(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025111599
(43)【公開日】2025-07-30
(54)【発明の名称】金属含有フォトレジストのためのオールインワン乾式現像
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20250723BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20250723BHJP
【FI】
H01L21/30 569H
H01L21/302 105A
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025070054
(22)【出願日】2025-04-22
(62)【分割の表示】P 2024559373の分割
【原出願日】2024-07-26
(31)【優先権主張番号】63/516,040
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー・ダ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ジ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リー・ヤンヒー
(72)【発明者】
【氏名】チャオ・ホンシアン
(72)【発明者】
【氏名】チュー・イシ
(72)【発明者】
【氏名】タン・サマンサ・エス.エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ズー・メンナン
(72)【発明者】
【氏名】サン・ジウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シュー・ジュン
(57)【要約】
【解決手段】処理条件管理が、乾式現像および現像後処理を単一の処理チャンバに統合することを容易にし、半導体製造中に別個のチャンバ内での乾式現像後ベーク工程の必要性を排除する。熱乾式現像およびプラズマ乾式現像が、同じチャンバ内で実行されてよい。熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化(O
2フラッシュ処理)の動作、もしくは、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、不動態化、および、硬化の動作が、ウエハ移送なしに可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属含有フォトレジストの乾式現像および不動態化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための方法であって、
処理チャンバ内において、半導体基板上にパターニング済み金属含有フォトレジストを提供し、
熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストを形成するために、前記パターニング済み金属含有フォトレジストを第1圧力の処理ガスで熱乾式現像し、
パターニングされた基板を形成するために、前記パターニング済み金属含有フォトレジストの前記熱乾式現像と同じ処理チャンバ内で、前記第1圧力と異なるまたは同じ第2圧力で、前記熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストを不動態化すること、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第2圧力は、前記第1圧力よりも低い、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記不動態化することは、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマに暴露させることを備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記不動態化することは、O2、O3、CO、CO2、H2、CxHy、H2O、H2O2、SO2、NO、NO2、N2O、NH3、または、これらの組み合わせを用いたフラッシュ処理であり、xは、1から6までの整数であり、yは、2から14までの整数である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記フラッシュ処理は、約0.5から約10秒までの持続時間にわたって行われる、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、半導体基板のスループットが少なくとも約50%高められる、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記金属含有フォトレジストは、フォトパターニングされたEUV感光性有機金属酸化物、フォトパターニングされたEUV感光性金属酸化物、または、薄膜EUVレジストを含んだ有機金属を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記フォトパターニングされたEUV感光性金属酸化物は、酸化スズを含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記酸化スズからのスズガス放出が緩和される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記熱乾式現像することは、ハロゲン含有ガスを用いた処理を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストをプラズマ乾式現像することを備え、前記熱乾式現像すること、前記プラズマ乾式現像すること、および、前記不動態化することはすべて、同じ処理チャンバ内で実行される、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記熱乾式現像することおよび前記プラズマ乾式現像することは、交互に繰り返される、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記プラズマ乾式現像することは、循環的な乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像である、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記プラズマ乾式現像することは、連続プラズマ乾式現像であり、前記連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、前記プラズマ乾式現像することは、不活性搬送ガス中の少なくとも1つのハロゲン含有ガスのプラズマを用いた処理を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記ハロゲン含有ガスは、HBr、Br2、HCl、Cl2、HI、I2、または、BCl3を含む、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、前記第1圧力は、約5mTorr~760Torrであり、前記第2圧力は、約5mTorr~200mTorrである、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、前記第2圧力は、前記第1圧力と同じである、方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であって、さらに、前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第1圧力から前記第2圧力へ10秒以内に移行させ、
プラズマ乾式現像および不動態化の後に前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第2圧力から前記第1圧力へ20秒以内に戻し、
1または複数の処理パラメータを均一に維持すること、
を備える、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記熱乾式現像することに用いた処理チャンバと同じ処理チャンバ内で、不動態化の後に前記金属含有フォトレジストを硬化させることを備える、方法。
【請求項21】
請求項11に記載の方法であって、さらに、前記熱乾式現像すること、プラズマ乾式現像すること、および、不動態化することに用いたのと同じ処理チャンバ内で、不動態化の後に前記金属含有フォトレジストを硬化させることを備える、方法。
【請求項22】
請求項20または21に記載の方法であって、前記硬化することは、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせによって実行される、方法。
【請求項23】
金属含有フォトレジストの乾式現像および不動態化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置であって、
1または複数の処理チャンバと、
1または複数の圧力調整装置と、
前記圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、
プラズマ処理システムと、
前記処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、前記メモリは、前記処理チャンバの内の1つで熱乾式現像を実行し、前記熱乾式現像と同じ処理チャンバで不動態化を実行するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置であって、前記熱乾式現像は、第1圧力で実行され、前記不動態化は、前記第1圧力以下の第2圧力で実行される、装置。
【請求項25】
請求項23に記載の装置であって、さらに、フォトレジスト厚センサモジュールを備える、装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置であって、前記フォトレジスト厚センサモジュールは、スペクトル反射率計である、装置。
【請求項27】
請求項23に記載の装置であって、さらに、プラズマ乾式現像を実行するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備え、前記プラズマ乾式現像および前記不動態化はすべて、前記同じ処理チャンバ内で実行される、装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置であって、前記プラズマ乾式現像は、循環的な乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像である、装置。
【請求項29】
請求項28に記載の装置であって、前記プラズマ乾式現像は、連続プラズマ乾式現像であり、前記連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される、装置。
【請求項30】
請求項23に記載の装置であって、前記不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマを用いた処理である、装置。
【請求項31】
請求項23に記載の装置であって、前記不動態化は、O2、O3、CO、CO2、H2、CxHy、H2O、H2O2、SO2、NO、NO2、N2O、NH3、または、これらの組み合わせを用いたフラッシュ処理であり、xは、1から6までの整数であり、yは、2から14までの整数である、装置。
【請求項32】
請求項24に記載の装置であって、前記第2圧力は、前記第1圧力よりも低い、装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置であって、さらに、
前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第1圧力から前記第2圧力へ10秒以内に移行させ、
プラズマ乾式現像および不動態化の後に前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第2圧力から前記第1圧力へ20秒以内に戻し、
1または複数の処理パラメータを均一に維持するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備える、装置。
【請求項34】
金属含有フォトレジストの乾式現像、不動態化、および、硬化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置であって、
1または複数の処理チャンバと、
1または複数の圧力調整装置と、
前記圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、
前記処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、
プラズマ処理システムと、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、前記メモリは、前記処理チャンバの内の1つで乾式現像を実行し、前記乾式現像と同じ処理チャンバで不動態化および硬化を実行するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項35】
請求項34に記載の装置であって、前記乾式現像は、熱乾式現像およびプラズマ乾式現像を含む、装置。
【請求項36】
請求項34に記載の装置であって、前記乾式現像は、第1圧力で実行され、前記不動態化および前記硬化は、第2圧力で実行される、装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置であって、前記第2圧力は、前記第1圧力以下である、装置。
【請求項38】
請求項34に記載の装置であって、さらに、フォトレジスト厚センサモジュールを備える、装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置であって、前記フォトレジスト厚センサモジュールは、スペクトル反射率計である、装置。
【請求項40】
請求項34に記載の装置であって、前記硬化は、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせによって実行される、装置。
【請求項41】
請求項34に記載の装置であって、前記不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマを用いた処理である、装置。
【請求項42】
請求項34に記載の装置であって、前記不動態化は、O2、O3、CO、CO2、H2、CxHy、H2O、H2O2、SO2、NO、NO2、N2O、NH3、または、これらの組み合わせを用いたフラッシュ処理であり、xは、1から6までの整数であり、yは、2から14までの整数である、装置。
【請求項43】
請求項35に記載の装置であって、前記プラズマ乾式現像は、循環的な乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像である、装置。
【請求項44】
請求項43に記載の装置であって、前記プラズマ乾式現像は、連続プラズマ乾式現像であり、前記連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される、装置。
【請求項45】
請求項34に記載の装置であって、さらに、UV露光モジュールを備える、装置。
【請求項46】
請求項36に記載の装置であって、前記第2圧力は、前記第1圧力よりも低い、装置。
【請求項47】
請求項46に記載の装置であって、さらに、
前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第1圧力から前記第2圧力へ10秒以内に移行させ、
プラズマ乾式現像および不動態化の後に前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第2圧力から前記第1圧力へ20秒以内に戻し、
1または複数の処理パラメータを均一に維持するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備える、装置。
【請求項48】
熱乾式現像およびプラズマ乾式現像をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための方法であって、
処理チャンバ内において、半導体基板上に金属含有フォトレジストを提供し、
前記処理チャンバ内で前記金属含有フォトレジストを熱乾式現像し、
前記処理チャンバ内で前記金属含有フォトレジストをプラズマ乾式現像すること、
を備える、方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法であって、前記熱乾式現像することは、第1処理ガスへの暴露を含み、前記プラズマ乾式現像することは、前記第1処理ガスとは異なる第2処理ガスのプラズマへの暴露を含む、方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法であって、前記第1処理ガスは、ハロゲン含有ガスを含み、前記第2処理ガスは、不活性ガス、ハロゲン含有ガス、または、それらの組み合わせを含む、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、前記第1処理ガスは、ハロゲン化水素を含む、方法。
【請求項52】
請求項48に記載の方法であって、前記熱乾式現像することは、第1圧力で実行され、前記プラズマ乾式現像することは、前記第1圧力とは異なる第2圧力で実行される、方法。
【請求項53】
請求項48に記載の方法であって、前記熱乾式現像することおよび前記プラズマ乾式現像することは、前記処理チャンバ内で約-20℃~約50℃の温度で実行される、方法。
【請求項54】
請求項48に記載の方法であって、前記熱乾式現像することおよび前記プラズマ乾式現像することは、交互に繰り返される、方法。
【請求項55】
請求項48に記載の方法であって、さらに、前記処理チャンバ内で乾式現像後処理を実行することを備える、方法。
【請求項56】
請求項55に記載の方法であって、前記乾式現像後処理は、前記処理チャンバ内で前記金属含有フォトレジストを不動態化することを含む、方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、前記不動態化することは、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマへの暴露を含む、方法。
【請求項58】
請求項55に記載の方法であって、前記乾式現像後処理は、前記処理チャンバ内で前記金属含有フォトレジストを硬化させることを含む、方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法であって、前記硬化することは、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせを含む、方法。
【請求項60】
金属含有フォトレジストの熱乾式現像およびプラズマ乾式現像をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置であって、
1または複数の処理チャンバと、
1または複数の圧力調整装置と、
前記圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、
プラズマ処理システムと、
前記処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、前記メモリは、前記処理チャンバの内の1つで熱乾式現像を実行し、前記熱乾式現像と同じ処理チャンバでプラズマ乾式現像を実行するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
PCTリクエストフォームが、本願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されるPCTリクエストフォームで特定されるように本願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によって本明細書にそれらの全体が全ての目的で組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
集積回路などの半導体デバイスの製造は、フォトリソグラフィを含むマルチステップ処理である。一般に、その処理は、半導体デバイスの構造的フィーチャ(例えば、トランジスタおよび回路)を形成するために、ウエハ上に材料を蒸着し、リソグラフィ技術で材料をパターニングすることを含む。典型的なフォトリソグラフィ処理の工程は、基板を準備する工程、スピンコーティングなどによってフォトレジストを塗布する工程、所望のパターンでフォトレジストを露光させて、フォトレジストの露光領域の現像液への溶解可能性を増大または減少させる工程、フォトレジストの露光領域または非露光領域のいずれかを除去するために現像液を塗布することによってフォトレジストパターンを現像する工程、ならびに、エッチングまたは材料の蒸着などによって、フォトレジストが除去された基板の領域上にフィーチャを形成するための後続の処理を行うする工程を含む。
【0003】
半導体設計の進化は、必要性を生み出し、半導体基板材料上へさらに小さいフィーチャを形成する能力によって駆動されてきた。かかる小さいフィーチャを有するデバイスを製造する際の1つの課題は、十分な解像度を有するフォトリソグラフィマスクを信頼性高く再現可能に生成する能力である。現在のフォトリソグラフィ処理は、典型的には、フォトレジストを露光するために193nm紫外線(UV)光を利用する。半導体基板上に形成されるフィーチャの所望のサイズよりも大幅に長い波長を光が有するということにより、固有の問題が生じる。光の波長よりも小さいフィーチャサイズを達成するには、複雑な解像度向上技術(マルチパターニングなど)の利用が必要である。したがって、10nm~15nm(例えば、13.5nm)の波長を有する短波長光(極紫外線放射(EUV)など)を利用するフォトリソグラフィ技術への大きな関心があり、その開発に向けた研究がなされている。
【0004】
しかしながら、EUVフォトリソグラフィ処理は、低出力、パターニング中の光の損失、および、金属ガス放出に起因する金属クロスコンタミネーションなどの課題を提示しうる。したがって、所望の特性を有する材料をより効率的に生み出す改良EUVフォトレジスト処理が未だ求められている。
【0005】
本明細書で提供されている背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示するためのものである。ここに名を挙げられている発明者の業績は、この背景技術に記載された範囲において、出願時に従来技術として通常見なされえない記載の態様と共に、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術として認められない。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、同じ処理チャンバへの乾式現像処理の統合のための方法および装置に関する。いくつかの実施形態において、本開示は、同じ処理チャンバへの乾式現像および乾式現像後処理の統合のための方法および装置に関する。金属含有フォトレジストの表面を処理するこの統合は、スループットを改善し、ウエハのハンドリングを減らして、より高いウエハ生産性およびより良好なリソグラフィ制御によって半導体製造の効率を向上させる。また、統合処理は、デバイスの歩留まり/欠陥性能を改善する。乾式現像後処理は、プラズマで不動態化することを含む。追加的または代替的に、乾式現像後処理は、硬化することを含んでもよい。フラッシュ処理でプラズマによって不動態化しおよび/または硬化する乾式現像後処理は、乾式現像と併せてすべて単一の処理チャンバで実行されてよく、別のチャンバまたはツールで実行する必要のあった乾式現像後ベークに必要性を排除する。また、統合された方法は、表面平滑化を達成し、不動態化によって汚染物質のガス放出を緩和する。
【0007】
したがって、第1態様において、本開示は、金属含有フォトレジストの乾式現像および不動態化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための方法を含む。いくつかの実施形態において、方法は、処理チャンバ内において、半導体基板上にパターニング済み金属含有フォトレジストを提供し、パターニング済み金属含有フォトレジストを第1圧力の処理ガスで熱乾式現像して、熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストを形成し、熱乾式現像と同じ処理チャンバ内で、第1圧力と異なるまたは同じ第2圧力で、熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストを不動態化して、パターニングされた基板を形成すること、を備える。いくつかの実施形態において、第1圧力は、第2圧力よりも低い。
【0008】
いくつかの実施形態において、不動態化することは、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマへの暴露を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、不動態化することは、O2、O3、CO、CO2、H2、CxHy、H2O、H2O2、SO2、NO、NO2、N2O、NH3、または、これらの混合物を用いたフラッシュ処理であり、xは、1から6までの整数、yは、2から14までの整数である。
【0010】
いくつかの実施形態において、フラッシュ処理は、約0.5から約10秒までの持続時間にわたって行われる。
【0011】
いくつかの実施形態において、半導体基板のスループットが少なくとも約50%高められる。
【0012】
いくつかの実施形態において、金属含有フォトレジストは、フォトパターニングされたEUV感光性有機金属酸化物、フォトパターニングされたEUV感光性金属酸化物、または、薄膜EUVレジストを含んだ有機金属である。
【0013】
いくつかの実施形態において、フォトパターニングされたEUV感光性金属酸化物は、酸化スズである。
【0014】
いくつかの実施形態において、酸化スズからのスズガス放出が緩和される。
【0015】
いくつかの実施形態において、熱乾式現像することは、ハロゲン含有ガスへの暴露を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストをプラズマ乾式現像することを備え、熱乾式現像すること、プラズマ乾式現像すること、および、不動態化することはすべて、同じ処理チャンバ内で実行される。
【0017】
いくつかの実施形態において、熱乾式現像することおよびプラズマ乾式現像することは、交互に繰り返される。
【0018】
いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像することは、循環的なプラズマ乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像することは、連続プラズマ乾式現像を含み、連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される。
【0020】
いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像することは、不活性搬送ガス中の少なくとも1つのハロゲン含有ガスのプラズマへの暴露を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、ハロゲン含有ガスは、HBr、Br2、HCl、Cl2、HI、I2、または、BCl3である。
【0022】
いくつかの実施形態において、第1圧力は、約5mTorr~760Torrであり、第2圧力は、約5mTorr~200mTorrである。
【0023】
いくつかの実施形態において、第1圧力は、第2圧力よりも低い。
【0024】
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、同じ処理チャンバ内の圧力を第1圧力から第2圧力へ10秒以内に移行させること、プラズマ乾式現像および不動態化の後に同じ処理チャンバ内の圧力を第2圧力から第1圧力へ20秒以内に戻すことと、1または複数の処理パラメータを均一に維持することと、を備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、熱乾式現像することに用いたのと同じ処理チャンバ内で金属含有フォトレジストを硬化させることを備える。
【0026】
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、熱乾式現像すること、プラズマ乾式現像すること、および、不動態化することに用いたのと同じ処理チャンバ内で、不動態化の後に金属含有フォトレジストを硬化させる工程を備える。
【0027】
いくつかの実施形態において、硬化することは、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせによって実行される。
【0028】
第2態様において、本開示は、金属含有フォトレジストの乾式現像および不動態化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置を含む。いくつかの実施形態において、装置は、1または複数の処理チャンバと、1または複数の圧力調整装置と、1または複数の圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、プラズマ処理システムと、処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、を備え、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリは、互いに通信可能に接続され、少なくとも1つのプロセッサは、関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、メモリは、処理チャンバの内の1つで熱乾式現像を実行し、熱乾式現像と同じ処理チャンバで不動態化を実行するために、関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している。いくつかの実施形態において、熱乾式現像は、第1圧力で実行され、不動態化は、第1圧力以下の第2圧力で実行される。
【0029】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、フォトレジスト厚センサモジュールを備える。
