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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013097
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】イメージ信号プロセッサ
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/11 20230101AFI20250117BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20250117BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20250117BHJP
   H04N 23/54 20230101ALI20250117BHJP
【FI】
H04N25/11
G06T1/00 510
H04N23/60 500
H04N23/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182180
(22)【出願日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】10-2023-0091672
(32)【優先日】2023-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢幡 和浩
【テーマコード(参考)】
5B057
5C122
【Fターム(参考)】
5B057AA20
5B057BA02
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC01
5B057CD05
5B057DA16
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
5C122EA12
5C122EA22
5C122FC06
5C122FH07
5C122FH11
5C122FH18
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】ホワイトピクセルをノイズ低減やデモザイク処理に活用してイメージ品質を向上できるようにするイメージ信号プロセッサを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るイメージ信号プロセッサは、カラーピクセル値42,43,44およびホワイトピクセル値41を含むイメージデータ40に基づいて2個以上のイメージを生成する解像度変換部100と、2個以上のイメージそれぞれに含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値を用いてテクスチャ情報を抽出し、抽出されたテクスチャ情報に基づいて2個以上の処理イメージを生成する要素処理部200と、2個以上の処理イメージを合成して合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを生成する合成部300と、イメージデータ、合成色差イメージ、および合成ホワイトイメージに基づいて出力イメージを生成するイメージ取得部400と、を含むことができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーピクセル値およびホワイトピクセル値を含むイメージデータに基づいて2個以上のイメージを生成する解像度変換部と、
前記2個以上のイメージそれぞれに含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値を用いてテクスチャ情報を抽出し、抽出された前記テクスチャ情報に基づいて2個以上の処理イメージを生成する要素処理部と、
前記2個以上の処理イメージを合成して合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを生成する合成部と、
前記イメージデータ、前記合成色差イメージ、および前記合成ホワイトイメージに基づいて出力イメージを生成するイメージ取得部と、
を含む、イメージ信号プロセッサ。
【請求項2】
前記解像度変換部は、
前記イメージデータの解像度を変換し、前記イメージデータに比べて縮小された大きさを有する第1イメージを生成する第1解像度変換部と、
前記第1イメージの解像度を変換し、前記第1イメージに比べて縮小された大きさを有する第2イメージを生成する第2解像度変換部と、を含む、請求項1に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項3】
前記第1解像度変換部は、
前記イメージデータのベイヤーイメージに対する解像度を変換し、前記ベイヤーイメージに比べて縮小された大きさを有する第1レッドイメージ、第1グリーンイメージ、および第1ブルーイメージをそれぞれ出力するベイヤー解像度変換部と、
前記イメージデータのホワイトイメージに対する解像度を変換し、前記ホワイトイメージに比べて縮小された大きさを有する第1ホワイトイメージを出力するホワイト解像度変換部と、を含む、請求項2に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項4】
前記ベイヤー解像度変換部は、
前記第1レッドイメージ、前記第1グリーンイメージ、および前記第1ブルーイメージそれぞれの中心ピクセルが前記第1ホワイトイメージの中心ピクセルと重心が一致するように補間を行う、請求項3に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項5】
前記第2解像度変換部は、
前記第1レッドイメージに対する解像度を変換し、前記第1レッドイメージに比べて縮小された大きさを有する第2レッドイメージを出力するレッド解像度変換部と、
前記第1グリーンイメージに対する解像度を変換し、前記第1グリーンイメージに比べて縮小された大きさを有する第2グリーンイメージを出力するグリーン解像度変換部と、
前記第1ブルーイメージに対する解像度を変換し、前記第1ブルーイメージに比べて縮小された大きさを有する第2ブルーイメージを出力するブルー解像度変換部と、
前記第1ホワイトイメージに対する解像度を変換し、前記第1ホワイトイメージに比べて縮小された大きさを有する第2ホワイトイメージを出力するホワイト解像度変換部と、を含む、請求項3に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項6】
前記要素処理部は、
前記イメージデータを用いてテクスチャ情報を抽出し、前記抽出された前記テクスチャ情報に基づいて第1処理イメージを生成する第1要素処理部と、
前記第1イメージに含まれる第1変換されたカラーピクセル値および第1変換されたホワイトピクセル値を用いて、前記第1イメージに対応する第2処理イメージを生成する第2要素処理部と、
前記第2イメージに含まれる第2変換されたカラーピクセル値および第2変換されたホワイトピクセル値を用いて、前記第2イメージに対応する第3処理イメージを生成する第3要素処理部と、を含む、請求項2に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項7】
前記第1要素処理部は、
前記イメージデータのベイヤーイメージおよびホワイトイメージに基づいてテクスチャを判断し、テクスチャ情報および前記テクスチャ情報を変換した合成用イメージを出力する第1テクスチャ判定部と、
前記テクスチャ情報に基づいて、前記ホワイトイメージのピクセル値におけるノイズ低減処理を行い、ノイズ低減された第3ホワイトイメージを生成する第1ノイズ低減部と、
前記テクスチャ情報に基づいて、前記ベイヤーイメージと前記ホワイトイメージの第1色差値を算出する第1色差算出部と、を含む、請求項6に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項8】
前記テクスチャ情報は、
前記ベイヤーイメージおよび前記ホワイトイメージが平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域であるかに関する情報、エッジや細い線が存在するかに関する情報、および前記細い線の方向情報のうち少なくとも1つ以上を含む、請求項7に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項9】
前記第1ノイズ低減部は、
前記テクスチャ情報に基づいて、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域と、前記テクスチャが一定レベル未満である他の一部の領域で互いに異なるノイズ低減処理を行う、請求項7に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項10】
前記第2要素処理部は、
前記第1変換されたカラーピクセル値および前記第1変換されたホワイトピクセル値に基づいてテクスチャを判断し、テクスチャ情報および前記テクスチャ情報を変換した合成用イメージを出力する第2テクスチャ判定部と、
前記テクスチャ情報に基づいて、前記第1変換されたホワイトピクセル値におけるノイズ低減処理を行い、ノイズ低減された第4ホワイトイメージを生成する第2ノイズ低減部と、
