(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025111580
(43)【公開日】2025-07-30
(54)【発明の名称】独立して調節可能な台座を用いるマルチステーション半導体処理
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20250723BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20250723BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20250723BHJP
C23C 16/54 20060101ALI20250723BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20250723BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20250723BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
H01L21/02 Z
C23C16/54
C23C16/50
H01L21/316 X
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025069205
(22)【出願日】2025-04-21
(62)【分割の表示】P 2021554600の分割
【原出願日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】62/817,332
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パスクァーレ・フランク・ローレン
(72)【発明者】
【氏名】ペトラグリア・ジェニファー・リー
(72)【発明者】
【氏名】バスカー・ディニッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラボア・エイドリアン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させるための方法および装置を提供する。
【解決手段】方法は、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させるステップと、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるステップと、を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法であって、
前記第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、
前記第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、
堆積処理の第1の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第1の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のステーションの第2のシャワーヘッドから前記第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第2の層を堆積させる
ステップと
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記堆積処理の第2の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから前記第1の距離と異なる第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第2の距離と異なる第4の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させる
ステップをさらに備える方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記第1の距離と前記第3の距離の差は、前記第2の距離と前記第4の距離の差と実質的同じである方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記堆積処理の第2の層のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させる
ステップをさらに備える方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の部分は、Nの堆積サイクルを含み、
前記Nの堆積サイクルの各々は、
同時に、前記第1の台座が前記第1の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで前記第1のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の前記第1の層を堆積させ、前記第2の台座が前記第2の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで前記第2のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の前記第2の層を堆積させるステップと、
前記第1のプラズマおよび前記第2のプラズマを点火し、消滅させるステップと
を含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記第1の部分の後の、Xの堆積サイクルを含む前記堆積処理の第2の部分のために、前記Xの堆積サイクルの各々で、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させるステップであって、前記Xの堆積サイクルの各々は、前記第3のプラズマおよび前記第4のプラズマを点火させ、消滅させるステップを含む
ステップをさらに備える方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
前記第1の部分の前の、Yの堆積サイクルを含む前記堆積処理の第2の部分のために、前記Yの堆積サイクルの各々で、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させるステップであって、前記Yの堆積サイクルの各々は、前記第3のプラズマおよび前記第4のプラズマを点火し、消滅させるステップを含む
ステップをさらに備える方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、
前記第1の距離と第3の距離の間で前記第1の台座を調節するステップと、
前記第2の距離と第4の距離の間で前記第2の台座を調節するステップと、
Zの堆積サイクルを含む前記堆積処理の第2の部分のために、前記Zの堆積サイクルの各々で、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させるステップであって、前記Zの堆積サイクルの各々は、前記第3のプラズマおよび前記第4のプラズマを点火し、消滅させるステップを含む
ステップをさらに備える方法。
【請求項9】
請求項5に記載の方法であって、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションでの各前記Nの堆積サイクルは、
(i)膜前駆物質を、前記前駆物質が前記基板上で吸着制限層を形成するように、そのステーションで前記基板の上に吸着させるステップと、
(ii)吸着された前記前駆物質を取り囲む体積から少なくとも一部の吸着されなかった前記膜前駆物質を除去するステップと、
(iii)前記(ii)での前記吸着されなかった前駆物質を除去した後、そのステーションでプラズマを発生させることにより前記吸着された膜前駆物質を反応させて、そのステーションで前記基板上に前記材料の層を形成するステップと、
(iv)前記吸着された前駆物質を反応させた後に存在する場合に、脱着した前記膜前駆物質および/または反応副産物を、膜層を取り囲む前記体積から除去するステップと
を備える方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記第1の距離から第3の距離に前記第1の台座を調節するステップと、
前記第2の距離から第4の距離に前記第2の台座を調節するステップと
をさらに備え、
各前記サイクルの前記(iii)のために、前記第1の台座は前記第1の距離にあり、前記第2の台座は前記第2の距離にあり、
各前記サイクルの前記(i)、前記(ii)、または前記(iv)のうち1つまたは複数のために、前記第1の台座は前記第3の距離にあり、前記第2の台座は前記第4の距離にある方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記マルチステーション堆積装置の中の第3のステーションの第3の台座の上に第3の基板を提供するステップをさらに備え、
前記堆積処理の前記第1の部分は、同時に、前記第3の台座が前記第3のステーションの第3のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第3のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第3の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させるステップをさら備え、
前記第3の距離は、前記第1の距離および前記第2の距離と異なる方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記堆積処理の第2の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第5のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第5の層を堆積させ、
前記第4のプラズマおよび前記第5のプラズマを同時に発生させている間に、かつ前記第3の台座が前記第3のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に、前記第3のステーションで第6のプラズマを発生させ、それにより前記第3の基板の上に前記材料の第6の層を堆積させる
ステップ
をさらに備える方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のプラズマは、第1の値のプラズマ特性を有し、
前記第2のプラズマは、前記第1の値と異なる第2の値の前記プラズマ特性を有する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記プラズマ特性はプラズマ電力を備える方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層は、第1の値の性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、前記第1の値と実質的に同じ第2の値の前記性質を有する方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層は、第1の値の性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、前記第1の値と異なる第2の値の前記性質を有する方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記性質は、ウェットエッチング速度、ドライエッチング速度、組成、厚さ、密度、架橋の量、化学的性質、反応完了、応力、屈折率、誘電率、硬度、エッチング選択性、安定性、および密封性からなるグループから選択される方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層は、第1の値の性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、前記第1の値の前記性質を有する方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の基板および前記第2の基板を提供する前に、前記第1の台座の上に第3の基板を提供するステップと、
前記第1の基板および前記第2の基板を提供する前に、前記第2の台座の上に第4の基板を提供するステップと、
第2の堆積処理のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第3の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第1の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第4の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させるステップであって、前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層の性質と前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層の前記性質の間の第1の非均一性は、前記第3の基板上の前記材料の前記第3の層の前記性質と前記第4の基板上の前記材料の前記第4の層の前記性質の間の第2の非均一性よりも小さい
ステップと
をさらに備える方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の台座は、前記堆積処理の前記第1の部分の間、前記第1の基板にチャッキング力を加え、
前記第2の台座は、前記堆積処理の前記第1の部分の間、前記第2の基板にチャッキング力を加える方法。
【請求項21】
第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法であって、
前記第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、
前記第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、
堆積処理の第1の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第1の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のステーションの第2のシャワーヘッドから前記第1の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第2の層を堆積させるステップと、
前記第1の部分の後、前記第1の台座を第2の距離に、かつ前記第2の台座を前記第2の距離に調節するステップと、
前記堆積処理の第2の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第2の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させる
ステップと
を備える方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層は、第1の値の性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、第2の値の前記性質を有し、
前記第1の基板上の前記材料の前記第3の層は、前記第1の値と異なる第3の値の前記性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、前記第2の値と異なる第4の値の前記性質を有する方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、前記第1の距離は、前記第2の距離よりも長い方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
PCT願書様式は、本出願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されるPCT願書様式で識別されるように、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照により全体が事実上本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
半導体処理動作中、基板は典型的には、処理チャンバ内部にある台座上で支持され、プラズマは、基板の上に材料の1つまたは複数の層を堆積させるために使用されてよい。商業規模の製造では各基板またはウエハは、製造されている特定の半導体素子の複製を多く包含し、必要とされる量の素子を達成するために多くの基板が必要とされる。半導体処理動作の商業的実行可能性は、大部分はウエハ内部の均一性、およびウエハ間の処理条件再現性に依存する。したがって、処理される所与のウエハおよび各ウエハの各部分を同じ処理条件に曝露することを確実にするための努力がなされる。処理条件および半導体処理ツールの変動は、堆積条件の変動の原因になる可能性があり、その結果、全体の処理および製造で、許容できない変動をもたらす。処理変動を最小にするための技法および装置が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示のシステム、方法、および機器は、それぞれいくつかの新規的な様態を有し、それらの様態のどの1つも単独で、本明細書で開示する望ましい属性の原因になることはない。これらの様態の中に含まれるのは、少なくとも以下の実装形態であるが、別の実装形態は、詳細な記述で示されることがある、または本明細書で提供する議論から明らかになることがある。
【0004】
いくつかの実施形態では、第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法を提供してよい。方法は、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるステップとを含んでよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、方法は、同時に、堆積処理の第2の部分のために、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離と異なる第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップをさらに含んでよい。
【0006】
いくつかのそのような実施形態では、第1の距離と第3の距離の差は、第2の距離と第4の距離の差と実質的に同じであってよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、方法は、同時に、堆積処理の第2の層のために、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップをさらに含んでよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の部分はNの堆積サイクルを含み、Nの堆積サイクルの各々は同時に、第1の台座が第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるステップと、第1のプラズマおよび第2のプラズマを点火し、消滅させるステップとを含む。
【0009】
いくつかのそのような実施形態では、方法は、第1の部分の後の、Xの堆積サイクルを含む堆積処理の第2の部分のために、同時にXの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップをさらに含んでよく、そこでは、Xの堆積サイクルの各々は、第3のプラズマおよび第4のプラズマを点火し、消滅させるステップを含む。
【0010】
いくつかのそのような実施形態では、方法は、第1の部分の前の、Yの堆積サイクルを含む堆積処理の第2の部分のために、同時にYの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップをさらに含んでよく、そこでは、Yの堆積サイクルの各々は、第3のプラズマおよび第4のプラズマを点火し、消滅させるステップを含む。
【0011】
