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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025104886
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】吸収体を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20250703BHJP
【FI】
A61F13/15 329
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223042
(22)【出願日】2023-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佃 淳志
(72)【発明者】
【氏名】請川 一夫
(72)【発明者】
【氏名】村上 武瑠
(72)【発明者】
【氏名】神木 宏和
(72)【発明者】
【氏名】藤井 孝行
(72)【発明者】
【氏名】田中 丈博
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BB17
3B200CA02
3B200CA11
3B200DB18
3B200EA05
(57)【要約】
【課題】薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好な高吸収性ポリマーを有する吸収体(SAPシート)を容易に製造する。
【解決手段】高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法であって、基材シートの一方の面を支持部によって支持しつつ、前記基材シートを搬送する搬送工程と、前記基材シートの他方の面に向けて高吸収性ポリマー粒子を供給する粒子供給工程と、を有する。前記支持部は、複数の開口を有し、平面視において、前記開口に内接する内接円の直径は、前記高吸収性ポリマー粒子の平均粒径以上である。前記粒子供給工程では、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記開口を介して前記基材シートを吸引する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法であって、
基材シートの一方の面を支持部によって支持しつつ、前記基材シートを搬送する搬送工程と、
前記基材シートの他方の面に向けて高吸収性ポリマー粒子を供給する粒子供給工程と、
を有し、
前記支持部は、複数の開口を有し、
平面視において、前記開口に内接する内接円の直径は、前記高吸収性ポリマー粒子の平均粒径以上であり、
前記粒子供給工程では、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記開口を介して前記基材シートを吸引する
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記搬送工程において、前記支持部は、前記基材シートを搬送する搬送ベルトである
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記支持部からみて前記基材シートが位置する側とは反対側に吸引部を設け、
吸引用開口を備えた他の搬送ベルトを設け、
他の搬送ベルトは、前記搬送ベルトと前記吸引部との間に位置すると共に、前記搬送ベルトの搬送方向と同じ方向に移動する、
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記支持部からみて前記基材シートが位置する側とは反対側に吸引部を設け、
前記吸引部の吸引口は、前記基材シートの搬送方向と交差する交差方向において、第1開口領域と、前記第1開口領域に隣接し、前記第1開口領域よりも開口率が低い第2開口領域とを備え、
前記粒子供給工程において、前記吸引部は、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記開口、前記第1開口領域及び前記第2開口領域を介して前記基材シートを吸引する
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項5】
請求項4に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記第1開口領域の開口率は、前記支持部の前記開口が設けられている領域における前記開口の開口率以上である
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項6】
請求項4に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記第2開口領域の開口率は、前記支持部の前記開口が設けられている領域における前記開口の開口率以下である
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項7】
請求項4に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記第2開口領域は、前記交差方向において複数設けられている
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項8】
請求項4に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記吸引部は、第3開口領域と非開口領域とを備え、
前記第3開口領域は、前記第1開口領域よりも前記搬送方向の下流側に位置し、且つ、前記交差方向において前記第1開口領域と重複する部分を有し、
前記第3開口領域は、前記第1開口領域よりも開口率が低く、
前記非開口領域は、前記第2開口領域よりも前記搬送方向の下流側に位置し、且つ、前記交差方向において前記第2開口領域と重複する部分を有し、
前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の下流側において、前記吸引部は、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記第3開口領域を介して前記基材シートを吸引する
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記吸引部は、平面視において、前記第1開口領域及び前記第3開口領域よりも前記交差方向の外側であって、前記基材シートの前記交差方向の端部に重複する位置に設けられた第4開口領域を備え、
前記搬送工程において、前記吸引部は、前記基材シートの前記一方の面の側から前記第4開口領域を介して前記端部を吸引する
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項10】
請求項1に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記搬送工程において、前記支持部は、前記基材シートを搬送する回転体である
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項11】
請求項10に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記支持部からみて前記基材シートが位置する側とは反対側に吸引部を設け、
前記支持部は、前記複数の開口のうち、第1開口と、前記第1開口よりも開口率が低い第2開口とを備え、
前記基材シートの搬送方向と交差する交差方向において、前記第1開口が設けられている領域と、前記第2開口が設けられている領域とは隣接して配置され、
前記粒子供給工程において、前記吸引部は、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記第1開口及び前記第2開口を介して前記基材シートを吸引する
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項12】
請求項11に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記第2開口が設けられている領域は、前記交差方向において複数設けられている
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項13】
請求項1に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の上流側において、前記基材シートの前記他方の面に向けて接着剤を塗布する上流側接着剤塗布工程を有する
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の下流側において、
前記基材シートの前記他方の面側から前記高吸収性ポリマー粒子を覆うように別のシートを供給する別シート供給工程と、
前記基材シートの前記他方の面の前記接着剤が塗布されていない領域において、前記基材シートの搬送方向と交差する交差方向に沿って、前記別のシートと前記基材シートを厚さ方向に接合する接合部形成工程と、を有する
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項15】
請求項1に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記開口に内接する内接円の直径は、2mm以上4mm以下である
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項16】
請求項15に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記支持部において、前記開口が設けられている領域における前記開口の開口率は、40%以上60%以下である
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項17】
請求項1に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の下流側において、前記基材シートの前記他方の面に向けて接着剤を空気流と共に吐出する下流側接着剤吐出工程を有し、
吐出された前記接着剤によって、前記基材シートから跳ね返った前記高吸収性ポリマー粒子の少なくとも一部を前記基材シート側に押し返す
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項18】
請求項17に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記搬送工程において、前記基材シートは搬送コンベアによって搬送され、前記搬送コンベアの搬送面は、水平面に対して前記下流側が下方を向くように傾斜している
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項19】
請求項17に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記搬送工程において、前記基材シートは回転体によって搬送され、
前記接着剤は、所定の吐出方向に吐出され、前記吐出方向を延長させた仮想線と、前記仮想線と前記回転体の外周面との交点における前記回転体の接線とがなす角度が90度よりも大きくなるように、前記吐出方向の上流側が前記搬送方向の下流側に傾いている
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【請求項20】
請求項1に記載の吸収体を製造する方法であって、
前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の下流側において、前記基材シートに積層された高吸収性ポリマーの上からパルプを含む繊維状材料を供給する繊維状材料供給工程を有する
ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液吸収性の吸収体を備えた使い捨ておむつ等の吸収性物品がある。このような吸収体として、高吸収性ポリマー(所謂SAP)を含み且つパルプ等の繊維状材料を含まないSAPシートが知られている。このようなSAPシートは、繊維状材料を含んだ吸収体と比較して厚みを小さくしやすいため、薄型の吸収体を形成するのに好適である。例えば、特許文献1には、高吸収性ポリマーがシートに配された吸収体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-122342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のSAPシート(吸収体)では、多数のSAP粒子が材料シート(基材シート)に厚みが均一になるように積層されている。しかし、このようなSAPシートでは、例えば着用時において着用者の両脚の間(すなわち鼠径部)に挟まれた際、着用者の身体の凹凸に沿って変形し難く、フィット性が悪化するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好な高吸収性ポリマーを有する吸収体(SAPシート)を容易に製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法であって、基材シートの一方の面を支持部によって支持しつつ、前記基材シートを搬送する搬送工程と、前記基材シートの他方の面に向けて高吸収性ポリマー粒子を供給する粒子供給工程と、を有し、前記支持部は、複数の開口を有し、平面視において、前記開口に内接する内接円の直径は、前記高吸収性ポリマー粒子の平均粒径以上であり、前記粒子供給工程では、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記開口を介して前記基材シートを吸引することを特徴とする、吸収体を製造する方法である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好な高吸収性ポリマーを有する吸収体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】おむつ1の概略斜視図である。
図2】展開且つ伸長状態のおむつ1を肌側から見た平面図である。
図3図2の中央線CLでの概略断面図である。
図4図4Aは、吸収体20の断面模式図である。図4Bは、SAP層27の詳細を示した吸収体20Aの断面模式図である。
図5】吸収体20Aの平面模式図である。
図6図6Aは、基材シート14に高吸収性ポリマーが積層される様子を表す断面模式図である。図6Bは、基材シート14の一方の面側における凹部領域214Fの様子を表す平面模式図である。
図7図7Aは、吸収体20Aが水分を吸収する前の状態を表す断面模式図である。図7Bは、吸収体20Aが水分を吸収した後の状態を表す断面模式図である。
図8】変形例の吸収体20Bの平面模式図である。
図9】吸収体製造装置50の概要を表す模式図である。
図10】吸引部11Pの吸引用開口11suを説明する図である。
図11図11Aは、搬送ベルト11cnの一部を表す断面模式図である。図11Bは、搬送ベルト11cnの一部を表す平面模式図である。
図12】吸引部11Pの吸引用開口suの別の例を表す平面模式図である。
図13】吸収体製造装置50におけるSAP粒子の供給及び接着剤の吐出の態様を説明する図である。
図14】第1変形例の吸収体製造装置50Aにおける吸引用開口11suを説明する図である。
図15】吸収体製造装置60の概要を表す模式図である。
図16】搬送部11yのプレート部11ptを説明する図である。
図17】プレート部11ptの別の例を示す平面模式図である。
図18】吸収体製造装置60におけるSAP粒子の供給及び接着剤の吐出の態様を説明する図である。
図19】第2変形例の吸収体製造装置60Aの斜視図である。
図20】プレート部11ptの基板118の別の例を示す平面模式図である。
図21】第3変形例の吸収体製造装置60Bの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
(態様1)
高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法であって、基材シートの一方の面を支持部によって支持しつつ、前記基材シートを搬送する搬送工程と、前記基材シートの他方の面に向けて高吸収性ポリマー粒子を供給する粒子供給工程と、を有し、前記支持部は、複数の開口を有し、平面視において、前記開口に内接する内接円の直径は、前記高吸収性ポリマー粒子の平均粒径以上であり、前記粒子供給工程では、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記開口を介して前記基材シートを吸引することを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0012】
態様1によれば、基材シートの一方の面を支持部によって支持しつつ、基材シートを搬送する搬送工程と、基材シートの他方の面に向けて高吸収性ポリマー粒子を供給する粒子供給工程とを有することにより、基材シートに積層された高吸収性ポリマーを有する吸収体を製造することができる。そして、支持部が複数の開口を有しており、粒子供給工程において基材シートの一方の面の側から、複数の開口を介して基材シートを吸引することにより、高坪量領域と、各々の高坪量領域の周囲に低坪量領域が形成される吸収体を製造することができる。吸収体は、低坪量領域が折れ起点となることで、着用者の身体の凹凸に沿って変形し易くなり、フィット性が向上する。平面視において、複数の開口の各々に内接する内接円の直径は、高吸収性ポリマー粒子の平均粒径以上であることにより、吸収体の薄さを保ちつつ、多数の高坪量領域及び低坪量領域を配置することができる。したがって、態様1によれば、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好な高吸収性ポリマーを有する吸収体を容易に製造することができる。
【0013】
(態様2)
態様1に記載の吸収体を製造する方法であって、前記搬送工程において、前記支持部は、前記基材シートを搬送する搬送ベルトであることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0014】
態様2によれば、搬送ベルトを用いた吸収体製造装置であっても、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好な高吸収性ポリマーを有する吸収体を容易に製造することができる。
【0015】
(態様3)
態様2に記載の吸収体を製造する方法であって、前記支持部からみて前記基材シートが位置する側とは反対側に吸引部を設け、吸引用開口を備えた他の搬送ベルトを設け、他の搬送ベルトは、前記搬送ベルトと前記吸引部との間に位置すると共に、前記搬送ベルトの搬送方向と同じ方向に移動する、ことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0016】
態様3によれば、他の搬送ベルトが、前記搬送ベルトと吸引部との間に位置すると共に、前記搬送ベルトの搬送方向と同じ方向に移動することで、搬送ベルトが吸引用開口の縁に擦れることによる搬送ベルトの摩耗を抑制し、搬送ベルトを長寿命化することができる。
【0017】
(態様4)
態様2又は3に記載の吸収体を製造する方法であって、前記支持部からみて前記基材シートが位置する側とは反対側に吸引部を設け、前記吸引部の吸引口は、前記基材シートの搬送方向と交差する交差方向において、第1開口領域と、前記第1開口領域に隣接し、前記第1開口領域よりも開口率が低い第2開口領域とを備え、前記粒子供給工程において、前記吸引部は、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記開口、前記第1開口領域及び前記第2開口領域を介して前記基材シートを吸引することを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0018】
態様4によれば、チャネル領域を有する吸収体を形成することができる。チャネル領域を有する吸収体では、着用者の股下で幅方向に変形し易くなり、股下における収納性が増し、よりフィット性が向上する。
【0019】
(態様5)
態様4に記載の吸収体を製造する方法であって、前記第1開口領域の開口率は、前記支持部の前記開口が設けられている領域における前記開口の開口率以上であることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0020】
態様5によれば、チャネル領域を有する吸収体を適切に形成することができる。
【0021】
(態様6)
態様4に記載の吸収体を製造する方法であって、前記第2開口領域の開口率は、前記支持部の前記開口が設けられている領域における前記開口の開口率以下であることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0022】
態様6によれば、チャネル領域を有する吸収体を適切に形成することができる。
【0023】
(態様7)
態様4に記載の吸収体を製造する方法であって、前記第2開口領域は、前記交差方向において複数設けられていることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0024】
態様7によれば、複数のチャネル領域を有する吸収体を形成することができる。複数のチャネル領域を有する吸収体では、股下における収納性がさらに増し、よりフィット性が向上する。
【0025】
(態様8)
態様4に記載の吸収体を製造する方法であって、前記吸引部は、第3開口領域と非開口領域とを備え、前記第3開口領域は、前記第1開口領域よりも前記搬送方向の下流側に位置し、且つ、前記交差方向において前記第1開口領域と重複する部分を有し、前記第3開口領域は、前記第1開口領域よりも開口率が低く、前記非開口領域は、前記第2開口領域よりも前記搬送方向の下流側に位置し、且つ、前記交差方向において前記第2開口領域と重複する部分を有し、前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の下流側において、前記吸引部は、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記第3開口領域を介して前記基材シートを吸引することを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0026】
態様8によれば、高吸収性ポリマー粒子が供給される位置において跳ね返った高吸収性ポリマー粒子が、下流側においてチャネル領域に配置されることを抑制することができる。
【0027】
(態様9)
態様8に記載の吸収体を製造する方法であって、前記吸引部は、平面視において、前記第1開口領域及び前記第3開口領域よりも前記交差方向の外側であって、前記基材シートの前記交差方向の端部に重複する位置に設けられた第4開口領域を備え、
前記搬送工程において、前記吸引部は、前記基材シートの前記一方の面の側から前記第4開口領域を介して前記端部を吸引することを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0028】
態様9によれば、搬送中の基材シートのめくれ上がりを抑制することができる。
【0029】
(態様10)
態様1に記載の吸収体を製造する方法であって、前記搬送工程において、前記支持部は、前記基材シートを搬送する回転体であることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0030】
態様10によれば、回転体を用いた吸収体製造装置であっても、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好な高吸収性ポリマーを有する吸収体を容易に製造することができる。
【0031】
(態様11)
態様10に記載の吸収体を製造する方法であって、前記支持部からみて前記基材シートが位置する側とは反対側に吸引部を設け、前記支持部は、前記複数の開口のうち、第1開口と、前記第1開口よりも開口率が低い第2開口とを備え、前記基材シートの搬送方向と交差する交差方向において、前記第1開口が設けられている領域と、前記第2開口が設けられている領域とは隣接して配置され、前記粒子供給工程において、前記吸引部は、前記基材シートの前記一方の面の側から、前記第1開口及び前記第2開口を介して前記基材シートを吸引することを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0032】
態様11によれば、チャネル領域を有する吸収体を形成することができる。チャネル領域を有する吸収体では、着用者の股下で幅方向に変形し易くなり、股下における収納性が増し、よりフィット性が向上する。
【0033】
(態様12)
態様11に記載の吸収体を製造する方法であって、前記第2開口が設けられている領域は、前記交差方向において複数設けられていることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0034】
態様12によれば、複数のチャネル領域を有する吸収体を形成することができる。複数のチャネル領域を有する吸収体では、股下における収納性がさらに増し、よりフィット性が向上する。
