(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011768
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】文書提示装置、文書提示方法、及び文書提示プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 15/00 20180101AFI20250117BHJP
【FI】
G16H15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114076
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三沢 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】古川 大記
(72)【発明者】
【氏名】大山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】北村 暢也
(72)【発明者】
【氏名】鑓水 大和
(72)【発明者】
【氏名】小野田 浩平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】ユーザが要約文書を作成する際に、適切な文書を提示することができる文書提示装置、文書提示方法、及び文書提示プログラムを得る。
【解決手段】文書提示装置は、文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、設定された条件に基づいて複数の文書を抽出し、抽出した複数の文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い文書を、相対的に低い文書よりも優先的に提示する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備える文書提示装置であって、
前記プロセッサは、
文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、
設定された条件に基づいて複数の前記文書を抽出し、
抽出した複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
文書提示装置。
【請求項2】
前記評価値は、前記日付情報の数が多いほど評価が高くなる値である
請求項1に記載の文書提示装置。
【請求項3】
前記評価値は、前記日付情報が示す期間が長いほど評価が高くなる値である
請求項1に記載の文書提示装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記評価値を導出する際に、特定の日付情報に重みづけを行う
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
抽出した複数の前記文書のうち、前記評価値が一定値以上の前記文書を対象として、前記評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
取得した日付情報のうち、前記文書の作成日以前の日付を示す日付情報のみを用いて前記評価値を導出する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記テキスト情報に含まれる医療行為又は検査結果と、医療行為又は検査結果と医療行為又は検査の実施日とが対応付けられたデータと、に基づいて前記日付情報を取得する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
抽出した複数の前記文書の類似度を導出し、
前記類似度が一定値以上の複数の前記文書のそれぞれについて、前記評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
請求項1に記載の文書提示装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
抽出した複数の前記文書の類似度を導出し、
抽出した複数の前記文書を、導出した類似度に基づいて複数の文書群に分類し、
前記文書群毎に、複数の前記文書のそれぞれについて、前記評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
請求項1に記載の文書提示装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
抽出した複数の前記文書の類似度を導出し、
抽出した複数の前記文書を、導出した類似度に基づいて複数の文書群に分類し、
前記文書群毎に、前記評価値が最も大きい最大文書を抽出し、
前記文書群毎に抽出した複数の前記最大文書のそれぞれについて、前記評価値が相対的に高い前記最大文書を、相対的に低い前記最大文書よりも優先的に提示する
請求項1に記載の文書提示装置。
【請求項11】
前記類似度は、抽出した複数の前記文書それぞれに含まれる前記テキスト情報の類似度、又は抽出した複数の前記文書それぞれに含まれる前記テキスト情報に基づいて取得した前記日付情報の類似度の少なくとも何れかである
請求項8から請求項10の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記評価値が相対的に高い前記文書から順番に提示する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記評価値が閾値以上の前記文書のみを提示する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記文書とともに、その文書から取得した前記日付情報も提示する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記文書とともに、その文書から取得した前記日付情報が示す期間も提示する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、
複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報が対象期間を網羅する組み合わせが複数組存在する場合、前記文書の数が相対的に少ない前記文書の組み合わせを提示対象とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の文書提示装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報の重要度を導出し、
