IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2025-11438港湾荷役機器充電システムおよび港湾荷役機器充電方法
<図1>
  • -港湾荷役機器充電システムおよび港湾荷役機器充電方法 図1
  • -港湾荷役機器充電システムおよび港湾荷役機器充電方法 図2
  • -港湾荷役機器充電システムおよび港湾荷役機器充電方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011438
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】港湾荷役機器充電システムおよび港湾荷役機器充電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20250117BHJP
   B65G 63/00 20060101ALI20250117BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20250117BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250117BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20250117BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20250117BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B65G63/00 H
B60L53/12
B60L58/12
B60M7/00 X
H02J7/02 B
H02J7/00 X
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113553
(22)【出願日】2023-07-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】000005902
【氏名又は名称】株式会社三井E&S
(72)【発明者】
【氏名】坂口 善樹
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503DA07
5G503DA08
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA20
5H125AC01
5H125AC12
5H125AC25
5H125BC05
5H125BC21
5H125DD02
5H125EE27
(57)【要約】
【課題】港湾荷役機器のコストダウンと蓄電池の劣化抑制に寄与する、コンテナターミナルにおける港湾荷役機器充電システムを提供する。
【解決手段】コンテナターミナルにおける港湾荷役機器充電システムであって、少なくとも次の各ステップを実行するよう構成され、初期充電ステップでは、港湾荷役機器に搭載された蓄電池の電池容量の40%以上60%以下を充電し、決定ステップでは、前記港湾荷役機器の1回の荷役作業に要する走行距離を決定し、算出ステップでは、前記港湾荷役機器が前記走行距離を走行するのに必要な電力量を算出し、中間充電ステップでは、前記蓄電池を、前記電力量分のみ充電する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナターミナルにおける港湾荷役機器充電システムであって、
少なくとも次の各ステップを実行するよう構成され、
初期充電ステップでは、港湾荷役機器に搭載された蓄電池の電池容量の40%以上60%以下を充電し、
決定ステップでは、前記港湾荷役機器の1回の荷役作業に要する走行距離を決定し、
算出ステップでは、前記港湾荷役機器が前記走行距離を走行するのに必要な電力量を算出し、
中間充電ステップでは、前記蓄電池を、前記電力量分のみ充電する、
港湾荷役機器充電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の港湾荷役機器充電システムにおいて、
前記港湾荷役機器に搭載される蓄電池の電池容量は、前記中間ステップにおける充電量の4倍以上であり、
前記充電ステップにおけるCレートは、下記式(1)の関係を満たす、港湾荷役機器充電システム。
Cレート≧60X・・・式(1)
ここで、Xは1回の荷役作業に必要な消費電力量を示す。
【請求項3】
請求項2に記載の港湾荷役機器充電システムにおいて、
前記充電ステップにおいて用いられる充電設備は、パンタグラフ方式充電装置または非接触方式充電設備である、港湾荷役機器充電システム。
【請求項4】
コンテナターミナルにおける港湾荷役機器充電方法であって、
少なくとも次の各ステップを備え、
初期充電ステップでは、港湾荷役機器に搭載された蓄電池の電池容量の40%以上60%以下を充電し、
決定ステップでは、前記港湾荷役機器の1回の荷役作業に要する走行距離を決定し、
算出ステップでは、前記港湾荷役機器が前記走行距離を走行するのに必要な電力量を算出し、
中間充電ステップでは、前記蓄電池を、前記電力量分のみ充電する、
