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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011932
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】流量算出装置および流量算出方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/00 20220101AFI20250117BHJP
   G05D 7/06 20060101ALI20250117BHJP
   G01F 1/34 20060101ALI20250117BHJP
   G01F 25/10 20220101ALI20250117BHJP
【FI】
G01F1/00 X
G05D7/06 B
G01F1/00 S
G01F1/34 A
G01F25/10 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114362
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀之内 修
【テーマコード(参考)】
2F030
5H307
【Fターム(参考)】
2F030CA04
2F030CB03
2F030CC11
2F030CD20
2F030CF05
2F030CF08
2F030CF09
5H307BB01
5H307BB05
5H307CC01
5H307DD01
5H307EE02
(57)【要約】
【課題】流体の流量が大きい場合でも、装置全体の大型化を回避しながら流体の流量を算出する。
【解決手段】流量算出装置は、主流路を流れる流体の流量を算出する流量算出装置であって、主流路から分岐して設けられ、流体が分流する特定流路およびバイパス流路と、特定流路に設けられる第1流体抵抗素子と、バイパス流路に設けられる第2流体抵抗素子と、特定流路において、第1流体抵抗素子の下流側に配置される容器と、容器内の圧力を検知する圧力センサと、特定流路に分流する第1分岐流体の流量を、容器内の前記圧力の変化に基づいて算出し、第1分岐流体の算出流量と、第1流体抵抗素子および第2流体抵抗素子に応じて決まる分流比と、に基づいて、主流路を流れる流体の流量を算出する流量算出部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主流路を流れる流体の流量を算出する流量算出装置であって、
前記主流路から分岐して設けられ、前記流体が分流する特定流路およびバイパス流路と、
前記特定流路に設けられる第1流体抵抗素子と、
前記バイパス流路に設けられる第2流体抵抗素子と、
前記特定流路において、前記第1流体抵抗素子の下流側に配置される容器と、
前記容器内の圧力を検知する圧力センサと、
前記特定流路に分流する第1分岐流体の流量を、前記容器内の前記圧力の変化に基づいて算出し、前記第1分岐流体の算出流量と、前記第1流体抵抗素子および前記第2流体抵抗素子に応じて決まる分流比と、に基づいて、前記主流路を流れる前記流体の流量を算出する流量算出部と、を備える、流量算出装置。
【請求項2】
前記圧力センサを、特定流路用圧力センサとしたとき、
前記バイパス流路における前記第2流体抵抗素子の下流側に配置されるバイパス流路用圧力センサと、
前記第2流体抵抗素子を介して前記バイパス流路を流れる第2分岐流体の流量を制御する制御バルブと、をさらに備え、
前記流量算出部は、前記バイパス流路用圧力センサによって測定される前記第2流体抵抗素子の下流側の圧力が、前記特定流路用圧力センサによって検知される前記容器内の圧力に一致または近づくように、前記制御バルブを制御する、請求項1に記載の流量算出装置。
【請求項3】
前記制御バルブと圧力計とを内蔵する圧力制御装置をさらに備え、
前記流量算出部は、前記圧力制御装置の前記制御バルブを制御する、請求項2に記載の流量算出装置。
【請求項4】
前記第1流体抵抗素子および前記第2流体抵抗素子はそれぞれ、前記第1分岐流体および前記第2分岐流体に圧力損失を与える圧損素子である、請求項2または3に記載の流量算出装置。
【請求項5】
前記第1流体抵抗素子および前記第2流体抵抗素子を構成する前記圧損素子は、セラミックスからなるリストリクタである、請求項4に記載の流量算出装置。
【請求項6】
前記第1流体抵抗素子および前記第2流体抵抗素子を構成する前記圧損素子は、金属からなるリストリクタである、請求項4に記載の流量算出装置。
【請求項7】
前記第1流体抵抗素子および前記第2流体抵抗素子は、臨界ノズルである、請求項1に記載の流量算出装置。
【請求項8】
前記主流路に配置される主流路用圧力検知部をさらに備え、
