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特開2025-138907添加剤組成物、樹脂組成物、合成樹脂用添加剤マスターバッチ、成形品および樹脂組成物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025138907
(43)【公開日】2025-09-25
(54)【発明の名称】添加剤組成物、樹脂組成物、合成樹脂用添加剤マスターバッチ、成形品および樹脂組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20250917BHJP
   C08L 23/12 20060101ALI20250917BHJP
   C08K 5/3492 20060101ALI20250917BHJP
   C08J 3/22 20060101ALI20250917BHJP
【FI】
C08L101/00
C08L23/12
C08K5/3492
C08J3/22 CES
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2025120291
(22)【出願日】2025-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】服部 悠平
(72)【発明者】
【氏名】片桐 龍
(57)【要約】
【課題】合成樹脂の特性を向上させることができる添加剤組成物、樹脂組成物、合成樹脂用添加剤マスターバッチ、成形品および樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物を含み、顆粒状である、添加剤組成物。
【化1】
(一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物を含み、
顆粒状である、
添加剤組成物。
【化1】
(一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。)
【請求項2】
合成樹脂と、
下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物と、
を含む樹脂組成物。
【化2】
(一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。)
【請求項3】
前記合成樹脂がポリオレフィン系樹脂を含む、請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
請求項2または3に記載の樹脂組成物からなる合成樹脂用添加剤マスターバッチ。
【請求項5】
請求項2または3に記載の樹脂組成物を成形して得られる成形品。
【請求項6】
合成樹脂と、
請求項1に記載の添加剤組成物と、
を混合する配合工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
合成樹脂と、
請求項4に記載の合成樹脂用添加剤マスターバッチと、
を混合する配合工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂の特性を向上させることができる添加剤組成物、樹脂組成物、合成樹脂用添加剤マスターバッチ、成形品および樹脂組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂の特性を向上させるための添加剤として、様々な化合物が利用されている。合成樹脂用添加剤として利用される化合物として、例えば、特許文献1には、トリフェニルオキシトリアジンなどが提案されており、当該化合物が熱可塑性樹脂の流動性改良剤となることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61-14261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の化合物では、合成樹脂の特性を十分に向上させることができない場合があり、さらなる改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、合成樹脂の特性を向上させることができる添加剤組成物、樹脂組成物、合成樹脂用添加剤マスターバッチ、成形品および樹脂組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する化合物を含む組成物によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物を含み、顆粒状である、添加剤組成物である。
【0008】
【化1】
【0009】
(一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。)
【0010】
また本発明は、合成樹脂と、下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物と、を含む樹脂組成物である。
【0011】
【化2】
【0012】
(一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。)
【0013】
また本発明は、上記の樹脂組成物からなる合成樹脂用添加剤マスターバッチである。
【0014】
また本発明は、上記の樹脂組成物を成形して得られる成形品である。
【0015】
さらに本発明は、合成樹脂と、上記の添加剤組成物と、を混合する配合工程を含む、樹脂組成物の製造方法である。
【0016】
さらにまた本発明は、合成樹脂と、上記の合成樹脂用添加剤マスターバッチと、を混合する配合工程を含む、樹脂組成物の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、合成樹脂の特性を向上させることができる添加剤組成物、樹脂組成物、合成樹脂用添加剤マスターバッチ、成形品および樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。先ず本実施形態の添加剤組成物について説明する。
<添加剤組成物>
【0019】
本実施形態の添加剤組成物は、下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物を含み、顆粒状である。
【0020】
【化3】
【0021】
ここで、一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。
【0022】
本実施形態の添加剤組成物によれば、合成樹脂の特性を向上させることができる。
【0023】
【化4】
【0024】
ここで、一般式(2)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、WおよびWはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニルオキシ基、または、上記一般式(1)で表される一価の基を表す。
【0025】
【化5】
【0026】
ここで、一般式(4)中、XおよびXはそれぞれ独立に2価の基を表し、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、Wは無置換の若しくは置換基を有するフェニルオキシ基、または、上記一般式(1)で表される一価の基を表し、nは1以上の整数を表す。
【0027】
一般式(4)において、nは例えば500以下とすることができ、100以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましく、5以下であることがさらに一層好ましい。また、nは2以上であることが好ましい。さらに、nは2であることが特に好ましい。また、一般式(4)において、Wは無置換の若しくは置換基を有するフェニルオキシ基であることが好ましい。
【0028】
【化6】
【0029】
ここで、一般式(8)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
【0030】
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物、下記一般式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物などが挙げられる。これらの中では、一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0031】
【化7】
【0032】
ここで、一般式(3)中、Xは2価の基を表し、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
【0033】
【化8】
【0034】
ここで、一般式(9)中、XおよびXはそれぞれ独立に2価の基を表し、Ar、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