いくつかのそのような実施形態では、方法は、第1の距離と第3の距離の間で第1の台座を調節するステップと、第2の距離と第4の距離の間で第2の台座を調節するステップと、Zの堆積サイクルを含む堆積処理の第2の部分のために、同時にZの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップとをさらに含んでよく、そこでは、Zの堆積サイクルの各々は、第3のプラズマおよび第4のプラズマを点火し、消滅させるステップを含む。
【0012】
いくつかのそのような実施形態では、第1のステーションおよび第2のステーションでの各Nの堆積サイクルは、(i)前駆物質が吸着制限層を基板上に形成するように、そのステーションで基板の上に膜前駆物質を吸着するステップと、(ii)吸着された前駆物質を取り囲む体積から少なくとも一部の吸着されなかった膜前駆物質を除去するステップと、(iii)吸着されなかった前駆物質を(ii)で除去した後、そのステーションでプラズマを発生させて、そのステーションで基板上に材料の層を形成することにより、吸着された膜前駆物質を反応させるステップと、(iv)吸着された前駆物質を反応させた後に存在する場合に、脱着した膜前駆物質および/または反応副産物を、膜層を取り囲む体積から除去するステップとを含んでよい。
【0013】
いくつかの他のそのような実施形態では、方法は、第1の台座を第1の距離から第3の距離に調節するステップと、第2の台座を第2の距離から第4の距離に調節するステップとをさらに含んでよく、そこでは、各サイクルの(iii)の間、第1の台座は第1の距離にあってよく、第2の台座は第2の距離にあり、各サイクルの(i),(ii)、または(iv)のうち1つまたは複数の間、第1の台座は第3の距離にあってよく、第2の台座は第4の距離にある。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、マルチステーション堆積装置の中の第3のステーションの第3の台座の上に第3の基板を提供するステップをさらに含んでよい。堆積処理のこの部分は、第3の台座が第3のステーションの第3のシャワーヘッドから第1の距離および第2の距離と異なってよい第3の距離だけ分離されている間に第3のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第3の基板の上に材料の第3の層を同時に堆積させるステップをさらに含んでよい。
【0015】
いくつかのそのような実施形態では、方法は、堆積処理の第2の部分のために、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第4の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第5のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第5の層を堆積させ、第4のプラズマおよび第5のプラズマを同時に発生させている間に、かつ第3の台座が第3のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第3のステーションで第6のプラズマを発生させ、それにより第3の基板の上に材料の第6の層を堆積させるステップをさらに含んでよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のプラズマは、第1の値のプラズマ特性を有してよく、第2のプラズマは、第1の値と異なる第2の値のプラズマ特性を有してよい。
【0017】
いくつかのそのような実施形態では、プラズマ特性はプラズマ電力を含んでよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の基板上の材料の第1の層は、第1の値の性質を有してよく、第2の基板上の材料の第2の層は、第1の値と実質的に同じ第2の値の性質を有してよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の基板上の材料の第1の層は、第1の値の性質を有してよく、第2の基板上の材料の第2の層は、第1の値と異なる第2の値の性質を有してよい。
【0020】
いつかのそのような実施形態では、性質は、ウェットエッチング速度、ドライエッチング速度、組成、厚さ、密度、架橋の量、化学的性質、反応完了、応力、屈折率、誘電率、硬度、エッチング選択性、安定性、および密封性であってよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の基板上の材料の第1の層は、第1の値の性質を有してよく、第2の基板上の材料の第2の層は、第1の値の性質を有してよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の基板および第2の基板を提供する前に第1の台座の上に第3の基板を提供するステップと、第1の基板および第2の基板を提供する前に第2の台座の上に第4の基板を提供するステップと、第2の堆積処理のために、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第3の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第4の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップとをさらに含んでよく、そこでは、第1の基板上の材料の第1の層の性質と第2の基板上の材料の第2の層の性質の間の第1の非均一性は、第3の基板上の材料の第3の層の性質と第4の基板上の材料の第4の層の性質の間の第2の非均一性よりも小さい。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の台座は、堆積処理の第1の部分の間に第1の基板にチャッキング力を加えてよく、第2の台座は、堆積処理の第1の部分の間に第2の基板にチャッキング力を加えてよい。
【0024】
いくつかの実施形態で、第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法を提供してよい。方法は、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるステップとを含んでよい。方法は、第1の部分の後に、第1の台座を第2の距離に、かつ第2の台座を第2の距離の調節するステップと、堆積処理の第2の部分のために、同時に、第1の台座が第2の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップとをさらに含んでよい。
【0025】
いくつかのそのような実施形態では、第1の基板上の材料の第1の層は、第1の値の性質を有してよく、第2の基板上の材料の第2の層は、第2の値の性質を有してよく、第1の基板上の材料の第3の層は、第1の値と異なる第3の値の性質を有してよく、第2の基板上の材料の第2の層は、第2の値と異なる第4の値の性質を有してよい。
【0026】
いくつかのそのような実施形態では、第1の距離は第2の距離よりも長くてよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、マルチステーション堆積装置を提供してよい。装置は、処理チャンバと、第1のシャワーヘッド、および第1のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第1の台座を含む、処理チャンバ内の第1の処理ステーションと、第2のシャワーヘッド、および第2のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第2の台座を含む、処理チャンバ内の第2の処理ステーションと、マルチステーション堆積装置を制御して、第1のステーションおよび第2のステーションで基板の上に材料を堆積させるためのコントローラとを含んでよく、コントローラは、第1の台座に第1の基板を提供し、第2の台座に第2の基板を提供し、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なってよい第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるための制御論理を備える。
【0028】
いくつかのそのような実施形態では、コントローラは、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるための制御論理をさらに含んでよい。
【0029】
いくつかのそのような実施形態では、第3の距離は第4の距離と異なってよい。
【0030】
いくつかのそのような実施形態では、第3の距離は第4の距離と同じであってよい。
【0031】
いくつかの別のそのような実施形態では、コントローラは、第1のステーションで第1のプラズマを、かつ第2のステーションで第2のプラズマを同時に発生させる前、第3のステーションで第3のプラズマを、かつ第4のステーションで第4のプラズマを同時に発生させるための制御論理をさらに含んでよい。
【0032】
いくつかの別のそのような実施形態では、コントローラは、第1のステーションで第1のプラズマを、かつ第2のステーションで第2のプラズマを同時に発生させた後、第3のステーションで第3のプラズマを、かつ第4のステーションで第4のプラズマを同時に発生させるための制御論理をさらに含んでよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1の台座は、第1の基板にチャッキング力を加えるように構成されてよく、第2の台座は、第2の基板にチャッキング力を加えるように構成されてよく、コントローラは、堆積処理の第1の部分の間に、第1の台座が第1の基板にチャッキング力を加えるようにし、かつ第2の台座が第2の基板にチャッキング力を加えるようにするための制御論理をさらに含んでよい。
【0034】
いくつかのそのような実施形態では、第1のチャッキング力および第2のチャッキング力は静電力であってよい。
【0035】
いくつかのそのような実施形態では、第1のチャッキング力および第2のチャッキングは真空により加えられてよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、マルチステーション堆積装置を提供してよい。装置は、処理チャンバと、第1のシャワーヘッド、および第1のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第1の台座を含む、処理チャンバ内の第1の処理ステーションと、第2のシャワーヘッド、および第2のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第2の台座を含む、処理チャンバ内の第2の処理ステーションと、マルチステーション装置を制御して、第1のステーションおよび第2のステーションで基板の上に材料を堆積させるためのコントローラとを含んでよく、コントローラは、第1の台座に第1の基板を提供し、第2の台座に第2の基板を提供し、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるための制御論理を備える。方法は、第1のプラズマおよび第2のプラズマを同時に発生させた後、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第1の台座を動かすステップと、第1のプラズマおよび第2のプラズマを同時に発生させた後、第2の台座が第1のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第2の台座を動かすステップと、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップとをさらに含んでよい。
【0037】
いくつかのそのような実施形態では、第1の距離は第2の距離よりも長くてよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、マルチステーション堆積装置を提供してよい。装置は、処理チャンバと、第1のシャワーヘッド、および第1のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第1の台座を含む、処理チャンバ内の第1の処理ステーションと、第2のシャワーヘッド、および第2のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第2の台座を含む、処理チャンバ内の第2の処理ステーションとを含んでよい。第1の台座は、第1の距離だけ第1のシャワーヘッドから分離されてよく、第2の台座は、第1の距離と異なる第2の距離だけ第2のシャワーヘッドから分離されてよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、装置は、第3のシャワーヘッド、および第3のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第3の台座を含む、処理チャンバ内の第3の処理ステーションをさらに含んでよく、この場合、第3の台座は、第1の距離と同じ第3の距離だけ第3のシャワーヘッドから分離される。
【0040】
いくつかのそのような実施形態では、装置は、第4のシャワーヘッド、および第4のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第4の台座を含む、処理チャンバ内の第4の処理ステーションをさらに含んでよく、この場合、第4の台座は、第1の距離、第2の距離、および第3の距離と異なる第4の距離だけ第4のシャワーヘッドから分離される。
【0041】
いくつかのそのような実施形態では、装置は、第4のシャワーヘッド、および第4のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第4の台座を含む、処理チャンバ内の第4の処理ステーションをさらに含んでよく、この場合、第4の台座は、第1の距離または第2の距離と同じ第4の距離だけ第4のシャワーヘッドから分離される。
【0042】
いくつかの実施形態では、装置は、第3のシャワーヘッド、および第3のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第3の台座を含む、処理チャンバ内の第3の処理ステーションをさらに含んでよく、この場合、第3の台座は、第1の距離および第2の距離と異なる第3の距離だけ第3のシャワーヘッドから分離される。
【0043】
いくつかのそのような実施形態では、装置は、第4のシャワーヘッド、および第4のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第4の台座を含む、処理チャンバ内の第4の処理ステーションをさらに含んでよく、この場合、第4の台座は、第1の距離、第2の距離、および第3の距離と異なると第4の距離だけ第4のシャワーヘッドから分離される。
【0044】
いくつかのそのような実施形態では、装置は、第4のシャワーヘッド、および第4のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第4の台座を含む、処理チャンバ内の第4の処理ステーションをさらに含んでよく、この場合、第4の台座は、第1の距離、第2の距離、または第3の距離と同じ第4の距離だけ第4のシャワーヘッドから分離される。
【0045】
いくつかの実施形態で、第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法を提供してよい。方法は、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップとを含んでよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、方法は、同時に、堆積処理の第2の部分のために、第1の台座が、第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離と異なる第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップをさらに含んでよい。
【0047】
いくつかのそのような実施形態では、第1の部分は、Nの堆積サイクルを含んでよく、Nの堆積サイクルの各々は、同時に、第1の台座が第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップを含んでよい。
【0048】
いくつかの別のそのような実施形態では、方法は、Pの堆積サイクルを含む堆積処理の第2の部分のために、同時にPの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップをさらに含んでよい。
【0049】
いくつかの別のそのような実施形態では、方法は、第1の部分の後の、Xの堆積サイクルを含む堆積の第2の部分のために、同時にXの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップをさらに含んでよい。
【0050】
いくつかの別のそのような実施形態では、方法は、第1の部分の前の、Yの堆積サイクルを含む堆積処理の第2の部分のために、同時にYの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップをさらに含んでよい。
【0051】
いくつかの実施形態で、第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法を提供してよい。方法は、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップとを含んでよい。方法は、第1の部分の後に、第1の台座を第2の距離に、かつ第2の台座を第2の距離に調節するステップと、堆積処理の第2の部分のために、同時に、第1の台座が第2の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップとをさらに含んでよい。
【0052】
いくつかの実施形態で、第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法を提供してよい。方法は、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、同時発生的に第1の基板の上に前駆物質を流し、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、同時発生的に第1の基板の上に前駆物質を流し、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるステップとを含んでよい。
【0053】
本明細書では、同様の参照符号が同様の要素を指す添付図面の図で、本明細書で開示するさまざまな実装形態を限定としてではなく例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】任意の回数の処理を使用して半導体基板上に膜を堆積させるための基板処理装置を描く。
【0055】
【
図2】マルチステーション処理ツールの実装形態を描く。
【0056】
【
図3】基板処理ツールの二重ステーション処理チャンバの横断面概略図を描く。
【0057】
【
図4】シャワーヘッドと台座の間の距離が異なる所で処理された基板に関する材料厚さのプロットを描く。
【0058】
【
図5】シャワーヘッドと台座の間の距離が異なる所で処理された基板に関するウェットエッチング速度(wet etch rate、WER)のプロットを描く。
【0059】
【
図6】異なる電力レベルで処理された基板に関する材料厚さのプロットを描く。
【0060】
【
図7】さまざまな実施形態による基板処理ツールの二重ステーション処理チャンバの横断面概略図を描く。
【0061】
【
図8】マルチステーション半導体処理チャンバで膜堆積を遂行するための技法の第1の例を描く。
【0062】
【
図9】マルチステーション半導体処理チャンバで膜堆積を遂行するための技法の第2の例を描く。
【0063】
【
図10A】マルチステーション処理チャンバの例での台座の動きのシーケンスの例を描く。
【
図10B】マルチステーション処理チャンバの例での台座の動きのシーケンスの例を描く。
【
図10C】マルチステーション処理チャンバの例での台座の動きのシーケンスの例を描く。
【