前記テクスチャ情報に基づいて、前記第1変換されたカラーピクセル値および前記第1変換されたホワイトピクセル値の第2色差値を算出する第2色差算出部と、を含む、請求項6に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項11】
前記合成部は、
前記2個以上の処理イメージのうち第2処理イメージと第2合成イメージを合成して第1合成イメージを生成する第1合成部と、
前記2個以上の処理イメージのうち第3処理イメージと第3合成イメージを合成して前記第2合成イメージを生成する第2合成部と、を含む、請求項10に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項12】
前記第1合成部は、
前記合成用イメージに基づいて、前記第2色差値と前記第2イメージの第3色差値を合成して第1合成色差イメージを生成する第1色差合成部と、
前記合成用イメージに基づいて、前記第4ホワイトイメージと前記第2合成イメージに含まれた第5ホワイトイメージを合成して第1合成ホワイトイメージを生成する第1ホワイトイメージ合成部と、を含む、請求項11に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項13】
前記第1合成部は、
前記第2色差値と前記第3色差値の比率が調節されて合成され、前記第4ホワイトイメージと前記第5ホワイトイメージの比率が調節されて合成される、請求項12に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項14】
前記イメージ取得部は、
前記合成用イメージに基づいて、第1色差値と前記第1合成色差イメージを合成して第2合成色差イメージを生成する第2色差合成部と、
前記合成用イメージに基づいて、前記第1要素処理部からの第3ホワイトイメージと前記第1合成ホワイトイメージを合成して第2合成ホワイトイメージを生成する第2ホワイトイメージ合成部と、
前記イメージデータのホワイトイメージと前記第2合成ホワイトイメージを組み合わせ、エッジ強調処理が完了した第6ホワイトイメージを生成するエッジ強調信号生成部と、
前記イメージデータのホワイトイメージおよび前記第2合成ホワイトイメージに基づいてモアレ領域を判断し、モアレ判断信号を生成するモアレ領域判定部と、
前記モアレ判断信号、前記合成用イメージに基づいて、前記第2合成色差イメージと前記第2合成ホワイトイメージを補間し、補間完了したRGBイメージを出力する色差信号補間部と、
前記第6ホワイトイメージおよび前記補間完了したRGBイメージに基づいて出力RGBイメージを生成するイメージ生成部と、を含む、請求項12に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項15】
前記イメージ取得部は、
前記第1色差値と前記第1合成色差イメージの比率が調節されて合成され、前記第3ホワイトイメージと前記第1合成ホワイトイメージの比率が調節されて合成される、請求項14に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項16】
前記エッジ強調信号生成部は、
前記ホワイトイメージから高周波成分を抽出してテクスチャ強調成分を生成し、生成された前記テクスチャ強調成分を前記第2合成ホワイトイメージに加算して前記第6ホワイトイメージを生成する、請求項14に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項17】
前記モアレ領域判定部は、
前記ホワイトイメージおよび前記第2合成ホワイトイメージの各ピクセル周辺の高周波成分の有無を判断し、色モアレが発生する領域であるか否かを判断する、請求項14に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項18】
前記色差信号補間部は、
前記モアレ判断信号に基づいて色モアレ領域である場合にフィルタリングを用いて補間を行い、
前記モアレ判断信号に基づいて前記色モアレ領域以外の領域である場合に前記第2合成ホワイトイメージで方向を判断し、判断された前記方向に基づいてR、G、B色差の補間を行う、請求項14に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項19】
前記イメージ生成部は、
前記補間完了したRGBイメージに前記第6ホワイトイメージのピクセル値を乗じて前記出力RGBイメージを生成する、請求項14に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項20】
前記イメージデータにおいてカラーピクセルおよびホワイトピクセルをビニングし、前記カラーピクセル値および前記ホワイトピクセル値を生成するビニング部をさらに含む、請求項1に記載のイメージ信号プロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージ信号を処理するイメージ信号プロセッサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子装置の機能が多様化するにつれ、電子装置を用いたイメージ撮影機能の向上への要求も増加している。このため、電子装置を介して取得されるイメージの品質を向上させるための技術が求められている。
【0003】
撮像装置に用いられるイメージセンサは、センサ表面に各ピクセル単位で特定の波長成分の光(R、G、B)を透過させるカラーフィルタを取り付けた構成を有する。カラーフィルタの色配列には種々のタイプがあるが、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の特定の波長光のみを透過させる3種類のフィルタにより構成されたベイヤー配列が多く用いられている。
【0004】
近年、イメージセンサのピクセルの微細化が進行するにつれ、各ピクセルに対する入射光量が減少し、信号対ノイズ比(SNR;signal to noise ratio)が増加することで、イメージセンサの性能が急激に劣化し得る。このような低照度環境に対応し、フィルタの透過光率を高め、高感度化を実現するために、RGB(Red、Green、Blue)などの特定の波長光のみを透過させるフィルタの他に、ホワイト(White)が含まれたイメージセンサの活用度が高まっている。
【0005】
すなわち、RGBチャネルに比べて比較的に信号ノイズに強い特性を有するホワイトチャネルが含まれたカラーパターンが提示されている。ホワイトチャネルは、特定の帯域の光を受光するRGBチャネルに比べて全帯域の光を受光するように設計されているため、低照度環境で画像を取得しても信号ノイズが相対的に少ないという特性を有することになる。
【0006】
ところが、RGBW配列は、R、G、B、Wフィルタをモザイク状に配列した単板型イメージセンサである。したがって、カラーイメージを生成する際には、各ピクセルに対応するRGBピクセル値を生成するカラーコーディングとしてのリモザイク処理が必要である。
【0007】
しかしながら、ホワイトピクセルを含むRGBW配列は、RGB配列と比較して、R、G、B成分のサンプリングレートが低下し得る。その結果、カラーイメージの生成処理時にRGBW配列の取得データを用いた場合に偽色が発生し得る。このため、リモザイク処理段階でホワイトピクセルが破棄され、その後の段階でホワイトピクセルを活用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、ホワイトピクセルを含むパターンにおいて、ホワイトピクセルをノイズ低減やデモザイク処理に活用してイメージ品質を向上できるようにするイメージ信号プロセッサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係るイメージ信号プロセッサは、カラーピクセル値およびホワイトピクセル値を含むイメージデータに基づいて2個以上のイメージを生成する解像度変換部と、2個以上のイメージそれぞれに含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値を用いてテクスチャ情報を抽出し、抽出されたテクスチャ情報に基づいて2個以上の処理イメージを生成する要素処理部と、2個以上の処理イメージを合成して合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを生成する合成部と、イメージデータ、合成色差イメージ、および合成ホワイトイメージに基づいて出力イメージを生成するイメージ取得部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態は、イメージデータに含まれたノイズを低減させるとともに鮮鋭度の高いイメージを取得することができ、これにより、イメージ信号の品質を向上できるようにする効果を提供することができる。
【0011】
さらに、本発明の実施形態は例示のためのものであり、当業者であれば、添付の特許請求の範囲の技術的思想および範囲を通じて様々な修正、変更、代替、および付加が可能であり、このような修正、変更などは以下の特許請求の範囲に属するものと見なされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に適用するRGBW配列の例示を説明するための図である。