前記流量算出部は、前記第1流体抵抗素子および前記第2流体抵抗素子を構成する各臨界ノズルを流れる各流体の流速が音速となる臨界条件下において、前記主流路用圧力検知部で検知された圧力を用いて算出される、前記各臨界ノズルを流れる前記各流体の流量の比に基づいて、前記分流比を求める、請求項7に記載の流量算出装置。
【請求項9】
前記主流路に前記流体を流出する流量制御機器の診断を行う機器診断部をさらに備え、
前記機器診断部は、前記流量制御機器が前記流体を流出するときの設定流量と、前記流量算出部によって算出された、前記主流路を流れる前記流体の流量とに基づいて、前記流量制御機器を診断する、請求項1から8のいずれかに記載の流量算出装置。
【請求項10】
前記流量算出部は、分流比をSとし、前記第1分岐流体の算出流量をQ1として、
Q=Q1/S
を演算することにより、前記主流路を流れる流体の流量Qを算出する、請求項1から9のいずれかに記載の流量算出装置。
【請求項11】
主流路を流れる流体が、前記主流路から分岐して設けられる特定流路およびバイパス流路に分流したときに、前記特定流路を流れる第1分岐流体の流量を、前記特定流路において第1流体抵抗素子の下流側に配置された容器内の圧力の変化に基づいて算出する工程と、
前記第1分岐流体の算出流量と、前記第1流体抵抗素子と前記バイパス流路に設けられる第2流体抵抗素子とに応じて決まる分流比と、に基づいて、前記主流路を流れる前記流体の流量を算出する工程と、を有する、流量算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量算出装置および流量校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体の流量計測の一手法として、RoR(Rate of Rise)法が知られている。RoR法は、真空排気した容器に試験体(例えば流量制御機器)から流体(例えばガス)を流し、容器内の圧力上昇率から流体の状態方程式を用いて流量を求める方法である。例えば特許文献1には、RoR法を利用して流体の流量を検証する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/111725
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、RoR法を利用する場合、検証する流体の流量が大きくなると、それに伴って大型(大容量)の容器を用意する必要があり、装置全体が大型化する。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、流体の流量が大きい場合でも、装置全体の大型化を回避しながら流体の流量を算出することができる流量算出装置および流量校正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る流量算出装置は、主流路を流れる流体の流量を算出する流量算出装置であって、前記主流路から分岐して設けられ、前記流体が分流する特定流路およびバイパス流路と、前記特定流路に設けられる第1流体抵抗素子と、前記バイパス流路に設けられる第2流体抵抗素子と、前記特定流路において、前記第1流体抵抗素子の下流側に配置される容器と、前記容器内の圧力を検知する圧力センサと、前記特定流路に分流する第1分岐流体の流量を、前記容器内の前記圧力の変化に基づいて算出し、前記第1分岐流体の算出流量と、前記第1流体抵抗素子および前記第2流体抵抗素子に応じて決まる分流比と、に基づいて、前記主流路を流れる前記流体の流量を算出する流量算出部と、を備える。
【0007】
本発明の他の側面に係る流量算出方法は、主流路を流れる流体が、前記主流路から分岐して設けられる特定流路およびバイパス流路に分流したときに、前記特定流路を流れる第1分岐流体の流量を、前記特定流路において第1流体抵抗素子の下流側に配置された容器内の圧力の変化に基づいて算出する工程と、前記第1分岐流体の算出流量と、前記第1流体抵抗素子と前記バイパス流路に設けられる第2流体抵抗素子とに応じて決まる分流比と、に基づいて、前記主流路を流れる前記流体の流量を算出する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、流体の流量が大きい場合でも、装置全体の大型化を回避しながら流体の流量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の一形態に係る流量算出装置の概略の構成を示す説明図である。
図2】圧損素子の一構成例を示す斜視図である。
図3】上記圧損素子の他の構成例を示す分解斜視図である。
図4】制御演算装置の詳細な構成を示すブロック図である。
図5】流量算出方法における各工程の流れを示すフローチャートである。
図6】上記流量算出装置の他の構成を示す説明図である。