図10D】マルチステーション処理チャンバの例での台座の動きのシーケンスの例を描く。
【
図10E】マルチステーション処理チャンバの例での台座の動きのシーケンスの例を描く。
【0064】
【
図11】マルチステーション半導体処理チャンバで膜堆積を遂行するための第6の技法を描く。
【0065】
【
図12】マルチステーション半導体処理チャンバで膜堆積を遂行するための技法の第7の例を描く。
【0066】
【
図13】ALD処理を介して基板上に材料の膜を形成するための動作のシーケンスの例の流れ図を描く。
【0067】
【
図14】
図11の技法の同じ第6の例を示す、技法の別の例を描く。
【0068】
【
図15A】4つの処理ステーションを有するマルチステーション処理チャンバの第2の例での台座の動きのシーケンスの例を描く。
【
図15B】4つの処理ステーションを有するマルチステーション処理チャンバの第2の例での台座の動きのシーケンスの例を描く。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本出願では、「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」、および「部分的に製作された集積回路」という用語を交換可能に使用する。当業者は、「部分的に製作された集積回路」という用語が、その上で集積回路を製作する多くの局面のいずれかの間にあるシリコンウエハを指す可能性があることを理解されよう。半導体素子業界で使用するウエハまたは基板は、典型的には200mm、または300mm、または450mmの直径を有する。以下の詳細な記述は、本発明がそのようなウエハと共に使用するために実装されることを仮定する。しかしながら、本発明は、そのように限定されるわけではない。加工物は、さまざまな形状、サイズ、および材料からなってよい。半導体ウエハに加えて、本発明を利用してよい他の加工物は、プリント回路基板、磁気記録媒体、磁気記録センサ、鏡、光学素子、微少機械素子などのようなさまざまな物品を含む。
【0070】
本明細書で記述する技法および装置は、プラズマ発生中に台座とシャワーヘッドの間のギャップを調節することにより、堆積したさまざまな材料の性質のステーション間整合を改善することがある。原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)またはプラズマ化学蒸着法(plasma-enhanced chemical vapor deposition PECVD)などの多くのプラズマ支援堆積処理では、シャワーヘッドおよび台座は、ある距離またはギャップだけ分離され、プラズマは、ウエハ上の反応を促進するために、このギャップの内部で発生させる。プラズマ発生中のシャワーヘッドと台座の間の距離は、材料厚さ、ドライエッチング速度(dry etch rate、DER)、およびウェットエッチング速度(wet etch rate、WER)など、基板上に堆積した材料のさまざまな性質に影響を及ぼすことがわかっている。プラズマ支援処理用の多数のステーションでシャワーヘッドと台座の間の距離を変更する、または独立して制御することにより、プラズマ電力、およびウエハでのプラズマシースの特徴など、プラズマの特性が変化することがある。多数のステーションで台座高さを独立して制御することにより、吸着制限処理(たとえば、ALD)の間、およびPECVDを含むCVDなどのガス相処理の間など、前駆物質などのプラズマ以外の処理にさらにまた影響を及ぼすことがある。
【0071】
距離と得られる材料の性質およびプラズマ特性の間には関係があるので、本明細書の技法および装置は、シャワーヘッドに対して異なる距離にある台座を利用して、堆積した材料の性質を調節し、ステーション間変動を低減する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の他のステーションに関して1つまたは複数のステーションで材料の性質を調節するためにシャーヘッド-台座間ギャップを変更することにより、ステーション間で材料の性質の差を低減することができ、その結果、1つまたは複数のステーションで材料の性質を調整する。ある種の実施形態では、堆積処理中に(たとえば、ALDの多数のサイクルにより層を堆積させる過程で)台座距離を調節して、材料の至る所で異なる値を有する膜の性質を作り出す。たとえば、堆積中に距離を調節して、材料内部で、異なる値の密度、WER、またはDERなど、材料の一方の区画に一方の値の性質を、材料の別の区画に別の値の性質を持たせてよい。
【0072】
I.堆積装置の例
いくつかの半導体処理を使用して、基板の上に材料の1つまたは複数の層を堆積させる。堆積処理の例は、化学蒸着法(chemical vapor deposition、「CVD」)、プラズマCVD(「PECVD」)、原子層堆積(「ALD」)、減圧CVD、超高真空CVD、物理蒸着法(physical vapor deposition、「PVD」)、および等角膜堆積法(conformal film deposition、「CFD」)を含む。いくつかのCVD処理は、1つまたは複数のガス反応物を反応器の中に流すことによりウエハ表面上に膜を堆積させてよく、これにより膜前駆物質および副産物が形成される。前駆物質は、ウエハ表面に移送され、ウエハ表面でウエハにより吸着され、ウエハの中に拡散し、PECVDでのプラズマ発生を含む化学反応によりウエハ上に堆積する。いくつかの他の堆積処理は、「別個の」膜厚さをそれぞれ作り出す多数の膜堆積サイクルを伴う。ALDは、1つのそのような膜堆積法であるが、膜の薄層を下に置く、反復する順次の事柄で使用されるどの技法も、多数の堆積サイクルを伴うと見てよい。
【0073】
半導体業界で機器サイズおよび特徴サイズが縮小し続けているので、さらにまた集積回路(integrated circuit、IC)設計で3D素子構造がより認められるようになったので、薄い等角膜(平坦ではない場合でさえ、下にある構造の形状に対して均一な厚さを有する材料の膜)を堆積させる能力は、重要性を増し続けている。ALDは、ALDの単一サイクルだけで材料の単一薄膜を堆積させ、厚さは、膜形成化学反応自体の前に基板表面の上で吸着されてよい(すなわち、吸着制限層を形成する)1つまたは複数の膜前駆物質反応物の量により制限されるという事実に起因して、等角膜堆積に最適な膜形成技法である。この場合、多数の「ALDサイクル」を使用して、所望の厚さの膜を構築しよく、各層は薄く等角であるので、得られる膜は、下にある素子構造の形状に実質的に一致する。ある種の実施形態では、各ALDサイクルは、以下のステップを含む。
1.第1の前駆物質に基板表面を曝露する。
2.基板が配置された反応チャンバをパージする。
3.典型的にはプラズマおよび/または第2の前駆物質を用いて基板表面の反応物を活性化する。
4.基板が配置された反応チャンバをパージする。
【0074】
各ALDサイクルの継続期間は、典型的には25秒未満、または10秒未満、または5秒未満であってよい。ALDサイクルの1つまたは複数のプラズマ曝露ステップは、たとえば1秒以下の継続期間など、短い継続期間からなってよい。プラズマは、実例では2秒、5秒、または10秒など1秒よりも長い他の継続期間からなってよい。
【0075】
図1は、任意の回数の処理を使用して半導体基板上に膜を堆積させるための基板処理装置を描く。
図1の装置100は、真空ポンプ130により真空下で維持されてよい内部体積内に単一基板ホルダ118(たとえば、台座)を伴う単一処理チャンバ110を有する。また(たとえば)膜前駆物質、キャリアガスおよび/またはパージガスおよび/または処理ガス、二次反応物などを配送するためにチャンバに流体で連結されているのは、ガス配送システム102およびシャワーヘッド104である。さらにまた
図1には処理チャンバ内部でプラズマを発生させるための設備も示す。
図1に概略的に例示する装置は、一般にALDを遂行するためにあるが、従来のCVD、特にプラズマCVDなどの他の膜堆積動作を遂行するために適合されてよい。
【0076】
わかりやすくするために、処理装置100は、低圧環境を維持するための処理チャンバ本体110を有する単独型処理ステーションとして描かれている。しかしながら、本明細書で記述するように、共通処理ツール環境内に、たとえば共通反応チャンバ内部に複数の処理ステーションが含まれてよいことを認識されよう。たとえば
図2は、マルチステーション処理ツールの実装形態を描き、以下でさらに詳細に論じられる。さらに、いくつかの実装形態では、本明細書で詳細に論じるハードウェアパラメータを含む、処理装置100の1つまたは複数のハードウェアパラメータは、1つまたは複数のシステムコントローラによりプログラムで調節されてよいことを認識されよう。
【0077】
処理ステーション110は、液体および/またはガスを含んでよい処理ガスを分配シャワーヘッド104に配送するためのガス配送システム102と流体で通じている。ガス配送システム102は、シャワーヘッド104に配送するために処理ガスを混ぜ合わせるおよび/または条件づけるための混合容器106を含む。1つまたは複数の混合容器注入口弁108および108Aは、混合容器106への処理ガス導入を制御してよい。
【0078】
いくつかの反応物は、気化前、および処理チャンバ110に配送後、液体の形態で貯蔵されてよい。
図1の実装形態は、混合容器106に供給する液体反応物を気化させるための気化地点112を含む。いくつか実装形態では、気化地点112は、加熱された液体の注入モジュールであってよい。いくつかの他の実装形態では、気化地点112は、加熱気化器であってよい。さらに他の実装形態では、気化地点112は、処理ステーションから排除されてよい。いくつかの実装形態では、気化し、処理チャンバ110に配送するための液体の質量流を制御するために、気化地点112の上流に液体流コントローラ(liquid flow controller、LFC)を提供してよい。
【0079】
シャワーヘッド104は、処理ステーションで基板114に向けて処理ガスおよび/または反応物(たとえば、膜前駆物質)を配送し、処理ガスおよび/または反応物の流れは、シャワーヘッドの上流にある1つまたは複数の弁(たとえば、弁108、108A、および116)により制御される。
図1に示す実装形態では、基板114は、シャワーヘッド104の下方に配置され、台座118の上に載って示されている。シャワーヘッド104は、任意の適切な形状を有してよく、基板114に処理ガスを分配するための、任意の適切な数および配列のポートを有してよい。2つ以上のステーションを伴ういくつかの実装形態では、ガス配送システム102は、ガスが一方のステーションに流されてよいが、別のステーションに流されてはいけないように、各ステーションへの処理ガスおよび/または反応物の流れを独立して制御することができる、シャワーヘッドの上流の弁または他の流れ制御構造を含む。さらに、ガス配送システム102は、異なるステーションに提供するガス組成が異なるように、たとえば、ガス組成の分圧がステーション間で同時に変動してよいように、マルチステーション装置内の各ステーションに配送される処理ガスおよび/または反応物を独立して制御するように構成されてよい。
【0080】
図1では、シャワーヘッド104および台座118は、プラズマに電力を供給するためにRF電源122および整合ネットワーク124に電気的に接続される。いくつかの実装形態では、プラズマエネルギーは、処理ステーション圧力、ガス濃度、RF供給源電力、RF供給源周波数、およびプラズマ電力パルスタイミングのうち1つまたは複数を制御することにより(たとえば、適切な機械可読命令および/または制御論理を有するシステムコントローラを介して)制御されてよい。たとえば、RF電源122および整合ネットワーク124を任意の適切な電力で動作させて、所望のラジカル種組成を有するプラズマを形成してよい。同様にRF電源122は、任意の適切な周波数および電力のRF電力を提供してよい。装置100はまた、静電クランプ力を発生させて静電チャック(electrostatic chuck、「ESC」)118および基板114に提供するために、ESC118であってよい台座に直流を提供するように構成されたDC(直流)電源126を含む。台座118はまた、基板114を加熱および/または冷却するように構成された1つまたは複数の温度制御要素128を有してよい。台座118はまた、台座表面とシャワーヘッドの間で測定したときにさまざまな高さまたは距離まで上げ下げするように構成される。これは、堆積処理中に、異なる高さに位置決めすることを含む。台座118の可動性に加えて台座118はまた、約100℃~650℃の間まで台座を加熱するように構成された加熱特徴を伴う、アルミニウムまたはセラミックから構成された標準台座、100℃未満の温度まで台座を冷却するように構成された冷却特徴を伴う冷却液台座などのような他の台座に似た特徴を有してよい。台座のいくつかの例は、今では米国特許第7,941,039号明細書である、2007年9月6日に提出された、「PEDESTAL HEAT TRANSFER AND TEMPERATURE CONTROL(台座熱移送および温度制御)」と題する、米国特許出願公開第11/851,310号明細書、および今では米国特許第9,337,067号明細書である、2012年5月9日に提出された、「HIGH TEMPERATURE ELECTROSTATIC CHUCK WITH RADIAL THERMAL CHOKES(放射状サーマルチョークを伴う高温静電チャック)」と題する米国特許出願公開第13/467,861号明細書に記述されている。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書で記述する台座は、ウエハを所定の場所で保持するように構成されてよい。これは、ウエハと台座/チャックの間の相対的動きを防止するために、ウエハと台座/チャックの間で摩擦加重を増大させる、何らかの他のタイプのクランプ力を用いて重力を増強する機器である「チャック」を使用する台座を含んでよい。そのような動作で使用されるチャックの1つのタイプは、「静電チャック」、すなわちESCである。いくつかのESCは、1つまたは複数のクランプ電極およびウエハが容量性回路の役割を果たすようにESC内部で1つまたは複数のクランプ電極に直流(direct current、「DC」)電圧を印加することにより、所定の場所でウエハを保持し、容量性回路は、チャンバ内部にプラズマが存在することにより完成するので、この設計は、ウエハ処理中にプラズマ環境が存在する処理チャンバ内での用途に限定されてよい。1つまたは複数のクランプ電極は、典型的にはウエハの全平面に平行な、薄く平坦な構造であり、多くの場合ウエハサイズと等しい領域全体に伸展する。容量効果に起因して発生する静電力はクランプ力を提供する。そのような構成は「モノポーラ」と呼ばれることがある。別のタイプのチャックは、台座内部でガス流を使用して、ウエハと台座の間に圧力低下、すなわち真空を生み出すチャックであり、圧力低下は、次に台座に対してウエハをクランプする吸引力を生み出す。これは、真空により加えられたチャッキング力であると考えてよい。
【0082】
いくつかの実装形態では、装置は、適切なハードウェア、および/または一連の入力/出力制御(input/output control、IOC)命令を介して制御命令を提供してよいシステムコントローラ内の適切な機械可読命令を用いて制御される。一例では、処理レシピの中のプラズマ活性化レシピの形でプラズマ点火または維持用プラズマ条件設定のための命令を提供する。場合によっては、処理レシピは連続的に配列され、その結果、処理用のすべての命令は、その処理で同時発生的に実行される。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のプラズマパラメータを設定するための命令は、プラズマ処理に先行するレシピに含まれてよい。たとえば、第1のレシピは、不活性ガス(たとえば、ヘリウム)および/または反応物ガスの流量を設定するための命令、プラズマ発生器を電力設定点に設定するための命令、および第1のレシピのための時間遅延命令を含んでよい。それに続く第2のレシピは、プラズマ発生器を有効にするための命令、および第2のレシピのための時間遅延命令を含んでよい。第3のレシピは、プラズマ発生器を無効にするための命令、および第3のレシピのための時間遅延命令を含んでよい。これらのレシピは、本開示の範囲内で任意の適切な方法でさらに細分されてよい、および/または繰り返されてよいことを認識されよう。
【0083】
上記で記述するように、マルチステーション基板処理ツール内に2つ以上の処理ステーションを含んでよい。
図2は、マルチステーション処理装置の例を描く。設備費用、運営費だけではなくスループット増大に関して、
図2に示すようなマルチステーション処理装置を使用することによりさまざまな効率が達成されてよい。実例では、単一真空ポンプを使用して、4つの処理ステーションすべてに関して使用済処理ガスなどを排気にするなどにより、4つの処理ステーションすべてのための単一高真空環境を生み出してよい。実装形態に応じて各処理ステーションは、ガス配送用のそれ自体の専用シャワーヘッドを有してよいが、同じガス配送システムを共用してよい。同様に、プラズマ発生器設備のある種の要素は、処理ステーション間で共用されてよいが(たとえば、電源)、実装形態に応じて、ある種の様態は、処理ステーション特有であってよい(たとえば、シャワーヘッドを使用して、プラズマ発生電位を加える場合)。改めて、そのような効率はまた、反応チャンバあたり2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、もしくは16、またはさらに多くの処理ステーションなど、処理チャンバあたりより多い、またはより少ない数の処理ステーションを使用することにより、より大きな、またはより小さな程度まで達成されてよいことを理解されたい。
【0084】
図2の基板処理装置200は、多数の基板処理ステーションを包含する単一基板処理チャンバ210を採用し、多数の処理ステーションの各々は、その処理ステーションで、ウエハホルダで、たとえば台座で保持された基板に対して処理動作を遂行するために使用されてよい。この特定の実装形態では、マルチステーション基板処理装置200は、4つの処理ステーション231、232、233、および234を有するように示されている。他の類似のマルチステーション処理装置は、実装形態に応じて、実例では所望の並列ウエハ処理レベル、サイズ/空間の制約、費用の制約などに応じてより多くの、またはより少ない処理ステーションを有してよい。さらにまた
図2に示されているのは、基板ハンドラロボット236およびコントローラ238である。
【0085】
図2に示すように、マルチステーション処理ツール200は、基板ローディングポート240と、ポッド242を通してロードされたカセットから大気ポート240を通して処理チャンバ210の中に、および4つのステーション231、232、233、または234の中の1つの上に基板を動かすように構成されたロボット236とを有する。
【0086】
図2に示す、描かれた処理チャンバ210は、4つの処理ステーション231、232、233、または234を提供する。これらのステーションの各々にある台座の高さまたは距離は、台座が、その他の台座のいずれとも異なる距離まで上げ下げできるように、個々に制御可能である。
【0087】
RF電力は、RF電力システム222で発生され、ステーション231、232、233、または234の各々に分配され、同様に、DC電源226は、ステーションの各々に分配される。RF電力システムは、高周波(high frequency、HFRF)供給源および低周波(low frequency、LFRF)供給源などの1つまたは複数のRF電源、インピーダンス整合モジュール、およびフィルタを含んでよい。ある種の実装形態では、電源は、高周波供給源または低周波供給源だけに制限されてよい。RF電力システムの分配システムは、反応器に関して対称的であってよく、高インピーダンスを有してよい。この対称性およびインピーダンスの結果、ほぼ等しい量の電力が各ステーションに配送される。
【0088】
図2はまた、処理チャンバ214内部で、処理ステーション231、232、233、および234の間で基板を移送するための基板移送機器290の実装形態を描く。任意の適切な基板移送機器を採用してよいことを認識されよう。限定しない例は、ウエハカルーセルおよびウエハ取扱ロボットを含む。
【0089】