図2】本発明の実施形態に係るイメージ信号プロセッサに入力されるイメージデータの例示を説明するための図である。
図3】本発明の実施形態に係るイメージ信号プロセッサを説明するための図である。
図4図3の実施形態に係る、イメージデータに含まれたノイズを低減させ、色差を補間する方法を説明するための図である。
図5図3の実施形態に係るイメージ信号プロセッサの詳細構成を説明するための図である。
図6図5の解像度変換部に関する詳細構成および動作を説明するための図である。
図7図5の解像度変換部に関する詳細構成および動作を説明するための図である。
図8図5の要素処理部に関する詳細構成を説明するための図である。
図9図5の要素処理部に関する詳細構成を説明するための図である。
図10図5の合成部に関する詳細構成を説明するための図である。
図11図5のイメージ取得部に関する詳細構成を説明するための図である。
図12図11の色差信号補間部の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して様々な実施形態が説明される。ただし、本開示は、特定の実施形態に限定されず、実施形態の様々な変更(modification)、等価物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解しなければならない。本開示の実施形態は、本開示により直間接的に認識可能な様々な効果を提供することができる。
【0014】
本発明の実施形態に係るイメージ信号プロセッサ(image signal processor;ISP)は、イメージデータに対する少なくとも1つのイメージ信号処理を行い、処理されたイメージデータを生成することができる。イメージ信号プロセッサは、イメージデータに対してノイズを低減させ、デモザイキング(demosaicing)、欠陥ピクセル補正(defect pixel correction)、ガンマ補正(gamma correction)、カラーフィルタアレイ補間(color filter array interpolation)、カラーマトリクス(color matrix)、カラー補正(color correction)、カラーエンハンスメント(color enhancement)、レンズ歪み補正(lens distortion correction)などの画質改善のためのイメージ信号処理を行うことができる。
【0015】
また、イメージ信号プロセッサは、画質改善のためのイメージ信号処理を行ったイメージデータを圧縮処理してイメージファイルを生成することができ、またはイメージファイルからイメージデータを復元することができる。イメージの圧縮形式は、可逆形式または非可逆形式であってもよい。圧縮形式の例として、静止画の場合、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やJPEG2000形式などを用いることができる。また、動画の場合、MPEG(Moving Picture Experts Group)標準に従って複数のフレームを圧縮して動画ファイルを生成することができる。
【0016】
イメージデータは、シーン(scene)に対する光学イメージをキャプチャするイメージセンシング装置(image sensing device)により生成されることができるが、本発明の範囲はこれに限定されない。イメージセンシング装置は、シーンから入射する光を感知するための複数のピクセルを含むピクセルアレイと、ピクセルアレイを制御するための制御回路と、ピクセルアレイから受信されるアナログ形態のピクセル信号をデジタル形態のイメージデータに変換して出力する読み出し回路と、を含むことができる。本開示は、イメージデータがイメージセンシング装置により生成されるものと仮定して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に適用するRGBW配列の例示を説明するための図である。
図1を参照すると、4個の行および4個の列を含むマトリクス状に配列された16個のピクセルが示されている。一例として、16個のピクセルはピクセルアレイ10、20、30の最小単位であって、16個のピクセルが行方向および列方向に繰り返されることができるが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0018】
本発明の実施形態に係るイメージセンシング装置は、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のようなカラーピクセルおよびホワイトピクセル(W)を含むことができる。カラーピクセル(R、G、B)およびホワイトピクセル(W)は、図1に示すように様々な形態に配列されることができる。
【0019】
カラーピクセル(R、G、B)は、それぞれ対応するカラーフィルタにより特定の波長の光が入射するピクセルであってもよい。ホワイトピクセル(W)は、対応するカラーフィルタが存在しないピクセルであり、テクスチャピクセル、白黒ピクセル、またはモノピクセルと称してもよい。例えば、カラーピクセル(R、G、B)は、特定の波長の入射光のみを透過させるカラーフィルタにより、特定の色(例えば、レッド、グリーン、ブルーなど)の入射光によるカラーピクセル値を取得することができる。これとは異なり、ホワイトピクセル(W)は、特定の色に限定されない入射光(例えば、可視光)によりホワイトピクセル値を取得することができる。
【0020】
ピクセルアレイ10は、それぞれ2×2配列のピクセルを含む単位ピクセル(PX1)を含み、各単位ピクセル(PX1)には、1個のカラーピクセル(例えば、R、G、またはB)および3個のホワイトピクセル(W)が含まれることができる。
【0021】
ピクセルアレイ20は、それぞれ2×2配列のピクセルを含む単位ピクセル(PX2)を含み、各単位ピクセル(PX2)には、2個のカラーピクセル(例えば、R、G、またはB)および2個のホワイトピクセル(W)が含まれることができる。ピクセルアレイ20の場合、各単位ピクセル(PX2)に含まれる2個のカラーピクセルは、互いに同一の色に対応するカラーピクセルであってもよい。
【0022】
ピクセルアレイ30は、それぞれ2×2配列のピクセルを含む単位ピクセル(PX3)を含み、各単位ピクセル(PX3)には、3個のカラーピクセル(例えば、R、G、またはB)および1個のホワイトピクセル(W)が含まれることができる。ピクセルアレイ30の場合、各単位ピクセル(PX3)に含まれる3個のカラーピクセルは、互いに同一の色に対応するカラーピクセルであってもよい。
【0023】
図1はカラーピクセル(R、G、B)およびホワイトピクセル(W)が配列できる3つの例示に対して示しているが、本開示の権利範囲はこれに限定されない。例えば、イメージセンサのピクセルアレイ10、20、30は、RGBの他に、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、シアン(Cyan)、オレンジ(Orange)などのピクセルを含んでもよい。他の例として、ピクセルアレイ10、20、30は、各単位ピクセル(PX1、PX2、PX3)ごとに右上端位置(または、左上端および左下端位置)の代わりに他の可能な位置(例えば、右下端)にカラーピクセルが配列されるように構成されてもよい。
【0024】
他の例として、ピクセルアレイ10、20、30は、各単位ピクセル(PX1、PX2、PX3)ごとに異なる数のホワイトピクセル(W)、または異なる位置に配列されるホワイトピクセル(W)が含まれるように構成されてもよい。これにより、ピクセルアレイ10、20、30のピクセル配列は、図示されたものに限定されず、ホワイトピクセル(W)およびカラーピクセルを含むように様々な形態で構成されることができる。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に係るイメージ信号プロセッサに入力されるイメージデータの例示を説明するための図である。
図2は、イメージ信号プロセッサのビニング部50がカラーピクセル(R、G、B)およびホワイトピクセル(W)をビニングして取得および出力するイメージデータ40の形態を示すことができる。図2の実施形態は、図1のピクセルアレイ10、20、30のうちピクセルアレイ20を用いてイメージデータ40を生成することを一例として説明する。図2の実施形態はビニング部50がハーフ解像度モード(half resolution mode)でイメージデータ40を生成することを一例として説明するが、本開示はこれに限定されない。
【0026】
ビニング部50は、ピクセルアレイ20の全ピクセル数に比べて少ない数(例えば、半分)のピクセル数を有するイメージデータ40を出力することができる。ビニング部50は、単位ピクセル(PX2)ごとに1個のホワイトピクセル値41および1個のカラーピクセル値(42、43、または44)を出力することができる。
【0027】
