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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014233
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】天然色素含有トナー
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/09 20060101AFI20250123BHJP
   C09B 61/00 20060101ALI20250123BHJP
   G03G 9/083 20060101ALI20250123BHJP
   G03G 9/097 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G03G9/09
C09B61/00 Z
G03G9/083 301
G03G9/097 365
G03G9/097 368
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116589
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100214673
【弁理士】
【氏名又は名称】菅谷 英史
(74)【代理人】
【識別番号】100186646
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】東城 僚
(72)【発明者】
【氏名】佐野 厚美
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AA04
2H500AA06
2H500CA29
2H500CA40
2H500CB05
2H500CB06
2H500CB09
2H500CB10
2H500EA42C
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、水への溶出やそれに伴う色落ちの問題も起こりやすいことが知れられているフィコシアニンを色素として用いてなる天然色素含有トナーであって、その色調を長期的に保持可能な天然色素含有トナーを提供することにある。
【解決手段】着色剤(A)、結着樹脂(B)、磁性粉(C)および退色防止剤(D)を含有するカラートナーであって、前記着色剤(A)が、フィコシアニンを含有する非水溶性色素組成物であることを特徴とする、天然色素含有トナー。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)、結着樹脂(B)、磁性粉(C)および退色防止剤(D)を含有する天然色素含有トナーであって、
前記着色剤(A)が、フィコシアニンを含有する非水溶性色素組成物であることを特徴とする、天然色素含有トナー。
【請求項2】
前記着色剤(A)が、金属の水酸化物または酸化物が、フィコシアニンで被覆された非水溶性色素組成物である請求項1に記載の天然色素含有トナー。
【請求項3】
前記金属の水酸化物または酸化物と、フィコシアニンの組成が質量比で、
金属の水酸化物または酸化物:フィコシアニン=99.9:0.1~10:90である請求項2に記載の天然色素含有トナー。
【請求項4】
前記結着樹脂(B)100質量部中、前記着色剤(A)の配合量が、0.5~25質量部である請求項1に記載の天然色素含有トナー。
【請求項5】
前記フィコシアニンが、スピルリナ属の藍藻類由来のフィコシアニンである、請求項1から3のいずれかに記載の非水溶性色素組成物。
【請求項6】
前記フィコシアニンが、リナブルーG1(商品名、DICライフテック社製)である、請求項1から3のいずれかに記載の非水溶性色素組成物。
【請求項7】
前記退色防止剤(D)が、耐熱性老化防止剤、金属酸化物及び/又は金属石鹸から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の天然色素含有トナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィコシアニンを含有する天然色素含有トナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インク、塗料、化粧料等種々の用途に色を付与するために、染料や顔料といった色材は広く使用されている。これらの中でも青色1号、黄色5号などの合成着色料は食品用途にも使用されてきた。
【0003】
近年、その発がん性等の問題から、合成着色料を忌避する傾向が強く、より安全性が高いと思われる天然色素に対しての期待が大きくなっているが、天然色素は様々な環境下でその鮮明な発色を維持することが困難な場合が多い。
【0004】
