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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025013917
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】ペプチド化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/06 20060101AFI20250121BHJP
   C07K 1/02 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
C07K1/06 ZNA
C07K1/02
C07K1/06
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024185857
(22)【出願日】2024-10-22
(62)【分割の表示】P 2021507338の分割
【原出願日】2020-03-16
(31)【優先権主張番号】P 2019048930
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】506269633
【氏名又は名称】ペプチドリーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】竹内 久征
(72)【発明者】
【氏名】浅香 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】長屋 昭裕
(72)【発明者】
【氏名】半田 道玄
(72)【発明者】
【氏名】舛屋 圭一
(72)【発明者】
【氏名】田栗 知憲
(72)【発明者】
【氏名】根本 圭崇
(72)【発明者】
【氏名】小林 豊
(72)【発明者】
【氏名】松田 歩
(72)【発明者】
【氏名】倉崎 晴彰
(72)【発明者】
【氏名】キャリー ダグラス ロバート
(57)【要約】      (修正有)
【課題】N-アルキルアミノ酸を含み、C末端が無保護であるペプチドの製造方法を提供する。
【解決手段】下記工程(1)乃至(3)を含む、N-アルキルアミノ酸を含むペプチドの製造方法を提供する。工程(1):N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドをカルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルと混合する工程;工程(2):N末端およびC末端を保護していないアミノ酸またはペプチドをトリアルキルシリル化剤と混合する工程;および工程(1)で得られた生成物と工程(2)で得られた生成物とを混合する工程。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程(1)乃至(3):
(1)
式(I)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、Aは、アミノ酸由来の基、N-C1-6アルキルアミノ酸由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)またはペプチド由来の基を表す)で表されるN末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドを
式(II)
【化1】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級または3級の脂肪族炭化水素基を表すか、あるいは炭素数が4以上であり、置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基(ここで、1級の脂肪族炭化水素基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)を表す)で表されるカルボン酸ハロゲン化物、および式(III)
【化2】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級の脂肪族炭化水素基を表す)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルよりなる群から選択される活性化剤と混合する工程;
(2)
式(IV)H-A-OH(式中、Aは、N-C1-6アルキルアミノ酸由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)、あるいはN末端残基がN-C1-6アルキルアミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級アミノ酸(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)であるペプチド由来の基を表す)で表されるアミノ酸またはペプチドをシリル化剤と混合する工程;
(3)
工程(1)で得られた生成物と工程(2)で得られた生成物とを混合する工程、
を含むペプチドの製造方法。
【請求項2】
下記工程(1)乃至(3):
(1)
式(I)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、Aは、アミノ酸由来の基またはN-C1-6アルキルアミノ酸由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)を表す)で表されるN末端保護アミノ酸を
式(II)
【化3】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級または3級の脂肪族炭化水素基を表すか、あるいは炭素数が4以上であり、置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基(ここで、1級の脂肪族炭化水素基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)を表す)で表されるカルボン酸ハロゲン化物および
式(III)
【化4】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級の脂肪族炭化水素基を表す)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルよりなる群から選択される活性化剤と混合する工程;
(2)
式(IV)H-A-OH(式中、Aは、N-メチルアミノ酸由来の基、N-C1-6アルキルグリシン由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基、あるいはN末端残基がN-メチルアミノ酸、N-C1-6アルキルグリシン(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸であるペプチド由来の基を表す)で表されるアミノ酸またはペプチドをシリル化剤と混合する工程;
(3)
工程(1)で得られた生成物と工程(2)で得られた生成物とを混合する工程、
を含むペプチドの製造方法。
【請求項3】
下記工程(1)乃至(3):
(1)
式(V)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、Aは、ペプチド由来の基を表す)で表されるN末端保護ペプチドを
式(II)
【化5】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級または3級の脂肪族炭化水素基を表すか、あるいは炭素数が4以上であり、置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基(ここで、1級の脂肪族炭化水素基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)を表す)で表されるカルボン酸ハロゲン化物と混合する工程;
(2)
式(IV')H-A2’-OH(式中、A2’は、N-メチルアミノ酸由来の基、N-C1-6アルキルグリシン由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基を表す)で表されるアミノ酸をシリル化剤と混合する工程;
(3)
工程(1)で得られた生成物と工程(2)で得られた生成物とを混合する工程、
を含むペプチドの製造方法。
【請求項4】
工程(3)で得られたペプチドのN末端の保護基を除去する工程を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項5】
さらに下記工程(4)および(5):。
(4)
工程(3)または(5)で得られたペプチドのN末端の保護基を除去する工程;
(5)
工程(4)で得られたペプチドのN末端に、N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドを反応させる工程、
の繰り返しを1以上含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項6】
式(I)P-A-OHまたは式(V)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、AおよびAは、それぞれペプチド由来の基を表す)で表されるN末端保護ペプチド中のC末端に位置するアミノ酸が、N-C1-6アルキルアミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級アミノ酸(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)以外のアミノ酸である、請求項1または3に記載のペプチドの製造方法。
【請求項7】
が、アミノ酸由来の基である、請求項1または2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項8】
式(I)で表されるN末端保護アミノ酸または式(I)で表されるN末端保護ペプチド中のC末端に位置するアミノ酸が、α-アミノ酸、β-アミノ酸またはγ-アミノ酸である、請求項1または2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項9】
式(I)で表されるN末端保護アミノ酸又は式(I)で表されるN末端保護ペプチド中のC末端に位置するアミノ酸が、α-アミノ酸である、請求項8に記載のペプチドの製造方法。
【請求項10】
式(IV)で表されるアミノ酸または式(IV)で表されるペプチド中のN末端に位置するアミノ酸が、N-C1-6アルキル-α-アミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級-α-アミノ酸である、請求項1に記載のペプチドの製造方法。
【請求項11】
式(IV)で表されるアミノ酸または式(IV)で表されるペプチド中のN末端に位置するアミノ酸が、N-メチル-α-アミノ酸もしくはN-エチル-α-アミノ酸(N-メチル、N-エチルはそれぞれ置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級-α-アミノ酸である、請求項1に記載のペプチドの製造方法。
【請求項12】
活性化剤が式(II)で表されるカルボン酸ハロゲン化物であり、R1の炭素数が5乃至20であり、Xが塩素原子である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項13】
活性化剤が式(II)で表されるカルボン酸ハロゲン化物であり、下記の化合物群から選択される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のペプチドの製造方法。
【化6】
【請求項14】
活性化剤が式(II)で表されるカルボン酸ハロゲン化物であり、下記の化合物群から選択される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のペプチドの製造方法。
【化7】
【請求項15】
活性化剤が下記の化合物である、請求項13又は14に記載のペプチドの製造方法。
【化8】
【請求項16】
活性化剤が式(III)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルであり、Xが塩素原子である、請求項1または2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項17】
活性化剤が式(III)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルであり、下記の化合物群から選択される、請求項1または2に記載のペプチドの製造方法。
【化9】
【請求項18】
活性化剤が式(III)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルであり、下記の化合物群から選択される、請求項1または2に記載のペプチドの製造方法。
【化10】
【請求項19】
シリル化剤がトリメチルシリル化剤である請求項1乃至18のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項20】
シリル化剤が、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,N′-ビス(トリメチルシリル)尿素またはN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドである、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の、ペプチドの製造方法。
【請求項21】
シリル化剤が、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドである、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の、ペプチドの製造方法。
【請求項22】
式(IV)で表されるアミノ酸またはペプチドが、それぞれ、プロリン以外のアミノ酸またはN末端残基がプロリン以外のアミノ酸残基であるペプチドである、請求項1に記載のペプチドの製造方法。
【請求項23】
式(IV’)で表されるアミノ酸が、プロリン以外のアミノ酸である請求項3に記載のペプチドの製造方法。
【請求項24】
下記式:
【化11】

で表される化合物。
【請求項25】
下記式:
【化12】

で表される化合物。
【請求項26】
下記式:
【化13】

で表される化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-アルキルアミノ酸を有するペプチドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年タンパク質製剤に代わる次世代の薬剤として、比較的低分子量(1,000-3,000)で、非天然型のアミノ酸を含む特殊ペプチドへの期待が高まりつつある。特殊ペプチドの例として、通常のアミノ酸以外のN-アルキルアミノ酸を含むペプチドが挙げられる。N-アルキルアミノ酸を含むペプチドは、通常のペプチドと比較して、構造の自由度が低く標的と強く結合できる、膜透過性を有する、免疫原性が低い、生体内で安定である、といった特徴を有している。そこで、N-アルキルアミノ酸を含むペプチドの効率的な製造方法の開発が強く望まれている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
N-アルキルアミノ酸を含むペプチドの製造方法は、例えば以下の方法が知られている。
(1)生成物のC末端が保護されているペプチド
-N末端保護アミノ酸のC末端を塩化ピバロイルで活性化し、N-メチルアミノ酸のベンジルエステルを反応させる方法(例えば、特許文献1参照)。
(2)生成物のC末端が無保護のペプチド
-N末端保護アミノ酸のC末端をイソブチルクロロホルメートで活性化し、シリル化されたN-メチルグリシン(サルコシン)やプロリンを反応させる方法(例えば、非特許文献2参照)。
-N末端保護ペプチドのC末端を1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3,-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)で活性化し、N-メチルアラニンを反応させる方法(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、N-メチルアミノ酸が連続したペプチドの製造方法としては、N-Boc-N-メチルロイシンのC末端を塩化ピバロイルで活性化し、N-メチルフェニルアラニンメチルエステルを反応させる方法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5739104号
【特許文献2】国際公開公報第2009/134405号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ファルマシア 2014年, 50巻, 751-755頁
【非特許文献2】インディアン ジャーナル オブ ケミストリー 2004年、43B巻、1282頁
【非特許文献3】テトラへドロン 2012年、68巻、7070頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らが確認したところ、非特許文献2に記載の方法を用いてN末端が保護されたアミノ酸のC末端に、N末端にアルキル基を有するアミノ酸を導入する場合、導入するアミノ酸のタイプにより必ずしも十分な転化率で反応が進行せず、特にN-メチルグリシンのような非環状のN-アルキルアミノ酸やペプチドでは原料が大量に残存し、満足のいく収率で目的物を得ることが出来なかった。原料の残存は幾つかのアミノ酸が欠損したペプチドが生成する原因となり、目的とするペプチドと物性が近いことから除去が難しく、品質上の課題となっている。また特許文献2に記載の方法は、縮合剤として爆発性を有するトリアゾール構造を含むHATUを用いており、工業的なペプチドの製造において、必ずしも適用できるものではなかった。
一方、特許文献1、非特許文献3に記載の方法では、生成するペプチドのC末端が保護されており、C末端が無保護のペプチドを得るには、さらに脱保護工程が必要となる。従って、縮合工程に加えて必ず脱保護工程が発生するため、ペプチドの効率的な製造法として適用できるものではなかった。
【0008】
本発明は、N-アルキルアミノ酸を含み、C末端が無保護であるペプチドを製造する方法を提供する。また、本発明は、N-アルキル基を含みN末端およびC末端が保護されていないアミノ酸またはペプチドと、N末端保護アミノ酸またはペプチドを材料として用い、ペプチドを製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討した結果、N-アルキル基を含み、N末端およびC末端が保護されていない無保護アミノ酸またはペプチドをシリル化剤と混合し、さらにN末端保護アミノ酸またはペプチドを特定の構造を有するカルボン酸活性化剤と混合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下を特徴とするものである。
【0010】
[1] 下記工程(1)乃至(3):
(1)
式(I)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、Aは、アミノ酸由来の基、N-C1-6アルキルアミノ酸由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)またはペプチド由来の基を表す)で表されるN末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドを
式(II)
【化1】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級または3級の脂肪族炭化水素基を表すか、あるいは炭素数が4以上であり、置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基(ここで、1級の脂肪族炭化水素基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)を表す)で表されるカルボン酸ハロゲン化物、および式(III)
【化2】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級の脂肪族炭化水素基を表す)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルよりなる群から選択される活性化剤と混合する工程;
(2)
式(IV)H-A-OH(式中、Aは、N-C1-6アルキルアミノ酸由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)、あるいはN末端残基がN-C1-6アルキルアミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級アミノ酸(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)であるペプチド由来の基を表す)で表されるアミノ酸またはペプチドをシリル化剤と混合する工程;
(3)
工程(1)で得られた生成物と工程(2)で得られた生成物とを混合する工程、
を含むペプチドの製造方法。
【0011】
[2] 下記工程(1)乃至(3):
(1)
式(I)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、Aは、アミノ酸由来の基またはN-C1-6アルキルアミノ酸由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)を表す)で表されるN末端保護アミノ酸を
式(II)
【化3】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級または3級の脂肪族炭化水素基を表すか、あるいは炭素数が4以上であり、置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基(ここで、1級の脂肪族炭化水素基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)を表す)で表されるカルボン酸ハロゲン化物および
式(III)
【化4】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級の脂肪族炭化水素基を表す)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルよりなる群から選択される活性化剤と混合する工程;
(2)
式(IV)H-A-OH(式中、Aは、N-メチルアミノ酸由来の基、N-C1-6アルキルグリシン由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基、あるいはN末端残基がN-メチルアミノ酸、N-C1-6アルキルグリシン(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸であるペプチド由来の基を表す)で表されるアミノ酸またはペプチドをシリル化剤と混合する工程;
(3)
工程(1)で得られた生成物と工程(2)で得られた生成物とを混合する工程、
を含むペプチドの製造方法。
【0012】
[3] 下記工程(1)乃至(3):
(1)
式(V)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、Aは、ペプチド由来の基を表す)で表されるN末端保護ペプチドを
式(II)
【化5】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級または3級の脂肪族炭化水素基を表すか、あるいは炭素数が4以上であり、置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基(ここで、1級の脂肪族炭化水素基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)を表す)で表されるカルボン酸ハロゲン化物と混合する工程;
(2)
式(IV')H-A2’-OH(式中、A2’は、N-メチルアミノ酸由来の基、N-C1-6アルキルグリシン由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基を表す)で表されるアミノ酸をシリル化剤と混合する工程;
(3)
工程(1)で得られた生成物と工程(2)で得られた生成物とを混合する工程、
を含むペプチドの製造方法。
【0013】
[4] 工程(3)で得られたペプチドのN末端の保護基を除去する工程を含む、上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のペプチドの製造方法。
【0014】
[5] さらに下記工程(4)および(5):。
(4)
工程(3)または(5)で得られたペプチドのN末端の保護基を除去する工程;
(5)
工程(4)で得られたペプチドのN末端に、N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドを反応させる工程、
の繰り返しを1以上含む、上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のペプチドの製造方法。
【0015】
[6] 式(I)P-A-OHまたは式(V)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、AおよびAは、それぞれペプチド由来の基を表す)で表されるN末端保護ペプチド中のC末端に位置するアミノ酸が、N-C1-6アルキルアミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級アミノ酸(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)以外のアミノ酸である、上記[1]または[3]に記載のペプチドの製造方法。
【0016】
[7] Aが、アミノ酸由来の基である、上記[1]または[2]に記載のペプチドの製造方法。
【0017】
[8] 式(I)で表されるN末端保護アミノ酸または式(I)で表されるN末端保護ペプチド中のC末端に位置するアミノ酸が、α-アミノ酸、β-アミノ酸またはγ-アミノ酸である、上記[1]または[2]に記載のペプチドの製造方法。
【0018】
[9] 式(I)で表されるN末端保護アミノ酸又は式(I)で表されるN末端保護ペプチド中のC末端に位置するアミノ酸が、α-アミノ酸である、上記[8]に記載のペプチドの製造方法。
【0019】
[10] 式(IV)で表されるアミノ酸または式(IV)で表されるペプチド中のN末端に位置するアミノ酸が、N-C1-6アルキル-α-アミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級-α-アミノ酸である、上記[1]に記載のペプチドの製造方法。
【0020】
[11] 式(IV)で表されるアミノ酸または式(IV)で表されるペプチド中のN末端に位置するアミノ酸が、N-メチル-α-アミノ酸もしくはN-エチル-α-アミノ酸(N-メチル、N-エチルはそれぞれ置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級-α-アミノ酸である、上記[1]に記載のペプチドの製造方法。
【0021】
[12] 活性化剤が式(II)で表されるカルボン酸ハロゲン化物であり、R1の炭素数が5乃至20であり、Xが塩素原子である、上記[1]乃至[11]のいずれかに記載のペプチドの製造方法。
【0022】
[13] 活性化剤が式(II)で表されるカルボン酸ハロゲン化物であり、下記の化合物群から選択される、上記[1]乃至[12]のいずれかに記載のペプチドの製造方法。
【化6】
【0023】
[14] 活性化剤が式(II)で表されるカルボン酸ハロゲン化物であり、下記の化合物群から選択される、上記[1]乃至[12]のいずれかに記載のペプチドの製造方法。
【化7】
【0024】
[15]活性化剤が下記の化合物である、上記[13]又は[14]に記載のペプチドの製造方法。
【化8】
【0025】
[16] 活性化剤が式(III)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルであり、Xが塩素原子である、上記[1]または[2]に記載のペプチドの製造方法。
【0026】
[17] 活性化剤が式(III)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルであり、下記の化合物群から選択される、上記[1]または[2]に記載のペプチドの製造方法。
【化9】
【0027】
[18] 活性化剤が式(III)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルであり、下記の化合物群から選択される、上記[1]または[2]に記載のペプチドの製造方法。
【化10】
【0028】