例えば、ビニング部50は、単位ピクセル(PX2)ごとに含まれた2個のホワイトピクセル(W)から取得された値を加算するか(add)または平均演算(average)したホワイトピクセル値41を出力することができる。他の例として、ビニング部50は、単位ピクセル(PX2)ごとに含まれた2個のカラーピクセル(R)から取得された値を加算するかまたは平均演算したレッドカラーピクセル値42を出力することができる。ビニング部50は、単位ピクセル(PX2)ごとに含まれた2個のカラーピクセル(G)から取得された値を加算するかまたは平均演算したグリーンカラーピクセル値43を出力することができる。ビニング部50は、単位ピクセル(PX2)ごとに含まれた2個のカラーピクセル(B)から取得された値を加算するかまたは平均演算したブルーカラーピクセル値44を出力することができる。
【0028】
図2は、ピクセルアレイ20がR、G、B、W配列を含み、ハーフ解像度モード(half resolution mode)でイメージデータ40を生成することを例示として説明したが、実施形態によると、その他の配列を有するピクセルアレイを含む場合にも、ハーフ解像度モード(half resolution mode)またはフル解像度モード(full resolution mode)に応じて生成されるイメージデータの形態が決められることができる。
【0029】
図3は、本発明の実施形態に係るイメージ信号プロセッサを説明するための図である。
図3を参照すると、イメージ信号プロセッサ(ISP;Image signal processor)は、ビニング部50、解像度変換部100、要素処理部200、合成部300、およびイメージ取得部400を含むことができる。
【0030】
ビニング部50は、イメージセンサ(図示せず)から受信したイメージデータにおいて、カラーピクセル(R、G、B)およびホワイトピクセル(W)をビニングし、カラーピクセル値およびホワイトピクセル値を含むイメージデータ40を生成することができる。ここで、ビニング部50は、上記の図2で既に説明したビニング部50に該当することができる。
【0031】
解像度変換部100は、イメージデータ40に基づいて、互いに異なる大きさを有する2個以上のイメージを生成することができる。実施形態によると、解像度変換部100は、イメージデータ40の解像度を変換し、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有する第1イメージを取得する第1解像度変換部を含むことができる。また、解像度変換部100は、第1イメージの解像度を変換し、第1イメージに比べて縮小された大きさを有する第2イメージを取得する第2解像度変換部を含むことができる。例えば、第1イメージは、イメージデータ40に比べて1/2に縮小された大きさを有し、第2イメージは、イメージデータ40に比べて1/4に縮小された大きさを有することができる。
【0032】
要素処理部200は、2個以上のイメージそれぞれに含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値を用いてテクスチャ情報を抽出することができる。ここで、テクスチャは、イメージ上の被写体の形状ないし輪郭を意味し得る。そして、要素処理部200は、テクスチャ情報に基づいて、2個以上の合成用イメージおよび色差値を生成し、変換されたホワイトピクセル値に対するノイズ低減処理を行うことができる。
【0033】
実施形態によると、要素処理部200は、第1イメージに含まれる第1変換されたカラーピクセル値および第1変換されたホワイトピクセル値を用いて、第1イメージに対応する第1処理イメージを生成する第1要素処理部を含むことができる。また、要素処理部200は、第2イメージに含まれる第2変換されたカラーピクセル値および第2変換されたホワイトピクセル値を用いて、第2イメージに対応する第2処理イメージを生成する第2要素処理部を含むことができる。
【0034】
合成部300は、2個以上の処理イメージを合成して合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを生成することができる。例えば、合成部300は、第1処理イメージおよび第2処理イメージに基づいて、合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを合成イメージを生成することができる。
【0035】
イメージ取得部400は、合成色差イメージ、合成ホワイトイメージ、要素処理部200からの処理イメージ、およびイメージデータ40に含まれたホワイトピクセル値41に基づいて出力イメージを取得することができる。要素処理部200によりノイズ低減処理が完了したホワイトピクセル値および色差値が合成部300により合成されてイメージ取得部400に入力されることで、イメージ取得部400は、イメージデータ40に比べてノイズが低減され、色差が補正された出力イメージを生成することができる。
【0036】
イメージ信号プロセッサ(ISP)が解像度変換部100、要素処理部200、合成部300、およびイメージ取得部400を用いてイメージデータに含まれたノイズを低減させ、色差を補間する具体的な方法については、図4のフローチャートおよび図5図12の例示を参照して後述する。
【0037】
図4は、図3の実施形態に係る、イメージデータに含まれたノイズを低減させ、色差を補間する方法を説明するための図である。
ステップS10において、ビニング部50は、ピクセルアレイ20のカラーピクセル(例えば、R、G、B)およびホワイトピクセル(W)を用いて、カラーピクセル値(例えば、図2の42~44)およびホワイトピクセル値(例えば、図2の41)を含むイメージデータ(例えば、図2の40)を生成することができる。
【0038】
ステップS20において、イメージ信号プロセッサ(ISP)(例えば、解像度変換部100)は、イメージデータ(例えば、40)に基づいて、互いに異なる大きさを有する2個以上のイメージを生成することができる。解像度変換部100は、イメージデータの解像度を減少させ、複数のイメージを取得することができる。解像度変換部100によりイメージデータの解像度が変換されることで、2個以上のイメージには、変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値が含まれることができる。
【0039】
ステップS30において、イメージ信号プロセッサ(ISP)(例えば、要素処理部200)は、2個以上のイメージそれぞれに含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値を用いてテクスチャ情報を抽出することができる。
【0040】
ステップS40において、イメージ信号プロセッサ(ISP)(例えば、要素処理部200)は、抽出されたテクスチャ情報に基づいて、合成用イメージを生成し、色差値を算出し、変換されたホワイトピクセル値に対するノイズ低減処理を行うことができる。これにより、要素処理部200は、2個以上のイメージそれぞれに対応する2個以上の処理イメージを生成することができる。
【0041】
ステップS50において、イメージ信号プロセッサ(ISP)(例えば、合成部300)は、2個以上の処理イメージを合成して合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを取得することができる。
【0042】
合成部300は、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域(例えば、エッジや細い線が存在するイメージ領域)は、第1処理イメージに基づいて、他の一部の領域(例えば、平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域)は、第2処理イメージに基づいて、合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを生成することができる。例えば、合成部300は、2個以上の処理イメージに対してマルチスケール処理を行い、合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを生成することができる。ここで、マルチスケール処理とは、互いに異なる大きさを有する処理イメージに基づいて、テクスチャが存在しない平坦なイメージ領域には解像度の低い処理イメージ(第2処理イメージ)を選択して処理し、テクスチャが存在するイメージ領域には解像度の高い処理イメージ(第1処理イメージ)を選択して処理することを意味し得る。
【0043】
ステップS60において、イメージ信号プロセッサ(ISP)(例えば、イメージ取得部400)は、合成色差イメージ、合成ホワイトイメージ、およびホワイトピクセル値(例えば、図2の41)に基づいて出力イメージを取得することができる。例えば、イメージ取得部400は、合成色差イメージ、合成ホワイトイメージ、およびホワイトピクセル値に基づいて色差信号を補間することができる。また、イメージ取得部400は、合成色差イメージ、合成ホワイトイメージ、およびホワイトピクセル値に基づいてエッジ強調信号を生成し、過度にぼやけたイメージ領域の鮮鋭度を高めることができる。