【0035】
(態様13)
態様1に記載の吸収体を製造する方法であって、前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の上流側において、前記基材シートの前記他方の面に向けて接着剤を塗布する上流側接着剤塗布工程を有することを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0036】
態様13によれば、高吸収性ポリマー粒子を基材シートに貼りつきやすくすることができる。
【0037】
(態様14)
態様13に記載の吸収体を製造する方法であって、前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の下流側において、前記基材シートの前記他方の面側から前記高吸収性ポリマー粒子を覆うように別のシートを供給する別シート供給工程と、前記基材シートの前記他方の面の前記接着剤が塗布されていない領域において、前記基材シートの搬送方向と交差する交差方向に沿って、前記別のシートと前記基材シートを厚さ方向に接合する接合部形成工程と、を有することを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0038】
態様14によれば、基材シートと別のシートとの間で口開きを抑制することができる。
【0039】
(態様15)
態様1に記載の吸収体を製造する方法であって、前記開口に内接する内接円の直径は、2mm以上4mm以下であることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0040】
態様15によれば、複数の高坪量領域の各々の平面視におけるサイズを小さくすることにより、多数の高坪量領域及び低坪量領域を基材シートに配置することができ、吸収体が着用者の身体の凹凸に沿って変形し易くなり、フィット性を向上させることができる。
【0041】
(態様16)
態様15に記載の吸収体を製造する方法であって、前記支持部において、前記開口が設けられている領域における前記開口の開口率は、40%以上60%以下であることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0042】
態様16によれば、吸収体において高坪量領域を適切に形成することができる。
【0043】
(態様17)
態様1に記載の吸収体を製造する方法であって、前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の下流側において、前記基材シートの前記他方の面に向けて接着剤を空気流と共に吐出する下流側接着剤吐出工程を有し、吐出された前記接着剤によって、前記基材シートから跳ね返った前記高吸収性ポリマー粒子の少なくとも一部を前記基材シート側に押し返すことを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0044】
態様17によれば、基材シートの意図しない位置に高吸収性ポリマー粒子が配置されることを低減できる。
【0045】
(態様18)
態様17に記載の吸収体を製造する方法であって、前記搬送工程において、前記基材シートは搬送コンベアによって搬送され、前記搬送コンベアの搬送面は、水平面に対して前記下流側が下方を向くように傾斜していることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0046】
態様18によれば、基材シートの意図しない位置に高吸収性ポリマー粒子が配置されることをより低減できる。
【0047】
(態様19)
態様17に記載の吸収体を製造する方法であって、前記搬送工程において、前記基材シートは回転体によって搬送され、前記接着剤は、所定の吐出方向に吐出され、前記吐出方向を延長させた仮想線と、前記仮想線と前記回転体の外周面との交点における前記回転体の接線とがなす角度が90度よりも大きくなるように、前記吐出方向の上流側が前記搬送方向の下流側に傾いていることを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0048】
態様19によれば、基材シートの意図しない位置に高吸収性ポリマー粒子が配置されることを低減できる。
【0049】
(態様20)
態様1に記載の吸収体を製造する方法であって、前記基材シートに前記高吸収性ポリマー粒子が供給される位置よりも前記基材シートの搬送方向の下流側において、前記基材シートに積層された高吸収性ポリマーの上からパルプを含む繊維状材料を供給する繊維状材料供給工程を有することを特徴とする、吸収体を製造する方法。
【0050】
態様20によれば、排泄液を素早く一時吸収でき、排泄時の排泄液の溢れ漏れを抑制できる吸収体を容易に製造することができる。
【0051】
===吸収性物品及び吸収体===
本発明に係る吸収性物品として、乳幼児用のパンツ型使い捨ておむつ1(以下、「おむつ1」とも呼ぶ)を例に挙げて説明する。ただし、本発明に係る吸収性物品には、テープ型使い捨ておむつ、ショーツ型ナプキン、吸収パッド、生理用ナプキンやその他の吸収性物品も含まれる。また、吸収性物品の着用者は、乳幼児に限らず、大人又は動物等の生物であってもよい。
【0052】
<<吸収性物品(おむつ1)の構成>>
図1は、おむつ1の概略斜視図である。図2は、展開且つ伸長状態のおむつ1を肌側から見た平面図である。図3は、図2の中央線CLでの概略断面図である。
【0053】
おむつ1の「展開状態」とは、図1に示されるおむつ1の両側部に設けられている一対のサイド接合部2を分離して、図2に示されるように、おむつ1を開いて平面的に展開した状態である。おむつ1の「伸長状態」とは、おむつ1全体を皺なく伸長させた状態、具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば、後述する吸収性本体10や胴回り部30、40等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸長させた状態のことを言う。
【0054】
おむつ1は、図1に示されるように、互いに直交する上下方向と幅方向と前後方向とを有し、胴回り開口部BHと一対の脚回り開口部LHとを有している。上下方向の上側が胴回り開口部BH側に対応し、下側が股下側に対応する。前後方向の前側が着用者の腹側に対応し、後側が着用者の背側に対応する。幅方向は、図2に示されるように、前側胴回り部30及び後側胴回り部40に設けられる糸ゴム等の胴回り弾性部材33、43の伸縮方向に沿った方向である。上下方向は、伸縮方向に直交する直交方向に沿った方向である。
【0055】
おむつ1は、液吸収性の吸収性本体10と、一対の胴回り部30,40とを有する所謂3ピースタイプのパンツ型おむつである。一対の胴回り部のうち、着用者の腹側部を覆うものを前側胴回り部30とも称し、着用者の背側部を覆う後側胴回り部40とも称する。
【0056】
図2に示される展開状態において、おむつ1は、互いに直交する長手方向、幅方向、及び、厚さ方向を有する。長手方向は、吸収性本体10の長手方向に沿い、且つ、パンツ型のおむつ1の上下方向に沿う方向である。厚さ方向は、図3に示されるように、おむつ1を構成する資材が積層された方向である。厚さ方向において着用者の肌と接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。
【0057】
また、図2の展開状態において、前側胴回り部30と後側胴回り部40とが互いに長手方向に間隔をあけて平行に並んだ状態で、これらの間に吸収性本体10が掛け渡されつつ、吸収性本体10の長手方向の各端部がそれぞれ最寄りの胴回り部30,40の肌側に接合固定されており、外観形状は平面視略H形状をなす。そして、この状態から、吸収性本体10の長手方向の中央線CLにて二つ折りされる。この二つ折りの状態において、互いに対向する前側胴回り部30と後側胴回り部40とが、幅方向両側の側部にて接合・連結され、一対のサイド接合部2が形成される。なお、サイド接合部2は、溶着や接着等の公知の接合手段によって形成されている。
【0058】
吸収性本体10は、図3に示されるように、吸収体20(詳細は後述)と、吸収体20よりも肌側に配置された液透過性のトップシート12と、吸収体20よりも非肌側に配置されたバックシート13とを有する。バックシート13は、液不透過性シート13aと、その非肌側に配された疎水性の外装シート13bと、の二層構造である。但し、吸収性本体10が、これ以外のシート部材を備えていても良い。例えば、トップシート12と吸収体20との厚さ方向の間に、セカンドシート(不図示)を備えていてもよい。
【0059】
吸収性本体10の幅方向の両側部には、吸収性本体10の長手方向に沿って一対の防漏壁部15が設けられている。図3では、幅方向において、外装シート13bの一部が吸収体20の両端よりも外側に延出しつつ、肌側に複数個所で折り曲げられることによって、一対の防漏壁部15が形成される。防漏壁部15の先端部には、糸ゴム等の防漏壁弾性部材16が吸収性本体10の長手方向に沿って伸長した状態で取り付けられ、防漏壁部15が肌側に起立可能に構成されている。また、吸収性本体10の幅方向の両側部には、糸ゴム等の脚回り弾性部材17が吸収性本体10の長手方向に沿って伸長した状態で取り付けられている。
【0060】
前側胴回り部30及び後側胴回り部40は、図2に示されるように、それぞれ、肌側シート31,41と、非肌側シート32,42と、複数の糸ゴム等の胴回り弾性部材33,43とを有する。複数の胴回り弾性部材33,43は、肌側シート31,41と非肌側シート32,42の間に、上下方向に並んで配置されるとともに、幅方向に伸長した状態で取り付けられている。胴回り弾性部材33,43の伸縮性によって、前側胴回り部30及び後側胴回り部40は、着用者の胴回りにフィットする。また、吸収性本体10の上端部を肌側から覆うように、カバーシート34,44が設けられていてもよい。カバーシート34,44によって、吸収性本体10の口開き等を抑制できる。
【0061】
また、図2に示されるように、展開かつ伸長状態における前側胴回り部30と後側胴回り部40の平面形状は異なる。前側胴回り部30は、上下方向の長さがサイド接合部2と概ね同じ長さであり、幅方向に長い長方形状である。後側胴回り部40は、前側胴回り部30と重なる長方形状の部位と、それよりも下側に延出する略台形形状の部位40Eとを有する。該延出する部位40Eによって着用者の臀部を被覆できる。
【0062】
以上、おむつ1の基本構成を説明したが、上記構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、前側胴回り部30と後側胴回り部40が連続した1つの部材で形成されていたり、前側胴回り部30と後側胴回り部40を繋ぐ股下部の外装部材が設けられていたりしてもよい。また、胴回り弾性部材33,43等の弾性部材が、糸ゴムではなく、シート状の弾性部材であってもよい。
【0063】
<<吸収体の構成>>
次に、上述した吸収性物品(おむつ1)のうち、図4A図4B及び図5に基づいて、吸収体20の詳細について説明する。
【0064】
図4Aは、吸収体20の断面模式図である。図4Bは、SAP層27の詳細を示した吸収体20Aの断面模式図である。図5は、吸収体20Aの平面模式図である。
【0065】
図4Aに示されるように、上述した吸収性物品(おむつ1)の吸収体20は、肌側のコアラップシート24と非肌側のコアラップシート25との間において、吸収性コア21~23を有する。吸収性コア21~23の各々は、尿等の排泄液を吸収して保持する部材であり、繊維状材料、及び、高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer:以下、SAPとも称する)の少なくとも一方を含む。
【0066】
繊維状材料、及び、高吸収性ポリマーは、吸収性物品の吸収性コアとして使用可能なものであれば特に制限されない。繊維状材料は、液体吸収性を有する繊維状材料であり、例えば、木材パルプ繊維や、バガス、ケナフ、竹、麻、綿等の非木材パルプ繊維、レーヨン繊維等の再生セルロース繊維、アセテート繊維等の半合成繊維等、あるいはこれらの混合物を例示できる。SAPとしては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系の高分子吸収剤、あるいはこれらの混合物を例示できる。また、コアラップシート24,25は、液透過性のシートであり、例えば、不織布やティッシュ等を例示できる。
【0067】