例えば、青色を呈する天然色素として藻類色素のフィコシアニンがある。フィコシアニンは蛋白質結合色素であり、藍藻類のスピルリナ等から抽出することができることが知られている。フィコシアニンは鮮明な青色を呈する色素であり、サステナブル色素として市場の期待も大きい。しかしながらフィコシアニンは、水溶性であり、化粧品や食用色素に用いた場合、水への溶出やそれに伴う色落ちの問題も起こりやすいことが明らかになっている。
【0005】
水溶性の染料を非水溶性とする方法としては、様々な方法が提供されている。例えば、珪酸アルカリ水溶液を噴霧乾燥し、噴霧して得た粒子中のアルカリを除去するに充分な量の酸を含む水溶液に浸漬してアルカリを除去して粒子をシリカ化することによって内部が中実または空洞の球状シリカ粒子を得ることができるが、この時珪酸アルカリ水溶液に染料を分散させて用いると、使用した染料と同じ色調に着色した染料内包シリカ系粒子が得られることを提供している(例えば、特許文献1参照) 。しかしながら、前記したフィコシアニンは、アルカリ性、酸性といったpHの変化に対してその色調を安定に保つことができないため、このような方法でシリカ粒子に内包させることはできない。
【0006】
また、コロイダルシリカ等の微粒子の表面に反応性官能基を付与し、この反応性官能基を介して蛍光色素を固定化し、さらに表面をシリカ被膜で覆うことによって、色素を固定してなるシリカ粒子を得る方法も提供されている(例えば、特許文献2参照) 。この方法では、固定化する色素の化学構造を一部変化させて新たな結合を形成させるものであることから、色調が維持されない懸念がある。また、この方法でもやはり、アルカリ性や酸性の化合物を併用することから、フィコシアニンの色調安定性の問題が懸念される。
【0007】
さらに、これらの着色粒子物質を製造するには、いずれの技術においても複雑な工程を必要とするため、その製造コストが嵩んでしまうという欠点も有している。
【0008】
なお、天然色素を原料に用いたインクはいくつか開示されているが、具体的な着色剤を特定していない(例えば、特許文献3参照)、あるいは天然色素の退色性を利用して一定の期間が経過した後に消色することを特徴としており(例えば、特許文献4参照)、長期的に色素の鮮明な発色を維持することが念頭に置かれていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013-095797号公報
【特許文献2】特開2008-247713号公報
【特許文献3】特開平08-109346号公報
【特許文献4】特開2013-082922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、フィコシアニンを色素として用いてなる天然色素含有トナーであって、その色調を長期的に保持可能な天然色素含有トナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フィコシアニンを非水溶性とし、かつ、種々の退色防止剤を添加することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1]
【0013】
着色剤(A)、結着樹脂(B)、磁性粉(C)および退色防止剤(D)を含有する天然色素含有トナーであって、
前記着色剤(A)が、フィコシアニンを含有する非水溶性色素組成物であることを特徴とする、天然色素含有トナー。
[2]
【0014】
前記着色剤(A)が、金属の水酸化物または酸化物が、フィコシアニンで被覆された非水溶性色素組成物である請求項1に記載の天然色素含有トナー。
[3]
【0015】
前記金属の水酸化物または酸化物と、フィコシアニンの組成が質量比で、
金属の水酸化物または酸化物:フィコシアニン=99.9:0.1~10:90である請求項2に記載の天然色素含有トナー。
[4]
【0016】
前記結着樹脂(B)100質量部中、前記着色剤(A)の配合量が、0.5~25質量部である請求項1に記載の天然色素含有トナー。
[5]
【0017】
前記フィコシアニンが、スピルリナ属の藍藻類由来のフィコシアニンである、請求項1から3のいずれかに記載の非水溶性色素組成物。
[6]
【0018】
前記フィコシアニンが、リナブルーG1(商品名、DICライフテック社製)である、請求項1から3のいずれかに記載の非水溶性色素組成物。
[7]
【0019】
前記退色防止剤(D)が、耐熱性老化防止剤、金属酸化物及び/又は金属石鹸から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の天然色素含有トナー。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、フィコシアニンを色素として用いてなる天然色素含有トナーであって、その色調を長期的に保持可能な天然色素含有トナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の天然色素含有トナーについて詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の一実施態様としての一例であり、これらの内容に特定されるものではない。
