの特徴の情報に基づく選択を行うことができる。更に、配向情報は、選択された特徴がラメラ内のTEM分析にとって望ましい配向を有するように、ラメラ配向の選択をガイドすることができる。次に、選択されたラメラ配向は、ラメラを形成するためのミリングパターンの配置をガイドすることができる。三次元特徴及びラメラ配置情報は、三角法又は行列演算を使用して、蛍光ビーム座標(又は試料座標)からミリングのためのFIB座標に変換することができる。
【0018】
焦点合成及び深さマップ生成は、自動化されたソフトウェアによって行うことができ、自動化又は半自動化されたワークフローにおいて、先行するステップ(例えば、画像取得)及び後続のステップ(例えば、特徴選択又はパターンミリング)と容易に統合することができる。焦点合成及び深さマップ生成は迅速な手順であり、典型的には、個々の画像の数及びサイズに応じて、ワークステーション又は機器コントローラ上で1~10ms又は10~100msかかる。
【0019】
用語
本節で引用されている全ての用語の使用法及び意味は、別段の明確な指示がない限り、又は、文脈に反するものでない限り、この開示全体に適用する。以下の用語は、関連する語形に拡張される。便宜上、このセクションにおける用語は、サブセクション(A)一般、(B)ジオメトリ、(C)撮像、(D)試料、及び(E)試料分析のためのツール及び技法内に編成される。
【0020】
A.一般
「コントローラ」は、物理パラメータに変更をもたらすための1つ以上のアクチュエータに結合された、又は、物理パラメータを監視するための1つ以上のセンサに結合された、電子デバイスである。コントローラには、機械可読命令を実行するようにプログラムできる、マイクロプロセッサを含むことができるものがある。本明細書におけるコンピューティングデバイスの説明は、概して、そのようなコントローラに適用可能である。このようなコントローラは、フィルタ及び増幅器などの、追加の電子回路を含むことができる。コントローラには、マイクロプロセッサを使用せずに、フィルタ及び増幅器などの、アナログ回路を含むことができるものもある。
【0021】
「パラメータ」は、特定の「値」を有することができる量である。多くの場合、パラメータは数値を有するが、これは要件ではなく、いくつかのパラメータ値は、論理値、文字列、又はデータ構造であり得る。パラメータには、制御パラメータであり得るものがあり、例えば、物理デバイス又は物理的動作に影響を与えるために、コントローラによって設定される。パラメータには、感知パラメータであり得るものもあり、例えば、物理的環境によって判定され、コントローラ又は測定装置によって(例えば、画像を形成するために、又は画像から)評価される。
【0022】
「ソフトウェア」は、コンピュータ実行可能プログラム、命令、又は関連付けられたデータ構造を指す。ソフトウェアは、アクティブ状態又は静止状態であり得る。アクティブ状態では、ソフトウェアはメモリにロードされ得るか、又は1つ以上のプロセッサによる実行を受け得る。静止状態では、ソフトウェアはコンピュータ可読媒体上に記憶され、送信又は実行を待つことができる。「命令」(又は「プログラム命令」)は、プロセッサによって行われる動作を(時には、1つ以上のオペランド、オペランドアドレス、又は宛先アドレスと一緒に)符号化する。命令のグループは、機能を行うように編成することができる。「対話型ソフトウェア」は、ユーザに情報を提示し、提示された情報に応答したユーザからのコマンドを受信するソフトウェアプログラムを指す。「自動化されたソフトウェア」は、機器又は他のソフトウェアプログラムから情報を受信し、ユーザ入力なしに機器又は他のソフトウェアプログラムによって行われる1つ以上のアクションを選択するソフトウェアプログラムを指す。
【0023】
「ユーザ」は、人である。例示的なユーザは、分析手順若しくは機器を制御することができるか、又はそのような分析機器からデータの提示又は通知を受信することができる。ユーザは、通信ネットワーク、コンピュータ入力若しくは出力インターフェース、又はクライアントソフトウェアの助けを借りて、機器、試料、又はソフトウェアと対話することができる。
【0024】
B.ジオメトリ
「深さ」は、ビームに沿った方向の座標を指し、深さの値は、ビーム源から離れるにつれて増加する。したがって、例えば、試料を真上から観察する電子顕微鏡及び各電子ビームから約50°に配向されたFIBを有するマルチビームシステムでは、各ビームはそれ自身の深さ座標を有する。「作業深さ」は、ビームが試料と相互作用すると予想される深さ又はその近くの深さである。いくつかのツールは、作業深さを設定するためのビーム制御を有し、作業深さは、ビームが集束される深さに対応し得るか、又は最小断面積、例えば、「ビームウエスト」を有する。「焦点深さ」は、ビームが最適な焦点を有する深さであり、これは、ビームの横方向範囲が最小である深さであり得、多くの場合、作業深さであり得る。「焦点深さ」は、所定の基準に従ってビームが集束される範囲のサイズである。説明すると、100μmの焦点深さにおける30μmの焦点深さは、85μm~115μmの許容可能な焦点を有するビームとして理解することができる。
【0025】
「高さ」は、試料の主表面からの法線に沿った方向の座標を指す。試料は、多くの場合、載置することができ、主表面は、ステージと接触し、高さ値は、接触表面から試料を通って、別の主表面に向かって、及びそれを越えて増加する。
【0026】
「高さ変動」は、試料の特徴、構造、又は表面の最大高さと最小高さとの間の差を指す。高さ変動は、試料全体にわたって、試料の表面全体にわたって、試料内若しくは試料上に存在する構造若しくは特徴全体にわたって、試料の撮像領域にわたって、又は何らかの他の画定された関心領域にわたり得る。本明細書において対象となるいくつかの試料は、2、5、10、20、50、又は100μmの表面横方向範囲にわたって、1~2、2~5、5~10、又は10~20μmの範囲の表面高さ変動を有することができる。
【0027】
試料の「主表面」は、その面積を、試料の他のどの表面も実質的に超えることのない、試料の表面である。説明の便宜上、試料は、上部の主表面及び底部の主表面を有するとみなされ、底面はステージ上に支持され、上面は、1つ以上のツール又はビームに露出する。実施例では、ビームは、下方から試料に入射することもできる。望ましくは、主表面は、試料表面の詳細なトポグラフィ変動に従う必要はないが、実際の表面から導出される平滑化された表面、試料の基板の表面、試料の裏面、又は試料と接触しているステージの表面などの類似表面であってもよく、これらのいずれにもトポグラフィ変動がなくてもよい。
【0028】
「領域」は、試料表面の隣接する二次元部分、又は試料体積の隣接する三次元部分である。
【0029】
「関心領域」(region of interest、ROI)は、後続の分析の対象である特徴又は構造を含む試料の一部分である。ROIは、試料の表面(例えば、特定の特徴を含む撮像された表面の領域、又はそのような特徴を含むラメラを形成するためにパターンをミリングすることができる領域)に対して、又は体積(例えば、更に分析される構造を含む体積)に対して画定することができる。ROIという用語は、いかなる人間的興味も指すものではない。
【0030】
「表面法線」は、試料の表面に対する外向きに面する法線である。表面法線は、試料の主表面に適用することができるが、これは要件ではなく、表面法線は、試料の切断面又はトポグラフィ特徴に存在することもできる。
【0031】
「横方向」という用語は、試料又はビームに対して使用することができる。前者の場合、「横方向」という用語は、対象の主面内の又はそれに平行な方向を指す。後者の場合、横方向は、ビーム伝搬の方向に垂直な平面内の方向を指す。文脈から明らかでない場合、この用語は、試料又はビームが言及されているかどうかを示すために適切に修飾され得る。例えば、「表面横方向範囲」は、試料の表面に沿った範囲であり、「画像の横方向範囲」は、画像平面内の範囲である。
【0032】
「上部」、「底部」、「上へ」、「下へ」、「上方」、「下方」、「水平」、「垂直」などの用語は、水平な試料の露出された主表面が、上向きの外向き法線を有する、例えば、試料が、プロセスツールにとって上からアクセスしやすい、一般的な構成に対して便宜上使用される。プロセスツールの軸(例えば、撮像ツールの視軸、又はFIBミルのビーム軸)は、表面に対して下向きにほぼ垂直になり得るか、又は、法線に対して、ある角度(40°~60°の範囲の場合もある)で傾き得る。当業者は、本開示から、開示された技術の範囲から逸脱することなく、実際の配向の選択を変更することができることを理解するであろう。
【0033】
C.撮像
「撮像」という用語は、試料の関心領域にわたるパラメータ値の二次元表現(「画像」と呼ばれる)を得るためのプロセスを指す。いくつかの実施例では、撮像されたパラメータは、(例えば、SEM又は低電流集束イオンビームによる)入射粒子ビームからの後方散乱又は二次放出である場合があるが、これは要件ではなく、可視光、又は他のパラメータも撮像することができる。開示された実施例では、画像は、試料上若しくは試料内の対象(例えば、細胞、タンパク質、フルオロフォア、ナノ構造、若しくは基準)、又はそのような対象の特徴(例えば、エッジ)を示すことができる。
【0034】
「合成画像」は、複数の入力画像からの情報を組み合わせることによって(例えば、焦点合成によって)形成された画像である。合成画像は、入力画像のうちのいずれか1つよりも多くの情報を提供することができ、又は入力画像よりも少ない誤った情報を提供することができる。
【0035】
「深さマップ」は、深さ値を撮像ビームの横方向位置の関数として示す、データ構造、画像、又はソフトウェア関数である。深さマップは、焦点合成によって得られた合成画像の合焦ゾーンの各位置(例えば、各ピクセル)に対する深さ値を提供することができる。深さマップの深さ値は、例えば、三角法を使用して、試料の撮像された表面上の対応する位置の高さ値に変換されることができ、結果として生じる高さ値は、試料上又は試料内の横方向位置の関数として高さ値の「高さマップ」を提供する、データ構造、画像、又はソフトウェア関数として編成されることができる。
【0036】
「焦点合成」とは、試料の個々の画像を組み合わせて合成画像を得るための画像処理技法を指す。各個々の画像は、それぞれの焦点深さ及び焦点が合っている画像のそれぞれのゾーンを有することができる。合成画像は、個々の画像のうちのいずれよりも大きい合焦ゾーンを有することができる。いくつかの焦点合成技法はまた、深さマップを生成することができる。焦点合成は、ラプラシアンピラミッド技法などのマルチスケール変換を使用して行うことができる。焦点合成は、画像融合の一形態である。「焦点合成」という用語は、そのような技法を行うための動詞として使用することもできる。
【0037】