前記特定の日付情報は、前記重要度が閾値以上の日付情報である
請求項4に記載の文書提示装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報の重要度を導出し、
前記対象期間は、前記重要度が閾値以上の日付情報が示す期間である
請求項16に記載の文書提示装置。
【請求項19】
文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、
設定された条件に基づいて複数の前記文書を抽出し、
抽出した複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
処理を文書提示装置が備えるプロセッサが実行する文書提示方法。
【請求項20】
文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、
設定された条件に基づいて複数の前記文書を抽出し、
抽出した複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
処理を文書提示装置が備えるプロセッサに実行させるための文書提示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、文書提示装置、文書提示方法、及び文書提示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、文書画像データに含まれている文字列の中から日付情報を抽出し、文書画像データのファイル名に、抽出した日付情報を含ませる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
日々の業務について記載された文書を、一定期間でまとめ直す要約文書を作成することが様々な分野で行われている。例えば、医療分野において、電子カルテや読影レポート等の医療文書を日々作成し、退院時等の特定のタイミングにおいて、作成済みの医療文書に基づいて所定期間の診療行為をまとめた要約文書を作成することが行われている。しかしながら、医師等のユーザが、所定期間の全ての医療文書に目を通して要約文書を作成することは、ユーザにとっての負担が大きい。このため、ユーザが要約文書を作成する際に、作成済みの文書の中から適切な文書を提示することができると、ユーザの負担を軽減することができ、好ましい。
【0005】
本開示は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、ユーザが要約文書を作成する際に、適切な文書を提示することができる文書提示装置、文書提示方法、及び文書提示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の文書提示装置は、少なくとも一つのプロセッサを備える文書提示装置であって、プロセッサは、文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、設定された条件に基づいて複数の文書を抽出し、抽出した複数の文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い文書を、相対的に低い文書よりも優先的に提示する。
【0007】
また、本開示の文書提示方法は、文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、設定された条件に基づいて複数の文書を抽出し、抽出した複数の文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い文書を、相対的に低い文書よりも優先的に提示する処理を文書提示装置が備えるプロセッサが実行するものである。
【0008】
また、本開示の文書提示プログラムは、文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、設定された条件に基づいて複数の文書を抽出し、抽出した複数の文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い文書を、相対的に低い文書よりも優先的に提示する処理を文書提示装置が備えるプロセッサに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザが要約文書を作成する際に、適切な文書を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】日付情報の取得処理の一例を説明するための図である。
【
図7】ユーザ端末の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】作成済み文書表示画面の一例を示す図である。
【
図9】評価値導出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】日付情報の提示処理の一例を説明するための図である。
【
図12】文書の類似度に基づく文書の提示処理の一例を説明するための図である。
【
図13】文書の類似度に基づく文書の提示処理の一例を説明するための図である。
【
図14】作成済み文書表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0012】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム10の構成を説明する。
図1に示すように、情報処理システム10は、医師等のユーザが使用するユーザ端末12と、情報処理装置14とを含む。ユーザ端末12の例としては、タブレット型のコンピュータ、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。情報処理装置14の例としては、サーバコンピュータ、及びクラウドサーバ等が挙げられる。情報処理装置14は、開示の技術に係る文書提示装置の一例である。
【0013】
ユーザ端末12及び情報処理装置14の各々はネットワークに接続され、互いにデータの送受信が可能となっている。