吸収性コア21~23は、厚さ方向の肌側から順に、肌側層21、中間層22、非肌側層23と呼ぶことがある。図4Aに示される吸収体20では、肌側層21は、肌側層21よりも非肌側に位置する中間層22と一体的に形成されておらず、不織布やティッシュ等で形成されるシート26を介して、中間層22と厚さ方向に隣接して積層されている。また、図4Aに示される吸収体20では、中間層22及び非肌側層23は一体的に形成されている。つまり、中間層22の非肌側には、不織布等のシートや接着剤HMA等を介さずに非肌側層23が直接積層されている。
【0068】
吸収性コア21~23における繊維状材料又はSAPの体積占有率は、その目的に応じて吸収性コア21~23毎に変更することが可能である。例えば、肌側層21においてSAPの体積占有率が高く、中間層22において繊維状材料の体積占有率が高く、非肌側層23においてSAPの体積占有率が高くてもよい。さらに言えば、肌側層21は繊維状材料を有さずSAPのみを有し、中間層22はSAPを有さず繊維状材料のみを有し、非肌側層23は繊維状材料を有さずSAPのみを有していてもよい。SAPは液体の吸収速度が遅く、繊維状材料はSAPよりも液体の吸収速度が速いため、排泄液が肌側層21のSAPに吸収される前に、中間層22に移行しやすい。そして、中間層22の繊維状材料の繊維間に吸収された排泄液は、重力により徐々に非肌側層23に移行し、非肌側層23のSAPにしっかりと吸収保持される。
【0069】
これにより、非肌側層23まで排泄液を引き込みやすく、吸収性コア21~23を厚さ方向に有効活用できる。そのため、吸収性コア21~23の吸水保持量が高まり、繰り返し排泄が行われても、排泄液の漏れを抑制できる。また、吸収性コア21~23の肌側面のドライ性が確保され、おむつ1の着け心地が向上する。また、中間層22や非肌側層23の排泄液が肌側への液戻りしようとした場合、肌側層21のSAPが排泄液を吸収保持する。ゆえに、排泄液のリウェットを抑制できる。この点からも吸収性コア21~23の肌側面のドライ性が確保される。
【0070】
なお、図4Aに示されるように、厚さ方向において、中間層22よりも肌側(肌側層21が位置する側)には、シート26が位置し、中間層22とシート26との間には、接着剤HMAが設けられている。なお、接着剤HMAは、ここでは、ホットメルト接着剤である。言い換えると、繊維状材料(中間層22)とSAP(肌側層21)との間に接着剤HMAが設けられている。さらに、非肌側層23よりも非肌側には、コアラップシート25が位置し、非肌側層23とコアラップシート25との間には、接着剤HMAが設けられている。中間層22とシート26との間に設けられる接着剤HMAと、非肌側層23とコアラップシート25との間に設けられる接着剤HMAにより、シート26とコアラップシート25とを接合すると共に、中間層22及び非肌側層23をシート26及びコアラップシート25に固定することができる。
【0071】
ここで、吸収体20は、図4Aに示される態様に限られない。図4Aに示される吸収体20では、厚さ方向の肌側から順に、シート(コアラップシート24)、肌側層21、シート26、一体的に形成された中間層22及び非肌側層23、シート(コアラップシート25)の順に積層されている。しかし、シート26は、肌側層21と中間層22との間ではなく、中間層22と非肌側層23との間に位置していてもよい。この場合、肌側層21(SAPの体積占有率が高い層)と中間層22(繊維状材料の体積占有率が高い層)とが一体的に形成されていてもよい。つまり、肌側層21(SAPの体積占有率が高い層)の非肌側には、不織布等のシートや接着剤HMA等を介さずに中間層22(繊維状材料の体積占有率が高い層)が直接積層されていてもよい。この場合、吸収体20は、厚さ方向において、SAPに隣接する位置にパルプを含む繊維状材料を有する。これにより、排泄液を素早く一時吸収でき、排泄時の排泄液の溢れ漏れを抑制できる。そして、シート26を介して、非肌側層23(SAPの体積占有率が高い層)が厚さ方向に隣接して積層されていてもよい。
【0072】
さらに、上記に限らず、中間層22と一体的に形成されていない肌側層21が、不織布等のシートや接着剤HMA等を介さずに中間層22と積層されていてもよい。同様に、中間層22と一体的に形成されていない非肌側層23が、不織布等のシートや接着剤HMA等を介さずに中間層22と積層されていてもよい。さらに、中間層22が肌側層21と非肌側層23の一方のみと一体的に形成されるに限らず、肌側層21と非肌側層23との両方と一体的に形成されてもよい。肌側層21と中間層22の間、及び、中間層22と非肌側層23の間に、それぞれ不織布等のシートや接着剤HMAが設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0073】
吸収体20は、肌側層21、中間層22、非肌側層23の3層の吸収性コアが積層される態様に限られない。吸収性コアが2層積層されていてもよいし、吸収性コアが1層のみ積層されていてもよい。以下では、1層のみの吸収性コアの態様として、不織布等のシートにSAPが積層する吸収体(以下、SAPシートと称する)を用いて説明を続ける。
【0074】
図4Bに示されるように、吸収体20Aは、基材シート14と、SAP層27と、別のシート14Sとを有する。吸収体20Aにおける基材シート14及びSAP層27と別のシート14Sとの組み合わせは、例えば、上述の説明においては、吸収体20のコアラップシート24,肌側層21及びシート26の組み合わせや、中間層22と非肌側層23との間にシート26が位置する場合の、コアラップシート25及び非肌側層23及びシート26の組み合わせに相当する。ここで、SAP層27(後述する高坪量領域211及び低坪量領域212)は、SAPのみを有し、SAP以外の繊維状材料を含まない。これにより、繊維状材料を含んだ吸収体と比較してより薄型の吸収体20Aを形成することができる。SAP層27におけるSAPは、接着剤HMAによって、基材シート14や別のシート14Sに固定されている。これにより、基材シート14や別のシート14SへのSAPの固定を確実に行うことができる。
【0075】
ここで、以下の説明において、「高吸収性ポリマー(SAP)」という用語とともに用いられる場合の「粒子」は、任意の個々の形状又は形態を包含し、当該「粒子」は、顆粒、凝集物、フレーク、繊維、球体等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。また、粒子は、例えば、球状、多角形、ロッド状、多面体、又は他の円形若しくは角形の規則的又は不規則な形態等の任意の所望の形状を有することができる。
【0076】
SAP層27は、図4Bに示されるように、SAPの坪量が周囲よりも高い高坪量領域211を有する。そして、図5に示されるように、高坪量領域211のうち、厚さ方向における最大厚みとなる点Sが長手方向及び幅方向に間欠的に位置している。これにより、図5に示される高坪量領域211は、長手方向及び幅方向に間欠的に配置されている。さらに、隣接する最大厚みとなる点S同士の間(すなわち、高坪量領域211の周囲)には、SAPの坪量が高坪量領域211よりも低い低坪量領域212が形成される。
【0077】
但し、最大厚みとなる点Sが長手方向及び幅方向に間欠的に位置していれば、隣接する最大厚みとなる点S同士の間のうち、その一部が高坪量領域211で形成されていてもよい。つまり、隣接する最大厚みとなる点S同士の間のうち、その一部が高坪量領域211でつながっていてもよい。図5では、平面視における高坪量領域211の範囲を実線で、低坪量領域212の範囲を一点鎖線で表している。図5で表される高坪量領域211の範囲及び低坪量領域212の範囲は、便宜上、模式的に表されたものである。
【0078】
低坪量領域212は、図4B及び図5に示されるように、SAPが積層された低坪量積層領域212Eと、SAPがない非積層領域212Nとを有する。ここで、「SAPがない」とは、SAPの粒子が存在しないことの意味に加え、積層されたSAPの粒子がごく少数であり、実質的にSAPの粒子が存在しないことを含む。なお、図5では、低坪量積層領域212Eの中心に△印を付し、非積層領域212Nの中心に×印を付している。
【0079】
本実施形態の吸収体20Aでは、低坪量領域212(低坪量積層領域212E及び非積層領域212N)が折れ起点となり、着用者の身体の凹凸に沿って変形し易くなり、フィット性が向上する。さらに、折れ起点となる低坪量領域212として、排泄液を吸収保持することができる低坪量積層領域212Eと、SAPがないことでより折れ曲がり易くなる非積層領域212Nとを有する。これにより、SAPの坪量が高坪量領域211よりも低い低坪量領域212であっても、着用者の身体の凹凸に沿った変形し易さと、排泄液の吸収保持力とを両立することができる。
【0080】
上述したように、低坪量領域212は、長手方向及び幅方向に間欠的に配置された最大厚みとなる点S同士の間に形成される。このため、低坪量領域212も、図5に示されるように、長手方向及び幅方向に間欠的に配置される。すなわち、低坪量積層領域212Eは、長手方向及び幅方向に間欠的に配置され、同様に、非積層領域212Nも、長手方向及び幅方向に間欠的に配置される。吸収体20Aは、このように低坪量積層領域212Eと非積層領域212Nとが平面的にまばらに配置されることにより、着用者の身体の凹凸に沿った変形し易さと、排泄液の吸収保持力とを、平面的に拡がりを持って有することができる。
【0081】
本実施形態の吸収体20Aでは、例えば、図5に示される平面視において、低坪量積層領域212Eの数は、吸収体20Aを長手方向に三等分した各領域で異なる。また、非積層領域212Nの数も、吸収体20Aを長手方向に三等分した各領域で異なる。詳細は後述するが、基材シートに向けてSAPの粒子を供給して吸収体を製造する際、SAPの粒子がくっつかなかった領域が非積層領域212Nとなり、一部のSAPの粒子がくっついた領域が低坪量積層領域212Eとなる。非積層領域212Nと低坪量積層領域212Eとの各々は、平面的にランダムに発生するので、上述したように、平面視において、低坪量積層領域212Eの数や非積層領域212Nの数は、吸収体20Aを長手方向に三等分した各領域で異なることになる。このように、低坪量積層領域212Eと非積層領域212Nとを平面的にランダムに配置することにより、吸収体20Aが着用者の身体の凹凸に沿って変形し易くなり、フィット性を向上させることができる。
【0082】
さらに、本実施形態の吸収体20Aでは、高坪量領域211の周囲に低坪量領域212を有することにより、排泄液が平面方向に拡散し易くなる。仮に、SAPの坪量が平面的に一定である場合、隣り合うSAP同士が水分を吸収した際にくっつくことによって塊を生成しやすくなり、排泄液のこれ以上の拡散を阻害してしまうことがある。つまり、SAPの坪量が平面的に一定である場合、いわゆるゲルブロッキングが発生するおそれがある。
【0083】
そこで、本実施形態の吸収体20Aでは、吸収体20Aが高坪量領域211の周囲に低坪量領域212を有することにより、一定量の排泄液を吸収した後であっても、低坪量領域212に沿って排泄液が拡散し易くすることができ、上述したゲルブロッキングの発生を抑制することができる。
【0084】
非積層領域212Nは、ある高坪量領域211から見て長手方向の側よりも幅方向の側の方が多くなるように配置されている。言い換えると、最大厚みとなる点Sのうち、幅方向の一方側又は他方側に非積層領域212Nが隣接して位置する点Sの数は、長手方向の一方側又は他方側に非積層領域212Nが隣接して位置する点Sの数より多い。これにより、低坪量積層領域212Eは、高坪量領域211から見て幅方向の側よりも長手方向の側の方が多くなるように配置されることになる。この場合、吸収体20Aが排泄液を吸収した状態、つまり、膨潤状態の際に、低坪量積層領域212Eが多く配置された長手方向により多くのSAP同士がくっつくことになる。したがって、吸収体20Aが膨潤状態の際に幅方向の柔軟性が失われることを抑制することができる。
【0085】
図5に示される吸収体20Aでは、さらに後述する図8に示されるチャネル領域215が設けられてもよい。チャネル領域215についての詳細な説明は後述するが、吸収体20Aがチャネル領域215を有することにより、例えば着用時において着用者の両脚の間(すなわち鼠径部)に挟まれた際、着用者の股下で幅方向に変形し易くなり、股下における収納性が増し、よりフィット性が向上する。このとき、チャネル領域215はそれ自体が折れ起点となるので、フィット性が向上に寄与することになる。但し、吸収体20Aにチャネル領域215が設けられていなくてもよい。
【0086】