図7】上記流量算出装置のさらに他の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下での説明において、流量算出装置の任意の構成要素に対して、流体が流れ込む側を上流側または一次側とも称し、上記構成要素に対して流体が流れ出す側を下流側または二次側とも称する。
【0011】
〔1.流量算出装置の構成〕
図1は、本実施形態の流量算出装置1の概略の構成を示す説明図である。流量算出装置1は、流量制御機器100から流出されて主流路L0を流れる流体Fの流量を、後述の方法によって算出する。そして、流量算出装置1は、算出した流量と、流量制御機器100が流出する流体Fの設定流量とに基づいて、流量制御機器100の診断を行い、必要に応じて校正を行う。上記の流体Fとしては、例えば半導体製造プロセスに用いられる材料ガスを想定することができる。
【0012】
流量制御機器100は、主流路L0に流体Fを流出する機器であり、流量算出装置1による診断対象(Device Under Test )となる機器である。流量制御機器100は、例えば流体Fの流量を制御するマスフローコントローラで構成されるが、この例には限定されない。
【0013】
流量算出装置1は、特定流路L1およびバイパス流路L2を備える。特定流路L1およびバイパス流路L2は、主流路L0から分岐して設けられる。流量制御機器100から流出されて主流路L0を流れてきた流体Fは、特定流路L1およびバイパス流路L2に分流する。なお、本明細書において、「分流」とは、流体が分かれて流れることを言う。以下では、主流路L0から特定流路L1に分流する流体を、第1分岐流体F1とも称し、主流路L0からバイパス流路L2に分流する流体を、第2分岐流体F2とも称する。すなわち、流体Fは、特定流路L1とバイパス流路L2との分岐点で第1分岐流体F1と第2分岐流体F2とに分かれた後、特定流路L1およびバイパス流路L2をそれぞれ流れる。
【0014】
特定流路L1およびバイパス流路L2は、特定流路L1に配置される後述する容器TAよりも下流側で合流し、合流ラインL3とつながる。合流ラインL3は、ポンプPUと接続される。したがって、バイパス流路L2は、主流路L0と合流ラインL3との間で、特定流路L1の容器TAを迂回するように設けられる。
【0015】
流量算出装置1は、第1流体抵抗素子RE1と、第2流体抵抗素子RE2と、をさらに備える。第1流体抵抗素子RE1は、特定流路L1に設けられる。第2流体抵抗素子RE2は、バイパス流路L2に設けられる。
【0016】
第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2は、例えば圧損素子PL(図2参照)で構成される。圧損素子PLとは、流体に圧力損失(エネルギー損失)を与える素子を指す。第1流体抵抗素子RE1は、特定流路L1に設けられるため、特定流路L1を流れる第1分岐流体F1に圧損を与える。第2流体抵抗素子RE2は、バイパス流路L2に設けられるため、バイパス流路L2を流れる第2分岐流体F2に圧損を与える。
【0017】
例えば、流路抵抗を生じさせると、流体に圧損が与えられる。流体に圧損が与えられると、例えば同じ圧力条件下では流体の流量が低下することになる。このため、圧損素子PLは、流量を制限する素子、つまり、流体が流れるときの抵抗となる流体抵抗素子として機能する。以下では、第1流体抵抗素子RE1を構成する圧損素子PLを、第1圧損素子PL1とも称し、第2流体抵抗素子RE2を構成する圧損素子PLを、第2圧損素子PL2とも称する。
【0018】
図2は、圧損素子PLの一構成例を示す斜視図である。圧損素子PLは、流路形成部材10と、被覆部材20と、を有して構成される。なお、被覆部材20は、必要に応じて設けられればよい。
【0019】
流路形成部材10は、例えば石英、アルミナ、ジルコニア、または窒化ケイ素などのセラミックスからなり、円柱状に成形されている。流路形成部材10は、抵抗となる流路10a(以下、抵抗流路10aとも言う)を少なくとも1本有する。抵抗流路10aは、流路形成部材10を軸方向に貫通し、横断面円形状に形成されている。被覆部材20が設けられる場合、被覆部材20は、例えばステンレスまたはニッケル系合金などの、少なくともセラミックスよりも硬度の低い金属で構成される。このような圧損素子PLは、少なくともセラミックスからなるリストリクタという意味で、セラミックリストリクタとも呼ばれる。
【0020】
圧損素子PLの流路抵抗は、アスペクト比および抵抗流路10aの本数に基づいて決まる。なお、上記アスペクト比とは、抵抗流路10aの径寸法に対する軸方向の長さ寸法の比を指す。したがって、抵抗流路10aのアスペクト比を一定としたとき、抵抗流路10aの本数を変えることにより、圧損素子PLの流路抵抗を容易に調整することができる。このため、抵抗流路10aの本数を変えることにより、圧損素子PLを流れる流体の流量を容易に調整することができる。
【0021】