港湾荷役機器充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、港湾荷役機器充電システムおよび港湾荷役機器充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止のため大気中へのGHG(Green House Gas)排出を抑制する動きが活発となる中、日本国内においてはCNP(Carbon Neutral Port)構想が打ち出され、港湾地区におけるGHG排出削減に向けた取り組みが推進されている。港湾地区に設けられているコンテナターミナルでは、コンテナの荷役に供する荷役機器で使用する軽油といった化石燃料を削減することが求められている。
【0003】
主要な荷役機器の中でも、コンテナクレーンは電動化が進められている一方で、コンテナを搬送するトラクタヘッド、ストラドルキャリア、トップリフター等については軽油を燃料とするディーゼルエンジンが今なお使用されているのが現状であり、例えばトラクタヘッドについては脱炭素化に向けて、電動トラクタヘッドの開発が進められている。
【0004】
特許文献1には、バッテリや充電器を効率的に冷却することで航続距離を延長することが可能な電気自動車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018―170843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンテナターミナル内において、例えばトラクタヘッドは、1台あたり1日300kmを走行し、かつ、搬送するコンテナ及びコンテナを積載するシャーシの総重量は最大で60tに達するため、トラクタヘッドに搭載する蓄電池は大容量とならざるをえず、車両価格が高額となってしまう。
【0007】
また、コンテナターミナルにおいては、トラクタヘッドは毎日稼働するため、最低限前述の使用条件を満たす蓄電池を搭載した場合、毎日満充電をしなくてはならない。一般的に、車載蓄電池として有力なリチウムイオン電池は、満充電と完全放電を繰り返すと3000サイクル程度で定格容量の80%を下回ってしまうと言われているため、従来と変わらないターミナル運用を続けるためには、車両本体の寿命よりも早くに蓄電池の交換が必要となってしまい、さらに運用コストが嵩むことになる。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、港湾荷役機器のコストダウンと蓄電池の劣化抑制に寄与する、コンテナターミナルにおける港湾荷役機器充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点は、コンテナターミナルにおける港湾荷役機器充電システムであって、
少なくとも次の各ステップを実行するよう構成され、
初期充電ステップでは、港湾荷役機器に搭載された蓄電池の電池容量の40%以上60%以下を充電し、
決定ステップでは、前記港湾荷役機器の1回の荷役作業に要する走行距離を決定し、
算出ステップでは、前記港湾荷役機器が前記走行距離を走行するのに必要な電力量を算出し、
中間充電ステップでは、前記蓄電池を、前記電力量分のみ充電する、港湾荷役機器充電システムである。
【0010】
また、本発明の第2の観点は、コンテナターミナルにおける港湾荷役機器充電方法であって、
少なくとも次の各ステップを備え、
初期充電ステップでは、港湾荷役機器に搭載された蓄電池の電池容量の40%以上60%以下を充電し、
決定ステップでは、前記港湾荷役機器の1回の荷役作業に要する走行距離を決定し、
算出ステップでは、前記港湾荷役機器が前記走行距離を走行するのに必要な電力量を算出し、
中間充電ステップでは、前記蓄電池を、前記電力量分のみ充電する、港湾荷役機器充電方法。
【0011】
本発明の港湾荷役機器充電システムおよび港湾荷役機器充電方法によれば、港湾荷役機器に搭載する蓄電池の容量を抑えられるためコストダウンに繋がり、また満充電と完全放電を行わないため蓄電池の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】コンテナターミナル1の全体図
図2】港湾荷役機器充電システム2の詳細図
図3】本実施形態に係るフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。以下に記載する実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0014】
図1は、コンテナターミナル1の全体図を示す。コンテナターミナル1は、主として、ガントリークレーン3と、門型クレーン4と、電動トラクタヘッド5と、コンテナ6と、充電設備7と、を備える。
【0015】
ガントリークレーン3は、不図示の船舶10により輸送されてきたコンテナ6を陸側へ、またはコンテナターミナル1に蔵置されているコンテナ6を船舶10へ、揚げ積みする装置である。
【0016】
門型クレーン4は、主として、コンテナ6をコンテナターミナル1内の所定の位置へ蔵置する、または蔵置されているコンテナ6を電動トラクタヘッド5がけん引する不図示のシャーシ51へ積載するための装置である。
【0017】
コンテナ6は、荷を入れて輸送するための金属製の入れ物であり、主として20フィートまたは40フィートサイズのものが採用される。コンテナターミナル1において、コンテナ6は、輸出コンテナ、輸入コンテナ、あるいは輸出先等によって分けられた所定の蔵置エリアに蔵置される。
【0018】