また、本実施形態の吸収体20Aでは、図4Bに示されるように、最大厚みTは、3mm以内であり、隣接する最大厚みとなる点S同士の間隔は、最大厚みTの5倍以下であることが好適である。これにより、吸収体20Aの薄さを保ちつつ、多数の高坪量領域及び低坪量領域を配置することができる。したがって、高吸収性ポリマーを有する吸収体20Aにおいて、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性を向上させることができる。また、最大厚みTは、2mm以内であり、隣接する最大厚みとなる点S同士の間隔は、最大厚みTの4倍以下であることがさらに好適である。これにより、高吸収性ポリマーを有する吸収体20Aにおいて、より薄さを保ちつつ、着用時のフィット性を向上させることができる。
【0087】
図5に示される平面視において、複数の高坪量領域211の各々に外接する外接円CCの直径は、2mm以上4mm以下であることが好適である。これにより、複数の高坪量領域211の各々のサイズを小さくすることができ、多数の高坪量領域211及び低坪量領域212を基材シート14に配置することができる。したがって、吸収体20Aが着用者の身体の凹凸に沿って変形し易くなり、フィット性を向上させることができる。
【0088】
また、図5に示される平面視において、複数の非積層領域212Nの各々に内接する内接円ICの直径のうち、最大の直径は、最大厚みT以下であることが好適である。このように、SAPがない非積層領域212Nの平面視におけるサイズを小さくすることにより、非積層領域212Nを介した排泄液の漏れを抑制できる。
【0089】
さらに、図5に示される平面視において、SAPが設けられている領域(すなわち、高坪量領域211や低坪量領域212)よりも長手方向の外側に、接合部213が設けられている。接合部213は、基材シート14と別のシート14Sとが厚さ方向に接合された部位である。接合部213は、エンボス加工、溶着や接着等の公知の接合手段によって形成される。これにより、基材シート14と別のシート14Sとの間で口開きを抑制することができる。
【0090】
なお、基材シート14のうち接合部213が形成される領域は、SAPが設けられていない領域であると共に、SAPを固定するための接着剤が設けられていない領域である。ここで、SAPが設けられていない領域とは、実質的にSAPが配置されていない(例えば、基材シート14全体に配置されるSAPの重量のうち、当該領域に配置されるSAPの重量が10%以下の)領域である。また、接合部213が設けられていなくてもよい。
【0091】
図6Aは、基材シート14に高吸収性ポリマーが積層される様子を表す断面模式図である。図6Bは、基材シート14の一方の面側における凹部領域214Fの様子を表す平面模式図である。
【0092】
本実施形態では、図6Aに示されるように、基材シート14の厚さ方向における一方の面側と、他方の面側との各々に、凹部領域214が形成されている。具体的には、基材シート14には、一方の面側に凹部領域214Fが形成され、他方の面側に凹部領域214Bが形成されている。基材シート14の厚さ方向における一方の面において、凹部領域214FにSAPが多く配置され、高坪量領域211を形成する。一方、凹部領域214F以外の領域では、SAPが配置されないか、SAPが配置されても凹部領域214Fよりも少なく配置されることにより、低坪量領域212(低坪量積層領域212E又は非積層領域212N)を形成する。
【0093】
また、図6Bに示されるように、基材シート14の一方の面側において、凹部領域214Fは、長手方向及び幅方向に間欠的に配置されている。これにより、高坪量領域211が厚さ方向における最大厚みとなる点Sが長手方向及び幅方向に間欠的に位置するよう配置されることになる。同様に、低坪量領域212(低坪量積層領域212E及び非積層領域212N)も、長手方向及び幅方向に間欠的に配置されることになる。
【0094】
また、基材シート14の一方の面側の厚さ方向における最高点H1と最低点L1との差分SB1と、基材シート14の他方の面側の厚さ方向における最高点H2と最低点L2との差分SB2とは異なる。つまり、SAPが配置される凹部領域214の深さを、基材シート14の一方の面側の凹部領域214Fと、他方の面側の凹部領域214Bとで異ならせることができる。つまり、図6Bに示される基材シート14では、一方の面側の凹部領域214Fの凹部は浅く、他方の面側の凹部領域214Bの凹部は深く形成されている。
【0095】
ここで、図6Aに示される基材シート14では、凹部が浅い側の凹部領域214FにSAPが配置されることで吸収体20Aが形成されている。しかし、凹部が深い側の凹部領域214BにSAPが配置されることで吸収体20Aが形成されていてもよい。例えば、凹部が深い側の凹部領域214Bには、凹部が浅い側の凹部領域214Fと比べてより多くのSAPを配置することができ、排泄液の吸収保持力を向上させることができる。逆に、凹部が浅い側の凹部領域214FにSAPが配置されることにより、凹部領域214Bと比べて液拡散性を向上させることができる。したがって、上述したように凹部領域214Fと凹部領域214Bとで深さを異ならせることにより、どちらの凹部領域214にSAPが配置されるかを選択することが可能となり、目的に応じた特性を有する吸収体を形成することができる。
【0096】
但し、基材シート14のおもて面側の厚さ方向における最高点H1と最低点L1との差分SB1と、基材シート14のうら面側の厚さ方向における最高点H2と最低点L2との差分SB2とが同じであってもよい。つまり、SAPが配置される凹部領域214の深さが、基材シート14の一方の面と、他方の面とで同じであっても良い。
【0097】
図6Aに示されるように、基材シート14のおもて面側において、最高点H1よりも下方に積層されるSAPの重量は、基材シート14全体に積層されるSAPの重量の50%以上である。これにより、SAPの所望の重量を基材シート14の凹部領域に積層させることで、適切な位置に高坪量領域211を形成することができる。
【0098】
また、図6Bに示される平面視において、複数の非積層領域212Nの各々に内接する内接円ICの直径のうち、最大の直径は、おもて面側の差分SB1以下である。これにより、SAPがない非積層領域212Nの平面視におけるサイズを小さくすることにより、非積層領域212Nを介した排泄液の漏れを抑制できる。
【0099】
ここで、図6Bに示される平面視において、図6Aに示される最高点H1と最低点L1との中間位置M1よりも下方の領域を、凹部領域214Fの範囲として表している。この場合、複数の凹部領域214Fの中心Cを長手方向に沿って通る仮想線V1上における、複数の凹部領域214Fの長さLG1の合計は、基材シート14全体の長さの50%以上であることが好適である。これにより、SAPを基材シート14の所望の領域に積層させることで、適切な位置に高坪量領域211と低坪量領域212とを形成することができる。
【0100】
また、同様に、複数の凹部領域214Fの中心を幅方向に沿って通る仮想線V2上における、複数の凹部領域214Fの長さLG2の合計は、基材シート14全体の長さの50%以上であることが好適である。これにより、SAPを基材シート14の所望の領域に積層させることで、適切な位置に高坪量領域211と低坪量領域212とを形成することができる。
【0101】
図7Aは、吸収体20Aが水分を吸収する前の状態を表す断面模式図である。図7Bは、吸収体20Aが水分を吸収した後の状態を表す断面模式図である。
【0102】
本実施形態の吸収体20Aでは、隣接する最大厚みとなる点S同士の間で基材シート14と別のシート14Sとが接合されている接合領域28と、隣接する最大厚みとなる点S同士の間で基材シート14と別のシート14Sとが接合されていない非接合領域29とを有する。これにより、折れ起点となる接合領域28と、基材シート14と別のシート14Sとの間でSAPを配置することができる非接合領域29とを有することで、着用者の身体の凹凸に沿った変形し易さと、排泄液の吸収保持力とを両立することができる。
【0103】
接合領域28では、非積層領域212Nにおいて基材シート14と別のシート14Sとが接着剤HMAを介して接合されている。そして、吸収体20Aが水分を吸収すると、図7Bに示されるようにSAPが膨潤し、基材シート14と別のシート14Sとの接合領域28の接合部分が外れる。このように、吸収体20Aが水分を吸収するにつれて接合領域28の接合部分が外れることにより、接合領域28によってSAPの膨潤が妨げられることを抑制することができる。
【0104】
図8は、変形例の吸収体20Bの平面模式図である。
【0105】
変形例の吸収体20Bは、SAPの坪量が高坪量領域211よりも低いチャネル領域215を有する。チャネル領域215は、図8に示されるように、長手方向に延在し、幅方向において、チャネル領域215の幅は、隣接する最大厚みとなる点S同士の間隔より大きい。つまり、チャネル領域215の幅は、隣接する高坪量領域211との間(すなわち、高坪量領域211の周囲)に形成される低坪量領域212の幅よりも大きい。変形例の吸収体20Bは、例えば着用時において着用者の両脚の間(すなわち鼠径部)に挟まれた際、チャネル領域215が折れ起点となり、着用者の股下で幅方向に変形し易くなり、股下における収納性が増し、よりフィット性が向上する。また、排泄液が長手方向に拡散し易くなる。
【0106】
チャネル領域215は、幅方向において複数設けられている。具体的には、図8に示されるように、2条のチャネル領域215が設けられている。これにより、股下における収納性がさらに増し、よりフィット性を向上させることができる。但し、チャネル領域215は、幅方向において1つのみ設けられていても良い。
【0107】
===吸収体製造装置及び吸収体を製造する方法===
以下、上述した吸収体20Aに関して、吸収体製造装置及び吸収体を製造する方法について説明する。
【0108】
<<吸収体製造装置50の構成>>
図9は、吸収体製造装置50の概要を表す模式図である。
【0109】
吸収体製造装置50は、高吸収性ポリマー(SAP)を含む吸収体を製造する装置である。吸収体製造装置50は、搬送部11xと、上流側接着剤塗布部18と、粒子供給部19と、吸引部11Pと、接着剤吐出部15Dと、接合部形成部11emとを有する。
【0110】
搬送部11xは、基材シート14を搬送方向へ搬送する部材である。図9に示される吸収体製造装置50では、搬送部11xは、搬送ベルト11cnと、複数の搬送ローラー11rnとを有している。搬送ベルト11cnは、駆動周回する無端ベルトの上面を基材シート14の搬送面とする。つまり、搬送ベルト11cnは、基材シート14の下面(以下、「一方の面」と称することがある)を支持しつつ、基材シート14を搬送する。したがって、搬送ベルト11cnを支持部と呼ぶことがある。
【0111】
また、図9に示される吸収体製造装置50では、搬送部11xは、搬送ベルト11cnの搬送面に設けられた複数の開口11pn(後述)を介して吸引部11Pによって基材シート14を吸引しつつ搬送するサクションベルトコンベアである。搬送ローラー11rnは、モータ等の駆動源で駆動回転する駆動ローラーであっても良いし、駆動源が無く従動回転する従動ローラーであっても良い。
【0112】
上流側接着剤塗布部18は、SAP粒子19Sが基材シート14に供給される前にあらかじめ基材シート14に接着剤を塗布する部材である。上流側接着剤塗布部18は、図9に示されるように、SAP粒子19Sを供給する粒子供給部19よりも搬送方向の上流に設けられている。上流側接着剤塗布部18が塗布する接着剤は、ここでは、ホットメルト接着剤である。粒子供給部19によってSAP粒子19Sが基材シート14に供給される前に、事前に基材シート14に接着剤を塗布しておくことで、SAP粒子19Sが基材シート14に貼りつきやすくなり、SAP粒子19Sの跳ね返り量を低減させることができる。それにより、意図しない位置にSAP粒子19Sが配置されることを抑制できる。但し、吸収体製造装置50は、上流側接着剤塗布部18を有さなくてもよい。
【0113】
粒子供給部19は、基材シート14の上面(以下、「他方の面」と称することがある)に向けてSAP粒子19Sを供給する部材である。粒子供給部19がSAP粒子19Sを放出する際、SAP粒子19Sは、搬送部11xの搬送面に配置された基材シート14に向かって重力供給、或いは、加圧空気と共に吐出される。
【0114】
吸引部11Pは、基材シート14の一方の面(下面)の側から、搬送ベルト11cnの複数の開口11pnを介して基材シート14を吸引する部材である。吸引部11Pの詳細については、後述する。
【0115】