[19] シリル化剤がトリメチルシリル化剤である上記[1]乃至[18]のいずれかに記載のペプチドの製造方法。
【0029】
[20] シリル化剤が、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,N′-ビス(トリメチルシリル)尿素またはN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドである、上記[1]乃至[19]のいずれかに記載の、ペプチドの製造方法。
【0030】
[21] シリル化剤が、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドである、上記[1]乃至[20]のいずれかに記載の、ペプチドの製造方法。
【0031】
[22] 式(IV)で表されるアミノ酸またはペプチドが、それぞれ、プロリン以外のアミノ酸またはN末端残基がプロリン以外のアミノ酸残基であるペプチドである、上記[1]に記載のペプチドの製造方法。
【0032】
[23] 式(IV’)で表されるアミノ酸が、プロリン以外のアミノ酸である上記[3]に記載のペプチドの製造方法。
【0033】
[24] 下記式:
【化11】

で表される化合物。
【発明の効果】
【0034】
本発明により、N-アルキル基を含みN末端およびC末端が保護されていないアミノ酸またはペプチドと、N末端保護アミノ酸またはペプチドを材料として用い、C末端が無保護であるペプチドの新規な製造方法を提供することができた。本発明の製造方法により、工業的に適用可能な試薬を用い、少ない工程で、導入するN-アルキルアミノ酸、さらには導入するペプチドのN末端残基のN-アルキルアミノ酸のタイプによらず、目的とするペプチドを満足のいく収率で得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明について、詳細に説明する。
本明細書における「n-」はノルマル、「s-」はセカンダリー、「t-」および「tert-」はターシャリー、「Me」はメチル、「Et」はエチル、「Pr」はプロピル、「Bu」はブチル、「Ph」はフェニル、「Bn」はベンジル、「Boc」はt-ブトキシカルボニル、「Cbz」はベンジルオキシカルボニル、「Fmoc」は9-フルオレニルメトキシカルボニル、「Trt」はトリチル、「TMS」はトリメチルシリル、「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味する。
【0036】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
【0037】
本発明において、「アルキル基」は、直鎖または分岐鎖状の、飽和脂肪族炭化水素の1価の基を意味する。「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1乃至6個である直鎖または分岐鎖状のアルキル基を意味し、具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、n-ヘキシル基、3,3-ジメチルブタン-2-イル基などが挙げられる。
【0038】
「2級または3級のC5-40アルキル基」とは、炭素数が5乃至40個であり、少なくとも1個の2級または3級の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素から、該2級または3級の炭素原子上の水素が取り除かれた1価の基を意味し、具体例としては、2-メチルブタン-2-イル基、3-メチルブタン-2-イル基、3,3-ジメチルブタン-2-イル基、3-ペンチル基、2,2,4-トリメチルペンタン-3-イル基、2,4-ジメチルペンタン-3-イル基、4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-イル基、3-ヘプチル基、2,2,4,8,10,10-ヘキサメチルウンデカン-5-イル基などが挙げられる。また「2級または3級のC5-20アルキル基」とは、炭素数が5乃至20個である、2級または3級のアルキル基を意味する。
【0039】
「1級のC4-40アルキル基」とは、炭素数が4乃至40個である直鎖または分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素から、1級の炭素原子上の水素が取り除かれた1価の基を意味し、n-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、2-メチルブチル基または3-メチルブチル基、あるいはn-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-イコシル基、n-トリアコンチル基、n-テトラコンチル基またはそれらの異性体である1級アルキル基などが挙げられる。また「1級のC4-20アルキル基」とは、炭素数が4乃至20個である、1級のアルキル基を意味する。
【0040】
本発明において、「アルケニル基」は、直鎖または分岐鎖状の、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む、不飽和脂肪族炭化水素の1価の基を意味する。「2級または3級のアルケニル基」は、少なくとも1個の2級または3級の炭素原子と、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む、不飽和脂肪族炭化水素から、該2級または3級の炭素原子上の水素が取り除かれた1価の基を意味し、具体例としては、イソプロペニル基、1-メチル-1-プロペニル基などが挙げられる。また「2級または3級のC5-40アルケニル基」とは、炭素数が5乃至40個であり、「2級または3級のC5-20アルケニル基」とは、炭素数が5乃至20個である、2級または3級のアルケニル基を意味する。
【0041】
「1級のC4-40アルケニル基」とは、炭素数が4乃至40個である直鎖または分岐鎖状の、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む、不飽和脂肪族炭化水素から、該1級の炭素原子上の水素が取り除かれた1価の基を意味し、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-ペンテニル基などが挙げられる。また「1級のC4-20アルケニル基」とは、炭素数が4乃至20個である、1級のアルケニル基を意味する。
【0042】
「C6-14アリール基」とは、炭素数が6乃至14個である芳香族炭化水素基を意味し、その具体例としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、ビフェニル基などが挙げられる。また「C6-14アリール環」とは、炭素数が6乃至14個である芳香族炭化水素環を意味する。
【0043】
「C6-14ハロアリール基」とは、1つ以上のハロゲン原子で置換された炭素数が6乃至14個である芳香族炭化水素基を意味し、その具体例としては、4-クロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、5-フルオロ-1-ナフチル基、6-ブロモ-2-ナフチル基、6,7-ジヨード-1-アントリル基、10-ブロモ-9-アントリル基、4’-クロロ-(1,1’-ビフェニル)-2-イル基などが挙げられる。「C6-14ハロアリール環」とは、1つ以上のハロゲン原子で置換された炭素数が6乃至14個である芳香族炭化水素環を意味する。
【0044】
「C6-14アリールオキシ基」とは、炭素数が6乃至14個であるアリールオキシ基を意味し、具体例としては、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントリルオキシ基、2-アントリオキシ基、9-アントリオキシ基、ビフェニルオキシ基などが挙げられる。
【0045】
「5-10員複素環基」とは、環を構成する原子の数が5乃至10個であり、かつ環を構成する原子中に、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より独立して選ばれる1乃至4個のヘテロ原子を含有する単環系または縮合環系の複素環基を意味する。この複素環基は飽和、部分不飽和、不飽和のいずれであってもよく、具体例としては、ピロリジニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ピロール基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、アゼパニル基、オキセパニル基、チエパニル基、アゼピニル基、オキセピニル基、チエピニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリニル基、ピラジニル基、モルホリニル基、チアジニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、クロメニル基、イソクロメニル基などが挙げられる。
【0046】
「C1-6アルコキシ基」とは、炭素数が1乃至6個である直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基を意味し、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0047】
「C3-6シクロアルキル基」とは、炭素数が3乃至6個である環状の飽和脂肪族炭化水素の一価の基を意味し、具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0048】
「C3-8シクロアルキル基」とは、炭素数が3乃至8個であるシクロアルキル基を意味し、具体例としては、前記「C3-6シクロアルキル基」の例に加え、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。また、「C5-8シクロアルキル基」とは、炭素数が5乃至8個であり、「C5-6シクロアルキル基」とは、炭素数が5乃至6個である、シクロアルキル基を意味する。「C3-8シクロアルキル環」とは、炭素数が3乃至8個であるシクロアルキル環を意味する。
【0049】
「C3-6シクロアルコキシ基」とは、炭素数が3乃至6個であるシクロアルキルオキシ基を意味し、具体例としては、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0050】
「モノC1-6アルキルアミノ基」とは、1個の前記「C1-6アルキル基」がアミノ基に結合した基を意味し、具体例としては、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、モノ-n-プロピルアミノ基、モノイソプロピルアミノ基、モノ-n-ブチルアミノ基、モノイソブチルアミノ基、モノ-t-ブチルアミノ基、モノ-n-ペンチルアミノ基、モノ-n-ヘキシルアミノ基などが挙げられる。
【0051】
「ジC1-6アルキルアミノ基」とは、同一または異なる2個の前記「C1-6アルキル基」がアミノ基に結合した基を意味し、具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-t-ブチルアミノ基、ジ-n-ペンチルアミノ基、ジ-n-ヘキシルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-n-プロピルアミノ基、N-イソプロピル-N-メチルアミノ基、N-n-ブチル-N-メチルアミノ基、N-イソブチル-N-メチルアミノ基、N-t-ブチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-n-ペンチルアミノ基、N-n-ヘキシル-N-メチルアミノ基、N-エチル-N-n-プロピルアミノ基、N-エチル-N-イソプロピルアミノ基、N-n-ブチル-N-エチルアミノ基、N-エチル-N-イソブチルアミノ基、N-t-ブチル-N-エチルアミノ基、N-エチル-N-n-ペンチルアミノ基、N-エチル-N-n-ヘキシルアミノ基などが挙げられる。
【0052】
「C1-6アルコキシカルボニル基」とは、炭素数が1乃至6個である直鎖または分岐鎖状のアルコキシカルボニル基を意味し、具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0053】
「トリC1-6アルキルシリル基」とは、同一または異なる3個の前記「C1-6アルキル基」がシリル基に結合した基を意味し、具体例としては、トリメチルシリル(TMS)基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ジ-t-ブチルイソブチルシリル基などが挙げられる。
【0054】
「トリC1-6アルキルシリルオキシ基」とは、同一または異なる3個の前記「C1-6アルキル基」がシリルオキシ基に結合した基を意味し、具体例としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基、ジ-t-ブチルイソブチルシリルオキシ基などが挙げられる。
【0055】
「ビシクロアルキル基」とは、2個の橋頭炭素を含み、かつ2個の環を有する飽和脂肪族炭化水素の一価の基を意味し、具体例としては、オクタヒドロインデン-3-イル基、オクタヒドロナフタレン-4-イル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル基またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基などが挙げられる。また「C5-10ビシクロアルキル基」とは、炭素数が5乃至10個であり、「C7-10ビシクロアルキル基」とは、炭素数が7乃至10個である、ビシクロアルキル基を意味する。
【0056】
「トリシクロアルキル基」とは、少なくとも3個の橋頭炭素を含み、かつ3個の環を有する飽和脂肪族炭化水素の一価の基を意味し、具体例としては、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-1-イル(アダマンタン-1-イル)基またはトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-2-イル(アダマンタン-2-イル)基などが挙げられる。また「C5-15トリシクロアルキル基」とは、炭素数が5乃至15個であり、「C7-15トリシクロアルキル基」とは、炭素数が7乃至15個である、トリシクロアルキル基を意味する。
【0057】
「2級または3級の脂肪族炭化水素基」とは、炭化水素鎖に少なくとも1個の2級または3級の炭素原子を含む、分岐鎖状または環状の、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素から、該2級または3級の炭素原子上の水素が取り除かれた1価の基であり、2級または3級のアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基、2級または3級のアルケニル基などが挙げられ、具体例としては、炭素数が5以上の2級または3級のアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基、2級または3級のアルケニル基等が挙げられ、好ましくは2級または3級のC5-40アルキル基、C5-10ビシクロアルキル基、C5-15トリシクロアルキル基、2級または3級のC5-40アルケニル基等が挙げられ、より好ましくは2級または3級のC5-20アルキル基、C7-10ビシクロアルキル基、C7-15トリシクロアルキル基、2級または3級のC5-20アルケニル基等が挙げられる。
【0058】
「2級の脂肪族炭化水素基」とは、炭化水素鎖に少なくとも1個の2級の炭素原子を含む、分岐鎖状または環状の、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素から、該2級の炭素原子上の水素が取り除かれた1価の基であり、2級のアルキル基、シクロアルキル基、2級のアルケニル基等が挙げられ、具体例としては、炭素数が5以上の2級のアルキル基、シクロアルキル基、2級のアルケニル基等が挙げられ、好ましくは2級のC5-40アルキル基、C3-8シクロアルキル基、2級のC5-40アルケニル基等が挙げられ、より好ましくは2級のC5-20アルキル基、C3-6シクロアルキル基、2級のC5-20アルケニル基等が挙げられる。
【0059】
「1級の脂肪族炭化水素基」とは、直鎖状または分岐鎖状の、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素から、1級の炭素原子上の水素が取り除かれた1価の基であり、1級のアルキル基、1級のアルケニル基などが挙げられ、具体例としては、炭素数が4以上の1級のアルキル基、1級のアルケニル基等が挙げられ、好ましくは1級のC4-40アルキル基、1級のC4-40アルケニル基等が挙げられ、より好ましくは1級のC4-20アルキル基、1級のC4-20アルケニル基等が挙げられる。
【0060】
「置換基を有していてもよい」とは、無置換であるか、または任意の数の任意の置換基で置換されていることを意味する。
【0061】
「置換基を有している」とは、任意の数の任意の置換基で置換されていることを意味する。
【0062】
上記の「任意の置換基」は、本発明が対象とする反応に悪影響を与えない置換基であれば特に種類は限定されない。
【0063】
「C1-6アルキル基は置換基を有していてもよい」場合における「置換基」としては、例えば、C6-14アリール基、C6-14ハロアリール基、C6-14アリールオキシ基、5-10員複素環基、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルコキシ基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、モノC1-6アルキルアミノ基、N-アセチルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、N-メチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、トリC1-6アルキルシリル基、トリC1-6アルキルシリルオキシ基、C3-8シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、好ましくは、C6-14アリール基、C6-14ハロアリール基、C1-6アルコキシ基、ジC1-6アルキルアミノ基、トリC1-6アルキルシリル基、トリC1-6アルキルシリルオキシ基、C3-8シクロアルキル基であり、より好ましくは、C6-14アリール基、C6-14ハロアリール基、C1-6アルコキシ基、トリC1-6アルキルシリル基、C3-8シクロアルキル基であり、更に好ましくはC6-14アリール基またはC3-8シクロアルキル基であり、特に好ましくは、フェニル基又はシクロヘキシル基である。
【0064】
「置換基を有していてもよい2級または3級の脂肪族炭化水素基」または「置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基」における「置換基」としては、例えば、C6-14アリール基、C6-14ハロアリール基、C6-14アリールオキシ基、5-10員複素環基、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルコキシ基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、モノC1-6アルキルアミノ基、N-アセチルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、N-メチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、トリC1-6アルキルシリル基、トリC1-6アルキルシリルオキシ基、C3-8シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、好ましくは、C6-14アリール基、C6-14ハロアリール基、C1-6アルコキシ基、ジC1-6アルキルアミノ基、トリC1-6アルキルシリル基、トリC1-6アルキルシリルオキシ基、C3-8シクロアルキル基であり、より好ましくは、C6-14アリール基、C6-14ハロアリール基、C1-6アルコキシ基、トリC1-6アルキルシリル基、C3-8シクロアルキル基であり、更に好ましくはC6-14アリール基またはC3-8シクロアルキル基である。なお、式(II)で表されるカルボン酸ハロゲン化物のRとしての「置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基」における「置換基」は、カルボニル炭素に結合する1級の炭素原子上の水素原子と置き換えられる。
【0065】
「N末端保護アミノ酸」および「N末端保護ペプチド」とは、それぞれ、N末端のアミノ基が保護されており、C末端のカルボキシ基が保護されていないアミノ酸およびペプチドを意味する。また「C末端保護アミノ酸」および「C末端保護ペプチド」とは、それぞれ、C末端のカルボキシ基が保護されており、N末端のアミノ基が保護されていないアミノ酸およびペプチドを意味する。
【0066】
「N末端およびC末端が保護されていないアミノ酸」および「N末端およびC末端が保護されていないペプチド」とは、それぞれ、N末端のアミノ基およびC末端のカルボキシ基が保護されていないアミノ酸およびペプチドを意味する。なお、N末端およびC末端が保護されていないアミノ酸において、側鎖等ペプチドの形成に関与しない反応性官能基が存在する場合、該官能基は保護されていてもよく、保護されていなくともよい。好ましくは側鎖保護アミノ酸である。
【0067】
本発明で使用されるアミノ酸は、アミノ基とカルボキシ基の両方の官能基を持つ有機化合物であり、天然および非天然のアミノ酸を意味する。好ましくはα-、β-またはγ-アミノ酸、あるいはホモアミノ酸であり、より好ましくはα-アミノ酸である。またこれらのアミノ酸に2以上のアミノ基が存在する場合(例えば、アルギニン、リシン、2,3-ジアミノプロピオン酸(Dap)等)、2以上のカルボキシ基が存在する場合(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、または反応性官能基が存在する場合(例えば、システイン、セリン、チロシン、グルタミン、ヒスチジン、トリプトファン等)、本発明で使用されるアミノ酸は、ペプチドの形成に関与しないアミノ基、カルボキシ基および/または反応性官能基が、保護および/または修飾されたアミノ酸も含む。
【0068】
本発明で使用される「4-6員の環状の2級アミノ酸」は、アミノ基の窒素原子と、アミノ基に結合する2つのアルキル基が一緒になって4-6員環を形成するアミノ酸を意味し、具体例としてはプロリンが挙げられる。4-6員環が、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合している場合、好ましい環状化合物はC6-14アリール環であり、より好ましくはベンゼンである。したがって4-6員の環状の2級アミノ酸が環状化合物と縮合している場合の具体例としては1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Tic)が挙げられる。
【0069】
本発明で使用されるN-C1-6アルキルアミノ酸は、アミノ酸のアミノ基が、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基で置換されたアミノ酸であり、好ましくはアミノ酸のアミノ基が、C6-14アリール基、C6-14ハロアリール基、C1-6アルコキシ基、ジC1-6アルキルアミノ基、トリC1-6アルキルシリル基、トリC1-6アルキルシリルオキシ基、またはC3-8シクロアルキル基を有していてもよいC1-6アルキル基で置換されたアミノ酸であり、より好ましくはアミノ酸のアミノ基が、C6-14アリール基、C6-14ハロアリール基、C1-6アルコキシ基、トリC1-6アルキルシリル基、またはC3-8シクロアルキル基を有していてもよいC1-6アルキル基で置換されたアミノ酸であり、更に好ましくはアミノ酸のアミノ基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基またはシクロヘキシルメチル基で置換されたアミノ酸であり、より更に好ましくはアミノ酸のアミノ基が、メチル基またはエチル基で置換されたアミノ酸であり、特に好ましくはアミノ酸のアミノ基が、メチル基で置換されたアミノ酸である。
【0070】
本発明で使用される「アミノ酸由来の基」、「N-C1-6アルキルアミノ酸由来の基」は、アミノ酸のアミノ基またはN-C1-6アルキルアミノ酸のN-C1-6アルキルアミノ基の窒素原子上から水素原子が除かれ、且つカルボキシ基からヒドロキシ基が除かれた2価の基を意味する。同様に、「N-メチルアミノ酸由来の基」は、N-メチルアミノ酸のN-メチルアミノ基の窒素原子上から水素原子が除かれ、且つカルボキシ基からヒドロキシ基が除かれた2価の基、「N-C1-6アルキルグリシン由来の基」は、N-C1-6アルキルグリシンのN-C1-6アルキルアミノ基の窒素原子上から水素原子が除かれ、且つカルボキシ基からヒドロキシ基が除かれた2価の基、「環状の2級アミノ酸由来の基」は、環状の2級アミノ酸の2級アミノ基の窒素原子上から水素原子が除かれ、且つカルボキシ基からヒドロキシ基が除かれた2価の基、「4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基」は、4-6員の環状の2級アミノ酸の2級アミノ基の窒素原子上から水素原子が除かれ、且つカルボキシ基からヒドロキシ基が除かれた2価の基を意味する。
【0071】
本発明で使用されるペプチドを構成するアミノ酸は、上述のアミノ酸である。
【0072】
本発明で使用される「ペプチド由来の基」は、N末端を構成する各種アミノ酸の1級または2級アミノ基から水素原子が除かれ、且つC末端を構成するアミノ酸のカルボキシ基からヒドロキシ基が除かれた2価の基を意味する。
【0073】
アミノ酸の立体構造は特に限定されないが、好ましくはL体である。
【0074】
本発明で使用され、例えば、式(I)および(V)においてPで表される「N末端保護基」とは、ペプチド伸長反応(アミド化反応)を行う際のN末端側の保護基であり、公知の保護基を用いることができる。その具体例としては、カルバメート系保護基(9-フルオレニルメトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、2-(p-ビフェニル)イソプロピルオキシカルボニル基等)、アミド系保護基(アセチル基、トリフルオロアセチル基等)、イミド系保護基(フタロイル基等)、スルホンアミド系保護基(p-トルエンスルホニル基、2-ニトロベンゼンスルホニル基等)、ベンジル基等であるが、好ましくは9-フルオレニルメトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0075】
本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様または同等の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及したすべての刊行物および特許は、例えば、記載された発明に関連して使用されうる刊行物に記載されている、構築物および方法論を記載および開示する目的で、参照として本明細書に組み入れられる。
【0076】
(本発明のペプチドの製造法の具体的な説明)
以下に本発明のペプチドの製造法の各工程(1)乃至(5)について説明する。
一つの態様として、本発明のペプチドの製造は、以下の工程(1)乃至(5)として記載されるそれぞれの単位工程により構成される。
一つの態様として、本発明のペプチドの製造は、以下の工程(1)乃至(5)として記載される単位工程を、すべてまたは適宜組み合わせることで行うことができる。
なお、本具体的な説明は以下に基づき説明される。
(a)工程(1)乃至(5)の記載におけるRおよびRは、上記と同義である。
(b)反応の具体的な条件は、本発明のペプチドの製造が達成される限りにおいて特に制限されない。各反応における好ましい条件は適宜詳述される。
(c)各反応で記載される溶媒は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
【0077】
工程(1)
本工程は、N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドをカルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルと混合する工程である。本工程は、N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドのC末端をカルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルで活性化する工程である。本発明の一態様では、式(I)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、Aは、アミノ酸由来の基、N-C1-6アルキルアミノ酸由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)またはペプチド由来の基を表す。)で表されるN末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドを、カルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルと混合する工程である。また本発明の別の一態様では、式(V)P-A-OH(式中、PはN末端保護基であり、Aは、ペプチド由来の基を表す。)で表されるN末端保護ペプチドを、カルボン酸ハロゲン化物と混合する工程である。