「画像ピラミッド」は、ぼかし(例えば、ローパスフィルタリング)及びダウンサンプリングの複数回の反復によって得られる画像のシーケンスである。各反復において、ローパス画像が記憶される場合、ピラミッドは「ガウシアンピラミッド」と呼ぶことができる。最後の反復を除いて、ローパス画像に対するハイパス補集合が記憶される場合、次いで、ピラミッドは「ラプラシアンピラミッド」と呼ぶことができる。ラプラシアンピラミッドは、ガウシアンピラミッドよりも高い圧縮率を含み、ピラミッドの各レベル(例えば、連続する各長さスケール)に存在する情報を直接提供するという理由で、焦点合成などの用途に好ましい可能性がある。
【0038】
「撮像装置」(場合によっては、「撮像ツール」)は、撮像が可能な装置である。開示された実施例では、SEM又はFIBを撮像装置として使用することができる。いくつかの撮像装置は、そこから画像が形成される測定パラメータとして、入射ビームに対する応答(例えば、二次放出、後方散乱、又は蛍光)を使用することができる。入射電子ビーム又はイオンビームを使用する撮像装置は、それぞれ「電子顕微鏡」(例えば、SEM)又は「イオン顕微鏡」(例えば、FIB)と呼ぶことができる。測定されるパラメータが光の強度、波長、又は別の特性を含む撮像装置は、「光学顕微鏡」と呼ぶことができる。いくつかの光学顕微鏡は、入射光ビーム(例えば、蛍光のため)を使用するが、これは要件ではなく、他のビーム、又は拡散若しくは周囲照明も使用することができる。二次電子検出器、二次イオン検出器、光検出器、又は分光計を含む様々な検出器を使用して、撮像された試料から発散される粒子又は放射線を測定することができる。
【0039】
多次元データセットの「マルチスケール変換」は、データセット内で表される特徴のスケール長(範囲)に従ったデータセットの分解である。例えば、粗い粒度を有するより少ないピクセルが、粗いスケールの特徴を表すのに十分であり得る一方で、細かい粒度を有するより多くのピクセルが、細かいスケールの特徴に必要とされ得る。マルチスケール分解は、異なるスケールにおける特徴が効率的に処理されることを可能にすることができる。マルチスケール変換の例には、ウェーブレット変換、フーリエ変換、及び様々なピラミッド分解が含まれる。
【0040】
画像の「視軸」は、画像において試料が観察される方向である。試料に入射するビームを使用して撮像する場合、視軸は、入射ビームの軸である。
【0041】
「ゾーン」は、画像の隣接する部分である。
【0042】
D.試料
「試料」は、撮像、ミリング、又は、他の分析手順若しくは製造手順が行われる、物理的対象である。一般的な試料は、生物学的試料、多層電気的若しくは電子的構造、又は他の材料構造を組み込むことができる。生物学的は、細胞、タンパク質、DNA、RNA、ウイルス、又はそれらの断片を含むことができる。電気又は電子試料は、論理ゲート、メモリセル、光電子デバイス、受動コンポーネント(相互接続を含む)、トランジスタなどの半導体デバイスを含むことができ、製造又は分解の様々なステージにあり得る。材料試料は、微小電気機械システム(microelectromechanical system、MEMS)又はナノ構造を含むことができる。開示された技法は、試料調製中、試料の特徴付け中、又は製造中に適用することができる。例えば、開示された技術を試料に適用して、例えば、TEM分析のためのラメラの形態で、1つ以上の追加の試料を形成することができる。いくつかの生物学的試料は、極低温(様々に、120K未満、80K未満、20K未満、又は10K未満)で、例えば、プランジ凍結によって安定化され得る。試料は、ラメラ調製又は他の分析の前に、セル、構造、又はデバイスが堆積又は製作される「基板」を含むことができる。
【0043】
「切断面」とは、エッチングによって露出された試料の表面である。
【0044】
「特徴」は、試料の画像において識別可能な試料の材料組成における構造又は他の変動である。生体試料中の例示的な特徴は、細胞、結合部位(例えば、Covidウイルススパイク)、ミトコンドリア若しくは他の細胞小器官、又は生体分子に適用されるフルオロフォア若しくは他の標識を含むことができる。半導体デバイス試料における例示的な特徴は、メモリセル、トランジスタ、又はメタライゼーションパターンのコンポーネントを含むことができる。他の特徴は、試料に組み込まれた基準構造を含むことができる。
【0045】
「ラメラ」は、透過型電子顕微鏡(TEM)で撮像される、又は撮像を意図された薄試料である。ラメラは、10~20nm、20~30nm、8~50nm又は5~200nmの範囲の厚さを有することができる。
【0046】
「ナノ構造」は、少なくとも2つの直交方向の1nm~1μmの範囲を有する構造である。
【0047】
「参照構造」(「基準」と呼ばれることもある)は、試料内の、別の構造又はデバイスの位置の判定に使用するために、試料に製造された構造である。参照構造は、構造の画像で見ることができ、後続の動作を位置決めするための、又は画像内の座標、距離、又は角度を測定するための、参照として使用できる。
【0048】
「半導体デバイス」は、1つ以上の電子機能を行うように構成された1つ以上の半導体領域(例えば、ドープ又は非ドープシリコン、ゲルマニウム、III-V族半導体、又は同様の材料)を組み込むデバイスである。半導体デバイスは、完成品、その一部分、又は製造の中間ステージにおける製品であり得る。半導体デバイスは一般に、半導体領域間の絶縁又は導電経路を提供するために他の材料を含む。半導体デバイスの非限定的な例としては、トランジスタ、メモリセル、及びいくつかの光電子デバイスが挙げられる。メモリインターフェース回路は、導電性配線と論理ゲートの両方を含むことができる。
【0049】
E.試料分析のためのツール及び技法
「分析」は、試料を特徴付けるために使用される動作を指し、材料除去、他の試料調製、撮像、プローブ測定、非接触測定、又はこれらの技法のいずれかによって得られたデータの二次評価を含むことができる。分析動作は、撮像(例えば、FIB、光学、又は電子顕微鏡)、エッチング(例えば、イオンミリング)、除膜、電子後方散乱分析、電子顕微鏡、質量分析、材料分析、計測、ナノプロービング、分光法、又は表面調製を含むことができる。このような動作を行うための機器又は器具類は、「分析機器」、「分析装置」、又は「ツール」と称される。開示された技術と併せて使用され得るツールの非限定的な例としては、ミル、エッチャ、電子顕微鏡、電子分光計、光学顕微鏡、又は光学分光計が挙げられる。特に、本明細書で対象とするいくつかのツールは、プラズマ集束イオンビーム(plasma focused ion beam、PFIB)、走査型電子顕微鏡(SEM)、又は蛍光顕微鏡を組み込む。
【0050】
「ビーム」は、粒子又はエネルギーの指向流である。本開示で関心対象の一般的なビームは、電子ビーム又はイオンビーム(プラズマ集束イオンビームを含む)などの粒子ビーム又は、蛍光励起のためのレーザビームなどの光ビームである。ビームは、流れの主な縦方向に対して横方向に有限の範囲を有し得る。ビームの2つ以上の横断面の重心を結ぶ線が、ビームの「軸」である。
【0051】
「電子ビーム」は、電子の指向流である。
【0052】
「電子顕微鏡」は、試料に電子ビームを照射し、その結果生じる粒子又は電磁放射を使用して、空間分解された画像を形成する、分析機器の一種である。走査型電子顕微鏡(SEM)は、試料の1つ以上の表面からの反射粒子、二次粒子、若しくは後方散乱粒子、又は放射に基づいて、試料表面を撮像する。SEMによって検出されたビーム相互作用は、この表面で、又はその近くで発生するため、SEMは、任意の厚さの試料で動作できる。対照的に、透過型電子顕微鏡(TEM)は、透過電子(散乱電子を含む)に基づいて、試料体積を撮像する。TEMは、厚さ約10~150nmの試料で動作する。試料は、機械的支持及び熱伝導性のために、グリッドに載置することができ、次に、グリッドは試料ホルダ内に保持することができる。TEMは50pm未満の解像度を提供することができ、SEM解像度は約0.5nmに制限されることが多い。倍率に関して、TEMは5000万倍以上の倍率を提供することができるが、SEMの倍率は、通常約200万倍に制限される。本開示において、透過電子の画像化を行う走査透過型電子顕微鏡(STEM)は、SEM及びTEMの両方であると考えられる。電子顕微鏡内の電子ビームは、電子銃内で生成され、試料チャンバに向かって一連のステージを通して加速され、集束され、又は操向されることができる。開示された技術は、後続のTEM分析のために1つ以上のラメラを形成するために使用することができる。
【0053】
「エッチング」は、一般的には、試料から材料を除去するための、削除プロセスを指す。エッチングは、切断面の片側まで材料を除去することにより、試料の1つ以上の「切断面」を露出させることができる。エッチング技法の非限定的な例としては、レーザエッチング、プラズマエッチング、イオンビームミリング、及びガスアシストミリングが挙げられる。エッチングによって材料が除去されるが、エッチングプロセスは、付加的な予備動作又は中間動作を含むことができる。例えば、フォトレジストを試料上に堆積させ、パターニングして、後続の動作でパターニングされたエッチングを得ることができる。
【0054】
「集束イオンビーム」(「FIB」)は、ビームを表面上のスポットに方向付けるために、焦点を制御できる、又はスイープパターンで試料上をスイープすることができる、イオンビームである。FIBは、入射スポットでの材料の分析、堆積、又は除去に使用することができる。いくつかのFIBは、ミリングに使用される。通常、FIBはXe+又はGa+などの正の元素イオンを含むが、これらは要件ではない。Ga+などのイオンビーム種は、例えば、液体金属イオン源(LMIS)から供給することができるが、Xe+などの他のイオンビーム種は、プラズマで生成することができる。プラズマ源で生成されたFIBは、プラズマ集束イオンビーム(PFIB)と呼ぶことができ、本明細書におけるFIBへの言及は、PFIBを含む。直径2~100nmの範囲の集束スポットサイズが達成可能であり、焦点深さは、一般に20~50μmである。
【0055】
「局所的な動作」は、試料の識別された特徴に近接するか又はそれを包含する有限領域にわたって行われる分析動作である。領域は、識別された特徴に対する所定の空間的関係、及び試料の対応する横方向範囲よりも小さい横方向範囲を有することができる。分析動作は、ミリング、エッチング、若しくは研磨などの試料調製若しくは材料除去動作であり得るか、又は、撮像若しくは分光法などの診断動作であり得る。
【0056】
「ミリング」は、ミリングされている試料に対する、ミリングツールの移動(「スイープ」と呼ばれることもある)によってガイドされる、経路上の材料除去プロセスである。ミリング動作は、切断面の片側まで材料を除去することにより、試料の1つ以上の「切断面」を露出させることができる。実施例では、集束イオンビーム(FIB)を使用して、ミリングを行うことができる。ミリングは、「エッチング」の一形態であり、より一般的には、試料から材料を除去するための、削除プロセスを指す。拡散化学エッチングは、ミリングとはみなされない場合がある。しかしながら、イオンビームアシスト化学エッチングは、イオンビームの位置で部位特異的である可能性があり、ミリングとみなすことができる。「ミル」(又は「ミリングツール」)は、ミリングが可能な装置である。