【0030】
いくつかの実施形態において、フォトレジスト厚センモジュールは、スペクトル反射率計である。
【0031】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、プラズマ乾式現像を実行するために、関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備え、プラズマ乾式現像および不動態化はすべて、同じ処理チャンバ内で実行される。
【0032】
いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、循環的なプラズマ乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像を含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、連続プラズマ乾式現像を含み、連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される。
【0034】
いくつかの実施形態において、不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマへの暴露を含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、不動態化は、O2、O3、CO、CO2、H2、CxHy、H2O、H2O2、SO2、NO2、N2O、NH3、または、これらの組み合わせを用いたフラッシュ処理を含み、xは、1から6までの整数であり、yは、2から14までの整数である。
【0036】
いくつかの実施形態において、第1圧力は、第2圧力よりも低い。
【0037】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、同じ処理チャンバ内の圧力を第1圧力から第2圧力へ10秒以内に移行させ、プラズマ乾式現像および不動態化の後に同じ処理チャンバ内の圧力を第2圧力から第1圧力へ20秒以内に戻し、1または複数の処理パラメータを均一に維持するために、関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備える。
【0038】
第3態様において、本開示は、金属含有フォトレジストの乾式現像、不動態、および、硬化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置を含む。いくつかの実施形態において、装置は、1または複数の処理チャンバと、1または複数の圧力調整装置と、1または複数の圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、プラズマ処理システムと、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、を備え、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリは、互いに通信可能に接続され、少なくとも1つのプロセッサは、関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、メモリは、処理チャンバの内の1つで乾式現像を実行し、乾式現像と同じ処理チャンバで不動態化および硬化を実行するために、関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している。いくつかの実施形態において、乾式現像は、熱乾式現像およびプラズマ乾式現像の両方を含む。いくつかの実施形態において、乾式現像は、第1圧力で実行され、不動態化および硬化は、第2圧力で実行される。いくつかの実施形態において、第2圧力は、第1圧力以下である。
【0039】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、フォトレジスト厚センサモジュールを備える。
【0040】
いくつかの実施形態において、フォトレジスト厚センモジュールは、スペクトル反射率計である。
【0041】
いくつかの実施形態において、硬化することは、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせによって実行される。
【0042】
いくつかの実施形態において、不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマへの暴露を含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、不動態化は、O2、O3、CO、CO2、H2、CxHy、H2O、H2O2、SO2、NO、NO2、N2O、NH3、または、これらの組み合わせを用いたフラッシュ処理を含み、xは、1から6までの整数であり、yは、2から14までの整数である。
【0044】
いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、循環的なプラズマ乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像を含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、連続プラズマ乾式現像を含み、連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される。
【0046】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、UV露光モジュールを備える。
【0047】
いくつかの実施形態において、第1圧力は、第2圧力よりも低い。
【0048】
いくつかの実施形態において、装置は、さらに、同じ処理チャンバ内の圧力を第1圧力から第2圧力へ10秒以内に移行させ、プラズマ乾式現像および不動態化の後に同じ処理チャンバ内の圧力を第2圧力から第1圧力へ20秒以内に戻し、1または複数の処理パラメータを均一に維持するために、関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備える。
【0049】
第4態様において、本開示は、熱乾式現像およびプラズマ乾式現像をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための方法を含む。いくつかの実施形態において、方法は、処理チャンバ内の半導体基板上に金属含有フォトレジストを提供する工程と、処理チャンバ内で金属含有フォトレジストを熱乾式現像する工程と、処理チャンバ内で金属含有フォトレジストをプラズマ乾式現像する工程と、を備える。
【0050】
いくつかの実施形態において、熱乾式現像することは、第1処理ガスへの暴露を含み、プラズマ乾式現像することは、第1処理ガスとは異なる第2処理ガスのプラズマへの暴露を含む。いくつかの実施形態において、第1処理ガスは、ハロゲン含有ガスを含み、第2処理ガスは、不活性ガス、ハロゲン含有ガス、または、それらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、第1処理ガスは、ハロゲン化水素を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、熱乾式現像することは、第1圧力で実行され、プラズマ乾式現像することは、第1圧力とは異なる第2圧力で実行される。
【0052】
いくつかの実施形態において、熱乾式現像することおよびプラズマ乾式現像することは、処理チャンバ内で約-20℃~約50℃の温度で実行される。
【0053】
いくつかの実施形態において、熱乾式現像することおよびプラズマ乾式現像することは、交互に繰り返される。
【0054】
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、処理チャンバ内で乾式現像後処理を実行する工程を備える。いくつかの実施形態において、乾式現像後処理は、処理チャンバ内で金属含有フォトレジストを不動態化する工程を含む。不動態化することは、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマへの暴露を含んでよい。追加的または代替的に、乾式現像後処理は、処理チャンバ内で金属含有フォトレジストを硬化させる工程を含んでもよい。硬化することは、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせを含んでよい。
【0055】
第5態様において、本開示は、金属含有フォトレジストの熱乾式現像およびプラズマ乾式現像をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置を含む。いくつかの実施形態において、装置は、1または複数の処理チャンバと、1または複数の圧力調整装置と、圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、プラズマ処理システムと、処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、を備え、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリは、互いに通信可能に接続され、少なくとも1つのプロセッサは、関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、メモリは、処理チャンバの内の1つで熱乾式現像を実行し、熱乾式現像と同じ処理チャンバでプラズマ乾式現像を実行するために、関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している。
【0056】
これらの態様および他の態様について、図面を参照しつつ以下でさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】フォトレジストを蒸着、現像、および、処理するための処理を示すフローチャート。
【0058】
【
図2A】フォトレジストの現像および処理を含む様々な処理段階を示す概略断面図。
【
図2B】フォトレジストの現像および処理を含む様々な処理段階を示す概略断面図。
【
図2C】フォトレジストの現像および処理を含む様々な処理段階を示す概略断面図。
【0059】
【
図3】特定の開示されている実施形態に従って、単一の処理チャンバにおけるフォトレジストの現像を含む処理全体の方法例を示すフローチャート。
【0060】
【
図4A】特定の開示されている実施形態に従って、同じ処理チャンバ内で乾式現像および不動態化の動作を実行するための方法例を示すフローチャート。
【0061】
【
図4B】特定の開示されている実施形態に従って、同じ処理チャンバ内で熱乾式現像およびプラズマ乾式現像の動作を実行するための方法例を示すフローチャート。
【0062】
【
図4C】特定の開示されている実施形態に従って、同じ処理チャンバ内で乾式現像および硬化の動作を実行するための方法例を示すフローチャート。
【0063】
【
図4D】特定の開示されている実施形態に従って、同じ処理チャンバ内で熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化の動作を実行するための方法例を示すフローチャート。
【0064】
【
図4E】特定の開示されている実施形態に従って、同じ処理チャンバ内で乾式現像、不動態化、および、硬化の動作を実行するための方法例を示すフローチャート。
【0065】
【
図5A】特定の開示されている実施形態に従って、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化を含む様々な処理段階を示す概略断面図。
【
図5B】特定の開示されている実施形態に従って、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化を含む様々な処理段階を示す概略断面図。
【
図5C】特定の開示されている実施形態に従って、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化を含む様々な処理段階を示す概略断面図。
【
図5D】特定の開示されている実施形態に従って、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化を含む様々な処理段階を示す概略断面図。
【
図5E】特定の開示されている実施形態に従って、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化を含む様々な処理段階を示す概略断面図。
【0066】
【
図6】特定の開示されている実施形態に従って、フォトレジスト現像動作およびその他のフォトレジスト処理動作を実行するのに適した環境を維持するための処理ステーションの一例を示す概略図。
【0067】
【
図7】特定の開示されている実施形態に従って、フォトレジスト現像動作およびその他のフォトレジスト処理動作の実施に適したマルチステーション処理ツールの一例を示す概略図。
【0068】
【
図8】特定の開示されている実施形態に従って、本明細書に記載されている特定の実施形態および動作を実施するための誘導結合プラズマ装置の一例を示す概略断面図。
【0069】
【
図9】特定の開示されている実施形態に従って、本明細書に記載の処理の実施に適した、真空移送モジュールと連結している真空統合された蒸着モジュールおよびパターニングモジュールを備えた半導体処理クラスタツールアーキテクチャを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下の説明では、提示した実施形態の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。開示されている実施形態は、これらの具体的な詳細事項の一部またはすべてがなくとも実施可能である。また、開示した実施形態が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略した。開示した実施形態は、具体的な実施形態に関連して説明されているが、開示した実施形態を限定する意図はないことを理解されたい。
【0071】
定義
用語「流量制御ハードウェア」は、一般に、1または複数の化学物質源を処理チャンバと流体接続させるよう構成されている構成要素を意味する。流量制御ハードウェアは、例えば、1または複数のマスフローコントローラおよび/またはバルブを含みうる。化学物質源の例は、誘電体膜前駆体源、ハロゲン含有前駆体源、反応ガス源、および、不活性ガス源を含む。
【0072】
用語「混合ガスの形成」は、一般に、処理チャンバへ複数のガスを導入する前に複数のガスを混合すること、または、処理チャンバ内で複数のガスを混合すること、のいずれかまたは両方を意味する。
【0073】
用語「不活性ガス」は、一般に、基板処理中に処理チャンバ内でその他の化学物質と反応しない気相材料を意味する。不活性ガスの例は、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)、ならびに、一部の処理における窒素(N2)を含む。
【0074】
用語「プラズマ」は、一般に、陽イオン、フリーラジカル、および、自由電子を含む気体を意味する。用語「その場プラズマ」は、一般に、処理チャンバ内の処理ステーションで形成されたプラズマを意味する。用語「遠隔プラズマ」は、一般に、処理チャンバ内の処理ステーションから離れた位置で形成されたプラズマを意味する。
【0075】
用語「プラズマ発生器」は、一般に、プラズマを形成するために利用されうる構成要素の組み合わせを意味する。構成要素の例は、高周波電源、インピーダンス整合回路網、ならびに、1または複数の電極を含む。
【0076】
用語「前駆体」は、一般に、ALD処理において基板表面に吸着する化学種を意味する。前駆体は、吸着した前駆体を膜層に変換するために、反応物と反応する。
【0077】
用語「処理チャンバ」または「プロセスチャンバ」は、一般に、化学的処理および/または物理的処理が基板に対して実行される容器を意味する。処理チャンバ内の圧力、基板温度、および、雰囲気組成は、化学的処理および/または物理的処理を実行するために制御可能でありうる。
【0078】
用語「処理ツール」は、一般に、処理チャンバと、処理チャンバ内で処理が実行されることを可能にするよう構成されているハードウェアとを備えたマシンを意味する。
【0079】
用語「処理ステーション」は、一般に、処理中に基板が配置される処理チャンバ内の場所を意味する。
【0080】
用語「反応物」は、ALD処理中に、基板表面に吸着した前駆体と反応して膜層を形成する化学種を意味する。反応物と前駆体との間の反応は、様々な処理において熱エネルギおよび/またはプラズマによって促進されうる。
【0081】
本明細書で用いられている用語「半導体基板」は、その構造内のどこかに半導体材料を含む半導体デバイス製造の任意の段階の基板を指す。半導体基板内の半導体材料は、露出されている必要がないことが理解される。半導体材料を覆うその他の材料(例えば、誘電体)の複数の層を有する半導体ウエハが、半導体基板の例である。以下の詳細な説明では、開示されている実施例が、半導体ウエハ(200mm、300mm、または、450mm半導体ウエハなど)に実施されることを仮定している。ただし、開示されている実施例は、それに限定されない。ワークピースは、様々な形状、サイズ、および、材料を有してよい。半導体ウエハに加えて、開示されている実施例を利用しうるその他のワークピースは、プリント回路基板など、様々な物品を含む。
【0082】
以下に開示する実施例は、基板(ウエハ、基板、または、その他のワークピースなど)への材料の蒸着について記載している。ワークピースは、様々な形状、サイズ、および、材料を有してよい。本願では、「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」、および、「製造途中の集積回路」という用語が、交換可能に用いられている。当業者であれば、「製造途中の集積回路」という用語は、集積回路製造の多くの段階の内のいずれかの途中のシリコンウエハを指しうることがわかる。半導体デバイス産業で用いられるウエハまたは基板は、通例、200mm、または、300m、または、450mmの直径を有する。特に明記しない限り、本明細書に記載されている処理の詳細(例えば、流量、電力レベル、など)は、300mm直径の基板を処理するのに適するか、または、300mm直径の基板を処理するよう構成されたチャンバを扱うのに適するものであり、他のサイズの基板またはチャンバに適するように増減されてもよい。半導体ウエハに加えて、本明細書に開示されている実施例と共に利用できるその他のワークピースは、プリント回路基板など、様々な物品を含む。処理および装置は、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、光起電力パネルなどの製造に利用できる。
【0083】
本明細書で用いられているように、用語「フォトレジスト」およびその派生語は、パターニングされたコーティングを表面上に形成するための処理(フォトリソグラフィ、フォトエッチング、または、フォトエングレービングなど)で用いられる感光性材料を指す。フォトレジスト材料は、特定の波長の光に露光されると、現像液に対する可溶性が変化する。フォトレジスト層は、ポジ型(露光領域が可溶性になる)またはネガ型(露光領域が不溶性になる)フォトレジスト材料で構成されうる。
【0084】
本開示の目的のために、この文脈で用いられる「金属」は、金属および導電性金属塩(特に、導電性金属窒化物、例えば、TiN)など、500マイクロΩcmの最大抵抗率を有する導電体を意味することを理解されたい。
【0085】
本明細書で用いられているように、「金属含有フォトレジスト」は、金属フォトレジスト、半金属フォトレジスト、金属酸化物フォトレジスト、または、有機金属酸化物フォトレジストを含むが、これらに限定されない。
【0086】
「酸化スズ」は、本明細書では、xおよびyの整数値ならびにxおよびyの非整数値を含む、SnxOyに対して化学量論的に可能なあらゆるものを含むと見なされる。例えば、「酸化スズ」は、化学式SnOnを有する化合物を含み、ここで、1≦n≦2であり、nは整数値または非整数値でありうる。「酸化スズ」は、準化学量論的化合物(SnO1.8など)を含みうる。「酸化スズ」は、二酸化スズ(SnO2または酸化第二スズ)および一酸化スズ(SnOまたは酸化第一スズ)も含む。「酸化スズ」は、天然および合成のバリエーション両方を含み、また、あらゆる結晶および分子構造を含む。「酸化スズ」は、非晶質酸化スズも含む。
【0087】
本明細書で用いられているように、「A、B、および、Cの少なくとも1つ」という表現は、非排他的な論理「or」を用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、および、Cの少なくとも1つ」という意味であると解釈されるべきではない。
【0088】
本明細書で用いられているように、用語「約」は、記載した値よりわずかに大きいおよび/または小さいことを考慮するものと理解され、変化は、記載した値を外れたパラメータの所望の関数に大きな影響を与えない。いくつかの場合に、「約」は、任意の記載した値の+/-10%を含む。本明細書で用いられているように、この用語は、任意の記載した値、値の範囲、もしくは、1または複数の範囲の端点を修飾する。
【0089】
本明細書で用いられているように、「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「上方」、および、「下方」という用語は、構造間の相対的な関係性を示すために用いられる。これらの用語の利用は、特定の構造が装置の特定の位置に配置されなければならないことを示すことも求めることもない。
【0090】
イントロダクションおよび文脈
本開示は、一般に、半導体処理の分野に関する。特に、本開示は、金属含有フォトレジストなどのフォトレジストの現像に向けられたものである。かかる金属含有フォトレジストおよび/または金属酸化物含有フォトレジストは、熱乾式現像および/またはプラズマ乾式現像の一方または両方を受けうる。かかる金属含有フォトレジストおよび/または金属酸化物含有フォトレジストは、現像後でパターン転写前にフォトレジストの化学的、物理的、および/または、光学的特性を変化させるための処理を受けうる。フォトレジストの処理は、フォトレジストの性能を向上させる。例えば、フォトレジスト処理は、線量対サイズ(DtS)を減少させ、LWRを減少させ、ラインCDを増大させ、エッチング耐性を向上させ、スループットを増大させ、スズまたはその他の元素のガス放出を低減し、および/または、欠陥/断線を低減することができる。スループットは、少なくとも約40%、50%、約60%、約70%、約80%、または、約90%だけ上昇されうる。
【0091】
半導体処理における薄膜のパターニングは、しばしば、半導体製造時の重要な工程である。パターニングは、リソグラフィを含む。従来のフォトリソグラフィ(193nmフォトリソグラフィなど)では、フォトマスクによって規定された選択的エリアでフォトレジストを光子に暴露することで、露光されたフォトレジストにおいて化学反応を引き起こし、フォトレジストの特定の部分を除去してパターンを形成するために現像工程で利用されうる化学的なコントラストを生み出すことによって、パターンが感光性フォトレジスト膜上にプリントされる。次いで、パターニングされ現像されたフォトレジスト膜は、金属、酸化物、などで構成された下層膜へパターンを転写するためのエッチングマスクとして利用されうる。
【0092】
(国際半導体技術ロードマップによって規定された)先進技術ノードは、22nm、16nm、および、それを超えるノードを含む。例えば、16nmノードでは、ダマシン構造におけるビアまたはラインの幅が、通例は、約30nm以下である。先進的な半導体集積回路(IC)およびその他のデバイスにおけるフィーチャのスケーリングが、リソグラフィの解像度の改善を促している。
【0093】
極紫外線(EUV)リソグラフィは、従来のフォトリソグラフィ方法で達成できるよりも短い結像源波長へ移行することによってリソグラフィ技術を拡張できる。約10~20nmまたは11~14nmの波長(例えば、13.5nmの波長)のEUV光源を最新のリソグラフィツール(スキャナとも呼ばれる)に利用できる。EUV放射線は、石英および水蒸気を含む幅広い固体および流体の材料に強く吸収されるため、真空で印加される。
【0094】
EUVリソグラフィは、下層のエッチングに利用するマスクを形成するためにパターニングされたEUVレジストを利用する。EUVレジストは、液体ベースのスピンオン技術によって生成されたポリマ系の化学増幅レジスト(CAR)であってよい。CARに対する代替物は、直接的にフォトパターニングできる金属酸化物含有膜(オレゴン州コーバリスのInpria社製のものなど)であり、例えば、米国特許公開第US2017/0102612号、第US2016/0216606号、および、第US2016/0116839号に記載されており、これらは、少なくともフォトパターニング可能な金属酸化物含有膜に関するそれらの開示について、参照によって本明細書に組み込まれる。かかる膜は、スピンオン技術によって形成されるか、または、乾式蒸着されてよい。金属酸化物含有膜は、例えば、2018年6月12日発行の米国特許第9,996,004号「EUV PHOTOPATTERNING OF VAPOR-DEPOSITED METAL OXIDE-CONTAINING HARDMASKS」、および/または、2019年5月9日に出願され、国際公開第WO2019/217749号として公開された国際出願第PCT/US19/31618号「METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKS」、に記載されているように、真空雰囲気内でEUV露光によって直接的に(すなわち、別個のフォトレジストを利用することなしに)パターニングされて、30nm未満のパターニング解像度を提供することが可能であり、少なくとも、EUVレジストマスクを形成するための直接フォトパターニング可能な金属酸化物膜の組成、蒸着、および、パターニングに関するそれらの開示が、参照によって本明細書に組み込まれる。一般に、パターニングは、レジストにフォトパターンを形成するためにEUV放射線でEUVレジストを露光した後に、フォトパターンに従ってレジストの一部を除去してマスクを形成するために現像することを含む。
【0095】
直接フォトパターニング可能なEUVまたはDUVレジストが、有機成分内に混合された金属および/または金属酸化物で構成され、または、それらを含んでよい。金属/金属酸化物は、EUVまたはDUV光子吸着を促進し、二次電子を発生させ、および/または、下層の膜スタックおよびデバイス層に対して高いエッチング選択比を示しうる。これらのレジストは、湿式(溶媒)アプローチを用いて現像可能であり、このアプローチでは、ウエハをトラックに移動させる必要があり、そこで、ウエハは、現像溶媒に暴露され、乾燥された後に、ベークされる。かかるレジストは、本明細書に記載されているように、乾式アプローチもしくは湿式および乾式アプローチの組み合わせを用いて現像されてもよい。
【0096】
一般に、レジストは、レジストの化学的性質ならびに/もしくは現像剤の溶解度または反応性を制御することによって、ポジティブトーンレジストまたはネガティブトーンレジストとして利用されうる。ネガティブトーンレジストまたはポジティブトーンレジストのいずれかとして機能しうるEUVまたはDUVレジストを有することが有益である。
【0097】
以下では、EUV処理に関連する技術について記載しているが、かかる技術は、その他の次世代リソグラフィ技術にも適用可能でありうる。EUV(一般に、約13.5nm)、DUV(深UV、一般に、エキシマレーザ源で248nmまたは193nmの範囲)、X線(X線域の低エネルギ範囲のEUVを含む)、および、eビーム(広いエネルギ域を含む)など、様々な放射源が用いられてよい。
【0098】
図1は、フォトレジストを蒸着、現像、および、処理するための従来の方法の工程を示すフローチャートである。パターニング処理フローは、しばしば、
図1におけるEUV感光性レジストに言及するが、処理フローは、EUVレジストに限定されないことが理解される。EUVレジストは、EUV放射線に感光性があるレジストであってよい。処理100の動作は、異なる順序で実行されてもよく、および/または、異なる、より少ない、または、さらなる動作で実行されてもよい。いくつかの実施例において、処理100の動作は、少なくとも部分的には、1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体に格納されたソフトウェアに従って実施されうる。
【0099】
処理100のブロック102で、フォトレジストの層が蒸着される。これは、乾式蒸着処理(蒸着処理など)または湿式蒸着処理(スピンオン蒸着処理など)のいずれかであってよい。一実施形態において、金属含有前駆体が、液体ベースのスピンオン技術を用いて溶液として堆積される。別の実施形態において、金属含有前駆体は、乾式技術(例えば、化学蒸着)を用いて蒸気の形態で蒸着される。
【0100】
フォトレジスト膜が、基板上に蒸着されうる。かかる膜は、湿式または乾式蒸着処理を用いて蒸着可能であり、その処理では、金属含有前駆体(例えば、本明細書に記載されている任意の前駆体など、スズ含有前駆体)が基板の近くに提供される。一実施形態において、金属含有前駆体は、液体ベースのスピンオン技術を用いて溶液として堆積される。別の実施形態において、金属含有前駆体は、乾式技術(例えば、化学蒸着)を用いて蒸気の形態で蒸着される。本開示は、しばしば、金属含有前駆体がスズ含有前駆体であると示しているが、その他の金属原子が用いられてもよい。
【0101】
本明細書に記載されている層および膜は、1×107cm2/mol以下などの高光吸収断面積を有する元素(例えば、金属原子または非金属原子)を含んでよい。かかる元素は、イメージング層を提供するために1または複数の前駆体を蒸着することによって提供されうる。
【0102】
いくつかの実施形態において、膜は、放射線感光性膜(例えば、EUV感光性膜)である。この膜は、次に、本明細書でさらに説明するように、EUVレジストとして機能しうる。特定の実施形態において、層または膜は、放射線(例えば、EUVまたはDUV放射線)によって除去、開裂、または、架橋されることのできる1または複数の配位子(例えば、EUVに不安定な配位子)を含んでよい。
【0103】