接着剤吐出部15Dは、基材シート14に向けて接着剤を空気流と共に吐出する部材である。接着剤吐出部15Dは、粒子供給部19よりも搬送方向の下流に配置されている。また、図9に示される吸収体製造装置50では、接着剤吐出部15Dは、第1接着剤吐出部15x1と、第1接着剤吐出部15x1よりも搬送方向の下流に配置された第2接着剤吐出部15x2との2つの接着剤吐出部15Dを有している。接着剤吐出部15Dの詳細については、後述する。
【0116】
接合部形成部11emは、基材シート14と別のシート14Sとが合流した後に厚さ方向に接合して接合部を形成する部材である。接合部形成部11emは、基材シート14と別のシート14Sとに対して例えばエンボス加工を行ってもよいし、溶着や接着等の他の公知の接合手段を行ってもよい。接合部形成部11emにより、上述した図5に示される吸収体20Aにおける接合部213を形成することができる。
【0117】
本実施形態では、上述した各構成を有する吸収体製造装置50によって、上述した高吸収性ポリマーを含む吸収体が製造される。高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法としては、まず、基材シート14の一方の面(下面)を支持部(搬送ベルト11cn)によって支持しつつ、基材シート14を搬送する搬送工程と、基材シート14の他方の面(上面)に向けてSAP粒子19Sを供給する粒子供給工程と、を少なくとも有する。これにより、基材シート14に積層された高吸収性ポリマーを有する吸収体を製造することができる。
【0118】
高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法として、本実施形態では、基材シート14にSAP粒子19Sが供給される位置よりも基材シート14の搬送方向の上流側において、上流側接着剤塗布部18によって基材シート14の他方の面(上面)に向けて接着剤を塗布してもよい(上流側接着剤塗布工程)。これにより、SAP粒子19Sを基材シート14に貼りつきやすくすることができる。但し、高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法として、上流側接着剤塗布工程を有さなくてもよい。
【0119】
また、高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法として、本実施形態では、基材シート14にSAP粒子19Sが供給される位置よりも基材シート14の搬送方向の下流側において、基材シート14の他方の面(上面)側からSAP粒子19Sを覆うように別のシート14Sを供給してもよい(別シート供給工程)。さらに、本実施形態では、基材シート14の他方の面(上面)の接着剤が塗布されていない領域において、基材シート14の搬送方向と交差する交差方向に沿って、別のシート14Sと基材シート14を厚さ方向に接合してもよい(接合部形成工程)。これにより、基材シート14と別のシート14Sとの間で口開きを抑制することができる。但し、高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法として、別シート供給工程や接合部形成工程を有さなくてもよい。
【0120】
本実施形態では、接合部形成工程のさらに下流で所望のサイズに切断されることで、吸収体が形成される。なお、本実施形態では、基材シート14上にSAP粒子が供給された後に別のシート14Sが積層されるが、これに限定にされるものではない。例えば、基材シート14にSAP粒子を積層させた後、基材シート14を所望のサイズに切断するだけでも吸収体を形成することができる。或いは、基材シート14にSAP粒子を積層した後にパルプを含む繊維状材料を積層させて吸収体を形成してもよい。これにより、排泄液を素早く一時吸収でき、排泄時の排泄液の溢れ漏れを抑制できる吸収体を容易に製造することができる。また、吸収体の素材として、SAP粒子の他に、パルプを含む繊維状材料を混合させる場合には、粒子供給部19がSAP粒子19Sを供給する前、或いは後に、そのような繊維状材料を基材シート14に供給すればよい。
【0121】
上述したように、吸収体製造装置50の搬送部11xは、搬送ベルト11cnの搬送面に設けられた複数の開口11pnを介して吸引部11Pによって基材シート14を吸引しつつ搬送するサクションベルトコンベアである。この点について吸引部11P及び搬送ベルト11cnの詳細を説明する。
【0122】
図10は、吸引部11Pの吸引用開口11suを説明する図である。図11Aは、搬送ベルト11cnの一部を表す断面模式図である。図11Bは、搬送ベルト11cnの一部を表す平面模式図である。なお、図10及び図11Aでは、参考のために、基材シート14の外形線を破線で表している。
【0123】
吸引部11Pは、図10に示されるように、搬送ベルト11cn(支持部)からみて基材シート14が位置する側とは反対側に設けられている。そして、吸引部11Pのうち、基材シート14が位置する側には吸引用開口11suが設けられている。吸引部11Pは、吸引用開口11suから吸引する。また、吸引部11Pの吸引用開口11suからみて基材シート14との間には、搬送ベルト11cnが位置しており、搬送ベルト11cnが搬送方向に基材シート14を搬送方向に搬送している。
【0124】
搬送ベルト11cnは、例えばメッシュベルトであり、搬送ベルト11cnの搬送面11mには、複数の開口11pnが設けられている。搬送ベルト11cnの搬送面11mは、具体的には、図11A及び図11Bに示されるように、ナイロン等の合成樹脂から作られた繊維を用いた糸状部材が織られて形成されている。但し、糸状部材は、針金等の金属で形成されてもよい。当該糸状部材は、例えば縦部材116及び横部材117で構成され、縦部材116と、横部材117とで画定される開口が、基材シート14を吸引する際の開口11pnとなる。
【0125】
吸引部11Pは、上述した粒子供給工程において、図11Aに示されるように、基材シート14の一方の面(下面)の側から、搬送ベルト11cnの搬送面11mに設けられた複数の開口11pnを介して基材シート14を吸引する。基材シート14は、上述したように不織布等の非常に柔らかく変形しやすい材料で形成されているため、吸引部11Pが発生させる吸引力(図11Aの白抜き矢印を参照)により、開口11pnに対応する部分が引っ張られ、開口11pnの形状に対応するように凹部領域214が形成される。
【0126】
このとき、供給されたSAP粒子19S(図11Aでは不図示)も、吸引部11Pが発生させる吸引力によって基材シート14の凹部領域214に留まりやすくなる。これにより、上述した図6Aにおける説明と同様に、凹部領域214にSAP粒子19Sが多く配置され、高坪量領域211を形成することになる。一方、凹部領域214以外の領域(図11Aでは縦部材116に阻まれ凹部領域214とならない領域)では、SAP粒子19Sが配置されないか、SAP粒子19Sが配置されても凹部領域214よりも少なく配置される。これにより、低坪量領域212(低坪量積層領域212E又は非積層領域212N)を形成することになる。
【0127】
以上により、吸収体製造装置50の搬送部11xでは、支持部(搬送ベルト11cn)が複数の開口11pnを有しており、粒子供給工程において基材シート14の一方の面(下面)の側から、複数の開口11pnを介して基材シート14を吸引することにより、高坪量領域211と、各々の高坪量領域211の周囲に低坪量領域212が形成される吸収体を製造することができる。
【0128】
また、図11Bに示されるように、搬送ベルト11cnの開口11pnに内接する内接円ICの直径は、SAP粒子の平均粒径以上である。例えば、搬送ベルト11cnの開口11pnに内接する内接円ICの直径は、2mm以上4mm以下であることが好適である。これにより、複数の高坪量領域211の各々の平面視におけるサイズを小さくすることにより、多数の高坪量領域211及び低坪量領域212を基材シート14に配置することができる。本実施形態では、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好なSAPを有する吸収体を容易に製造することができる。
【0129】
なお、支持部(搬送ベルト11cn)において、開口11pnが設けられている領域における開口11pnの開口率は、40%以上60%以下であることが好適である。これにより、吸収体において高坪量領域211を適切に形成することができる。なお、以下の説明において、開口の開口率とは、単位面積あたりの開口の面積の割合をいう。
【0130】
図12は、吸引部11Pの吸引用開口suの別の例を表す平面模式図である。なお、図12でも、参考のために、基材シート14の交差方向の端部142と共に、基材シート14の外形線を破線で表している。また、平面視における粒子供給部19の位置を一点鎖線で表している。
【0131】
粒子供給工程において、吸引部11Pは、基材シート14の一方の面(下面)の側から、図12に示される吸引用開口su(後述する第1開口領域111及び第2開口領域112)と、上述した搬送ベルト11cnの開口11pnと、を介して基材シート14を吸引することにより、上述した図8に示されるチャネル領域215を有する吸収体20Bを形成することができる。以下、吸引部11Pの吸引用開口suの特徴について説明する。
【0132】
吸引部11Pの吸引用開口suは、第1開口領域111と、第2開口領域112とを有する。第2開口領域112は、図12に示されるように、第1開口領域111に対して基材シート14の搬送方向と交差する交差方向に隣接している。また、第2開口領域112は、交差方向において複数(ここでは、2つ)設けられている。但し、第2開口領域112は、1つだけ設けられていても良い。
【0133】
ここで、第1開口領域111の開口率は、搬送ベルト11cn(支持部)の開口11pnが設けられている領域における開口11pnの開口率以上である。例えば、上述した図11Bに示される搬送ベルト11cnでは、開口11pnは、縦部材116及び横部材117で画定されている。この場合、搬送ベルト11cnの開口11pnが設けられている領域全体でみると、開口11pnの開口率は、縦部材116及び横部材117の大きさ(幅)の分だけ低くなる。これに対し、第1開口領域111では、領域全体が開口(空間)となっている。但し、第1開口領域111では、不図示であるが、開口の縁において桟が設けられていてもよい。これにより、基材シート14の形状が崩れてしまう程の吸引力を抑制することができる。
【0134】
また、第2開口領域112の開口率は、第1開口領域111の開口率よりも低く、搬送ベルト11cn(支持部)の開口11pnが設けられている領域における開口11pnの開口率以下である。第2開口領域112の開口率は、具体的には、25%以上35%以下であることが好適である。但し、第2開口領域112の開口率は、第1開口領域111の開口率よりも低く、搬送ベルト11cn(支持部)の開口11pnが設けられている領域における開口11pnの開口率以下であれば、25%以上35%以下以外の範囲であってもよい。
【0135】
上述したように、粒子供給工程において、粒子供給部19が基材シート14の他方の面(上面)に向けてSAP粒子19Sを供給し、吸引部11Pは、基材シート14の一方の面(下面)の側から、第1開口領域111及び第2開口領域112と、搬送ベルト11cnの開口11pnと、を介して基材シート14を吸引する。ここで、上述したように、第2開口領域112の開口率は、第1開口領域111の開口率よりも低い。このため、平面視において、第2開口領域112を介して吸引される基材シート14の領域は、第1開口領域111を介して吸引される基材シート14の領域よりも、吸引力が低くなる。このとき、基材シート14に供給されたSAP粒子19S(図12では不図示)は、第2開口領域112を介して吸引される基材シート14の領域よりも、第1開口領域111を介して吸引される基材シート14の領域に留まりやすくなる。
【0136】
さらに、上述したように、第2開口領域112の開口率は、搬送ベルト11cnの開口11pnが設けられている領域における開口11pnの開口率以下である。このため、第2開口領域112を介して吸引される基材シート14の領域では、吸引力が第2開口領域112によって低減する。そうすると、第2開口領域112を介して吸引される基材シート14の領域では、基材シート14の開口11pnに対応する部分が引っ張られ凹部領域214が形成されるほどの吸引力が抑制される。したがって、第2開口領域112を介して吸引される基材シート14の領域では、高坪量領域211が形成されることが抑制され、SAPの坪量が高坪量領域211よりも低いチャネル領域215が形成されることになる。なお、上述したように、第2開口領域112は交差方向において2つ設けられているので、図8に示される吸収体20Bのように、2つの第2開口領域112の各々に対応する2条のチャネル領域215が形成される。