【0044】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、互いに異なる大きさを有するイメージに基づいて取得された合成イメージと共にホワイトピクセル値を用いることで、ノイズが低減されるともに過度にぼやけない出力イメージを取得することができる。本開示とは異なり、ホワイトピクセル値を用いないイメージ(例えば、カラーイメージ)に対してマルチスケール処理を行う場合には、合成されたイメージ中の特定の領域が過度にぼやけることがある。例えば、イメージに対するマルチスケール処理は、テクスチャが存在する領域には縮小されていないイメージを、テクスチャが存在しない領域には縮小されたイメージ(または、解像度を減少させた後に単に拡大したイメージ)を選択して合成することを意味し得る。ただし、イメージにノイズが含まれている場合には、テクスチャが存在するイメージ領域であるにもかかわらず、テクスチャが存在しないと判断され、縮小されたイメージが選択および合成されることがある。すなわち、イメージにノイズが含まれている場合には、ノイズによりテクスチャ有無の判断が難しくなるため、テクスチャが存在する領域であるにもかかわらず、過度にぼかし処理される場合がある。
【0045】
ただし、本開示によると、イメージ信号プロセッサ(ISP)は、ノイズが低減されていない元のホワイトピクセル値に基づいてエッジ強調信号を生成することができる。これにより、合成イメージにおいて過度にぼやけた領域(または、不要にぼやけた領域)を復元することで、出力イメージに含まれるぼかしを最小化することができる。
【0046】
以下、イメージ信号プロセッサ(ISP)に含まれた構成が出力イメージを生成する具体的な例示を説明する。
図5は、図3の実施形態に係るイメージ信号プロセッサの詳細構成を説明するための図である。
【0047】
図5を参照すると、イメージ信号プロセッサ(ISP)は、ビニング部50を介してビニングされたイメージデータ40を受信することができる。ここで、イメージデータ40は、図2に示されたイメージデータ40に該当することができる。
【0048】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、解像度変換部110を介してイメージデータ40の解像度を変換し、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有する第1イメージ(HRI1)を生成することができる。ここで、第1イメージ(HRI1)は、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有するR、G、B、Wピクセル値を含むことができる。例えば、第1イメージ(HRI1)は、イメージデータ40に比べて1/2の大きさを有することができる。
【0049】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、解像度変換部120を介して第1イメージ(HRI1)の解像度を変換し、第1イメージ(HRI1)に比べて縮小された大きさを有する第2イメージ(HRI2)を生成することができる。第2イメージ(HRI2)は、第1イメージ(HRI1)に比べて縮小された大きさを有するR、G、B、Wピクセル値を含むことができる。例えば、第2イメージ(HRI2)は、イメージデータ40に比べて1/4の大きさを有することができる。
【0050】
同様に、イメージ信号プロセッサ(ISP)は、解像度変換部130を介して第2イメージ(HRI2)に比べて縮小された大きさを有する第3イメージ(HRI3)を取得することができ、解像度変換部140を介して第3イメージ(HRI3)に比べて縮小された大きさを有する第4イメージ(HRI4)を取得することができ、解像度変換部150を介して第4イメージ(HRI4)に比べて縮小された大きさを有する第5イメージ(HRI5)を取得することができ、解像度変換部160を介して第5イメージ(HRI5)に比べて縮小された大きさを有する第6イメージ(HRI6)を取得することができる。第3イメージ(HRI3)はイメージデータ40に比べて1/8、第4イメージ(HRI4)はイメージデータ40に比べて1/16、第5イメージ(HRI5)はイメージデータ40に比べて1/32、および第6イメージ(HRI6)はイメージデータ40に比べて1/64の大きさを有することができる。
【0051】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、要素処理部210を介してイメージデータ40に含まれたカラーピクセル値およびホワイトピクセル値を用いて処理イメージ(PI1)を生成することができる。ここで、要素処理部210は、イメージデータ40に含まれたカラーピクセル値およびホワイトピクセル値に基づいてテクスチャ情報を抽出し、合成用イメージを出力することができる。そして、要素処理部210は、抽出されたテクスチャ情報に基づいて、ホワイトピクセル値に対するノイズ低減を行うことができる。また、要素処理部210は、抽出されたテクスチャ情報に基づいて、カラーピクセル値とホワイトピクセル値に対する色差を算出することができる。要素処理部210により出力される合成用イメージ、ノイズ低減処理されたホワイトイメージ、および色差値を含むイメージセットを処理イメージ(PI1)として理解することができる。例えば、処理イメージ(PI1)は、イメージデータ40と同一の大きさを有することができる。
【0052】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、要素処理部220を介して第1イメージ(HRI1)に含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値を用いて処理イメージ(PI2)を生成することができる。要素処理部220は、第1イメージ(HRI1)に含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値に基づいてテクスチャ情報を抽出し、合成用イメージを出力することができる。そして、要素処理部220は、抽出されたテクスチャ情報に基づいて、ホワイトピクセル値に対するノイズ低減を行うことができる。また、要素処理部220は、抽出されたテクスチャ情報に基づいて、カラーピクセル値とホワイトピクセル値に対する色差を算出することができる。要素処理部220により出力される合成用イメージ、ノイズ低減処理されたホワイトイメージ、および色差値を含むイメージセットを処理イメージ(PI2)として理解することができる。例えば、処理イメージ(PI2)は、イメージデータ40に比べて1/2の大きさを有することができる。
【0053】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、要素処理部230を介して第2イメージ(HRI2)に含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値を用いて処理イメージ(PI3)を生成することができる。要素処理部230は、第2イメージ(HRI2)に含まれる変換されたカラーピクセル値および変換されたホワイトピクセル値に基づいてテクスチャ情報を抽出し、合成用イメージを出力することができる。そして、要素処理部230は、抽出されたテクスチャ情報に基づいて、ホワイトピクセル値に対するノイズ低減を行うことができる。また、要素処理部230は、抽出されたテクスチャ情報に基づいて、カラーピクセル値とホワイトピクセル値に対する色差を算出することができる。要素処理部230により出力される合成用イメージ、ノイズ低減処理されたホワイトイメージ、および色差値を含むイメージセットを処理イメージ(PI3)として理解することができる。例えば、処理イメージ(PI3)は、イメージデータ40に比べて1/4の大きさを有することができる。
【0054】
同様に、イメージ信号プロセッサ(ISP)は、要素処理部240を介して第3イメージ(HRI3)に対応する処理イメージ(PI4)を生成することができ、要素処理部250を介して第4イメージ(HRI4)に対応する処理イメージ(PI5)を生成することができ、要素処理部260を介して第5イメージ(HRI5)に対応する処理イメージ(PI6)を生成することができ、要素処理部270を介して第6イメージ(HRI6)に対応する処理イメージ(PI7)を生成することができる。ここで、処理イメージ(PI4)はイメージデータ40に比べて1/8、処理イメージ(PI5)はイメージデータ40に比べて1/16、処理イメージ(PI6)はイメージデータ40に比べて1/32、および処理イメージ(PI7)はイメージデータ40に比べて1/64の大きさを有することができる。
【0055】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、合成部310を介して処理イメージ(PI2)と合成イメージ(SI2)を合成して合成イメージ(SI1)を生成することができる。ここで、合成部310により出力される合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを含むイメージセットを合成イメージ(SI1)として理解することができる。合成イメージ(SI1)は、イメージデータ40に比べて1/2の大きさを有することができる。