図2はまた、処理ツール200の処理条件およびハードウェア状態、ならびに処理ツール200の処理ステーションを制御するために採用されたシステムコントローラ238の実装形態を描く。システムコントローラ238は、1つまたは複数の記憶素子244、1つまたは複数の大容量記憶装置246、および1つまたは複数のプロセッサ248を含んでよい。プロセッサ248は、1つまたは複数のCPU、ASIC、1つまたは複数の汎用コンピュータおよび/または1つまたは複数の専用コンピュータ、1つまたは複数のアナログおよび/またはデジタル入力/出力接続、1つまたは複数のステップ・モータ・コントローラ・ボードなどを含んでよい。
【0090】
システムコントローラ238は、プロセッサ244上で機械可読システム制御命令250を実行してよく、システム制御命令250は、いくつかの実装形態では、大容量記憶装置246から記憶素子244の中にロードされる。システム制御命令250は、タイミング、ガス反応物および液体反応物の混合、チャンバおよび/またはステーションの圧力、チャンバおよび/またはステーションの温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、RF曝露時間、ならびに基板、基板台座、チャック、および/またはサセプタ位置をクランプするためのDC電力および継続時間、各ステーションでのプラズマ形成、ガス反応物および液体反応物の流れ、台座の垂直高さ、ならびに処理ツール200が遂行する特定の処理の他のパラメータを制御するための命令を含んでよい。これらの処理は、基板の上に膜を堆積させることに関係する処理を含むがそれに限定されないさまざまなタイプの処理を含んでよい。システム制御命令258は、任意の適切な方法で構成されてよい。
【0091】
いくつかの実装形態では、システム制御ソフトウェア258は、上記で記述するさまざまなパラメータを制御するための入力/出力制御(IOC)命令を含んでよい。たとえば、1つまたは複数の堆積処理の各ステップは、システムコントローラ250が実行するための1つまたは複数の命令を含んでよい。たとえば一次膜堆積処理のための処理条件を設定するための命令は、対応する堆積レシピに含まれてよく、同様にキャッピング膜堆積のための処理条件を設定するための命令は、対応する堆積レシピに含まれてよい。いくつかの実装形態では、処理レシピは連続的に配列され、その結果、処理用のすべての命令は、その処理で同時発生的に実行される。
【0092】
いくつかの実装形態では、システムコントローラ250に関連する大容量記憶装置254および/または記憶素子256に記憶された他のコンピュータ可読命令および/またはプログラムを採用してよい。プログラムまたはプログラムのセクションの例は、基板位置決めプログラム、処理ガス制御プログラム、圧力制御プロフラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムを含む。
【0093】
いくつかの実装形態では、システムコントローラ250に関連するユーザインタフェースが存在してよい。ユーザインタフェースは、表示画面、装置および/または処理条件のグラフィカルソフトウェア表示、ならびにポインティング機器、キーボード、タッチ画面、マイクロホンなどのようなユーザ入力機器を含んでよい。
【0094】
いくつかの実装形態では、システムコントローラ250が調節するパラメータは、処理条件に関係がある。限定しない例は、処理ガスの組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベル、周波数、曝露時間など)などを含む。追加で、コントローラは、処理ステーション内の条件を独立して制御するように構成されてよく、たとえば、コントローラは、すべてのステーションではなく一部のステーションでプラズマを点火する命令を提供する。これらのパラメータは、ユーザインタフェースを利用して入力されてよいレシピの形でユーザに提供されてよい。
【0095】
処理を監視するための信号は、システムコントローラ250のアナログおよび/またはデジタルの入力接続によりさまざまな処理ツールセンサから提供されてよい。処理を制御するための信号を処理ツール200のアナログおよび/またはデジタルの出力接続に出力してよい。監視されてよい処理ツールセンサの限定しない例は、質量流コントローラ(mass flow controller、MFC)、圧力センサ(圧力計など)、熱電対、荷重センサ、OESセンサ、波の物理特性を本来の場所で(in-situ)測定するための度量衡設備などを含む。これらのセンサから得られるデータと共に、適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムを使用して、処理条件を維持してよい。
【0096】
システムコントローラ250は、堆積処理を実装するための機械可読命令を提供してよい。命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、RF電力パラメータ変動などのステーション間変動、周波数調整パラメータ、圧力、温度などのようなさまざまな処理パラメータを制御してよい。命令は、パラメータを制御して、本明細書で記述するさまざまな実装形態に従って本来の場所で(in-situ)膜スタック堆積を動作させてよい。
【0097】
システムコントローラは、典型的には、1つまたは複数の記憶素子と、本明細書で開示する処理による動作を装置が遂行するように機械可読命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサとを含む。本明細書で開示する基板ドーピング処理による動作を制御するための命令を包含する機械可読非一時的媒体は、システムコントローラに連結されてよい。
【0098】
上記で言及するように、共通の基板処理チャンバ内部にある多数の処理ステーションで多数の基板を処理することにより、さまざまなステーション間で共通処理設備を同時に利用しながら多数の基板で膜堆積を並列に進めることを可能にすることによりスループットを高めることがある。いくつかのマルチステーション基板処理ツールを利用して、(たとえば、いくつかのALD処理では)等しいサイクル数の間にウエハを同時に処理してよい。処理ステーションならびに基板ローディングおよび移送機器のこの構成を前提に、膜堆積を、たとえば実例ではALD処理に関してはNサイクルの膜堆積を、またはCVD処理に関しては等価な曝露継続時間を、多数の基板にわたり並列に(たとえば、同時に)行うことができるようにするさまざまな処理シーケンスが可能である。
【0099】
上記で論じるように、設備費用、運営費だけではなくスループット増大に関して、マルチステーション処理装置を使用することによりさまざまな効率が達成されてよい。しかしながら、共通チャンバで多数の基板を同時に処理する結果、たとえば平均膜厚さの差、ウエハの面全体にわたる均一性の差、ウェットエッチング速度(WER)およびドライエッチング速度(DER)などの物理的性質の差、化学的性質の差、および光学的性質の差を含む、堆積した材料のステーション間の差がもたらされる可能性がある。材料の性質の許容できるステーション間偏差についてさまざまなしきい値が存在してよいが、商業規模の製造用に均一な基板を反復して作り出すために、これらの差を低減することが望ましい。
【0100】
さまざまな取り組み手段を使用して、異なる基板全体にわたって安定した膜堆積を達成する。これらの取り組み手段のいくつかは、堆積処理の過程にわたり処理チャンバ内部で多数の処理ステーションを通して基板にインデックスを付けるステップを含む、すなわち、基板ごとに基板の膜のうちある一部分を一方のステーションで堆積させ、ある一部分を1つまたは複数の他の処理ステーションで堆積させる。この結果、異なるステーションで発生するどんな堆積の系統的差異も平均化される。たとえば、4ステーション処理チャンバで4つのウエハに対して合計Nサイクルを遂行するALD処理では、各ステーションで各ウエハに対してN/4サイクルを遂行してよく、各ウエハは、N/4サイクルの各々が完了した後、異なるステーションに移送される。このタイプの「順次モード」処理または「順次処理」は、いくつかの意味で有益であるが、この動作モードの他の特性は、この動作モードをより訴求力がないものにする。たとえば、順次モードのいくつかの実装形態は、基板ローディング/アンローディング、処理チャンバの開/閉をかなり伴う。いくつかの動作モードでは、4つのステーションにわたり、基板が自身に割り当てられたNの堆積を受けるために、ローディング/アンローディング動作のために処理チャンバを4回開閉しなければならず、毎回、チャンバ内部の環境を堆積に適した環境条件(たとえば、温度、圧力、流量など)に戻して回復させることを伴う。
【0101】
「静的モード」は、ローディング動作のために一方のステーションを使用するとき、処理チャンバ内部でウエハが配置されるカセットの90°移送回転を使用して、堆積させるための位置の中に4つのウエハを入れるために、同じ量のインデックス付けを伴うことがあるが、静的モードでは介在する堆積を移送回転の間に遂行しないので、チャンバを一度だけ開閉する。その結果、堆積前にマルチステーションチャンバの中に4つのウエハを(1つずつ)すべてロードすることもまた可能である。チャンバが閉じたままであり、かつ内圧が比較的静的のままであるときでさえ、一方のステーションから次のステーションに至るウエハのインデックス付けは処理を遅延させる。
【0102】
順次処理および静的モード処理に時間および活動が伴うので、インデックス付けをまったく伴わない、本明細書で「固定モード」と呼ぶ別の処理シーケンスを利用することが有利であることがある。固定モードでは、チャンバを開け、ステーションのすべてにウエハをロードし、チャンバを閉じ、その同じ対応するステーションにウエハが残っている間に、ウエハすべてに対して並列かつ同時に堆積のすべてを遂行し、堆積サイクルを完了し、チャンバを開け、ウエハを除去する。したがって、各基板は、処理ステーションの中の1つだけに位置決めされている間に各基板の全部の膜堆積を受ける。この固定モード処理は、たとえばCVDおよびALDを含む任意のタイプの堆積処理のために使用されてよい。固定モード処理は、他のモードでのインデックス付けに関連する遅延がないので、堆積スループットはより高い。
【0103】
上記で明言するように固定モードは、異なるステーション間の処理不整合に起因して、異なる基板間で整合性のある膜堆積を常に達成するわけではないことがある。たとえば、ステーション間で異なるRF周波数、または各ステーションで異なる温度など、一方のステーションでの処理条件は、別のステーションでの処理条件と正確に整合しないことがあり、その結果、一方のステーションで処理されたウエハは、別のステーションで処理されたウエハと異なる性質を有することがある。
【0104】
II.堆積した材料の性質とシャワーヘッド-台座間距離の間の関係
上記で明言するように、本明細書では、プラズマ発生中に台座とシャワーヘッドの間のギャップを調節することにより、さまざまな堆積した材料の性質のステーション間整合を改善するための技法および装置について記述する。ALDまたはPECVDなどのなどの多くのプラズマ支援堆積処理では、シャワーヘッドおよび台座は、ある距離またはギャップだけ分離され、プラズマは、ウエハ上で反応を促進するために、このギャップの内部で発生させる。本明細書において別段の記載がない限り、「ギャップ」はまたは「距離」という用語は、シャワーヘッドと台座の間のこの空間的関係を指し、追加で、ステーションのギャップまたは距離は、台座のギャップまたは距離と同義語である。
図3は、基板処理ツールの二重ステーション処理チャンバの横断面概略図を描く。
図3の各ステーションは、
図1および
図2で上記に記述する同じ特徴を含んでよいが、例示するためにいくつかの特徴だけを示す。この場合、第1のステーションは、第1の距離D1だけ分離されたシャワーヘッド104Aおよび台座118Aを含み、同様に第2のステーションは、この例ではD1と同じ第1の距離D2だけ分離されたシャワーヘッド104Bおよび台座118Bを含む。このギャップまたは距離は、フェースプレートなどのシャワーヘッドの外面と基板を支持する表面のような台座の外面との間で測定されてよい。
【0105】
プラズマ発生中のシャワーヘッドと台座の間の距離は、材料厚さ、DER、WERなど、基板上に堆積した材料のさまざまな性質に影響を及ぼすことがわかっている。
図4は、シャワーヘッドと台座の間の距離が異なる所で処理された基板に関する材料厚さのプロットを描く。
図4のデータでは、4つの基板からなる組を4つ、4ステーションチャンバで処理した。各組をその他の組と異なる距離に位置決めし、残りの処理条件は同じであった。16の基板上で測定した材料の平均厚さを
図4に示し、水平軸は、台座とシャワーヘッドの間のインチ単位の距離であり、垂直軸は、基板上に堆積した材料の平均厚さである。理解することができるように、堆積した材料の全体的厚さは、ギャップが低減するにつれ低減した。実例では、ほぼ0.657インチ(16.7mm)の最大ギャップの組4は、約302オングストローム(Å)~300Åの間の、堆積した材料の平均厚さをもたらし、一方では、より短い0.505インチ(12.8mm)の距離では、組3は298Å~300Åの間の材料厚さをもたらし、最小の0.020インチ(0.508mm)の距離では、組1は288Å~290Åの間の材料厚さをもたらした。
【0106】
図5は、シャワーヘッドと台座の間の距離が異なる所で処理された基板に関するウェットエッチング速度(WER)のプロットを描く。8つの基板すべてについて距離が異なることを除き、同じ条件の下で8つの基板上に材料を堆積させた。各基板上の材料について測定した平均WERを
図5に示し、水平軸は、台座とシャワーヘッドの間のインチ単位の距離であり、垂直軸は、基板上に堆積した材料の平均WERである。理解することができるように、距離が変化するにつれWERは変化し、
図4に示す材料厚さに類似して、一般に距離が低減するにつれWERは低減するが、いくつかの非線形な変化を伴う。実例では、距離0.320インチ(8.13mm)でのWERは、距離0.340インチ(8.64mm)および0.300インチ(7.62mm)でのWERよりも小さい。
【0107】
台座とシャワーヘッドの間の距離を変更することにより、さらにまたプラズマ電力およびプラズマシースなど、プラズマの特性を変化させることがある。これは、材料厚さ対台座距離に関する上記の
図4のデータと、距離が静的のままである間に異なる電力レベルで堆積した材料のデータを相関させることにより見いだされた。
図6に見られる一例では、堆積した厚さを低減させる距離を含み、他の処理条件すべてが同じままである間に電力を増大させた。
図6は、異なる電力レベルで処理した基板に関する材料厚さのプロットを描く。この場合、11の基板上に材料を堆積させ、同じ距離であることを含み、堆積条件は同じままであり、堆積処理ごとに電力を変化させた。各基板に関して測定した材料の平均厚さを示し、水平軸は、ワット(W)単位のプラズマ電力であり、垂直軸は、基板上に堆積した材料の平均厚さである。理解することができるように、プラズマ電力が低減するにつれ、基板上の平均厚さは低減した。ギャップを低減することにより、堆積した厚さが低減することを示す
図4のデータと一緒に解釈すると、
図6および
図4は、ギャップを低減することにより台座上の基板に与える電力が増大するような、距離とプラズマ電力の間の逆相関を示唆する。この関係に基づき、ギャップを調節することにより、基板に与える電力を調節することができる。
【0108】
III.技法の例
距離と得られる材料の性質およびプラズマ特性の間にある関係のために、本明細書の技法および装置は、異なる距離にある台座を利用して、堆積した材料の性質を調節し、ステーション間変動を低減する。いくつかの実施形態では、その1つのステーションで材料の性質を調節するために、シャワーヘッドと台座の間のギャップを変更することによりステーション間の材料の性質の差を低減することができ、これは、そのステーションで材料の性質を調整していると考えてよい。さらにまた堆積処理中に距離を調節して、材料の至る所で異なる値を有する膜の性質を作り出してよい。たとえば、堆積中に距離を調節して、材料内部で、異なる値の密度、WER、またはDERなど、材料の一方の区画に一方の値の性質を、材料の別の区画に別の値の性質を持たせてよい。堆積中に互いに関して異なる距離で台座を位置決めするステップは、さまざまな方法で実装されてよい。
【0109】
したがって、いくつかの実施形態では、台座の距離は、堆積中に距離を変更することを含み、堆積の間ずっと互いに関して異なってよい。これは、台座が(i)互いに異なる距離で始まり、堆積の全部のためにこれらの異なる距離のままでいること、(ii)互いに同じ距離で始まり、次いでその後の堆積処理で、異なる距離に変更すること、(iii)異なる距離で始まり、次いでその後の堆積処理で、同じ距離に変更すること、(iv)異なる距離で始まり、次いでその後の堆積処理で、他の異なる距離に変更すること、および(v)各堆積サイクルの中で、異なる距離にあることを含んでよい。いくつかの他の実施形態では、台座は、堆積の間ずっと互いに対して同じ距離のままであってよいが、堆積の間ずっとシャワーヘッドに関して距離を変更してよい。
【0110】
A.異なる距離にある台座を用いる技法の例
技法の第1の例では、距離は、2つ以上の台座が堆積前に互いに異なる距離にあり、かつ全部の堆積処理の間にこれらの異なる距離のままであるように、堆積前に調節または調整されてよい。
図7は、さまざまな実施形態による基板処理ツールの二重ステーション処理チャンバの横断面概略図を描く。この場合、
図3の同じチャンバを描くが、第1の台座および第2の台座は、互いに異なる距離に示され、第1の距離D1は、第2の距離D2よりも短い。
図8は、マルチステーション半導体処理チャンバで膜堆積を遂行するための技法の第1の例を描き、
図7のチャンバを使用してこの技法について記述する。ブロック801で、第1のステーションの第1の台座118Aの上に第1の基板114Aを位置決めし、ブロック803で、第2のステーションの第2の台座118Bの上に第2の基板114Bを位置決めする。
図8に描いていないが、台座の上に基板を位置決めする前、またはその後に、各台座の距離を調節してよい。追加でいくつかの実施形態では、ブロック801および803を逆順で、または同時に遂行してよい。
【0111】
これらの台座がそれらの対応する異なる位置になると、第1の基板114Aと第2の基板114Bの両方の上に材料を同時に堆積させるために、第1のステーションおよび第2のステーションでプラズマを同時に発生させてよい。この同時プラズマ発生および堆積をブロック805Aおよび805Bを含むブロック805により表す。ブロック805Aで、第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、一方では、ブロック805Bで、第2のステーションで第2のプラズマを同時に発生させる。ブロック805Aおよび805Bにさらに示すように、この同時プラズマ発生により、第1の基板114Aの上に材料の第1の層を、かつ第2の基板114Bの上に材料の第2の層を堆積させる。本明細書で使用するとき、材料の「層」は、材料の多数の副層を含んでよい、堆積処理完了後に堆積した材料の層全体であってよく、さらにまたALDにより堆積した材料の単一で別個の層など、材料の単一で別個の層または副層を含んでよい。いくつかの実施形態では、これらの第1の層および第2の層は、WER、DER、および厚さなど、互いに実質的に同じ特性を有してよい(実質的に同じは、たとえば互いの10%、5%、1%、0.5%、または0.1%の範囲内であることを意味する)。その結果、異なる距離にあるステーションが同じ全体的材料厚さを作り出すようにより良好なステーション間整合をもたらされてよい。
【0112】
実例では、2つのステーション間の厚さが互いに一定のしきい値の範囲内で整合しない場合、ステーションの一方で距離を調節して、厚さが共により近くなるように、調節されたステーションで、堆積する厚さを変更してよい。たとえば
図4を参照すると、0.35インチ(8.89mm)の距離で、ステーション3は約297Åの平均厚さを有し、一方では、ステーション1は296Å弱の平均厚さを有する。この変動は、ステーション1の堆積した厚さがステーション3の厚さとほとんど同一の約297Åになるように、ステーション1の距離を(