【0057】
「粒子ビーム」は、粒子の指向流を含む、ビームである。「粒子」は、物質の流れの、細分されない別個の単位である。本開示において共通関心対象の粒子には、(Ga、Xe、又は陽子などの)電子又はイオンなどの荷電粒子が含まれるが、粒子は、これらに限定されない。電子ビーム内の電子は、束縛電子を含む、いくつかのイオンにもかかわらず、イオンビーム内のイオンとは異なる種とみなされる。
【0058】
「スループット」とは、試料調製、試料取り扱い、機器設定、及び試料の個々の処理を含む、全時間の単位当たりに首尾よく処理することができる試料の数を指す。SEMの視点とFIBの視点との間の相関などのステップを排除することは、個々の試料処理のための時間を低減することができ、ラメラ位置付けの精度を改善することによって、収率も改善することができ、それによって、2つの態様においてスループットを有利に改善する。更に、合成焦点合成画像は、迅速な特徴選択(対話的又は自動化されたソフトウェアによる)を容易にすることができ、付随する深さマップは、スループットの付随する改善とともに、ラメラミリングパターンの正確な配置を提供することができる。一般的な考察として、機器設定及び特定の試料動作は、顕微鏡グリッド又は基板全体に対して共通に行われ、したがって、単一のグリッド又は基板上の分析ビームの視野内により多くの試料部位を提供すること(例えば、かすめ入射FIBを用いて)も、スループットの改善をもたらすことができる。
【0059】
例示的な分析装置
図1は、開示された技術を実施することができる、例示的な装置の
図100である。この装置は、ラメラ調製又は他の用途のために、試料に対して撮像及びミリング動作を行うために使用することができる。説明された装置は、分析装置であり得る。
【0060】
説明されるように、壁110は、チャンバ152を画定し、その中で試料120に対して分析を行うことができる。電子ビームカラム106は、SEMとして動作することができ、イオンビームカラム140はFIBとして動作することができ、任意選択で、光ビーム150は、試料120内で蛍光を励起することができる。試料120は、それぞれのアクチュエータ(図示せず)を使用して、複数の自由度(並進又は回転)で試料120の位置を変化させることができるステージ124上に載置することができる。試料ステージ124は、マイクロマニピュレータであり得る。
【0061】
垂直に載置されたSEM106は、電子源102、コンデンサレンズコイル104、対物レンズコイル108を備え、走査コイル及びアパーチャ(図示せず)などの追加のビーム制御を含むことができる。走査コイルに電力が供給されていない場合、電子ビーム軸130は、説明された分析装置全体の極軸として使用することができる。局所座標はまた、個々のサブシステムに対して、又は試料120に対して定義され得る。
【0062】
FIBカラム140は、例えば、イオンビーム軸132が電子ビーム軸130から角度52°(又は、範囲40°~60°)であるように斜めに載置することができる。FIBツール140は、イオン源134、静電又は電磁ビーム制御136、138を含むことができ、走査用のアパーチャ又は偏向器などの図示されていない追加のビーム制御要素を含むことができる。
【0063】
SEM106又はFIB140は、所望の作業深さを設定し、更に横方向に走査するように制御することができる。一般に、作業深さは、瞬間イオンビーム又は電子ビームが試料120の表面に集束されるように設定することができる。
【0064】
試料ステージ124は、試料120の主表面を、本明細書に記載の斜視用に約154θ=10°(又は、範囲5°~30°)の浅い入射角で位置決めするように構成することができる。検出器128は、試料120の画像を形成することができる信号を収集することができる。説明すると、検出器128は、電子ビーム130又はイオンビーム132が試料120を横切って走査されるときに、二次電子又は後方散乱電子又はイオンを受け取ることができる。例示的な二次粒子検出器は、Everhart Thornley検出器及びマイクロチャネルプレートを含む。変形例では、二次粒子検出器128は、ビーム軸130又は132の周りに環状であり得る。別の説明として、検出器128は、試料120からの蛍光を記録するために使用されるカメラであり得る。いくつかの実施例では、複数の検出器128を設けることができる(例えば、蛍光のための検出器128及び電子又はイオンを受け取るための検出器128)。他のツールもまた、プローブ126として一般的に表される、説明された装置内に提供されることができる。いくつかの用途では、ガス送達ツールが含まれ得る。
【0065】
コントローラ114は、図示されるように、検出器128又はツール126からの信号を制御するか、又は監視することができる。同じ又は別のコントローラが、SEM106、FIB140、又はステージ124からの信号を同様に制御するか、又は監視することができる。コントローラ114は、コントローラ114によって実行されるプログラムを記憶し、更に、そのようなプログラムに入力される、又はそのようなプログラムから出力されるデータを記憶するためのメモリ112を装備することができる。
【0066】
ポンプ116は、チャンバ152を約10-9~10-4トルの圧力に維持することができ、いずれの排気ガスも、矢印118で示すように排気される。ターボ分子ポンプ、機械ポンプ、又はイオンポンプの組み合わせを使用することができる。
【0067】
図1の装置は、支持構造、低電圧若しくは高電圧電源、制御電子機器、又は計装など、図示されていない様々な追加の補助コンポーネントを有することができる。この装置は、説明のためだけに示されている。開示された技術は、より多くの、より少ない、又は異なるコンポーネントを有する他の装置に容易に適用することができる。
【0068】
例示的な載置
図2は、生体細胞試料のための載置構成を説明する
図200である。この構成では、細胞は、細胞に適用され得る任意の分析ビームへの干渉が最小限である機械的支持を提供される。
【0069】
グリッド210は、全体的な機械的支持を提供し、手動又はロボット実験室ツールで取り扱うことができる。グリッド210は、
図1の124などのステージ上に直接載置することができる。説明されるように、グリッド210は、約3mmの全径及び中実リング214内に約100μm四方の開口部212を形成する金ワイヤの250メッシュパターンを有する。他のグリッドパターン及びサイズを使用することができる。銅、金、ニッケル、ロジウム、又はそれらの複合材料などの他の材料も使用することができる。ワイヤパターンは、リング214の内側の面積の約20~50%を塞ぐことができ、実質的な残りの面積はブロックされず、TEM撮像に利用可能なままにする。
【0070】
グリッド210は、開口部212の上に細胞支持を提供するために、薄いシート220で覆うことができる。説明されるように、シート220は、厚さ約20nmの連続炭素膜であり、100μmのグリッド開口部212にわたって細胞試料を支持するのに十分な強度であるが、シート220を通じたTEM撮像を可能にするのに十分な薄さである。他の厚さ(例えば、10~100nm)及び材料も使用することができる。「穴あき」フィルムと呼ばれることもある穿孔フィルムも使用することができる。
【0071】
細胞230は、それぞれのグリッド開口部212内に意図的に配置されるか、又はフィルム220上に分散されるかのいずれかで、フィルム220上に堆積されることができる。細胞230は、一般に約2~5μmの寸法を有する可変形状を有する。意図的な位置決めがなくても、多くの細胞は、グリッドワイヤによるビーム閉塞が比較的低いので、グリッド開口部212の上にTEM撮像のために好適に位置決めされ得る。細胞230の面密度は、細胞サイズ及び適用要件に基づいて選択することができる。スループットを改善するために、単一のグリッド開口部212上に複数のTEM試料を調製することができる。
【0072】
例示的なビーム及び試料構成
図3は、開示された技術の適用可能性を説明する、例示的なビーム及び試料構成の
図300である。
図3は、かすめ入射イオンビーム、試料表面のトポグラフィ特徴、及びイオンビーム焦点深さなどの要因がどのように組み合わされて、ラメラミリング精度に悪影響を及ぼし、それによって、収率及びスループットに悪影響を及ぼす可能性があるかを示す。
【0073】
図示されるように、細胞330はフィルム基板320上に支持されている。FIBは、矢印351によって示されるように細胞330に向かって方向付けられる。FIBは、ビーム軸354を有し、横断基準面356は、深さ値(例えば、Z=0)のためのデータとして機能することができる。細胞330は、基板320上にトポグラフィ特徴を形成し、その結果、真の深さ361は、高さ変動がない場合に予想される深さ371よりも著しく小さくなり得る。
【0074】
開示された技術は、ある範囲の作業深さZにわたる一連の画像の焦点合成を通して、深さ361の正確な判定を可能にする。
【0075】
正確な深さ361を用いて、ミリングは、点A368又は任意の他の所望の開始位置で開始する細胞330を正確にミリングするために、例えばビームウエスト半径に等しいオフセットを用いて、点線のビームプロファイル363によって示されるように正確に構成することができる。
【0076】
例えば、動的集束を使用する既存の手法では、深さは、基板320の表面法線327に対する既知の入射角358に基づいて推定することができる。点B378においてウエストを有する結果として生じるビームパターン373は、実際の深さ361において著しく誤差があり得る。
【0077】
図3は単なる説明である。実際のラメラミリングパターンは、点A338ではなく、この点から離れて開始してもよい。それにもかかわらず、原理は依然として適用可能であり、開示された技術による深さ361の正確な知識は、ミリング精度、ラメラ収率、及び全体的なスループットを直接改善することができる。
【0078】
図3の図は縮尺通りではなく、いくつかの点で誇張されているが、10~200nmの厚さのラメラに対する公差要件は非常に厳しく、20μmの焦点深さを有するFIBに対する深さの1μmの誤差であっても、ミリングされたエッジの横方向位置に10~100nmの誤差につながる可能性があり、これはラメラの首尾の良い製造を損なう可能性があることに留意されたい。
【0079】
また、
図3には、それぞれの作業深さZにおける平面381のセットが示されている。開示された技術の例では、一連の画像は、平面381の各々において取得され、本明細書で説明されるような焦点合成手順への入力として使用され得る。平面381は、説明を明確にするために、基板320及び細胞330からオフセットして示されている。実際には、これらの平面内の画像は、視野内に基板320及び細胞330を含むように拡張することができる。