【0014】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るユーザ端末12のハードウェア構成を説明する。
図2に示すように、ユーザ端末12は、CPU(Central Processing Unit)20、メモリ21、ディスプレイ24、入力装置25、及びネットワークI/F(InterFace)26を含む。
【0015】
CPU20は、後述する記憶部22に記憶されるプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。
【0016】
メモリ21は、記憶部22及びRAM(Random Access Memory)23を含む。RAM23は、一次記憶用のメモリであり、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のRAMである。
【0017】
記憶部22は、不揮発性のメモリであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリ等の少なくとも1つによって実現される。記憶媒体としての記憶部22には、画面表示プログラム30が記憶される。CPU20は、記憶部22から画面表示プログラム30を読み出してからRAM23に展開し、展開した画面表示プログラム30を実行する。
【0018】
画面表示プログラム30は、ネットワークI/F26を介して情報処理装置14から受信したデータに基づいてディスプレイ24に各種画面を表示させるためのプログラムである。画面表示プログラム30は、例えば、ウェブブラウザのプログラム等を含む。
【0019】
ディスプレイ24は、各種画面を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイ又はEL(Electro Luminescence)ディスプレイである。入力装置25は、ユーザが入力を行うための装置であり、例えば、キーボード、マウス、音声入力用のマイク、接触を含む近接入力用のタッチパッド、及びジェスチャー入力用のカメラの少なくとも何れかである。ネットワークI/F26は、ネットワークに接続するためのインタフェースである。バス27は、CPU20、メモリ21、ディスプレイ24、入力装置25、及びネットワークI/F26を接続する。
【0020】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置14のハードウェア構成を説明する。
図3に示すように、情報処理装置14は、CPU40、メモリ41、ディスプレイ44、入力装置45、及びネットワークI/F46を含む。
【0021】
CPU40は、後述する記憶部42に記憶されるプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。CPU40は、開示の技術に係るプロセッサの一例である。
【0022】
メモリ41は、記憶部42及びRAM43を含む。RAM43は、一次記憶用のメモリであり、例えば、SRAM又はDRAM等のRAMである。
【0023】
記憶部42は、不揮発性のメモリであり、例えば、HDD、SSD、及びフラッシュメモリ等の少なくとも1つによって実現される。記憶媒体としての記憶部42には、情報処理プログラム50が記憶される。CPU40は、記憶部42から情報処理プログラム50を読み出してからRAM43に展開し、展開した情報処理プログラム50を実行する。
【0024】
また、記憶部42には、ユーザによって作成された複数の医療文書52が記憶される。医療文書52は、開示の技術に係る文書の一例である。複数の医療文書52は、要約文書の作成に用いられる。本実施形態では、ユーザが複数の医療文書52を閲覧しながら退院サマリと呼ばれる要約文書を作成する場合を例に説明する。医療文書52の例としては、電子カルテが挙げられる。医療文書52は、患者毎に作成され、医療文書52の属性情報として患者ID等の患者の識別情報が付加されることによって、どの患者に関するものであるかが識別可能とされる。なお、医療文書52は、文書内の特定の入力欄に患者IDが入力されたり、患者毎のフォルダに格納されたりすることによって、どの患者に関するものであるかが識別可能とされてもよい。同様に、医療文書52は、作成日も識別可能とされる。医療文書52は、電子カルテに限定されず、読影レポート及びレセプトと称される診療報酬明細書等であってもよい。また、要約文書の作成に用いられる文書は医療文書に限定されず、例えば、研究日誌等の文書であってもよい。この場合、ユーザは、日々作成した複数の研究日誌をまとめることによって研究報告書を作成する。また、例えば、要約文書の作成に用いられる文書が日報であり、要約文書が、日報がまとめられた週報又は月報等でもよい。また、本実施形態では、医療文書52が、情報処理装置14の記憶部42に記憶される場合を例に説明するが、開示の技術はこの態様に限定されない。例えば、医療文書52は、別のデータ保存サーバに保存され、ネットワークを介して取得されてもよい。
【0025】
ディスプレイ44は、各種画面を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイ又はELディスプレイである。入力装置45は、ユーザが入力を行うための装置であり、例えば、キーボード、マウス、音声入力用のマイク、接触を含む近接入力用のタッチパッド、及びジェスチャー入力用のカメラの少なくともいずれかである。ネットワークI/F46は、ネットワークに接続するためのインタフェースである。バス47は、CPU40、メモリ41、ディスプレイ44、入力装置45、及びネットワークI/F46を接続する。
【0026】
ところで、医師等のユーザは、入院患者に関して、日々電子カルテ等の医療文書52を作成し、退院時等の特定のタイミングに、入院期間中に作成した複数の医療文書52をまとめることによって退院サマリと呼ばれる新規文書を作成する。
【0027】
図4に示すように、本実施形態に係る情報処理システム10は、ユーザ端末12のディスプレイ24に、新規文書を作成するための新規文書作成画面100と、新規文書の作成に用いられる作成済み文書の一例としての医療文書52を表示する作成済み文書表示画面102と、を表示させる。
【0028】