前駆体は、放射線に感光性のあるパターニング可能な膜(もしくは、パターニング放射線感光性膜またはフォトパターニング可能な膜)を提供しうる。かかる放射線は、パターニングされたマスクを通して照射することによって供給されることでパターニングされた放射線になるEUV放射線、DUV放射線、または、UV放射線を含みうる。膜自体は、膜が放射線感光性または感光性になるように、かかる放射線に露光されることによって改変されうる。特定の実施形態において、前駆体は、有機金属化合物であり、少なくとも1つの金属中心を含む。
【0104】
前駆体は、任意の有用な数およびタイプの配位子を有してよい。いくつかの実施形態において、配位子は、対反応物(counter-reactant)の存在下またはパターニングされた放射線の存在下で反応できることによって特徴付けられうる。例えば、前駆体は、対反応物と反応する配位子を含んでよく、それにより、金属中心の間の結合(例えば、-O-結合)を導入することができる。別の例において、前駆体は、パターニングされた放射線の存在下で脱離する配位子を含んでもよい。
【0105】
前駆体は、高パターニング放射線吸収断面積(例えば、1x107cm2/モル以上のEUV吸収断面積)を有する金属または半金属または原子を含んでよい。いくつかの実施形態において、Mは、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、テルル(Te)、セシウム(Cs)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、ヨウ素(I)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、白金(Pt)、および、鉛(Pb)である。
【0106】
特定の実施形態において、前駆体は、スズを含む。非限定的なスズ前駆体は、SnF2、SnH4、SnBr4、SnCl4、SnI4、テトラメチルスズ(SnMe4)、テトラエチルスズ(SnEt4)、トリメチルスズクロリド(SnMe3Cl)、ジメチルスズジクロリド(SnMe2Cl2)、メチルスズトリクロリド(SnMeCl3)、テトラアリルスズ、テトラビニルスズ、ヘキサフェニル二スズ(IV)(Ph3Sn-SnPh3、ここで、Phはフェニル)、ジブチルジフェニルスズ(SnBu2Ph2)、トリメチル(フェニル)スズ(SnMe3Ph)、トリメチル(フェニルエチニル)スズ、トリシクロヘキシルスズヒドリド、トリブチルスズヒドリド(SnBu3H)、ジブチルスズジアセテート(SnBu2(CH3COO)2)、スズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)2)、トリブチルスズエトキシド(SnBu3(OEt))、ジブチルスズジメトキシド(SnBu2(OMe)2)、トリブチルスズメトキシド(SnBu3(OMe))、スズ(IV)tert-ブトキシド(Sn(t-BuO)4)、nーブチルスズトリブトキシド(Sn(n-Bu)(t-BuO)3)、テトラキス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(NMe2)4)、テトラキス(エチルメチルアミノ)スズ(Sn(NMeEt)4)、テトラキス(ジエチルアミノ)スズ(IV)(Sn(NEt2)4)、(ジメチルアミノ)トリメチルスズ(IV)(Sn(Me)3(NMe2)、Sn(i-Pr)(NMe2)3、Sn(n-Bu)(NMe2)3、Sn(s-Bu)(NMe2)3、Sn(i-Bu)(NMe2)3、Sn(t-Bu)(NMe2)3、Sn(t-Bu)2(NMe2)2、Sn(t-Bu)(NEt2)3、Sn(tbba)、Sn(II)(1,3-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4,5-ジメチル-(4R、5R)-1,3,2-ジアザスタンノリジン-2-イリデン)、または、ビス[ビス(トリメチルシリル)アミノ]スズ(Sn[N(SiMe3)2]2)、を含む。
【0107】
(例えば、膜のための)蒸着技術の例は、ALD(例えば、熱ALDおよびプラズマ強化ALD)、スピンコート蒸着、PVD同時スパッタリングなどのPVD、CVD(例えば、PE-CVDまたはLP-CVD)、スパッタ蒸着、電子ビーム同時蒸着を含む電子ビーム蒸着など、もしくは、それらの組み合わせ(ALDとCVD構成要素との組み合わせ、前駆体および対反応物が時間的または空間的に分離される不連続なALDのような処理など)など、本明細書に記載の任意の技術を含む。
【0108】
本開示に適用可能な前駆体およびそれらをEUVフォトレジスト膜として蒸着するための方法についてのさらなる記載が、2019年5月9日に出願され、国際公開第WO2019/217749号として公開された国際出願第PCT/US19/31618号「METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKS」で見られる。薄膜は、EUVに対する膜の感度を変更し、または、エッチング耐性を高めるなどの目的で、膜の化学的特性または物理的特性を変えるために、前駆体および対反応物に加えて、任意選択的な材料を含んでもよい。かかる任意選択的な材料は、基板への蒸着前、基板への蒸着中、および/または、基板への蒸着後の気相形成時にドーピングすることなどによって、導入されてよい。いくつかの実施形態において、穏やかな遠隔H2プラズマが、例えば、いくつかのSn-L結合をSn-Hで置換するために導入されてよく、それにより、EUV下でのレジストの反応性を高めることができる。他の実施形態において、CO2が、いくつかのSn-O結合をSn-CO3結合で置換するために導入されてよく、後者の結合は、湿式現像に対してより高い耐性を持ちうる。
【0109】
前駆体および/または対反応物に存在する様々な原子が、キャッピング層内に提供されえ、キャッピング層は、次に、任意の有益な層または構造上に配置される。キャッピング層は、任意の有益な厚さでありうる(例えば、約0.1nm~約5nmなど、本明細書に記載されている任意の厚さ)。
【0110】
さらに、2以上の異なる前駆体が、各層(例えば、膜またはキャッピング層)内で利用されてよい。例えば、本明細書の任意の金属含有前駆体の内の2以上が、合金を形成するために利用されてよい。さらに他の例となるEUV感光性材料ならびに処理方法および装置が、米国特許第9,996,004号、国際特許公開第WO2020/102085号、および、国際特許公開第WO2019/217749号に記載されており、各々は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0111】
いくつかの実施形態において、フォトレジスト膜は、下層上に蒸着されてよい。いくつかの実施形態において、下層は、アッシャブルハードマーク(AHM)などのハードマスク上に蒸着されてよい。下層は、後に形成されるEUVレジストと基板との間の接着を高めるよう構成されている。また、下層は、EUVレジストの効果的なEUV露光のためのEUV線量を低減するよう構成されている。前記下層は、非炭素ヘテロ原子(酸素(O)、シリコン(Si)、窒素(N)、タングステン(W)、ホウ素(B)、ヨウ素(I)、塩素(Cl)、または、これらの組み合わせ、など)でドープされた水素化炭素の蒸着膜を含んでよい。例えば、ヨウ素でドープされた水素化炭素膜を含む下層が、EUV放射線への露光時にEUVレジストにおける二次電子の発生を改善しうる。下層は、約25nm以下(例えば、約2nm~約20nmの間)の厚さを有してよい。いくつかの実施例において、下層は、蒸着技術(PECVDまたはALDなど)を用いて蒸着されてよい。
【0112】
処理100のブロック104で、基板の背面またはベベルが任意選択的に洗浄されてよく、および/または、以前の工程で蒸着されたフォトレジストのエッジビードが除去されてよい。かかる洗浄または除去工程は、フォトレジスト層を蒸着した後に存在しうる粒子を除去するのに有用でありうる。除去工程は、湿式金属酸化物(MeOx)エッジビード除去(EBR)工程でウエハを処理する工程を含んでよい。
【0113】
処理100のブロック106で、塗布後ベーク(PAB)または塗布後処理が、任意選択的に実行されうる。かかる処理は、水溶液または非水溶液への非露光材料のエッチング耐性を向上させうる。一例において、かかる処理は、非露光領域と露光領域との間の化学組成の差(またはコントラスト)を強化しうるものであり、したがって、PAB動作が実行される。別の例において、かかる処理は、非露光領域および露光領域との間の化学組成の差(またはコントラスト)を低減しうるものであり、したがって、PAB動作は実行されない。さらに別の例において、PABの利用は、硬化レジスト膜を形成するために、膜から残留水分を除去する。PABは、膜のEUV感度を高めるために、熱処理、化学暴露、および/または、湿潤の組み合わせを含んでよく、それにより、膜内にパターンを現像するためのEUV線量を低減する。特定の実施形態において、PAB工程は、約100℃より高い温度、または、約100℃~約200℃の温度、または、約100℃~約250℃で行われる。他の実施形態において、PAB工程は、O含有ガスがない状態で約190℃~約350℃の温度で実行される。別の例において、塗布後処理は、不活性ガスまたはCO2に膜を暴露することを含み、これは、任意選択的に冷却または加熱を含んでもよい。不活性ガスの利用は、金属-酸素-金属種を提供することができ、CO2の利用は、金属炭酸塩種を膜内に提供しうる。
【0114】
処理100のブロック108で、膜は、パターンを現像するために、EUV放射線に露光される。一般に、EUV露光は、膜の化学組成を変化させて、膜の一部を除去するために利用できるエッチング選択比のコントラストを作り出す。かかるコントラストは、ポジティブトーンレジストを提供できる。しかしながら、EUV露光は、その代わりに、非露光領域(または、あまり露光されていない領域)が選択的に除去されるようなコントラストを引き起こすことができると理解される。かかるコントラストは、本明細書に記載されているように、ネガティブトーンレジストを提供できる。あまり露光されていないエリアに対して物理的または化学的特性を変化させたフォトレジストのより露光されたエリアは、フォトパターニングを通して生成される。より露光されたエリアとあまり露光されていないエリアとの間の特性の差は、後の処理において利用されうる。EUV露光は、例えば、真空雰囲気内で約10nm~約20nmの範囲(例えば、真空雰囲気内で約13.5nm)の波長を有する露光を含みうる。
【0115】
処理100のブロック110で、露光された膜に対して露光後ベーク(PEB)が実行され、それにより、残留水分をさらに除去し、膜内の化学濃縮を促進し、または、露光された膜のエッチング選択比のコントラストを高め、もしくは、任意の有用な方法で膜を後処理する。一例において、かかる処理は、非露光領域と露光領域との間の化学組成の差(またはコントラスト)を低減しうるものであり、したがって、PEB動作は実行されない。別の例において、露光された膜は、剥離剤またはポジティブトーン現像剤(例えば、HCl、HBr、HI、または、それらの組み合わせなど、ハロゲン化合物系水性酸)への暴露時にレジストのEUV露光部分または非露光部分内での反応性を促進するために、(例えば、低温で、および/または、任意選択的に様々な化学種の存在下で)熱処理されてもよい。別の例において、露光された膜は、レジストのEUV非露光部分内で配位子をさらに架橋するために(例えば、低温で)熱処理されてもよく、それにより、剥離剤(例えば、ポジティブトーン現像剤)への暴露時に選択的に除去されうるEUV露光部分が提供される。さらに別の例において、PEBは省略される。
【0116】
処理100のブロック112で、フォトレジストパターンは、ポジティブトーン現像またはネガティブトーン現像によって現像される。現像の様々な実施形態において、非露光領域は、(ネガティブトーンレジスト内にパターンを提供するために)選択的に除去される。これらの工程は、1または複数の現像剤または現像液を用いて湿式処理されてよく、続いて、(例えば、脱イオン水または別の溶媒を用いた)任意選択的なリンス動作または(例えば、任意選択的な熱と共に、空気を用いたまたは不活性条件下での)任意選択的な乾燥動作が続く。特定の実施形態において、現像工程は、湿式処理である。他の実施形態において、現像工程は、乾式処理である。例えば、乾式処理は、ハロゲン化物含有化学物質を含む。
【0117】
乾式現像処理は、熱(プラズマなし)乾式現像処理、プラズマ乾式現像処理、もしくは、熱乾式現像処理およびプラズマ乾式現像処理の組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、乾式現像ガスは、ハロゲン化物含有化学物質(ハロゲン化水素など)を含みうる。したがって、現像剤は、ハロゲン化水素(例えば、HBr、HCl、など)、水素およびハロゲンガス(例えば、H2およびCl2、H2およびBr2、など)、三塩化ホウ素、有機ハロゲン化物、ハロゲン化アシル、ハロゲン化カルボニル、ハロゲン化チオニル、または、これらの混合物、を含んでよい。有機ハロゲン化物は、CxHyFz、CxHyClz、CxHyBrz、および、CxHyIz(ここで、x、y、および、zは、0以上の値)を含みうるが、これらに限定されない。ハロゲン化アシルは、CH3COF、CH3COCl、CH3COBr、および、CH3COIを含みうるが、これらに限定されない。ハロゲン化カルボニルは、COF2、COCl2、COBr2、および、COI2を含みうるが、これらに限定されない。ハロゲン化チオニルは、SOF2、SOCl2、SoBr2、および、SOI2を含みうるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、乾式現像ガスは、He、Ne、Ar、Xe、および、N2などの不活性/搬送ガスありまたはなしで流されてよい。いくつかの実施形態において、乾式現像は、熱処理、プラズマ処理、もしくは、熱処理およびプラズマ処理の組み合わせ、を含みうる。チャンバ圧、ガス流量、基板温度、および、暴露時間などのパラメータが調整されてよい。いくつかの実施形態において、チャンバ圧は、約5mTorr~約760Torrの間であってよい。いくつかの実施形態において、基板温度は、約-60℃~約300℃の間であってよい。プラズマが印加されるいくつかの実施形態において、RFレベルは、約1000W以下のRF電力レベルに調整されてよい。現像パラメータの最適化と共に現像方法を選択することが、現像の選択性、荒さ、デスカミング、および、現像のその他の特性に影響しうる。
【0118】
ブロック112の後、現像後検査が実行されてよい。必要であれば、戻って工程102を繰り返すことによって再作業が実行される。
【0119】
処理100のブロック114で、フォトレジストは、パターン転写の前に処理を受ける。処理は、熱処理、プラズマ処理、化学的処理、選択的蒸着処理、または、それらの処理の組み合わせであってよい。熱処理は、欠陥およびLWRを低減するために、約200℃~約300℃の間の高温にフォトレジストを暴露してよい。プラズマ処理は、フォトレジストの密度を高めLWRを低減するために、直接(その場)プラズマまたは遠隔プラズマなどのプラズマにフォトレジストを暴露してよい。いくつかの実施形態において、プラズマ処理は、不動態化を含んでよい。不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマへの暴露を含むフラッシュ処理を含んでよい。いくつかの実施形態において、プラズマ処理は、硬化を含んでよい。硬化は、不活性ガスのプラズマへの暴露および/またはUV光への暴露を含んでよい。化学的処理は、エッチング耐性を高め、ガス放出を低減し、ラインCDを増大させるために、ハロゲン化合物系の種(例えば、六フッ化タングステン)または炭素含有前駆体(例えば、一酸化炭素、有機金属前駆体)などの反応化学種にフォトレジストを暴露してよい。選択的蒸着処理は、DtSを低減し、エッチング耐性を向上させ、ガス放出を低減し、ラインCDを増加させるために、フォトレジスト上に保護コーティングを選択的に蒸着するための化学前駆体にフォトレジストを暴露してよい。上述の処理の内の任意の1または複数が、パターン転写時のフォトレジストの性能を向上させるために、現像後にフォトレジストに適用される。
【0120】
処理100のブロック116で、1または複数の基板層が、パターン転写のためのフォトレジストマスクを用いてエッチングされる。かかる基板層は、フォトレジストマスクの下にあり、リソグラフィエッチングによって除去可能であってよい。パターン転写エッチングは、複数のパターニングされたフィーチャを形成するために、所望の深さまで材料をエッチングしてよい。いくつかの実施形態において、1または複数の基板層は、非晶質炭素(a-C)、非晶質シリコン(a-Si)、酸化スズ(例えば、SnOx)、酸化シリコン(例えば、SiO2)、酸窒化シリコン(例えば、SiOxNy)、酸炭化シリコン(例えば、SiOxCy)、窒化シリコン(例えば、Si3N4)、酸化チタン(例えば、TiO2)、窒化チタン(例えば、TiN)、タングステン(例えば、W)、ドープ炭素(例えば、WドープC)、酸化タングステン(例えば、WOx)、酸化ハフニウム(例えば、HfO2)、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO2)、および、酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)を含んでよい。フォトレジストマスクにおける任意の欠陥またはCDのばらつきは、パターン転写エッチング中にパターニングされる材料に再現される。さらに、エッチング耐性が乏しいと、エッチングの間に下層の基板層へのパターンの転写に悪影響がある。フォトレジストマスクの現像後処理は、上述の問題を緩和して、パターン転写エッチング中のパターンの転写の成功を保証する。
【0121】
パターン転写後、エッチング後検査が実行されてよい。必要であれば、戻って工程102を繰り返すことによって再作業が実行される。
【0122】
図2A~
図2Cは、フォトレジストの現像および処理を含む様々な処理段階の概略を提供する概略断面図である。
図2Aに示すように、ウエハ200が、基板202と、エッチングされる基板層204と、を備える。パターニング構造は、任意の有用な基板を含みうる。例えば、入力ウエハは、所望の材料の基板表面を有するように準備されてよく、最上部の材料は、レジストパターンが転写される層である。材料の選択は、集積化に応じて変化しうるが、一般に、EUVレジストまたはイメージング層に対して高い選択比で(すなわち、はるかに速く)エッチングされうる材料を選択することが望ましい。
【0123】
いくつかの実施形態において、基板はハードマスクであり、ハードマスクは、下にある半導体材料のリソグラフィエッチングで用いられる。ハードマスクは、非晶質炭素(a-C)、酸化スズ(例えば、SnOx)、酸化シリコン(例えば、SiO2などのSiOx)、酸窒化シリコン(例えば、SiOxNy)、酸炭化シリコン(例えば、SiOxCy)、窒化シリコン(例えば、Si3N4)、酸化チタン(例えば、TiO2)、窒化チタン(例えば、TiN)、タングステン(例えば、W)、ドープ炭素(例えば、WドープC)、酸化タングステン(例えば、WOx)、酸化ハフニウム(例えば、HfO2)、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO2)、および、酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)など、様々な材料のいずれを含んでもよい。適切な基板材料は、様々な炭素系の膜(例えば、アッシャブルハードマスク(AHM))、シリコン系の膜(例えば、SiOx、SiCx、SiOxCy、SiOxNy、SiOxCyNz)、a-Si:H、ポリSi、または、SiN)、もしくは、パターニング処理を容易にするために適用される任意のその他の膜(一般に、犠牲膜)を含みうる。例えば、基板は、好ましくはSnOx(SnO2など)を含んでよい。様々な実施形態において、層は、1nm~100nmの厚さ、または、2nm~10nmの厚さであってよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、基板層204は、非晶質炭素、スピンオン炭素、または、その他の材料(例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、など)などのアッシャブルハードマスクを備える。いくつかの実施形態において、基板層204は、基板202上に配置された層スタックであってよい。ウエハ200は、さらに、フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜206を備える。例えば、フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜206は、エッチングされる基板層204上に配置された有機金属含有層であってよい。フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜206は、約5nm~約50nmの間または約10nm~約30nmの間の厚さを有してよい。フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜206は、EUVスキャナ内でのフォトパターニング後および/またはPEB処理後に処理チャンバ内で提供されてよい。フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜306は、非EUV露光領域206aおよびEUV露光領域206bを含む。
【0125】
図2Bに示すように、フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜206の非EUV露光領域206aは、現像処理で除去される。現像は、湿式現像剤または乾式現像剤を用いてよい。乾式現像剤が利用される場合、乾式現像は、プラズマの点火ありまたはなしで、進んでよい。いくつかの実施例において、乾式現像剤は、ハロゲン化物含有化学物質を含んでよい。フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜206のフォトレジストマスクが、現像後に非EUV露光領域206aの除去によって形成される。
図2A~
図2Cは、ネガティブトーン現像を図示しているが、その代わりに、ポジティブトーン現像が、本開示において適用されてもよいことが理解される。
【0126】
図2Cに示すように、基板層204は、フォトレジストマスク208によって規定された凹部フィーチャをウエハ200内に形成するために、フォトレジストマスク208を用いてエッチングされる。ウエハ200は、エッチャントが、化学修飾されたフォトレジストマスク208に対して基板層204を選択的に除去するように、パターン転写エッチングを受ける。パターン転写エッチングは、乾式エッチングまたは湿式エッチングで実行されてよい。例えば、乾式エッチングは、フッ素系プラズマエッチング処理または酸素系プラズマエッチング処理を利用してよい。パターン転写エッチングは、フォトレジストマスク208によって規定されたパターンに従って、基板層204を通してエッチングしてよい。いくつかの実施形態において、フォトレジストマスク208は、パターン転写エッチング後に、増大したラインCDを維持または少なくとも実質的に維持する。
【0127】
図1に戻ると、処理100の様々な工程は、従来、別個のチャンバで実行され、次の動作に向けて或る処理チャンバから次の処理チャンバへウエハを移送することを伴う。例えば、現像のためのブロック112および現像後処理のためのブロック114によって表した工程など、処理100の工程は、従来、別個のチャンバ内で実行される。乾式現像は、乾式現像チャンバ(例えば、熱乾式現像チャンバ)内で実行されうる。現像後処理(現像後ベーク)が、ベークチャンバで実行されうる。任意選択的に、後続の現像後処理(ライン硬化)が、UVチャンバ内で実行されうる。これは、乾式現像と乾式現像後処理との間のより長いキュータイムにつながりうる。いくつかの例において、これは、ガス放出によるウエハ背面への汚染を潜在的に引き起こしうる。処理の効率およびスループットを改善するため、ならびに、潜在的な汚染源を制限するために、様々な動作のための工程および/またはチャンバの数が、本明細書に開示されている方法によって削減されうる。
【0128】
特に、
図1に示したような従来の処理100の効率は、別個のチャンバの必要性を排除するような方法で、ブロック112によって表した工程を同じ処理チャンバ内で現像後処理と共に実行することによって改善されうる。具体的には、
図1に示したような処理100の効率は、別個のチャンバ内での単独の現像後ベークの必要性を排除するような方法で、現像を同じ処理チャンバ内で不動態化もしくは不動態化および硬化と共に実行するによって改善されうる。
【0129】
本開示は、フォトレジストのオールインワン乾式現像に関する。乾式現像処理が、同じ処理チャンバで実行されてよい。乾式現像処理および乾式現像後処理が、同じ処理チャンバで実行されてよい。金属含有フォトレジストまたは金属酸化物含有フォトレジストが、湿式蒸着または乾式蒸着されてよい。金属含有フォトレジストまたは金属酸化物含有フォトレジストは、フォトレジストが、露光領域および非露光領域を形成するようにEUV露光によってパターニングされうるように、EUV放射線の高い吸収作用を有する。乾式現像が、フォトパターニングされた金属含有フォトレジストまたは金属酸化物含有フォトレジストの露光領域または非露光領域を選択的に除去した後、現像後のフォトレジストは処理されてよい。かかる処理は、以下の動作の内の1または複数を含んでよい。(i)熱アニーリング、(ii)プラズマ暴露、(iii)反応ガス暴露、および、(iv)保護層の選択的蒸着。かかる処理は、以下の利点の内の1または複数を達成しうる。欠陥の低減、LWRの低減、DtSの低減、ガス放出(例えば、スズのガス放出)の低減、エッチング耐性の向上、および、ラインCDの増大、それにより、エッチング中の金属含有フォトレジストまたは金属酸化物含有フォトレジストの性能の向上。
【0130】
本明細書では、本開示の具体的な実施形態を詳細に参照する。具体的な実施形態の例が、添付の図面に図示されている。本開示は、これらの具体的な実施形態に関連して記載されているが、かかる具体的な実施形態に本開示を限定する意図はないことを理解されたい。逆に、本開示の精神および範囲内に含まれうる代替物、変形物、および、等価物を網羅することを意図している。以下の説明では、本開示の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。本開示は、これらの具体的な詳細事項の一部またはすべてがなくとも実施可能である。また、本開示が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略した。
【0131】
上述のように、本開示は、EUVまたはその他の次世代リソグラフィ技術を用いてパターニングされうる半導体基板上の膜のための方法を提供している。方法は、重合された有機金属材料が蒸気中で生成されて基板上に蒸着される方法を含む。いくつかの実施形態において、乾式蒸着は、任意の有用な前駆体(例えば、本明細書に記載の金属ハロゲン化物、キャッピング剤、または、有機金属剤)を利用できる。他の実施形態において、スピンオン配合が用いられてもよい。蒸着処理は、レジスト膜またはEUV感光膜としてEUV感光材料を塗布することを含みうる。
【0132】
かかるEUV感光膜は、EUVへの露光時に、金属原子に結合したかさ高いペンダント配位子の喪失などの変化を受ける材料を含む。非露光領域が高密度のM-O-Mリッチ材料を含む場合、EUVに起因する開裂が、ポジティブトーン現像剤によってより容易に除去される中間物を提供しうる。
【0133】
EUVパターニングにより、非露光領域と比較して物理的特性または化学的特性が変化した膜のエリアが形成される。これらの特性は、非露光領域または露光領域のいずれかを溶解するため、もしくは、露光領域または非露光領域のいずれかに材料を選択的に蒸着させるためなど、後続の処理で利用されうる。いくつかの実施形態において、露光されていない膜は、疎水性の表面を有し、露光された膜は、かかる後続の処理が実行される条件下で、親水性の表面を有する(露光および非露光領域の親水性は互いに対して相対的なものであると認識される)。例えば、材料の除去は、膜の化学組成、密度、および、架橋結合の差を利用して実行されてよい。除去は、本明細書にさらに説明するように、湿式処理または乾式処理による除去であってよい。
【0134】
基板の表面上に形成されるEUVパターニング可能な膜の厚さは、表面の特徴、利用されている材料、および、処理条件に従って変わりうる。様々な実施形態において、膜の厚さは、約0.5nm~約100nmの範囲であってよい。膜は、EUVパターニングの条件下でEUV光のほとんどを吸収するのに十分な厚さを有することが好ましい。例えば、レジスト膜の全吸収率は、レジスト膜の底部のレジスト材料が十分に露光されるように、30%以下(例えば、10%以下または5%以下)であってよい。いくつかの実施形態において、膜の厚さは、10nm~20nmである。本開示の機序、機能、または、有用性を限定することなく、本開示の処理は、様々な基板に適用可能であると考えられる。さらに、上述のように、蒸着された膜は、表面フィーチャに厳密に一致しうるため、かかるフィーチャを「埋める」こともその他の方法で平坦化することもなしに、基板(下にあるフィーチャを有する基板など)上にマスクを形成する際に利点を提供する。
【0135】
膜は、任意の有用な方法で蒸着された金属酸化物層で構成されてよい。かかる金属酸化物層は、対反応物と組み合わせて、前駆体(例えば、金属含有前駆体、金属ハロゲン化物、キャッピング剤、または、有機金属剤)など、本明細書に記載の任意のEUV感光性材料を用いることにより、蒸着または塗布されうる。例となる処理において、重合した有機金属材料が、金属酸化物層を提供するために、気相内でまたは基板の表面上にその場で、形成される。金属酸化物層は、膜、接着層、または、キャッピング層として用いられてよい。
【0136】
一般に、方法は、重合した有機金属材料を形成するために、前駆体(例えば、有機金属剤などの金属含有前駆体)の蒸気流を任意選択的な対反応物の蒸気流と混合する工程と、半導体基板の表面上に有機金属材料を蒸着させる工程と、を備えうる。いくつかの実施形態において、前駆体および任意選択的な対反応物を混合することにより、重合した有機金属材料を形成できる。当業者によって理解されるように、その処理の混合および蒸着の側面は、実質的に連続的な処理において並列に実行されてよい。
【0137】