【0080】
例示的なパターンミリング
図4は、開示された技術による細胞のパターンミリングを説明するアーティストのモデルの写真400である。写真400は、穿孔フィルム支持体420上に固定された細胞430を示す。写真400は、フィルム420の表面法線から約20°傾いた視野軸を有する。
【0081】
図4に見られるように、ラメラ457は、細胞核432のスライスを含んで調製されている。暗い領域453、455は、FIBミリングされたパターンである。FIBビーム軸は、矢印451によって表される。パターン453は、図示された位置及びラメラ457の下にミリングされている。パターン455は、ラメラ457の上にミリングされている。両方のパターン453、455は、細胞430及び支持フィルム420を貫通する。
【0082】
第1の例示的な適用
図5は、低温ラメラ調製ワークフローにおける開示された技術の第1の例示的な適用を示す、画像501~505のセットである。最初に、細胞を支持構造(例えば、
図2のものと同様)上に堆積させ、例えば、プランジ凍結によって低温固定することができる。
【0083】
SEM画像501は、
図1に示されるものと同様の構成の電子顕微鏡を用いて、上から撮影される。多数の細胞512が識別可能であり、背景パターン514は、
図2の220と同様の支持フィルム内の穿孔のパターンを反映する。
【0084】
FIB画像502は、
図1のFIB及び試料構成と同様の斜めの視軸からの、画像501と実質的に同様のシーンを示す。細胞522、穿孔パターン524、及び不純物526が識別可能である。
【0085】
FIB画像503は、画像502のコピーであり、その上に、特徴531(例えば、細胞の重心)がラメラ調製のために選択されており、2つのミルパターン533、535が位置決めされている。同じFIBを撮像及びミリングに使用することができるので、異なるツールのそれぞれの視点間の相関を回避することができ、ミルパターン533、535の配置を効率的に行うことができる。
【0086】
FIB画像504は、パターン543、545の部分ミリング後の、画像502~503と同じシーンを示す。パターン543は、支持フィルムを通してきれいにミリングされているが、パターン545は、ミリングされた深さを超える材料を依然として有している。パターン543、545の明るい輪郭は、ミリングされたパターン543、545のエッジの位置を示す撮像アーチファクトである。
【0087】
最後に、FIB画像505は、ミリング及び研磨の完了後の前の画像502~504と同じシーンを示す。薄いラメラ557(約10nm厚)がパターン553、555の間に残る。ラメラ557及びパターン553、555は、
図4の文脈で説明されたラメラ457及びミリングされたパターン453、455と同様とすることができる。
【0088】
例示的な方法
図6は、開示された技術による例示的な方法を描写するフローチャート600である。これらの方法では、様々な焦点深さで試料の画像に適用される焦点合成技法からの出力に基づいて、試料に対して局所的な動作が行われる。
【0089】
第1の方法は、試料の複数の画像をそれぞれの焦点深さで取得することができるプロセスブロック610から始まる。実施例では、FIB又は蛍光顕微鏡を使用して画像を取得することができるが、これは要件ではなく、他の撮像モダリティを使用することができる。画像は、作業深さの所定のセットにわたって取得することができ、順次(例えば、任意の開始深さに対して0、20μm、40μm、60μm、...)又は不規則な深さ走査(例えば、0、60μm、80μm、20μm、100μm、...)で取得することができる。いくつかの実施例では、初期画像は、撮像装置のオートフォーカスモードを使用して取得することができ、連続画像は、オートフォーカス構成からの作業深さの後続調整によって取得される。ビームドリフト又は他の時間的変動を軽減するために、複数の画像が、各作業深さ設定において取得され、例えば、1つ以上の基準の登録及び平均化によって、組み合わせられることができる。
【0090】
ブロック620において、ブロック610で取得された画像に対して焦点合成を行って、ある範囲の焦点深さを有することができる合成画像630を生成することができる。説明すると、個々の画像がz1~z2の範囲の作業深さで取得された場合、合成画像630は、全ての深さ[z1,z2]において焦点が合っている特徴を有することができる。角括弧表記[z1,z2]は、両端点z1,z2を含む閉区間を表す。焦点合成の説明的な例は、本明細書で更に説明される。
【0091】
第1の方法は処理ブロック640に進み、位置選択の指示を受信することができる。様々な実施例では、ブロック640における位置選択は、対話的に、又は自動化されたソフトウェアによって行うことができる。前者の場合、ユーザは、マウス又は同様のポインティングデバイスを使用して、ディスプレイ上の合成画像630の点又はゾーンを選択し、それによって、物理的試料上の対応する位置を選択することができる。後者の場合、自動化されたソフトウェアは、合成画像上のエッジ、形状、又は対象を識別するために、マシンビジョン技法を適用することができる。選択された位置は、複合画像内の識別可能な特徴に対応することができ、これは、対象(細胞、蛍光体、構造、又はパターン形状など)の表現、又はそのような対象の属性(例えば、エッジ、重心、画像強度の極値、又は境界多角形の頂点)であり得る。
【0092】
第1の方法は、ブロック640からブロック670への矢印645に従い、選択された位置に基づいて局所的な動作を行うことができる。選択された位置において、選択された位置を包含する領域にわたって、選択された位置から所定のオフセットを有する位置において、又は対応する位置に対して所定の空間的関係を有する領域にわたって、広範囲の動作を行うことができる。所定のオフセットは、ビーム座標、例えば選択された位置を通過する視軸からの横方向オフセットを参照して、又は試料座標、例えば選択された位置を横断する表面法線からの横方向オフセットを参照して定義することができる。そのような動作の非限定的な例は、例えば、ミリングされた刻み目、十字、又は他のマーカ、例えば、ラメラ形成のためのパターンミリング、他のエッチング動作、電子分光法又は光学分光法、又は他の計測動作を含むことができる。局所的な動作は、選択された位置を組み込むラメラを製造するためのワークフローの一部とすることができる。局所的な動作はまた、選択された位置で調製されたラメラに対する後続のTEM分析、又は他の顕微鏡法を含むことができる。局所的な動作は、好適なツールによって行うことができ、その非限定的な例としては、ミル、エッチャ、電子顕微鏡、電子分光計、光学顕微鏡、又は光学分光計を挙げることができる。
【0093】
第2の方法も、
図6を参照して説明することができる。第1の方法に対する拡張が、
図6に破線で示されている。第2の方法は、ブロック610から640まで第1の方法に従うことができる。しかしながら、第2の方法では、ブロック620における焦点合成は、合成画像630に付随する深さマップ650を生成することもできる。特に、深さマップ650は、合成画像630の任意のピクセルについての深さ値を提供することができる。いくつかの実施例では、深さマップ650は、合成画像630内の全ての第1のピクセルが、深さマップ650内の対応する第2のピクセルを有し、その値(ピクセル強度)が、その第1のピクセルの位置における試料表面までの深さを表すように、画像として表されることができる。深さマップ画像650の第2のピクセルは、合成画像630の第1のピクセルに対して1:1の関係を有することができるが、これは要件ではなく、深さマップ650は、合成画像630よりも少ないピクセルを有するより小さい表現にダウンサンプリングされ得る。更に、等高線マップ又はルックアップテーブルなど、深さマップ630の他の表現を使用することができる。深さ値の粒度は、合成画像630内のピクセルの粒度よりも粗い可能性があるので、ランレングス符号化又は別の圧縮方式は、深さマップ650のサイズを有利に低減することができる。いくつかの実施例では、深さマップ650は、撮像ビームの視軸に直交する観察面に対する深さ値を記憶することができ(
図3の深さ361、371に関して説明されるように)、他の実施例では、マップ650内の深さ値は、試料の「上部」主表面に概して平行な基準面に対するものとすることができる。後者の場合、完全に平滑な表面は、視野全体にわたって均一な深さ値を有し、深さの変動は、試料表面のトポグラフィ変動を反映する。
【0094】
したがって、第2の方法は、ブロック640から選択された位置を使用し、深さマップ650から対応する深さ値を確認することができる。ブロック660において、この深さ値は、局所的な動作670を行うツールの作業深さを設定するために使用され得る。次いで、第2の方法はブロック670に進み、ここで、第1の方法と同様に、局所的な動作を行うことができる。
【0095】
いくつかの実施例では、作業深さは、選択された位置における深さ値に等しくすることができるが、これは要件ではなく、1つ以上のオフセットを適用することができる。説明すると、作業深さZμmに設定された40μmの焦点深さを有するFIBは、Z-20μmからZ+20μmまでの許容公差を有するミリングを提供することができる。したがって、試料表面までの深さ値が80μmである場合、作業深さを100μmに設定してミリングを開始することができ、それによって、ミリングが進むにつれてFIBの調整が少なくて済む。別の説明として、例えば、
図5に説明されるように、選択された位置から10μmの横方向変位で行われ得る。したがって、深さ値は、選択された位置自体ではなく、選択された位置からのオフセットにおいて、深さマップ650から読み取られ得る。更に、パターンミルの4つの角は、60、80、90、70μmの深さを有することができ、これらを一緒に平均して、平均(60+80+90+70)/4=75μmに作業深さを設定することができる。複数のそのようなオフセットを一緒に適用することができる。オフセット、斜め基準面の使用、又は他のスケーリングは、深さマップ650に記憶された深さ値に線形変換を適用することによって実施され得る。
【0096】
開示された技術の範囲内で多数の変形例及び拡張を実施することができ、それらのうちのいくつかは、第1及び第2の方法の文脈において上で説明され、いくつかは、すぐ下で説明され、他は、本明細書の他の位置で説明される。
【0097】
実施例では、合成画像内の位置の自動化された選択は、例えば、画像及び選択された特徴位置の訓練データセットを使用して、機械学習によって訓練されたソフトウェアによって行うことができる。
【0098】