また、差圧式の流量制御機器(マスフローコントローラ)で用いられる流体抵抗素子(フローリストリクタ)も、圧損素子PLとして好適に用いることができる。図3は、圧損素子PLの他の構成例としてのフローリストリクタの概略の構成を示す分解斜視図である。
【0022】
フローリストリクタは、マスフローコントローラが備える2つの圧力センサ間に圧力差(差圧)を生じさせる素子である。同図に示すように、フローリストリクタは、円形状のスリット板31と、円形状のスリット被覆板32とを交互に積層した構造を有する。スリット板31およびスリット被覆板32は、ステンレス鋼(Steel Use Stainless)などの金属で形成される。つまり、フローリストリクタは、金属からなるリストリクタである。
【0023】
スリット板31は、中心部を厚み方向に貫通する第1貫通孔31aと、中心部から放射状に形成される複数のスリット31bとを有する。スリット被覆板32は、中心部を厚み方向に貫通する第2貫通孔32aを有する。スリット被覆板32の外径は、スリット板31の外径よりも小さく、内径はスリット板31の内径よりも大きい。
【0024】
スリット板31とスリット被覆板32とを積層することにより、スリット31bの内側端部が抵抗流路の始端となり、スリット31bの外側端部が抵抗流路の終端となる。また、スリット板31の第1貫通孔31aおよびスリット被覆板32の第2貫通孔32aにより、フローリストリクタの中央部に積層方向に沿って貫通する貫通孔が形成される。上記貫通孔が、流体導入部となる。
【0025】
スリット板31およびスリット被覆板32の積層枚数を変化させることにより、上記抵抗流路の本数が変化する。したがって、セラミックリストリクタの場合と同様に、上記積層枚数を変化させることにより、フローリストリクタを流れる流体の流量を容易に調整することができる。
【0026】
圧損素子PLは、上記のセラミックリストリクタおよびフローリストリクタには限定されない。流体に圧損を与えて流体の流量を制限することができればよく、この点では、絞り(オリフィス)などの素子であっても、圧損素子PLとして用いることができる。
【0027】
図1に示すように、流量算出装置1は、主流路用圧力センサP1と、容器TAと、特定流路用圧力センサP2と、温度センサTと、バイパス流路用圧力センサP3と、制御バルブCVと、第1開閉弁V1と、第2開閉弁V2と、をさらに備える。
【0028】
主流路用圧力センサP1(主流路用圧力検知部)は、主流路L0を流れる流体の圧力を測定する。容器TAは、特定流路L1において、第1流体抵抗素子RE1の下流側に配置されるタンクである。容器TAには、特定流路L1を流れる第1分岐流体F1が流入する。特定流路用圧力センサP2は、容器TA内の圧力を検知する。温度センサTは、容器TA内のガス温度を検知する。なお、容器TA内のガス温度と、容器TAの外壁面または内壁面の温度とが同等であれば、温度センサTは、容器TAの外壁面または内壁面の温度を検知してもよい。
【0029】
バイパス流路用圧力センサP3は、バイパス流路L2における第2流体抵抗素子RE2の下流側に配置され、第2流体抵抗素子RE2を介して流れる第2分岐流体F2の圧力を測定する。制御バルブCVは、第2流体抵抗素子RE2を介してバイパス流路L2を流れる第2分岐流体F2の流量を制御するために設けられる。制御バルブCVは、例えば電磁比例弁で構成されるが、他のバルブ(流量制御弁)で構成されてもよい。
【0030】
第1開閉弁V1は、特定流路L1において、容器TAの下流側に位置して、流路を開閉する。第2開閉弁V2は、バイパス流路L2において、第2流体抵抗素子RE2の下流側、特に、制御バルブCVの下流側に位置して、流路を開閉する。第1開閉弁V1および第2開閉弁V2は、例えば空圧弁で構成されるが、他のバルブで構成されてもよい。
【0031】
流量算出装置1は、制御演算装置COMをさらに備える。制御演算装置COMは、例えば、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)を備えるコンピュータによって構成されている。制御演算装置COMは、流量算出装置1が備える各計器(主流路用圧力センサP1、特定流路用圧力センサP2、温度センサT、バイパス流路用圧力センサP3)から出力される検知信号に基づいて各種の演算を行うとともに、流量算出装置1が備えるバルブ(制御バルブCV、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2)を制御する。
【0032】
図4は、制御演算装置COMの詳細な構成を示すブロック図である。制御演算装置COMは、制御部50と、記憶部60と、を備える。なお、制御演算装置COMは、入力部(例えばキーボード、マウス、タッチパネル)、表示部(例えば液晶表示装置)、通信部(例えばコネクタ、アダプタ)などをさらに備えるが、入力部等は本実施形態において本質的な構成ではないため、図4では入力部等の図示を省略している。
【0033】