ユーザが複数の日付に関連した医療行為を纏めた医療文書52を作成しようとした場合、それぞれの医療行為の時系列が把握できるように、医療行為と当該医療行為を行った日付情報を記載することが考えられる。そこで、本実施形態に係る情報処理システム10は、医療文書52に含まれる日付情報に基づいて複数の医療文書52の中からユーザに提示する医療文書52を選択する。これにより、ユーザは、複数の医療行為を纏めたと考えられる医療文書52を参照しながら新規文書である要約文書を作成することができる。
【0029】
次に、
図5を参照して、情報処理装置14の機能的な構成について説明する。
図5に示すように、情報処理装置14は、受付部60、抽出部62、取得部64、導出部66、及び提示部68を含む。CPU40が情報処理プログラム50を実行することにより、受付部60、抽出部62、取得部64、導出部66、及び提示部68として機能する。
【0030】
受付部60は、新規文書の作成対象である患者(以下、「対象患者」という)の識別情報及び新規文書の作成対象の期間(以下、「作成対象期間」という)を受け付ける。作成対象期間の例としては、患者の1回の入院における入院期間が挙げられる。対象患者の識別情報及び作成対象期間は、例えば、ユーザ端末12においてユーザにより入力され、ユーザ端末12から情報処理装置14へ送信される。なお、患者の識別情報に対して対象期間が対応付けられて記憶されており、ユーザによる患者の識別情報の入力に応じて、患者に対応する対象期間が導出されても良い。
【0031】
抽出部62は、設定された条件に基づいて複数の医療文書52を抽出する。本実施形態では、設定された条件として、受付部60により受け付けられた対象患者について、作成対象期間内に作成された医療文書52である、との条件を適用した例を説明する。すなわち、抽出部62は、受付部60により受け付けられた対象患者の識別情報及び作成対象期間を用いて、記憶部42から、作成対象期間内に対象患者について作成された複数の医療文書52を抽出する。
【0032】
取得部64は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52のそれぞれについて、医療文書52に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得する。例えば、取得部64は、医療文書52に含まれるテキスト情報から、日付を表す文字列を抽出することによって日付情報を取得する。この場合、取得部64は、正規表現等のルールベースでテキスト情報から日付情報を取得してもよい。また、この場合、取得部64は、機械学習により得られた学習済みモデルであって、テキスト情報を入力とし、入力のテキスト情報に含まれる日付情報を出力とする学習済みモデルに対して医療文書52に含まれるテキスト情報を入力することによって日付情報を取得してもよい。
【0033】
なお、取得部64は、テキスト情報に含まれる医療行為又は検査結果と、医療行為又は検査結果と医療行為又は検査の実施日とが対応付けられたデータと、に基づいて日付情報を取得してもよい。ここでいう医療行為又は検査の実施日は、データとして登録された日付を意味する。また、医療行為とは、手術等の処置、及び投薬等を意味する。具体的には、一例として
図6に示すように、取得部64は、対象患者に関する検査項目、検査結果、及び検査の実施日が対応付けられたデータベースを参照し、テキスト情報に含まれる検査項目及び検査結果の組み合わせに一致する検査の実施日を、日付情報として取得してもよい。
【0034】
また、日付情報は、「○日前」、「入院○日後」、及び「入院直後」のように、特定の時点を基準とした相対的な日付を表す情報であってもよい。
【0035】
導出部66は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52のそれぞれについて取得部64により取得された日付情報に基づいて評価値を導出する。本実施形態では、導出部66は、複数の医療文書52のそれぞれについて日付情報をカウントすることによって評価値を導出する。すなわち、本実施形態に係る医療文書52の評価値は、医療文書52のテキスト情報に基づいて取得される日付情報の数であり、日付情報の数が多いほど評価が高くなる値である。
【0036】
なお、導出部66は、評価値を導出する際に、特定の日付情報に重みづけを行ってもよい。この場合、導出部66は、評価値を導出する際に、複数の医療文書52のそれぞれについて取得された日付情報の重要度を導出し、重要度が閾値以上の日付情報に重みづけを行ってもよい。具体的には、導出部66は、日付情報の重要度のデフォルト値を「低」とし、医療行為又は検査の少なくとも一方の実施日に対応する日付情報の重要度を「高」と導出する。この場合、導出部66は、評価値を導出する際に、重要度が「高」の日付情報については1.5とカウントすることによって、評価値を評価の高い値にしてもよい。また、導出部66は、レセプトと称される診療報酬明細書を参照し、加算点数が多い日付であるほど、日付情報の重要度を高くしてもよい。
【0037】
また、医療文書52の評価値は、日付情報が示す期間が長いほど評価が高くなる値でもよい。具体的には、医療文書52の評価値は、医療文書52に含まれるテキスト情報から取得された最も古い日付情報から最も新しい日付情報までの日数であってもよい。この場合、例えば、医療文書52に含まれるテキスト情報から取得された日付情報が「4/1」、「4/3」、及び「4/8」であった場合、医療文書52の評価値は、「4/1」から「4/8」までの日数を表す「8」になる。
【0038】
また、医療文書52の評価値は、医療文書52に含まれるテキスト情報から取得された日付情報それぞれが表す期間の合計値であってもよい。この場合、例えば、医療文書52に含まれるテキスト情報から取得された日付情報が「4/1」、「4/3」、及び「4/8」であった場合、医療文書52の評価値は、それぞれの日付情報が示す期間の合計値である「3」になる。
【0039】
また、導出部66は、取得部64により取得された日付情報のうち、医療文書52の作成日以前の日付を示す日付情報のみを用いて評価値を導出してもよい。具体的には、例えば、医療文書52の作成日が「4/1」で、その医療文書52のテキスト情報に「4/7退院予定」との文が含まれる場合、導出部66は、評価値を導出する際に「4/1」よりも後の日付である「4/7」を使用せずに除外してもよい。
【0040】