【0035】
【化9】
【0036】
ここで、一般式(10)中、X、XおよびXはそれぞれ独立に2価の基を表し、Ar、Ar、Ar10、Ar11、Ar12およびAr13はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
【0037】
XおよびX~Xとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基などのアルキリデン基、フェニレン基、ナフチレン基、アントラシレン基、フェナントリレン基、ビフェニリレン基、ターフェニリレン基などのアリーレン基、メチレンフェニレン基、メチレンビフェニリレン基などのアルキレンアリーレン基、メチレンフェニレンメチレン基、メチレンビフェニレンメチレン基などのアルキレンアリーレンアルキレン基、フェニレンメチレンフェニレン基、ビフェニリレンメチレンビフェニリレン基などのアリーレンアルキレンアリーレン基、フェニレンエチリデンフェニレン基、フェニレンメチルエチリデンフェニレン基などのアリーレンアルキリデンアリーレン基などが挙げられる。これらは無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。
【0038】
XおよびX~Xが置換基を有する場合の置換基としては、例えば、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数2~11のアルキルカルボニル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~21のアリールカルボニル基、炭素原子数2~20の複素環基、アミノ基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシ基、スルホ基、スルホンアミド基などが挙げられる。ここで、カルボキシ基、スルホ基は塩を形成していてもよい。
【0039】
炭素原子数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-アミル基、2-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、イソデシル基などの分岐を有するアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基などの環状アルキル基などが挙げられる。
【0040】
炭素原子数1~10のアルコキシ基としては、上記炭素原子数1~10のアルキル基が酸素原子に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0041】
炭素原子数2~11のアルキルカルボニル基としては、上記炭素原子数1~10のアルキル基がカルボニル基に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0042】
炭素原子数6~20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基などの無置換のアリール基、p-メチルフェニル基、o-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-シアノフェニル基などの置換基を有するアリール基などが挙げられる。
【0043】
炭素原子数6~20のアリールオキシ基としては、上記炭素原子数6~20のアリール基が酸素原子に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0044】
炭素原子数7~21のアリールカルボニル基としては、上記炭素原子数6~20のアリール基がカルボニル基に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0045】
炭素原子数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、ベンゾオキサゾール-2-イル基、テトラヒドロピラニル基、ピロリジル基、イミダゾリジル基、ピラゾリジル基、チアゾリジル基、イソチアゾリジル基、オキサゾリジル基、イソオキサゾリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリニル基などが挙げられる。
【0046】
アミノ基は、-NAの構造を有する基である。ここで、AおよびAはそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基などを表す。また、AおよびAは連結して環を形成してもよい。炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基としては、Xが置換基を有する場合の置換基として例示したものと同じものが挙げられる。
【0047】
アミノカルボニル基としては、上記アミノ基がカルボニル基に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0048】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
【0049】
Ar~Ar13が置換基を有するフェニル基である場合の置換基としては、XおよびX~Xが置換基を有する場合の置換基として例示したものと同じものが挙げられる。
【0050】
また、W~Wが置換基を有するフェニルオキシ基である場合の置換基としても、XおよびX~Xが置換基を有する場合の置換基として例示したものと同じものが挙げられる。
【0051】
本実施形態の化合物において、Xは下記一般式(5)または(6)で表される基であることが好ましく、下記一般式(6)で表される基であることがより好ましい。
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】
ここで、一般式(5)および(6)中、**は酸素原子と結合する部位を表し、R~R12はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基またはハロゲン原子を表し、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基または無置換の、若しくは、置換基を有するアルカンジイル基を表す。
【0055】
また、本実施形態の化合物において、XおよびXは上記一般式(5)または(6)で表される基であることが好ましく、上記一般式(6)で表される基であることがより好ましい。
【0056】
さらに、本実施形態の化合物において、X~Xは上記一般式(5)または(6)で表される基であることが好ましく、上記一般式(6)で表される基であることがより好ましい。
【0057】
~R12で表される炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基およびハロゲン原子としては、Xが置換基を有する場合の置換基として例示したものと同じものが挙げられる。
【0058】
また、Yで表されるアルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基、エチリデン基、プロパン-1-イリデン、プロパン-2-イリデン、ブタン-1-イリデン、ブタン-2-イリデン、シクロヘキシリデン基などのアルキリデン基などが挙げられる。ここで、アルカンジイル基の炭素原子数は、例えば、1~10とすることができ、1~6であることが好ましい。また、アルカンジイル基が置換基を有する場合の置換基としては、Xが置換基を有する場合の置換基として例示したものと同じものが挙げられる。
【0059】
本実施形態の化合物において、XおよびX~Xが一般式(5)で表される基である場合、XおよびX~Xは下記一般式(5’)で表される基であることが好ましい。また、XおよびX~Xが一般式(6)で表される基である場合、XおよびX~Xは下記一般式(6’)で表される基であることが好ましい。さらに、R~R12は水素原子または炭素原子数1~10のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。さらにまた、Yは単結合であることが好ましい。また、本実施形態の化合物においては、XおよびX~Xが一般式(5)で表される基であり、かつ、Yが単結合であってもよい。
【0060】
【化12】
【0061】
【化13】
【0062】
本実施形態の化合物において、Ar~Ar13は2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、4-エチルフェニル基、2-n-プロピルフェニル基、3-n-プロピルフェニル基、4-n-プロピルフェニル基、2-t-ブチルフェニル基、3-t-ブチルフェニル基、4-t-ブチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、2-シクロヘキシルフェニル基、3-シクロヘキシルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、2-ビフェニリル基、3-ビフェニリル基または4-ビフェニリル基であることが好ましく、4-エチルフェニル基、4-n-プロピルフェニル基、4-t-ブチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基または4-ビフェニリル基であることがより好ましく、4-シクロヘキシルフェニル基または4-ビフェニリル基であることがさらに好ましく、4-シクロヘキシルフェニル基であることが特に好ましい。
【0063】
一般式(1)で表される一価の基を含む化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物などが挙げられるが、本実施形態の化合物はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0064】
【化14】
【0065】
【化15】
【0066】
【化16】
【0067】
【化17】
【0068】
【化18】
【0069】
【化19】
【0070】
一般式(1)で表される一価の基を含む化合物は、公知の合成方法を組み合わせて製造することができる。例えば、一般式(3)で表される化合物は、トリエチルアミン、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下、シアヌル酸クロリド1当量に対し、それぞれ1当量のAr-OH、Ar-OH、および、HО-X-ОHを順次反応させて第一の中間体を準備し、次に、塩基の存在下、シアヌル酸クロリド1当量に対し、それぞれ1当量のAr-OHおよびAr-OHを順次反応させて第二の中間体を準備し、さらに、塩基の存在下、1当量の第一の中間体と1当量の第二の中間体とを反応させる方法などによって製造することができる。
【0071】
本実施形態の添加剤組成物は、核剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、その他の酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物、紫外線吸収剤、脂肪酸金属塩、滑剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、ハイドロタルサイト類、帯電防止剤、蛍光増白剤、着色剤、造粒助剤などの添加剤であって、一般式(1)で表される一価の基を含む化合物以外の化合物からなるもの(以下、「その他の添加剤」と称する)のうち一種または二種以上をさらに含むものであってもよい。
【0072】
核剤としては、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,2,3-トリデオキシ-4,6:5,7-o-ビス(4-プロピルベンジリデン)ノニトールなどのジベンジリデンソルビトール化合物、ナトリウム 2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム 2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロキシアルミニウム 2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシアルミニウム ビス[2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート]などの芳香族リン酸エステル金属塩、安息香酸ナトリウム、4-tert-ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム、2ナトリウム ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボキシレート、カルシウム シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート等のカルボン酸金属塩、N,N’,N”-トリス[2-メチルシクロヘキシル]-1,2,3-プロパントリカルボキサミド、N,N’,N”-トリシクロヘキシル-1,3,5-ベンゼントリカルボキサミド、N,N’-ジシクロヘキシルナフタレンジカルボキサミド、1,3,5-トリス[(2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)]ベンゼン等のアミド化合物、国際公開第2020/067144号パンフレットに記載の2,4,6-トリ(アリールオキシ)-1,3,5-トリアジン化合物のうち一般式(1)で表される一価の基を含む化合物以外の化合物等が挙げられる。
【0073】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-チオビス-(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2-メチル-4,6-ビス(オクチルスルファニルメチル)フェノール、2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノール)、イソオクチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、2,2’-オキサミド-ビス[エチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2-エチルヘキシル-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-エチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸およびC13-15アルキルのエステル、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、ヒンダードフェノールの重合物(ADEKA POLYMER ADDITIVES EUROPE SAS社製 商品名「AO.OH.98」)、2,2’-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール]、2-tert-ブチル-6-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート、6-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルベンズ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフォビン、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[モノエチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート]カルシウム塩、5,7-ビス(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2(3H)-ベンゾフラノンとo-キシレンとの反応生成物、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、DL-a-トコフェノール(ビタミンE)、2,6-ビス(α-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、ビス[3,3-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-フェニル)ブタン酸]グリコールエステル、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル-3,5-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、2-オクチルチオ-4,6-ジ(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-s-トリアジン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、ビス[3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’-ブチリデンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、ビス[2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-アクリロイルオキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、3,9-ビス[2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルヒドロシンナモイルオキシ)-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、ステアリル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、パルミチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ミリスチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ラウリル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド等の3-(3,5-ジアルキル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸誘導体等が挙げられる。