図4で破線および×による印の付いた)約0.45まで増大させることにより低減されてよい。したがって、この例では、実質的に同じ厚さを有する堆積した材料を作り出すために、ステーション3が0.35インチ(8.89mm)の距離にある間、かつステーション1が0.45インチ(11.4mm)の距離にある間にブロック805Aおよび805Bの同時プラズマ発生および堆積を同時に遂行してよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、これら第1の層および第2の層は、異なる密度または厚さなど、互いに異なる特性を有してよい。その結果、他の材料特性に関して依然としてより良好な整合をもたらすことがある。実例では、材料の性質は、互いに異なる密度を有してよいが、依然として同じ厚さをもたらすことがある(堆積速度などの他の処理条件に起因することがある)。
【0114】
いくつかの実施形態では、台座は、堆積した材料の一部だけの特性を変更するために、堆積処理の一部だけのために異なる距離にあってよい。異なる特性を伴う第1の層および第2の層を堆積させることは、堆積した材料のその1つの部分だけの特性を微調整するために有利であることがある。
【0115】
図9に例示する技法の第2の例では、いくつかの実装形態では、台座は、互いに同じ距離で始まり、次いでその後の堆積処理で、異なる距離に変更されてよい。
図9は、マルチステーション半導体処理チャンバで膜堆積を遂行するための技法の第2の例を描く。ブロック901~905は、
図8のブロック801~805と同じであるが、
図9に例示するように、ブロック905の同時プラズマ発生および堆積の前に、ブロック907で、台座が同じ距離に位置決めされている間に2つの基板上に材料を同時に堆積させる。理解することができるように、ブロック907Aで、第1の台座は第3の距離にあり、ブロック907Bで、第2の台座は同じ第3の距離にある。ブロック907の同時プラズマ発生および堆積を遂行した後、ブロック909で、第1の台座を第1の距離に調節し、第2の台座を第2の距離に調節する。この調節後、ブロック905の同時プラズマ発生および堆積を遂行し、その間、第1の台座および第2の台座は異なる距離にある。
【0116】
マルチステーション処理チャンバの例で台座の動きのシーケンスの例を描く
図10A~
図10Eに、第2の技法をさらに例示する。
図10A~
図10Eのチャンバは、
図3および
図7のチャンバに類似し、距離に関して顕著な差がある。上記で指摘するように、
図10A~
図10Eのチャンバ内の台座は、動かされて、さまざまな距離に位置決めされるように構成された移動可能な台座である。
図10Aでは、第1のステーションおよび第2のステーションは、両方とも
図9のブロック907に対応する第3の距離にある。ブロック907の堆積後、ブロック909を遂行して、
図10Bに見えるように台座を動かす。この場合、
図10Bでは、第1の台座は第1の距離にあり、第2の台座は第2の距離にある。
図10Bでこのように位置決めされたとき、技法の第2の例のブロック905の同時プラズマ発生および堆積を遂行してよい。技法のこの例では、第1の距離、第2の距離、および第3の距離は、すべて互いに異なる。
【0117】
いくつかの他の実施形態では、台座は、全堆積処理の第1の部分のために異なる距離にあってよく、その後、堆積処理の第2の部分で同じ距離に変更されてよい。技法のこの第3の例では、ブロック905および907は交換され、ブロック909は修正される。この場合、第1の台座および第2の台座が異なる距離にある間に第1の基板および第2の基板に対して第1の同時プラズマ発生および堆積を遂行するように、ブロック901、903、および905を順次遂行する。ブロック905を遂行後、台座が同じ第3の距離にあるように台座の距離を調節する、修正されたブロック909を遂行し、次いでブロック907の同時プラズマ発生および堆積を遂行する。戻って
図10Aおよび
図10Bの例示を参照すると、技法の第3の例は、最初に
図10Bに描くように位置決めされてよく、次いでその後、
図10Aに描くように位置決めされてよい。
【0118】
いくつかの他の実施形態では、同時プラズマ発生および堆積は、基板が同じ距離にある間に基板上で最初に行われてよく、次いでその後、台座の距離のうち一方だけは調節されてよい。技法の第4の例では、
図9を参照すると、ブロック901、903、および907は順次遂行されてよいが、ブロック909は、第2の台座が第2の距離にとどまっている間に第1の台座の距離だけを第1の距離に調節するという点で異なる。この例では、第1の距離および第3の距離は互いに異なり、第2の距離は第3の距離と同じである。この調節に続いて、第1の台座が第2の台座と異なる距離にある間にブロック905の同時プラズマ発生および堆積を遂行するが、第2の台座は、ブロック907のように同じ距離にある。
【0119】
いくつかのそのような実施形態では、材料の第1の区画は、1組の処理条件の下で2つの基板上に同時に堆積させられてよく、各基板上の第1の区画の性質は整合しなくてよい。一方のステーションの距離は調節されてよく、材料の第2の区画の同時堆積は2つの基板上で遂行されてよく、一方のステーションの異なる距離は、第1の区画の性質の値がより近くなってよいように材料の第2の区画を変更してよい。たとえば、堆積した材料の全体的目標厚さは両方の基板上で280Åであってよく、第1の堆積後、材料の第1の区画の厚さは互いに異なってよく、たとえば275Åおよび272Åであってよい。異なる距離に一方のステーションを調節することにより、そのステーションで堆積した材料の厚さを、第2の区画が異なる厚さを有するように変更してよいが、第1の区画および第2の区画を一緒にした全体的厚さは互いにより近くなる。この例では、調節されたステーションでの材料の第2の区画は8Åであってよく、その他のステーションでは、材料の第2の区画は5Åであってよく、それにより、第2の堆積後、両方の基板上に、整合する280Åの材料厚さがもたらされる。
【0120】
同様に、技法の第5の例は、台座が異なる距離にある間、最初に基板上で同時プラズマ発生および堆積を遂行し、その後、台座の一方だけがその後の同時プラズマ発生および堆積のために他方の台座と同じ距離になるように、台座の一方だけを調節するステップを含んでよい。
図9を参照すると、これは、順次の順序で、ブロック901、903、905を、両方の台座が同じ距離、すなわち第2の距離になるように第1の台座を第1の距離から第2の距離に調節する、909と異なる調節ブロックを、次いでブロック907を遂行するステップを含んでよい。
【0121】
技法の第6の例では、基板は、堆積処理の一方の部分のために、異なる距離に位置決めされ、次いで堆積処理の別の部分のために他の異なる距離に位置決めされてよい。
図11は、マルチステーション半導体処理チャンバで膜堆積を遂行するための第6の技法を描く。この場合、ブロック1101~1105は、
図8および
図9に関して上記で記述したブロック801~805、ならびにブロック901、903、および905と同じである。この場合、
図11では、ブロック1101、1103、および1105を遂行し、次いで調節ブロック1109は、第1の距離と異なる第3の距離に第1の台座を調節し、第2の距離と異なる第4の距離に第2の台座を調節する。台座がこれらの他の異なる距離になった後、ブロック1107で、2つの基板上で別の同時堆積を遂行する。
【0122】
図10Bおよび
図10Cを参照すると、ブロック1105は、
図10Bのチャンバに対応し、一方では、ブロック1107は、
図10Cのチャンバに対応し、
図10Cでは、第1のステーションは第3の距離にあり、第2のステーションは第4の距離にある。第1の距離は第3の距離よりも短いが、いくつかの実施形態ではこれは、第1の距離が第3の距離よりも長くなるように逆であってよい。これは、第2の距離および第4の距離についても同じであってよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、各ステーションを調節する量は、各ステーションに関して異なってよい。いくつかの他の実施形態では、互いに異なる距離に台座を維持するが、同じ量だけ台座を調節することが望ましいことがある。これは、性質の均一な制御および調整を基板のすべてに提供してよい。実例では、第1の距離と第3の距離の差は、第2の距離と第4の距離の差と同じであってよい。
【0124】
B.同じ距離にある台座を用いる技法の例
上記で明言するように、いくつかの実施形態では台座は、互いに関して同じ距離のままであってよいが、堆積処理中にシャワーヘッドに関して異なる距離に位置決めされる。この概念を、マルチステーション半導体処理チャンバで膜堆積を遂行するための技法の第7の例を描く
図12で例示する。この場合、ブロック1201および1203は、上記で記述するブロック801および803と同じである。ブロック1205で、第1の台座および第2の台座を両方ともそれらの対応するシャワーヘッドから同じ第1の距離に位置決めし、ステーションで第1のプラズマおよび第2のプラズマを同時に発生させて、それぞれ第1の基板および第2の基板の上に材料の第1の層および第2の層を堆積させる。ブロック1209で、第1の台座および第2の台座を両方とも同じ第2の距離に調節し、その後ブロック1207で、ステーションで第3のプラズマおよび第4のプラズマを同時に発生させて、それぞれ第1の基板および第2の基板の上に材料の第3の層および第4の層を堆積させる。
図10Dおよび
図10Eを参照すると、これらの図は、技法の第7の例に対応する。
図10Dは、第1の台座118Aおよび第2の台座118Bが両方とも同じ第1の距離にあるブロック1205に対応する。
図10Eは、第1の台座118Aおよび第2の台座118Bが両方とも同じ第2の距離にあるブロック1207に対応する。
【0125】
この場合、台座は、堆積処理中に互いに関して同じ距離のままであるが、シャワーヘッドに関して異なる距離にある。これらの実施形態は、材料の至る所で異なる性質値を伴う堆積した材料を生み出してよい。実例では、第1の基板上に堆積した材料は、2つの異なる密度またはWERなど、材料内部で2つの異なる性質を有する。堆積した材料内部に追加の値および勾配を生み出すために、さらに何回か距離を調節してよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、
図10Dおよび
図10Eに描くように、第1の距離は、第2の距離よりも長くてよい。台座が最初にシャワーヘッドから遠く離れている間にいくらか堆積を遂行することは、いくつかの堆積処理にとって有利であることがある。上記で記述し、
図4および
図6で見えるように、プラズマ電力低減は、台座-シャワーヘッド間距離の増大に関連づけられ、技法のこの第7の例を使用して、基板を保護するために、最初により低い電力に基板を曝露してよい。基板の上に材料の層をいくつか堆積させると、距離を低減することによりプラズマ電力を増大させてよい。たとえば、炭素基板の上に酸化ケイ素をいくらか堆積させることにより、処理中に炭素消費または損傷をいくらか生じさせることがある。しかしながら、堆積開始時、炭素いくらかが曝露されるとき、より長い距離に台座を位置決めすることにより、より低いプラズマ電力に基板を曝露することによりこの消費および損傷を低減することができる。いくらかの堆積が行われ、炭素が保護され、もはや曝露されなくなると、距離を低減することによりプラズマ電力を増大させることができる。
【0127】
C.さまざまな堆積処理を用いる技法の例の用途
上記で明言するように、技法の例のすべては、CVDおよびALDなどのさまざまな堆積処理で使用されてよい。たとえば
図8を参照すると、ブロック805の同時プラズマ発生および堆積は、第1の基板および第2の基板のための全部のCVD堆積処理であってよい。
【0128】
ALDのような周期的堆積処理については、上記で記述するブロック805、905、および907、ならびに1105および1107の同時プラズマ発生および堆積は、堆積処理の間ずっとこれらのブロックを反復するように、堆積のサイクルごとに遂行されてよい。上記で明言するように、典型的ALDサイクルは、(1)第1の前駆物質への基板表面の曝露、(2)基板が配置された反応チャンバのパージ、典型的にはプラズマおよび/または第2の前駆物質を伴う、基板表面の反応の活性化、および(4)基板が配置された反応チャンバのパージを含む。
図13は、ALD処理を介して基板上に材料の膜を形成するための動作のシーケンスの例の流れ図を描く。
図13で理解することができるように、上記の項目1はブロック1358に対応し、上記の項目2はブロック1360に対応し、上記の項目3はブロック1362に対応し、上記の項目4はブロック1364に対応し、4つのブロックをNサイクルの間遂行し、その後、処理は停止する。
【0129】
本明細書で記述する技法の例の同時プラズマ発生および堆積、たとえばブロック805、905、および907、ならびに1105および1107は、活性化ステップ、すなわち基本ALDサイクルのステップ3の1362であると考えてよい。上記で明言するように、この活性化ステップは各堆積サイクルで遂行され、各サイクルは、プラズマを点火し、次いでプラズマを消滅させるステップを含む。たとえば、
図8の技法の第1の例では、全部の堆積処理がNサイクルを含む場合、同時プラズマ発生および堆積ブロック805は、Nサイクルの各々で遂行されてよい。
【0130】
図9の技法の例など、多数の同時プラズマ発生および堆積ブロックを伴う技法では、全堆積処理は、2つ以上の部分に分割されてよく、各部分は、特定数の堆積サイクルを有し、各部分のサイクルのために、同時プラズマ発生および堆積ブロックの一方だけを遂行する。実例では、一方の部分はXサイクルを有してよく、別の部分はYサイクルを有してよく、同時プラズマ発生および堆積ブロックの一方は、Xサイクルの各々で遂行され、一方では、別の同時プラズマ発生および堆積ブロックは、Yサイクルの各々で遂行される。実例では
図9を参照すると、ブロック907は、Xサイクルの各々で遂行されてよく、ブロック905は、Yサイクルの各々で遂行されてよく、その結果、ブロック907はX回遂行され、ブロック907はY回遂行される。
【0131】
技法のその他の例のすべては、全堆積処理の一方の部分で各同時プラズマ発生および堆積ブロックを特定数の堆積サイクルの間遂行するように同様に遂行されてよい。別の例では、
図11の技法の第6の例では、全堆積処理は2つの部分を有してよく、第1の部分はNサイクルを有し、第2の部分はZサイクルを有する。
図14は、
図11の技法の同じ第6の例を示す、技法の別の例を描く。この場合、ブロック1105に対応するブロック1405は、ブロック1105をN回遂行するように第1の部分のNサイクルの各々で遂行され、次いでブロック1107は、ブロック907をZ回遂行するように第2の部分のZサイクルの各々で遂行される。
【0132】
いくつかの他の周期的実施形態では、台座は、各堆積サイクルの間ずっと異なる位置にあってよい。たとえば戻って
図8を参照すると、堆積処理は、この場合もNの堆積サイクルを有してよい。Nの堆積サイクルの各々でブロック805を遂行してよい。追加で台座は、堆積処理の他の部分で、異なる距離にあってよい。実例では、第1の台座および第2の台座は、両方とも各サイクルの吸着ステップ中に第3の距離に位置決めされ、次いで各活性化ステップの間に第1の距離および第2の距離に調節されてよい。いくつかの他の実施形態では、第1の台座および第2の台座は、両方とも活動化ステップ、すなわち同時プラズマ発生および材料堆積のために同じ距離に位置決めされ、次いで両方とも吸着ステップなど、各サイクルの別の1つまたは複数のステップのために同じであるが異なる距離に位置決めされてよい。
【0133】
本明細書で記述する技法の例のすべてでは、その他の処理条件に応じて、堆積した第1の層および第2の層、または基板上に同時に堆積した材料は、同じであってよい、または異なってよい。実例では、堆積した第1の層および第2の層、または基板上に同時に堆積した材料は、同じ厚さを有してよい、または異なる密度を有してよい。同様に
図8、
図9、および
図11では、各ステーションで発生させたプラズマの1つまたは複数の特性は、互いに異なってよい。実例では
図8を参照すると、異なるステーションで発生させた第1のプラズマおよび第2のプラズマは、互いに異なるプラズマ電力を有してよい。しかしながら、いくつかの実例では、全体的処理条件に応じて、異なる距離で発生させた第1のプラズマおよび第2のプラズマは、互いに同じプラズマ電力を有してよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書で記述する技法を静的モードで使用し、その結果、基板は、堆積処理のすべてのために同じステーションにとどまる。いくつかの他の実施形態では、技法は、順次処理など、他の処理モードで使用されてよい。たとえば、2つ以上の基板をチャンバの中にロードしてよく、全堆積の半分だけをこれらの基板上で遂行する。その後、他のステーションに第1の2つ以上の基板を移送し、2つ以上の新しい基板をチャンバの中にロードし、第1の2つ以上の基板および2つ以上の新しい基板に対して堆積処理の別の半分を同時に遂行する。これにより、第1の2つ以上の基板上で堆積を完了し、第2の2つ以上の基板上で堆積の第1の半分を完了する。その後、第1の2つ以上の基板をチャンバからアンロードし、他のステーションに第2の2つ以上の基板を移送し、第3組の2つ以上の基板をロードする。この処理を反復してよい。この順次処理中、ステーションは、本明細書で記述するように、異なる距離にあってよい。これは、2×4技法であると考えてよい。
【0135】
本明細書で記述する技法の例の間ずっと、特段の記載がない限り、基板は、アンロードされるまで、対応する台座上の固定位置のままであり、台座の上にロードおよびアンロードする間を除き、台座に関して動かされない。
【0136】
D.較正のための付加的技法
いくつかの実施形態では、較正堆積処理は、シャワーヘッド-台座間距離を決定して、その距離を異なる材料の性質値に関連づけるために遂行されてよい。較正堆積処理は、ステーションに第1組の基板を位置決めするステップと、台座を第1の距離に位置決めするステップと、同時に、第1組の基板の上に材料を堆積させるプラズマをステーションで発生させるステップと、測定することなどにより厚さ、WER、DER、および密度など、得られる材料の性質の値を決定するステップとを含んでよい。次に、第2組の基板を台座の上にロードしてよく、第2の距離に台座を設定してよく、第2組の基板に対して堆積処理を反復してよく、この場合も、得られる材料の性質の値を決定してよい。この堆積および決定は、Nの異なる距離でN組の基板に関して遂行されてよい。ステーションごとに決定された材料の性質の値を、そのステーションで堆積が行われた距離と関連づけ、この情報は、台座の距離を調節して、材料の性質の既知の値を堆積させるために上記の技法のいずれでも使用することができる。
【0137】
たとえば戻って
図4を参照すると、これは、較正堆積処理から得られるデータであると考えてよい。この場合、4組の基板に対して、異なる距離に各組がある間に堆積を遂行し、各堆積後に得られる平均材料厚さを測定した。したがって、この決定されたデータを後で使用して、そのステーションで既知の厚さを作り出すために各台座の距離を調節することができる。上記で記述するように、0.35インチ(8.89mm)の距離にあるステーション3の厚さに整合させるために、ステーション1の台座を0.45インチ(11.4mm)の距離に調節することができる。同様に
図5は、特定のステーションでWER値を調節するために後の処理で使用することができる、WERに関する較正データを異なる距離で提供してよい。ステーション間の非均一性を低減するために、較正データ収集後、処理に合わせた調整を使用することができる。
【0138】
別の例では、マルチステーション処理チャンバは、点検または保守を受けることがあり、その後、第1組の基板をチャンバの中にロードし、堆積を遂行し、厚さなどの材料の性質を測定する。基板間に非均一性が存在する場合、1つまたは複数の台座の距離を調節して、この非均一性を低減することができる。
図4では、ステーション3に関して測定された厚さが299Åであるが、その他の3つのステーションは約296Åである場合、
図4の較正データにより相関関係が示されるように、約296Åの堆積厚さを作り出すためにステーション3の距離を0.35インチ(8.89mm)に調節してよい。