実施例では、局所的な動作は、イオンビーム、プラズマ集束イオンビーム、電子ビーム、又は光ビームなどの1つ以上のビームを使用して行うことができる。このようなビームは、以下の任意の範囲の入射角を有するビーム軸に沿って試料に方向付けることができる:70°~85°、60°~87°、0°~15°、15°~40°、又は40°~60°。様々な実施例では、局所的な動作は、選択された位置において、選択された位置から所定の横方向オフセットにおいて、選択された位置から所定の深さオフセットにおいて、選択された位置を含む領域にわたって、又は選択された位置から横方向オフセット又は深さオフセットを有する領域にわたって行われ得る。横方向オフセットは、ビーム座標又は試料座標のいずれかであり得る。ブロック660で設定された作業深さは、追加の試料撮像の有無にかかわらず、局所的な動作がブロック670で行われるときに動的に調整することができる。
【0099】
画像は、イオン顕微鏡、電子顕微鏡、光学顕微鏡、二次電子検出器、二次イオン検出器、又は光検出器を含むことができる撮像装置によって、又は撮像装置から取得することができる。撮像装置は、イオンビーム、プラズマ集束イオンビーム、電子ビーム、又は光ビームなどの1つ以上のビームを使用して、試料を照射することができる。このようなビームは、以下の任意の範囲の入射角を有するビーム軸に沿って試料に方向付けることができる:70°~85°、60°~87°、0°~15°、15°~40°、又は40°~60°。
【0100】
対象の試料は、極低温試料、プランジ凍結試料、生物学的試料、半導体試料、又はナノ構造を含むことができる。
【0101】
例示的な焦点合成
図7は、開示された技術とともに使用され得る焦点合成方法のフローチャート700である。方法は、異なる深さに合焦されたソース画像のセットから始まる。説明の便宜上、「スライス」という用語は、各撮像された作業深さ、対応するソース画像、及び関連付けられた処理を指すために使用され得る。ソース画像のセットは、(i)異なる深さにおける特徴が全て焦点が合っている合成画像及び(ii)合成画像における特徴の深さ値を示す深さマップを得るために処理される。
図7は、ラプラシアンピラミッド技法を使用する焦点合成の1つの例示的な方法を説明するが、この技法の使用は要件ではなく、他の焦点合成方法が、開示された技術の一部として使用され得る。
【0102】
説明された技法は、概念的に、入力側処理、中間処理、及び出力側処理を含むものとみなすことができ、これらの全てが
図7に表されている。最初に、複数のソース画像701をそれぞれの作業(焦点)深さで取得することができる。
【0103】
一般に、画像701のセットは、特徴の形態の情報を含む。情報は、3つの空間次元(各画像701の平面内の2つの次元、スライス770A~770Nにわたる深さである第3の次元)にわたって分散されてもよく、事前に知られていなくてもよい可変スケール長を有してもよい。画像が細かい解像度で分析されるとき、粗い粒子の特徴は、滑らかに変化するピクセル強度として現れることがあり、粗い特徴は見逃されることがある。逆に、画像が粗い解像度で分析される場合、平滑化のために微細な特徴が失われる可能性がある。そのような問題を克服するために、分解は、長さスケールに従って元の画像701内の情報を分離することができ、各長さスケールは、適切な解像度で処理することができる。様々な長さスケールにおける中間結果を組み合わせて、1つの合成画像及び、任意選択で、対応する深さマップを取得することができる。
【0104】
A.入力側処理
入力側処理は、破線の輪郭770A内の第1のスライスに対して示される分解を行い、他のスライスは、スライス770Aの後ろに示される。すなわち、各スライス770A~770Nは、画像711~716のセットに分解することができるそれぞれのソース画像701を有する。
【0105】
説明されるように、ローパスフィルタ(LPF)801が画像701に適用され、減算器ブロック811によって画像701から減算された出力は、ソース画像701の最も高い空間周波数帯域(「オクターブ」と呼ばれる)における情報を含む711を残す。ローパスフィルタリングは、ソース画像701から高周波成分を除去するので、LPF801の出力は、ブロック821によってデシメート又はダウンサンプリングされて、より小さい画像702を生成することができる。例示的に、1024×1024ソース画像701は、512×512画像702を得るために1/2ダウンサンプリングされ得る。
【0106】
この手順を反復的に適用して、高域通過画像711~715内の連続的により低い周波数帯域の情報、及びダウンサンプリング画像702~706内の連続的により低い周波数バージョンのソース画像701を得ることができる。LPFブロック802~805、減算ブロック812~815、及びダウンサンプラブロック822~825が、より小さい画像ではあるが、上述のブロック801、811、821と同様に動作することに留意することを除いて、いくつかの反復の繰り返しの詳細は省略される。最後のダウンサンプリングされた画像706は、全ての残留低周波数情報を含む画像716としてそのまま保持することができる。説明される実施例では、分解は、サイズ1024×1024(711)、512×512、256×256、128×128、64×64、及び32×32(716)の画像を生成することができる。
【0107】
LPF801に対するカットオフ空間周波数の好適な選択により、その出力における任意の残留高域通過情報は重要ではない可能性があり、ブロック821におけるダウンサンプリングは実質的に無損失である可能性があり、これは、ソース画像701の画像対711、702への分解も無損失である可能性があり、分解の後続のステージについても同様であることを意味する。すなわち、画像711~716を(好適なアップサンプリングを用いて)組み合わせて、ソース画像701を高精度に復元することができる。
【0108】
1/2ダウンサンプリングの5つのステージを有するこの分解は、単なる説明である。より少ない又はより多いステージを使用することができる。より小さい又はより大きい係数によるダウンサンプリングを使用することができる。異なるステージは、異なるダウンサンプリング係数を使用することができる。
【0109】
説明される分解は、入力側処理を完了するために、全てのスライス770A~770Nにわたって複製されることができる。
【0110】
B.中間処理
次に、スライス間の融合を行う中間処理について説明する。入力側処理はスライス(深さ)によって編成されたが、中間処理はスケール長又は空間周波数帯域によって編成することができる。すなわち、全てのスライス711の画像が一緒に処理され、画像712、画像713などについても同様である。
【0111】
破線793は、画像713の中間処理を説明する。各画像713内で、各ピクセルにおいて分散を計算して、分散行列723を得ることができる。説明されるように、各スライス770A~770Nに対して1つの分散行列723が存在する。分散は、例えば、瞬間ピクセルを中心とする画像713の5×5ピクセルゾーンにわたって計算することができる。説明すると、(行,列)=(10,20)におけるピクセルについての分散は、行8~12及び列18~22におけるピクセルのゾーンにわたって計算され得る。画像713のエッジ付近では、画像内にあるピクセル位置にわたって分散を計算することができる。説明すると、ピクセル(2,1)の分散は、行1~4及び列1~3のピクセルのゾーンにわたって計算することができる。
【0112】
次いで、各ピクセル位置において、スライスにわたる分散を比較し、それに応じて重みを割り当てることができる。最も高い分散を有するスライス723は、最も多くの情報を有することができ、最も高い重みを与えられることができ、一方、漸進的により低い分散を有するスライス723は、漸進的により低い重みを割り当てられることができる。いくつかの実施例では、重みを分散に等しくすることができ、他の実施例では、べき乗則、指数関数、区分線形関数、又は他の関数など、分散の他の単調関数を使用することができる。重みは、画像713及び分散行列723と同じ編成を有する重み行列733に記憶することができる。説明されるように、各スライス770A~770Nに対して1つの重み行列733が存在する。任意選択で、重みは、任意の所与のピクセルについて、全てのスライス733にわたる重みの合計が1になるように正規化することができる。分解された画像713及び重み行列733をそれぞれB、Wとすると、以下の式を使用して、ピクセル(r,c)の周りのN×Mピクセルゾーンに対する重みWを計算することができ、ここで、M/2、N/2はそれぞれ、整数部分
【0113】
【0114】
【0115】
次に、分散行列723及び重み行列733は、スライスにわたって組み合わせることができる。部分画像743は、分解された画像スライス713にわたる加重和として計算することができる。部分画像743をEとし、s、r、cをそれぞれスライス、ピクセル行、ピクセル列とし、正規化される重みを仮定すると、次式
【0116】
【数3】
が、部分画像E743のピクセル値を計算するために使用され得る。
【0117】
部分深さマップF763は、それぞれのスライスの深さZsを使用して、以下のような式を使用して計算することができる。
【0118】
【0119】
変形例では、インデックスsをZsの代わりに使用することができ、スライスインデックスから物理深さへの線形変換が後で行われる。部分画像E(例えば741、746)及び部分深さマップF(例えば761、766)は、破線の輪郭で示される処理モジュール791、796によって示されるように、対応する分解された画像(例えば711、716)から他のスケールに対して同様に計算することができる。
【0120】
いくつかの部分画像741~746を単一の合成画像に組み合わせるために、情報行列753を導出し、部分画像743のピクセルに重みを割り当てるために使用することができる。いくつかの実施例では、情報行列753の要素は、全てのスライスにわたる分散行列743の対応する要素の中で最大であり得る。分散行列743をV、情報行列753をGとすると、以下のような式を用いることができる。
G(r,c)=maxs(Vs(r,c))
【0121】
他の実施例では、他の式を使用することができる。一説明として、分散値Vs(r,c)は、Zsのガウス関数(又は別のベル形曲線)に当てはめることができ、当てはめられた曲線のピークを情報値G(r,c)として使用することができる。
【0122】
他のスケール(例えば、751、756)のための情報行列も同様に計算することができる。
【0123】
部分画像E741~746、部分深さマップF761~766、及び部分情報行列G751~756の形でそれらを結合するための重みを用いて、中間処理ステージが完了する。
【0124】
C.出力側処理
説明は、出力側処理に続き、中間処理の結果を長さスケールにわたって融合して、1つの合成画像、及び任意選択で、その対応する深さマップを得ることができる。
【0125】