【0074】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト、ジオレイルヒドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチル-5-メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2-tert-ブチル-4-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕ホスファイト、トリ(デシル)ホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールとステアリン酸カルシウム塩との混合物、アルキル(C10)ビスフェノールAホスファイト、テトラフェニル-テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチリデンビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、(1-メチル-1-プロペニル-3-イリデン)トリス(1,1-ジメチルエチル)-5-メチル-4,1-フェニレン)ヘキサトリデシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-2-エチルヘキシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-オクタデシルホスファイト、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フルオロホスファイト、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、トリス(2-〔(2,4,8,10-テトラキス-tert-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ〕エチル)アミン、3,9-ビス(4-ノニルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスフェススピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル-2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールホスファイト、ポリ4,4’-イソプロピリデンジフェノールC12-15アルコールホスファイト、ビス(ジイソデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(オクタデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0075】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[メチレン-3-(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、ビス(メチル-4-[3-n-アルキル(C12/C14)チオプロピオニルオキシ]5-tert-ブチルフェニル)スルファイド、ジトリデシル-3,3’-チオジプロピオネート、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ラウリル/ステアリルチオジプロピオネート、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、ジステアリル-ジサルファイドが挙げられる。
【0076】
その他の酸化防止剤としては、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-エチル-α-メチルニトロン、N-オクチル-α-ヘプチルニトロン、N-ラウリル-α-ウンデシルニトロン、N-テトラデシル-α-トリデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-オクチル-α-ヘプタデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-ヘプタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘプタデシルニトロン等のニトロン化合物、3-アリールベンゾフラン-2(3H)-オン、3-(アルコキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(アシルオキシフェニル)ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(3,4-ジメチルフェニル)-ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-{4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル}-ベンゾフラン-2(3H)-オン、6-(2-(4-(5,7-ジ-tert-2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)フェノキシ)エトキシ)-6-オキソヘキシル-6-((6-ヒドロキシヘキサノイル)オキシ)ヘキサノエート、5-ジ-tert-ブチル-3-(4-((15-ヒドロキシ-3,6,9,13-テトラオキサペンタデシル)オキシ)フェニル)ベンゾフラン-2(3H)オン等のベンゾフラン化合物等が挙げられる。
【0077】
ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-モルホリノ-s-トリアジン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-tert-オクチルアミノ-s-トリアジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8-12-テトラアザドデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルヘキサデカノエート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオクタデカノエート等が挙げられる。
【0078】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等の2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4-tert-オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2-エチル-2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、トリオクチル-2,2’,2”-((1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(3-ヒドロキシベンゼン-4-,1-ジイル)トリプロピオネート)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、1,12-ビス[2-[4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-3-ヒドロキシフェノキシ]エチル]ドデカンジオエート等のトリアジン類;各種の金属塩、または金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、またはキレート類等が挙げられる。
【0079】