連続CVD処理の例において、前駆体および任意選択的な対反応物の供給源の2以上のガス流が、別個の流入路で、CVD装置の蒸着チャンバに導入され、そこで、それらのガスは、気相内で混合および反応して、(例えば、金属-酸素-金属結合の形成によって)凝集したポリマ材料または膜を基板上に形成する。ガス流は、例えば、別個の注入口またはデュアルプレナムシャワーヘッドを用いて、導入されてよい。装置は、前駆体および任意選択的な対反応物の流れがチャンバ内で混合されるよう構成されており、前駆体および任意選択的な対反応物が反応して、重合有機金属材料または膜(例えば、金属-酸素-金属結合の形成などによる、金属酸化物コーティングまたは凝集ポリマ材料)を形成することを可能にする。
【0138】
金属酸化物を蒸着させるために、CVD工程は、一般に、0.1Torr~10Torrなどの減圧で実行される。いくつかの実施形態において、処理は、1Torr~2Torrの圧力で実行される。基板の温度は、反応物流の温度より低いことが好ましい。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または、周囲温度(例えば、23℃)~150℃、であってよい。
【0139】
凝集ポリマ材料を蒸着させるために、CVD処理は、一般に、10mTorr~10Torrなどの減圧で実行される。いくつかの実施形態において、処理は、0.5~2Torrで実行される。基板の温度は、反応物流の温度以下であることが好ましい。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または、周囲温度(例えば、23℃)~150℃、であってよい。様々な処理において、基板上への重合有機金属材料の蒸着は、表面温度に反比例する速度で起きる。本開示の機序、機能、または、有用性を限定することなく、かかる気相反応による生成物は、金属原子が、対反応物によってクロスリンクされた後に、基板上に凝結または他の方法で蒸着されるので、分子量が大きくなると考えられる。様々な実施形態において、かさ高いアルキル基の立体障害が、高密度に詰まったネットワークの形成をさらに阻害し、多孔性の高い低密度の膜を生成する。
【0140】
乾式蒸着法を用いることの潜在的な利点は、膜が成長する際に膜の組成を調整しやすいことである。CVD処理において、これは、蒸着中に第1前駆体および第2前駆体の相対流量を変化させることによって達成されてよい。蒸着は、30℃~200℃で、0.01Torr~100Torr(より一般的には、約0.1Torr~10Torr)の圧力で起こりうる。
【0141】
また、膜(例えば、金属-酸素-金属結合の形成などによる、金属酸化物コーティングまたは凝集ポリマ材料)が、ALD処理によって蒸着されてもよい。例えば、前駆体および任意選択的な対反応物は、ALDサイクルを表す別個の時間に導入される。前駆体は、表面上で反応し、各サイクル中に一度に材料の単分子層までを形成する。これは、表面における膜厚の均一性の優れた制御を可能にする。ALD処理は、一般に、0.1Torr~10Torrなどの減圧で実行される。いくつかの実施形態において、処理は、1Torr~2Torrで実行される。基板温度は、0℃~250℃、または、周囲温度(例えば、23℃)~150℃、であってよい。処理は、熱処理であってよく、または、好ましくはプラズマ支援蒸着であってよい。
【0142】
本明細書の蒸着方法のいずれも、2以上の異なる前駆体の利用を可能にするよう変形されることができる。一実施形態において、前駆体は、同じ金属であるが異なる配位子を含みうる。別の実施形態において、前駆体は、異なる金属基を含みうる。非限定的な一例において、第1金属(例えば、Sn)を有する金属アルコキシド前駆体を、異なる第2金属(例えば、Te)を有するシリル系前駆体と共に利用するなど、様々な揮発性前駆体の交互流が、混合金属含有層を提供しうる。
【0143】
本明細書の処理は、表面改質を達成するために利用可能である。数回の反復で、前駆体の蒸気が、ウエハ上を通されてよい。ウエハは、反応が進むための熱エネルギを提供するために加熱されてよい。数回の反復中に、加熱は、約50℃~約250℃の間であってよい。一部の例において、前駆体のパルスが利用され、ポンプおよび/またはパージ工程によって分離されてよい。例えば、第1前駆体が、第2前駆体パルスのパルスの合間にパルスされて、ALD成長またはALDのような成長を引き起こしてよい。他の例において、両方の前駆体が、同時に流されてもよい。表面改質に有用な元素の例は、I、F、Sn、Bi、Sb、Te、および、酸化物、もしくは、これらの化合物の合金を含む。
【0144】
本明細書の処理は、ALDまたはCVDによって薄い金属酸化物または金属を蒸着させるために利用できる。例は、酸化スズ(SnOx)、酸化ビスマス(BiOx)、および、Teを含む。蒸着後、膜は、本明細書の他の場所に記載されているように、MaRbLcの形態のアルキル置換前駆体でキャッピングされてよい。対反応物は、配位子をより良好に除去するために用いられてよく、複数サイクルが、基板表面の完全な飽和を保証するために繰り返されてよい。次いで、表面は、EUV感光膜の蒸着に備えることができる。1つの可能な方法は、SnOxの薄膜を生成する方法である。可能な化学反応は、テトラキス(ジメチルアミノ)スズおよび対反応物(水またはO2プラズマなど)を循環させることによるSnO2の成長を含む。成長後、キャッピング剤が利用されてよい。例えば、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ蒸気が、表面に流されてよい。
【0145】
蒸着処理は、任意の有用な表面に対して利用可能である。本明細書で言及されているように、「表面」は、処理中に本技術の膜が蒸着される表面またはEUVに露光される表面である。かかる表面は、(例えば、膜が蒸着される)基板上または(例えば、キャッピング層が蒸着されうる)膜上に存在しうる。
【0146】
かかる下層のトポグラフィフィーチャは、この技術の方法を実施する前に、処理中に材料が(例えば、エッチングによって)除去された領域または材料が(例えば、蒸着によって)追加された領域を含みうる。かかる前処理は、2以上のフィーチャ層が基板上に形成される反復プロセスに、この技術の方法またはその他の処理方法を含んでよい。本開示の機序、機能、または、有用性を限定することなく、いくつかの実施形態において、本開示の方法は、かかるフィーチャを「埋める」こともその他の方法で平坦化することもなしに下層のフィーチャへ本技術の膜を一致させること、および、様々な材料表面に膜を蒸着できること、などの利点を提供すると考えられる。
【0147】
金属含有レジスト材料の露光
フォトレジスト膜は、放射線に露光されてよい。フォトレジスト膜は、フォトレジスト膜の露光領域および非露光領域を形成するために、所望のパターンに従って放射線に露光される。「露光領域」は、比較的「露光された領域」として理解されてよく、「非露光領域」は、比較的「露光されていない領域」として理解されてよい。露光は、フォトレジスト膜内の化学組成および架橋の変化を引き起こし、その後の現像のために利用されうるエッチング選択性比のコントラストを生み出す。
【0148】
膜のEUV露光は、金属原子(M)を含む活性化された反応中心を有するEUV露光領域を提供でき、それらの反応中心は、EUVによる開裂事象によって生成される。かかる反応中心は、金属ダングリングボンド、M-H基、開裂したM-配位子基、二量体化したM-M結合、または、M-O-M架橋、を含みうる。
【0149】
EUV露光は、真空雰囲気内で約10nm~約20nmの範囲の波長(10nm~15nm(例えば、13.5nm)の波長)を有してよい。特に、パターニングが、パターンを形成するためにEUV露光領域およびEUV非露光領域を提供できる。いくつかの実施形態において、かかるパターニングは、約1~50mJ/cm2、1~40mJ/cm2、1~30mJ/cm2、1~20mJ/cm2、または、1~10mJ/cm2の放射線量を含む。
【0150】
本開示は、EUVを用いたパターニングだけでなく、DUVまたは電子ビームを用いたパターニングも含む。かかるパターニングでは、放射線が、イメージング層の1または複数の領域に合焦される。露光は、イメージング層膜が、放射線に露光されない1または複数の領域を含むように実行されうる。結果として得られるイメージング層は、複数の露光領域および非露光領域を含むことで、基板の後続の処理において基板に対して材料を追加または除去することによって形成される半導体デバイスのトランジスタまたはその他のフィーチャの作成と一致するパターンを作成しうる。本明細書で有用なものの内の、EUV、DUV、および、電子ビーム放射の方法および装置は、当該分野で周知の方法および装置を含む。
【0151】
一部のEUVリソグラフィ技術では、有機ハードマスク(例えば、PECVD非晶質水素化炭素のアッシャブルハードマスク)が、フォトレジスト処理を用いてパターニングされる。フォトレジスト露光中、EUV放射線が、レジストおよび下方の基板に吸収され、高エネルギの光電子(例えば、約100eV)を発生させ、次に、数ナノメートルだけ側方に拡散する低エネルギの二次電子(例えば、約10eV)のカスケードを発生させる。これらの電子は、EUV線量感度を高める化学反応の進行度をレジストにおいて増大させる。しかしながら、本来ランダムである二次電子パターンが、光学画像に重ね合わせられる。この望ましくない二次電子暴露は、パターニングされたレジストにおいて、解像度の低下、観察可能なラインエッジラフネス(LER)、および、線幅の変動を生じさせる。これらの欠陥は、後のパターン転写エッチングの際に、パターニングされる材料に引き継がれる。
【0152】
本明細書に記載の様々な実施形態において、蒸着(例えば、凝結)処理(例えば、PECVDツールで実行されるALDまたはMOCVD)が、例えば、EUVL光源の波長(例えば、13.5nm=91.8eV)のEUV(例えば、10nm~20nmのオーダーの波長)に強力な吸収作用を持つ感光性の金属塩または金属含有有機化合物(有機金属化合物)などの金属含有膜の薄膜を形成するために利用されうる。この膜は、EUV露光時に光分解して、(例えば、導体エッチングツール内で)後のエッチング中に、パターン転写層である金属マスクを形成する。
【0153】
蒸着後に、EUVパターニング可能な薄膜は、いくつかの例において比較的高い真空下で、EUV光のビームへの露光によってパターニングされる。次いで、EUV露光に向けて、金属含有膜は、リソグラフィプラットフォーム(例えば、ウエハステッパ)と一体化されたチャンバ内で蒸着され、露光前に反応しないように真空下で搬送されうる。リソグラフィツールとの一体化は、周囲の気体(H2O、O2など)による入射光子の強力な光吸収を前提とすると、EUVLには非常に低い圧力も必要であるという事実によって促進される。他の実施形態において、感光性金属膜蒸着およびEUV露光は、同じチャンバ内で実行されてもよい。
【0154】
フォトリソグラフィ処理は、フォトレジストの露光領域と非露光領域との間の化学的なコントラストを生み出すのに必要な化学反応を促進するために、1または複数のベーク工程を含みうる。大量生産(HVM)では、かかるベーク工程は、ウエハが周囲空気または場合によってはN2流の下で事前設定された温度のホットプレート上でベークされるトラック上で実行されうる。ベーク雰囲気をより注意深く制御すると共に、これらのベーク工程中に雰囲気内にさらなる反応ガス成分を導入することで、さらなる必要線量の低減および/またはパターン忠実度の改善に役立ちうる。
【0155】
本開示の様々な態様によれば、蒸着後(例えば、塗布後ベーク(PAB)または別の塗布後処理)および/または露光後(例えば、露光後ベーク(PEB)(省略されてもよい)または別の露光後処理)および/または現像後(例えば、現像後ベーク(PDB)または別の現像後処理)の金属および/または金属酸化物系のフォトレジストに対する1または複数の後処理により、露光フォトレジストと非露光フォトレジストとの間の材料特性の差を増大させ、したがって、線量対サイズ(DtS)を減少させ、PRプロファイルを改善し、後続の乾式現像後のラインエッジラフネスおよびライン幅ラフネス(LER/LWR)を改善することができる。かかる処理は、温度、ガス雰囲気、および、湿度の制御と共に熱処理を含むことで、後続の処理において乾式現像の性能を向上させることができる。いくつかの例において、遠隔プラズマが用いられてもよい。しかし、特定の例では、PABおよび/またはPEBおよび/またはPDBは実行されない。
【0156】
塗布後処理(例えば、PAB)の場合、温度(例えば、加熱または冷却による制御)、ガス雰囲気(例えば、空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、または、それらの混合物)または真空下、ならびに、湿度の制御と共に熱処理を用いて、蒸着後に露光する前に、未露光の金属および/または金属酸化物フォトレジストの組成を変化させることができる。その変化は、材料のEUV感度を高めうるため、より低い線量対サイズおよびエッジラフネスが露光および乾式現像の後に達成されうる。
【0157】
露光後処理(例えば、PEB)の場合、温度、ガス雰囲気(例えば、空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、または、それらの混合物)または真空下、ならびに、湿度の制御と共に熱処理を用いて、非露光および露光フォトレジスト両方の組成を変化させることができる。その変化は、非露光フォトレジストと露光フォトレジストとの間の組成/材料特性の差、および、非露光フォトレジストと露光フォトレジストとの間の乾式現像エッチングガスのエッチング速度の差、を増大させうる。それによって、より高いエッチング選択比が達成されうる。改善した選択比により、より正方形に近いPRプロファイルが、改善された表面ラフネスおよび/またはより少ないフォトレジスト残留物/スカムと共に得られうる。特定の実施形態において、PEBは、空気中で、水蒸気およびCO2の任意選択的な存在下で実行されうる。他の実施形態において、PEBは省略されてもよい。
【0158】
現像後処理(例:現像後ベークすなわちPDB)の場合、温度、ガス雰囲気(例:空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、または、それらの混合物)または真空下(例えば、UVと共に)、ならびに、湿度の制御と共に熱処理を用いて、非露光フォトレジストの組成を変化させることができる。特定の実施形態において、条件は、さらに、プラズマ(例えば、O2、O3、H2O2、Ar、He、または、それらの混合物を含む)の利用を含む。その変化は、材料の硬度を高めることができ、これは、下層の基板をエッチングする時に、膜がレジストマスクとして利用される場合に、役立ちうる。
【0159】
これらの場合に、別の実施例において、熱処理は、反応種を増加させることで、反応のためのエネルギ障壁を低くすると共に生産性を高めるために、遠隔プラズマ処理に置き換えられてもよい。遠隔プラズマは、より多くの反応性ラジカルを生成するため、処理の反応温度/時間を低減させうるので、生産性の向上につながる。
【0160】
したがって、1または複数回の処理が、フォトレジスト自体を改質して湿式または乾式現像選択比を高めるために適用されてよい。この熱またはラジカルによる改質は、非露光材料と露光材料との間のコントラストを増大させ、したがって、後続の現像工程の選択比を高めうる。結果として得られる非露光材料および露光材料の間の材料特性の差は、温度、ガス流量、湿度、圧力、および/または、RF電力を含む処理条件を調節することによって調整可能である。
【0161】
湿式現像または乾式現像されたレジスト膜について、PABまたはPEBの処理温度は、処理プロセスを調整および最適化するために、例えば、PABでは約90℃~250℃、および、PEBでは約170℃~250℃以上に、変更可能である。
【0162】
特定の実施形態において、PABおよび/またはPEB処理は、100sccm~10000sccmの範囲のガス雰囲気流量、数パーセント~最大100%(例えば、20%~50%)の湿度、大気圧と真空との間の圧力、および、約30秒~15分の持続期間(例えば、約1~2分)で実行されてよい。特定の実施形態において、PEBは省略される。
【0163】
半導体処理動作の選択比の要件/制約に応じて、本明細書に記載するような熱処理を用いて、必要なEUV線量を低減することができる。あるいは、より高い選択比が要求され、より高い線量が許容されうる場合、はるかに高い選択比(最大で100倍の露光部対非露光部の選択比)を得ることができる。
【0164】
さらに他の工程は、フォトリソグラフィ処理中に物理的および構造的な特徴(例えば、クリティカルディメンション、膜厚など)を評価できるその場測定を含みうる。その場測定を実現するためのモジュールは、例えば、散乱計、偏向解析、下流質量分析、および/または、プラズマ強化下流発光分光モジュール、を含む。
【0165】
基板が、処理チャンバに提供されてよく、ここで、基板は、基板層と、基板層を覆う現像後フォトレジストマスクとを備えた半導体基板である。基板層は、現像後フォトレジストマスクの下にあってよく、パターニング処理を容易にするために任意の適切な材料を含んでよい。基板層は、現像後フォトレジストマスクに対して高い選択比でエッチングされうる。いくつかの実施例において、1または複数の基板層は、スピンオン炭素(SoC)、スピンオンガラス(SOG)、非晶質炭素(a-C)、非晶質シリコン(a-Si)、酸化スズ(例えば、SnOx)、シリコン(a-Si)、酸化シリコン(例えば、SiOx)、酸窒化シリコン(例えば、SiOxNy)、酸炭化シリコン(例えば、SiOxCy)、窒化シリコン(例えば、Si3N4)、炭化シリコン(SiCx)酸化チタン(例えば、TiO2)、窒化チタン(例えば、TiN)、タングステン(例えば、W)、ドープ炭素(例えば、WドープC)、酸化タングステン(例えば、WOx)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO2)、または、酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)を含んでよい。
【0166】
金属含有フォトレジストは、基板層上に乾式蒸着または湿式蒸着されてよい。金属含有フォトレジストは、EUV露光後にEUV露光領域およびEUV非露光領域を有するポジティブトーンレジストまたはネガティブトーンレジストとして提供されてよい。蒸着後、金属含有フォトレジストは、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)内でフォトパターニングされてよい。露光および任意選択的なPEB処理の後、金属含有フォトレジストは、金属含有フォトレジストの部分(例えば、EUV非露光部分)を選択的に除去して、基板層の上にパターニングされたフォトレジストマスクを形成するために、現像を受けてよい。いくつかの実施例において、金属含有フォトレジストは、金属含有EUVフォトレジストであり、ここで、金属含有EUVフォトレジストは、有機金属酸化物または有機金属含有膜である。例えば、金属含有EUVフォトレジストは、Sn、O、および、C原子を含んでよい。
【0167】
処理チャンバは、現像後に基板を処理するための密閉空間を提供しうる。処理チャンバのチャンバ壁は、ステンレス鋼、アルミニウム、プラスチック、または、その他の適切な材料で製造されてよい。いくつかの実施形態において、チャンバ壁は、耐食性の膜(ポリマまたは無機コーティングなど)でコーティングされている。処理チャンバは、基板が支持される基板支持体(例えば、ペデスタルまたは静電チャック)を備えてよい。いくつかの実施形態において、現像後処理のための処理チャンバは、蒸着チャンバ、ベベルエッジおよび/または背面洗浄チャンバ、PAB処理チャンバ、PEB処理チャンバ、現像チャンバ、もしくは、エッチングチャンバであってよい。そのように、現像後処理のための処理チャンバは、フォトレジスト処理のために以前の動作で用いられたのと同じチャンバ、または、フォトレジスト処理のために後続の動作で用いられるのと同じチャンバであってよく、それにより、基板の移送を最小限にすることで、動作間でのエアブレーク(空気の変化)への暴露が低減される。処理チャンバは、基板を高温にさらすための1または複数の加熱素子を備えてよい。いくつかの実施形態において、1または複数の加熱素子は、基板の温度を制御するために基板支持体に配置された1または複数の赤外線(IR)ランプもしくは1または複数の発光ダイオード(LED)を備えてよい。処理チャンバは、処理チャンバ内にガスを搬送するための1または複数のガスラインを備えてよい。例えば、1または複数のガスラインは、処理チャンバ内の基板へ向かって反応ガスを供給するためのシャワーヘッドを備えてよい。いくつかの実施例において、処理チャンバは、プラズマ生成チャンバであってよく、または、処理チャンバとは別個のプラズマ生成チャンバに結合されていてもよい。プラズマ生成チャンバは、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタ、トランス結合プラズマ(TCP)リアクタ、または、容量結合プラズマ(CCP)リアクタであってよい。いくつかの場合に、処理チャンバは、さらに、ガスを排気するための1または複数のガス流出口を備え、ガス流出口は、処理チャンバ内の所望の圧力を維持するための真空ポンプに結合されていても結合されていなくてもよい。
【0168】
現像後の金属含有フォトレジストマスクは、以下の動作の内の1または複数を用いて処理される。(i)現像後の金属含有フォトレジストマスクを熱アニーリングする動作、(ii)現像後の金属含有フォトレジストマスクをプラズマへ暴露する動作、(iii)現像後の金属含有フォトレジストマスクを1または複数の反応ガスへ暴露する動作、ならびに、(iv)現像後の金属含有フォトレジストマスク上に保護層を選択的に蒸着する動作。基板の現像後処理は、上述の熱アニーリング処理、プラズマ処理、化学的処理、または、選択的蒸着処理動作の内の1つ、もしくは、上述の処理の組み合わせを利用してよい。現像後処理は、パターン転写エッチング中の金属含有フォトレジストマスクの性能を向上させる。上述の熱アニーリング処理、プラズマ処理、化学的処理、および、選択的蒸着処理技術については、後に詳細に論じる。
【0169】
基板層は、現像後の金属含有フォトレジストマスクを用いて凹部フィーチャを形成するためにエッチングされる。この処理は、パターン転写またはパターン転写エッチングと呼ばれうる。エッチングは、現像後の金属含有フォトレジストマスクを除去することなしに、基板層の部分を選択的に除去しうる。湿式または乾式エッチャントが、現像後の金属含有フォトレジストマスクによって露出された基板層の部分をエッチングするために用いられてよい。金属含有フォトレジストマスクは、フィーチャがエッチングされるパターンを規定してよい。フィーチャは、金属含有フォトレジストマスクによって規定されたパターンに従って基板層にエッチングされる。現像後処理の後、金属含有フォトレジストマスクは、パターン転写エッチング中、増大したラインCDおよび/または向上したエッチング耐性を有しうる。エッチングされるフィーチャは、金属含有フォトレジストマスクによって提供されたラインCDを維持または実質的に維持できる。いくつかの場合に、金属含有フォトレジストマスクは、欠陥および/またはラフネスを低減されていてよい。結果として、欠陥およびラフネスは、パターン転写エッチング後に形成されるフィーチャに移行されない。
【0170】
熱処理
いくつかの実施例において、基板は、基板を高温に加熱することによって熱処理されてよい。これは、現像後ベーク(PDB)とも呼ばれうる。基板の熱処理は、パターン転写エッチングの前に金属含有フォトレジストマスクから欠陥を低減すると共にラフネスを低減するよう機能しうる。特に、基板の熱処理は、スカムを除去することによって金属含有フォトレジストマスクにおける化学的なコントラストを改善しうる。基板の熱処理は、残留物/スカムを硬化させ、また、ガス放出を低減しうる。
【0171】
湿式または乾式現像の後、残留物またはスカムが、基板上に残りうる。残留物またはスカムは、現像によって除去されたフォトレジストマスクの領域に残りうる。残留物またはスカムは、基板の表面上に吸着した残留エッチング副生成物を含みうる。例えば、特定の現像剤で用いられるハロゲンの蒸気は、水分または酸素と反応することで、除去が困難な残留エッチング副生成物を形成しうる。湿式処理技術は、しばしば、水分および/または酸素を利用し、これは、より容易にスカムおよび残留物の形成につながりうる。いくつかの場合に、残留物は、パターン転写中の化学的コントラストの喪失に寄与し、下流の処理ツールを汚染しうる金属酸化物(例えば、SnOx)の高い金属濃度または粒子またはクラスタを含みうる。
【0172】
湿式または乾式現像の後、ラフネスが、フォトレジストマスクの現像済みパターンにおけるエッチング済みフィーチャの側壁上に生じうる。この一部は、光の確率論または非最適なガウス分布に起因しうるものであり、結果として、フォトレジストが非露光のままであるべきエリアで材料が部分的または完全に露光され、もしくは、その逆のことが生じる。さらに、フォトレジストマスクのエッチング済みフィーチャの側壁上へのスカム形成が、ラフネスを悪化させうる。
【0173】
熱処理中、基板は、約50℃~約500℃の間、約100℃~約400℃の間、約100℃~約300℃の間、または、約100℃~約250℃の間の高温に加熱されてよい。基板は、処理チャンバ内の1または複数の温度制御可能素子を用いて、高温に加熱されてよい。圧力は、約0.1Torr~約760Torrの間(例えば、いくつかの場合には、約0.1Torr~約1Torrの間)に維持されてよい。基板は、約1分~約10分の間(例えば、いくつかの場合には、約2分~約5分の間)の持続時間にわたって高温に暴露されてよい。いくつかの実施例において、熱処理は、1または複数の不活性ガスを用いて実行される。例えば、熱処理は、窒素(N2)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、または、キセノン(Xe)の流れを用いて実行されてよい。いくつかの実施例において、熱処理は、大気中で実行される。
【0174】
現像後熱処理におけるより高い温度が、デスカミングの増加、欠陥の低減、および、ラフネスの低減につながりうる。しかしながら、より高い温度は、同時に、ラインCDの減少につながりうる。熱アニーリング中のより高い温度が、フォトレジストの横方向の収縮およびフォトレジストの高さの収縮を引き起こすことが観察された。減少したラインCDは、より高い線量対サイズにつながる。現像後熱処理は、欠陥およびラフネスの低減と、より高い線量対サイズとの間のトレードオフの問題を抱えうる。これは、線量対サイズの増大を最小化しつつ欠陥およびラフネスの低減の利益を最適化するために、所望の温度範囲および所望の処理持続時間に熱処理を制限する。
【0175】
プラズマ処理
いくつかの実施例において、基板は、現像後処理のためにプラズマに暴露されてよい。プラズマ処理は、パターン転写エッチングの前に、金属含有フォトレジストマスクの密度を高め、ラフネスを低減するよう機能しうる。いくつかの場合に、プラズマ処理は、スカムを除去することによって金属含有フォトレジストマスクにおける化学的なコントラストをさらに改善しうる。プラズマ処理は、不活性ガス種のプラズマまたは反応ガス種のプラズマを用いてよい。反応ガス種のプラズマは、金属含有フォトレジストマスクと化学的に反応し、または、金属含有フォトレジストマスク上に保護膜を選択的に蒸着しうる。プラズマ処理は、不動態化および/または硬化の効果を奏しうる。
【0176】
プラズマへの暴露は、遠隔プラズマ発生器においてプラズマを生成すること、または、基板が処理されている処理チャンバにおいてプラズマを生成することによって進められてよい。1または複数のガスが、プラズマ生成領域に流されてよく、その領域は、遠隔プラズマ発生器または処理チャンバであってよく、プラズマが点火される。プラズマ生成チャンバは、誘導結合プラズマ(ICP)、トランス結合プラズマ(TCP)、または、容量結合プラズマ(CCP)リアクタであってよい。プラズマエネルギが、1または複数のガスを、イオン、ラジカル、中性種、および、その他のプラズマ活性化種へ活性化するために提供される。イオン、ラジカル、中性種、および、その他のプラズマ活性化種は、金属含有フォトレジストマスクと相互作用して、パターン転写エッチング中の金属含有フォトレジストマスクの性能を向上させうる。
【0177】
1または複数のガスは、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、オゾン(O3)、および、二酸化硫黄(SO2)など、酸素含有種を含んでよい。追加的または代替的に、1または複数のガスは、三塩化ホウ素(BCl3)、四塩化シリコン(SiCl4)、四塩化スズ(SnCl4)、六フッ化タングステン(WF6)、および、ジフルオロメタン(CH2F2)など、ハロゲン含有種を含んでもよい。追加的または代替的に、1または複数のガスは、窒素(N2)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、および、キセノン(Xe)など、不活性ガス種を含んでもよい。その他のガスは、水素(H2)、アンモニア(NH3)、水(H2O)、過酸化水素(H2O2)、一酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(N2O)、二酸化窒素(NO2)、ハロゲン化水素(HCl、HBr、HF、HI)、および、様々な炭水化物(CxHy)(メタン(CH4)など)を含みうる。いくつかの場合に、プラズマは、酸素系プラズマ、窒素系プラズマ、水素系プラズマ、不活性ガスプラズマ、および/または、炭素系プラズマであってよい。いくつかの実施例において、プラズマは、遠隔プラズマである。いくつかの他の実施例において、プラズマは、その場プラズマである。
【0178】