【0022】
(着色剤(A))
本発明で使用する着色剤は、フィコシアニンを含有する。本発明で使用するフィコシアニンは、蛋白質結合色素であり、発色団としてフィコシアノビリンを有する。フィコシアニンは、フィコシアノビリンとタンパクが結合した構造を有する。
【0023】
本発明に係るフィコシアニンとしては、例えば、藍藻類由来のフィコシアニン、紅藻類由来のフィコシアニン、クリプト藻由来のフィコシアニン等の藻類由来のフィコシアニン等が挙げられ、中でも、大量に採取できることから藍藻類由来のフィコシアニンが好ましい。
【0024】
藍藻類としては、例えば、スピルリナ(Spirulina)属、アルスロスピラ(Arthrospira)属、アファニゾメノン(Aphanizomenon)属、フィッシェレラ(Fisherella)属、アナベナ(Anabaena)属、ネンジュモ(Nostoc)属、シネコキスチス(Synechocystis)属、シネココッカス(Synechococcus)属、トリポスリクス(Tolypothrix)属、スイゼンジノリ(Aphanothece)属、マスティゴクラディス(Mastigoclaus)属、プルロカプサ(Pleurocapsa)属等の藍藻類が挙げられる。中でも、工業的規模で生産され、その安全性が確認されているスピルリナ属およびアルスロスピラ属の藍藻類が好ましく、スピルリナ属の藍藻類がより好ましい。
【0025】
また、フィコシアニン調製の原料として、生の藍藻類を使用してもよく、乾燥処理した藍藻類を使用してもよい。藍藻類の乾燥品は、生の藍藻類を常法に従い乾燥品としてもよく、市販の乾燥品を使用することもできる。
【0026】
フィコシアニンは、例えば、藍藻類を水やリン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等の緩衝液中に懸濁し、藍藻類中のフィコシアニンを抽出することにより得ることができる。
【0027】
フィコシアニンを抽出する方法としては、特に制限は無く、一般に知られている方法を用いることができる。
【0028】
抽出方法の好ましい実施態様としては、例えば、特開2006 230272号公報に記載の抽出方法を挙げることができる。具体的には、下記抽出方法(i)で記載する抽出方法が挙げられる。係る抽出方法(i)により、高純度であざやかな色調のフィコシアニンを得ることができる。
【0029】
<抽出方法(i)>
抽出方法(i)は、
藍藻類中のフィコシアニンを水懸濁液中に抽出させた抽出液を得る第一工程と、
該抽出液中でカルシウム塩とリン酸塩とを反応させてリン酸カルシウムを生成させると共に該リン酸カルシウムにフィコシアニンの夾雑物を吸着させ吸着物を得る第二工程と、
該抽出液から藍藻類の残渣及び吸着物を除去する第三工程と、を有する。
【0030】
さらに上記抽出方法(i)が下記抽出方法(ii)であると、より好ましい。
<抽出方法(ii)>
抽出方法(ii)は、
藍藻類中のフィコシアニンを水懸濁液中に抽出させた抽出液を得る第一工程と、
該抽出液中でカルシウム塩とリン酸塩とを反応させてリン酸カルシウムを生成させると共に該リン酸カルシウムにフィコシアニンの夾雑物を吸着させ吸着物を得る第二工程と、
該抽出液から藍藻類の残渣及び吸着物を除去する第三工程と、第三工程より前に、抽出液にキレート剤を含有させる工程と、を有する。
【0031】
本発明で使用するフィコシアニンは、安定化剤と混合した市販品であるリナブルーG1(DICライフテック(株)製、トレハロース55%、フィコシアニン色素40%、クエン酸三ナトリウム5%)から使用した。これらは、特開平11-299450号公報に記載しているように、トレハロースは、熱安定性を上げるため、クエン酸は、pH調整剤としてもちいられている。
【0032】
(非水溶性色素組成物)
本発明の実施形態において、非水溶性色素組成物は、フィコシアニンのみからなるものであってもよく、本発明の効果が得られる範囲で、フィコシアニン以外の成分を含んでいてもよい。なかでも、フィコシアニン以外の成分としては金属または金属化合物が好ましく、金属の水酸化物または酸化物がより好ましく、金属の水酸化物または酸化物がフィコシアニンで被覆されていることがさらに好ましい。
【0033】
本発明で使用する金属または金属化合物中の金属元素としては、元素の周期表1~15族に属するもののうち、第1周期及び第2周期のものを除いたものが挙げられる。中でも鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、チタン等の金属元素の使用が可能であり、それらから選択される1種類以上の金属元素を使用することができる。本発明の実施形態においては、特にアルミニウム、チタン、亜鉛が好ましい。