脂肪酸金属塩としては、例えば、直鎖または分岐状の脂肪酸残基を含む炭素原子数12~30の脂肪酸の金属塩等が挙げられる。脂肪酸金属塩を構成する金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、ジヒドロキシアルミニウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン等が挙げられ、これらの中ではナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、カルシウムイオンが好ましい。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられ、これらの中ではミリスチン酸、ステアリン酸が好ましい。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸は、脂肪酸残基の水素原子のうち一または二以上が水酸基で置換されたものであってもよい。このような脂肪酸としては、例えば、12-ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシオレイン酸等が挙げられる。
【0080】
滑剤としては、例えばグリセロールラウリン酸モノエステル、グリセロールミリスチン酸モノエステル、グリセロールパルミチン酸モノエステル、グリセロールステアリン酸モノエステル、グリセロールオレイン酸モノエステル、グリセロールリノール酸モノエステル、グリセロールリノレン酸モノエステル、グリセロールアラキジン酸モノエステル、グリセロールアラキドン酸モノエステル、グリセロールベヘン酸モノエステル、グリセロールエルカ酸モノエステル、グリセロールリグノセリン酸モノエステル、グリセロールセロチン酸モノエステル、グリセロールモンタン酸モノエステル、グリセロールメリシン酸モノエステル、グリセロール12-ヒドロキシステアリン酸モノエステル、グリセロールリシノール酸モノエステル等の脂肪酸エステル、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキジン酸アミド、アラキドン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、リグノセリン酸アミド、セロチン酸アミド、モンタン酸アミド、メリシン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、リシノール酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスリノール酸アミド、メチレンビスリノレン酸アミド、メチレンビスアラキジン酸アミド、メチレンビスアラキドン酸アミド、メチレンビスベヘン酸アミド、メチレンビスリグノセリン酸アミド、メチレンビスセロチン酸アミド、メチレンビスモンタン酸アミド、メチレンビスメリシン酸アミド、メチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスリシノール酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスリノール酸アミド、エチレンビスリノレン酸アミド、エチレンビスアラキジン酸アミド、エチレンビスアラキドン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスリグノセリン酸アミド、エチレンビスセロチン酸アミド、エチレンビスモンタン酸アミド、エチレンビスメリシン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスリシノール酸アミド等の脂肪酸アミド、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等の脂肪酸、上述の脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基として例示した脂肪酸残基に水酸基が結合したもの等の高級アルコール、マンニトール等の糖アルコールなどが挙げられる。
【0081】
難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル-2,6-ジキシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、(1-メチルエチリデン)-4,1-フェニレンテトラフェニルジホスフェート、1,3-フェニレンテトラキス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフェート、株式会社ADEKA製の商品名「アデカスタブFP-500」、「アデカスタブFP-600」、「アデカスタブFP-800」の芳香族リン酸エステル、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸(1-ブテニル)等のホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド誘導体等のホスフィン酸エステル、ビス(2-アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン、リン含有ビニルベンジル化合物および赤リン等のリン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2-ジブロモ-4-(1,2-ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレンおよび2,4,6-トリス(トリブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、トリブロモフェニルマレイミド、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、テトラブロモビスフェノールA型ジメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、および、臭素化スチレン等の臭素系難燃剤等が挙げられる。これら難燃剤は、フッ素樹脂等のドリップ防止剤や多価アルコール、ハイドロタルサイト等の難燃助剤と併用することが好ましい。
【0082】
充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス粉末、ガラス繊維、クレー、ドロマイト、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート等を挙げることができ、粒子径(繊維状においては繊維径や繊維長およびアスペクト比)を適宜選択して用いることができる。これら充填剤の中では、剛性を付与する効果に優れ、かつ入手が容易であることから、タルクが特に好ましく用いられる。また、充填剤は、必要に応じて表面処理したものを用いることができる。
【0083】
ハイドロタルサイト類は、マグネシウム、アルミニウム、水酸基、炭酸基および任意の結晶水を含む複合塩化合物とすることができ、天然物であっても合成物であってもよい。また、ハイドロタルサイト類の結晶構造、粒子形状および粒子サイズは特に限定されるものではない。さらに、ハイドロタルサイト類は、マグネシウムまたはアルミニウムの少なくとも一部がアルカリ金属や亜鉛等の他の金属で置換されたものであってもよく、水酸基や炭酸基の少なくとも一部が他のアニオン基で置換されたものであってもよい。さらにまた、ハイドロタルサイト類は、結晶水が脱水されたものであってもよく、表面がステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス等で被覆されたものであってもよい。
【0084】
帯電防止剤としては、例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤等による低分子型帯電防止剤、高分子化合物による高分子型帯電防止剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリオレフィングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤;ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中ではアニオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が好ましい。
【0085】
高分子型帯電防止剤としては、アイオノマーやポリエチレングリコールを親水部とするブロックポリマー等が挙げられる。アイオノマーとしては、特開2010-132927号公報に記載のアイオノマーが挙げられる。ポリエチレングリコールを親水部とするポリマーとしては、例えば、特開平7-10989号公報に記載のポリエーテルエステルアミド、米国特許第6552131号公報に記載のポリオレフィンとポリエチレングリコールからなるポリマー、特開2016-023254号公報に記載のポリエステルとポリエチレングリコールからなるポリマー等が挙げられる。
【0086】