プラズマ処理の処理条件は、所望の結果を達成するように調整されてよい。かかる処理条件は、プラズマ電力、プラズマ周波数、プラズマ暴露時間、バイアス電圧、デューティサイクル、温度(例えば、ペデスタル温度)、圧力(例えば、チャンバ圧)、ならびに、1または複数のガスの流量を含むが、これらに限定されない。動作時のプラズマは、約50W~約4000Wの間、約50W~約1000Wの間、または、約100W~約500Wの間など、約6kW未満のプラズマ電力で生成されてよい。いくつかの例において、プラズマは、低プラズマ電力かつ高イオンエネルギで提供されてよい。プラズマの方向性は、バイアス電圧によって制御されてよい。いくつかの実施例において、約1V~約500Vの間、約10V~約400Vの間、または、約30V~約300Vの間のバイアス電圧が印加されてよい。プラズマ処理は、約0.5秒~約120秒の間、約1秒~約60秒の間、または、約2秒~約40秒の間の持続期間にわたって実行されてよい。プラズマ処理は、所望の結果を達成するために動作中にプラズマのデューティサイクルを調節してよく、ここで、RF電力電源は、任意の適切なデューティサイクル(約1%~約99%の間、または、約10%~約90%の間、など)でプラズマを供給してよい。いくつかの実施形態において、チャンバ圧は、約0.1Torr~約760Torrの間、または、いくつかの場合に約0.1Torr~約1Torrの間、であってよい。いくつかの実施形態において、基板温度は、約0℃~約400℃の間、約50℃~約300℃の間、または、約100℃~約250℃の間、であってよい。
【0179】
いくつかの実施形態において、有用なプラズマ処理システムが、連続動作可能またはパルス動作可能な高周波電力増幅器を備えてよい。
【0180】
以下で論じるように、プラズマ処理は、反応ガス種によって達成されてよい。反応ガス種のプラズマは、マスク特性(エッチング耐性など)を改善するように、金属含有フォトレジストマスク内で化学反応を誘発しうる。反応ガス種のプラズマは、ラインCDを増加させると共に線量対サイズを減少させるように、金属含有フォトレジストマスク上に保護膜を選択的に蒸着しうる。
【0181】
プラズマ処理は、特定の実施形態において、循環的なプラズマ処理であってよい。かかる処理は、HBrなどのハロゲン含有ガスにソーキングする第1工程を含み、そこで、HBrが、露出したパターニング済み表面に吸収され、次に、過剰なHBrのパージがなされる。処理チャンバをパージした後、循環的なプラズマ処理プロセスの第2工程は、デスカムする目的で、露出したパターニング済み表面上に吸収されたHBrを活性化するために、特定のバイアスでヘリウムプラズマに点火する。次いで、2つの工程は、すべてのスカムを除去するために必要な回数だけ繰り返される。
【0182】
特定の実施形態において、プラズマ処理は、連続プラズマ乾式現像であってよい。この処理において、ヘリウム、アルゴン、または、それらの組み合わせを含むがそれらに限定されない不活性ガスが、約1~約10パーセントのハロゲン含有ガス(HBrなど)と共に処理チャンバ内へ同時に流され、その後、デスカムするために、約40ボルト~約500ボルトの電圧のバイアスでプラズマが点火される。ハロゲン含有ガスの流量は、約200~約800sccmであってよい。プラズマは、フォトレジスト表面からスカムを除去するために、1)TCP電力を高から低へランプアップし、2)パルスするバイアスによらず一定のTCP電力を維持し、または、3)バイアスおよびTCPを同時にパルスさせることによって調節可能である。処理全体は、いくつかの実施形態において、約7~約30秒掛かりうる。連続乾式現像プラズマ処理の圧力は、約5mTorr~約50mTorrであってよい。
【0183】
化学的処理
いくつかの実施例において、金属含有フォトレジストマスクは、1または複数の反応ガス種に暴露されてよい。反応ガス種は、金属含有フォトレジストマスクと化学的に反応してよい。実際に、特定の反応ガス種は、金属含有フォトレジストマスクと反応し、基板の基板層とは反応しなくてよい。いくつかの実施例において、反応ガスは、第1材料から第2材料へ金属含有フォトレジストマスクの全体または実質的に全体を変換してよい。金属含有フォトレジストマスクの化学的な変化は、金属含有フォトレジストマスクの1または複数の特性を変化させうる。いくつかの実施例において、反応ガス種は、第1材料から第2材料へ金属含有フォトレジストマスクの外側部分のみを変換してよく、これは、後に詳述するように、保護膜として用いられてよい。
【0184】
反応ガス種は、ラインCDを増加させると共に線量対サイズを減少させるように、金属含有フォトレジストマスクと反応しうる。反応ガス種は、ラフネス(例えば、LWR/LER)を低減しまたは少なくとも同じラフネスを維持するように、金属含有フォトレジストマスクと反応しうる。反応ガス種は、金属含有フォトレジストマスクの密度を高めうる。いくつかの場合に、反応ガス種は、欠陥(例えば、スカミング)を低減するように、金属含有フォトレジストマスクと反応しうる。さらに、反応ガス種は、金属含有フォトレジストマスクからのスズのガス放出などガス放出を低減しうる。いくつかの場合に、反応ガス種は、後のエッチング動作中のフォトレジストマスクのエッチング耐性を高めるように、金属含有フォトレジストマスクと反応しうる。一例として、反応ガス種は、ラインCDを増加させ、パターン転写エッチング後にフォトレジストマスクの高いラインCDを少なくとも実質的に維持しうる。
【0185】
反応ガス種は、下層にある基板層よりも金属含有フォトレジストと反応しうる。特定の実施例において、反応ガス種を用いた化学的処理は、EUVフォトレジストマスクの化学的性質を利用する。EUVフォトレジストマスクは、Sn、O、および、C原子を有する有機金属酸化物膜(有機スズ酸化物膜など)で構成されうる。有機スズ酸化物膜は、Sn-Sn結合、Sn-H結合、Sn-C結合、Sn-OH結合、Sn-O結合、Sn-O-Sn結合、および、Sn-O-C結合のネットワークで構成されうる。反応ガス種は、EUVフォトレジストマスクの化学変化を誘発するように、酸化、還元、挿入、引き抜き、または、その他の化学反応機序によって有機スズ酸化物膜の1または複数の元素と反応しうる。いくつかの例において、反応ガス種は、一酸化炭素(CO)を含んでよく、ここで、スズ種は、一酸化炭素と触媒反応しうる。どの理論によっても制限されることなく、化合物SnOCxは、COと反応して、新たな化合物SnOCx(CO)yを形成する。化学反応は、ラインCDを拡大することによって、EUVフォトレジストマスクの変化を誘発する。いくつかの実施例において、EUVフォトレジストマスク内の新たな化合物のエッチング耐性が改善される。
【0186】
CO以外の反応ガス種が、EUVフォトレジストマスクにおける化学反応を誘発するために用いられてもよい。有用な反応ガス種の例は、空気、水蒸気(H2O)、過酸化水素(H2O2)、二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)、オゾン(O3)、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、エタノール(CH3CH2OH)、窒素(N2)、水素(H2)、アンモニア(NH3)、亜酸化窒素(N2O)、酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、アセチルアセトン(C5H8O2)、ギ酸(CH2O2)、酢酸(CH3COOH)、シアン化水素(HCN)、三塩化ホウ素(BCl3)、四塩化シリコン(SiCl4)、塩素(Cl2)、ホウ素(Br2)、塩化水素(HCl)、ホウ化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、フッ化水素(HF)、フルオロメタン(CH3F)、ジフルオロメタン(CH2F2)、および、それらの組み合わせ、を含みうるが、これらに限定されない。いくつかの場合に、反応ガス種は、酸素含有ガス、炭素含有ガス、水素含有ガス、窒素含有ガス、ハロゲン含有ガス、または、それらの組み合わせを含んでよい。その他の反応ガス種は、六フッ化タングステン(WF6)、四塩化スズ(SnCl4)、六フッ化モリブデン(MoF6)、二塩化二酸化モリブデン(MoO2Cl2)、および、五塩化モリブデン(MoCl5)など、金属前駆体を含みうる。その他の反応ガス種は、テトラキス(ジメチルアミド)スズ(Sn(N(CH3)2)4)、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム(Hf(N(CH3)2)4)、ジメチルアルミニウム((CH3)2Al)、トリメチルアルミニウム((CH3)3Al)、チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)、タングステンカルボニル(W(COx))、モリブデンカルボニル(Mo(CO)x)、ルテニウムカルボニル(Ru(CO)x)、鉄カルボニル(Fe(CO)x)、および、それらの組み合わせなど、金属有機前駆体を含みうる。このように、いくつかの場合に、反応ガス種は、金属ハロゲン化物または有機金属前駆体(金属カルボニル前駆体など)を含んでよい。従来のポリマ系フォトレジスト材料は、金属ハロゲン化物または特定の有機金属前駆体と反応しえないが、本開示の金属含有フォトレジスト材料または金属酸化物含有フォトレジスト材料は、金属ハロゲン化物および有機金属前駆体とより反応する傾向がありうる。どの理論によっても制限されることなく、有機金属フォトレジスト内にM-OH結合がある場合、M-O-M’架橋が形成されえ、ここで、M’は、金属前駆体(例えば、金属ハロゲン化物または有機金属前駆体)由来である。
【0187】
反応ガス種は、その他のガスと共に同時に同時に流されてよい。いくつかの実施例において、反応ガス種は、不活性ガス種(ヘリウム、ネオン、アルゴン、または、キセノンなど)と共に同時に流されてよい。いくつかの実施例において、反応ガス種の組み合わせが、互いと共に同時に流されてもよい。例として、三塩化ホウ素などのハロゲン含有ガスが、メタンなどの炭素含有ガスと共に同時に流されてよい。別の例において、六フッ化タングステンなどの金属前駆体が、ジフルオロメタンなどの炭素含有ガスと共に同時に流されてもよい。反応ガス種は、単独でまたはその他の反応ガス種と共に、フォトレジストマスクを別の材料に変換し、または、フォトレジストマスク上に保護膜を選択的に蒸着しうる。
【0188】
いくつかの実施例において、反応ガス種は、処理チャンバに流体接続されたガス源から処理チャンバへ供給されてよい。ガス源(ガス貯蔵タンクなど)は、ガス供給ラインを介して処理チャンバに流体接続されていてよい。ガス反応物は、処理チャンバに入る前に予め混合されてよく、または、処理チャンバに入る時に混合されてもよい。いくつかの実施例において、反応ガス種は、処理チャンバにおいてその場で生成されてよい。ガス反応物は、互いと反応することで、金属含有フォトレジストマスクと反応して化学変化を誘発する反応生成物を形成しうる。あるいは、ガス反応物は、1または複数のチャンバ構成要素(例えば、金属系チャンバライン)と反応することで、金属含有フォトレジストマスクと反応して化学変化を誘発する反応生成物を形成しうる。ガス反応物は、金属チャンバ構成要素と反応して有機金属前駆体を形成する炭素含有前駆体であってよい。この反応は、有機金属前駆体を生成するよう熱的に駆動されてよい。例えば、処理チャンバに供給された一酸化炭素は、鉄含有チャンバラインと反応して、EUVフォトレジストマスクと容易に反応する鉄カルボニル(Fe(CO)x)を形成し、それにより、EUVフォトレジストマスクのラインCDを増加させうる。どの理論によっても制限されることなく、鉄カルボニルは、EUVフォトレジストマスク上への酸化鉄の蒸着を引き起こす。別の例において、処理チャンバに供給された一酸化炭素または二酸化炭素は、タングステン含有チャンバライン(例えば、熱線)と反応して、EUVフォトレジストマスクと容易に反応するタングステンカルボニル(W(CO)x)を形成しうる。
【0189】
1または複数の反応ガス種を用いた金属含有フォトレジストマスクの化学的処理は、熱処理およびプラズマ処理の一方または両方と共に用いられてよい。熱処理またはプラズマ処理だけではトレードオフを示しうるが、かかるトレードオフは、金属含有フォトレジストマスクに化学的処理をさらに適用することによって相殺されうる。具体的には、1または複数の反応ガス種が高温で金属含有フォトレジストマスクへ流されるように、化学的処理を熱処理と組み合わせてよい。高温は、ラインCDを減少させうるが、1または複数の反応ガス種は、金属含有フォトレジストマスク内のラインCDを増加させうる。実際に、1または複数の反応ガス種に起因して増加するラインCDは、高温に起因して減少するラインCDを超えうる。これは、線量対サイズを低減しつつ、金属含有フォトレジストマスク内の欠陥およびラフネスを低減する。いくつかの実施形態において、反応ガス種のラジカルおよび/またはイオンが金属含有フォトレジストマスクに流されるように、化学的処理をプラズマ処理と組み合わせてもよい。ラジカルおよび/またはイオンは、反応ガス種と金属含有フォトレジストマスクとの反応性を高めうる。金属含有フォトレジストマスクは、プラズマ内の1または複数の反応ガス種に暴露されてよく、これは、金属含有フォトレジストマスクの化学組成を変化させ、ラインCDおよび密度を増加させうる。これは、金属含有フォトレジストマスクの欠陥またはラフネスを必ずしも悪化させることなしになされうる。プラズマは、基板への損傷を避けるような電力で印加されてよい。
【0190】
金属含有フォトレジストマスクにおける表面反応またはバルク反応の誘発は、反応へエネルギを印加することによって起こりうる。熱暴露および/またはプラズマ暴露からの或る程度のエネルギが、表面反応またはバルク反応を誘発するのに十分でありうる。したがって、処理条件(温度およびプラズマ電力など)が、所望の結果を達成するよう調整されてよい。いくつかの実施例において、基板温度は、1または複数のガス種での化学的処理中に、約0℃~約400℃の間、約50℃~約300℃の間、または、約100℃~約250℃の間、であってよい。いくつかの実施例において、プラズマ電力は、1または複数の反応ガス種での化学的処理中に、約6kW未満、約50W~約4000Wの間、約50W~約1000Wの間、または、約100W~約500Wの間、であってよい。
【0191】
その他の処理条件(プラズマ周波数、暴露時間、バイアス電圧、圧力、および、流量など)が、1または複数の反応ガス種を用いた化学的処理を促進するよう調整されてもよい。いくつかの実施例において、約800V未満、約0V~約500Vの間、約10V~約400Vの間、または、約30V~約300Vの間のバイアス電圧が印加されてよい。いくつかの実施例において、1または複数の反応ガス種への暴露は、約1秒~約10分の間、約5秒~約8分の間、または、約30秒~約4分の間の持続時間にわたって実行されてよい。いくつかの実施例において、チャンバ圧は、約0.1Torr~約760Torrの間、または、いくつかの場合に約1mTorr~約100mTorrの間、であってよい。第1反応ガス種が、約1sccm~約1000sccmの間、約2sccm~約500sccmの間、または、約5sccm~約300sccmの間の流量で処理チャンバ内へ流されてよい。任意選択的な第2反応ガス種が、約5sccm~約1000sccmの間、約10sccm~約500sccmの間、または、約20sccm~約300sccmの間の流量で処理チャンバ内へ同時に流されてよい。任意選択的な不活性ガス種が、約20sccm~約2000sccmの間、約30sccm~約1000sccmの間、または、約50sccm~約500sccmの間の流量で処理チャンバ内へ同時に流されてよい。一例として、一酸化炭素が、約240℃の基板温度で、約20秒~約5分間の間の持続時間にわたって約500sccmの流量で処理チャンバ内へ流されてよい。一酸化炭素は、EUVフォトレジストマスクと反応して、EUVフォトレジストマスクの化学組成を変化させうる。別の例において、六フッ化タングステンが、一酸化炭素の代わりにEUVフォトレジストマスクと反応して、フォトレジストマスクの化学組成を変化させてもよい。EUVフォトレジストマスクは、その後のパターン転写エッチング中にエッチング耐性の増大を示しうる。
【0192】
開示されている方法の特定の実施形態が
図3に示されている。処理300の動作は、異なる順序で実行されてもよく、および/または、異なる、より少ない、または、さらなる動作で実行されてもよい。処理300の1または複数の動作は、
図6~
図9のいずれかに記載されている装置を用いて実行されてよい。いくつかの実施形態において、処理300の動作は、少なくとも部分的には、1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体に格納されたソフトウェアに従って実施されうる。
【0193】
図3において、ブロック302~310および314は、
図1のブロック102~110および116と同じ動作を表している。ブロック312の動作は、統合乾式現像動作を表しており、ここで、統合乾式現像動作は、熱およびプラズマ乾式現像を含んでよく、もしくは、統合乾式現像動作は、乾式現像および現像後処理を含んでもよく、動作はすべて、単一の処理チャンバ内で実行される。動作312は、
図1の動作112および114の代わりに実行されうる。そうすることで、生産性が改善され、欠陥、オーバーレイ、および、CDが、より効果的に制御されうる。乾式現像および現像後の動作をすべて1つの処理チャンバに集約することは、従来は別の処理チャンバで行われる乾式現像後ベークのさらなる工程を追加する必要なしに、金属ガス放出(スズガス放出など)の低減を促進する。
【0194】
単一チャンバにおける乾式現像および不動態化の組み合わせもしくは熱乾式現像およびプラズマ乾式現像の組み合わせは、特に圧力に関して、各動作が必要とする正反対の処理条件に起因して、常識に反している。それらは、従来は、圧力要件を実際的に管理するために、異なる処理ツールを備えた異なるチャンバ内で実行される。熱処理は、高いエッチング速度を得るために、高い圧力を必要とする。高い分圧が、より良好な選択比につながる。逆に、プラズマ処理については、低い圧力が、異方性エッチングを達成するために必要とされる。単一の処理チャンバで実行される場合、数桁の圧力降下が、約1~約10秒間で、迅速に達成されなければならない。スロットルバルブ、専用ポンプ、複数のポンプ、または、処理ガスの流量制御の利用が、10秒以下のオーダーで、迅速に圧力降下をもたらしうる。いくつかの実施形態において、圧力降下は、8秒間、7秒間、6秒間、5秒間、4秒間、3秒間、または、2秒間でなされる。装置は、1または複数の処理パラメータを均一に維持することを可能にし、ここで、1または複数の処理パラメータは、ポンピング、ガス供給、もしくは、ポンピングおよびガス供給を含む。
【0195】
さらに、オールインワン処理は、その場で単一のチャンバ内でのウエハ表面の不動態化、残留物洗浄、および、パターンエッジラフネスの平滑化を可能にする。
【0196】
金属含有フォトレジストが金属酸化物(酸化スズなど)である場合、金属ガス放出(スズガス放出など)が、乾式蒸着後ベークの必要性なしに制御されうる。
【0197】
「酸化スズ」は、本明細書では、xおよびyの整数値ならびにxおよびyの非整数値を含む、SnxOyに対して化学量論的に可能なあらゆるものを含むと見なされる。例えば、「酸化スズ」は、化学式SnOnを有する化合物を含み、ここで、1≦n≦2であり、nは整数値または非整数値でありうる。「酸化スズ」は、準化学量論的化合物(SnO1.8など)を含みうる。「酸化スズ」は、二酸化スズ(SnO2または酸化第二スズ)および一酸化スズ(SnOまたは酸化第一スズ)も含む。「酸化スズ」は、天然および合成のバリエーション両方を含み、また、あらゆる結晶および分子構造を含む。「酸化スズ」は、非晶質酸化スズも含む。
【0198】
ブロック312の統合された動作を実行するための方法の例を、
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、および、
図4Eで、さらに詳細に説明する。
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、および、
図4Eに記載する実施形態は、単に例示であることを意図されており、処理300のブロック312の範囲に限定することを意図されていない。
図4Aは、乾式現像および不動態化が同じ処理チャンバ内で実行されるブロック312の一態様を記載しうる。
図4Bは、熱乾式現像およびプラズマ乾式現像が同じ処理チャンバ内で実行されるブロック312の一態様を記載しうる。
図4Cは、乾式現像および硬化が同じ処理チャンバ内で実行されるブロック312の一態様を記載しうる。
図4Dは、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化が同じ処理チャンバ内で実行されるブロック312の一態様を記載しうる。
図4Eは、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、不動態化、および、硬化が同じ処理チャンバ内で実行されるブロック312の一態様を記載しうる。
【0199】
図4Aは、特定の開示されている実施形態に従って、乾式現像および不動態化の動作を同じ処理チャンバ内で実行するための処理例410のフローチャートである。いくつかのフォトレジストに対して、いくつかの処理条件下で、熱乾式現像処理のみが必要とされる。すなわち、プラズマ乾式現像が必要ない場合がある。
【0200】
ブロック412の動作は、乾式現像処理であってよい。本明細書に記載されているように、乾式現像処理は、フォトレジスト膜を処理するために利用されうる。非限定的な処理は、ハロゲン化水素(例えば、HBr、HCl、など)、水素およびハロゲンガス(例えば、H2およびCl2、H2およびBr2、など)、三塩化ホウ素、有機ハロゲン化物、ハロゲン化アシル、ハロゲン化カルボニル、ハロゲン化チオニル、または、これらの混合物など、ハロゲン化物の利用を含みうる。本開示は、動作の特定の理論または機序のいずれにも限定されないが、アプローチは、蒸気またはプラズマを用いて揮発性の生成物を形成するために、洗浄剤(例えば、HCl、HI、HBr、および/または、BCl3)とのEUVフォトレジスト膜の化学反応性を利用すると理解される。かかる揮発性生成物は、任意の方法で(例えば、本明細書に記載されているように、水性酸で処理することによって)除去されうる。EUVフォトレジスト膜は、1nm/秒までのエッチング速度で除去されうる。これらの化学作用によるEUVフォトレジスト膜の迅速な除去は、チャンバ洗浄、背面洗浄、ベベルエッジ洗浄、および、PR現像に適用可能である。膜は、様々な温度の蒸気(例えば、-20°Cより高い温度のHClまたはHBr、もしくは、50°Cより高い温度のBCl3)を用いて除去できるが、反応性をさらに加速または強化するために、プラズマを用いてもよい。
【0201】
乾式現像処理は、熱処理、プラズマ処理、もしくは、熱処理およびプラズマ処理の組み合わせ、を含みうる。熱処理は、プラズマなしの処理において1または複数のハロゲン化物を含みうる処理ガスにフォトレジスト膜を暴露してよい。プラズマ処理は、不活性ガス、ハロゲン含有ガス、もしくは、不活性ガスおよびハロゲン含有ガスの組み合わせのプラズマにフォトレジスト膜を暴露してよい。熱乾式現像およびプラズマ乾式現像は、ブロック412で同じ処理チャンバ内で実行されてよい。ネガティブトーン現像において、乾式現像処理は、フォトレジスト膜のより露光された領域に対してフォトレジスト膜のあまり露光されていない領域を選択的に除去する。
【0202】
いくつかの実施例において、乾式現像は、熱乾式現像のみである。ブロック412および414の間において、フロー経路413が、ブロック412での乾式現像からブロック414での不動態化へ移行するための処理条件の変更を表しうる。例えば、フロー経路413は、急速な圧力降下など、処理チャンバ内でなされる圧力の変更を表しうる。圧力降下は、処理チャンバ内で達成されてよく、高圧処理および低圧処理の両方が同じチャンバで実行されることを可能にする。圧力変更は、スロットルバルブ、専用ポンプ、複数のポンプ、処理ガスの流量制御、または、これらの技術の組み合わせによって管理されてよい。2以上のポンプが利用される場合、ポンプの内の1つが、粗引きポンプであってよく、ポンプの1つが、ターボポンプであってよい。不活性ガスを用いた任意選択的なパージが、圧力降下動作の前、後、または、間に実行されてよい。
【0203】
ブロック412での乾式現像の後、ブロック414における動作は、不動態化工程(フラッシュプラズマ処理など)を表す。ブロック412での乾式現像およびブロック414での不動態化は、同じ処理チャンバ内で実行されてよい。いくつかの実施形態において、ブロック412での乾式現像は、第1圧力で実行されてよく、ブロック414での不動態化は、第2圧力で実行されてよい。例えば、第2圧力は、第1圧力以下であってよい。いくつかの実施例において、第1圧力は、約5mTorrお~約760Torrの間の範囲にあり、第2圧力は、約5mTorr~約200mTorrの間の範囲にある。いくつかの実施例において、処理チャンバ内の圧力を第1圧力から第2圧力へ移行させることは、10秒以内になされてよい。
【0204】
不動態化は、フォトレジストを不安定化しうる表面のホウ素または塩素置換基をフォトレジストが有する時に有用である。本明細書で用いられているように、「不動態化」とは、フォトレジストを覆って安定した膜の薄層を形成することによって、または、フォトレジスト上の揮発性部分を減らすことによって、フォトレジストの安定化をもたらす表面処理を意味する。いくつかの実施形態において、不動態化が酸素含有プラズマで実行される場合、安定膜の薄層は酸化物であるが、他の実施形態において、不動態化が水素含有プラズマまたは窒素含有プラズマで実行される場合、揮発性部分が除去されてよい。また、表面平滑化が、ブロック414の動作中に達成されてもよい。プラズマ処理は、トランス結合プラズマ(TCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、または、容量結合プラズマ(CCP)を含み、当業者に周知のものに含まれる装置および技術を利用してよい。例えば、処理は、>0.5mTorr(例えば、1mTorr~100mTorrなど)の圧力で、<1000W(例えば、<500W)の電力レベルで実行されてよい。温度は、30℃~300℃(例えば、30℃~120℃)であってよい。流量は、1~3000秒(例えば、10秒~600秒)の間、100~5000標準立方センチメートル毎分(sccm)(例えば、約500sccm~)であってよい。
【0205】
いくつかの実施形態において、不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマを用いた処理である。いくつかの実施形態において、不動態化は、O2、O3、CO、CO2、H2、CxHy、H2O、H2O2、SO2、NO、NO2、N2O、NH3、または、これらの混合物を用いたプラズマ処理を含み、ここで、xは、1から6までの整数、yは、2から14までの整数である。ガスは、約100~約10000sccmの流量で処理チャンバに導入されてよい。不動態化は、約5mTorr~約500mTorrの圧力で実行されてよい。不動態化は、約50W~約300Wのプラズマ電力で実行されてよい。不動態化は、約3秒間~約30秒間の工程時間で実行されてよい。いくつかの実施例において、不動態化は、フラッシュ処理であり、ここで、フラッシュ処理は、約0.5秒間~約4秒間、または、約0.5秒間~約10秒間、比較的高速で行われる。
【0206】
いくつかの実施形態において、不動態化は、1000sccm~2000sccmの酸素(O2)のフラッシュガスを処理チャンバに供給するブロック412のO2フラッシュ処理を含む。特定の実施形態において、100W~3,000Wの高周波電力が、フラッシュガスをプラズマに変換するために、13.56MHzで供給される。20mTorr~100mTorrの圧力が提供される。このプ処理は、電力の供給される時間が比較的短いので(約0.5秒間~約10秒間または約0.5秒間~約10秒間)、「O2フラッシュ」動作と呼ばれうる。不活性ガスによる任意選択的なパージが、乾式現像後、不動態化の前に実行されてよい。
【0207】
動作416は、上記の
図1の動作116について説明したのと同様のパターン転写処理である。
【0208】
動作418は、金属酸化物およびその他の汚染物質を除去するために実行されてよい任意選択的な洗浄処理である。洗浄処理は、処理チャンバを開けた後に行われる。背面およびベベルエッジの洗浄処理では、蒸気および/またはプラズマは、ウエハの正面上で膜の劣化を全く引き起こすことなしに背面およびベベルエッジ上の材料のみが除去されることを保証するために、ウエハの特定の領域に制限されうる。除去されるフォトレジスト膜は、一般に、Sn、O、および、Cで構成されているが、同じ洗浄アプローチを他の金属酸化物レジストおよび材料の膜にも拡張できる。さらに、このアプローチは、膜の剥離およびフォトレジストの修正にも利用できる。
【0209】
湿式洗浄について、溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの化合物、エチレンジアミンまたはジエチレントリアミンなどの錯化アミン、半水溶性フッ化物剥離剤、もしくは、希釈フッ化水素酸剥離剤を含む。金属酸化物は、酸を用いて除去可能であり、クエン酸、酢酸、オクタン酸、もしくは、その他の有機酸または無機酸などが利用されうる。さらに、非常に薄い(すなわち、0/1%未満)硫酸過酸化水素混合物など、過酸化水素含有酸が用いられてもよい。上述した湿式洗浄剤のいずれかの組み合わせが用いられてもよい。
【0210】
図4Bは、特定の開示されている実施形態に従って、単一の処理チャンバにおける統合された熱乾式現像およびプラズマ乾式現像のための処理420を示す。ブロック422の動作は、熱乾式現像である。非限定的な処理は、ハロゲン化水素(例えば、HBr、HCl、など)、水素およびハロゲンガス(例えば、H
2およびCl
2、H
2およびBr
2、など)、三塩化ホウ素、有機ハロゲン化物、ハロゲン化アシル、ハロゲン化カルボニル、ハロゲン化チオニル、または、これらの混合物など、ハロゲン化物の利用を含みうる。本開示は、動作の特定の理論または機序のいずれにも限定されないが、アプローチは、揮発性の生成物を形成するために、洗浄剤(例えば、HCl、HI、HBr、および/または、BCl
3)とのEUVフォトレジスト膜の化学反応性を利用すると理解される。かかる揮発性生成物は、任意の方法で(例えば、本明細書に記載されているように、水性酸で処理することによって)除去されうる。EUVフォトレジスト膜は、1nm/秒までのエッチング速度で除去されうる。これらの化学作用によるEUVフォトレジスト膜の迅速な除去は、チャンバ洗浄、背面洗浄、ベベルエッジ洗浄、および、PR現像に適用可能である。膜は、様々な温度の蒸気(例えば、-20°Cより高い温度のHClまたはHBr、もしくは、50°Cより高い温度のBCl
3)を用いて除去されうる。
【0211】