【0056】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、合成部320を介して処理イメージ(PI3)と合成イメージ(SI3)を合成して合成イメージ(SI2)を生成することができる。ここで、合成部320により出力される合成色差イメージおよび合成ホワイトイメージを含むイメージセットを合成イメージ(SI2)として理解することができる。合成イメージ(SI2)は、イメージデータ40に比べて1/4の大きさを有することができる。
【0057】
同様に、イメージ信号プロセッサ(ISP)は、合成部330を介して処理イメージ(PI4)と合成イメージ(SI4)を合成して合成イメージ(SI3)を生成することができ、合成部340を介して処理イメージ(PI5)と合成イメージ(SI5)を合成して合成イメージ(SI4)を生成することができ、合成部350を介して処理イメージ(PI6)と処理イメージ(PI7)を合成して合成イメージ(SI5)を生成することができる。ここで、合成イメージ(SI3)は、イメージデータ40に比べて1/8の大きさを有し、合成イメージ(SI4)は、イメージデータ40に比べて1/16の大きさを有し、合成イメージ(SI5)は、イメージデータ40に比べて1/32の大きさを有することができる。
【0058】
イメージ信号プロセッサ(ISP)は、イメージ取得部400を介してイメージデータ40に含まれたホワイトピクセル値41、処理イメージ(PI1)、および合成イメージ(SI1)を用いてRGBイメージを生成することができる。イメージ信号プロセッサ(ISP)は、イメージ取得部400を介してRGBWイメージをRGBに変換し、出力イメージ500を取得することができる。
【0059】
図5の実施形態はイメージ信号プロセッサ(ISP)に6個の解像度変換部110~160、7個の要素処理部210~270、および5個の合成部310~350が含まれているものとして図示および説明したが、これは1つの例示にすぎず、本開示の権利範囲を限定するものではない。
図5に示された各構成に関する説明は、後述する図6図12でさらに詳しく説明する。
【0060】
図6は、図5の解像度変換部110に関する詳細構成を説明するための図である。
図6を参照すると、解像度変換部110は、ベイヤー解像度変換部113およびホワイト解像度変換部114を含むことができる。
【0061】
ベイヤー解像度変換部113は、イメージデータ40のベイヤーイメージ111に対する解像度を変換し、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有するカラーイメージ(R、G、Bイメージ)をそれぞれ出力することができる。例えば、ベイヤー解像度変換部113により出力されるR、G、Bイメージ(第1イメージ(HRI1)に該当)は、ベイヤーイメージ111に比べて1/2の大きさを有することができる。例えば、半分のサイズは、ピクセル数を半分に減らし、データ記憶容量を半分に減らすことを意味し得る。
【0062】
そして、ホワイト解像度変換部114は、イメージデータ40のホワイトイメージ112に対する解像度を変換し、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有するホワイトイメージを出力することができる。例えば、ホワイト解像度変換部114により出力されるホワイトイメージは、イメージデータ40に比べて1/2の大きさを有することができる。
【0063】
ここで、解像度変換部110に入力されるイメージデータ40のベイヤーイメージ111とホワイトイメージ112との位置がずれていてもよい。そこで、ベイヤー解像度変換部113は、大きさが縮小されたホワイトイメージの中心ピクセルの位置と、大きさが縮小されたR、G、Bイメージの各中心ピクセルの重心が一致するように補間を行うことができる。すなわち、ベイヤー解像度変換部113は、ベイヤーイメージ111とホワイトイメージ112のダウンスケーリング時にテクスチャ情報を得るためのホワイトイメージ112にボケ(bokeh)現象が発生するのを防止するために、ホワイトイメージ112を基準として各R、G、Bピクセルの補間係数を計算することができる。例えば、ベイヤー解像度変換部113は、R、G、Bイメージとホワイトイメージの重心が一致するように、バイラテラル補間(bilateral interpolation)、バイキュービック補間(bicubic interpolation)、バイリニア補間(bilinear interpolation)などの方式を用いて補間を行うことができる。ここで、重心を合わせるためのR、G、Bイメージの補間処理方式はこれに限定されない。
【0064】
図7は、図5の解像度変換部120に関する詳細構成を説明するための図である。
図7を参照すると、解像度変換部120は、レッド(R)解像度変換部121、グリーン(G)解像度変換部122、ブルー(B)解像度変換部123、およびホワイト(W)解像度変換部124を含むことができる。
【0065】
ここで、レッド解像度変換部121は、解像度変換部110の第1イメージ(HRI1)、すなわち、レッドイメージに対する解像度を変換し、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有するレッドイメージを出力することができる。例えば、レッド解像度変換部121は、4個のレッドピクセル(R)から取得されたピクセル値を平均演算(average)し、縮小された大きさを有するレッドイメージを出力することができる。
【0066】
グリーン解像度変換部122は、解像度変換部110の第1イメージ(HRI1)、すなわち、グリーンイメージに対する解像度を変換し、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有するグリーンイメージを出力することができる。例えば、グリーン解像度変換部122は、4個のグリーンピクセル(G)から取得されたピクセル値を平均演算(average)し、縮小された大きさを有するグリーンイメージを出力することができる。
【0067】
また、ブルー解像度変換部123は、解像度変換部110の第1イメージ(HRI1)、すなわち、ブルーイメージに対する解像度を変換し、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有するブルーイメージを出力することができる。例えば、ブルー解像度変換部123は、4個のブルーピクセル(B)から取得されたピクセル値を平均演算(average)し、縮小された大きさを有するブルーイメージを出力することができる。
【0068】
ホワイト解像度変換部124は、解像度変換部110の第1イメージ(HRI1)、すなわち、ホワイトイメージに対する解像度を変換し、イメージデータ40に比べて縮小された大きさを有するホワイトイメージを出力することができる。例えば、ホワイト解像度変換部124は、4個のホワイトピクセル(W)から取得されたピクセル値を平均演算(average)し、縮小された大きさを有するホワイトイメージを出力することができる。
【0069】
例えば、解像度変換部120により出力されるR、G、B、Wイメージ、すなわち、第2イメージ(HRI2)は、入力イメージ(第1イメージ(HRI1))に比べて1/2の大きさを有することができる。
【0070】
残りの解像度変換部130~160は、解像度変換部120と比較して入出力されるイメージの大きさが異なるだけであって、解像度変換部120と構成が同様であるため、解像度変換部130~160に関する詳細構成および動作に関して重複する説明は省略する。
【0071】
図8は、図5の要素処理部210に関する詳細構成を説明するための図である。
図8を参照すると、要素処理部210は、テクスチャ判定部213、ノイズ低減部214、および色差算出部215を含むことができる。
【0072】
テクスチャ判定部213は、イメージデータ40のベイヤーイメージ211およびホワイトイメージ212に基づいてテクスチャを判断し、テクスチャ情報(TI)および合成用イメージ(T)を生成することができる。テクスチャ判定部213に入力されるベイヤーイメージ211およびホワイトイメージ212は、図6に示されたベイヤーイメージ111およびホワイトイメージ112と同様のイメージであってもよい。
【0073】
ここで、テクスチャ情報(TI)は、ベイヤーイメージ211およびホワイトイメージ212が平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域であるかに関する情報、エッジや細い線が存在するかに関する情報、仮に細い線が存在する場合には細い線の方向情報などを含むことができる。一例として、テクスチャ判定部213は、ホワイトイメージ212に関するテクスチャ情報(TI)を優先的に判断することができる。例えば、テクスチャ判定部213は、ホワイトイメージ212におけるテクスチャ情報(TI)を先に判断し、ホワイトイメージ212にテクスチャ情報が存在しない場合、ベイヤーイメージ211におけるテクスチャ情報(TI)を判断することができる。
【0074】