蛍光増白剤とは、太陽光や人工光の紫外線を吸収し、これを紫~青色の可視光線に変えて輻射する蛍光作用によって、成形体の白色度や青味を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、ベンゾオキサゾール系化合物C.I.Fluorescent Brightener184;クマリン系化合物C.I.Fluorescent Brightener52;ジアミノスチルベンジスルフォン酸系化合物C.I.Fluorescent Brightener24、85、71等が挙げられる。
【0087】
着色剤としては、例えばピグメントレッド1、2、3、9、10、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリーン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、29、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、15、19、23、27、29、30、32、37、40、50等の顔料、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等の染料などが挙げられる。
【0088】
造粒助剤としては、バインダー、ワックス、溶剤、シリカなどが挙げられる。
【0089】
上述したように、本実施形態の添加剤組成物は、顆粒状である。添加剤組成物の平均粒子径、安息角、ゆるみかさ密度、かためかさ密度、圧縮度などの粉体特性値は、添加剤組成物の合成樹脂への分散性、顆粒の流動性などが所望の程度となるような値とすることができる。具体的には、平均粒子径は例えば0.1~100μmとすることができ、安息角は例えば20~70°とすることができ、ゆるみかさ密度は例えば0.1~0.8g/cmとすることができ、かためかさ密度は例えば0.2~1g/cmとすることができ、圧縮比は例えば1~10とすることができる。ここで、平均粒子径とは、JIS Z 8825に準拠したレーザー回折法により測定される粒子径分布から算出される平均粒子径であり、安息角は、円筒回転法により測定される安息角であり、ゆるみかさ密度は、JIS K 5101-12-1に準拠して測定されるかさ密度であり、かためかさ密度は、JIS K 5101-12-2に準拠して測定されるかさ密度であり、圧縮比は、下記式により算出される値である。
(圧縮比)=(かためかさ密度)/(ゆるみかさ密度)
【0090】
本実施形態の添加剤組成物を製造する方法としては、例えば上述した一般式(1)で表される一価の基を含む化合物および必要に応じてその他の添加剤をFMミキサー、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等の混合装置を用いて混合した後、転動造粒法、流動層造粒法、撹拌造粒法、解砕造粒法、圧縮造粒法、押出造粒法、溶解造粒法などの造粒方法によって顆粒化する方法などが挙げられる。ここで造粒方法としては、圧縮造粒法または押出造粒法が好ましい。
【0091】
次に、本実施形態の樹脂組成物について説明する。
<樹脂組成物>
【0092】
本実施形態の樹脂組成物は、合成樹脂と、下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物と、を含むものである。
【0093】
【化20】
【0094】
ここで一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。
【0095】
本実施形態の樹脂組成物は、優れた特性を備えるものになる。
【0096】
合成樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸、ポリフェニレンサルファイドなどの結晶性樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、含ハロゲン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキサイドなどの非晶性樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。合成樹脂は、1種が単独で含まれていても、2種以上が組み合わせて含まれていてもよい。また、合成樹脂は共重合体であってもよく、ポリマーアロイであってもよい。
【0097】
本実施形態の樹脂組成物において、合成樹脂は熱可塑性樹脂であることが好ましく、結晶性樹脂であることがさらに好ましい。また、本実施形態の樹脂組成物においては、合成樹脂がポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、ブロックコポリマーポリプロピレン、インパクトコポリマーポリプロピレン、ハイインパクトコポリマーポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリブテン-1、シクロオレフィンポリマー、ポリ-3-メチル-1-ブテン、ポリ-3-メチル-1-ペンテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のα-オレフィン共重合体等が挙げられる。樹脂組成物の耐熱性をより優れたものにする観点から、本実施形態の樹脂組成物においては、ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、ポリプロピレン系樹脂を含むことが特に好ましい。樹脂組成物からなる成形品の透明性をより優れたものにする観点から、ポリプロピレン系樹脂としては、ランダムコポリマーポリプロピレンが特に好ましい。ポリオレフィン系樹脂の分子量、重合度、密度、軟化点、溶媒への不溶分の割合、立体規則性の程度、触媒残渣の有無、原料となるモノマーの種類や配合比率、重合に使用される触媒の種類(例えば、チーグラー触媒、メタロセン触媒等)等は特に限定されるものではなく、適宜選択される。
【0098】
本実施形態の樹脂組成物において、合成樹脂はエラストマーを含むものであってもよい。この場合、樹脂組成物からなる成形品は、優れた耐衝撃性を備えるものとなる。ここで、エラストマーとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴム、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中では、樹脂組成物の加工性をより優れたものとし、かつ、樹脂組成物からなる成形品をより軽量化する観点から、熱可塑性エラストマーが好ましい。また、熱可塑性エラストマーの中では、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。本実施形態の樹脂組成物において、合成樹脂がエラストマーを含む場合、エラストマーの含有量は、例えば、合成樹脂全体の50質量%以下とすることができ、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。また、エラストマーの含有量は、例えば、合成樹脂全体の5質量%以上とすることができる。
【0099】
本実施形態の樹脂組成物において、一般式(1)で表される一価の基を含む化合物の含有量は、例えば、合成樹脂100質量部に対して0.001~10質量部とすることができる。樹脂組成物の特性をより優れたものとする観点から、一般式(1)で表される一価の基を含む化合物の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、0.005質量部以上であることが好ましく、0.01質量部以上であることがより好ましく、0.02質量部以上であることがさらに好ましく、0.05質量部以上であることがさらに一層好ましい。また、ブルームの発生や一般式(1)で表される一価の基を含む化合物の移行を十分に抑制する観点から、一般式(1)で表される一価の基を含む化合物の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましく、0.5質量部以下であることがさらに一層好ましい。さらに、樹脂組成物からなる成形品の透明性をより優れたものにする観点から、一般式(1)で表される一価の基を含む化合物の含有量は、合成樹脂100質量部に対して0.2質量部以下であることも好ましい。
【0100】
本実施形態の樹脂組成物には、必要に応じて、上述した添加剤組成物に含まれる添加剤として例示したその他の添加剤がさらに含まれていてもよい。
【0101】
次に本実施形態の樹脂組成物の製造方法について説明する。
<樹脂組成物の製造方法>
【0102】