熱乾式現像処理において、基板は、真空チャンバ(例えば、オーブン)内で乾式現像剤(例えば、ルイス酸)に暴露される。適切なチャンバは、真空ラインと、乾式現像剤ガス(例えば、HBr、HCl)ラインと、温度制御のためのヒータと、を備えうる。いくつかの実施形態において、チャンバ内部は、耐食性の膜(有機ポリマまたは無機コーティングなど)でコーティングされていてよい。1つのかかるコーティングは、ポリテトラフルオロエチレン((PTFE)、例えば、Teflon(商標))である。
【0212】
熱処理は、プラズマなしの処理において1または複数のハロゲン化物を含みうる処理ガスにフォトレジスト膜を暴露してよい。熱乾式現像処理において、熱乾式現像は、約5mTorr~約760Torr(約300mTorrなど)の圧力で実行されてよい。温度は、約-60℃~約120℃の間または約-20℃~約60℃の間(約-10℃など)であってよい。熱乾式現像処理における処理ガスの流量は、約10sccm~約10000sccmの間、約100sccm~約3000sccmの間であってよい(約500sccmのHBrまたはHClなど)。熱乾式現像処理は、フォトレジスト膜ならびにそれらの組成および特性に応じて、約10秒~約1分の時間にわたって基板を処理ガスに暴露してよい。いくつかの実施形態において、圧力は、10~20秒の持続期間に対して400~500mTorrである。
【0213】
ブロック422および424の間において、フロー経路423が、ブロック422での熱乾式現像からブロック424でのプラズマ乾式現像へ移行するための処理条件の変更を表しうる。例えば、フロー経路423は、急速な圧力降下など、処理チャンバ内でなされる圧力の変更を表しうる。圧力降下は、処理チャンバ内で達成されてよく、高圧処理および低圧処理の両方が同じチャンバで実行されることを可能にする。圧力変更は、スロットルバルブ、専用ポンプ、複数のポンプ、処理ガスの流量制御、または、これらの技術の組み合わせによって管理されてよい。2以上のポンプが利用される場合、ポンプの内の1つが、粗引きポンプであってよく、ポンプの1つが、ターボポンプであってよい。不活性ガスを用いた任意選択的なパージが、圧力降下動作の前、後、または、間に実行されてよい。
【0214】
ブロック422での熱乾式現像の後、ブロック424における動作は、プラズマ乾式現像を表す。ブロック422での熱乾式現像およびブロック424でのプラズマ乾式現像は、同じ処理チャンバ内で実行されてよい。いくつかの実施形態において、ブロック422での熱乾式現像は、第1圧力で実行されてよく、ブロック424でのプラズマ乾式現像は、第2圧力で実行されてよい。例えば、第2圧力は、第1圧力以下であってよい。いくつかの実施例において、第1圧力は、約5mTorrお~約760Torrの間の範囲にあり、第2圧力は、約5mTorr~約200mTorrの間の範囲にある。いくつかの実施例において、処理チャンバ内の圧力を第1圧力から第2圧力へ移行させることは、10秒以内になされてよい。
【0215】
ブロック422での熱乾式現像の後、ブロック424における動作は、プラズマ乾式現像工程を表しており、ここで、両方の動作が、同じ処理チャンバ内で実行される。プラズマ乾式現像は、デスカミングおよび/または平滑化の動作を実行してよい。プラズマ処理は、トランス結合プラズマ(TCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、または、容量結合プラズマ(CCP)を含み、当業者に周知のものに含まれる装置および技術を利用する。プラズマ乾式現像は、約0.5mTorrより大きい圧力(約1mTorr~約200mTorrの間または約5mTorr~約100mTorrの間の圧力)で実行されてよい。プラズマ乾式現像は、約1000Wより小さいプラズマ電力(約1W~約1000Wの間または約1W~約500Wの間のプラズマ電力)を印加してよい。プラズマ乾式現像は、約-60℃~約120℃の間(約-20℃~約60℃の間など)の温度で実行されてよい。流量は、1~3000秒(例えば、10秒~600秒)の間、100~1000標準立方センチメートル毎分(sccm)(例えば、約500sccm~)であってよい。
【0216】
いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、アルゴン(Ar)またはヘリウム(He)などの不活性搬送ガスを利用する。いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、少なくとも1つのハロゲン含有ガスを利用する。例えば、ハロゲン含有ガスは、HBr、HCl、HF、HI、Br2、Cl2、F2、I2、BCl3、または、それらの混合物を含みうる。ハロゲン含有ガスは、不活性搬送ガス中で供給されてよい。いくつかの場合に、ハロゲン含有ガスは、プラズマ乾式現像中にスカムを除去するために利用されてよい。いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、少なくとも1つの炭素含有ガスを利用する。例えば、炭素含有ガスは、メタン(CH4)を含みうる。いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、少なくとも1つの水素含有ガスを利用する。例えば、水素含有ガスは、水素ガス(H2)を含みうる。いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、少なくとも1つの窒素含有ガスを利用する。例えば、窒素含有ガスは、窒素ガス(N2)を含みうる。
【0217】
特定の乾式現像処理条件下で、反応物の特定の組み合わせが、プラズマ乾式現像に有利でありうる。組み合わせは、HBrおよびN2、HBrおよびH2、HBrおよびCl2、HBrおよびHCl、HBrおよびBCl3、BCl3およびCl2、BCl3およびHBr、BCl3およびCH4、CH4およびCl2、CH4、Cl2、および、N2、CH4およびHCl、もしくは、CH4およびHBrを含みうるが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、ブロック424でのプラズマ乾式現像のための上述の組み合わせは、ハロゲン化水素(HBrなど)を利用する工程422の熱乾式現像に従ってよい。
【0218】
ハロゲン化物反応物の流れが水素ガスおよびハロゲン化物ガスである場合、遠隔プラズマ/UV放射が、H
2とCl
2および/またはBr
2とからラジカルを生成するために用いられ、水素およびハロゲン化物のラジカルは、ウエハの基板層上のEUVフォトレジストと接触するように反応チャンバに流される。適切なプラズマ電力は、バイアスなしで、100W~500Wの範囲でありうる。これらの条件は、いくつかの処理リアクタに適しているが、より広い範囲の処理条件が、処理リアクタの性能に応じて利用されてよいことを理解されたい。
図4Bには示されていないが、現像後処理(不動態化および/または硬化など)は、熱乾式現像およびプラズマ乾式現像と同じ処理チャンバ内で実行されてよいことが理解される。
【0219】
動作426は、上記の
図1の動作116について説明したのと同様のパターン転写処理である。
【0220】
図4Bに戻ると、パターン転写の後、任意選択的な洗浄処理428が、金属酸化物およびその他の汚染物質を除去するために実行されてよい。洗浄処理は、チャンバを開けた後に行われる。背面およびベベルエッジの洗浄処理では、蒸気および/またはプラズマは、ウエハの正面上で膜の劣化を全く引き起こすことなしに背面およびベベルエッジ上の材料のみが除去されることを保証するために、ウエハの特定の領域に制限されうる。除去されるEUVフォトレジスト膜は、一般に、Sn、O、および、Cで構成されているが、同じ洗浄アプローチを他の金属酸化物レジストおよび材料の膜にも拡張できる。さらに、このアプローチは、膜の剥離およびフォトレジストの修正にも利用できる。
【0221】
湿式洗浄について、溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの化合物、エチレンジアミンまたはジエチレントリアミンなどの錯化アミン、半水溶性フッ化物剥離剤、もしくは、希釈フッ化水素酸剥離剤を含む。金属酸化物は、酸を用いて除去可能であり、クエン酸、酢酸、オクタン酸、もしくは、その他の有機酸または無機酸などが利用されうる。さらに、非常に薄い(すなわち、0/1%未満)硫酸過酸化水素混合物など、過酸化水素含有酸が用いられてもよい。上述した湿式洗浄剤のいずれかの組み合わせが用いられてもよい。
【0222】
図4Cは、特定の開示されている実施形態に従って、単一の処理チャンバにおける統合された乾式現像および硬化のための処理430を示す。ブロック432の動作は、熱乾式現像である。ブロック432での動作は、
図4Bにおいてブロック422に記載された動作と同様である。
【0223】
ブロック432および434の間において、フロー経路433が、ブロック432での熱乾式現像からブロック434でのプラズマ乾式現像および硬化へ移行するための処理条件の変更を表しうる。具体的には、フロー経路433は、急速な圧力降下など、処理チャンバ内でなされる圧力の変更を表しうる。圧力降下は、処理チャンバ内で達成されてよく、高圧処理および低圧処理の両方が同じチャンバで実行されることを可能にする。圧力変更は、スロットルバルブ、専用ポンプ、複数のポンプ、処理ガスの流量制御、または、これらの技術の組み合わせによって管理されてよい。2以上のポンプが利用される場合、ポンプの内の1つが、粗引きポンプであってよく、ポンプの1つが、ターボポンプであってよい。不活性ガスを用いた任意選択的なパージが、圧力降下動作の前、後、または、間に実行されてよい。
【0224】
ブロック432での熱乾式現像の後、ブロック434における動作は、プラズマ乾式現像および/または硬化を表す。いくつかの場合に、ブロック434での動作は、硬化工程のみである。いくつかのその他の場合に、ブロック434での動作は、プラズマ乾式現像および硬化工程の両方である。ブロック432での熱乾式現像ならびにブロック434でのプラズマ乾式現像および/または硬化は、同じ処理チャンバ内で実行されてよい。いくつかの実施形態において、ブロック432での熱乾式現像は、第1圧力で実行されてよく、ブロック434でのプラズマ乾式現像および硬化は、第2圧力で実行されてよい。例えば、第2圧力は、第1圧力以下であってよい。いくつかの実施例において、第1圧力は、約5mTorrお~約760Torrの間の範囲にあり、第2圧力は、約5mTorr~約200mTorrの間の範囲にある。いくつかの実施例において、処理チャンバ内の圧力を第1圧力から第2圧力へ移行させることは、10秒以内になされてよい。
【0225】
ブロック434でのプラズマ乾式現像の態様は、
図4Bのブロック424に記載したものと同様である。ブロック434での硬化の態様について以下に記載する。硬化などの現像後処理が、ブロック432の熱乾式現像と同じ処理チャンバ内で実行されてよい。
【0226】
特定の用途では、フォトレジストの硬化を行うことが望ましい。本明細書で用いられている「硬化」とは、フォトレジストの金属-炭素結合の架橋および/または切断などの処理によって材料を濃縮するフォトレジストの表面および内部の処理を意味する。これは、フォトレジストの材料の密度を高めるよう機能しうる。いくつかの実施例において、硬化は、不活性ガスのプラズマを用いた処理によって達成されてよい。一例において、プラズマを用いた処理による硬化は、アルゴン、窒素、キセノン、または、ヘリウムの反応種(例えば、イオンおよび/またはラジカル)を生成するためのプラズマ点火を含みうる。いくつかの実施例において、硬化は、フラッシュ処理(O2フラッシュ処理など)によって達成されてよく、これは、不動態化および硬化の両方を実行できる。特定の実施形態において、圧力は、約5mTorr~約500mTorrであってよく、プラズマ電力(例えば、TCP電力)は、約50W~約300Wであってよい。ガス流量は、約5mTorr~約500mTorrの工程時間で、約100sccm~約1000sccmであってよい。
【0227】
いくつかの代替的な実施例において、硬化は、UV光への露光によって達成されてもよい。例えば、硬化のためのUV光への露光は、約10W~約1000Wの電力および約5mTorr~約760Torrの圧力での1または複数のUVランプからの露光を含んでよい。いくつかの実施例において、硬化は、不活性ガスのプラズマへの暴露およびUV光への露光の組み合わせによって達成されてもよい。
【0228】
いくつかの実施形態において、硬化は、プラズマ乾式現像の間または後に行われてよい。いくつかの実施形態において、硬化は、プラズマ乾式現像なしに行われてもよい。
【0229】
動作436は、上記の
図1の動作116について説明したのと同様のパターン転写処理である。
【0230】
動作438は、任意選択的な洗浄処理である。ブロック438での洗浄処理の態様は、
図4Bのブロック428に記載したものと同様である。
【0231】
図4Dは、特定の開示されている実施形態に従って、単一の処理チャンバにおける統合された熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化のための処理440を示す。ブロック442の動作は、熱乾式現像である。ブロック442での動作は、
図4Bにおいてブロック422に記載された動作と同様である。
【0232】
ブロック442および444の間において、フロー経路443が、ブロック442での熱乾式現像からブロック444でのプラズマ乾式現像および不動態化へ移行するための処理条件の変更を表しうる。特に、フロー経路443は、急速な圧力降下など、処理チャンバ内でなされる圧力の変更を表しうる。圧力降下は、処理チャンバ内で達成されてよく、高圧処理および低圧処理の両方が同じチャンバで実行されることを可能にする。圧力変更は、スロットルバルブ、専用ポンプ、複数のポンプ、処理ガスの流量制御、または、これらの技術の組み合わせによって管理されてよい。2以上のポンプが利用される場合、ポンプの内の1つが、粗引きポンプであってよく、ポンプの1つが、ターボポンプであってよい。不活性ガスを用いた任意選択的なパージが、圧力降下動作の前、後、または、間に実行されてよい。
【0233】
ブロック442での熱乾式現像の後、ブロック444における動作は、プラズマ乾式現像および不動態化を表す。ブロック442での熱乾式現像ならびにブロック444でのプラズマ乾式現像および不動態化は、同じ処理チャンバ内で実行されてよい。いくつかの実施形態において、ブロック442での熱乾式現像は、第1圧力で実行されてよく、ブロック444でのプラズマ乾式現像および不動態化は、第2圧力で実行されてよい。例えば、第2圧力は、第1圧力以下であってよい。いくつかの実施例において、第1圧力は、約5mTorrお~約760Torrの間の範囲にあり、第2圧力は、約5mTorr~約200mTorrの間の範囲にある。いくつかの実施例において、処理チャンバ内の圧力を第1圧力から第2圧力へ移行させることは、10秒以内になされてよい。
【0234】
ブロック444でのプラズマ乾式現像の態様は、
図4Bのブロック424に記載したものと同様である。ブロック444での不動態化の態様は、
図4Aのブロック414に記載したものと同様である。いくつかの実施例において、不動態化は、O
2プラズマフラッシュ処理などのプラズマフラッシュ処理である。不動態化などの現像後処理が、ブロック442の熱乾式現像と同じ処理チャンバ内で実行されてよい。いくつかの実施形態において、不動態化は、プラズマ乾式現像の間または後に行われてよい。
【0235】
動作446は、上記の
図1の動作116について説明したのと同様のパターン転写処理である。
【0236】
動作448は、任意選択的な洗浄処理である。ブロック448での洗浄処理の態様は、
図4Bのブロック428に記載したものと同様である。
【0237】
図4Eは、特定の開示されている実施形態に従って、単一の処理チャンバにすべて統合された乾式現像、不動態化、および、硬化のための代替処理450を示す。ブロック452での動作は、
図4Bにおいてブロック422について上述した熱乾式現像を表す。
【0238】
ブロック452および454の間において、フロー経路453は、処理チャンバ内で行われる圧力変更手順を表す。フロー経路453について上述したように、要求された圧力降下は、処理チャンバ内で達成されてよく、高圧処理および低圧処理の両方が同じチャンバで実行されることを可能にする。圧力変更は、スロットルバルブ、専用ポンプ、複数のポンプ、処理ガスの流量制御、または、これらの技術の組み合わせによって管理されてよい。2以上のポンプが利用される場合、ポンプの内の1つが、粗引きポンプであってよく、ポンプの1つが、ターボポンプであってよい。
【0239】
ブロック452での熱乾式現像の後、ブロック454における動作は、1つの(同じ)処理チャンバ内ですべて実行されうるプラズマ乾式現像、不動態化、および、硬化処理を表している。
【0240】
プラズマ乾式現像および不動態化は、
図4A、
図4B、
図4C、および、
図4Dを参照して上述したものと同じである。硬化の態様については、
図4Cを参照して上述した。
【0241】
図4Eに戻ると、不活性ガスを用いた任意選択的なパージが、動作453と同時に、動作454および456の合間、ならびに、プラズマ乾式現像と不動態化との合間、および/または、プラズマ乾式現像と硬化との合間に実行されてよい。
【0242】
動作456は、上記の
図1の動作116について説明したのと同様のパターン転写処理である。
【0243】
動作456の後に、上記の
図4Bのブロック428について説明した動作と同様の任意選択的な洗浄処理458が実行されてよい。
【0244】
図5A~
図5Eは、特定の開示されている実施形態に従って、熱乾式現像、プラズマ乾式現像、および、不動態化を含む様々な処理段階を示す概略断面図である。処理段階は、単一の処理チャンバで実行されてよい。
【0245】
図5Aにおいて、フォトレジスト510(金属含有フォトレジストなど)が、半導体基板501上に提供される。フォトレジスト510は、フォトレジスト510が露光領域503(または、より露光された領域)と、非露光領域505(または、あまり暴露されていない領域)とを含むように、フォトパターニングされてよい。
図5Aに示すように、金属/金属酸化物の粒子またはクラスタ507が、非露光領域505を占めてよい。いくつかの実施例において、フォトパターニングされたフォトレジスト510は、EUVスキャナ内でのEUV露光後に処理チャンバに提供されてよい。
【0246】
図5Bにおいて、フォトレジスト510は、処理チャンバ内で熱乾式現像処理を用いて現像される。熱乾式現像が進むにつれて、金属/金属酸化物のクラスタ507は、より濃縮される。金属/金属酸化物のクラスタ507は、一般に、除去が困難である。熱乾式現像は、露光領域503よりも非露光領域505を選択的に除去しうる。非露光領域505のバルク除去が、熱乾式現像下で実行されてよい。熱乾式現像は、有機材料の除去について選択的でありうる。非露光領域505のバルク除去後、金属/金属酸化物のクラスタ507は、半導体基板501の表面上にスカムとして残りうる。いくつかの実施例において、熱乾式現像は、ハロゲン化物(ハロゲン化水素など)への暴露によって実行されてよい。一例として、ハロゲン化水素は、HBrを含んでよい。いくつかの実施例において、熱乾式現像は、処理チャンバ内で第1圧力で実行されてよく、ここで、第1圧力は、約5mTorr~約760Torrの間であってよい。いくつかの実施例において、熱乾式現像は、約-20℃~約60℃の間の温度で実行されてよく、処理ガスの流量は、約100sccm~約3000sccmの間であってよい。
【0247】
図5Cにおいて、フォトレジスト510は、処理チャンバ内でプラズマ乾式現像処理を用いて現像される。プラズマ乾式現像が進むにつれて、金属/金属酸化物のクラスタ507が除去される。さらに、プラズマ乾式現像は、非露光領域505の残りを除去または実質的に除去しうる。いくつかの実施例において、プラズマ乾式現像は、不活性ガス種(HeまたはArなど)のプラズマを利用できる。いくつかの実施例において、プラズマ乾式現像は、ハロゲン含有種のプラズマを利用できる。例えば、ハロゲン含有ガスは、HBr、HCl、HF、HI、Br
2、Cl
2、F
2、I
2、BCl
3、または、それらの混合物を含みうる。ハロゲン含有ガスは、不活性搬送ガス中で供給されてよい。いくつかの実施例において、プラズマ乾式現像は、不活性ガス種のプラズマおよびハロゲン含有ガスのプラズマの組み合わせを用いてもよい。いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、循環的なプラズマ乾式現像を含む。一例において、循環的なプラズマ乾式現像は、不活性ガスプラズマおよびハロゲン含有ガスプラズマへの暴露を交互に行ってよい。いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、連続プラズマ乾式現像を含む。連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行されてよい。いくつかの実施形態において、プラズマ乾式現像は、半導体基板501の表面からスカムを除去するために利用される。いくつかの実施形態において、特定の組み合わせの反応物が、プラズマ乾式現像で用いられてよい。組み合わせは、HBrおよびN
2、HBrおよびH
2、HBrおよびCl
2、HBrおよびHCl、HBrおよびBCl
3、BCl
3およびCl
2、BCl
3およびHBr、BCl
3およびCH
4、CH
4およびCl
2、CH
4、Cl
2、および、N
2、CH
4およびHCl、もしくは、CH
4およびHBrを含みうるが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、プラズマ乾式現像は、処理チャンバ内で第2圧力で実行されてよく、ここで、第2圧力は、約5mTorr~約200mTorrの間であってよい。いくつかの実施例において、プラズマ乾式現像は、約-20℃~約60℃の間の温度で実行されてよく、処理ガスの流量は、約100sccm~約3000sccmの間であってよく、TCP電力は、約1W~約500Wの間であってよく、バイアス電圧は、約1V~約300Vの間であってよい。
【0248】
図5Dにおいて、プラズマ乾式現像後のフォトレジスト510が示されている。金属/金属酸化物のクラスタ507が除去され、フォトレジスト510の非露光領域505が除去されている。いくつかの実施形態において、クリティカルディメンション(CD)損失509が、プラズマ乾式現像の結果として発生する。しかしながら、プラズマ乾式現像の方向性およびプラズマ乾式現像に関連するその他の条件により、最小限のCD損失509で金属/金属酸化物のクラスタ507を除去できる。さらに、プラズマ乾式現像は、ライン幅ラフネス(LWR)性能を向上させるために利用されてよい。
【0249】
図5Eにおいて、不動態化後のフォトレジスト510が示されている。不動態化は、熱乾式現像およびプラズマ乾式現像と同じ処理チャンバ内で実行されてよい。不動態化は、プラズマ乾式現像と同じ圧力下で実行されてよい。いくつかの実施形態において、不動態化は、フォトレジスト510の露出表面上に不動態層511を形成しうる。例えば、不動態層511は、酸化物および/または窒化物および/または炭素を含んでよい。いくつかの実施形態において、不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマを用いた処理である。例えば、不動態化は、O
2、O
3、CO、CO
2、H
2、C
xH
y、H
2O、H
2O
2、SO
2、NO、NO
2、N
2O、NH
3、または、これらの混合物を用いたプラズマ処理を含み、ここで、xは、1から6までの整数、yは、2から14までの整数である。一例において、不動態化は、O
2フラッシュ処理を含み、ここで、フォトレジスト510は、比較的速いタイミング(約0.5秒~約4秒など)でO
2プラズマに暴露される。不動態化は、フォトレジスト510のガス放出を防ぐためのその場表面安定化を提供しうる。不動態化は、追加的または代替的に、フォトレジスト510の硬化を実行してもよい。不動態化は、追加的または代替的に、フォトレジスト510の表面平滑化を提供してもよい。
【0250】
上述の記載は、本質的に例示に過ぎず、本開示、応用例、または、利用法を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施されうる。したがって、本開示には特定の例が含まれるが、図面、明細書、および、以下の特許請求の範囲を研究すれば他の変形例が明らかになるため、本開示の真の範囲は、それらの例には限定されない。方法に含まれる1または複数の工程が、本開示の原理を改変することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載された特徴の内の任意の1または複数の特徴を、他の実施形態のいずれかに実装することができる、および/または、組み合わせが明確に記載されていないとしても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すると、上述の実施形態は互いに排他的ではなく、1または複数の実施形態を互いに置き換えることは本開示の範囲内にある。
【0251】
装置
本開示の装置は、フォトレジストの乾式現像のために構成され、いくつかの場合に、フォトレジストマスクの現像後処理のためにも構成される。装置は、蒸着、ベベルおよび背面の洗浄、塗布後ベーク、EUVスキャン、露光後ベーク、現像、エッチング、および、その他の動作など、他の処理動作のために構成されてもよい。いくつかの実施例において、装置は、複数の乾式動作を実行するよう構成されている。いくつかの実施例において、装置は、湿式動作および乾式動作の組み合わせを実行するよう構成されている。装置は、単一のウエハチャンバ、または、同じ処理チャンバ内の複数のステーションを備えてよい。同じ処理チャンバ内の複数のステーションでは、本開示に記載されている動作など様々な処理動作が、同じ処理チャンバ内の異なるステーションで実行されてよい。いくつかの実施形態において、本開示の現像後処理のための処理チャンバが、現像と同じチャンバで、パターン転写エッチングと同じチャンバで、もしくは、現像およびパターン転写エッチングの両方と同じチャンバで実行されてよい。
【0252】
乾式現像のために構成され、いくつかの場合に乾式現像および現像後処理のために構成された装置は、基板支持体を備えた処理チャンバを備える。装置は、処理チャンバと流体連通する少なくとも1つの反応ガス源を備えてよい。装置は、1または複数のガス種の供給のための1または複数のガスラインを備えてよい。いくつかの実施形態において、1または複数の反応ガス種は、有機ガス種、有機金属ガス種、金属含有ガス種、または、それらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、1または複数の反応ガス種は、酸素含有ガス、炭素含有ガス、水素含有ガス、窒素含有ガス、ハロゲン含有ガス、または、それらの組み合わせを含んでよい。1または複数の反応ガス種は、フォトレジストを現像するため、および/または、現像後フォトレジストマスクを処理するために、1または複数のガスラインを介して処理チャンバに供給されてよい。装置は、温度制御のための1または複数の加熱素子を備えてよい。かかる加熱素子は、処理チャンバ内および/または基板支持体内に提供されてよい。あるいは、かかる加熱素子は、処理チャンバの外側に提供されてもよい。いくつかの実施例において、装置は、現像中および/または現像後フォトレジストマスクの処理中にプラズマを生成するためのプラズマ源を備えてよい。いくつかの実施例において、1または複数の反応種は、現像後フォトレジストマスク上に保護膜を選択的に蒸着してよい。装置は、さらに、粒子数、ウエハ数、厚さ、または、現像後処理のエンドポイントをトリガするためのその他のパラメータを感知する1または複数のセンサを備えてよい。
【0253】
図6は、いくつかの実施形態に従って、フォトレジスト現像動作およびフォトレジスト処理動作を実行するのに適した環境を維持するための処理ステーションの一例を示す概略図である。簡単のために、処理ステーション600は、低圧環境を維持するために処理チャンバ本体602を有する独立型の処理ステーションとして図示されている。しかしながら、複数の処理ステーション600が、共通の処理ツール環境に含まれてもよいことがわかる。さらに、いくつかの実施形態において、処理ステーション600の1または複数のハードウェアパラメータ(以下で詳述するパラメータなど)が、1または複数のコンピュータコントローラによってプログラム的に調整されてよいことがわかる。
【0254】
複数の処理ステーション600が、共通の低圧処理ツール環境内に備えられてよい。例えば、
図7は、マルチステーション処理ツール700の一実施例を図示している。いくつかの実施例において、処理ツール700の1または複数のハードウェアパラメータ(以下で詳述するパラメータなど)が、1または複数のコンピュータコントローラ750によってプログラム的に調整されてよい。
【0255】
処理ステーションは、クラスタツール内のモジュールとして構成されていてよい。
図9は、本明細書に記載の実施例の実装に適した真空統合された蒸着モジュールおよびパターニングモジュールを備える半導体処理クラスタツールアーキテクチャを示す図である。かかるクラスタ処理ツールアーキテクチャは、
図6および
図7を参照して上述し、さらに以下で説明するように、レジスト蒸着、レジスト露光(EUVスキャナ)、レジスト現像、レジスト修正、および、エッチングモジュールを備えることができる。
【0256】
図6に戻ると、処理ステーション600は、シャワーヘッド606に処理ガスを供給するための反応物質供給システム601と流体連通している。反応物質供給システム601は、任意選択的に、シャワーヘッド606への供給に向けて処理ガスを混合および/または調整するための混合容器604を備える。1または複数の混合容器入口バルブ620が、混合容器604への処理ガスの導入を制御しうる。プラズマ暴露が利用される場合、プラズマが、シャワーヘッド606に供給されてもよいし、処理ステーション600で生成されてもよい。上述のように、少なくともいくつかの実施例において、非プラズマ熱暴露が好ましい。
【0257】
図6は、混合容器604に供給される液体反応物質を気化させるための任意選択的な気化ポイント603を含む。いくつかの実施例において、気化ポイント603の上流に、液体流コントローラ(LFC)が、気化および処理ステーション600への供給に向けて液体の質量流量を制御するために提供されてよい。例えば、LFCは、LFCの下流に配置された熱マスフローメータ(MFM)を含みうる。次いで、LFCのプランジャバルブが、MFMと電気通信して比例積分微分(PID)コントローラによって提供されたフィードバック制御信号に応答して調節されてよい。