【0139】
IV.付加的装置
本明細書で記述する技法および装置は、2つのステーションだけを有するマルチステーションチャンバに限定されず、3、4、6、8、10などのステーションなど、任意の数のステーションに適用可能である。いくつかのそのような実施形態では、台座のうち2つ以上が互いに異なる距離にあるとき、少なくとも何らかの堆積を行ってよく、これはまた、いくつかの台座を同じ距離に位置決めするステップを含んでよい。
図15Aおよび
図15Bは、4つの処理ステーションを有するマルチステーション処理チャンバの第2の例での台座の動きのシーケンスの例を描く。これら4つのステーションの各々は、各ステーションがシャワーヘッド、台座、および台座上の基板を有するように、
図7および
図10A~
図10Eと同じである。
図15Aでは、4つのステーションすべての中にある台座は互いに異なる距離にあり、第1のステーションは第1の距離D1にあり、第2のステーションは第2の距離D2にあり、第3のステーションは第3の距離D3にあり、第4のステーションは第4の距離D4にある。ステーションがすべて異なる距離にある間の、4つのステーションでの同時プラズマ発生および堆積は、4つの基板114A~114Dに対する全堆積処理のうちすべてまたは一部のために遂行されてよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の台座は異なる距離にあってよく、一方では、2つ以上の台座は同じ距離にあってよい。
図15Bでは、第1のステーション、第2のステーション、および第3のステーションはすべて異なる距離にあり、一方では、第3のステーションおよび第4のステーションは、同じ距離D3にある。この場合も、ステーションがこれらの距離にある間の、4つのステーションでの同時プラズマ発生および堆積は、4つの基板114A~114Dに対する全堆積処理のうちすべてまたは一部のために遂行されてよい。
【0140】
上記で記述する距離への調節はまた、3つ以上のステーションを有するマルチステーション処理チャンバ上で遂行されてよい。たとえば、
図9の技法の第2の例に類似して、3つ以上のステーションはすべて、Nの堆積サイクルを含む、全堆積処理の第1の部分のために同じ距離にあってよく、その後、距離は調節されるので、Xの堆積サイクルのためなど、堆積処理の別の部分のために、3つ以上のステーションは互いに異なる距離になる。追加で、堆積を開始するために3つ以上のステーションが異なる距離にあり、次いで後の堆積処理で同じ距離に変更されるように、堆積処理のこれらの部分の順序は交換されてよい。さらに第6の技法のように、2つ以上の台座は、全堆積処理の一方の部分のために互いに異なる距離にあり、次いで全堆積処理の第2の部分で他の異なる距離に調節されてよい。実例では
図15Aを参照すると、4つのステーションは、堆積処理の第1の部分のために4つの異なる距離D1~D4にあり、次いで堆積処理の第2の部分のためにそれぞれ距離D5~D8にすべて調節されてよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、半導体処理ツールまたは装置は、本明細書で記述する技法の例のいずれかまたはすべてを実行するためのプログラム命令を伴うコントローラを有してよい。実例では装置は、多数の処理ステーション(たとえば、ステーション231~234)を伴う処理チャンバ210を含む
図2の基板処理装置200の特徴を有してよい。追加で、装置内の各台座は、動作前、動作中、および動作後に調節されるなど、さまざまな距離に位置決めされるように構成される。
【0142】
コントローラ238は、装置を制御して、上記で記述する技法を実行することを含み、ステーションで基板の上に材料を堆積させるプログラム命令を有してよい。このプログラム命令は、ステーション231で第1の台座に第1の基板を提供するステップと、ステーション232で第2の台座に第2の基板を提供するステップと、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第1の台座を動かすステップと、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第2の台座を動かすステップと、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第1のプラズマを同時に発生させている間に、かつ第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるステップとを含んでよい。コントローラはまた、第1の台座を第3の距離に動かすステップと、第2の台座を第4の距離に動かすステップと、次いで同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第3のプラズマを同時に発生させている間に、かつ第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるステップとを含む、各台座の距離を調節するための追加命令を含んでよい。
【0143】
上記の開示は、台座の位置を調節して堆積パラメータを制御することについて焦点を当てているが、同じ制御を使用して、エッチング処理でエッチング特性を制御してよい。いくつかの半導体製作処理は、導体、半導体、および誘電体を含むさまざまな材料のパターン形成およびエッチングを伴う。いくつかの例は、金属または炭素などの導体と、ケイ素またはゲルマニウムなどの半導体と、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、窒化ケイ素、および窒化チタンなどの誘電体とを含む。原子層エッチング(atomic layer etching、「ALE」)処理は、順次の自己制御的反応を使用して材料の薄層を除去する。一般に、ALEサイクルは、単分子層のエッチングなどのエッチング処理を一回で遂行するために使用する最小の1組の動作である。1ALEサイクルの結果は、基板表面上の膜層の少なくとも一部をエッチングすることである。典型的にはALEサイクルは、反応層を形成するための改質動作、続いてこの反応層だけを除去またはエッチングするための除去動作を含む。サイクルは、反応物または副産物のうち一方を除去するなど、ある種の補助動作を含んでよい。一般に、あるサイクルは、固有の動作シーケンスの1つのインスタンスを包含する。
【0144】
ある例として、従来のALEサイクルは、(i)反応物ガスの配送、(ii)チャンバからの反応物ガスのパージング、(iii)除去ガスおよび任意選択のプラズマの配送、ならびに(iv)チャンバのパージングという動作を含んでよい。いくつかの実施形態では、エッチングを非等角的に遂行してよい。改質動作は一般に、改質されない材料よりも厚さの薄い、反応性の薄い表層を形成する。改質動作の例では、チャンバの中に塩素を導入することにより基板を塩素化してよい。塩素は、エッチング液種またはエッチングガスの例として使用されるが、異なるエッチングガスをチャンバの中に導入してよいことを理解されよう。エッチングすべき基板のタイプおよび化学的性質に応じてエッチングガスを選択してよい。プラズマを点火してよく、エッチング処理のために塩素は基板と反応し、すなわち、塩素は基板と反応してよい、または基板の表面の上に吸着されてよい。塩素プラズマから生成される種は、基板を収容する処理チャンバ内でプラズマを形成することにより直接生成することができる、または基板を収容していない処理チャンバ内で遠隔に生成することができ、基板を収容する処理チャンバの中に供給することができる。
【0145】
したがって、上記の技法および装置のいずれもエッチングのために使用されてよい。いくつかの実施形態では、各ステーションで材料の層を堆積させる代わりに、技法は、各ステーションで材料の一部分を除去してよい。これは、エッチング処理または堆積処理で、より大きなウエハ間非均一性をもたらすことがある。たとえば
図8では、動作805はエッチング段階であってよく、エッチング段階では、エッチング処理の第1の部分のために、第1の基板および第2の基板からそれぞれ材料の第1の部分および第2の部分を除去するために、第1の台座および第2の台座がそれぞれ第1の距離および第2の距離だけ分離されている間に第1のプラズマおよび第2のプラズマを同時に発生させる。
【0146】
上記は、プラズマに基づく動作のために台座の距離を制御することに焦点を当てているが、上記の技法のいずれもすべて、基板を前駆物質に曝露している間など、半導体処理の他の様態または段階に適用されてよい。これは、実例ではALDサイクルの照射段階の間、またはPECVDの同時発生的なプラズマおよび前駆物質の曝露の間を含んでよい。たとえば、上記で記述し、
図8~
図12、
図14、ならびに
図15Aおよび
図15Bに示す技法は、プラズマ発生に関係するが、開示する技法は、当然ながら前駆物質が基板に接触する処理への曝露に拡張される。いくつかの実施形態では、堆積処理の第1の部分のために、技法は、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップを含んでよい。
【0147】
いくつかの他の実施形態では、同時プラズマ発生および前駆物質への曝露を含む堆積処理ステップは、堆積処理の第1の部分のために、同時に、(i)第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、同時発生的に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1の基板の上に前駆物質を流し、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、(ii)第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、同時発生的に、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2の基板の上に前駆物質を流し、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるステップを含んでよい。
【0148】
本開示で列挙する請求項に加えて、以下の追加の実装形態は、本開示の範囲に入ると理解されたい。
【0149】
実装形態1:マルチステーション堆積装置であって、処理チャンバと、第1のシャワーヘッド、および第1のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第1の台座を含む、処理チャンバ内の第1の処理ステーションと、第2のシャワーヘッド、および第2のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第2の台座を含む、処理チャンバ内の第2の処理ステーションと、マルチステーション装置を制御して、第1のステーションおよび第2のステーションで基板の上に材料を堆積させるためのコントローラとを備え、コントローラは、第1の台座に第1の基板を提供し、第2の台座に第2の基板を提供し、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるための制御論理を備えるマルチステーション堆積装置。
【0150】
実装形態2:実装形態1の装置であって、コントローラは、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるための制御論理をさらに備える装置。
【0151】
実装形態3:実装形態2の装置であって、第3の距離は第4の距離と異なる装置。
【0152】
実装形態4:実装形態2の装置であって、第3の距離は第4の距離と同じである装置。
【0153】
実装形態5:実装形態4の装置であって、コントローラは、第1のステーションで第1のプラズマを、かつ第2のステーションで第2のプラズマを同時に発生させる前、第3のステーションで第3のプラズマを、かつ第4のステーションで第4のプラズマを同時に発生させるための制御論理をさらに備える装置。
【0154】
実装形態6:実装形態4の装置であって、コントローラは、第1のステーションで第1のプラズマを、かつ第2のステーションで第2のプラズマを同時に発生させた後、第3のステーションで第3のプラズマを、かつ第4のステーションで第4のプラズマを同時に発生させるための制御論理をさらに備える装置。
【0155】
実装形態7:実装形態1の装置であって、第1の台座は、第1の基板に第1のチャッキング力を加えるように構成されてよく、第2の台座は、第2の基板に第2のチャッキング力を加えるように構成されてよく、コントローラは、堆積処理の第1の部分の間に、第1の台座が第1の基板に第1のチャッキング力を加えるようにし、かつ第2の台座が第2の基板に第2のチャッキング力を加えるようするための制御論理をさらに含む装置。
【0156】
実装形態8:実装形態7の装置であって、第1のチャッキング力および第2のチャッキング力は静電力である装置。
【0157】
実装形態9:実装形態7の装置であって、第1のチャッキング力および第2のチャッキングは真空により加えられる装置。
【0158】
実装形態10:マルチステーション堆積装置であって、装置は、処理チャンバと、第1のシャワーヘッド、および第1のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第1の台座を含む、処理チャンバ内の第1の処理ステーションと、第2のシャワーヘッド、および第2のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第2の台座を含む、処理チャンバ内の第2の処理ステーションと、マルチステーション堆積装置を制御して、第1のステーションおよび第2のステーションで基板の上に材料を堆積させるためのコントローラとを備え、コントローラは、第1の台座に第1の基板を提供し、第2の台座に第2の基板を提供し、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させ、第1のプラズマおよび第2のプラズマを同時に発生させた後、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第1のプラズマおよび第2のプラズマを同時に堆積させた後、第2の台座が第1のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるための制御論理を備えるマルチステーション堆積装置。
【0159】
実装形態11:実装形態10の装置であって、第1の距離は第2の距離よりも長い装置。
【0160】
実装形態12:マルチステーション堆積装置であって、装置は、処理チャンバと、第1のシャワーヘッド、および第1のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第1の台座を含む、処理チャンバ内の第1の処理ステーションと、第2のシャワーヘッド、および第2のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第2の台座を含む、処理チャンバ内の第2のステーションとを備え、第1の台座は、第1の距離だけ第1のシャワーヘッドから分離され、第2の台座は、第1の距離と異なる第2の距離だけ第2のシャワーヘッドから分離されるマルチステーション堆積装置。
【0161】
実装形態13:実装形態12の装置であって、第3のシャワーヘッド、および第3のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第3の台座を含む、処理チャンバ内の第3の処理ステーションをさらに備え、第3の台座は、第1の距離と同じ第3の距離だけ第3のシャワーヘッドから分離される装置。
【0162】
実装形態14:実装形態13の装置であって、第4のシャワーヘッド、および第4のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第4の台座を含む、処理チャンバ内の第4の処理ステーションをさらに備え、第4の台座は、第1の距離、第2の距離、および第3の距離と異なると第4の距離だけ第4のシャワーヘッドから分離される装置。
【0163】
実装形態15:実装形態13の装置であって、第4のシャワーヘッド、および第4のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第4の台座を含む、処理チャンバ内の第4の処理ステーションをさらに備え、第4の台座は、第1の距離または第2の距離と同じ第4の距離だけ第4のシャワーヘッドから分離される装置。
【0164】
実装形態16:実装形態12の装置であって、第3のシャワーヘッド、および第3のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第3の台座を含む、処理チャンバ内の第3の処理ステーションをさらに備え、第3の台座は、第1の距離および第2の距離と異なる第3の距離だけ第3のシャワーヘッドから分離される装置。
【0165】
実装形態17:実装形態16の装置であって、第4のシャワーヘッド、および第4のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第4の台座を含む、処理チャンバ内の第4の処理ステーションをさらに備え、第4の台座は、第1の距離、第2の距離、および第3の距離と異なると第4の距離だけ第4のシャワーヘッドから分離される装置。
【0166】
実装形態18:実装形態16の装置であって、第4のシャワーヘッド、および第4のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第4の台座を含む、処理チャンバ内の第4の処理ステーションをさらに備え、第4の台座は、第1の距離、第2の距離、または第3の距離と同じ第4の距離だけ第4のシャワーヘッドから分離される装置。
【0167】
実装形態19:第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法であって、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップとを備える方法。
【0168】
実装形態20:実装形態19の方法であって、同時に、堆積処理の第2の部分のために、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離と異なる第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップをさらに備える方法。
【0169】
実装形態21:実装形態19の方法であって、第1の部分は、Nの堆積サイクルを含み、Nの堆積サイクルの各々は、同時に、第1の台座が第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップを含む方法。
【0170】
実装形態22:実施形態21の方法であって、Pの堆積サイクルを含む堆積処理の第2の部分のために、同時にPの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップをさらに備える方法。
【0171】
実装形態23:実装形態21の方法であって、第1の部分の後の、Xの堆積サイクルを含む堆積処理の第2の部分のために、同時にXの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップをさらに備える方法。
【0172】
実装形態24:実装形態21の方法であって、第1の部分の前の、Yの堆積サイクルを含む堆積処理の第2の部分のために、同時にYの堆積サイクルの各々で、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップをさらに備える方法。
【0173】
実装形態25:第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法であって、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップと、第1の部分の後、第1の台座を第2の距離に、かつ第2の台座を第2の距離に調節するステップと、堆積処理の第2の部分のために、同時に、第1の台座が第2の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1の基板の上に前駆物質を流し、第2の台座が第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2の基板の上に前駆物質を流すステップとを備える方法。