提示部68は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52のそれぞれについて導出部66により導出された評価値が相対的に高い医療文書52を、相対的に低い医療文書52よりも優先的に提示する。本実施形態では、提示部68は、医療文書52を、ネットワークI/F46を介してユーザ端末12に対して出力することによって、医療文書52をユーザに対して提示する。この際、提示部68は、医療文書52の作成日及び評価値を医療文書52に付加して出力してもよい。
【0041】
具体的には、提示部68は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52のうち、導出部66により導出された評価値が閾値以上の医療文書52のみを提示する。これにより、提示部68は、評価値が閾値以上の医療文書52を、評価値が閾値未満の医療文書52よりも優先的に提示する。
【0042】
次に、
図7を参照して、ユーザ端末12の機能的な構成について説明する。
図7に示すように、ユーザ端末12は、取得部80及び表示制御部82を含む。CPU20が画面表示プログラム30を実行することにより、取得部80及び表示制御部82として機能する。
【0043】
取得部80は、情報処理装置14から送信された1つ以上の医療文書52を、ネットワークI/F26を介して取得する。
【0044】
表示制御部82は、前述したように新規文書を作成するための新規文書作成画面100と、新規文書の作成に用いられる医療文書52を表示する作成済み文書表示画面102と、をディスプレイ24に表示させる(
図4参照)。
【0045】
図8に示すように、表示制御部82は、作成済み文書表示画面102において、取得部80により取得された医療文書52を、所定の表示順に従って表示させる。
図8では、「2022/9/8」から「2022/9/22」までに作成された医療文書52のうち、3つの医療文書52の評価値が閾値以上の場合で、かつ3つの医療文書52が作成日の新しい順に表示されている例を示している。なお、医療文書52の表示順は、例えば、作成日の新しい順でもよいし、作成日の古い順でもよいし、評価値の高い順であってもよい。この場合の表示順は表示位置の順番を意味する。
【0046】
また、
図8の例では、複数の医療文書52が表形式で表示され、表の1行が1つの医療文書52に対応し、内容列が、医療文書52の内容を表している。また、
図8の例では、項目列は、医療文書52の分類を表している。分類の例としては、「Subject(主観的情報)」、「Object(客観的情報)」、「Assessment(評価)」、及び「Plan(計画)」が挙げられる。
図8の例では、項目列に該当する分類を表す単語の頭文字が記載されている。また、項目列には、プロブレムリストに対応する「#」も記載される。ここでいうプロブレムには、医師が患者の中に認めた医学的異常事態(病気)、疾患、単なる所見、既往歴、及び社会事象等の少なくとも何れかを含む。
【0047】
なお、表示制御部82は、作成済み文書表示画面102において、医療文書52を評価値が示す評価の高い順に表示させてもよい。また、表示制御部82は、作成済み文書表示画面102において、評価値とともに医療文書52を表示させてもよい。また、表示制御部82は、評価値が相対的に高い医療文書52を、相対的に低い医療文書52に対して強調表示してもよい。この場合、例えば、表示制御部82は、表形式で複数の医療文書52を一覧表示する場合、評価値が一定値以上の医療文書52の行のみ背景色を変更してもよい。また、表示制御部82は、評価値が相対的に低い医療文書52を、相対的に高い医療文書52に対して非強調表示してもよい。この場合、表示制御部82は、例えば、表示制御部82は、表形式で複数の医療文書52を一覧表示する場合、評価値が一定値未満の医療文書52の行のみグレーアウトしてもよい。
【0048】
次に、
図9を参照して、情報処理装置14の作用を説明する。CPU40が情報処理プログラム50を実行することによって、
図9に示す評価値導出処理が実行される。
図9に示す評価値導出処理は、例えば、ユーザにより実行開始の指示が入力された場合に実行される。
【0049】
図9のステップS10で、受付部60は、対象患者の識別情報及び作成対象期間を受け付ける。ステップS12で、抽出部62は、ステップS10で受け付けられた対象患者の識別情報及び作成対象期間を用いて、記憶部42から、作成対象期間内に対象患者について作成された複数の医療文書52を抽出する。ステップS14で、取得部64は、前述したように、ステップS12で抽出された複数の医療文書52のそれぞれについて、医療文書52に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得する。
【0050】
ステップS16で、導出部66は、前述したように、ステップS12で抽出された複数の医療文書52のそれぞれについてステップS14で取得された日付情報に基づいて評価値を導出する。ステップS18で、提示部68は、前述したように、ステップS12で抽出された複数の医療文書52のそれぞれについてステップS16で導出された評価値が相対的に高い医療文書52を、相対的に低い医療文書52よりも優先的に提示する。ステップS18の処理が終了すると、評価値導出処理が終了する。
【0051】
次に、
図10を参照して、ユーザ端末12の作用を説明する。CPU20が画面表示プログラム30を実行することによって、
図10に示す表示制御処理が実行される。
図10に示す表示制御処理は、例えば、上記ステップS18の処理により情報処理装置14から送信された医療文書52をユーザ端末12が受信した場合に実行される。
【0052】
図10のステップS30で、取得部80は、情報処理装置14から送信された1つ以上の医療文書52を、ネットワークI/F26を介して取得する。ステップS32で、表示制御部82は、新規文書を作成するための新規文書作成画面100と、新規文書の作成に用いられる医療文書52を表示する作成済み文書表示画面102と、をディスプレイ24に表示させる。この際、表示制御部82は、前述したように、作成済み文書表示画面102において、ステップS30で取得された医療文書52を、所定の表示順に従って表示させる。ステップS32の処理が終了すると、表示制御処理が終了する。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが要約文書を作成する際に、適切な文書を提示することができる。