【0258】
シャワーヘッド606は、処理ガスを基板612に分配する。
図6に示した実施例において、基板612は、シャワーヘッド606の下方に配置され、ペデスタル608上に図示されている。シャワーヘッド606は、任意の適切な形状を有してよく、基板612へ処理ガスを分配するための任意の適切な数および配列のポートを有してよい。
【0259】
いくつかの実施例において、ペデスタル608は、基板612を基板612とシャワーヘッド606との間の空間607に露出させるために、上下されてよい。いくつかの実施例において、ペデスタルの高さは、適切なコンピュータコントローラによってプログラム的に調節されてよいことがわかる。いくつかの実施例において、シャワーヘッド606は、複数の温度制御部を備えた複数のプレナム空間を有してよい。
【0260】
いくつかの実施例において、ペデスタル608は、ヒータ610を用いて温度制御されてよい。いくつかの実施例において、ペデスタル608は、開示されている実施例に記載のように、現像中または現像後処理中に、-20℃より高く300℃までの温度(例えば、50℃~280℃(約100℃~240℃など)まで加熱されてよい。いくつかの実施例において、ペデスタル608のヒータ610は、複数の独立制御可能な温度制御区画を含んでよい。
【0261】
さらに、いくつかの実施例において、処理ステーション600の圧力制御が、バタフライバルブ618によって提供されてもよい。
図6の実施例に示すように、バタフライバルブ618は、下流の真空ポンプ(図示せず)によって提供された真空をスロットル調整する。しかしながら、いくつかの実施例において、処理ステーション600の圧力制御は、処理ステーション600に導入される1または複数のガスの流量を変化させることによって調節されてもよい。
【0262】
いくつかの実施例において、シャワーヘッド606の位置は、基板612とシャワーヘッド606との間の空間を変化させるために、ペデスタル608に対して調節されてよい。さらに、ペデスタル608および/またはシャワーヘッド606の垂直位置は、本開示の範囲内の任意の適切なメカニズムによって変更されてよいことがわかる。いくつかの実施例において、ペデスタル608は、基板612の向きを回転させるための回転軸を備えてよい。いくつかの実施例において、これらの調節の例の内の1または複数は、1または複数の適切なコンピュータコントローラによってプログラム的に実行されてよいことがわかる。
【0263】
プラズマが、例えば、デスカミング、現像、処理、蒸着、または、平滑化動作時に利用されうる場合、シャワーヘッド606およびペデスタル608は、プラズマに電力供給するために、高周波(RF)電源614および整合回路網616と電気的に通信する。いくつかの実施例において、プラズマエネルギは、処理ステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、および、プラズマ電力パルスタイミングの内の1または複数を制御することによって制御されてよい。例えば、RF電源614および整合回路網616は、所望の組成のラジカル種を有するプラズマを形成するために、任意の適切な電力で動作されてよい。適切な電力の例は、約1000Wまでの電力である。
【0264】
いくつかの実施例において、コンピュータコントローラ(図示せず)のための命令が、入力/出力制御(IOC)シーケンシング命令を介して提供されてよい。一例において、処理段階の条件を設定するための命令は、処理レシピの対応するレシピ段階に含まれてよい。一部の例では、処理レシピ段階は、連続的に配列されてよく、その結果、処理段階のためのすべての命令が、その処理段階と同時に実行される。いくつかの実施例において、1または複数のリアクタパラメータを設定するための命令が、レシピ段階に含まれてよい。例えば、レシピ段階は、エッチングガス(ハロゲン化水素など)の流量を設定するための命令と、レシピ段階のための時間遅延命令とを含んでよい。いくつかの実施例において、コントローラは、
図7のコントローラ750に関して後述する特徴の内のどれを備えてもよい。
【0265】
処理チャンバは、さらに、UV露光モジュール(図示せず)を備えてよい。
【0266】
いくつかの実施形態において、処理チャンバは、さらに、フォトレジスト厚センサモジュール(図示せず)を備えてよい。フォトレジスト厚センサモジュールは、ランプ源、光ケーブル、および、約200~約900nmのスペクトル域の範囲内で動作する分光計システムを備えたスペクトル反射率計であってよい。反射率計は、その場で時間に対してウエハ反射率を測定するため、乾式現像中のフォトレジストの厚さを監視するのに有用でありうる。
【0267】
上述のように、1または複数の処理ステーションが、マルチステーション処理ツールに含まれてよい。
図7は、入口ロードロック702および出口ロードロック704を備えたマルチステーション処理ツール700の一実施例を示す概略図であり、ロードロックの一方または両方は、遠隔プラズマ源を備えてよい。大気圧下にあるロボット706が、ポッド708を通してロードされたカセットから大気ポート710を介して入口ロードロック702内にウエハを移動させるよう構成されている。ウエハがロボット706によって入口ロードロック702内のペデスタル712上に載置され、大気ポート710が閉じられ、ロードロックがポンプ排気される。入口ロードロック702が遠隔プラズマ源を備える場合、ウエハは、処理チャンバ714に導入される前にロードロック内で基板表面を処理するための遠隔プラズマ処理を受けてよい。さらに、ウエハは、例えば、湿気および吸着ガスを除去するために、入口ロードロック702内で加熱されてもよい。次に、処理チャンバ714へのチャンバ移送ポート716が開かれ、別のロボット(図示せず)が、処理に向けて、リアクタにウエハを入れて、リアクタ内に示された第1ステーションのペデスタル上に配置する。
図7に示した実施例は、ロードロックを備えているが、いくつかの実施形態において、処理ステーションにウエハを直接入れてもよいことがわかる。
【0268】
図の処理チャンバ714は、
図7に示した実施例において、1から4までの番号を付した4つの処理ステーションを備える。各ステーションは、加熱されたペデスタル(ステーション1用は718と示されている)と、ガスライン流入口と、を有する。いくつかの実施例において、各処理ステーションは、異なる目的または複数の目的を有してよいことがわかる。例えば、いくつかの実施例において、1つの処理ステーションが、現像モードおよびエッチング処理モードの間で切り替え可能であってもよい。追加的または代替的に、いくつかの実施例において、処理チャンバ714は、1または複数のマッチドペアの現像ステーションおよびエッチング処理ステーションを備えてもよい。図の処理チャンバ714は4つのステーションを備えるが、本開示に従った処理チャンバは、任意の適切な数のステーションを有してよいことがわかる。例えば、いくつかの実施例において、処理チャンバは、5以上のステーションを有してもよく、他の実施例において、処理チャンバは、3以下のステーションを有してもよい。
【0269】
図7は、処理チャンバ714内でウエハを移動するためのウエハハンドリングシステム790の一実施例を示す。いくつかの実施例において、ウエハハンドリングシステム790は、様々な処理ステーションの間で、および/または、処理ステーションとロードロックとの間で、ウエハを移動させうる。任意の適切なウエハハンドリングシステムが用いられてよいことがわかる。非限定的な例は、ウエハカルーセルおよびウエハハンドラロボットを含む。また、
図7は、処理ツール700の処理条件およびハードウェアの状態を制御するのに用いられるコントローラ750(例えば、システムコントローラ)の一実施例を示している。コントローラ750は、1または複数のメモリデバイス756と、1または複数のマスストレージデバイス754と、1または複数のプロセッサ752と、を備えてよい。プロセッサ752は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入力/出力接続、ステッパモータコントローラボードなどを備えてよい。
【0270】
いくつかの実施例において、コントローラ750は、処理ツール700の動作すべてを制御する。コントローラ750は、マスストレージデバイス754に格納され、メモリデバイス756にロードされて、プロセッサ752で実行されるシステム制御ソフトウェア758を実行する。あるいは、制御ロジックがコントローラ750にハードコードされてもよい。これらの目的で、特定用途向け集積回路、プログラム可能論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイすなわちFPGA)などが用いられてもよい。以下では、「ソフトウェア」または「コード」が利用される場合、機能的に同等のハードコードされたロジックが代わりに利用されうる。システム制御ソフトウェア758は、タイミングと、ガスの混合と、ガス流量と、チャンバおよび/またはステーションの圧力と、チャンバおよび/またはステーションの温度と、ウエハ温度と、目標電力レベルと、RF電力レベルと、基板ペデスタル、チャック、および/または、サセプタの位置と、処理ツール700によって実行される特定の処理の他のパラメータと、を制御するための命令を備えてよい。システム制御ソフトウェア758は、任意の適切な方法で構成されてよい。例えば、様々な処理ツールの処理を実行するために用いられる処理ツール構成要素の動作を制御するために、様々な処理ツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトが書かれてよい。システム制御ソフトウェア758は、任意の適切なコンピュータ読み取り可能プログラム言語でコードされてよい。
【0271】
いくつかの実施例において、システム制御ソフトウェア758は、上述の様々なパラメータを制御するための入力/出力制御(IOC)シーケンス命令を備えてよい。コントローラ750に関連付けられたマスストレージデバイス754および/またはメモリデバイス756に格納された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが、いくつかの実施例において用いられてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムセクションの例は、基板位置決めプログラム、処理ガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、および、プラズマ制御プログラムを含む。
【0272】
基板位置決めプログラムは、基板をペデスタル718上にロードすると共に基板と処理ツール700の他の部品との間の間隔を制御するために用いられる処理ツール構成要素のためのプログラムコードを備えてよい。
【0273】
処理ガス制御プログラムは、処理ガス組成および流量を制御するため、ならびに、任意選択的に、処理ステーション内の圧力を安定させるために蒸着の前に1または複数の処理ステーション内にガスを流すためのコードを備えてよい。圧力制御プログラムは、例えば、処理ステーションの排気システムのスロットルバルブ、処理ステーションへのガス流量などを調節することにより、処理ステーション内の圧力を制御するためのコードを備えてよい。
【0274】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために用いられる加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを備えてよい。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝導ガス(ヘリウムなど)の供給を制御してもよい。
【0275】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施例に従って、1または複数の処理ステーション内の処理電極に印加されるRF電力レベルを設定するためのコードを備えてよい。
【0276】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施例に従って、反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを備えてよい。
【0277】
いくつかの実施例において、コントローラ750に関連したユーザインターフェースがあってよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイスクリーン(装置および/または処理条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ)と、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクなどのユーザ入力デバイスと、を含みうる。
【0278】
いくつかの実施形例において、コントローラ750によって調整されるパラメータは、処理条件に関してよい。非限定的な例として、処理ガスの組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベルなど)などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてよく、ユーザインターフェースを用いて入力されうる。
【0279】
処理を監視するための信号が、様々な処理ツールセンサから、コントローラ750のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてよい。処理を制御するための信号は、処理ツール700のアナログおよびデジタル出力接続で出力されてよい。監視されうる処理ツールセンサの非限定的な例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などを含む。適切にプログラムされたフィードバックアルゴリズムおよび制御アルゴリズムが、処理条件を維持するためにこれらのセンサからのデータと共に用いられてよい。
【0280】
コントローラ750は、上述の蒸着処理を実施するためのプログラム命令を提供しうる。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度など、様々な処理パラメータを制御しうる。命令は、本明細書に記載の様々な実施例に従って現像および/またはエッチング処理を動作させるためにパラメータを制御しうる。
【0281】
コントローラ750は、通例、1または複数のメモリデバイスと、装置が開示の実施例に従って方法を実行するように命令を実行するよう構成された1または複数のプロセッサと、を備える。開示されている実施例に従った処理動作を制御するための命令を含むマシン読み取り可能媒体が、コントローラ750に接続されていてよい。
【0282】
いくつかの実施例において、コントローラ750は、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(ウエハペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。コントローラ750は、処理条件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外へのウエハ移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされてもよい。
【0283】
概して、コントローラ750は、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラ750に伝えられて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施例において、ウエハの1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0284】
コントローラ750は、いくつかの実施例において、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくは、それらの組み合わせでシステムに結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラ750は、「クラウド」内にあってもよいし、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べうる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワーク(ローカルネットワークまたはインターネットを含みうる)を介してシステムに処理レシピを提供してよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、コントローラ750は、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラ750がインターフェース接続するまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラ750は、ネットワーク化されて共通の目的(本明細書に記載の処理および制御など)に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてよい。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として、リモートに配置されている、など)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1または複数の集積回路である。
【0285】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、現像チャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含みうる。
【0286】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラ750は、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信してもよい。
【0287】
特定の実施例において、いくつかの実施例の実施に適したエッチング動作に適切でありうるICPリアクタについて、ここで記載する。本明細書ではICPリアクタが記載されているが、いくつかの実施例において、容量結合プラズマリアクタが用いられてもよいことを理解されたい。
【0288】
図8は、乾式現像、現像後処理(例えば、不動態化および硬化)、および/または、エッチングなど、特定の実施例または実施例の態様を実施するのに適した誘導結合プラズマ装置800を示す概略断面図である。他の実施例において、本明細書に記載の乾式現像、現像後処理、および/または、エッチング処理を実行する機能を有する他のツールまたはツールタイプが、実施のために用いられてもよい。
【0289】
誘導結合プラズマ装置800は、チャンバ壁801および窓811によって構造的に規定された全体処理チャンバ824を備える。チャンバ壁801は、ステンレス鋼、アルミニウム、または、プラスチックから製造されてよい。窓811は、石英またはその他の誘電材料から製造されてよい。任意選択的な内部プラズマグリッド850が、全体処理チャンバを上側サブチャンバ802および下側サブチャンバ803に分割している。ほとんどの実施例において、プラズマグリッド850を取り除くことにより、サブチャンバ802および803で形成されたチャンバ空間を利用することができる。チャック817が、下側サブチャンバ803内で底部内面付近に配置されている。チャック817は、エッチング処理および蒸着処理が実行される半導体ウエハ819を受けて保持するよう構成されている。チャック817は、ウエハの存在時にウエハ819を支持するための静電チャックでありうる。いくつかの実施例では、エッジリング(図示せず)が、チャック817を取り囲んでおり、ウエハがチャック817上に存在する時にウエハ819の上面とほぼ同一平面上にある上面を有する。チャック817は、ウエハ819をチャックおよびデチャックするための静電電極も備える。フィルタおよびDCクランプ電源(図示せず)が、そのために提供されてよい。ウエハ819をチャック817から持ち上げるための他の制御システムも提供されうる。チャック817は、RF電源823を用いて帯電されうる。RF電源823は、接続827を通して整合回路821に接続されている。整合回路821は、接続825を通してチャック817に接続されている。このように、RF電源823が、チャック817に接続されている。様々な実施例において、静電チャックのバイアス電力が、開示されている実施例に従って実行される処理に応じて、約50Vに設定されてもよいし、異なるバイアス電力に設定されてもよい。例えば、バイアス電力は、約20V~約100V、または、約30V~約150V、であってよい。
【0290】
プラズマ生成のための要素には、窓811の上方に配置されたコイル833が含まれる。いくつかの実施例において、開示されている実施例でコイルは利用されない。コイル833は、導電材料から製造され、少なくとも1つの完全な巻回を含む。
図8に示すコイル833の例は、3回の巻回を含む。コイル833の断面が記号で示されており、「X」のコイルは、紙面の表から裏に向かって回転して伸び、「●」のコイルは、紙面の裏から表に向かって回転して伸びている。プラズマ生成のための要素には、コイル833にRF電力を供給するように構成されたRF電源841も含まれる。一般に、RF電源841は、接続845を通して整合回路839に接続されている。整合回路839は、接続843を通してコイル833に接続されている。このように、RF電源841が、コイル833に接続されている。任意選択的なファラデーシールド849が、コイル833と窓811との間に配置されている。ファラデーシールド849は、コイル833に対して離間された関係に維持されてよい。いくつかの実施例において、ファラデーシールド849は、窓811の直上に配置されている。いくつかの実施例において、ファラデーシールド849は、窓811とチャック817との間にある。いくつかの実施例において、ファラデーシールド849は、コイル833に対して離間された関係に維持されていない。例えば、ファラデーシールド849は、ギャップなしに窓811の真下にあってよい。コイル833、ファラデーシールド849、および、窓811は、各々、互いに実質的に水平になるように構成される。ファラデーシールド849は、金属またはその他の種が処理チャンバ824の窓811上に蒸着することを防ぎうる。
【0291】
処理ガスが、上側サブチャンバ802内に配置された1または複数の主要ガス流入口860を通して、ならびに/もしくは、1または複数のサイドガス流入口870を通して、処理チャンバ内に流されてよい。同じように、明示されていないが、同様のガス流入口が、容量結合プラズマ処理チャンバに処理ガスを供給するために用いられてよい。真空ポンプ(例えば、1または2段の機械的乾式ポンプおよび/またはターボ分子ポンプ)840が、処理チャンバ824から処理ガスを引き出すため、および、処理チャンバ824内の圧力を維持するために用いられてよい。例えば、真空ポンプは、パージ動作中に下側サブチャンバ803を排気するために用いられてよい。バルブ制御された導管が、真空ポンプを処理チャンバ824に流体接続して、真空ポンプによって提供される真空環境の印加を選択的に制御するために用いられてよい。これは、動作プラズマ処理中、スロットルバルブ(図示せず)または振り子バルブ(図示せず)などの閉ループ制御された流量制限装置を用いて行われてよい。同様に、真空ポンプ、および、容量結合プラズマ処理チャンバへのバルブ制御された流体接続が、用いられてもよい。統合された乾式現像およびエッチングのために処理チャンバ内で調節される広範囲の圧力は、可変速真空システム、スロットルバルブで、または、処理ガスの流量を調節することによって、または、2つの圧力調整システムを用いることによって、達成されてよい。
【0292】
装置800の動作中、1または複数の処理ガスが、ガス流入口860および/または870を通して供給されてよい。特定の実施例において、処理ガスは、主要ガス流入口860を通してのみ、または、サイドガス流入口870を通してのみ供給されてよい。いくつかの場合、図に示したガス流入口は、例えば、より複雑なガス流入口、1または複数のシャワーヘッドと置き換えられてもよい。ファラデーシールド849および/または任意選択的なグリッド850は、処理チャンバ824への処理ガスの供給を可能にする内部チャネルおよび孔を備えてよい。ファラデーシールド849および任意選択的なグリッド850の一方または両方が、処理ガスの供給のためのシャワーヘッドとして機能してよい。いくつかの実施例において、液体反応物質または前駆体が気化されて、気化した反応物質または前駆体がガス流入口860および/または870を介して処理チャンバ824に導入されるように、液体気化/供給システムが、処理チャンバ824の上流に配置されてもよい。
【0293】
高周波電力が、RF電源841からコイル833へ供給されることで、RF電流がコイル833を流れる。コイル833を流れるRF電流は、コイル833の周りに電磁場を生成する。電磁場は、上側サブチャンバ802内で誘導電流を発生させる。生成された様々なイオンおよびラジカルとウエハ819との物理的および化学的な相互作用が、ウエハ819のフィーチャをエッチングすると共にウエハ819上に層を選択的に蒸着する。
【0294】
上側サブチャンバ802および下側サブチャンバ803の両方が存在するようにプラズマグリッド850が利用される場合、誘導電流は、上側サブチャンバ802に存在するガスに作用して、上側サブチャンバ802内で電子イオンプラズマを発生させる。任意選択的な内部プラズマグリッド850は、下側サブチャンバ803内のホットエレクトロンの量を制限する。いくつかの実施例において、装置800は、下側サブチャンバ803に存在するプラズマがイオン-イオンプラズマになるように設計および動作される。
【0295】
上側の電子-イオンプラズマおよび下側のイオン-イオンプラズマは両方とも、正イオンおよび負イオンを含むが、イオン-イオンプラズマの方が、正イオンに対する負イオンの比が大きい。揮発性のエッチング副生成物および/または蒸着副生成物が、ポート822を通して下側サブチャンバ803から除去されてよい。本明細書に開示されたチャック817は、約10℃~約250℃の範囲の高温で動作されてよい。温度は、処理動作および個々のレシピに依存する。
【0296】
装置800は、クリーンルームまたは製造施設に設置される時に、設備(図示せず)に接続されてよい。設備は、処理ガス、真空、温度制御、および、環境粒子制御を提供する配管を備える。これらの設備は、対象となる製造施設に設置される時に、装置800に接続される。さらに、装置800は、典型的なオートメーションを用いてロボット技術により半導体ウエハを装置800の内外に移送することを可能にする移送チャンバに接続されてよい。
【0297】
いくつかの実施例において、コントローラ830(1または複数の物理または論理コントローラを含みうる)が、処理チャンバ824の動作の一部または全部を制御する。コントローラ830は、1または複数のメモリデバイスと、1または複数のプロセッサとを備えてよい。いくつかの実施例において、装置800は、開示された実施形態が実行される時に流量および持続期間を制御するための切り替えシステムを備える。いくつかの実施例において、装置800は、最長約500msまたは最長約750msまでの切り替え時間を有しうる。切り替え時間は、フローケミストリ、選択されたレシピ、リアクタアーキテクチャ、および、その他の要素に依存しうる。
【0298】
いくつかの実施例において、コントローラ830は、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。コントローラ830の様々な態様が上述されている。
【0299】
EUVLパターニングは、任意の適切なツール(しばしば、スキャナと呼ばれる)を用いて行われてよい。EUVLパターニングツールは、本明細書に記載の蒸着およびエッチングのために基板が出し入れされる独立型の装置であってよい。あるいは、以下に記載するように、EUVLパターニングツールは、大型の多構成要素ツール上のモジュールであってもよい。
【0300】
図9は、本明細書に記載の処理の実施に適した、真空移送モジュールと連結している真空統合された蒸着モジュール、パターニングモジュール、および、処理モジュールを備えた半導体処理クラスタツールアーキテクチャ900を示す。複数の保管設備および処理モジュールの間でウエハを「移送する」移送モジュールの配置は、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと呼ばれることがある。蒸着モジュール、パターニングモジュール、および、処理モジュールは、特定の処理の要件に従って、真空統合されている。エッチング用など、その他のモジュールが、クラスタに備えられてもよい。
【0301】
真空移送モジュール(VTM)938が、4つの処理モジュール920a~920dと接続しており、処理モジュールは、様々な加工処理を実行するために個別に最適化されてよい。例えば、処理モジュール920a~920dは、蒸着、蒸発、ELD、乾式現像、洗浄、エッチング、処理、剥離、および/または、その他の半導体処理を実行するために実装されてよい。例えば、モジュール920aは、本明細書に記載するように非プラズマ内で熱原子層蒸着を実行するよう動作可能なALDリアクタであってよい。モジュール920bは、PECVDツールであってよい。図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。
【0302】
エアロック942および946(ロードロックまたは移送モジュールとしても知られる)が、VTM938およびパターニングモジュール940と接続している。このツールアーキテクチャは、ワークピース(半導体基板またはウエハなど)が、露光前に反応しないように真空下で移送されることを可能にする。蒸着モジュールとリソグラフィツールとの一体化は、周囲の気体(H2O、O2など)による入射光子の強力な光吸収を前提とすると、EUVLには非常に低い圧力も必要であるという事実によって促進される。
【0303】
上述のように、この統合型アーキテクチャは、記載されている処理の実施のためのツールの1つの可能な実施例にすぎない。処理は、より従来型の独立型EUVLスキャナと、独立型、または、例えば、統合されたパターニングモジュールがないことを除いて