【0174】
実装形態26:第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法であって、第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、堆積処理の第1の部分のために、同時に、第1の台座が第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させて、第1の基板の上に前駆物質を同時発生的に流し、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のステーションの第2のシャワーヘッドから第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させて、第2の基板の上に前駆物質を同時発生的に流し、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させるステップとを含む方法。
【0175】
以下の記述では、提示する概念を十分に理解することができるようにするために数多くの特有の詳細について示す。提示する概念は、これらの特有の詳細の一部またはすべてなしに実施されてよい。他の実例では、記述する概念を不必要に不明瞭にしないために、周知の処理動作について詳細には記述しなかった。いくつかの概念について特有の実施形態と関連づけて記述するが、これらの実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されよう。
【0176】
本開示の内容が明確にそうではないと要求しない限り、本明細書および特許請求の範囲の全体を通して「comprise(備える)」、「comprising(備える)」などの用語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に包括的意味で、すなわち「含むが限定しない」の意味で解釈されるべきである。単数または複数を使用する単語はまた、一般にそれぞれ複数または単数を含む。追加で、「本明細書で」、「本明細書の下で」、「上記の」、「以下の」という単語および類似の意味の単語は、全体として本出願を指し、本出願の任意の特定の層を指すものではない。2つ以上の品目からなるリストを参照して単語「or(または)」を使用するとき、その単語は、単語についての以下の解釈、すなわち、リスト内の品目のいずれも、リスト内の品目のすべて、およびリスト内の品目の任意の組合せのうちすべてに及ぶ。用語「implementation(実装形態)」は、本明細書で記述する技法および方法の実装形態だけではなく、構造を具体化し、ならびに/または本明細書で記述する技法および/もしくは方法を組み入れる物理的対象物も指す。本明細書では、用語「実質的に」は、特に断りのない限り参照値の5%の範囲内を意味する。たとえば、実質的に垂直は、±5%の範囲内で平行であることを意味する。
【手続補正書】
【提出日】2025-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチステーション堆積装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内の第1の処理ステーションであって、第1のシャワーヘッドと、前記第1のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第1の台座とを含む第1の処理ステーションと、
前記処理チャンバ内の第2の処理ステーションであって、第2のシャワーヘッドと、前記第2のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第2の台座とを含む第2の処理ステーションと、
前記第1の処理ステーションおよび前記第2の処理ステーションで基板の上に材料を堆積させるように前記マルチステーション堆積装置を制御するためのコントローラであって、
前記第1の台座に第1の基板を提供し、
前記第2の台座に第2の基板を提供し、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように前記第1の台座を動かし、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように前記第2の台座を動かし、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから前記第1の距離だけ分離されている間に前記第1の処理ステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に第1の材料層を堆積させるのと同時に、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に前記第2の処理ステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に第2の材料層を堆積させる
ための制御論理を含む、コントローラと、
を備える、マルチステーション堆積装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記コントローラは、さらに、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されるように前記第1の台座を動かし、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されるように前記第2の台座を動かし、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第1の処理ステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に第3の材料層を堆積させるのと同時に、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に前記第2の処理ステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に第4の材料層を堆積させるための制御論理を含み、
前記第3のプラズマおよび前記第4のプラズマの前記同時発生後の、前記第1の材料層および前記第3の材料層に関連付けられた性質の値と、前記第2の材料層および前記第4の材料層に関連付けられた前記性質の値との差は、前記第3のプラズマおよび前記第4のプラズマの前記同時発生前の、前記第1の材料層に関連付けられた前記性質の前記値と、前記第2の材料層に関連付けられた前記性質の前記値との差よりも小さい、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記第3の距離は、前記第4の距離と異なる、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、
前記第3の距離は、前記第4の距離と同じである、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記コントローラは、さらに、前記第1の処理ステーションで前記第1のプラズマを発生させると同時に前記第2の処理ステーションで前記第2のプラズマを発生させる前に、第3の処理ステーションで前記第3のプラズマを発生させると同時に第4の処理ステーションで前記第4のプラズマを発生させるための制御論理を含む、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置であって、
前記コントローラは、さらに、前記第1の処理ステーションで前記第1のプラズマを発生させると同時に前記第2の処理ステーションで前記第2のプラズマを発生させた後に、第3の処理ステーションで前記第3のプラズマを発生させると同時に第4の処理ステーションで前記第4のプラズマを発生させるための制御論理を含む、装置。
【請求項7】
マルチステーション堆積装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内の第1の処理ステーションであって、第1のシャワーヘッドと、前記第1のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第1の台座とを含み、第1の基板を保持するように構成された第1の処理ステーションと、
前記処理チャンバ内の第2の処理ステーションであって、第2のシャワーヘッドと、前記第2のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第2の台座とを含み、第2の基板を保持するように構成された第2の処理ステーションと、
前記第1の処理ステーションおよび前記第2の処理ステーションで基板の上に材料を堆積させるように前記マルチステーション堆積装置を制御するためのコントローラであって、
前記第1の基板上の第1の材料層に関連付けられた性質の値が前記第2の基板上の第2の材料層に関連付けられた前記性質の値と第1の量だけ異なるとの決定に基づいて、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように前記第1の台座を動かし、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように前記第2の台座を動かし、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから前記第1の距離だけ分離されている間に前記第1の処理ステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に第1の材料層を堆積させるのと同時に、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第2の距離だけ分離されている間に前記第2の処理ステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に第2の材料層を堆積させるための制御論理を含むコントローラと、を備え、
前記第1のプラズマおよび前記第2のプラズマの前記同時発生後、前記第1の基板上の前記第1の材料層に関連付けられた前記性質の前記値、および、前記第2の基板上の前記第2の材料層に関連付けられた前記性質の前記値は、前記第1の量よりも小さい第2の量だけ異なる、マルチステーション堆積装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記第1の距離は、前記第2の距離と同じである、装置。
【請求項9】
請求項7に記載の装置であって、
前記第1の距離は、前記第2の距離と異なる、装置。
【請求項10】
請求項7に記載の装置であって、
前記第1の材料層に関連付けられた前記性質は、前記第1の材料層の第1の厚さを含み、前記第2の材料層に関連付けられた前記性質は、前記第2の材料層の第2の厚さを含む、装置。
【請求項11】
マルチステーション堆積装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内の第1の処理ステーションであって、第1のシャワーヘッドと、前記第1のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第1の台座とを含む第1の処理ステーションと、
前記処理チャンバ内の第2の処理ステーションであって、第2のシャワーヘッドと、前記第2のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第2の台座とを含む第2の処理ステーションと、
コントローラであって、堆積処理の第1の部分の間、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に前記第1の処理ステーションで第1のプラズマを発生させ、前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に前記第2の処理ステーションで第2のプラズマを発生させ、
前記第1のプラズマに基づいて前記第1の台座上の第1の基板の上に第1の材料層を堆積させ、前記第2のプラズマに基づいて前記第2の台座上の第2の基板の上に第2の材料層を堆積させる
ように構成されたコントローラと、
を備える、マルチステーション堆積装置。
【請求項12】
請求項11に記載のマルチステーション堆積装置であって、さらに、
前記処理チャンバ内の第3の処理ステーションであって、第3のシャワーヘッドと、前記第3のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第3の台座とを含む第3の処理ステーションを備え、前記第3の台座は、前記第3のシャワーヘッドから前記第1の距離と同じ第3の距離だけ分離されている、マルチステーション堆積装置。
【請求項13】
請求項12に記載のマルチステーション堆積装置であって、さらに、
前記処理チャンバ内の第4の処理ステーションであって、第4のシャワーヘッドと、前記第4のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第4の台座とを含む第4の処理ステーションを備え、前記第4の台座は、前記第4のシャワーヘッドから、前記第1の距離、前記第2の距離、および前記第3の距離と異なる第4の距離だけ分離されている、マルチステーション堆積装置。
【請求項14】
請求項12に記載のマルチステーション堆積装置であって、さらに、
前記処理チャンバ内の第4の処理ステーションであって、第4のシャワーヘッドと、前記第4のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第4の台座とを含む第4の処理ステーションを備え、前記第4の台座は、前記第4のシャワーヘッドから、前記第1の距離または前記第2の距離と同じ第4の距離だけ分離されている、マルチステーション堆積装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載のマルチステーション堆積装置であって、
前記コントローラは、さらに、第2の堆積処理の間、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間、および、前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に、前記第1の処理ステーションで第3のプラズマを発生させ、
前記第3のプラズマに基づいて前記第1の基板の上に第3の材料層を堆積させ、第4のプラズマに基づいて前記第2の基板の上に第4の材料層を堆積させるように構成され、
前記第1の基板上の前記第1の材料層および前記第3の材料層に関連付けられた性質の値、および、前記第2の基板上の前記第2の材料層および前記第4の材料層に関連付けられた前記性質の値は、前記第2の堆積処理前の、前記第1の材料層に関連付けられた前記性質の前記値と前記第2の材料層に関連付けられた前記性質の前記値との差よりも小さい量だけ異なる、マルチステーション堆積装置。
【請求項16】
請求項11に記載のマルチステーション堆積装置であって、さらに、
前記処理チャンバ内の第3の処理ステーションであって、第3のシャワーヘッドと、前記第3のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第3の台座とを含む第3の処理ステーションを備え、前記第3の台座は、前記第3のシャワーヘッドから、前記第1の距離および前記第2の距離と異なる第3の距離だけ分離されている、マルチステーション堆積装置。
【請求項17】
請求項16に記載のマルチステーション堆積装置であって、さらに、
前記処理チャンバ内の第4の処理ステーションであって、第4のシャワーヘッドと、前記第4のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第4の台座とを含む第4の処理ステーションを備え、前記第4の台座は、前記第4のシャワーヘッドから、前記第1の距離、前記第2の距離、および前記第3の距離と異なる第4の距離だけ分離されている、マルチステーション堆積装置。
【請求項18】
請求項16に記載のマルチステーション堆積装置であって、さらに、
前記処理チャンバ内の第4の処理ステーションであって、第4のシャワーヘッドと、前記第4のシャワーヘッドに対して垂直に動くように構成された第4の台座とを含む第4の処理ステーションを備え、前記第4の台座は、前記第4のシャワーヘッドから、前記第1の距離、前記第2の距離、または前記第3の距離と同じ第4の距離だけ分離されている、マルチステーション堆積装置。
【請求項19】
請求項17または18に記載のマルチステーション堆積装置であって、
前記コントローラは、さらに、第2の堆積処理の間、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間、および、前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に、前記第1の処理ステーションで第3のプラズマを発生させ、
前記第3のプラズマに基づいて前記第1の基板の上に第3の材料層を堆積させ、第4のプラズマに基づいて前記第2の基板の上に第4の材料層を堆積させるように構成され、
前記第1の基板上の前記第1の材料層および前記第3の材料層に関連付けられた性質の値、および、前記第2の基板上の前記第2の材料層および前記第4の材料層に関連付けられた前記性質の値は、前記第2の堆積処理前の、前記第1の材料層に関連付けられた前記性質の前記値と前記第2の材料層に関連付けられた前記性質の前記値との差よりも小さい量だけ異なる、マルチステーション堆積装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
いくつかのそのような実施形態では、第1の基板上の材料の第1の層は、第1の値の性質を有してよく、第2の基板上の材料の第2の層は、第2の値の性質を有してよく、第1の基板上の材料の第3の層は、第1の値と異なる第3の値の性質を有してよく、第2の基板上の材料の第4の層は、第2の値と異なる第4の値の性質を有してよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
システムコントローラ238は、プロセッサ244上で機械可読システム制御命令250を実行してよく、システム制御命令250は、いくつかの実装形態では、大容量記憶装置246から記憶素子244の中にロードされる。システム制御命令250は、タイミング、ガス反応物および液体反応物の混合、チャンバおよび/またはステーションの圧力、チャンバおよび/またはステーションの温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、RF曝露時間、ならびに基板、基板台座、チャック、および/またはサセプタ位置をクランプするためのDC電力および継続時間、各ステーションでのプラズマ形成、ガス反応物および液体反応物の流れ、台座の垂直高さ、ならびに処理ツール200が遂行する特定の処理の他のパラメータを制御するための命令を含んでよい。これらの処理は、基板の上に膜を堆積させることに関係する処理を含むがそれに限定されないさまざまなタイプの処理を含んでよい。システム制御命令250は、任意の適切な方法で構成されてよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
いくつかの実装形態では、システム制御ソフトウェア258は、上記で記述するさまざまなパラメータを制御するための入力/出力制御(IOC)命令を含んでよい。たとえば、1つまたは複数の堆積処理の各ステップは、システムコントローラ238が実行するための1つまたは複数の命令を含んでよい。たとえば一次膜堆積処理のための処理条件を設定するための命令は、対応する堆積レシピに含まれてよく、同様にキャッピング膜堆積のための処理条件を設定するための命令は、対応する堆積レシピに含まれてよい。いくつかの実装形態では、処理レシピは連続的に配列され、その結果、処理用のすべての命令は、その処理で同時発生的に実行される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