【0054】
なお、上記実施形態において、提示部68は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52のうち、評価値が一定値以上の医療文書52を対象として、評価値が相対的に高い医療文書52を、相対的に低い医療文書52よりも優先的に提示してもよい。
【0055】
また、上記実施形態において、提示部68は、評価値が相対的に高い医療文書52を、相対的に低い医療文書52よりも優先的に提示する一例として、閾値以上の評価値の医療文書52のみを表示することを例示したが、開示の技術はこの態様に限定されない。提示部68は、評価値が相対的に高い医療文書52から順番に提示してもよい。この場合、表示制御部82は、作成済み文書表示画面102において、取得部80により取得された医療文書52を、評価値が高い順に表示させてもよい。提示部68が医療文書52及び評価値をユーザ端末12に出力し、ユーザ端末12の表示制御部82は、医療文書52を評価値の高い順に並べ替えて作成済み文書表示画面102に表示させてもよい。また、表示制御部82は、医療文書52を評価値の大小に応じて表示態様を異ならせて作成済み文書表示画面102に表示させてもよい。この場合の表示態様を異ならせる方法の例としては、背景色を異ならせる方法又は文字の表示色を異ならせる方法等が挙げられる。例えば、表示制御部82は、評価値が相対的に高い医療文書52を、相対的に低い医療文書52に対して強調表示するとしても良い。例えば、表示制御部82は、表形式で医療文書52を表示する場合に、相対的に高い医療文書52を示すセルの背景色又は文字の表示色を相対的に低い医療文書52に対して視覚的に目立つ色で表示するとしても良いし、相対的に低い医療文書52を示すセルの背景色又は文字の表示色を相対的に低い医療文書52に対して視覚的に目立たない色で表示するとしても良い。
【0056】
また、上記実施形態において、提示部68は、医療文書52とともに、その医療文書52から取得された日付情報も提示してもよい。この場合、一例として
図11に示すように、表示制御部82は、作成済み文書表示画面102において、医療文書52とともに、その医療文書52から取得された日付情報を表示させる。
図11の例では、医療文書52に含まれる日付情報に対応する日付の下に楕円が表示されることによって、医療文書52に含まれる日付情報が視認しやすくなっている。
【0057】
また、上記実施形態において、提示部68は、医療文書52とともに、その医療文書52から取得された日付情報が示す期間も提示してもよい。この場合、一例として
図11に示すように、表示制御部82は、作成済み文書表示画面102において、医療文書52とともに、その医療文書52から取得された日付情報が示す期間を表示させる。
図11の例では、医療文書52に含まれる日付情報のうち、最も古い日付から最も新しい日付までの期間に対応する灰色で塗りつぶされた矩形によって、医療文書52に含まれる日付情報が示す期間が視認しやすくなっている。また、この場合、表示制御部82は、医療文書52の背景色と、医療文書52に含まれる日付情報が示す期間の背景色とを同じ色にすることによって、医療文書52と、医療文書52に含まれる日付情報との対応関係を分かり易くしてもよい。また、例えば、表示制御部82は、最初に
図11の上段の日付情報のみを表示させ、ユーザにより1つ以上の日付情報が選択された場合に、選択された日付情報が含まれる医療文書52を表示させてもよい。また、例えば、表示制御部82は、最初に
図11の上段の日付情報のみを表示させ、ユーザにより2つ以上の日付情報が順番に選択された場合に、選択された日付情報が含まれる医療文書52を選択された順番に従って表示させてもよい。また、例えば、表示制御部82は、最初に
図11の下段の医療文書52のみを表示させ、ユーザにより1つ以上の医療文書52が選択された場合に、選択された医療文書52から取得された日付情報を表示させてもよい。また、例えば、表示制御部82は、最初に
図11の下段の医療文書52のみを表示させ、ユーザにより2つ以上の医療文書52が順番に選択された場合に、選択された医療文書52から取得された日付情報を選択された順番に従って表示させてもよい。
【0058】
また、上記実施形態において、導出部66は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52の類似度を導出してもよい。医療文書52間の類似度の例としては、編集距離、BLEU(BiLingual Evaluation Understudy)、ROUGE(Recall-Oriented Understudy for Gisting Evaluation)、又はBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)スコア等が挙げられる。この場合、提示部68は、導出部66により導出された類似度が一定値以上の複数の医療文書52のそれぞれについて、評価値が相対的に高い医療文書52を、相対的に低い医療文書52よりも優先的に提示してもよい。
【0059】
また、
図12に示すように、提示部68は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52を、導出部66により導出された類似度に基づいて複数の文書群に分類してもよい。例えば、提示部68は、各文書群において、医療文書52間の類似度が一定値以上になるように、複数の医療文書52を複数の文書群に分類してもよい。この場合、提示部68は、文書群毎に、その文書群に属する複数の医療文書52のそれぞれについて、評価値が相対的に高い医療文書52を、相対的に低い医療文書52よりも優先的に提示してもよい。
【0060】
また、
図13に示すように、提示部68は、文書群毎に、その文書群に属する複数の医療文書52の中から、評価値が最も大きい医療文書52(以下、「最大文書」という)を抽出してもよい。この場合、提示部68は、文書群毎に抽出した複数の最大文書のそれぞれについて、評価値が相対的に高い最大文書を、相対的に低い最大文書よりも優先的に提示してもよい。
【0061】