図9を参照して説明したように、エッチング、剥離などの他のツールと共にモジュールとしてクラスタアーキテクチャに統合されている蒸着リアクタとによって実施されてもよい。
【0304】
エアロック942は、蒸着モジュール920aに供給するVTM938からパターニングモジュール940へ基板を取り出すことを参照して、「搬出」ロードロックであってよく、エアロック946は、パターニングモジュール940からVTM938へ基板を戻すことを参照して、「搬入」ロードロックであってよい。搬入エアロック946は、基板のアクセスおよび搬出のためのツール外部とのインターフェースも提供しうる。各処理モジュールは、モジュールをVTM938に接続するファセットを有する。例えば、蒸着処理モジュール920aは、ファセット936を有する。各ファセット内で、ウエハ926がそれぞれのステーションの間で移動された時にウエハ926の通過を検出するために、センサ(例えば、図のセンサ1~18)が用いられる。パターニングモジュール940ならびにエアロック942および946は、同様に、図示していないさらなるファセットおよびセンサを備えてもよい。
【0305】
主要なVTMロボット922が、エアロック942および946を含むモジュール間でウエハ926を移送する。一実施例において、ロボット922は、1つのアームを有し、別の実施例において、ロボット922は2つのアームを有し、各アームは、移送のためにウエハ(ウエハ926など)をつかむエンドエフェクタ924を有する。フロントエンドロボット944が、ウエハ926を搬出エアロック942からパターニングモジュール940へ、パターニングモジュール940から搬入エアロック946へ移送するために用いられる。フロントエンドロボット944は、基板のアクセスおよび搬出ために、搬入ロードロックとツールの外部との間でウエハ926を搬送してもよい。搬入エアロックモジュール946は、大気および真空の間の環境に合わせることができるので、ウエハ926は、損傷されることなしに2つの圧力環境の間を移動できる。
【0306】
EUVLツールは、通例、蒸着ツールよりも高い真空で動作することに注意されたい。この場合、基板がパターニングツールに入る前に脱気することを可能にするために、蒸着ツールからEUVLツールへの搬送中に基板の真空環境を高めることが好ましい。搬出エアロック942は、パターニングモジュール940の光学系が基板からオフガスによって汚染されないように、或る期間にわたって移送対象のウエハをより低い圧力(パターニングモジュール940内の圧力以下)に保持し、すべてのオフガスを排出することによって、この機能を提供する。搬出用のオフガスエアロックに適した圧力は、1E-8Torr以下である。
【0307】
いくつかの実施例において、コントローラ950(1または複数の物理または論理コントローラを含みうる)が、クラスタツールおよび/またはその別個のモジュールの動作の一部または全部を制御する。コントローラは、クラスタ構造にローカルに配置されてもよいし、製造フロア内でクラスタ構造の外側すなわち離れた位置に配置され、ネットワークを介してクラスタ構造に接続されてもよいことに注意されたい。コントローラ950は、1または複数のメモリデバイスと、1または複数のプロセッサとを備えてよい。プロセッサは、中央処理装置(CPU)またはコンピュータと、アナログおよび/またはデジタル入力/出力接続と、ステッパモータコントローラボードと、その他の同様の構成要素とを備えてよい。適切な制御動作を実施するための命令が、プロセッサで実行される。これらの命令は、コントローラに関連付けられたメモリデバイスに格納されてもよいし、ネットワークを介して提供されてもよい。特定の実施例において、システムコントローラは、システム制御ソフトウェアを実行する。
【0308】
システム制御ソフトウェアは、ツールまたはモジュール動作の任意の態様の適用のタイミングおよび/または程度を制御するための命令を備えてよい。システム制御ソフトウェアは、任意の適切な方法で構成されてよい。例えば、様々な処理ツールの処理を実行するために必要な処理ツール構成要素の動作を制御するために、様々な処理ツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトが書かれてよい。システム制御ソフトウェアは、任意の適切なコンピュータ読み取り可能プログラム言語でコードされてよい。いくつかの実施例において、システム制御ソフトウェアは、上述の様々なパラメータを制御するための入力/出力制御(IOC)シーケンシング命令を備える。例えば、半導体製造処理の各段階が、コントローラによる実行のための1または複数の命令を備えてよい。凝結、蒸着、蒸発、パターニング、および/または、エッチング段階のための処理条件を設定するための命令が、例えば、対応するレシピ段階に含まれてよい。
【0309】
様々な実施例において、現像後処理のための装置が提供されている。装置は、パターニング、処理、蒸着、および、エッチングのための処理チャンバと、パターニングされたフォトレジストマスクの現像後処理のための命令を含むコントローラと、を備えてよい。命令は、処理チャンバ内で、現像後にパターニング済み金属含有フォトレジストマスクを処理するためのコードを含んでよい。かかる処理は、熱処理、プラズマ処理、化学的処理、または、パターニングされた金属含有フォトレジストマスク上への保護層の選択的蒸着を含んでよい。
【0310】
ウエハの移動を制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャにローカルに配置されてもよいし、製造フロア内でクラスタアーキテクチャの外側すなわち離れた位置に配置され、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続されてもよいことに注意されたい。
図6、
図7、または、
図8のいずれかに関して上述したようなコントローラが、
図9のツールと共に実装されてよい。
【0311】
さらなる実施例
本明細書に記載の装置および処理は、例えば、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、光起電力パネルなどの加工または製造のために、リソグラフィパターニングツールまたは処理と共に用いられてもよい。必ずしもそうとは限らないが、典型的には、かかる装置および処理は、共通の製造施設で一緒に利用または実行される。薄膜のリソグラフィパターニングは、通例、以下の工程の一部または全部を含み、各工程は、複数の可能なツールで実現される。(1)スピンオンまたはスプレーオンツールを用いて、ワークピース(すなわち、基板)上にフォトレジストを塗布する工程、(2)ホットプレートまたは炉またはUV硬化ツールを用いて、フォトレジストを硬化させる工程、(3)ウエハステッパなどのツールで可視光またはUVまたはX線にフォトレジストを暴露させる工程、(4)ウェットベンチなどのツールを用いて、選択的にレジストを除去することによってパターニングするためにレジストを現像する工程、(5)ドライエッチングツールまたはプラズマ支援エッチングツールを用いて、下層の膜またはワークピースにレジストパターンを転写する工程、ならびに、(6)RFプラズマまたはマイクロ波プラズマレジストストリッパなどのツールを用いて、レジストを除去する工程。
【0312】
結び
理解を深めるために、本実施形態について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更および変形を行ってもよいことは明らかである。本発明の処理、システム、および、装置を実施する多くの他の方法が存在することに注意されたい。したがって、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、実施形態は、本明細書に示した詳細に限定されない。
【手続補正書】
【提出日】2025-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式現像および処理を実行するための方法であって、
EUV感光性金属含有フォトレジスト膜のパターニング済みレジストマスクを形成するために、処理ガスを用いて半導体基板上のEUV感光性金属含有フォトレジスト膜を熱乾式現像し、
前記パターニング済みレジストマスクを不活性ガスのプラズマで処理し、
前記パターニング済みレジストマスクを酸化ガスのプラズマで処理すること、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記処理ガスは、ハロゲン含有ガスを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記ハロゲン含有ガスは、HBr、HCl、HF、HI、Br
2
、Cl
2
、F
2
、I
2
、BCl
3
、または、これらの組み合わせを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記EUV感光性金属含有フォトレジスト膜を熱乾式現像することは、プラズマなしの処理において起こる、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニング済みレジストマスクを前記不活性ガスの前記プラズマで処理することは、前記金属含有フォトレジスト膜の前記パターニング済みレジストマスクを硬化させることを備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記不活性ガスは、He、Ne、Ar、Kr、またはN
2
を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニング済みレジストマスクを前記酸化ガスの前記プラズマで処理することは、前記金属含有フォトレジスト膜の前記パターニング済みレジストマスクを不動態化することを備える、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記酸化ガスは、O
2
、O
3
、CO、CO
2
、H
2
、H
2
O、H
2
O
2
、SO
2
、NO、NO
2
、N
2
O、または、これらの混合物を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニング済みレジストマスクを前記酸化ガスの前記プラズマで処理することは、約0.5秒~約4秒の持続時間にわたる酸素フラッシュ処理を備える、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニング済みレジストマスクを前記酸化ガスの前記プラズマで処理することは、ガス放出を低減する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記不活性ガスの前記プラズマによる処理中のプラズマ電力は、約50W~約300Wである、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニング済みレジストマスクを前記不活性ガスの前記プラズマで処理することは、スカムを除去する、方法。
【請求項13】
乾式現像および処理を実行するための方法であって、
EUV感光性金属含有フォトレジスト膜のパターニング済みレジストマスクを形成するために、処理ガスのプラズマを用いて半導体基板上のEUV感光性金属含有フォトレジスト膜をプラズマ乾式現像し、
前記パターニング済みレジストマスクを不活性ガスのプラズマで処理し、
前記パターニング済みレジストマスクを酸化ガスのプラズマで処理すること、
を備える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記処理ガスは、ハロゲン含有ガスを含む、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
前記不活性ガスは、He、Ne、Ar、Kr、またはN
2
を含む、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、
プラズマ乾式現像、前記パターニング済みレジストマスクを前記不活性ガスの前記プラズマで処理すること、および、前記パターニング済みレジストマスクを前記酸化ガスの前記プラズマで処理することの各々は、同じ処理チャンバ内で起こる、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、
前記酸化ガスは、O
2
、O
3
、CO、CO
2
、H
2
、H
2
O、H
2
O
2
、SO
2
、NO、NO
2
、N
2
O、または、これらの混合物を含む、方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法であって、
前記パターニング済みレジストマスクを前記酸化ガスの前記プラズマで処理することは、約0.5秒~約4秒の持続時間にわたる酸素フラッシュ処理を備える、方法。
【請求項19】
乾式現像および処理を実行するための方法であって、
ハロゲン含有ガスを用いて、EUV感光性フォトレジスト膜を含む半導体基板上で熱乾式現像を実行し、
少なくとも1つの反応ガスでプラズマを形成することによって前記半導体基板上でプラズマ乾式現像を実行し、前記熱乾式現像および前記プラズマ乾式現像は、前記EUV感光性フォトレジスト膜のパターニング済みレジストマスクを形成し、
前記パターニング済みレジストマスクを不活性ガスのプラズマで処理すること、
を備える、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記EUV感光性フォトレジスト膜は、金属含有フォトレジスト膜を含む、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、さらに、
前記パターニング済みレジストマスクを酸化ガスのプラズマで処理することを備える、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記酸化ガスは、O
2
、O
3
、CO、CO
2
、H
2
、H
2
O、H
2
O
2
、SO
2
、NO、NO
2
、N
2
O、または、これらの混合物を含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0312
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0312】
結び
理解を深めるために、本実施形態について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更および変形を行ってもよいことは明らかである。本発明の処理、システム、および、装置を実施する多くの他の方法が存在することに注意されたい。したがって、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、実施形態は、本明細書に示した詳細に限定されない。
[適用例1]金属含有フォトレジストの乾式現像および不動態化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための方法であって、
処理チャンバ内において、半導体基板上にパターニング済み金属含有フォトレジストを提供し、
熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストを形成するために、前記パターニング済み金属含有フォトレジストを第1圧力の処理ガスで熱乾式現像し、
パターニングされた基板を形成するために、前記パターニング済み金属含有フォトレジストの前記熱乾式現像と同じ処理チャンバ内で、前記第1圧力と異なるまたは同じ第2圧力で、前記熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストを不動態化すること、
を備える、方法。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、前記第2圧力は、前記第1圧力よりも低い、方法。
[適用例3]適用例1に記載の方法であって、前記不動態化することは、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマに暴露させることを備える、方法。
[適用例4]適用例1に記載の方法であって、前記不動態化することは、O
2
、O
3
、CO、CO
2
、H
2
、C
x
H
y
、H
2
O、H
2
O
2
、SO
2
、NO、NO
2
、N
2
O、NH
3
、または、これらの組み合わせを用いたフラッシュ処理であり、xは、1から6までの整数であり、yは、2から14までの整数である、方法。
[適用例5]適用例4に記載の方法であって、前記フラッシュ処理は、約0.5から約10秒までの持続時間にわたって行われる、方法。
[適用例6]適用例1に記載の方法であって、半導体基板のスループットが少なくとも約50%高められる、方法。
[適用例7]適用例1に記載の方法であって、前記金属含有フォトレジストは、フォトパターニングされたEUV感光性有機金属酸化物、フォトパターニングされたEUV感光性金属酸化物、または、薄膜EUVレジストを含んだ有機金属を含む、方法。
[適用例8]適用例7に記載の方法であって、前記フォトパターニングされたEUV感光性金属酸化物は、酸化スズを含む、方法。
[適用例9]適用例8に記載の方法であって、前記酸化スズからのスズガス放出が緩和される、方法。
[適用例10]適用例1に記載の方法であって、前記熱乾式現像することは、ハロゲン含有ガスを用いた処理を含む、方法。
[適用例11]適用例1に記載の方法であって、さらに、前記熱乾式現像されたパターニング済み金属含有フォトレジストをプラズマ乾式現像することを備え、前記熱乾式現像すること、前記プラズマ乾式現像すること、および、前記不動態化することはすべて、同じ処理チャンバ内で実行される、方法。
[適用例12]適用例11に記載の方法であって、前記熱乾式現像することおよび前記プラズマ乾式現像することは、交互に繰り返される、方法。
[適用例13]適用例11に記載の方法であって、前記プラズマ乾式現像することは、循環的な乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像である、方法。
[適用例14]適用例13に記載の方法であって、前記プラズマ乾式現像することは、連続プラズマ乾式現像であり、前記連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される、方法。
[適用例15]適用例11に記載の方法であって、前記プラズマ乾式現像することは、不活性搬送ガス中の少なくとも1つのハロゲン含有ガスのプラズマを用いた処理を含む、方法。
[適用例16]適用例15に記載の方法であって、前記ハロゲン含有ガスは、HBr、Br
2
、HCl、Cl
2
、HI、I
2
、または、BCl
3
を含む、方法。
[適用例17]適用例1に記載の方法であって、前記第1圧力は、約5mTorr~760Torrであり、前記第2圧力は、約5mTorr~200mTorrである、方法。
[適用例18]適用例1に記載の方法であって、前記第2圧力は、前記第1圧力と同じである、方法。
[適用例19]適用例11に記載の方法であって、さらに、前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第1圧力から前記第2圧力へ10秒以内に移行させ、
プラズマ乾式現像および不動態化の後に前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第2圧力から前記第1圧力へ20秒以内に戻し、
1または複数の処理パラメータを均一に維持すること、
を備える、方法。
[適用例20]適用例1に記載の方法であって、さらに、前記熱乾式現像することに用いた処理チャンバと同じ処理チャンバ内で、不動態化の後に前記金属含有フォトレジストを硬化させることを備える、方法。
[適用例21]適用例11に記載の方法であって、さらに、前記熱乾式現像すること、プラズマ乾式現像すること、および、不動態化することに用いたのと同じ処理チャンバ内で、不動態化の後に前記金属含有フォトレジストを硬化させることを備える、方法。
[適用例22]適用例20または21に記載の方法であって、前記硬化することは、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせによって実行される、方法。
[適用例23]金属含有フォトレジストの乾式現像および不動態化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置であって、
1または複数の処理チャンバと、
1または複数の圧力調整装置と、
前記圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、
プラズマ処理システムと、
前記処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、前記メモリは、前記処理チャンバの内の1つで熱乾式現像を実行し、前記熱乾式現像と同じ処理チャンバで不動態化を実行するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
[適用例24]適用例23に記載の装置であって、前記熱乾式現像は、第1圧力で実行され、前記不動態化は、前記第1圧力以下の第2圧力で実行される、装置。
[適用例25]適用例23に記載の装置であって、さらに、フォトレジスト厚センサモジュールを備える、装置。
[適用例26]適用例25に記載の装置であって、前記フォトレジスト厚センサモジュールは、スペクトル反射率計である、装置。
[適用例27]適用例23に記載の装置であって、さらに、プラズマ乾式現像を実行するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備え、前記プラズマ乾式現像および前記不動態化はすべて、前記同じ処理チャンバ内で実行される、装置。
[適用例28]適用例27に記載の装置であって、前記プラズマ乾式現像は、循環的な乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像である、装置。
[適用例29]適用例28に記載の装置であって、前記プラズマ乾式現像は、連続プラズマ乾式現像であり、前記連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される、装置。
[適用例30]適用例23に記載の装置であって、前記不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマを用いた処理である、装置。
[適用例31]適用例23に記載の装置であって、前記不動態化は、O
2
、O
3
、CO、CO
2
、H
2
、C
x
H
y
、H
2
O、H
2
O
2
、SO
2
、NO、NO
2
、N
2
O、NH
3
、または、これらの組み合わせを用いたフラッシュ処理であり、xは、1から6までの整数であり、yは、2から14までの整数である、装置。
[適用例32]適用例24に記載の装置であって、前記第2圧力は、前記第1圧力よりも低い、装置。
[適用例33]適用例32に記載の装置であって、さらに、
前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第1圧力から前記第2圧力へ10秒以内に移行させ、
プラズマ乾式現像および不動態化の後に前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第2圧力から前記第1圧力へ20秒以内に戻し、
1または複数の処理パラメータを均一に維持するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備える、装置。
[適用例34]金属含有フォトレジストの乾式現像、不動態化、および、硬化をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置であって、
1または複数の処理チャンバと、
1または複数の圧力調整装置と、
前記圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、
前記処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、
プラズマ処理システムと、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、前記メモリは、前記処理チャンバの内の1つで乾式現像を実行し、前記乾式現像と同じ処理チャンバで不動態化および硬化を実行するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
[適用例35]適用例34に記載の装置であって、前記乾式現像は、熱乾式現像およびプラズマ乾式現像を含む、装置。
[適用例36]適用例34に記載の装置であって、前記乾式現像は、第1圧力で実行され、前記不動態化および前記硬化は、第2圧力で実行される、装置。
[適用例37]適用例36に記載の装置であって、前記第2圧力は、前記第1圧力以下である、装置。
[適用例38]適用例34に記載の装置であって、さらに、フォトレジスト厚センサモジュールを備える、装置。
[適用例39]適用例38に記載の装置であって、前記フォトレジスト厚センサモジュールは、スペクトル反射率計である、装置。
[適用例40]適用例34に記載の装置であって、前記硬化は、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせによって実行される、装置。
[適用例41]適用例34に記載の装置であって、前記不動態化は、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマを用いた処理である、装置。
[適用例42]適用例34に記載の装置であって、前記不動態化は、O
2
、O
3
、CO、CO
2
、H
2
、C
x
H
y
、H
2
O、H
2
O
2
、SO
2
、NO、NO
2
、N
2
O、NH
3
、または、これらの組み合わせを用いたフラッシュ処理であり、xは、1から6までの整数であり、yは、2から14までの整数である、装置。
[適用例43]適用例35に記載の装置であって、前記プラズマ乾式現像は、循環的な乾式現像、直接プラズマ乾式現像、遠隔プラズマ乾式現像、または、連続プラズマ乾式現像である、装置。
[適用例44]適用例43に記載の装置であって、前記プラズマ乾式現像は、連続プラズマ乾式現像であり、前記連続プラズマ乾式現像は、可変電力で、定電力およびパルスバイアスで、もしくは、可変電力およびパルスバイアスで実行される、装置。
[適用例45]適用例34に記載の装置であって、さらに、UV露光モジュールを備える、装置。
[適用例46]適用例36に記載の装置であって、前記第2圧力は、前記第1圧力よりも低い、装置。
[適用例47]適用例46に記載の装置であって、さらに、
前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第1圧力から前記第2圧力へ10秒以内に移行させ、
プラズマ乾式現像および不動態化の後に前記同じ処理チャンバ内の圧力を前記第2圧力から前記第1圧力へ20秒以内に戻し、
1または複数の処理パラメータを均一に維持するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を備える、装置。
[適用例48]熱乾式現像およびプラズマ乾式現像をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための方法であって、
処理チャンバ内において、半導体基板上に金属含有フォトレジストを提供し、
前記処理チャンバ内で前記金属含有フォトレジストを熱乾式現像し、
前記処理チャンバ内で前記金属含有フォトレジストをプラズマ乾式現像すること、
を備える、方法。
[適用例49]適用例48に記載の方法であって、前記熱乾式現像することは、第1処理ガスへの暴露を含み、前記プラズマ乾式現像することは、前記第1処理ガスとは異なる第2処理ガスのプラズマへの暴露を含む、方法。
[適用例50]適用例49に記載の方法であって、前記第1処理ガスは、ハロゲン含有ガスを含み、前記第2処理ガスは、不活性ガス、ハロゲン含有ガス、または、それらの組み合わせを含む、方法。
[適用例51]適用例50に記載の方法であって、前記第1処理ガスは、ハロゲン化水素を含む、方法。
[適用例52]適用例48に記載の方法であって、前記熱乾式現像することは、第1圧力で実行され、前記プラズマ乾式現像することは、前記第1圧力とは異なる第2圧力で実行される、方法。
[適用例53]適用例48に記載の方法であって、前記熱乾式現像することおよび前記プラズマ乾式現像することは、前記処理チャンバ内で約-20℃~約50℃の温度で実行される、方法。
[適用例54]適用例48に記載の方法であって、前記熱乾式現像することおよび前記プラズマ乾式現像することは、交互に繰り返される、方法。
[適用例55]適用例48に記載の方法であって、さらに、前記処理チャンバ内で乾式現像後処理を実行することを備える、方法。
[適用例56]適用例55に記載の方法であって、前記乾式現像後処理は、前記処理チャンバ内で前記金属含有フォトレジストを不動態化することを含む、方法。
[適用例57]適用例56に記載の方法であって、前記不動態化することは、酸素含有プラズマ、窒素含有プラズマ、または、水素含有プラズマへの暴露を含む、方法。
[適用例58]適用例55に記載の方法であって、前記乾式現像後処理は、前記処理チャンバ内で前記金属含有フォトレジストを硬化させることを含む、方法。
[適用例59]適用例58に記載の方法であって、前記硬化することは、不活性ガスのプラズマを用いた処理、酸化ガスのプラズマを用いた処理、熱処理、UV光露光、または、それらの組み合わせを含む、方法。
[適用例60]金属含有フォトレジストの熱乾式現像およびプラズマ乾式現像をすべて1つの処理チャンバ内で実行するための装置であって、
1または複数の処理チャンバと、
1または複数の圧力調整装置と、
前記圧力調整装置と流体接続されている1または複数のポンプと、
プラズマ処理システムと、
前記処理チャンバおよび関連する流量制御ハードウェアへの1または複数のガス流入口と、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記関連する流量制御ハードウェアと少なくとも動作可能に接続され、前記メモリは、前記処理チャンバの内の1つで熱乾式現像を実行し、前記熱乾式現像と同じ処理チャンバでプラズマ乾式現像を実行するために、前記関連する流量制御ハードウェアを少なくとも制御するよう前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【外国語明細書】