制御部50は、主制御部51と、流量算出部52と、機器診断部53と、を有する。主制御部51は、制御演算装置COMの各部の動作を制御するとともに、流量算出装置1の上記バルブを制御するための制御信号を出力する。
【0034】
流量算出部52は、流量算出装置1の上記各計器から出力される検知信号に基づき、主流路L0を流れる流体Fの流量を算出する。具体的には、流量算出部52は、特定流路測定部52aと、バイパス流路制御部52bと、分流比算出部52cと、主流路算出部52dと、を有する。
【0035】
特定流路測定部52aは、特定流路L1に分流する第1分岐流体F1の流量を、RoR法を用いて測定する。バイパス流路制御部52bは、バイパス流路L2に配置される制御バルブCVを制御する。分流比算出部52cは、主流路L0から特定流路L1に分流する第1分岐流体F1の流量と、主流路L0からバイパス流路L2に分流する第2分岐流体F2の流量との比(分流比)を算出する。主流路算出部52dは、第1分岐流体F1の流量と、上記の分流比とを用いて、主流路L0を流れる流体Fの流量を算出する。なお、上記流量の算出方法の詳細については後述する。
【0036】
機器診断部53は、主流路L0に流体Fを流出する流量制御機器100の診断を行う。流量制御機器100は、経年劣化、流路の詰まり、または何らかの故障、などが原因で、設定流量通りに流量を制御できなくなることがある。このため、機器診断部53は、流量算出部52によって算出される流量に基づき、流量制御機器100が設定流量通りに流量を制御できているか否かを定期的に診断する。
【0037】
記憶部60は、制御部50の動作プログラムを記憶するとともに、流量算出装置1の上記各計器から出力される検知信号に含まれる各種の情報(検知した測定値)、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2に関する情報(例えば抵抗流路の本数の情報)、などを記憶するメモリである。このような記憶部60は、例えばハードディスク、SSD(ソリッドステートドライブ)、光ディスク、磁気ディスクまたは不揮発性メモリなどで構成され得る。
【0038】
また、図1に示すように、流量算出装置1は、主流路用温度計T0をさらに備える。主流路用温度計T0は、主流路L0内を流れる流体Fの温度を測定する。主流路用温度計T0は、主流路L0を流れる流体Fの流量を補正する際に、RoR法の演算に必要な温度情報を取得するために設けられる。なお、上記流量の補正については、後述する「4.補足」のところで説明する。なお、上記流量の補正の際に、厳密には、特定流路L1における第1流体抵抗素子RE1の上流側の温度および圧力と、バイパス流路L2における第2流体抵抗素子RE2の上流側の温度および圧力の各情報が必要になるが、これらは、主流路用圧力センサP1の検出値(圧力Pr1)および主流路用温度計T0の検出値で代替することができる。
【0039】
〔2.流量算出方法について〕
図5は、本実施形態の流量算出方法における各工程の流れを示すフローチャートである。以下、図1図5を参照して、本実施形態の流量算出方法について説明する。なお、以下では、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2として、フローリストリクタを用いた例について説明する。なお、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2としてセラミックリストリクタを用いた場合でも、以下に示す流量算出方法を適用することができる。
【0040】
(S1;真空引き工程)
まず、第1開閉弁V1および第2開閉弁V2を両方とも開き、ポンプPUを駆動して、容器TA内を設定圧力になるまで真空引きする。このとき、流量制御機器100から主流路L0への流体Fの流出は止めておくが、流体Fを流出させながら真空引きを行ってもよい。また、容器TA内は厳密な真空でなくてもよい。つまり、上記設定圧力は、後述のRoR法による圧力上昇率の演算が可能な程度の圧力であればよい。
【0041】
(S2;流体供給工程)
次に、流量制御機器100から主流路L0に設定流量Q0の流体Fを流出させる。第1開閉弁V1および第2開閉弁V2は開いているため、上記流体Fは、特定流路L1およびバイパス流路L2に分流する。第1分岐流体F1の流量が安定した後、第1開閉弁V1を閉じる。なお、第2開閉弁V2は開いたままにする。
【0042】
(S3;CV制御工程)
S2で第1開閉弁V1を閉じることにより、容器TA内に第1分岐流体F1が流入していく。これにより、容器TA内の圧力が上昇する。このとき、流量算出部52(特にバイパス流路制御部52b)は、バイパス流路用圧力センサP3によって測定される第2流体抵抗素子RE2の下流側の圧力Pr3が、特定流路用圧力センサP2によって検知される容器TA内の圧力Pr2に一致または近づくように制御バルブCVを制御する。
【0043】
上記の制御により、流体抵抗素子の一次側の圧力と二次側の圧力との関係が、特定流路L1とバイパス流路L2とで同じになるか、同じに近づく。このため、分流比Sを、第1流体抵抗素子RE1を構成する抵抗流路の本数と、第2流体抵抗素子RE2を構成する抵抗流路の本数との比で容易に表すことができる。
【0044】
なお、上記の分流比Sは、主流路L0を流れる流体Fの流量を1(基準)として、特定流路L1に分流する第1分岐流体F1の相対的な流量(S)を指す。つまり、バイパス流路L2に分流する第2分岐流体F2の流量は、(1-S)であるため、分流比Sは、S=S/{S+(1-S)}で表される。
【0045】
例えば、抵抗流路のアスペクト比を一定として、第1流体抵抗素子RE1を構成する抵抗流路の本数と、第2流体抵抗素子RE2を構成する抵抗流路の本数との比が1:10であったとき、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2を流れる流量の比は、1:10となる。したがって、分流比Sは、S=1/(1+10)となる。流量算出部52(特に分流比算出部52c)は、例えば記憶部60に予め記憶される情報(ここでは、第1流体抵抗素子RE1を構成する抵抗流路の本数、および第2流体抵抗素子RE2を構成する抵抗流路の本数の情報)に基づき、分流比Sを算出する。なお、流体抵抗素子の製造誤差に起因する分流比の誤差を低減するため、実際に流体を流して実際の分流比を予め求めておき、抵抗流路の本数に基づいて決まる理論上の分流比を補正しておくことが望ましい。
【0046】
(S4;第1分岐流体の流量算出工程)
次に、流量算出部52(特に特定流路測定部52a)は、特定流路L1に分流する第1分岐流体F1の流量Q1を、RoR法に基づいて、つまり、容器TA内の圧力変化に基づいて算出する。例えば、時間Δt(sec)の間で、容器TA内の圧力がΔP(Pa)だけ上昇したとする。この場合、流量算出部52は、RoR法により、以下の式(A)に基づいて流量Q1を算出することができる。
Q1=(ΔP/Δt)×(V/RT)×C ・・・(A)
なお、式(A)において、Vは容器TAの容積(L)、Tは温度センサで検出された容器TA内のガス温度、または容器TAの外壁あるいは内壁の温度(K)、Rはガス定数(気体定数)、Cは補正係数をそれぞれ示す。補正係数Cを掛けることにより、質量流量または体積流量への換算、基準温度の変更、などが行われる。また、物性値である圧縮係数も補正係数Cに含まれる。
【0047】
(S5;主流路の流体流量の算出工程)
続いて、流量算出部52(特に主流路算出部52d)は、S4で算出された第1分岐流体の算出流量Q1と、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2に応じて決まる上記の分流比Sと、に基づいて、主流路L0を流れる流体Fの流量Qを算出する。具体的には、流量算出部52は、以下の式(B)に基づいて、流量Qを算出することができる。
Q=Q1/S ・・・(B)
【0048】
(S6;流体制御機器の診断工程)
最後に、機器診断部53は、流量制御機器100が流体Fを流出するときの設定流量Q0と、流量算出部52によって算出された、主流路L0を流れる流体Fの流量Qとに基づいて、流量制御機器100を診断する。例えば、設定流量Q0と実際の流量Qとの間に所定以上の差が生じている場合には、機器診断部53は、流量制御機器100が経年劣化、流路の詰まり、または何らかの故障、などをしていると判断することができる。この場合、機器診断部53は、流出流量を校正するための制御信号を流量制御機器100に出力して、流量制御機器100を適正に動作させることができる。
【0049】
以上のように、流量算出部52は、第1分岐流体F1の算出流量Q1と、分流比Sと、に基づいて、主流路L0を流れる流体Fの流量Qを算出する(S4、S5)。これにより、流体Fの流量が大きい場合でも、流体Fの一部(第1分岐流体F1)が流入可能な大きさの容器TAを用いて、流体Fの流量Qを算出することができる。したがって、流量Qを算出するにあたって、大容量の容器TAを用意しなくても済む。その結果、装置全体の大型化を回避しながら、主流路L0を流れる流体Fの流量Qを算出することができる。
【0050】
特に、流量算出部52は、上述の式(B)に基づいて流量Qを演算する(S5)。流量Qが大きい場合でも、流量Q1、分流比S、および流量Qの関係を規定した式(B)を利用することにより、容器TAを大型化することなく、流量Qを確実に算出することができる。
【0051】
また、流量算出部52は、S3で示したように制御バルブCVを制御するため、抵抗流路の本数の比によって分流比Sを容易に設定することができる。また、分流比Sの調整も抵抗流路の本数の調整によって容易となる。
【0052】