本実施形態の樹脂組成物を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、上述した一般式(1)で表される一価の基を含む化合物および必要に応じてその他の添加剤を準備する準備工程と、準備工程で準備した各成分と合成樹脂を混合する配合工程とを含む方法などが挙げられる。配合工程において、一般式(1)で表される一価の基を含む化合物は上述した添加剤組成物として合成樹脂と混合してもよい。すなわち、本実施形態の樹脂組成物を製造する方法は、合成樹脂と、上述した添加剤組成物と、を混合する配合工程を含む方法であってもよい。また、配合工程において、一般式(1)で表される一価の基を含む化合物は後述する合成樹脂用添加剤マスターバッチとして合成樹脂と混合してもよい。すなわち、本実施形態の樹脂組成物を製造する方法は、合成樹脂と、後述する合成樹脂用添加剤マスターバッチと、を混合する配合工程を含む方法であってもよい。
【0103】
また、配合工程において、各成分を混合する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂に準備工程で準備した各成分を添加した後、FMミキサー、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等の混合装置を用いて混合する方法などが挙げられる。さらに、本実施形態の樹脂組成物を製造する方法は、上記の準備工程および配合工程に加え、配合工程で得られた混合物を単軸押出機、二軸押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練する溶融混練工程をさらに含む方法であってもよい。ここで、溶融混練工程における溶融混練の温度は、例えば、180~280℃とすることができる。また、本実施形態の樹脂組成物を製造する方法は、溶融混練工程で得られた混練物を造粒する造粒工程をさらに含む方法であってもよい。ここで、造粒の方法としては特に限定されるものではなく、例えば、ペレタイザー等の造粒装置を用いる方法等が挙げられる。また、造粒して得られる樹脂組成物の形状は特に限定されず、例えば、ペレット状とすることができる。さらに、本実施形態の樹脂組成物を製造する方法は、上述した一般式(1)で表される一価の基を含む化合物および必要に応じてその他の添加剤のうち少なくとも一つを、合成樹脂モノマーまたはオリゴマーの重合前または重合中に添加し、残りの成分を得られた重合体に添加する方法であってもよい。
【0104】
次に、本実施形態の合成樹脂用添加剤マスターバッチについて説明する。
<合成樹脂用添加剤マスターバッチ>
【0105】
本実施形態の合成樹脂用添加剤マスターバッチは、上述の樹脂組成物からなるものである。
【0106】
本実施形態の合成樹脂用添加剤マスターバッチによれば、合成樹脂に優れた特性を付与できる。
【0107】
合成樹脂用添加剤マスターバッチ中における合成樹脂の含有量は、例えば、マスターバッチ全体の1~99.99質量%とすることができ、5~99.9質量%であることが好ましく、10~90質量%であることがより好ましく、10~80質量%であることがさらに好ましく、10~60質量%であることがさらに一層好ましい。
【0108】
次に、本実施形態の成形品について説明する。
【0109】
<成形品>
本実施形態の成形品は、上述した樹脂組成物を成形して得られるものである。
【0110】
本実施形態の成形品は、優れた特性を備えるものとなる。
【0111】
成形品としては、例えば、射出成形品、繊維、フラットヤーン、二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、シート、サーモフォーミング成形品、押出ブロー成形品、射出ブロー成形品、射出延伸ブロー成形品、異形押出成形品、回転成形品などが挙げられる。成形品の好ましい具体例としては、ボトル、ジャー、カップ、バケツ、箱、缶、タンクなどの容器が挙げられる。
【0112】
成形品を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、回転成形法、真空成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、スラッシュ成形法、ディップ成形法、サーモフォーミング成形法などの方法が挙げられる。
【0113】
本発明のさらなる実施形態として、例えば以下のものが挙げられる。
[1]
下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物を含み、
顆粒状である、
添加剤組成物。
【化21】
(一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。)
[2]
合成樹脂と、
下記一般式(1)で表される一価の基を含む化合物と、
を含む樹脂組成物。
【化22】
(一般式(1)中、Xは2価の基を表し、ArおよびArはそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、*は他の原子と結合する部位を表す。)
[3]
合成樹脂がポリオレフィン系樹脂を含む、[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
[2]または[3]に記載の樹脂組成物からなる合成樹脂用添加剤マスターバッチ。
[5]
[2]または[3]に記載の樹脂組成物を成形して得られる成形品。
[6]
合成樹脂と、
[1]に記載の添加剤組成物と、
を混合する配合工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
[7]
合成樹脂と、
[4]に記載の合成樹脂用添加剤マスターバッチと、
を混合する配合工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
【実施例0114】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら制限を受けるものではない。
【0115】
各実施例において使用した合成樹脂、一般式(1)で表される一価の基を含む化合物、酸化防止剤、脂肪酸金属塩、滑剤、ヒンダードアミン化合物および紫外線吸収剤は以下の通りである。
[合成樹脂]
PP-1:ランダムコポリマーポリプロピレン(230℃、荷重2.16kgにおけるMFR=12g/10min)
PP-2:ホモポリプロピレン(230℃、荷重2.16kgにおけるMFR=8g/10min)
PP-3:ホモポリプロピレン(230℃、荷重2.16kgにおけるMFR=3g/10min)
PP-4:ホモポリプロピレン(230℃、荷重2.16kgにおけるMFR=1.5g/10min)
[一般式(1)で表される一価の基を含む化合物]
CA-1:下記の構造を有する4’’,4’’’-ビス[4’,6’-ビス(4-シクロヘキシルフェノキシ)-1’,3’,5’-トリアジン-2’-オキシ]ビフェニル(CAS登録番号2761026-52-0)
【化23】
[酸化防止剤]
AO-1:ADEKA社製、商品名「アデカスタブAO-60」
AO-2:ADEKA社製、商品名「アデカスタブ2112」
AO-3:ADEKA社製、商品名「アデカスタブAO-20」
AO-4:ADEKA社製、商品名「アデカスタブAO-30」
AO-5:ADEKA社製、商品名「アデカスタブAO-40」
AO-6:ADEKA社製、商品名「アデカスタブAO-50」
AO-7:ADEKA社製、商品名「アデカスタブAO-80」
AO-8:ADEKA社製、商品名「アデカスタブAO-330」
[脂肪酸金属塩]
FM-1:ステアリン酸カルシウム
[滑剤]
LB-1:グリセロールステアリン酸モノエステル
[ヒンダードアミン化合物]
HALS-1:2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルステアレートおよび2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルパルミテートの混合物
HALS-2:1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレートおよび1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルパルミテートの混合物
HALS-3:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-77Y」
HALS-4:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-72」
HALS-5:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-57」
HALS-6:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-52」
HALS-7:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-63P」
HALS-8:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-81」