【0078】
N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドは、N末端保護された上述のアミノ酸またはペプチドであり、具体的には、N末端保護されたアミノ酸、N末端保護されたN-C1-6アルキルアミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)またはN末端保護されたペプチドである。なお本工程のN末端保護ペプチドは、好ましくは、そのC末端のアミノ酸が、N-C1-6アルキルアミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級アミノ酸(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)以外のアミノ酸である、N末端保護ペプチドである。
【0079】
カルボン酸ハロゲン化物は、下記式(II)で表される。
【0080】
【化12】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級または3級の脂肪族炭化水素基を表すか、または炭素数が4以上であり、置換基を有している1級の脂肪族炭化水素基(ここで、1級の脂肪族炭化水素基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)を表す。)
【0081】
式(II)で表されるカルボン酸ハロゲン化物は、好ましくは、Rが置換基を有していてもよい2級または3級のC5-40アルキル基、置換基を有していてもよいC5-10ビシクロアルキル基、置換基を有していてもよいC5-15トリシクロアルキル基、置換基を有していてもよい2級または3級のC5-40アルケニル基、あるいは置換基を有している1級のC4-40アルキル基または置換基を有している1級のC4-40アルケニル基(ここで、1級のC4-40アルキル基または1級のC4-40アルケニル基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)であるカルボン酸ハロゲン化物であり、より好ましくは、Rが置換基を有していてもよい2級または3級のC5-20アルキル基、置換基を有していてもよいC7-10ビシクロアルキル基、置換基を有していてもよいC7-15トリシクロアルキル基、置換基を有していてもよい2級または3級のC5-20アルケニル基、あるいは置換基を有している1級のC4-20アルキル基または置換基を有している1級のC4-20アルケニル基(ここで、1級のC4-20アルキル基または1級のC4-20アルケニル基の置換基は、カルボニル炭素に結合する炭素原子上に存在する)であるカルボン酸ハロゲン化物であり、更に好ましくは、Rが置換基を有していてもよい2級または3級のC5-20アルキル基、置換基を有していてもよいC7-10ビシクロアルキル基、置換基を有していてもよいC7-15トリシクロアルキル基、置換基を有していてもよい2級または3級のC5-20アルケニル基、あるいは置換基を有しているイソブチル基であるカルボン酸クロリドであり、更に好ましくは下記の化合物群から選択される。
【化13】
【0082】
特に好ましくは下記の化合物群から選択される。
【化14】
【0083】
ハロゲン化ギ酸アルキルは、下記式(III)で表される。
【化15】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは炭素数が5以上であり、置換基を有していてもよい2級の脂肪族炭化水素基を表す。)
【0084】
式(III)で表されるハロゲン化ギ酸アルキルは、好ましくは、Rが置換基を有していてもよい2級のC5-40アルキル基、置換基を有していてもよいC5-8シクロアルキル基、置換基を有していてもよい2級のC5-40アルケニル基であるハロゲン化ギ酸アルキルであり、より好ましくは、Rが置換基を有していてもよい2級のC5-20アルキル基、置換基を有していてもよいC5-6シクロアルキル基、置換基を有していてもよい2級のC5-20アルケニル基であるハロゲン化ギ酸アルキルであり、更に好ましくは、Rが置換基を有していてもよい2級のC5-20アルキル基、置換基を有していてもよいC5-6シクロアルキル基、置換基を有していてもよい2級のC5-20アルケニル基であるクロロギ酸アルキルであり、特に好ましくは下記の化合物群から選択される。
【化16】
【0085】
またはRにおける炭素数は、RまたはRがそれぞれ有する炭素原子数の合計であり、RまたはRが置換基を有している場合は、その置換基中の炭素原子数も含まれる。
【0086】
カルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルと、N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドとの混合(活性化反応)は、必要に応じて、塩基および/または溶媒の存在下で実施することができる。
【0087】
本工程で使用する塩基は、特に制限は無いが、その例としては、脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン)、芳香族アミン(例えば、ピリジン、イミダゾール、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン)、アミジン(例えば、ジアザビシクロウンデセン)、アルカリ金属塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム)等が挙げられる。好ましくは、脂肪族アミンであり、より好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはN-メチルモルホリンである。
【0088】
本工程で使用するカルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルの使用量は、N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドに対して、好ましくは0.2当量乃至50当量、より好ましくは0.5当量乃至20当量、さらに好ましくは0.8当量乃至5当量である。
【0089】
本工程で使用する塩基の使用量は、カルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルに対して、好ましくは0.2当量乃至50当量、より好ましくは0.5当量乃至20当量、さらに好ましくは0.8当量乃至5当量である。
【0090】
本工程で使用する溶媒は、活性化反応を妨げない限り特に限定されないが、その例としては、含ハロゲン炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル)、アミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド)、ニトリル溶媒(例えば、アセトニトリル)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、脂肪族炭化水素溶媒(例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン)、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル)等が挙げられる。好ましくはニトリル溶媒、アミド溶媒、またはエーテル溶媒であり、より好ましくはアセトニトリル、テトラヒドロフラン、またはN,N-ジメチルアセトアミドである。
【0091】
本工程で使用する溶媒の使用量は、カルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルに対して、好ましくは100質量倍以下であり、より好ましくは1質量倍乃至50質量倍であり、さらに好ましくは3質量倍乃至20質量倍である。
【0092】
このようにして、必要に応じて、溶媒および/または塩基の存在下に、N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドを、カルボン酸ハロゲン化物またはハロゲン化ギ酸アルキルと混合する。得られた混合物は、必要に応じて、油浴や冷却浴を用いて温度を制御する。混合物の温度は、特に制限は無いが、-40℃から混合物の還流温度までが好ましく、より好ましくは-20℃乃至50℃であり、さらに好ましくは-10℃乃至30℃である。
【0093】
本工程により、C末端が活性化されたN末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドが形成される。したがって、本工程により得られる生成物は、C末端が活性化されたN末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチド、あるいはそれらのいずれかを含む混合物を意味する。このようにして得られたC末端が活性化されたN末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドは、精製工程を経ることなく、反応液のまま、または(粗)精製物として単離して、続く工程(3)に使用してもよい。
【0094】
工程(2)
本工程は、N-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドをシリル化剤と混合する工程である。なお、本工程において、「N-アルキルアミノ酸」は、N末端のアミノ基およびC末端のカルボキシ基が保護されていないN-アルキルアミノ酸を意味し、「N末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチド」は、N末端にN-アルキルアミノ酸を有しN末端のアミノ基およびC末端のカルボキシ基が保護されていないペプチドを意味する。本工程は、N-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドをシリル化剤と反応させることにより、当該アミノ酸またはペプチドのC末端、N末端および/または(存在する場合には)ヒドロキシ基等の官能基の少なくとも一部が、トリアルキルシリル化されたN-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチド(以下、「トリアルキルシリル化されたアミノ酸またはペプチド」ともいう)を得る工程である。本発明の一態様では、式(IV)H-A-OH[式中、Aは、N-C1-6アルキルアミノ酸由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)、あるいはN末端残基がN-C1-6アルキルアミノ酸(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)または4-6員の環状の2級アミノ酸(4-6員環は、C6-14アリール環、C6-14ハロアリール環およびC3-8シクロアルキル環からなる群から選ばれる環状化合物と縮合していてもよい)であるペプチド由来の基を表す]で表されるN末端のアミノ基およびC末端のカルボキシ基が保護されていないアミノ酸またはN末端のアミノ基およびC末端のカルボキシ基が保護されていないペプチドをシリル化剤と混合する工程である。また本発明の別の一態様では、式(IV')H-A2’-OH[式中、A2’は、N-メチルアミノ酸由来の基、N-C1-6アルキルグリシン由来の基(C1-6アルキルは置換基を有していてもよい)、または4-6員の環状の2級アミノ酸由来の基を表す]で表されるN末端のアミノ基およびC末端のカルボキシ基が保護されていないアミノ酸をシリル化剤と混合する工程である。
【0095】
また、本工程のN-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドにおけるN末端のアミノ酸は、好ましくはN-C1-6アルキルアミノ酸(C1-6アルキルはシクロヘキシルまたはフェニルで置換されていてもよい)であり、より好ましくはN-メチルアミノ酸、N-エチルアミノ酸、N-プロピルアミノ酸、N-ブチルアミノ酸、N-ペンチルアミノ酸、N-シクロヘキシルメチルアミノ酸またはN-ベンジルアミノ酸であり、さらに好ましくはN-メチルアミノ酸またはN-エチルアミノ酸であり、特に好ましくはN-メチルアミノ酸である。
【0096】
本工程のシリル化剤としては、特に制限は無いが、その例としては、トリメチルシリルクロリド、トリメチルシリルシアニド、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン、N-トリメチルシリルアセトアミド、N,N′-ビス(トリメチルシリル)尿素、N-メチル-N-トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド等のトリメチルシリル化剤、N-(tert-ブチルジメチルシリル)-N-メチルトリフルオロアセトアミド等が挙げられる。好ましくは、トリメチルシリルクロリド、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,N′-ビス(トリメチルシリル)尿素またはN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドであり、より好ましくは、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドである。
【0097】
使用するシリル化剤の使用量は、N-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドに対して、好ましくは0.01当量乃至50当量、より好ましくは0.1当量乃至20当量、さらに好ましくは0.2当量乃至5当量である。
【0098】
N-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドと、シリル化剤との混合(シリル化反応)は、必要に応じて、塩基および/または溶媒の存在下で実施することができる。
【0099】
使用する塩基は、特に制限は無いが、その例としては、脂肪族アミン(例えば、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン)、芳香族アミン(例えば、ピリジン、イミダゾール、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン)、アルカリ金属塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム)等が挙げられる。好ましくは、脂肪族アミンであり、より好ましくはトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。
【0100】
使用する塩基の使用量は、N-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドに対して、好ましくは0.01当量乃至50当量、より好ましくは0.1当量乃至20当量、さらに好ましくは0.2当量乃至5当量である。
【0101】
本工程で使用する溶媒は、シリル化反応を妨げない限り特に限定されないが、その例としては、含ハロゲン炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル)、アミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、ニトリル溶媒(例えば、アセトニトリル)等が挙げられる。好ましくはニトリル溶媒、アミド溶媒、またはエーテル溶媒であり、より好ましくはアセトニトリル、テトラヒドロフラン、またはN,N-ジメチルアセトアミドである。
【0102】
本工程で使用する溶媒の使用量は、N-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドに対して、好ましくは100質量倍以下であり、より好ましくは1質量倍乃至50質量倍であり、さらに好ましくは3質量倍乃至20質量倍である。
【0103】
このようにして、必要に応じて、溶媒および/または塩基の存在下に、N-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドを、シリル化剤と混合する。得られた混合物は、必要に応じて、油浴や冷却浴を用いて温度を制御する。混合物の温度は、特に制限は無いが、0℃から混合物の還流温度までが好ましく、より好ましくは10℃乃至100℃であり、さらに好ましくは20℃乃至80℃である。また混合物は、マイクロ波照射に付されてもよい。
【0104】
本工程により、トリアルキルシリル化されたN-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドが形成される。したがって、本工程により得られる生成物は、トリアルキルシリル化されたN-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドを含む混合物を意味する。このようにして得られたトリアルキルシリル化されたアミノ酸またはペプチドは、精製工程を経ることなく、反応液のまま、または(粗)精製物として単離して、続く工程(3)に使用してもよい。また、トリアルキルシリル化されたN-アルキルアミノ酸またはN末端にN-アルキルアミノ酸を有するペプチドは、NMR等の分析機器により、解析することもできる。
【0105】
工程(3)
本工程は、工程(1)で得られた生成物と工程(2)で得られた生成物とを混合する工程である。本工程は、工程(1)で得られたC末端が活性化されたN末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドと、工程(2)で得られたトリアルキルシリル化されたアミノ酸またはペプチドを反応させるペプチド伸長工程であり、好ましくは、工程(1)で得られた反応液と、工程(2)で得られた反応液とを混合、撹拌することにより実施することができる。本発明の一態様では、工程(1)で得られたC末端が活性化されたN末端保護アミノ酸と、工程(2)で得られたトリアルキルシリル化されたアミノ酸またはペプチドを反応させるペプチド伸長工程である。本発明の別の一態様では、工程(1)で得られたC末端が活性化されたN末端保護ペプチドと、工程(2)で得られたトリアルキルシリル化されたアミノ酸を反応させるペプチド伸長工程である。
【0106】
得られた混合物は、必要に応じて、油浴や冷却浴を用いて温度を制御する。混合物の温度は、特に制限は無いが、-40℃から反応混合物の還流温度までが好ましく、より好ましくは-20℃乃至50℃であり、さらに好ましくは-10℃乃至30℃である。
【0107】
また、本発明のペプチドの製造方法において、工程(3)で得られたペプチドに対して、下記工程(4)乃至(5)を所望の回数繰返すことにより、ペプチド鎖をさらに伸長することができる。
(4)工程(3)または(5)で得られたペプチドのN末端の保護基を除去する工程。
(5)工程(4)で得られたペプチドのN末端に、N末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドを反応させる工程。
工程(5)は、上記工程(1)、(2)および(3)と同様の操作、または一般的なペプチド合成反応により実施することができる。
【0108】
本発明のペプチドの製造方法においては、次工程の反応に影響を及ぼさない範囲で工程(1)乃至(5)の精製工程を適宜省略することも可能である。
【0109】
工程(4):N末端の脱保護工程
本工程は、上記工程(3)または(5)で得られたペプチドから、N末端の保護基を除去し、N末端及びC末端が無保護のペプチドを得る工程である。
【0110】
本工程で使用する脱保護試薬は、使用する保護基に応じて適宜選択される。その例としては、酸(例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、ルイス酸)、2級または3級アミン(例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリエチルアミン)、加水素分解(例えば、パラジウム触媒/水素添加)等が挙げられる。
【0111】
本工程で使用する脱保護条件は、N末端保護基の種類により適宜選択されるが、例えば、9-フルオレニルメトキシカルボニル基の場合は、塩基で処理することにより行なわれ、t-ブトキシカルボニル基の場合は、酸で処理することにより行われ、ベンジルオキシカルボニル基やアリルオキシカルボニル基の場合は、中性で、例えば金属触媒の存在下、水素添加することにより行われる。
【0112】
各反応において、反応基質がヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシ基またはカルボニル基を有する場合(特にアミノ酸またはペプチドの側鎖に官能基を有する場合)、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
【0113】
保護および脱保護は、一般的に知られている保護基を用いて、保護・脱保護反応(例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第4版(Protective Group in Organic Synthesis, Fourth edition)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(2006年)など参照)を行うことにより実施することができる。
【0114】
工程(1)で使用されるN末端保護アミノ酸またはN末端保護ペプチドにおけるN末端アミノ酸(以下、アミノ酸A)と、工程(2)で使用されるアミノ酸またはペプチドにおけるN末端アミノ酸(以下、アミノ酸B)の組み合わせについては、特に限定はされないが、好ましくは、アミノ酸A、Bがそれぞれ、α-、β-またはγ-アミノ酸であり、より好ましくは、アミノ酸Aまたはアミノ酸Bのいずれかがα-アミノ酸であり、更に好ましくは、アミノ酸Aがα-アミノ酸であり、アミノ酸Bがα-アミノ酸、β-アミノ酸またはγ-アミノ酸であるか、またはアミノ酸Aがα-アミノ酸、β-アミノ酸またはγ-アミノ酸であり、アミノ酸Bがα-アミノ酸であり、特に好ましくは、アミノ酸Aがα-アミノ酸であり、アミノ酸Bがα-アミノ酸、β-アミノ酸またはγ-アミノ酸である。
また、工程(2)で使用されるペプチドにおけるN末端アミノ酸は、α-アミノ酸が好ましい。
【実施例0115】
以下に参考例、比較例および実施例としての合成例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0116】
本明細書において、アミノ酸等を略号で表示する場合、各表示は、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものである。
【0117】
なお、合成例中、「(v/v)」は(体積/体積)を、「M」はmol/Lを意味する。
【0118】
以下の合成例において、マイクロ波反応装置は、Initiator+(Biotage製)を用いた。
【0119】
合成例のプロトン核磁気共鳴(H-NMR)は、特に記述が無い場合は、日本電子(JEOL)社製JNM-ECP300、または日本電子(JEOL)社製JNM-ECX300、またはブルカー(Bruker)社製AscendTM500を用いて重クロロホルムまたは重ジメチルスルホキシド溶媒中で測定し、化学シフトは、テトラメチルシランを内部標準(0.0ppm)としたときのδ値(ppm)で示した。
【0120】
NMRスペクトルの記載において、「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「q」はカルテット、「dd」はダブレット オブ ダブレット、「dt」はダブレット オブ トリプレット、「sept」はセプテット、「m」はマルチプレット、「br」はブロード、「J」はカップリング定数、「Hz」はヘルツ、「CDCl」は重クロロホルム、「DMSO-d」は重ジメチルスルホキシドを意味する。
【0121】
高速液体クロマトグラフィー/質量分析は、特に記載が無い場合は、Waters社製ACQUITY UPLC H-Class/QDa、Waters社製ACQUITY UPLC H-Class/SQD2、またはShimadzu社製LC-20AD/Triple Tof5600のいずれかを用いて測定した。
【0122】
高速液体クロマトグラフィー/質量分析の記載において、ESI+はエレクトロスプレーイオン化法のポジティブモードであり、M+Hはプロトン付加体、M+Naはナトリウム付加体を意味する。
【0123】
高速液体クロマトグラフィー/質量分析の記載において、ESI-はエレクトロスプレーイオン化法のネガティブモードであり、M-Hはプロトン欠損体を意味する。
【0124】
原料と生成物の比は、合成例8乃至50においては、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析<分析条件1>乃至<分析条件3>のいずれかによって算出した。
<分析条件1>
高速液体クロマトグラフィー:Waters製 ACQUITY UPLC H-Class/SQD2
カラム:Phenomenex 社製 Kinetex EVO C18 (1.7μm, 2.1 x 50 mm)
カラムオーブン温度:60℃
溶離液:アセトニトリル:0.025 vol%トリフルオロ酢酸水溶液
5:95(0-2.1分)、95:5(2.1-2.84分)(v/v)
溶離液速度:0.6 mL/分
検出波長:220 nm
<分析条件2>
高速液体クロマトグラフィー:Waters製 ACQUITY UPLC H-Class/SQD2
カラム:Waters社製 ACQUITY BEH C18 (1.7μm, 2.1 x 100 mm)
カラムオーブン温度:60℃
溶離液:アセトニトリル:0.025 vol% トリフルオロ酢酸水溶液
5:95(0-3.7分)、95:5(3.7-4.81分)(v/v)
溶離液速度:0.6 mL/分
検出波長:220 nm
<分析条件3>
高速液体クロマトグラフィー:Waters製 ACQUITY UPLC H-Class/SQD2
カラム:Waters社製 ACQUITY BEH C18 (1.7μm, 2.1 x 100 mm)
カラムオーブン温度:40℃
溶離液:アセトニトリル:0.025 vol% トリフルオロ酢酸水溶液
5:95(0-5.56分)、95:5(5.56-7.22分)(v/v)
溶離液速度:0.4 mL/分
検出波長:220 nm
【0125】
シリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製は、特に記述がない場合は、山善製Hi-Flashカラム、バイオタージ製SNAP Ultra Silica Cartridge、メルク製シリカゲル60または富士シリシア化学製PSQ60Bのいずれかを用いた。
【0126】
以下、特に記載がない場合、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドは純度98%の市販品を使用した。
【0127】
なお、以下の実施例において収率または定量収率が100%を超える場合がある。これらは、いずれも測定誤差、原料または生成物の純度の影響、もしくはその他の技術常識に基づく要因により100%を超えたものである。以下の実施例においては、収率が100%を超えた場合の原因について、個別に言及はしないが、当業者であれば、これらの実施例の科学的妥当性を十分に理解しうる。
【0128】
合成例1:4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-オールの合成
【化17】
【0129】
2-エチルブチルアルデヒド(3.69g、36.8mmol)をシクロペンチルメチルエーテル(40mL)と混合させ、-78℃にてtert-ブチルリチウムペンタン溶液(1.53M、26.5mL、40.5mmol)を加え5分撹拌した。得られた反応液を25℃まで昇温した後、エタノール(1.0mL)を加え、20質量%塩化アンモニウム水溶液(25mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-オール(5.22g、収率90%)を無色透明液体として得た。
【0130】
H-NMR(CDCl
δppm:0.88-0.94(9H+4H, m), 1.06-1.16(1H, m),1.27(1H,d,J=6.0Hz),1.29-1.38(2H,m),1.40-1.48(1H,m),1.52-1.58(1H,m),3.24(1H,d,J=6.0Hz).