【0034】
本発明で使用する非水溶性色素組成物が金属または金属化合物とフィコシアニンを含むものである場合、フィコシアニンと金属または金属化合物の物理的吸着をより強固にするために、金属または金属化合物として金属の水酸化物や酸化物が好適に用いられ、特に水酸化アルミニウム、酸化チタン及び酸化亜鉛が好適に用いられる。塩化アルミニウムや4塩化チタン、塩化亜鉛等の塩化物にアルカリを添加し、水酸化アルミニウムや酸化チタン、水酸化亜鉛等のスラリーとしたものを使用したほうが、フィコシアニンとの物理的吸着がより強くなり、好ましい。さらに、物理的吸着をより強固にするために、金属または金属化合物の表面にフィコシアニンが被覆されている状態がより好ましい。被覆の定義として、フィコシアニンが金属表面に一部または均一に存在し覆っている状態を示す。
【0035】
金属または金属化合物の粒子の粒径は、用途によって好適な粒径が異なり、金属または金属化合物の粒子の粒子サイズによって色相も異なる。一例として、食品、化粧品用途では50nm~20μm 、その他用途では50~500nm が好ましい。
【0036】
本発明で使用する非水溶性色素組成物が金属または金属化合物とフィコシアニンを含むものである場合、金属または金属化合物とフィコシアニンの組成の質量比は、任意に設計が可能である。特に、金属または金属化合物として金属の水酸化物や酸化物を用いる場合、金属の水酸化物または酸化物:フィコシアニン=99.9:0.1 ~ 10:90の割合で設定して使用することができる。好ましくは、金属の水酸化物または酸化物:フィコシアニン=99:1~ 30:70である。
【0037】
(非水溶性色素組成物の製造方法)
本発明の非水溶性色素組成物を製造する方法としては、非水溶性色素組成物が金属または金属化合物とフィコシアニンを含むものである場合にあっては、溶媒中で金属または金属化合物の粒子とフィコシアニンを混合する方法が最も均一な非水溶性色素組成物を製造できるため好ましい。
【0038】
溶媒中で各物質を混合する非水溶性色素組成物の製造方法としては、1)まず金属または金属化合物の分散液を作成する。2)一方でフィコシアニンまたは、フィコシアニンを含有する調剤を水に溶解し、水溶液を作成する。3)次に上記2つの液を混合して、非水溶性色素組成物を作製する。4)得られた非水溶性色素組成物を含む混合液を濾過、乾燥する方法が挙げられる。混合する温度は、室温、加熱して混合しても構わない。フィコシアニン単体の分解温度を考慮し、10~60℃で混合するのが好ましく、20~50℃がより好ましい。
【0039】
金属または金属化合物とフィコシアニンを混合する方法としては、金属または金属化合物の水分散液にフィコシアニン含有水溶液を混合しても良いし、その逆にフィコシアニン含有水溶液に金属または金属化合物の水分散液を混合しても良いし、これら2つの液を少量ずつ混合しながら作製しても構わない。また、金属または金属化合物、もしくはフィコシアニンの液に、フィコシアニンもしくは金属または金属化合物の粉末を加えても良いし、金属または金属化合物、フィコシアニンの粉末を混合し水を添加しても良い。混合する温度は、室温、加熱して混合しても構わない。フィコシアニン単体の分解温度を考慮し、10~60℃で混合するのが好ましく、20~50℃がより好ましい。また、金属または金属化合物とフィコシアニン含有水溶液を混合する際のpHの範囲は、3.0~8.0が好ましく、4.0~7.5に調整することがさらに好ましい。
【0040】
pHを調整する際のpH調整剤としては、塩酸、クエン酸、酢酸、乳酸などが挙げられる。pH調整剤を添加したときの混合液のpHの範囲は、混合液中で金属または金属化合物とフィコシアニンを効率的に吸着させ不溶化させる観点から、3.0~5.0が好ましく、3.5~5.0に調整することがさらに好ましい。
【0041】
得られた混合液を濾過、乾燥し、非水溶性色素組成物を得ることができる。混合液をヌッチェ等のろ過器でろ過する際に、ろ液に着色がないことを確認し、色素であるフィコシアニンが金属または金属化合物に吸着していることを確認できる。また、非水溶性色素組成物のウェットケーキをさらに水洗を繰り返すが、同様にろ液は、無色透明であり、色素成分が流出していないことを確認できる。得られた非水溶性色素組成物の水含有ウェットケーキは、室温や加熱、真空、減圧乾燥等により乾燥し、ドライの非水溶性色素組成物を得ることができる。乾燥方法、乾燥機は、通常の方法、装置であればいかなるものでも可能であり、限定されるものではない。
【0042】