中間結果は、乗算器ブロック841~846によって示されるように、各スケールにおいて部分的に組み合わされ、次いで、ブロック848において、好適なアップサンプリングを用いて加算されて、合成画像730を得ることができる。下付き文字Lを中間処理モジュール791~796のいくつかの長さスケール(例えば、分解された画像711~716の長さスケール)を示すものとする。(r’,c’)は、ソース画像701にマッチングするアップサンプリングされたピクセル座標を示し、Uは、(r,c)から(r’,c’)へのアップサンプリング関数を示し、Hは、合成画像730を示し、全体の計算は、以下のような式によって表すことができる。
【0126】
【0127】
この式では、内部乗算は乗算器841~846によって行うことができ、アップサンプリング及び加算はブロック848によって行うことができる。
【0128】
同様の手順により、深さマップ750を生成することができる。深さマップ750をJとして示すと、全体的な計算は、以下のような式によって表すことができる。
【0129】
【0130】
図7の技法の全部又は一部は、本明細書に説明される種々の方法及び用途における焦点合成の実施のために使用されることができる。しかしながら、開示された技術は、そのように限定されず、
図7の変形例又は拡張も採用され得る。
【0131】
D.焦点合成結果の説明
図8は、合焦画像及び対応する深さマップの生成を説明する図である。この図では、3つの画像のセットが組み合わされて、3つの画像の各々からの対象の合焦表現及び対象の各々の深さを示す深さマップを有する合成画像が得られる。注釈は説明を明確にするために提供されており、示された画像の一部ではない。
【0132】
左側において、画像セット800は、示されるように、それぞれ作業深さZ1、Z2、Z3で取得された画像881~883を含む。撮像されたシーンは、3つの幾何学的形状、すなわち、十字、正方形、及び矩形を含む。明確にするために、各形状には、焦点が合っていることを示す「F」、又は焦点が合っていないことを示す「X」の注釈が付けられている。したがって、矩形、正方形、及び十字形はそれぞれ、作業深さZ1、Z2、及びZ3において焦点が合っている。本明細書で説明するように、合成画像830及び深さマップ850を得るために、焦点合成を画像セット800に適用することができる。合成画像830では、「F」注釈によって示されるように、3つの形状全てが焦点が合っているように見える。深さマップ850は、注釈「Z1」によって示されるように、矩形形状が焦点が合っている画像881に対応する深さZ1を記憶する。同様に、正方形及び十字形に対して記憶された深さ値「Z2」、「Z3」は、これらの形状が画像セット800において焦点が合っている深さを示す。
【0133】
第2の例示的な適用
図9は、焦点合成の第2の例示的な適用を説明する画像920、930、940のセットである。この実施例では、焦点合成がソース画像のセットに適用されて合成画像が生成され、この合成画像を用いて、ラメラをミリングするためにパターンが配置される。
【0134】
最初に、画像920は、特定の作業深さで撮像装置によって取得されるようなソース画像のセットのうちの1つである。図示されるように、前景は焦点が合っているが、背景は焦点が合っていない。矩形921は、セットの他のソース画像を表し、各々は、それぞれの作業深さに合焦される。
【0135】
本明細書で説明されるような焦点合成の適用を通して、前景から背景までの全ての特徴が焦点が合っているように見える合成画像930が得られ得る。
【0136】
画像940は、4つのFIBミリングパターン941~944がマークされた合成画像930のコピーである。これらのミリングパターンの実行は、
図5の画像505及び
図4の文脈で説明したように、パターン942、944の間にラメラを形成することができる。
【0137】
第3の例示的な適用
図10A~
図10Bは一緒に、焦点合成の第3の例示的な適用を説明する画像1011~1017、1030、及び1050のセットを提供する。画像1011~1017は、それぞれの作業深さに対するFIB画像のセットであり、それぞれのゾーンは焦点が合っている。視覚的補助として、例示的なゾーン1021~1027は、それぞれ画像1011~1017においてマークされており、いくつかの画像において焦点が合っている特徴を示している。合焦ゾーン1021~1027は、作業深さが画像1011から1017へと増加するにつれて、前景から背景へと漸進的に後退することが分かる。画像1011は、画像1011~1017の中で最も低い値の作業深さを有し、合焦ゾーン1021は、ゾーン1021~1027の中で最も前景にある。更に、ゾーン1021は、画像1012から画像1017に進むにつれて焦点が劣化することが分かる。画像1017は最大の作業深さを有し、背景ゾーン1027は焦点が合っている。ゾーン1027は、画像1011において焦点が合っていない。
【0138】
画像1011~1017への焦点合成の適用は、合成画像1030及び深さマップ1050を生成することができる。合成画像1030(
図10A及び
図10Bの両方に含まれる)は、前景から背景まで、焦点が合っている全てのゾーンを示す。深さマップ1050は、基準面に対する、合成画像1030内で可視の特徴のトポグラフィレリーフを示す。一般に、画像1030において視認可能な穿孔フィルムの上方に隆起した細胞はまた、細胞が存在しない場合(例えば、穿孔フィルムのみを撮像する場合)にそれらのゾーンが有するよりも低い深さ値を有する。この深さ低減は、深さマップ1050内のより明るい色のゾーンとして現れる。視覚的効果のために、深さマップ1050は、より暗い前景からより明るい背景への系統的なシェーディング変動の原因である、裸の支持フィルムの主表面に対してわずかに傾斜した基準面を使用する。
【0139】
第4の例示的な適用
図11A~
図11Cは一緒に、蛍光撮像に適用される焦点合成を説明する画像1101~1120及び1130のセットを提供し、これは、
図1のビーム150の文脈又は本明細書の他の箇所で論じられるような構成で行われ得る。画像1101~1120は、それぞれの作業深さに対する蛍光画像のセットであり、それぞれのゾーンは焦点が合っている。視覚的補助として、例示的なゾーン1142、1145、1149、1151、及び1153が、画像1101~1120のセットの中のそれぞれの画像に焦点を合わせて示されている。これらの特徴は、マークされた画像から数スライス離れた他の画像では焦点が合っていないことが分かる。説明すると、ゾーン1142は画像1105において焦点が合っておらず、ゾーン1153は画像1115において焦点が合っていない。
【0140】
画像1101~1120への焦点合成の適用は、合成画像1130を生成することができ、ここで、全てのゾーンが焦点が合っていることが分かる。
【0141】
追加の実施例
以下の番号付きの段落は、開示された技術の追加の実施例を説明している。
【0142】
実施例1は、第1のビームを使用して、試料に対して局所的な動作を行うように構成されたツール、第2のビームを使用して、試料の複数の画像を取得するように構成された、撮像装置、及びコントローラであって、合成画像を得るために、複数の画像を焦点合成し、合成画像において選択された位置の指示を受信し、ツールに、選択された位置に基づいて、局所的な動作を行わせるように構成された、コントローラを含む、装置。
【0143】
実施例2は、実施例1の主題を含み、コントローラが、複数の画像から深さマップを生成し、深さマップを使用して、選択された位置からの作業深さを判定し、局所的な動作のために、作業深さに従ってツールを設定するように更に構成されていることを更に明記する。
【0144】
実施例3は、実施例1又は2の主題を含み、コントローラは、局所的な動作に少なくとも部分的に基づいて、選択された位置を組み込むラメラを形成するように更に構成されている。
【0145】
実施例4は、実施例1~3のいずれかの主題を含み、ツールは、ミル、エッチャ、電子顕微鏡、電子分光計、イオン顕微鏡、光学顕微鏡、又は光学分光計のうちの1つ以上を含む。
【0146】
実施例5は、実施例1~4のいずれかの主題を含み、局所的な動作は、ミリング、エッチング、顕微鏡法、又は分光法のうちの1つ以上を含む。
【0147】
実施例6は、実施例1~5のいずれかの主題を含み、第1のビームは、イオンビーム、プラズマ集束イオンビーム、電子ビーム、又は光ビームのうちの1つ以上を含む。
【0148】
実施例7は、実施例1~6のいずれかの主題を含み、第1のビームは、試料の表面法線から60°~87°に配向されたビーム軸に沿って、試料に方向付けられる。
【0149】
実施例8は、実施例1~7のいずれかの主題を含み、撮像装置は、イオン顕微鏡、電子顕微鏡、光学顕微鏡、二次電子検出器、二次イオン検出器、又は光検出器のうちの1つ以上を含む。
【0150】
実施例9は、実施例1~8のいずれかの主題を含み、第2のビームは、60°~87°に配向された視軸に沿って、試料の表面法線から試料に方向付けられる。
【0151】
実施例10は、実施例1~9のいずれかの主題を含み、第2のビームは、イオンビーム、プラズマ集束イオンビーム、電子ビーム、又は光ビームのうちの1つ以上を含む。
【0152】
実施例11は、実施例1~10のいずれかの主題を含み、第1のビーム及び第2のビームは、共通のビームカラム、又は
別個のビームカラムで生成される。
【0153】
実施例12は、実施例1~11のいずれかの主題を含み、焦点合成は、マルチスケール変換、画像ピラミッド、ガウス画像ピラミッド、ラプラシアン画像ピラミッド、又はウェーブレット変換のうちの1つ以上を使用して行われる。
【0154】
実施例13は、実施例1~12のいずれかの主題を含み、位置は、ユーザ、又は自動化されたソフトウェアによって選択される。
【0155】
実施例14は、実施例1~13のいずれかの主題を含み、位置は、試料内の特徴に対応する。
【0156】
実施例15は、実施例1~14のいずれかの主題を含み、局所的な動作は、選択された位置において、選択された位置から所定の横方向オフセットにおいて、選択された位置から所定の深さオフセットにおいて、選択された位置を含む領域にわたって、又は選択された位置から横方向オフセット又は深さオフセットを有する領域にわたって行われる。
【0157】
実施例16は、実施例2~15のいずれかの主題を含み、作業深さが、選択された位置について深さマップに記憶された第1の値、選択された位置を含む第1のゾーン内の深さマップ内に記憶された値の第1の平均、選択された位置から所定の横方向オフセットで深さマップに記憶された第2の値、又は、選択された位置からの横方向オフセットを有する第2のゾーン内の深さマップ内に記憶された値の第2の平均に等しいか、又はその所定の線形変換であることを更に明記する。
【0158】
実施例17は、それぞれの焦点深さにおける試料の複数の画像を取得することと、合成画像を得るために、複数の画像を焦点合成することと、合成画像において選択された位置の指示を受信することと、選択された位置に基づいて、試料に対して局所的な動作を行わせることと、を含むコンピュータ実装方法である。