以上の医療文書52間の類似度は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52に含まれるテキスト情報全体の類似度でもよい。また、医療文書52間の類似度は、抽出部62により抽出された複数の医療文書52に含まれるテキスト情報に基づいて取得された日付情報の類似度でもよい。更に、医療文書52間の類似度は、テキスト全体の類似度と日付情報の類似度の組み合わせとしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態において、提示部68は、複数の医療文書52のそれぞれについて取得された日付情報が対象期間を網羅する組み合わせが複数組存在する場合、医療文書52の数が相対的に少ない医療文書52の組み合わせを提示対象としてもよい。この場合の対象期間としては、前述した作成対象期間が挙げられる。また、この場合の対象期間としては、上記重要度が閾値以上の日付情報が示す期間が挙げられる。この場合、重要度が閾値以上の日付情報を含む医療文書52が提示される。
【0063】
また、上記実施形態において、導出部66は、評価値を導出する際に、日付情報の前に改行されている場合に、その日付情報に重みづけを行ってもよい。また、導出部66は、医療文書52に含まれる複数の日付情報のそれぞれの後に記載されているテキストの変化度を導出し、その変化度が閾値以上の場合に、変化度の導出に用いられた日付情報に重みづけを行ってもよい。また、導出部66は、日付情報の後に記載されているテキストに現病及び既往症等の特定のキーワードが含まれる場合に、その日付情報に重みづけを行ってもよい。また、導出部66は、作成日付が相対的に新しい医療文書52の評価値を相対的に古い医療文書52の評価値よりも評価が高い値にしてもよい。また、導出部66は、基準日を基準として基準日から日付情報までの経過日数に応じて日付情報に重みづけを行ってもよい。基準日は、例えば、新規文書の作成日、又は、日付情報が含まれる医療文書52の作成日の少なくともいずれかとしてもよい。具体的には、「4/4」に作成された医療文書52に記載された日付情報が「4/4」である場合、当日の情報を示すので異なる日付を含めて纏めた文書ではない可能性が高い。一方で、「4/7」に作成された医療文書52に記載された日付情報が「4/4」である場合、3日前までの情報を纏めた文書である可能性がある。そのため、導出部66は、評価値の導出対象の日付情報が含まれる医療文書52の作成日からの経過日数に応じて評価値を高い値にしても良い。
【0064】
また、上記実施形態において、提示部68は、医療文書52とともに、評価値が導出される際に用いられた日付情報も提示してもよい。この場合、一例として
図14に示すように、表示制御部82は、作成済み文書表示画面102において医療文書52を表示させる際に、医療文書52の評価値の導出に用いられた日付情報を強調表示することによって、その日付情報を識別可能に表示してもよい。ここでいう強調表示とは、目立たせる表示のことであり、例えば、基準となる表示色(例えば、黒色)に対して目立つ色として設定された表示色(例えば、赤色)で文字又は文字の背景の少なくとも一方を表示させることを意味する。
図14の例では、太字の文字が強調表示された文字を示している。
【0065】
また、上記実施形態において、情報処理装置14が備える機能部の少なくとも一部をユーザ端末12が備えてもよいし、ユーザ端末12が備える機能部の少なくとも一部を情報処理装置14が備えてもよい。例えば、情報処理装置14で新規文書作成画面100を生成し、ユーザ端末12にストリーミング方式で提供しても良い。また、ユーザ端末12及び情報処理装置14が備える各機能部を1台のコンピュータが備えてもよい。
【0066】
また、上記実施形態において、例えば、ユーザ端末12の各機能部及び情報処理装置14の各機能部のような各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0067】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0068】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0069】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0070】
また、上記各実施形態では、画面表示プログラム30が記憶部22に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。画面表示プログラム30は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、画面表示プログラム30は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、情報処理プログラム50が記憶部42に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム50は、CD-ROM、DVD-ROM、及びUSBメモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム50は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0072】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
少なくとも一つのプロセッサを備える文書提示装置であって、
前記プロセッサは、
文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、
設定された条件に基づいて複数の前記文書を抽出し、
抽出した複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
文書提示装置。
【0073】
(付記2)
前記評価値は、前記日付情報の数が多いほど評価が高くなる値である
付記1に記載の文書提示装置。
【0074】
(付記3)
前記評価値は、前記日付情報が示す期間が長いほど評価が高くなる値である
付記1に記載の文書提示装置。
【0075】
(付記4)
前記プロセッサは、
前記評価値を導出する際に、特定の日付情報に重みづけを行う
付記1から付記3の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0076】
(付記5)
前記プロセッサは、