天然色素含有トナー中に占める非水溶性色素組成物の使用量は特に限定されないが、結着樹脂(B)100質量部に対し0.5~25質量部の割合で使用することが好ましく、着色剤自身の有する帯電性能を一層顕著ならしめる点から結着樹脂100質量部に対し4~10質量部であることが更に好ましい。
【0043】
(結着樹脂(B))
本発明の天然色素含有トナーに用いられる結着樹脂としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、なかでも、熱又は圧力の適用下で接着性を示す天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴム、合成ワックス等が使用できる。
【0044】
本発明において有用な天然樹脂としては、例えば、バルサム樹脂、ロジン、シェラック、コーバル等が挙げられ、これらの樹脂は後記するビニル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等から選ばれる1種又はそれ以上の樹脂で変性されていてもよい。
【0045】
また、本発明の天然色素含有トナーに用いられる有用な合成樹脂および合成ワックスとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプリピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂又はこれらの樹脂の各モノマー成分からできる共重合体、脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0046】
また、本発明の天然色素含有トナーに用いられる有用な天然又は合成ゴム物質としては、例えば、天然ゴム、塩素化ゴム、環化ゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロヒドリンゴム等が挙げられる。
【0047】
本発明の天然色素含有トナーに用いられる結着樹脂としては、これらに限定されるものではなく、結着樹脂成分の2種以上が適宜混合されたものを使用してもよい。
【0048】
尚、結着樹脂としては、熱定着性を有する結着樹脂が好ましく、ポリスチレン、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びエポキシ系樹脂の使用がより好ましい。
【0049】
(磁性粉(C))
本発明の天然色素含有トナーに用いられる磁性粉としては、特に限定されるものではないが、それ自身の色が再現された色に影響を及ぼしにくいものが好ましく使用でき、例えば、γ-酸化鉄、黄色γ-酸化鉄、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金、ポリ-1,4-ビス(2,2,6,6,-テトラメチル-4-オキシル-4-ピペリジル-1-オキシル)ブタジエンポルフィリン金属錯体の様な有機磁性体及びそれらの混合物等が挙げられる。なかでも色相の面から、黄色γ-酸化鉄の使用がより好ましい。
【0050】
これら磁性粉の粒径は平均粒径0.1~1μmの範囲が好ましく、なかでも帯電安定性及び色相の点から0.1~0.5μmの範囲がより好ましい。また、これらを天然色素含有トナーに含有させる量としては結着樹脂100質量部に対して30~150質量%が好ましく、帯電安定性及び色相の点から結着樹脂100質量部に対して40~120質量%がより好ましい。
【0051】
(退色防止剤(D))
本発明の天然色素含有トナーに用いられる退色防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、耐熱性老化防止剤、金属酸化物および金属石鹸から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。
【0052】
前記耐熱性老化防止剤の具体例としては、例えば、2,5-ジ-t-アミルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテルなどのヒドロキノン誘導体系老化防止剤;p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,4-ジヒドロキシ-4′-メチルジフェニルスルホン、3,4-ジヒドロキシフェニル-p-トリルスルホン、没食子酸n-メチル、没食子酸n-エチル、没食子酸n-プロピル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、レゾルシノール、1-オキシ-3-メチル-4-イソプロピルベンゼン、2,6-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-α-ジメチルアミノ-p-クレゾール、2-(1-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、アルキル化フェノールなどのアルキル化フェノール系およびフェノール誘導体系老化防止剤;1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、4,4′-ブチリデンビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2-チオビス(4′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(混合モノ-およびジ-ノニルフェニル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノトリデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールホスファイトなどの亜リン酸エステル系老化防止剤などが挙げられる。これらの耐熱性老化防止剤は単独でまたは2種以上の混合物として用いられる。これらの耐熱性老化防止剤の中では、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,4-ジヒドロキシ-4′-メチルジフェニルスルホン、3,4-ジヒドロキシフェニル-p-トリルスルホン、没食子酸n-メチル、没食子酸n-エチル、没食子酸n-プロピル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、レゾルシノールなどが、結着樹脂(B)への溶解性に優れているので好ましい。
【0053】
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、MgO,Al2O3,SiO2,Na2O,SiO2・MgO,SiO2,Al2O3,Al2O3・Na2O・CO2,MgO・Al2O3・CO2などが挙げられる。これらの金属酸化物は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。これらの金属酸化物の中では、MgO,MgOとSiO2またはAl2O3との混合物、Na2O,SiO2・MgO,SiO2・Al2O3,Al2O3・Na2O・CO2,MgO・Al2O3・CO2などが、特に退色防止性に優れているので好ましい。
【0054】
前記金属石鹸の具体例としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸鉛などのステアリン酸塩;ラウリン酸カドミウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウムなどのラウリン酸塩;クロロステアリン酸カルシウム、クロロステアリン酸バリウム、クロロステアリン酸カドミウムなどのクロロステアリン酸塩;2-エチルヘキシル酸バリウム、2-エチルヘキシル酸亜鉛、2-エチルヘキシル酸カドミウム、2-エチルヘキシル酸鉛などの2-エチルヘキシル酸塩;リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウムなどのリシノール酸塩;2PbO・Pb(C17H35COO)2などの二塩基性ステアリン酸鉛;サリチル酸鉛、サリチル酸亜鉛、サリチル酸錫、サリチル酸クロムなどのサリチル酸塩;3PbO・Pb(C4H2O4)H2Oなどの三塩基性マレイン酸鉛;2PbO・Pb(C8H4O4)などの二塩基性フタル酸鉛などが挙げられ、これらの金属石鹸は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。これらの金属石鹸の中では、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、リシノール酸バリウム、2-エチルヘキシル酸バリウムなどが、トナーに用いるために好適な融点を有していることなどの観点から好ましい。
【0055】
本発明の非水溶性色素組成物を構成成分として製造される天然色素含有トナーは、トナー中に磁性体を含有する1成分色磁性トナー(磁性一成分現像用カラートナー)、磁性体を含有しない非磁性1成分色カラートナー(非磁性一成分現像用カラートナー)、または、キャリアーを混合した2成分色現像剤用カラートナー(二成分現像用カラートナー)として用いることができる。
【0056】
1成分色磁性トナーは、通常使用されているものと同様に、例えば着色剤、結着樹脂、磁性粉、帯電制御剤や離型剤に代表されるその他添加剤等から構成出来る。
【0057】
前記帯電制御剤は、天然色素含有トナーの帯電量を調整する目的で用いられるものであり、例えば、二グロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリメチルエタン染料、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯体アゾ系染料等が挙げられる。
【0058】