【0159】
実施例18は、実施例17の主題を含み、焦点合成することが、試料の深さマップを更に生成し、方法が、深さマップを使用して、選択された位置から作業深さを判定することと、作業深さに従って、ツールを設定することと、ツールに、局所的な動作を行わせることと、を更に含むことを更に明記する。
【0160】
実施例19は、実施例17~18のいずれかの主題を含み、選択された位置を組み込むラメラを形成することを更に含み、形成することは、局所的な動作を行わせることを含む。
【0161】
実施例20は、実施例17~19のいずれかの主題を含み、画像が、イオン顕微鏡、電子顕微鏡、光学顕微鏡、二次電子検出器、二次イオン検出器、又は光検出器のうちの1つ以上を使用して取得されることを更に明記する。
【0162】
実施例21は、実施例17~20のいずれかの主題を含み、撮像が、第1のビームを試料に向けてガイドすることによって行われ、第1のビームが、イオンビーム、プラズマ集束イオンビーム、電子ビーム、又は光ビームを含むことを更に明記する。
【0163】
実施例22は、実施例21のいずれかの主題を含み、第1のビームが、試料の表面法線から60°~87°に配向されたビーム軸に沿って、試料に向かって方向付けられることを更に明記する。
【0164】
実施例23は、実施例17~22のいずれかの主題を含み、試料が、極低温試料、プランジ凍結試料、生体試料、半導体試料、又はナノ構造を含むことを更に明記する。
【0165】
実施例24は、実施例17~23のいずれかの主題を含み、試料が、2、5、10、20、50、又は100μmの表面横方向範囲にわたって、1~2、2~5、5~10、又は10~20μmの範囲の表面高さ変動を有することを更に明記する。
【0166】
実施例25は、実施例17~24のいずれかの主題を含み、更に、焦点合成が、マルチスケール変換、画像ピラミッド、ガウス画像ピラミッド、ラプラシアン画像ピラミッド、又はウェーブレット変換のうちの1つ以上を使用して行われることを更に明記する。
【0167】
実施例26は、実施例17~25のいずれかの主題を含み、位置が、ユーザ、又は自動化されたプログラムによって選択されることを更に明記する。
【0168】
実施例27は、実施例17~26のいずれかの主題を含み、位置が、試料内の特徴に対応することを更に明記する。
【0169】
実施例28は、実施例17~27のいずれかの主題を含み、局所的な動作が、ミリング、エッチング、顕微鏡法、又は分光法のうちの1つ以上によって行われることを更に明記する。
【0170】
実施例29は、実施例17~28のいずれかの主題を含み、局所的な動作が、第2のビームを試料に方向付けることによって行われ、第2のビームが、イオンビーム、プラズマ集束イオンビーム、電子ビーム、又は光ビームを含むことを更に明記する。
【0171】
実施例30は、実施例29のいずれかの主題を含み、第2のビームが、試料の表面法線から60°~87°に配向された第2の軸に沿って、試料に方向付けられることを更に明記する。
【0172】
実施例31は、実施例17~30のいずれかの主題を含み、局所的な動作が、選択された位置において、選択された位置から所定の横方向オフセットにおいて、選択された位置から所定の深さオフセットにおいて、選択された位置を含む領域にわたって、又は選択された位置から横方向オフセット又は深さオフセットを有する領域にわたって行われることを更に明記する。
【0173】
実施例32は、実施例18~31のいずれかの主題を含み、作業深さが、選択された位置について深さマップに記憶された第1の値、選択された位置を含む第1のゾーン内の深さマップ内に記憶された値の第1の平均、選択された位置から所定の横方向オフセットで深さマップに記憶された第2の値、又は、選択された位置からの横方向オフセットを有する第2のゾーン内の深さマップ内に記憶された値の第2の平均に等しいか、又はその所定の線形変換であることを更に明記する。
【0174】
実施例33は、実施例18~32のいずれかの主題を含み、更に、ツールが、ミル、エッチャ、電子顕微鏡、電子分光計、イオン顕微鏡、光学顕微鏡、又は光学分光計のうちの1つ以上を備えることを特定する。
【0175】
実施例34は、命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、命令が、1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行されると、実施例17~33のいずれか1つの方法をデバイスに行わせる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体である。
【0176】
一般化されたコンピュータ環境
図12は、焦点合成を試料調製又は分析手順に適用するために、説明される例、技法、及び技術を実施することができる適切なコンピューティングシステム1200の一般化された例を説明する。コンピューティングシステム1200は、多様な汎用コンピューティングシステム又は専用コンピューティングシステムで本技術革新を実施することができるため、本開示の使用範囲又は機能範囲に関するいかなる制限を示唆することを意図したものではない。コンピューティングシステム1200は、FIB撮像ツール、FIBミリングツール、SEM、ステージ、分析機器、若しくは他の同様の機器を制御することができるか試料を表す画像若しくは他の取得されたデータに対して、焦点合成、計測、若しくは他の分析を行うことができるか、ステージ、イオンビームカラム、若しくは電子ビームカラムを制御することができるか、又は、測定データを取得、処理、出力、若しくは記憶することができる。
【0177】
図12を参照すると、コンピューティング環境1210は、1つ以上の処理ユニット1222、及びメモリ1224を含む。
図12において、この基本構成1220は破線内に含まれている。処理ユニット1222は、制御、計測、又は、本明細書に記載の他の機能などのための、コンピュータ実行可能命令を実行することができる。処理ユニット1222は、汎用中央処理装置(central processing unit、CPU)、特定用途向け集積回路(application-specific
integrated circuit、ASIC)内のプロセッサ、又は任意の他の種類のプロセッサであり得る。マルチプロセッシングシステムでは、複数の処理ユニットがコンピュータ実行可能命令を実行して、処理能力を増加させる。コンピューティング環境1210はまた、グラフィックス処理ユニット又は共処理ユニット1230を含むことができる。有形メモリ1224は、処理ユニット1222、処理ユニット1230によってアクセス可能な、揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、又はRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、又はフラッシュメモリ)、又はそれらのいくつかの組み合わせであり得る。メモリ1224は、処理ユニット1222、処理ユニット1230による実行に好適なコンピュータ実行可能命令の形式で、本明細書に記載の1つ以上の技術革新を実施するソフトウェア1280を記憶する。例えば、ソフトウェア1280は、FIB、SEM若しくは他の撮像ツールを制御するためのソフトウェア1281、FIB若しくは他のミリングツールを制御するためのソフトウェア1282、試料が支持されるステージを制御するためのソフトウェア1283、焦点合成のためのソフトウェア1284、試料データの計測若しくは他の分析を行うためのソフトウェア1286、又は、他のソフトウェア1285(ユーザインターフェース、ホストインターフェース、若しくは障害検出を含む)を含むことができる。記憶装置1240内のソフトウェア1280について示される挿入図は、
図12の他の位置のソフトウェア1280にも同様に適用可能である。メモリ1224はまた、制御パラメータ、較正データ、測定データ、他のデータベースデータ、構成データ、又は動作データを記憶することができる。
【0178】
コンピューティングシステム1210は、記憶装置1240、入力デバイス1250、出力デバイス1260、又は通信ポート1270のうちの1つ以上などの、追加機能を有することができる。バス、コントローラ、又はネットワークなどの相互接続機構(図示せず)が、コンピューティング環境1210のコンポーネントを相互接続する。典型的には、オペレーティングシステムソフトウェア(図示せず)は、コンピューティング環境1210で実行する他のソフトウェア1280に、オペレーティング環境を提供し、コンピューティング環境1210のコンポーネントの動作を調整する。
【0179】
有形記憶装置1240は、取り外し可能又は取り外し不可能であり得、磁気ディスク、磁気テープ若しくはカセット、CD-ROM、DVD、又は、非一時的な方法で情報を記憶するために使用でき、かつ、コンピューティング環境内1210でアクセス可能な、任意の他の媒体を含む。記憶装置1240は、本明細書に記載の1つ以上の技術革新を実施するソフトウェア1280の命令(命令及び/又はデータを含む)を記憶する。記憶装置1240はまた、画像データ、測定データ、ワークフロープログラム、参照データ、較正データ、構成データ、試料データ、又は、本明細書に記載の他のデータベース若しくは他のデータ構造を記憶することができる。
【0180】
入力デバイス1250は、キーボード、マウス、ペン、タッチスクリーン、若しくはトラックボールなどの、機械式、タッチ感知式、若しくは近接感知式の入力デバイス、音声入力デバイス、スキャンデバイス、又は、コンピューティング環境1210への入力を提供する別のデバイスであり得る。出力デバイス1260は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、光ディスク書き込み装置、又は、コンピューティング環境1210からの出力を提供する別のデバイスであり得る。入力又は出力は、通信ポート1270を介して、ネットワーク接続で、(
図1の文脈で説明されるように)遠隔デバイスとの間で通信することもできる。
【0181】
通信ポート1270は、通信媒体を介した、別のコンピューティングエンティティへの通信を可能にする。通信媒体は、コンピュータ実行可能命令、オーディオ又はビデオ入力若しくは出力、又は変調データ信号内の他のデータなどの情報を搬送する。変調されたデータ信号は、信号内の情報を符号化するような方法で設定又は変更された1つ以上の特性を有する信号である。限定ではなく一例として、通信媒体は、電気搬送波、光搬送波、RF搬送波、音響搬送波、又は他の搬送波を使用することができる。
【0182】