電動トラクタヘッド5は、コンテナ6が積載されたシャーシ51をけん引する自動車であり、不図示の蓄電池52を搭載し、当該蓄電池52に充電された電気をエネルギー源としてモーターを稼働させることで駆動する。図1においてコンテナターミナル1が有する電動トラクタヘッド5を6台示しているが、コンテナターミナルの規模に合わせて好適化される。
【0019】
充電設備7は、主として電動トラクタヘッド5に搭載された蓄電池52を充電するためのものであるが、フォークリフト、トップリフター、ストラドルキャリアといったその他の港湾荷役機器も充電の対象である。また、充電設備7は、一般的な電気自動車で使用されている、コネクタによるコンダクティブ方式が採用されるが、これに限られない。なお、当該充電設備7は、図1においてコンテナターミナル1が有する充電設備7は1式であるが複数式であっても良い。
【0020】
コンテナターミナル1で行われる1回の荷役作業の一例を次に示す。コンテナ6を積載した船舶10が岸壁に着岸すると、ガントリークレーン3が船舶10に積載されたコンテナ6を陸側へ荷揚げする。荷揚げされたコンテナ6は、ガントリークレーン3の下に待機している電動トラクタヘッド5がけん引するシャーシ51へ積載される。コンテナ6が積載された後、電動トラクタヘッド5は、指示された蔵置エリアまで当該コンテナ6を搬送する。そして、当該蔵置エリアにある門型クレーン4により、当該コンテナ6が当該蔵置エリアに蔵置される。なお、上述の作業は一例に過ぎず、上述とは逆のプロセスや、ある蔵置エリアから別の蔵置エリアへコンテナ6を搬送するパターンもある。
【0021】
図2は、港湾荷役機器充電システム2の全体図を示す。港湾荷役機器充電システム2は、主として、電動トラクタヘッド5と、充電設備7と、サーバ8と、を備え、これらがネットワークを通じて接続されている。なお、ここでいうネットワークは、プライベートネットワークに限られず、パブリックネットワークや仮想ネットワークであっても良い。図2は電動トラクタヘッドのみを対象港湾荷役機器とした充電システムを示しているが、対象港湾荷役機器はこれに限られず、フォークリフト、トップリフター、ストラドルキャリアといったコンテナターミナル内に存在する港湾荷役機器も対象になり得る。
【0022】
電動トラクタヘッド5および充電設備7は、後述するサーバ8における通信部82とネットワークを介して接続され、サーバ8と相互にデータ転送を可能に構成される。
【0023】
サーバ8は、通信部82と、記録部83と、制御部84と、演算部85と、を有し、これらの構成要素がサーバ8の内部において通信バス81を介して電気的に接続されている。なお、サーバ8は、ローカルに存在するサーバ装置を利用することができるが、クラウドサーバであってもよい。
【0024】
通信部82は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段の他、無線LANネットワーク通信、5G、LTE、3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等が採用されるが、これに限られない。サーバ8は、通信部82を介して、電動トラクタヘッド5および充電設備7とネットワークを介して走行距離や充電量に関する情報の送受信を行う。詳細は後述する。
【0025】
記録部83は、前述の電動トラクタヘッド5および充電設備7より受信した情報、並びに後述する演算部85で算出した値を記録するもので、詳細は後述する。これは、例えば、後述する制御部84によって実行されるサーバ8に係る種々のプログラム等を記録するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記録するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施され得る。また、これらの組み合わせであっても良い。
【0026】
制御部84は、サーバ8に関連する全体動作の処理、制御を行う。制御部84は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部84は、記録部83に記録された所定のプログラムを読み出すことによって、走行距離および充電量に関する情報の送受信や1回の荷役作業に係る消費電力量の算出を行う。すなわち、記録部83に記録されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部84によって具体的に実現されることで、制御部84に含まれる不図示の機能部として実行され得る。これらの詳細な説明は後述する。なお、制御部84は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部84を有するように実施されても良く、また、それらの組み合わせであっても良い。
【0027】
演算部85は、記録部83に記録された走行距離を基に、電動トラクタヘッド5が1回の荷役作業で消費する電力量を以下の式により算出し、記録部83に記録する。
電力消費量(kWh)=走行距離(km)×単位電費(kWh/km)・・・(1)
ここで、単位走行距離あたりの電力消費量(以下、「電費」という。)は、当該電動トラクタヘッド5の既知の電費実績が用いられるが、同等最大積載量のディーゼルエンジン駆動トラクタヘッドの燃費実績を基に計算される電費を用いても良い。ここで、燃費実績を基に計算される電費は以下の式により求められる。なお、3.6(MJ/kWh)は単位換算係数を示す。