いくつかの実装形態では、システムコントローラ238に関連する大容量記憶装置246および/または記憶素子244に記憶された他のコンピュータ可読命令および/またはプログラムを採用してよい。プログラムまたはプログラムのセクションの例は、基板位置決めプログラム、処理ガス制御プログラム、圧力制御プロフラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムを含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
いくつかの実装形態では、システムコントローラ238に関連するユーザインタフェースが存在してよい。ユーザインタフェースは、表示画面、装置および/または処理条件のグラフィカルソフトウェア表示、ならびにポインティング機器、キーボード、タッチ画面、マイクロホンなどのようなユーザ入力機器を含んでよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
いくつかの実装形態では、システムコントローラ238が調節するパラメータは、処理条件に関係がある。限定しない例は、処理ガスの組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベル、周波数、曝露時間など)などを含む。追加で、コントローラは、処理ステーション内の条件を独立して制御するように構成されてよく、たとえば、コントローラは、すべてのステーションではなく一部のステーションでプラズマを点火する命令を提供する。これらのパラメータは、ユーザインタフェースを利用して入力されてよいレシピの形でユーザに提供されてよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
処理を監視するための信号は、システムコントローラ238のアナログおよび/またはデジタルの入力接続によりさまざまな処理ツールセンサから提供されてよい。処理を制御するための信号を処理ツール200のアナログおよび/またはデジタルの出力接続に出力してよい。監視されてよい処理ツールセンサの限定しない例は、質量流コントローラ(mass flow controller、MFC)、圧力センサ(圧力計など)、熱電対、荷重センサ、OESセンサ、波の物理特性を本来の場所で(in-situ)測定するための度量衡設備などを含む。これらのセンサから得られるデータと共に、適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムを使用して、処理条件を維持してよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0131】
技法のその他の例のすべては、全堆積処理の一方の部分で各同時プラズマ発生および堆積ブロックを特定数の堆積サイクルの間遂行するように同様に遂行されてよい。別の例では、
図11の技法の第6の例では、全堆積処理は2つの部分を有してよく、第1の部分はNサイクルを有し、第2の部分はZサイクルを有する。
図14は、
図11の技法の同じ第6の例を示す、技法の別の例を描く。この場合、ブロック1105に対応するブロック1405は、ブロック
1405をN回遂行するように第1の部分のNサイクルの各々で遂行され、次いでブロック
1407は、ブロック
1407をZ回遂行するように第2の部分のZサイクルの各々で遂行される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0158】
実装形態10:マルチステーション堆積装置であって、装置は、処理チャンバと、第1のシャワーヘッド、および第1のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第1の台座を含む、処理チャンバ内の第1の処理ステーションと、第2のシャワーヘッド、および第2のシャワーヘッドに関して垂直に動くように構成された第2の台座を含む、処理チャンバ内の第2の処理ステーションと、マルチステーション堆積装置を制御して、第1のステーションおよび第2のステーションで基板の上に材料を堆積させるためのコントローラとを備え、コントローラは、第1の台座に第1の基板を提供し、第2の台座に第2の基板を提供し、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第1の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第2の層を堆積させ、第1のプラズマおよび第2のプラズマを同時に発生させた後、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第1の台座を動かし、第1のプラズマおよび第2のプラズマを同時に堆積させた後、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されるように第2の台座を動かし、同時に、第1の台座が第1のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されている間に第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第1の基板の上に材料の第3の層を堆積させ、第2の台座が第2のシャワーヘッドから第2の距離だけ分離されている間に第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより第2の基板の上に材料の第4の層を堆積させるための制御論理を備えるマルチステーション堆積装置。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0176
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0176】
本開示の内容が明確にそうではないと要求しない限り、本明細書および特許請求の範囲の全体を通して「comprise(備える)」、「comprising(備える)」などの用語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に包括的意味で、すなわち「含むが限定しない」の意味で解釈されるべきである。単数または複数を使用する単語はまた、一般にそれぞれ複数または単数を含む。追加で、「本明細書で」、「本明細書の下で」、「上記の」、「以下の」という単語および類似の意味の単語は、全体として本出願を指し、本出願の任意の特定の層を指すものではない。2つ以上の品目からなるリストを参照して単語「or(または)」を使用するとき、その単語は、単語についての以下の解釈、すなわち、リスト内の品目のいずれも、リスト内の品目のすべて、およびリスト内の品目の任意の組合せのうちすべてに及ぶ。用語「implementation(実装形態)」は、本明細書で記述する技法および方法の実装形態だけではなく、構造を具体化し、ならびに/または本明細書で記述する技法および/もしくは方法を組み入れる物理的対象物も指す。本明細書では、用語「実質的に」は、特に断りのない限り参照値の5%の範囲内を意味する。たとえば、実質的に垂直は、±5%の範囲内で平行であることを意味する。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法であって、
前記第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、
前記第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、
堆積処理の第1の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第1の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のステーションの第2のシャワーヘッドから前記第1の距離と異なる第2の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第2の層を堆積させる
ステップと
を備える方法。
適用例2:
適用例1の方法であって、前記堆積処理の第2の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから前記第1の距離と異なる第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第2の距離と異なる第4の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させる
ステップをさらに備える方法。
適用例3:
適用例2の方法であって、前記第1の距離と前記第3の距離の差は、前記第2の距離と前記第4の距離の差と実質的同じである方法。
適用例4:
適用例1の方法であって、前記堆積処理の第2の層のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させる
ステップをさらに備える方法。
適用例5:
適用例1の方法であって、
前記第1の部分は、Nの堆積サイクルを含み、
前記Nの堆積サイクルの各々は、
同時に、前記第1の台座が前記第1の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで前記第1のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の前記第1の層を堆積させ、前記第2の台座が前記第2の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで前記第2のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の前記第2の層を堆積させるステップと、
前記第1のプラズマおよび前記第2のプラズマを点火し、消滅させるステップと
を含む方法。
適用例6:
適用例5の方法であって、
前記第1の部分の後の、Xの堆積サイクルを含む前記堆積処理の第2の部分のために、前記Xの堆積サイクルの各々で、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させるステップであって、前記Xの堆積サイクルの各々は、前記第3のプラズマおよび前記第4のプラズマを点火させ、消滅させるステップを含む
ステップをさらに備える方法。
適用例7:
適用例5の方法であって、
前記第1の部分の前の、Yの堆積サイクルを含む前記堆積処理の第2の部分のために、前記Yの堆積サイクルの各々で、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させるステップであって、前記Yの堆積サイクルの各々は、前記第3のプラズマおよび前記第4のプラズマを点火し、消滅させるステップを含む
ステップをさらに備える方法。
適用例8:
適用例5の方法であって、
前記第1の距離と第3の距離の間で前記第1の台座を調節するステップと、
前記第2の距離と第4の距離の間で前記第2の台座を調節するステップと、
Zの堆積サイクルを含む前記堆積処理の第2の部分のために、前記Zの堆積サイクルの各々で、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから前記第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させるステップであって、前記Zの堆積サイクルの各々は、前記第3のプラズマおよび前記第4のプラズマを点火し、消滅させるステップを含む
ステップをさらに備える方法。
適用例9:
適用例5の方法であって、前記第1のステーションおよび前記第2のステーションでの各前記Nの堆積サイクルは、
(i)膜前駆物質を、前記前駆物質が前記基板上で吸着制限層を形成するように、そのステーションで前記基板の上に吸着させるステップと、
(ii)吸着された前記前駆物質を取り囲む体積から少なくとも一部の吸着されなかった前記膜前駆物質を除去するステップと、
(iii)前記(ii)での前記吸着されなかった前駆物質を除去した後、そのステーションでプラズマを発生させることにより前記吸着された膜前駆物質を反応させて、そのステーションで前記基板上に前記材料の層を形成するステップと、
(iv)前記吸着された前駆物質を反応させた後に存在する場合に、脱着した前記膜前駆物質および/または反応副産物を、膜層を取り囲む前記体積から除去するステップと
を備える方法。
適用例10:
適用例9の方法であって、
前記第1の距離から第3の距離に前記第1の台座を調節するステップと、
前記第2の距離から第4の距離に前記第2の台座を調節するステップと
をさらに備え、
各前記サイクルの前記(iii)のために、前記第1の台座は前記第1の距離にあり、前記第2の台座は前記第2の距離にあり、
各前記サイクルの前記(i)、前記(ii)、または前記(iv)のうち1つまたは複数のために、前記第1の台座は前記第3の距離にあり、前記第2の台座は前記第4の距離にある方法。
適用例11:
適用例1の方法であって、前記マルチステーション堆積装置の中の第3のステーションの第3の台座の上に第3の基板を提供するステップをさらに備え、
前記堆積処理の前記第1の部分は、同時に、前記第3の台座が前記第3のステーションの第3のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に第3のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより第3の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させるステップをさらに備え、
前記第3の距離は、前記第1の距離および前記第2の距離と異なる方法。
適用例12:
適用例11の方法であって、
前記堆積処理の第2の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第4の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第5のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第5の層を堆積させ、
前記第4のプラズマおよび前記第5のプラズマを同時に発生させている間に、かつ前記第3の台座が前記第3のシャワーヘッドから前記第4の距離だけ分離されている間に、前記第3のステーションで第6のプラズマを発生させ、それにより前記第3の基板の上に前記材料の第6の層を堆積させる
ステップ
をさらに備える方法。
適用例13:
適用例1の方法であって、
前記第1のプラズマは、第1の値のプラズマ特性を有し、
前記第2のプラズマは、前記第1の値と異なる第2の値の前記プラズマ特性を有する方法。
適用例14:
適用例13の方法であって、前記プラズマ特性はプラズマ電力を備える方法。
適用例15:
適用例1の方法であって、
前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層は、第1の値の性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、前記第1の値と実質的に同じ第2の値の前記性質を有する方法。
適用例16:
適用例1の方法であって、
前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層は、第1の値の性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、前記第1の値と異なる第2の値の前記性質を有する方法。
適用例17:
適用例15の方法であって、前記性質は、ウェットエッチング速度、ドライエッチング速度、組成、厚さ、密度、架橋の量、化学的性質、反応完了、応力、屈折率、誘電率、硬度、エッチング選択性、安定性、および密封性からなるグループから選択される方法。
適用例18:
適用例1の方法であって、
前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層は、第1の値の性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、前記第1の値の前記性質を有する方法。
適用例19:
適用例1の方法であって、
前記第1の基板および前記第2の基板を提供する前に、前記第1の台座の上に第3の基板を提供するステップと、
前記第1の基板および前記第2の基板を提供する前に、前記第2の台座の上に第4の基板を提供するステップと、
第2の堆積処理のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のシャワーヘッドから第3の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第3の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のシャワーヘッドから前記第1の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第4の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させるステップであって、前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層の性質と前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層の前記性質の間の第1の非均一性は、前記第3の基板上の前記材料の前記第3の層の前記性質と前記第4の基板上の前記材料の前記第4の層の前記性質の間の第2の非均一性よりも小さい
ステップと
をさらに備える方法。
適用例20:
適用例1の方法であって、
前記第1の台座は、前記堆積処理の前記第1の部分の間、前記第1の基板にチャッキング力を加え、
前記第2の台座は、前記堆積処理の前記第1の部分の間、前記第2の基板にチャッキング力を加える方法。
適用例21:
第1のステーションおよび第2のステーションを有するマルチステーション堆積装置で基板の上に材料を堆積させる方法であって、
前記第1のステーションの第1の台座の上に第1の基板を提供するステップと、
前記第2のステーションの第2の台座の上に第2の基板を提供するステップと、
堆積処理の第1の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第1のステーションの第1のシャワーヘッドから第1の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第1のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第1の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2のステーションの第2のシャワーヘッドから前記第1の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第2のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第2の層を堆積させるステップと、
前記第1の部分の後、前記第1の台座を第2の距離に、かつ前記第2の台座を前記第2の距離に調節するステップと、
前記堆積処理の第2の部分のために、同時に、
前記第1の台座が前記第2の距離だけ分離されている間に前記第1のステーションで第3のプラズマを発生させ、それにより前記第1の基板の上に前記材料の第3の層を堆積させ、
前記第2の台座が前記第2の距離だけ分離されている間に前記第2のステーションで第4のプラズマを発生させ、それにより前記第2の基板の上に前記材料の第4の層を堆積させる
ステップと
を備える方法。
適用例22:
適用例21の方法であって、
前記第1の基板上の前記材料の前記第1の層は、第1の値の性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、第2の値の前記性質を有し、
前記第1の基板上の前記材料の前記第3の層は、前記第1の値と異なる第3の値の前記性質を有し、
前記第2の基板上の前記材料の前記第2の層は、前記第2の値と異なる第4の値の前記性質を有する方法。
適用例23:
適用例21の方法であって、前記第1の距離は、前記第2の距離よりも長い方法。
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】