第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2はそれぞれ、圧損素子PLである。これにより、セラミックリストリクタ、絞りなどの流体抵抗素子を、圧損素子PLとして用いることができる。また、差圧式のマスフローコントローラで用いられるフローリストリクタも圧損素子PLとして用いることができる。
【0053】
ところで、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2は、同種の素子で構成されることが望ましい。例えば、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2は、両方ともセラミックリストリクタで構成されることが望ましい。あるいは、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2は、両方ともフローリストリクタで構成されることが望ましい。この場合、流体抵抗素子の下流側の圧力が変化しても、分岐流体に与える圧力損失(エネルギー損失)を、特定流路L1とバイパス流路L2とで同じようにすることができる。これにより、流体抵抗素子の下流側の圧力の変化によって、分流比Sが変動するおそれを低減することができる。その結果、分流比Sを用いて行う主流路L0の流量Qの算出を、安定した精度で行うことができる。
【0054】
〔3.流量算出装置の他の構成〕
図6は、流量算出装置1の他の構成を示す説明図である。図6の流量算出装置1は、図1の制御バルブCVの位置に、圧力制御装置URを配置した以外は、図1の構成と同様である。圧力制御装置URは、図1の制御バルブCVと、圧力計P4とを内蔵している。このような圧力制御装置URでは、圧力計P4の検出値に基づいて制御バルブCVを制御することにより、流体の流量(流路を流れる流体の圧力)を制御することができる。
【0055】
図6の構成であっても、図5のS3と同様の圧力制御を実現することができる。つまり、流量算出部52は、圧力制御装置URの制御バルブCVを制御することにより、第2流体抵抗素子RE2の下流側の圧力Pr3を、特定流路用圧力センサP2によって検知される容器TA内の圧力Pr2に一致または近づけることができる。その結果、分流比Sの調整が容易になる上記と同様の効果を得ることができる。なお、圧力制御装置URが内蔵する圧力計P4の圧力検出値は、圧力Pr3に等しくなると考えられる。
【0056】
なお、図6の構成では、圧力制御装置URの制御バルブCVを制御することにより、第2流体抵抗素子RE2の下流側の圧力Pr3を、特定流路用圧力センサP2によって検知される容器TA内の圧力Pr2に一致または近づけるようにして圧力を調整した。しかし、各分岐流路における主流路用圧力センサP1と特定流路用圧力センサP2との間、および主流路用圧力センサP1とバイパス流路用圧力センサP3との間の各々の流量と圧力の関係を事前に取得したテーブル、または関係式を設定しておいてもよい。この場合、上記のように制御バルブCVを制御することなく(制御バルブCVが無くても)、分岐流路の圧力値の差分を補正して、同様の目的を達成することができる。
【0057】
〔4.流量算出装置の他の構成〕
図7は、流量算出装置1のさらに他の構成を示す説明図である。図7の流量算出装置1は、第1流体抵抗素子RE1および第2流体抵抗素子RE2として臨界ノズルを用い、バイパス流路用圧力センサP3および制御バルブCVを削除した以外は、図1の流量算出装置1と同等の構成である。また、流量算出方法は、S3の工程を削除した以外は、図5で示した方法と同様である。
【0058】
第1流体抵抗素子RE1は、第1臨界ノズルCN1で構成される。第2流体抵抗素子RE2は、第2臨界ノズルCN2で構成される。第1臨界ノズルCN1および第2臨界ノズルCN2は、全く同じ特性(形状、大きさ、最小径)であってもよいし、互いに異なる特性であってもよい。
【0059】
臨界ノズルは、二次側の減圧が進み、臨界ノズルの絞り(スロート部)を流れる流体の流速が音速に達すると(臨界状態)、その後はノズル下流側の圧力をいくら下げても、スロート部を通過する流体の流速は音速以上にはならず、流速が音速に固定される性質を有する。したがって、臨界ノズルを用いると、臨界ノズルを通過する流体の流量は、臨界状態では(臨界条件下では)、臨界ノズルの二次側の圧力に関係なく、一次側の圧力にのみ依存して決まる。つまり、図7の例では、主流路用圧力センサP1の圧力Pr1に依存して、臨界ノズルを通過する流体の流量が決まる。具体的には、臨界状態では、以下の数1式により、臨界ノズルを通過する流体の流量が算出される。
【0060】
【数1】
【0061】
数1式中、qtは流体の質量流量の理論値(kg/s)、Atは臨界ノズルのスロート部の断面積(m)、Ccは臨界定数、Psはよどみ点圧力(Pa)、Naは流体のモル質量(kg/mol)、Ruは普遍気体定数(J/K・mol)、Tsはよどみ点温度(K)である。臨界定数Ccは、比熱比をκとして、以下の数2式で表される。