【0131】
合成例2:4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-イルカルボノクロリデートの合成
【化18】
【0132】
4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-オール(5.21g、32.9mmol)、ピリジン(2.99g、37.9mmol)を四塩化炭素(50mL)と混合させ、0℃に冷却した。この溶液に、別途トリホスゲン(4.00g、13.5mmol)、四塩化炭素(10mL)を混合した溶液を加え、さらに60℃に加熱して8時間撹拌した。得られた反応液を水(50mL)で二回、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-イルカルボノクロリデート(6.56g、収率90%)を無色透明液体として得た。本化合物はこれ以上精製せずに次工程で用いた。
【0133】
H-NMR(CDCl
δppm:0.90-0.94(6H,m),0.97(9H,s),1.10-1.20(1H,m),1.25-1.35(1H,m),1.45-1.53(2H,m),1.59-1.67(1H,m),4.72(1H,d,J=2.0Hz).
【0134】
合成例3:2,2,4-トリメチルペンタン-3-オールの合成
【化19】
【0135】
イソブチルアルデヒド(3.61g、50.0mmol)をシクロペンチルメチルエーテル(50mL)と混合させ、-78℃にてtert-ブチルリチウムペンタン溶液(1.52M、36.2mL、55.0mmol)を加え5分間撹拌した。得られた反応液を25℃まで昇温した後、エタノール(1.0mL)を加え、20質量%塩化アンモニウム水溶液(25mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,2,4-トリメチルペンタン-3-オール(5.25g、収率81%)を無色透明液体として得た。
【0136】
H-NMR(CDCl
δppm:0.91(3H,d,J=7.0Hz),0.94(9H,s),1.01 (3H,d,J=7.0Hz),1.32(1H,d,J=6.5Hz),1.91-1.99(1H,m),3.11(1H,dd,J=6.5Hz,2.0Hz).
【0137】
合成例4:2,2,4-トリメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデートの合成
【化20】
【0138】
2,2,4-トリメチルペンタン-3-オール(5.25g、40.3mmol)、ピリジン(3.67g、46.3mmol)を四塩化炭素(40mL)と混合させ、0℃に冷却した。この溶液に、別途トリホスゲン(4.90g、16.5mmol)、四塩化炭素(20mL)を混合した溶液を加え、さらに60℃に加熱して8時間撹拌した。得られた反応液を水(50mL)で二回、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、2,2,4-トリメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(6.06g、収率78%)を無色透明液体として得た。本化合物はこれ以上精製せずに次工程で用いた。
【0139】
H-NMR(CDCl
δppm:0.97(3H,d,J=7.0Hz),0.99(9H,s),1.02 (3H,d,J=7.0Hz),2.04-2.13(1H,m),4.58(1H,d,J=3.0Hz).
【0140】
合成例5:3,3-ジメチルブタン-2-イルカルボノクロリデートの合成
【化21】
【0141】
3,3-ジメチルブタン-2-オール(3.36g、32.9mmol)、ピリジン(2.99g、37.8mmol)を四塩化炭素(40mL)と混合させ、0℃に冷却した。この溶液に、別途トリホスゲン(4.00g、13.5mmol)、四塩化炭素(15mL)を混合した溶液を加え、さらに60℃に加熱して8時間撹拌した。得られた反応液を水(50mL)で二回、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、3,3-ジメチルブタン-2-イルカルボノクロリデート(4.50g、収率83%)を無色透明液体として得た。本化合物はこれ以上精製せずに次工程で用いた。
【0142】
H-NMR(CDCl
δppm:0.96(9H,s),1.29(3H,d,J=6.5Hz),4.74 (1H,q,J=6.5Hz).
【0143】
合成例6:2,4-ジメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデートの合成
【化22】
【0144】
2,4-ジメチルペンタン-3-オール(3.49g、30.0mmol)、ピリジン(2.73g、34.5mmol)を四塩化炭素(40mL)と混合させ、0℃に冷却した。この溶液に、別途トリホスゲン(3.65g、12.3mmol)、四塩化炭素(15mL)を混合した溶液を加え、さらに60℃に加熱して8時間撹拌した。得られた反応液を水(50mL)で二回、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、2,4-ジメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(5.10g、収率95%)を無色透明液体として得た。本化合物はこれ以上精製せずに次工程で用いた。
【0145】
H-NMR(CDCl
δppm:0.94(6H,d,J=2.5Hz),0.95(6H,d,J=2.5Hz),1.94-2.04(2H,m)4.60(1H,t,J=6.0Hz).
【0146】
合成例7:3-メチルブタン-2-イルカルボノクロリデートの合成
【化23】

3-メチルブタン-2-オール(3.97g、45.0mmol)、ピリジン(4.09 g、51.8mmol)を四塩化炭素(40mL)と混合させ、0℃に冷却した。この溶液に、別途トリホスゲン(5.47g、18.5mmol)、四塩化炭素(20mL)を混合した溶液を加え、さらに60℃に加熱して8時間撹拌した。得られた反応液を水(50mL)で二回、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、3-メチルブタン-2-イルカルボノクロリデート(5.10g、収率95%)を無色透明液体として得た。本化合物はこれ以上精製せずに次工程で用いた。
【0147】
H-NMR(CDCl
δppm:0.95(3H,d,J=4.0Hz),0.97(3H,d,J=4.0Hz),1.31(3H,d,J=6.5Hz),1.87-1.94(1H,m),4.80(1H,sept,J=6.5Hz).
【0148】
合成例8:Boc-Phe-MePhe-OHの合成
【化24】
【0149】
Boc-Phe-OH(0.066g、0.25mmol)、トリエチルアミン(0.033g、0.32mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.040g、0.30mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.067g、0.38mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.161g、0.750mmol)、アセトニトリル(4mL)を混合させ、マイクロ波照射下で75℃にて3分間撹拌して調製した溶液を加え0℃にて2時間撹拌し、さらに25℃にて16時間撹拌した(原料:目的物=1:70(分析条件3))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(10mL)を2回、5質量%塩化ナトリウム水溶液(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Boc-Phe-MePhe-OH(0.125g、収率117%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+427.3
【0150】
合成例9:Fmoc-Phe-MePhe-OHの合成
【化25】
【0151】
Fmoc-Phe-OH(0.097g、0.25mmol)、N-メチルモルホリン(0.033g、0.33mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-イルカルボノクロリデート(0.066g、0.30mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.058g、0.33mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.141g、0.67mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、75℃にて20分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて5時間撹拌した(原料:目的物=1:13(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(20mL)、10質量%塩化ナトリウム水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-MePhe-OH(0.137g、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+549.3
【0152】
合成例10:Fmoc-Phe-MePhe-OHの合成
【化26】
【0153】
Fmoc-Phe-OH(0.097g、0.25mmol)、N-メチルモルホリン(0.033g、0.33mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(5.0mL)と混合させ、0℃にて4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-イルカルボノクロリデート(0.066g、0.30mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.058g、0.33mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.141g、0.67mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、75℃にて20分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて5時間撹拌した(原料:目的物=1:31(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(50mL)、10質量%塩化ナトリウム水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-MePhe-OH(0.137g、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+549.3
【0154】
合成例11:Fmoc-Phe-MePhe-OHの合成
【化27】
【0155】
Fmoc-Phe-OH(0.194g、0.500mmol)、トリエチルアミン(0.0607g、0.60mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.074g、0.550mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.108g、0.600mmol)、N,N′-ビス(トリメチルシリル)尿素(0.250g、1.20mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、マイクロ波照射下で75℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて67時間撹拌した(原料:目的物=1:20(分析条件2))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(80mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(50mL)、5質量%塩化ナトリウム水溶液(50mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Fmoc-Phe-MePhe-OH(0.322g、収率117%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+549.4
【0156】
合成例12:Fmoc-Phe-MePhe-OHの合成
【化28】
【0157】
Fmoc-Phe-OH(0.097g、0.250mmol)、トリエチルアミン(0.0304g、0.300mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.0371g、0.275mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.0538g、0.300mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(0.155g、0.601mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、75℃にて30分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて16時間撹拌した(原料:目的物=4.4:95.6(分析条件1;但し4時間攪拌時点))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Fmoc-Phe-MePhe-OH(0.135g、収率98%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+549.4
【0158】
合成例13:Boc-MePhe-MePhe-OHの合成
【化29】
【0159】
Boc-MePhe-OH(0.070g、0.250mmol)、トリエチルアミン(0.033g、0.32mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.040g、0.30mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.067g、0.38mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.161g、0.774mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、75℃にて3分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて16時間撹拌した(原料:目的物=7:93(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-MePhe-OH(0.127g、収率116%)を無色オイルとして得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+441.4
【0160】
合成例14:Boc-MePhe-Phe-OHの合成
【化30】
【0161】
Boc-MePhe-OH(1.40g、5.00mmol)、N-メチルモルホリン(0.556g、5.50mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)と混合させ、0℃にてクロロギ酸イソプロピル(0.643g、5.25mmol)を加え15分間撹拌した。この溶液に、別途H-Phe-OH(0.991g、6.00mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.57g、12.4mmol)、アセトニトリル(15mL)をマイクロ波照射下で75℃にて60分間撹拌して混合させ、調製した溶液を加え、0℃のまま30分間撹拌し、さらに25℃にて1.5時間攪拌した(原料:目的物=0:100(分析条件1))。得られた反応液を酢酸エチル(200mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(75mL)、5質量%塩化ナトリウム水溶液(75mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(75mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-Phe-OH(2.20g、収率103%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+427.3
【0162】
合成例15:Fmoc-MePhe-Phe-OHの合成
【化31】
【0163】
Fmoc-MePhe-OH(2.00g、5.00mmol)、N-メチルモルホリン(0.556g、5.50mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)と混合させ、0℃にてクロロギ酸イソプロピル(0.663g、5.25mmol)を加え30分間撹拌した。この溶液に、別途H-Phe-OH(0.991g、6.00mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.68g、12.9mmol)、アセトニトリル(15mL)を混合させ、75℃にて30分間撹拌して調製した溶液を加え、0℃のまま50分撹拌し、さらに25℃にて1時間攪拌した(原料:目的物=3:97(分析条件1))。得られた反応液を酢酸エチル(75mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(50mL)、5質量%塩化ナトリウム水溶液(50mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-MePhe-Phe-OH(2.85g、収率98%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+549.4
【0164】
合成例16:H-MePhe-Phe-OHの合成
【化32】
【0165】
Fmoc-MePhe-Phe-OH(0.137g、0.250mmol)、トリエチルアミン(0.505g、4.99mmol)をアセトニトリル(4.4mL)と混合させ、80℃にて60分間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、テトラヒドロフラン(1.0mL)、ジイソプロピルエーテル(3.0mL)を加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取した。ジイソプロピルエーテル(5mL)で洗浄、乾燥し、H-MePhe-Phe-OH(0.071g、収率87%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+327.3
【0166】
合成例17:H-MePhe-Phe-OH・HClの合成
【化33】
【0167】
Boc-MePhe-Phe-OH(0.213g、0.500mmol)を4M-HCl/酢酸エチル(10mL)と混合させ、25℃にて1時間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、ジイソプロピルエーテルを加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取、乾燥し、H-MePhe-Phe-OH・HCl(0.164g、収率91%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+327.3
【0168】
合成例18:Boc-MePhe-MePhe-Phe-OHの合成
【化34】
【0169】
溶液A
Boc-MePhe-OH(0.280g、1.00mmol)、N-メチルモルホリン(0.112g、1.10mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)と混合させ、0℃にて2,2,4-トリメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(0.203g、1.05mmol)を加え1時間撹拌した。
【0170】
溶液B
Boc-MePhe-Phe-OH(0.449g、1.05mmol)を4M-HCl/シクロペンチルメチルエーテル(5mL)と混合させ、25℃にて30分撹拌した。得られた反応液を濃縮し、酢酸エチル(20mL)を加えて濃縮し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.30g、10.0mmol)とアセトニトリル(8mL)を加えて濃縮した。得られた残渣にアセトニトリル(10mL)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.644g、3.11mmol)を混合させ、25℃にて20分間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0171】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに25℃のまま18時間撹拌した(原料:目的物=1:21(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-MePhe-Phe-OH(0.532g、収率90%)を白色固体として得た。MASS(ESI+)m/z;(M+H)+588.4
【0172】
合成例19:Boc-Phe-MePhe-MePhe-Phe-OHの合成
【化35】
【0173】
溶液A
Boc-Phe-OH(0.177g、0.669mmol)、N-メチルモルホリン(0.744g、0.736mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)と混合させ、0℃にて2,2,4-トリメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(0.135g、0.702mmol)を加え1時間撹拌した。
【0174】
溶液B
Boc-MePhe-MePhe-Phe-OH(0.413g、0.702mmol)を4M-HCl/シクロペンチルメチルエーテル(10mL)と混合させ、25℃にて1時間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、酢酸エチル(20mL)を加えて濃縮し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.865g、6.69mmol)とアセトニトリル(8mL)を加えて濃縮した。得られた残渣にアセトニトリル(10mL)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.430g、2.07mmol)を混合させ、25℃にて20分間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0175】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに25℃のまま18時間撹拌した(原料:目的物=0:100(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(20mL)、10質量%塩化ナトリウム水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-MePhe-MePhe-Phe-OH(0.453g、収率92%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+735.5
【0176】
合成例20:Boc-MePhe-MePhe-Phe-OHの合成
【化36】
【0177】
溶液A
Boc-MePhe-OH(0.324g、1.16mmol)、トリエチルアミン(0.141g、1.39mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.172g、1.28mmol)を加え1時間撹拌した。
【0178】
溶液B
Boc-MePhe-Phe-OH(0.544g、1.28mmol)を4M-HCl/シクロペンチルメチルエーテル(20mL)と混合させ、25℃にて1時間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、シクロペンチルメチルエーテル(20mL)を加えて濃縮し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.50g、11.6mmol)とアセトニトリル(8mL)を加えて濃縮した。得られた残渣にアセトニトリル(10mL)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.621g、2.99mmol)を混合させ、25℃にて20分間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0179】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに25℃のまま48時間撹拌した(原料:目的物=1:37(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-MePhe-Phe-OH(0.701g、収率103%)を褐色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+588.4
【0180】
合成例21:Boc-MePhe-Pro-OHの合成
【化37】
【0181】
Boc-MePhe-OH(1.40g、5.00mmol)、N-メチルモルホリン(0.556g、5.50mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)と混合させ、0℃にて3,3-ジメチルブタン-2-イルカルボノクロリデート(0.864g、5.25mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(0.691g、6.00mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(3.85g、18.6mmol)、アセトニトリル(12mL)を混合させ、70℃にて10分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて15分間撹拌した(原料:目的物=0:100(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-Pro-OH(1.94g、収率94%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+377.3
【0182】
合成例22:Boc-MePhe-MePhe-Pro-OHの合成
【化38】
【0183】
溶液A
Boc-MePhe-OH(0.838g、3.00mmol)、トリエチルアミン(0.364g、3.60mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.444g、3.30mmol)を加え30分撹拌した。
【0184】
溶液B
Boc-MePhe-Pro-OH(1.24g、3.30mmol)を4M-HCl/シクロペンチルメチルエーテル(20mL)と混合させ、25℃にて1時間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、アセトニトリル(20mL)を加えて濃縮し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.865g、6.69mmol)とアセトニトリル(20mL)を加えて濃縮した。得られた残渣にアセトニトリル(20mL)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.31g、11.1mmol)を混合させ、25℃にて20分間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0185】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに25℃のまま48時間撹拌した(原料:目的物=1:24(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-MePhe-Pro-OH(1.71g、収率90%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+538.5
【0186】
合成例23:H-MePhe-MePhe-Pro-OH・HClの合成
【化39】
【0187】
Boc-MePhe-MePhe-Pro-OH(1.61g、3.00mmol)を4M-HCl/酢酸エチル(15mL)と混合させ、25℃にて90分間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、酢酸エチル(5mL)、ジイソプロピルエーテル(20mL)を加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取した。ジイソプロピルエーテル(10mL)で洗浄、乾燥し、H-MePhe-MePhe-Pro-OH・HCl(1.30g、収率91%)を白色固体として得た。得られた固体を次の工程に利用した。
【0188】
合成例24:Boc-Tyr-MePhe-MePhe-Pro-OHの合成
【化40】
【0189】
溶液A
Boc-Tyr-OH(0.282g、1.00mmol)、トリエチルアミン(0.122g、1.20mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.148g、1.10mmol)を加え1時間撹拌した。
【0190】
溶液B
H-MePhe-MePhe-Pro-OH・HCl(0.482g、1.02mmol)をN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2mL)と混合させ、25℃にて2分撹拌した。得られた反応液を濃縮した。得られた残渣にアセトニトリル(6mL)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.773g、3.74mmol)を混合させ、25℃にて20分間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0191】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに25℃のまま1時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Tyr-MePhe-MePhe-Pro-OH(0.698g、収率99%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+701.5
【0192】
合成例25:Boc-MePhe-MeAla-Tyr-OHの合成
【化41】
【0193】
溶液A
Boc-MePhe-OH(0.894g、3.20mmol)、トリエチルアミン(0.389g、3.84mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.474g、3.52mmol)を加え45分撹拌した。
【0194】
溶液B
H-MeAla-Tyr-OH(0.937g、3.52mmol)にアセトニトリル(10mL)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.28g、10.9mmol)を混合させ、25℃にて15分間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0195】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに25℃のまま2時間撹拌した(原料:目的物=0:100(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-MeAla-Tyr-OH(1.67g、収率94%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+528.3
【0196】
合成例26:H-MePhe-MeAla-Tyr-OHの合成
【化42】
【0197】
Boc-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.474g、0.898mmol)を4M-HCl/酢酸エチル(5mL)と混合させ、25℃にて60分間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、アセトニトリル(5mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.74g、13.5mmol)を加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.74g、13.5mmol)とジイソプロピルエーテル(5mL)の溶液で洗浄、乾燥し、H-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.370g、収率96%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+428.8
【0198】
合成例27:Boc-Phe-MePhe-MeAla-Tyr-OHの合成
【化43】
【0199】
Boc-Phe-OH(0.125g、0.470mmol)、トリエチルアミン(0.057g、0.564mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.070g、0.52mmol)を加え45分撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.221g、0.517mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.332g、1.60mmol)、アセトニトリル(5.0mL)を混合させ、25℃にて15分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま2時間撹拌した(原料:目的物=1:80(分析条件2))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.295g、収率93%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+675.5
【0200】
合成例28:H-Phe-MePhe-MeAla-Tyr-OHの合成
【化44】
【0201】
Boc-Phe-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.317g、0.470mmol)をトリフルオロ酢酸(1.45mL)と混合させ、25℃にて15分間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、アセトニトリル(7mL)、トリエチルアミン(0.476g、4.70mmol)を加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取した。酢酸エチル(2mL)、ジイソプロピルエーテル(8mL)で洗浄、乾燥し、H-Phe-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.268g、収率99%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+575.4
【0202】
合成例29:Boc-MePhe-Phe-MePhe-MeAla-Tyr-OHの合成
【化45】
【0203】
Boc-MePhe-OH(0.092g、0.33mmol)、トリエチルアミン(0.040g、0.396mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.0489g、0.363mmol)を加え45分撹拌した。この溶液に、別途H-Phe-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.209g、0.363mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.233g、1.12mmol)、アセトニトリル(5.0mL)を混合させ、25℃にて15分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま1時間撹拌した(原料:目的物=0:100(分析条件2))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-Phe-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.282g、収率87%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+836.5
【0204】
合成例30:Cbz-MeAla-Phe-OHの合成
【化46】
【0205】