前記離型剤は、天然色素含有トナーの耐高温オフセット性を補強する目的で用いられ、例えば、モンタンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の各種ワックスが挙げられる。
【0059】
本発明の天然色素含有トナーは、フィコシアニンを含有するトナーであることから、鮮やかなブルー又はそれに近い色を呈することができ、人の感性に影響を与えることができる。また、着色剤として合成着色剤のみを使用したトナーと比べると、生物や環境に優しいトナーとなりうる。
【0060】
本発明の天然色素含有トナーの用途は、特定の色の発現に限定されないが、本発明の天然色素含有トナーがフィコシアニンを含有するトナーであって、鮮やかなブルー又はそれに近い色を呈することから、トナーの色として一般的なブラック、シアン、イエロー、及びマゼンダのなかでも、特に、シアン系トナーとしての利用が好ましい。
【実施例0061】
以下、製造例及び配合例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本実施例において「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準である。
【0062】
(製造例1:非水溶性色素組成物)
5Lガラスビーカーに、室温(20℃)で、塩化アルミニウム(III)六水和物(関東化学株式会社製)46.3gをイオン交換水1200mLに溶解し、48%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学株式会社製)47.4gを加え、pHを6.0とし、水酸化アルミニウムのスラリーとした。リナブルーG1(DICライフテック(株)製、トレハロース55%、フィコシアニン色素40%、クエン酸三ナトリウム5%)37.5gをイオン交換水600mLに攪拌して溶解し、室温(20℃)で、上記水酸化アルミニウムのスラリーに、リナブルーG1水溶液を少しずつ加えた。1時間攪拌後、青色スラリーをろ紙上に1滴滴下したところ、滴下部分は円状に青く呈色し、その後同心円状に無色透明の液が広がっていく様子が観察され、フィコシアニンの不溶化を確認した。青色スラリーをヌッチェを用いてろ紙で濾過し、イオン交換水2Lで洗浄した。洗浄液は無色であった。ウェットケーキはきれいな青色であった。ウェットケーキを室温(20℃)下、真空乾燥機(740mmHg)で12時間乾燥後、50℃乾燥機で5時間乾燥し、水酸化アルミニウムがフィコシアニンで被覆された粉体(1)を27.0g得た。粉体(1)の収量から、仕込み量より算出した水酸化アルミニウム分を差し引いて求めた、粉体(1)中のフィコシアニン色素と水酸化アルミニウムの組成比率は、質量比で、フィコシアニン:水酸化アルミニウム=50:50だった。得られた粉体(1)はフィコシアニンと同系の青色を呈した。
【0063】
(製造例2:非水溶性色素組成物)
2Lガラスビーカーに、室温(20℃)下、塩化アルミニウム(III)六水和物(関東化学株式会社製)25.5gをイオン交換水858mLに溶解し、48%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学株式会社製)より調製した5%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを4.0とし、水酸化アルミニウムのスラリーとした。リナブルーG1(DICライフテック(株)製、トレハロース55%、フィコシアニン色素40%、クエン酸三ナトリウム5%)49.7gを粉体で加え、室温(20℃)で30分間攪拌した。続いて、5%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを4.0から7.0に調整すると、水酸化アルミニウムが析出し、青色スラリーが得られた。1時間攪拌後、青色スラリーをろ紙上に1滴滴下したところ、滴下部分は円状に青く呈色し、その後同心円状に無色透明の液が広がっていく様子が観察され、フィコシアニンの不溶化を確認した。青色スラリーをヌッチェを用いてろ紙で濾過し、イオン交換水2Lで洗浄し、青色のウェットケーキを得た。ウェットケーキを室温(20℃)下、真空乾燥機(740mmHg)で12時間乾燥後、50℃乾燥機で5時間乾燥し、水酸化アルミニウムがフィコシアニンで被覆された粉体(2)を28.1g得た。粉体(2)の収量から、仕込み量より算出した水酸化アルミニウム分を差し引いて求めた、粉体(2)中のフィコシアニン色素と水酸化アルミニウムの組成比率は、質量比で、フィコシアニン:水酸化アルミニウム=70:30だった。得られた粉体(2)はフィコシアニンと同系の青色を呈した。
【0064】
(製造例3:非水溶性色素組成物)