データ取得システムは、入力デバイス1250として、又は、通信ポート1270に結合されてのいずれかで、コンピューティング環境1210に統合されることができ、アナログデジタル変換器、又は計装バスへの接続を含むことができる。計装制御システムは、出力デバイス1260として、又は、通信ポート1270に結合されてのいずれかで、コンピューティング環境1210に統合されることができ、デジタルアナログ変換器、スイッチ、又は、計装バスへの接続を含むことができる。
【0183】
いくつかの実施例では、コンピュータシステム1200はまた、開示された技術の全部又は一部を実行する命令が実装される、コンピューティングクラウド1290を含むことができる。メモリ1224、記憶装置1240、及びコンピューティングクラウド1290の任意の組み合わせを使用して、開示された技術のソフトウェア命令及びデータを記憶することができる。
【0184】
本技術革新は、プログラムモジュールに含まれる命令などの、標的の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のコンピューティングシステムで実行される、コンピュータ実行可能命令の一般的な状況で説明することができる。一般に、プログラムモジュール又はコンポーネントは、特定のタスクを行うか、又は特定のデータ型を実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、対象、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で所望通りに、プログラムモジュール間で組み合わせ又は分割することができる。プログラムモジュールのコンピュータ実行可能命令は、ローカルコンピューティングシステム又は分散コンピューティングシステム内で実行できる。
【0185】
「コンピューティングシステム」、「コンピューティング環境」、及び「コンピューティングデバイス」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。文脈上明確に別段の指示がない限り、いずれの用語もコンピューティングシステム、コンピューティング環境、又はコンピューティングデバイスの種類を限定するものではない。一般に、コンピューティングシステム、コンピューティング環境、又はコンピューティングデバイスは、ローカル型又は分散型であり得、専用ハードウェア及び/又は汎用ハードウェア及び/又は仮想化ハードウェアの任意の組み合わせを、本明細書で説明する機能を実装するソフトウェアとともに、含むことができる。仮想プロセッサ、仮想ハードウェア、及び仮想化デバイスは、最終的に、ハードウェアプロセッサ又は別の形態の物理的コンピュータハードウェアにおいて具現化され、したがって、仮想化に関連付けられたソフトウェア及び基礎となるハードウェアの両方を含む。
【0186】
一般的な考察
本出願及び特許請求の範囲において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、その内容に別段の明確な指示がない限り、複数形を含む。更に、「含む(includes)」という用語は、「備える(comprises)」を意味する。更に、「結合された(coupled)」という用語は、結合されたアイテム間の中間要素の存在を除外しない。更に、本明細書で使用される「又は」及び「及び/又は」という用語は、句中の任意の1つの項目、又は項目の組み合わせを意味する。
【0187】
本明細書に記載のシステム、方法、及び装置は、いかなる方法によっても制限的なものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、様々な開示される実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴並びに態様を、単独で、並びに互いとの様々な組み合わせ及び部分的組み合わせで対象とする。開示されるシステム、方法、及び装置は、任意の特定の態様若しくは特徴又はそれらの組み合わせに限定されず、開示されるシステム、方法、及び装置は、任意の1つ以上の特定の利点が存在すること、又は問題が解決されることを必要としない。任意の実施例の技術は、他の実施例のうちの任意の1つ以上で記載された技術と組み合わせることができる。
【0188】
開示された方法のいくつかの動作は、提示の便宜上、特定の順序で記載されているが、本明細書に記載される具体的な言葉によって特定の順序付けが要求されない限り、この説明方法が並び替えを包含することが、理解されるべきである。例えば、連続して説明される動作は、場合によっては、並べ替えられてもよいか、又は同時に行われてもよい。更に、簡略化のために、添付の図面は、開示されるシステム、方法、及び装置が、他のシステム、方法、及び装置とともに使用され得る様々な方法を示していない場合がある。更に、説明は、開示された方法を説明するために、「取得」、「適用」、「平均」、「構成」、「制御」、「相関」、「デシメート」、「分解」、「判定」、「方向付け」、「ダウンサンプリング」、「フィルタリング」、「融合」、「生成」、「画像」、「生成」、「検索」、「スケーリング」、「選択」、「設定」、「記憶」、「変換」、又は「アップサンプリング」などの用語を使用することがある。これらの用語は、行われる実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装態様に応じて変化し、当業者によって容易に認識可能である。
【0189】
いくつかの実施例では、値、手順、又は装置は、「最低」、「最良」、「最大」、「最適」、「極値」などと形容される。そのような記述は、少数の又は多くの代替物からの選択が可能であることを示すことを意図しており、そのような選択は、より低い、より良い、より少ない、又は、他の点で他の選択肢よりも好ましい必要はないことが理解されよう。
【0190】
本開示の装置又は方法を参照して本明細書に提示される動作理論、科学的原理、又は他の理論的説明は、理解を深めるための説明を容易にするために提供されたものであり、範囲を限定することを意図するものではない。すなわち、開示されるシステム、方法、及び装置は、このような動作理論に限定されない。添付の特許請求の範囲は、このような動作理論によって説明される方法で機能する実施形態に限定されない。
【0191】
開示された方法のいずれも、有形の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体などの1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピューティングデバイス(例えば、タブレット、スマートフォン、又は、コンピューティングハードウェアを含んだ他のモバイルデバイスを含む、任意の利用可能なコンピューティングデバイス)上で実行される、コンピュータ実行可能命令又はコンピュータプログラム製品によって制御され得るか、又は、コンピュータ実行可能命令又はコンピュータプログラム製品として実施され得る。有形のコンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティング環境内でアクセスされ得る利用可能な有形の媒体である(例えば、DVD若しくはCDなどの1つ以上の光メディアディスク、(DRAM若しくはSRAMなどの)揮発性メモリコンポーネント、又は、(フラッシュメモリ若しくはハードドライブなどの)不揮発性メモリコンポーネント))。一例として、
図12を参照すると、コンピュータ可読記憶媒体は、メモリ1224及び記憶装置1240を含む。コンピュータ可読媒体又はコンピュータ可読記憶媒体という用語は、信号及び搬送波を含まない。更に、コンピュータ可読媒体又はコンピュータ可読記憶媒体という用語は、通信ポート(例えば、1270)を含まない。
【0192】
開示された実施形態の実施中に作成及び使用されるいずれかのデータだけでなく、開示された技術を実施するためのコンピュータ実行可能命令のいずれも、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。コンピュータ実行可能命令は、例えば、専用ソフトウェアアプリケーション、又は、ウェブブラウザ、若しくは(遠隔コンピューティングアプリケーションなどの)他のソフトウェアアプリケーションを介してアクセス若しくはダウンロードされる、ソフトウェアアプリケーションの一部であり得る。そのようなソフトウェアは、例えば、単一のローカルコンピュータ(例えば、任意の好適な市販のコンピュータ)上で、又は、1つ以上のネットワークコンピュータを使用するネットワーク環境(例えば、インターネット、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、クライアントサーバネットワーク、クラウドコンピューティングネットワーク、若しくは他のそのようなネットワークを介して)で実行することができる。
【0193】
明確にするために、ソフトウェアベースの実施のうちの、特定の選択された態様だけが説明される。当技術分野で周知の他の詳細は、省略される。例えば、開示された技術は、特定のコンピュータ言語又はプログラムに限定されないことを理解されたい。例えば、開示された技術は、Adobe Flash、C、C++、C#、Curl、Dart、Fortran、Java、JavaScript、Julia、Lisp、Matlab、Octave、Perl、Python、Qt、R、Ruby、SAS、SPSS、SQL、WebAssembly、それらの任意の派生物、若しくは任意の他の好適なプログラミング言語で、又は、いくつかの実施例では、HTML若しくはXMLなどのマークアップ言語、又は、好適な言語、ライブラリ、及びパッケージの任意の組み合わせで書かれたソフトウェアによって実施され得る。同様に、開示された技術は、特定のコンピュータ、又はハードウェアの種類に限定されない。好適なコンピュータ及びハードウェアの特定の詳細はよく知られており、本開示で詳細に説明する必要はない。
【0194】
更に、ソフトウェアベースの実施形態のいずれか(例えば、開示された方法のいずれかをコンピュータに行わせるための、コンピュータ実行可能命令を含む)は、好適な通信手段を通して、アップロード、ダウンロード、サイドロード、又は遠隔アクセスされ得る。このような好適な通信手段は、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバケーブルを含む)、磁気通信、電磁通信(RF通信、マイクロ波通信、赤外線通信、及び光通信を含む)、電子通信、又は、他のそのような通信手段を含む。
【0195】
本開示の主題の原理が適用され得る、多数の可能な実施形態を考慮すると、説明された実施形態は、好ましい実施例であるにすぎず、本特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないと認識すべきである。むしろ、特許請求される主題の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、これらの請求項の範囲及び趣旨に含まれる全てのものを請求する。
【外国語明細書】