[紫外線吸収剤]
UVA-1:ヘキサデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート
UVA-2:2,4-ジ-tert-ブチルフェニル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート
UVA-3:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-31」
UVA-4:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-24」
UVA-5:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-29」
UVA-6:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-32」
UVA-7:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-36」
UVA-8:ADEKA社製、商品名「アデカスタブ1413」
UVA-9:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-46」
UVA-10:ADEKA社製、商品名「アデカスタブLA-F70」
UVA-11:2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン
【0116】
(添加剤組成物の作製)
[実施例1~31]
下記表1および表2に示す一般式(1)で表される一価の基を含む化合物、酸化防止剤、脂肪酸金属塩、滑剤、ヒンダードアミン化合物および紫外線吸収剤を表1および表2に示す配合量配合し、FMミキサー(三井鉱山社製 FM200)を用いて1000rpmで1分間混合して添加剤混合物を得た。こうして得られた添加剤混合物を添加剤混合物1~31とした。続いて、添加剤混合物1~31を二軸押出機(小型二軸セグメント押出機(2D15W)を接続したラボプラストミルマイクロ(東洋精機製作所社製))に投入し、溶融温度160℃、押出スクリュー速度20rpmの条件で溶融混練してダイ径2mmφのストランドダイから溶融物のストランドを吐出させ、吐出した幅450mm、奥行150mm、高さ220mmの水槽(冷却水温度20~25℃)を備えるペレタイザー(東洋精機製作所社製、MPETC1)を用いて、引取速度3m/分で造粒し、実施例1~31の添加剤組成物を直径2mm、高さ5mmの円柱状の顆粒として得た。なお、表1および表2において、各成分の配合量の単位は質量部である。
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
[実施例32~62]
添加剤混合物1~31をディスクペレッター(ダルトン社製 F-5/11-175D)を用いて造粒温度90℃で造粒し、実施例32~62の添加剤組成物を直径3mm、高さ5~9mmの円柱状の顆粒として得た。
【0120】
[実施例63~93]
添加剤混合物1~31をモイストグラニュレーター(アレクサンダーバーク社製 GA65)を用いて造粒温度90℃で造粒し、実施例63~93の添加剤組成物を直径2mm、高さ3~7mmの円柱状の顆粒として得た。
【0121】
[実施例94~124]
添加剤混合物1~31をギャーペレタイザー(ホソカワミクロン社製 GCS200/60)を用いて造粒温度90℃で造粒し、実施例94~124の添加剤組成物を直径3mm、高さ3~7mmの円柱状の顆粒として得た。
【0122】
[実施例125~155]
添加剤混合物1~31をローラーコンパクター(フロイント・ターボ株式会社製 FT-105)を用いて造粒温度30℃で造粒し、実施例125~155の添加剤組成物をフレーク状の顆粒として得た。
【0123】
実施例1~155の添加剤組成物のJIS K 5101-12-1に準拠して測定されるゆるみかさ密度は、0.54g/cm、JIS K 5101-12-2に準拠して測定されるかためかさ密度は0.59g/cm、圧縮比は1.1であった。
【0124】
(合成樹脂用添加剤マスターバッチの作製)
下記表3~表7に示す合成樹脂、酸化防止剤、脂肪酸金属塩、滑剤、ヒンダードアミン化合物および紫外線吸収剤を表3~表7に示す配合量配合した後、ロッキングミキサー(愛知電機社製 RM-150)を用いて30分間混合した。得られた混合物を、2軸押出機(日本製鋼所社製 TEX-28V)を用いて、樹脂温度240℃、150rpmのスクリュー速度の加工条件で溶融混練した後、造粒し、実施例156~197の合成樹脂用添加剤マスターバッチをペレットとして得た。なお、表3~表7において、各成分の配合量の単位は質量部である。
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】
【表6】
【0129】
【表7】
【0130】
実施例156~197の合成樹脂用添加剤マスターバッチのJIS K 5101-12-1に準拠して測定されるゆるみかさ密度は、0.50g/cm、JIS K 5101-12-2に準拠して測定されるかためかさ密度は0.55g/cm、圧縮比は1.1であった。
【0131】
(樹脂組成物の調製)
(製造例1~155)
合成樹脂としてPP-1を100質量部、実施例1~155の添加剤組成物を1質量部配合した後、ロッキングミキサー(愛知電機社製 RM-150)を用いて30分間混合した。得られた混合物を、2軸押出機(日本製鋼所社製 TEX-28V)を用いて、樹脂温度240℃、150rpmのスクリュー速度の加工条件で溶融混練した後、造粒して樹脂組成物をペレットとして得た。
(製造例156~310)
合成樹脂としてPP-1に代えてPP-2を使用した以外は製造例1~155と同様にして、樹脂組成物を得た。
(製造例311~465)
合成樹脂としてPP-1に代えてPP-3を使用した以外は製造例1~155と同様にして、樹脂組成物を得た。
(製造例466~620)
合成樹脂としてPP-1に代えてPP-4を使用した以外は製造例1~155と同様にして、樹脂組成物を得た。
【0132】
(製造例621~655)
合成樹脂としてPP-1を、合成樹脂用添加剤マスターバッチとして実施例156~190の合成樹脂用添加剤マスターバッチを、樹脂組成物に含まれる合成樹脂100質量部に対する一般式(1)で表される一価の基を含む化合物が0.2質量部となるような配合割合で配合した後、ロッキングミキサー(愛知電機社製 RM-150)を用いて30分間混合した。得られた混合物を、2軸押出機(日本製鋼所社製 TEX-28V)を用いて、樹脂温度240℃、150rpmのスクリュー速度の加工条件で溶融混練した後、造粒して樹脂組成物をペレットとして得た。
(製造例656~657)
合成樹脂としてPP-2を、合成樹脂用添加剤マスターバッチとして実施例191~192の合成樹脂用添加剤マスターバッチを、樹脂組成物に含まれる合成樹脂100質量部に対する一般式(1)で表される一価の基を含む化合物が0.2質量部となるような配合割合で配合した後、ロッキングミキサー(愛知電機社製 RM-150)を用いて30分間混合した。得られた混合物を、2軸押出機(日本製鋼所社製 TEX-28V)を用いて、樹脂温度240℃、150rpmのスクリュー速度の加工条件で溶融混練した後、造粒して樹脂組成物をペレットとして得た。
(製造例658~661)
合成樹脂としてPP-3を、合成樹脂用添加剤マスターバッチとして実施例193~196の合成樹脂用添加剤マスターバッチを、樹脂組成物に含まれる合成樹脂100質量部に対する一般式(1)で表される一価の基を含む化合物が0.2質量部となるような配合割合で配合した後、ロッキングミキサー(愛知電機社製 RM-150)を用いて30分間混合した。得られた混合物を、2軸押出機(日本製鋼所社製 TEX-28V)を用いて、樹脂温度240℃、150rpmのスクリュー速度の加工条件で溶融混練した後、造粒して樹脂組成物をペレットとして得た。
(製造例662)
合成樹脂としてPP-4を、合成樹脂用添加剤マスターバッチとして実施例197の合成樹脂用添加剤マスターバッチを、樹脂組成物に含まれる合成樹脂100質量部に対する一般式(1)で表される一価の基を含む化合物が0.2質量部となるような配合割合で配合した後、ロッキングミキサー(愛知電機社製 RM-150)を用いて30分間混合した。得られた混合物を、2軸押出機(日本製鋼所社製 TEX-28V)を用いて、樹脂温度240℃、150rpmのスクリュー速度の加工条件で溶融混練した後、造粒して樹脂組成物をペレットとして得た。
【0133】
製造例1~662で得られた樹脂組成物を80℃で8時間乾燥後、射出成形機(東芝機械社製EC-100-2A)を用いて、樹脂温度240℃、金型温度40℃の条件で射出成形して成形品を得た。こうして得られた成形品は優れた特性を有するものであった。