Cbz-MeAla-OH(1.19g、5.00mmol)、トリエチルアミン(0.607g、6.00mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.740g、5.50mmol)を加え45分間撹拌した。この溶液に、別途H-Phe-OH(0.991g、6.00mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.57g、12.4mmol)、アセトニトリル(17mL)を混合させ、マイクロ波照射下で75℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま1時間撹拌した(原料:目的物=1:62(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60mL)、水(60mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(30mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Cbz-MeAla-Phe-OH(1.76g、収率91%)を無色透明シロップとして得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+385.3
【0206】
合成例31:H-MeAla-Phe-OHの合成
【化47】
【0207】
Cbz-MeAla-Phe-OH(1.76g、4.57mmol)、トリエチルアミン(0.023g、0.229mmol)、ギ酸アンモニウム(1.44g、22.9mmol)、10質量%パラジウム-カーボン(0.486g)をメタノール(50mL)と混合させ、60℃にて1時間撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、メタノール(20mL)で三回洗浄した。得られた濾液を濃縮し、H-MeAla-Phe-OH(1.03g、90%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+251.2
【0208】
合成例32:Boc-MePhe-MeAla-Phe-OHの合成
【化48】
【0209】
Boc-MePhe-OH(0.559g、2.00mmol)、トリエチルアミン(0.243g、2.40mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.296g、2.20mmol)を加え45分間撹拌した。この溶液に、別途H-MeAla-Phe-OH(0.601g、2.40mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.03g、4.95mmol)、アセトニトリル(20mL)を混合させ、25℃にて40分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま2時間撹拌した(原料:目的物=1:55(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(15mL)で2回ずつ順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Boc-MePhe-MeAla-Phe-OH(1.08g、収率105%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+512.3
【0210】
合成例33:H-MePhe-MeAla-Phe-OH・HClの合成
【化49】
【0211】
Boc-MePhe-MeAla-Phe-OH(1.06g、2.08mmol)を4M-HCl/酢酸エチル(20mL)と混合させ、25℃にて60分間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、ジイソプロピルエーテル(20mL)を加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取した。ジイソプロピルエーテル(10mL)で洗浄、乾燥し、H-MePhe-MeAla-Phe-OH・HCl(0.886g、収率95%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+411.5
【0212】
合成例34:Fmoc-Trp(Boc)-MePhe-MeAla-Phe-OHの合成
【化50】
【0213】
Fmoc-Trp(Boc)-OH(0.439g、0.833mmol)、トリエチルアミン(0.101g、1.00mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.123g、0.917mmol)を加え45分間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-MeAla-Phe-OH・HCl(0.448g、1.00mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.428g、2.06mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.08g、8.33mmol)、アセトニトリル(20mL)を混合させ、25℃にて40分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま3時間撹拌した(原料:目的物=1:12(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(12mL)で2回ずつ順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、残渣を酢酸エチル(5.0mL)に溶解してヘキサン(95mL)に注いだ。析出した固体をろ取し、Fmoc-Trp(Boc)-MePhe-MeAla-Phe-OH(0.657g、収率86%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+920.5
【0214】
合成例35:Fmoc-Gln(Trt)-MePhe-MeAla-Tyr-OHの合成
【化51】
【0215】
溶液A
Fmoc-Gln(Trt)-OH(0.204g、0.333mmol)、トリエチルアミン(0.040g、0.40mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.049g、0.37 mmol)を加え45分間撹拌した。
【0216】
溶液B
H-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.171g、0.400mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.431g、3.33mmol)、アセトニトリル(20mL)を混合させ、溶液を濃縮して溶媒を除去した。得られた残渣にアセトニトリル(10mL)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.343g、1.65mmol)を混合させ、25℃にて40分間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0217】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに25℃のまま23時間撹拌した(原料:目的物=1:5(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)、水(15mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(7.5mL)で2回ずつ順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Fmoc-Gln(Trt)-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.209g、収率62%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+1020.6
【0218】
合成例36:Fmoc-BnGly-Phe-OHの合成
【化52】
【0219】
Fmoc-BnGly-OH(0.387g、1.00mmol)、N-メチルモルホリン(0.111g、1.10mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)と混合させ、0℃にてクロロギ酸イソプロピル(0.129g、1.05mmol)を加え5分撹拌した。この溶液に、別途H-Phe-OH(0.198g、1.20mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.519g、2.48mmol)、アセトニトリル(5mL)を混合させ、マイクロ波照射下で75℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、0℃のまま15分間撹拌し、さらに25℃にて20時間撹拌した(原料:目的物=1:55(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(80mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(50mL)、10質量%塩化ナトリウム水溶液(50mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-BnGly-Phe-OH(0.570g、収率107%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+535.3
【0220】
合成例37:H-BnGly-Phe-OHの合成
【化53】
【0221】
Fmoc-BnGly-Phe-OH(0.535g、1.00mmol)、トリエチルアミン(2.02g、20.0mmol)をアセトニトリル(20mL)と混合させ、60℃にて60分間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、ジイソプロピルエーテル(50mL)を加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取した。ジイソプロピルエーテルで洗浄、乾燥し、H-BnGly-Phe-OH(0.293g、収率94%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+313.2
【0222】
合成例38:Boc-Phe-BnGly-Phe-OHの合成
【化54】
【0223】
Boc-Phe-OH(0.066g、0.25mmol)、トリエチルアミン(0.030g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.037g、0.28mmol)を加え45分間撹拌した。この溶液に、別途H-BnGly-Phe-OH(0.093g、0.30mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.129g、0.616mmol)、アセトニトリル(4mL)を混合させ、25℃にて20分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま14時間撹拌した(原料:目的物=1:93(分析条件3))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-BnGly-Phe-OH(0.139g、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+560.4
【0224】
合成例39:Fmoc-n-PrGly-Phe-OHの合成
【化55】
【0225】
Fmoc-n-PrGly-OH(0.339g、1.00mmol)、トリエチルアミン(0.121g、1.20mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.148g、1.10mmol)を加え45分間撹拌した。この溶液に、別途H-Phe-OH(0.198g、1.20mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.519g、2.48mmol)、アセトニトリル(4.5mL)を混合させ、マイクロ波照射下で75℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま1時間撹拌した(原料:目的物=1:32(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で2回ずつ順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-n-PrGly-Phe-OH(0.538g、収率111%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+487.3
【0226】
合成例40:H-n-PrGly-Phe-OHの合成
【化56】
【0227】
Fmoc-n-PrGly-Phe-OH(0.487g、1.00mmol)、トリエチルアミン(2.02g、20.0mmol)をアセトニトリル(20mL)と混合させ、60℃にて60分間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、ジイソプロピルエーテル(50mL)を加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取した。ジイソプロピルエーテルで洗浄、乾燥し、H-n-PrGly-Phe-OH(0.245g、収率93%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+265.2
【0228】
合成例41:Boc-Phe-n-PrGly-Phe-OHの合成
【化57】
【0229】
Boc-Phe-OH(0.066g、0.25mmol)、トリエチルアミン(0.030g、0.300mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.037g、0.27mmol)を加え45分時間撹拌した。この溶液に、別途H-n-PrGly-Phe-OH(0.066g、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.118g、0.564mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、25℃にて30分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま1時間以上撹拌した(原料:目的物=1:85(分析条件3))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-n-PrGly-Phe-OH(0.125g、収率98%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+512.4
【0230】
合成例42:Fmoc-MePhe-n-PrGly-Phe-OHの合成
【化58】
【0231】
Fmoc-MePhe-OH(0.080g、0.20mmol)、トリエチルアミン(0.024g、0.24mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.030g、0.22mmol)を加え45分間撹拌した。この溶液に、別途H-n-PrGly-Phe-OH(0.063g、0.24mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.104g、0.50mmol)、アセトニトリル(2mL)を混合させ、0℃にて30分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま2時間撹拌した(原料:目的物=1:18(分析条件1))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(30mL)、5質量%塩化ナトリウム水溶液(30mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Fmoc-MePhe-n-PrGly-Phe-OH(0.153g、収率118%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+648.4
【0232】
合成例43:Boc-MePhe-MePhe-MeAla-Tyr-OHの合成
【化59】
【0233】
Boc-MePhe-OH(0.084g、0.30mmol)、トリエチルアミン(0.036g、0.36mmol)をテトラヒドロフラン(6.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.044g、0.331mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.141g、0.305mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.215g、1.023mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.086g、0.662mmol)、アセトニトリル(5.0mL)を混合させ、0℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま16時間撹拌した(原料:目的物=1:59(分析条件3))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.177g、収率85%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+689.5
【0234】
合成例44:Fmoc-Glu(tBu)-MePhe-MePhe-MeAla-Tyr-OHの合成
【化60】
【0235】
溶液A
Fmoc-Glu(tBu)-OH(0.091g、0.21mmol)、トリエチルアミン(0.026g、0.257mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.032g、0.24mmol)を加え1時間撹拌した。
【0236】
溶液B
Boc-MePhe-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.177g、0.257mmol)、トリフルオロ酢酸(3.0mL)を混合させ、さらに25℃のまま30分間撹拌した。溶液を濃縮してトリフルオロ酢酸を除去し、アセトニトリル(20mL)を混合させ濃縮した。得られた残渣にアセトニトリル(8.0mL)、トリエチルアミン(0.026g、0.257mmol)を加え、溶液を濃縮して溶媒とトリエチルアミンを除去した。得られた残渣にアセトニトリル(5.0mL)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.167g、0.80mmol)を混合させ、25℃にて5分間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0237】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに25℃のまま17時間撹拌した(原料:目的物=1:5(分析条件3))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Fmoc-Glu(tBu)-MePhe-MePhe-MeAla-Tyr-OH(0.192g、収率90%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+730.4,+996.5
【0238】
合成例45:Fmoc-Cys(Trt)-MePhe-OHの合成
【化61】
【0239】
Fmoc-Cys(Trt)-OH(0.147g、0.251mmol)、トリエチルアミン(0.031g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.037g、0.28mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.054g、0.30mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.130g、0.62mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、75℃にて20分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま1時間撹拌した(原料:目的物=1:28(分析条件3))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Cys(Trt)-MePhe-OH(0.187g、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+243.2(トリチルカチオン)、+747.2
【0240】
合成例46:Boc-Arg(Cbz) -MePhe-OHの合成
【化62】
【0241】
Boc-Arg(Cbz)-OH(0.136g、0.250mmol)、トリエチルアミン(0.030g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.037g、0.28mmol)を加え45分間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.054g、0.30mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.128g、0.62mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、75℃にて10分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま1時間以上撹拌した(原料:目的物=1:25(分析条件2))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Arg(Cbz)-MePhe-OH(0.175g、収率99%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+704.5
【0242】
合成例47:Boc-Arg(Cbz) -MeAla-Phe-OHの合成
【化63】
【0243】
Boc-Arg(Cbz)-OH(0.136g、0.251mmol)、トリエチルアミン(0.030g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.037g、0.28mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeAla-Phe-OH(0.075g、0.30mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.130g、0.621mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、25℃にて20分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま14時間撹拌した(原料:目的物=1:13(分析条件2))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Arg(Cbz)-MeAla-Phe-OH(0.192g、収率99%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+775.5
【0244】
合成例48:Fmoc-His(Boc)-MePhe-OHの合成
【化64】
【0245】
Fmoc-His(Boc)-OH(0.120g、0.251mmol)、N-メチルモルホリン(0.033g、0.33mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-イルカルボノクロリデート(0.067g、0.30mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.058g、0.33mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.141g、0.679mmol)、アセトニトリル(4mL)を混合させ、75℃にて20分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて13時間撹拌した(原料:目的物=1:6(分析条件2))。得られた反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-His(Boc)-MePhe-OH(0.131g、収率82%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+539.6,+639.4
【0246】
合成例49:Fmoc-MeHis(Trt)-Leu-OHの合成
【化65】
【0247】
溶液A
Fmoc-MeHis(Trt)-OH(1.27g、2.00mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.015g、0.20mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)と混合させ、0℃にて塩化チオニル(1.19g、10.0mmol)を加え25℃で1時間撹拌した。溶液を濃縮して塩化チオニルと溶媒を除去し、テトラヒドロフラン(10mL)を混合させ濃縮した。得られた残渣にテトラヒドロフラン(10mL)を加え、淡黄色透明の酸塩化物溶液を得た。
【0248】
溶液B
H-Leu-OH(0.315g、2.40mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.30g、6.26mmol)、アセトニトリル(5mL)を混合させ、80℃にて1時間撹拌して無色透明溶液を得た。
【0249】
縮合工程
溶液Aを0℃に冷却したまま溶液Bを混合し、さらに0℃のまま1時間撹拌した(原料:目的物=1:25(分析条件3))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-MeHis(Trt)-Leu-OH(1.37g、収率92%)を淡黄色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+747.4
【0250】
合成例50:H-MeHis(Trt)-Leu-OHの合成
【化66】
【0251】
Fmoc-His(Trt)-Leu-OH(0.202g、0.270mmol)、トリエチルアミン(0.564g、5.40mmol)をアセトニトリル(4.0mL)、テトラヒドロフラン(4.0mL)と混合させ、80℃にて60分間撹拌した。得られた反応液を濃縮し、テトラヒドロフラン(3.0mL)、ジイソプロピルエーテル(9.0mL)を加えて懸濁し、生成した固体を桐山ロートにてろ取した。ジイソプロピルエーテル(10mL)で洗浄、乾燥し、H-MeHis(Trt)-Leu-OH(0.130g、収率92%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+525.8
【0252】
合成例51:Fmoc-Phe-MeHis(Trt)-Leu-OHの合成
【化67】
【0253】
Fmoc-Phe-OH(0.078g、0.20mmol)、トリエチルアミン(0.024g、0.24mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.030g、0.22mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeHis(Trt)-Leu-OH(0.116g、0.221mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.096g、0.46mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、25℃にて30分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃のまま5時間撹拌した(原料:目的物=1:5(分析条件2))。得られた反応液を濃縮後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液、で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Fmoc-Phe-MeHis(Trt)-Leu-OH(0.154g、収率86%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+894.5
【0254】
合成例52:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
【化68】
【0255】
Fmoc-Val-OH(0.101g、0.298mmol)、トリエチルアミン(0.053mL、0.383mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にてピバロイルクロリド(0.043mL、0.354mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.080g、0.446mmol)、トリメチルシリルクロリド(0.070mL、0.554mmol)、トリエチルアミン(0.082mL、0.592mmol)、アセトニトリル(0.80g)を混合させ、50℃にて1.5時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま70時間撹拌した(原料:目的物=3.5:1)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(3.0g)および飽和食塩水溶液(2.0g)で2回洗浄した。得られた有機層を用いてHPLC分析した結果、定量収率は11%であった。
【0256】
以下、特に記載がない場合、原料Fmoc-Val-OHと生成物Fmoc-Val-MePhe-OHの比は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析<分析条件4>によって算出した。
【0257】
<分析条件4>
高速液体クロマトグラフィー:SHIMADZU製 HPLC LC-20A
カラム:Agilent製Poroshell 120EC-C18(2.7μm、3.0×100 mm)
カラムオーブン温度:40℃
溶離液:アセトニトリル:0.05 vol% リン酸水溶液
50:50(0-15分)、50:50-95:5(15-18分)、95:5(18-22分)(v/v)
溶離液速度:0.7 mL/分
検出波長:210 nm
【0258】
以下、特に記載がない場合、Fmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は、<分析条件4>による定量分析法で算出した。
標準物質:合成例57に記載の方法で得られたFmoc-Val-MePhe-OHをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し標準物質とした。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+501.22
定量方法:絶対検量法
【0259】
合成例53:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、トリエチルアミン(0.053mL、0.38mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にてピバロイルクロリド(0.043mL、0.35mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.44mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.81g)を混合させ、50℃にて1.5時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま70時間撹拌した(原料:目的物=1:7)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は79%であった。
【0260】
合成例54:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、N-メチルモルホリン(0.042mL、0.383mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にてイソブチルカルボノクロリデート(0.046mL、0.35mmol)を加え5分間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.44mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.79g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま21時間撹拌した(原料:目的物=3.5:1)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は18%であった。
【0261】
合成例55:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、トリエチルアミン(0.053mL、0.38mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にて2-エチルブタノイルクロリド(0.048mL、0.35mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.44mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.79g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま110時間撹拌した(原料:目的物=1:13)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は87%であった。
【0262】
合成例56:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、トリエチルアミン(0.053mL、0.38mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.049mL、0.35mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.44mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.79g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま95時間撹拌した(原料:目的物=1:18)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は89%であった。
【0263】
合成例57:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.058mL、0.32mmol)をアセトニトリル(1.0g)と混合させ、0℃にて2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリドの50質量%トルエン溶液(0.107g、0.354mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.442mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.79g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま67時間、20℃で7時間撹拌した(原料:目的物=1:35)。得られた反応液をメタノール(0.5mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL)でクエンチ後、酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は96%であった。
【0264】
2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリドは特許第3406093号を参考にして合成した。
【0265】
合成例58:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、N-メチルモルホリン(0.071mL、0.648mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(5.9mL)と混合させ、0℃にて2,4-ジメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(0.105g、0.589mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.106g、0.589mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.288mL、1.179mmol)、アセトニトリル(7.9mL)を混合させ、75℃にて15分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま114時間、20℃で4時間撹拌した(原料:目的物=1:11)。得られた反応液をメタノール(5.0mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.50mL)でクエンチ後、酢酸エチル(30.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(18.0g)および飽和食塩水溶液(6.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は85%であった。