抽出した複数の前記文書のうち、前記評価値が一定値以上の前記文書を対象として、前記評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
付記1から付記4の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0077】
(付記6)
前記プロセッサは、
取得した日付情報のうち、前記文書の作成日以前の日付を示す日付情報のみを用いて前記評価値を導出する
付記1から付記5の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0078】
(付記7)
前記プロセッサは、
前記テキスト情報に含まれる医療行為又は検査結果と、医療行為又は検査結果と医療行為又は検査の実施日とが対応付けられたデータと、に基づいて前記日付情報を取得する
付記1から付記6の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0079】
(付記8)
前記プロセッサは、
抽出した複数の前記文書の類似度を導出し、
前記類似度が一定値以上の複数の前記文書のそれぞれについて、前記評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
付記1から付記7の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0080】
(付記9)
前記プロセッサは、
抽出した複数の前記文書の類似度を導出し、
抽出した複数の前記文書を、導出した類似度に基づいて複数の文書群に分類し、
前記文書群毎に、複数の前記文書のそれぞれについて、前記評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
付記1から付記7の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0081】
(付記10)
前記プロセッサは、
抽出した複数の前記文書の類似度を導出し、
抽出した複数の前記文書を、導出した類似度に基づいて複数の文書群に分類し、
前記文書群毎に、前記評価値が最も大きい最大文書を抽出し、
前記文書群毎に抽出した複数の前記最大文書のそれぞれについて、前記評価値が相対的に高い前記最大文書を、相対的に低い前記最大文書よりも優先的に提示する
付記1から付記7の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0082】
(付記11)
前記類似度は、抽出した複数の前記文書それぞれに含まれる前記テキスト情報の類似度、又は抽出した複数の前記文書それぞれに含まれる前記テキスト情報に基づいて取得した前記日付情報の類似度の少なくとも何れかである
付記8から付記10の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0083】
(付記12)
前記プロセッサは、
前記評価値が相対的に高い前記文書から順番に提示する
付記1から付記11の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0084】
(付記13)
前記プロセッサは、
前記評価値が閾値以上の前記文書のみを提示する
付記1から付記11の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0085】
(付記14)
前記プロセッサは、
前記文書とともに、その文書から取得した前記日付情報も提示する
付記1から付記13の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0086】
(付記15)
前記プロセッサは、
前記文書とともに、その文書から取得した前記日付情報が示す期間も提示する
付記1から付記13の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0087】
(付記16)
前記プロセッサは、
複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報が対象期間を網羅する組み合わせが複数組存在する場合、前記文書の数が相対的に少ない前記文書の組み合わせを提示対象とする
付記1から付記15の何れか1つに記載の文書提示装置。
【0088】
(付記17)
前記プロセッサは、
複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報の重要度を導出し、
前記特定の日付情報は、前記重要度が閾値以上の日付情報である
付記4に記載の文書提示装置。
【0089】
(付記18)
前記プロセッサは、
複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報の重要度を導出し、
前記対象期間は、前記重要度が閾値以上の日付情報が示す期間である
付記16に記載の文書提示装置。
【0090】
(付記19)
文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、
設定された条件に基づいて複数の前記文書を抽出し、
抽出した複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
処理を文書提示装置が備えるプロセッサが実行する文書提示方法。
【0091】
(付記20)
文書に含まれるテキスト情報に基づいて日付情報を取得し、
設定された条件に基づいて複数の前記文書を抽出し、
抽出した複数の前記文書のそれぞれについて取得した日付情報に基づく評価値が相対的に高い前記文書を、相対的に低い前記文書よりも優先的に提示する
処理を文書提示装置が備えるプロセッサに実行させるための文書提示プログラム。
【符号の説明】
【0092】
10 情報処理システム
12 ユーザ端末
14 情報処理装置
20、40 CPU
21、41 メモリ
22、42 記憶部
23、43 RAM
24、44 ディスプレイ
25、45 入力装置
26、46 ネットワークI/F
27、47 バス
30 画面表示プログラム
50 情報処理プログラム
52 医療文書
60 受付部
62 抽出部
64、80 取得部
66 導出部
68 提示部
82 表示制御部
100 新規文書作成画面
102 作成済み文書表示画面