そして、上述した図4および図5で説明したイメージ取得部400がマルチスケール処理を行う場合、テクスチャ情報(TI)に基づいて合成される2つのイメージの比率を調節することができる。これにより、テクスチャ判定部213は、イメージ取得部400の合成動作のためにテクスチャ情報(TI)を合成用イメージ(T)に変換してイメージ取得部400に提供することができる。ここで、合成用イメージ(T)は、解像度の異なる2つのイメージを合成する際に用いるイメージである。一例として、αブレンド方式を用いて2つのイメージを合成することができる。例えば、低解像度イメージに対して線形補間を用いて補間処理を行い、解像度を高解像度イメージに合わせた出力イメージを生成することができる。αブレンド方式を用いて2つのイメージを合成することを一例として説明したものの、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、2つのイメージを合成する様々な方法があり得る。合成用イメージ(T)は、テクスチャの振幅や合成比率を表現するデータを各ピクセルごとに計算したイメージ(値)で定義することができる。例えば、合成用イメージ(T)は、2つのイメージの合成時にエッジやテクスチャのある境界領域では高解像度イメージの比率を増加させて合成し、エッジやテクスチャのない平坦領域では低解像度イメージの比率を増加させて合成するために用いられることができる。
【0075】
ノイズ低減部214は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、ホワイトイメージ212のピクセル値におけるノイズ低減処理を行い、ノイズ低減されたホワイトイメージ(W_NR1)を生成することができる。ノイズ低減部214は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域と、テクスチャが一定レベル未満である他の一部の領域で互いに異なるノイズ低減処理を行うことができる。
【0076】
一例として、ノイズ低減部214は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域(例えば、エッジや細い線が存在するイメージ領域)は、テクスチャの方向(エッジや細い線の方向)に沿ってターゲットピクセル(入力イメージ単位の中心にある中心ピクセル)の周辺に存在する周辺ピクセルの重み平均を求めてノイズ低減を行うことができる。また、ノイズ低減部214は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル未満である他の一部の領域(例えば、平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域)は、ターゲットピクセルの周辺に存在する周辺ピクセルの平均を求めてノイズ低減を行うことができる。
【0077】
また、色差算出部215は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、ベイヤーイメージ211とホワイトイメージ212の色差値(B_CD1)を算出することができる。
【0078】
一例として、色差算出部215は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域(例えば、エッジや細い線が存在するイメージ領域)で、テクスチャの方向(エッジや細い線の方向)に沿って色差を算出することができる。また、色差算出部215は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル未満である他の一部の領域(例えば、平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域)で、ターゲットピクセル周辺の周辺ピクセルを用いて色差を算出することができる。
【0079】
要素処理部210により生成された合成用イメージ(T)、ノイズ低減されたホワイトイメージ(W_NR1)、および色差値(B_CD1)は、処理イメージ(PI1)としてイメージ取得部400に伝達されることができる。
【0080】
図9は、図5の要素処理部220に関する詳細構成を説明するための図である。
図9を参照すると、要素処理部220は、テクスチャ判定部223、ノイズ低減部224、および色差算出部225を含むことができる。
【0081】
ここで、テクスチャ判定部223は、解像度変換部110の第1イメージ(HRI1)221(レッドイメージ、グリーンイメージ、ブルーイメージ)およびホワイトイメージ222に基づいてテクスチャを判断し、合成用イメージ(T)およびテクスチャ情報(TI)を生成することができる。
【0082】
上述した図4および図5で説明した合成部310が入力される2つのイメージを合成する動作を行う場合、テクスチャ情報(TI)に基づいて合成イメージの比率を調節することができる。これにより、テクスチャ判定部223は、合成部310の合成動作のためにテクスチャ情報(TI)を合成用イメージ(T)に変換して合成部310に提供することができる。
【0083】
そして、ノイズ低減部224は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、ホワイトイメージ222のピクセル値におけるノイズ低減処理を行い、ノイズ低減されたホワイトイメージ(W_NR2)を生成することができる。ノイズ低減部224は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域と、テクスチャが一定レベル未満である他の一部の領域で互いに異なるノイズ低減処理を行うことができる。
【0084】
一例として、ノイズ低減部224は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域(例えば、エッジや細い線が存在するイメージ領域)は、テクスチャの方向(エッジや細い線の方向)に沿ってターゲットピクセルの周辺ピクセルの重み平均を求めてノイズ低減を行うことができる。また、ノイズ低減部224は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル未満である他の一部の領域(例えば、平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域)は、ターゲットピクセルの周辺の周辺ピクセルの平均を求めてノイズ低減を行うことができる。
【0085】
また、色差算出部225は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、RGBイメージとホワイトイメージ222の色差値(RGB_CD1)を算出することができる。
【0086】
一例として、色差算出部225は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域(例えば、エッジや細い線が存在するイメージ領域)は、テクスチャの方向(エッジや細い線の方向)に沿って色差を算出することができる。また、色差算出部225は、テクスチャ情報(TI)に基づいて、テクスチャが一定レベル未満である他の一部の領域(例えば、平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域)は、ターゲットピクセル周辺の周辺ピクセルを用いて色差を算出することができる。例えば、R(または、G、B)ピクセルの平均をホワイトピクセルの平均で割って色差を算出することができる。
【0087】
要素処理部220により生成された合成用イメージ(T)、ノイズ低減されたホワイトイメージ(W_NR2)、および色差値(RGB_CD1)は、処理イメージ(PI2)として合成部310に伝達されることができる。
【0088】
残りの要素処理部230~270は、要素処理部220と比較して入出力されるイメージの大きさが異なるだけであって、要素処理部220と構成が同様であるため、要素処理部230~270に関する詳細構成および動作に関して重複する説明は省略する。
【0089】
図10は、図5の合成部310に関する詳細構成を説明するための図である。
図10を参照すると、合成部310は、色差合成部311およびホワイト(W)イメージ合成部312を含むことができる。
【0090】
色差合成部311は、要素処理部220から印加される合成用イメージ(T)に基づいて、色差値(RGB_CD1)と色差値(RGB_CD2)を合成して合成色差イメージ(RGB_CD3)を生成することができる。ここで、色差値(RGB_CD1)は、要素処理部220から印加されるRGBイメージ(処理イメージ(PI2)に該当)に対する色差値を意味し得る。そして、色差値(RGB_CD2)は、合成部320から印加される縮小された解像度を有するRGBイメージ(合成イメージ(SI2)に該当)に対する色差値を意味し得る。
【0091】
そして、ホワイトイメージ合成部312は、要素処理部220から印加される合成用イメージ(T)に基づいて、ホワイトイメージ(W_NR2)とホワイトイメージ(W_NR3)を合成して合成ホワイトイメージ(W_NR4)を生成することができる。ここで、ホワイトイメージ(W_NR2)は、要素処理部220から印加されるノイズ低減されたホワイトイメージ(処理イメージ(PI2)に該当)を意味し得る。そして、ホワイトイメージ(W_NR3)は、合成部320から印加される縮小された解像度を有するホワイトイメージ(合成イメージ(SI2)に該当)を意味し得る。
【0092】