【0266】
合成例59:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、N-メチルモルホリン(0.071mL、0.648mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(5.9mL)と混合させ、0℃にて2,2,4-トリチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(0.114g、0.589mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.106g、0.589mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.288mL、1.179mmol)、アセトニトリル(7.9mL)を混合させ、75℃にて15分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま91時間、20℃で7時間撹拌した(原料:目的物=1:10)。得られた反応液をメタノール(5.0mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.50mL)でクエンチ後、酢酸エチル(30.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(18.0g)および飽和食塩水溶液(6.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は88%であった。
【0267】
合成例60:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.065mL、0.38mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にて1-アダマンタンカルボニルクロリド(0.070g、0.35mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.44mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.79g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま96時間撹拌した(原料:目的物=1:10)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は90%であった。
【0268】
合成例61:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)、N-メチルモルホリン(0.071mL、0.65mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(5.9mL)と混合させ、0℃にて4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-イルカルボノクロリデート(0.13g、0.59mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.106g、0.59mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.29mL、1.18mmol)、アセトニトリル(7.9mL)を混合させ、75℃にて15分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま164時間撹拌した(原料:目的物=1:9)。得られた反応液をメタノール(5.0mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.50mL)でクエンチ後、酢酸エチル(30.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(18.0g)、飽和食塩水溶液(10.0g)および飽和食塩水溶液(6.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は83%であった。
【0269】
合成例62:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、トリエチルアミン(0.053mL、0.383mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にて2-エチルヘキサノイルクロリド(0.061mL、0.354mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.442mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.79g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま111時間撹拌した(原料:目的物=1:11)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は90%であった。
【0270】
合成例63:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、トリエチルアミン(0.053mL、0.383mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にて2-(4-クロロフェニル)-3-メチルブタノイルクロリド(0.070mL、0.354mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.442mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.79g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま66時間撹拌した(原料:目的物=1:10)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のFmoc-Val-MePhe-OHの定量収率は84%であった。
【0271】
合成例64:Fmoc-Val-MePhe-OHの合成
【化69】
【0272】
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.295mmol)、トリエチルアミン(0.053mL、0.383mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にて3,5,5-トリメチルヘキサノイルクロリド(0.067mL、0.354mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.079g、0.442mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.135mL、0.552mmol)、アセトニトリル(0.79g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま68時間撹拌した(原料:目的物=16:1)。
【0273】
合成例65:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
【化70】
【0274】
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、テトラヒドロフラン(0.5g)、トリエチルアミン(20mg、0.20mmol)を混合させ、0℃にてピバロイルクロリド(24mg、0.20mmol)を加え2時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(82mg、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(97mg、0.48mmol)、アセトニトリル(0.82g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃に昇温し3時間攪拌した(原料:目的物=1:10(分析条件5))。得られた反応液を酢酸エチル(2.5g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(1.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は77%(分析条件5)であった。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+608.44
【0275】
以下、特に記載のない場合、原料Cbz-Phe-OHと生成物Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの比は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析<分析条件5>によって算出した。
【0276】
<分析条件5>
高速液体クロマトグラフィー:SHIMADZU製 HPLC -20A
カラム:Agilent製Poroshell 120EC-C18(2.7 μm、3.0×100 mm)
カラムオ-ブン温度:50℃
溶離液:0.2vоl%リン酸 アセトニトリル溶液:0.2vоl% リン酸水溶液
12:88-95:5(0-15分)、95:5(15-19分)、(v/v)
溶離液速度:0.7 mL/分
検出波長:214 nm
【0277】
以下、特に記載のない場合、Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は、<分析条件5>による定量分析法で算出した。
標準物質:合成例71に記載の方法にて合成したCbz-Phe-MePhe-Phe-OHをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、標準物質とした。
標準物質のNMRおよびMASSを示す。
H NMR(300MHz,DMSO-d):
δppm:2.64(3H,s),2.67-3.33(6H,m),4.27-4.45(3H,m),4.89(2H,s),5.21(1H,m),7.04-7.33(20H,m)
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+608.44
定量方法:絶対検量法
【0278】
合成例66:H-MePhe-Phe-OHの合成
【化71】
【0279】
Cbz-MePhe-OH(2.0g、6.38mmol)、塩化メチレン(20.0 g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.9g、22.3mmol)、H-Phe-OBn(2.2g、7.66mmоl)を混合させ、22℃にてN-[1-(シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ(モルホリノ)]ウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(3.28g、7.66mmol)を加え1時間半攪拌した。得られた反応液に、10質量%塩酸(16g)、水(16g)を加えて分液後、有機層を2回水洗した。その後、10質量%炭酸水素カリウム水溶液(16g)、水(16g)を加えて2回分液後、有機層を水洗した。得られた有機層を減圧濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、トリフルオロエタノール(40g)にて希釈した。得られた溶液に、10質量%Pd-C(0.4g)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で14時間半撹拌した。反応液を減圧濃縮してメタノール(300g)にて希釈し、ろ過後、得られたろ物に再度メタノール(300 g)にて希釈し、ろ過を行う作業を3回繰り返し、得られたろ液をすべて濃縮し、アセトニトリル(100g)にて希釈して再度濃縮し、白色固体としてH-MePhe-Phe-OH(1.35g、収率65%)を得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+327.2
【0280】
合成例67:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、テトラヒドロフラン(0.5g)、N-メチルモルホリン(20mg、0.20mmol)を混合させ、0℃にてイソブチルカルボノクロリデート(27mg、0.20mmol)を加え3時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(82mg、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(97mg、0.48mmol)、アセトニトリル(0.82g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃に昇温し3時間攪拌した(原料:目的物=1:1.6)。得られた反応液を酢酸エチル(2.5g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(1.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は43%であった。
【0281】
合成例68:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、テトラヒドロフラン(0.5g)、トリエチルアミン(20mg、0.20mmol)を混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(27mg、0.20mmol)を加え2時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(82mg、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(97mg、0.48mmol)、アセトニトリル(0.82g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃に昇温し21時間攪拌した(原料:目的物=1:24)。得られた反応液を酢酸エチル(2.5g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(1.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は95%であった。
【0282】
合成例69:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、テトラヒドロフラン(0.5g)、トリエチルアミン(20mg、0.20mmol)を混合させ、0℃にて2-エチルブタノイルクロリド(27mg、0.20mmol)を加え2時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(82mg、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(97mg、0.48mmol)、アセトニトリル(0.82g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃に昇温し27時間攪拌した(原料:目的物=1:30)。得られた反応液を酢酸エチル(2.5g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(1.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は102%であった。
【0283】
合成例70:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、テトラヒドロフラン(0.5g)、トリエチルアミン(20mg、0.20mmol)を混合させ、25℃にて2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリドの50質量%トルエン溶液(124mg、0.20mmol)を加え9時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(82mg、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(97mg、0.48mmol)、アセトニトリル(0.82g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃に昇温し14時間攪拌した(原料:目的物=1:80)。得られた反応液を酢酸エチル(2.5g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(1.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は100%であった。
【0284】
合成例71:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(99mg、0.33mmol)、アセトニトリル(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(52mg、0.40mmol)を混合させ、室温にて2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリドの50質量%トルエン溶液(250mg、0.41mmol)を加え2時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(164mg、0.50mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(195mg、0.96mmol)、アセトニトリル(1.6g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃で21時間攪拌した(原料:目的物=1:335)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(3.0g)で分液後、飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は100%であった。
【0285】
合成例72:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(0.5 g)、N-メチルモルホリン(22 mg、0.22 mmol)を混合させ、0℃にて2,2,4-トリメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(39mg、0.20mmol)を加え2時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(82mg、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(97mg、0.48mmol)、アセトニトリル(0.82g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃に昇温し3時間攪拌した(原料:目的物=1:32)。得られた反応液を酢酸エチル(2.5g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(1.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は99%であった。
【0286】
合成例73:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(0.5g)、N-メチルモルホリン(22mg、0.22mmol)を混合させ、0℃にて2,4-ジメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(39mg、0.20mmol)を加え1.5時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(82mg、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(97mg、0.48mmol)、アセトニトリル(0.82g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃に昇温し29時間攪拌した(原料:目的物=1:15)。得られた反応液を酢酸エチル(2.5g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(1.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は83%であった。
【0287】
合成例74:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、テトラヒドロフラン(0.5g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(30mg、0.23mmol)を混合させ、0℃にて1-アダマンタンカルボニルクロリド(51mg、0.26mmol)を加え1時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(110mg、1.0mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(129mg、0.63mmol)、アセトニトリル(1.1g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃で28時間攪拌した(原料:目的物=1:58)。得られた反応液を酢酸エチル(3.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(3.0g)で分液後、飽和塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層を定量し、定量収率98%でCbz-Phe-MePhe-Phe-OHを得た。
【0288】
合成例75:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(0.050g、0.17mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(3.0mL)、N-メチルモルホリン(0.040mL、0.37mmol)を混合させ、0℃にて4-エチル-2,2-ジメチルヘキサン-3-イルカルボノクロリデート(0.074g、0.33mmol)を加え1時間半攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(0.109g、0.334mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.16mL、0.67mmol)、アセトニトリル(4.0mL)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、室温に昇温し21時間攪拌した(原料:目的物=1:43)。得られた反応液を酢酸エチル(15g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(9.0g)および飽和食塩水溶液(5.0g)で分液後、飽和食塩水溶液(3.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のCbz-Phe-MePhe-Phe-OHの定量収率は92%であった。
【0289】
合成例76:Cbz-Phe-MePhe-Phe-OHの合成
Cbz-Phe-OH(50mg、0.17mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(0.5g)、N-メチルモルホリン(22mg、0.22mmol)を混合させ、0℃にて3,3-ジメチルブタン-2-イルカルボノクロリデート(39mg、0.20mmol)を加え1.5時間攪拌した。この溶液に、別途H-MePhe-Phe-OH(82mg、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(97mg、0.48mmol)、アセトニトリル(0.82g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃に昇温し16時間攪拌した(原料:目的物=1:1.2)。
【0290】
合成例77:Boc-Val-Pro-OHの合成
【化72】
【0291】
Boc-Val-OH(128mg、0.59mmol)、テトラヒドロフラン(1.3g)、N-メチルモルホリン(60mg、0.59mmol)を混合させ、0℃にてイソブチルカルボノクロリデート(72mg、0.59mol)を加え2.5時間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(71mg、0.62mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.16g、1.2mmol)、トリメチルシリルクロリド(0.13g、1.2mmol)、ジクロロメタン(3mL)を混合させ、40℃にて2時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま15時間攪拌し、Boc-Val-Pro-OHを得た(原料:目的物=1:15)。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+315.20
【0292】
以下、特に記載のない場合、原料Boc-Val-OHと生成物Boc-Val-Pro-OHの比は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析<分析条件5>によって算出した。
【0293】
合成例78:Boc-Val-Pro-OHの合成
Boc-Val-OH(128mg、0.59mmol)、アセトニトリル(1.3g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(91mg、0.71mmol)を混合させ、25℃にて2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリドの50質量%トルエン溶液(0.43g、0.71mol)を加え、4時間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(71mg、0.62mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.22g、1.1mmol)、アセトニトリル(1.3g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃のまま15時間攪拌した(原料:目的物=1:731)。得られた反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(2mL)、10質量%クエン酸水溶液(2mL)で分液後、5質量%塩化ナトリウム水溶液(5mL)、水(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層のBoc-Val-Pro-OHの定量収率は94%であった。
【0294】
以下、特に記載のない場合、Boc-Val-Pro-OHの定量収率は、<分析条件5>による定量分析法で算出した。
標準物質:インディアン ジャーナル オブ ケミストリー 2004年、43B巻、1282頁を参考に別途単離精製したBoc-Val-Pro-OHを標準物質とした。
標準物質のMASSを示す。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+315.20
定量方法:絶対検量法
【0295】
合成例79:Boc-Val-Pro-OHの合成
Boc-Val-OH(50mg、0.23mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(1.0g)、N-メチルモルホリン(30mg、0.30mmol)を混合させ、0℃にて2,2,4-トリメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(53mg、0.28mmol)を加え2.5時間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(34mg、0.77mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.80g、1.0mmol)、アセトニトリル(0.50g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま15時間攪拌した(原料:目的物=1:99)。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層および水層のBoc-Val-Pro-OHの定量収率は90%であった。
【0296】
合成例80:Boc-Val-Pro-OHの合成
Boc-Val-OH(100mg、0.46mmol)、テトラヒドロフラン(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(77mg、0.60mmol)を混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(74mg、0.55mol)を加え、2時間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(64mg、0.55mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.18g、0.87mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま21時間攪拌した(原料:目的物=1:520)。得られた反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(2mL)、10質量%クエン酸水溶液(2mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(2mL)にて2回洗浄した。得られた有機層のBoc-Val-Pro-OHの定量収率は99%であった。
【0297】
合成例81:Boc-Val-Pro-OHの合成
Boc-Val-OH(100mg、0.46mmol)、テトラヒドロフラン(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(77mg、0.60mmol)を混合させ、0℃にて2-エチルブタノイルクロリド(74mg、0.55mol)を加え、2時間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(64mg、0.55mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.18g、0.87mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま21時間攪拌した(原料:目的物=1:248)。得られた反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(2mL)、10質量%クエン酸水溶液(2mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(2mL)にて2回洗浄した。得られた有機層のBoc-Val-Pro-OHの定量収率は99%であった。
【0298】
合成例82:Boc-Val-Pro-OHの合成
Boc-Val-OH(100mg、0.46mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(1.0g)、N-メチルモルホリン(61mg、0.60mmol)を混合させ、0℃にて2,4-ジメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(99mg、0.55mol)を加え2.5時間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(64mg、0.55mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.18g、0.88mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま21時間攪拌した(原料:目的物=1:179)。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層および水層のBoc-Val-Pro-OHの定量収率は89%であった。
【0299】
合成例83:Fmoc-Val-MeGly-OHの合成
【化73】
【0300】
Fmoc-Val-OH(200mg、0.59mmol)、テトラヒドロフラン(2.0g)、N-メチルモルホリン(60mg、0.59mmol)を混合させ、0℃にてイソブチルカルボノクロリデート(72mg、0.59mmol)を加え2.5時間攪拌した。この溶液に、別途H-MeGly-OH(55mg、0.62mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.16g、1.2mmol)、トリメチルシリルクロリド(0.13g、1.2mmol)、ジクロロメタン(3mL)を混合させ、40℃にて2時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま15時間攪拌し、Fmoc-Val-MeGly-OHを得た(原料:目的物=1:1.9)。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+411.28
【0301】
以下、特に記載のない場合、原料Fmoc-Val-OHと生成物Fmoc-Val-MeGly-OHの比は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析<分析条件5>によって算出した。
【0302】
合成例84:Fmoc-Val-MeGly-OHの合成
Fmoc-Val-OH(200mg、0.59mmol)、アセトニトリル(2.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(91mg、0.71mmol)を混合させ、25℃にて2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリドの50質量%トルエン溶液(0.43g、0.71mol)を加え、4時間攪拌した。この溶液に、別途H-MeGly-OH(79mg、0.88mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.22g、1.1mmol)、アセトニトリル(2.0g)を混合させ、75℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃のまま15時間攪拌した(原料:目的物=1:61)。得られた反応液を酢酸エチル(3.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層のFmoc-Val-MeGly-OHの定量収率は97%であった。
【0303】
以下、特に記載のない場合、Fmoc-Val-MeGly-OHの定量収率は、<分析条件5>による定量分析法で算出した。
標準物質:インディアン ジャーナル オブ ケミストリー 2004年、43B巻、1282頁を参考に別途単離精製したFmoc-Val-MeGly-OHを標準物質とした。
標準物質のMASSを示す。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+411.28
定量方法:絶対検量法
【0304】
合成例85:Fmoc-Val-MeGly-OHの合成
Fmoc-Val-OH(200mg、0.59mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(2.0g)、N-メチルモルホリン(78mg、0.77mmol)を混合させ、0℃にて2,2,4-トリメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(0.14g、0.71mol)を加え2.5時間攪拌した。この溶液に、別途H-MeGly-OH(79mg、0.88mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.22g、1.1mmol)、アセトニトリル(2.0g)を混合させ、75℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま15時間攪拌した(原料:目的物=1:64)。得られた反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(5mL)、10質量%クエン酸水溶液(5mL)で分液後、水層を酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層を混合し、10質量%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層のFmoc-Val-MeGly-OHの定量収率は97%であった。