【0137】
一方、第1開口領域111の開口率は、搬送ベルト11cnの開口11pnが設けられている領域における開口11pnの開口率以上である。このため、第1開口領域111を介して吸引される基材シート14の領域では、吸引力が第1開口領域111によって低減せず、凹部領域214が形成され、吸引部11Pが発生させる吸引力によって基材シート14の凹部領域214に留まりやすくなる。つまり、第1開口領域111を介して吸引される領域では、高坪量領域211及び低坪量領域212が形成されることになる。
【0138】
また、吸引部11Pの吸引用開口suは、第3開口領域113と、非開口領域114とを有する。第3開口領域113は、図12に示されるように、第1開口領域111よりも搬送方向の下流側に位置し、且つ、交差方向において第1開口領域111と重複する部分を有する。また、非開口領域114は、第2開口領域112よりも搬送方向の下流側に位置し、且つ、交差方向において第2開口領域112と重複する部分を有する。第3開口領域113の開口率は、第1開口領域111の開口率よりも低い。但し、第3開口領域113は、第1開口領域111よりも搬送方向の上流側にさらに位置していてもよいし、非開口領域114は、第2開口領域112よりも搬送方向の上流側にさらに位置していてもよい。また。吸引部11Pの吸引用開口suは、第3開口領域113と、非開口領域114とを有さなくてもよい。
【0139】
粒子供給工程において、第1開口領域111の下流に位置する第3開口領域113では引き続き吸引力を発生させ、第2開口領域112の下流に位置する非開口領域114では、吸引力が抑制される。これにより、SAP粒子が供給される基材シート14の領域、すなわち第1開口領域111及び第2開口領域112を介して吸引される基材シート14の領域において跳ね返ったSAP粒子が、下流側においてチャネル領域215に配置されることを抑制することができる。
【0140】
さらに、吸引部11Pの吸引用開口suは、第4開口領域115を有する。第4開口領域115は、平面視において、第1開口領域111及び第3開口領域113よりも交差方向の外側であって、基材シート14の交差方向の端部に重複する位置に設けられている。搬送工程において、吸引部11Pは、基材シート14の一方の面(下面)の側から第4開口領域115を介して基材シート14の端部を吸引する。これにより、搬送中の基材シート14のめくれ上がりを抑制することができる。但し、吸引部11Pの吸引用開口suは、第4開口領域115を有さなくてもよい。
【0141】
図13は、吸収体製造装置50におけるSAP粒子の供給及び接着剤の吐出の態様を説明する図である。
【0142】
本実施形態の吸収体製造装置50では、粒子供給部19からSAP粒子が供給される工程(粒子供給工程)の直後に、接着剤吐出部15D(第1接着剤吐出部15x1)が、基材シート14に向けて、接着剤15Hを空気流と共に吐出する(下流側接着剤吐出工程)。接着剤15Hは、ここでは、ホットメルト接着剤であり、接着剤吐出部15Dが有する不図示の複数の吐出口(ノズル)から吐出される。そして、第1接着剤吐出部15x1が接着剤15Hの吐出を行った後、第1接着剤吐出部15x1よりも搬送方向の下流に設置されている第2接着剤吐出部15x2によって、さらに接着剤15Hが基材シート14に向けて空気流と共に吐出される。
【0143】
なお、接着剤15Hは空気流と共に吐出されるが、本実施形態において、この空気流の圧力は、第1接着剤吐出部15x1、第2接着剤吐出部15x2ともに同じである。しかしながら、これに限定されず、それぞれが異なる空気圧であってもよい。
【0144】
粒子供給部19から供給されたSAP粒子19Sは、搬送面11m上の基材シート14に当たって跳ね返り易く(図13参照)、本実施形態では、一度に供給されたSAP粒子19Sのうち、約6割程度が跳ね返ることを想定している。また、供給されたSAP粒子19Sは、意図しない方向に跳ね返り易く、それにより配置されるべきではない箇所にまで飛び散るおそれがある。
【0145】
この点につき、本実施形態の吸収体製造装置50では、図13に示すように、接着剤吐出部15Dから吐出された接着剤15Hによって、基材シート14から跳ね返ったSAP粒子19Sの少なくとも一部を基材シート14側に押し返すことができる。ここでの「押し返す」とは、搬送方向とは逆向き、且つ、重力方向(鉛直下向き)にSAP粒子19Sを動かすことを意味する。つまり、基材シート14から跳ね返ったSAP粒子19Sに、吐出された接着剤15Hが当たることで、該SAP粒子19Sを再び基材シート14側に落とすことができる。さらに、接着剤15Hと共に吐出された空気流によって、意図しない位置にSAP粒子19Sが配置されることを低減できる。そして、跳ね返ったSAP粒子19Sの周囲に接着剤15Hが絡むことによって、SAP粒子19Sの基材シート14への固定をより確実に行うことができる。
【0146】
また、本実施形態では、第1接着剤吐出部15x1から吐出される接着剤15Hだけでなく、第1接着剤吐出部15x1よりも搬送方向の下流に設けられた第2接着剤吐出部15x2からも接着剤15Hが吐出される。これにより、第1接着剤吐出部15x1から吐出された接着剤15Hだけでは押し返しきれなかったSAP粒子19Sの跳ね返りを、第2接着剤吐出部15x2から吐出される接着剤15Hによって基材シート14側に押し返すことで、跳ね返り量をより低減させることができる。そうすることで、SAP粒子19Sの基材シート14への固定を更に確実に行う事ができる。
【0147】
なお、本実施形態の吸収体製造装置50は、2つの接着剤吐出部15D(第1接着剤吐出部15x1、第2接着剤吐出部15x2)を有しているが、これに限定されるものではない。例えば、供給されるSAP粒子19Sの量が少ない場合は、第1接着剤吐出部15x1だけでもよい。また、第1接着剤吐出部15x1及び第2接着剤吐出部15x2は、跳ね返ったSAP粒子19Sを押し返すことができるが、第1接着剤吐出部15x1は、SAP粒子19Sを基材シート14に固定させることを重視し、第2接着剤吐出部15x2は、資材(基材シート14等)の接着強度の向上や強度の調整を行うことを主な目的として設計を行うことが可能である。
【0148】
また、本実施形態では、第1接着剤吐出部15x1と、第2接着剤吐出部15x2とを分離させて、各接着剤吐出部15Dの自由度を高めているが、第1接着剤吐出部15x1と第2接着剤吐出部15x2とは、一体型の接着剤吐出部であってもよい。第1接着剤吐出部15x1と第2接着剤吐出部15x2とが一体型として設置された場合、別々の装置を設置するよりもコストを削減することができ、また、装置の維持管理もし易くなる。
【0149】
上述したように、粒子供給部19からSAP粒子19Sが供給されるときにSAP粒子19Sが跳ね返り易いことから、本実施形態では、図13に示すように、搬送ベルト11cnの搬送面11mは、搬送方向の下流側が下がるように水平面Hrに対して傾斜している。そうすることにより、基材シート14から跳ね返ったSAP粒子19Sが重力によって下流側に行き易くなり、意図しない位置へのSAP粒子19Sの配置を低減することができる。
【0150】
そして、図13に示す搬送面11mが水平面Hrにして傾斜している角度をθ0としたとき、本実施形態における傾斜角度θ0は、約30度である。これは、SAP粒子の安息角(粒子を積み上げたときに崩れることなく安定を保つ斜面の最大角度)が32度から38度であることから、この角度付近で傾斜角度を設定している。傾斜角度θ0を約30度に設定することで、粒子供給部19から吐出されたSAP粒子19Sが、基材シート14上に乗った後に転がって行くことを防ぎつつ、かつ、水平面と平行の搬送面に吐出する場合と比較して、跳ね返りにくくさせることができる。搬送ベルト11cnの搬送面11mを下流側が下がるように傾斜させた場合の傾斜角度θ0は、約75度まで設定が可能である。
【0151】
なお、上述したように、搬送面11mは、搬送方向の下流側が下がるように水平面Hrに対して傾斜していることが好適であるが、これに限定されるものではない。例えば、搬送面11mは、水平であってもよく、また、搬送方向の上流側が下がるように水平面Hrに対して傾斜していてもよい。搬送方向の上流側が下がるように(つまり、下流側が上がるように)傾斜していてもよい。本実施形態の吸収体製造装置50では、搬送ベルト11cnがサクションベルトコンベアであるので、吸引部11Pが基材シート14を吸引する吸引力を強めれば、SAP粒子19Sの跳ね返りを同様に抑制することが可能である。搬送方向の上流側が下がるように水平面Hrに対して傾斜させる場合の傾斜角度θ0は、約45度位まで可能であるが、約30度位までが好適である。
【0152】
図14は、第1変形例の吸収体製造装置50Aにおける吸引用開口11suを説明する図である。なお、図14では、参考のために、基材シート14の外形線を破線で表している。
【0153】
第1変形例の吸収体製造装置50Aでは、上述した吸収体製造装置50と同様に、搬送ベルト11cn(支持部)からみて基材シート14が位置する側とは反対側に吸引部11Pが設けられている。但し、吸収体製造装置50Aでは、吸収体製造装置50と異なり、吸引用開口11suは、吸引部11Pではなく、他の搬送ベルト11cn1に設けられている。図14に示されるように、吸引用開口11suは、他の搬送ベルト11cn1の周回に沿って複数設けられ、他の搬送ベルト11cn1の移動と共に吸引用開口11suの位置も移動する。
【0154】
吸収体製造装置50Aでは、他の搬送ベルト11cn1は、搬送ベルト11cnと吸引部11Pとの間に位置すると共に、搬送ベルト11cnの搬送方向と同じ方向に移動している。これにより、搬送ベルト11cnが吸引用開口11suの縁に擦れることによる搬送ベルト11cnの摩耗を抑制し、搬送ベルト11cnを長寿命化することができる。また、吸収体製造装置50Aでは、他の搬送ベルト11cn1に吸引用開口11suが設けられているので、吸引用開口11suに接着剤が付着した際、他の搬送ベルト11cn1だけ交換することができる。したがって、吸引用開口11suが吸引部11Pの上面に設けられている場合と比べて、吸引用開口11suに接着剤が付着した際の交換作業を容易に行うことができる。
【0155】
吸収体製造装置50Aでは、他の搬送ベルト11cn1と搬送ベルト11cnとが同じ速度で動くが、他の搬送ベルト11cn1の周回長さと搬送ベルト11cnの周回長さが異なる。このため、搬送ベルト11cnが吸引用開口11suの縁に擦れる場所も周回毎に変化する。この点からも、搬送ベルト11cnを長寿命化することができる。また、搬送ベルト11cnに接着剤が当たる位置を周回毎にずらすことができ、搬送ベルト11cnの開口11pnにおける接着剤のつまりを低減することができる。但し、搬送ベルト11cnの周回長さが複数の吸引用開口suのピッチPHの整数倍である場合、搬送ベルト11cnに接着剤が当たる位置が、複数の吸引用開口suのいずれかの位置になってしまいずれることがないため、搬送ベルト11cnの周回長さが複数の吸引用開口suのピッチPHの整数倍以外であることが必要である。
【0156】
<<吸収体製造装置60の構成>>
次に、図15及び図16に基づいて、上述した吸収体製造装置50とは別の実施形態に係る吸収体製造装置60について説明する。
【0157】
図15は、吸収体製造装置60の概要を表す模式図である。図16は、搬送部11yのプレート部11ptを説明する図である。
【0158】
吸収体製造装置60の基本的な構成は、上述した吸収体製造装置50と同じであり、吸収体製造装置60では、基材シート14を搬送方向へ搬送する搬送部11yが、搬送ベルト11cnの代わりに回転体11tnを有する点で異なる。尚、以下の吸収体製造装置60の説明において、吸収体製造装置50と同様の構成については同じ符号を付し、吸収体製造装置50と共通する部分の説明は省略する。
【0159】
図15及び図16に示すように、吸収体製造装置60では、搬送方向に回転する回転体11tnの外周面11nにプレート部11ptが設けられている。回転体11tnは、当該プレート部11ptの外周側の面を基材シート14の搬送面とする。言い換えると、回転体11tnのプレート部11ptは、基材シート14の回転体11tnの中心側の面(以下、「一方の面」と称することがある)を支持しつつ、基材シート14を搬送する。したがって、回転体11tnのプレート部11ptを支持部と呼ぶことがある。
【0160】
また、図15及び図16に示される吸収体製造装置60では、搬送部11yは、回転体11tnのプレート部11ptの搬送面に設けられた複数の開口11pnを介して吸引部11Pによって基材シート14を吸引しつつ搬送するサクションドラムである。