500mLガラスビーカーに、室温(20℃)下、リナブルーG1(DICライフテック(株)製、トレハロース55%、フィコシアニン色素40%、クエン酸三ナトリウム5%)1.0gをイオン交換水100mLに溶解し、塩酸(関東化学株式会社製)より調製した3.8%塩酸を加えてpHを4.0とした。この溶液に、超微粒子二酸化チタン(親水性)(株式会社オレンジフラワー社製)1.6gを加え、室温(20℃)で30分間攪拌した。青色スラリーをろ紙上に1滴滴下したところ、滴下部分は円状に青く呈色し、その後同心円状に無色透明の液が広がっていく様子が観察され、フィコシアニンの不溶化を確認した。その後、青色スラリーをヌッチェを用いて濾過し、イオン交換水で洗浄液のpHが中性になるまで洗浄し、青色のウェットケーキを得た。ウェットケーキを室温(20℃)下、真空乾燥機(740mmHg)で12時間乾燥後、50℃乾燥機で5時間乾燥し、水酸化アルミニウムがフィコシアニンで被覆された粉体(3)を1.6g得た。リナブルーG1と酸化チタンの仕込み量より算出した粉体(3)中のフィコシアニン色素と酸化チタンの組成比率は、質量比で、フィコシアニン:酸化チタン=20:80だった。得られた粉体(3)はフィコシアニンと同系の青色を呈した。
【0065】
(製造例4:非水溶性色素組成物)
1Lガラスビーカーに、室温(20℃)下、酸化亜鉛(株式会社オレンジフラワー社製)を1.0g加え、イオン交換水300mLに分散させ、塩酸(関東化学株式会社製)より調製した3.8%塩酸を加えてpHを4.0とした。このとき、酸化亜鉛は塩化亜鉛となり、水に溶解した。続いて、この溶液にリナブルーG1(DICライフテック(株)製、トレハロース55%、フィコシアニン色素40%、クエン酸三ナトリウム5%)を250mg加え、室温(20℃)で30分間攪拌した。次に、この溶液に5%水酸化ナトリウム水溶液を加え、溶液のpHを7.0とした。このとき、塩化亜鉛は水酸化亜鉛となり析出し、フィコシアニンが染めくことで青色スラリーとなった。青色スラリーをろ紙上に1滴滴下したところ、滴下部分は円状に青く呈色し、その後同心円状に無色透明の液が広がっていく様子が観察され、フィコシアニンの不溶化を確認した。その後、青色スラリーをヌッチェを用いて濾過し、イオン交換水で洗浄液のpHが中性になるまで洗浄し、青色のウェットケーキを得た。ウェットケーキを室温(20℃)下、真空乾燥機(740mmHg)で12時間乾燥後、140℃乾燥機で5時間乾燥することで水酸化亜鉛を酸化亜鉛とし、酸化亜鉛がフィコシアニンで被覆された粉体(4)を1.0g得た。リナブルーG1と酸化亜鉛の仕込み量より算出した粉体(4)中のフィコシアニン色素と酸化亜鉛の組成比率は、質量比で、フィコシアニン:酸化亜鉛=9:91だった。得られた粉体(4)はフィコシアニンと同系の青色を呈した。
【0066】
(比較製造例1)
特開平11-299450の製造方法で作製されたリナブルーG1を使用した。リナブルーG1を10mg、水1.00gに添加し、5分間攪拌し、分散液(1)を作製した。分散液(1) をろ紙上に1滴滴下したところ、滴下部分を中心に同心円状に青色の液が均一に広がっていく様子が観察された。これは分散液(1)において、リナブルーG1が水に溶解していることを示しており、リナブルーG1は水に可溶であった。
【0067】
製造例1~4、比較製造例1で明らかなように、フィコシアニンは水溶性であるが、フィコシアニンと水酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化亜鉛を含有する色素組成物は非水溶性であった。
【0068】
(配合例1:天然色素含有トナー)
製造例1で製造した非水溶性色素組成物 5.0部
スチレン-アクリル酸共重合体 100.0部
(ハイマーSBM100、三洋化成工業株式会社製)
黄色γ-酸化鉄 40.0部
(MAPICOY-LOP、チタン工業株式会社製)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 0.1部
【0069】
(配合例2:天然色素含有トナー)
製造例1で製造した非水溶性色素組成物 5.0部
スチレン-アクリル酸共重合体 100.0部
(ハイマーSBM100、三洋化成工業株式会社製)
黄色γ-酸化鉄 40.0部
(MAPICOY-LOP、チタン工業株式会社製)
3,4-ジヒドロキシフェニル-p-トリルスルホン 0.1部
【0070】
(配合例3:天然色素含有トナー)
製造例1で製造した非水溶性色素組成物 5.0部
スチレン-アクリル酸共重合体 100.0部
(ハイマーSBM100、三洋化成工業株式会社製)
黄色γ-酸化鉄 40.0部
(MAPICOY-LOP、チタン工業株式会社製)
ステアリン酸亜鉛 0.1部
【0071】
上記配合例1から3いずれかの成分を押出機で混練後、ジェットミルで粉砕分級して平均粒径10μmのトナーを得、これに疎水性シリカ(アエロジルR-972、日本アエロジル社製)を1.0%混合し天然色素含有トナーとすることができる。