【0305】
合成例86:Fmoc-Val-MeGly-OHの合成
Fmoc-Val-OH(100mg、0.29mmol)、テトラヒドロフラン(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(50mg、0.38mmol)を混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(48mg、0.35mol)を加え、2時間攪拌した。この溶液に、別途H-MeGly-OH(32mg、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.11g、0.55mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、75℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま20時間攪拌した(原料:目的物=1:48)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で2回洗浄した。得られた有機層のFmoc-Val-MeGly-OHの定量収率は95%であった。
【0306】
合成例87:Fmoc-Val-MeGly-OHの合成
Fmoc-Val-OH(100mg、0.29mmol)、テトラヒドロフラン(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(50mg、0.38mmol)を混合させ、0℃にて2-エチルブタノイルクロリド(48mg、0.35mol)を加え、2時間攪拌した。この溶液に、別途H-MeGly-OH(32mg、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.11g、0.55mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、75℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま20時間攪拌した(原料:目的物=1:20)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で2回洗浄した。得られた有機層のFmoc-Val-MeGly-OHの定量収率は92%であった。
【0307】
合成例88:Fmoc-Val-MeGly-OHの合成
Fmoc-Val-OH(100mg、0.29mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(1.0g)、N-メチルモルホリン(39mg、0.38mmol)を混合させ、0℃にて2,4-ジメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(63mg、0.35mmol)を加え2時間攪拌した。この溶液に、別途H-MeGly-OH(32mg、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.11g、0.55mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、75℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま20時間攪拌した(原料:目的物=1:33)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で2回洗浄した。得られた有機層および水層のFmoc-Val-MeGly-OHの定量収率は88%であった。
【0308】
合成例89:Boc-Cys(Bn)-Pro-OHの合成
【化74】
【0309】
Boc-Cys(Bn)-OH(200mg、0.64mmol)、クロロホルム(1.3mL)、トリエチルアミン(67mg、0.66mmol)を混合させ、-20℃にてピバロイルクロリド(81mg、0.67mol)を加え1間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(96mg、0.84mmol)、トリエチルアミン(0.16g、1.6mmol)、トリメチルシリルクロリド(0.11g、1.0mmol)、ジクロロメタン(1.6mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.32mL)を混合させ、40℃にて2時間攪拌して調製した溶液を加え、-20℃のまま3時間攪拌し、Boc-Cys(Bn)-Pro-OHを得た(原料:目的物=1:2.2)。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+409.26
【0310】
以下、特に記載のない場合、原料Boc-Cys(Bn)-OHと生成物Boc-Cys(Bn)-Pro-OHの比は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析<分析条件6>によって算出した。
【0311】
<分析条件6>
高速液体クロマトグラフィー:SHIMADZU製 HPLC -20A
カラム:Agilent製Poroshell 120EC-C18(2.7μm、3.0×100mm)
カラムオ-ブン温度:50℃
溶離液:0.2vоl%リン酸 アセトニトリル溶液:0.2vоl% リン酸水溶液
35:65(7分)、35:65-95:5(7-14分)、95:5(14-18分)、(v/v)
溶離液速度:0.7mL/分
検出波長:214nm
【0312】
合成例90:Boc-Cys(Bn)-Pro-OHの合成
Boc-Cys(Bn)-OH(100mg、0.32mmol)、アセトニトリル(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(50mg、0.39mmol)を混合させ、25℃にて2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリドの50質量%トルエン溶液(231mg、0.39mol)を加え2間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(48mg、0.42mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.12g、0.59mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、25℃のまま23時間攪拌した(原料:目的物=1:265)。得られた反応液を酢酸エチル(3.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層および水層を定量し、定量収率97%でBoc-Cys(Bn)-Pro-OHを得た。
【0313】
以下、特に記載のない場合、Boc-Cys(Bn)-Pro-OHの定量収率は、<分析条件6>による定量分析法で算出した。
標準物質:ケミストリー オブ ネイチャーコンパウンズ 1992年、28巻、344頁を参考に別途単離精製したBoc-Cys(Bn)-Pro-OHを標準物質とした。
標準物質のMASSを示す。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+409.26
定量方法:絶対検量法
【0314】
合成例91:Boc-Cys(Bn)-Pro-OHの合成
Boc-Cys(Bn)-OH(100mg、0.32mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(1.0g)、N-メチルモルホリン(42mg、0.42mmol)を混合させ、0℃にて2、2、4-トリメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(74mg、0.39mol)を加え2時間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(48mg、0.42mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.12g、0.59mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま15時間攪拌した(原料:目的物=1:461)。得られた反応液を酢酸エチル(3.0g)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(1.0g)で2回洗浄した。得られた有機層および水層を定量し、定量収率96%でBoc-Cys(Bn)-Pro-OHを得た。
【0315】
合成例92:Boc-Cys(Bn)-Pro-OHの合成
Boc-Cys(Bn)-OH(100mg、0.32mmol)、アセトニトリル(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(54mg、0.41mmol)を混合させ、0℃にて2,2-ジメチルブタノイルクロリド(52mg、0.38mol)を加え2間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(44mg、0.38mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.12g、0.61mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま19時間攪拌した(原料:目的物=1:31)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で2回洗浄した。得られた有機層を定量し、定量収率97%でBoc-Cys(Bn)-Pro-OHを得た。
【0316】
合成例93:Boc-Cys(Bn)-Pro-OHの合成
Boc-Cys(Bn)-OH(100mg、0.32mmol)、アセトニトリル(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(54mg、0.41mmol)を混合させ、0℃にて2-エチルブタノイルクロリド(52mg、0.38mol)を加え2間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(44mg、0.38mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.12g、0.61mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま19時間攪拌した(原料:目的物=1:30)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(2.0mL)で2回洗浄した。得られた有機層を定量し、定量収率97%でBoc-Cys(Bn)-Pro-OHを得た。
【0317】
合成例94:Boc-Cys(Bn)-Pro-OHの合成
Boc-Cys(Bn)-OH(100mg、0.32mmol)、N、N-ジメチルアセトアミド(1.0g)、N-メチルモルホリン(42mg、0.42mmol)を混合させ、0℃にて2,4-ジメチルペンタン-3-イルカルボノクロリデート(69mg、0.38mol)を加え2時間攪拌した。この溶液に、別途H-Pro-OH(48mg、0.42mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.12g、0.59mmol)、アセトニトリル(1.0g)を混合させ、50℃にて1時間攪拌して調製した溶液を加え、0℃のまま19時間攪拌した(原料:目的物=1:60)。得られた反応液を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、10質量%クエン酸水溶液(2.0mL)で分液後、10質量%塩化ナトリウム水溶液(2.0g)で2回洗浄した。得られた有機層を定量し、定量収率98%でBoc-Cys(Bn)-Pro-OHを得た。
【0318】
合成例95:Cbz-Phe-Phe-MePhe-OHの合成
【化75】
【0319】
Cbz-Phe-Phe-OH(0.100g、0.224mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.050mL、0.291mmol)をテトラヒドロフラン(1.0g)と混合させ、0℃にて1-アダマンタンカルボニルクロリド(0.0534g、0.269mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.060g、0.336mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.103mL、0.420mmol)、アセトニトリル(0.60g)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃のまま22時間撹拌した(原料:目的物=1:32)。得られた反応液を2%n-プロピルアミン/アセトニトリル溶液でクエンチし、酢酸エチル(5.0g)で希釈後、10質量%クエン酸水溶液(2.0g)および飽和食塩水溶液(1.0g)で2回洗浄した。集めた有機層のCbz-Phe-Phe-MePhe-OHの定量収率は89%であった。
【0320】
原料Cbz-Phe-Phe-OHと生成物Cbz-Phe-Phe-MePhe-OHの比は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析<分析条件7>によって算出した。
【0321】
<分析条件7>
高速液体クロマトグラフィー:SHIMADZU製 HPLC LC-20A
カラム:Agilent製Poroshell120EC-C18(2.7μm、3.0×100mm)
カラムオーブン温度:50℃
溶離液:0.2vоl%TFA/アセトニトリル:メタノール=1:1
0.2vоl%TFA水溶液
55:45(0-20分)、55:45-95:5(20-20.1分)、95:5(20.1-24分)Post time5分(v/v)
溶離液速度:0.7mL/分
検出波長:214nm
【0322】
Cbz-Phe-Phe-MePhe-OHの定量収率は、<分析条件7>による定量分析法で算出した。
標準物質:合成例96にて合成したCbz-Phe-Phe-MePhe-OHを標準物質とした。
標準物質のMASSを示す。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+608.4
定量方法:絶対検量法
【0323】
合成例96:Cbz-Phe-Phe-MePhe-OHの合成
2-クロロトリチルクロリドレジン(200-400メッシュ)(0.10g、0.13mmol)にジクロロメタン(1.0mL)、Fmoc-MePhe-OH(0.062g、0.15mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.61mmol)を加えて終夜撹拌した。得られた懸濁液に下記溶液を順次加え、都度ろ過した。(1)(ジクロロメタン/メタノール/N,N-ジイソプロピルエチルアミン=17/2/1)の混合溶液を3回、(2)ジクロロメタンを3回、(3)N-メチルピロリドンを2回、(4)ジクロロメタンを2回、(5)メタノールを5回。ろ過後のレジンが十分浸かるようにN-メチルピロリドンを加え、15分撹拌した。その後ろ過を行い、レジンが十分浸かるように20%ピペリジン/N-メチルピロリドン溶液を加え20分撹拌した。続いてろ過を実施し、レジンをN-メチルピロリドンで10回洗浄した。得られたレジン(0.10g、0.050mmol)に0.5M エチルシアノ(ヒドロキシイミノ)アセテート/N-メチルピロリドン溶液を0.80mL、Fmoc-Phe-OH(0.078mg、0.20mmol)、N-[1-(シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ(モルホリノ)]ウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(0.086g、0.20mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.085mL、0.50mmol)を加えて2時間撹拌した。反応溶液をろ過し、レジンをN-メチルピロリドンで10回洗浄した。その後、上記縮合・洗浄操作を再度実施し、20%ピペリジン/N-メチルピロリドンを添加後20分の撹拌とN-メチルピロリドンでの洗浄を10回行った。得られたレジンに0.5M エチルシアノ(ヒドロキシイミノ)アセテート/N-メチルピロリドン溶液を0.400mL、Cbz-Phe-OH(0.060mg、0.20mmol)、N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(0.032mL、0.20mmol)を加えて終夜撹拌した。反応液をろ過後、N-メチルピロリドンで10回、メタノールで10回洗浄し、30%ヘキサフルオロイソプロパノールをレジンが十分浸るように加え、10分撹拌後ろ過の操作を5回実施した。集めた溶液を減圧濃縮した結果、Cbz-Phe-Phe-MePhe-OH(0.031g、100%)を得た。
MASS(ESI+)m/z;(M+H)+608.4
【0324】
上記合成例において、合成例1乃至7、66および96は、実施例で使用した原料の合成に係る参考例であるが、合成例1乃至2および合成例3乃至4は、本願の化合物に係る発明の実施例でもある。また合成例8乃至13、18乃至28、32乃至35、38、41乃至48、51、55乃至63、68乃至76、78乃至82、84乃至88、90乃至95は、本願のペプチドの製造方法に係る発明の実施例であり、合成例14乃至17、29乃至31、36乃至37、39乃至40、49乃至50、52乃至54、64乃至65、67、77、83、89および96はその比較例である。
【0325】
合成例97:Fmoc-Val-MeTyr(tBu)-OHの合成
【化76】
【0326】
Fmoc-Val-OH(0.102g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.050mL、0.36mmol)、ピバロイルクロリド(0.041mL、0.33mmol)を加え0℃にて2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeTyr(tBu)-OH(0.090g、0.36mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.19mL、0.72mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて20時間撹拌した(原料:目的物=1:7(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素水溶液(20mL)、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-MeTyr(tBu)-OH(0.18g、収率106%)を淡黄色固体として得た。
【0327】
合成例98:Fmoc-Val-MeTyr(tBu)-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.068g、0.20mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.033mL、0.24mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.66g、0.22mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeTyr(tBu)-OH(0.090g、0.36mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.185mL、0.72mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて24時間撹拌した(原料:目的物=1:20(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、1時間攪拌したのちに、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeTyr(tBu)-OH(0.170g、収率99%)を白色固体として得た。
【0328】
合成例99:Fmoc-Val-MeVal-OHの合成
【化77】
【0329】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.050mL、0.36mmol)、ピバロイルクロリド(0.041mL、0.33mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeVal-OH(0.047g、0.36mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.19mL、0.72mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて15時間撹拌した(原料:目的物=2.4:1(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素水溶液(5mL)、10質量%クエン酸水溶液(5mL)、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-MeVal-OH(0.16g、収率116%)を淡黄色固体として得た。
【0330】
合成例100:Fmoc-Val-MeVal-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.068g、0.20mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.033mL、0.24mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.66g、0.22mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeVal-OH(0.032g、0.24mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.12mL、0.48mmol)、アセトニトリル(1.0mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて2時間攪拌したのちに、25℃にて36時間撹拌した(原料:目的物=1:16(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素水溶液(5mL)を加え、1時間攪拌したのちに、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeVal-OH(0.092g、収率92%)を白色固体として得た。
【0331】
合成例101:Fmoc-Val-MeSer(tBu)-OHの合成
【化78】
【0332】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.050mL、0.36mmol)、ピバロイルクロリド(0.041mL、0.33mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeSer(tBu)-OH(0.063g、0.36mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.19mL、0.72mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて15時間攪拌した。(原料:目的物=1:19(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-MeSer(tBu)-OH(0.14g、収率94%)を淡黄色固体として得た。
【0333】
合成例102:Fmoc-Val-MeSer(tBu)-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.068g、0.20mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.033mL、0.24mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.66g、0.22mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeSer(tBu)-OH(0.045g、0.26mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.13mL、0.52mmol)、アセトニトリル(1.0mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて15時間撹拌した(原料:目的物=1:25(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素水溶液(5mL)を加え、1時間攪拌したのちに、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeSer(tBu)-OH(0.095g、収率96%)を白色固体として得た。
【0334】
合成例103:Fmoc-Val-MeDap(Boc)-OHの合成
【化79】
【0335】
Fmoc-Val-OH(0.034g、0.1mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.017mL、0.12mmol)、ピバロイルクロリド(0.014mL、0.11mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途Nα-Boc-Nβ-メチル-2,3-ジアミノプロピオン酸(H-MeDap(Boc)-OH)(0.026g、0.12mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.62mL、0.24mmol)、アセトニトリル(1.0mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて24時間撹拌した。(原料:目的物=1:2.4(分析条件3))。
【0336】
合成例104:Fmoc-Val-MeDap(Boc)-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.068g、0.20mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.033mL、0.24mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.66g、0.22mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeDap(Boc)-OH(0.052g、0.24mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.12mL、0.48mmol)、アセトニトリル(1.0mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて36時間撹拌した(原料:目的物=1:20(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素水溶液(5mL)を加え、1時間攪拌したのちに、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeDap(Boc)-OH(0.107g、収率99%)を白色固体として得た。
【0337】
合成例105:Fmoc-Val-MeGln(Trt)-OHの合成
【化80】
【0338】
Fmoc-Val-OH(0.33g、0.10mmol)をテトラヒドロフラン(0.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.017mL、0.12mmol)、ピバロイルクロリド(0.014mL、0.11mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGln(Trt)-OH(0.048g、0.12mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.062mL、0.24mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて30分間攪拌したのちに、25℃にて24時間撹拌した(原料:目的物=1:8(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素水溶液(5mL)を加え1時間攪拌したのちに、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-MeGln(Trt)-OH(0.75g、収率105%)を淡黄色固体として得た。
【0339】
合成例106:Fmoc-Val-MeGln(Trt)-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.068g、0.20mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.033mL、0.24mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.66g、0.22mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGln(Trt)-OH(0.097g、0.24mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.12mL、0.48mmol)、アセトニトリル(1.0mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて44時間撹拌した(原料:目的物=1:21(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素水溶液(5mL)を加え、1時間攪拌したのちに、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeGln(Trt)-OH(0.151g、収率104%)を白色固体として得た。
【0340】
合成例107:Fmoc-Val-MeGlu(OtBu)-OHの合成
【化81】
【0341】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.050mL、0.36mmol)、ピバロイルクロリド(0.041mL、0.33mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGlu(OtBu)-OH(0.098g、0.45mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.23mL、0.90mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて30分間攪拌したのちに、25℃にて18時間撹拌した(原料:目的物=1:18(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素水溶液(5mL)を加え、1時間攪拌したのちに、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-MeGlu(OtBu)-OH(0.16g、収率100%)を淡黄色固体として得た。
【0342】
合成例108:Fmoc-Val-MeGlu(OtBu)-OHの合成
Fmoc-Val-OH(0.068g、0.20mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.033mL、0.24mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.66g、0.22mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGlu(OtBu)-OH(0.078g、0.36mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.185mL、0.72mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて1時間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて24時間撹拌した(原料:目的物=1:25(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、1時間攪拌したのちに、水(5mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeGlu(OtBu)-OH(0.176g、収率109%)を白色固体として得た。
【0343】
合成例109:Fmoc-Val-EtAla-OHの合成
【化82】
【0344】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.11g、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-EtAla-OH(0.041g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに25℃にて22時間撹拌した(原料:目的物=1:19(分析条件3))。得られた反応液を濃縮し、アセトニトリル(2.0mL)で希釈した後、ヘキサン(2.0mL)を加え洗浄した。アセトニトリル溶液を酢酸エチル(6.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-EtAla-OH(0.13g、収率104%)を淡黄色固体として得た。
【0345】
合成例110:Fmoc-Ala-BnAla-OHの合成
【化83】
【0346】
Fmoc-Ala-OH(0.10g、0.32mmol)をテトラヒドロフラン(1.6mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.054mL、0.39mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.13g、0.35mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-BnAla-OH(0.069g、0.39mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.19mL、0.77mmol)、アセトニトリル(1.6mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて12時間撹拌した(原料:目的物=1:1(分析条件3))。得られた反応液を濃縮し、酢酸エチル(8.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(6.0mL)、水(6.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(6.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Ala-BnAla-OH(0.13g、収率82%)を白色固体として得た。
【0347】
合成例111:Fmoc-Ala-BnAla-OHの合成
【化84】
【0348】
Fmoc-Ala-OH(0.10g、0.32mmol)をテトラヒドロフラン(1.6mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.054mL、0.39mmol)、ピバロイルクロリド(0.44mL、0.35mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-BnAla-OH(0.069g、0.39mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.19mL、0.77mmol)、アセトニトリル(1.6mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて12時間撹拌した(原料:目的物=3:1(分析条件3))。得られた反応液を濃縮し、酢酸エチル(8.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(6.0mL)、水(6.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(6.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Ala-BnAla-OH(0.12g、80%)を白色固体として得た。
【0349】
合成例112:Fmoc-Gly-EtAla-Phe-OHの合成
【化85】
【0350】