【0161】
本実施形態では、上述した各構成を有する吸収体製造装置60によって高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する。高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法としては、まず、基材シート14の一方の面(回転体11tnの中心側の面)を支持部(回転体11tnのプレート部11pt)によって支持しつつ、基材シート14を搬送する搬送工程と、基材シート14の他方の面(回転体11tnの中心側とは反対側の面)に向けてSAP粒子19Sを供給する粒子供給工程と、を少なくとも有する。これにより、基材シート14に積層された高吸収性ポリマーを有する吸収体を製造することができる。
【0162】
プレート部11ptは、例えばパンチングメタルプレートであり、図16に示されるように、プレート部11ptの搬送面には、複数の開口11pnが設けられている。吸引部11Pは、上述した粒子供給工程において、プレート部11ptの搬送面に設けられた複数の開口11pnを介して基材シート14を吸引する。
【0163】
以上により、吸収体製造装置60の搬送部11yでは、支持部(回転体11tnのプレート部11pt)が複数の開口11pnを有しており、粒子供給工程において基材シート14の一方の面(回転体11tnの中心側の面)の側から、複数の開口11pnを介して基材シート14を吸引することにより、高坪量領域211と、各々の高坪量領域211の周囲に低坪量領域212が形成される吸収体を製造することができる。また、不図示であるが、プレート部11ptの開口11pnに内接する内接円の直径は、SAP粒子の平均粒径以上である。これにより、上述したように基材シート14の凹部領域214にSAP粒子を配置することができる。本実施形態では、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好なSAPを有する吸収体を容易に製造することができる。
【0164】
図17は、プレート部11ptの別の例を示す平面模式図である。
【0165】
図17に示されるプレート部11ptも、複数の開口が設けられたパンチングメタルプレートである。当該プレート部11ptは、第1開口領域111と、第2開口領域112とを有する。第2開口領域112は、図17に示されるように、第1開口領域111に対して基材シート14の搬送方向と交差する交差方向に隣接している。また、第2開口領域112は、交差方向において複数(ここでは、2つ)設けられている。但し、第2開口領域112は、1つだけ設けられていても良い。
【0166】
図17に示されるプレート部11ptでは、第2開口領域112の開口の開口率は、第1開口領域111の開口の開口率よりも低い。したがって、第2開口領域112を介して吸引される領域では、高坪量領域211が形成されることが抑制され、SAPの坪量が高坪量領域211よりも低いチャネル領域215が形成されることになる。また、第1開口領域111を介して吸引される領域では、高坪量領域211及び低坪量領域212が形成されることになる。
【0167】
粒子供給工程において、吸引部11Pは、基材シート14の一方の面(回転体11tnの中心側の面)の側から、図17に示される開口(第1開口領域111及び第2開口領域112)を介して基材シート14を吸引することにより、上述した図8に示されるチャネル領域215を有する吸収体20Bを形成することができる。
【0168】
図18は、吸収体製造装置60におけるSAP粒子の供給及び接着剤の吐出の態様を説明する図である。
【0169】
本実施形態の吸収体製造装置60においても、粒子供給部19からSAP粒子が供給される工程(粒子供給工程)の直後に、第1接着剤吐出部15x1(接着剤吐出部15D)が接着剤15Hを空気流と共に吐出し、さらに下流で、第2接着剤吐出部15x2(接着剤吐出部15D)が接着剤15Hを基材シート14に向けて空気流と共に吐出する(接着剤吐出工程)。
【0170】
図18に示されるように、本実施形態の吸収体製造装置60においても、接着剤15Hは、各接着剤吐出部15D(第1接着剤吐出部15x1及び第2接着剤吐出部15x2)の吐出口から所定の吐出方向に吐出されている。具体的には、第1接着剤吐出部15x1では、接着剤15Hが第1接着剤吐出部15x1の吐出口から所定の吐出方向に吐出され、当該吐出方向を延長させた仮想線と、当該仮想線と回転体11tnの外周面11nとの交点における回転体11tnの接線とがなす角度θ1が90度よりも大きくなるように、吐出方向の上流側が搬送方向の下流側に傾いている。供給されたSAP粒子19Sは、搬送方向の下流に向かって一部が跳ね返るため、外周面11nに対して接着剤15Hを垂直に吐出するよりも、下流側からSAP粒子19Sを覆うように吐出することで、下流側に跳ね返ったSAP粒子19Sをより押し返し易くなる。
【0171】
本実施形態の吸収体製造装置60においても、第1接着剤吐出部15x1よりも搬送方向の下流に第2接着剤吐出部15x2が設けられており、第1接着剤吐出部15x1と同様に、第2接着剤吐出部15x2は、吐出口から接着剤15Hを所定の吐出方向に吐出する。そして、当該吐出方向は、第2接着剤吐出部15x2の吐出方向を延長させた仮想線と、当該仮想線と回転体11tnの外周面11nとの交点における回転体11tnの接線とがなす角度θ2が90度よりも大きくなるように、第2接着剤吐出部15x2の吐出方向15d2の上流側が搬送方向の下流側に傾いている。吸収体製造装置60において、第1接着剤吐出部15x1だけでなく第2接着剤吐出部15x2からもそのような角度で接着剤15Hが吐出されることで、第1接着剤吐出部15x1から吐出された接着剤15Hだけでは押し返しきれなかったSAP粒子19Sの跳ね返りをさらに捕捉しやすくなる。
【0172】
なお、第1接着剤吐出部15x1を延長させた仮想線と、当該仮想線と回転体11tnの外周面11nとの交点における回転体11tnの接線とがなす角度θ1よりも、第2接着剤吐出部15x2を延長させた仮想線と、当該仮想線と回転体11tnの外周面11nとの交点における回転体11tnの接線とがなす角度θ2の方が大きいことが好ましい(θ1<θ2)。供給されたSAP粒子19Sは、搬送方向の下流に向かって跳ね返りやすいため、第1接着剤吐出部15x1よりも下流に配置された第2接着剤吐出部15x2がより傾斜した角度で接着剤15Hを吐出することで、下流側に落ちてきたSAP粒子19Sをより捕捉しやすくなる。
【0173】
図19は、第2変形例の吸収体製造装置60Aの斜視図である。
【0174】
第2変形例の吸収体製造装置60Aでは、プレート部11ptは、基板118と、メッシュプレート119とで構成されている。図19に示されるように、基板118に吸引用開口11suが設けられている。また、メッシュプレート119の搬送面には、基材シート14を吸引する際の開口11pnが設けられている。吸収体製造装置60Aでは、開口11pnにおける接着剤のつまりが発生した際であっても、交換が容易なメッシュプレート119を交換するだけでよいので、交換のコストを低減することができる。
【0175】
図20は、プレート部11ptの基板118の別の例を示す平面模式図である。
【0176】
図20に示される基板118の基本的な構成は、上述した図17に示されるプレート部11ptと同じであり、第1開口領域111と、第2開口領域112とを有する。第2開口領域112は、図20に示されるように、第1開口領域111に対して基材シート14の搬送方向と交差する交差方向に隣接している。また、第2開口領域112は、交差方向において複数(ここでは、2つ)設けられている。但し、第2開口領域112は、1つだけ設けられていても良い。
【0177】
図20に示されるプレート部11ptでは、第2開口領域112の開口の開口率は、第1開口領域111の開口の開口率よりも低い。したがって、第2開口領域112を介して吸引される領域では、高坪量領域211が形成されることが抑制され、SAPの坪量が高坪量領域211よりも低いチャネル領域215が形成されることになる。また、第1開口領域111を介して吸引される領域では、高坪量領域211及び低坪量領域212が形成されることになる。
【0178】
粒子供給工程において、吸引部11Pは、基材シート14の一方の面(回転体11tnの中心側の面)の側から、図20に示される開口(第1開口領域111及び第2開口領域112)を介して基材シート14を吸引することにより、上述した図8に示されるチャネル領域215を有する吸収体20Bを形成することができる。
【0179】
図21は、第3変形例の吸収体製造装置60Bの斜視図である。
【0180】
第3変形例の吸収体製造装置60Bは、外周面に吸引用開口11suが設けられた回転体に、複数の開口11pnを有する搬送ベルト11cnが巻き付けられた構成である。吸収体製造装置60Bによる高吸収性ポリマーを含む吸収体を製造する方法としては、まず、基材シート14の一方の面(回転体11tnの中心側の面)を支持部(搬送ベルト11cn)によって支持しつつ、基材シート14を搬送する搬送工程と、基材シート14の他方の面(回転体11tnの中心側とは反対側の面)に向けてSAP粒子19Sを供給する粒子供給工程と、を少なくとも有する。これにより、基材シート14に積層された高吸収性ポリマーを有する吸収体を製造することができる。
【0181】
搬送ベルト11cnは、例えばメッシュベルトであり、図21に示されるように、搬送ベルト11cnの搬送面11mには、複数の開口11pnが設けられている。吸引部11Pは、上述した粒子供給工程において、搬送ベルト11cnの搬送面11mに設けられた複数の開口11pnを介して基材シート14を吸引する。
【0182】
以上により、吸収体製造装置60Bの搬送部11yでは、支持部(搬送ベルト11cn)が複数の開口11pnを有しており、粒子供給工程において基材シート14の一方の面(回転体11tnの中心側の面)の側から、複数の開口11pnを介して基材シート14を吸引することにより、高坪量領域211と、各々の高坪量領域211の周囲に低坪量領域212が形成される吸収体を製造することができる。また、不図示であるが、搬送ベルト11cnの開口11pnに内接する内接円の直径は、SAP粒子の平均粒径以上である。これにより、上述したように基材シート14の凹部領域214にSAP粒子を配置することができる。本実施形態では、薄さを保ちつつ、着用時のフィット性が良好なSAPを有する吸収体を容易に製造することができる。
【0183】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0184】
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)、
2 サイド接合部、10 吸収性本体、
11x,11y 搬送部、11cn,11cn1 搬送ベルト、
11em 接合部形成部、11m 搬送面、11n 外周面、
11P 吸引部、11pn 開口、11pt プレート部、
11rn 搬送ローラー、11su 吸引用開口、
11tn 回転体、12 トップシート、
13a バックシート(液不透過性シート)、
13b バックシート(外装シート)、
14 基材シート、14S 別のシート、15 防漏壁部、
15D 接着剤吐出部、15H 接着剤、
15x1 第1接着剤吐出部、15x2 第2接着剤吐出部、
16 防漏壁弾性部材、17 脚回り弾性部材、
18 上流側接着剤塗布部、19 粒子供給部、
19S 高吸収性ポリマー(SAP)粒子、
20,20A,20B 吸収体、21 肌側層(吸収性コア)、
22 中間層(吸収性コア)、23 非肌側層(吸収性コア)、
24,25 コアラップシート、26 シート、
27 SAP層、28 接合領域、29 非接合領域、
30 前側胴回り部、31 肌側シート、32 非肌側シート、
33 胴回り弾性部材、34 カバーシート、40 後側胴回り部、
40E 部位、41 肌側シート、42 非肌側シート、
43 胴回り弾性部材、44 カバーシート、
50,50A,60,60A 吸収体製造装置、
111 第1開口領域、112 第2開口領域、
113 第3開口領域、114 非開口領域、
115 第4開口領域、116 縦部材、117 横部材、
118 基板、119 メッシュプレート、142 端部、
211 高坪量領域、212 低坪量領域、
212E 低坪量積層領域、212N 非積層領域
213 圧搾部、214,214F,214B 凹部領域、
215 チャネル領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図21