例えば、色差合成部311およびホワイトイメージ合成部312は、合成用イメージ(T)に基づいて、平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域では縮小されたイメージ(例えば、合成イメージ(SI2))に対する比率を増加させ、エッジや細い線が存在するイメージ領域では縮小されていない入力イメージ(例えば、処理イメージ(PI2))に対する比率を増加させ、2つの入力イメージを合成することができる。これにより、テクスチャが一定レベル以上である一部の領域は鮮明度が維持され、テクスチャが一定レベル未満である残りの領域はノイズが低減されることができる。
【0093】
残りの合成部320~350は、合成部310と比較して入出力されるイメージの大きさが異なるだけであって、合成部310と構成が同様であるため、合成部300~350に関する詳細構成および動作に関して重複する説明は省略する。
【0094】
図11は、図5のイメージ取得部に関する詳細構成を説明するための図である。そして、図12は、図11の色差信号補間部の動作を説明するための図である。
【0095】
図11を参照すると、イメージ取得部400は、色差合成部401、ホワイト(W)イメージ合成部402、エッジ強調信号生成部403、モアレ(moire)領域判定部404、色差信号補間部405、およびイメージ生成部406を含むことができる。
【0096】
色差合成部401は、要素処理部210により生成された合成用イメージ(T)に基づいて、要素処理部210から印加された色差値(B_CD1)と合成部310から印加された合成色差イメージ(RGB_CD3)を合成して合成色差イメージ(RGB_CD4)を生成することができる。ここで、色差合成部401の一方の入力である色差値(B_CD1)がベイヤーイメージであるため、合成色差イメージ(RGB_CD4)は、ベイヤーイメージであってもよい。
【0097】
ホワイトイメージ合成部402は、要素処理部210により生成された合成用イメージ(T)に基づいて、要素処理部210から印加されるノイズ低減されたホワイトイメージ(W_NR1)と合成部310から印加される合成ホワイトイメージ(W_NR4)を合成して合成ホワイトイメージ(W_NR5)を生成することができる。
【0098】
例えば、色差合成部401およびホワイトイメージ合成部402は、合成用イメージ(T)に基づいて、平坦なイメージ領域またはグラデーションイメージ領域では縮小されたイメージ(例えば、合成イメージ(SI1))に対する比率を増加させ、エッジや細い線が存在するイメージ領域では縮小されていない入力イメージ(例えば、処理イメージ(PI1))に対する比率を増加させ、2つの入力イメージを合成することができる。
【0099】
エッジ強調信号生成部403は、イメージデータ40のホワイトイメージ(W1)(図6の112に該当)とホワイトイメージ合成部402から印加された合成ホワイトイメージ(W_NR5)におけるエッジ強調処理を行い、エッジ強調処理が完了したホワイトイメージ(W2)を出力することができる。すなわち、イメージ生成部406が出力RGBイメージを生成する前に、エッジ強調信号生成部403がエッジ強調処理を行ってコントラストを高めることで、出力RGBイメージのイメージテクスチャをさらに鮮明にすることができる。
【0100】
一例として、エッジ強調信号生成部403は、優先的にノイズが低減されていない元のイメージデータ40のホワイトイメージ(W1)から高周波成分を抽出し、既に設定された周波数よりも大きい周波数はフィルタリングしてテクスチャ強調成分を生成することができる。そして、テクスチャ強調成分をノイズ低減処理が完了した合成ホワイトイメージ(W_NR5)に加算し、エッジ強調処理が完了したホワイトイメージ(W2)を生成することができる。また、エッジ強調信号生成部403は、ノイズ低減処理が完了した合成ホワイトイメージ(W_NR5)とノイズが低減されていない元のホワイトイメージ(W1)を組み合わせてエッジ強調処理を行うため、ノイズ低減処理で過度にぼやけた領域の鮮鋭度を高めることができる。
【0101】
モアレ領域判定部404は、イメージデータ40のホワイトイメージ(W1)およびイメージ合成部402から印加された合成ホワイトイメージ(W_NR5)に基づいてモアレ領域を判断し、モアレ判断信号(MDS)を生成することができる。ここで、モアレとは、繰り返された模様を有する被写体を撮影する場合、この模様がイメージセンサの空間周波数と類似した領域で高周波成分が干渉を起こして発生した不均一なイメージを意味し得る。モアレ領域判定部404は、ホワイトイメージ(W1)および合成ホワイトイメージ(W_NR5)からモアレ領域を検出し、検出有無に対応するモアレ判断信号(MDS)を生成することができる。
【0102】
一例として、色モアレ(偽色)が発生する領域は、カラーピクセルのサンプリング間隔に対応するナイキスト(Nyquist frequency)周波数よりも高周波のテクスチャが存在する領域であってもよい。ホワイトピクセルの場合、出力ピクセル数よりもピクセル数が少ないため、高周波成分のテクスチャ有無を確認できない周波数領域が存在し得る。本発明の実施形態は、ホワイトイメージが出力イメージと同一の解像度(ピクセル数)で入力されるため、ホワイトイメージを補間する必要がない。したがって、ホワイトイメージを参照すると、出力イメージのナイキスト周波数に至るまで高周波テクスチャの有無を判断することができる。すなわち、モアレ領域判定部404は、ホワイトイメージの各ピクセル周辺の高周波成分の有無を判断し、色モアレが発生する領域であるか否かを確認することができる。
【0103】
ここで、モアレ領域判定部404が色モアレ領域を判定する方法は、フーリエ(fourier)変換、アダマール(hadamard)変換、ハイパスフィルタなどを用いて高周波成分の振幅の強度を求める方式を利用することができる。他の例として、中心ピクセルを基準とし、水平方向や垂直方向に隣接するピクセル値の差分絶対値をそれぞれ加算し、加算された値の大小で判断する方式を利用してもよい。また他の例として、中心ピクセルを基準とし、上下ピクセルの差分絶対値と左右ピクセルの差分絶対値とを比較し、小さい方のピクセルペア(上下ピクセルまたは左右ピクセル)の平均値を計算することができる。そして、計算された平均値と中心ピクセルのピクセル値の差分絶対値を計算し、それをノイズ量と比較することで、ノイズ量よりも大きい場合に色モアレ領域と判断することができる。モアレ領域を判定する方式は、これに限定されず、他の方式を利用してもよい。
【0104】
色差信号補間部405は、モアレ判断信号(MDS)、合成用イメージ(T)に基づいて、合成ホワイトイメージ(W_NR5)と合成色差イメージ(RGB_CD4)を補間し、補間完了したRGBイメージ(IRGB)を出力することができる。ここで、色差信号補間部405の入力として、出力イメージと同一の解像度を有し、補間を必要としない合成ホワイトイメージ(W_NR5)を用いることができる。色差信号補間部405は、この合成ホワイトイメージ(W_NR5)に基づいて、レッドイメージ(または、グリーンイメージ、ブルーイメージ)とホワイトイメージとの色差を補間し、補間完了したRGBイメージ(IRGB)を生成することができる。
【0105】
例えば、図12の(A)を参照すると、色差信号補間部405は、モアレ判断信号(MDS)に基づいて色モアレ領域でない場合にホワイトイメージで方向を判断し、その方向に基づいてR色差、G色差、B色差の補間を行うことができる。一実施形態によると、R色差、G色差、B色差の補間は、線形補間(linear interpolation)であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0106】
これに対し、図12の(B)を参照すると、色差信号補間部405は、モアレ判断信号(MDS)に基づいて色モアレ領域である場合に色差を補間することができる。一実施形態によると、色差の補間は、ガイドフィルタ(Guided Filter)のようにエッジ情報を考慮したフィルタリングを用いて補間を行うことができる。すなわち、ホワイトイメージW(x)を任意の係数(a、b)を用いて線形変換したテクスチャが各色差イメージ(色差(x))であると仮定することができる。線形変換の係数(a、b)を線形回帰により計算して中心ピクセルのピクセル値を計算することで補間することができる。例えば、線形回帰を計算するために、中心ピクセルの周辺に存在する複数の周辺ピクセルのホワイトイメージのピクセル値と色差イメージのピクセル値を用いることができる。線形回帰によって計算された係数(a、b)を用いて色差イメージ(色差(x))を決定することができる。
【0107】
また、イメージ生成部406は、エッジ強調処理が完了したホワイトイメージ(W2)および補間完了したRGBイメージ(IRGB)に基づいて出力RGBイメージを生成することができる。一例として、イメージ生成部406は、補間完了したRGBイメージ(IRGB)にエッジ強調処理が完了したホワイトイメージ(W2)のピクセル値を乗じて出力RGBイメージを生成することができる。これにより、RGBイメージ生成部406は、色歪みが減少し、ノイズ低減処理された出力RGBイメージを生成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12