Fmoc-Gly-OH(0.020g、0.067mmol)をテトラヒドロフラン(0.42mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.011mL、0.080mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.026g、0.074mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-EtAla-Phe-OH(0.022g、0.080mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.039mL、0.16mmol)、アセトニトリル(0.84mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに25℃にて6時間撹拌した(原料:目的物=1:33(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5.0mL)、水(5.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Gly-EtAla-Phe-OH(0.040g、収率109%)を白色固体として得た。
【0351】
合成例113:Fmoc-Gly-EtAla-Phe-OHの合成
【化86】
【0352】
Fmoc-Gly-OH(0.025g、0.084mmol)をテトラヒドロフラン(0.42mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.014mL、0.10mmol)、ピバロイルクロリド(0.011mL、0.092mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-EtAla-Phe-OH(0.027g、0.10mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.049mL、0.20mmol)、アセトニトリル(0.42mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに25℃にて6時間撹拌した(原料:目的物=1:9(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5.0mL)、水(5.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(5.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Gly-EtAla-Phe-OH(0.050g、収率109%)を白色固体として得た。
【0353】
合成例114:Fmoc-Val-cHexmGly-OHの合成
【化87】
【0354】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.098g、0.32mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途N-(シクロヘキシルメチル)グリシン(H-cHexmGly-OH)(0.061g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.18mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに25℃にて15時間撹拌した(原料:目的物=1:32(分析条件3))。得られた反応液を濃縮し、アセトニトリル(6.0mL)で希釈した後、ヘキサン(11mL)を加え洗浄した。アセトニトリル溶液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)、1M塩酸(10mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(12mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-cHexmGly-OH(0.15g、収率104%)を白色固体として得た。
【0355】
合成例115:Fmoc-Val-cHexmGly-OHの合成
【化88】
【0356】
Fmoc-Val-OH(0.030g、0.088mmol)をテトラヒドロフラン(0.44mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.015mL、0.11mmol)、ピバロイルクロリド(0.012mL、0.097mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-cHexmGly-OH(0.018g、0.11mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.052mL、0.21mmol)、アセトニトリル(0.44mL)を混合させ、50℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて15時間撹拌した(原料:目的物=1:3(分析条件3))。得られた反応液を濃縮し、酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5.0mL)、1M塩酸(5.0mL)、水(6.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(6.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-cHexmGly-OH(0.048g、収率109%)を白色固体として得た。
【0357】
合成例116:Fmoc-Val-Tic-OHの合成
【化89】
【0358】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5 mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.045mL、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(H-Tic-OH)(0.063g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて4時間撹拌した(原料:目的物=1:99(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8.0mL)、10質量%クエン酸水溶液(8.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-Tic-OH(0.15g、収率100%)を白色固体として得た。
【0359】
合成例117:Fmoc-Val-Tic-OHの合成
【化90】
【0360】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5 mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、ピバロイルクロリド(0.040mL、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-Tic-OH(0.063g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて4時間撹拌した(原料:目的物=1:32(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8.0mL)、10質量%クエン酸水溶液(8.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-Tic-OH(0.14g、収率97%)を白色固体として得た。
【0361】
合成例118:2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルブロミドの合成
【化91】
【0362】
2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタン酸(3.0g、10.6mmol)と三臭化リン(0.94g、3.48mmol)を混合し、50℃で24時間撹拌した。得られた混合物をヘキサン(30mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。有機層を濃縮後、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルブロミド(3.7g、10.6mmol)を無色液体として得た。
【0363】
合成例119:Fmoc-Val-MeGlu(OtBu)-OHの合成
【化92】
【0364】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルブロミド(0.13g、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGlu(OtBu)-OH(0.077g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、50℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに25℃にて20時間撹拌した(原料:目的物=<1:99(分析条件3))。得られた反応液を濃縮し、アセトニトリル(8.0mL)で希釈した後、ヘキサン(8.0mL)を加え2回洗浄した。アセトニトリル溶液を酢酸エチル(8.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(7.0mL)、1M塩酸(7.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-Val-MeGlu(OtBu)-OH(0.16g、収率98%)を白色固体として得た。
【0365】
合成例120:Fmoc-Val-(Me)βAla-OHの合成
【化93】
【0366】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5 mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.058mL、0.41mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.12g、0.38mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βAla-OH塩酸塩(0.058g、0.41mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.40mL、1.6mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて7時間撹拌した(原料:目的物=1:24(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)を加え25℃で1時間撹拌した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-(Me)βAla-OH(0.125g、収率94%)を白色固体として得た。
【0367】
合成例121:Fmoc-Val-(Me)βAla-OHの合成
【化94】
【0368】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、ピバロイルクロリド(0.040mL、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βAla-OH塩酸塩(0.049g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.35mL、1.4mmol)、アセトニトリル(1.4mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて1時間撹拌した(原料:目的物=1:1(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(3.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)を加え、25℃で1時間撹拌した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-(Me)βAla-OH(0.13g、収率102%)を白色固体として得た。
【0369】
合成例122:Fmoc-Val-MeGABA-OHの合成
【化95】
【0370】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.058mL、0.41mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.12mL、0.38mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGABA-OH塩酸塩(0.063g、0.41mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.38mL、1.5mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに0℃にて7時間攪拌したのちに、10℃にて12時間撹拌した(原料:目的物=1:19(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)を加え25℃で1時間撹拌した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeGABA-OH(0.135g、収率104%)を白色固体として得た。
【0371】
合成例123:Fmoc-Val-MeGABA-OHの合成
【化96】
【0372】
Fmoc-Val-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、ピバロイルクロリド(0.040mL、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGABA-OH塩酸塩(0.054g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.35mL、1.4mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて1時間攪拌したのちに、25℃にて1時間撹拌した(原料:目的物=1:4(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)を加え25℃で1時間撹拌した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeGABA-OH(0.125g、収率97%)を白色固体として得た。
【0373】
合成例124:Fmoc-Val-(Me)βAla-MePhe-OHの合成
【化97】
【0374】
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.12g、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βAla-MePhe-OH(0.093g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、0℃で2時間撹拌した(原料:目的物=1:48(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-(Me)βAla-MePhe-OH(0.18g、収率107%)を白色固体として得た。
【0375】
合成例125:Fmoc-Val-(Me)βAla-MePhe-OHの合成
【化98】
【0376】
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、ピバロイルクロリド(0.040mL、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βAla-MePhe-OH(0.093g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、0℃で2時間撹拌した(原料:目的物=1:24(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-(Me)βAla-MePhe-OH(0.19g、収率109%)を白色固体として得た。
【0377】
合成例126:Fmoc-Val-MeGABA-MePhe-OHの合成
【化99】
【0378】
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.12g、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGABA-MePhe-OH(0.098g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、0℃で2時間撹拌した(原料:目的物=1:16(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeGABA-MePhe-OH(0.18g、収率107%)を白色固体として得た。
【0379】
合成例127:Fmoc-Val-MeGABA-MePhe-OHの合成
【化100】
【0380】
Fmoc-Val-OH(0.100g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、ピバロイルクロリド(0.040mL、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MeGABA-MePhe-OH(0.098g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、0℃で2時間撹拌した(原料:目的物=1:3(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-MeGABA-MePhe-OH(0.19g、収率108%)を白色固体として得た。
【0381】
合成例128:Fmoc-Val-(Me)βhomoTrp(1-Me)-OHの合成
【化101】
【0382】
Fmoc-Val-OH(0.030g、0.11mmol)をテトラヒドロフラン(0.44mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.015mL、0.11mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.035g、0.097mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βhomoTrp(1-Me)-OH塩酸塩(0.030g、0.11mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.10mL、0.42mmol)、アセトニトリル(0.44mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、25℃で15時間撹拌した(原料:目的物=1:24(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-(Me)βhomoTrp(1-Me)-OH(0.056g、収率111%)を白色固体として得た。
【0383】
合成例129:Fmoc-Val-(Me)βhomoTrp(1-Me)-OHの合成
【化102】
【0384】
Fmoc-Val-OH(0.070g、0.21mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.035mL、0.11mmol)、ピバロイルクロリド(0.028mL、0.23mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βhomoTrp(1-Me)-OH塩酸塩(0.070g、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.24mL、0.99mmol)、アセトニトリル(1.0mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、0℃で15時間撹拌した後、更に25℃で4時間撹拌した(原料:目的物=1:8(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)を加え、25℃で1時間撹拌した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-(Me)βhomoTrp(1-Me)-OH(0.090g、収率77%)を白色固体として得た。
【0385】
合成例130:Fmoc-Val-βhomoTrp(1-Me)-OHの合成
【化103】
【0386】
Fmoc-Val-OH(0.050g、0.15mmol)をテトラヒドロフラン(0.74mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.025mL、0.18mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.049g、0.16mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-βhomoTrp(1-Me)-OH塩酸塩(0.048g、0.18mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(0.74mL)を混合させ、50℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、25℃で15時間撹拌した(原料:目的物=1:99(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-βhomoTrp(1-Me)-OH(0.11g、収率130%)を白色固体として得た。
【0387】
合成例131:Fmoc-Val-βhomoTrp(1-Me)-OHの合成
【化104】
【0388】
Fmoc-Val-OH(0.050g、0.15mmol)をテトラヒドロフラン(0.74mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.025mL、0.18mmol)、ピバロイルクロリド(0.020g、0.16mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-βhomoTrp(1-Me)-OH塩酸塩(0.048g、0.18mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(0.74mL)を混合させ、50℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、25℃で15時間撹拌した(原料:目的物=1:19(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-βhomoTrp(1-Me)-OH(0.079g、収率97%)を白色固体として得た。
【0389】
合成例132:Fmoc-Val-(Me)βhomoLeu-OHの合成
【化105】
【0390】
Fmoc-Val-OH(0.030g、0.088mmol)をテトラヒドロフラン(0.44mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.015mL、0.11mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.035g、0.097mmol)を加え2時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βhomoLeu-OH塩酸塩(0.021g、0.11mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.10mL、0.42mmol)、アセトニトリル(0.44mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、さらに25℃にて15時間撹拌した(原料:目的物=1:24(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、ヘキサンと10%イソプロピルエーテル/ヘキサンの混合溶液で洗浄し、Fmoc-Val-(Me)βhomoLeu-OH(0.045g、収率106%)を白色固体として得た。
【0391】
合成例133:Fmoc-Val-(Me)βhomoLeu-OHの合成
【化106】
【0392】
Fmoc-Val-OH(0.070g、0.21mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.035mL、0.25mmol)、ピバロイルクロリド(0.028mL、0.23mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βhomoLeu-OH塩酸塩(0.048g、0.25mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.24mL、0.99mmol)、アセトニトリル(1.0mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して、調製した溶液を加え、0℃にて15時間撹拌した後に、更に25℃にて2時間撹拌した(原料:目的物=1:5(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(4.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0mL)、水(3.0mL)を加えた後、25℃で1時間撹拌した。得られた有機層を10質量%クエン酸水溶液(4mL)、水(3.0mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、ヘキサンで洗浄し、Fmoc-Val-(Me)βhomoLeu-OH(0.095g、収率96%)を白色固体として得た。
【0393】
合成例134:Fmoc-(Me)βAla-MePhe-OHの合成
【化107】
【0394】
Fmoc-(Me)βAla-OH(1.0g、3.1mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.51mL、3.7mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(1.2g、3.4mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.66g、3.7mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.8mL、7.4mmol)、アセトニトリル(15mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて3時間撹拌した(原料:目的物=1:48(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、水(15mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(15mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、Fmoc-(Me)βAla-MePhe-OH(1.3g、収率85%)を白色固体として得た。
【0395】
合成例135:Fmoc-(Me)βAla-MePhe-OHの合成
【化108】
【0396】
Fmoc-(Me)βAla-OH(0.10g、0.31mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.051mL、0.37mmol)、ピバロイルクロリド(0.041mL、0.34mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.066g、0.37mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.18mL、0.74mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて6時間撹拌した(原料:目的物=1:33(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8.0mL)、1M塩酸(8.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、Fmoc-(Me)βAla-MePhe-OH(0.16g、収率107%)を白色固体として得た。
【0397】
合成例136:Fmoc-MeGABA-MePhe-OHの合成
【化109】
【0398】
Fmoc-MeGABA-OH(1.0g、3.0mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.50mL、3.5mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(1.2g、3.2mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.63g、3.5mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.7mL、7.1mmol)、アセトニトリル(15mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて3時間撹拌した(原料:目的物=1:48(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、水(15mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(15mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、Fmoc-MeGABA-MePhe-OH(1.3g、収率88%)を白色固体として得た。
【0399】
合成例137:Fmoc-MeGABA-MePhe-OHの合成
【化110】
【0400】
Fmoc-MeGABA-OH(0.10g、0.30mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.049mL、0.35mmol)、ピバロイルクロリド(0.040mL、0.32mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-MePhe-OH(0.063g、0.35mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.17mL、0.71mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて6時間撹拌した(原料:目的物=1:12(分析条件3))。得られた反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8.0mL)、1M塩酸(8.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。集めた有機層を濃縮後、Fmoc-MeGABA-MePhe-OH(0.15g、収率105%)を白色固体として得た。
【0401】
合成例138:Fmoc-(2SMe)βAla-(Me)βAla-OHの合
【化111】
【0402】
Fmoc-(2SMe)βAla-OH(0.050g、0.15mmol)をテトラヒドロフラン(0.42mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.026mL、0.18mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.051g、0.17mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βAla-OH塩酸塩(0.026g、0.18mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.18mL、0.74mmol)、アセトニトリル(0.84mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて2時間撹拌した(原料:目的物=1:7(分析条件3))。得られた反応液をアセトニトリル(6.0mL)で希釈し、ヘキサン(8.0mL)で洗浄した。得られたアセトニトリル溶液を酢酸エチル(8.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8.0mL)、10%クエン酸水溶液(8.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-(2SMe)βAla-(Me)βAla-OH(0.069g、収率109%)を無色油状物質として得た。
【0403】
合成例139:Fmoc-(2SMe)βAla-(Me)βAla-OHの合成
【化112】
【0404】
Fmoc-(2SMe)βAla-OH(0.050g、0.15mmol)をテトラヒドロフラン(0.42mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.026mL、0.18mmol)、ピバロイルクロリド(0.021mL、0.17mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βAla-OH塩酸塩(0.026g、0.18mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.18mL、0.74mmol)、アセトニトリル(0.84mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに25℃にて2時間撹拌した(原料:目的物=1:3(分析条件3))。得られた反応液をアセトニトリル(6.0mL)で希釈し、ヘキサン(8.0mL)で洗浄した。得られたアセトニトリル溶液を酢酸エチル(8.0mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8.0mL)、10%クエン酸水溶液(8.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-(2SMe)βAla-(Me)βAla-OH(0.070g、収率110%)を無色油状物質として得た。
【0405】
合成例140:Fmoc-GABA-(Me)βAla-OHの合成
【化113】
【0406】
Fmoc-GABA-OH(0.10g、0.31mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.051mL、0.37mmol)、2-(4,4-ジメチルペンタン-2-イル)-5,7,7-トリメチルオクタノイルクロリド(0.12g、0.34mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βAla-OH塩酸塩(0.052g、0.37mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.36mL、1.5mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて15時間撹拌した(原料:目的物=1:99(分析条件3))。得られた反応液をアセトニトリル(6.0mL)で希釈し、ヘキサン(10mL)で洗浄した。得られたアセトニトリル溶液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、1M塩酸(8.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-GABA-(Me)βAla-OH(0.14g、収率108%)を無色油状物質として得た。
【0407】
合成例141:Fmoc-GABA-(Me)βAla-OHの合成
【化114】
【0408】
Fmoc-GABA-OH(0.10g、0.31mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)と混合させ、0℃にてトリエチルアミン(0.051mL、0.37mmol)、ピバロイルクロリド(0.042mL、0.34mmol)を加え1時間撹拌した。この溶液に、別途H-(Me)βAla-OH塩酸塩(0.052g、0.37mmol)、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.36mL、1.5mmol)、アセトニトリル(1.5mL)を混合させ、25℃にて60分間撹拌して調製した溶液を加え、さらに0℃にて15時間撹拌した(原料:目的物=1:49(分析条件3))。得られた反応液をアセトニトリル(8.0mL)で希釈し、ヘキサン(15mL)で洗浄した。得られたアセトニトリル溶液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、1M塩酸(8.0mL)、水(10mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄した。得られた有機層を濃縮後、Fmoc-GABA-(Me)βAla-OH(0.13g、収率104%)を無色油状物質として得た。
【0409】
上記合成例において、合成例118は、実施例で使用した原料の合成に係る参考例である。また合成例98、100、102、104、106、108乃至110、112、114、116、119、120、122、124、126、128、132、134、136、138および140は、本願のペプチドの製造方法に係る発明の実施例であり、合成例97、99、101、103、105、107、111、113、115、117、121、123、125、127、129、133、135、137、139および141はその比較例であり、合成例130および131は参考例である。