【0062】
【数2】
【0063】
流体の実流量を指す質量流量をqm(kg/s)としたとき、流出係数Cdは以下の数3式で表される。
【0064】
【数3】
【0065】
したがって、よどみ点圧力Psを主流路用圧力センサP1で測定することにより、他のパラメータを既知として、数1式および数2式から質量流量の理論値qtを算出し、理論値qtに数3式の流出係数Cdを掛け合わせることにより、臨界ノズルの実流量(質量流量qm)を求めることができる。
【0066】
一方、上記した数1式は、Ps(よどみ点圧力)以外のパラメータについては、臨界ノズルの固有値と、流体(ガス)の物性値とで構成される。したがって、様々なガスを流す中で、Psが同じであれば、それぞれの臨界ノズルに流れる流量自体はわからなくても、各臨界ノズルを流れる流量の比はわかる。よって、臨界ノズルを用いた場合、上記流量の比を使って分流比Sを求めることができる。例えば、第1臨界ノズルCN1を流れる流体と第2臨界ノズルCN2を流れる流体の流量比がm:nであれば、分流比Sは、S=m/(m+n)で表される。
【0067】
したがって、第1流体抵抗素子RE1が第1臨界ノズルCN1で構成され、第2流体抵抗素子RE2が第2臨界ノズルCN2で構成される場合、分流比Sを求めるために、図5のS3の工程を行うことが不要となる。つまり、第2流体抵抗素子RE2の下流側の圧力を、容器TA内の圧力に合わせる制御を行わなくても、分流比Sを取得することができる。このため、分流比Sを取得するために、バイパス流路L2に、バイパス流路用圧力センサP3および制御バルブCVを設ける必要もなくなる。その結果、図1よりも簡単な構成で、かつ、簡単な方法で、流体Fの流量Qを算出することができる。
【0068】
〔4.補足〕
図1等で示した構成において、容器TAの下流側の第1開閉弁V1を閉じると、容器TA内の圧力Pr2が上昇する。それに伴い、上流側の主流路用圧力センサP1によって検知される圧力Pr1も上昇することが考えられる。特定流路L1での圧力上昇に伴い算出される流量Qに、上流側の主流路L0での圧力上昇に伴い算出される流量ΔQを加える補正を行うことにより、より精度良く、流量制御機器100の流量Q’(=Q+ΔQ)を算出することができる。なお、上記流量ΔQは、流量制御機器100と2つの流体抵抗素子(第1流体抵抗素子RE1、第2流体抵抗素子RE2)とを結ぶ流路の容積で表すことができる。上記容積については、上述した式(A)において、P=Pr1としてVを求めることで取得することができる。
【0069】
〔5.プログラム〕
本実施形態の流量算出装置1の制御演算装置COMは、動作プログラム(アプリケーションソフトウェア)をインストールしたコンピュータで構成することができる。上記プログラムをコンピュータ(例えば制御部50)が読み取って実行することにより、制御部50の各部(主制御部51、流量算出部52、機器診断部53)を動作させて上述した各処理(各工程)を実行させることができる。このようなプログラムは、例えばネットワークを介して外部からダウンロードすることによって取得されてメモリ(記憶部60)に記憶される。上記プログラムは、例えばCD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記録され、この記録媒体から上記プログラムを読み取って上記メモリに記憶される形態であってもよい。すなわち、本実施形態の流量算出プログラムは、上述した本実施形態の流量算出方法における各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムである。また、本実施形態の記録媒体は、上記の流量算出プログラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で拡張または変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、例えばマスフローコントローラのような流量制御機器を検査または診断するシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 流量算出装置
52 流量算出部
53 機器診断部
100 流量制御機器
CN1 第1臨界ノズル
CN2 第2臨界ノズル
CV 制御バルブ
F 流体
F1 第1分岐流体
F2 第2分岐流体
L0 主流路
L1 特定流路
L2 バイパス流路
P1 主流路用圧力センサ(主流路用圧力検知部)
P2 特定流路用圧力センサ
P3 バイパス流路用圧力センサ
PL 圧損素子
PL1 第1圧損素子
PL2 第2圧損素子
RE1 第1流体抵抗素子
RE2 第2流体抵抗素子
S 分流比
TA 容器
UR 圧力制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7