電費(kWh/km)=軽油の単位熱量(MJ/L)÷3.6(MJ/kWh)÷燃費実績(km/L)・・・(2)
【0028】
図3は、港湾荷役機器充電システム2によって実行される情報処理の流れを示すフローチャート図である。以下、このフローチャート図の各フローに沿って、説明する。
【0029】
コンテナターミナル1の操業開始に先立って、電動トラクタヘッド5は充電設備7へ移動し(S101)、充電設備7により、搭載する蓄電池52の電池容量の40%~60%を充電する(S102)。すなわちSOC(State of Charge)が40%~60%の状態となる。このとき、サーバ8は、予めSOCが40%~60%であるときの電圧値(以下、「初期電圧値」という。)を記録部83に記録しておき、制御部84は、蓄電池52の電圧値が初期電圧値となるように充電設備7に指示を出す。
【0030】
コンテナターミナル1の操業開始後、電動トラクタヘッド5は前述の荷役作業を開始する(S103)。1回の荷役作業が行われるにあたり、サーバ8は、電動トラクタヘッド5が1回の荷役作業に要する走行距離を記録部83に記録し(S104)、上述式(1)または式(2)により電力消費量を算出する(S105)。
このとき、実際に電動トラクタヘッド5が走行した距離が当該走行距離として記録部83に送信されるが、走行距離が事前に把握可能であれば、予め人の手により入力されていても良い。また、コンテナターミナルで運用されているTOS(Terminal Operation System)により電動トラクタヘッド5が制御されている場合、TOSが所有する走行ルートに関する情報を基に走行距離を算出しても良い。
【0031】
1回の荷役作業終了後、電動トラクタヘッド5は充電設備7へ移動し(S106)、充電設備7は、S105で算出した電力消費量分のみ蓄電池52を充電する(S107)。このとき、記録部83に記録された当該電力消費量は、制御部84により、通信部82とネットワークを介して充電設備7へ送信される。また、充電設備7における電動トラクタヘッド5の識別は、電動トラクタヘッド5が所有する、電波を用いて内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体である、非接触式のRFID(Radio Frequency IDentification)タグを、充電設備7が所有するRFIDリーダにより読み取ることで行われるが、ドライバー自ら充電設備7に車両情報を入力しても良く、これに限られない。
【0032】
これにより、1日の総走行距離を走行できるだけの電池容量が不要なため電動トラクタヘッド5に搭載する蓄電池容量を少なくすることができ、電動トラクタヘッド5に係る車両価格のコストダウンに寄与する。さらに、1回の荷役作業により消費した電力量のみを充電するため、ターミナル操業時におけるSOC40%~60%を上回ることがなく、蓄電池52の劣化に影響する満充電をせずに済む。
【0033】
また、電力消費量は、蓄電池の電圧値と消費電力量の関係から導くことができるが、モジュール内に複数個の電池がパッケージングされている場合、各電池性能のばらつきにより、電圧値から算出した電力消費量と実電力消費量との間に誤差が生じ得る。本実施形態のように、走行距離を基に算出された電力消費量を充電量とすることで、電池性能の個体差に起因する上述誤差を抑えることができる。
【0034】
<その他の実施形態>
本発明の他の実施形態として、蓄電池52の電池容量がS107での充電量の4倍以上、好ましくは8倍以上、より好ましくは20倍以上であり、かつ、充電設備7におけるCレートが次式で算出される値以上である。このとき、1回の荷役作業に要する走行距離をコンテナターミナル1の最外周とみなし、式(1)または(2)を用いて充電量が算出されても良い。
Cレート=60×1回の荷役作業に必要な消費電力量(kWh)・・・(3)
ここで、Cレートとは、充電および放電の速度を意味し、定電流充放電測定の場合、電池の理論容量を1時間で完全充電または完全放電させる電流の大きさを1Cとする。
【0035】
これにより、1回の荷役作業における電力消費量は、最大でも電池容量の25%となるため、SOCが40~60%である状態で1回の荷役作業を行ったとしても完全放電となることはなく、蓄電池52の劣化を防止することができる。また、上述式(3)で算出されたCレートの値以上で充電することで、充電時間を1分以内にすることができるため、コンテナターミナルにおける荷役作業の運営を円滑にすることができる。
【0036】
また、本発明の他の実施形態として、充電設備7が、パンタグラフ方式または非接触方式の充電設備であっても良い。一般的な電気自動車で採用されるコンダクティブ方式の場合、接続に際して人手を介しての作業が発生するが、上述のパンタグラフ方式または非接触方式であれば人手を介さずに充電をすることができるため、充電作業に係る人件費の削減が可能となる。また、パンタグラフ方式の場合、高電力伝送が可能なため、充電時間をさらに短縮することが可能となる。
【0037】
なお、上述の実施形態は例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 コンテナターミナル
2 港湾荷役機器充電システム
3 ガントリークレーン
4 門型クレーン
5 電動トラクタヘッド
6 コンテナ
7 充電装置
8 サーバ
10 船舶
81 通信バス
82 通信部
83 記録部
84 制御部
85 演算部
図1
図2
図3